(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】制動補助装置
(51)【国際特許分類】
B60T 13/40 20060101AFI20241008BHJP
B60L 7/24 20060101ALI20241008BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241008BHJP
B60L 50/75 20190101ALI20241008BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20241008BHJP
B60L 58/40 20190101ALI20241008BHJP
B60T 8/17 20060101ALI20241008BHJP
B60T 13/138 20060101ALI20241008BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20241008BHJP
B60T 15/08 20060101ALI20241008BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20241008BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20241008BHJP
【FI】
B60T13/40 Z
B60L7/24 D
B60L50/60
B60L50/75
B60L58/12
B60L58/40
B60T8/17 C
B60T8/17 Z
B60T13/138 A
B60T13/74 D
B60T15/08
H01M8/00 Z
H01M8/04 Z
(21)【出願番号】P 2022046613
(22)【出願日】2022-03-23
【審査請求日】2024-02-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183689
【氏名又は名称】諏訪 華子
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】竹井 力
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-339862(JP,A)
【文献】特開2007-122926(JP,A)
【文献】特開2001-341545(JP,A)
【文献】特開2022-041381(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2010-0045573(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第110422154(CN,A)
【文献】中国実用新案第208078095(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/00-13/74
B60T 8/17
B60T 15/00-15/60
B60L 7/24
B60L 50/60
B60L 50/75
B60L 58/12
B60L 58/40
H01M 8/00- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスが貯留された高圧燃料タンクと、燃料電池と、前記高圧燃料タンク及び前記燃料電池を接続する燃料ガス供給管とを有する燃料電池システムを搭載した燃料電池車両に装備され、制動操作力が入力されると移動する入力部材を備えたシリンダ内の液圧を上昇させることにより車輪に制動力を付与する液圧式制動装置の前記液圧の上昇を補助する制動補助装置であって、
前記燃料ガス供給管から分岐した分岐流路と、
前記分岐流路の先端部に接続され、前記燃料ガスの流入に応じて前記液圧を上昇させる圧力室と、
前記制動操作力が入力されると前記分岐流路と前記圧力室とを連通状態とし、前記制動操作力が解除されると前記分岐流路と前記圧力室とを遮断状態とする連動弁と、
前記分岐流路の前記燃料ガス供給管からの分岐部分に装備され、前記分岐流路から前記圧力室に流入する前記燃料ガスの圧力を予め設定された圧力に減圧する減圧弁と、を備えた
ことを特徴とする、制動補助装置。
【請求項2】
制御信号に応じて前記分岐流路を開閉する開閉弁と、
予め設定された所定の作動条件が成立すると前記開閉弁を開放し、前記作動条件が成立しないと前記開閉弁を閉鎖する制御部と、を備えている
ことを特徴とする、請求項1に記載の制動補助装置。
【請求項3】
前記開閉弁は、前記減圧弁に組み込まれている
ことを特徴とする、請求項2に記載の制動補助装置。
【請求項4】
前記燃料電池車両は、駆動モータと、前記燃料電池による発電電力及び前記駆動モータの回生制動による発電電力で充電されるバッテリと、を備え、
前記作動条件には、前記バッテリの充電率が満充電に近い回生制動不可領域にあることが含まれる
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の制動補助装置。
【請求項5】
