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特許7567956充電システム、管理端末、車両、充電方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】充電システム、管理端末、車両、充電方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241008BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20241008BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241008BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241008BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20241008BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20241008BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20241008BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241008BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/00 P
H02J7/04 A
B60L53/14
B60L50/60
B60L53/63
B60L53/67
B60L53/68
B60L58/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023034826
(22)【出願日】2023-03-07
(65)【公開番号】P2024126445
(43)【公開日】2024-09-20
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 圭介
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 伸弥
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/135789(WO,A1)
【文献】特開2012-147651(JP,A)
【文献】特開2010-083394(JP,A)
【文献】特開2012-147574(JP,A)
【文献】特表2016-536200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶する記憶部と、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得する取得部と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行する通知部と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する修正部と、
を備える、
充電システム。
【請求項2】
前記通知部は、前記計画充電量と前記充電残量との比較結果、又は、将来の充電残量の予測値を提示する、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記修正部は、積荷の多寡、重量又は種別に応じて、充電時間又は充電タイミングを調整する、
請求項に記載の充電システム。
【請求項4】
前記修正部は、ドライバーの習熟度、配送エリアの住戸種別又は袈装装備の有無に応じて、充電時間又は充電タイミングを調整する、
請求項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記車両毎に出庫予定時刻と荷積み作業時間とを夫々取得して、前記出庫予定時刻迄に、前記車両に対する充電と準備作業との双方が完了するよう充電計画を設定する設定部と、
前記充電計画に従って充電を実行する制御手段と、
を備える、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項6】
請求項1に記載の充電システムに接続可能な管理端末であって、
出庫予定時刻、目標充電量、もしくは、帰庫後の前記車両に対する作業予定時間を前記充電システムに提示する機能部、または、前記車両の充電量、もしくは、充電計画における前記充電システムと前記車両との接続予定時刻と充電終了予定時刻とを前記充電システムから取得する機能部と、
を備える、
管理端末。
【請求項7】
請求項1に記載の充電システムに接続可能な車両であって、
満充電に対する充電率と、目標充電量に対する充電率とを表示可能な表示部を有する、
車両。
【請求項8】
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶し、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得し、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行し、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する、
充電方法。
【請求項9】
コンピュータに、
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶する工程と、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得する工程と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行する工程と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電システム、管理端末、車両、充電方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然環境保護の必要性、充電池技術の進展等を背景に、乗用車の電動化、及び、それに向けた充電設備の増設、低価格化などのインフラ整備が急速に進んでおり、それが商用車にも及んでいる。乗用車と異なり、バスなどの商用車の充電時には、運行経路、渋滞状況等の電費の変動要因を考慮した消費電力予測の下に、充電計画を作成する必要がある。また、商用車の充電には大きな電力が必要になるため、複数の商用車に対する充電時には、契約電力との関係を考慮したピークシフトを行う等、供給電力量の制約を考慮する必要がある。商用車の充電計画や運行計画については、このような点を配慮して、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の商用車が電欠を起こさずに運行する運行計画を立案することができる運行管理装置が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、予定経路情報に基づいて車両の予定走行距離を求め、車両の単位距離当たりの消費電力量を予定走行距離に乗じることによって、予定消費電力量を算出することができる推定部を備えた給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-106745号公報
【文献】特開2021-23044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のバスのような商用車の充電計画を含む運行管理装置は、荷物の配送を行うトラックのような商用車にそのまま適用するには不都合がある。配送を行う商用車は、昼間の運行時間帯および夜間の充電時間帯の双方で、乗用車・バスには存在しない配慮すべき事項が多々あるためである。
【0007】
また、特許文献2に記載された装置において、予定走行距離に応じて推定された予定電力消費量からの乖離が発生した場合に、昼間の運行時間帯および夜間の充電時間帯のそれぞれを適切に管理することが困難となる。
【0008】
本開示の目的は、運行計画に応じて推定された電力消費量からの乖離が発生した場合に通知を行うことにより、実際に充電量が低下するより前に、充電の実行を運転者や管理者に促すことが可能な充電システム、管理端末、車両、充電方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本開示における充電システムは、
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶する記憶部と、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得する取得部と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行する通知部と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する修正部と、
を備える。
【0010】
本開示における管理端末は、
上記の充電システムに接続可能な管理端末であって、
出庫予定時刻、目標充電量、もしくは、帰庫後の前記車両に対する作業予定時間を前記充電システムに提示する機能部、または、前記車両の充電量、もしくは、充電計画における前記充電システムと前記車両との接続予定時刻と充電終了予定時刻とを前記充電システムから取得する機能部と、
を備える。
【0011】
本開示における車両は、
上記の充電システムに接続可能な車両であって、
満充電に対する充電量の比率、または、目標充電量に対する充電量の比率を表示する表示部を有する。
【0012】
本開示における充電方法は、
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶し、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得し、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行し、
得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する。
【0013】
本開示におけるプログラムは、
コンピュータに、
車両の運行計画の実行中の充電量である計画充電量を、前記運行計画の進捗と対応付けて記憶する工程と、
前記運行計画の実行中の前記車両から、前記運行計画の進捗情報と充電残量とを取得する工程と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との差が閾値を超える場合に所定の通知を実行する工程と、
取得した前記計画充電量と前記充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する工程と、
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、運行計画に応じて推定された電力消費量からの乖離が発生した場合に通知を行うことにより、実際に充電量が低下するより前に、充電の実行を運転者や管理者に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の実施の形態における充電システムの全体構成図である。
図2図2は、本実施の形態における充電システムにおける遠隔充電管理の一例を示すフローチャートである。
図3A図3Aは、本開示の実施の形態における充電システムを構成する端末装置の機能を示す機能ブロックである。
図3B図3Bは、本開示の実施の形態における充電システムを構成する管理装置の機能を示す機能ブロックである。
図3C図3Cは、本開示の実施の形態における充電システムを構成する車両の機能を示す機能ブロックである。
図4A図4Aは、管理者により入力される運行計画情報の一例を示す模式図である。
図4B図4Bは、運行計画情報から目標充電量が設定される場合における運行計画情報テーブルの一例を示す模式図である。
図4C図4Cは、運行計画と目標充電量との関係の一例を示す模式図である。
図5図5は、充電計画設定処理の一例を示すフローチャートである。
図6A図6Aは、最速充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。
図6B図6Bは、低電圧充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。
図7A-1】図7A-1は、ばらつき抑制モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。
図7A-2】図7A-2は、ばらつき抑制モードにより設定された充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。
図7B-1】図7B-1は、比較例である低電圧充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。
図7B-2】図7B-2は、比較例である低電圧充電モードにより設定された充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。
図8A図8Aは、充電計画の一例を示す一覧表である。
図8B図8Bは、充電計画の一例を示すタイムススケジュール表である。
図9A図9Aは、操作画面上に表示されるメッセージボックスの一例を示す図である。
図9B図9Bは、操作画面の上部に表示される充電計画の一例を示すタイムスケジュール表、および、操作画面の下部に表示される充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。
