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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241008BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241008BHJP
   G06T 7/80 20170101ALI20241008BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06T7/00 650Z
G06T7/80
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023570736
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2022043577
(87)【国際公開番号】W WO2023127364
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2021213136
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 良太
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0193643(US,A1)
【文献】特開2021-124633(JP,A)
【文献】特表2020-532800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00- 7/90
G06V 10/00-20/90、30/418、
40/16、40/20
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(3)とセンター(5)とを含み、前記センターから情報活用者に提供する情報を管理するように構成された情報管理システム(1)であって、
前記車両は、
前記車両が備える、ランドマーク(L1、L2、L3)を認識可能なキャプチャ装置(22)を用いて外界情報(23)を取得するように構成された外界情報取得ユニット(19)と、
前記車両の位置を表す位置情報(27)を取得するように構成された位置情報取得ユニット(15)と、
前記外界情報及び前記外界情報を取得したときの前記位置情報を含む車両情報(29)を前記センターに送信するように構成された車両情報送信ユニット(13)と、を備え、
前記センターは、
前記車両情報送信ユニットにより送信された前記車両情報を受信するように構成された車両情報受信ユニット(47)と、
前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる、前記ランドマークを表す前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記ランドマークの位置を記録した地図情報データベース(45)を用いて、演算により前記キャプチャ装置のキャリブレーション情報(25)を取得するように構成されたキャリブレーション情報取得ユニット(49)と、
前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記車両情報に基づき前記キャリブレーション情報取得ユニットにより取得された前記キャリブレーション情報を記録する記録部(43)と、
前記キャリブレーション情報を、前記キャリブレーション情報の取得に用いられた前記車両情報の送信元である前記車両に送信するように構成されたキャリブレーション情報送信ユニット(47)と、
を備え、
前記車両は、前記キャリブレーション情報送信ユニットにより送信された前記キャリブレーション情報を受信するように構成されたキャリブレーション情報受信ユニット(13)をさらに備え、
前記キャリブレーション情報受信ユニットが前記キャリブレーション情報を受信した後、前記車両情報送信ユニットは、前記車両情報に加えて前記キャリブレーション情報を前記センターに送信するように構成された、
情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報管理システムであって、
前記キャリブレーション情報取得ユニットは、前記キャリブレーション情報取得ユニットとして機能するコンピュータ(41)のリソースが不足しているか否かを判断し、前記リソースが不足していないと判断した場合に、演算により前記キャリブレーション情報を取得するように構成された、
情報管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報管理システムであって、
前記キャリブレーション情報取得ユニットは、前記情報活用者から情報の提供を要求されたときに前記キャリブレーション情報を取得するように構成された、
情報管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報管理システムであって、
前記キャリブレーション情報取得ユニットは、同一の前記車両から受信した複数の前記車両情報のそれぞれについて前記キャリブレーション情報を取得し、取得した複数の前記キャリブレーション情報の平均値を前記キャリブレーション情報として採用するように構成された、
