IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソシオネクストの特許一覧

特許7567909増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路
<>
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図1
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図2
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図3
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図4
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図5
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図6
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図7
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図8
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図9
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図10
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図11
  • 特許-増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/343 20060101AFI20241008BHJP
   H03F 3/16 20060101ALI20241008BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H03F3/343 210
H03F3/16 220
H03F3/45
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2022529974
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 JP2020023110
(87)【国際公開番号】W WO2021250870
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 遼一郎
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真大
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-053825(JP,A)
【文献】特開平09-074340(JP,A)
【文献】特開2009-165100(JP,A)
【文献】特表2005-526412(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0024228(US,A1)
【文献】米国特許第6545540(US,B1)
【文献】国際公開第2019/155582(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/124450(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 3/26
H03F 1/08
H03F 1/32
H03F 3/16
H03F 3/343
H03F 3/45
H04L 25/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電流が流れる入力ノードと基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記入力ノードと接続された第1トランジスタを含む第1回路と、
ローパスフィルタ回路を含み、前記入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第1トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲート電極と前記ローパスフィルタ回路を介して接続された第2トランジスタを含む第2回路と、
出力電流が流れる出力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲート電極と接続された第3トランジスタを含む第3回路と、
を有する増幅回路。
【請求項2】
前記第1回路及び前記第2回路は、前記第3回路とカレントミラー回路を構成する請求項1に記載の増幅回路。
【請求項3】
前記ローパスフィルタ回路は、
前記第2トランジスタのゲート電極と前記基準電位ノードの間に接続されたキャパシタと、
前記第2トランジスタのゲート電極と前記第1トランジスタのゲート電極の間に接続された抵抗と
を含む請求項1に記載の増幅回路。
【請求項4】
前記第3トランジスタのサイズは、前記第1トランジスタのサイズと前記第2トランジスタのサイズの合計に等しい請求項1に記載の増幅回路。
【請求項5】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタはそれぞれプレーナ型トランジスタであり、前記サイズはプレーナ型トランジスタのゲート幅に対応する請求項4に記載の増幅回路。
【請求項6】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタはそれぞれFinFETであり、前記サイズはFinFETのフィン数に対応する請求項4に記載の増幅回路。
【請求項7】
前記入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタと並列に接続された電流源をさらに有する請求項1に記載の増幅回路。
【請求項8】
前記入力電流の周波数が前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記増幅回路のゲインは、前記電流源のサイズに応じて決定される請求項7に記載の増幅回路。
【請求項9】
前記入力電流の周波数が前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より大きい場合の前記増幅回路のゲインは、入力電流の周波数が前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記増幅回路のゲインよりも大きい請求項1に記載の増幅回路。
【請求項10】
前記入力電流の周波数が前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より大きい場合と小さい場合の間の前記増幅回路のゲインの差は、前記第2トランジスタのサイズに応じて決定される請求項9に記載の増幅回路。
【請求項11】
第1入力電流が流れる第1入力ノードと基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1入力ノードと接続された第1トランジスタを含む第1回路と、
第1ローパスフィルタ回路を含み、前記第1入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第1トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲート電極と前記第1ローパスフィルタ回路を介して接続された第2トランジスタを含む第2回路と、
第1出力電流が流れる第1出力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲート電極と接続された第3トランジスタを含む第3回路と、
第2入力電流が流れる第2入力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2入力ノードと接続された第4トランジスタを含む第4回路と、
第2ローパスフィルタ回路を含み、前記第2入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第4トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第4トランジスタのゲート電極と前記第2ローパスフィルタ回路を介して接続された第5トランジスタを含む第5回路と、
第2出力電流が流れる第2出力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第4トランジスタのゲート電極と接続された第6トランジスタを含む第6回路と、
前記第2入力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲート電極と接続された第7トランジスタを含む第7回路と、
前記第1入力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第4トランジスタのゲート電極と接続された第8トランジスタを含む第8回路と、
を有する差動増幅回路。
【請求項12】
前記第1回路、前記第2回路、及び前記第7回路は、前記第3回路と第1カレントミラー回路を構成し、
前記第4回路、前記第5回路及び前記第8回路は、前記第6回路と第2カレントミラー回路を構成する請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項13】
前記第1ローパスフィルタ回路は、
前記第2トランジスタのゲート電極と前記基準電位ノードの間に接続された第1キャパシタと、
前記第2トランジスタのゲート電極と前記第1トランジスタのゲート電極の間に接続された第1抵抗と
を含み、
前記第2ローパスフィルタ回路は、
前記第5トランジスタのゲート電極と前記基準電位ノードの間に接続された第2キャパシタと、
前記第5トランジスタのゲート電極と前記第4トランジスタのゲート電極の間に接続された第2抵抗と
を含む請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項14】
前記第3トランジスタのサイズは、前記第1トランジスタのサイズ、前記第2トランジスタのサイズ、及び前記第7トランジスタのサイズの合計に等しく、
前記第6トランジスタのサイズは、前記第4トランジスタのサイズ、前記第5トランジスタのサイズ、及び前記第8トランジスタのサイズの合計に等しい請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項15】
前記第2回路は、前記第2トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第10トランジスタと、前記第1入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第2トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲートと前記第1ローパスフィルタ回路を介さずに接続された第11トランジスタと、前記第11トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第12トランジスタと、前記第10トランジスタのゲート電極に入力側及び出力側の一方が接続され、前記第12トランジスタのゲート電極に前記入力側及び前記出力側の他方が接続され、入力される第1制御信号に応じて前記第10トランジスタ及び前記第12トランジスタのいずれか一方を選択的にオンに遷移させる第1インバータと、を有し、
