(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20241008BHJP
G03B 17/14 20210101ALN20241008BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/04 D
G03B17/14
(21)【出願番号】P 2023102430
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2020510337の分割
【原出願日】2019-02-04
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2018067277
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 徹
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-210886(JP,A)
【文献】特開2007-121556(JP,A)
【文献】特開2017-83575(JP,A)
【文献】国際公開第2006/046350(WO,A1)
【文献】特開2007-25099(JP,A)
【文献】特開2006-14514(JP,A)
【文献】国際公開第2017/072922(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G03B 17/14
H04N 23/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向が光軸方向にされた円筒状に形成された筒状部と、
少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、
前記筒状部の内部空間における外周部に位置され前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置と、
前記移動体を光軸方向に案内するガイド軸とを備え、
前記駆動装置は、
光軸方向に延びるヨークと、
前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、
板状に形成され前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置され前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされた一対のマグネットと、
前記マグネットがそれぞれ取り付けられ板状に形成される一対のサイドヨーク部を有する外ヨークとを備え、
前記ヨークと前記一対のマグネットと前記一対のサイドヨーク部との並び方向が前記筒状部の周方向にされ、
前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、
前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされ、
前記一対のサイドヨーク部が前記筒状部の中心に近づくに従って互いに近づく状態にされた
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記磁束発生面が光軸を含む仮想の平面と略平行に位置された
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記外ヨークが前記可動コイルを囲む位置に枠状に形成され、
前記外ヨークが前記一対のサイドヨーク部と、平行に位置された一対のボトムヨーク部とを有し、
前記一対のボトムヨーク部に前記ヨークの光軸方向における両端部が取り付けられた
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記ヨークの光軸に直交する断面の最大面積が前記一対のマグネットにおける前記磁束発生面の合計面積の5%以上にされた
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記ヨークは光軸方向に直交する方向における断面の少なくとも一部が円形状に形成された
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記可動コイルが円筒状に形成された
請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記レンズ保持枠には前記可動コイルが接着によって固定される固定部が設けられ、
前記固定部の少なくとも一部が前記一対のマグネットと前記可動コイルの間の空間に位置された
請求項6に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記固定部が複数設けられ、
前記複数の固定部が前記可動コイルの周方向において略等間隔の位置に設けられた
請求項7に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記駆動装置が二つ設けられ、
二つの前記駆動装置が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
前記ガイド軸が二つ設けられ、
前記二つのガイド軸が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
請求項9に記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
一方の前記ガイド軸と一方の前記駆動装置と他方の前記ガイド軸と他方の前記駆動装置とが周方向において順に略等間隔の位置に配置された
請求項10に記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
光学像を取り込むレンズ鏡筒と取り込まれた光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備え、
前記レンズ鏡筒は、
軸方向が光軸方向にされた円筒状に形成された筒状部と、
少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、
前記筒状部の内部空間における外周部に位置され前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置と、
前記移動体を光軸方向に案内するガイド軸とを備え、
前記駆動装置は、
光軸方向に延びるヨークと、
前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、
板状に形成され前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置され前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされた一対のマグネットと、
前記マグネットがそれぞれ取り付けられ板状に形成される一対のサイドヨーク部を有する外ヨークとを備え、
前記ヨークと前記一対のマグネットと前記一対のサイドヨーク部との並び方向が前記筒状部の周方向にされ、
前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、
前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされ、
前記一対のサイドヨーク部が前記筒状部の中心に近づくに従って互いに近づく状態にされた
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はレンズを有する移動体に駆動力を付与する駆動装置を備えたレンズ鏡筒及び撮像装置についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の各種の撮像装置にはレンズ等の撮影光学系を介して光学像を取り込むレンズ鏡筒が設けられ、レンズ鏡筒が光軸方向に並ぶ複数のレンズ群を有する構成にされているものがある。また、撮像装置にはレンズ鏡筒が設けられておらず、撮像装置に着脱可能にされた交換レンズ等がレンズ鏡筒として用いられる場合もある。
