(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022553390
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2020037522
(87)【国際公開番号】W WO2022070400
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】早坂 昭裕
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-202766(JP,A)
【文献】特開2020-064541(JP,A)
【文献】特開2017-021603(JP,A)
【文献】特開2011-060107(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225391(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明書を撮影し、証明書画像を生成する証明書撮影手段と、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得する取得手段と、
前記証明書画像から、券面情報を読み取る読取手段と、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較する比較手段と、
ユーザの顔画像を
撮影する顔画像撮影手段と、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較する顔認証手段と、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示する表示手段と、
前
記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記
証明書画像、又は、前記券面情報を登録する登録手段と、
を備え、
前記顔画像撮影手段は、前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を
撮影する情報処理装置。
【請求項2】
前記顔画像撮影手段は、前記証明書撮影手段が前記証明書を
撮影するのと同時に、前記顔画像を
撮影する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のハッシュ値は、前記証明書にコード情報として記載されており、
前記取得手段は、前記証明書画像から当該コード情報を読み取って前記第1のハッシュ値を取得する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のハッシュ値は、前記証明書に電子透かしとして設けられており、
前記取得手段は、前記証明書画像から当該電子透かしを読み取って前記第1のハッシュ値を取得する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記証明書は記憶部を備え、前記第1のハッシュ値は前記記憶部に記憶されており、
前記取得手段は、前記証明書の記憶部から前記第1のハッシュ値を読み取る請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記比較手段は、前記券面情報に含まれる文字情報と顔画像とを合わせたデータ列から前記第2のハッシュ値を生成する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記比較手段は、前記券面情報に含まれる文字情報から生成したハッシュ値と、前記券面情報に含まれる顔画像から生成したハッシュ値を結合して前記第2のハッシュ値を生成する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、券面情報を読み取り、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
ユーザの顔画像を
撮影し、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較し、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示し、
前
記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記
証明書画像、又は、前記券面情報を登録し、
前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を
撮影する情報処理方法。
【請求項9】
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、券面情報を読み取り、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
ユーザの顔画像を
撮影し、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較し、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示し、
前
記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記
証明書画像、又は、前記券面情報を登録し、
前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を
