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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04664 20160101AFI20241008BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04791 20160101ALI20241008BHJP
   H01M 8/04828 20160101ALI20241008BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/04225
H01M8/04228
H01M8/04302
H01M8/04303
H01M8/04746
H01M8/0438
H01M8/04791
H01M8/04828
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022082927
(22)【出願日】2022-05-20
(65)【公開番号】P2023170859
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸井田 政史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
(72)【発明者】
【氏名】田野 裕
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-227127(JP,A)
【文献】特開2007-127010(JP,A)
【文献】特開2007-149563(JP,A)
【文献】特開2020-123496(JP,A)
【文献】特開2021-128921(JP,A)
【文献】特開2006-228680(JP,A)
【文献】特開2013-171737(JP,A)
【文献】特開2009-059570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックと、
燃料タンクと、
前記燃料電池スタックと前記燃料タンクを繋いでいる燃料管と、
前記燃料管に配置されており、前記燃料タンクから前記燃料電池スタックのアノード極に供給される燃料ガスの流量を調整する燃料レギュレータと、
前記燃料管に配置されている燃料ストップバルブと、
前記燃料ストップバルブと前記燃料タンクの間で前記燃料管に取り付けられている燃料タンクバルブと、
前記燃料電池スタックのアノード極ガス出口からのガスの排出を止める排燃料バルブと、
コントローラと、
を備えており、
前記コントローラは、
前記燃料電池スタックの起動時または停止時に、
(1)前記燃料ストップバルブと前記燃料レギュレータを開き、
(2)前記燃料電池スタックのアノード内圧が所定の第1アノード圧になったら前記燃料ストップバルブと前記燃料レギュレータを閉め、
(3)所定時間後の前記アノード内圧が所定の第2アノード圧まで低下していたら燃料漏れ発生を示す信号を出力し、
前記コントローラは、さらに、
前記燃料電池スタックの停止時、前記(1)から前記(3)の処理を実行する前に、前記燃料タンクバルブと前記燃料ストップバルブと前記排燃料バルブを開いて前記アノード極に残った水を前記燃料電池スタックから排出し、
前記燃料ストップバルブと前記排燃料バルブを閉じ、前記燃料ストップバルブの上流側の前記燃料管の内圧が前記第1アノード圧を超えるアノード上限圧に達したら前記燃料タンクバルブを閉じる、
燃料電池システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記燃料電池システムから排出される排ガスに含まれる燃料の濃度が所定の放出上限濃度を下回るように、前記排ガスに酸素含有のガスを混合する、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
燃料電池スタックと、
燃料タンクと、
酸素タンクと、
前記燃料電池スタックと前記燃料タンクを繋いでいる燃料管と、
前記燃料電池スタックと前記酸素タンクを繋いでいる酸素管と、
前記燃料管に配置されており、前記燃料タンクから前記燃料電池スタックのアノード極に供給される燃料ガスの流量を調整する燃料レギュレータと、
前記酸素管に配置されており、前記酸素タンクから前記燃料電池スタックのカソード極に供給される酸素の流量を調整する酸素レギュレータと、
前記燃料管に配置されている燃料ストップバルブと、
前記酸素管に配置されている酸素ストップバルブと、
コントローラと、
を備えており、
前記コントローラは、
前記燃料電池スタックの起動時または停止時に、
(1)前記燃料ストップバルブと前記燃料レギュレータを開き、