情報管理システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記キャプチャ装置と接続される第1のECU(11)、前記センターとの通信を行う通信機を有する第2のECU(7)、及び車両内ネットワークの中継機能を有する第3のECU(9)を備え、
前記第1のECUは、前記外界情報取得ユニットとして機能し、
前記第2のECUは、前記位置情報取得ユニット及び前記車両情報送信ユニットとして機能し、
前記第3のECUは、前記外界情報を収集し、前記第2のECUへ配信するように構成された、
情報管理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記キャプチャ装置と接続される第1のECU(11)、前記センターとの通信を行う通信機を有する第2のECU(7)、及び車両内ネットワークの中継機能を有する第3のECU(9)を備え、
前記第1のECUは、前記外界情報取得ユニットとして機能し、
前記第2のECUは、前記位置情報取得ユニット及び前記車両情報送信ユニットとして機能し、
前記第3のECUは、前記外界情報を収集し、前記第2のECUへ配信するように構成された、
情報管理システム。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記キャプチャ装置と接続される第1のECU(11)、第2のECU(7)、及び前記センターとの通信を行う通信機を有する第3のECU(9)を備え、
前記第1のECUは、前記外界情報取得ユニットとして機能し、
前記第2のECUは、前記位置情報取得ユニットとして機能し、
前記第3のECUは、前記外界情報及び前記位置情報を収集し、前記車両情報送信ユニットとして機能する、
情報管理システム。
【請求項8】
請求項4に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記キャプチャ装置と接続される第1のECU(11)、第2のECU(7)、及び前記センターとの通信を行う通信機を有する第3のECU(9)を備え、
前記第1のECUは、前記外界情報取得ユニットとして機能し、
前記第2のECUは、前記位置情報取得ユニットとして機能し、
前記第3のECUは、前記外界情報及び前記位置情報を収集し、前記車両情報送信ユニットとして機能する、
情報管理システム。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記センターとの通信を行う通信機を有しかつ前記キャプチャ装置と接続されるECU(7)であって、前記外界情報取得ユニット、前記位置情報取得ユニット、及び前記車両情報送信ユニットとして機能する1つのECUを備える、
情報管理システム。
【請求項10】
請求項に記載の情報管理システムであって、
前記車両は、前記センターとの通信を行う通信機を有しかつ前記キャプチャ装置と接続されるECU(7)であって、前記外界情報取得ユニット、前記位置情報取得ユニット、及び前記車両情報送信ユニットとして機能する1つのECUを備える、
情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本国際出願は、2021年12月27日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2021-213136号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2021-213136号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、情報管理システム、センター、情報管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1にカメラキャリブレーション装置が開示されている。このカメラキャリブレーション装置は、車両の前方に配置したチェッカーボードを基準として、車載カメラのキャリブレーションを行う。
【0004】
特許文献2に車載カメラの較正方法が開示されている。この較正方法では、車載カメラを用いて取得した画像内の既知の直線構造を画像認識により認識し、認識された特徴点を基準に較正を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-140262号公報
【文献】特開2013-115540号公報
【発明の概要】
【0006】
複数の車両とセンターとを含む情報管理システムにより、情報活用者に提供する情報を管理することが考えられる。センターは、複数の車両から情報を収集し、収集した情報を記録する。センターは、例えば、情報活用者に情報を提供する。情報活用者に提供する情報は、例えば、車載カメラにより取得した画像情報を含む。
【0007】
発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。情報活用者にとって、提供された画像情報に基づき、画像を撮影した地点を特定できることが好ましい。画像情報に基づき、画像を撮影した地点を特定するためには、画像を撮影したときの車両の位置情報と、車両内における車載カメラの位置や姿勢を表す情報(以下ではキャリブレーション情報とする)とが必要になる。
【0008】