前記第7回路は、前記第7トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第13トランジスタと、前記第1入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第7トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲートと接続された第14トランジスタと、前記第14トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第15トランジスタと、前記第15トランジスタのゲート電極に入力側及び出力側の一方が接続され、前記第13トランジスタのゲート電極に前記入力側及び前記出力側の他方が接続され、入力される第2制御信号に応じて前記第13トランジスタ及び前記第15トランジスタのいずれか一方を選択的にオンに遷移させる第2インバータと、を有し、
前記第5回路は、前記第5トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第18トランジスタと、前記第2入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第5トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第4トランジスタのゲートと前記第2ローパスフィルタ回路を介さずに接続された第19トランジスタと、前記第19トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第20トランジスタと、前記第18トランジスタのゲート電極に入力側及び出力側の一方が接続され、前記第20トランジスタのゲート電極に前記入力側及び前記出力側の他方が接続され、入力される第3制御信号に応じて前記第18トランジスタ及び前記第20トランジスタのいずれか一方を選択的にオンに遷移させる第3インバータと、を有し、
前記第8回路は、前記第8トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第21トランジスタと、前記第2入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第8トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第4トランジスタのゲートと接続された第22トランジスタと、前記第22トランジスタと前記基準電位ノードの間に接続された第23トランジスタと、前記第23トランジスタのゲート電極に入力側と出力側の一方が接続され、前記第21トランジスタのゲート電極に前記入力側及び前記出力側の他方が接続され、入力される第4制御信号に応じて前記第21トランジスタ及び前記第23トランジスタのいずれか一方を選択的にオンに遷移させる第4インバータと、を有する、
請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項16】
並列接続された複数の前記第1回路を含む第1回路の群、並列接続された複数の前記第2回路を含む第2回路の群、及び並列接続された複数の前記第7回路を含む第7回路の群は、並列接続された前記第3回路を含む第3回路の群と第1カレントミラー回路を構成し、
並列接続された複数の前記第4回路を含む第4回路の群、並列接続された複数の前記第5回路を含む第5回路の群、及び並列接続された複数の前記第8回路を含む第8回路の群は、並列接続された前記第6回路を含む第6回路の群と第2カレントミラー回路を構成し、
DCゲインと、ブーストゲインとに応じて、前記第2回路の群に対する複数の前記第1制御信号の選択的な入力、前記第7回路の群に対する複数の前記第2制御信号の選択的な入力、前記第5回路の群に対する複数の前記第3制御信号の選択的な入力、前記第8回路の群に対する複数の前記第4制御信号の選択的な入力をそれぞれ可変に行う制御回路、
を含む請求項15に記載の差動増幅回路。
【請求項17】
前記DCゲインは、前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数がそれぞれ、前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記差動増幅回路のゲインであり、
前記ブーストゲインは、前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数がそれぞれ、前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より大きい場合の前記差動増幅回路のゲインである請求項16に記載の差動増幅回路。
【請求項18】
前記第3回路の群に含まれる前記第3回路の数は、前記第1回路の群に含まれる前記第1回路の数、前記第2回路の群に含まれる前記第2回路の数、及び前記第7回路の群に含まれる前記第7回路の数の合計に等しく、
前記第6回路の群に含まれる前記第6回路の数は、前記第4回路の群に含まれる前記第4回路の数、前記第5回路の群に含まれる前記第5回路の数、及び前記第8回路の群に含まれる前記第8回路の数の合計に等しい請求項16に記載の差動増幅回路。
【請求項19】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、前記第7トランジスタ、前記第11トランジスタ、及び前記第14トランジスタのサイズは互いに等しく、
前記第4トランジスタ、前記第5トランジスタ、前記第6トランジスタ、前記第8トランジスタ、前記第19トランジスタ、及び前記第22トランジスタのサイズは互いに等しい請求項15に記載の差動増幅回路。
【請求項20】
前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数が前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より大きい場合と小さい場合の間の前記差動増幅回路のゲインの差は、前記第1制御信号によってオンさせる前記第2トランジスタの数、及び、前記第3制御信号によってオンさせる前記第5トランジスタの数に応じて決定される請求項15に記載の差動増幅回路。
【請求項21】
前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数が前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記差動増幅回路のゲインは、前記第2制御信号によってオンさせる前記第7トランジスタの数、及び、前記第4制御信号によってオンさせる前記第8トランジスタの数に応じて決定される請求項15に記載の差動増幅回路。
【請求項22】
前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数が前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より大きい場合の前記差動増幅回路のゲインは、前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数が前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記差動増幅回路のゲインよりも大きい請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項23】
前記第1入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタと並列に接続された第1電流源と、
前記第2入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第4トランジスタ及び前記第5トランジスタと並列に接続された第2電流源と、
をさらに有する請求項11に記載の差動増幅回路。
【請求項24】
前記第1入力電流及び前記第2入力電流の周波数がそれぞれ、前記第1ローパスフィルタ回路及び前記第2ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数より小さい場合の前記差動増幅回路のゲインは、前記第1電流源及び前記第2電流源のサイズに応じて決定される請求項23に記載の差動増幅回路。
【請求項25】
請求項1に記載の増幅回路を多段接続してなる増幅回路。
【請求項26】
請求項11に記載の差動増幅回路を多段接続してなる差動増幅回路。
【請求項27】
入力信号を受けとり、前記入力信号に対して等化処理を行う、請求項1に記載の増幅回路を含む入力回路と、
前記入力回路の出力信号に対して所定の変換処理を行う変換回路と、
を有する受信回路。
【請求項28】
入力信号を受けとり、前記入力信号に対して等化処理を行う、請求項11に記載の差動増幅回路を含む入力回路と、
前記入力回路の出力信号に対して所定の変換処理を行う変換回路と、
を有する受信回路。
【請求項29】
請求項27に記載の受信回路と、
前記受信回路の出力信号に対して、所定の信号処理を実行する処理回路と、
を有する半導体集積回路。
【請求項30】
請求項28に記載の受信回路と、
前記受信回路の出力信号に対して、所定の信号処理を実行する処理回路と、
を有する半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書等に開示の一実施形態は、例えば、CTLE(Continuous Time Linear Equalizer、連続時間線形等化器)に用いられる増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
CTLEは、ネットワークやデータセンタ向けの高速インターフェース等に用いられるSerDes(SERializer DESerializer)受信回路の入力増幅回路であり、伝送路でのロス補償回路として用いられる。従来のCTLEは、ソースデジェネレーション型イコライザを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-74340号公報
【文献】米国特許出願公開第2008/24228号明細書
【文献】米国特許第5363065号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ソースデジェネレーション型イコライザを用いる従来のCTLEは、インダクタ素子(コイル)を用いてブーストゲイン増幅機能を実現する。このため、回路サイズ(面積)が大きくなる。また、回路内の抵抗、相互コンダクタンスなどのばらつき要素により、ゲインが非線形となる。
【0005】
近年では、CMOSテクノロジの微細化により、CTLEの更なる低電力化と小面積化が要求される。また、信号振幅レベルの多値化により、高い線形性が必要とされる。