前記液圧式制動装置は、前記制動操作力が解除されると前記入力部材を元の位置に戻すリターンスプリングを備え、
前記圧力室は、前記入力部材と連動し、前記制動操作力が前記入力部材に入力されると前記燃料ガスが前記圧力室に流入し前記燃料ガスの圧力を受けて前記圧力室を拡張する側に移動して前記入力部材の動きを補助する受圧部材を備え、
前記制動操作力Fbと、前記リターンスプリングのバネ力Fsと、前記圧力室内の前記燃料ガスの圧力Pg1と、前記受圧部材の受圧面積Sとの関係は、前記制動操作力が入力されたときは以下の式(1)のように設定され、前記制動操作力が解除されたときは以下の式(2)のように設定され、
前記圧力室内の前記圧力Pg1と、前記燃料ガス供給管の前記減圧弁よりも下流側の前記燃料ガスの圧力Pg2との関係は以下の式(3)のように設定される
ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の制動補助装置。
Fb+Pg1×S>Fs・・・(1)
Pg1×S<Fs ・・・(2)
Pg1>Pg2 ・・・(3)
【請求項6】
前記液圧式制動装置は、前記制動操作力を電動アクチュエータによって加える電動式制動装置である
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の制動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車両の制動を補助する制動補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
駆動用モータを備えた電動車両(ハイブリッド車両を含む)では、制動時に駆動用モータを発電負荷として用いた回生制動によりサービスブレーキによる制動を補助する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ブレーキペダルやアクセルペダルの操作等に応じて電動モータを制御し、この電動モータによりブレーキ液圧を発生させて液圧式ブレーキを作動させる、バイワイヤ式の電動ブレーキに関する技術も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、燃料電池を搭載した車両において、油圧ブレーキによる制動力と回生ブレーキによる制動力とを協調させた協調制動力制御に関する技術も開発されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-233051号公報
【文献】特開2015-044514号公報
【文献】特開2016-096668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記回生制動や上記電動ブレーキや上記協調制動力制御など、車両の制動技術に関し、制動に係るコスト低減や制動フィーリングの向上など、制動に関連した性能の更なる向上が望まれている。特に、例えば特許文献3のように燃料電池を搭載した車両の場合、燃料電池に特有の設備を生かして制動関連性能を向上させ得る余地がある。
【0005】
本件は、上記のような課題を解決するために創案されたものであり、燃料電池に特有の設備を生かして制動関連性能を向上させることができる、制動補助装置を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の制動補助装置は、以下に開示する態様又は適用例として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。
開示の制動補助装置は、燃料ガスが貯留された高圧燃料タンクと、燃料電池と、前記高圧燃料タンクと前記燃料電池とを接続する燃料ガス供給管とを有する燃料電池システムを搭載した燃料電池車両に装備され、制動操作力が入力されると移動する入力部材を備えたシリンダ内の液圧を上昇させることにより車輪に制動力を付与する液圧式制動装置の前記液圧の上昇を補助する制動補助装置であって、前記燃料ガス供給管から分岐した分岐流路と、前記分岐流路の先端部に接続され、前記燃料ガスの流入に応じて前記液圧を上昇させる圧力室と、前記制動操作力が入力されると前記分岐流路と前記圧力室とを連通状態とし、前記制動操作力が解除されると前記分岐流路と前記圧力室とを遮断状態とする連動弁と、前記分岐流路の前記燃料ガス供給管からの分岐部分に装備され、前記分岐流路から前記圧力室に流入する前記燃料ガスの圧力を予め設定された圧力に減圧する減圧弁と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
開示の制動補助装置によれば、シリンダの入力部材に制動操作力が入力されると分岐通路が連通状態となるので、高圧燃料タンク内の高圧な燃料ガスが減圧弁で所定圧力に減圧されたのち、分岐通路を経て圧力室内に流入して、燃料ガスの流入に応じてシリンダ内の液圧を上昇させる。このシリンダ内の液圧上昇により制動力が増大することになり、高圧燃料タンク内の燃料ガスを利用して制動力が補助される。このため、例えば、ブレーキペダルを踏み込んで入力部材を操作するドライバの負担を軽減し制動フィーリングを向上させる効果や、入力部材を操作するアクチュエータの負担を軽減しアクチュエータの作動コストを軽減させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る燃料電池システム、液圧式制動装置及び制動補助装置を示す構成図である。
