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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ジョイント機能改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20241008BHJP
   A61K 31/401 20060101ALI20241008BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20241008BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K31/401
A23L33/175 ZNA
A61P19/00
A61P19/02
A61P21/00
A61P43/00 121
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023148689
(22)【出願日】2023-09-13
(62)【分割の表示】P 2019136362の分割
【原出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2023160992
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2018139806
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(72)【発明者】
【氏名】秋好 しのぶ
(72)【発明者】
【氏名】川崎 則子
(72)【発明者】
【氏名】三村 昌子
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0088820(US,A1)
【文献】特許第6279801(JP,B1)
【文献】特表2009-504663(JP,A)
【文献】特開2007-161688(JP,A)
【文献】特開2017-14164(JP,A)
【文献】PARK Y et al,Arthritis Research & Therapy,2007年,Vol.9, No.1,R8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンからなる群から選択される少なくとも5種のアミノ酸を有効成分として含有する、ジョイント障害改善又は予防用組成物であって、ジョイント障害が、腱炎、膝蓋腱炎、腱断裂、腱膜損傷及びそれらが起因の筋力低下からなる群から選択される少なくともひとつであり、1回当たりの単位包装形態からなり、該単位中に、成人の有効成分として前記アミノ酸を1回摂取量として合計10mg~50g含有する組成物。
【請求項2】
セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの合計重量に対する、各アミノ酸の配合割合が、0~30重量%、0~30重量%、0~20重量%、0~35重量%、0~30重量%及び0~35重量%である、請求項1に記載のアミノ酸組成物。
【請求項3】
有効成分が、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンである、請求項1に記載のアミノ酸組成物。
【請求項4】
セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの合計重量に対する、各アミノ酸の配合割合が、10~30重量%、10~30重量%、10~20重量%、10~35重量%、10~30重量%及び10~35重量%である、請求項3に記載のアミノ酸組成物。
【請求項5】
セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの重量比が、1:1~2:1~3:1~4:1~4:1~3である、請求項3に記載のアミノ酸組成物。
【請求項6】
人の有効成分として前記アミノ酸を1回摂取量として合計100mg~30g含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
食品である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
食品が、飲料、ゼリーまたはゼリー様飲料である、請求項7に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアミノ酸を含有するジョイント機能改善用組成物及び皮膚状態改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からアスリートの腱の損傷や断裂、肉離れ、軟骨損傷、靭帯の損傷や断裂などジョイント部分の怪我の発生が多く報告され、怪我による競技からの長期離脱やパフォーマンスの低下、あるいは怪我の再発などがアスリートの間で深刻な問題となっていた。そのためアスリートにとって、怪我をしない身体づくりや怪我をした場合でも迅速な競技復帰のための短期間での回復が重要課題となっている。また加齢による関節の不具合や成長期における膝蓋腱炎などジョイント部分の障害は子供から中高齢者まで多発している。さらに競走馬等では年間1200頭もの競走馬が屈腱炎を発症し、症状の重い馬では期待された活躍も十分できずに引退を余儀なくされることが問題となっていた。
【0003】
アミノ酸やペプチドは、医薬やサプリメント等として一般の人々及びアスリートに愛用されており、様々な生理作用が報告されている。例えば、特許文献1には、加水分解されたコラーゲン、分岐鎖アミノ酸(BCAA)やビタミンCなどを含むアミノジャムが皮膚状態の改善、関節、腱、靭帯、軟骨および他の結合組織への損傷の防止およびリハビリに有益であることが記載されている。また特許文献2には、アミノ酸長が50未満程度の単離ペプチドが、組織の回復、抗線維性、抗瘢痕性、抗炎症性および/または再生促進効果を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】RU 2609813
【文献】特表2015-515282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、腱や靭帯等のジョイント部分の機能を改善すること、及び皮膚状態を改善することが可能な組成物を提供することを目的とする。またジョイント強化による怪我をしない身体づくりをサポートすることが可能な、長期に摂取しても安全なアミノ酸組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討したところ、腱炎時の腱では多くのアミノ酸が減少することを見出したが、意外にも特定のアミノ酸を摂取するだけで腱炎の回復を促進し、ジョイント機能およびジョイントに接合している筋力を改善しうること、コラーゲンの減少による皮膚状態を改善しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
【0007】
[1]セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンからなる群から選択される少なくとも4種のアミノ酸を有効成分として含有する、ジョイント機能改善用組成物。