各車両において、特許文献1、2に記載の方法でキャリブレーション情報を取得することは、車両のユーザにとって負担が大きい。本開示の1つの局面では、必ずしも各車両でキャリブレーション情報を取得できなくても、キャリブレーション情報を記録できる情報管理システム、センター、情報管理方法、及びプログラムを提供することが好ましい。
【0009】
本開示の1つの局面は、車両とセンターとを含み、前記センターから情報活用者に提供する情報を管理するように構成された情報管理システムである。
前記車両は、前記車両が備える、ランドマークを認識可能なキャプチャ装置を用いて外界情報を取得するように構成された外界情報取得ユニットと、前記車両の位置を表す位置情報を取得するように構成された位置情報取得ユニットと、前記外界情報及び前記外界情報を取得したときの前記位置情報を含む車両情報を前記センターに送信するように構成された車両情報送信ユニットと、を備える。
【0010】
前記センターは、前記車両情報送信ユニットにより送信された前記車両情報を受信するように構成された車両情報受信ユニットと、前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる、前記ランドマークを表す前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記ランドマークの位置を記録した地図情報データベースを用いて、演算により前記キャプチャ装置のキャリブレーション情報を取得するように構成されたキャリブレーション情報取得ユニットと、前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記車両情報に基づき前記キャリブレーション情報取得ユニットにより取得された前記キャリブレーション情報を記録する記録部と、を備える。
【0011】
本開示の1つの局面である情報管理システムは、必ずしも各車両でキャリブレーション情報を取得できなくても、キャリブレーション情報を記録できる。
本開示の別の局面は、車両から送信される車両情報を受信し、情報活用者に提供する情報を管理するように構成されたセンターである。
【0012】
前記車両情報は、前記車両が備える、ランドマークを認識可能なキャプチャ装置を用いて取得された外界情報、及び、前記外界情報を取得したときの前記車両の位置を表す位置情報を含む。
前記センターは、前記車両から送信された前記車両情報を受信するように構成された車両情報受信ユニットと、前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる、前記ランドマークを表す前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記ランドマークの位置を記録した地図情報データベースを用いて、演算により前記キャプチャ装置のキャリブレーション情報を取得するように構成されたキャリブレーション情報取得ユニットと、前記車両情報受信ユニットが受信した前記車両情報に含まれる前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記車両情報に基づき前記キャリブレーション情報取得ユニットにより取得された前記キャリブレーション情報を記録する記録部とを備える。
【0013】
本開示の別の局面であるセンターは、必ずしも各車両でキャリブレーション情報を取得できなくても、キャリブレーション情報を記録できる。
本開示の別の局面は、車両から車両情報を収集し、情報活用者に提供する情報を管理する情報管理方法である。
【0014】
前記車両情報は、前記車両が備える、ランドマークを認識可能なキャプチャ装置を用いて取得された外界情報、及び、前記外界情報を取得したときの前記車両の位置を表す位置情報を含む。収集した前記車両情報に含まれる、前記ランドマークを表す前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記ランドマークの位置を記録した地図情報データベースを用いて、演算により前記キャプチャ装置のキャリブレーション情報を取得し、収集した前記車両情報に含まれる前記外界情報及び前記位置情報、並びに、前記車両情報に基づき取得された前記キャリブレーション情報を記録部に記録する。
【0015】
本開示の別の局面である情報管理方法によれば、必ずしも各車両でキャリブレーション情報を取得できなくても、キャリブレーション情報を記録できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】情報管理システムの構成を表すブロック図である。
図2】制御部の構成を表すブロック図である。
図3】車両情報の構成を表す説明図である。
図4】データベースに記録される情報を表す説明図である。
図5】画像情報の内容を表す説明図である。
図6】車両情報送信処理を表すフローチャートである。
図7】車両情報記録処理を表すフローチャートである。
図8】キャリブレーション情報取得処理を表すフローチャートである。
図9】キャリブレーション情報を取得する方法を表す説明図である。
図10】画像座標系でのランドマークの位置を表す説明図である。
図11】車両が備えるECUの別形態を表す説明図である。
図12】車両が備えるECUの別形態を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.情報管理システム1の構成
情報管理システム1の構成を、図1図5に基づき説明する。図1に示すように、情報管理システム1は、車両3とセンター5とを含む。車両3の数は単数であってもよいし複数であってもよい。
