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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】規制装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20241008BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20241008BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60L53/80
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023014057
(22)【出願日】2023-02-01
(65)【公開番号】P2024109324
(43)【公開日】2024-08-14
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関内 陵博
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-70661(JP,U)
【文献】特開2006-96148(JP,A)
【文献】特開2005-96503(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113415144(CN,A)
【文献】特開2006-351277(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19956623(DE,A1)
【文献】米国特許第5360307(US,A)
【文献】特開2012-232625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60L 53/80
H01M 50/202
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の搭載位置と交換位置との間でバッテリーを移動させる移動部と、
前記移動部に設けられ、第1位置と第2位置との間を回動する回動部と、
前記車両に設けられ、前記移動部が前記搭載位置にある状態で前記第1位置の前記回動部と接触することで前記移動部が前記搭載位置から移動することを規制する規制部と、
を備え、
前記移動部が前記交換位置から前記搭載位置へ移動する間に、前記回動部が前記規制部と接触することで前記第1位置から前記第2位置に回動し、かつ、前記回動部が前記規制部の位置を通過することで前記第1位置に戻り、
前記回動部は、回動部材と、前記回動部材を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、前記バッテリーが前記搭載位置にある状態で、前記回動部材を回動操作可能であり、かつ、前記移動部の外側端部に対応する位置に配置される操作部材と、前記回動部材を支持する支持部材と、を有し、
前記支持部材は、前記操作部材の回動範囲と重なる部分が切り欠かれている、
規制装置。
【請求項2】
前記規制部は、前記移動部が移動する方向と直交する直交方向において、前記移動部と対向しており、
前記バッテリーが前記交換位置から前記搭載位置へ移動する際の、前記回動部材の前記規制部との接触面は、前記搭載位置から離れるにつれ、前記直交方向において前記移動部と離れる側に位置するように傾斜している、
請求項に記載の規制装置。
【請求項3】
前記規制部は、前記バッテリーが前記搭載位置にある状態で、前記回動部と接触し、前記搭載位置から前記交換位置への前記バッテリーの移動を規制する、
請求項1に記載の規制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、規制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車、ハイブリッド車両等、バッテリーを備える車両においては、車両の内側でバッテリーが車体に固定される。例えば、特許文献1には、メインロック装置と、メインロック装置が誤作動等でアンロック状態になってバッテリーが落下することを防ぐための、フェールセーフロック装置とを有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-362261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の中には、スライド部を介して、車両の内側と外側の間でバッテリーを引出、収納可能な構成が存在するが、当該構成では、車両の停車時の傾斜状態に起因して、作業者が意図しないタイミングでバッテリーが引き出されてしまうおそれがあった。
【0005】
本開示の目的は、作業者が意図しないタイミングでバッテリーが引き出されることを抑制することが可能な規制装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る規制装置は、