[2]ジョイント機能改善がジョイント障害改善又はジョイント障害予防である[1]に記載の組成物。
[3]ジョイント障害が、腱炎、膝蓋腱炎、肉離れ、軟骨損傷、腱断裂、靭帯損傷、靭帯断裂、腱膜損傷、骨折、軟骨摩滅及びそれらが起因の筋力低下からなる群から選択される少なくともひとつである[2]に記載の組成物。
[3-1]ジョイント障害が、腱炎、膝蓋腱炎、変形性膝関節症、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、肉離れ、軟骨損傷、腱断裂、靭帯損傷、靭帯断裂、腱膜損傷、骨折、軟骨摩滅及びそれらが起因の筋力低下からなる群から選択される少なくともひとつである[2]に記載の組成物。
[4]ジョイント機能改善がジョイント強化である[1]に記載の組成物。
[5]セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの合計重量に対する、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの配合割合が、0~30重量%、0~30重量%、0~20重量%、0~35重量%、0~30重量%及び0~35重量%である、[1]~[4]のいずれかに記載のアミノ酸組成物。
[6]1回当たりの単位包装形態からなり、該単位中に、成人の有効成分として前記アミノ酸を1回摂取量として合計10mg~50g含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]医薬品である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]食品である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[9]セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンからなる群から選択される少なくとも4種のアミノ酸を有効成分として含有する、皮膚状態改善用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により提供されるアミノ酸組成物は、ジョイントの怪我の回復を早め、ジョイントの怪我による筋力の低下を抑制することができる。
また本発明により提供されるアミノ酸組成物は、ジョイントの炎症や障害、機能低下、ジョイントの炎症に伴う筋力の低下などを抑制および改善することができる。
また本発明により提供されるアミノ酸組成物は、皮膚状態を改善することができる。
また本発明によれば、有効成分がアミノ酸であるため、長期に手軽に安全に摂取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】アキレス腱にコラゲナーゼ(4.5mg/ml/leg)を注射し腱炎ラットを作成した。対照群にはPBSを同様に投与した。腱炎発症後14日目の腱機能効果(stiffness)及び血中TNF-α濃度、腱中ヒドロキシプロリン量(腱100g当たり)を示す。PBSは健常腱群、collagenaseは腱炎群、TAAはTAAを飼料に混合し腱炎モデルラットに摂取させた群を示す。
図2】腱炎発症後21日目における腓腹筋の筋力の評価を示す。PBSは健常腱群、collagenaseは腱炎群、TAAは腱炎モデルラットにTAAを飼料に混合し摂取させた群を示す。縦軸は筋力(Nm)を示す。
図3】腱炎発症後14日目における遺伝子(腱)の評価を示す。collagenaseは腱炎群、TAA又はTAA1は腱炎モデルラットにTAA又はTAA1を飼料に混合し摂取させた群を示す。縦軸は相対的な遺伝子発現量を示す。
図4】腱炎発症後14日目における血漿TNF-α濃度の測定結果を示す。collaは腱炎群、colla+TAA又はcolla+TAA2は腱炎ラットにTAA又はTAA2を飼料に混合し摂取させた群を示す。縦軸は血漿TNF-α濃度を示す。
図5】腱炎発症後14日目における遺伝子(腱)の評価を示す。collagenaseは腱炎群、TAAは腱炎ラットにTAAを飼料に混合し摂取させた群を示す。TAA3又はTAA4は腱炎ラットにTAA3又はTAA4を飼料に混合し摂取させた群を示す。
図6】腱炎発症後14日目における遺伝子(筋肉)の評価を示す。collagenaseは腱炎群、TAAは腱炎ラットにTAAを飼料に混合し摂取させた群を示す。TAA5又はTAA6は腱炎ラットにTAA5又はTAA6を飼料に混合し摂取させた群を示す。縦軸は相対的な遺伝子発現量を示す。
図7】変形性膝関節症発症モデルにおける炎症マーカーである血中TNF-α濃度の測定結果を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
図8】変形性膝関節症発症モデルにおける炎症マーカーである血中IL-1β濃度の測定結果を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
図9】変形性膝関節症発症モデルにおける軟骨コラーゲン分解マーカーである血中CTX-II濃度の測定結果を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
図10】変形性膝関節症発症モデルにおける軟骨組織における破骨細胞形成マーカーであるTIMP-1遺伝子発現を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
図11】変形性膝関節症発症モデルにおける軟骨組織におけるコラーゲン分解酵素であるMMP-13遺伝子発現を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
図12】変形性膝関節症発症モデルにおける軟骨組織におけるアポトーシス関連酵素であるcaspase3遺伝子発現を示す。OAは変形性膝関節症群、ShamはSham operation群、OA+TAAはTAAを飼料に混合し変形性膝関節症モデルラットに摂取させた群を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のジョイント機能改善用組成物は、有効成分として、(1)セリン、(2)アスパラギン酸、(3)グルタミン酸、(4)グリシン、(5)アラニン及び(6)プロリン(以下、それぞれSer、Asp、Glu、Gly、Ala及びProと略記するときもある)からなる群から選択される少なくとも4種のアミノ酸を含有する組成物である。なかでも本発明のジョイント機能改善用組成物としては、有効成分として、(1)~(6)からなる群から選択される少なくとも5種のアミノ酸を含有する組成物が好ましく、6種のアミノ酸を含有する組成物がより好ましい。
【0011】
本明細書において「ジョイント」とは、コラーゲン代謝を伴う可動部位、すなわち腱、靭帯、軟骨、骨、腱膜を意味する。
部位とは、膝、肘、肩、腰、手首、足首、首、手指、足指、背中、股関節、踵、筋肉が挙げられ、馬などの前肢の浅指屈腱なども含まれる。