【0018】
車両3は、ECU7、9、11を備える。ECU7は、データ送受信部13、及び自車位置測定部15として機能する。データ送受信部13は、センター5との間で情報の送受信を行う。センター5へ送信する情報として、後述する車両情報29、キャリブレーション情報25等がある。センター5から受信する情報として、キャリブレーション情報25等がある。なお、データ送受信部13は、車両情報送信ユニット及びキャリブレーション情報受信ユニットに対応する。自車位置測定部15は位置情報取得ユニットに対応する。
【0019】
自車位置測定部15は、位置情報27を取得する。位置情報27は、後述する画像データ取得部19が画像情報23を取得したときの車両3の位置を表す情報である。自車位置測定部15は、例えば、GNSS(全球測位衛星システム)を利用して位置情報27を取得する。
【0020】
ECU7の各機能は、ECU7が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、ECU7は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0021】
ECU9は、データ収集・配信部17として機能する。データ収集・配信部17は、車両情報29を構成する情報を収集し、車両情報29を作成する。また、データ収集・配信部17は、車両情報29をデータ送受信部13に配信する。
【0022】
図3に示すように、車両情報29は、画像情報23と、位置情報27と、車両識別情報31と、カメラパラメータ33と、を含む。カメラパラメータ33は、カメラ22のパラメータを表す情報である。カメラパラメータ33の内容として、例えば、後述するfx、fy、cx、cy等がある。
【0023】
車両識別情報31は、車両3を識別するために使用される情報である。車両識別情報31は、例えば、車両3のVIN(車両識別番号)、車両3の製造メーカ、車両3のモデル名、車両3の製造年、車両3の装備構成等の内容を含む情報である。
【0024】
車両情報29は、さらに他の情報を含んでいてもよい。他の情報として、例えば、車両信号、カメラ22以外のセンサが作成するセンサデータ等が挙げられる。車両信号は、例えば、車両3の速度、ドアの状態等を表す信号である。カメラ22以外のセンサとして、例えば、ライダー(Lidar)等が挙げられる。
【0025】
ECU9の機能は、ECU9が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、ECU9は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0026】
ECU11は、画像データ取得部19として機能する。画像データ取得部19は、車両3が備えるカメラ22を用いて画像情報23を取得する。画像情報23は、車両3の周辺を撮影して得られた画像24を表す情報である。画像24は、図5に示すように、ランドマークLを表す画像である。ランドマークLとして、例えば、標識、白線等が挙げられる。
【0027】
カメラ22は、例えば、先進運転システムが備えるカメラ、データ収集用のカメラ、又は、ドライブレコーダが備えるカメラである。なお、画像データ取得部19は、外界情報取得ユニットに対応する。
【0028】
カメラ22はキャプチャ装置に対応する。キャプチャ装置とは、ランドマークLを認識可能な装置である。キャプチャ装置として、カメラ22の他にも、ライダー(Lidar)等が挙げられる。ライダーは、レーダ信号をキャプチャするセンサである。
【0029】
画像情報23は、外界情報に対応する。外界情報とは、ランドマークLを認識可能な情報である。外界情報として、画像情報23の他にも、キャプチャ装置の出力に対し物体認識処理を行って得られる情報(以下では物体認識情報とする)が挙げられる。物体認識情報として、画像情報23に対し物体認識処理を行って得られる情報、ライダーの出力に対し物体認識処理を行って得られる情報等が挙げられる。
【0030】
ECU11の各機能は、ECU11が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、ECU11は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0031】
センター5は、制御部41と、データベース43と、地図情報データベース45と、を備える。制御部41は、データ送受信部47、キャリブレーション部49、及び情報提供部51として機能する。センター5及び後述する外部装置53は、例えば、クラウドコンピュータの一部である。データベース43は記録部に対応する。
【0032】
データ送受信部47は、車両3との間で情報の送受信を行う。車両3へ送信する情報として、キャリブレーション情報25等がある。車両3から受信する情報として、車両情報29、キャリブレーション情報25等がある。なお、データ送受信部47は、車両情報受信ユニット及びキャリブレーション情報送信ユニットに対応する。
【0033】
キャリブレーション部49は、キャリブレーション情報25を取得する。キャリブレーション情報25を取得する方法は後述する。なお、キャリブレーション部49及び地図情報データベース45は、キャリブレーション情報取得ユニットに対応する。
【0034】
