(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ダンパ
(51)【国際特許分類】
F16F 15/139 20060101AFI20241008BHJP
F16F 15/134 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
F16F15/139 D
F16F15/139 B
F16F15/134 A
(21)【出願番号】P 2023569470
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2022046967
(87)【国際公開番号】W WO2023120541
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2021209933
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直也
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-96534(JP,A)
【文献】特開2016-98954(JP,A)
【文献】特開2016-114193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/139
F16F 15/134
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心回りに回転可能に設けられ、前記回転中心の軸方向における一方向を向く第一面と、前記第一面の前記一方向側に位置し、前記一方向の反対の他方向を向く第二面と、を有した、第一回転要素と、
前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記軸方向において前記第一面と前記第二面との間に位置した壁部を有した、第二回転要素と、
前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記軸方向において前記壁部と前記第一面との間に位置した第三面と、前記軸方向において前記壁部と前記第二面との間に位置した第四面と、を有した、第三回転要素と、
前記第一回転要素と前記第三回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、
前記第二回転要素と前記第三回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、
前記第二回転要素と一体に前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記第一面に対して前記一方向側に位置し前記第一面と摺動可能な第五面と、前記第三面に対して前記一方向側に位置し前記第三面と摺動可能な第六面と、を有した、第一摩擦要素と、
前記第二回転要素と一体に前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記第二面に対して前記他方向側に位置し前記第二面と摺動可能な第七面と、前記第四面に対して前記他方向側に位置し前記第四面と摺動可能な第八面と、を有した、第二摩擦要素と、
前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との一方と前記壁部との間に介在し、前記第一面と前記第五面とを互いに押し付けるとともに、前記第二面と前記第七面とを互いに押し付ける第三弾性要素と、
を備えた、ダンパ。
【請求項2】
前記第三弾性要素は、前記壁部と接触した第一端部と、前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との前記一方と接触した第二端部と、を有し、
前記第二端部は、前記第一面、前記第二面、前記第五面、および前記第七面と、前記軸方向に並んだ、請求項1に記載のダンパ。
【請求項3】
前記第一回転要素は、前記第一摩擦要素における前記回転中心の径方向の位置決めと前記第二摩擦要素の前記径方向の位置決めとを行う、請求項1に記載のダンパ。
【請求項4】
前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との前記一方には、当該一方における前記壁部側の面から前記壁部と離間する方向に凹み、前記第三弾性要素が入れられた凹部が設けられた、請求項1~3のうちいずれか一つに記載のダンパ。
【請求項5】
前記第三面と前記第六面との間に隙間が有る状態と、前記第三面と前記第六面とが接触した状態と、に変化可能であるとともに、前記第四面と前記第八面との間に隙間が有る状態と、前記第四面と前記第八面とが接触した状態と、に変化可能である、
請求項1に記載のダンパ。
【請求項6】
前記第一摩擦要素は、前記径方向の外方を向く第九面を有し、
前記第二摩擦要素は、前記径方向の外方を向く第十面を有し、
前記第一回転要素は、前記第九面と接触して前記第一摩擦要素の前記径方向の位置決めを行う第一内周部と、前記第十面と接触して前記第二摩擦要素の前記径方向の位置決めを行う第二内周部と、を有した、