「ジョイント機能改善」とは、ジョイントの機能に関連する病状や症状の改善、治療、回復の促進、病状や症状の進展(悪化)防止、コンディショニングならびに予防を意味する。当該病状又は症状としては、ジョイント障害、疼痛、硬直、低可動域、摩滅、解離、剥離、違和感などが挙げられる。
【0012】
「ジョイント障害」としては、腱および靭帯における炎症、膝蓋腱炎、変形性膝関節症、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、腱および靭帯の断裂、肉離れ、軟骨損傷、軟骨摩滅、靭帯損傷、腱膜損傷、骨折、滑膜炎症、腱および靭帯脆弱化、関節炎症、関節脆弱化、コラ
ーゲン減少、腱鞘炎、曲げ伸ばしの違和感、動かしにくさなどの病状又は症状ならびに前記病状又は症状に起因する筋力低下、疼痛、炎症の症状が挙げられる。なかでも本発明の組成物は、腱炎、膝蓋腱炎、変形性膝関節症、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、肉離れ、軟骨損傷、腱断裂、靭帯損傷、靭帯断裂、腱膜損傷、骨折、軟骨摩滅、関節炎症、関節脆弱化、コラーゲン減少及びそれらが起因の筋力低下に対して好ましく使用され、腱炎、膝蓋腱炎、変形性膝関節症、肉離れ、軟骨損傷、腱断裂、靭帯損傷、靭帯断裂、腱膜損傷、骨折、軟骨摩滅及びそれらが起因の筋力低下に対してより好ましく使用される。
ジョイント障害の原因としては、怪我又は病気による腱、靭帯、軟骨等、筋肉の組織の破壊、コラーゲン減少、炎症、疼痛、加齢、急激な骨の成長、スポーツや繰り返し作業等の過度の負荷(over use)、過伸長(elongation)などが挙げられる。
「ジョイント機能改善」には、ジョイントの機能に関連する病状や症状の発生を未然に防ぐ予防も含まれる。当該予防には、ジョイントの機能に関連する病状や症状のリスクを有する又は有する可能性がある対象に対して発症を防ぐことを意味する直接的な予防及び当該リスクの有無にかかわらずジョイントを強化することにより発症に至らないことを意味する間接的な予防が含まれる。
【0013】
「ジョイント強化」とは、ジョイント部位の機能強化及び改善をいう。特にジョイントの強化により怪我をしない身体つくりをサポートすることができる。
【0014】
(1)セリン、(2)アスパラギン酸、(3)グルタミン酸、(4)グリシン、(5)アラニン及び(6)プロリンからなる群から選択される少なくとも4種のアミノ酸を有効成分として含有する、皮膚状態改善用組成物も本発明に含まれる(以下ジョイント機能改善用組成物及び皮膚状態改善用組成物を本発明の組成物と総称することもある)。なかでも(1)~(6)からなる群から選択される少なくとも5種のアミノ酸を有効成分として含有する、皮膚状態改善用組成物が好ましく、6種のアミノ酸を含有する皮膚状態改善用組成物がより好ましい。
【0015】
本発明の皮膚状態改善用組成物は、コラーゲンの減少による皮膚状態を改善し、低下した皮膚のコラーゲン量を回復するために使用される。
皮膚状態改善は、例えば、しわの改善、皮膚再生、皮膚弾力の改善、傷の再生、ニキビの改善、皮膚再生が挙げられる。コラーゲン量の低下の原因としては、加齢、疾患や怪我などが挙げられる。
【0016】
本発明の組成物は、有効成分として、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンからなる群から少なくとも4種のアミノ酸を含めばその組み合わせは限定されないが、抗炎症効果、コラーゲン合成促進、腱強化、筋力回復促進に優れているという点で、セリン、グルタミン酸、グリシン、プロリンの4種のアミノ酸の組み合わせが挙げられ、セリン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、アラニンの5種のアミノ酸の組み合わせが好ましく、セリン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、アラニン、アスパラギン酸の6種のアミノ酸の組み合わせがより好ましい。
【0017】
本発明の組成物に含まれるセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン及びプロリンは、L-体、D-体及びDL-体のいずれであってもよいが、L-体が好ましい。
【0018】
本発明におけるアミノ酸は、蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法又は発酵法など、いずれの製造方法で製造されたものでもよいし、市販品を用いることもできる。
【0019】
また、本発明におけるアミノ酸は、当該アミノ酸配列を有する天然蛋白質を酵素的に加水分解することによっても得ることができる。
【0020】
本発明におけるアミノ酸としては、遊離体のみならず、塩の形態でも用いることができる。本明細書におけるセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンという語は、それぞれ塩をも包含する概念である。塩の形態としては、薬理学上許容される塩であれば特に制限されず、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができる。
具体的には、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸との塩およびアミノ酸との塩等が挙げられる。
【0021】
無機塩基との塩としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩としては、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンとの塩、モルホリン、ピペリジン等の複素環式アミンとの塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、たとえば、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、硫酸、硝酸、リン酸等との塩等が挙げられる。
有機酸との塩としては、たとえば、ギ酸、酢酸、プロパン酸等のモノカルボン酸との塩;シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸等の飽和ジカルボン酸との塩;マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸との塩;クエン酸等のトリカルボン酸との塩;α-ケトグルタル酸等のケト酸との塩等が挙げられる。
アミノ酸との塩としては、グリシン、アラニン等の脂肪族アミノ酸との塩;チロシン等の芳香族アミノ酸との塩;アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩;ピログルタミン酸等のラクタムを形成したアミノ酸との塩等が挙げられる。
【0022】
上記した塩は、それぞれ水和物(含水塩)であってもよく、かかる水和物としては、たとえば1水和物~6水和物等が挙げられる。
【0023】