【0006】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、ゲインの線形性を維持しつつ、ブーストゲイン増幅機能及び小面積化を実現する増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る増幅回路は、入力電流が流れる入力ノードと基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記入力ノードと接続された第1トランジスタを含む第1回路と、ローパスフィルタ回路を含み、前記入力ノードと前記基準電位ノードの間において前記第1トランジスタと並列に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲートと前記ローパスフィルタ回路を介して接続された第2トランジスタを含む第2回路と、出力電流が流れる出力ノードと前記基準電位ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1トランジスタのゲートと接続された第3トランジスタを含む第3回路と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示の一実施形態によれば、ゲインの線形性を維持しつつ、ブーストゲイン増幅機能及び小面積化を実現する増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図2図2は、第1実施形態に係る増幅回路のDCゲイン、ブーストゲイン、ピークゲインと周波数との関係を示した図である。
図3図3は、第2実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図4図4は、第2実施形態に係る増幅回路のDCゲイン、ブーストゲイン、ピークゲインと周波数との関係を示した図である。
図5図5は、第3実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図6図6は、第3実施形態に係る増幅回路のDCゲイン、ブーストゲイン、ピークゲインと周波数との関係を示した図である。
図7図7は、第4実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図8図8は、第5実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図9図9(a)、(b)、(c)のそれぞれは、DCゲイン及びブーストゲインに基づいてサイズパラメータを決定するためのルックアップテーブルである。
図10図10は、第6実施形態に係る増幅回路の構成を示した図である。
図11図11は、第7実施形態に係る受信回路の構成を示した図である。
図12図12は、第8実施形態に係る半導体集積回路の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係る増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、各図面で共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る増幅回路D1の構成を示した図である。なお、増幅回路D1はシングルエンドとしての増幅器である。
【0012】
図1に示した様に、増幅回路D1は、第1回路11、第2回路12、第3回路13、基準電位ノード31、入力端子50、入力ノード51、出力端子60、出力ノード61を含む。なお、図1において、a、bは、それぞれ第1回路11、第2回路12が有するトランジスタに流れる電流の大きさを示すパラメータであり、トランジスタのサイズを示すパラメータ(以降、「サイズパラメータ」と呼ぶ。)である。サイズパラメータa、bは、例えば、FinFET(Fin Field Effect Transistor)のフィン数やプレーナ型トランジスタのゲート幅に対応する。
【0013】
入力ノード51は、入力電流Iが流れる配線を含む。出力ノード61は、出力電流Iが流れる配線を含む。基準電位ノード31は、基準電位Vbasis(例えばアース電位)が供給される配線を含む。なお、入力ノード51の電位Vinと基準電位VbasisはVin>Vbasisの関係にある。
【0014】
第1回路11は、第1トランジスタ111を有する。第1トランジスタ111は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流Iが流れる入力ノード51と基準電位ノード31との間に接続されている。第1トランジスタ111のゲート電極は入力ノード51と接続されている。また、第1トランジスタ111のドレイン電極、ソース電極は、それぞれ入力ノード51、基準電位ノード31と接続されている。第1トランジスタ111のサイズパラメータはaである。なお、第1トランジスタ111は、第1トランジスタの一例である。
【0015】
第2回路12は、第2トランジスタ121、ローパスフィルタ回路127を有する。第2トランジスタ121は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流Iが流れる入力ノード51と基準電位ノード31との間において第1トランジスタ111と並列に接続されている。第2トランジスタ121のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極とローパスフィルタ回路127を介して接続されている。また、第2トランジスタ121のドレイン電極、ソース電極は、それぞれ入力ノード51、基準電位ノード31と接続されている。第2トランジスタ121のサイズパラメータはbである。なお、第2トランジスタ121は、第2トランジスタの一例である。
【0016】
ローパスフィルタ回路127は、キャパシタ1271、抵抗1272から構成されているローパスフィルタである。ローパスフィルタ回路127は、高周波帯域において、第2トランジスタ121のゲート電極への信号をフィルタリングする。
【0017】
なお、ローパスフィルタ回路127が通過させる周波数帯域、すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωは、キャパシタ1271の容量C、抵抗1272の抵抗値Rによって調整することができる(ω=1/RC)。また、図1では、ローパスフィルタ回路127は、キャパシタ1271、抵抗1272を一つずつ有する構成を例示した。しかしながら、キャパシタ1271、抵抗1272の数は、目的に応じて任意に選択することが可能である。
【0018】
第3回路13は、第3トランジスタ131を有する。第3トランジスタ131は、例えばnチャネルトランジスタであり、出力電流Iが流れる出力ノード61と基準電位ノード31との間に接続されている。第3トランジスタ131のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。また、第3トランジスタ131のサイズパラメータはa+bである。すなわち、第3トランジスタ131のサイズパラメータa+bは、第1トランジスタ111のサイズパラメータaと第2トランジスタ121のサイズパラメータbの合計に等しい。なお、第3トランジスタ131は、第3トランジスタの一例である。
【0019】
第1回路11、及び第2回路12は、第3回路13とカレントミラー回路を構成する。入力電流Iが入力ノード51に流れると、ミラー先の第3回路13には、第3トランジスタ131のサイズパラメータa+bに対応する比率の電流Ia+bが流れる。
【0020】
次に、増幅回路D1の動作について、図1図2を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る増幅回路D1のDCゲイン、ブーストゲイン、ピークゲインと周波数との関係を示した図である。ここで、DCゲインはローパスフィルタ回路127のフィルタリング動作を反映させていないゲインに相当し、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より小さい場合のゲインに相当する。ピークゲインは、ローパスフィルタ回路127のフィルタリング動作を反映させたゲインに相当し、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より大きい場合のゲインに相当する。ブーストゲインは、ピークゲインとDCゲインの差分に対応し、ブーストゲイン=ピークゲイン-DCゲインによって定義される。
【0021】
増幅回路D1においては、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より大きい場合のゲイン(ピークゲイン)は、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より小さい場合のゲイン(DCゲイン)よりも大きいものとなる。
【0022】
より具体的には、まず、入力信号としての入力電流Iの周波数ωがω≦ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωに等しいか、それよりも低周波の場合)を想定する。係る場合、入力信号はローパスフィルタ回路127を通過する。従って、入力電流Iが入力ノード51に入力されると、第1回路11には第1トランジスタ111のサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが、第2回路12には第2トランジスタ121のサイズパラメータbに対応した比率の電流Iがそれぞれ流れる。
【0023】
第3トランジスタ131、第1トランジスタ111、第2トランジスタ121において、ゲートソース間の電圧は等しい。このため、カレントミラー動作に基づいて、同じオーバードライブ電圧Vodにより電流変換され、第3トランジスタ131にはミラー電流としてドレイン電流Ia+bが流れる。従って、入力信号が低周波数である場合のDCゲインは、図2に示した様に、A1=Ia+b/(I+I)=(a+b)/(a+b)=1となる。
【0024】
また、入力信号としての入力電流Iの周波数ωがω>ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωよりも高周波の場合)を想定する。係る場合、入力電流Iが入力ノード51に入力されると、カレントミラー動作に基づいて、第3トランジスタ131にはミラー電流としてドレイン電流Ia+bが流れる。このとき、第1回路11には第1トランジスタ111のサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが流れる。一方、第2トランジスタ121のゲート電極は、ローパスフィルタ回路127を介して第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。これにより、第2トランジスタ121のゲート電極への入力信号は、ローパスフィルタ回路127によってフィルタリングされるため、第2トランジスタ121には電流Iが流れなくなる。従って、図2に示した様に、入力信号の周波数ω>ω=1/RCの場合、入力信号の周波数ωがω>1/RCを満たす一定の高周波範囲においてDCゲインからブーストゲインA2だけ上昇する。その結果、A3=Ia+b/I=(a+b)/aとなる。