【
図2】実施形態に係る制動補助装置の制御を説明するフローチャート例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、実施形態としての制動補助装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。各実施形態の構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0010】
[1.構成]
本件の制動補助装置は、燃料電池システムを搭載した燃料電池車両に装備されるもので、液圧式制動装置の液圧の上昇を補助する装置である。
そこで、まず、燃料電池車両及び燃料電池システムの構成を説明し、次に、液圧式制動装置の構成を説明し、その後、制動補助装置の構成を説明する。
【0011】
[1-1.燃料電池車両及び燃料電池システム]
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池車両1(以下「車両1」という))は、燃料電池システム2に装備された燃料電池20で発電された電力を二次電池11(以下「バッテリ11」という)に充電し、バッテリ11の電力で駆動モータ12を駆動する、いわゆるレンジエクステンダー電動車両である。バッテリ11は、充放電可能な電池であり、特に限定はないが、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
【0012】
燃料電池20は、燃料ガスとして水素が供給され、酸化ガスとして空気が供給され、酸素と水素の電気化学反応によって発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池20の具体的な構成は特に限定はないが、ここでは、複数のセルがセパレータを介して複数積層されたスタック構造を有する。
【0013】
各セルは、アノード電極2A(水素極)、カソード電極2B(酸素極)、及び、これらの間に配置された電解質膜(本実施形態では、一例として固体高分子電解質膜)を備えている。アノード電極2Aは、電解質膜に接触する電極触媒層と、電極触媒層の電解質膜とは反対側に設けられるガス拡散層とからなる。同様に、カソード電極2Bも、電極触媒層とガス拡散層とからなる。
図1では、アノード電極2A及びカソード電極2Bを模式的に示している。なお、アノード電極2A及びカソード電極2Bの具体的な構成については省略する。
【0014】
このようなセルを有する燃料電池20には、詳細は図示しないが、アノード電極2Aのガス拡散層やこれに連通する流路からなるアノード流路(燃料ガス流路)、及び、カソード電極2Bのガス拡散層やこれに連通する流路からなるカソード流路(酸化ガス流路)が設けられる。
【0015】
燃料電池システム2は、燃料電池20のアノード電極2A側のアノード流路の上下流に連通接続された燃料ガス流通系統3と、燃料電池20のカソード電極2B側のカソード流路の上下流に連通接続された酸化ガス流通系統4とを備えている。燃料ガス流通系統3は、上流から順に、燃料ガス(水素ガス)が貯留された高圧燃料タンク30(以下「燃料タンク30」という)と、燃料ガス供給管31と、アノード電極20側のアノード流路(図示略)と、燃料ガス排出管35とが連通接続される。
【0016】
燃料ガス供給管31は、燃料タンク30とアノード流路とを繋ぐ流路である。燃料タンク30内の燃料ガスは、燃料ガス供給管31を通じてアノード流路に供給される。燃料ガス供給管31には、上流から順に、元弁32、後述する油圧補助減圧弁74及びFC稼働減圧弁33が介装される。元弁32は、燃料タンク30の開口部を開閉する弁であり、FC稼働減圧弁33は、燃料タンク30から供給された燃料ガスを所定圧力まで減圧させ、一定圧力にするための弁である。燃料ガス供給管31のFC稼働減圧弁33の下流部分には、燃料再循環流路37の下流端が連通接続される。燃料再循環流路37には、再循環ポンプ38が介装されている。
【0017】
燃料ガス排出管35は、アノード流路内から排出される燃料ガスが流通する流路である。燃料ガス排出管35には、アノード背圧弁(図示略)が装備され、開度調整により燃料電池20のアノード電極2Aに供給される燃料ガスの圧力を調節することが可能となっている。
燃料ガス排出管35には、アノード流路内で電気化学反応によって生成された水と電気化学反応しなかった燃料ガス(水素ガス)とが排出される。この水を含んだ燃料ガスは、気液分離装置において水と分離されて、燃料再循環流路37を経由して、再循環ポンプ38により所定圧力に昇圧されて燃料ガス供給管31に送られる。
【0018】
