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特許7568080端末装置、ネットワーク装置及び通信の方法
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  • 特許-端末装置、ネットワーク装置及び通信の方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】端末装置、ネットワーク装置及び通信の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/115 20230101AFI20241008BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
H04W72/115
H04W28/04 110
H04W72/232
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023519572
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 CN2020119012
(87)【国際公開番号】W WO2022067558
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダー
(72)【発明者】
【氏名】リアン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】Intel Corporation,Further consideration on Configured UL grant enhancement,3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909552,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1909552.zip>,2019年08月16日
【文献】NEC,Remaining issues on simultaneous use of CGRT and CGT,3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909663,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1909663.zip>,2019年08月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された許可(CG)に基づくスモールデータ送信(SDT)についての送信を非アクティブ状態にて実行する手段と、
前記送信が実行される時、第1のタイマを起動する手段と、
前記第1のタイマが動作していない場合、前記CGに基づくSDTの再送を非アクティブ状態にて実行する手段と
を含む端末装置。
【請求項2】
前記再送が実行される時、前記第1のタイマを再起動する手段、
をさらに含む請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記CGに基づくSDTの前記再送を実行した後に、設定されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)にアドレス指定された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)をモニタリングする手段、
をさらに含む請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
記CS-RNTIにアドレス指定された前記PDCCHを受信した時、前記第1のタイマを停止する手段、
をさらに含む請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
設定された許可(CG)に基づくスモールデータ送信(SDT)についての送信を非アクティブ状態の端末装置から受信する手段
前記端末装置が第1のタイマ起動することをトリガする手段と、
前記第1のタイマが動作していない場合、前記CGに基づくSDTの再送を非アクティブ状態の前記端末装置から受信する手段と
を含むネットワーク装置。
【請求項6】
前記再送が実行される時、前記端末装置が前記第1のタイマ再起動することをトリガする手段をさらに有する
請求項に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
前記CGに基づくSDTの前記再送を受信した後に、設定されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)にアドレス指定された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を前記端末装置に送信する手段、
をさらに含む請求項に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
記CS-RNTIにアドレス指定された前記PDCCHが前記端末装置により受信された時、前記第1のタイマが停止される、
請求項に記載のネットワーク装置。
【請求項9】
端末装置により実行される通信の方法であって、
設定された許可(CG)に基づくスモールデータ送信(SDT)についての送信を非アクティブ状態にて実行することと、
前記送信が実行される時、第1のタイマを起動することと、
前記第1のタイマが動作していない場合、前記CGに基づくSDTの再送を非アクティブ状態にて実行することと
を含む通信の方法。
【請求項10】
前記再送が実行される時、前記第1のタイマを再起動すること、
をさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記CGに基づくSDTの前記再送を実行した後に、設定されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)にアドレス指定された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)をモニタリングすること、
をさらに含む請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として、電気通信の分野に関し、特に、端末装置の非アクティブ状態におけるデータ送信のための通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、非アクティブ状態にある端末装置は依然として、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィックを有する場合がある。第3世代パートナープロジェクト(3GPP(登録商標):third generation partnership project)リリース16までは、非アクティブ状態ではデータ送信をサポートしておらず、端末装置はダウンリンクデータとアップリンクデータのいずれについても接続を再開しなければならない(すなわち、接続状態に入らなければならない)。これは、不必要な電力消費とシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0003】
この点について、3GPPリリース17では、非アクティブ状態におけるスモールデータ送信(SDT:small data transmission)が承認されている。したがって、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。この場合、非アクティブ状態においてSDTを如何にして実行するかが注目される問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の実施形態は、通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるとの決定に従って、前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信のための帯域幅部分の設定から、設定された許可を端末装置において決定することと、前記アップリンクデータを前記設定された許可に基づいて、前記非アクティブ状態において、ネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、ネットワーク装置において端末装置に、前記端末装置からのアップリンクデータ送信のための帯域幅部分の、設定された許可を含む設定を送信することと、前記端末装置から、前記設定された許可に基づいて、前記端末装置により前記非アクティブ状態において送信される前記アップリンクデータを受信することと、を含む。