請求項3に記載のダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第一回転要素と、第二回転要素と、第三回転要素と、第一回転要素と第二回転要素との軸方向の位置決め用部材(摩擦要素および皿ばね)と、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決め用部材(摩擦要素および皿ばね)と、を備えたダンパが、知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のダンパは、第一回転要素と第二回転要素との軸方向の位置決めと、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めとを別々の位置決め用部材で行うため、部品点数が多く構成が複雑化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、第一回転要素と第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めのための構成の簡素化をすることが可能な新規なダンパを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のダンパは、回転中心回りに回転可能に設けられ、前記回転中心の軸方向における一方向を向く第一面と、前記第一面の前記一方向側に位置し、前記一方向の反対の他方向を向く第二面と、を有した、第一回転要素と、前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記軸方向において前記第一面と前記第二面との間に位置した壁部を有した、第二回転要素と、前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記軸方向において前記壁部と前記第一面との間に位置した第三面と、前記軸方向において前記壁部と前記第二面との間に位置した第四面と、を有した、第三回転要素と、前記第一回転要素と前記第三回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、前記第二回転要素と前記第三回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、前記第二回転要素と一体に前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記第一面に対して前記一方向側に位置し前記第一面と摺動可能な第五面と、前記第三面に対して前記一方向側に位置し前記第三面と摺動可能な第六面と、を有した、第一摩擦要素と、前記第二回転要素と一体に前記回転中心回りに回転可能に設けられ、前記第二面に対して前記他方向側に位置し前記第二面と摺動可能な第七面と、前記第四面に対して前記他方向側に位置し前記第四面と摺動可能な第八面と、を有した、第二摩擦要素と、前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との一方と前記壁部との間に介在し、前記第一面と前記第五面とを互いに押し付けるとともに、前記第二面と前記第七面とを互いに押し付ける第三弾性要素と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、第三弾性要素が、第一回転要素の第一面と第一摩擦要素の第五面とを互いに押し付けるとともに、第一回転要素の第二面と第二摩擦要素の第七面とを互いに押し付けることにより、第一面と第五面とが接触し、第二面と第七面とが接触する。これにより、第一回転要素と第二回転要素との軸方向の相対的な位置決めがなされる。また、第三回転要素の第三面と第一摩擦要素の第六面とが軸方向に接触したり、第三回転要素の第四面と第二摩擦要素の第八面とが軸方向に接触したりすることにより、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の相対的な位置決めがなされる。すなわち、上記構成では、第一摩擦要素、第二摩擦要素、および第三弾性要素が、第一回転要素と第二回転要素との軸方向の位置決めと、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めとに共用される。よって、上記構成によれば、第一摩擦要素、第二摩擦要素、および第三弾性要素が、第一回転要素と第二回転要素との軸方向の位置決めと、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めとに共用されない構成に比べて、第一回転要素と第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めのための構成の部品点数を減らすことができる。よって、第一回転要素と第二回転要素と第三回転要素との軸方向の位置決めのための構成の簡素化を行うことができる。
【0008】
前記ダンパでは、例えば、前記第三弾性要素は、前記壁部と接触した第一端部と、前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との前記一方と接触した第二端部と、を有し、前記第二端部は、前記第一面、前記第二面、前記第五面、および前記第七面と、前記軸方向に並んでいる。
【0009】
このような構成によれば、第三弾性要素の第二端部が、第一面、第二面、第五面、および第七面と、軸方向に並んでいるので、第一面と第五面との面圧と、第二面と第七面との面圧とを均一化しやすい。よって、第一回転要素と第二回転要素との間の摩擦トルク(具体的には、第一摩擦要素および第二摩擦要素と、第二回転要素との間の摩擦トルク)を安定化させることができる。
【0010】
