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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241008BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241008BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241008BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G06T7/00 660B
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G08B25/00 510M
G08B13/196
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023508199
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2021011852
(87)【国際公開番号】W WO2022201282
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平川 康史
【審査官】宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-69748(JP,A)
【文献】特開2006-94100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに含まれる人物の複数の関節点を推定する関節点推定手段と、
侵入検知を行うために設定される前記人物の特徴要素を設定する特徴要素設定手段と、
記人物が所定の領域に侵入しているか否かを判定する侵入判定手段と、
前記侵入判定手段が行った判定の判定結果に関する情報を出力する出力手段と、を備え、
前記特徴要素設定手段は、
前記推定された複数の関節点のうちで、手先の関節点を、第1特徴要素として設定し、
前記推定された複数の関節点のうちの両足の関節点を結ぶ線分の中点、又は、足の関節点を、第2特徴要素として設定し、
前記侵入判定手段は、
前記第1特徴要素が予め設定された前記所定の空間の水平面に対して平行な矩形の領域であり且つ所定の物体画像を含む第1参照領域に入っているかを判定
前記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで前記第1参照領域に隣接する第2参照領域に入っているかを判定し、
記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで且つ前記第2参照領域と重ならない第3参照領域を通過したか否かを判定し、
前記第2特徴要素が前記第3参照領域を通過した後に、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に入っており且つ前記第2特徴要素が前記第2参照領域に入っていると判定した場合、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定し、
前記出力手段は、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定された場合、前記判定結果を出力する、
判定装置。
【請求項2】
コンピュータが実行する判定方法であって
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得することと
前記画像データに含まれる人物の複数の関節点を推定することと
侵入検知を行うために設定される前記人物の特徴要素を設定することと
記人物が所定の領域に侵入しているか否かを判定することと
前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力することと
を含み
前記特徴要素を設定することは、
前記推定された複数の関節点のうちで、手先の関節点を、第1特徴要素として設定することと、
前記推定された複数の関節点のうちの両足の関節点を結ぶ線分の中点、又は、足の関節点を、第2特徴要素として設定することと
を含み、
前記所定の領域に侵入しているか否かを判定することは、
前記第1特徴要素が予め設定された前記所定の空間の水平面に対して平行な矩形の領域であり且つ所定の物体画像を含む第1参照領域に入っているかを判定することと
前記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで前記第1参照領域に隣接する第2参照領域に入っているかを判定することと
前記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで且つ前記第2参照領域と重ならない第3参照領域を通過したか否かを判することと
前記第2特徴要素が前記第3参照領域を通過した後に、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に入っており且つ前記第2特徴要素が前記第2参照領域に入っていると判定した場合、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定することと、
を含み、
前記判定結果に関する情報を出力することは、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定された場合、前記判定結果を出力することを含む
判定方法。
【請求項3】
コンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
前記処理は、
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得することと
前記画像データに含まれる人物の複数の関節点を推定することと
侵入検知を行うために設定される前記人物の特徴要素を設定することと
記人物が所定の領域に侵入しているか否かを判定することと