【0007】
第3の態様において、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、前記端末装置に前記本開示の第1態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0008】
第4の態様において、ネットワーク装置を提供する。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを含む。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、前記ネットワーク装置に前記本開示の第2態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0009】
第5の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体を提供する。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0013】
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0014】
図2A】本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDT中の通信プロセスを示す模式図である。
【0015】
図2B】本開示の実施形態にかかる、競合解消メカニズムの下でのCGに基づくSDT中の通信プロセスを示す模式図である。
【0016】
図2C】本開示の実施形態にかかる、端末装置間の競合の場合に、バックオフメカニズムの下でのCGに基づくSDT中の通信プロセスを示す模式図である。
【0017】
図3】本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのための媒体アクセス制御制御要素(MAC CE)を示す模式図である。
【0018】
図4】本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのための媒体アクセス制御プロトコルデータユニットを示す模式図である。
【0019】
図5】本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC PDUを示す模式図である。
【0020】
図6】本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC PDUを示す模式図である。
【0021】
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実装される例示的な通信方法を示す図である。
【0022】
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される例示的な通信方法を示す図である。
【0023】
図9】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0024】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0026】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0027】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置(terminal device)」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE:user equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話(mobile phone)、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT:internet of things)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE:Internet of Everything)装置、マシンタイプ通信(MTC:machine type communication)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されず、V2Xの「X」は歩行者、車両又はインフラストラクチャ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。「端末装置」という用語は、UE、移動局(mobile station)、加入者局(subscriber station)、移動端末(mobile terminal)、ユーザ端末、または無線装置と互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置(network device)」という用語は、端末装置が通信可能なセルまたはカバレッジを提供またはホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型(Evolved)ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代(next generation)ノードB(gNB)、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0028】
一実施形態において、端末装置は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続することができる。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT:radio access technology)を使用してもよい。一実施形態において、第1のネットワーク装置は第1 RAT装置であってもよく、第2のネットワーク装置は第2 RAT装置であってもよい。一実施形態において、第1のRAT装置はeNBであり、第2のRAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置または第2のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1の情報は、第1のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして第2の情報は、第2のネットワーク装置から直接または第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から第1のネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0029】
本明細書で使用される単数形「1つ」、及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含む。「含む」という用語およびその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンな用語として理解されるべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。「一実施形態」および「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの別の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0030】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことが、理解されるであろう。
【0031】