前記ダンパでは、例えば、前記第一回転要素は、前記第一摩擦要素における前記回転中心の径方向の位置決めと前記第二摩擦要素の前記径方向の位置決めとを行う。
【0011】
このような構成によれば、第一摩擦要素と第二摩擦要素との径方向の位置決めが別々の部材の場合の構成に比べて、第一摩擦要素と第二摩擦要素との径方向の相対的な位置精度が向上する。
【0012】
前記ダンパでは、例えば、前記第一摩擦要素と前記第二摩擦要素との前記一方には、当該一方における前記壁部側の面から前記壁部と離間する方向に凹み、前記第三弾性要素が入れられた凹部が設けられている。
【0013】
このような構成によれば、凹部が設けられていない構成に比べて、ダンパの軸方向の厚さを薄くすることができる。
【0014】
前記ダンパは、例えば、前記第三面と前記第六面との間に隙間が有る状態と、前記第三面と前記第六面とが接触した状態と、に変化可能であるとともに、前記第四面と前記第八面との間に隙間が有る状態と、前記第四面と前記第八面とが接触した状態と、に変化可能である。
【0015】
このような構成によれば、第三回転要素の第三面と第一摩擦要素の第六面とが軸方向に接触したり、第三回転要素の第四面と第二摩擦要素の第八面とが軸方向に接触したりすることにより、第二回転要素と第三回転要素との軸方向の相対的な位置決めをすることができる。
【0016】
前記ダンパでは、例えば、前記第一摩擦要素は、前記径方向の外方を向く第九面を有し、前記第二摩擦要素は、前記径方向の外方を向く第十面を有し、前記第一回転要素は、前記第九面と接触して前記第一摩擦要素の前記径方向の位置決めを行う第一内周部と、前記第十面と接触して前記第二摩擦要素の前記径方向の位置決めを行う第二内周部と、を有する。
【0017】
このような構成によれば、第一回転要素の第一内周部および第二内周部によって、第一摩擦要素および第二摩擦要素の径方向の位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態のダンパの軸方向から見た例示的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0020】
なお、以下の説明では、便宜上、エンジン(不図示)に近い方をフロントと称し、エンジンから遠い方をリヤと称している。以下の説明におけるフロントおよびリヤは、車載状態における前後とは必ずしも一致しない。
【0021】
また、以下では、回転中心Axの軸方向を、単に軸方向と称し、回転中心Axの径方向を、単に径方向と称し、回転中心Axの周方向を、単に周方向と称する。回転中心Axは、中心軸とも称される。
【0022】
図1は、実施形態のダンパ1の軸方向から見た例示的な正面図である。
図2は、
図1のII-II断面図である。
図3は、
図1のIII-III断面図である。
【0023】
図1~
図3に示されるように、ダンパ1は、ドライブプレート10、ドリブンプレート20、および中間プレート30を備えている。ドライブプレート10、ドリブンプレート20、および中間プレート30は、それぞれ独立して回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。言い換えると、ドライブプレート10、ドリブンプレート20、および中間プレート30は、互いに相対回転可能である。また、ドライブプレート10、ドリブンプレート20、および中間プレート30は、例えば、鉄系材料等の金属材料で構成されている。ドライブプレート10は、第一回転要素の一例であり、ドリブンプレート20は、第二回転要素の一例であり、中間プレート30は、第三回転要素の一例である。なお、ドライブプレート10は、アウタプレートや入力部材とも称され、ドリブンプレート20は、インナプレートや出力部材とも称されうる。
【0024】
図1に示されるように、ドライブプレート10は、中央部10aと、複数のドライブアーム10bと、周縁部10cと、を有している。中央部10aは、ドライブプレート10の径方向の内側に位置し、中央部10aの形状は、回転中心Axを中心とする円環状である。ドライブアーム10bは、中央部10aから径方向外方に向けて突出し、中央部10aと周縁部10cとの間で架け渡されている。本実施形態では、複数のドライブアーム10bは、周方向に間隔をあけて設けられている。
【0025】
また、ドライブプレート10は、複数の部材によって構成されている。具体的には、
図2および
図3に示されるように、ドライブプレート10は、フロントプレート11と、リヤプレート12と、を有している。フロントプレート11およびリヤプレート12は、接続部材14(
図3)によって一体に結合されている。接続部材14は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよいし、シャフト等であってもよい。なお、フロントプレート11およびリヤプレート12は、接続部材14を用いずに、溶接や接着等によって結合されてもよい。
【0026】
フロントプレート11は、エンジンとリヤプレート12との間に位置している。言い換えると、リヤプレート12は、フロントプレート11に対してエンジンの反対側に位置している。フロントプレート11およびリヤプレート12の形状は、回転中心Ax(軸方向)と交差する(直交する)板状である。
【0027】
ドリブンプレート20は、ハブ21と、フランジ22と、複数のドリブンアーム23と、を有している。フランジ22は、壁部の一例である。