図10図10は、スケジュール通知の一例を示す一覧表である。
図11図11は、管理装置側における遠隔充電制御を示すフローチャートである。
図12図12は、車両側における遠隔充電制御を示すフローチャートである。
図13図13は、遠隔充電制御において管理装置側からオン/オフ制御を行う場合の処理を示すフローチャートである。
図14図14は、遠隔充電制御において中断後の再接続を示すフローチャートである。
図15図15は、充電状態表示の一例を示す図である。
図16図16は、遠隔充電制御における接続状態を示す通知制御の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、各状態に対する通知の内容の一例を示す図である。
図18図18は、遠隔充電制御における架装物の動作状態を示す通知制御の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、各状態に対する通知の内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における充電システムの全体構成図である。図1に示す充電システムCSは、管理装置100、端末装置110、車両120および充電器130を備えている。車両120は、例えば、配送センタを拠点として荷物の配送を行うトラックのような商用車である。車両120は、バッテリ121(二次電池)を搭載し、バッテリ121から走行用のモータ122(図3Cを参照)に電力を供給する電動車両である。なお、車両120は、バッテリ121から電力が供給されるヒータ、および、架装などの負荷123(図3Cを参照)を搭載している。充電器130(外部電源)は、車両120に搭載されたバッテリ121と接続され、接続されたバッテリ121を充電する。
【0017】
充電器130は、例えば配送センタに設置される。配送センタに設置される充電器130の台数は、充電対象の車両120の台数に対応している。図1に車両120aに対応する充電器130aを示し、車両120bに対応する充電器130bを示す。なお、充電器130は、例えば、公知の充電スタンドであるためその説明を省略する。以下の説明で、充電対象の車両を「対象車両」または単に「車両」という。また、車両に搭載されたバッテリと充電器とが接続されることを、単に、「車両と充電器とが接続される」という場合がある。
【0018】
図1に示す充電システムCSは、運行計画情報に基づいて充電計画を設定し、設定した充電計画に従って、充電器130からバッテリ121への充電を遠隔制御するシステムである。図2は遠隔充電管理の手順を示すフローチャートである。図2に示す遠隔充電管理は、ステップS201において車両120の運行計画情報の入力を行い、次にステップS202において入力された運行計画情報を用いて充電計画の設定を行い、次にステップS203において設定された充電計画に基づいて充電制御を行うものである。以下の説明で、充電計画を「充電スケジュール」又は単に「スケジュール」という場合がある。本説明においては、S201、S202、S203の各ステップが連続に実行されるように示したが、それぞれのステップが時間的には非連続に実行されてもよい。
【0019】
<端末装置110>
端末装置110は、例えばノートバソコンやタブレット端末などの携帯情報端末であって運行計画情報の入力を行う。なお、端末装置110が本開示の「管理端末」に対応する。端末装置110は、運行計画情報を例えばインターネットなどのネットワークを介して管理装置100に送る。
【0020】
図3Aは、端末装置110の機能を示す機能ブロックである。端末装置110は、通信部111と、制御部112と、記憶部113と、操作部114と、表示部115として機能する。図3Aにおいて、矢印は主なデータの流れを示しており、図3Aに示していないデータの流れがあってもよい。
【0021】
(通信部111)
通信部111は、ネットワークにつながる通信機能を有する。通信部111は、ネットワークを介して管理装置100との間で種々の情報の送信・受信を行う。種々の情報には、例えば、運行計画情報および充電計画情報が含まれる。
【0022】
(操作部114)
操作部114は、例えばキーボードやマウスやタッチパッドなどの入力装置である。運行管理者(以下、単に「管理者」という。)は、操作部114を操作することで、運行計画情報を入力する。操作部114が本開示の「受付部」に対応する。
【0023】
図4Aは、管理者により入力される運行計画情報の一例を示す模式図である。図4Aに示す運行計画情報は、車両A(120a)、車両B(120b)、車両C(120c)および車両D(120d)の各々の運行計画情報である。運行計画情報には、帰庫(予定)時刻、次回出庫予定時刻、作業予定時間(hr)、目標充電量(%)、充電開始可能時間が含まれる。目標充電量(%)は、目標充電量以外の運行計画情報から設定される。なお、図4に示す運行計画情報は、管理装置100が充電計画を設定する場合に基準となる基準情報である。したがって、運行計画情報には、上記する帰庫(予定)時刻等の他に、走行予定経路や、走行予定距離(運行予定距離)や、走行予定時間や、積荷内容などが含まれてもよい。
【0024】
車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの帰庫(予定)時刻は、「17:00」、「17:30」、「22:00」、「16:00」である。車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの次回出庫時刻は、「6:00」、「7:00」、「7:00」、「7:00」である。車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの作業予定時間(hr)は、「2」、「1」、「1」および「1」である。
【0025】
車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの目標充電量(%)は、「100」、「80」、「80」、および「70」である。車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの充電開始可能時間は、「22:00」、「22:00」、「22:00」および「22:00」である。
【0026】
図4Bは、運行計画情報テーブルの一例を示す模式図である。図4Bに示す運行計画情報には、図4Aに示す運行計画情報と同様に、帰庫(予定)時刻、次回出庫予定時刻、作業予定時間(hr)、充電開始可能時間が含まれる。図4Bに示す運行計画情報には、それらの情報の他に、運行予定距離(km)が含まれる。車両A、車両B、車両Cおよび車両Dのそれぞれの運行予定距離は、「100」、「50」、「50」および「40」である。図4Aおよび図4Bに示す数値は例示であって、当然ながら上記の数値に限定されるものではなく、運行管理者などの設定により任意に設定が可能である。
【0027】
(記憶部113)
記憶部113は、端末装置110を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や端末装置110の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照されるデータを格納するHDD等を有している。
【0028】
(表示部115)
表示部115は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。表示部115には、操作部114により入力された運行計画情報が表示される。また、表示部115は、端末装置110と別の装置として端末装置の外部に設けられるものであってもよい。例えば、端末装置110がデスクトップコンピュータであり、表示部115として外部モニターを有するものであってもよい。この場合、端末装置110は、表示部115に変わり、外部の表示部115に画像を表示させる表示制御部を有する。また、例えば、端末装置110がノートパソコンである場合において、ノートパソコンに接続された表示部115として外部モニターを有するものであってもよい。
【0029】
(制御部112)
制御部112は、端末装置110におけるCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部113に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。制御部112は、アプリケーションプログラムを実行することによって、操作部114により入力された運行計画情報を記憶部113に記憶させる。制御部112は、運行計画情報を表示部115に表示させる。制御部112は、運行計画情報が管理装置100に送られるように通信部111を制御する。
【0030】
<管理装置100>
次に、管理装置100の構成について図3Bを参照して説明する。
管理装置100は、端末装置110から送られた運行計画情報に基づいて充電計画を設定する。管理装置100は、端末装置110および車両120のそれぞれの間で、サービスや機能を提供するサーバである。端末装置110等から管理装置100にURL(Uniform Resource Locator)でリクエストすると、管理装置100からURLに応じたデータがレスポンスとして端末装置110等に送られる。
【0031】
管理装置100は、単一の装置(サーバ)により構成されてもよく、また、複数の装置(サーバ)により構成されてもよい。複数のサーバには、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、および、データベースサーバが含まれる。ウェブサーバは、例えば、リクエストに対応した結果を端末装置110等に返すサーバである。アプリケーションサーバは、ウェブサーバから受けたリクエストに対応してアプリケーションを実行処理し、処理結果をウェブサーバに返すサーバである。なお、データアクセスが必要な場合、データベースサーバにリクエストを依頼する。データベースサーバは、アプリケーションサーバからのリクエストに応じて、データベースの読み書きを行い、必要なデータをアプリケーションサーバに返すサーバである。図1にデータベースである記憶部103を示す。以下の説明において、管理装置100を「サーバ」という場合がある。
【0032】
図3Bは、管理装置100(サーバ)の機能を示す機能ブロックである。管理装置100は、通信部101と、制御部102と、記憶部103として機能する。図3Bにおいて、矢印は主なデータの流れを示しており、図3Bに示していないデータの流れがあってもよい。図3Bにおいて、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3Bに示す機能ブロックは単一の装置(サーバ)内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
(通信部101)
通信部101は、例えば、インターネットなどの外部のネットワークにつながる通信機能を有する。通信部101は、ネットワークを介して端末装置110および車両120のそれぞれとの間で種々の情報の送信・受信を行う。種々の情報には運行計画情報が含まれる。端末装置110から送られた運行計画情報は、記憶部103に記憶される。
【0034】
(記憶部103)
記憶部103は、種々の情報を読み書き可能なデータベース(図1を参照)を有している。データベースは、1又は複数台のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成されている。
【0035】
記憶部103は、管理装置100を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や管理装置100の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照されるデータを格納するHDD等を有している。
【0036】
記憶部103には、運行計画と目標充電量との関係を示す関係情報が記憶されている。図4Cは、運行計画と目標充電量との関係の一例を示す模式図である。図4Cに示す関係情報は、外気温(平均)、走行予定距離(km)、および、車両120の種類により区分けされる。図4Cでは、架装が搭載されない車両120の種類を「なし」、架装が搭載された作業車両の種類を「作業」、冷蔵設備が搭載された車両の種類を「冷蔵」として表している。
【0037】
図4Cに示すように、外気温(平均)が15度未満である場合(<15℃)、走行予定距離が30km以下(≦30km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、60%、80%および90%である。走行予定距離が30以上50km未満(30~50km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、80%、90%および100%である。走行予定距離が50以上70km未満(50~70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、100%、100%および100%である。走行予定距離が70以上(≧70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、100%、100%および100%である。
【0038】