(2)前記燃料電池スタックのアノード内圧が所定の第1アノード圧になったら前記燃料ストップバルブと前記燃料レギュレータを閉め、
(3)所定時間後の前記アノード内圧が所定の第2アノード圧まで低下していたら燃料漏れ発生を示す信号を出力し、
前記コントローラは、さらに、前記燃料電池スタックの起動時、前記(1)から前記(3)の処理を実行した後に、
(4)前記酸素ストップバルブと前記酸素レギュレータを開き、
(5)前記燃料電池スタックのカソード内圧が所定の第1カソード圧になったら前記酸素ストップバルブと前記酸素レギュレータを閉め、
(6)所定時間後の前記カソード内圧が所定の第2カソード圧まで低下していたら酸素漏れ発生を示す信号を出力する、
燃料電池システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記燃料電池スタックの停止時、前記(1)から前記(3)の処理を実行する前に、前記(4)から(6)の処理を実行する、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記酸素ストップバルブと前記酸素タンクの間で前記酸素管に取り付けられている酸素タンクバルブと、
前記燃料電池スタックのカソード極ガス出口からのガスの排出を止める排酸素バルブと、を更に備えており、
前記コントローラは、前記燃料電池スタックの停止時、
前記(4)から前記(6)の処理を実行する前に、前記酸素タンクバルブと前記酸素ストップバルブと前記排酸素バルブを開いて前記カソード極に残った水を前記燃料電池スタックから排出し、
前記酸素ストップバルブと前記排酸素バルブを閉じ、前記酸素ストップバルブの上流側の前記酸素管の内圧が前記第1カソード圧を超えるカソード上限圧に達したら前記酸素タンクバルブを閉じる、請求項に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常の燃料電池システムは、燃料タンクの燃料を燃料電池スタックへ供給するのにインジェクタを用いる(例えば特許文献1)。また、多くの燃料電池システムは大気中の酸素を用いるが、例えば特許文献2の燃料電池システムのように、酸素タンクの酸素を用いる燃料電池システムも存在する。酸素タンクを用いる場合には、酸素タンクの酸素を燃料電池スタックへ供給するのにもインジェクタが使われることが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-099935号公報
【文献】特開2021-034132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的なインジェクタは、次の構造を有している。インジェクタは、ガス噴射口を塞ぐニードルと、ニードルを動かすソレノイドを備える。ニードルはバネでガス噴射口に押し付けられており、ソレノイド非通電時にガス噴射口を塞ぐ。ソレノイドに通電するとニードルが後退してガス噴射口が開く。ソレノイドの通電を止めるとニードルが戻ってガス噴射口を閉じる。このとき打音が生じる。
【0005】
燃料電池スタックの内圧を調整するのにインジェクタを頻繁にオンオフしなければならない。インジェクタを頻繁にオンオフすると、ニードルがガス噴射口の縁に頻繁に当たって打音のノイズが生じる。
【0006】
本明細書は、インジェクタを使わない燃料電池システムを開示する。本明細書が開示する燃料電池システムは、インジェクタを使わないので静音性に優れる。本明細書が開示する燃料電池システムは、インジェクタのかわりにストップバルブとレギュレータを用いる。さらに、本明細書は、ストップバルブとレギュレータを用いた燃料漏れチェックの技術を提供する。なお、以下では、説明を簡単にするために、「燃料電池」を「FC」と表記する。「燃料電池システム」は「FCシステム」と表記し、「燃料電池スタック」は「FCスタック」と表記する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示するFCシステム(燃料電池システム)は、FCスタック(燃料電池スタック)、燃料タンク、FCスタックと燃料タンクを繋いでいる燃料管、燃料管に配置されている燃料レギュレータと燃料ストップバルブを備える。燃料レギュレータは、燃料タンクからFCスタックのアノード極に供給される燃料ガスの流量を調整する。燃料レギュレータと燃料ストップバルブがインジェクタの代わりにFCスタックのアノード内圧を調整する。レギュレータは、流路の面積を変化させて流量を調整するバルブである。レギュレータは、インジェクタのようにソレノイドで進退するニードルを有さないのでインジェクタよりも静音性に優れる。
【0008】
