(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20241008BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241008BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241008BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241008BHJP
【FI】
G08G1/123
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2022577886
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(86)【国際出願番号】 JP2021002876
(87)【国際公開番号】W WO2022162794
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】中田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】古城 直樹
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0120640(US,A1)
【文献】特開2017-220090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/123
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両による輸送対象が乗客又は貨物のいずれかであるかを示す種別データを含む、前記輸送対象の輸送を要求する輸送リクエストを取得する取得部と、
前記種別データに基づいて、前記輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する判定部と、
前記車両の走行経路候補を算出する算出部と、
前記輸送対象が乗客であると判定した場合に、前記輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、
前記輸送対象が貨物であると判定した場合に、前記車両の移動コストに基づいて、
前記走行経路候補の中から走行経路を抽出する抽出部と、
抽出した前記走行経路を出力する出力部と
を備える情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記走行経路候補に関連付けられる前記輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとし、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記乗客輸送リクエストを取得した時刻から前記乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、前記走行経路候補ごとの前記旅行時間として算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記抽出部は、
前記輸送対象が乗客であると判定した場合に、前記走行経路候補のうち、前記旅行時間が長い走行経路候補よりも前記旅行時間が短い走行経路候補を優先して前記走行経路として抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記抽出部は、
前記輸送対象が貨物であると判定した場合に、前記走行経路候補のうち、前記移動コストが大きい走行経路候補よりも前記移動コストが小さい走行経路候補を優先して前記走行経路として抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記乗客輸送リクエストのうち最新の乗客輸送リクエストを新規乗客輸送リクエストとして、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記新規乗客輸送リクエストを取得した時刻から前記新規乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、前記走行経路候補ごとの前記旅行時間として算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記乗客輸送リクエストが確定した時刻又は前記乗客輸送リクエストを取得した時刻から前記乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、抽出した前記乗客輸送リクエストの全体にわたって合計した値を、前記走行経路候補ごとの前記旅行時間として算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記車両が前記走行経路候補を走行する際の予定走行距離又は予定走行時間を、前記走行経路候補ごとの前記移動コストとして算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記車両の予定走行距離又は予定走行時間を前記車両の全体にわたって合計した値を、前記走行経路候補ごとの前記移動コストとして算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部は、
前記輸送対象の輸送を開始する開始地点候補から所定範囲内に位置する、1又は複数の前記車両を抽出し、
抽出された前記車両が走行する前記走行経路候補を算出し、
前記抽出部は、
抽出された前記車両のいずれかの前記走行経路候補の中から前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記輸送リクエストは、前記輸送対象の輸送終了を希望する希望終了時刻を含み、
前記抽出部は、
前記車両が前記輸送対象の輸送を終了する終了地点候補に到着する予定時刻と前記希望終了時刻の差が所定閾値以下である前記走行経路候補の中から、前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記輸送リクエストは、前記輸送対象の輸送開始を希望する希望開始時刻を含み、
前記抽出部は、
前記車両が前記輸送対象の輸送を開始する開始地点候補に到着する予定時刻と前記希望開始時刻の差が所定閾値以下である前記走行経路候補の中から、前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の情報処理装置であって、
前記輸送対象が貨物である場合における前記所定閾値は、前記輸送対象が乗客である場合における前記所定閾値よりも大きいこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記種別データは、
前記輸送リクエストを送信した情報端末を識別する情報、
前記輸送リクエストを生成したアプリケーションを識別する情報、及び、
前記輸送リクエストに関するユーザ操作を識別する情報、
の少なくともいずれかを含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記車両と抽出した前記走行経路を紐づけて記憶する記憶部を更に備え、
前記抽出部は、
前記走行経路が抽出されるたびに、前記記憶部に記憶した前記走行経路を更新させること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記判定部が、前記輸送対象が乗客であると判定した後に、
前記算出部が前記走行経路候補を算出し、
前記抽出部が、
前記輸送リクエストに基づいて、前記車両が前記走行経路候補を走行する際の前記車両の最大乗員数が所定人数以下となる前記走行経路候補を抽出し、
前記旅行時間に基づいて、抽出した前記走行経路候補の中から前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記判定部が、前記輸送対象が貨物であると判定した後に、
前記算出部が前記走行経路候補を算出し、
前記抽出部が、
前記輸送リクエストに基づいて、前記車両が前記走行経路候補を走行する際の前記車両の最大積載量が所定量以下となる前記走行経路候補を抽出し、
前記移動コストに基づいて、抽出した前記走行経路候補の中から前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記算出部が、前記走行経路候補を算出した後に、
前記判定部が、前記輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定し、
前記判定部が、前記輸送対象が乗客であると判定した場合に、
前記抽出部が、