図4Cに示すように、外気温(平均)が15度以上25度以下である場合(15℃~25℃)、走行予定距離が30km以下(≦30km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、50%、70%および80%である。走行予定距離が30以上50km未満(30~50km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、70%、80%および90%である。走行予定距離が50以上70km未満(50~70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、90%、100%および100%である。走行予定距離が70以上(≧70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、100%、100%および100%である。
【0039】
図4Cに示すように、外気温(平均)が25度を超える場合(>25℃)、走行予定距離が30km以下(≦30km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、60%、80%および90%である。走行予定距離が30以上50km未満(30~50km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、80%、90%および100%である。走行予定距離が50以上70km未満(50~70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、100%、100%および100%である。走行予定距離が70以上(≧70km)においては、「なし」、「作業」および「冷蔵」のそれぞれの利用電力(目標充電量)は、100%、100%および100%である。なお、図4Cに示す関係情報から判るように、走行予定距離の長さに応じて目標充電量が高い。また、架装利用電力の大きさに応じて目標充電量が高い。外気温が所定の温度範囲より低い場合もしくは外気温が所定の温度範囲より高い場合、エアコンの消費電力が高くなるため、目標充電量が高い。ここで、所定の温度範囲は、エアコンの使用量が低い、いわゆる適温に相当する温度帯である。いずれの場合においても、一定のマージンを確保することを考慮した場合、所定の閾値から100%となる。しがたって、目標充電量は、走行予定距離、架装利用電力の大きさ、外気温、および、一定のマージンに基づいて設定される。
【0040】
(制御部102)
制御部102は、管理装置100におけるCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部103に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することによって、取得部104及び設定部105として機能する。図3Bに示す管理装置100は、単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、管理装置100は、例えば、複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部102を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
(取得部104)
取得部104は、記憶部103に記憶された図4Bに示す運行計画情報および図4Cに示す関係情報を取得する。
【0042】
(設定部105)
設定部105は、充電パラメータ、SOC(State Of Charge)、運行計画情報(目標充電量、出庫予定時刻、作業予定時間)に基づいて、充電計画(スケジュール)を設定する。ここで、充電パラメータには、充電開始可能時刻、充電設備情報、および、契約電力が含まれる。また、SOCを「残容量」または「充電率」という場合がある。
【0043】
図5は、充電計画設定処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すフローは、アプリケーションプログラムの実行開始指示により開始される。以下の説明で、管理装置100におけるCPUが設定部105の機能を実行するものとして説明する。なお、充電パラメータ、SOC(残容量)および運行計画情報は、予め記憶部103に記憶されている。
【0044】
先ず、ステップS501において、CPUは記憶部103から充電パラメータを取得する。
【0045】
次に、ステップS502において、CPUは記憶部103から対象車両の最新のSOCを取得する。
【0046】
次に、ステップS503において、CPUは記憶部103から運行計画情報である、対象車両の目標充電量、出庫予定時刻、作業予定時間を取得する。
【0047】
次に、ステップS504において、CPUは充電計画を作成する。
【0048】
次に、ステップS505において、CPUは、出庫予定時刻よりも出庫時刻が超過するか否かについて判定する。出庫予定時刻よりも出庫時刻が超過する場合(ステップS505:YES)、処理はステップS509に遷移する。出庫予定時刻よりも出庫時刻が超過しない場合(ステップS505:NO)、処理はステップS506に遷移する。
【0049】
ステップS506において、CPUは、充電計画を表示部115に表示する。これにより、充電計画が管理者に通知される(スケジュール通知)。管理者は、通知された充電計画を確認することが可能となる。なお、充電計画は、管理装置100における表示部(不図示)に表示されてもよい。
【0050】
次に、ステップS507において、CPUは、OK入力がされたか否について判定する。OK入力がされた場合(ステップS507:YES)、処理はステップS508に遷移する。OK入力がされない場合(ステップS507:NO)、本フローは終了する。
【0051】
ステップS508において、CPUは、充電計画を確定する。その後、本フローは終了する。
【0052】
ステップS509において、CPUは、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両を示す情報(エラー情報)を表示部115に表示する。これにより、エラー情報が管理者に通知される(エラー通知)。
【0053】
ステップS510において、CPUは、運行計画や目標充電量を更新するか否かについて判定する。運行計画や目標充電量を更新する場合(ステップS510:YES)、処理はステップS501の前に戻る。これにより、CPUは、更新された運行計画や目標充電量に基づいて充電計画を再設定する。運行計画や目標充電量を更新しない場合(ステップS510:NO)、処理はステップS506に遷移する。
【0054】
<充電計画の設定の詳細>
次に、充電計画の設定の詳細について説明する。
CPUは、目標充電量と残容量(SOC)から、車両120の充電に必要な電力量(必要電力量)を算出する(ステップS1)。
【0055】
CPUは、必要電力量を、対応する充電器130(図1を参照)の充電電力で除算して、必要充電時間を算出する(ステップS2)。充電器130の充電電力は、充電器130が単位時間あたりに充電可能な電力を示す。
【0056】
CPUは、必要充電時間と作業予定時間とを加算し、加算した加算時間を、当該車両120の充電完了に必要な時間として記憶する(ステップS3)。
【0057】
CPUは、各車両120に対して、ステップS1からステップS3に示す工程を実施する。
【0058】
CPUは、充電計画の設定モード(後述する)に応じて、複数の車両120の充電タイミングを設定する(ステップS4)。
【0059】
CPUは、充電開始可能時刻から上記の加算時間を経過した時刻が、出庫予定時刻を超過する場合、エラーフラグを立てる(ステップS5)。エラーフラグが立っている場合、上述したS505で、出庫予定時刻よりも出庫時刻が超過すると判定される。
【0060】
<最速充電モード、低電圧充電モード、ばらつき抑制モード>
以上のようにして、管理装置100におけるCPU(設定部105)は、充電パラメータ、SOC、運行計画情報に基づいて、充電計画を設定する。ステップS4に示すように、CPUは、充電計画の設定モードに応じて充電計画を設定する。
【0061】
管理者は、充電計画の設定方法を複数のモード(優先モード)の中から予め選択してもよい。なお、本開示はこれに限定せず、管理者は、複数のモードのそれぞれで設定した充電計画の中から所望の充電計画を選択してもよい。本実施の形態においては、複数のモードには「最速充電モード」、「低電圧充電モード」および「ばらつき抑制モード」が含まれる。
【0062】
最速充電モードは、全車両が最も短時間で目標充電量まで充電が完了するように、充電期間を設定する。最速充電モードは、単位時間当たりの充電電力の総電力が、閾値以下である範囲で、できるだけ前詰めで充電期間を設定するモードである。
【0063】
低電圧充電モードは、単位時間当たりの充電電力の総電力が充電完了までの期間において、もっとも小さくなるように充電期間を設定するモードである。
【0064】
ばらつき抑制モードは、対象車両間のSOCのばらつきが小さくなるように充電を切り替える(車両間のばらつきを抑制し、出庫時刻が早まっても車両間の充電量の差異を小さくする)。なお、本開示はこれに限定せず、個別の車両の特性を考慮して、複数の車両のうち、特定の種類の車両については、優先して(早く充電が完了するように)充電期間を設定してもよい。
【0065】
次に、優先モードとして複数のモードのそれぞれが選択された場合に対象車両A、対象車両Bおよび対象車両Cのそれぞれにおいて設定される充電期間について、図6A、6Bおよび図7A-1を参照して説明する。なお、単位時間当たりの充電電力の総電力の閾値を「30kw」とする。また、対象車両Aの目標充電量を「50kwh」、対象車両Bの目標充電量を「80kwh」、対象車両Cの目標充電量を「30kwh」とする。また、図6Aから図7A-1のそれぞれにおいて、横軸に時刻を示し、縦軸に消費電力(kW)を示す。また、対象車両Aにおける充電する時刻、消費電力を斜め右上がりのハッチングで示す。また、対象車両Bにおける充電する時刻、消費電力を斜め右下がりのハッチングで示す。また、対象車両Cにおける充電する時刻、消費電力を斜め右上がりで、対象車両Aにおけるハッチングの間隔よりも広めの間隔に設定されたハッチングで示す。また、説明を簡単にするため、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両Cに設定された目標充電量は共通に100%であり、出庫予定時刻は共通に6:00であるとする。また充電開始前の各対象車両のバッテリの充電量(SOC)は、対象車両Aが50%、対象車両Bが20%、対象車両Cが60%であるとする。
【0066】
(最速充電モード)
図6Aは、最速充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。図6Aに示すように、優先モードとして最速充電モードが選択された場合、全車両の充電が最も短持間で目標充電量まで充電が完了する充電時間は、8時間となる。なお、充電時間(8時間)の中で、単位時間当たりの充電電力の総電力が閾値である「30kW」に達している時間帯が存在する。図6Aに、閾値を消費電力「30kW」の位置に引かれた実線で示す。
【0067】
(低電圧充電モード)
図6Bは、低電圧充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。図6Bに示すように、優先モードとして低電圧充電モードが選択された場合、単位時間当たりの充電電力の総電力を「20kW」に抑えることが可能となる。なお、全車両の充電が最も短持間で目標充電量まで充電が完了する充電時間は、13時間となる。図6Bに、閾値を消費電力「30kW」の位置に引かれた実線で示す。また、総電力を消費電力「20kW」の位置に引かれた破線で示す。
【0068】
(ばらつき抑制モード)
図7A-1は、ばらつき抑制モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。図7A-1に示すように、優先モードとしてばらつき抑制モードが選択された場合、対象車両Bおよび対象車両Cについては、「5:00」の時刻に目標充電量まで充電を完了することが可能となる。また、対象車両Aについては、「6:00」の時刻に目標充電量まで充電を完了することが可能となる。
【0069】
図7A-2は、ばらつき抑制モードにより設定された充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。図7A-2の横軸に時刻を示し、縦軸にSOC(%)を示す。図7A-2に示すように、充電開始時刻「17:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは50%、20%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大40%(=60%-20%)である。充電開始後、車両間のSOCのばらつきは小さくなる。例えば、「19:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは50%、30%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大30%(=60%-30%)である。「20:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは50%、40%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大20%(=60%-40%)である。「21:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは50%、60%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大10%(=60%-50%)である。「23:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは60%の同一であり、車両間のSOCのばらつきは0%である。以上のように、充電開始後、車両間のSOCのばらつきは小さくなる。