酸化ガス流通系統4は、上流から順に、空気圧縮機40と、酸化ガス供給管41と、カソード電極2B側のカソード流路(図示略)と、酸化ガス排出管45とが連通接続される。空気圧縮機40は、外気を取り込み所定圧力に昇圧する装置である。酸化ガス供給管41は、空気圧縮機40とカソード流路とを繋ぐ流路である。酸化ガス供給管41には、加湿器43が設けられる。図示しない加湿ガス導入弁によって、空気圧縮機40で所定圧力に昇圧された外気(空気)を、加湿器43に通過させるルートと、加湿器43に通過させずに(加湿器43を迂回して)バイパス路(図示略)に通過させるルートとに切り替えることができる。
【0019】
酸化ガス排出管45は、燃料電池20のカソード側から排出された排ガスの流路である。当該排ガスは、車両1の外部へ放出される。酸化ガス排出管45には、カソード背圧弁(図示略)が装備され、開度調整により、燃料電池20のカソード電極2Bに供給される酸化ガスの圧力を調節することが可能となっている。なお、本実施形態では、空気圧縮機40で所定圧力に昇圧された外気を導入して燃料電池20に酸化ガスとして供給しているが、外気を直接導入するルートと、空気圧縮機40を経て外気を導入するルートとを設け、これらを切り替えて燃料電池20に酸化ガスを供給する構成としてもよい。
【0020】
このような燃料電池20は、DC/DCコンバータ14に接続される。燃料電池20で発電された直流電力は、DC/DCコンバータ14により所定電圧にされる。DC/DCコンバータ14はバッテリ11及びインバータ13に接続されており、DC/DCコンバータ14で所定電圧にされた直流電力は、バッテリ11に充電可能になっている。また、DC/DCコンバータ14で所定電圧にされた直流電力は、インバータ13により交流電力に変換されて駆動モータ12に供給される。
【0021】
駆動モータ12は、インバータ13により変換された交流電力によって、駆動輪15Aを駆動するためのプラス側の駆動力(トルク)を発生する。また、駆動モータ12は、車両1の回生制動時等の減速時には発電機として作動し、マイナス側の回生力(トルク)を発生する。この回生電力は、インバータ13により直流電力に変換され、バッテリ11に充電される。なお、
図1では、左右の駆動輪15Aのうち一方のみを示すが、駆動モータ12の回転トルクは、分配ギア(デファレンシャル)16で左右の駆動輪15Aに配分される。
【0022】
これらの燃料電池20、バッテリ11及び駆動モータ12の充放電や駆動についての制御は、ECU60(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)により行われているが、公知の技術であるので詳細な説明は省略する。ECU60は、図示しないプロセッサ(中央処理装置),主記憶装置(メインメモリやストレージ等),インタフェース装置などを備えるマイクロコンピュータによって構成される。ECU60は、各種センサから検知信号を得ることが可能となっている。
【0023】
また、車両1には、車速Vを検出する車速センサ62と、充電率SOCを取得するための検出手段63(例えば電圧センサや電流センサ)と、燃料タンク30内の燃料ガスの圧力Pgt(以下「タンク圧Pgt」という)を検出する圧力センサ64とが設けられる。さらに、車両1には、アクセルペダル(図示略)の踏み込み操作を検出する図示しないアクセルセンサ(例えばアクセルスイッチやアクセル開度センサ)と、ブレーキペダル51の踏み込みを検出する図示しないブレーキセンサ(例えばブレーキスイッチやブレーキ開度センサ)とを備える。なお、充電率は、検出手段63で検出された情報に基づきECU60で演算(推定)されてよい。
【0024】
[1-2.液圧式制動装置]
本実施形態に係る油圧式制動装置50(液圧式制動装置)は、
図1に示すように、ブレーキペダル51と、マスターシリンダ52(シリンダ)と、プッシュロッド53(入力部材)と、リターンスプリング54と、油圧回路55と、ディスクブレーキ装置56(各輪制動装置)と、を備えている。マスターシリンダ52は、プッシュロッド53に入力される制動操作力に応じて制動用の油圧(液圧)を発生する。リターンスプリング54は、プッシュロッド53を制動前の初期位置に戻す。ディスクブレーキ装置56は、各車輪15(駆動輪15A及び図示しない従動輪)に設けられて、マスターシリンダ52で発生した油圧を、油圧回路55を経て制動用油室(図示略)に供給されて作動し各車輪15に摩擦制動力を付与する。
【0025】
したがって、油圧式制動装置50では、ブレーキペダル51が踏み込まれるとリターンスプリング54に抗してプッシュロッド53が移動して、マスターシリンダ52で制動用の油圧が発生し、この油圧が油圧回路55を通じて各車輪15のディスクブレーキ装置56の制動用油室に供給されて、ディスクブレーキ装置56が作動する。
一方、ブレーキペダル51の踏み込みが解除されると、即ち、制動操作力の入力が解除されると、リターンスプリング54の付勢力によって、プッシュロッド53が制動前の初期位置に戻される。
【0026】