前記輸送リクエストに基づいて、前記車両が前記走行経路候補を走行する際の前記車両の最大乗員数が所定人数以下となる前記走行経路候補を抽出し、
前記旅行時間に基づいて、抽出した前記走行経路候補の中から前記走行経路を抽出し、
前記判定部が、前記輸送対象が貨物であると判定した場合に、
前記抽出部が、
前記輸送リクエストに基づいて、前記車両が前記走行経路候補を走行する際の前記車両の最大積載量が所定量以下となる前記走行経路候補を抽出し、
前記移動コストに基づいて、抽出した前記走行経路候補の中から前記走行経路を抽出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
ユーザが操作する情報端末と、サーバ、車両とを備える情報処理システムであって、
前記情報端末は、
前記車両による輸送対象が乗客又は貨物のいずれかであるかを示す種別データを含む、前記輸送対象の輸送を要求する輸送リクエストを送信し、
前記サーバは、
前記輸送リクエストを前記情報端末から取得する取得部と、
前記種別データに基づいて、前記輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する判定部と、
前記車両の走行経路候補を算出する算出部と、
前記輸送対象が乗客であると判定した場合に、前記輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、
前記輸送対象が貨物であると判定した場合に、前記車両の移動コストに基づいて、
前記走行経路候補の中から走行経路を抽出する抽出部と、
抽出した前記走行経路を出力する出力部と備えること
を特徴とする情報処理システムであって、
前記算出部は、
前記走行経路候補に関連付けられる前記輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとし、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記乗客輸送リクエストを取得した時刻から前記乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、前記走行経路候補ごとの前記旅行時間として算出すること
を特徴とする情報処理システム。
【請求項18】
車両による輸送対象が乗客又は貨物のいずれかであるかを示す種別データを含む、前記輸送対象の輸送を要求する輸送リクエストを取得し、
前記種別データに基づいて、前記輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定し、
前記車両の走行経路候補を算出し、
前記輸送対象が乗客であると判定した場合に、前記輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、
前記輸送対象が貨物であると判定した場合に、前記車両の移動コストに基づいて、
前記走行経路候補の中から走行経路を抽出し、
抽出した前記走行経路を出力すること
を特徴とする情報処理方法であって、
前記走行経路候補に関連付けられる前記輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとし、
前記走行経路候補に基づいて算出される、前記乗客輸送リクエストを取得した時刻から前記乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、前記走行経路候補ごとの前記旅行時間として算出すること
を特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗客の移動要求と貨物の移動要求とに基づいて運行車両の経路を計算し、計算した経路を運行車両の車載機に送信する、貨客混載サービスを提供するシステムに関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、乗客の輸送と貨物の輸送のいずれを運行車両自体が優先するかに基づいて運行車両の経路を算出しており、新たな移動要求に基づいて乗客の輸送と貨物の輸送のいずれかを優先する経路を算出するものではない。そのため、乗客の輸送を優先する運行車両によって貨物の移動要求に対応する場合に移動コストが増加してしまう恐れがあったり、貨物の輸送を優先する運行車両によって乗客の移動要求に対応する場合に移動時間が増加してしまう恐れがあったりするという課題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、新たな移動要求に基づいて乗客の輸送と貨物の輸送のいずれかを優先する経路を算出して、貨客混載サービス全体での移動時間又は移動コストを低減することができる情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象の輸送を要求する輸送リクエストに基づいて、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する。また、輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送を終了する終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。輸送対象が乗客であると判定した場合には、輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、輸送対象が貨物であると判定した場合には、車両の移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出し、抽出した走行経路を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たな移動要求に基づいて乗客の輸送と貨物の輸送のいずれかを優先する経路を計算して、貨客混載サービス全体での移動時間又は移動コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの動作例を説明するシーケンスチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理システムの動作例を説明するシーケンスチャートである。
【
図6A】
図6Aは、輸送リクエストに基づいて抽出された走行経路の第1の例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、輸送リクエストに基づいて抽出された走行経路の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[情報処理システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システムは、無線又は有線のネットワーク400で互いに接続された、端末100(情報端末)と、サーバ200と、車両300と、を備える。情報処理システムは、1又は複数の車両300を用いて、貨客混載サービスを提供する。
【0011】
ネットワーク400は、例えば、インターネットが挙げられる。ネットワーク400は、4G/LTEや、5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0012】
端末100は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に関する情報をネットワーク400に送信する。端末100としては、例えば、ユーザが日常的に利用する携帯端末(スマートフォン、タブレットなど)が挙げられる。
【0013】
なお、端末100は、ユーザの操作、又は、端末100によって検知した所定のイベントに基づいて、車両による乗客又は貨物の輸送を要求する輸送リクエストをネットワーク400に送信する。輸送リクエストの詳細については後述する。
【0014】
車両300は、輸送リクエストにて指定された目的地までの輸送手段を提供する乗り物であって、例えば、自動運転車両が挙げられる。その他、車両300としては、例えば、有人/無人のタクシー、バス、トラックなど、種々の輸送手段が挙げられる。情報処理システムには、複数台の車両が登録されていてもよい。
【0015】
例えば、車両300は、通信部310と車両制御装置320を備える。車両300は、所定のタイミングや、所定の周期で車両300の車両情報を通信部310を介して送信するものであってもよいし、端末100やサーバ200からの指令に基づいて、車両300の車両情報を通信部310を介して送信するものであってもよい。車両情報には、車両300の位置を示す位置データが含まれる。その他、車両制御装置320は、通信部310を介して取得した走行経路に基づいて、車両300を走行させるものであってもよい。