従来では、少量且つ頻繁でないデータ交換を行うさまざまなアプリケーションが存在する。例えば、モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、インスタントメッセージ(IM)サービスからのトラフィック、例えばIM又は電子メールクライアント及び他のサービスからのハートビートまたはキープアライブトラフィック、様々なアプリケーションにおけるプッシュ通知、ウェアラブル装置からのトラフィック(例えば、周期的な位置情報を含む)などを含んでもよい。非モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、センサデータ(例えば、IoTネットワーク内で定期的にまたはイベントトリガ方式で伝送される温度、圧力測定値)、スマートメーターから送信される計測及び警報情報などを含んでもよい。
【0032】
従来、事前に設定されたアップリンクリソース(PUR:pre-configured uplink resource)を使用して送信するための二つの方式、専用PUR(dedicated PUR)と共有PUR(shared PUR)とが存在していた。共有PURにより、最大2人のユーザが同時に送信することが可能になり、送信リソースの節約が実現される。この場合、如何にしてPUR、特に共有PURを使用してSDTを実行するかが非常に注目される。
【0033】
さらに、優先度の低いCGについては、RRC-less(すなわち、RRCメッセージなしのSDT)を検討できることが合意されている。この場合、RRC-lessのためにSDTを如何にしてサポートするかについても検討する必要がある。追加として、競合に基づくPUR(contention-based PUR:競合ベースのPUR)の使用により、送信リソースを著しく節約することができる。したがって、SDTでの競合に基づくPURの使用を如何にしてサポートするかも注目されている。
【0034】
これに鑑みて、本開示の実施形態は、設定された許可(CG:configured grant)に基づくSDT(本明細書ではCGに基づくSDT(CG based SDT:CGベースのSDT)とも称する)の解決策を提供する。この解決策により、CGに基づくSDTを実現できるだけでなく、CGのための競合解消とバックオフメカニズムも実現できる。以下、添付図面を参照して、本開示の原理および実施態様について詳細に説明する。
【0035】
通信ネットワークの例
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。図1に示すように、通信ネットワーク100は、端末装置110とネットワーク装置120とを含んでもよい。端末装置110は、ネットワーク装置120によりサービングされてもよい。図1における装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる限定も示唆していないことを、理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含んでもよい。
【0036】
図1に示すように、端末装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介してネットワーク装置120と通信してもよい。通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠してもよい。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行してもよい。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0037】
いくつかのシナリオにおいて、端末装置110は、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィックを有する場合、端末装置110はCGに基づくSDTを実行してもよい。すなわち、端末装置110は、非アクティブ状態においてCG上でアップリンクデータをネットワーク装置120に送信してもよい。いくつかの実施形態において、CGは専用PURであってもよい。もちろん、CGは共有PURであってもよい。いくつかの実施形態において、共有PURは、無競合PUR(contention-free PUR)であってもよい。もちろん、共有PURは、競合に基づくPURであってもよい。いくつかの実施形態において、RRCメッセージを使用してCGに基づくSDTを実行してもよい。もちろん、RRCメッセージなしでCGに基づくSDTを実行してもよい。
【0038】
CGに基づくSDTの実現例
したがって、本発明の実施形態は、CGに基づくSDTをサポートする通信のための改善された解決策を提供する。図2Aから2Cを参照し、以下にこれについて説明する。図2Aは本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDT中の通信プロセス200Aを示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス200Aを説明する。プロセス200Aには、図1に示されるように、端末装置110とネットワーク装置120が関与してもよい。
【0039】
図2Aに示すように、ネットワーク装置120は、帯域幅部分(BWP:bandwidth part)の設定(configuration)を端末装置110に送信してもよい(201)。BWP設定はSDT専用に設定される。いくつかの実施形態において、BWP設定は、SDTのためのCGを含む。いくつかの実施形態において、BWPは初期BWPと異なる。こうして、初期BWPのトラフィック負荷を軽減することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、専用のメッセージ内でBWP設定を送信してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、BWP設定は、専用CGを含んでもよい。これらの実施形態において、端末装置110が接続状態にある場合、BWP設定を端末装置110に専用に提供してもよい。代替として、端末装置110が非アクティブ状態にされると、BWP設定を端末装置110に専用に提供してもよい。この場合、初期BWP以外のBWP上で、専用CGに基づくSDTを実行することができる。こうして、専用CGに基づくSDTを、初期BWP以外のBWPにおいて設定することができる。
【0041】
代替として、ネットワーク装置120は、システム情報内でBWP設定を送信してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、BWP設定は、共有CGを含んでもよい。これらの実施形態において、BWP設定をシステム情報内で端末装置110に提供してもよい。この場合、初期BWP以外のBWP上で、共有CGに基づくSDTを実行することができる。代替として、共有CGに基づくSDTについて、ネットワーク装置120は、SDTに利用可能な、初期BWP以外のCGリソースを有する別の1つまたは複数の専用BWPをブロードキャストしてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、SDTのためのBWP設定は、CGの候補セットを含んでもよい。例えば、異なる許可サイズ/周期を有する複数のCGリソースを設定してもよい。こうして、少なくとも共有CGについては、端末装置110には、CGリソースのうちの1つを選択してSDTを実行することが許される。
【0043】
端末装置110が送信すべきアップリンクデータを有し、非アクティブ状態において該アップリンクデータが送信されると決定された場合、端末装置110はBWP設定からCGを決定してもよい(202)。BWP設定がCGの候補セットを含むいくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータに関連付けられたパケットサイズに基づいて、該候補セットからCGを選択してもよい。別の例として、端末装置110は、アップリンクデータに関連付けられるトラフィックパターンに基づいて、該候補セットの中からCGを選択してもよい。
【0044】
CGが決定されると、端末装置110は、該CGに基づいて、非アクティブ状態においてネットワーク装置120にアップリンクデータを送信する(203)。いくつかの実施形態において、端末装置110がネットワーク装置120のサービングセルについて有効なタイミングアドバンス(TA)を有する場合、CGに基づくSDTをトリガすることができる。
【0045】