【0003】
このようなレンズ鏡筒においては、フォーカシングやズーミング等を行うために、レンズを有する移動体が駆動装置の駆動力によって光軸方向へ移動される構成にされたものがある。
【0004】
移動体に駆動力を付与する駆動装置としては、マグネットと可動コイルとヨークを有し可動コイルに電流が供給されたときに磁気回路に発生する推力を移動体に駆動力として付与するタイプがある(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0005】
特許文献1に記載された駆動装置は、移動体を案内する丸軸状に形成されたガイド軸の外周側に可動コイルが配置され、可動コイルの外周側にマグネットが配置された構成にされている。
【0006】
特許文献2に記載された駆動装置は、丸軸状に形成されたヨークの外周側に可動コイルが配置され、可動コイルの外周側にマグネットが配置された構成にされている。
【0007】
特許文献3に記載された駆動装置は、ヨークの外周側に可動コイルが配置され、ヨークと可動コイルを挟んだ反対側に一対のマグネットが配置された構成にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平4-30506号公報
【文献】特開平7-170710号公報
【文献】特開2006-14514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1と特許文献2に記載された駆動装置にあっては、ガイド軸又はヨークの外周側に可動コイルが配置され、さらに可動コイルの外周側にマグネットが配置された構成にされているため、径方向において大型になり易く、駆動装置が配置されるレンズ鏡筒や撮像装置における駆動装置の配置スペースが大きく、レンズ鏡筒や撮像装置が大型になってしまうおそれがある。
【0010】
また、特許文献3に記載された駆動装置にあっては、中央のヨークの厚さを厚くして駆動力を高めるようにしているが、中央のヨークの厚さを厚くすることにより、やはり駆動装置が大きくなってレンズ鏡筒や撮像装置の小型化が阻害されるおそれがある。
【0011】
そこで、本技術レンズ鏡筒及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、駆動装置が設けられるレンズ鏡筒や撮像装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1に、本技術に係る駆動装置は、少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有する移動体に対して光軸方向への駆動力を付与し、光軸方向に延びるヨークと、前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置された一対のマグネットとを備え、前記一対のマグネットの前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされ、前記移動体は軸方向が光軸方向にされた筒状部に対して前記筒状部の内部において光軸方向へ移動され、前記ヨークと前記一対のマグネットとの並び方向が前記筒状部の周方向にされたものである。
【0013】
これにより、筒状部の内部において移動体が光軸方向へ移動されると共に筒状部の周方向においてヨークと一対のマグネットとが並ぶ状態にされる。
【0014】
第2に、上記した駆動装置においては、前記筒状部が略円筒状に形成されることが望ましい。
【0015】
これにより、ヨークと一対のマグネットが円周方向に並んで位置される。
【0016】
第3に、上記した駆動装置においては、前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされることが望ましい。
【0017】
これにより、一対のマグネットが平行に位置されず、マグネットの端部が筒状部の外周から外側に突出し難くなる。
【0018】
第4に、上記した駆動装置においては、前記磁束発生面が光軸を含む仮想の平面と略平行に位置されることが望ましい。
【0019】
これにより、マグネットの端部が筒状部の外周から外側に一層突出し難くなる。
【0020】
第5に、上記した駆動装置においては、前記ヨークと前記可動コイルと前記一対のマグネットが前記筒状部の内部空間における外周部に位置されることが望ましい。
【0021】
これにより、ヨークと可動コイルと一対のマグネットが筒状部の内周面に近付いて位置される。
【0022】
第6に、上記した駆動装置においては、前記可動コイルを囲む位置に枠状の外ヨークが配置され、前記外ヨークが平行に位置された一対のサイドヨーク部と平行に位置された一対のボトムヨーク部とを有し、前記一対のサイドヨーク部にそれぞれ前記マグネットが取り付けられ、前記一対のボトムヨーク部に前記ヨークの光軸方向における両端部が取り付けられることが望ましい。
【0023】
これにより、可動コイルを囲む位置にマグネットとヨークが取り付けられた外ヨークとが配置される。
【0024】
第7に、上記した駆動装置においては、前記ヨークの光軸に直交する断面の最大面積が前記一対のマグネットにおける前記磁束発生面の合計面積の5%以上にされることが望ましい。
【0025】
これにより、マグネットとヨークの関係において磁気飽和が生じ難くなり、磁気回路において発生する推力の低下が抑制される。
【0026】
第8に、上記した駆動装置においては、前記ヨークは光軸方向に直交する方向における断面の少なくとも一部が円形状に形成されることが望ましい。
【0027】
これにより、ヨークの外形状を小さくした上で光軸に直交する断面の面積を大きくすることが可能になる。
【0028】
第9に、上記した駆動装置においては、前記可動コイルが円筒状に形成されることが望ましい。
【0029】
これにより、可動コイルの外形状を小さくした上で巻き数を増やすことが可能になる。
【0030】
第10に、上記した駆動装置においては、前記レンズ保持枠には前記可動コイルが接着によって固定される固定部が設けられ、前記固定部の少なくとも一部が前記一対のマグネットと前記可動コイルの間の空間に位置されることが望ましい。
【0031】
これにより、接着剤の充填スペースの有効活用が図られる。
【0032】
第11に、上記した駆動装置においては、前記固定部が複数設けられ、前記複数の固定部が前記可動コイルの周方向において略等間隔の位置に設けられることが望ましい。
【0033】
これにより、レンズ保持枠に対する可動コイルの固定位置が周方向において分散して位置される。
【0034】
第12に、上記した駆動装置においては、前記磁束発生面が前記可動コイルの外周面に沿う円弧面状に形成されることが望ましい。
【0035】
これにより、磁束発生面と可動コイルの外周面との距離が可動コイルの周方向において縮まることにより磁束密度が向上する。
【0036】
本技術に係るレンズ鏡筒は、軸方向が光軸方向にされた円筒状に形成された筒状部と、少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、前記筒状部の内部空間における外周部に位置され前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置と、前記移動体を光軸方向に案内するガイド軸とを備え、前記駆動装置は、光軸方向に延びるヨークと、前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、板状に形成され前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置され前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされた一対のマグネットと、前記マグネットがそれぞれ取り付けられ板状に形成される一対のサイドヨーク部を有する外ヨークとを備え、前記ヨークと前記一対のマグネットと前記一対のサイドヨーク部との並び方向が前記筒状部の周方向にされ、前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされ、前記一対のサイドヨーク部が前記筒状部の中心に近づくに従って互いに近づく状態にされたものである。