車両の搭載位置と交換位置との間でバッテリーを移動させる移動部と、
前記移動部に設けられ、第1位置と第2位置との間を回動する回動部と、
前記車両に設けられ、前記移動部が前記搭載位置にある状態で前記第1位置の前記回動部と接触することで前記移動部が前記搭載位置から移動することを規制する規制部と、
を備え、
前記移動部が前記交換位置から前記搭載位置へ移動する間に、前記回動部が前記規制部と接触することで前記第1位置から前記第2位置に回動し、かつ、前記回動部が前記規制部の位置を通過することで前記第1位置に戻り、
前記回動部は、回動部材と、前記回動部材を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、前記バッテリーが前記搭載位置にある状態で、前記回動部材を回動操作可能であり、かつ、前記移動部の外側端部に対応する位置に配置される操作部材と、前記回動部材を支持する支持部材と、を有し、
前記支持部材は、前記操作部材の回動範囲と重なる部分が切り欠かれている
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業者が意図しないタイミングでバッテリーが引き出されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る規制装置を備えた車両を示す図である。
図2】本実施の形態に係る規制装置をX方向から見た図である。
図3A】内側位置と外側位置との間におけるバッテリーの移動を説明するための図である。
図3B】内側位置と外側位置との間におけるバッテリーの移動を説明するための図である。
図4】回動部の斜視図である。
図5A】回動部をZ方向の-側から見た図である。
図5B】回動部をZ方向の+側から見た図である。
図6A】回動部の回動について説明するための図である。
図6B】回動部の回動について説明するための図である。
図7A】外側位置から内側位置に移動する際の回動部材の動作について説明するための図である。
図7B】外側位置から内側位置に移動する際の回動部材の動作について説明するための図である。
図7C】外側位置から内側位置に移動する際の回動部材の動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る規制装置を備えた車両を示す図である。
【0010】
本実施の形態の規制装置に関する構造を説明するにあたり、直交座標系(X,Y,Z)を使用する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。X方向は、規制装置が搭載される車両1の左右方向を示し、Y方向は車両1の前後方向を示し、Z方向は車両1の上下方向を示す。
【0011】
図1に示すように、車両1は、電気自動車、ハイブリッド車両等、バッテリー2で走行可能な車両である。また、車両1は、トラック等の大型車両であり、荷台1Aを搭載している。また、車両1における、荷台1Aが搭載された車体1Bには、バッテリー2を取り付けるための取付装置10が設けられている。
【0012】
図2に示すように、取付装置10は、本体部11と、スライド部12と、載置部13とを備える。
【0013】
本体部11は、荷台1Aの下方(Z方向の-側)に対応する位置に配置され、壁部111および支持部112を有する。
【0014】
壁部111は、Z方向に沿って配置される壁であり、例えば、車体1Bの側面(X方向の+側)に固定される。壁部111には、バッテリー2の側面に設けられるストライカ2Aと係合するラッチ111Aが設けられる(図3B参照)。ラッチ111Aとストライカ2Aとが係合することで、バッテリー2が車両1に固定される。
【0015】
支持部112は、壁部111のZ方向の-側の端部からX方向の+側に向かって延びる部材であり、Y方向に並んで2つ設けられる。支持部112は、車両1にバッテリー2が固定された際に、載置部13およびバッテリー2をZ方向の-側から支持するように配置される。
【0016】
また、支持部112には、車両1の内側位置(図3Aに示す、搭載位置)から外側位置(図3Bに示す、交換位置)へのバッテリー2の移動を規制するための規制部材113が設けられている。規制部材113は、本開示の「規制部」に対応する。
【0017】
規制部材113は、例えば、2つの支持部112のうち、Y方向の-側に位置する支持部112から、Y方向の+側に延びて構成されている。なお、規制部材113は、支持部112に設けられていなくても良く、例えば、車体1Bの任意の箇所に設けられていても良い。
【0018】
規制部材113は、支持部112のX方向の+側の端部に配置されており、車両1の内側位置にバッテリー2が位置した際、後述する回動部130よりもX方向の+側に位置する。
【0019】
スライド部12は、バッテリー2を車両1の内側位置と外側位置との間を移動させるための伸縮式のスライドレールである。スライド部12は、例えば、支持部112に固定されている。
【0020】