【0070】
充電開始してから6時間経過後においても、車両間のSOCのばらつきは小さく抑えられる。例えば、「0:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは70%、60%、70%であり、車両間のSOCのばらつきは10%(=70%-60%)、「1:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは70%、70%、80%であり、車両間のSOCのばらつきは10%(=80%-70%)である。「2:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは80%の同一であり、車両間のSOCのばらつきは0%である。「3:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは90%、80%、90%であり、車両間のSOCのばらつきは最大10%(=90%-80%)である。「4:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは90%、90%、100%であり、車両間のSOCのばらつきは最大10%(=100%-90%)である。「5:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは90%、100%、100%であり、車両間のSOCのばらつきは最大10%(=100%-90%)である。「6:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは100、100%、100%であり、車両間のSOCのばらつきは0%である。以上のように、充電開始してから6時間経過後においても、車両間のSOCのばらつきは10%以内に抑えられる。
【0071】
(比較例)
次に、優先モードとして低電圧充電モードが選択された場合について、ばらつき抑制モードが選択された場合と比較して説明する。
図7B-1は、比較例である低電圧充電モードにより設定された充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。図7B-1に示すタイムスケジュール表は、図6Bに示すタイムスケジュール表と同じである。したがって、図7B-1に示すタイムスケジュール表の説明を省略する。
【0072】
図7B-2は、比較例である低電圧充電モードにより設定された充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。図7B-2の横軸に時刻を示し、縦軸にSOC(%)を示す。図7B-2に示すように、充電開始時刻「17:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは50%、20%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大40%(=60%-20%)である。低電圧充電モードが選択された場合の充電開始時刻における車両間のSOCのばらつきは、ばらつき抑制モードが選択された場合と同じである(図7A-2を参照)。
【0073】
低電圧充電モードが選択された場合、「2:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは60%、100%、60%であり、車両間のSOCのばらつきは最大40%(=100%-60%)である。
【0074】
これに対し、ばらつき抑制モードが選択された場合、「2:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは80%の同一であり、車両間のSOCのばらつきは0%である(図7A-2を参照)。
【0075】
「2:00」の時刻において、低電圧充電モードが選択された場合のSOCが60%程度あるのに対し、ばらつき抑制モードが先達された場合のSOCが80%程度である点で相違する。また、低電圧充電モードが選択された場合の車両間のSOCのばらつきが最大40%であるのに対し、ばらつき抑制モードが選択された場合の車両間のSOCのばらつきが0%である点で相違する。したがって、抑制モードが選択された場合は、低電圧充電モードが選択された場合と比較して、SOCの足並みを揃えることが可能である。例えば、停電が発生するなどしても、全車両が同等程度の充電量となる。
【0076】
低電圧充電モードが選択された場合、「6:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは100%、100%、80%であり、車両間のSOCのばらつきは最大20%(=100%-80%)である。つまり、低電圧充電モードが選択された場合、対象車両が順次満充電となる。
【0077】
これに対し、ばらつき抑制モードが選択された場合、「6:00」の時刻では、対象車両A、対象車両Bおよび対象車両CのそれぞれのSOCは100、100%、100%であり、車両間のSOCのばらつきは0%である。ばらつき抑制モードが選択された場合、対象車両が満充電となる時間差を小さく抑えることができる。
【0078】
<エラー情報>
以上のように、管理装置100におけるCPU(設定部105)は、充電パラメータ(充電開始可能時刻、充電設備情報、契約電力)、SOC、運行計画情報(目標充電量、出庫予定時刻、作業予定時間)、優先モードに基づいて、充電計画を設定する。また、CPUは、優先モードにしたがって、充電計画を設定する。ところで、設定された充電計画において、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両が存在する場合がある。そのような車両が存在する原因は、例えば、多数の車両が対象車両となる場合や、対象車両のSOCがいずれも少ない場合である。以下の説明で、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両を示す情報を、単に「エラー情報」という。例えば、図5に示したS505でYesと判定される場合である。このとき、S509に進み、管理者にエラー情報を通知(計画エラー通知)する。以下で、エラー情報およびエラー通知の詳細を説明する。
【0079】
次に、エラー情報について、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。図8Aは、充電計画の一例を示す一覧表(充電計画表)である。図8Aに、対象車両A、対象車両B、対象車両C、対象車両D、対象車両E、対象車両Fのそれぞれの充電計画情報である「充電開始可能時刻」、「出庫予定時刻」、「目標充電率」、「最新SOC」、「充電量」、「充電レート」、「充電開始時刻」および「充電終了時刻」を示す。ここで、「充電開始時刻」および「充電終了時刻」は、充電計画上の時刻である。したがって、「充電開始時刻」は、充電開始予定時刻である。また、「充電終了時刻」は充電終了予定時刻である。
【0080】
本実施の形態では、充電システムCSにおいて図8Aに示す充電計画の一覧表(充電計画表)に沿って遠隔充電制御が行われる。充電計画としては、上記に示す「充電開始可能時間」などの他に、充電時間、充電器130とバッテリ121とが接続される時刻(接続予定時刻)、充電エラー成立条件、中断予定車両の中断時間などが含まれてもよい。
【0081】
充電計画に基づいて充電が実行されている車両の充電が中断される場合がある。例えば、充電器130とバッテリ121とが接続がされていない場合や、対象車両に搭載された車載機器(架装)が所定の動作をしている場合や、充電時間と充電時間との間に所定時間が介在することが予定される場合である。充電時間と充電時間との間に所定時間が介在する車両を、「中断予定車両」という。なお、所定時間には、例えば、作業予定時間が含まれる。
【0082】
図8Aに示すように、例えば、対象車両Aにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「10%(50kWh)」、充電量「50kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「18:00」および充電終了時刻「3:00」である。
【0083】
また、例えば、対象車両Bにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「20%(20kWh)」、充電量「80kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「21:00」および充電終了時刻「5:00」である。
【0084】
また、例えば、対象車両Cにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「6:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「20%(20kWh)」、充電量「40kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「3:00」および充電終了時刻「11:00」である。
【0085】
また、例えば、対象車両Dにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「10%(50kWh)」、充電量「50kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「19:00」および充電終了時刻「4:00」である。
【0086】
また、例えば、対象車両Eにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「6:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「10%(20kWh)」、充電量「80kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「20:00」および充電終了時刻「5:00」である。
【0087】
また、例えば、対象車両Fにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「20%(50kWh)」、充電量「40kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「4:00」および充電終了時刻「13:00」である。
【0088】
図8Aに示すように、対象車両Cにおける充電終了時刻「11:00」は出庫予定時刻「6:00」よりも遅い。対象車両Fにおける充電終了時刻「13:00」は出庫予定時刻「7:00」よりも遅い。これにより、対象車両Cおよび対象車両Fのそれぞれは、出庫予定時刻までに、充電が完了しない場合の車両となる。対象車両Cおよび対象車両Fのそれぞれにおける充電終了時刻を、出庫予定時刻までに、充電が完了する他の対象車両における充電終了時刻と異なる表示形態で表示する。表示形態は例えば、色、太さ、文字の大きさ、セルの表示色、又は、点滅などの表示効果である。例えば、対象車両Cおよび対象車両Fのそれぞれにおける充電終了時刻を表すフォントが「赤色」で表示されるとする。なお、管理者は、充電終了時刻を表すフォントが「赤色」で表示されることにより、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両を示す情報(エラー情報)を視認することが可能となる。
【0089】
図8Bは、充電計画の一例を示すタイムスケジュール表である。図8Bの横軸に時刻を示し、縦軸に消費電力(kW)を示す。対象車両Aにおける充電する時刻、消費電力を斜め右上がりのハッチングで示す。また、対象車両Bにおける充電する時刻、消費電力を斜め右下がりのハッチングで示す。また、対象車両Cにおける充電する時刻、消費電力を斜め右上がりで、対象車両Aにおけるハッチングの間隔よりも広めの間隔に設定されたハッチングで示す。また、対象車両Dにおける充電する時刻、消費電力を斜め右下がりで、対象車両Bにおけるハッチングの間隔よりも広めの間隔に設定されたハッチングで示す。また、対象車両Eにおける充電する時刻、消費電力を網掛けのハッチングで示す。対象車両Fにおける充電する時刻、消費電力を、対象車両Eにおける網掛けよりも粗めの網掛けのハッチングで示す。また、出庫予定時刻の位置に「縦線」を表示する。
【0090】
図8Bに示すように、対象車両Fにおける充電終了時刻「13:00」は出庫予定時刻「7:00」よりも遅い。これにより、対象車両Fは、出庫予定時刻までに、充電が完了しない場合の車両となる。また、対象車両Cにおける充電終了時刻「11:00」は出庫予定時刻「6:00」よりも遅い。これにより、対象車両Cは、出庫予定時刻までに、充電が完了しない場合の車両となる。なお、管理者は、充電する時刻、消費電力を示すハッチングの位置が「縦線」で示す充電終了時刻の位置よりも超過することにより、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両を示す情報(エラー情報)を視認することが可能となる。
【0091】
上述するように、図8Aに示す充電計画の一覧表(充電計画表)において、充電終了時刻を表すフォントを「赤色」で表示することや、図8Bに示す充電計画のタイムスケジュール表において、出庫予定時刻の位置に「縦線」を表示することで、管理者は、対象車両が出庫予定時刻までに充電が完了しない車両であることを視認することが可能となる。
【0092】