また、本油圧式制動装置50には、後述する制御部61の制御によって作動する制動用の電動モータ57(電動アクチュエータ)が付設されている。この電動モータ57は、プッシュロッド53を移動させるものである。電動モータ57は、ブレーキペダル51が踏み込まれない場合にも制御部61の制御によって作動してプッシュロッド53を移動させることができる。
【0027】
[1-3.制動補助装置]
本実施形態に係る制動補助装置70は、燃料ガス供給管31から分岐した分岐流路71と、この分岐流路71の先端部に接続された圧力室72と、制動操作力の入力に連動して作動する連動弁73と、分岐流路71の燃料ガス供給管31からの分岐部分71aに装備された油圧補助減圧弁74とを備えている。また、本制動補助装置70は、弁73,74の開閉状態を制御する制御部61をさらに備える。
【0028】
圧力室72は、軸方向の一端が開口したシリンダ状に形成され、内部に受圧部材75を装備する。受圧部材75は、圧力室72の内圧を受ける部材であり、例えばピストンやダイヤフラムを適用できる。受圧部材75は、プッシュロッド53と連動するもので、ここでは、受圧部材75にプッシュロッド53が貫通状態で固定されている。受圧部材75は、圧力室72内を軸方向に可動に装備されるが、受圧部材75の外周部は圧力室72の内壁に対して気密に接触している。なお、気密性を考慮すると、受圧部材75にはダイヤフラムが好ましい。
【0029】
また、圧力室72を、真空倍力装置の空気室に対応させ、受圧部材75を境として圧力室72の反対側に位置する空間(
図1中、受圧部材75の下方の大気圧が作用する空間)を、真空倍力装置の真空室に対応させることができる。本実施形態の車両1をはじめとした、エンジンを備えない電動車両の場合、負圧を発生させるには、真空ポンプが必要になるが、制動補助装置70は、大気圧よりも大幅に高圧な燃料ガスを利用することで、負圧を発生させることなく、真空倍力装置に近い作用が得られるようになっている。
【0030】
上記のリターンスプリング54は、受圧部材75を圧力室72の他端側に常時押圧しており、受圧部材75を介してプッシュロッド53を初期位置側に付勢している。また、リターンスプリング54によりプッシュロッド53が初期位置に戻されると、受圧部材75も圧力室72内の容積を最小とする初期位置に戻される。
【0031】
連動弁73は、例えば、ブレーキペダル51による制動操作力や、制御部61の指令に応じた電動モータ57による制動操作力が入力されると作動する。連動弁73は、プッシュロッド53及び受圧部材75が初期位置に来ると閉鎖し、プッシュロッド53及び受圧部材75がこの初期位置から圧力室72を拡張する側に移動を開始すると開放する、機械的な弁として構成される。これにより、連動弁73は、制動操作力が入力されてプッシュロッド53が初期位置から移動すると、分岐流路71と圧力室72とを連通状態とする。また、連動弁73は、制動操作力が解除されてプッシュロッド53が初期位置に戻ると、分岐流路71と圧力室72とを遮断状態とする。
【0032】
油圧補助減圧弁74は、
図1中に破線矢印で示すように、分岐流路71から圧力室72に流入する燃料ガスの圧力を、予め設定された圧力に減圧する減圧弁である。本実施形態の油圧補助減圧弁74には、制御信号に応じて分岐流路71を開閉する開閉弁としての機能も組み込まれている。以下の説明では、油圧補助減圧弁74が開閉弁として機能する場合には「開閉弁74」と表記する。
【0033】
制御部61は、予め設定された所定の作動条件が成立すると開閉弁74を開放し、作動条件が成立しないと開閉弁74を閉鎖する。この作動条件については後述する。なお、本実施形態の制御部61は、ECU60で実行されるプログラムの一部の機能(ECU60内の機能要素)として設けられ、例えばソフトウェアで実現されるものとする。ただし、制御部61をECU60とは別のハードウェア(電子回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
【0034】
ここで、油圧補助減圧弁74を開放する制御条件を説明する。
本実施形態では、バッテリ11の充電率(SOC)が満充電に近い回生制動不可領域にあることを制御条件に含んでいる。回生制動不可領域とは、充電率が、例えば満充電に近い閾値SOC1以上であり、回生発電した電力をバッテリ11に充電できないことから回生制動ができない領域である。つまり、充電率が回生制動不可領域にあると、回生制動ができなくなり、この回生制動ができなくなる分だけ、ブレーキペダル51を踏み込むドライバの負担が増えることになる。この場合、単に負担が増えるだけでなく、制動フィーリングが悪化することにもなるので好ましくない。このような状況を回避すべく、本実施形態では、上記の制御条件を設定している。
【0035】
また、タンク圧Pgtが基準値Pgt0未満の場合、燃料ガスを用いた制動補助装置70が利用できないので、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であることも、制御条件に含んでいる。なお、回生制動は、車速Vが基準車速V1以下であること(条件1)、及び、アクセルペダルの踏み込みが解除されていること(条件2)を前提条件として実施される。
【0036】