撮影する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証明書を電子化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転免許証やパスポートなどの顔写真を含む公的証明書が紙媒体からデジタルデータへと徐々に置き換わりつつある。公的証明書のデジタル化に伴い、デジタル化する公的証明書が本物であること、即ち、偽造されたものでないことを確認する必要がある。特許文献1は、運転免許証の画像データからOCR処理により文字・記号等を認識し、認識した文字・記号等が所定のルールに適合するか否かにより証明書の真贋判定を行う手法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法では、証明書の画像データから抽出された文字・記号等に基づいて証明書の真贋判定を行うが、証明書に表示されている顔画像に関するチェックについては記載されていない。このため、悪意ある人物が証明書の顔画像を改ざんしたり、他人の証明書を登録したりすることを防止できない。
【0005】
本発明の1つの目的は、証明書に含まれる情報が一致する場合でも、証明書の真贋を判定することが可能な情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点は、情報処理装置であって、
証明書を撮影し、証明書画像を生成する証明書撮影手段と、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得する取得手段と、
前記証明書画像から、券面情報を読み取る読取手段と、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較する比較手段と、
ユーザの顔画像を撮影する顔画像撮影手段と、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較する顔認証手段と、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示する表示手段と、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記証明書画像、又は、前記券面情報を登録する登録手段と、
を備え、
前記顔画像撮影手段は、前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を撮影する。
【0007】
本発明の他の観点は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、券面情報を読み取り、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
ユーザの顔画像を撮影し、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較し、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示し、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記証明書画像、又は、前記券面情報を登録し、
前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を撮影する。
【0008】
本発明の他の観点は、プログラムであって、
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、券面情報を読み取り、
前記券面情報を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
ユーザの顔画像を撮影し、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを比較し、
カメラにより撮像されているユーザの顔画像と、前記ユーザの顔方向に応じて移動するカーソルと、目標点とを表示し、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記証明書画像、又は、前記券面情報を登録し、
前記カーソルの位置と前記目標点の位置が一致する場合に前記顔画像を撮影する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、証明書に含まれる情報が一致する場合でも、証明書の真贋を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を示す。
【
図2】第1実施形態に係る端末装置の機能構成を示す。
【
図4】第1実施形態による証明書電子化処理のフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る端末装置の機能構成を示す。
【
図6】第2実施形態による証明書電子化処理のフローチャートである。
【
図10】証明書画像を表示する際の認証方法の例を示す。
【
図12】登録された証明書画像の全体を表示した例を示す。
【
図13】第4実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す。
【
図14】第4実施形態による登録処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。以下の実施形態では、運転免許証やパスポートなどの紙媒体の公的証明書をユーザが自分のスマートフォンやタブレット端末など(以下、「端末装置」と呼ぶ。)で撮影し、端末装置にインストールされた公的証明書アプリケーションなどに登録する状況を想定する。