ところで、管理者は、出庫予定時刻までに充電が完了しない車両が存在する場合、充電計画を確認することや、充電計画を変更することなどの対処方法を選択する必要がある。そのためには、出庫予定時刻までに充電が完了しない車両を示す情報(エラー情報)をより確実に管理者に報知することが好ましい。また、対処方法の選択を示す選択情報を管理者に報知することが好ましい。
【0093】
管理装置100におけるCPUは、出庫予定時刻までに充電が完了しない車両が存在する場合、エラー情報を端末装置110に送信する。端末装置110におけるCPUは、エラー情報を表示部115の操作画面上に表示する。また、CPUは、選択情報を操作画面上に表示する。
【0094】
<エラー通知、選択情報>
図9Aは、操作画面上に表示されるメッセージボックスの一例を示す図である。端末装置110におけるCPUは、操作画面上に『出庫予定時刻までに充電が完了しません。充電パラメータを変更しますか?』のメッセージを表示する(S509 エラー通知)。
【0095】
また、端末装置110におけるCPUは、操作画面上に複数の選択ボタン(選択情報)を表示する。具体的には、CPUは、操作画面上に『はい』、『いいえ』および『充電計画を確認する』のそれぞれの選択ボタンを表示する。端末装置110におけるCPUは、選択ボタン『はい』が押下された場合、処理を充電パラメータの入力に戻す(S510 Yes)。選択ボタン『いいえ』が押下された場合、CPUは、処理を充電計画再設定に移行する(S510 No)。選択ボタン『充電計画を確認する』が押下された場合、CPUは、充電計画を表示部115の操作画面上に表示する。なお、CPUは、選択ボタン『充電計画を確認する』と充電計画とを操作画面上に重畳表示してもよい。
【0096】
(選択ボタン『充電計画を確認する』が押下された場合の操作画面上に表示される充電計画)
図9Bは、操作画面の上部に表示される充電計画の一例を示すタイムスケジュール表、および、操作画面の下部に表示される充電計画におけるSOCの一例を示すタイムスケジュール表である。図9Bに示す充電計画のタイムスケジュール表は、図8Aに示す充電計画のタイムと同じであるため、その説明を省略する。また、図9Bに示すSOCのタイムスケジュール表は、図8Bに示すSOCのタイムスケジュール表と同じであるため、その説明を省略する。
【0097】
端末装置110におけるCPUは、選択ボタン『充電計画を確認する』が押下された場合、表示部115の操作画面上に充電計画のタイムスケジュール表、および、SOCのタイムスケジュール表を表示する。
【0098】
また、端末装置110におけるCPUは、上記の充電計画のタイムスケジュール表などが表示される操作画面上に、『戻る』の操作ボタンを表示する。CPUは、操作ボタン『戻る』が押下された場合、処理を戻して、表示部115の操作画面上に複数の選択ボタン(選択情報)を表示する。
【0099】
<スケジュール通知>
以上に、エラー情報等について説明した。次に、管理装置100におけるCPUが充電計画情報を端末装置110に送信した場合、端末装置110におけるCPUが表示部115の操作画面上に所定の画面を表示するスケジュール通知(S506)について説明する。
【0100】
図10は、スケジュール通知の一例を示す図である。端末装置110におけるCPUは、操作画面上の上部に充電計画の一覧表(充電計画表)を表示し、操作画面上の下部に充電計画のスケジュール表、および、SOCのスケジュール表を表示する。
【0101】
図10に、対象車両A、対象車両B、対象車両Cのそれぞれの充電計画情報である「充電開始可能時刻」、「出庫予定時刻」、「目標充電率」、「最新SOC」、「充電量」、「充電レート」、「充電開始時刻」および「充電終了時刻」を示す。
【0102】
例えば、対象車両Aにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「10%(50kWh)」、充電量「50kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「1:00」および充電終了時刻6:00」である。
【0103】
また、例えば、対象車両Bにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「20%(20kWh)」、充電量「80kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「18:00」および充電終了時刻「2:00」である。
【0104】
また、例えば、対象車両Cにおいては、充電開始可能時刻「18:00」、出庫予定時刻「7:00」、目標充電率「100%(100kWh)」、最新SOC「60%(60kWh)」、充電量「40kWh」、充電レート「10kW」、充電開始時刻「4:00」および充電終了時刻「7:00」である。
【0105】
上記の充電計画表(スケジュール)に示すように、対象車両Aにおける充電終了時刻「6:00」は、出庫予定時刻「7:00」よりも遅くなく、かつ、対象車両Bにおける充電終了時刻「2:00」、出庫予定時刻「7:00」よりも遅くなく、かつ、対象車両Cにおける充電終了時刻「7:00」は、出庫予定時刻「7:00」よりも遅ない。したがって、上記のスケジュール通知においては、出庫予定時刻までに充電が完了しない車両が存在しないため、出庫予定時刻までに目標充電量に達する充電ができない車両を示す情報(エラー情報)が表示されない。
【0106】
図10に示す充電計画のスケジュール表には、全車両(対象車両A、対象車両B、対象車両C)のそれぞれの充電終了時刻が出庫予定時刻「7:00」以前に終了することが示されている。
【0107】
また、図10に示すSOCのスケジュール表には、全車両のそれぞれのSOCが、出庫予定時刻「7:00」以前に目標充電率に達することが示されている。
【0108】
また、端末装置110におけるCPUは、上記の充電計画のタイムスケジュール表などが表示される操作画面上に、『充電計画確定』、『充電計画編集』および『充電パラメータ編集』のそれぞれの選択ボタンを表示する。
【0109】
端末装置110におけるCPUは、選択ボタン『充電計画確定』が押下された場合、管理者が充電計画を承認したとして、充電計画(スケジュール)を確定する。
【0110】
端末装置110におけるCPUは、選択ボタン『充電計画編集』が押下された場合、充電計画(目標充電率、充電量など)を編集可能とする。
【0111】
端末装置110におけるCPUは、選択ボタン『充電パラメータ編集』が押下された場合、充電パラメータ(充電開始可能時刻、充電設備情報、および、契約電力)を編集可能とする。
【0112】
<車両120>
次に、車両120の構成について図3Cを参照して説明する。
車両120は、モータ122、負荷123、イグニッションスイッチ124、通信部125、リレー回路126、バッテリ管理部127、および、車両制御部128(Vehicle Control Unit:VCU)を備えている。バッテリ管理部127、および、車両制御部128は、制御部129に含まれる。モータ122は、イグニッションスイッチ124を介してリレー回路126に接続される。負荷123には、ヒータおよび架装が含まれる。
【0113】
(通信部125)
通信部125は、ネットワークにつながる通信機能を有する。通信部125は、ネットワークを介して管理装置100との間で種々の情報の送信・受信を行う。種々の情報には、例えば、充電計画情報、対象車両情報、充電器130とバッテリ121との間の接続/切断を示す充電器接続情報、イグニッションスイッチ124のオン/オフ情報が含まれる。
【0114】
通信部125は、また、ネットワークを介して端末装置110との間で情報の送信・受信を行う。情報には、例えば、充電停止情報や、エラー情報などが含まれる。
【0115】
(リレー回路126)
リレー回路126は、チャージリレー、モータリレー、ヒータリレー、架装リレーおよびバッテリーリレー等から構成されている。チャージリレーは、バッテリ121と充電器130との間をつなぐ高電圧ラインの接続/切断を行う。モータリレーは、バッテリ121とモータ122との間をつなぐ高電圧ラインの接続/切断を行う。ヒータリレーは、バッテリ121と負荷123の一つであるヒータとの間をつなぐ高電圧ラインの接続/切断を行う。架装リレーは、バッテリ121と負荷123の一つである架装との間をつなぐ高電圧ラインの接続/切断を行う。バッテリーリレーは、バッテリ121とチャージリレー、モータリレー、ヒータリレーおよび架装リレーのそれぞれのリレーとの間をつなぐ高電圧ラインの接続/切断を行う。
【0116】
(バッテリ管理部127)
バッテリ管理部127は、バッテリ121の状態(温度、電圧など)、モータ122の状態、ヒータの状態、および、車両制御部128からの種々の情報に基づいて、リレー回路126を制御する機能を有する。バッテリ管理部127は、チャージリレー、モータリレー、ヒータリレー、架装リレーおよびバッテリーリレーのそれぞれのリレーを制御する。
【0117】
(車両制御部128)
車両制御部128は、車両120の状態を判断し、車両120を最適な状態に維持するための制御を行う機能を有する。
【0118】
車両制御部128(VCU)は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、内部記憶部(RAM、ROMなど)に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。具体的には、車両制御部128は、バッテリ管理部127を介して、リレー回路128を制御する。また、車両制御部128は、バッテリ121を充電する充電電力が所定の電力になるように充電器130を制御する。
【0119】
なお、バッテリ管理部127および車両制御部128のそれぞれの機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3Cに示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよく、各機能が複数の装置で構成される場合、各機能のそれぞれの装置で構成されてもよく、いずれかの2つの装置を組み合わせたものと、他の一つの装置で構成されてもよい。また、機能ブロック間のデータの授受は、データバス、コントローラエリアネットワーク(CANバス)等、任意の手段を介して行われてもよい。本実施例においては、バッテリ管理部127および車両制御部128の機能は1つのプロセッサ(CPU)により実行されるものとして説明する。
【0120】
以上に、充電システムCSを構成する管理装置100(サーバ)、端末装置110および車両120について説明した。上記のように充電システムCSを構成することにより、充電システムCSは、充電計画(スケジュール)を設定し、設定した充電計画(スケジュール)に従って、充電器130からバッテリ121への充電を遠隔制御することが可能となる(遠隔充電制御)。
【0121】
<管理装置100側における遠隔充電制御>
次に、遠隔充電制御について説明する。以下の説明では、先ず、管理装置100側における遠隔充電制御について説明する。次に、車両120側における遠隔充電制御について説明する。
【0122】
図11は、管理装置100側における遠隔充電制御を示すフローチャートである。本フローは、例えば、管理装置100が車両120からの情報(例えば、充電器接続情報)を受信したことにより開始される。なお、記憶部103には、充電パラメータ、SOC、運行計画情報、および、優先モードが予め記憶されているものとして説明する。また、以下の説明では、管理装置100における制御部102が管理装置100の各機能を実行するものとして説明する。
【0123】
先ず、ステップS1110において、制御部102は、記憶部103から充電計画を読み込む。
【0124】
次に、ステップS1120において、制御部102は、対象車両へ充電開始時刻を示す情報を送信する。
【0125】
次に、ステップS1130において、制御部102は、車両120側から充電停止情報を受信したか否かについて判定する。充電停止情報は、車両120の充電状態を示す情報であって、車両120に対して充電器からの充電が実行されていないことを示す情報である。充電停止情報を受信した場合(ステップS1130:YES)、処理はステップS1140に遷移する。充電停止情報を受信しない場合(ステップS1130:NO)、処理はステップS1160に遷移する。
【0126】
ステップS1140において、制御部102は、現在の時刻が充電期間内であるか否かについて判定する。現在の時刻が充電期間内である場合(ステップS1140:YES)、処理はステップS1150に遷移する。現在の時刻が充電期間内でない場合(ステップS1140:NO)、処理はステップS1160に遷移する。
【0127】
次に、ステップS1150において、制御部102は、現在の時刻と充電終了予定時刻との差の絶対値が閾値(Th)を超えているか否かについて判定する。絶対値が閾値(Th)を超えている場合(ステップS1150:YES)、処理はステップS1170に遷移する。絶対値が閾値(Th)を超えていない場合(ステップS1150:NO)、処理はステップS1160に遷移する。ステップS1130からステップS1150の処理は、車両120の充電が停止している場合に、それが充電計画に対して適正であるかを判定するものである。車両120の充電が停止している場合に、充電計画上で、その時刻が、充電期間内でなければ正常動作であると判定し、充電期間内であれば異常が発生した可能性があると判定する。異常が発生した可能性があると判定した場合、充電終了予定時刻と現時刻との時間差が所定の閾値より短ければ、充電が終了予定時刻よりも早く終わったものであり、異常ではないと判定する。時間差が所定の閾値より長ければ、なんらかの異常が発生した可能性があるとして、管理者への通知(S1170)に進む。