こうして、SDT特有のBWP上でCGに基づくSDTを実行することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、SDTは、無線リソース制御(RRC:radio resource control)メッセージを用いて実行されることができる。例えば、SDTのためのアップリンクデータは、RRCResumeRequestまたはRRCResumeRequest1メッセージとともに送信されてもよい。別の例として、SDTのためのダウンリンクデータは、RRCReleaseメッセージなどのRRCメッセージ及びTAコマンドMAC CEとともに送信されてもよい。
【0047】
いくつかの代替実施形態において、SDTは、RRCメッセージなし(すなわち、RRC-less)で実行されてもよい。例えば、専用CGに基づくSDTの場合、端末装置110に設定される専用CGリソース上で、アップリンクデータを直接送信してもよい。別の例として、アップリンクデータは、端末装置110の情報を含むMAC CEとともに送信されてもよい。例えば、端末装置110の情報は、非アクティブ無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI:inactive radio network temporary identifier)であってもよい。もちろん、この情報は短い再開(Resume)shortMAC_Iであってもよい。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、競合解消アイデンティティ(contention resolution identity)、TAコマンド、またはセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI:cell radio network temporary identifier)のうちの少なくとも1つを含む1つまたは複数のMAC CEとともに送信されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、CGに基づくSDTが端末装置110のコンテキストを有するネットワーク装置120上で通常発生することを考慮すると、端末装置110のRRC層は、短い(short)I-RNTI値(24ビット)をMAC層に常に提供してもよい。図3は本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC CEを示す模式図300である。いくつかの実施形態において、図3のMAC CE 301に示されるように、MAC CEは短いI-RNTIを含んでもよい。いくつかの実施形態において、MAC CEは、図3のMAC CE 302に示されるように、Resume(再開)MAC-Iをさらに含んでもよい。代替として、図3の符号303で示されるように、ResumeMAC-Iと短いI-RNTIとは、2つの別々のMAC CEに含まれてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、完全な(full)I-RNTIが使用されるか否かを端末装置110に示してもよい(204)。ネットワーク装置120が完全なI-RNTIを使用しないことを示す場合、端末装置110のRRC層は、MAC層に短いI-RNTI値(24ビット)を提供し(205)、該短いI-RNTIを含むMAC CE(ここでは第2のMAC CEとも称する)をネットワーク装置120に送信してもよい(206)。ネットワーク装置120が完全なI-RNTIを使用することを示す場合、端末装置110のRRC層は、MAC層に完全なI-RNTI値(40ビット)を提供し、該完全なI-RNTIを含むMAC CE(ここでは第1のMAC CEとも称する)をネットワーク装置120に送信してもよい(206’)。いくつかの実施形態において、図3のMAC CE 304に示されるように、MAC CEは完全なI-RNTIを含んでもよい。いくつかの実施形態において、MAC CEは、図3のMAC CE 305に示されるように、Resume(再開)MAC-Iをさらに含んでもよい。代替として、図3の符号306で示されるように、ResumeMAC-Iと完全なI-RNTIとは、2つの別々のMAC CEに含まれてもよい。
【0050】
こうして、RRC-less CGに基づくSDTのために、MAC CEの設計が提供される。
【0051】
アップリンクのCGに基づくSDT送信の後、端末装置110は、タイマ(ここでは第1のタイマとも称する)の制御の下で、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)などのダウンリンク制御チャネルをモニタリングしてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータの送信時に第1のタイマを起動してもよい(207)。いくつかの実施形態において、第1のタイマが動作している間、端末装置110は、CGに基づくSDT RNTIにアドレス指定されたPDCCHのみをモニタリングしてもよい。例えば、端末装置110は、CGに基づくSDTのための新たなRNTI、またはCGに基づくSDTのための再利用CS-RNTIにアドレス指定されたPDCCHのみをモニタリングし、またはUEが接続状態にあったときのUEのC-RNTIを再利用してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、CG送信タイマを該第1のタイマとして再利用してもよい。もちろん、端末装置110は、新たなタイマを該第1のタイマとして導入してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、CGに基づくSDTの再送についてのスケジューリングを端末装置110に送信してもよい(208)。例えば、再送についてのスケジューリングは、CGに基づくSDT RNTIにアドレス指定されたアップリンク許可により送信されてもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、該再送についてのスケジューリングを受信したことに応じて、該第1のタイマを再起動してもよい(209)。
【0054】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、第1のタイマの満了時にSDTが成功したか失敗したかを示す指示を、端末装置110に送信してもよい(210)。このとき、該指示が、第1のタイマの満了時に送信が成功したことを示す場合、端末装置110は、第1のタイマの満了時にSDTが成功したと決定してもよい(211)。例えば、これは専用CGに基づくSDTに適用されてもよい。該指示が、第1のタイマの満了時にSDTが失敗したことを示す場合、端末装置110は、第1のタイマの満了時にSDTが失敗したと決定してもよい(211’)。例えば、これは専用CGに基づくSDTと共有CGに基づくSDTに適用されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、アップリンクデータの送信が成功したことを示すMAC PDUを送信してもよい(212)。MAC PDUが受信されると、端末装置110は、第1のタイマを停止してもよい(213)。例えば、専用CGに基づくSDTの場合、PDCCH送信がそのCGに基づくSDT RNTIにアドレス指定され、該MAC PDUの復号化が成功した場合、端末装置110は、第1のタイマを停止してもよい。この場合、端末装置110は、CGに基づくSDTが成功したとみなして、CGに基づくSDTが成功したと上位層に示してもよい。
【0056】
こうして、CGに基づくSDT後のPDCCHモニタリングのためのUEの動作が提供される。
【0057】
競合解消を備えたCGに基づくSDTの実現例
複数の端末装置がSDTのために同一のCGを使用する場合、競合解消(contention resolution)が必要となる。これについて図2Bを参照して説明する。図2Bは本開示の実施形態にかかる、競合解消メカニズムの下でのCGに基づくSDT中の通信プロセス200Bを示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス200Bを説明する。プロセス200Bには、図1に示されるように、端末装置110とネットワーク装置120が関与してもよい。
【0058】