【0012】
<第1実施形態>
[基本原理]
証明書を電子的に端末装置に登録する場合、悪意ある人物は、他人の証明書を自身の端末装置にそのまま登録したり、他人の証明書の顔画像のみを自分のものに変更して自身の端末装置に登録することを試みると考えられる。この場合、証明書に含まれる顔画像に関するチェックを行わないと、悪意ある人物による登録を防止することができない。
【0013】
そこで、本実施形態では、証明書を発行する自治体や機関など(以下、「証明書発行者」と呼ぶ。)が証明書にチェックのための情報を埋め込んでおく。具体的には、証明書発行者は、証明書の券面に表示されている文字情報(住所、氏名、生年月日などの個人情報)及び顔画像を基にハッシュ値を生成し、証明書の発行時にこのハッシュ値を証明書に埋め込む。ハッシュ値を証明書に埋め込む方法としては以下のものが考えられる。
(1)証明書の券面にQRコード(登録商標)などのコード情報として印刷する。
(2)証明書の券面の一部又は全体に、電子透かしとして埋め込む。
(3)証明書がICカードなどの記憶部を備える場合、その記憶部に記憶させる。
これにより、各証明書は、その証明書の所有者の正しい個人情報及び顔画像から生成したハッシュ値を常に保持している状態となる。なお、証明書にハッシュ値を埋め込む際には、ハッシュ値を何らかの方式で暗号化してもよい。
【0014】
証明書を電子化し、デジタルデータとして端末装置に登録する際、ユーザは、端末装置を用いて証明書を撮影する。端末装置は、撮影画像から文字情報及び顔画像を抽出し、ハッシュ値を生成する。また、端末装置は、証明書に予め埋め込まれているハッシュ値を取得する。そして、端末装置は、証明書の撮影画像から生成したハッシュ値と、その証明書に埋め込まれているハッシュ値とを照合する。2つのハッシュ値が一致すれば、端末装置は、情報の改ざんは無いと判定し、その証明書を端末装置にデジタルデータとして登録する。これにより、証明書の文字情報と顔画像のどこか一か所でも改ざんが行われた場合には、2つのハッシュ値が一致しないので、端末装置は改ざんを検出し、登録を中止することができる。
【0015】
[ハードウェア構成]
図1は、第1実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。端末装置100は、ユーザの端末装置により構成され、プロセッサ12と、メモリ13と、カメラ14と、ライト15と、記録媒体16と、データベース(DB)17と、表示部18と、入力部19とを備える。
【0016】
プロセッサ12は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより、端末装置100の全体を制御する。特に、プロセッサ12は、後述する証明書電子化処理を行う。
【0017】
メモリ13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。メモリ13は、プロセッサ12により実行される各種のプログラムを記憶する。また、メモリ13は、プロセッサ12による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0018】
カメラ14は、端末装置に設けられたカメラであり、電子化の対象となる証明書の撮影画像を生成する。ライト15は、端末装置に設けられているフラッシュライトなどであり、必要に応じて、撮影時に証明書を照明するために使用される。
【0019】
記録媒体16は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、端末装置100に対して着脱可能に構成される。記録媒体16は、プロセッサ12が実行する各種のプログラムを記録している。
【0020】
DB17は、カメラ14が生成した証明書の撮影画像を記憶する。また、DB17には、端末装置100により本物と判定された証明書のデジタルデータが記憶される。表示部18は、端末装置に設けられた液晶パネルなどであり、カメラ14が撮影した証明書の撮影画像や、証明書を端末装置に登録するための操作画面などを表示する。入力部19は、端末装置に設けられたボタンや、表示部18と一体化されたタッチパネルなどである。入力部19に対しては、証明書電子化処理の実行時にユーザにより必要な指示、入力が行われる。
【0021】
[機能構成]
図2は、第1実施形態に係る端末装置100の機能構成を示すブロック図である。端末装置100は、機能的には、証明書撮影部21と、情報読取部22と、ハッシュ比較部23と、登録部24とを備える。
【0022】
証明書撮影部21は、ユーザの指示に基づいてカメラ14やライト15を制御して、証明書を撮影する。証明書撮影部21は、証明書の撮影画像(以下、「証明書画像」と呼ぶ。)を情報読取部22へ出力する。
【0023】
情報読取部22は、証明書画像から文字情報及び顔画像を読み取る。この際、情報読取部22は、必要に応じて、証明書画像の補正を行う。即ち、情報読取部22は、証明書の撮影角度などの影響で証明書画像に生じた歪みを幾何学的に補正する。
【0024】
また、情報読取部22は、証明書に予め埋め込まれているハッシュ値(以下、「第1のハッシュ値」とも呼ぶ。)を読み取る。
図3は、証明書にハッシュ値を埋め込む例を示す。