前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力することと
を含み
前記特徴要素を設定することは、
前記推定された複数の関節点のうちで、手先の関節点を、第1特徴要素として設定することと、
前記推定された複数の関節点のうちの両足の関節点を結ぶ線分の中点、又は、足の関節点を、第2特徴要素として設定することと
を含み、
前記所定の領域に侵入しているか否かを判定することは、
前記第1特徴要素が予め設定された前記所定の空間の水平面に対して平行な矩形の領域であり且つ所定の物体画像を含む第1参照領域に入っているかを判定することと
前記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで前記第1参照領域に隣接する第2参照領域に入っているかを判定することと
前記第2特徴要素が予め設定された前記所定の空間の床面と同じ高さで且つ前記第2参照領域と重ならない第3参照領域を通過したか否かを判定することと
前記第2特徴要素が前記第3参照領域を通過した後に、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に入っており且つ前記第2特徴要素が前記第2参照領域に入っていると判定した場合、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定することと、
を含み、
前記判定結果に関する情報を出力することは、前記人物が前記所定の領域に侵入していると判定された場合、前記判定結果を出力することを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は判定装置、判定方法、判定システム及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影された画像に含まれる人物が所定の領域に侵入したことを検出するための技術が開発されている。
【0003】
例えば、撮影された画像に基づいて、検出された対象の特徴量を算出し、算出した特徴量から対象の姿勢を推定するためのモデルパラメータを切り替え、切り替え後のモデルパラメータを用いて姿勢を推定する姿勢推定装置が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、送電線の周囲に1重また多重の危険エリアを設定し、重機の一部が先の危険エリア内に侵入しているか否かを判定し、侵入している場合は、警報を発する接近監視動作を行う重機接近監視システムについて開示されている(特許文献2)。
【0005】
また、映像中の対象物の位置の変化を示す軌跡を表示部に表示させる表示制御手段を有する映像処理装置が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-123239号公報
【文献】特開平07-028985号公報
【文献】国際公開第2018/180040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人物の特定の部分が所定の領域に侵入しているか否かを判定する好適な技術が望まれている。また、所定の領域に侵入したと判定される人物の行動履歴を把握したいという要求も存在する。
【0008】
本開示はこのような課題を鑑みてなされたものであり、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法、判定システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の1実施形態にかかる判定装置は、画像データ取得部、関節点推定部、特徴要素設定部、侵入判定部および出力部を有する。画像データ取得部は、撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する。関節点推定部は、画像データに含まれる人物の関節点を推定する。特徴要素設定部は、関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定する。侵入判定部は、特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定する。出力部は、侵入判定部が行った判定の判定結果に関する情報を出力する。
【0010】
本開示の1実施形態にかかる判定方法は、以下の方法をコンピュータが実行する。コンピュータは、撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する。コンピュータは、前記画像データに含まれる人物の関節点を推定する。コンピュータは、前記関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定する。コンピュータは、前記特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定する。コンピュータは、前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力する。
【0011】
本開示の1実施形態にかかるプログラムは、コンピュータに、以下のステップを実行させるものである。コンピュータは、撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する。コンピュータは、前記画像データに含まれる人物の関節点を推定する。コンピュータは、前記関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定する。コンピュータは、前記特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定する。コンピュータは、前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法、判定システムおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1にかかる判定装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1にかかる判定方法を示すフローチャートである。