つまり、本実施形態の車両1では、上記の条件1,2と、下記の条件3,4とがすべて成立する場合に、後述する制動補助が実施される。
充電率が回生制動不可領域にあること(条件3)
タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であること(条件4)
また、開閉弁74が開放される際には、油圧補助減圧弁74は燃料ガスを所定の圧力に減圧調整し、圧力室72内の燃料ガスの圧力がこの減圧調整された状態となる。
【0037】
ここで、ブレーキペダル51で加えられる制動操作力をFb、リターンスプリング54のバネ力をFs(=k・x、ただし、k:バネ乗数,x:バネの収縮量)、圧力室72内の燃料ガスの圧力をPg1(以下「圧力室圧Pg1」という)、受圧部材75の受圧面積をSとする。これらの関係は、制動操作力Fbが入力されたときは以下の式(1)のように設定され、制動操作力Fbが解除されたときは以下の式(2)のように設定される。
Fb+Pg1×S>Fs・・・(1)
Pg1×S<Fs ・・・(2)
【0038】
また、燃料ガス供給管31のFC稼働減圧弁33よりも下流側の燃料ガスの圧力をPg2(以下「下流圧Pg2」という)とすると、上記の圧力室圧Pg1と下流圧Pg2との関係は、以下の式(3)のように設定される。
Pg1>Pg2 ・・・(3)
【0039】
式(1)のように設定されることで、制動操作力Fbが入力されると、プッシュロッド53及び受圧部材75が初期位置から圧力室72を拡張する側に移動し、圧力室72内に燃料ガスが流入しつつマスターシリンダ52で制動用の油圧を発生させる。
このときの圧力室圧Pg1が高いほど制動操作力Fbを小さくでき、ドライバの負担を軽減できる。ただし、本実施形態では、燃料ガスの圧力による制動の補助を回生制動に代わるものとして行っているので、回生制動で得られる制動力に近い制動補助力が得られるように、圧力室圧Pg1を設定することが好ましい。
【0040】
また、式(2)のように設定されることで、制動操作力Fbが解除されると、リターンスプリング54の付勢力により、プッシュロッド53及び受圧部材75が初期位置に移動し、
図1中に一点鎖線の矢印で示すように、圧力室72内の燃料ガスが排出されつつマスターシリンダ52で発生した制動用の油圧が排除される。ただし、このとき、式(3)のように、圧力室圧Pg1の方が、下流圧Pg2よりも高く設定されることが必要であり、この設定により、圧力室72内の燃料ガスは、分岐流路71を経て、燃料ガス供給管31の油圧補助減圧弁74よりも下流側に送られることになって、分岐部分71aの下流にある燃料電池20の発電に用いることができる。
【0041】
ここで、本実施形態に係る制動補助装置70による制動補助について説明する。
制御部61は、上記の車速センサ62、検出手段63、圧力センサ64、アクセルセンサ、及び、ブレーキセンサからの情報に基づいて、上記の四つの条件が成立するか否かを判定し、条件1~4が何れも成立すれば、制動補助装置70による制動補助を行う。また、制御部61は、条件1~3が成立しても、条件4が成立しない場合には、電動モータ57による制動補助を行う。
【0042】
なお、制動補助とは、車両1の車速Vが基準車速V1以下のときに、ドライバがブレーキペダル51を踏んで制動操作を行った場合(ブレーキオン)の制動補助と、ドライバがアクセルペダルの踏み込みを解除したが制動操作は行っていない場合(アクセルオフ)の制動補助とに分けることができる。
【0043】
上記のように、本実施形態の制動補助は、回生制動が行えない時に回生制動の代わりに行うものである。ブレーキオン時の回生制動は、ドライバの制動操作に応じた油圧式制動装置50による制動を補助するように行われる。したがって、ブレーキオン時の制動補助装置70による制動補助は、回生制動による制動補助と同程度に制動を補助するように行われる。ただし、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上ないと制動補助装置70による制動補助に支障をきたす。そこで、この場合には、電動モータ57によって制動補助を行う。
【0044】
また、本実施形態の車両1はエンジンを備えないので、アクセルオフ時(ブレーキもオフ)の回生制動は、エンジンで駆動する車両におけるエンジンブレーキ相当の制動力が発生するように行われる。また、回生制動が行えない時には、電動モータ57を用いてエンジンブレーキ相当の制動力を発生させる。このとき、制動補助装置70は、電動モータ57を補助するように制動補助を行う。ただし、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上ないときには、電動モータ57によって制動補助を行う。したがって、アクセルオフ時の制動補助装置70のみによってエンジンブレーキ相当の制動力を発生させる。
【0045】
[1-4.フローチャート]
図2は、上記の制動補助を説明するフローチャート例であり、所定の制御周期で繰り返し実施されるものとする。