図3(A)は、運転免許証である証明書40に第1のハッシュ値がQRコード42として印刷されている例を示す。この場合、情報読取部22は、証明書画像からQRコードを抽出し、復号化して第1のハッシュ値を取得する。
【0025】
図3(B)は、証明書40に第1のハッシュ値が可視的な電子透かし43として埋め込まれている例を示す。この場合、情報読取部22は、電子透かし43の埋め込み手法に対応する読取手法を用いて、証明書画像から第1のハッシュ値を取得する。なお、電子透かし43は不可視的に埋め込まれてもよい。また、証明書40がICカードなどの記憶部を備える媒体である場合、第1のハッシュ値を記憶部に記憶することができる。この場合、情報読取部22は、証明書の記憶部にアクセスして第1のハッシュ値を取得する。そして、情報読取部22は、取得した第1のハッシュ値をハッシュ比較部23に出力する。
【0026】
ハッシュ比較部23は、情報読取部22から取得した文字情報及び顔画像を用いて、ハッシュ値(以下、「第2のハッシュ値」と呼ぶ。)を計算する。なお、ハッシュ値の生成方式は特定のものには限定されないが、例えば、Locality-sensitive Hashingのような、マルチメディアデータの類似検索向けのハッシュ法を利用することができる。そして、ハッシュ比較部23は、情報読取部22から取得した第1のハッシュ値と、計算により得られた第2のハッシュ値とを比較する。そして、ハッシュ比較部23は、第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致したか否かを示す比較結果を登録部24へ出力する。
【0027】
登録部24は、ハッシュ比較部23から入力された比較結果に応じて、証明書画像の登録を行う。具体的に、比較結果が第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致したことを示す場合、登録部24は、証明書に改ざんが無いと判定し、証明書撮影部21が生成した証明書画像をデジタルデータとしてDB17に登録する。一方、比較結果が第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致しないことを示す場合、登録部24は、証明書を登録できないことを示すメッセージなどを表示して、処理を終了する。
【0028】
登録部24は、証明書撮影部21が撮影した証明書画像をDB17に登録する際、前述のように証明書画像に撮影角度などの影響で歪みなどがある場合には、歪みを除去する幾何学補正を行った後の画像を登録することが好ましい。なお、情報読取部22が既に幾何学補正を行っている場合には、登録部24はその補正後の証明書画像を登録すればよい。
【0029】
なお、登録部24は、証明書画像そのものをDB17に登録する代わりに、情報読取部22が証明書画像から抽出した文字情報及び顔画像をDB17に登録してもよい。例えば、証明書が運転免許証である場合、登録部24は、証明書画像から抽出された氏名、住所、有効期限、運転免許番号、顔画像など、そのユーザに固有の情報をDB17に登録してもよい。この場合、登録された証明書の情報を表示部18に表示する際には、端末装置100は、DB17から上記の登録情報を読み出し、運転免許証のテンプレートにおける対応箇所に挿入して疑似的な運転免許証の画像を生成して表示すればよい。
【0030】
[証明書電子化処理]
図4は、第1実施形態の端末装置100による証明書電子化処理のフローチャートである。この処理は、
図1に示すプロセッサ12が、予め用意されたプログラムを実行し、
図2に示す各要素として動作することにより実現される。
【0031】
まず、証明書撮影部21は、ユーザの撮影指示に基づき、カメラ14及びライト15を制御して証明書を撮影し、証明書画像を生成する(ステップS11)。次に、情報読取部22は、証明書画像から文字情報及び顔画像を取得する(ステップS12)。また、情報読取部22は、証明書に埋め込まれた第1のハッシュ値を取得する(ステップS13)。なお、ステップS12とS13の順序は逆でもよく、並列に行ってもよい。
【0032】
次に、ハッシュ比較部23は、ステップS12で取得された文字情報及び顔画像から第2のハッシュ値を計算し、ステップS13で取得した第1のハッシュ値と比較する(ステップS14)。第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致しない場合(ステップS15:No)、登録部24は、証明書に改ざんがあると判定し、処理を終了する。一方、第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致した場合(ステップS15:Yes)、登録部24は、証明書に改ざんが無いと判定し、証明書画像をデジタルデータとしてDB17に登録する(ステップS16)。そして、処理は終了する。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態の端末装置100によれば、証明書の文字情報や顔画像が改ざんされている場合には、証明書の登録を防止することができる。
【0034】
[変形例]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、適宜組み合わせて適用することができる。
(変形例1)
上記のように、ハッシュ比較部23は証明書画像から抽出した文字情報及び顔画像から第2のハッシュ値を生成する。この際、ハッシュ比較部23は、文字情報と顔画像とを合わせたデータ列から1つのハッシュ値を生成してもよいし、文字情報と顔画像から別々にハッシュ値を生成し、それらを結合して第2のハッシュ値としてもよい。