本発明におけるアミノ酸は、遊離体および上記塩の形態の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、食経験や入手のし易さの観点から、セリンは、遊離体が好ましく、アスパラギン酸は、遊離体およびナトリウム塩等が好ましく、グルタミン酸は、遊離体およびナトリウム塩等が好ましく、グリシンは、遊離体が好ましく、アラニンは、遊離体が好ましく、及びプロリンは、遊離体が好ましい。
【0024】
本発明において、各アミノ酸の重量(%)は、L体かつ遊離体に換算して、通常(1)セリン0~30重量%、(2)アスパラギン酸0~30重量%、(3)グルタミン酸0~20重量%、(4)グリシン0~35重量%、(5)アラニン0~30重量%及び(6)プロリン0~35重量%であり、好ましくは(1)10~30重量%、(2)10~30重量%、(3)10~20重量%、(4)10~35重量%、(5)10~30重量%及び(6)10~35重量%であり、より好ましくは、(1)10~20重量%、(2)10~20重量%、(3)10~20重量%、(4)10~30重量%、(5)10~25重量%及び(6)10~30重量%であり、さらに好ましくは、(1)5~20重量%、(2)10~17重量%、(3)10~18重量%、(4)14~30重量%、(5)12~25重量%及び(6)14~25重量%である。上記各アミノ酸の重量(%)は、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニンおよびプロリンの合計重量に対する重量(%)である。
ここで本発明におけるアミノ酸とは、遊離アミノ酸を意味し、蛋白やペプチド中の構成アミノ酸は含まない。また、本明細書において、本発明における各アミノ酸の含有量は、L体のアミノ酸の含有量であって、当該アミノ酸が塩の形態で含有される場合、遊離体に
換算した含有量で表す。なお本発明のアミノ酸組成物はD体のアミノ酸を含んでもよい。またDL体のアミノ酸を含む場合にはL体のアミノ酸含有量に基づいて換算することができる。
【0025】
本発明の組成物において、有効成分の観点から、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの重量比は、通常1:0~5:0~5:1~5:1~5:1~5、好ましくは、1:0~4:0~4:1~4:1~4:1~4、より好ましくは、1:0~2:0~3:1~4:1~4:1~3である。
本発明の組成物において、有効成分の別の観点から、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの重量比は、0~1:0~5:0~5:0~5:0~5:0~5、好ましくは、1:0~4:1~4:1~4:0~4:1~4、より好ましくは、1:1~2:1~3:1~4:1~4:1~3である。
【0026】
本発明の組成物の投与量(成人摂取量)は、年齢、性別、体重、対象疾患、症状、剤形によって変化しうるが、(1)~(6)のアミノ酸をあわせて成人(例えば体重60kg)1日あたり、通常は10mg~50gの範囲であり、好ましくは100mg~40g、より好ましくは100mg~30gとなるように、1日1回ないし数回投与又は摂取させる。
【0027】
(1)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、15mg~5gの範囲がより好ましい。
(2)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、16.5mg~5gの範囲がより好ましい。
(3)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、15mg~5gの範囲がより好ましい。
(4)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、16.5mg~5gの範囲がより好ましい。
(5)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、17mg~5gの範囲がより好ましい。
(6)の投与量(摂取量)は成人1日あたり、通常0~20gの範囲であり、0~5gの範囲が好ましく、20mg~5gの範囲がより好ましい。
上記成人1回あたりの量は、性別、年齢、疾患等の体の状態を加味して適宜変更しうる。
【0028】
本発明の組成物において、上記1日あたりの量を一度にもしくは数回に分けて投与することができる。また投与期間は特に限定されず、有効成分がアミノ酸であるため長期投与が可能である。
【0029】
例えば、over use(メカニカルストレス)や骨の成長により大腿筋進展性が低下することにより発症する膝蓋腱炎を例にすると以下のフェーズ(phase)に分けられる:
phase 1:スポーツ活動後に痛みを自覚するが、スポーツ活動には支障がない
phase 2:スポーツ活動中、活動後に痛みがあるが、スポーツ活動に支障がない
phase 3:痛みが常にあり、スポーツ活動に支障をきたす
phase 4:手術適応、術後のリハビリが必要。
本発明の組成物はいずれのフェーズにおいても投与することができる。
また、すべてのジョイント部分の障害、機能低下、断裂の場合においても当てはまる。すなわち本発明の組成物を投与することによりphase 1および 2の腱炎に対しては、腱の状態を改善し正常の状態に戻すことができ、さらにphase 3に移行することを防ぐことができる。phase 4においてもリハビリ時に投与することにより、回
復促進することができる。また、腱または靭帯断裂の場合はphase 4のみであるが、その際、術後あるいは温存療法時に投与することで、回復促進することができる。いっぽう一旦腱炎が治癒してもover useを続け慢性化したphase 3の腱炎に対しても、本発明の組成物を投与することにより腱炎の回復を促進することができる。
【0030】
本発明の組成物はコラーゲン量を回復させることから、コラーゲン合成を促進し、可動部位だけでなく、表皮においても、皮膚状態の正常化、あるいは加齢などによって低下した皮膚コラーゲン量を回復し、皮膚状態を改善することができる。
【0031】
本発明の組成物は、本発明におけるアミノ酸の他に、さらに糖質、脂質、タンパク質、上記(1)~(6)のアミノ酸以外のアミノ酸、ビタミン、ミネラル等の他の栄養成分を含有することができる。
例えば、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリン以外のアミノ酸が組成物中に含有される割合は、組成物中のアミノ酸の合計重量に対して、遊離体に換算して、10重量%以下であり、5重量%以下が好ましい。本発明の組成物は、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリン以外のアミノ酸を実質的に含有しないのがさらに好ましく、含有しないことが特に好ましい。実質的に含有しないとは、0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下含有することを意味する。
【0032】
本発明の組成物は、本発明におけるアミノ酸、他の栄養成分、薬学的に許容される添加剤等を加えて、製剤の分野で周知の製剤化手段、たとえば第十七改正日本薬局方製剤総則[3]製剤各条に記載された方法等により、溶液、懸濁液、乳濁液等の液状;ゲル、クリーム等の半固形状;粉末、顆粒、錠剤、カプセル等の固形状等、種々の形態とすることができる。