【0037】
これにより、筒状部の内部において移動体が光軸方向へ移動されると共に筒状部の周方向においてヨークと一対のマグネットとが並ぶ状態にされる。
【0038】
第14に、上記したレンズ鏡筒においては、前記駆動装置が二つ設けられ、二つの前記駆動装置が前記レンズを挟んで略反対側に位置されることが望ましい。
【0039】
これにより、移動体に不必要なモーメントが生じ難い。
【0040】
第15に、上記したレンズ鏡筒においては、前記移動体を光軸方向に案内する二つのガイド軸が設けられ、前記二つのガイド軸が前記レンズを挟んで略反対側に位置されることが望ましい。
【0041】
これにより、移動体がレンズを挟んで略反対側に位置された二つのガイド軸に案内されて光軸方向へ移動されるため、移動体の移動時に可動コイルの内周面がヨークの外周面に接し難くなる。
【0042】
第16に、上記したレンズ鏡筒においては、一方の前記ガイド軸と一方の前記駆動装置と他方の前記ガイド軸と他方の前記駆動装置とが周方向において順に略等間隔の位置に配置されることが望ましい。
【0043】
これにより、駆動装置がレンズを挟んで略反対側に位置されると共に駆動装置の間に周方向においてそれぞれ一方のガイド軸と他方のガイド軸が位置される。
【0044】
本技術に係る撮像装置は、光学像を取り込むレンズ鏡筒と取り込まれた光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備え、前記レンズ鏡筒は、軸方向が光軸方向にされた円筒状に形成された筒状部と、少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、前記筒状部の内部空間における外周部に位置され前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置と、前記移動体を光軸方向に案内するガイド軸とを備え、前記駆動装置は、光軸方向に延びるヨークと、前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、板状に形成され前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置され前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされた一対のマグネットと、前記マグネットがそれぞれ取り付けられ板状に形成される一対のサイドヨーク部を有する外ヨークとを備え、前記ヨークと前記一対のマグネットと前記一対のサイドヨーク部との並び方向が前記筒状部の周方向にされ、前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされ、前記一対のサイドヨーク部が前記筒状部の中心に近づくに従って互いに近づく状態にされたものである。
【0045】
これにより、筒状部の内部において移動体が光軸方向へ移動されると共に筒状部の周方向においてヨークと一対のマグネットとが並ぶ状態にされる。
【0046】
第18に、上記した撮像装置においては、前記駆動装置が二つ設けられ、二つの前記駆動装置が前記レンズを挟んで略反対側に位置されることが望ましい。
【0047】
これにより、移動体に不必要なモーメントが生じ難い。
【0048】
第19に、上記した撮像装置においては、前記移動体を光軸方向に案内する二つのガイド軸が設けられ、前記二つのガイド軸が前記レンズを挟んで略反対側に位置されることが望ましい。
【0049】
これにより、移動体がレンズを挟んで略反対側に位置された二つのガイド軸に案内されて光軸方向へ移動されるため、移動体の移動時に可動コイルの内周面がヨークの外周面に接し難くなる。
【0050】
第20に、上記した撮像装置においては、一方の前記ガイド軸と一方の前記駆動装置と他方の前記ガイド軸と他方の前記駆動装置とが周方向において順に略等間隔の位置に配置されることが望ましい。
【0051】
これにより、駆動装置がレンズを挟んで略反対側に位置されると共に駆動装置の間に周方向においてそれぞれ一方のガイド軸と他方のガイド軸が位置される。
【発明の効果】
【0052】
本技術によれば、筒状部の内部において移動体が光軸方向へ移動されると共に筒状部の周方向においてヨークと一対のマグネットとが並ぶ状態にされるため、保持体における駆動装置の配置スペースの有効活用が図られ、駆動装置が設けられるレンズ鏡筒や撮像装置の小型化を図ることができる。
【0053】
尚、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図2乃至
図10と共に本技術レンズ鏡筒及び撮像装置の実施の形態を示すものであり、本図は、レンズ鏡筒と装置本体を分離して示す撮像装置の斜視図である。
【
図2】一部を断面にして示すレンズ鏡筒の斜視図である。
【
図6】筒状部とマグネットの位置関係を示す概念図である。
【
図7】マグネットの磁束発生面が光軸を含む平面上に位置された例を示す概念図である。
【
図8】磁束発生面が円弧面状に形成されたマグネットが用いられた例を示す概念図である。
【
図9】保持体が非円形状に形成された場合の駆動装置の配置構成の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、本技術を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
【0056】
以下に示す実施の形態は、本技術撮像装置をスチルカメラに適用し、本技術レンズ鏡筒をこのスチルカメラの装置本体に対して着脱可能な交換レンズに適用し、本技術駆動装置をこのレンズ鏡筒に配置された駆動装置に適用したものである。
【0057】
尚、本技術の適用範囲はスチルカメラ、スチルカメラの装置本体に対して着脱可能な交換レンズ、交換レンズに配置された駆動装置に限られることはない。本技術は、例えば、撮像装置としてビデオカメラや他の機器に組み込まれる各種の撮像装置、これらの撮像装置に設けられるレンズ群等により構成されるレンズ鏡筒、これらの各種の撮像装置に設けられるレンズ鏡筒に配置される駆動装置に広く適用することができる。
【0058】
以下の説明にあっては、スチルカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0059】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0060】
また、以下に示すレンズ群は、単数又は複数のレンズにより構成されたものの他、これらの単数又は複数のレンズと絞りやアイリス等の他の光学素子を含んでもよい。
【0061】
<撮像装置の構成>
撮像装置100は装置本体200とレンズ鏡筒1によって構成されている(
図1参照)。レンズ鏡筒1は、例えば、装置本体200に着脱可能な交換レンズである。尚、本技術は、装置本体の内部にレンズ鏡筒1の内部構造と同様の構造を有するレンズ鏡筒が組み込まれたタイプやこのレンズ鏡筒が装置本体に対して突出又は収納される沈胴タイプにも適用することが可能である。
【0062】
装置本体200は外筐201の内外に所要の各部が配置されて成る。
【0063】
外筐201には、例えば、上面や後面等に各種の操作部202、202、・・・が配置されている。操作部202、202、・・・としては、例えば、電源釦、シャッター釦、ズーム摘子、モード切替摘子等が設けられている。
【0064】
外筐201の後面には図示しないディスプレイ(表示部)が配置されている。
【0065】
外筐201の前面には円形状の開口201aが形成され、開口201aの周囲の部分がレンズ鏡筒1を取り付けるためのマウント部203として設けられている。
【0066】
外筐201の内部にはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子204が配置され、撮像素子204は開口201aの後方に位置されている。
【0067】
<レンズ鏡筒の構成>