【0035】
(変形例2)
上記の実施形態では、ハッシュ比較部23は顔画像そのものからハッシュ値を生成しているが、その代わりに、顔の個人性に関わる情報を用いてハッシュ値を生成してもよい。顔の個人性に関わる情報としては、例えば、顔画像を顔認証に使用する際に顔画像から抽出される特徴量や、顔画像における目、鼻、口などの特徴点の位置情報などを用いることができる。
【0036】
<第2実施形態>
[原理説明]
上記の第1実施形態は、証明書の文字情報や顔画像に改ざんがなされた場合に証明書の登録を防止できるが、悪意ある人物が他人の証明書を入手して、自己の端末装置にそのまま登録することを防止できない。そこで、第2実施形態では、証明書の所有者と、登録作業を行う人物との同一性をチェックして、悪意ある人物が他人の証明書を自己の端末装置に登録することを防止する。
【0037】
[ハードウェア構成]
第2実施形態に係る端末装置のハードウェア構成は、
図1に示す第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
[機能構成]
図5は、第2実施形態に係る端末装置200の機能構成を示すブロック図である。端末装置200は、証明書撮影部31と、情報読取部32と、ハッシュ比較部33と、登録部34と、顔画像撮影部35と、顔認証部36とを備える。ここで、証明書撮影部31、情報読取部32、ハッシュ比較部33及び登録部34は、第1実施形態の証明書撮影部21、情報読取部22、ハッシュ比較部23及び登録部24と基本的に同様であるので、重複した説明は行わない。
【0039】
顔画像撮影部35は、ユーザの指示に基づいてカメラ14やライト15を制御して、証明書の登録作業を行う人物(以下、「作業者」と呼ぶ。)の顔画像を撮影する。顔画像撮影部35は、撮影された作業者の顔画像(以下、「撮影顔画像」と呼ぶ。)を顔認証部36へ出力する。
【0040】
情報読取部32は、第1実施形態と同様に証明書画像から文字情報及び顔画像を抽出し、顔画像を顔認証部36へ出力する。顔認証部36は、顔画像撮影部35から入力された撮影顔画像と、情報読取部32から入力された証明書の顔画像(以下、「証明書顔画像」と呼ぶ。)を照合し、顔認証を行う。そして、顔認証部36は、顔認証結果を登録部34へ出力する。
【0041】
登録部34は、ハッシュ比較部33から入力された比較結果、及び、顔認証部36から入力された顔認証結果に応じて、証明書画像の登録を行う。具体的に、登録部34は、比較結果が第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致したことを示し、かつ、顔認証結果が撮影顔画像と証明書顔画像が同一人物であることを示す場合に、証明書撮影部31が生成した証明書画像をデジタルデータとしてDB17に記憶する。一方、ハッシュ値の比較結果と顔認証結果の一方でも一致しなかった場合には、登録部34は、証明書を登録できないことを示すメッセージなどを表示して、処理を終了する。
【0042】
[証明書電子化処理]
図6は、第2実施形態の端末装置200による証明書電子化処理のフローチャートである。この処理は、
図1に示すプロセッサ12が、予め用意されたプログラムを実行し、
図2に示す各要素として動作することにより実現される。
【0043】
まず、証明書撮影部31は、ユーザの撮影指示に基づき、カメラ14及びライト15を制御して証明書を撮影し、証明書画像を生成する(ステップS21)。また、顔画像撮影部26は、ユーザの撮影指示に基づき、カメラ14及びライト15を制御して作業者の顔を撮影し、顔画像画像を生成する(ステップS22)。なお、ステップS21とS22の順序は逆でもよい。ステップS23~S25の処理は、
図4に示す第1実施形態の証明書電子化処理のステップS12~S14と同様であるので説明を省略する。
【0044】
次に、ハッシュ比較部33は、ステップS23で取得された文字情報及び顔画像から第2のハッシュ値を計算し、ステップS24で取得した第1のハッシュ値と比較する(ステップS26)。第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致しない場合(ステップS26:No)、登録部34は証明書に改ざんがあるとして処理を終了する。一方、第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致した場合(ステップS26:Yes)、顔認証部36は、ステップS22で得られた撮影顔画像と、証明書画像から得られた証明書顔画像とを照合する(ステップS27)。
【0045】
撮影顔画像と証明書顔画像が同一人物でない場合(ステップS28:No)、登録部34は作業者が証明書の所有者ではないと判定し、処理を終了する。一方、撮影顔画像と証明書顔画像が同一人物である場合(ステップS28:Yes)、登録部34は、証明書画像に改ざんが無く、かつ、作業者は証明書の所有者本人であると判定し、証明書画像をデジタルデータとしてDB17に登録する(ステップS29)。そして、処理は終了する。なお、ステップS26とS28の判定処理は、順序を逆にしてもよく、並列に行ってもよい。
【0046】
以上説明したように、第2実施形態の端末装置200は、証明書の文字情報や顔画像に対する改ざんがなく、かつ、登録作業を行っている者が証明書の所有者本人である場合に証明書の登録を行う。これにより、他人の証明書をそのまま自分の端末装置に登録することを防止することができる。