【0016】
サーバ200は、ユーザからの輸送リクエストに基づいて、当該ユーザに配車する車両、及び、当該車両の走行経路に関する情報を生成する。サーバ200は、端末100、車両300に搭載されるものであってもよい。
【0017】
以下では、ネットワーク400を介して、端末100、サーバ200、車両300は互いに双方向に通信可能であるとする。
【0018】
[端末の構成]
次に、端末100(情報端末)について説明する。
図1に示すように、端末100は、センサ150と、表示部160と、操作部170と、通信部110と、コントローラ130と、を備える。
【0019】
センサ150は、複数のセンサ群からなり、端末100の位置を示す位置データを取得する位置検出センサを含む。例えば、位置検出センサは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)などの絶対位置を計測するセンサである。その他、位置検出センサは、Wi-Fi(登録商標)測位、RFID(Radio Frequency Identifier)測位、ビーコン測位などの手法によって絶対位置を計測するセンサであってもよい。
【0020】
表示部160は、車両300との待合を行う地点に関する情報を表示する。また、表示部160は、待合を行う地点までユーザの移動をガイドするための案内情報を表示するものであってもよい。その他、表示部160は、車両300の情報や、車両300の走行経路に関する情報を表示するものであってもよい。表示部160が表示する情報は、後述する通信部110により、ネットワーク400を介してサーバ200から取得するものであってもよい。
【0021】
なお、表示部160としては、各種の情報を視覚情報によって情報を提示するものに限定されない。表示部160は、聴覚情報によってユーザに情報を提示するものであってもよいし、振動を発生させて、振動による刺激によってユーザに情報を提示するものであってもよい。
【0022】
操作部170は、情報処理システムに対するユーザからの各種の指令に対応するユーザの操作を受け付ける。例えば、操作部170は、複数のボタンを備えた入力インターフェイスであってもよいし、タッチインターフェイスを備えたタッチパネルであってもよい。
【0023】
より具体的には、絵や記号で表現したアイコンをユーザが操作可能なように表示部160が表示し、表示されたアイコンをユーザがタッチ、ドラッグなどすることで、操作部170はユーザの操作を受け付けるものであってもよい。
【0024】
通信部110は、ネットワーク400との間で情報を送受信する。通信部110は、ネットワーク400から取得した情報を図示しないメモリ等に記憶し、また、ユーザの操作に基づいて生成される輸送リクエストや、位置データなど所定の情報をネットワーク400に対して出力する。例えば、通信部110は、4G/LTEや5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0025】
コントローラ130は、センサ150、表示部160、操作部170、通信部110と接続されており、コントローラ130には、センサ150、操作部170、通信部110からの情報が入力され、コントローラ130からは表示部160、通信部110への情報が出力される。
【0026】
なお、コントローラ130は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コントローラ130には、情報処理システムの一部として機能するためのコンピュータプログラム(情報端末プログラム)がインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ130は、表示部160及び通信部110の制御を行う。
【0027】
コントローラ130が備える各種の情報処理は、ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0028】
コントローラ130は、操作部170に対するユーザの操作に基づいて、情報処理システムに対する輸送リクエストを生成する。
【0029】
ここで、輸送リクエストとは、車両による乗客又は貨物の輸送を要求するリクエストであり、輸送のための車両の配車を要求する配車リクエストである。輸送リクエストには、輸送対象が乗客又は貨物のいずれかであるかを示す種別データが少なくとも含まれる。
【0030】
種別データは、例えば、輸送リクエストを送信した端末100を識別する情報、端末100上で動作する、輸送リクエストを生成したアプリケーションを識別する情報、輸送リクエストに関するユーザ操作を識別する情報などを含む。
【0031】
例えば、端末100を識別する情報を参照することで、輸送リクエストを送信した端末100に関して、乗客又は貨物のいずれの輸送の輸送リクエストを送信するための端末であるかを決定できる。同様に、アプリケーションを識別する情報を参照することで、輸送リクエストを送信したアプリケーションに関して、乗客又は貨物のいずれの輸送の輸送リクエストを送信するためのアプリケーションであるかを決定できる。その他、輸送リクエストに関するユーザ操作を識別する情報を参照することで、ユーザが乗客又は貨物のいずれの輸送を希望しているかを決定できる。
【0032】
その他、輸送リクエストには、輸送対象の輸送開始を希望する希望開始地点、輸送対象の輸送開始を希望する希望開始時刻の情報が含まれていてもよい。また、輸送リクエストには、輸送対象の輸送終了を希望する希望終了地点、輸送対象の輸送終了を希望する希望終了時刻の情報が含まれていてもよい。
【0033】
例えば、輸送対象が乗客である場合、輸送リクエストには、希望開始地点として、乗客が乗車を希望する乗車地点、希望開始時刻として、当該乗車地点での乗車を希望する時刻の情報が含まれていてもよい。また、輸送リクエストには、希望終了地点として、乗客が降車を希望する降車地点、希望終了時刻として、当該降車地点での降車を希望する時刻の情報が含まれていてもよい。
【0034】
輸送対象が貨物である場合、輸送リクエストには、希望開始地点として、車両への貨物の積み込みを希望する積込地点、希望開始時刻として、当該積込地点での積み込みを希望する時刻の情報が含まれていてもよい。また、輸送リクエストには、希望終了地点として、車両からの貨物の荷下ろしを希望する荷下地点、希望終了時刻として、当該荷下地点での荷下ろしを希望する時刻の情報が含まれていてもよい。
【0035】
[サーバの構成]
次に、サーバ200(情報処理装置)について説明する。
図1に示すように、サーバ200は、通信部210(取得部、出力部)と、データベース220と、コントローラ230と、を備える。
【0036】
通信部210は、ネットワーク400との間で情報を送受信する。通信部210は、端末100から送信された輸送リクエスト、位置データ、車両300から送信された車両情報など、所定の情報をネットワーク400から取得し、取得した情報をデータベース220に記録する。その他、通信部210は、コントローラ230で生成した所定の情報を、端末100、車両300に送信するものであってもよい。
【0037】
データベース220(記憶部)は、通信部210によって取得した情報を記憶する。特に、データベース220は、1又は複数の輸送リクエストを記憶する。その他、データベース220は、後述するコントローラ230によって輸送リクエストに基づいて算出された、走行経路候補、及び、走行経路を記憶する。その際、データベース220は、車両と当該車両に紐づけられる走行経路候補及び走行経路を記憶する。
【0038】
なお、走行経路は、後述する乗客用経路抽出部237、貨物用経路抽出部239によって走行経路候補の中から抽出される。後述する経路候補算出部233によって走行経路候補が更新された際に、更新された走行経路候補に対応する走行経路が合わせて更新されるものであってもよい。更新後の走行経路候補及び走行経路は、更新の都度、データベース220に記憶されるものであってもよい。
【0039】
その他、データベース220は、貨客混載サービスを提供する地域において、車両が停車可能な停車地点を記憶するものであってもよい。例えば、データベース220が記憶する停車地点としては、過去、実際の車両の走行において、乗客が車両に乗車した地点、乗客が車両から降車した地点、貨物を車両に積んだ地点、貨物を車両から降ろした地点などが挙げられる。
【0040】
その他にも、データベース220が記憶する停車地点は、事前に設定された地点であってもよい。例えば、データベース220が記憶する地点として、タクシー乗車場、バス停、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗、公共施設の出入口、貨物の集荷場所などが挙げられる。