図3Aに示すように、スライド部12は、最も縮んだ状態である場合、X方向において、車両1の内側の範囲に位置する。上記の内側位置は、X方向において車両1より外側にバッテリー2が位置しない位置であり、例えば、スライド部12が最も縮んだ状態のときのバッテリー2(載置部13)の位置であっても良い。また、内側位置は、車両1におけるバッテリー2の搭載位置であっても良い。
【0021】
図3Bに示すように、スライド部12は、最も伸ばした状態である場合、先端部が荷台1AよりもX方向の+側、つまり、車両1の外側の範囲に位置する。上記の外側位置は、X方向において車両1より外側であって載置部13からバッテリー2が着脱可能な位置であり、例えば、スライド部12が最も伸びた状態のときのバッテリー2(載置部13)の位置であっても良い。また、外側位置は、バッテリー2を交換するための交換位置であっても良い。
【0022】
載置部13は、バッテリー2を載置する部分であり、スライド部12に取り付けられている。載置部13のZ方向の+側の面には、バッテリー2の底面に設けられるストライカ2Bと係合するラッチ13Aが設けられる。ラッチ13Aとストライカ2Bとが係合することで、バッテリー2が載置部13に固定される。載置部13は、本開示の「移動部」に対応する。
【0023】
また、載置部13が車両1の外側の範囲に位置した際に、ラッチ13Aとストライカ2Bとの係合を解除すると、バッテリー2を取り外して、交換することが可能となる。
【0024】
また、図4に示すように、載置部13のZ方向の-側の面には、支持部13Bが設けられている。支持部13Bは、載置部13におけるX方向の+側の端部に対応する位置に配置されており、載置部13から突出して設けられる。
【0025】
支持部13Bは、車両1の内側位置から外側位置へのバッテリー2の移動を規制するための回動部130を支持する。支持部13Bは、Z方向の-側の端部においてX方向に間隔をあけて並ぶ2つの筒状部13Dを有しており、筒状部13Dで回動部130を支持する(図5A参照)。支持部13Bは、本開示の「支持部材」に対応する。
【0026】
また、載置部13は、X方向の+側の端部における、支持部13Bに対応する位置に設けられた切欠き13Cを有する。
【0027】
図5Aおよび図5Bに示すように、回動部130は、載置部13の外側端部(X方向の+側の端部)に配置され、操作部材131と、回動部材132と、付勢部材133とを有する。
【0028】
操作部材131は、棒状に構成されたピンで構成されており、被支持部131Aと、操作部131Bとを有する。
【0029】
被支持部131Aは、載置部13の支持部13Bの筒状部13Dに軸支される部分であり、X方向に沿って配置される。被支持部131Aが筒状部13Dに軸支されることで、操作部材131は、被支持部131Aを回動中心として回動する(図6Aおよび図6B参照)。
【0030】
操作部131Bは、作業者または、規制解除装置により、回動部130を回動操作するためのものであり、被支持部131AのX方向の+側の端部から、X方向に直交する方向に延びて構成されている。図5A等に示す例では、操作部131Bは、被支持部131AのX方向の+側の端部からY方向の-側に向けて延びている。
【0031】
操作部131Bは、回動部130において最も外側(載置部13の外側端部に対応する位置)に位置、つまり、上記の切欠き13Cに対応する位置に配置されている。
【0032】
回動部材132は、規制部材113と接触可能な位置に配置され、操作部材131の被支持部131Aに取り付けられている。回動部材132は、操作部材131を回動操作することで、操作部材131とともに回動する。回動部材132は、被取付部132Aと、延出部132Bと、接触部132Cとを有する。
【0033】
被取付部132Aは、被支持部131Aに取付可能な2つの爪部で構成されている。2つの爪部は、X方向に間隔をあけて並んでおり、支持部13Bの2つの筒状部13Dと交互に並ぶように、被支持部131Aに取り付けられる。つまり、被取付部132Aおよび支持部13Bがヒンジ構造を構成する。
【0034】
延出部132Bは、被取付部132AからY方向の-側に延出しており、被取付部132Aが設けられた範囲よりも広い板状に構成される。
【0035】
また、2つの筒状部13Dのうち、X方向の-側の筒状部13Dには、回動部材132の回動を規制するストッパ13Eが設けられている。ストッパ13Eは、筒状部13DからY方向の-側に突出して設けられており、延出部132BのZ方向の-側に位置するように配置される。
【0036】
これにより、延出部132BがXY平面に沿って配置された際の、回動部材132のZ方向の-側への回動が規制される。
【0037】
接触部132Cは、規制部材113と接触する部分であり、XY平面に沿って配置された場合の延出部132BのY方向の+側の端部からZ方向の-側に延びている。
【0038】
接触部132CのZ方向の-側の端面は、傾斜面となっている。具体的には、接触部132CのZ方向の-側の端面は、接触部132CがZ方向に沿って配置された場合、X方向の+側に向かうにつれ、Z方向の-側に位置するように傾斜している(図7A参照)。