本明細書が開示するFCシステムのコントローラは、FCスタックの起動時または停止時に次の燃料漏れチェック処理を実行する。すなわち、コントローラは、(1)燃料ストップバルブと燃料レギュレータを開き、(2)FCスタックのアノード内圧(アノード極の中の圧力)が所定の第1アノード圧になったら燃料ストップバルブと燃料レギュレータを閉め、(3)所定時間後のアノード内圧が所定の第2アノード圧まで低下していたら燃料漏れを示す信号を出力する。本明細書が開示するFCシステムは、燃料ストップバルブと燃料レギュレータを使って燃料漏れチェックを実施することができる。
【0009】
本明細書が開示するFCシステムは、さらに、酸素タンク、FCスタックと酸素タンクを繋いでいる酸素管、酸素管に配置されている酸素レギュレータと酸素ストップバルブを備えていてもよい。酸素レギュレータは、酸素タンクからFCスタックのカソード極に供給される酸素ガスの流量を調整する。その場合、コントローラは、FCスタックを起動する際、前述の(1)から(3)の処理を実行した後に、次の処理を実行するとよい。コントローラは、(4)酸素ストップバルブと酸素レギュレータを開き、(5)FCスタックのカソード内圧(カソード極の中の圧力)が所定の第1カソード圧になったら酸素ストップバルブと酸素レギュレータを閉め、(6)所定時間後のカソード内圧が所定の第2カソード圧まで低下していたら酸素漏れを示す信号を出力する。あるいはコントローラは、FCスタックを停止する際、前述の(1)から(3)の処理を実行する前に、上記(4)から(6)の処理を実行するようにしてもよい。
【0010】
上記のFCシステムは、酸素を供給するのにもインジェクタを使わないから静音性に優れる。また、コントローラは、FCスタック起動の際には燃料漏れチェック処理(1)~(3)の後に酸素漏れチェック処理(4)~(6)を行い、FCスタック停止の際にて燃料漏れチェック処理(1)~(3)の前に酸素漏れチェック処理(4)~(6)の処理を実施する。そのような順序で燃料漏れチェック処理と酸素漏れチェック処理を行うことで、FCスタックに酸素を供給するときには常にFCスタックに水素が供給されている状態を作ることができる。そうすることで、FCスタック内で酸素が残っているが水素が不足する事態を避けることができ、FCスタックの劣化を抑えることができる。
【0011】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例のFCシステムのブロック図である。
図2】FCスタック起動時のガス漏れチェック処理のメインフローチャートである。
図3】燃料漏れチェック処理のフローチャートである。
図4】酸素漏れチェック処理のフローチャートである。
図5】FCスタック停止時のガス漏れチェック処理のメインフローチャートである。
図6】カソード掃気処理のフローチャートである。
図7】アノード掃気処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して実施例のFCシステム2(燃料電池システム2)を説明する。図1に、FCシステム2のブロック図を示す。FCシステム2は、FCスタック3と燃料タンク11を備える。燃料タンク11には燃料ガス(水素ガス)が貯蔵されている。よく知られているように、FCスタック3は水素と酸素を反応させて電力を得る。多くのFCシステムでは空気中の酸素を用いるが、実施例のFCシステム2は酸素タンク21を備えており、酸素タンク21の酸素と燃料タンク11の燃料ガスを反応させて電力を得る。酸素タンク21に貯蔵されるガスは、酸素と他の分子の混合ガスでもよい。例えば、酸素タンク21は、78%の窒素、21%の酸素、1%のその他の成分を含有する混合ガス(すなわち空気)を貯蔵するタンクであってもよい。
【0014】
FCシステム2は、複数のバルブ(燃料タンクバルブ19など)と、複数の圧力センサ15a、15b、25a、25b、複数の温度センサ(不図示)などを備えている。全てのバルブは、コントローラ10によって制御される。全てのセンサの計測値はコントローラ10に送られる。
【0015】
FCシステム2の燃料系を説明する。燃料タンク11とFCスタック3は、燃料管12で接続されている。良く知られているように、FCスタック3の内部はアノード極3a(燃料極)とカソード極3c(酸素極)に分かれている。燃料管12は、燃料タンク11とFCスタック3のアノード極3aを繋いでおり、燃料タンク11からアノード極3aへ燃料ガスを送る。
【0016】
燃料管12には燃料タンクバルブ19、燃料ストップバルブ13、燃料レギュレータ14が備えられている。燃料タンクバルブ19は燃料管12の最上流(燃料タンク11に最も近い位置)に配置されており、燃料タンク11からの燃料ガスの流出を止める。FCスタック3が停止しているときには燃料タンクバルブ19が閉じられ、FCシステム2の安全が確保される。
【0017】