【0025】
なお、増幅回路D1においては、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より大きい場合のゲイン(ピークゲイン)と、入力電流Iの周波数がローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数より小さい場合のゲイン(DCゲイン)との差は、第2トランジスタ121のサイズパラメータbに応じて決定することができる。
【0026】
また、DCゲインA1とブーストゲインA2との境界点ω=1/RCは、ローパスフィルタ回路127の抵抗値R、容量Cを調整することで、所望の位置に設定することができる。また、直線Bは、ゲインの減少部分の周波数特性を示した直線であり、A=g/sCTOTである。ここで、gmは相互コンダクタンス、sはラプラス変換の変数、CTOTはゲート端子の全容量の値である。
【0027】
以上述べた様に、本実施形態に係る増幅回路D1は、第1回路11、第2回路12、第3回路13を有する。第1回路11は、入力電流が流れる入力ノード51と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が入力ノード51と接続された第1トランジスタ111を含む。第2回路12は、ローパスフィルタ回路127を含む。第2回路12は、入力ノード51と基準電位ノード31の間において第1トランジスタ111と並列に接続され、ゲート電極が第1トランジスタ111のゲート電極とローパスフィルタ回路127を介して接続された第2トランジスタ121を含む。第3回路13は、出力電流が流れる出力ノード61と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が第1トランジスタ111と接続された第3トランジスタ131を含む。
【0028】
入力信号としての入力電流Iの周波数が高周波である場合、第2トランジスタ121のゲート電極に入力する入力信号は、ローパスフィルタ回路127によってフィルタリングされる。従って、高周波帯域においては、第2トランジスタ121に電流Iが流れるのを抑止することができ、増幅率をDCゲインからピークゲインまで引き上げることができる。
【0029】
また、増幅回路D1は、インダクタ素子(コイル)を必要としない。従って、インダクタ素子(コイル)を用いる従来の増幅回路に比して、回路面積を小さくすることができ、消費電力を低減させることができる。
【0030】
また、増幅回路D1は、同一のプロセスで製造されるカレントミラー回路をベースとしている。一般に、集積回路における入力と出力のバラつき要因(例えば、トランジスタの閾値Vth、利得係数β等のパラメータ)は同じプロセス内では同様に変化する。従って、バラつき変化が発生しても、同様の変化によりこれらのバラつき要因は互いに打ち消しあい、最終的にゲイン誤差の少ない増幅回路を実現することができる。
【0031】
また、例えば、抵抗(抵抗値R)、キャパシタ(容量C)、インダクタの寄生抵抗(抵抗値R)及び負荷抵抗(抵抗値R)とを用いてDCゲインとブーストゲインを可変させる従来のソースデジェネレーション型イコライザの場合、DCゲインAは、相互コンダクタンスg、R、R、Rを用いてA=(R+R)/(1/g+R)と表すことができる。すなわち、gは非線形であるため、従来のソースデジェネレーション型イコライザのDCゲインAは線形にはならない。
【0032】
これに対し、カレントミラー回路をベースとした増幅回路D1の増幅率Aは、以下に示すように、線形性を実現することができる。
【0033】
すなわち、入力信号の電流Iinとオーバードライブ電圧Vodとの間には、式(1)の関係がある。
in=(2Iin/βin1/2=Vod (1)
ここで、βinはミラー元のトランジスタの利得係数である。トランジスタの利得係数βは次の式(2)によって定義される。
β=μCOX{W(or nfin)/L}~{W(or nfin)/L} (2)
なお、μはキャリア移動度、COXはゲート酸化膜の容量、Wはプレーナ型トランジスタのゲート幅、Lはゲート長、nfinはFinFETのフィン数を意味する。
【0034】
出力信号の電流Ioutとオーバードライブ電圧Vodとの間には、式(3)の関係がある。
out=(βout/2)Vod (3)
ここで、βoutはミラー先のトランジスタの利得係数である。
式(3)と式(1)より、次の式(4)が成り立つ。
out=(βout/2)・{(2Iin/βin1/2
=(βout/βin)Iin (4)
【0035】
従って、増幅回路D1の増幅率Aは、次の式(5)で表され、線形となる。
=(βout/βin) (5)
【0036】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る増幅回路D2の構成を示した図である。図3に示す様に、増幅回路D2は、図1に示した増幅回路D1の構成に加えて、入力ノード51側にサイズパラメータcに対応した比率の電流Iを出力する定電流源40をさらに有する。定電流源40は、入力ノード51と基準電位ノード31との間において、第1トランジスタ111及び第2トランジスタ121と並列に接続されている。また、増幅回路D2では、定電流源40が追加されたことに対応して、出力ノード61側において、第3トランジスタ131のサイズパラメータはa+b+cとなっている。
【0037】
図4は、第2実施形態に係る増幅回路D2のDCゲイン、ブーストゲイン、ピークゲインと周波数との関係を示した図である。増幅回路D2の動作について、図3図4を参照しながら説明する。
【0038】
第3回路13、第1回路11、第2回路12、定電流源40は、カレントミラー回路として動作する。入力電流Iが入力ノード51に流れると、ミラー先の第3回路13には、第3トランジスタ131のサイズパラメータa+b+cに対応した比率の電流Ia+b+cが流れる。
【0039】
まず、入力信号としての入力電流Iの周波数ωがω≦ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωに等しいか、それよりも低周波の場合)を想定する。係る場合、入力信号はローパスフィルタ回路127を通過するので、入力電流Iが入力ノード51に入力されると、第1トランジスタ111にはサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが流れ、第2トランジスタ121にはサイズパラメータbに対応した比率の電流Iが流れる。また、カレントミラー動作に基づいて、ミラー先の第3トランジスタ131にはドレイン電流Ia+b+cが流れる。従って、入力信号の周波数ω≦ω=1/RCの場合のDCゲインは、図4に示した様に、A4=Ia+b+c/(I+I)=(a+b+c)/(a+b)となる。
【0040】
また、入力信号としての入力電流Iの周波数ωがω>ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωよりも高周波の場合)を想定する。係る場合、入力電流Iが入力ノード51に入力されると、カレントミラー動作に基づいて、ミラー先の第3トランジスタ131にはドレイン電流Ia+b+cが流れる。このとき、第1回路11には第1トランジスタ111のサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが流れる。一方、第2トランジスタ121のゲート電極への入力信号は、ローパスフィルタ回路127によってフィルタリングされるため、第2トランジスタ121には電流Iが流れなくなる。従って、図4に示した様に、入力信号の周波数ω>ω=1/RCの場合、入力信号の周波数ωがω>1/RCを満たす一定の高周波範囲においてDCゲインからブーストゲインA5だけ上昇する。その結果、ピークゲインは、A6=Ia+b+c/I=(a+b+c)/aとなる。
【0041】
すなわち、第2実施形態に係る増幅回路D2によれば、ブーストゲインのみならずDCゲインも増幅させることができる。また、定電流源40が出力する電流Iを調整することで、ブーストゲイン及びDCゲインを可変に増幅することができる。また、第1実施形態に係る増幅回路D1に比して、ブーストゲインをさらに増幅することができる。
【0042】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る増幅回路D3の構成を示した図である。図5に示した様に、増幅回路D3は、入力端子50、52より入力電流IIP、IINを入力し、出力端子60、62から出力電流IOP、IONを出力する差動増幅器である。
【0043】
増幅回路D3は、第1回路11、第2回路12、第3回路13、第4回路14、第5回路15、第6回路16、第7回路17、第8回路18、入力ノード51、基準電位ノード31、出力ノード61を有する。
【0044】
第1回路11、第2回路12については、第1実施形態において説明した通りである。また、第3回路13が有する第3トランジスタ131のサイズパラメータは、第1トランジスタ111のサイズパラメータa、第2トランジスタ121のサイズパラメータb、及び第7回路17が有する第7トランジスタ171のサイズパラメータcの合計に等しい。すなわち、第3トランジスタ131のサイズパラメータはa+b+cである。
【0045】
第4回路14は、第4トランジスタ141を有する。第4トランジスタ141は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流IINが流れる入力ノード32と基準電位ノード31との間に接続されている。第4トランジスタ141のゲート電極は、入力ノード32と接続されている。また、第4トランジスタ141のドレイン電極、ソース電極は、それぞれ入力ノード32、基準電位ノード31と接続されている。第4トランジスタ141のサイズパラメータはaである。
【0046】
第5回路15は、第5トランジスタ151、ローパスフィルタ回路157を有する。第5トランジスタ151は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流IINが流れる入力ノード32と基準電位ノード31との間において第4トランジスタ141と並列に接続されている。第5トランジスタ151のゲート電極は、第4トランジスタ141とローパスフィルタ回路157を介して接続されている。また、第5トランジスタ151のドレイン電極、ソース電極は、それぞれ入力ノード32、基準電位ノード31と接続されている。第5トランジスタ151のサイズパラメータはbである。
【0047】
ローパスフィルタ回路157は、キャパシタ1571、抵抗1572を有する。ローパスフィルタ回路157の機能は、ローパスフィルタ回路127と同様である。
【0048】
第6回路16は、第6トランジスタ161を有する。第6トランジスタ161は、例えばnチャネルトランジスタであり、出力電流IONが流れる出力ノード63と基準電位ノード31との間に接続されている。第6トランジスタ161のゲート電極は、第4トランジスタ141のゲート電極と接続されている。また、第6トランジスタ161のドレイン電極、ソース電極は、それぞれ出力ノード63、基準電位ノード31と接続されている。第6トランジスタ161のサイズパラメータは、第4トランジスタ141のサイズパラメータa、第5トランジスタ151のサイズパラメータb、及び第8回路18が有する第8トランジスタ181のサイズパラメータcの合計に等しい。すなわち、第6トランジスタ161のサイズパラメータはa+b+cである。