図2Bに示すように、端末装置110は、アップリンクデータの送信時に、競合解消のためにタイマ(本明細書では第2のタイマとも称する)を起動してもよい(214)。こうして、各CG送信後に、競合解消のためにタイマを起動することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、第2のタイマは、第1のタイマと同じでもよい。もちろん、第2のタイマは別個のタイマであってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、CGに基づくSDTの再送についてのスケジューリングを端末装置110に送信してもよい(215)。例えば、再送についてのスケジューリングは、CGに基づくSDT RNTIにアドレス指定されたアップリンク許可により送信されてもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、該再送についてのスケジューリングを受信したことに応じて、該第2のタイマを再起動してもよい(216)。
【0061】
いくつかの実施形態において、第2のタイマが満了した場合、端末装置110は、競合解消が成功しなかったと決定してもよい(217)。
【0062】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、第2のタイマが動作している間にMAC PDUを端末装置110に送信してもよい(218)。いくつかの実施形態において、端末装置110は、MAC PDUの受信時に第2のタイマを停止してもよい(219)。例えば、MAC PDUが受信され、MAC PDUの復号化が成功した場合、端末装置110は、第2のタイマを停止してもよい。もちろん、端末装置110は、MAC PDUの受信時に第2のタイマを停止しなくてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、MAC PDUの受信時に、端末装置110は、MAC PDUが競合解消に関連付けられる第1のアイデンティティを含むか否かを決定してもよい(220)。例えば、端末装置110は、MAC PDUが競合解消アイデンティティ(Contention Resolution Identity)のためのMAC CEを含むか否かを決定してもよい。MAC PDUが第1のアイデンティティを含む場合、端末装置110は、第1のアイデンティティがアップリンクデータの送信における端末装置110の第2のアイデンティティと一致するか否かを決定してもよい(221)。例えば、端末装置110は、MAC CE内のUEコンテンツが、アップリンク送信におけるI-RNTIのようなUE ID情報と一致するか否かを決定してもよい。いくつかの実施形態において、ランダムアクセスプロシージャのために、UE競合解消アイデンティティMAC CE(UE Contention Resolution Identity MAC CE)を再利用してもよい。
【0064】
RRCメッセージを有するCGに基づくSDTの場合、MAC CEは、UL CCCH SDUの全部または一部を含んでもよい。RRCメッセージのないCGに基づくSDTの場合、MAC CEは、UL MAC CE内の情報の全部または一部と、I-RNTIのようなUE ID情報とを含んでもよい。
【0065】
第1のアイデンティティが第2のアイデンティティと一致する場合、端末装置110は、競合解消が成功したと決定してもよい(222)。したがって、端末装置110は、CGに基づくSDTが成功したと決定してもよい。このとき、端末装置110がMAC PDU内でTAコマンドを受信した場合、端末装置110は、TAコマンドを実行してもよい(223)。いくつかの実施形態において、端末装置110はさらに、MAC PDU内で、端末装置110により使用されるためのC-RNTIを受信してもよい。いくつかの実施形態において、第1のアイデンティティと、TAコマンドと、C-RNTIとのうちの一つまたは複数は、単一のMAC CEに含まれてもよい。もちろん、第1のアイデンティティと、TAコマンドと、C-RNTIとは、別々のMAC CEに含まれてもよい。
【0066】
第1のアイデンティティが第2のアイデンティティと一致しない場合、端末装置110は、競合解消が成功しなかったと決定してもよい(224)。これらの実施形態において、端末装置110は、MAC PDUを破棄してもよい。この場合、端末装置110は、TAコマンドとC-RNTIと(存在する場合)を破棄してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、競合解消が成功しなかったと決定された場合、端末装置110は、CGに基づくSDTが成功しなかったと決定してもよい。例えば、端末装置110は、CGに基づくSDTが成功しなかったことを上位層に示してもよい。
【0068】
いくつかの代替実施形態において、端末装置110が競合解消は成功しなかったと決定された場合、端末装置110は、CGに基づくSDTの再送を実行し(225)、第2のタイマを再起動してもよい。端末装置110は、CG送信回数を増加させてもよいし、CG送信回数が所定回数に等しい場合、端末装置110は、CGに基づくSDTが成功しなかったと決定してもよい。
【0069】
バックオフメカニズムを備えたCGに基づくSDTの実現例
さらなる競合の発生を回避するために、競合解消が成功しなかったと端末装置110が決定した場合、端末装置110は対応するCGリソース上でCGに基づくSDTが許可されないタイマを起動してもよい。図2Cを参照し、以下にこれについて説明する。図2Cは本開示の実施形態にかかる、バックオフメカニズムの下でのCGに基づくSDT中の通信プロセス200Cを示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス200Cを説明する。プロセス200Cには、図1に示されるように、端末装置110とネットワーク装置120が関与してもよい。
【0070】
図2Cに示すように、端末装置110は、対応するCGリソース上でCGに基づくSDTが許可されないタイマ(本明細書では第3のタイマとも称する)を起動してもよい(226)。すなわち、端末装置110は、第3のタイマが満了するまで、対応するCGリソース上でのアップリンクデータの送信を一時停止してもよい。端末装置110は、第3のタイマが満了した後、非アクティブ状態において、対応するCGリソースに基づいてSDTを実行してもよい(227)。いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットを、対応するCGリソース上でネットワーク装置120に再送してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータに関連付けられる新たなデータパケットを、対応するCGリソース上でネットワーク装置120に送信し続けてもよい。
【0071】
第3のタイマの持続時間に関して、ネットワーク装置120は、第3のタイマの持続時間についてのインジケータ(本明細書ではバックオフインジケータとも称する)を送信してもよい(228)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRCメッセージ内で端末装置110にインジケータを事前に設定してもよい。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置120は、MAC PDU内でインジケータを送信してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、MAC PDUは、論理チャネルアイデンティティ(LCID:logic channel identity)とインジケータを保持するMAC CEとを含むヘッダを含んでもよい。こうして、従来のDL MAC PDUフォーマットを使用することができる。図4は本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC PDUを示す模式図400である。図4に示すように、符号410は、MAC PDUの例を示す。MAC PDUは、MAC subPDU 411を含んでもよいし、MAC subPDU 411は、サブヘッダ(本明細書ではヘッダとも称する)411-1とMAC CE 411-2とを含んでもよい。ヘッダ411-1は、CGに基づくSDTについてのインジケータのLCIDを含み、MAC CE 411-2は、該インジケータを含んでもよい。符号420は、4ビットのバックオフインジケータを保持するMAC CEの例を表し、Rフィールド421は予約ビットを表し、BIフィールド422はバックオフインジケータを表す。符号430は、5ビットのバックオフインジケータを保持するMAC CEの例を表し、Rフィールド431は予約ビットを表し、BIフィールド432はバックオフインジケータを表す。