【0039】
接触部132CのZ方向の-側の端面のうち、最もX方向の-側に位置する部分は、規制部材113よりもZ方向の+側に位置する。接触部132CのZ方向の-側の端面のうち、最もX方向の+側に位置する部分は、規制部材113のZ方向の+側の端面よりも、Z方向の-側に位置する。
【0040】
つまり、接触部132Cは、Z方向に沿って配置された場合、外側位置から内側位置に載置部13が移動した際に、傾斜面の部分で規制部材113と接触する(図7B参照)。
【0041】
また、接触部132Cは、Z方向に沿って配置された場合、載置部13が内側位置に位置した際、接触部132CのX方向の+側の端面で規制部材113と接触する。
【0042】
付勢部材133は、例えば、回動部材132を付勢するバネ部材であり、被支持部131Aにおける、被取付部132Aの2つの爪部の間に取り付けられる。付勢部材133は、延出部132Bをストッパ13Eに向けて付勢する。
【0043】
これにより、回動部材132は、外力が加わらない限り、延出部132BがX方向に沿い、かつ、接触部132CがZ方向に沿うように配置される。つまり、回動部材132は、外力が加わらない場合、規制部材113によりバッテリー2の移動を規制される規制位置(第1位置)に配置される。
【0044】
そのため、載置部13が内側位置に位置した場合、回動部材132は、接触部132CのX方向の+側の端面で規制部材113と接触するので、内側位置から外側位置への移動を規制されるようになっている。
【0045】
また、載置部13が外側位置から内側位置へ移動する場合、回動部材132は、接触部132Cの傾斜面で規制部材113と接触するので、載置部13の移動により規制部材113に押し上げられるように回動して、規制部材113によりバッテリー2の移動を規制されない非規制位置(第2位置)に位置する(図7B参照)。その結果、載置部13が外側位置から内側位置へ移動する場合、回動部材132の部分が規制部材113の位置を通過できるようになっている。
【0046】
また、回動部材132が規制部材113の位置を通過した後、付勢部材133により、回動部材132が非規制位置から規制位置に戻るようになっている(図7C参照)。
【0047】
次に、取付装置10の動作について説明する。
【0048】
バッテリー2を交換する際、取付装置10に取り付けられたバッテリー2が車両1の内側位置から外側位置に引き出される。この場合、まず、バッテリー2のストライカ2Aと、本体部11の壁部111のラッチ111Aとの係合が解除される。
【0049】
ここで、例えば、車両1の停止位置が、X方向の+側に向かうにつれZ方向の-側になるように傾斜していると、作業者が意図せずにスライド部12の載置部13がバッテリー2の重量により、引き出されてしまう可能性がある。
【0050】
それに対し、本実施の形態では、図6Aに示すように、回動部材132の接触部132Cが規制位置に位置するので、接触部132CのX方向の+側の端面で回動部材132と接触することで、載置部13のX方向の+側への移動が規制される。
【0051】
その結果、作業者の意図に反して、載置部13が引き出されることを抑制することができる。
【0052】
ストライカ2Aとラッチ111Aとの係合が解除された後、作業者は、図6Bに示すように、操作部材131の操作部131BをZ方向の+側に回動することで、回動部材132の接触部132Cと規制部材113との接触が解除される。つまり、回動部材132が非規制位置に位置するので、規制部材113による載置部13の移動規制が解除される。
【0053】
これにより、スライド部12を介して載置部13を引き出すことができる。
【0054】
そして、載置部13のラッチ13Aと、バッテリー2のストライカ2Bとの係合を解除することで、バッテリー2を取り外して、新たなバッテリー2を載置部13に載置することができる。
【0055】
新たなバッテリー2を載置部13に載置した後、スライド部12を介してバッテリー2が外側位置から内側位置に移動して、壁部111に取り付けられる。
【0056】
この際、図7Aおよび図7Bに示すように、規制部材113が存在するので、外側位置から内側位置へのバッテリー2の移動により、回動部材132が規制部材113と接触することになる。
【0057】
ここで、回動部材132の接触部132Cの傾斜面の部位が規制部材113と接触して、載置部13のX方向の-側への移動により、接触部132Cの傾斜面が規制部材113に載り上がる。
【0058】
これにより、回動部材132にZ方向の+側に回動しようとする力が働くことで、回動部材132が回動して、図7Bに示すように、回動部130が規制部材113よりもX方向の-側の非規制位置に移動する。その結果、作業者が回動部130を操作することなく、載置部13を移動させる操作のみで、バッテリー2を内側位置に移動させることができる。
【0059】
また、回動部材132が規制部材113の位置を通過した後、図7Cに示すように、付勢部材133により、回動部材132が非規制位置から規制位置に戻る。その結果、内側位置に位置した載置部13の外側位置への移動が再び規制される。