【0028】
ハブ21の形状は、回転中心Axを中心とした円筒状である。ドリブンプレート20の径方向の内側に位置している。
【0029】
フランジ22は、ハブ21から径方向外方に突出している。フランジ22は、ドライブプレート10のフロントプレート11とリヤプレート12との間に位置している。フランジ22の形状は、回転中心Ax(軸方向)と交差する(直交する)板状である。
【0030】
複数のドリブンアーム23は、フランジ22から径方向外方に突出している。複数のドリブンアーム23は、周方向に互いに間隔をあけて設けられている。ドライブアーム10bとドリブンアーム23とは、軸方向に重なっている。
【0031】
中間プレート30は、中央部30aと、複数の中間アーム30bと、を有している。中央部30aは、中間プレート30の径方向の内側に位置し、中央部30aの形状は、回転中心Axを中心とする円環状である。中間アーム30bは、中央部30aから径方向外方に向けて突出している。本実施形態では、複数の中間アーム30bは、周方向に間隔をあけて設けられている。
【0032】
また、中間プレート30は、複数の部材によって構成されている。具体的には、中間プレート30は、第一中間プレート31と、第二中間プレート32と、を有している。第一中間プレート31と第二中間プレート32とは、接続部材33(
図3)によって一体に結合されている。接続部材33は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよいし、シャフト等であってもよい。
【0033】
第一中間プレート31は、ドライブプレート10のフロントプレート11と、ドリブンプレート20のハブ21との間に位置している。また、第二中間プレート32は、ドライブプレート10のリヤプレート12と、ドリブンプレート20のハブ21との間に位置している。第一中間プレート31および第二中間プレート32の形状は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。
【0034】
また、ドリブンプレート20のフランジ22の軸方向の両側には、円筒状の第一摩擦要素61および円筒状の第二摩擦要素62が設けられている。第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は、いずれも、ドライブプレート10とドリブンプレート20とが相対的に回転する際にそれらの間に摺動抵抗を与える。本実施形態では、第一摩擦要素61は、ドリブンプレート20と一体に回転可能に設けられるとともに、リヤプレート12と摺動可能に設けられている。第一摩擦要素61は、例えば、第一摩擦要素61とドリブンプレート20のフランジ22との一方に設けられた凹部と、第一摩擦要素61とドリブンプレート20のフランジ22との他方に設けられた凸部と、の嵌め合いによって、ドリブンプレート20に結合されている。また、第二摩擦要素62は、ドリブンプレート20と一体に回転可能に設けられるとともに、フロントプレート11と摺動可能に設けられている。第二摩擦要素62は、例えば、第二摩擦要素62とドリブンプレート20のフランジ22との一方に設けられた凹部と、第二摩擦要素62とドリブンプレート20のフランジ22との他方に設けられた凸部と、の嵌め合いによって、ドリブンプレート20に結合されている。
【0035】
第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は、例えば、合成樹脂材料によって構成されている。
【0036】
また、第一摩擦要素61とドリブンプレート20との間には、皿ばね71が介在している。
【0037】
図1に示されるように、ダンパ1は、複数の第一コイルスプリング41および複数の第二コイルスプリング42を備えている。第一コイルスプリング41および第二コイルスプリング42は、ドライブアーム10bおよびドリブンアーム23と中間アーム30bとの間に介在している。
【0038】
第一コイルスプリング41および第二コイルスプリング42は、それぞれ周方向(接線方向)に略沿って延びている。第一コイルスプリング41は、ドライブアーム10bおよびドリブンアーム23に対しては
図1の時計回り方向に隣接して位置するとともに、中間アーム30bに対しては
図1の反時計回り方向に隣接して位置している。また、第二コイルスプリング42は、ドライブアーム10bおよびドリブンアーム23に対しては
図1の反時計回り方向に隣接して位置するとともに、中間アーム30bに対しては
図1の時計回り方向に隣接して位置している。第一コイルスプリング41および第二コイルスプリング42は、周方向に交互に配置されている。第一コイルスプリング41は、第一弾性要素の一例であり、第二コイルスプリング42は、第二弾性要素の一例である。第一弾性要素および第二弾性要素は、コイルスプリングには限定されず、例えばエラストマのような他の弾性要素であってもよい。
【0039】