燃料レギュレータ14は燃料管12の下流側(FCスタック3に最も近い位置)に配置されており、アノード極3aに供給する燃料ガスの流量を調整する。燃料ストップバルブ13は、燃料管12の燃料レギュレータ14と燃料タンクバルブ19の間に取り付けられている。
【0018】
燃料タンクバルブ19と燃料ストップバルブ13は、全開と全閉の切換のみができるバルブである。燃料レギュレータ14は、流路の面積を連続的に変化せることができるバルブであり、燃料ガスの流量を調整することができる。燃料レギュレータ14と燃料ストップバルブ13が、従来のインジェクタの機能を担う。すなわち、コントローラ10は、FCスタック3を作動させる際、燃料ストップバルブ13を開き、FCスタック3のアノード内圧(アノード極3aの中の圧力)が所定のアノード圧適正範囲に保持されるように、燃料レギュレータ14を制御する。
【0019】
燃料ストップバルブ13は、FCスタック3の運転中に何等かの異常が生じた場合にFCスタック3への燃料供給を素早く止めるのに用いられる。
【0020】
燃料管12は、燃料タンク11とFCスタック3を連結しているが、説明の便宜上、燃料管12のうち、FCスタック3と燃料ストップバルブ13の間の部分を低圧燃料管12aと称し、燃料ストップバルブ13と燃料タンクバルブ19の間の部分を高圧燃料管12bと称する。
【0021】
低圧燃料管12aと高圧燃料管12bのそれぞれに圧力センサ15a、15bが取り付けられている。圧力センサ15aは、低圧燃料管12aの内圧を計測する。低圧燃料管12aの内圧は、アノード内圧に等しい。圧力センサ15bは、高圧燃料管12bの内圧を計測する。コントローラ10は、圧力センサ15aの計測値を用いて、アノード内圧が所定のアノード圧適正範囲に保持されるように、燃料レギュレータ14を制御する。
【0022】
FCスタック3のアノード極ガス出口4には気液分離器17が接続されている。気液分離器17は、アノード極ガス出口4から排出されるガスの中から未反応の燃料ガスを分離する。分離された燃料ガスは還流路16で低圧燃料管12aに戻され、再利用される。還流路16にはポンプ18が備えられており、ポンプ18が未反応の燃料ガスを強制的に低圧燃料管12aに戻す。
【0023】
気液分離器17のガス出口には排ガス管34が接続されており、排ガス管34の途中にはマフラ35が取り付けられている。気液分離器17で分離された不純物は、排ガス管34とマフラ35を通じて外部へ放出される。マフラ35には、酸素タンク21からバイパス管42を通じて酸素も送られる。バイパス管42にもレギュレータ41が取り付けられている。気液分離器17から排出される不純物の中にも少しの燃料が残っている。気液分離器17から排出される不純物の中の燃料を以下では残燃料と称する。コントローラ10は、マフラ35から外へ放出される排ガス(すなわち、FCシステム2から外へ放出される排ガス)の中の残燃料の濃度を推定する(あるいは計測する)。コントローラ10は、排ガスに含まれる残燃料の濃度が所定の放出上限濃度を下回るように、酸素タンク21からバイパス管42を通じてマフラ35へ送られる酸素の量を調整する。酸素タンク21からマフラ35へ送られる酸素の量は、レギュレータ41によって調整される。
【0024】
排ガス管34の途中には排燃料バルブ33が取り付けられている。排燃料バルブ33は、排ガス管34を閉鎖し、残燃料を含む排ガスが外へ出ることを止める。
【0025】
FCシステム2の酸素系を説明する。酸素タンク21とFCスタック3のカソード極3c(酸素極)は、酸素管22で接続されており、酸素タンク21からカソード極3cへ酸素を送る。
【0026】
酸素管22には酸素タンクバルブ29、酸素ストップバルブ23、酸素レギュレータ24が備えられている。酸素タンクバルブ29は酸素管22の最上流(酸素タンク21に最も近い位置)に配置されており、酸素タンク21からの酸素の流出を止める。FCスタック3が停止しているときには酸素タンクバルブ29が閉じられ、酸素の無駄な流出が抑えられる。
【0027】
酸素レギュレータ24は酸素管22の下流側(FCスタック3に最も近い位置)に配置されており、カソード極3cに供給する酸素の流量を調整する。酸素ストップバルブ23は、酸素管22の酸素レギュレータ24と酸素タンクバルブ29の間に取り付けられている。
【0028】
酸素タンクバルブ29と酸素ストップバルブ23は、全開と全閉の切換のみができるバルブである。酸素レギュレータ24は、流路の面積を連続的に変化せることができるバルブであり、酸素の流量を調整することができる。酸素レギュレータ24と酸素ストップバルブ23がインジェクタの機能を担う。コントローラ10は、FCスタック3を作動させる際、酸素ストップバルブ23を開き、FCスタック3のカソード内圧(カソード極3cの中の圧力)が所定のカソード圧適正範囲に保持されるように、酸素レギュレータ24を制御する。
【0029】