レンズ鏡筒1は軸方向が前後方向にされた略円筒状の外筒2と外筒2の内外に取り付けられ又は支持された所要の各部とから成る(
図1参照)。
【0068】
レンズ鏡筒1の後端部には、装置本体200のマウント部203に、例えば、バヨネット結合されるレンズマウント3が設けられている。レンズ鏡筒1にはズームリングやフォーカスリングとして機能する操作リング4、4が設けられている。操作リング4、4が回転操作されることによりマニュアルズーミングやマニュアルフォーカシングが行われる。
【0069】
レンズ鏡筒1は、例えば、複数のレンズ群5、5、・・・を有している。尚、
図1には、最も前側のレンズ群5のみを図示する。レンズ群5、5、・・・は光軸方向(前後方向)に離隔して位置され、光軸方向へ移動可能な可動群と光軸方向へ移動不能な固定群とを有している。レンズ群5、5、・・・のうち一つのレンズ群5は、光軸方向へ移動されてフォーカシングを行うフォーカスレンズ群として設けられている(
図2乃至
図4参照)。
【0070】
外筒2の内部には保持体6が配置されている。保持体6は軸方向が前後方向にされた略円筒状の筒状部7と筒状部7に取り付けられた略円環状の環状部8とを有している。
【0071】
筒状部7の後端部には内方に突出された第1の支持突部7aが設けられている。筒状部7の前後方向における中間部には内方に突出された第2の支持突部7bが設けられている。第1の支持突部7aと第2の支持突部7bは筒状部7の中心軸を挟んで略反対側の位置に設けられている。筒状部7には内方に開口され前後に延びる逃げ凹部7cが形成され、逃げ凹部7cは第1の支持突部7aに連続する位置に形成されている。筒状部7の略前半部にはそれぞれ内方及び前方に開口された配置凹部7d、7dが形成され、配置凹部7d、7dは筒状部7の中心軸を挟んで略反対側に位置されている。筒状部7には中心軸を挟んで略反対側の位置にセンサー配置孔7e、7eが形成されている。
【0072】
環状部8にはそれぞれ少なくとも後方に開口された第1の取付穴8aと第2の取付穴8bが形成されている。第1の取付穴8aと第2の取付穴8bは環状部8の中心軸を挟んで略反対側に位置されている。環状部8には内方及び後方に開口された逃げ凹部8cが形成され、逃げ凹部8cは第1の取付穴8aの近傍に位置されている。
【0073】
環状部8は筒状部7の前端部に取り付けられている。環状部8が筒状部に取り付けられた状態においては、環状部8に形成された逃げ凹部8cと筒状部7に形成された逃げ凹部7cとが前後で連続される(
図3参照)。
【0074】
筒状部7の第1の支持突部7aと環状部8の第1の支持穴8aにはそれぞれ第1の軸受キャップ9、9が挿入されて固定されている。筒状部7の第2の支持突部7bと環状部8の第2の支持穴8bにはそれぞれ第2の軸受キャップ10、10が挿入されて固定されている。
【0075】
第1の軸受キャップ9、9には第1のガイド軸11の軸方向における両端部が挿入されて固定されている。第2の軸受キャップ10、10には第2のガイド軸12の軸方向における両端部が挿入されて固定されている。
【0076】
第1のガイド軸11と第2のガイド軸12には移動体13が摺動自在に支持され、移動体13が第1のガイド軸11と第2のガイド軸12に案内されて光軸方向へ移動可能にされている(
図3及び
図4参照)。
【0077】
移動体13はレンズ群5とレンズ保持枠14を有し、レンズ群5がレンズ保持枠14に保持されて構成されている。移動体13のレンズ群5は、例えば、上記したフォーカスレンズ群である。移動体13のレンズ群5は一つ又は複数のレンズによって構成されている。尚、移動体13のレンズ群5は、ズーミングを行うために光軸方向へ移動されるズームレンズ群等の他の可動群であってもよい。
【0078】
レンズ保持枠14は環状のレンズ保持部15とレンズ保持部15から突出された突状部16とレンズ保持部15からそれぞれ略反対方向に突出された腕部17、17とを有している。
突状部16はレンズ保持部15の外周部から前方及び後方に突出され、前後両端部がそれぞれ第1の被ガイド部16a、16aとして設けられている。第1の被ガイド部16a、16aには第1のガイド軸11が挿通されている。
【0079】
レンズ保持部15は一部が第2の被ガイド部15a、15aとして設けられ、第2の被ガイド部15a、15aは前後に離隔して位置されている。第2の被ガイド部15a、15aには第2のガイド軸12が挿通されている。
【0080】
上記のように、移動体13は第1の被ガイド部16a、16aに第1のガイド軸11が挿通され第2の被ガイド部15a、15aに第2のガイド軸12が挿通されることにより、第1のガイド軸11と第2のガイド軸12に支持されて光軸方向へ移動可能にされている。
【0081】
移動体13が第1のガイド軸11と第2のガイド軸12に支持された状態においては、第1の被ガイド部16a、16aを有する突状部16の一部が筒状部7と環状部8にそれぞれ形成された逃げ凹部7c、8cに挿入されている(
図3及び
図4参照)。筒状部7と環状部8の配置凹部7d、7dと逃げ凹部7c、8cが形成されていない部分の厚みは略一定の厚みにされ、配置凹部7d、7dと逃げ凹部7c、8cが形成された部分の厚みより厚くされている。
【0082】
腕部17、17はレンズ保持部15から外方に突出され、レンズ群5の中心軸を挟んで略反対側の位置に設けられている。
【0083】
腕部17は円環状の被挿通部18と被挿通部18の外周部からそれぞれ後方に突出された固定部19、19とを有している(
図5参照)。固定部19、19は周方向に離隔して設けられ、腕部17におけるレンズ保持部15から最も離隔した位置には固定部19が存在しない。固定部19には被挿通部18の中心方向と後方に開口された接着用凹部19aが形成されている。
【0084】
レンズ保持部15における腕部17、17が突出された部分はそれぞれ受部20、20として設けられている(
図4及び
図5参照)。受部20は被挿通部18の外周部の一部に連続された円弧状に形成され、後端部が固定部21として設けられている。従って、固定部21は固定部19、19より後方に位置されている。固定部21には被挿通部18の中心方向と後方に開口された接着用凹部21aが形成されている。
【0085】
固定部19、19と固定部21は周方向において略等間隔に離隔して位置されている。
【0086】
レンズ保持部15の外周部には検出用マグネット22、22が取り付けられている(
図2及び
図4参照)。検出用マグネット22、22はレンズ群5の中心軸を挟んで略反対側に位置され、前後に延びる形状に形成されている。
【0087】
検出用マグネット22、22に対向する位置には、それぞれ磁気センサー23、23が配置されている。磁気センサー23、23は少なくとも一部がそれぞれセンサー配置孔7e、7eに挿入された状態で筒状部7に取り付けられている。磁気センサー23は回路基板24に搭載されている。
【0088】
磁気センサー23、23は移動体13が光軸方向へ移動されるときにそれぞれ変化する検出用マグネット22、22の磁界の強さを検出し、移動体13の光軸方向における位置を特定する機能を有する。
【0089】
尚、上記には、二つずつの磁気センサー23、23と検出用マグネット22、22が配置された例を示したが、磁気センサー23と検出用マグネット22の設けられる数は、同数であれば任意である。
【0090】
保持体6の環状部8には駆動装置25、25が取り付けられている(
図2乃至
図4参照)。駆動装置25は外ヨーク26とヨーク27と可動コイル28とマグネット29、29によって構成されている。
【0091】
外ヨーク26は一対のサイドヨーク部30、30と一対のボトムヨーク部31、31とが結合されて枠状にされている。サイドヨーク部30は前後方向に延びる略矩形の板状に形成されている。ボトムヨーク部31は環状部8の周方向に延び緩やかな円弧状に湾曲された板状に形成されている。外ヨーク26はサイドヨーク部30、30の上下両端部とボトムヨーク部31、31の左右両端部とがそれぞれ結合されている。尚、外ヨーク26は、上記したように、サイドヨーク部30、30とボトムヨーク部31、31がそれぞれ別部材で形成されていてもよく、一部又は全部が一体に形成されていてもよい。