【0041】
コントローラ230は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コントローラ230には、情報処理システムの一部として機能させるためのコンピュータプログラム(情報処理サーバプログラム)がインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ230は、複数の情報処理回路(231、233、235、237、239)として機能する。
【0042】
なお、ここでは、ソフトウェアによってコントローラ230が備える複数の情報処理回路(231、233、235、237、239)を実現する例を示す。ただし、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路(231、233、235、237、239)を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路(231、233、235、237、239)を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0043】
コントローラ230は、複数の情報処理回路(231、233、235、237、239)として、地点特定部231、経路候補算出部233(算出部)、判定部235、乗客用経路抽出部237(抽出部)、貨物用経路抽出部239(抽出部)を備える。
【0044】
地点特定部231は、輸送リクエストに基づいて、輸送対象の輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送対象の輸送を終了する終了地点候補を特定する。なお、地点特定部231は、輸送リクエストごとに、1又は複数の開始地点候補、及び、1又は複数の終了地点候補を特定するものであってもよい。
【0045】
例えば、地点特定部231は、輸送リクエストに含まれる希望開始地点の近傍に位置する停車地点を開始地点候補として特定するものであってもよい。また、地点特定部231は、輸送リクエストに含まれる希望終了地点の近傍に位置する停車地点を終了地点候補として特定するものであってもよい。地点特定部231は、輸送リクエストに含まれる希望開始地点及び希望終了地点を、それぞれ開始地点候補及び終了地点候補として特定するものであってもよい。
【0046】
また、地点特定部231は、端末100の位置を示す位置データに基づいて、端末100の近傍に位置する停車地点を開始地点候補として特定するものであってもよい。さらに、地点特定部231は、輸送リクエストに含まれる、輸送対象の目的地の情報に基づいて、当該目的地の近傍に位置する停車地点を終了地点候補として特定するものであってもよい。
【0047】
なお、地点特定部231は、開始地点候補として特定された停車地点以外の停車地点を終了地点候補として特定する。これにより、開始地点候補かつ終了地点候補として特定される停車地点は存在しない。
【0048】
経路候補算出部233(算出部)は、輸送対象の輸送を行う車両が走行予定である、開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。
【0049】
具体的には、経路候補算出部233は、情報処理システムの管理対象となっている1又は複数の車両300について、開始地点候補を経由した後に終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。
【0050】
経路候補算出部233による走行経路候補の算出の際、計算負荷を軽減するため、経路候補算出部233は、開始地点候補から所定範囲内に位置する、1又は複数の車両300を抽出し、抽出された車両について、走行経路候補を算出するものであってもよい。
【0051】
経路候補算出部233によって算出される走行経路候補には、情報処理システムが受け付けた輸送リクエストのうち、1又は複数の輸送リクエストが関連付けられる点に留意する。例えば、1又は複数の車両300のうち、ある車両について走行経路候補を算出する際、当該車両が走行する走行経路候補がまだ算出されていない場合には、経路候補算出部233は、新たに受け付けた輸送リクエストに基づいて特定された開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を新規に算出する。
【0052】
一方、過去の輸送リクエスト(ただし、まだ輸送を完了していない輸送リクエスト)に基づいて、当該車両が走行する走行経路候補が既に算出されている場合には、経路候補算出部233は、既に算出されている走行経路候補を修正して、新たに受け付けた輸送リクエストに基づいて特定された開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。修正後の走行経路候補は、過去の輸送リクエストに基づいて特定された開始地点候補及び終了地点候補と、新たに受け付けた輸送リクエストに基づいて特定された開始地点候補及び終了地点候補の両方を経由することになる。
【0053】
走行経路候補に複数の輸送リクエストが関連付けられる場合、当該走行経路候補を走行する車両は、当該走行経路候補に関連付けられた複数の輸送リクエストに係る複数の輸送を実施することになる。
【0054】
経路候補算出部233によって算出された走行経路候補は、データベース220に記憶される。
【0055】
その他、経路候補算出部233は、算出した走行経路候補についての、輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間、及び、車両の移動コストを、算出する。
【0056】
例えば、経路候補算出部233は、走行経路候補に関連付けられる輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとして抽出するものであってもよい。また、経路候補算出部233は、乗客輸送リクエストのうち最新の乗客輸送リクエストを新規乗客輸送リクエストとして抽出するものであってもよい。
【0057】
また、経路候補算出部233は、走行経路候補に基づいて算出される、新規乗客輸送リクエストを取得した時刻から新規乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、走行経路候補ごとの旅行時間として算出するものであってもよい。すなわち、経路候補算出部233は、新規乗客輸送リクエストに関する時間を考慮して旅行時間を算出する一方で、新規乗客輸送リクエスト以外の乗客輸送リクエストに関する時間を考慮しないで旅行時間を算出するものであってもよい。
【0058】
さらに、経路候補算出部233は、走行経路候補に基づいて算出される、乗客輸送リクエストが確定した時刻又は乗客輸送リクエストを取得した時刻から乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、抽出した乗客輸送リクエストの全体にわたって合計した値を、走行経路候補ごとの旅行時間として算出するものであってもよい。すなわち、経路候補算出部233は、新規乗客輸送リクエストに関する時間を考慮して旅行時間を算出し、さらに、新規乗客輸送リクエスト以外の乗客輸送リクエストに関する時間も考慮して旅行時間を算出するものであってもよい。
【0059】
また、経路候補算出部233は、走行経路候補に基づいて算出される、車両が走行経路候補を走行する際の予定走行距離又は予定走行時間を、走行経路候補ごとの移動コストとして算出するものであってもよい。すなわち、経路候補算出部233は、算出の対象となる走行経路候補を走行する車両の予定走行距離又は予定走行時間を考慮して移動コストを算出する一方で、算出の対象となる走行経路候補を走行する車両以外の車両の予定走行距離又は予定走行時間を考慮しないで移動コストを算出するものであってもよい。
【0060】
さらに、経路候補算出部233は、走行経路候補に基づいて算出される、車両の予定走行距離又は予定走行時間を車両の全体にわたって合計した値を、走行経路候補ごとの移動コストとして算出するものであってもよい。すなわち、経路候補算出部233は、算出の対象となる走行経路候補を走行する車両が、現在地から走行経路候補経路上の最終目的地(最後の降車地又は配送地)まで走行する際の予定走行距離又は予定走行時間を考慮して移動コストを算出し、算出の対象となる走行経路候補を走行する車両以外の車両の予定走行距離又は予定走行時間も考慮して移動コストを算出するものであってもよい。
【0061】