図3】実施形態2にかかる判定システムの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態2にかかる判定装置の構成を示すブロック図である。
図5】実施形態2にかかる判定方法を示すフローチャートである。
図6】判定装置が処理する画像の第1例を示す図である。
図7】判定装置が処理する画像の第2例を示す図である。
図8】侵入判定の第1例を示す図である。
図9】侵入判定の第2例を示す図である。
図10】侵入判定の第3例を示す図である。
図11】侵入判定の第4例を示す図である。
図12】侵入判定の第5例を示す図である。
図13】実施形態3にかかる判定装置が処理する画像の例を示す図である。
図14】実施形態4にかかる判定装置が処理する画像の例を示す図である。
図15】コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる判定装置10のブロック図である。図1に示す判定装置10は、所定の施設内または屋外に設置されたカメラ(撮影装置)に通信可能に接続して使用される。判定装置10は、画像データにおいて設定された所定の参照領域に人物が進入したか否かを判定し、その判定結果を出力する侵入検知機能を有している。判定装置は主な構成として、画像データ取得部111、関節点推定部112、特徴要素設定部113、侵入判定部114および出力部115を有している。
【0016】
画像データ取得部111は、撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する。画像データ取得部111が接続するカメラは1台でもよいし複数でもよい。また画像データ取得部111が接続するカメラは所定の画角を撮影するために固定されていてもよいし、パン、チルトまたはズームを行う可動式のものであってもよい。画像データ取得部111は、カメラから取得した画像データを、適宜各構成に供給する。
【0017】
関節点推定部112は、画像データ取得部111から画像データを受け取り、受け取った画像データに含まれる人物の関節点を推定する。具体的には、関節点推定部112は例えば、受け取った画像データに含まれる人物の画像(人物画像)を特定する。例えば関節点推定部112は、例えば画像データに対して畳み込み処理を行うことにより人物画像の特徴量と一致する特徴量を有する領域を検索する。関節点推定部112は人物画像の特徴量と一致する領域を人物画像と特定する。
【0018】
さらに関節点推定部112は、人物画像からこの人物の関節点を推定する。関節点とは例えば手首、肘、肩、首、股関節、膝などである。関節点推定部112は1つの人物画像から関節点を推定してもよいし、複数の異なる時刻に撮影された画像にかかる画像データから関節点を推定してもよい。関節点推定部112は推定した関節点に関する情報を、特徴要素設定部113に供給する。
【0019】
特徴要素設定部113は、関節点推定部112から関節点に関する情報を受け取ると、この推定された関節点を利用して人物の特徴要素を設定する。人物の特徴要素とは、侵入検知を行うために設定される特定の関節点または関節点に関連する要素である。特定された人物画像には複数の関節点が含まれる。これら複数の関節点の内のどの関節点を特徴要素として設定するかは、予め設定されていてもよいし、個別に設定されてもよい。個別に設定される場合には、判定装置10を使用するユーザによりかかる特徴要素が設定されてもよいし、予め設定された所定の条件にしたがって自動的に設定されてもよい。特徴要素設定部113は、特徴要素を設定すると、設定した特徴要素に関する情報を侵入判定部114に供給する。
【0020】
侵入判定部114は、特徴要素設定部113から特徴要素に関する情報を受け取り、特徴要素にかかる人物が参照領域に侵入しているか否かを判定する。参照領域とは、侵入検知を行うための特定の領域であって、画像データにおいて予め設定された領域である。侵入判定部114は、特徴要素にかかる人物が参照領域に侵入しているか否かの判定を行うと、判定結果に関する情報を出力部115に供給する。なお、以降の説明において、判定の結果に関する情報を、単に判定結果と称する場合もある。
【0021】
出力部115は、侵入判定部114から侵入判定部114が行った判定の判定結果に関する情報受け取り、受け取った情報を出力する。出力部115が出力する判定結果は、判定装置を利用するユーザが判定結果を認識できる態様において出力される。より具体的には例えば判定結果は、音声、光または画像により出力されてもよい。また判定結果は、判定装置10に通信可能に接続する任意の他の機器に対して送信されてもよい。
【0022】
次に、図2を参照して判定装置10が実行する処理について説明する。図2は、実施形態1にかかる判定方法を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、例えば判定装置10を起動することにより開始される。あるいは図2に示すフローチャートは、撮影装置から画像データを受け取ることにより開始されてもよい。
【0023】
まず、画像データ取得部111は、撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する(ステップS11)。画像データ取得部111は、取得した画像データを少なくとも関節点推定部112に供給する。
【0024】
次に、関節点推定部112は、受け取った画像データに含まれる人物の関節点を推定する(ステップS12)。関節点推定部112は推定した関節点に関する情報を特徴要素設定部113に供給する。なお、関節点推定部112は、画像データに複数の人物画像を特定した場合には、それぞれの人物画像に対して関節点を推定する。すなわち関節点推定部112は、複数の人物画像に対応した情報を生成し、特徴要素設定部113に供給する。
【0025】