【0092】
ヨーク27は丸軸状に形成され、軸方向が前後方向にされている。従って、ヨーク27は軸方向に直交する方向における断面形状が円形状に形成されている。ヨーク27は前後両端部がそれぞれボトムヨーク部31、31の中央部に結合され、サイドヨーク部30、30間に位置されている。ヨーク27はレンズ保持枠14における腕部17の被挿通部18に挿通されている。尚、ヨーク27は一部が空洞に形成されていてもよい。
【0093】
可動コイル28は円筒状に形成されている。可動コイル28の内径はヨーク27の外径より稍大きくされ、可動コイル28にはヨーク27が挿通されている。可動コイル28は前端面がレンズ保持枠14における腕部17の後面に接した状態で固定部19、19、21に接着によって固定されている。可動コイル28は固定部19、19、21の接着用凹部19a、19a、21aにそれぞれ接着剤50、50、50が充填されることにより腕部17に固定されている。従って、移動体13と可動コイル28は一体になって光軸方向へ移動される。
【0094】
可動コイル28は前端部が固定部19、19に固定され後端部が固定部21に固定される。従って、可動コイル28は前後両端部が固定部19、19、21に固定されるため、可動コイル28のレンズ保持枠14に対する安定かつ強固な固定状態を確保することができる。尚、可動コイル28は外周面が受部20、20の外面に面接触された状態で受部20、20にも接着により固定されていてもよい。
【0095】
上記のように、可動コイル28が円筒状に形成されると共に可動コイル28の両側に位置されたマグネット29、29が平板状に形成されているため、マグネット29、29と可動コイル28の間には空間が生じ、この空間に固定部19、19、21の少なくとも一部が位置されている。
【0096】
従って、接着剤50、50、50の充填スペースの有効活用が図られ、駆動装置25の大型化を来すことなくレンズ保持枠14に可動コイル28を固定することができる。
【0097】
また、固定部19、19、21が可動コイル28の周方向において略等間隔の位置に設けられているため、レンズ保持枠14に対する可動コイル28の固定位置が周方向において分散して位置され、レンズ保持枠14に対する可動コイル28の安定かつ強固な固定状態を確保することができる。
【0098】
マグネット29、29は長手方向が前後方向にされた矩形の板状に形成され、それぞれサイドヨーク部30、30の可動コイル28側を向く面に固定されている。マグネット29、29は互いに対向する側の面がそれぞれ磁束発生面29a、29aとされ、磁束発生面29a、29aが可動コイル28とヨーク27に対向して位置されている。
【0099】
上記のように構成された駆動装置25においては、マグネット29、29の磁束発生面29a、29aから発生する磁束と可動コイル28に流れる電流とによって推力が発生し、発生した推力が駆動力として可動コイル28に付与され、可動コイル28に流れる電流の向きに応じた方向へ可動コイル28と移動体13が一体になって移動される。このとき移動体13のレンズ保持枠14が第1のガイド軸11と第2のガイド軸12に案内されるため、可動コイル28に流れる電流の向きに応じて可動コイル28と移動体13が光軸方向である前方又は後方へ筒状部7の内部空間において移動される
駆動装置25、25は一部がそれぞれ筒状部7の配置凹部7d、7dに挿入された状態で環状部8の後面に取り付けられている。駆動装置25は一方のボトムヨーク部31が接着等によって環状部8に取り付けられている。
【0100】
駆動装置25が環状部8に取り付けられた状態においては、円弧状に形成されたボトムヨーク部31が環状部8の外周縁に沿って位置され、マグネット29、29が筒状部7の周方向に離隔して位置される。従って、ヨーク27と一対のマグネット29、29との並び方向が筒状部7の周方向S(
図4参照)にされている。
【0101】
駆動装置25においては、上記したように、ボトムヨーク部31、31は緩やかに湾曲された形状に形成されており、サイドヨーク部30、30に取り付けられたマグネット29、29の磁束発生面29a、29aは前端(内端)間の距離H1が後端(外端)間の距離H2より小さくされ、磁束発生面29a、29a間の距離Hがレンズ群5に近付くに従って小さくされている(
図6参照)。
【0102】
一方、例えば、磁束発生面29a、29aが平行な状態で位置されている場合には、
図6に点線で示すように、サイドヨーク部30、30における筒状部7の外周側の端部30a、30aやボトムヨーク部31、31における筒状部7の外周側の端部31a、31aが筒状部7の外周から外側に突出し易くなり、その分、筒状部7の外径を大きくする必要がある。
【0103】
従って、駆動装置25のように、磁束発生面29a、29aの内端間の距離H1が外端間の距離H2より小さくされることにより、サイドヨーク部30、30とボトムヨーク部31、31が筒状部7の外周から外側に突出し難くなるため、筒状部7の外径を小さくすることが可能になる。
【0104】
駆動装置25、25はレンズ群5の中心軸を挟んだ反対側に位置され、周方向においてそれぞれ第1のガイド軸11と第2のガイド軸12の間に位置されている。このとき駆動装置25、25と第1のガイド軸11と第2のガイド軸12は周方向において略等間隔の位置に存在する。
【0105】
<まとめ>
以上に記載した通り、一対のマグネット29、29の可動コイル28と対向する面がそれぞれ磁束発生面29a、29aとされ、移動体13は軸方向が光軸方向にされた筒状部7に対して筒状部7の内部において光軸方向へ移動され、ヨーク27とマグネット29、29との並び方向が筒状部7の周方向にされている。
【0106】
従って、筒状部7の内部において移動体13が光軸方向へ移動されると共に筒状部7の周方向においてヨーク27と一対のマグネット29、29とが並ぶ状態にされるため、保持体6における駆動装置25、25の配置スペースの有効活用が図られ、駆動装置25、25が限られたスペースに効率よく配置され、駆動装置25、25が設けられるレンズ鏡筒1及び撮像装置100の小型化を図ることができる。
【0107】
また、ヨーク27とマグネット29、29の並び方向が筒状部7の周方向にされることにより、レンズ保持枠14の腕部17をマグネット29、29の間に容易に挿入して腕部17に可動コイル28を容易に固定することができるため、腕部17を含めたレンズ保持枠14の形状を簡素な形状にすることが可能になり、レンズ鏡筒1の構造の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0108】
さらに、マグネット29、29が周方向において可動コイル28の両側に位置される構成にされることにより、例えば、可動コイル28の外周側に円筒状のマグネットが配置される構成に比し、筒状部7の径方向R(
図4参照)において駆動装置25の小型化が図られ、レンズ鏡筒1の径方向における小型化を図ることができる。
【0109】
特に、マグネット29、29の厚みを増やしても筒状部7の径方向における大きさを大きくすることなく磁束密度を高めることが可能になり、レンズ鏡筒1の径方向における大型化を来すことなく可動コイル28に対する駆動力の向上を図ることができる。
【0110】
さらにまた、筒状部7が円筒状に形成されているため、ヨーク27と一対のマグネット29、29との並び方向が円筒状に形成された筒状部7の周方向にされるため、ヨーク27と一対のマグネット29、29が円周方向に並んで位置され、駆動装置25、25の配置スペースに関するスペース効率の向上を図ることができる。
【0111】
加えて、マグネット29、29の磁束発生面29a、29aにおいて内側端間の距離H1が外側端間の距離H2より小さくされている。
【0112】
従って、マグネット29、29が平行に位置されず、サイドヨーク部30、30とボトムヨーク部31、31が筒状部7の外周から外側に突出し難くなるため、筒状部7の外径を小さくすることが可能になり、筒状部7の外形状の小型化を図ることができる。
【0113】