ダンパ1の正転方向が時計回り方向である場合、加速時には、ドライブプレート10とドリブンプレート20との相対的な捩れによって、ドライブアーム10bと中間アーム30bとが第一コイルスプリング41を弾性的に圧縮するとともに、中間アーム30bとドリブンアーム23とが第二コイルスプリング42を弾性的に圧縮する。他方、減速時には、ドライブプレート10とドリブンプレート20との相対的な捩れによって、ドライブアーム10bと中間アーム30bとが第二コイルスプリング42を弾性的に圧縮するとともに、中間アーム30bとドリブンアーム23とが第一コイルスプリング41を弾性的に圧縮する。加速時の捩れ状態は、ドライブプレート10がドリブンプレート20に対する中立位置(捩れていない位置、捩れ角が0である位置)から相対的に正転方向に捩れている状態であり、本明細書では、この状態をダンパ1の正捩れ状態とする。他方、減速時の捩れ状態は、ドライブプレート10がドリブンプレート20に対する中立位置から相対的に逆転方向(正転方向の反対方向)に捩れている状態であり、本明細書では、この状態をダンパ1の逆捩れ状態とする。
【0040】
また、第一コイルスプリング41および第二コイルスプリング42のそれぞれの長手方向(巻回軸方向、ダンパ1の周方向)の両端と、ドライブアーム10b、ドリブンアーム23、および中間アーム30bとの間には、シート部材43が介在している。シート部材43は、リテーナとも称されうる。
【0041】
次に、ドライブプレート10、ドリブンプレート20、および中間プレート30の位置決め構造について説明する。
【0042】
図4は、
図2のIV部の拡大図である。
図4に示されるように、ドライブプレート10は、摩擦面10faと、摩擦面10fbと、を有する。摩擦面10faは、第一面の一例であり、摩擦面10fbは、第二面の一例である。摩擦面10faは、リヤプレート12に設けられ、回転中心Axの軸方向における一方向D1を向く。摩擦面10faは、回転中心Ax回りの円環状に形成されている。摩擦面10fbは、フロントプレート11に設けられ、摩擦面10faの一方向D1側に位置している。摩擦面10fbは、軸方向の一方向D1の反対の他方向D2を向く。摩擦面10fbは、回転中心Ax回りの円環状に形成されている。摩擦面10faと摩擦面10fbとは、軸方向に対向している。すなわち、摩擦面10faと摩擦面10fbとは、軸方向に並んでいる。摩擦面10faと摩擦面10fbとの間にドリブンプレート20のフランジ22が位置している。
【0043】
また、ドリブンプレート20は、面20fa,20fbを有する。面20fa,20fbは、フランジ22に設けられている。面20faは、他方向D2を向き、面20fbは、一方向D1を向いている。
【0044】
中間プレート30は、接触面30faと、接触面30fbと、を有する。接触面30faは、第三面の一例であり、接触面30fbは、第四の一例である。接触面30faは、軸方向においてフランジ22と摩擦面10faとの間に位置し、一方向D1を向いている。接触面30fbは、軸方向においてフランジ22と摩擦面10fbとの間に位置し、他方向D2を向いている。
【0045】
第一摩擦要素61は、摩擦面61faと、接触面61fbと、を有する。摩擦面61faは、第五面の一例であり、接触面61fbは、第六面の一例である。摩擦面61faは、ドライブプレート10の摩擦面10faに対して一方向D1側に位置し、他方向D2を向いている。摩擦面61faは、摩擦面10faと接触している。摩擦面61faは、摩擦面10faと摺動可能である。接触面61fbは、中間プレート30の接触面30faに対して一方向D1側に位置し、他方向D2を向いている。接触面61fbは、接触面30faと接触可能である。接触面61fbは、接触面30faと摺動可能である。
【0046】
また、第一摩擦要素61は、面61fc,61fd,61feを有する。面61fcは、一方向D1を向き、中間プレート30のフランジ22の面20faと間隔をあけて対向している。面61fdは、径方向外側を向き、ドライブプレート10のリヤプレート12の内周部12aと接触している。内周部12aは、例えば、円筒面である。これにより、ドライブプレート10のリヤプレート12の内周部12aによって第一摩擦要素61の径方向の位置決めがなされる。面61fdは、第九面の一例であり、内周部12aは、第一内周部の一例である。面61feは、径方向外側を向き、中間プレート30の第二中間プレート32の内周部を支持し、第二中間プレート32ひいては中間プレート30の径方向の位置決めをする。
【0047】
また、面61fcには、凹部61aが設けられている。凹部61aは、面61fcからフランジ22と離間する方向すなわち他方向D2に凹んでいる。面61cは、第一摩擦要素61のフランジ22側の面の一例である。
【0048】
第二摩擦要素62は、摩擦面62faと、接触面62fbと、を有する。摩擦面62faは、第七面の一例であり、接触面62fbは、第八面の一例である。摩擦面62faは、ドライブプレート10の摩擦面10fbに対して他方向D2側に位置し、一方向D1を向いている。摩擦面62faは、摩擦面10fbと接触している。摩擦面62faは、摩擦面10fbと摺動可能である。接触面62fbは、中間プレート30の接触面30fbに対して他方向D2側に位置し、一方向D1を向いている。接触面62fbは、接触面30fbと接触可能である。接触面62fbは、接触面30fbと摺動可能である。
【0049】
また、第二摩擦要素62は、面62fc,62fd,62feを有する。面62fcは、他方向D2を向き、中間プレート30のフランジ22の面20fbと対向している。面62ffcは、面20fbと接触している。面62fdは、径方向外側を向き、ドライブプレート10のフロントプレート11の内周部11aと接触している。内周部11aは、例えば、円筒面である。これにより、ドライブプレート10のフロントプレート11の内周部11aによって第二摩擦要素62の径方向の位置決めがなされる。内周部11aは、第二内周部の一例である。面62feは、径方向外側を向き、中間プレート30の第一中間プレート31の内周部を支持し、第一中間プレート31ひいては中間プレート30の径方向の位置決めをする。