その他、経路候補算出部233は、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路候補のみを算出するものであってもよい。または、経路候補算出部233は、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たさない走行経路候補を除外するものであってもよい。例えば、経路候補算出部233は、車両が終了地点候補に到着する予定時刻と輸送リクエストに含まれる希望終了時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補のみを算出するものであってもよい。また、経路候補算出部233は、車両が開始地点候補に到着する予定時刻と輸送リクエストに含まれる希望開始時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補のみを算出するものであってもよい。
【0062】
このように、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路候補のみを算出することで、データベース220に記憶される走行経路候補の数を削減し、記憶資源の使用量を低減することができる。さらには、経路候補算出部233における、旅行時間、及び、移動コストを算出する際の計算負荷を低減できる。さらには、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路が確実に抽出されることが保証され、ユーザの利便性の向上につながる。
【0063】
ここで、輸送対象が貨物である場合における所定閾値は、輸送対象が乗客である場合における所定閾値よりも大きいものであってもよい。これにより、輸送対象が貨物である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻と比較して、輸送対象が乗客である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻を優先して順守することができる走行経路候補を算出することができる。
【0064】
判定部235は、輸送リクエストに含まれる種別データに基づいて、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する。
【0065】
例えば、判定部235は、種別データのうち端末100を識別する情報を参照して、輸送リクエストを送信した端末100が、乗客又は貨物のいずれの輸送の輸送リクエストを送信するための端末であるかを決定する。そして、端末100が乗客の輸送の輸送リクエストを送信する端末である場合には、判定部235は、輸送対象が乗客であると判定する。端末100が貨物の輸送の輸送リクエストを送信する端末である場合には、判定部235は、輸送対象が貨物であると判定する。
【0066】
判定部235は、種別データのうちアプリケーションを識別する情報を参照して、輸送リクエストを送信したアプリケーションが、乗客又は貨物のいずれの輸送の輸送リクエストを送信するためのアプリケーションであるかを決定する。そして、アプリケーションが乗客の輸送の輸送リクエストを送信するアプリケーションである場合には、判定部235は、輸送対象が乗客であると判定する。アプリケーションが貨物の輸送の輸送リクエストを送信するアプリケーションである場合には、判定部235は、輸送対象が貨物であると判定する。
【0067】
判定部235は、輸送リクエストに関するユーザ操作を識別する情報を参照して、輸送対象が乗客と貨物のいずれであるかを判定する。例えば、ユーザ操作によって指定された乗車人数の情報が輸送リクエストに含まれている場合には、判定部235は、輸送対象が乗客であると判定する。また、ユーザ操作によって指定された、車両による輸送を希望する積載貨物の個数や積載量などの情報が輸送リクエストに含まれている場合には、判定部235は、輸送対象が貨物であると判定する。
【0068】
なお、判定部235による判定の処理は、地点特定部231及び経路候補算出部233による処理と実行順序の前後を問わない。例えば、
図2及び
図3に示すように、判定部235による判定の処理を、地点特定部231及び経路候補算出部233による処理よりも先に行うものであってもよい。
図4及び
図5に示すように、判定部235による判定の処理を、地点特定部231及び経路候補算出部233による処理よりも後に行うものであってもよい。
【0069】
乗客用経路抽出部237(抽出部)は、判定部235によって輸送対象が乗客であると判定された場合に、輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。なお、乗客用経路抽出部237は、走行経路候補のうち、旅行時間が長い走行経路候補よりも旅行時間が短い走行経路候補を優先して走行経路として抽出するものであってもよい。
【0070】
また、乗客用経路抽出部237は、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の最大乗員数が所定人数以下となる走行経路候補を抽出し、旅行時間に基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。ここで、所定人数は、例えば、車両ごとに定まる最大収容人数(定員)である。乗客用経路抽出部237は、走行経路候補に関連付けられる輸送リクエストを参照し、当該リクエストに含まれる乗車人数の情報を元に、走行経路候補を走行する車両における最大乗員数を算出するものであってもよい。
【0071】
貨物用経路抽出部239(抽出部)は、判定部235によって輸送対象が貨物であると判定された場合に、車両の移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。なお、貨物用経路抽出部239は、走行経路候補のうち、移動コストが大きい走行経路候補よりも移動コストが小さい走行経路候補を優先して走行経路として抽出するものであってもよい。
【0072】
また、貨物用経路抽出部239は、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の積載量が所定量以下となる走行経路候補を抽出し、移動コストに基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。ここで、所定量は、例えば、車両ごとに定まる最大積載量である。貨物用経路抽出部239は、走行経路候補に関連付けられる輸送リクエストを参照し、当該リクエストに含まれる積載貨物の個数や積載量の情報を元に、走行経路候補を走行する車両における最大積載量を算出するものであってもよい。
【0073】
その他、上述した乗客用経路抽出部237及び貨物用経路抽出部239は、車両が終了地点候補に到着する予定時刻と輸送リクエストに含まれる希望終了時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補の中から、走行経路を抽出するものであってもよい。これにより、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路が確実に抽出されることが保証され、ユーザの利便性の向上につながる。
【0074】
また、乗客用経路抽出部237及び貨物用経路抽出部239は、車両が開始地点候補に到着する予定時刻と輸送リクエストに含まれる希望開始時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補の中から、走行経路を抽出するものであってもよい。これにより、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路が確実に抽出されることが保証され、ユーザの利便性の向上につながる。
【0075】
なお、輸送対象が貨物である場合における所定閾値は、輸送対象が乗客である場合における所定閾値よりも大きいものであってもよい。これにより、輸送対象が貨物である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻と比較して、輸送対象が乗客である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻を優先して順守することができる走行経路を抽出することができる。
【0076】
乗客用経路抽出部237、又は、貨物用経路抽出部239によって抽出された走行経路は、通信部210を介して出力される。例えば、抽出された走行経路は、端末100に出力された後、ユーザに提示されるものであってもよい。抽出された走行経路は、車両300に出力された後、走行経路に従って車両300が制御されるものであってもよい。
【0077】
[情報処理システムの処理手順]