次に、特徴要素設定部113は、関節点推定部112から受け取った情報を利用して、人物画像の関節点から特徴要素を設定する(ステップS13)。特徴要素設定部113は、特徴要素を設定すると、特徴要素に関する情報を侵入判定部114に供給する。なお、特徴要素設定部113は、画像データに複数の人物画像が特定されている場合には、それぞれの人物画像に対応した特徴要素を設定する。
【0026】
次に、侵入判定部114は、設定された特徴要素を用いて、特徴要素にかかる人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定する(ステップS14)。侵入判定部114は、画像データに複数の人物画像が特定されている場合には、いずれかの人物画像が参照領域に侵入しているか否かを判定してもよい。また侵入判定部114は、画像データに複数の人物画像が特定されている場合には、それぞれの人物画像に対応した侵入検出の判定を行ってもよい。
【0027】
次に、出力部115は、判定にかかる判定結果に関する情報を出力する(ステップS15)。出力部115が判定結果を出力すると、判定装置10は一連の処理を終了する。
【0028】
以上、実施の形態1にかかる判定装置について説明した。尚、判定装置10は、図示しない構成としてプロセッサ及び記憶装置を有するものである。判定装置10が有する記憶装置は、例えばフラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置を含む。この場合に、判定装置10が有する記憶装置は、上述の画像処理方法を実行するためのコンピュータプログラム(以降、単にプログラムとも称する)を記憶している。またプロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のバッファメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。
【0029】
判定装置10が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。なお、ここに説明した構成に関する説明は、本開示において以下に説明するその他の装置またはシステムにおいても、適用され得る。
【0030】
また、判定装置10の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、判定装置10の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0031】
以上、実施の形態1について説明した。実施の形態1にかかる判定装置10は、画像データから人物画像を特定し、特定した人物画像がマスク領域に含まれる場合にマスク処理を行う。よって、実施の形態1によれば、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法およびプログラムを提供することができる。
【0032】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図3は、実施形態2にかかる判定システムの構成を示すブロック図である。図3に示す判定システム1は、判定装置20およびカメラ300を含む。判定装置20とカメラ300とは、ネットワークN1を介して通信可能に接続している。
【0033】
カメラ300は、空間900に設置されており、空間900の風景を撮影して画像データを生成し、生成した画像データを、ネットワークN1を介して判定装置20に供給する。カメラ300が撮影する空間900には、例えば人物P1、人物P2が存在しうる。またこの空間900には、所定の参照領域が予め設定されている。判定システム1において、カメラ300に接続している判定装置20は、参照領域に人物P1または人物P2が侵入しているか否かを判定する。
【0034】
次に、図4を参照して本実施の形態に係る判定装置について説明する。図4は、実施形態2にかかる判定装置20の構成を示すブロック図である。図4に示す判定装置20は、ディスプレイ116および記憶部120を有する点が、実施の形態1にかかる判定装置10と異なる。
【0035】
ディスプレイ116は、例えば有機エレクトロルミネッセンスや液晶パネルを含む表示装置である。ディスプレイ116は、出力部115から判定結果を画像データとして受け取り、受け取った判定結果を表示する。判定結果に関する表示は、例えばカメラ300が撮影した画像を含んでも良い。また判定結果に関する表示は、カメラ300が撮影した画像に、関節点、特徴要素および参照領域が重畳されたものであってもよい。
【0036】
記憶部120は例えばフラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)またはEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶部120は例えば参照領域に関する情報を記憶している。記憶部120は、記憶している参照領域に関する情報を、侵入判定部114に供給する。
【0037】
本実施形態における出力部115は、特定した人物にかかる特徴要素が参照領域に侵入したと判定された場合に、判定結果としてアラートを含む情報を出力する。出力部115は、かかるアラートを、ディスプレイ116に供給する。
【0038】
次に、本実施の形態に係る判定装置が実行する処理について説明する。図5は、実施形態2にかかる判定方法を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、ステップS13の後の処理が、図2に示すフローチャートと異なる。
【0039】
ステップS13の後、侵入判定部114は、設定された特徴要素が参照領域に侵入しているか否かを判定する(ステップS21)。かかる特徴要素が参照領域に侵入していると判定しない場合(ステップS21:NO)、判定装置20はステップS23に進む。一方、かかる特徴要素が参照領域に侵入していると判定する場合(ステップS21:YES)、判定装置20はステップS22に進む。
【0040】
ステップS22において、出力部115は判定結果に応じてアラートを出力する(ステップS22)。この場合、出力部115は、ディスプレイ116に侵入を検知したことを示す表示をするための信号を供給する。出力部115は、アラートを所定の期間継続して出力してもよい。出力部115がアラートを出力すると、判定装置20はステップS23に進む。