【0047】
[変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。第1実施形態に関する上記の変形例1、2は第2実施形態についても同様に適用できる。また、第2実施形態については、さらに以下の変形例を適用することができる。
【0048】
(変形例3)
第2実施形態では、証明書撮影部31で証明書を撮影するとともに、顔画像撮影部35で作業者の顔画像を撮影する。この際、証明書の撮影と顔画像の撮影を同時に行うことが好ましい。通常、スマートフォンやタブレットなどの端末装置には、アウトカメラとインカメラの2つのカメラが設けられている。アウトカメラは、端末装置の背面側に設けられ、端末装置の液晶画面に表示される被写体を撮影するカメラである。インカメラは、端末装置の前面に設けられ、端末装置の液晶画面を見ているユーザ側を撮影するカメラである。よって、端末装置200がアウトカメラとインカメラを備える場合には、アウトカメラで証明書を撮影すると同時にインカメラで作業者の顔画像を撮影する。これにより、証明書の撮影と同時に、証明書の登録作業を行っている人物の顔画像を撮影することができ、証明書の所有者と作業者との同一性を確実に確認することができる。また、作業者の顔画像を撮影していることが作業者にわからないように、作業者の顔画像を撮影してもよい。
【0049】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、本発明に係る端末装置を運転免許証の登録に適用したものである。
図7は、第4実施形態に係る端末装置60の構成を示す。なお、端末装置60は、基本的には
図1に示す第1実施形態と同様のハードウェア構成を備える。
【0050】
[構成]
端末装置60は、証明書撮影部61と、顔画像撮影部62と、登録部63と、記憶部64と、表示制御部65と、表示部66とを備える。証明書撮影部61は、カメラなどにより証明書である運転免許証を撮影する。証明書撮影部61は、撮影により生成した証明書画像を登録部63へ出力する。顔画像撮影部62は、カメラなどにより、証明書の登録作業を行う作業者の顔画像を撮影し、登録部63へ出力する。
【0051】
登録部63は、証明書撮影部61が生成した証明書画像と、顔画像撮影部62が生成した顔画像とを用いて、第2実施形態と同様の判定を行う。即ち、登録部63は、証明書画像に基づいて証明書に改ざんが無いと判定し、かつ、顔画像に基づいて作業者が証明書の所有者と同一人物であると判定した場合に、証明書画像を記憶部64に登録する。
【0052】
証明書画像が記憶部64に登録された後、表示制御部65は、ユーザの操作に応じて、記憶部64に登録された証明書画像を表示部66に表示する。なお、表示部66はタッチパネルなどにより構成され、入力部としても機能する。
【0053】
[登録方法]
次に、証明書画像を登録する方法について具体的に説明する。まず、作業者は、証明書画像を撮影する。
図8は、証明書画像を撮影する様子を示す。図示のように、作業者が端末装置60のカメラを操作することにより、証明書撮影部61は運転免許証である証明書40を撮影する。この場合の1つの例では、作業者が登録用アプリを起動し、撮影ボタンをタップすると、端末装置60のカメラが証明書を撮影する。他の例では、作業者が登録用アプリを起動すると、登録用アプリが適当なタイミングで「3、2、1」とカウントダウンを表示し、カメラにより自動的に証明書を撮影してもよい。さらに他の例では、作業者が登録用アプリを起動すると、登録用アプリが自動的に端末装置60のカメラを起動し、スマートフォンで使用されるQRコード(登録商標)リーダのように、カメラの撮像画像中に証明書が映り込んだことを検知して自動的に証明書を撮影してもよい。
【0054】
次に、作業者は、顔画像を撮影する。
図9は、顔画像を撮影する様子を示す。
図9(A)に示すように、顔画像の撮影時には、端末装置60は、表示部66にカーソル72を表示する。カーソル72は、カメラにより撮像されている作業者の顔の向きに応じて移動する。具体的には、カーソル72は、端点71を起点とし、カメラに写っている作業者の顔の向きに応じて、矢印73に示すようにその方向が変化する。また、表示部66には、目標点74aが表示される。
【0055】
作業者は、カーソル72の先端(端点71と反対側の端点)が目標点74aと一致するように、顔の向きを変化させる。カーソル72の先端が目標点74aと一致すると、
図11(B)に示すように、目標点74aの周りに円形のゲージ75が表示される。ゲージ75は、カーソル72の先端が目標点74aと一致した状態(以下、「カーソル一致状態」と呼ぶ。)の継続時間を示す。作業者は、
図11(B)に示すようにカーソル一致状態で、顔の向きを維持する。作業者がカーソル一致状態を維持すると、ゲージ75のポインタ76が目標点74aの周りを移動する。カーソル一致状態が所定時間(例えば数秒)に達したときに、ポインタ76は目標点74aの周りを一周して0時の位置に戻る。カーソル一致状態が所定時間に達すると、端末装置60は、その目標点74aを消し、
図11(C)に示すように次の目標点74bを表示する。
【0056】