【0073】
いくつかの代替実施形態において、MAC PDUは、インジケータと、インジケータの存在を示すビットとを含むヘッダを含んでもよい。例えば、第1のビットは、インジケータの存在を示すために使用されてもよい。図5は本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC PDUを示す模式図500である。図5に示すように、符号510は、MAC PDUの例を示す。MAC PDUは、MACサブヘッダのみを含むMAC subPDU 511を含む。符号520は、4ビットのバックオフインジケータのためのMACサブヘッダの例を表す。この例において、Bフィールド521はバックオフインジケータの存在を示し、Rフィールド522は予約ビットを示し、BIフィールド523はバックオフインジケータを示す。例えば、Bフィールド521は、サブヘッダ内のバックオフインジケータフィールドの存在を示す「1」にセットされてもよい。もちろん、Bフィールド511は、サブヘッダ内のバックオフインジケータフィールドの存在を示すために、任意の他の適切な値にセットされてもよい。
【0074】
符号530は、5ビットのバックオフインジケータのためのMACサブヘッダの例を表す。この例において、Bフィールド531はバックオフインジケータの存在を示し、Rフィールド532は予約ビットを示し、BIフィールド533はバックオフインジケータを示す。例えば、Bフィールド531は、サブヘッダ内のバックオフインジケータフィールドの存在を示す「1」にセットされてもよい。もちろん、Bフィールド531は、サブヘッダ内のバックオフインジケータフィールドの存在を示すために、任意の他の適切な値にセットされてもよい。
【0075】
いくつかの代替実施形態において、インジケータは、MAC PDUの所定のバイトに含まれてもよい。例えば、インジケータは、MAC PDUの第1のバイトに含まれてもよい。図6は本開示の実施形態にかかる、CGに基づくSDTのためのMAC PDUを示す模式図600である。図6に示すように、符号610は、MAC PDUの例を示す。MAC PDUは、このインジケータを保持するMACサブヘッダのみを含むMAC subPDU 611を含む。符号620は、4ビットのバックオフインジケータのためのMACサブヘッダの例を表す。この例においてRフィールド621は予約ビットを示し、BIフィールド622はバックオフインジケータを示す。符号630は、5ビットのバックオフインジケータのためのMACサブヘッダの例を表す。この例においてRフィールド631は予約ビットを示し、BIフィールド632はバックオフインジケータを示す。
【0076】
こうして、端末装置110は、第3のタイマの持続時間についてインジケータを得ることができる。図2Cに戻り、その後、端末装置110は、このインジケータに基づいて第3のタイマの持続時間を決定してもよい(229)。いくつかの実施形態において、端末装置110は、予め定義されたテーブルに基づいて、インジケータに含まれる値(第1の値とも称する)に対応する最大バックオフ値を得ることができる。予め定義されたテーブルの例は以下の表1に示されている。これは一例に過ぎず、本開示を限定するものではない。
【表1】

【0077】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ゼロと最大バックオフ値との間の一様分布に従って値を選択し、選択された値を第3のタイマの持続時間として使用してもよい。いくつかの実施形態において、表1のバックオフパラメータ値は、表2に示すように拡張されてもよい。
【表2】
【0078】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ゼロとインジケータに含まれる第1の値との間の第2の値を決定し、第2の値とCGの周期とに基づいて第3のタイマの持続時間を決定してもよい。例えば、バックオフインジケータは整数Nである。端末装置110は、0と第1の値との間の一様分布に基づいて、ランダムな整数値nを選択してもよい。結果として得られる持続時間はn×CGの周期である。こうして、次のn個のCG送信オケージョンについては、対応するCGリソース上での共有CGに基づくSDTは許可されない。
【0079】
いくつかの実施形態において、バックオフインジケータは端末装置110により取得されなくてもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、第3のタイマの持続時間を0としてセットしてもよい。
【0080】
こうして、次のCGオケージョンについて、複数の端末装置間の競合を軽減することができる。
【0081】
なお、図2Aから図2Cに示す動作は、本開示の実施形態を実現するのに必ずしも必要ではなく、必要に応じて、より多くの動作またはより少ない動作を適用してもよい。
【0082】
方法の実現例
本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。図7から8を参照し、以下にこれらの方法を説明する。
【0083】
図7は本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法700を示す図である。例えば、図1に示すように、方法700は、端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、図1を参照して方法700を説明する。方法700は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。この例において、端末装置110が、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されることを決定したとする。
【0084】
ブロック710において、端末装置110は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のために、BWPの設定(configuration)からCGを決定する。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から受信したシステム情報または専用メッセージから設定を取得し、その設定からCGを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、設定からCGの候補セットを決定し、候補セットからCGを決定してもよい。
【0085】
ブロック720において、端末装置110は、非アクティブ状態において、CGに基づいてアップリンクデータをネットワーク装置120に送信する。いくつかの実施形態において、端末装置110はさらに、端末装置110の短い(short)I-RNTIを含むMAC CEをネットワーク装置120に送信してもよい。
【0086】
こうして、初期BWP上のトラフィック負荷を軽減することができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から受信したシステム情報に基づいて、端末装置110の完全な(full)I-RNTIが使用されるか否かを決定してもよい。完全なI-RNTIを使用すると決定された場合、端末装置110はさらに、完全なI-RNTIを含む第1のMAC CEをネットワーク装置120に送信してもよい。完全なI-RNTIを使用しないと決定された場合、端末装置110はさらに、短いI-RNTIを含む第2のMAC CEをネットワーク装置120に送信してもよい。
【0088】