酸素ストップバルブ23は、FCスタック3の運転中に何等かの異常が生じた場合にFCスタック3への酸素供給を素早く止めるのに用いられる。
【0030】
酸素管22は、酸素タンク21とFCスタック3を連結しているが、説明の便宜上、酸素管22のうち、FCスタック3と酸素ストップバルブ23の間の部分を低圧酸素管22aと称し、酸素ストップバルブ23と酸素タンクバルブ29の間の部分を高圧酸素管22bと称する。
【0031】
低圧酸素管22aと高圧酸素管22bのそれぞれに圧力センサ25a、25bが取り付けられている。圧力センサ25aは、低圧酸素管22aの内圧を計測する。低圧酸素管22aの内圧は、カソード内圧に等しい。圧力センサ25bは、高圧酸素管22bの内圧を計測する。コントローラ10は、圧力センサ25aの計測値を用いて、カソード内圧が所定のカソード圧適正範囲に保持されるように、酸素レギュレータ24を制御する。
【0032】
FCスタック3のカソード極ガス出口5には気液分離器27が接続されている。気液分離器27は、カソード極ガス出口5から排出されるガスの中から未反応の酸素を分離する。分離された酸素は還流路26で低圧酸素管22aに戻され、再利用される。還流路26にはストップバルブ28が備えられている。気液分離器27で分離された酸素を低圧酸素管22aに戻す必要がない場合には、ストップバルブ28が閉じられる。
【0033】
気液分離器27のガス出口には排酸素管44が接続されており、排酸素管44の途中には排酸素バルブ43が取り付けられている。気液分離器27で分離された不純物を排出する必要があるときには排酸素バルブ43を開く。不純物が極めて少ない場合は排出する必要がないため、排酸素バルブ43は閉じられる。気液分離器27で分離された不純物は、マフラ35に送られ、燃料側の気液分離器17から排出された不純物と混合されて外部へ排出される。
【0034】
FCシステム2には圧力センサ15a、15b、25a、25bの他にも幾つかの圧力センサ、および温度センサが備えられているが、それらの図示と説明は省略する。
【0035】
先に述べたように、コントローラ10は、FCシステム2の複数のバルブを制御する。コントローラ10は、上位コントローラ50からの出力指令に基づいて、FCスタック3が所定の目標電力を出力するように、FCスタック3へ供給される燃料ガスの流量と酸素の流量を調整する。コントローラ10は、燃料ストップバルブ13と燃料レギュレータ14を制御することによってFCスタック3のアノード極3aに供給する燃料ガスの流量とアノード内圧を調整し、酸素ストップバルブ23と酸素レギュレータ24を制御することによってカソード極3cに供給する酸素の流量とカソード内圧を調整する。
【0036】
FCシステム2では、FCスタック3を起動するのに先立って、および、FCスタック3を停止した直後に、FCスタック3と燃料管12と酸素管22でガス漏れが生じていないかチェックする。FCスタック3のアノード極3aと燃料管12における燃料ガス漏れのチェック処理を以下では燃料漏れチェック処理と称し、FCスタック3のカソード極3cと酸素管22における酸素漏れのチェック処理を以下では酸素漏れチェック処理と称する。燃料漏れチェック処理と酸素漏れチェック処理の両方を合わせてガス漏れチェック処理と称する。コントローラ10は、FCスタック3を起動する前と停止した後にガス漏れチェック処理を行う。FCスタック3の起動と停止は、上位コントローラ50からの指令に基づいてコントローラ10が実行する。
【0037】
また、コントローラ10は、FCスタック3を停止する際にはアノード極3aとカソード極3cの掃気処理も行う。掃気処理とは、FCスタック3の内部に残った水(水素/酸素反応で生じた水)を排出する処理である。アノード極3aの側の掃気処理をアノード掃気処理と称し、カソード極3cの側の掃気処理をカソード掃気処理と称する。
【0038】
図2に、FCスタック3の起動時にコントローラ10が実行するガス漏れチェック処理のメインフロチャートを示す。図2の処理は、コントローラ10が上位コントローラ50からFCスタック3の起動指令を受けると実行される。コントローラ10は、起動指令を受信すると、燃料漏れチェック処理(ステップS2)と、酸素漏れチェック処理(ステップS3)を実行する。
【0039】
コントローラ10は、燃料漏れチェック処理(ステップS2)にて燃料漏れ発生が検知された場合、または、酸素漏れチェック処理(ステップS3)にて酸素漏れ発生が検知された場合、漏れ発生を示す信号を上位コントローラ50へ出力する。漏れ発生を示す信号を受けた上位コントローラ50は、漏れ発生に対応した処理(異常対応処理)を実行する(ステップS4:YES、S5)。異常対応処理については説明を省略する。
【0040】