次に、本実施形態に係る情報処理システムの処理手順を、
図2及び
図3を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの動作例を説明するシーケンスチャートである。
【0078】
図2に示すフローチャートは、貨客混載サービスを提供する情報処理システムの運用開始とともに開始され、情報処理システムが運用状態にある間、繰り返し実行される。
【0079】
図3に示すように、ステップS301において、端末100にて輸送リクエストが生成され、輸送リクエストは端末100からサーバ200に送信される。そして、ステップS101において、通信部210は、端末100からの輸送リクエストを取得する。
【0080】
ステップS303において、車両300にて車両情報が生成され、車両情報は車両300からサーバ200に送信される。そして、通信部210は、車両300からの車両情報を取得する。
【0081】
ステップS103において、判定部235は、輸送リクエストに含まれる種別データに基づいて、輸送対象の種別を判定する。すなわち、判定部235は、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する。
【0082】
輸送対象が乗客であると判定された場合(ステップS103でYESの場合)には、ステップS105,S107,S109,S111,S113が実行される。一方、輸送対象が貨物であると判定された場合(ステップS103でNOの場合)には、ステップS115,S117,S119,S121,S123が実行される。
【0083】
輸送対象が乗客であると判定された場合(ステップS103でYESの場合)には、ステップS105において、地点特定部231は、輸送リクエストに基づいて、乗車地点・降車地点の候補(輸送対象の輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送対象の輸送を終了する終了地点候補)を特定する。
【0084】
ステップS107において、経路候補算出部233は、輸送対象の輸送を行う車両が走行予定である、開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。
【0085】
ステップS109において、経路候補算出部233は、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たさない走行経路候補を除外する。
【0086】
ステップS111において、経路候補算出部233は、走行経路候補についての旅行時間を算出する。
【0087】
ステップS113において、乗客用経路抽出部237は、旅行時間に基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。
【0088】
輸送対象が貨物であると判定された場合(ステップS103でNOの場合)には、ステップS115において、地点特定部231は、輸送リクエストに基づいて、積込地点・荷下地点の候補(輸送対象の輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送対象の輸送を終了する終了地点候補)を特定する。
【0089】
ステップS117において、経路候補算出部233は、輸送対象の輸送を行う車両が走行予定である、開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。
【0090】
ステップS119において、経路候補算出部233は、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たさない走行経路候補を除外する。
【0091】
ステップS121において、経路候補算出部233は、走行経路候補についての移動コストを算出する。
【0092】
ステップS123において、乗客用経路抽出部237は、移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。
【0093】
ステップS131において、抽出された走行経路は通信部210を介して出力される。
【0094】
なお、出力された走行経路は、サーバ200から端末100に送信されて、ステップS305において、端末100の表示部160を介してユーザに提示されてもよい。また、出力された走行経路は、サーバ200から車両300に送信されて、ステップS307において車両300にて走行経路に基づく制御が行われてもよい。
【0095】
その他、
図3では示していないが、ユーザは、提示された走行経路に基づく輸送を承認するか否か判断して、その承認可否の結果が端末100から車両300に送信されるものであってもよい。そして、輸送が承認される場合に、承認された走行経路が、サーバ200から車両300に送信されるものであってもよい。
【0096】
[情報処理システムの処理手順(変形例)]
次に、本実施形態の変形例に係る情報処理システムの処理手順を、
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理システムの動作例を説明するシーケンスチャートである。
【0097】
図4に示すフローチャートは、貨客混載サービスを提供する情報処理システムの運用開始とともに開始され、情報処理システムが運用状態にある間、繰り返し実行される。
【0098】
図5に示すように、ステップS301において、端末100にて輸送リクエストが生成され、輸送リクエストは端末100からサーバ200に送信される。そして、ステップS201において、通信部210は、端末100からの輸送リクエストを取得する。
【0099】
ステップS303において、車両300にて車両情報が生成され、車両情報は車両300からサーバ200に送信される。そして、通信部210は、車両300からの車両情報を取得する。
【0100】
ステップS203において、地点特定部231は、輸送リクエストに基づいて、輸送対象の輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送対象の輸送を終了する終了地点候補を特定する。
【0101】
ステップS205において、経路候補算出部233は、輸送対象の輸送を行う車両が走行予定である、開始地点候補及び終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。
【0102】
ステップS207において、経路候補算出部233は、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たさない走行経路候補を除外する。
【0103】
ステップS211において、判定部235は、輸送リクエストに含まれる種別データに基づいて、輸送対象の種別を判定する。すなわち、判定部235は、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する。
【0104】
輸送対象が乗客であると判定された場合(ステップS211でYESの場合)には、ステップS213において、経路候補算出部233は、走行経路候補についての旅行時間を算出する。そして、ステップS215において、乗客用経路抽出部237は、旅行時間に基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。
【0105】
一方、輸送対象が貨物であると判定された場合(ステップS211でNOの場合)には、ステップS217において、経路候補算出部233は、走行経路候補についての移動コストを算出する。そして、ステップS219において、乗客用経路抽出部237は、移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出する。
【0106】
ステップS221において、抽出された走行経路は通信部210を介して出力される。
【0107】
なお、出力された走行経路は、サーバ200から端末100に送信されて、ステップS305において、端末100の表示部160を介してユーザに提示されてもよい。また、出力された走行経路は、サーバ200から車両300に送信されて、ステップS307において車両300にて走行経路に基づく制御が行われてもよい。
【0108】
その他、
図5では示していないが、ユーザは、提示された走行経路に基づく輸送を承認するか否か判断して、その承認可否の結果が端末100から車両300に送信されるものであってもよい。そして、輸送が承認される場合に、承認された走行経路が、サーバ200から車両300に送信されるものであってもよい。