図2に示すように、制御部61は、上記の各種センサ等(車速センサ62や検出手段63など)から、車速V、充電率SOC、タンク圧Pgt、アクセル操作状態、及びブレーキ操作状態の各情報を判定情報として取得する(ステップS1)。
【0046】
制御部61は、まず、車速Vが基準車速V1以下であるか否かを判定する(ステップS2,条件1)。車速Vが基準車速V1以下でなければリターンし、車速Vが基準車速V1以下であれば、アクセルオフであるか否かを判定する(ステップS3,条件2)。アクセルオフでなければリターンし、アクセルオフであれば、ブレーキオンであるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、ブレーキオンでなければ、ステップS10以降に進んで、エンジンブレーキ相当の制動力を発生させる制御を実施する。これについては後述する。
【0047】
ブレーキオンであれば、ステップS5以降に進んで、ドライバの制動操作を補助するように制動力を発生させる制御を実施する。制御部61は、まず、充電率SOCが閾値SOC1以上の回生制動不可領域にあるか否かを判定する(ステップS5,条件3)。充電率SOCが回生制動不可領域になければ回生制動は可能であり、ドライバの制動操作に応じた油圧式制動装置50による制動を補助するように回生制動を行う(ステップS9)。つまり、回生制動と油圧式制動装置50による制動とを協調制動することで、制動を行う。これにより、運動エネルギの一部を電気エネルギとして回収することができる。この場合の回生制動では、開閉弁74及び連動弁73を閉鎖し、制動補助装置70が作動しないようにする。
【0048】
ステップS5において、充電率SOCが回生制動不可領域にあれば、回生制動は不可であり、続いて、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であるか否かを判定する(ステップS6,条件4)。タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であれば、制動補助装置70による制動補助を実施し、回生制動による制動補助と同程度に制動を補助する(ステップS7)。
【0049】
一方、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上でなければ、制動補助装置70による制動補助は適切に行えないので、この場合には、電動モータ57によって、回生制動による制動補助と同程度に制動を補助する(ステップS8)。この場合も、ステップS9の回生制動と同様、開閉弁74及び連動弁73を閉鎖して制動補助装置70が作動しないようにする。
【0050】
アクセルオフであるがブレーキオンでない場合は、ステップS4からステップS10に進んで、充電率SOCが閾値SOC1以上の回生制動不可領域にあるか否かを判定する。充電率SOCが回生制動不可領域になければ回生制動は可能であるため、ステップS10からステップS14に進み、エンジンブレーキ相当の制動力が発生するように回生制動を行う。これにより、運動エネルギの一部を電気エネルギとして回収することができる。つまり、回生制動と電動モータ57を用いた油圧式制動装置50による制動とを協調制動することで、制動を行う。この場合も、ステップS9の回生制動と同様、開閉弁74及び連動弁73を閉鎖して制動補助装置70が作動しないようにする。
【0051】
ステップS10において、充電率SOCが閾値SOC1以上の回生制動不可領域にある場合は、回生制動は不可であり、次いで、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であるか否かを判定する(ステップS11)。タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上であれば、電動モータ57を作動させつつ、制動補助装置70による制動補助を実施し、エンジンブレーキ相当の制動力を発生させる(ステップS12)。これにより、制動補助装置70によって電動モータ57が補助されるため、電動モータ57の作動コスト(消費電力)が抑制される。
【0052】
一方、ステップS11において、タンク圧Pgtが基準値Pgt0以上なければ、制動補助装置70による制動補助は適切に行えないので、この場合には、電動モータ57のみによって、エンジンブレーキ相当の制動力を発生させる(ステップS13)。この場合も、ステップS9の回生制動と同様、開閉弁74及び連動弁73を閉鎖して制動補助装置70が作動しないようにする。
【0053】
[2.作用,効果]
(1)上述した制動補助装置70によれば、例えばブレーキペダル51の踏み込みや電動モータ57の作動によってプッシュロッド(入力部材)53に制動操作力が入力されると、連動弁73が開放し、分岐通路71と圧力室72とが連通状態となる。このため、燃料タンク30内の高圧な燃料ガスが油圧補助減圧弁74で所定圧力に減圧されてから分岐通路71を経て圧力室72内に流入する。この圧力室72内への燃料ガスの流入に応じて制動用の油圧が上昇し、この油圧の上昇分だけ制動力が増大することになり、制動力が補助される。このため、例えば、ブレーキペダル51を踏み込むドライバの負担を軽減できる効果や、電動モータ57の負担を軽減し電動モータ57の電力消費を抑え作動コストを軽減できる効果がある。また、例えばトラック等に採用されているエアブレーキと比較すると、エアブレーキの場合では空気圧縮機による補機損失が発生するが、本装置70の場合、既存の燃料タンク30の燃料圧力をそのまま利用できるため、補機損失を大きく抑制させることができる。