図3に燃料漏れチェック処理のフローチャートを示す。コントローラ10は、燃料ストップバルブ13と燃料レギュレータ14を開く(ステップS12)。コントローラ10は、低圧燃料管12aの内圧(すなわち、アノード内圧)が第1アノード圧に達したら、燃料ストップバルブ13と燃料レギュレータ14を閉じる(ステップS13:YES、S14)。低圧燃料管12aの内圧(すなわち、アノード内圧)は、圧力センサ15aによって計測される。
【0041】
燃料ストップバルブ13と燃料レギュレータ14を閉じた後、コントローラ10は、第1待機時間の間、待機する(ステップS15)。第1待機時間の待機の後、コントローラ10は、低圧燃料管12aの内圧(すなわちアノード内圧)を圧力センサ15aから取得し、取得したアノード内圧を第2アノード圧と比較する(ステップS16)。第2アノード圧は、第1アノード圧よりも低い値に設定されている。
【0042】
第1待機時間の後のアノード内圧が第2アノード圧を下回っていたら、アノード極3aもしくは低圧燃料管12aで燃料が漏れていることが判明する。その場合、コントローラ10は、上位コントローラ50へ、燃料漏れ発生を示す信号を出力する(ステップS16:YES、ステップS18)。
【0043】
また、コントローラ10は、第1待機時間の待機の後、圧力センサ15bから高圧燃料管12bの内圧を取得する。第1待機時間の期間における高圧燃料管12bの圧力の低下量が、所定の許容低下量を下回っていたら、高圧燃料管12bで燃料が漏れていることが判明する。その場合も、コントローラ10は、上位コントローラ50へ、燃料漏れ発生を示す信号を出力する(ステップS17:YES、S18)。
【0044】
図3の処理により、アノード極3aおよび燃料管12の燃料漏れをチェックできる。なお、コントローラ10は、燃料漏れチェック処理に先立って、燃料タンクバルブ19を開き、高圧燃料管12bの内圧をアノード上限圧まで高めておく。高圧燃料管12bの内圧がアノード上限圧に達したら、コントローラ10は燃料タンクバルブ19を閉じ、図3の処理を開始する。
【0045】
続いて図4を参照して酸素漏れチェック処理を説明する。コントローラ10は、酸素ストップバルブ23と酸素レギュレータ24を開く(ステップS22)。コントローラ10は、低圧酸素管22aの内圧(すなわち、カソード内圧)が第1カソード圧に達したら、酸素ストップバルブ23と酸素レギュレータ24を閉じる(ステップS23:YES、S24)。低圧酸素管22aの内圧(すなわち、カソード内圧)は、圧力センサ25aによって計測される。
【0046】
酸素ストップバルブ23と酸素レギュレータ24を閉じた後、コントローラ10は、第2待機時間の間、待機する(ステップS25)。第2待機時間の待機の後、コントローラ10は、低圧酸素管22aの内圧(すなわちカソード内圧)を圧力センサ25aから取得し、取得したカソード内圧を第2カソード圧と比較する(ステップS26)。第2カソード圧は、第1カソード圧よりも低い値に設定されている。
【0047】
第2待機時間の後のカソード内圧が第2カソード圧を下回っていたら、カソード極3cもしくは低圧酸素管22aで酸素が漏れていることが判明する。その場合、コントローラ10は、上位コントローラ50へ、酸素漏れ発生を示す信号を出力する(ステップS26:YES、S28)。
【0048】
また、コントローラ10は、第2待機時間の待機の後、圧力センサ25bから高圧酸素管22bの内圧を取得する。第2待機時間の期間における高圧酸素管22bの圧力の低下量が、所定の許容低下量を下回っていたら、高圧酸素管22bで酸素が漏れていることが判明する。その場合も、コントローラ10は、上位コントローラ50へ、酸素漏れ発生を示す信号を出力する(ステップS27:YES、S28)。
【0049】
コントローラ10は、酸素漏れチェック処理(ステップS33)にて酸素漏れ発生が検知された場合、または、燃料漏れチェック処理(ステップS35)にて燃料漏れ発生が検知された場合、漏れ発生を示す信号を上位コントローラ50へ出力する。漏れ発生を示す信号を受けた上位コントローラ50は、漏れ発生に対応した処理(異常対応処理)を実行する(ステップS4:YES、S5)。異常対応処理については説明を省略する。
【0050】
図4の処理により、カソード極3cおよび酸素管22の酸素漏れをチェックできる。なお、コントローラ10は、酸素漏れチェック処理に先立って、酸素タンクバルブ29を開き、高圧酸素管22bの内圧をカソード上限圧まで高めておく。高圧酸素管22bの内圧がカソード上限圧に達したら、コントローラ10は酸素タンクバルブ29を閉じ、図4の処理を開始する。
【0051】
図5に、FCスタック3を停止する際のガス漏れチェック処理のメインフローチャートを示す。FCスタック3を停止する際には、コントローラ10は、燃料漏れチェック処理(ステップS35)の前に酸素漏れチェック処理(ステップS33)を実行する。燃料漏れチェック処理は図3に示した通りであり、酸素漏れチェック処理は図4に示した通りである。