【0041】
ステップS23において、判定装置20は、一連の処理を終了するか否かを判定する(ステップS23)。一連の処理を終了する場合とは例えばユーザの操作により判定装置20を停止する場合や、カメラ300からの画像データの供給が停止された場合などである。一連の処理を終了すると判定する場合(ステップS23:YES)、判定装置20は処理を終了する。一方、一連の処理を終了すると判定しない場合(ステップS23:NO)、判定装置20はステップS11に戻り、処理を続ける。
【0042】
次に、判定装置20が処理する画像の具体例を説明する。図6は、判定装置が処理する画像の第1例を示す図である。図6には、画像201が示されている。画像201は、ディスプレイ116に表示される画像の例である。画像201は、カメラ300により撮影された空間900の風景であって、人物P1にかかる第1人物画像210、人物P2にかかる第2人物画像220および所定の物体画像230が含まれている。また物体画像230には、参照領域240が設定されている。
【0043】
図6において、参照領域240は、太い二点鎖線の台形により示されている。ここで参照領域240が台形により示されているのは、参照領域240が空間900の水平面に対して平行な矩形により設定されているからである。このように、参照領域240は、空間900における所定の高さおよび所定の形状に擬似的に対応するように設定される。上述の状況において、判定装置20は、人物が参照領域240に侵入しているか否かを判定する。
【0044】
次に、図7を参照して、判定装置20が推定する関節点について説明する。図7は、判定装置が処理する画像の第2例を示す図である。
【0045】
関節点推定部112が人物画像を特定する際に、関節点推定部112は、例えば画像201を、畳み込み処理により所定の大きさの人物画像が存在するか否かを解析する。画像201は、例えば画像の左上が原点であり、左から右に向かう横方向がX軸であり、上から下に向かう縦方向がY軸である。この場合、例えば関節点推定部112は、原点からXプラス方向に画像の解析処理を行い、右端まで処理が終わると、Y軸をプラス方向に移動させ、再び左端からXプラス方向に解析処理を行う。
【0046】
このとき関節点推定部112は、画像201の奥行きに応じて、解析する際の矩形の大きさを変化させ得る。すなわち関節点推定部112は、画像201の上側すなわち空間の奥側ほど比較的に小さいサイズにより人物画像の特定を行い、画像201の下側すなわち空間の手前側ほど比較的に大きいサイズにより人物画像の特定を行う。このような処理により、関節点推定部112は、効率よく人物画像を特定できる。
【0047】
図7には、矩形F10および矩形F20が示されている。矩形F10は、第1人物画像210を特定する際に用いられたものである。関節点推定部112は、矩形F10に含まれる第1人物画像210の特徴量を算出して第1人物画像210を特定する。同様に、関節点推定部112は、矩形F20の特徴量を算出して第2人物画像220を特定する。
【0048】
関節点推定部112は、人物画像を特定すると、特定した人物画像の関節点を推定する。関節点推定部112は例えば、特定した人物画像の特徴量から人物画像にかかる関節点を推定する。また関節点推定部112は例えば人物画像にかかる人物の姿勢を推定するために、機械学習により学習させた学習モデルを有していてもよい。すなわちこの場合、関節点推定部112は例えば、学習モデルを用いて、図7に示す矩形F10に含まれる人物の姿勢を推定するとともに、推定された人物の姿勢から関節点を推定する。
【0049】
図7において、第1人物画像210には、複数の関節点211が重畳されている。また第1人物画像210には、関節点同士を繋ぐ複数の接続線212も重畳されている。同様に、第2人物画像220には、複数の関節点221が重畳されている。また第2人物画像220には、関節点同士を繋ぐ複数の接続線222も重畳されている。
【0050】
(侵入判定の第1例)
次に、判定装置20が設定する特徴要素と参照領域の関係により行われる侵入判定の例について説明する。図8は、侵入判定の第1例を示す図である。図8は、図7から参照領域240、第1人物画像210、および第1人物画像210の関節点211および関節点211を繋ぐ接続線212を抽出して示したものである。
【0051】
また図8に示す第1人物画像210において、左右の手の部分に対応する関節点211の位置には、特徴要素213が黒い四角形により示されている。すなわち図8の例は、特徴要素設定部113が、第1人物画像210の関節点211のうち、端に位置する点(つまり端点)を特徴要素213として設定した状態を示している。図8に示した具体例では、特徴要素設定部113は、関節点の端点である手先の関節点を特徴要素に設定している。なお、特徴要素設定部113は、手先の関節点に代えて、人物の頭または足先を関節点の端点として設定してもよい。
【0052】
さらに図8は、設定した2つの特徴要素213の内の1つが参照領域240の内側に侵入している。この場合、侵入判定部114は、特徴要素213が参照領域240の内側に侵入していると判定する。このように、関節点の内の1点を特徴要素として設定し、設定した特徴要素が参照領域240に侵入している場合には、侵入判定部114は、第1人物画像210にかかる人物P1が参照領域240に侵入していると判定する。このような構成により、本実施の形態にかかる判定装置20は、身体の先端部が参照領域に侵入することを好適に検知できる。
【0053】
なお、上述の端点は、以下のように定義されてもよい。すなわち、特徴要素設定部113は、人物に対応する画像データから2つの関節点211を接続する接続線212を設定し、次に、複数存在する関節点211から1本の接続線212が接続する関節点211を、端点として認識し、ここに特徴要素213に設定する。
【0054】
(侵入判定の第2例)