【0049】
第7回路17は、第7トランジスタ171を有する。第7トランジスタ171は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流IINが流れる入力ノード53と基準電位ノード31との間に接続されている。また、第7トランジスタ171のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。第7トランジスタ171のサイズパラメータはcである。
【0050】
第8回路18は、第8トランジスタ181を有する。第8トランジスタ181は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力電流IIPが流れる入力ノード51と基準電位ノード31との間に接続されている。また、第8トランジスタ181のゲート電極は、第4トランジスタ141のゲート電極と接続されている。第8トランジスタ181のサイズパラメータはcである。
【0051】
第1回路11、第2回路12、第3回路13、第7回路17は、入力端子50、52より入力電流IIP、IINを入力し、出力端子60から出力電流IOPを出力する第1カレントミラー回路CM1として動作する。また、第4回路14、第5回路15、第6回路16、第8回路18は、入力端子50、52より入力電流IIP、IINを入力し、出力端子62から出力電流IONを出力する第2カレントミラー回路CM2として動作する。
【0052】
第1カレントミラー回路CM1と第2カレントミラー回路CM2は、入力電流IINを入力する第7回路17の第7トランジスタ171と入力電流IIPを入力する第8回路18の第8トランジスタ181によりクロスカップルされている。
【0053】
図6は、第3実施形態に係る増幅回路D3のゲインに関する周波数特性を示した図である。増幅回路D3の動作について、図5図6を参照しながら説明する。
【0054】
まず、第1カレントミラー回路CM1において、入力信号としての入力電流IIP、IINの周波数ωがω≦ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωに等しいか、それよりも低周波の場合)を想定する。係る場合、入力信号はローパスフィルタ回路127を通過する。従って、入力電流IIPが入力ノード51に入力されると、第1回路11には第1トランジスタ111のサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが、第2回路12には第2トランジスタ121のサイズパラメータbに対応した比率の電流Iがそれぞれ流れる。
【0055】
また、入力電流IINが入力ノード53に入力されると、入力電流IINの極性は入力電流IIPの極性と反転しているため、第7回路17には第7トランジスタ171のサイズパラメータcに対応した比率の電流-Iが流れる。
【0056】
また、第3トランジスタ131と、第1トランジスタ111、第2トランジスタ121、第7トランジスタ171との間では、ゲートソース間の電圧が等しい。このため、第3トランジスタ131にはドレイン電流Ia+b+cが流れる。
【0057】
第2カレントミラー回路CM2の動作についても、極性が反転した入力電流IIP、IINが入力される点以外は、実質的に同様である。
【0058】
従って、入力信号が低周波数である場合のDCゲインは、図6に示した様に、A10=Ia+b+c/(I+I-I)=(a+b+c)/(a+b-c)となる。
【0059】
また、入力信号としての入力電流IIP、IINの周波数ωがω>ω=1/RCの場合(すなわち、ローパスフィルタ回路127のカットオフ周波数ωよりも高周波の場合)を想定する。係る場合、入力電流IIPが入力ノード51に入力されると、カレントミラー動作に基づいて、ミラー先の第3トランジスタ131にはドレイン電流Ia+b+cが流れる。このとき、第1回路11には第1トランジスタ111のサイズパラメータaに対応した比率の電流Iが流れる。第7回路17には、第7トランジスタ171のサイズパラメータcに対応した比率の電流-Iが流れる。
【0060】
一方、第2トランジスタ121のゲート電極は、ローパスフィルタ回路127を介して第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。これにより、第2トランジスタ121のゲート電極への入力信号は、ローパスフィルタ回路127によってフィルタリングされるため、第2トランジスタ121には電流Iが流れなくなる。
【0061】
第2カレントミラー回路CM2の動作についても、極性が反転した入力電流IIP、IINが入力される点以外は、実質的に同様である。
【0062】
従って、図6に示した様に、入力信号の周波数ω>ω=1/RCの場合、入力信号の周波数ωがω>1/RCを満たす一定の高周波範囲においてDCゲインからブーストゲインA11だけ上昇する。その結果、ピークゲインは、図6に示した様にA12=Ia+b+c/(I-I)=(a+b+c)/(a-c)となる。
【0063】
以上述べた様に、本実施形態に係る増幅回路D3は、第1回路11、第2回路12、第3回路13、第4回路14、第5回路15、第6回路16、第7回路17、第8回路18を有する。第1回路11は、入力電流IIPが流れる入力ノード51と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が入力ノード51と接続された第1トランジスタ111を含む。第2回路12は、ローパスフィルタ回路127を含む。第2回路12は、入力ノード51と基準電位ノード31の間において第1トランジスタ111と並列に接続され、ゲート電極が第1トランジスタ111のゲート電極とローパスフィルタ回路127を介して接続された第2トランジスタ121を含む。第3回路13は、出力電流が流れる出力ノード61と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が第1トランジスタ111と接続された第3トランジスタ131を含む。
【0064】
第4回路14は、入力電流IINが流れる入力ノード53と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が入力ノード53と接続された第4トランジスタ141を含む。第5回路15は、ローパスフィルタ回路157を含む。第5回路15は、入力ノード53と基準電位ノード31の間において第4トランジスタ141と並列に接続され、ゲート電極が第4トランジスタ141のゲート電極とローパスフィルタ回路157を介して接続された第5トランジスタ151を含む。第6回路16は、出力電流が流れる出力ノード63と基準電位ノード31の間に接続され、ゲート電極が第4トランジスタ141と接続された第6トランジスタ161を含む。
【0065】
第7回路17は、入力電流IINが流れる入力ノード53と基準電位ノード31との間に接続され、ゲート電極が第1トランジスタ111のゲート電極と接続された第7トランジスタ171を含む。第8回路18は、入力電流IIPが流れる入力ノード51と基準電位ノード31との間に接続され、ゲート電極が第4トランジスタ141のゲート電極と接続された第8トランジスタ181を含む。
【0066】
第1回路11、第2回路12、第3回路13、第7回路17は、第1カレントミラー回路CM1として動作し、第4回路14、第5回路15、第6回路16、第8回路18は、第2カレントミラー回路CM2として動作する。第1カレントミラー回路CM1と第2カレントミラー回路CM2は、第7回路17の第7トランジスタ171と第8回路18の第8トランジスタ181によりクロスカップルされている。
【0067】
第7回路17の第7トランジスタ171、第8回路18の第8トランジスタ181により、第1カレントミラー回路CM1と第2カレントミラー回路CM2とにおいて、入力電流IIPに対し入力電流IINがクロスカップルされている。これにより、増幅回路D3は、第1実施形態において説明したブーストゲイン増幅機能に加えて、DCゲインについても増幅する機能を有することができる。
【0068】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係る増幅回路D4の構成を示した図である。図7に示す様に、増幅回路D4は、図5に示した増幅回路D3の構成に加えて、入力ノード51、53側にそれぞれ、サイズパラメータdに対応した定電流源40、41をさらに有する。定電流源40は、入力ノード51と基準電位ノード31との間において、第1トランジスタ111及び第2トランジスタ121と並列に接続されている。定電流源41は、入力ノード53と基準電位ノード31との間において、第4トランジスタ141及び第5トランジスタ151と並列に接続されている。また、増幅回路D4では、定電流源40、41が追加されたことに対応して、出力ノード61、63側において、第3トランジスタ131及び第6トランジスタ161のサイズパラメータはa+b+c+dとなっている。
【0069】
これによって、第4実施形態に係る増幅回路D4によれば、第2実施形態に係る増幅回路D2の場合と同様に、増幅回路D3に比して、DCゲインをさらに増幅させることができる。また、定電流源40、41が出力する電流Iを調整することで、ブーストゲイン及びDCゲインを可変に増幅することができる。
【0070】
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態に係る増幅回路D5の構成を示した図である。第5実施形態に係る増幅回路D5は、第1カレントミラー回路CM1、第2カレントミラー回路CM2が有する各トランジスタのソース側に挿入された、オン/オフ制御のためのトランジスタを用いてサイズパラメータa、b、cを個別に制御し、DCゲイン、ブーストゲインを可変に増幅するものである。
【0071】
図8に示す様に、増幅回路D5は、入力電流IIP、IINを入力して出力電流IOP、IONを出力する差動増幅器である。
【0072】
増幅回路D5は、並列接続されたA個の第1回路11(以下、「第1回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0073】
増幅回路D5は、並列接続されたB個の第2回路12(以下、「第2回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0074】
増幅回路D5は、並列接続されたC個の第7回路17(以下、「第7回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0075】
増幅回路D5は、並列接続されたA+B+C個の第3回路13(以下、「第3回路の群」と呼ぶ)を有する。なお、第3回路の群に含まれる第3回路13の数は、第1回路の群に含まれる第1回路11の数、第2回路の群に含まれる第2回路12の数、及び第7回路の群に含まれる第7回路17の数の合計に等しい。
【0076】
増幅回路D5は、並列接続されたA個の第4回路14(以下、「第4回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0077】