特に、距離H1を距離H2より小さくすることにより、磁束発生面29a、29aが光軸P(レンズの中心軸)を含む平面Q上に位置され又は平面Qと略平行に位置されることが望ましい(
図7参照)。このように構成することにより、サイドヨーク部30、30とボトムヨーク部31、31が筒状部7の外周から外側に一層突出し難くなるため、筒状部7の外形状の小型化を図った上でマグネット29、29の厚みを厚くして磁束密度を高めることが可能になる。
【0114】
このようにマグネット29、29に関する磁束密度を高めることが可能になるため、ヨーク27の周囲の全体にマグネットを配置することなく十分な推力を得ることが可能であり、可動コイル28に対する十分な駆動力を確保した上で駆動装置25の小型化を図ることができる。
【0115】
但し、磁束発生面29a、29aが光軸Pを含む平面Q上に位置される構成又は平面Qと略平行に位置される構成にした場合には、磁束発生面29a、29aの互いの傾斜角度が大きくなり、漏れ磁束が増えて発生する推力が低下する可能性がある。従って、磁束発生面29a、29aの向きは、筒状部7の外形状の小型化と発生する推力の大きさとを考慮して最適な向きに設定することが望ましい。
【0116】
尚、レンズ鏡筒1においては、ヨーク27が丸軸状に形成され可動コイル28が円筒状に形成されているため、磁束発生面29a、29aの向きが変化してもヨーク27と可動コイル28の形状の変更をする必要がなく、設計の容易化を図ることができる。
【0117】
また、駆動装置25においては、ヨーク27と可動コイル28と一対のマグネット29、29が筒状部7の内部空間における外周部に位置されている。
【0118】
従って、ヨーク27と可動コイル28と一対のマグネット29、29が筒状部7の内周面に近付いて位置されるため、筒状部7の内部における移動体13と駆動装置25の配置スペースに関するスペース効率の向上を図ることができる。
【0119】
さらに、可動コイル28を囲む位置に枠状の外ヨーク26が設けられ、外ヨーク26が平行に位置された一対のサイドヨーク部30、30と平行に位置された一対のボトムヨーク部31、31とを有し、サイドヨーク部30、30にそれぞれマグネット29、29が取り付けられ、ボトムヨーク部31、31にヨーク27の両端部が取り付けられている。
【0120】
従って、可動コイル28を囲む位置にマグネット29、29とヨーク27が取り付けられた外ヨーク26とが配置されるため、移動体13に対する大きな駆動力を確保することができる。
【0121】
また、可動コイル28が円筒状に形成され可動コイル28の両側にサイドヨーク部30、30が位置される構成にされることにより、マグネット29、29とヨーク27の間に存在する磁場を横切る可動コイル28の存在比率が高くなり、可動コイル28に付与される大きな駆動力を確保することができる。
【0122】
駆動装置25のような構成においては、マグネット29、29における磁束発生面29a、29aの合計面積とマグネット29、29の磁束密度との積がおおよそヨーク27に流れ込む総磁束とされ、この総磁束をヨーク27の光軸に直交する断面の面積で除すことによりヨーク27の内部におけるおおよその磁束密度が求められる。そこで、駆動装置25の磁気回路において磁気飽和を抑制するために、磁束発生面29a、29aの合計面積に対するヨーク27の光軸に直交する断面の最大面積を一定の大きさ以上にすることが望ましい。
【0123】
駆動装置25においては、ヨーク27の光軸に直交する断面の最大面積が磁束発生面29a、29aの合計面積の5%以上にされている。即ち、ヨーク27の円形状の断面積が二つの磁束発生面29a、29aを合計した面積の5%以上にされている。
【0124】
ヨーク27とマグネット29、29において、このような関係を有する構成にすることにより、マグネット29、29とヨーク27の関係において磁気飽和が生じ難くなり、磁気回路において発生する推力の低下を抑制し、移動体13に対する十分な駆動力を確保することができる。
【0125】
また、ヨーク27は光軸方向に直交する方向における断面の少なくとも一部が円形状に形成されているため、ヨーク27の外形状を小さくした上で光軸に直交する断面の面積を大きくすることが可能になり、磁気飽和が生じ難くなり、駆動装置25の小型化を図った上で駆動効率の向上を図ることができる。
【0126】
さらに、可動コイル28が円筒状に形成されているため、可動コイル28の外形状を小さくした上で巻き数を増やすことが可能になり、駆動装置25の一層の小型化を図った上で駆動効率の向上を図ることができる。
【0127】
さらにまた、ヨーク27を丸軸状に形成すると共に可動コイル28を円筒状に形成することにより、マグネット29、29のヨーク27と可動コイル28に対する向きをレンズ群5の位置やレンズ鏡筒1の他の構成部品との位置関係において容易に調整することが可能になり、設計の自由度の向上及びレンズ鏡筒1の小型化を図ることができる。
【0128】
加えて、保持体6には駆動装置25、25の一部が配置される配置凹部7d、7dと突状部16の一部が配置される逃げ凹部7c、8cが形成され、筒状部7と環状部8の配置凹部7d、7dと逃げ凹部7c、8cが形成されていない部分の厚みが配置凹部7d、7dと逃げ凹部7c、8cが形成された部分の厚みより厚くされている。
【0129】
従って、保持体6の十分な強度を確保した上で保持体6の外径を小さくすることが可能になり、レンズ鏡筒1の高い強度を確保することができると共に小型化を図ることができる。
【0130】
また、レンズ鏡筒1には、二つの駆動装置25、25が設けられ、駆動装置25、25がレンズ群5を挟んで略反対側に位置されている。
【0131】
従って、レンズ群5の両側にそれぞれ駆動装置25、25が位置されるため、移動体13に不必要なモーメントが生じ難く、移動体13を光軸方向へ円滑に移動させることができる。
【0132】
尚、レンズ鏡筒1においては、駆動装置25、25における合計の推力の発生点が移動体13の重心に略一致されるように構成することにより、移動体13に不必要なモーメントがほとんど生じなくなり、移動体13を光軸方向へ一層円滑に移動させることができる。
【0133】
さらに、移動体13を光軸方向へ案内する第1のガイド軸11と第2のガイド軸12が設けられ、第1のガイド軸11と第2のガイド軸12がレンズ群5を挟んで略反対側に位置されている。
【0134】
従って、移動体13がレンズ群5を挟んで略反対側に位置された第1のガイド軸11と第2のガイド軸12に案内されて光軸方向へ移動されるため、移動体13の移動時に可動コイル28の内周面がヨーク27の外周面に接し難くなり、レンズ群5の光軸に直交する方向における高い位置精度を確保した上で移動体13を円滑に光軸方向へ移動させることができる。
【0135】
さらにまた、第1のガイド軸11と一方の駆動装置25と第2のガイド軸12と他方の駆動装置25とが周方向において順に略等間隔の位置に配置されている。
【0136】
従って、駆動装置25、25がレンズ群5を挟んで略反対側に位置されると共に駆動装置25、25の間に周方向においてそれぞれ第1のガイド軸11と第2のガイド軸12が位置されるため、移動体13を光軸方向へ一層円滑に移動させることができる。
【0137】
尚、レンズ鏡筒1においては、第1のガイド軸11と第2のガイド軸12が周方向において何れの位置に配置されていてもよく、例えば、第1のガイド軸11と第2のガイド軸12が周方向において並んだ位置に配置されていてもよい。
【0138】
また、同様に、駆動装置25、25も周方向において何れの位置に配置されていてもよく、例えば、駆動装置25、25が周方向において並んだ位置に配置されていてもよい。
【0139】
<その他>
上記には、平板状に形成されたマグネット29、29の例を示したが、例えば、可動コイル28に沿う円弧状に形成されたマグネット29A、29Aが用いられてもよい(
図8参照)。この場合には、円弧状に形成されたマグネット29A、29Aが用いられてもよい(
図8参照)。この場合には円弧状のサイドヨーク部30A、30A又は他の形状のサイドヨークが用いられていてもよい。
【0140】