こうして、CGに基づくSDTについてRRC-lessをサポートすることができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータの送信時に、ダウンリンク制御チャネルをモニタリングするために使用される第1のタイマを起動してもよい。これらの実施形態において、アップリンクデータの再送についてのスケジューリングが受信された場合、端末装置110は、第1のタイマを再起動してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、第1のタイマの満了時に送信が成功したか失敗したかを示す指示を、ネットワーク装置120から受信してもよい。該指示が、第1のタイマの満了時に送信が成功したことを示す場合、端末装置110は、第1のタイマの満了時に送信が成功したと決定してもよい。該指示が、第1のタイマの満了時に送信が失敗したことを示す場合、端末装置110は、第1のタイマの満了時に送信が失敗したと決定してもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータの送信が成功したことを示すMAC PDUの受信時に、第1のタイマを停止してもよい。
【0092】
こうして、CG送信後のダウンリンク制御チャネルのモニタリングを実行することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータの送信時に、競合解消のための第2のタイマを起動してもよい。いくつかの実施形態において、第2のタイマが満了したと決定された場合、端末装置110は、競合解消が成功しなかったと決定してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120からMAC PDUが受信された場合、端末装置110は、MAC PDUが競合解消に関連付けられる第1のアイデンティティを含むか否かを決定してもよい。MAC PDUが第1のアイデンティティを含むと決定された場合、端末装置110は、第1のアイデンティティがアップリンクデータの送信における端末装置の第2のアイデンティティと一致するか否かを決定してもよい。第1のアイデンティティが第2のアイデンティティと一致すると決定された場合、端末装置110は、競合解消が成功したと決定し、アップリンクデータの送信が成功したと決定してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、MAC PDUの受信時に第2のタイマを停止してもよい。いくつかの実施形態において、アップリンクデータの送信が成功したとの決定に従って、端末装置110は、MAC PDUからTAコマンドを決定し、TAコマンドを実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110はさらに、ネットワーク装置120からのMAC PDU内で、端末装置110のためのC-RNTIを受信してもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、MAC PDUが第1のアイデンティティを含まないか、または第1のアイデンティティが第2のアイデンティティと一致しないと決定された場合、端末装置110は、MAC PDUを破棄し、競合解消が成功しなかったと決定してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態において、競合解消が成功しなかったと決定された場合、端末装置110は、アップリンクデータの送信が成功しなかったと決定してもよい。いくつかの代替実施形態において、競合解消が成功しなかったと決定された場合、端末装置110は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを再送し、第2のタイマを再起動してもよいし、そして、送信回数が所定回数に等しいと決定された場合に、端末装置110はアップリンクデータの送信が成功しなかったと決定してもよい。
【0098】
こうして、CGに基づくSDTのための競合解消メカニズムを実現することができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、競合解消が成功しなかったと決定された場合、端末装置110は、第3のタイマを起動し、第3のタイマが満了するまでCG上でのアップリンクデータの送信を一時停止し、第3のタイマが満了した後、非アクティブ状態においてCGに基づいてアップリンクデータの送信を実行してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、第3のタイマの持続時間についてのインジケータを受信し、このインジケータに基づいて第3のタイマの持続時間を決定し、この持続時間で第3のタイマを起動してもよい。いくつかの代替実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、このインジケータを含むRRCメッセージを受信し、このRRCメッセージからインジケータを取得してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ゼロとインジケータに含まれる第1の値との間の第2の値を決定し、第2の値と設定された許可の周期とに基づいて第3のタイマの持続時間を決定してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、このインジケータを含むMAC PDUを受信し、このMAC PDUからインジケータを取得してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、MAC PDUからインジケータのLCIDを含むヘッダを決定し、このヘッダに対応するMAC CEからインジケータを決定してもよい。いくつかの代替実施形態において、端末装置110は、MAC PDUから、インジケータの存在を示すビットを含むヘッダを決定し、このヘッダからインジケータを決定してもよい。いくつかの代替実施形態において、端末装置110は、MAC PDUの所定のバイトからインジケータを決定してもよい。
【0103】
こうして、競合の場合におけるバックオフメカニズムを実現することができ、次のCGオケージョンについて、複数の端末装置間の競合を軽減することができる。
【0104】
図8は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される例示的な通信方法800を示す。例えば、図1に示すように、方法800は、ネットワーク装置120において実現できる。以下、説明のために、図1を参照して方法800を説明する。方法800は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0105】
図8に示すように、ブロック810において、ネットワーク装置120は、非アクティブ状態における端末装置110からのアップリンクデータの送信のための、CGを含むBWPの設定(configuration)を送信する。いくつかの実施形態において、この設定は、CGの候補セットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、システム情報内でこの設定を送信してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110から、端末装置110の短い(short)I-RNTIを含むMAC CEを受信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110の完全な(full)I-RNTIが使用されるか否かをシステム情報内で端末装置110に示してもよい。完全なI-RNTIを使用することをネットワーク装置120が示すと、ネットワーク装置120は、完全なI-RNTIを含む第1のMAC CEを端末装置110から受信してもよい。完全なI-RNTIを使用しないことをネットワーク装置120が示すと、ネットワーク装置120は、短いI-RNTIを含む第2のMAC CEを端末装置110から受信してもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、第1のタイマの満了時にアップリンクデータの送信が成功したか失敗したかを示す指示を、端末装置110に送信してもよい。これらの実施形態において、第1のタイマは、ダウンリンク制御チャネルをモニタリングするために使用される。