【0054】
(2)制動補助装置70を作動させるときには開閉弁74を開放して、燃料タンク30内の燃料ガスを利用して制動力を補助する。一方、制動補助装置70の補助を必要としないときには開閉弁74及び連動弁73を閉鎖し、制動補助装置70の影響がないようにする。これにより、制動フィーリングを良好に操作することができる。
(3)また、上記の制動補助装置70では、開閉弁の機能が油圧補助減圧弁74に組み込まれている(一体化されている)ので、構成を簡素化できる。
【0055】
(4)制動補助装置70は、バッテリ11の充電率が満充電に近い回生制動不可領域にあるときに作動するので、制動補助装置70による制動補助で回生制動を補完することができ、回生制動不可のときの制動フィーリングの悪化を回避することができる。つまり、回生制動が行われるべき状況で、回生制動が行われないと、その分、ドライバのブレーキペダル51の操作負担が増えて制動フィーリングの悪化を招くが、これを抑制することができる。
【0056】
(5)制動操作力Fbと、リターンスプリング54のバネ力Fsと、圧力室圧Pg1と、受圧部材75の受圧面積Sとの関係が、制動操作力Fbが入力されたときは上記の式(1)のように設定され、制動操作力Fbが解除されたときは上記の式(2)のように設定されるので、制動補助装置70を適正に作動させることができる。さらに、圧力室圧Pg1と、下流圧Pg2との関係が、上記の式(3)のように設定されるので、制動補助装置70の作動が終了した時に、圧力室72内の燃料ガスが分岐流路71側に戻され、さらに、燃料ガス供給管31の油圧補助減圧弁74よりも下流側に流れていき、燃料電池20に供給される。したがって、圧抜きのため水素残圧を回収して燃料電池20の発電に利用できる。
【0057】
(6)また、油圧式制動装置50は制動操作力を加える電動モータ57を備えるので、制動補助装置70を利用できない状況下で電動モータ57を用いて回生制動を補完することができる。また、ドライバによるブレーキ操作のないときの回生制動の補完も可能になる。
【0058】
(7)本実施形態では、アクセルオフ時でブレーキオンでないときにも、エンジンブレーキ相当の制動力を回生制動、電動モータ57及び制動補助装置70による制動、及び、電動モータ57のみによる制動を、この順番の優先順位を付けて選択的に実施するので、エンジンブレーキ相当の制動力を安定して発生させることができる。
【0059】
[3.変形例]
上述した制動補助装置70の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、本実施形態の車両1は、エンジンを備えていないが、燃料電池20を搭載する車両であれば、エンジンを備えたプラグインハイブリッド車両(PHEV)をはじめとしたハイブリッド車両(HEV)にも本制動補助装置70を適用できる。なお、プラグインハイブリッド車両とは、バッテリに対する外部充電又はバッテリからの外部給電が可能なハイブリッド車両である。
【0060】
本実施形態では、ブレーキオン時のドライバの積極的な制動操作に応じた制動補助の場合と、アクセルオフであるがブレーキオンではないエンジンブレーキ相当の制動を行う際の制動補助の場合との両方に、制動補助装置70を用いる例を説明したが、ブレーキオン時のみに適用するなど何れか一方のみに用いてもよい。
【0061】
また、本制動補助装置70は、液圧式制動装置を前提とすればよい。上記実施形態では、車輪15側にディスクブレーキ装置56を備える例を説明したが、これに限定されず、例えば、ドラム式のブレーキ装置に適用してもよい。
さらに、本制動補助装置70を既存の真空倍力装置と並列的に用いるなど、種々の適用が考えられる。
また、上記実施形態では、電動モータ57を装備しているが、これも省略可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 車両(燃料電池車両)
2 燃料電池システム
11 二次電池(バッテリ)
12 駆動モータ
15 車輪
20 燃料電池
30 高圧燃料タンク
31 燃料ガス供給管
50 油圧式制動装置(液圧式制動装置)
52 マスターシリンダ(シリンダ)
53 プッシュロッド(入力部材)
54 リターンスプリング
57 電動モータ(電動アクチュエータ)
60 ECU(電子制御ユニット)
61 制御部
70 制動補助装置
71 分岐流路
71a 分岐部分
72 圧力室
73 連動弁
74 油圧補助減圧弁(減圧弁,開閉弁)
75 受圧部材
Fb 制動操作力
Fs リターンスプリングのバネ力
Pg1 圧力室圧(圧力室内の燃料ガスの圧力)
Pg2 下流圧(燃料ガス供給管のFC稼働減圧弁よりも下流側の燃料ガスの圧力