【0050】
皿ばね71は、第一摩擦要素61とフランジ22との間に介在している。皿ばね71は、回転中心Ax回りの円環状である。皿ばね71は、他方向D2に向かうにつれて直径が徐々に拡大する円錐形状を有している。皿ばね71は、第一端部71aと、第二端部71bと、を有する。第一端部71aは、内周側の端部(縁部)であり、ドリブンプレート20のフランジ22の面20faと接触している。第二端部71bは、外周側の端部(縁部)であり、第一摩擦要素61の凹部61aに入れられている。すなわち、皿ばね71は、少なくとも一部が凹部61aに収容されている。凹部61aは、収容部とも称される。第二端部71bは、第一摩擦要素61における凹部61aを形成する面61bと接触している。第二端部71bは、摩擦面10fa、摩擦面10fb、摩擦面61fa、および摩擦面62faと、軸方向に並んでいる。換言すると、第二端部71bは、第一摩擦要素61を介して摩擦面10faと軸方向に重ねられているとともに、第二摩擦要素62を介して摩擦面10fbと軸方向に重ねられている。第二端部71bの径方向の位置は、摩擦面10faと摩擦面61faとの重なり部との径方向の位置の範囲E1内であり、摩擦面10fbと摩擦面62faとの重なり部の径方向の位置の範囲E2内である。皿ばね71は、第三弾性要素の一例である。皿ばね71は、例えばばね鋼のような鉄系の金属材料によって構成されうる。
【0051】
皿ばね71は、摩擦面10faと摩擦面61faとを互いに押し付けるとともに、摩擦面10fbと摩擦面62faとを互いに押し付ける。これにより、摩擦面10faと摩擦面61faとの間に摩擦力が発生し、摩擦面10fbと摩擦面62faとの間に摩擦力が発生する。
【0052】
上記構成において、皿ばね71が、ドライブプレート10の摩擦面10faと第一摩擦要素61の摩擦面61faとを互いに押し付けるとともに、ドライブプレート10の摩擦面10fbと第二摩擦要素62の摩擦面62faとを互いに押し付けることにより、摩擦面10faと摩擦面61faとが接触し、摩擦面10fbと摩擦面62faとが接触する。これにより、ドライブプレート10とドリブンプレート20との軸方向の相対的な位置決めがなされる。ここで、中間プレート30と、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62とは、軸方向に相対移動可能である。これにより、ダンパ1は、接触面30faと接触面61fbの間に隙間が有る状態(
図4)、すなわち接触面30faと接触面61fbとが離間した状態(
図4)と、接触面30faと接触面61fbとが接触した状態と、に変化可能である。また、ダンパ1は、接触面30fbと接触面62fbとの間に隙間が有る状態(
図4)、すなわち接触面30fbと接触面62fbとが離間した状態と、接触面60fbと接触面62fbとが接触した状態と、に変化可能である。そして、中間プレート30の接触面30faと第一摩擦要素61の接触面61fbとが軸方向に接触したり、中間プレート30の接触面30fbと第二摩擦要素62の接触面62fbとが軸方向に接触したりすることにより、ドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の相対的な位置決めがなされる。
【0053】
このとき、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62とがドライブプレート10と摺動して摩耗すると、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は少なくとも一部が軸方向に薄くなる。このとき、皿ばね71が第一摩擦要素61と中間プレート30のフランジ22との間に介在しているので、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は、軸方向に互いに離間するように少なくとも一部が軸方向に薄くなる。具体的には、第一摩擦要素61では、摩擦面61faと面61fcとの間の部分が軸方向に薄くなり、第二摩擦要素62では、摩擦面62faと面62fcとの間の部分が軸方向に薄くなる。これにより、第一摩擦要素61の接触面61fbと第二摩擦要素62の接触面62fbとの間隔が狭くなることが抑制される。すなわち、中間プレート30の第二中間プレート32と第一摩擦要素61との間のガタツキと、中間プレート30の第一中間プレート31と第二摩擦要素62との間のガタツキとが小さくなるように、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62が摩耗する。
【0054】