【0060】
以上のように構成された本実施の形態によれば、回動部材132と規制部材113とが接触することで、内側位置の載置部13の外側位置への移動が規制される。その結果、作業者が意図しないタイミングでバッテリー2が引き出されることを抑制することができる。
【0061】
また、付勢部材133により、回動部材132が規制位置に向けて付勢されているので、回動部材132が規制部材113の位置を通過した後、回動部材132が規制位置に戻り、回動部材132を回動させるための力が作用しない限り、規制位置に止まる。その結果、内側位置から外側位置へ載置部13が移動しようとしても、回動部材132が規制部材113に接触するので、載置部13の移動を確実に規制することができる。
【0062】
また、接触部132CのZ方向の-側の端面がX方向の+側に向かうにつれ、Z方向の-側に位置するように傾斜している。言い換えると、回動部材132の規制部材113との接触面は、外側位置から内側位置へ向かう方向に載置部13が移動するにつれ、規制部材113側に位置するように傾斜している。
【0063】
これにより、載置部13が外側位置から内側位置へ移動するにつれ、回動部材132が規制部材113との接触により、回動部材132が規制部材113に載り上がる。これにより、回動部材132を回動させるための力が、回動部材132に作用するので、回動部材132が規制位置から非規制位置に回動して、規制部材113の位置を回動部130に通過させることができる。
【0064】
その結果、載置部13の外側位置から内側位置への移動を規制部材113に規制されずに、載置部13を内側位置に位置させることができる。すなわち、本実施の形態では、複雑な機構を用いることなく、載置部13の外側位置から内側位置への移動に伴い、自動で回動部材132を回動させることができるので、簡易な構成とすることができる。
【0065】
また、バッテリー2が内側位置に位置する際、回動部材132を回動操作可能であり、かつ、載置部13の外側端部に位置する操作部材131が設けられる。これにより、バッテリー2を外側位置に引き出す際に、作業者が操作部材131を操作することで、規制部材113による規制を容易に解除することができる。
【0066】
言い換えると、作業者の意図したタイミング(操作部材131を操作したタイミング)で、バッテリー2を引き出すことができるので、作業者が意図しないタイミングでバッテリー2が引き出されることを抑制することができる。
【0067】
また、載置部13における、操作部材131の回動範囲と重なる部分に、切欠き13Cが設けられるので、操作部材131を操作した際に、操作部131Bが載置部13と干渉することを抑制することができる。
【0068】
なお、上記実施の形態では、規制部材113が車両1側に設けられ、回動部130が載置部13側に設けられていたが、本開示はこれに限定されず、規制部材が載置部(移動部)側に設けられ、回動部が車両側に設けられていても良い。
【0069】
また、上記実施の形態では、作業者の手動操作により、操作部材131が操作されていたが、本開示はこれに限定されず、回動部の規制を解除可能な装置によって操作部材が操作されても良い。
【0070】
また、上記実施の形態では、付勢部材133が設けられていたが、本開示はこれに限定されず、付勢部材が設けられていなくてもよい。この場合、例えば自重等により、回動部が規制位置に戻るようにすれば良い。
【0071】
また、上記実施の形態では、載置部13における、操作部材131と重なる部分に切欠き13Cが設けられていたが、操作部材131の回動範囲と載置部13とが回動しない場合、切欠きが設けられていなくても良い。
【0072】
また、上記実施の形態では、操作部材131が、バッテリー2が内側位置に位置する際に、載置部13の外側端部に対応する位置に位置していたが、本開示はこれに限定されず、載置部13の外側端部に対応する位置でなくても良い。この場合、例えば、上記の回動部の規制を解除可能な装置等を用いて、容易に操作部材を操作可能にしておくことが好ましい。
【0073】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示の規制装置は、作業者が意図しないタイミングでバッテリーが引き出されることを抑制することが可能な規制装置として有用である。
【符号の説明】
【0075】
1 車両
1A 荷台
1B 車体
2 バッテリー
2A ストライカ
2B ストライカ
10 取付装置
11 本体部
12 スライド部
13 載置部
13A ラッチ
13B 支持部
13C 切欠き
13D 筒状部
13E ストッパ
111 壁部
111A ラッチ
112 支持部
113 規制部材
130 回動部
131 操作部材
131A 被支持部
131B 操作部
132 回動部材
132A 被取付部
132B 延出部
132C 接触部
133 付勢部材
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C