【0128】
ステップS1160において、制御部102は、充電の中断を示すエラー情報を受信しているか否かについて判定する。エラー情報を受信している場合(ステップS1160:YES)、処理はステップS1170に遷移する。エラー情報を受信していない場合(ステップS1160:NO)、処理はステップS1191に遷移する。
【0129】
ステップS1170において、制御部102は、エラー情報を端末装置110に送信する(運行管理者通知)。
【0130】
次に、ステップS1180において、制御部102は、エラー情報が所定のエラーモードであるか否かについて判定する。エラー情報が所定のエラーモードである場合(ステップS1180:YES)、処理はステップS1190に遷移する。エラー情報が所定のエラーモードでない場合(ステップS1180:NO)、処理はステップS1191に遷移する。
【0131】
ステップS1190において、制御部102は、充電計画を再設定する。
【0132】
次に、ステップS1191において、制御部102は、全ての対象車両の充電が完了したか否かについて判定する。全ての対象車両の充電が完了している場合(ステップS1191:YES)、本フローは終了する。一部の対象車両の充電が完了していない場合(ステップS1191:NO)、処理はステップ1130の前に戻る。
【0133】
<車両120側における遠隔充電制御>
次に、車両120側における遠隔充電制御について図12を参照して説明する。図12は、車両120側における、遠隔充電制御を示すローチャートである。本フローは、例えば、車両120における通信部125が、管理装置100から制御情報を受信したことにより開始される。以下の説明では、車両120のバッテリ管理部127および車両制御部128が車両120側における遠隔充電制御を実行するものとして説明する。
【0134】
先ず、ステップS1210において、制御部129は、管理装置100(サーバ)から充電計画を受信(取得)する。
【0135】
次に、ステップS1220において、制御部129は、現在の時刻が充電期間内であるか否かについて判定する。現在の時刻が充電期間内である場合(ステップS120:YES)、処理はステップS1230に遷移する。現在の時刻が充電期間内でない場合(ステップS120:NO)、処理はステップS1290に遷移する。
【0136】
ステップS1230において、制御部129は、充電器130とバッテリ121とが接続されていることを示す充電器接続であるか否かについて判定する。充電器接続である場合(ステップS1230:YES)、処理は、ステップS1240に遷移する。充電器接続でない場合(ステップS1230:NO)、処理は、ステップS1290に遷移する。
【0137】
次に、ステップS1240において、制御部129は、イグニッションスイッチ124(図3Cを参照)がオフであるか否かについて判定する。イグニッションスイッチ124がオフである場合(ステップS1240:YES)、処理はステップS1250に遷移する。イグニッションスイッチ124がオフでない場合(ステップS1240:NO)、処理はステップS1290に遷移する。
【0138】
ステップS1250において、制御部129は、バッテリ121が満充電であるか否かについて判定する。バッテリ121が満充電である場合(ステップS1250:YES)、処理はステップS1260に遷移する。バッテリ121が満充電でない場合(ステップS1250:NO)、処理はステップS1291に遷移する。
【0139】
ステップS1260において、制御部129は、バッテリ121が満充電であることを示す満充電情報を送信する。
【0140】
次に、ステップS1270において、制御部129は、充電停止する制御を実行し、充電中断フラグを記憶する制御を実行する。
【0141】
次に、ステップS1280において、制御部129は、充電停止情報を管理装置に送信する制御を実行する。
【0142】
ステップS1290において、制御部129は、充電の中断を示すエラー情報を管理装置に送信する制御を実行する。
【0143】
次に、ステップS1291において、制御部129は、充電する制御を実行する。その後、処理はステップS1220の前に戻る。
【0144】
<管理装置100(サーバ)側からの充電のオン/オフ制御>
上記の車両120側における遠隔充電制御においては、車両120が管理装置100(サーバ)から充電計画を取得し、車両120側が充電のオン/オフ制御を行うものである。
【0145】
次に、管理装置100(サーバ)側から充電のオン/オフ制御を行う場合について図13を参照して説明する。図13は、遠隔充電制御において管理装置側からオン/オフ制御を行う場合の処理を示すフローチャートである。以下の説明では、管理装置100(サーバ)における制御部102が管理装置100の各機能を実行するものとして説明する。
【0146】
ステップS1310において、制御部102は、記憶部103から充電計画を読み込む。
【0147】
次に、ステップS1320において、制御部102は、充電計画から対象車両情報を取得する。対象車両情報は、対象車両に対する充電制御を管理装置から制御するために必要な情報である。例えば、対象車両情報は、対象車両の識別情報や対象車両と通信を行うためのアドレスを示す情報、および、対象車両に対する充電制御を管理装置から制御するために必要な制御コードを含む。
【0148】
次に、ステップS1330において、制御部102は、現在の時刻が対象車両の充電期間内であるか否かについて判定する。現在の時刻が対象車両の充電期間内である場合(ステップS1330:YES)、処理はステップS1340に遷移する。現在の時刻が対象車両の充電期間内でない場合(ステップS1330:NO)、処理はステップS1391に遷移する。
【0149】
ステップS1340において、制御部102は、充電器130とバッテリ121とが接続されたことを示す充電器接続であるか否かについて判定する。充電器接続である場合(ステップS1340:YES)、処理はステップS1350に遷移する。充電器接続でない場合(ステップS1340:NO)、処理はステップS1380に遷移する。
【0150】
ステップS1350において、制御部102は、イグニッションスイッチ124がオフであるか否かについて判定する。イグニッションスイッチ124がオフである場合(ステップS1350:YES)、処理はステップS1360に遷移する。イグニッションスイッチ124がオフでない場合(ステップS1350:NO)、処理はステップS1380に遷移する。
【0151】
ステップS1360において、制御部102は、バッテリ121が満充電であるか否かについて判定する。バッテリ121が満充電である場合(ステップS1360:YES)、ステップS1391に遷移する。バッテリ121が満充電でない場合(ステップS1360:NO)、ステップS1370に遷移する。
【0152】
ステップS1370において、制御部102は、充電の継続を示す充電オン情報を対象車両に送信する。その後、本フローは終了する。
【0153】
ステップS1380において、制御部102は、充電の中断を示すエラー通知(充電エラー通知)を行う。
【0154】
次に、ステップS1390において、制御部102は、充電の中断を示す充電オフ情報を対象車両に送信する。また、制御部102は、充電中断フラグを記憶部113に記憶する。
【0155】
ステップS1391において、制御部102は、充電の終了(完了)を示す充電オフ情報を対象車両に送信する。その後、本フローは終了する。
【0156】
以上のように、本フローにおいては、管理装置100(サーバ)側から充電のオン/オフ制御を行う場合、充電オン情報や、充電オフ情報が逐次に対象車両に送信されるため、車両120の例えば車両制御部128は、充電オン情報および充電オフ情報のそれぞれの情報に基づいて、適時かつ適正にリレー回路126を制御することが可能となる。
【0157】
<中断後の再接続>
以上に説明したように、充電システムCSにおいて遠隔充電制御が行われる。なお、遠隔充電制御中に充電器130とバッテリ121との接続が切断された場合、充電が中断する。
【0158】
次に、中断後の再接続について図14を参照して説明する。図14は、遠隔充電制御において中断後の再接続を示すフローチャートである。なお、遠隔充電制御においては、車両制御部128(図3Cを参照)は、充電器130とバッテリ121との接続/切断状態が監視される。以下の説明では、管理装置100における制御部102が管理装置100の各機能を実行するものとして説明する。なお、本フローは、終了してから所定時間経過後繰り返される。
【0159】
先ず、ステップS1410において、制御部102は、充電器130とバッテリ121との接続/切断状態を示す接続信号を取得する。
【0160】
次に、ステップS1420において、制御部102は、充電器130とバッテリ121とが接続されているか否かについて判定する。充電器130とバッテリ121とが接続されている場合(ステップS1420:YES)、処理はステップS1430に遷移する。充電器130とバッテリ121とが接続されていない場合(ステップS1420:NO)、処理はステップS1410の前に戻る。
【0161】
ステップS1430において、制御部102は、遠隔充電制御において充電が中断中であるか否かについて判定する。充電が中断中である場合(ステップS1430:YES)、処理はステップS1440に遷移する。充電が中断中でない場合(ステップS1430:NO)、処理はステップS1450に遷移する。
【0162】
ステップS1440において、車両制御部128は、充電器130とバッテリ121との接続/切断状態を示す充電器接続情報を管理装置100(サーバ)に送信する。管理装置100(サーバ)は、充電器接続情報を受信した場合、図2に示すステップS202の充電計画設定(充電計画再設定)と、S203の充電制御とを実行する。その後、本フローは終了する。
【0163】
ステップS1450において、車両制御部128は、遠隔充電制御によらない通常の充電制御を実行する。その後、本フローは終了する。
【0164】
<充電状態表示>
上記の遠隔充電制御および通常の充電制御においては、車両120の表示部(不図示)にバッテリ121の充電状態が表示される(充電状態表示)。なお、端末装置110の表示部115にバッテリ121の充電状態が表示されてもよい。
【0165】
次に、充電状態表示の一例について図15を参照して説明する。図15は、充電状態表示の一例を示す図である。図15に対象車両としての「車両A」、「車両B」および「車両C」を示す。また、対象車両のそれぞれに搭載されるバッテリ121の充電量SOCを、メータ1500に示す。また、進捗率を数字で示す。目標充電量を矢印「⇒」で示す。ここで、充電量SOCは、バッテリ121の残容量の絶対値である。また、進捗率は、充電実行中の遠隔充電制御における各車両に設定された目標充電量に対する現在の充電量の比率である。本開示はこれに限らず、進捗率は、満充電に対する現在の充電量の比率でもよい。また、遠隔充電制御における各車両に設定された目標充電量に対する現在の充電量の比率を示す数値と、満充電に対する現在の充電量の比率を示す数値と、を並記してもよい。
【0166】
メータ1500は、充電量SOCを、完全放電状態から満充電状態までの4つの段階で示す。つまり、充電量SOCは、メータ1500における最下段である1段目から最上段である4段目までの4つの段階に区分けされている。メータ1500における4つの段のそれぞれは矩形状枠を有している。段の矩形状枠内がハッチングされることで当該段が滅灯していることを示す。段の矩形状枠内がハッチングされないことで当該段が点灯していることを示す。したがって、4つの段が1段目、2段目、3段目、4段目の順番に点灯することは、充電量SOCが増加していることを表示する。例えば、1段目から4段目が全て滅灯していることは、充電量SOCが完全放電状態であることを表示する。また、1段目から4段目が全て点灯していることは、充電量SOCが満充電状態であることを表示する。
【0167】
図15に示すように、車両Aにおけるバッテリ121の充電状態では、目標充電量を示す矢印1501は、メータ1500における2段目と3段目との間の位置を示す。充電量SOCを示すメータ1500は1段目が点灯し、2段目以上が滅灯している。進捗率は50%である。
【0168】
車両Bにおけるバッテリ121の充電状態では、目標充電量を示す矢印1502は、メータ1500における3段目と4段目との間の位置を示す。充電量SOCを示すメータ1500は1段目から3段目までが点灯し、4段目以上が滅灯している。進捗率は100%である。
【0169】
車両Cにおけるバッテリ121の充電状態では、目標充電量を示す矢印1503は、メータ1500における3段目と4段目との間の位置を示す。充電量SOCを示すメータ1500は1段目から2段目までが点灯し、3段目以上が滅灯している。進捗率は70%である。
【0170】
以上のように、対象車両のそれぞれの充電量SOCおよび進捗率(比率)が表示されることにより、管理者およびドライバーは、対象車両のそれぞれのバッテリ121の充電状態を視認することが可能となる。
【0171】
<遠隔充電制御における充電器と車両との接続状態を示す通知の態様>