増幅回路D5は、並列接続されたB個の第5回路15(以下、「第5回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0078】
増幅回路D5は、並列接続されたC個の第8回路18(以下、「第8回路の群」と呼ぶ)を有する。
【0079】
増幅回路D5は、並列接続されたA+B+C個の第6回路16(以下、「第6回路の群」と呼ぶ)を有する。なお、第6回路の群に含まれる第6回路の数は、第4回路の群に含まれる第4回路14の数、第5回路の群に含まれる第5回路15の数、及び第8回路の群に含まれる第8回路18の数の合計に等しい。
【0080】
第1回路の群、第2回路の群、第7回路の群は、第3回路の群と第1カレントミラー回路CM1を構成する。また、第4回路の群、第5回路の群、第6回路の群は、第8回路の群と第2カレントミラー回路CM2を構成する。また、増幅回路D5は、コントローラ25を有する。
【0081】
各第1回路11は、第1トランジスタ111と直列接続された第9トランジスタ112を有する。第9トランジスタ112は、例えばnチャネルトランジスタであり、第9トランジスタ112のドレイン電極は第1トランジスタ111のソース電極と接続されている。第9トランジスタ112のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第9トランジスタ112のゲート電極は、所定の固定電位ノード、例えば電源電位ノードに接続される。なお、第1トランジスタ111のサイズパラメータは“1”である。第1回路の群における、並列接続されたA個の第1トランジスタ111は、サイズパラメータaに対応した比率の電流Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0082】
各第2回路12は、第2トランジスタ121、ローパスフィルタ回路127に加えて、オン/オフ制御のための第10トランジスタ122、第11トランジスタ123、オン/オフ制御のための第12トランジスタ124、第1インバータ128を有する。
【0083】
第10トランジスタ122は、例えばnチャネルトランジスタであり、第2トランジスタ121と基準電位ノード31の間に接続されている。第10トランジスタ122のドレイン電極は第2トランジスタ121のソース電極と接続されている。第10トランジスタ122のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第10トランジスタ122のゲート電極は第1制御ノード33と接続されている。なお、第2トランジスタ121のサイズパラメータは“1”である。第2の回路の群における、並列接続されたB個の第2トランジスタ121は、オンされた場合に、サイズパラメータbに対応した比率の電流Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0084】
第11トランジスタ123は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード51と基準電位ノード31との間において、第1トランジスタ111及び第2トランジスタ121と並列に接続されている。第11トランジスタ123のドレイン電極は、入力ノード51と接続されている。第11トランジスタ123のソース電極は第12トランジスタ124のドレイン電極と接続されている。第11トランジスタ123のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極と、ローパスフィルタ回路127を介さずに接続されている。なお、第11トランジスタ123のサイズパラメータは“1”である。第2の回路の群における、並列接続されたB個の第11トランジスタ123は、オンされた場合に、サイズパラメータaに対応した比率の電流Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0085】
第12トランジスタ124は、例えばnチャネルトランジスタであり、第11トランジスタ123と基準電位ノード31の間に接続されている。第12トランジスタ124のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。
【0086】
第1インバータ128の入力側は、第10トランジスタ122のゲート電極、すなわち、第1制御ノード33に接続される。第1インバータ128の出力側は、第12トランジスタ124のゲート電極に接続される。第1インバータ128は、入力される制御信号に応じて第10トランジスタ122及び第12トランジスタ124のいずれか一方を選択的にオンに遷移させる。
【0087】
第2回路12において、コントローラ25から、第10トランジスタ122をオンさせ第2トランジスタ121に電流を流すための制御信号(例えばハイレベル信号)が第1制御ノード33に供給される場合を想定する。係る場合、当該ハイレベル信号によって第10トランジスタ122がオンされ、第2トランジスタ121にサイズパラメータ“1”に対応した比率の電流Iが流れる。
【0088】
一方、ハイレベル信号は、第1インバータ128にも供給される。第1インバータ128は、供給されたハイレベル信号を反転させたローレベル信号を第12トランジスタ124のゲート電極に供給する。第12トランジスタ124は、ゲート電極に供給された制御信号がローレベル信号であるためオンしない。
【0089】
また、コントローラ25から、第10トランジスタ122をオフするための制御信号(例えばローレベル信号)が第1制御ノード33に供給される場合を想定する。係る場合、当該ローレベル信号によって第10トランジスタ122はオフとなり、第2トランジスタ121に電流Iは流れない。
【0090】
一方、ローレベル信号は、第1インバータ128にも供給される。第1インバータ128は、供給されたローレベル信号を反転させたハイレベル信号を第12トランジスタ124のゲート電極に供給する。第12トランジスタ124は、ゲート電極に供給された制御信号がハイレベル信号であるためオン状態となり、第11トランジスタ123にサイズパラメータ“1”に対応した比率の電流Iが流れる。
【0091】
各第7回路17は、第7トランジスタ171、第13トランジスタ172、第14トランジスタ173、第15トランジスタ174、第2インバータ175を有する。
【0092】
第7トランジスタ171は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード53と基準電位ノード31との間において、第4トランジスタ141及び第5トランジスタ151と並列に接続されている。第7トランジスタ171のドレイン電極は、入力ノード53と接続されている。第7トランジスタ171のソース電極は第13トランジスタ172のドレイン電極と接続されている。第7トランジスタ171のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。なお、第7トランジスタ171のサイズパラメータは“1”である。第7の回路の群における、並列接続されたC個の第7トランジスタ171は、オンされた場合に、サイズパラメータcに対応した比率の電流-Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0093】
第13トランジスタ172は、例えばnチャネルトランジスタであり、第7トランジスタ171と基準電位ノード31の間に接続されている。第13トランジスタ172のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。
【0094】
第14トランジスタ173は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード51と基準電位ノード31との間において、第1トランジスタ111及び第2トランジスタ121と並列に接続されている。第14トランジスタ173のドレイン電極は、入力ノード51と接続されている。第14トランジスタ173のソース電極は第15トランジスタ174のドレイン電極と接続されている。第14トランジスタ173のゲート電極は、第1トランジスタ111のゲート電極と接続されている。なお、第14トランジスタ173のサイズパラメータは“1”である。第7の回路の群における、並列接続されたC個の第14トランジスタ173は、オンされた場合に、サイズパラメータaに対応した比率の電流Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0095】
第15トランジスタ174は、例えばnチャネルトランジスタであり、第14トランジスタ173と基準電位ノード31の間に接続されている。第15トランジスタ174のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第15トランジスタ174のゲート電極は第2制御ノード34と接続されている。
【0096】
第2インバータ175の入力側は、第15トランジスタ174のゲート電極、すなわち、第2制御ノード34に接続される。第2インバータ175の出力側は、第13トランジスタ172のゲート電極に接続される。第2インバータ175は、入力される制御信号に応じて第13トランジスタ172及び第15トランジスタ174のいずれか一方を選択的にオンに遷移させる。
【0097】
第7回路17において、コントローラ25から、第15トランジスタ174をオンさせ第14トランジスタ173に電流を流すためのハイレベル信号が第2制御ノード34に供給される場合を想定する。係る場合、当該ハイレベル信号によって第15トランジスタ174がオンされ、第14トランジスタ173にサイズパラメータ“1”に対応した比率の電流Iが流れる。
【0098】
一方、ハイレベル信号は、第2インバータ175にも供給される。第2インバータ175は、供給されたハイレベル信号を反転させたローレベル信号を第13トランジスタ172のゲート電極に供給する。第13トランジスタ172は、ゲート電極に供給された制御信号がローレベル信号であるためオンしない。
【0099】
また、コントローラ25から、第14トランジスタ173をオフするためのローレベル信号が第2制御ノード34に供給される場合を想定する。係る場合、当該ローレベル信号によって第15トランジスタ174はオフとなり、第14トランジスタ173に電流Iは流れない。
【0100】
一方、ローレベル信号は、第2インバータ175にも供給される。第2インバータ175は、供給されたローレベル信号を反転させたハイレベル信号を第13トランジスタ172のゲート電極に供給する。第13トランジスタ172は、ゲート電極に供給された制御信号がハイレベル信号であるためオン状態となり、第7トランジスタ171にサイズパラメータ“1”に対応した比率の電流-Iが流れる。
【0101】