情報提供部51は、データベース43に記録された情報の少なくとも一部を外部装置53に送信する。外部装置53に送信する情報を、以下では提供情報とする。提供情報は、車両情報29に含まれる画像情報23及び位置情報27、並びに、その車両情報29に関連付けられたキャリブレーション情報25を含む。提供情報は、例えば、画像情報23を取得した時刻を表す時刻情報をさらに含む。提供情報に含まれる位置情報27は、例えば、情報活用者が指定した地域内の位置を表す位置情報である。なお、情報提供部51は、情報提供ユニットに対応する。
【0035】
外部装置53は、情報活用者が利用可能な装置である。外部装置53に提供情報を送信することは、情報活用者に情報を提供することに対応する。情報活用者として、例えば、OEMメーカ、サードパーティー(third party)である情報活用者、個人の情報活用者等が挙げられる。サードパーティーである情報活用者は、例えば、アプリ利用者に情報を提供することができる。
【0036】
情報活用者は、例えば、提供情報を、移動経路の解析等に活用することができる。移動経路の解析を行うことで、例えば、ナビ案内や宅配サービスの経路探索アルゴリズムを改良することができる。
【0037】
情報活用者は、例えば、提供された情報を、高精度な地図の作成、道路状況のモニタリング、保険に関する業務、ストリートマップの表示、走行映像配信等に利用することができる。高精度な地図は、例えば、標識や白線等の情報が高精度に記録されている地図である。高精度な地図は、例えば、自動運転に利用することができる。
【0038】
道路状況として、例えば、渋滞、工事中、落下物の存在等が挙げられる。保険に関する業務での活用として、例えば、提供された情報に基づき、事故前後の車両挙動等を明らかにし、過失割合のエビデンスとすることが考えられる。ストリートマップは、例えば、地図と、地図の上に重畳された画像とを表示する。走行映像配信は、例えば、旅行先等の記録として一般ユーザに提供することができる。
【0039】
図2に示すように、制御部41は、CPU61と、例えば、RAM又はROM等の半導体メモリ(以下、メモリ63とする)と、を有するマイクロコンピュータを備える。
制御部41の各機能は、CPU61が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ63が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部41は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0040】
データベース43は、情報を記録することができる。図4に示すように、データベース43は、車両情報29を記録することができる。また、データベース43は、車両情報29と関連付けて、キャリブレーション情報25を記録することができる。
【0041】
地図情報データベース45は、ランドマークLの特徴と、ランドマークLの絶対座標とを関連付けて記録している。絶対座標とは、地球に対し固定された座標軸で表される座標である。絶対座標として、例えば、緯度、経度、高度で表される座標がある。
【0042】
2.車両3及びセンター5が実行する処理
(2-1)車両情報送信処理
車両3が実行する車両情報送信処理を、図6に基づき説明する。車両3は、例えば、車両情報送信処理を所定時間ごとに繰り返し実行する。あるいは、車両3は、センター5から要求されたときに車両情報送信処理を実行する。なお、センター5は、例えば、情報活用者から情報の提供を要求されたときに、車両3に対し、車両情報送信処理の実行を要求する。
【0043】
例えば、情報活用者は、センター5に対し、所定の地域で取得された画像情報23を含む車両情報29の提供を要求する。この場合、センター5は、前記の地域を走行中の車両3に対し、車両情報送信処理の実行を要求する。
【0044】
ステップ1では、画像データ取得部19が画像情報23を取得する。また、データ収集・配信部17がカメラパラメータ33を取得する。
ステップ2では、自車位置測定部15が位置情報27を取得する。位置情報27は、前記ステップ1で画像情報23を取得したときの車両3の位置を表す情報である。
【0045】
ステップ3では、データ収集・配信部17が、画像情報23、位置情報27、カメラパラメータ33、及び車両識別情報31を収集し、車両情報29を作成する。なお、車両識別情報31は、車両3に予め記録されている。データ収集・配信部17は、車両情報29をデータ送受信部13に配信する。
【0046】
次に、データ送受信部13が、車両情報29をセンター5へ送信する。過去に実行された、後述するステップ6の処理でキャリブレーション情報25を車両3に記録している場合、データ送受信部13は、キャリブレーション情報25もセンター5へ送信する。
【0047】
ステップ4では、データ送受信部13が、キャリブレーション情報25を受信する処理を実行する。なお、受信しようとするキャリブレーション情報25は、後述するように、センター5が送信するものである。
【0048】
ステップ5では、前記ステップ4においてキャリブレーション情報25を受信したか否かをデータ送受信部13が判断する。キャリブレーション情報25を受信したと判断した場合、本処理はステップ6に進む。キャリブレーション情報25を受信していないと判断した場合、本処理は終了する。