次に、遠隔充電制御における充電器と車両との接続状態を示す通知(充電エラー通知)の制御について図16および図17を参照して説明する。図16は、遠隔充電制御における充電器と車両との接続状態を示す通知制御の一例を示すフローチャートである。なお、遠隔充電制御においては、車両制御部128(図3Cを参照)は、充電器130とバッテリ121との接続/切断状態を監視する。ここでは一例として、監視された情報は、管理装置100に送信される。また、エラー通知は、管理装置100から端末装置110に通知されるものとする。以下の説明では、管理装置100における制御部102が管理装置100の各機能を実行するものとして説明する。なお、本フローは、充電計画における充電開始時間と同時に開始される。
【0172】
ステップS1601において、制御部102は、記憶部103から充電計画を読み込む。
【0173】
ステップS1602において、制御部102は、管理対象の対象車両のうち、最初に通知を処理する対象車両を選択する。ここでは、対象車両Aを選択するとする。
【0174】
ステップS1603において、制御部102は、選択された対象車両から充電器接続情報を取得する。ここで、充電器接続情報は、各車両の車両制御部128が充電器130とバッテリ121との接続/切断状態を監視した結果を示す情報である。
【0175】
ステップS1604において、制御部102は、選択された対象車両が充電器130と接続しているか否かを判定する。選択された対象車両が充電器130と接続していると判定された場合(ステップS1604:YES)、処理はS1605に進む。選択された対象車両が充電器130と接続していないと判定された場合(ステップS1604:NO)、処理はS1612に進む。
【0176】
ステップS1605において、制御部102は、現時刻が選択された対象車両に設定された充電計画において、充電期間内であるか否かを判定する。充電期間内である場合(ステップS1605:YES)、処理はS1606に進む。充電期間内でない場合(ステップS1605:NO)、処理はS1609に進む。
【0177】
ステップS1606において、制御部102は、選択された対象車両に対して充電が実行中であるか否かを判定する。充電が実行されている場合(ステップS1606:YES)、処理はS1607に進む。充電が実行されていない場合(ステップS1606:NO)、処理はS1608に進む。
【0178】
ステップS1607において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されており、かつ、充電計画に沿って充電が実行されている状態(正常充電状態)であることを通知する。処理は、その後、S1610に進む。
【0179】
ステップS1608において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されているが、充電計画で設定された充電が実行されていない状態(充電エラー状態)であることを通知する。処理は、その後、S1610に進む。
【0180】
ステップS1609において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されており、充電計画で充電期間でない状態(充電待機状態)であることを通知する。その後、処理は、S1610に進む。
【0181】
ステップS1610において、制御部102は、管理対象の複数の対象車両のすべてに対して通知処理が完了したかを判定する。すべての対象車両に対して処理が完了していない場合(ステップS1610:NO)、処理はS1611に進む。S1611において、制御部102は、次の対象車両を選択する制御を実行する。その後、処理は、S1603の前に戻る。すべての対象車両に対して処理が完了している場合(ステップS1610:YES)、接続状態通知フローが終了する。
【0182】
次に、ステップS1604において、選択された対象車両が充電器130と接続していないと判定された場合における処理について説明する。
ステップS1612において、制御部102は、現時刻が選択された対象車両に設定された充電計画において、充電期間内であるか否かを判定する。充電期間内である場合(ステップS1612:YES)、処理はS1613に進む。充電期間内でない場合(ステップS1612:NO)、処理はS1614に進む。
【0183】
ステップS1613において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されておらず、かつ、充電計画で設定された充電が実行されていない状態(非接続充電エラー状態)であることを通知する。その後、処理は、S1610に進む。
【0184】
ステップS1614において、制御部102は、現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であるか否かを判定する。ここで、所定時間は、あらかじめ定められた充電準備のための猶予時間であって、例えば1時間とする。充電計画で設定された充電開始予定時刻より、猶予時間前までの期間を充電準備期間と呼ぶ。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であることは、言い換えれば、現時刻が充電準備期間内であることを示す。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であると判定された場合(ステップS1614:YES)、S1615に進む。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内でないと判定された場合(ステップS1614:NO)、S1616に進む。
【0185】
ステップS1615において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されておらず、かつ、充電計画で設定された充電開始時刻前の準備期間にある状態(充電開始前-非接続状態)であることを通知する。その後、処理は、S1610に進む。
【0186】
ステップS1616において、制御部102は、充電器と対象車両とが接続されておらず、充電計画で設定された充電期間および充電準備期間のいずれでもない状態(非接続状態)であることを通知する。その後、処理は、S1610に進む。
以上の処理により、充電器と対象車両の接続状態、および、充電計画に対するタイミングに応じて、管理者に通知を行うことができる。
【0187】
次に、図16におけるステップS1607-S1609、ステップS1613、S1615-S1616のそれぞれで示される各状態に対する通知の内容について、図17を用いて説明する。図17は、各状態に対する通知の内容の一例を示す図である。図17は、各状態に対して、充電器との接続状況、充電計画で指定された時刻、充電期間に対する状態、通知の緊急度(通知レベル)、通知様態、および通知アイコンの一例を示す。
正常充電状態は、充電器と対象車両とが接続されており、かつ、充電計画に沿って充電が実行されている状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1701を表示可能なように、データを送信する。
【0188】
充電エラー状態は、充電器と対象車両とが接続されているが、充電計画で設定された充電が実行されていない状態であり、管理者が早急に対応する必要がある。したがって、通知の緊急度はAランク(高)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1702を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の高いエラーが発生したことを認識することができる。
【0189】
充電待機状態は、充電器と対象車両とが接続されており、充電計画で充電期間でない状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1703を表示可能なように、データを送信する。
【0190】
充電エラー(非接続)状態は、充電器と対象車両とが接続されておらず、充電計画で設定された充電が実行されていない状態であり、管理者が早急に対応する必要がある。したがって、通知の緊急度はAランク(高)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1704を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の高いエラーが発生したことを認識することができる。
【0191】
充電開始前-非接続状態は、充電器と対象車両とが接続されておらず、かつ、充電計画で設定された充電開始時刻前の準備期間にある状態である。この場合、充電開始予定時刻までに、管理者は、対象車両と充電器とを接続するように対処が必要であるが、非接続充電エラー状態よりも、緊急度は低い。したがって、通知の緊急度はBランク(中)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1705を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。アラート音声は、Aランク(高)の通知の場合よりも、音量や発声頻度を低くする。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の中程度のエラーが発生したことを認識することができる。
【0192】
非接続状態は、充電器と対象車両とが接続されておらず、充電計画で設定された充電期間および充電準備期間のいずれでもない状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1706を表示可能なように、データを送信する。
【0193】
上述したように、各状態において、少なくとも通知アイコンの形態がそれぞれ異なる表示を行うことができる。また、一部の緊急度の高い通知ではアラート音声を組み合わせて通知を行う。これにより、管理者は、充電器と対象車両の接続状態、および、充電計画に対するタイミングに基づいて、緊急度の高さとともに状態を認識することが可能となる。特に、充電開始予定時刻前であっても、充電開始予定時刻より所定時間前の充電準備期間において、充電器が接続していない場合を他の状態と異なる様態で通知(通知アイコンS1704の表示)を行うことにより、管理者があらかじめ充電器と対象車両の接続を改善することが可能となる。
【0194】
<遠隔充電制御における架装物動作状態を示す通知の態様>
次に、遠隔充電制御におけるエラー通知の態様2について図18および図19を参照して説明する。トラックなどの商用車では、荷物を搬送するための荷室や、クレーンなど、様々な架装物が設けられることがある。これらの架装物のなかには、車両のバッテリから電力を供給されて動作するものがある。例えば、冷蔵冷凍機能を有する荷室や、上述したクレーンなどである。架装物へ電力を供給する様態または供給する電力量によっては、架装物が動作している場合に、バッテリへの充電ができない場合がある。本エラー通知は、架装物が、バッテリへの充電ができない所定の動作をしているか否かに応じて、管理者への通知を制御することにより実施される。これにより、管理者は、遠隔充電制御において充電の妨げになる架装物の動作の状態を認識し、また、予備的に架装物の動作を止めるなどの制御が可能となる。
【0195】
図18は、遠隔充電制御における架装物動作状態の通知の一例を示すフローチャートである。なお、遠隔充電制御においては、車両制御部128(図3Cを参照)は、充電対象の車両120の架装物が所定の動作をしているかその状態を監視する。ここでは一例として、監視された情報は、管理装置100に送信される。また、架装物動作状態の通知は、管理装置100から端末装置110に通知されるものとする。以下の説明では、管理装置100における制御部102が管理装置100の各機能を実行するものとして説明する。なお、本フローは、充電計画における充電開始時間と同時に開始される。
【0196】
先ず、ステップS1801において、制御部102は、記憶部103から充電計画を読み込む。
【0197】
ステップS1802において、制御部102は、管理対象の対象車両のうち、最初に通知を処理する対象車両を選択する。ここでは、対象車両Aを選択するとする。
【0198】
ステップS1803において、制御部102は、選択された対象車両から架装物動作情報を取得する。ここで、架装物動作情報は、各車両の車両制御部128が架装物の動作状態を監視した結果を示す情報である。
【0199】
ステップS1804において、制御部102は、選択された対象車両の架装物が所定の動作をしているか否かを判定する。選択された対象車両の架装物が所定の動作をしていないと判定された場合(ステップS1804:NO)、処理はステップS1805に進む。選択された対象車両の架装物が所定の動作をしていると判定された場合(ステップS1804:YES)、処理はステップS1812に進む。
【0200】
ステップ1805において、制御部102は、現時刻が選択された対象車両に設定された充電計画において、充電期間内であるか否かを判定する。充電期間内である場合(ステップS1805:YES)、処理はS1806に進む。充電期間内でない場合(ステップS1805:NO)、処理はS1809に進む。
【0201】
ステップS1806において、制御部102は、選択された対象車両に対して充電が実行中であるか否かを判定する。充電が実行されている場合(ステップS1806:YES)、処理はステップS1807に進む。充電が実行されてない場合(ステップS1806:NO)、処理はステップS1808に進む。
【0202】
ステップS1807において、制御部102は、架装物が所定の動作をしておらず、かつ、充電結核に沿って充電が実行されている状態(正常充電状態)であることを通知する。処理は、その後、ステップS1810に進む。
【0203】