各第3回路13は、第3トランジスタ131と基準電位ノード31の間に接続された第16トランジスタ132を有する。第16トランジスタ132は、例えばnチャネルトランジスタであり、第16トランジスタ132のドレイン電極は第3トランジスタ131のソース電極と接続されている。第16トランジスタ132のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第16トランジスタ132のゲート電極は、所定の固定電位ノード、例えば電源電位ノードに接続される。なお、第3トランジスタ131のサイズパラメータは“1”である。第3の回路の群における、並列接続されたA+B+C個の第3トランジスタ131は、サイズパラメータa+b+cに対応した比率の電流Ia+b+cを流すトランジスタの群を構成するものである。
【0102】
以上説明したように、図8に示した増幅回路D5では、第1トランジスタ111、第2トランジスタ121、第3トランジスタ131、第7トランジスタ171、第11トランジスタ123、及び第14トランジスタ173は、そのサイズパラメータがすべて“1”であり、サイズが互いに等しい。
【0103】
各第4回路14は、第4トランジスタ141と基準電位ノード31の間に接続された第17トランジスタ142を有する。第17トランジスタ142は、例えばnチャネルトランジスタであり、第17トランジスタ142のドレイン電極は第4トランジスタ141のソース電極と接続されている。第17トランジスタ142のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第17トランジスタ142のゲート電極は、所定の固定電位ノード、例えば電源電位ノードに接続される。なお、第4トランジスタ141のサイズパラメータは“1”である。第4の回路の群における、並列接続されたA個の第4トランジスタ141は、サイズパラメータaに対応した比率の電流-Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0104】
各第5回路15は、第5トランジスタ151、ローパスフィルタ回路157に加えて、第18トランジスタ152、第19トランジスタ153、第20トランジスタ154、第3インバータ158を有する。
【0105】
第18トランジスタ152は、例えばnチャネルトランジスタであり、第5トランジスタ151と基準電位ノード31の間に接続されている。第18トランジスタ152のドレイン電極は第5トランジスタ151のソース電極と接続されている。第18トランジスタ152のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第18トランジスタ152のゲート電極は第3制御ノード35と接続されている。なお、第5トランジスタ151のサイズパラメータは“1”である。第5の回路の群における、並列接続されたB個の第5トランジスタ151は、オンされた場合に、サイズパラメータbに対応した比率の電流-Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0106】
第19トランジスタ153は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード53と基準電位ノード31との間において、第4トランジスタ141及び第5トランジスタ151と並列に接続されている。第19トランジスタ153のドレイン電極は、入力ノード53と接続されている。第19トランジスタ153のソース電極は第20トランジスタ154のドレイン電極と接続されている。第19トランジスタ153のゲート電極は、第4トランジスタ141のゲート電極と、ローパスフィルタ回路157を介さずに接続されている。なお、第19トランジスタ153のサイズパラメータは“1”である。第5の回路の群における、並列接続されたB個の第19トランジスタ153は、オンされた場合に、サイズパラメータaに対応した比率の電流-Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0107】
第20トランジスタ154は、例えばnチャネルトランジスタであり、第19トランジスタ153と基準電位ノード31との間に接続されている。第20トランジスタ154のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。
【0108】
第3インバータ158の入力側は、第18トランジスタ152のゲート電極、すなわち、第3制御ノード35に接続される。第3インバータ158の出力側は、第20トランジスタ154のゲート電極に接続される。第3インバータ158は、入力される制御信号に応じて第18トランジスタ152及び第20トランジスタ154のいずれか一方を選択的にオンに遷移させる。
【0109】
第5回路15におけるスイッチング制御は、第2回路12と同様であるので、その説明は省略する。
【0110】
各第8回路18は、第8トランジスタ181、第21トランジスタ182、第22トランジスタ183、第23トランジスタ184、第4インバータ185を有する。
【0111】
第8トランジスタ181は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード51と基準電位ノード31との間において、第1トランジスタ111及び第2トランジスタ121と並列に接続されている。第8トランジスタ181のドレイン電極は、入力ノード51と接続されている。第8トランジスタ181のソース電極は第21トランジスタ182のドレイン電極と接続されている。第8トランジスタ181のゲート電極は、第4トランジスタ141のゲート電極と接続されている。なお、第8トランジスタ181のサイズパラメータは“1”である。第8の回路の群における、並列接続されたC個の第8トランジスタ181は、オンされた場合に、サイズパラメータcに対応した比率の電流Iを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0112】
第21トランジスタ182は、例えばnチャネルトランジスタであり、第8トランジスタ181と基準電位ノード31との間に接続されている。第21トランジスタ182のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。
【0113】
第22トランジスタ183は、例えばnチャネルトランジスタであり、入力ノード53と基準電位ノード31との間において、第4トランジスタ141及び第5トランジスタ151と並列に接続されている。第22トランジスタ183のドレイン電極は、入力ノード53と接続されている。第22トランジスタ183のソース電極は第23トランジスタ184のドレイン電極と接続されている。第22トランジスタ183のゲート電極は、第4トランジスタ141のゲート電極と接続されている。なお、第22トランジスタ183のサイズパラメータは“1”である。第8の回路の群における、並列接続されたC個の第22トランジスタ183は、オンされた場合に、サイズパラメータaに対応した比率の電流-Iaを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0114】
第23トランジスタ184は、例えばnチャネルトランジスタであり、第22トランジスタ183と基準電位ノード31との間に接続されている。第23トランジスタ184のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第23トランジスタ184のゲート電極は第4制御ノード36と接続されている。
【0115】
第4インバータ185の入力側は、第23トランジスタ184のゲート電極、すなわち、第4制御ノード36に接続される。第4インバータ185の出力側は、第21トランジスタ182のゲート電極に接続される。第4インバータ185は、入力される制御信号に応じて第21トランジスタ182及び第23トランジスタ184のいずれか一方を選択的にオンに遷移させる。
【0116】
第8回路18におけるスイッチング制御は、第7回路17と同様であるので、その説明は省略する。
【0117】
各第6回路16は、第6トランジスタ161と基準電位ノード31との間に接続された第24トランジスタ162を有する。第24トランジスタ162は、例えばnチャネルトランジスタであり、第24トランジスタ162のドレイン電極は第6トランジスタ161のソース電極と接続されている。第24トランジスタ162のソース電極は基準電位ノード31と接続されている。第24トランジスタ162のゲート電極は、所定の固定電位ノード、例えば電源電位ノードに接続される。なお、第6トランジスタ161のサイズパラメータは“1”である。第6の回路の群における、並列接続されたA+B+C個の第6トランジスタ161は、サイズパラメータa+b+cに対応した比率の電流-Ia+b+cを流すトランジスタの群の一部を構成するものである。
【0118】
以上のように、図8に示した増幅回路D5では、第4トランジスタ141、第5トランジスタ151、第6トランジスタ161、第8トランジスタ181、第19トランジスタ153、及び第22トランジスタ183は、そのサイズパラメータがすべて“1”であり、サイズが互いに等しい。
【0119】
コントローラ25は、設定されるDCゲインとブーストゲインとに応じて、第2回路の群に対する複数の第1制御信号の選択的な入力、第7回路の群に対する複数の第2制御信号の選択的な入力、第5回路の群に対する複数の第3制御信号の選択的な入力、第8回路の群に対する複数の第4制御信号の選択的な入力をそれぞれ可変に行う制御回路である。
【0120】
なお、増幅回路D5においては、入力電流IIP、IINの周波数ωがローパスフィルタ回路127及びローパスフィルタ回路157のカットオフ周波数ωよりも大きい場合と小さい場合の間のゲインの差は、第1制御信号によってオンさせる第2トランジスタ121の数、及び、第3制御信号によってオンさせる第5トランジスタ151の数に応じて決定される。
【0121】
また、増幅回路D5においては、入力電流IIP、IINの周波数ωがローパスフィルタ回路127及びローパスフィルタ回路157のカットオフ周波数ωよりも小さい場合のゲインは、第2制御信号によってオンさせる第7トランジスタ171の数、及び、第4制御信号によってオンさせる第8トランジスタ181の数に応じて決定される。
【0122】
また、増幅回路D5においては、入力電流IIP、IINの周波数ωがローパスフィルタ回路127及びローパスフィルタ回路157のカットオフ周波数ωよりも大きい場合のゲインは、入力電流IIP、IINの周波数ωがローパスフィルタ回路127及びローパスフィルタ回路157のカットオフ周波数ωよりも小さい場合のゲインよりも大きい。
【0123】
より具体的には、コントローラ25は、設定されるDCゲインとブーストゲインとに応じて、複数の第1制御ノード33、複数の第2制御ノード34、複数の第3制御ノード35、及び複数の第4制御ノード36に、それぞれ対応する制御信号を供給する。コントローラ25は、設定されるDCゲイン及びブーストゲインに基づいてサイズパラメータa、b、cを決定するためのルックアップテーブルを記憶する。コントローラ25は、設定されるDCゲイン及びブーストゲインとルックアップテーブルとに基づいてサイズパラメータa、b、cの値を決定する。コントローラ25は、決定されたサイズパラメータa、b、cの値を設定するための対応する制御信号を複数の第1制御ノード33、複数の第2制御ノード34、複数の第3制御ノード35、及び第4制御ノード36に供給する。
【0124】