【0052】
また、コントローラ10は、FCスタック3を停止する際には、酸素漏れチェック処理(ステップS33)の前にカソード掃気処理(ステップS32)を行い、燃料漏れチェック処理(ステップS35)の前にアノード掃気処理(ステップS34)を実行する。
【0053】
図6を参照してカソード掃気処理を説明する。コントローラ10は、酸素タンクバルブ29、酸素ストップバルブ23、酸素レギュレータ24、排酸素バルブ43を開く(ステップS42)。これらのバルブを開くと、FCスタック3のカソード極3cの中を酸素が勢いよく流れ、カソード極3cに残っていた水が排出される。カソード極3cを通過した酸素は、マフラ35を通じて外部へ排出される。
【0054】
コントローラ10は、排酸素バルブ43を開いてから所定時間が経過したら、排酸素バルブ43、酸素ストップバルブ23、酸素レギュレータ24を閉じる(ステップS43:YES、S44)。所定時間は、カソード極3cから水が十分に排出されるのに要する時間であり、FCスタック3の構造などから予め定められている。
【0055】
ステップS34で酸素ストップバルブ23を閉じるが、酸素タンクバルブ29は開いたままなので、高圧酸素管22bの内圧が上昇する。コントローラ10は、高圧酸素管22bの内圧が所定のカソード上限圧に達したら酸素タンクバルブ29を閉じる(ステップS45:YES、S46)。カソード上限圧は、前述した第1カソード圧を超える値に設定されている。高圧酸素管22bの内圧は圧力センサ25bによって計測される。
【0056】
続いて酸素漏れチェック処理(図5のステップS33)が実行される。酸素漏れチェック処理
の具体的な内容は図4に示した。酸素漏れチェック処理(ステップS33)に先立つカソード掃気処理(S32)にて、高圧酸素管22bの内圧はカソード上限圧(>第1カソード圧)に高められている。それゆえ、酸素漏れチェック処理の最初の処理(図4のステップS22)にて酸素ストップバルブ23と酸素レギュレータ24を開くと、低圧酸素管22aの内圧が上昇する。低圧酸素管22aはFCスタック3のカソード極3cに通じているため、低圧酸素管22aの内圧は、カソード極3cの中の圧力(カソード内圧)に等しい。カソード掃気処理にて高圧酸素管22bの内圧をカソード上限圧まで高めておくことで、次に実行する酸素漏れチェック処理がスムーズに行える。
【0057】
酸素漏れチェック処理(ステップS33)に続いてアノード掃気処理(ステップS34)が実行さる。
【0058】
図7に、アノード掃気処理のフローチャートを示す。コントローラ10は、燃料タンクバルブ19、燃料ストップバルブ13、燃料レギュレータ14、排燃料バルブ33を開く(ステップS52)。これらのバルブを開くと、FCスタック3のアノード極3aの中を燃料ガスが勢いよく流れ、アノード極3aに残っていた水が排出される。
【0059】
アノード極3aを通過した燃料ガスは、マフラ35を通じて外部へ排出される。コントローラ10は、外部へ排出される排ガスに含まれる燃料の濃度が所定の放出上限濃度を下回るように、酸素タンク21の酸素を排ガスに混合する(ステップS53)。具体的には、コントローラ10は、酸素タンクバルブ29とレギュレータ41を開き、バイパス管42を通じてマフラ35に酸素を供給する。なお、外部に排出される排ガスに含まれる燃料の濃度は、燃料タンク11から出力される燃料ガスの流量と、酸素タンク21から出力される酸素の流量から推定することができる。コントローラ10は、外部へ排出される排ガスに含まれる燃料の濃度が所定の放出上限濃度を下回るよう、レギュレータ41の開度を調整する。
【0060】
コントローラ10は、排燃料バルブ33を開いてから所定時間が経過したら、排燃料バルブ33、燃料ストップバルブ13、燃料レギュレータ14を閉じる(ステップS54:YES、S55)。所定時間は、アノード極3aから水が十分に排出されるのに要する時間であり、FCスタック3の構造などから予め定められている。
【0061】
ステップS55で燃料ストップバルブ13を閉じるが、燃料タンクバルブ19は開いたままなので、高圧燃料管12bの内圧が上昇する。コントローラ10は、高圧燃料管12bの内圧が所定のアノード上限圧に達したら燃料タンクバルブ19を閉じる(ステップS56:YES、S57)。アノード上限圧は、前述した第1アノード圧を超える値に設定されている。高圧燃料管12bの内圧は圧力センサ15bによって計測される。
【0062】