このような可動コイル28に沿う円弧状に形成されたマグネット29A、29Aが用いられることにより、磁束発生面29b、29bと可動コイル28の外周面との距離が可動コイル28の周方向において縮まることにより磁束密度が向上し、可動コイル28に対する駆動力の向上を図ることができる。
【0141】
但し、平板状のマグネット29、29は成形が容易であり量産性も高く製造コストを低くすることが可能であり、マグネット29を用いるかマグネット29Aを用いるかは製造コストと必要な駆動力とを考慮して決定することが望ましい。
【0142】
また、上記には、外形状が円形状の筒状部7の内部に駆動装置25、25が配置された例を示したが、筒状部7は外形状が非円形状であってもよく、例えば、楕円形状や矩形状や略矩形状等であってもよい(
図9参照)。
【0143】
このように筒状部7が非円形状である場合にも、駆動装置25はヨーク27と一対のマグネット29、29の並び方向が筒状部7の周方向Sにされる。従って、この場合にも、駆動装置25、25の配置スペースの有効活用が図られ、駆動装置25、25が限られたスペースに効率よく配置され、駆動装置25、25が設けられるレンズ鏡筒1及び撮像装置100の小型化を図ることができる。
【0144】
また、上記には、ヨーク27が丸軸状に形成され、可動コイル28が円筒状に形成された例を示したが、ヨーク27は外形状が非円形状であってもよく、例えば、楕円形状や矩形状や略矩形状等であってもよい。可動コイル28もヨーク27の形状に応じて非円筒形状に形成されていてもよい。
【0145】
但し、ヨーク27は略矩形状のほうが製造コストを低くすることが可能である。ヨーク27や可動コイル30の断面形状を決定する際は、製造コストと必要な駆動力とを考慮して決定することが望ましい。
【0146】
<撮像装置の一実施形態>
以下に、本技術撮像装置の一実施形態の構成例について説明する(
図10参照)。
【0147】
撮像装置100は、取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換機能を有する撮像素子204と、撮影された画像信号のアナログ-デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部81と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部82とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示する表示部83と、メモリー88への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)84と、撮像装置100の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)85と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等の入力部86(操作部202)と、レンズ群(可動群)5の駆動を制御するレンズ駆動制御部87とを備えている。
【0148】
カメラ信号処理部81は、撮像素子204からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0149】
画像処理部82は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0150】
表示部83はユーザーの入力部86に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。
【0151】
R/W84は、画像処理部82によって符号化された画像データのメモリー88への書込及びメモリー88に記録された画像データの読出を行う。
【0152】
CPU85は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、入力部86からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0153】
入力部86はユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU85に対して出力する。
【0154】
レンズ駆動制御部87は、CPU85からの制御信号に基づいてレンズ群5、5、・・・を駆動する図示しないモータ等を制御する。
【0155】
メモリー88は、例えば、R/W84に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。尚、メモリー88は、スロットに対して着脱可能にされておらず、撮像装置100の内部に組み込まれていてもよい。
【0156】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
【0157】
撮影の待機状態では、CPU85による制御の下で、撮影された画像信号がカメラ信号処理部81を介して表示部83に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部86からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU85がレンズ駆動制御部87に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部87の制御に基づいて所定のレンズ群5が移動される。
【0158】
入力部86からの指示入力信号により撮影が行われると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部81から画像処理部82に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W84に出力され、メモリー88に書き込まれる。
【0159】
フォーカシングはCPU85からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部87が所定のレンズ群5を移動させることにより行われる。
【0160】
メモリー88に記録された画像データを再生する場合には、入力部86に対する操作に応じてR/W84によってメモリー88から所定の画像データが読み出され、画像処理部82によって伸張復号化処理が行われた後に、再生画像信号が表示部83に出力されて再生画像が表示される。
【0161】
尚、本技術において、「撮像」とは、撮像素子204による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理から、カメラ信号処理部81による撮像素子204からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、画像処理部82による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理、R/W84によるメモリー88への画像信号の書込処理までの一連の処理の一部のみ、または全てを含む処理のことを言う。
【0162】
即ち、「撮像」とは、撮像素子204による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理のみを指してもよく、撮像素子204による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部81による撮像素子204からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理までを指してもよく、撮像素子204による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部81による撮像素子204からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理を経て、画像処理部82による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理までを指してもよく、撮像素子204による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部81による撮像素子204からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、及び画像処理部82による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理を経て指してもよく、R/W84によるメモリー88への画像信号の書込処理までを指してもよい。 上記の処理において各処理の順番は適宜入れ替わってもよい。