【0109】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象の輸送を要求する輸送リクエストに基づいて、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定する。また、輸送を開始する開始地点候補、及び、輸送を終了する終了地点候補を経由する走行経路候補を算出する。輸送対象が乗客であると判定した場合には、輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、輸送対象が貨物であると判定した場合には、車両の移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出し、抽出した走行経路を出力する。
【0110】
これにより、新たな輸送リクエスト(移動要求)に基づいて乗客の輸送と貨物の輸送のいずれかを優先する経路を計算して、貨客混載サービス全体での移動時間又は移動コストを低減することができる。
【0111】
貨客混載サービス全体での移動時間、移動コストを低減できることを、
図6A、
図6Bを参照しながら説明する。
図6Aは、輸送リクエストに基づいて抽出された走行経路の第1の例を示す図である。
図6Bは、輸送リクエストに基づいて抽出された走行経路の第2の例を示す図である。
【0112】
図6A、
図6B共に、第1の輸送リクエストによって、輸送対象である乗客H1の地点PAから地点PBへの輸送が要求されたものとする。第1の輸送リクエストに対応して、車両V1が、待機地点PXを出発して、地点PA、地点PBの順に経由して、待機地点PXに戻る走行経路が抽出されたとする。
【0113】
そして、
図6Aでは、第1の輸送リクエストに続いて、第2の輸送リクエストによって、輸送対象である乗客H2の地点PAから地点PCへの輸送が要求されたものとする。
図6Bでは、第1の輸送リクエストに続いて、第2の輸送リクエストによって、輸送対象である貨物CGの地点PAから地点PCへの輸送が要求されたものとする。
【0114】
この場合、第2の輸送リクエストに対応する走行経路候補としては、第1の走行経路候補と、第2の走行経路候補が考えられる。ここで、第1の走行経路候補は、車両V1が、待機地点PXを出発して、地点PA、地点PB、地点PCの順に経由して、待機地点PXに戻る経路である。また、第2の走行経路候補は、車両V2が、待機地点PXを出発して、地点PA、地点PCの順に経由して、待機地点PXに戻る経路である。
【0115】
第1の走行経路候補に従う場合には、車両V2は走行しないで車両V1のみが走行し、第2の走行経路候補に従う場合には、車両V1と車両V2の両方が走行する。そのため、車両V1と車両V2の両方の合計の移動コストは、第2の走行経路候補と比較して、第1の走行経路候補の方が小さい。
【0116】
一方、第1の走行経路候補に従う場合には、乗客H2は地点PAを出発した後に地点PBを経由し、その後、地点PCに向かう。第2の走行経路候補に従う場合には、乗客H2は地点PAを出発した後に直接、地点PCに向かう。そのため、第1の走行経路候補についての旅行時間は、第2の走行経路候補についての旅行時間よりも長くなってしまう。
【0117】
本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法によれば、輸送対象が乗客であると判定した場合には、輸送対象である乗客の輸送終了までの旅行時間に基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出される。そのため、
図6Aのように第2の輸送リクエストに係る輸送対象が乗客である場合には、第2の走行経路候補が走行経路として抽出される。したがって、乗客が輸送対象である輸送リクエストに対して、乗客の旅行時間が短くなる、車両及び当該車両が走行する走行経路を出力することができる。
【0118】
一方、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法によれば、輸送対象が貨物であると判定した場合には、車両の移動コストに基づいて、走行経路候補の中から走行経路を抽出される。そのため、
図6Bのように第2の輸送リクエストに係る輸送対象が貨物である場合には、第1の走行経路候補が走行経路として抽出される。したがって、貨物が輸送対象である輸送リクエストに対して、車両V1、車両V2の移動コストが小さくなる、車両及び当該車両が走行する走行経路を出力することができる。
【0119】
上述のようにして、貨客混載サービスを利用する乗客にとっての旅行時間を短くできるため、より短時間で乗客が移動することを可能にし、乗客の利便性を向上させることができる。一方、貨物を運ぶ際には、短時間での移動が不要であり、代わりに車両の移動コストをより小さくすることができる。その結果、貨客混載サービスを提供するサービサにとって、車両の燃費やメンテナンスコストなどの経費を削減することができる。
【0120】
また、貨客混載サービスにおいて配車される車両が効率的に走行でき、渋滞を軽減したり環境負荷を軽減したりできる。
【0121】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象が乗客であると判定した場合に、走行経路候補のうち、旅行時間が長い走行経路候補よりも旅行時間が短い走行経路候補を優先して走行経路として抽出するものであってもよい。これにより、貨客混載サービスを利用する乗客にとっての旅行時間を短くできるため、より短時間で乗客が移動することを可能にし、乗客の利便性を向上させることができる。
【0122】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象が貨物であると判定した場合に、走行経路候補のうち、移動コストが大きい走行経路候補よりも移動コストが小さい走行経路候補を優先して走行経路として抽出するものであってもよい。これにより、貨客混載サービスにて貨物を運ぶ際に、車両の移動コストをより小さくすることができる。その結果、貨客混載サービスを提供するサービサにとって、車両の燃費やメンテナンスコストなどの経費を削減することができる。つまり、サービサの利便性を向上させることができる。
【0123】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、走行経路候補に関連付けられる輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとし、乗客輸送リクエストのうち最新の乗客輸送リクエストを新規乗客輸送リクエストとして、走行経路候補に基づいて算出される、新規乗客輸送リクエストを取得した時刻から新規乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、走行経路候補ごとの旅行時間として算出するものであってもよい。
【0124】
これにより、新規乗客輸送リクエスト以外の乗客輸送リクエストに関する時間を考慮しないで旅行時間を算出でき、計算負荷を低減することができる。特に、乗客にとっての旅行時間を近似的に最短にできる走行経路を抽出でき、乗客の利便性を損なうことなく、計算負荷を低減することができる。
【0125】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、走行経路候補に関連付けられる輸送リクエストのうち、乗客の輸送に係る輸送リクエストを乗客輸送リクエストとして、走行経路候補に基づいて算出される、乗客輸送リクエストが確定した時刻又は乗客輸送リクエストを取得した時刻から乗客輸送リクエストに係る輸送を終了する予定時刻までの時間を、抽出した乗客輸送リクエストの全体にわたって合計した値を、走行経路候補ごとの旅行時間として算出するものであってもよい。
【0126】
これにより、貨客混載サービスを利用する乗客にとっての旅行時間を短くできるため、より短時間で乗客が移動することを可能にし、乗客の利便性を向上させることができる。特に、乗客にとっての旅行時間を最短にできる走行経路を抽出できる。
【0127】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、走行経路候補に基づいて算出される、車両が走行経路候補を走行する際の予定走行距離又は予定走行時間を、走行経路候補ごとの移動コストとして算出するものであってもよい。
【0128】
これにより、算出の対象となる走行経路候補を走行する車両以外の車両の予定走行距離又は予定走行時間を考慮しないで移動コストを算出でき、計算負荷を低減することができる。特に、車両の移動コストを近似的に最短にできる走行経路を抽出でき、サービサの利便性を損なうことなく、計算負荷を低減することができる。