【0033】
上記薬学的に許容される添加剤は、本発明の組成物の形態に応じて適宜選択することができ、たとえば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、基剤、溶剤、溶解補助剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、粘稠剤、無痛化剤、等張化剤、pH調整剤、抗酸化剤、防腐剤、保存剤、矯味剤、甘味剤、香料、着色剤等が挙げられる。
【0034】
具体的には、賦形剤としては、たとえば、炭酸マグネシウム、糖類(グルコース、ラクトース、コーンスターチ等)、糖アルコール(ソルビトール、マンニトール等)等が挙げられる。
結合剤としては、たとえば、ゼラチン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、セルロースおよびその誘導体(結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等が挙げられる。
崩壊剤としては、たとえば、クロスポビドン、ポビドン、結晶セルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、たとえば、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
被覆剤としては、たとえば、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体等が挙げられる。
【0035】
基剤としては、たとえば、動植物性油脂(オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ油、硬化油、ヒマシ油等)、ロウ(カルナウバロウ、ミツロウ等)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
溶剤としては、たとえば、精製水、注射用水、一価アルコール(エタノール等)、多価アルコール(グリセリン等)等が挙げられる。
溶解補助剤としては、たとえば、プロピレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
【0036】
可溶化剤、乳化剤、分散剤および懸濁化剤としては、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート80等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤等が挙げられる。
【0037】
安定化剤としては、たとえば、アジピン酸、β-シクロデキストリン、エチレンジアミン、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。
粘稠剤としては、たとえば、水溶性高分子(ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等)、多糖類(アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガント等)等が挙げられる。
無痛化剤としては、たとえば、アミノ安息香酸エチル、クロロブタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
等張化剤としては、たとえば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、生理食塩水等が挙げられる。
pH調整剤としては、たとえば、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0038】
抗酸化剤としては、たとえば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸等が挙げられる。
防腐剤および保存剤としては、たとえば、パラベン(メチルパラベン等)、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等が挙げられる。
【0039】
矯味剤としては、たとえば、アスコルビン酸、エリスリトール、L-グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
甘味剤としては、たとえば、アスパルテーム、カンゾウエキス、サッカリン等が挙げられる。
香料としては、たとえば、l-メントール、d-カンフル、バニリン等が挙げられる。
着色剤としては、たとえば、タール色素(食用赤色2号、食用青色1号、食用黄色4号等)、無機顔料(三二酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄等)、天然色素(ウコン抽出液、β-カロテン、銅クロロフィリンナトリウム等)等が挙げられる。
【0040】
本発明においては、上記添加剤は、1種または2種以上を用いることができる。
【0041】
本発明の組成物におけるアミノ酸の総含有量は、機能性の観点から、組成物の全量に対して、通常、10重量%~100重量%であり、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは80重量%~100重量%である。
【0042】
本発明の組成物は、1回ないしは1食摂取量単位で包装された形態「単位包装形態」であり得る。かかる形態とは、1回ないしは1食あたりに摂取する量が予め定められ、包装された形態をいう。単位包装形態に用いられる容器または包装体は、本発明の組成物の形態等に応じて適宜選択し得るが、紙製の容器または袋体、プラスチック製の容器または袋体、パウチ、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶、ペットボトル、PTP(press through pack)包装シート等が挙げられる。例えば、飲料、ゼリー、ヨーグルト、ガム、クッキー等の場合にはパック、袋、瓶、箱等の容器により1回の摂取量を包装された形態が挙げられ、顆粒、粉末、スラリー状等の場合には、パックや袋等により1回の摂取量を個別包装する形態が挙げられる。特に、組成物が健康食品、機能性表示食品、
栄養機能食品、特定保健用食品等である場合には、本発明の組成物が1回ないし1食あたりの摂取量単位の形態で包装された形態や、本発明の組成物が懸濁又は溶解された飲料又はゼリーが、1回あたりの飲み切り又は食べ切りの形態でパック等に充填された形態などが挙げられる。
【0043】
上記1回ないしは1食摂取量中には、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの4~6つのアミノ酸を合計で10mg~50g、好ましくは100mg~30g、より好ましくは100mg~20g含めることができる。これにより、1回ないしは1食摂取量単位を摂取することで、必要量の当該アミノ酸を簡便に摂取することができる。
【0044】
また別の態様として、計量容器、及び有効成分としてセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの4~6つのアミノ酸を含む組成物を含むキットが挙げられる。