【0163】
また、本技術において、レンズ鏡筒1及び撮影装置100は、上記の処理を行う撮像素子204、カメラ信号処理部81、画像処理部82、R/W84の一部のみまたは全てを含むように構成されていてもよい。
【0164】
また、レンズ鏡筒1が撮像素子204、カメラ信号処理部81、画像処理部82、R/W84のうち一部を含み、装置本体200が残りを含むように構成されていてもよい。
【0165】
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることもできる。
【0166】
(1)
少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有する移動体に対して光軸方向への駆動力を付与し、
光軸方向に延びるヨークと、
前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、
前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置された一対のマグネットとを備え、
前記一対のマグネットの前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされ、
前記移動体は軸方向が光軸方向にされた筒状部に対して前記筒状部の内部において光軸方向へ移動され、
前記ヨークと前記一対のマグネットとの並び方向が前記筒状部の周方向にされた
駆動装置。
【0167】
(2)
前記筒状部が略円筒状に形成された
前記(1)に記載の駆動装置。
【0168】
(3)
前記レンズの径方向において前記磁束発生面の前記レンズ側の一端を内側端とし前記レンズと反対側の一端を外側端としたときに、
前記一対のマグネットの前記磁束発生面における前記内側端間の距離が前記外側端間の距離より小さくされた
前記(2)に記載の駆動装置。
【0169】
(4)
前記磁束発生面が光軸を含む仮想の平面と略平行に位置された
前記(1)又は前記(2)に記載の駆動装置。
【0170】
(5)
前記ヨークと前記可動コイルと前記一対のマグネットが前記筒状部の内部空間における外周部に位置された
前記(1)から前記(4)の何れかに記載の駆動装置。
【0171】
(6)
前記可動コイルを囲む位置に枠状の外ヨークが配置され、
前記外ヨークが平行に位置された一対のサイドヨーク部と平行に位置された一対のボトムヨーク部とを有し、
前記一対のサイドヨーク部にそれぞれ前記マグネットが取り付けられ、
前記一対のボトムヨーク部に前記ヨークの光軸方向における両端部が取り付けられた
前記(1)から前記(5)の何れかに記載の駆動装置。
【0172】
(7)
前記ヨークの光軸に直交する断面の最大面積が前記一対のマグネットにおける前記磁束発生面の合計面積の5%以上にされた
前記(1)から前記(6)の何れかに記載の駆動装置。
【0173】
(8)
前記ヨークは光軸方向に直交する方向における断面の少なくとも一部が円形状に形成された
前記(1)から前記(7)の何れかに記載の駆動装置。
【0174】
(9)
前記可動コイルが円筒状に形成された
前記(8)に記載の駆動装置。
【0175】
(10)
前記レンズ保持枠には前記可動コイルが接着によって固定される固定部が設けられ、
前記固定部の少なくとも一部が前記一対のマグネットと前記可動コイルの間の空間に位置された
前記(9)に記載の駆動装置。
【0176】
(11)
前記固定部が複数設けられ、
前記複数の固定部が前記可動コイルの周方向において略等間隔の位置に設けられた
前記(10)に記載の駆動装置。
【0177】
(12)
前記磁束発生面が前記可動コイルの外周面に沿う円弧面状に形成された
前記(9)から前記(11)の何れかに記載の駆動装置。
【0178】
(13)
軸方向が光軸方向にされた筒状部と、
少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、
前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置とを備え、
前記駆動装置は、
光軸方向に延びるヨークと、
前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、
前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置された一対のマグネットとを備え、
前記一対のマグネットの前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされ、
前記ヨークと前記一対のマグネットとの並び方向が前記筒状部の周方向にされた
レンズ鏡筒。
【0179】
(14)
前記駆動装置が二つ設けられ、
二つの前記駆動装置が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
前記(13)に記載のレンズ鏡筒。
【0180】
(15)
前記移動体を光軸方向に案内する二つのガイド軸が設けられ、
前記二つのガイド軸が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
前記(14)に記載のレンズ鏡筒。
【0181】
(16)
一方の前記ガイド軸と一方の前記駆動装置と他方の前記ガイド軸と他方の前記駆動装置とが周方向において順に略等間隔の位置に配置された
前記(15)に記載のレンズ鏡筒。
【0182】
(17)
光学像を取り込むレンズ鏡筒と取り込まれた光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備え、
前記レンズ鏡筒は、
軸方向が光軸方向にされた筒状部と、
少なくとも一つのレンズと前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し前記筒状部の内部において光軸方向へ移動される移動体と、
前記移動体の光軸方向への移動のための駆動力を付与する駆動装置とを備え、
前記駆動装置は、
光軸方向に延びるヨークと、
前記ヨークが挿通されると共に前記移動体に固定され前記ヨークに沿って光軸方向へ移動可能な可動コイルと、
前記ヨークと前記可動コイルの両側に位置された一対のマグネットとを備え、
前記一対のマグネットの前記可動コイルと対向する面がそれぞれ磁束発生面とされ、
前記ヨークと前記一対のマグネットとの並び方向が前記筒状部の周方向にされた
撮像装置。
【0183】
(18)
前記駆動装置が二つ設けられ、
二つの前記駆動装置が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
前記(17)に記載の撮像装置。
【0184】
(19)
前記移動体を光軸方向に案内する二つのガイド軸が設けられ、
前記二つのガイド軸が前記レンズを挟んで略反対側に位置された
前記(18)に記載の撮像装置。
【0185】
(20)
一方の前記ガイド軸と一方の前記駆動装置と他方の前記ガイド軸と他方の前記駆動装置とが周方向において順に略等間隔の位置に配置された
前記(19)に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0186】
100…撮像装置、204…撮像素子、1…レンズ鏡筒、5…レンズ群(レンズ)、7…筒状部、11…第1のガイド軸、12…第2のガイド軸、13…移動体、14…レンズ保持枠、19…固定部、21…固定部、25…駆動装置、26…外ヨーク、27…ヨーク、28…駆動コイル、29…マグネット、29a…磁束発生面、30…サイドヨーク部、31…ボトムヨーク部