続いて燃料漏れチェック処理(図5のステップS35)が実行される。燃料漏れチェック処理の具体的な内容は図3に示した。燃料漏れチェック処理に先立つアノード掃気処理(ステップS34)にて、高圧燃料管12bの内圧はアノード上限圧(>第1アノード圧)に高められている。それゆえ、燃料ストップバルブ13と燃料レギュレータ14を開くと、低圧燃料管12aの内圧が上昇する。低圧燃料管12aはFCスタック3のアノード極3aに通じているため、低圧燃料管12aの内圧は、アノード極3aの中の圧力(アノード内圧)に等しい。アノード掃気処理にて高圧燃料管12bの内圧をアノード上限圧まで高めておくことで、次に実行する燃料漏れチェック処理がスムーズに行える。
【0063】
FCスタック3を停止する際のガス漏れチェック処理(図5)の後、コントローラ10は、不図示の酸素消費処理を実行する。
【0064】
酸素消費処理を説明する。ガス漏れチェック処理が終了した時点でFCスタック3には燃料も酸素も供給されないが、FCスタック3の内部に酸素が残っている。FCスタック3の停止時には酸素漏れチェック処理(ステップS33)の後に燃料漏れチェック処理(ステップS35)が実行される。それゆえ、FCスタック3の中には十分な燃料が残っている。酸素消費処理では、コントローラ10は、FCスタック3から電力を引き出し、FCスタック3に残っている酸素と水素を反応させる。コントローラ10は、酸素がほとんど消費されるまでFCスタック3から電力を引き出す。この酸素消費処理によって、FCスタック3から酸素を排除することができる。なお、FCスタック3から引き出された電力は例えばバッテリに蓄えられる。
【0065】
次に、FCシステム2の特徴と利点を説明する。FCシステム2は、インジェクタの代わりに燃料ストップバルブ13(酸素ストップバルブ23)と燃料レギュレータ14(酸素レギュレータ24)を用いる。打音を発するインジェクタの代わりに打音を発しないレギュレータとストップバルブを用いるので、FCシステム2は静音性に優れている。
【0066】
FCシステム2のコントローラ10は、FCスタック3を停止する際、燃料漏れチェック処理に先立ってアノード掃気処理を実行する。また、コントローラ10は、酸素漏れチェック処理に先立ってカソード掃気処理を実行する。アノード掃気処理が終了すると高圧燃料管12bの内圧がアノード上限圧(>第1アノード圧)に保持される。高圧燃料管12bの内圧が高い圧力に保持されるので、アノード掃気処理の後、直ちに燃料漏れチェック処理を開始できる。同様に、カソード掃気処理が終了すると高圧酸素管22bの内圧がカソード上限圧(>第1カソード圧)に保持される。高圧酸素管22bの内圧が高い圧力に保持されるので、カソード掃気処理の後、直ちに酸素漏れチェック処理を開始できる。
【0067】
コントローラ10は、アノード掃気処理の際、FCシステム2から排出される排ガスに含まれる燃料の濃度が放出上限濃度を下回るように、排ガスに酸素ガスを混合する。この処理により、高濃度の燃料を含んだガスが大気に放出されない。
【0068】
FCシステム2では、FCスタック3を起動する際、燃料漏れチェック処理の後に酸素漏れチェック処理を行う(図2参照)。また、FCスタック3を停止する際には燃料漏れチェック処理の前に酸素漏れチェック処理を行う(図5参照)。これら順序により、FCスタック3の内部は常に酸素よりも燃料が多い状態が確保される。酸素は燃料を反応して水に変化する。酸素漏れチェック処理と燃料漏れチェック処理の順番を実施例の通りにすることで、FCスタック3の内部に多くの酸素が残ることが回避される。FCスタック3の触媒は酸素に触れると劣化が進行するが、実施例の処理によりFCスタック3には多くの酸素が残らないから触媒の劣化を抑えることができる。
【0069】
本明細書が開示する技術は、大気から酸素を取り込むFCシステムに対しても有効である。その場合、燃料側のインジェクタをストップバルブとレギュレータで置き換えたことによる利点が得られる。
【0070】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0071】
2:燃料電池システム 3:FCスタック 3a:アノード極 3c:カソード極 4:アノード極ガス出口 5:カソード極ガス出口 10:コントローラ 11:燃料タンク 12:燃料管 12a:低圧燃料管 12b:高圧燃料管 13:燃料ストップバルブ 14:燃料レギュレータ 15a、15b、25a、25b:圧力センサ 16、26:還流路 17、27:気液分離器 18:ポンプ 19:燃料タンクバルブ 21:酸素タンク 22:酸素管 22a:低圧酸素管 22b:高圧酸素管 23:酸素ストップバルブ 24:酸素レギュレータ 28:ストップバルブ 29:酸素タンクバルブ 33:排燃料バルブ 34:排ガス管 35:マフラ 41:レギュレータ 42:バイパス管 43:排酸素バルブ 44:排酸素管 50:上位コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7