【0049】
ステップ6では、データ収集・配信部17が、受信したキャリブレーション情報25を記録する。
(2-2)車両情報記録処理
センター5が所定時間ごとに繰り返す車両情報記録処理を、図7に基づき説明する。ステップ11では、データ送受信部47が情報受信処理を実行する。情報受信処理は、車両3が送信した情報を受信しようとする処理である。車両3が送信する情報として、車両情報29、キャリブレーション情報25がある。
【0050】
ステップ12では、前記ステップ11において情報を受信したか否かをデータ送受信部47が判断する。情報を受信したと判断した場合、本処理はステップ13に進む。情報を受信しなかったと判断した場合、本処理を終了する。
【0051】
ステップ13では、データ送受信部47が、受信した情報をデータベース43に記録する。その結果、図4に示すように、車両情報29がデータベース43に記録される。キャリブレーション情報25も受信した場合は、キャリブレーション情報25も、データベース43に記録される。キャリブレーション情報25は、同時に受信された車両情報29と関連付けて記録される。
【0052】
なお、センター5が車両情報29又はキャリブレーション情報25を受信し、記録することは、車両3からから情報を収集することに対応する。
(2-3)キャリブレーション情報取得処理
キャリブレーション部49及びデータ送受信部47が所定時間ごとに繰り返し実行するキャリブレーション情報取得処理を、図8図10に基づき説明する。
【0053】
図8のステップ101では、キャリブレーション部49が、現時点がキャリブレーション情報取得処理を開始すべきタイミング(以下では開始タイミングとする)であるか否かを判断する。例えば、制御部41のリソースが不足していないときは、開始タイミングに該当する。また、情報活用者から情報の提供を要求されているときは、開始タイミングに該当する。現時点が開始タイミングであると判断した場合、本処理はステップ102に進む。現時点が開始タイミングではないと判断した場合、本処理は終了する。なお、ステップ102~108の処理は演算に対応する。
【0054】
ステップ102では、キャリブレーション部49が、キャリブレーション情報取得処理の対象となる車両3(以下では対象車両とする)を特定する。対象車両は、過去にセンター5へ車両情報29を送信した車両3のうち、未だキャリブレーション情報25が作成されていない車両3である。
【0055】
キャリブレーション部49は、データベース43に記録された車両情報29の中から、キャリブレーション情報25が関連付けられていない車両情報29を発見する。キャリブレーション部49は、発見した車両情報29に含まれる車両識別情報31に基づき、対象車両を決定する。
【0056】
例えば、情報活用者は、所定の条件を満たす車両情報29の提供をセンター5に要求する。条件として、例えば、所定の地域で取得された画像情報23を含むという条件等が挙げられる。この場合、キャリブレーション部49は、未だキャリブレーション情報25が作成されていない車両3であって、前記の条件を満たす車両情報29の送信元である車両3を対象車両とする。
【0057】
ステップ103では、キャリブレーション部49が、対象車両の車両識別情報31を手がかりとして、対象車両から送信された車両情報29をデータベース43から読み出す。なお、読み出す車両情報29は、前記ステップ11で受信し、前記ステップ13でデータベース43に記録した車両情報29である。
【0058】
ステップ104では、キャリブレーション部49が、前記ステップ103で読み出した車両情報29に含まれる画像情報23において、画像認識処理により、ランドマークL1、L2、L3を認識する。また、キャリブレーション部49は、画像座標系でのランドマークL1、L2、L3の座標を取得する。
画像座標系とは、図9及び図10に示すように、画像情報23が表す画像24内での位置を表す座標系である。画像座標系は、u軸、v軸により座標が規定される座標系である。u軸、v軸は、画像24の面内にある座標軸である。画像座標系でのランドマークL1、L2、L3の座標は、カメラ22の焦点面に結像されたランドマークL1、L2、L3の座標である。図9及び図10に示すように、画像座標系でのランドマークL1、L2、L3の座標を、それぞれ、A1’(u1、v1)、A2’(u2、v2)、A3’(u3、v3)とする。u1、u2、u3はu軸における座標である。v1、v2、v3はv軸における座標である。
【0059】
ステップ105では、キャリブレーション部49が、ランドマークL1、L2、L3と地図情報データベース45とを照合し、ランドマークL1、L2、L3の絶対座標を取得する。
ステップ106では、キャリブレーション部49が、前記ステップ103で読み出した車両情報29に含まれる位置情報27と、前記ステップ105で取得したランドマークL1、L2、L3の絶対座標とを用い、車両座標系でのランドマークL1、L2、L3の座標を取得する。
【0060】
車両座標系とは、対象車両を基準とする座標系である。図9に示すように、車両座標系は、x軸、y軸、z軸により座標が規定される座標系である。x軸は対象車両の左右方向での座標軸である。y軸は対象車両の上下方向での座標軸である。z軸は対象車両の前後方向での座標軸である。
【0061】