次の目標点74bが表示されると、作業者は、同じ要領でカーソル72の先端が目標点74bと一致するように顔の向きを調整し、カーソル一致状態を所定時間維持する。端末装置60は、この処理を所定回数行う。なお、このような処理を行う理由は、作業者が実際に端末装置で自分の顔画像を撮影していることを確認するためである。即ち、作業者が他人の顔画像などを端末装置60に表示して証明書を登録しようとした場合には、カーソル72の先端を目標点74に一致させることができないので、登録作業が中止される。
【0057】
顔画像撮影部62は、カーソル72の先端を目標点74に合わせる処理を作業者が所定回数行う間に、作業者の顔画像を撮影する。例えば、顔画像撮影部62は、カーソル72の先端が目標点74と一致した状態で作業者が顔の向きを維持している間に、作業者の顔画像を撮影する。
【0058】
こうして、証明書画像と顔画像が得られると、登録部63は、証明書画像を用いて証明書に改ざんが無いと判定し、かつ、顔画像を用いて作業者が証明書の所有者と同一人物であると判定した場合に、証明書画像を記憶部64に登録する。
【0059】
[表示方法]
次に、登録された証明書画像の表示方法について説明する。
図10は、証明書画像を表示する際の認証方法の例を示す。端末装置60を証明書の表示モードに設定すると、
図10(A)に示す表示認証画面が表示される。ユーザは、ボタン81、81bにより、表示認証の方法を選択する。ユーザがパスコードのボタン81aを選択した場合、端末装置60は
図10(B)に示すパスコード入力画面を表示する。ユーザは予め登録したパスコードを入力することにより、表示認証を行う。一方、ユーザが顔認証のボタン81bを選択した場合、端末装置60は
図10(C)に示す顔認証画面を表示する。ユーザはカメラで自分の顔を表示することにより、表示認証を行う。
【0060】
いずれかの方法で表示認証に成功すると、端末装置60には
図11(A)に示す表示情報選択画面が表示される。表示情報選択画面は、表示情報として全ての情報を指定するボタン82aと、年齢を指定するボタン82bと、氏名及び住所を指定するボタン82cと、デジタルコードを指定するボタン82dとを含む。
【0061】
表示情報選択画面においてユーザがボタン82bを選択すると、
図11(B)に示すように、ユーザの顔画像と年齢とが表示される。表示情報選択画面においてユーザがボタン82cを選択すると、
図11(C)に示すように、ユーザの顔画像と、ユーザの住所及び氏名が表示される。表示情報選択画面においてユーザがボタン82dを選択すると、
図11(D)に示すように、ユーザの顔画像とデジタルコードが表示される。なお、デジタルコードは、証明書に含まれる氏名、住所、運転免許番号、その他の個人情報をコード化したものである。表示したデジタルコードを対応するコードリーダで読み取ることにより、個人情報を取得することができる。
【0062】
一方、表示情報選択画面においてユーザがボタン82aを選択すると、
図12(A)に示すように、証明書画像全体が表示される。ここで、表示された証明書画像における顔画像は多少の動きをもって表示される。例えば、顔画像は、顔の方向が左右や上下に多少変化する動画的な画像として表示される。これにより、証明書の画像を単に撮影して端末装置60に表示したのでは無いことが証明できる。即ち、この顔画像の動きは、証明書画像をこの端末装置60の登録アプリケーションを用いて正式に登録したことの証明となる。
【0063】
また、証明書画像全体が表示された状態で、
図12(B)に示すようにユーザが端末装置60の画面の一部にタッチすると、符号83で示すように、証明書の領域が所定の色で色付けされる。また、端末装置60の表示画面上でユーザが指でタッチした箇所には所定の形状のポインタ84が表示される。ユーザが表示画面上で指の位置を移動させると、ポインタ84は指の動きに追従して移動する。このように、ユーザがタッチしたときに色付けをしたり、タッチ位置にポインタ84を表示したりするのも、証明書の撮影画像を単に表示しているのではなく、登録アプリケーションを用いて正式に登録した証明書画像を表示していることを示すための手法である。
【0064】
<第4実施形態>
図13は、第4実施形態に係る情報処理装置90の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置90は、証明書を電子データとして登録する。情報処理装置90は、証明書撮影手段91と、取得手段92と、読取手段93と、比較手段94と、登録手段95と、記憶部96とを備える。証明書撮影手段91は、証明書を撮影し、証明書画像を生成する。取得手段92は、証明書から第1のハッシュ値を取得する。読取手段93は、証明書画像から、文字情報及び顔画像を読み取る。比較手段94は、文字情報及び顔画像を用いて第2のハッシュ値を算出し、第1のハッシュ値と比較する。登録手段95は、第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致した場合に、証明書に関する情報を記憶部96に記憶する。
【0065】
図14は、第4実施形態による登録処理のフローチャートである。証明書撮影手段91は、証明書を撮影し、証明書画像を生成する(ステップS31)。取得手段92は、証明書から第1のハッシュ値を取得する(ステップS32)。読取手段93は、証明書画像から、文字情報及び顔画像を読み取る(ステップS33)。比較手段94は、文字情報及び顔画像を用いて第2のハッシュ値を算出し、第1のハッシュ値と比較する(ステップS34)。登録手段95は、第1のハッシュ値と第2のハッシュ値が一致した場合に、証明書に関する情報を記憶部96に記憶する(ステップS35)。そして、処理は終了する。
【0066】