ステップS1808において、制御部102は、架装物が所定の動作をしていないが、充電計画で設定された充電が実行されていない状態(充電エラー状態)であることを通知する。処理は、その後、ステップS1810に進む。
【0204】
ステップS1809において、制御部102は、架装物が所定の動作をしないで、充電計画で充電期間でない状態(充電待機状態)であることを通知する。処理は、その後、ステップS1810に進む。
【0205】
ステップS1810において、制御部102は、管理対象の複数の対象車両のすべてに対して通知処理が完了したかを判定する。すべての対象車両に対して処理が完了していない場合(ステップS1810:NO)、処理はS1811に進む。S1811において、制御部102は、次の対象車両を選択する制御を実行する。その後、処理は、S1803の前に戻る。すべての対象車両に対して処理が完了している場合(ステップS1810:YES)、架装物動作状態通知フローが終了する。
【0206】
次に、ステップ1804において、選択された対象車両の架装物が所定の動作をしていると判定された場合における処理について説明する。
【0207】
ステップS1812において、制御部102は、現時刻が選択された対象車両に設定された充電計画において、充電期間内であるか否かを判定する。充電期間内である場合(ステップS1812:YES)、処理はS1813に進む。充電期間内でない場合(ステップS1812:NO)、処理はS1814に進む。
【0208】
ステップS1813において、制御部102は、選択された対象車両の架装物が所定の動作をしており、かつ、充電計画で設定された充電が実行されていない状態(充電エラー(架装動作状態)であることを通知する。その後、処理は、S1810に進む。
【0209】
ステップS1814において、制御部102は、現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であるか否かを判定する。ここで、所定時間は、あらかじめ定められた充電準備のための猶予時間であって、例えば1時間とする。充電計画で設定された充電開始予定時刻より、猶予時間前までの期間を充電準備期間と呼ぶ。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であることは、言い換えれば、現時刻が充電準備期間内であることを示す。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内であると判定された場合(ステップS1814:YES)、S1815に進む。現時刻と充電開始予定時刻との差が所定時間内でないと判定された場合(ステップS1814:NO)、S1816に進む。
【0210】
ステップS1815において、制御部102は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、かつ、充電計画で設定された充電開始時刻前の準備期間にある状態(充電開始前-架装動作状態)であることを通知する。その後、処理は、S1810に進む。
ステップS1816において、制御部102は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、充電計画で設定された充電期間および充電準備期間のいずれでもない状態(架装動作状態)であることを通知する。その後、処理は、S1810に進む。
ステップS1815において、制御部102は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、 以上の処理により、対象車両の架装物の動作状態、および、充電計画に対するタイミングに応じて、管理者に通知を行うことができる。
【0211】
次に、図18におけるステップS1807-S1809、ステップS1813、S1815-A1816のそれぞれで示される各状態に対する通知の内容について、図19を用いて説明する。図19は、各状態に対する通知の内容の一例を示す図である。図19は、各状態に対して、状態、架装物の動作状況、充電計画で指定された時刻、充電期間に対する状態、通知の緊急度(通知レベル)、通知態様、および、通知アイコンの一例を示す。
正常充電状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしておらず、かつ、充電計画に沿って充電が実行されている状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1901を表示可能なように、データを送信する。
【0212】
充電エラー状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしておらず、充電計画で設定された充電が実行されていない状態であり、管理者が早急に対応する必要がある。したがって、通知の緊急度はAランク(高)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1902を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の高いエラーが発生したことを認識することができる。
【0213】
充電待機状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしておらず、充電計画で充電期間でない状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1903を表示可能なように、データを送信する。
【0214】
充電エラー(架装動作)状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、かつ、充電計画で設定された充電が実行されていない状態であり、管理者が早急に対応する必要がある。したがって、通知の緊急度はAランク(高)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1904を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の高いエラーが発生したことを認識することができる。
【0215】
充電開始前-架装動作状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、かつ、充電計画で設定された充電開始時刻前の準備期間にある状態である。この場合、充電開始予定時刻までに、管理者は、対象車両の架装物が所定の動作しないように対処が必要であるが、充電エラー(架装動作)状態よりも、緊急度は低い。したがって、通知の緊急度はBランク(中)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置に、通知アイコン1905を表示させ、さらに、端末装置にアラート音声を発報させる。アラート音声は、Aランク(高)の通知の場合よりも、音量や発声頻度を低くする。これにより、管理者は、遠隔充電に対応が必要な緊急度の中程度のエラーが発生したことを認識することができる。
【0216】
架装動作状態は、対象車両の架装物が所定の動作をしており、かつ、充電計画で設定された充電期間および充電準備期間のいずれでもない状態であり、通知の緊急度はCランク(低)に設定されている。このとき、制御部102は、通信部101を介して端末装置が通知アイコン1906を表示可能なように、データを送信する。
【0217】
上述したように、各状態において、少なくとも通知アイコンの形態がそれぞれ異なる表示を行うことができる。また、一部の緊急度の高い通知ではアラート音声を組み合わせて通知を行う。これにより、管理者は、対象車両の架装物動作状態、および、充電計画に対するタイミングに基づいて、緊急度の高さとともに状態を認識することが可能となる。特に、充電開始予定時刻前であっても、充電開始予定時刻より所定時間前の充電準備期間において、架装物が所定の動作をしている場合を他の状態と異なる様態で通知(通知アイコンS1906)を行うことにより、管理者があらかじめ充電器と対象車両の接続を改善することが可能となる。
【0218】
上記実施の形態における充電システムCSは、車両120の運行計画の実行中である計画充電を、運行計画の進捗と対応付けて記憶する記憶部101と、運行計画の実行中の車両120から、運行計画の進捗情報と充電残量とを取得する取得部104と、取得した計画充電量と充電残量との差が閾値を超える場合に、所定の通知を実行する送信部101(通知部)と、を備える。
【0219】
上記構成により、計画充電量と充電残量との間に差が発生した場合に通知を行うことにより、実際に充電量が低下するより前に、充電の実行を運転者や管理者に促すことが可能となる。
【0220】
また、本実施の形態における充電システムCSでは、通知部は、計画充電量と充電残量との比較結果、又は、将来の充電残量の予測値を提示してもよい。これにより、比較結果等が明確になるため、運転者や管理者は比較結果に対する対応の要否を判断し易くなる。
【0221】
また、本実施の形態における充電システムCSでは、取得した計画充電量と充電残量との乖離の程度に基づいて、将来の運行計画における計画充電量を修正する修正部(不図示)を有してもよい。これにより、修正部は、AI(人工知能)を有し、乖離の傾向から将来の運行計画に対する充電計画を見直すことが可能となる。
【0222】
また、本実施の形態における充電システムCSでは、修正部は、積荷の多寡、重量又は種別に応じて、充電時間又は充電タイミングを調整してもよい。一般的に、積荷の多寡等は、消費電力量が増加する原因となる。例えば、修正部は、積荷の多寡等と充電時間との関係式を導き、導かれた関係式に基づいて、充電時間や、充電タイミングを調整することが可能となる。
【0223】
また、本実施の形態における充電システムCSでは、修正部は、ドライバーの習熟度、配送エリアの住戸種別又は袈装装備の有無に応じて、充電時間又は充電タイミングを調整してもよい。一般的に、積荷の多寡等は、消費電力量に大きな影響を与える要因である。例えば、修正部は、ドライバーの習熟度等と充電時間との関係式を導き、導かれた関係式に基づいて、充電時間や、充電タイミングを調整することが可能となる。
【0224】
また、本実施の形態における充電システムCSでは、車両毎に出庫予定時刻と荷積み作業時間とを夫々取得して、出庫予定時刻迄に、車両に対する充電と準備作業との双方が完了するよう充電計画を設定する設定部と、充電計画に従って充電を実行する制御手段と、を備えるようにしてもよい。これにより、実際に充電量が低下するより前に、充電の実行を行うように充電計画が設定されるため、昼間の運行時間帯および夜間の充電時間帯のそれぞれを適切に管理することが可能となる。
【0225】
上記実施の形態における充電システムCSでは、運行計画情報に、積荷の多寡、重量又は種別が含まれてもよい。そして、設定部105は、積荷の多寡、重量又は種別に応じて、充電時間又は充電タイミングを設定してもよい。これにより、積荷の多寡に応じて充電量が必要となるため、目標充電量をより正確に算出することが可能となる。
【0226】
また、上記実施の形態における充電システムCSでは、運行計画情報に、ドライバーの習熟度や、配送エリアの住戸種別や、架装装備の有無が含まれてもよい。そして、ドライバーの習熟度、配送エリアの住戸種別又は架装装備の有無に応じて、電費(km/kWh)を推定する電費推定部を備えてもよい。これにより、ドライバーの習熟度などに応じて電費が変動するため、推定した電費に基づいて目標充電量をより正確に算出することが可能となる。
【0227】
また、車両120が運行している間に、目標充電量に対する現在の充電量の比率を、車両120の表示部(不図示)や端末装置110の表示部115に表示してもよい。これにより、管理者や、ドライバーに目標充電量に対する現在の充電量の比率等を通知することが可能となる。
【0228】
また、上記実施の形態における充電システムCSでは、充電計画を設定する場合において、優先モードとして最速充電モードが選択された場合、設定部105が全対象車両のそれぞれの単位時間当たりの充電電力の総電力が、閾値以下である範囲でできるだけ前詰めで充電期間を設定することについて説明した。これに対して、充電計画を実行する場合において、充電実行中の充電器の電力供給状態を監視する監視部(管理装置100におけるCPU)を備え、監視部は、複数の車両への単位時間当たりの供給電力の合計が閾値を越えたことを検出し、検出結果を端末装置110および車両120に通知してもよい。
【0229】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0230】
本開示は、運行計画に応じて推定された電力消費量からの乖離が発生した場合に通知を行うことにより、実際に充電量が低下するより前に、充電の実行を運転者や管理者に促すことが要求される充電システムを備えた配送管理システムに好適に利用される。
【符号の説明】
【0231】
CS 充電システム
100 管理装置(サーバ)
101 通信部
102 制御部
103 記憶部
104 取得部
105 設定部
110 端末装置
111 通信部
112 制御部
113 記憶部
114 操作部
115 表示部
120 車両
120a 車両A
120b 車両B
120c 車両C
120d 車両D
121 バッテリ
122 モータ
123 負荷
124 イグニッションスイッチ
125 通信部
126 リレー回路
127 バッテリ管理部
128 車両制御部
129 制御部
130 充電器
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A-1】
図7A-2】
図7B-1】
図7B-2】
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19