次に、図9に示す例について説明する。図9は、侵入判定の第2例を示す図である。図9の例にかかる特徴要素設定部113は、上述した端点を含む複数の隣接する関節点を特徴要素としてそれぞれ設定する。特徴要素設定部113は、人物の腕または脚に対応する複数の隣接する関節点を、特徴要素として設定するものであってもよい。この場合、侵入判定部114は、隣接する複数の特徴要素が全て参照領域に侵入しているか否かを判定する。
【0055】
図9に示す例の場合、特徴要素設定部113は、手先と肘の2か所を特徴要素214として設定している。また図9の例では、両腕の内の一方の腕に相当する特徴要素214が参照領域240の内側に存在している。この場合、侵入判定部114は、第1人物画像210が参照領域240に侵入していると判定する。
【0056】
(侵入判定の第3例)
次に、図10に示す例について説明する。図10は、侵入判定の第3例を示す図である。図10の例にかかる特徴要素設定部113は、人物の外側に接する外接矩形を特定し、この外接矩形に接する関節点を、特徴要素に設定する。
【0057】
図10に示す例の場合、第1人物画像210にかかる関節点211の周囲に外接矩形F11が設定されている。特徴要素設定部113はこの外接矩形F11の周囲に接する関節点を、特徴要素215として設定している。また図10の例では、設定された複数の特徴要素215のうち、外接矩形F11の左側の辺に接している特徴要素215が参照領域240の内側に存在している。よって、侵入判定部114は、第1人物画像210が参照領域240に侵入していると判定する。このような構成により、判定装置20は、人物画像における外縁部に位置する関節点を特徴要素として設定できる。
【0058】
(侵入判定の第4例)
次に、図11に示す例について説明する。図11は、侵入判定の第4例を示す図である。図11の例にかかる特徴要素設定部113も、図10の例と同様に、人物の外側に接する外接矩形に接する関節点を、特徴要素に設定する。
【0059】
図11に示す例の場合、第1人物画像210にかかる関節点211の周囲には、外接矩形F12が設定されている。図11にかかる第1人物画像210は、図の左側に位置する腕の肘を曲げて自身の外側へ突き出している。そのため、肘の関節点が外接矩形F12に接している。したがって、特徴要素設定部113は外接矩形F12の左側の辺に接している関節点を特徴要素215として設定している。また図11において、外接矩形F12の左側の辺に接している特徴要素215が参照領域240の内側に存在している。よって、侵入判定部114は、第1人物画像210が参照領域240に侵入していると判定する。
【0060】
(侵入判定の第5例)
次に、図12に示す例について説明する。図12は、侵入判定の第5例を示す図である。図12に示す例において、特徴要素設定部113は、人物に対応する画像データに基づいて2つの関節点を接続する接続線を前記特徴要素に設定する。この場合に、侵入判定部114は、特徴要素に設定された接続線の少なくとも一部が参照領域に侵入しているか否かを判定する。
【0061】
図12に示す例の場合、特徴要素設定部113は、手先と肘を繋ぐ接続線を特徴要素216として設定している。図12は、特徴要素216が白抜きの太線により示されている。また図12において、特徴要素216の一部は、参照領域240と重なっている。よって、侵入判定部114は、第1人物画像210が参照領域240に侵入していると判定する。
【0062】
以上、実施の形態2について説明した。なお、実施の形態2における侵入検知の態様は、上述の例に限られない。例えば図9に示す侵入検知の第2例の場合において、特徴要素設定部113は、3点以上の隣接する関節点を特徴要素として設定してもよい。よって特徴要素設定部113は、例えば第1人物画像210にかかる全ての関節点211を特徴要素と設定してもよい。特徴要素設定部113は、人物画像にかかる関節点を利用して、種々の特徴要素を設定できる。実施の形態2によれば、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法、判定システムおよびプログラムを提供することができる。
【0063】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3にかかる判定装置は、侵入検知の手法が上述の判定装置と異なる。より具体的には、実施の形態3にかかる判定装置は、特徴要素設定部113および侵入判定部114が行う処理が実施の形態2にかかる判定装置20と異なる。
【0064】
本実施の形態における特徴要素設定部113は、人物における複数の関節点から第1特徴要素および第2特徴要素を設定する。またこの場合、侵入判定部114は、第1特徴要素が予め設定された第1参照領域に侵入しているかを判定すると共に、第2特徴要素が予め設定された第2参照領域に侵入しているかを判定する。さらに出力部115は、第1特徴要素が第1参照領域に侵入し、且つ、第2特徴要素が第2参照領域に侵入した場合に、判定結果を出力する。
【0065】
図13を参照して本実施の形態における侵入検知の処理を具体例と共に説明する。図13は、実施形態3にかかる判定装置20が処理する画像の例を示す図である。図13に示す画像203において、特徴要素設定部113は、第1人物画像210の手先の関節点を第1特徴要素217として設定している。また特徴要素設定部113は、第1人物画像210の両足の関節点を結ぶ線分の中央部(白丸)を第2特徴要素218として設定している。同様に、特徴要素設定部113は、第2人物画像220の手先の関節点を第1特徴要素227として設定している。また特徴要素設定部113は、第2人物画像220の両足の関節点を結ぶ線分の中央部(白丸)を第2特徴要素228として設定している。
【0066】
また、図13の例では、第1参照領域241と第2参照領域242とが設定されている。第1参照領域241は、図6に示す参照領域240と同様に、物体画像230を含む所定の領域である。第2参照領域242は、参照領域240の右側の床面に設定されている。
【0067】
第1参照領域241には、第1人物画像210の第1特徴要素217と、第2人物画像220の第1特徴要素227とが存在している。また第2参照領域242には、第1人物画像210の第2特徴要素218が存在している。第2人物画像220の第2特徴要素228は、第2参照領域242の外に存在している。