以上のように、本実施形態では、ダンパ1は、ドライブプレート10(第一回転要素)と、ドリブンプレート20(第二回転要素)と、中間プレート30(第三回転要素)と、第一コイルスプリング41(第一弾性要素)と、第二コイルスプリング42(第二弾性要素)と、第一摩擦要素61と、第二摩擦要素62と、皿ばね71(第三弾性要素)と、を備える。ドライブプレート10は、回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。ドライブプレート10は、回転中心Axの軸方向における一方向D1を向く摩擦面10fa(第一面)と、摩擦面10faの一方向D1側に位置し、一方向D1の反対の他方向D2を向く摩擦面10fb(第二面)と、を有する。ドリブンプレート20は、回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。ドリブンプレート20は、軸方向において摩擦面10faと摩擦面10fbとの間に位置したフランジ22(壁部)を有する。中間プレート30は、回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。中間プレート30は、軸方向においてフランジ22と摩擦面10faとの間に位置した接触面30fa(第三面)と、軸方向においてフランジ22と摩擦面10fbとの間に位置した接触面30fb(第四面)と、を有する。第一コイルスプリング41は、ドライブプレート10と中間プレート30との間に介在して回転中心Axの周方向に弾性的に伸縮する。第二コイルスプリング42は、ドリブンプレート20と中間プレート30との間に介在して回転中心Axの周方向に弾性的に伸縮する。第一摩擦要素61は、ドリブンプレート20と一体に回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。第一摩擦要素61は、摩擦面10faに対して一方向D1側に位置し摩擦面10faと摺動可能な摩擦面61fa(第五面)と、接触面30faに対して一方向D1側に位置し接触面30faと摺動可能な接触面61fb(第六面)と、を有する。第二摩擦要素62は、ドリブンプレート20と一体に回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。第二摩擦要素62は、摩擦面10fbに対して他方向D2側に位置し摩擦面10fbと摺動可能な摩擦面62fa(第七面)と、接触面30fbに対して他方向D2側に位置し接触面30fbと摺動可能な接触面62fb(第八面)と、を有する。皿ばね71は、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62との一方(一例として、第一摩擦要素61)とフランジ22との間に介在し、摩擦面10faと摩擦面61faとを互いに押し付けるとともに、摩擦面10fbと摩擦面62faとを互いに押し付ける。
【0055】
このような構成によれば、皿ばね71が、ドライブプレート10の摩擦面10faと第一摩擦要素61の摩擦面61faとを互いに押し付けるとともに、ドライブプレート10の摩擦面10fbと第二摩擦要素62の摩擦面62faとを互いに押し付けることにより、摩擦面10faと摩擦面61faとが接触し、摩擦面10fbと摩擦面62faとが接触する。これにより、ドライブプレート10とドリブンプレート20との軸方向の相対的な位置決めがなされる。また、中間プレート30の接触面30faと第一摩擦要素61の接触面61fbとが軸方向に接触したり、中間プレート30の接触面30fbと第二摩擦要素62の接触面62fbとが軸方向に接触したりすることにより、ドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の相対的な位置決めがなされる。すなわち、上記構成では、第一摩擦要素61、第二摩擦要素62、および皿ばね71が、ドライブプレート10とドリブンプレート20との軸方向の位置決めと、ドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の位置決めとに共用される。よって、上記構成によれば、第一摩擦要素61、第二摩擦要素62、および皿ばね71が、ドライブプレート10とドリブンプレート20との軸方向の位置決めと、ドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の位置決めとに共用されない構成に比べて、ドライブプレート10とドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の位置決めのための構成の部品点数を減らすことができる。よって、ドライブプレート10とドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の位置決めのための構成の簡素化を行うことができる。
【0056】
また、上記構成において、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62とがドライブプレート10と摺動して摩耗すると、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は少なくとも一部が軸方向に薄くなる。このとき、皿ばね71が第一摩擦要素61と中間プレート30のフランジ22との間に介在しているので、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62は、軸方向に互いに離間するように少なくとも一部が軸方向に薄くなる。具体的には、第一摩擦要素61では、摩擦面61faと面61fcとの間の部分が軸方向に薄くなり、第二摩擦要素62では、摩擦面62faと面62fcとの間の部分が軸方向に薄くなる。これにより、第一摩擦要素61の接触面61fbと第二摩擦要素62の接触面62fbとの間隔が狭くなることが抑制される。すなわち、中間プレート30の第二中間プレート32と第一摩擦要素61との間のガタツキと、中間プレート30の第一中間プレート31と第二摩擦要素62との間のガタツキとが小さくなるように、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62が摩耗する。よって、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62が摩耗した場合でも、ドリブンプレート20と中間プレート30との間にガタツキが発生するのを抑制することができる。よって、ダンパ1の動作が安定する。