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、アップリンクデータの送信が成功したことを示すMAC PDUを端末装置110に送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、アップリンクデータの再送についてのスケジューリングを端末装置110に送信してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、競合解消に関連付けられる第1のアイデンティティを含むMAC PDUを端末装置110に送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、TAコマンドをMAC PDU内で端末装置110に送信してもよい。すなわち、MAC PDUは、TAコマンドをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は端末装置110のためのC-RNTIをMAC PDU内で送信してもよい。すなわち、MAC PDUはC-RNTIをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1のアイデンティティと、TAコマンドと、C-RNTIとのうちの一つまたは複数は、同じMAC CE内で送信されてもよい。いくつかの実施形態において、第1のアイデンティティと、TAコマンドと、C-RNTIとは、別々のMAC CE内でそれぞれ送信されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、第3のタイマの持続時間についてのインジケータを端末装置110に送信してもよい。これらの実施形態において、第3のタイマは、CG上でのアップリンクデータの送信の一時停止に使用される。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRCメッセージ内でインジケータを送信してもよい。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置120は、MAC PDU内でインジケータを送信してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態において、MAC PDUは、LCIDとインジケータを保持するMAC CEとを含むヘッダを含んでもよい。いくつかの代替実施形態において、MAC PDUは、インジケータと、インジケータの存在を示すビットとを含むヘッダを含んでもよい。いくつかの代替実施形態において、インジケータは、MAC PDUの所定のバイトに含まれる。
【0111】
図7から図8に記載の方法の実現は、基本的に図2Aから図2Cに関連して説明したプロセスに対応し、そのため、これ以外の詳細はここでは省略する。
【0112】
装置の実現例
図9は本開示の実施形態を実現するのに適した装置900の概略ブロック図である。装置900は、図1に示す端末装置110又はネットワーク装置120の別の例示的な実施態様であるとみなされる。したがって、装置900は、端末装置110又はネットワーク装置120において、或いはそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0113】
図示されるように、装置900は、プロセッサ910と、プロセッサ910に結合されたメモリ920と、プロセッサ910に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)940と、TX/RX 940に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ920は、プログラム930の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 940は双方向通信に用いられる。TX/RX 940は、通信を容易にするために少なくとも一つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有することができる。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBと中継ノード(RN:relay node)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。


【0114】
プログラム930は、図1から図8を参照して本明細書で説明したように、関連付けられたプロセッサ910により実行された場合、装置900が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むとみなされる。本明細書の実施形態は、装置900のプロセッサ910により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現してもよい。プロセッサ910は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ910とメモリ920との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段950を形成してもよい。
【0115】
メモリ920は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体ベースのメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現してもよい。装置900内には1つのメモリ920のみが示されているが、装置900内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ910は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの一つまたは複数を含んでもよい。装置900は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0116】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現してもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装できることを理解されたい。
【0117】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも一つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図2Aから図2C及び図7から図8を参照して上述したプロセスまたは方法を実行するために、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割することができる。プログラムモジュールのマシンが実行可能な能命令は、ローカル又は分散型装置内で実行することができる。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0118】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行してもよい。
【0119】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装することができ、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により使用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体でもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシンが読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、一つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0120】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、説明された全ての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明された、いくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブ組合せで実装されてもよい。
【0121】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9