【0068】
上述の状況において、侵入判定部114は、第1参照領域241に第1特徴要素217が存在し、且つ、第2参照領域242に第2特徴要素218が存在する第1人物画像210を、第1参照領域241に侵入していると判定する。一方、第2人物画像220は、第1特徴要素227が第1参照領域241に存在するものの、第2特徴要素228が第2参照領域242に存在していないため、侵入判定部114は、第2人物画像220が第1参照領域241に侵入していると判定しない。
【0069】
以上、実施の形態3について説明したが、実施の形態3にかかる判定装置20は、上述の機能または構成に限られない。例えば第1参照領域241および第2参照領域242は、それぞれ2つ以上存在していてもよい。また判定装置20は、上述の条件に加えて、第2参照領域242に第2特徴要素218が存在する期間が予め設定された期間(例えば3秒、10秒、15秒など)より長い場合に、第1人物画像210が侵入していると判定してもよい。第2特徴要素218は、上述した両足の間に設定される点に代えて、両足の関節点そのものであってもよいし、両足の内のいずれか一方という設定でもよい。また第2参照領域242の高さは、床面に代えて人物画像の腰の高さに対応してもよいし、頭の位置に対応してもよい。この場合、第2特徴要素は、設定されている第2参照領域の高さに対応する部分に設定され得る。
【0070】
出力部115は、例えば第2特徴要素218が第2参照領域242に侵入した後に、第1特徴要素217が第1参照領域241に侵入した場合に、判定結果を出力するものであってもよい。このような構成により、判定装置20は、人物の動作順を追跡しつつ、好適に侵入検知を判定できる。
【0071】
以上、実施の形態3によれば、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法、判定システムおよびプログラムを提供することができる。
【0072】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、参照領域に関する処理が、実施の形態3にかかる判定装置20と異なる。図14は、実施形態4にかかる判定装置20が処理する画像の例を示す図である。図14に示す画像204において、判定装置20は、第1参照領域241、第2参照領域242に加えて、第3参照領域243を設定する。第3参照領域243は、第2参照領域242と同じく床面と同じ高さにおいて、第2参照領域242から数メートルに相当する距離の場所に設定されている。
【0073】
また本実施の形態にかかる判定装置20は、画像204内における人物の軌跡を追跡する。侵入判定部114は、第2特徴要素が予め設定された第3参照領域を通過したか否かを判定する。この場合に、出力部115は、第2特徴要素218が第3参照領域243を通過した後に、第2参照領域242に侵入し、且つ、第1特徴要素217が第1参照領域241に侵入した場合に、判定結果を出力する。
【0074】
図14には、第1人物画像210に設定されている第2特徴要素218の軌跡219が示されている。軌跡219は、画像204が撮影された時点から所定の期間さかのぼった時点までの期間において第2特徴要素218が存在していた位置を重畳して示したものである。図14によれば、第1人物画像210の第2特徴要素218は、第3参照領域243を通過した後に、第2参照領域242に侵入している。また第1人物画像210は、足元の第2特徴要素218が第2参照領域242に存在している状態のまま、手元に設定された第1特徴要素217が第1参照領域241に侵入している。よって、判定装置20の侵入判定部114は、第1人物画像210が第1参照領域241に侵入していると判定する。
【0075】
以上、実施の形態4について説明した。上述の判定装置20は、所定の空間における参照領域を設定する参照領域設定部を有してもよい。これにより、所望の参照領域を設定できる。参照領域は、画像データに含まれる物体の位置、大きさ、形状等に紐づけて設定されてもよい。これにより、判定装置20は、例えばカメラがズームやパンなどを行っても、所定の参照領域を保持できる。
【0076】
以上、実施の形態4によれば、人物の行動軌跡を把握しつつ、好適に侵入検知を判定する判定装置、判定方法、判定システムおよびプログラムを提供することができる。
【0077】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0078】
<ハードウェア構成の例>
以下、本開示における判定装置の各機能構成がハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0079】
図15は、コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。本開示における判定装置は、図に示すハードウェア構成を含むコンピュータ500により上述の機能を実現できる。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよいし、PCなどの据え置き型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、各装置を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、所定のアプリケーションをインストールされることにより、所望の機能を実現できる。
【0080】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース(I/F)510およびネットワークインタフェース(I/F)512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0081】
プロセッサ504は、CPU、GPUまたはFPGAなどの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。