【0057】
また、皿ばね71は、フランジ22と接触した第一端部71aと、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62との一方と接触した第二端部71bと、を有する。第二端部71bは、摩擦面10fa、摩擦面10fb、摩擦面61fa、および摩擦面62faと、軸方向に並んでいる。
【0058】
このような構成によれば、皿ばね71の第二端部71bが、摩擦面10fa、摩擦面10fb、摩擦面61fa、および摩擦面62faと、軸方向に並んでいるので、摩擦面10faと摩擦面61faとの面圧と、摩擦面10fbと摩擦面62faとの面圧とを均一化しやすい。よって、ドライブプレート10とドリブンプレート20との間の摩擦トルク(具体的には、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62と、ドリブンプレート20との間の摩擦トルク)を安定化させることができる。
【0059】
また、ドライブプレート10は、第一摩擦要素61の軸方向の位置決めと第二摩擦要素62の軸方向の位置決めとを行う。
【0060】
このような構成によれば、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62との径方向の位置決めが別々の部材の場合の構成に比べて、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62との径方向の相対的な位置精度が向上する。
【0061】
また、第一摩擦要素61と第二摩擦要素62との一方(一例として、第一摩擦要素61)には、当該一方におけるフランジ22側の面61fcからフランジ22と離間する方向に凹み、皿ばね71が入れられた凹部61aが設けられている。
【0062】
このような構成によれば、凹部61aが設けられていない構成に比べて、ダンパ1の軸方向の厚さを薄くすることができる。
【0063】
また、ダンパ1は、接触面30faと接触面61fbの間に隙間が有る状態と、接触面30faと接触面61fbとが接触した状態と、に変化可能であるとともに、接触面30fbと接触面62fbとの間に隙間が有る状態と、接触面60fbと接触面62fbとが接触した状態と、に変化可能である。
【0064】
このような構成によれば、中間プレート30の接触面30faと第一摩擦要素61の接触面61fbとが軸方向に接触したり、中間プレート30の接触面30fbと第二摩擦要素62の接触面62fbとが軸方向に接触したりすることにより、ドリブンプレート20と中間プレート30との軸方向の相対的な位置決めをすることができる。
【0065】
また、第一摩擦要素61は、径方向の外方を向く面61fd(第九面)を有する。第二摩擦要素62は、径方向の外方を向く面62fd(第十面)を有する。ドライブプレート10は、面61fdと接触して第一摩擦要素61の径方向の位置決めを行う内周部12a(第一内周部)と、面62fdと接触して第二摩擦要素62の径方向の位置決めを行う内周部11a(第二内周部)と、を有する。
【0066】
このような構成によれば、ドライブプレート10の内周部12aおよび内周部11aによって、第一摩擦要素61および第二摩擦要素62の径方向の位置決めを行うことができる。
【0067】
なお、上記実施形態では、皿ばね71が、第一摩擦要素61とフランジ22との間に介在した例が示されたが、これに限定されない。例えば、皿ばね71は、第二摩擦要素62とフランジ22との間に介在してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、凹部61aが設けられた例が示されたが、これに限定されない。例えば、凹部61aは設けられていなくてもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、高さ、数、配置、位置等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…ダンパ
10…ドライブプレート(第一回転要素)
10fa…摩擦面(第一面)
10fb…摩擦面(第二面)
11a…内周部(第二内周部)
12a…内周部(第一内周部)
20…ドリブンプレート(第二回転要素)
22…フランジ(壁部)
30…中間プレート(第三回転要素)
30fa…接触面(第三面)
30fb…接触面(第四面)
41…第一コイルスプリング(第一弾性要素)
42…第二コイルスプリング(第二弾性要素)
61…第一摩擦要素
61a…凹部
61fa…摩擦面(第五面)
61fb…接触面(第六面)
61fd…面(第九面)
62…第二摩擦要素
62fa…摩擦面(第七面)
62fb…接触面(第八面)
62fd…面(第十面)
71…皿ばね(第三弾性要素)
71a…第一端部
71b…第二端部
Ax…回転中心
D1…一方向
D2…他方向