次に、第1カレントミラー回路CM1における第1回路11、第2回路12のスイッチング制御について説明する。このスイッチング制御は、DCゲインのレベルとブーストゲインのレベルとに基づいて決定されたサイズパラメータa、b、cを用いて実行される。
【0125】
まず、サイズパラメータa、b、cの決定について説明する。サイズパラメータa、b、cはDCゲイン及びブーストゲインを入力情報とし、サイズパラメータa、b、cのそれぞれの値(すなわち、第1カレントミラー回路CM1において、各サイズパラメータに対応した比率の電流を流すために駆動すべきトランジスタの数)を出力情報として、ルックアップテーブルを用いて決定される。
【0126】
図9(a)、(b)、(c)のそれぞれは、設定されるDCゲイン及びブーストゲインに基づいてサイズパラメータa、b、cを決定するためのルックアップテーブルである。各ルックアップテーブルにおいて、EQはブーストゲインのレベルを、VGAはDCゲインのレベルをそれぞれ意味する。図9(a)、(b)、(c)に示したルックアップテーブルは、A=8、B=14、C=10、A+B+C=32の場合の例である。
【0127】
例えば、ブーストゲインのレベル(EQ)を3、DCゲインのレベル(VGA)を8と設定する場合を想定する。係る場合、図9(a)、(b)、(c)の各ルックアップテーブルに従って、(a,b,c)=(19,3,10)となる。
【0128】
このとき、コントローラ25は、b=3であることから、第2の回路の群を構成する、並列接続されたB個の第2回路12のうち、3個の第2回路12において、第10トランジスタ122をオンさせ第2トランジスタ121に電流を流すための制御信号(例えばハイレベル信号)を第1制御ノード33に供給する。コントローラ25は、b=3であることから、第2の回路の群を構成する、並列接続されたB個の第2回路12のうち、残りの11個(B-b=11)の第2回路12において、第12トランジスタ124をオンさせ第11トランジスタ123に電流を流すための制御信号(例えばローレベル信号)を第1制御ノード33に供給する。
【0129】
また、コントローラ25は、c=10であることから、第7の回路の群を構成する、並列接続されたC個の第7回路17のうち、10個すべての第7回路17において、第13トランジスタ172をオンさせ第7トランジスタ171に電流を流すための制御信号(例えばローレベル信号)を第2制御ノード34に供給する。一方、いずれの第7回路17においても、第15トランジスタ174をオンさせ第14トランジスタ173に電流を流すための制御信号(例えばハイレベル信号)は供給されない。
【0130】
すなわち、ブーストゲインのレベル(EQ)を3、DCゲインのレベル(VGA)を8と設定とする場合には、ルックアップテーブルより(a,b,c)=(19,3,10)と設定する必要がある。これは、例えば以下の3つの制御が必要であることに対応する。まず、第1カレントミラー回路CM1のミラー元において、ゲート電極がミラー先のトランジスタのゲート電極とローパスフィルタ回路を介さずに接続される、サイズパラメータ“1”であるトランジスタを19個並列にオンさせることにより、サイズパラメータa(=19)に対応する電流Iを発生させる必要がある。また、ゲート電極がミラー先のトランジスタのゲート電極とローパスフィルタ回路を介して接続される、サイズパラメータ“1”であるトランジスタを3個並列にオンさせることにより、サイズパラメータb(=3)に対応する比率の電流Iを発生させる必要がある。さらに、ドレイン電極がミラー先のトランジスタのドレイン電極と異なる入力ノードに接続される、サイズパラメータ“1”であるトランジスタを10個並列にオンさせることにより、サイズパラメータc(=10)に対応する比率の電流-Iを発生させる必要がある。
【0131】
従って、コントローラ25の制御は、14個ある第2回路12のうち、3個の第2回路12についてはサイズパラメータが“1”である第2トランジスタ121をオンとし、残りの11個の第2回路12についてはサイズパラメータが“1”である第11トランジスタ123をオンとする制御となる。
【0132】
また、コントローラ25の制御は、10個ある第7回路17のうち、10個の第7回路17についてはサイズパラメータが“1”である第7トランジスタ171をオンとし、10個ある第7回路17においてはサイズパラメータが“1”である第14トランジスタ173は一つもオンされない制御となる。
【0133】
第1回路11は8個あり、サイズパラメータが“1”である第1トランジスタ111は常にオン状態となっている。これに加えて、11個の第2回路12においてはサイズパラメータが“1”である第11トランジスタ123がオンされることから、合計で、サイズパラメータa=19に相当する19(=8+11)個のトランジスタをオンすることができる。
【0134】
これによって、第1カレントミラー回路CM1のミラー元において、サイズパラメータa=19に対応した比率の電流I、サイズパラメータb=3に対応した電流I、及びサイズパラメータc=10に対した電流-Iをそれぞれ流すことができる。
【0135】
サイズパラメータa、b、cの決定はどのタイミングで実行してもよい。例えば、増幅回路D5を実装する装置の起動時等に行うことができる。
【0136】
なお、第2カレントミラー回路CM2におけるサイズパラメータa、b、cの決定、及び決定されたサイズパラメータa、b、cに基づくスイッチング制御についても同様であるので、その説明は省略する。
【0137】
以上述べた様に、本実施形態に係る増幅回路D5によれば、所望するDCゲイン及びブーストゲイン(ピークゲイン)を設定することで、ルックアップテーブルにより、当該設定を実現するためのサイズパラメータa、b、cを自動的に決定することができる。増幅回路D5は、決定されたサイズパラメータa、b、cに従うスイッチング制御を実行し、DCゲイン及びブーストゲインを増幅することができる。
【0138】
すなわち、ユーザは、DCゲイン及びブーストゲインを個別に可変に設定することができる。これにより、信号振幅レベルの多値化にさらに対応することができる。
【0139】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る増幅回路D6は、増幅回路D1乃至D5のうちいずれかを多段接続してより大きなDCゲイン、ブーストゲインを実現するものである。
【0140】
図10は、第6実施形態に係る増幅回路D6の構成を示した図であり、増幅回路D3を2段接続した場合を例示している。図10では、nチャネルトランジスタによって構成された増幅回路D3の出力ノードを、増幅回路D3のnチャネルトランジスタをpチャネルトランジスタに置換することによって構成された増幅回路D3’の入力ノードに接続することにより、2段接続を実現している。
【0141】
図10に示す様に、増幅回路D3を、回路の極性を反転させながら複数段繋げることで、より大きなDCゲイン、ブーストゲインを実現することができる。
【0142】
(第7実施形態)
図11は、第7実施形態に係る受信回路D7の構成を示した図である。図11に示す様に、受信回路D7は、CTLE81、DFE(Decision feedback Equalizer、判定帰還型等化器)82、DEMUX(Demultiplexer、デマルチプレクサ)83を有する。
【0143】
CTLE81は、第1~第6の実施形態に係る各増幅回路を内部に有し、差動入力端子84及び85が受けとる差動入力信号(シリアル入力信号)に対して、時間軸上連続的に増幅処理と等化処理を行う入力増幅回路である。DFE82は、CTLE81の出力信号を受けとり、CTLE81の出力信号に対して、帰還ループによる等化処理と信号レベルの判定を行う等化回路である。なお、CTLE81及びDFE82は、入力回路の一例である。DEMUX83は、DFE82の出力信号を受けとり、DFE82の出力信号をシリアルからパラレルに変換する変換処理を行う変換回路である。
【0144】
この様な受信回路D7によれば、第1~第6の実施形態に係る各増幅回路の効果を有する受信回路を実現することができる。
【0145】
(第8実施形態)
図12は、第8実施形態に係る半導体集積回路D8の構成を示した図である。図12に示す様に、半導体集積回路D8は、受信回路80、受信回路80の出力信号に対して、所定の信号処理を実行する処理回路7を有する。
【0146】
受信回路80は、例えば図11に示した受信回路D7であり、受信回路80内のCTLE81は、第1~第6の実施形態に係る各増幅回路を内部に有する。
【0147】
この様な受信回路によれば、第1~第6の実施形態に係る各増幅回路の効果を有する受信回路を実現することができる。
【0148】
(変形例1)
第1及び第2実施形態においては、シングルエンドの増幅回路D1、D2について説明した。これに対し、増幅回路D1、D2を二つ用いて、差動増幅回路を構成することも可能である。
【0149】
(変形例2)
上記各実施形態においては、nチャネルトランジスタを用いる増幅回路等を例示した。当然ながら、各実施形態に係る増幅回路等は、pチャネルトランジスタを用いて実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0178】
以上述べた通り、本明細書に開示の一実施形態に係る増幅回路、差動増幅回路、受信回路及び半導体集積回路は、ゲインの線形性を維持しつつ、ブーストゲイン増幅機能及び小面積化を実現する。
【符号の説明】
【0179】
7 処理回路
11 第1回路
12 第2回路
13 第3回路
14 第4回路
15 第5回路
16 第6回路
17 第7回路
18 第8回路
25 コントローラ
31 基準電位ノード
32 入力ノード
33 第1制御ノード
34 第2制御ノード
35 第3制御ノード
36 第4制御ノード
40、41 定電流源
50、52 入力端子
51、53 入力ノード
60、62 出力端子
61、63 出力ノード
80 受信回路
81 CTLE
82 DFE
83 DEMUX
84、85 差動入力端子
111 第1トランジスタ
112 第9トランジスタ
121 第2トランジスタ
122 第10トランジスタ
123 第11トランジスタ
124 第12トランジスタ
127 ローパスフィルタ回路
128 第1インバータ
131 第3トランジスタ
132 第16トランジスタ
141 第4トランジスタ
142 第17トランジスタ
151 第5トランジスタ
152 第18トランジスタ
153 第19トランジスタ
154 第20トランジスタ
157 ローパスフィルタ回路
158 第3インバータ
161 第6トランジスタ
162 第24トランジスタ
171 第7トランジスタ
172 第13トランジスタ
173 第14トランジスタ
174 第15トランジスタ
175 第2インバータ
181 第8トランジスタ
182 第21トランジスタ
183 第22トランジスタ
184 第23トランジスタ
185 第4インバータ
1271、1571 キャパシタ
1272、1572 抵抗
CM1 第1カレントミラー回路
CM2 第2カレントミラー回路
D1、D2、D3、D3’、D4、D5、D6 増幅回路
D7 受信回路
D8 半導体集積回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12