第4実施形態によれば、情報処理装置90は、証明書画像から抽出された文字情報及び顔画像から第2のハッシュ値が計算され、予め証明書に保持された第1のハッシュ値と比較される。そして、両者が一致した場合、情報処理装置90は、証明書に改ざんなどが無いとして、証明書の情報を記憶部96に登録する。よって、証明書の内容に改ざんが無い場合に限り、証明書の情報を電子データとして登録することが可能となる。
【0067】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0068】
(付記1)
証明書を撮影し、証明書画像を生成する証明書撮影手段と、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得する取得手段と、
前記証明書画像から、文字情報及び顔画像を読み取る読取手段と、
前記文字情報及び前記顔画像を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較する比較手段と、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致した場合に、前記証明書に関する情報を記憶部に記憶する登録手段と、
を備える情報処理装置。
【0069】
(付記2)
ユーザの顔画像を撮影する顔画像撮影手段と、
撮影された顔画像と、前記証明書画像から読み取られた顔画像とを照合する顔認証手段と、を備え、
前記登録手段は、前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致し、かつ、前記撮影された顔画像と前記証明書画像から読み取られた顔画像とが一致した場合に、前記証明書に関する情報を前記記憶部に記憶する付記1に記載の情報処理装置。
【0070】
(付記3)
前記顔画像撮影手段は、前記証明書撮影手段が前記証明書を撮影するのと同時に、前記顔画像を撮影する付記2に記載の情報処理装置。
【0071】
(付記4)
前記第1のハッシュ値は、前記証明書にコード情報として記載されており、
前記取得手段は、前記証明書画像から当該コード情報を読み取って前記第1のハッシュ値を取得する付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0072】
(付記5)
前記第1のハッシュ値は、前記証明書に電子透かしとして設けられており、
前記取得手段は、前記証明書画像から当該電子透かしを読み取って前記第1のハッシュ値を取得する付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0073】
(付記6)
前記証明書は記憶部を備え、前記第1のハッシュ値は前記記憶部に記憶されており、
前記取得手段は、前記証明書の記憶部から前記第1のハッシュ値を読み取る付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0074】
(付記7)
前記比較手段は、前記文字情報と前記顔画像とを合わせたデータ列から前記第2のハッシュ値を生成する付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0075】
(付記8)
前記比較手段は、前記文字情報から生成したハッシュ値と、前記顔画像から生成したハッシュ値を結合して前記第2のハッシュ値を生成する付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0076】
(付記9)
前記比較手段は、前記顔画像から特徴情報を抽出し、当該特徴情報を用いてハッシュ値を生成する付記7又は8に記載の情報処理装置。
【0077】
(付記10)
前記登録手段は、前記証明書画像を前記記憶部に記憶する付記1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0078】
(付記11)
前記登録手段は、前記証明書画像に含まれる情報及び顔画像を前記記憶部に記憶する付記1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0079】
(付記12)
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、文字情報及び顔画像を読み取り、
前記文字情報及び前記顔画像を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致した場合に、前記証明書に関する情報を記憶部に記憶する情報処理方法。
【0080】
(付記13)
証明書を撮影し、証明書画像を生成し、
前記証明書から第1のハッシュ値を取得し、
前記証明書画像から、文字情報及び顔画像を読み取り、
前記文字情報及び前記顔画像を用いて第2のハッシュ値を算出し、前記第1のハッシュ値と比較し、
前記第1のハッシュ値と前記第2のハッシュ値が一致した場合に、前記証明書に関する情報を記憶部に記憶する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0081】
以上、実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0082】
12 プロセッサ
21、31、61 証明書撮影部
22、32 情報読取部
23、33 ハッシュ比較部
24、34、63 登録部
35、62 顔画像撮影部
36 顔認証部
64 記憶部
65 表示制御部
66 表示部
60、100、200 端末装置