図9に示すように、車両座標系でのランドマークL1、L2、L3の座標を、それぞれ、A1(x1、y1、z1)、A2(x2、y2、z2)、A3(x3、y3、z3)とする。x1、x2、x3はx軸における座標である。y1、y2、y3はy軸における座標である。z1、z2、z3はz軸における座標である。
【0062】
ステップ107では、キャリブレーション部49が、数式1~3を充足するTを求める。
【0063】
【数1】
【0064】
数式4に示すように、Tは回転行列及び併進ベクトルを表す。回転行列はカメラ22の姿勢に対応する。併進ベクトルはカメラ22の併進速度に対応する。
数式1~3において、fx、fyはカメラ座標の焦点距離である。cx、cyは、図9及び図10に示すように、画像座標系での画像中心PCの座標である。cxはu軸における座標である。cyはv軸における座標である。画像中心PCは画像24の面内にある。fx、fy、cx、cyはカメラパラメータ33である。fx、fy、cx、cyは、前記ステップ103で読み出した車両情報29に含まれる。
【0065】
ステップ108では、キャリブレーション部49が、数式5~11を充足する、車両座標系での光学中心OCの座標(x0、y0、z0)と、角度Θ、φ、ψとを求める。
【0066】
【数2】
【0067】
光学中心OCは、対象車両におけるカメラ22の搭載位置に等しい。
角度Θは、y軸とy’軸とが成す角度である。角度φは、z軸とz’軸とが成す角度である。角度ψは、x軸とx’軸とが成す角度である。x’軸、y’軸、z’軸は、カメラ22を基準とする座標系での座標軸である。z’軸は、カメラ22の光軸方向の座標軸である。角度Θ、φ、ψは、対象車両を基準とするカメラ22の姿勢を表す。
【0068】
ステップ109では、キャリブレーション部49が、キャリブレーション情報25を、対象車両から受信した車両情報29と関連付けて、データベース43に記録する。記録するキャリブレーション情報25は、前記ステップ107で算出した回転行列及び併進速度、並びに、前記ステップ108で算出したカメラ22の搭載位置及び姿勢を含む情報である。
【0069】
なお、キャリブレーション情報25は、カメラ22の搭載位置及び姿勢のうち、一方を表す情報であってもよい。また、キャリブレーション情報25を算出する方法は、前記の方法以外の方法であってもよい。なお、キャリブレーション情報25を記録することは、情報活用者に提供する情報を管理することに対応する。
【0070】
ステップ110では、データ送受信部47が、キャリブレーション情報25を対象車両へ送信する。なお、対象車両は、前記ステップ4において、送信されたキャリブレーション情報25を受信する。
【0071】
ステップ111では、キャリブレーション部49が、現時点がキャリブレーション情報取得処理を終了すべきタイミング(以下では終了タイミングとする)であるか否かを判断する。例えば、制御部41のリソースが不足しているときは、終了タイミングに該当する。また、全ての対象車両についてキャリブレーション情報25を作成し終わったときは、終了タイミングに該当する。現時点が終了タイミングであると判断した場合、本処理は終了する。現時点が終了タイミングではないと判断した場合、本処理はステップ102に進む。
【0072】
(2-4)車両情報提供処理
情報提供部51は、情報活用者から要求されたとき、データベース43から提供情報を読み出し、提供情報を外部装置53に送信する。
【0073】
3.情報管理システム1が奏する効果
(1A)情報管理システム1は、必ずしも各車両3でキャリブレーション情報25を取得できなくても、キャリブレーション情報25を記録し、情報活用者に提供できる。
【0074】
(1B)センター5は、キャリブレーション情報25を、キャリブレーション情報25の取得に用いられた車両情報29の送信元である車両3に送信する。車両3は、送信されたキャリブレーション情報25を受信する。キャリブレーション情報25を受信した後、車両3は、車両情報29に加えてキャリブレーション情報25をセンター5に送信する。
【0075】
車両3からキャリブレーション情報25を受信した場合、センター5は、その車両3についてキャリブレーション情報取得処理を実行しなくてもよい。そのため、センター5の処理負担を軽減できる。
【0076】
(1C)センター5は、例えば、制御部41のリソースが不足しているか否かを判断し、リソースが不足していないと判断した場合に、キャリブレーション情報25を取得する。そのため、キャリブレーション情報25を取得することで制御部41のリソースが不足してしまうことを抑制できる。
【0077】
(1D)センター5は、例えば、情報活用者から車両情報29の提供を要求されたときにキャリブレーション情報25を取得する。そのため、キャリブレーション部49として機能するコンピュータのリソースを有効に活用することができる。
【0078】
(1E)車両3は、ECU7、9、11を備える。ECU11は、カメラ22と接続される。ECU11は、画像データ取得部19として機能する。ECU7は、データ送受信部13及び自車位置測定部15として機能する。データ送受信部13は、例えば、センター5との通信を行う通信機である。ECU9は、データ収集・配信部17として機能する。ECU9は、車両3の車両内ネットワークの中継機能を有する。ECU9は、画像情報23及び位置情報27を収集する。この場合、先進運転システムが備えるカメラ22を用いて車両3を構成することが容易である。なお、ECU11は第1のECUに対応し、ECU7は第2のECUに対応し、ECU9は第3のECUに対応する。