【0129】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、走行経路候補に基づいて算出される、車両の予定走行距離又は予定走行時間を車両の全体にわたって合計した値を、走行経路候補ごとの移動コストとして算出するものであってもよい。
【0130】
これにより、貨客混載サービスにて貨物を運ぶ際に、車両の移動コストをより小さくすることができる。その結果、貨客混載サービスを提供するサービサにとって、車両の燃費やメンテナンスコストなどの経費を削減することができる。特に、車両の移動コストを最小化できる走行経路を抽出できる。
【0131】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、開始地点候補から所定範囲内に位置する、1又は複数の車両を抽出し、抽出された車両が走行する走行経路候補を算出し、抽出された車両のいずれかの走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。これにより、探索の対象となる走行経路候補の数を抑制でき、その結果、走行経路を抽出するために必要な計算負荷を軽減できる。
【0132】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送リクエストが輸送対象の輸送終了を希望する希望終了時刻を含む場合に、車両が終了地点候補に到着する予定時刻と希望終了時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補の中から、走行経路を抽出するものであってもよい。
【0133】
これにより、旅行時間、及び、移動コストを算出する際の計算負荷を低減できる。さらには、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路が確実に抽出されることが保証され、ユーザの利便性の向上につながる。
【0134】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送リクエストが輸送対象の輸送開始を希望する希望開始時刻を含む場合に、車両が開始地点候補に到着する予定時刻と希望開始時刻の差が所定閾値以下である走行経路候補の中から、走行経路を抽出するものであってもよい。
【0135】
これにより、旅行時間、及び、移動コストを算出する際の計算負荷を低減できる。さらには、輸送リクエストに基づいて定まる制約条件を満たす走行経路が確実に抽出されることが保証され、ユーザの利便性の向上につながる。
【0136】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法において、輸送対象が貨物である場合における所定閾値は、輸送対象が乗客である場合における所定閾値よりも大きいものであってもよい。これにより、輸送対象が貨物である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻と比較して、輸送対象が乗客である輸送リクエストにおける希望開始時刻及び希望終了時刻を優先して順守することができる走行経路候補を算出することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法において、種別データは、輸送リクエストを送信した情報端末を識別する情報、輸送リクエストを生成したアプリケーションを識別する情報、及び、輸送リクエストに関するユーザ操作を識別する情報、の少なくともいずれかを含むものであってもよい。これにより、輸送リクエストに係る輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを、より正確に判定することができる。
【0138】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、車両と抽出した走行経路を紐づけて記憶する記憶部において、走行経路が抽出されるたびに、記憶部に記憶した走行経路を更新するものであってもよい。これにより、受け付けた輸送リクエストに基づいて動的に、貨客混載サービスの管理下にある車両の走行経路が更新され、輸送リクエストに基づいてより迅速に、輸送のための車両の配車を実現できる。
【0139】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象が乗客であると判定した後に、輸送リクエストに基づいて、開始地点候補、及び、終了地点候補を特定し、開始地点候補を経由した後に終了地点候補を経由する走行経路候補を算出するものであってもよい。そして、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の最大乗員数が所定人数以下となる走行経路候補を抽出し、旅行時間に基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。
【0140】
これにより、相乗りなどが生じても、車両の定員を超える乗客が車両に乗り込むような事態が抑制される。その結果、車両に乗車する乗員の利便性を向上させることができる。また、配車された車両によって、確実に乗客の輸送を行うことができる。
【0141】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、輸送対象が貨物であると判定した後に、輸送リクエストに基づいて、開始地点候補、及び、終了地点候補を特定し、開始地点候補を経由した後に終了地点候補を経由する走行経路候補を算出するものであってもよい。そして、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の最大積載量が所定量以下となる走行経路候補を抽出し、移動コストに基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。
【0142】
これにより、複数の要求に基づく貨物の積載などが生じても、車両の最大積載量を超える貨物が車両に積載されてしまうような事態が抑制される。その結果、車両に貨物を積載することを要求するユーザの利便性を向上させることができる。また、配車された車両によって、確実に貨物の輸送を行うことができる。
【0143】
また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法は、走行経路候補を算出した後に、輸送対象が乗客又は貨物のいずれであるかを判定ものであってもよい。そして、輸送対象が乗客であると判定した場合に、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の最大乗員数が所定人数以下となる走行経路候補を抽出し、旅行時間に基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。そして、輸送対象が貨物であると判定した場合に、輸送リクエストに基づいて、車両が走行経路候補を走行する際の車両の最大積載量が所定量以下となる走行経路候補を抽出し、移動コストに基づいて、抽出した走行経路候補の中から走行経路を抽出するものであってもよい。
【0144】
これにより、相乗りなどが生じても、車両の定員を超える乗客が車両に乗り込むような事態が抑制される。その結果、車両に乗車する乗員の利便性を向上させることができる。また、複数の要求に基づく貨物の積載などが生じても、車両の最大積載量を超える貨物が車両に積載されてしまうような事態が抑制される。その結果、車両に貨物を積載することを要求するユーザの利便性を向上させることができる。したがって、配車された車両によって、確実に乗客や貨物の輸送を行うことができる。
【0145】
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサや、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置や、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
【0146】
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0147】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0148】
100 端末(情報端末)
110 通信部
130 コントローラ
150 センサ
160 表示部
170 操作部
200 サーバ
210 通信部(取得部、出力部)
220 データベース(記憶部)
230 コントローラ
231 地点特定部
233 経路候補算出部
235 判定部
237 乗客用経路抽出部
239 貨物用経路抽出部
300 車両
310 通信部
320 車両制御装置
400 ネットワーク