計量容器は上記のアミノ酸の1回摂取量を計量するための容器であれば特に限定されないが、例えば計量カップ、計量スプーンなどが挙げられる。1回に摂取する量は、上記1回ないしは1食摂取量と同量である。計量容器で計りうる量はすりきり又は山盛りの量など、容器に合わせて決めることができる。また計量容器には1回の使用量などが表示されている目盛を有してもよい。
また別の態様として、有効成分としてセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン及びプロリンの4~6つのアミノ酸を含む組成物を包装し、包装体自体に又は説明書に1回摂取量が上記1回ないしは1食摂取量と記載された大容量の包装体の形態が挙げられる。
【0045】
本発明の組成物の形態は、飲料等のような液状、ゼリー、ジェル、ゼリー様飲料等のようなゼリー状、牛乳、乳飲料、ヨーグルト等のような乳状、ガム状、粉末状、顆粒状、シート状、カプセル状、タブレット状、スナックバー、クッキー等のような固形状などとすることができる。
【0046】
本発明の組成物の適用対象としては、哺乳動物(たとえば、ヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ、ヒツジ等)や、鳥類(たとえば、アヒル、ニワトリ、ガチョウ、七面鳥等)等が挙げられる。
本発明の組成物をヒト以外の適用対象動物(以下、単に「対象動物」ともいう)に適用する場合、本発明の組成物の摂取量または投与量は、対象動物の種類、性別、体重等に応じて適宜設定すればよい。
【0047】
本発明の組成物は、そのまま、またはさらに上記した薬学的に許容される添加剤を加えて、医薬品(以下、本明細書において「本発明の医薬品」とも称する)として提供することができる。
本発明の医薬品は、錠剤、被覆錠剤、チュアブル錠、丸剤、(マイクロ)カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、エリキシル剤、リモナーゼ剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、経口ゼリー剤等の経口製剤、溶液状、懸濁液状、乳液状等の注射剤、用時溶解または懸濁して用いる固形状の注射剤、輸液剤、持続性注射剤等の注射用製剤、経管液剤等の剤形とすることができる。
【0048】
本発明の医薬品は、ジョイント機能低下及びジョイント障害を発症しているアスリート、高齢者や中・壮年者等や成長期の子供や前記障害を呈するおそれのあるアスリート、高齢者や中・壮年者等や成長期の子供等に投与し得る。また競走馬などジョイントに負荷がかかる動物にも投与し得る。
本発明の医薬品は、加齢、疾患や怪我などで皮膚状態が低下又は低下のおそれがある高
齢者や中・壮年者から子供まで幅広い年齢層に投与し得る。
本発明の医薬品は、変形性膝関節症又はそのおそれがある高齢者や中・壮年者から子供まで幅広い年齢層に投与し得る。
【0049】
本発明の医薬品は、上記適用対象に対し、1日あたりに、本発明におけるアミノ酸の総量(L体かつ遊離体に換算した量の総量)が、上記した1日あたりの投与量となるように、投与される。
【0050】
さらに、本発明の組成物は、各種食品に添加して摂取させることができる。本発明の組成物が添加される食品は特に制限されず、一般的に食事やデザートに供される形態の食品であれば如何なるものでもよい。
たとえば、本発明の組成物を清涼飲料水等の飲料に添加し、所望により適当な風味を加えて、ドリンク剤とすることができる。
より具体的には、本発明の組成物は、たとえば、果汁飲料、スポーツ飲料等の清涼飲料水;牛乳、ヨーグルト等の乳製品;ゼリー、チョコレート、キャンディ、ビスケット等の菓子等に添加することができる。
【0051】
本発明の組成物は、1日あたりに摂取される量の上記各種食品に対し、本発明におけるアミノ酸の総量(L体かつ遊離体に換算した量の総量)が、上記した1日あたりの摂取量となるように添加されることが好ましい。
【0052】
また、本発明の組成物は、そのまま、または必要に応じて一般的な食品添加物を加えて、通常の食品製造技術により、食品(以下、本明細書において「本発明の食品」とも称する)として提供することができる。
本発明の食品は、液状、懸濁液状、乳状、ゲル状、クリーム状、粉末状、顆粒状、シート状、カプセル状、タブレット状等、種々の形態とすることができる。
さらに、本発明の食品は、本発明の組成物を各種食品原材料に加え、必要に応じて一般的な食品添加物を加えて、一般的な食品等の製造技術により、清涼飲料水(果汁飲料、スポーツ飲料、コーヒー飲料、茶系飲料等)、乳製品(乳酸菌飲料、発酵乳、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳等)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ハンバーグ等)、魚肉練り製品(蒲鉾、竹輪、さつま揚げ等)、卵製品(だし巻き、卵豆腐等)、菓子(クッキー、ゼリー、チューイングガム、キャンディ、スナック菓子、冷菓等)、パン、麺類、漬物、干物、佃煮、スープ、調味料等、種々の形態の食品とすることができ、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルトパウチ食品であってもよい。
【0053】
上記食品添加物としては、製造用剤(かんすい、結着剤等)、増粘安定剤(キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、ゲル化剤(ゼラチン、寒天、カラギーナン等)、ガムベース(酢酸ビニル樹脂、ジェルトン、チクル等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等)、保存料(安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ε-ポリリシン等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン等)、光沢剤(セラック、パラフィンワックス、ミツロウ等)、防かび剤(チアベンタゾール、フルジオキソニル等)、膨張剤(炭酸水素ナトリウム、グルコノδ-ラクトン、ミョウバン等)、甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物等)、苦味料(カフェイン、ナリンジン、ニガヨモギ抽出物等)、酸味料(クエン酸、酒石酸、乳酸等)、調味料(L-グルタミン酸ナトリウム、5’-イノシン酸二ナトリウム等)、着色料(アナトー色素、ウコン色素、クチナシ色素等)、香料(アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド等の合成香料、オレンジ、ラベンダー等の天然香料)等が挙げられる。
本発明において、上記食品添加物は、1種または2種以上を用いることができる。
【0054】