【0082】
ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス508は、所望の機能を実現するためのプログラムが格納されている。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、各装置の各機能構成部を実現する。
【0083】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0084】
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0086】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに含まれる人物の関節点を推定する関節点推定手段と、
前記関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定する特徴要素設定手段と、
前記特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定する侵入判定手段と、
前記侵入判定手段が行った判定の判定結果に関する情報を出力する出力手段と、を備える
判定装置。
(付記2)
前記特徴要素設定手段は、前記関節点の端点を前記特徴要素に設定する、
付記1に記載の判定装置。
(付記3)
前記特徴要素設定手段は、前記人物の頭、手先または足先を前記関節点の前記端点として設定する、
付記2に記載の判定装置。
(付記4)
前記特徴要素設定手段は、前記端点を含む複数の隣接する前記関節点を前記特徴要素にそれぞれ設定し、
前記侵入判定手段は、複数の隣接する前記特徴要素が全て前記参照領域に侵入しているか否かを判定する、
付記2または3に記載の判定装置。
(付記5)
前記特徴要素設定手段は、前記人物の腕または脚に対応する複数の隣接する前記関節点を、前記特徴要素として設定する、
付記1に記載の判定装置。
(付記6)
前記特徴要素設定手段は、前記人物の外側に接する外接矩形を特定し、前記外接矩形に接する前記関節点を、前記特徴要素に設定する、
付記1に記載の判定装置。
(付記7)
前記特徴要素設定手段は、前記人物に対応する前記画像データに基づいて2つの前記関節点を接続する接続線を設定し、一の前記接続線が接続する前記関節点を、前記特徴要素に設定する、
付記1に記載の判定装置。
(付記8)
前記特徴要素設定手段は、前記人物に対応する前記画像データに基づいて2つの前記関節点を接続する接続線を前記特徴要素に設定し、
前記侵入判定手段は、前記特徴要素に設定された前記接続線の少なくとも一部が前記参照領域に侵入しているか否かを判定する、
付記1に記載の判定装置。
(付記9)
前記出力手段は、前記特徴要素が前記参照領域に侵入したと判定された場合に、前記判定結果を出力する、
付記1~8のいずれか一項に記載の判定装置。
(付記10)
前記特徴要素設定手段は、前記人物における複数の前記関節点に基づいて第1特徴要素および第2特徴要素を設定し、
前記侵入判定手段は、前記第1特徴要素が予め設定された第1参照領域に侵入しているかを判定すると共に、前記第2特徴要素が予め設定された第2参照領域に侵入しているかを判定する、
付記1~9のいずれか一項に記載の判定装置。
(付記11)
前記出力手段は、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に侵入し、且つ、前記第2特徴要素が前記第2参照領域に侵入した場合に、前記判定結果を出力する、
付記10に記載の判定装置。
(付記12)
前記侵入判定手段は、前記第2特徴要素が予め設定された第3参照領域を通過したか否かをさらに判定し、
前記出力手段は、前記第2特徴要素が前記第3参照領域を通過した後に、前記第2参照領域に侵入し、且つ、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に侵入した場合に、前記判定結果を出力する、
付記11に記載の判定装置。
(付記13)
前記出力手段は、前記第2特徴要素が前記第2参照領域に侵入した後に、前記第1特徴要素が前記第1参照領域に侵入した場合に、前記判定結果を出力する、
付記10~12のいずれか一項に記載の判定装置。
(付記14)
付記1~13のいずれか一項に記載の判定装置と、
所定の空間を撮影して生成した前記画像データを前記判定装置に供給するカメラと、を備える
判定システム。
(付記15)
コンピュータが、
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得し、
前記画像データに含まれる人物の関節点を推定し、
前記関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定し、
前記特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定し、
前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力する、
判定方法。
(付記16)
撮影装置が撮影した所定の空間の画像データを取得し、
前記画像データに含まれる人物の関節点を推定し、
前記関節点に基づいて前記人物の特徴要素を設定し、
前記特徴要素に基づいて前記人物が予め設定された参照領域に侵入しているか否かを判定し、
前記判定にかかる判定結果に関する情報を出力する、
判定方法
を、コンピュータに実行させる情報制御プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0087】
1 判定システム
10 判定装置
20 判定装置
111 画像データ取得部
112 関節点推定部
113 特徴要素設定部
114 侵入判定部
115 出力部
116 ディスプレイ
117 スピーカ
120 記憶部
201 画像
210 第1人物画像
220 第2人物画像
230 物体画像
240 参照領域
300 カメラ
900 空間
N1 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15