本発明の食品は、ジョイント機能低下及びジョイント障害を発症しているアスリート、高齢者や中・壮年者等や成長期の子供や前記障害等を呈するおそれのあるアスリート、高齢者や中・壮年者等や成長期の子供等に好適に摂取させることができる。それによりアスリートや高齢者等の腱や靭帯等のジョイント部分の機能を改善し、ジョイントの障害や怪我の回復を促進し、アスリートのパフォーマンスや高齢者のQOLを上げることが可能となる。さらには、ジョイント機能低下の改善やジョイントの強化ならびに怪我をしない身体作りを目的として、幅広い対象者に好適に摂取させることができる。また競走馬などジョイントに負荷がかかる動物にも摂取され得る。
本発明の食品は、加齢、疾患や怪我などで皮膚状態が低下又は低下のおそれがある高齢者や中・壮年者から子供まで幅広い年齢層に摂取させることができる。
本発明の食品は、変形性膝関節症又はその予防のため高齢者や中・壮年者から子供まで幅広い年齢層に摂取させることができる。
【0055】
従って、本発明の食品は、ジョイント機能改善及びジョイント強化用ならびに皮膚状態改善用、なかでも変形性膝関節症用の特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の保健機能食品、病者用食品、高齢者用食品等の特別用途食品、健康補助食品等としても提供され得る。
【0056】
本発明の食品は、上記適用対象に、1日あたりに、本発明におけるアミノ酸の総量(L体かつ遊離体に換算した量の総量)が、上記した1日あたりの摂取量となるように摂取させることが好ましい。
【0057】
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。本明細書中、特に断りのない限り%は重量%を表す。
【実施例
【0058】
各種測定方法は以下の通りである。
腱中コラーゲン量測定
アキレス腱中に含まれているコラーゲンは不溶性コラーゲンのため、腱を加水分解し、アミノ酸アナライザー(HITACHI高速アミノ酸分析計L-8900)にてヒドロキシプロリン及びその他のアミノ酸濃度を測定した。
ヒドロキシプロリン量を不溶性コラーゲン量とみなすことで、腱中コラーゲン量を算出する方法が一般的である。ヒドロキシプロリン量が高いほど、コラーゲン量が多いことを示している。
【0059】
Stiffness測定(腱機能評価)
左足のアキレス腱はStiffness測定するまでPBS溶液に浸した。テクスチャーアナライザーを用いて、5%分腱を牽引した際に必要となった力(g)とひずみ(%)を用いてStiffness(g/%)を算出した。Stiffnessの値が高いほど、腱が強いことを示している。
【0060】
TNF-α測定(抗炎症評価)
採取した血液を10000回転×5分遠心によって血漿成分を分取した。血漿を用いてrat TNF alpha ELISA kit (Thermo Fischer KRC3011)のプロトコルに従って測定を実施した。TNF-αの値が高いほど、炎症が強いことを示している。
【0061】
腓腹筋最大筋力測定
運動負荷は、動物を麻酔下で左下肢をトルクに固定、腓腹筋にNSC電極(日本光電)を貼り、電気刺激を与えることで足関節底屈筋群へ等尺性収縮をさせつつ、トルクを用い
90度の背屈運動をさせる伸展性収縮を10回、間に1分の休息時間を与え10セット行った。また、最大筋力については最大伸張に必要な力を反映するよう他動的足関節背屈抵抗トルクとして、運動負荷の前後に電気刺激し測定を行った。
【0062】
腱および筋肉中遺伝子解析
遺伝子解析は、採材した腱およびそれにつながっている腓腹筋を用いて、Tripure isolation reagent (ロッシュ)1mlを使用してホモジネートした後、添付のプロトコルに従ってRNA抽出をした。抽出したRNAを用いて、PrimeScrip RT reagent kit(TAKARA)に従ってcDNA合成をした。合成したcDNAを用いて、下記のプライマーを用いてqPCRを行い、各遺伝子の発現量をGAPDHの発現量で補正して相対値にて算出した。
Colla:コラーゲン合成酵素
MMP-13:コラーゲン分解酵素
GAPDH:house keeping gene (補正用)
【0063】
Colla1a1 (F) TCAAGATGGTGGCCGTTACT(配列番号1)
Colla1a1 (R) CATCTTGAGGTCACGGATG (配列番号2)
Colla1a2 (F) AAATCGGCAACCCTGGTAGA(配列番号3)
Colla1a2 (R) TTCTCCCTTAGGCCCTTTGG(配列番号4)
MMP-13 (F) CCTAAGCACCCCAAAACACC(配列番号5)
MMP-13 (R) GGGAAGTTCTGGCCAAAAGG(配列番号6)
GAPDH (F) CAAGTTCAACGGCACAGTCA(配列番号7)
GAPDH (R) CCCCATTTGATGTTAGCGGG(配列番号8)
【0064】
IL-1β測定(抗炎症評価)
採取した血液を10000回転×5分遠心によって血漿成分を分取した。血漿を用いてrat IL-1β ELISA kit (アブカム)のプロトコルに従って測定を実施した。IL-1βの値が高いほど、炎症が強いことを示している。
【0065】
CTX-II測定(軟骨コラーゲン分解評価)
採取した血液を10000回転×5分遠心によって血漿成分を分取した。血漿を用いてrat CTX-II ELISA kit(CUSABIO)のプロトコルに従って測定を実施した。CTX-IIの値が高いほど、軟骨コラーゲン分解が強いことを示している。
【0066】
軟骨組織遺伝子発現解析
採取した軟骨組織を用いて、Tripure isolation reagent(ロッシュ)1mlを使用してホモジネートした後、添付のプロトコルに従ってRNA抽出をした。抽出したRNAを用いて、PrimeScrip RT reagent kit(TAKARA)に従ってcDNA合成をした。合成したcDNAを用いて、下記のプライマーを用いてqPCRを行い、各遺伝子の発現量をGAPDHの発現量で補正して相対値にて算出した。
各遺伝子の発現は高値であれば、軟骨損傷および減少を示している。
MMP-13:コラーゲン分解酵素
TIMP-1:破骨細胞形成因子
Caspase3:軟骨細胞アポトーシス関連酵素
【0067】
MMP-13 (F) CCTAAGCACCCCAAAACACC (配列番号5)
MMP-13 (R) GGGAAGTTCTGGCCAAAAGG (配列番号6)
GAPDH (F) CAAGTTCAACGGCACAGTCA (配列番号7)
GAPDH (R) CCCCATTTGATGTTAGCGGG (配列番号8)
TIMP-1 (F) TGCAACTCGGACCTGGTTAT (配列番号9)
TIMP-1 (R) GCGTCGAATCCTTTGAGCAT (配列番号10)
Caspase3 (F) CTTCATCATTCAGGCCTGCC (配列番号11)
Caspase3 (R) CACGAGTGAGGATGTGCATG (配列番号12)
【0068】
<実施例1>
腱炎モデルの作成
(1)雄性10週齢のF344ラット(体重230~240g)をイソフルラン麻酔下で両足のアキレス腱上皮膚を切開し、アキレス腱を露出させ、そこにコラゲナーゼ(4.5mg/ml/leg)を注入して皮膚縫合し、腱炎モデルを構築した。
(2)コラゲナーゼの代わりにリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を同量アキレス腱に注入したものを健常腱群とした。PBSとしてはタカラバイオ製のものを用いた。
(3)ケージに戻した直後に健常腱群、腱炎群は通常飼料(16%カゼイン配合飼料)を、腱炎+TAA群には表1に示す割合で2%(重量比)分を含む混合飼料を供与し、すべての群を2週間飼育した。表1中のアミノ酸はL体かつ遊離体換算の値を示す。群の構成を表2に示した。
(4)2週間後、イソフルラン麻酔下で血液、アキレス腱、腓腹筋を採材し、抗炎症(TNF-α測定)、腱機能(Stiffness測定)及び腱コラーゲン量を評価した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
図1に示すように、TAA供与によって、腱炎時の炎症を抑制し、腱ヒドロキシプロリン量(コラーゲン量)および、腱stiffness(剛性)を有意に回復した。加えて、TAA供与によってコラーゲン量が回復したことから、TAAはコラーゲン代謝が盛んな部位、例えば皮膚などにおいてもコラーゲン合成促進が期待できる。
【0072】
<実施例2>
腱炎モデルにおける腓腹筋筋力評価
(1)雄性10週齢のF344ラット(体重230~240g)をイソフルラン麻酔下で両足のアキレス腱上皮膚を切開し、アキレス腱を露出させ、そこにコラゲナーゼ(4.5
mg/ml/leg)注入して皮膚縫合し、腱炎モデルを構築した。
(2)コラゲナーゼの代わりにPBSを同量アキレス腱に注入したものを健常腱群とした。
(3)ケージに戻した直後に健常腱群、腱炎群は通常飼料(16%カゼイン配合飼料)を、腱炎+TAA群には表1に示す割合のサンプル2%を含む混合飼料を供与し、すべての群を3週間飼育した。
(4)3週間後に電気刺激運動負荷(電気刺激(90°×10セット)、エキセントリック運動)を与え、筋力を測定した。群の構成を表3に示した。
(5)1週間後、イソフルラン麻酔下で血液、アキレス腱、腓腹筋を採材し、筋力、アミノグラム、抗炎症(血中TNF-α)及び腱・筋炎症マーカー(遺伝子発現)を評価し、腱炎による筋力低下に対する効果を検証した。
【0073】
【表3】
【0074】
結果は図2に示した。
図2に示すように、TAAは腱炎時の筋力低下を有意に回復した。
TAAを摂取することにより、腱炎による筋力低下の有意な回復効果が認められた。
【0075】
<実施例3>
腱炎モデルにおけるTAA1-6組成評価
(1)雄性10週齢のF344ラット(体重230~240g)をイソフルラン麻酔下で両足のアキレス腱上皮膚を切開し、アキレス腱を露出させ、そこにコラゲナーゼ(4.5mg/ml/leg)を注入して皮膚縫合し、腱炎モデルを構築した。
(2)ケージに戻した直後に腱炎群は通常飼料(16%カゼイン配合飼料)を、TAA群はTAAを2%分含む混合飼料を、TAA1-6群はTAA1-6を2%分含む混合飼料を供与し、すべての群を2週間飼育した。TAA1-6の組成は表4に示した。表4中のアミノ酸はL体かつ遊離体換算の値を示す。また群の構成を表5に示した。
(3)2週間後、イソフルラン麻酔下で血液、アキレス腱、腓腹筋を採材し、抗炎症(TNF-α測定)、及び遺伝子(腱、筋肉)を評価した。
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
結果は図3~6に示した。図3に示すように、TAA1はTAAと同等のコラーゲン合成の遺伝子発現効果が認められた。図4に示すように、TAA2はTAAと同等の抗炎症効果が認められた。図5に示すように、TAA3及びTAA4はTAAと同等のコラーゲン合成遺伝子発現効果が認められた。図6に示すように、TAA5及びTAA6はTAAと同等のコラーゲン分解の抑制効果が認められた。
【0079】
<実施例4>
変形性膝関節症(osteoarthritis:OA)モデルの作成
(1)OA群:雄性10週齢のF344ラット(体重230~240g)をイソフルラン麻酔下で、皮膚および筋膜を約3cm縦切開し、膝蓋骨を露出させた。関節腔奥にある前十字靭帯をはさみ用いて切断した。膝蓋腱を中央に戻し、皮膚を4針以上で縫合しケージに戻した。
(2)Sham群:皮膚と筋膜を切開後、縫合し、ケージに戻した(Sham operation)。
(3)1週間の回復期間中は通常飼育した。
(4)回復期間後にsham群およびOA群には通常飼料(16%カゼイン配合飼料)を、OA+TAA群には表6に示す割合で2.34%(重量比)分を含む混合飼料を供与し、すべての群を4週間飼育した。表6中のアミノ酸はアラニン以外はL体であり、すべて遊離体換算の値を示す。群の構成を表7に示した。
(5)4週間飼育した後、麻酔下にて血液、軟骨を採材し、抗炎症評価、コラーゲン分解評価、遺伝子解析を実施した。
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
結果は図7~12に示した(検定方法:Dunnett’s multiple comparisons test v.s. OA, *p<0.05. average + SE, n=4-11)。
図7、8に示すように炎症マーカーである血中TNF-αおよびIL-1β値がOA群において上昇し、OA+TAA群において低減したことから、OAオペによって炎症が惹起され、TAA供与によって炎症が軽減したことを表している。
図9に示すように、軟骨コラーゲン分解マーカーである血中CTX-II値がOA群において上昇し、OA+TAA群において低減したことから、OAオペによって軟骨のコラーゲン分解が惹起され、TAA供与によって軽減したことを表している。
図10示すように、軟骨組織における破骨細胞形成マーカーであるTIMP-1遺伝子発現がOAオペによって促進され、TAA供与によって発現抑制したことを表している。
図11に示すように、軟骨組織におけるコラーゲン分解酵素であるMMP-13遺伝子発現がOAオペによって促進され、TAA供与によって発現抑制したことを表している。
図12に示すように、軟骨組織におけるアポトーシス関連酵素であるcaspase3遺伝子発現がOAオペによって促進され、TAA供与によって発現抑制したことを表している。
【0083】
本発明により、アスリートや成長期の子供から高齢者まで、軟骨の損傷や摩滅の改善に有効な組成物の提供が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明により、アスリートや成長期の子供から高齢者まで、腱や靭帯等ジョイントの怪我や機能低下の改善やジョイント機能強化、怪我の予防に有効な組成物の提供が可能となる。
本発明により、ペットや家畜における加齢による関節障害や、競走馬の屈腱炎の予防や改善に有効な組成物の提供が可能となる。
本発明により、皮膚状態改善に有効な組成物の提供が可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
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