<第2実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0079】
前述した第1実施形態では、外界情報は画像情報23であった。これに対し、第2実施形態では、外界情報は、画像情報23に対し物体認識処理を行うことで得られた物体認識情報である点で、第1実施形態と相違する。この相違点について以下で具体的に説明する。
【0080】
ステップ1において、画像データ取得部19は、画像情報23に対し物体認識処理を行い、物体認識情報を取得する。物体認識処理において、ランドマークL1、L2、L3が認識される。物体認識情報は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含む。物体認識情報は外界情報に対応する。
【0081】
ステップ3で作成され、センター5に送信される車両情報29は、ステップ1で取得された物体認識情報、位置情報27、カメラ22のパラメータ、及び車両識別情報31を含む。
ステップ103においてキャリブレーション部49が車両情報29を読み出した後、ステップ104をスキップして、ステップ105以降の処理に進む。なお、車両情報29は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含んでいるので、ステップ104の処理(すなわち、画像情報23に対し画像認識処理を行い、ランドマークL1、L2、L3を認識し、ランドマークL1、L2、L3の座標を取得する処理)は不要である。
【0082】
2.効果
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0083】
(2A)車両3が、画像情報23に対し物体認識処理を行うことで、物体認識情報を作成する。物体認識情報は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含む。車両3は、物体認識情報を含む車両情報29をセンター5に送信する。
【0084】
センター5が受信する車両情報29にはランドマークL1、L2、L3の座標が含まれているため、センター5は、ステップ104の処理を行わなくてもよい。その結果、センター5の処理負担を軽減できる。
【0085】
(2B)物体認識情報は、画像情報23よりもデータ量が小さい。第2実施形態では、画像情報23の代わりに物体認識情報を含む車両情報29を車両3からセンター5へ送信するため、データ送信量を軽減できる。
<第3実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0086】
前述した第1実施形態では、キャプチャ装置はカメラ22であり、外界情報は画像情報23であった。これに対し、第3実施形態では、キャプチャ装置はライダーであり、外界情報は、ライダーの出力に対し物体認識処理を行うことで得られた物体認識情報である点で、第1実施形態と相違する。この相違点について以下で具体的に説明する。
【0087】
車両3は、キャプチャ装置として、ライダーを備える。ステップ1において、画像データ取得部19は、画像情報23を取得する処理に代えて、ライダーを用いて、車両3の周辺の情報を取得する。画像データ取得部19は、取得した情報に対し物体認識処理を行い、物体認識情報を取得する。物体認識処理において、ランドマークL1、L2、L3が認識される。物体認識情報は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含む。物体認識情報は外界情報に対応する。
【0088】
ステップ3で作成され、センター5に送信される車両情報29は、ステップ1で取得された物体認識情報、位置情報27、ライダーのパラメータ、及び車両識別情報31を含む。
ステップ103においてキャリブレーション部49が車両情報29を読み出した後、ステップ104をスキップして、ステップ105以降の処理に進む。なお、車両情報29は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含んでいるので、ステップ104の処理(すなわち、画像情報23に対し画像認識処理を行い、ランドマークL1、L2、L3を認識し、ランドマークL1、L2、L3の座標を取得する処理)は不要である。
【0089】
第3実施形態では、キャリブレーション情報は、ライダーの位置や向きを表す情報である。
2.効果
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0090】
(3A)車両3が、ライダーの出力に対し物体認識処理を行うことで、物体認識情報を作成する。物体認識情報は、ランドマークL1、L2、L3の座標を含む。車両3は、物体認識情報を含む車両情報29をセンター5に送信する。
【0091】
センター5が受信する車両情報29にはランドマークL1、L2、L3の座標が含まれているため、センター5は、ステップ104の処理を行わなくてもよい。その結果、センター5の処理負担を軽減できる。
【0092】
(3B)物体認識情報は、画像情報23よりもデータ量が小さい。第3実施形態では、画像情報23の代わりに物体認識情報を含む車両情報29を車両3からセンター5へ送信するため、データ送信量を軽減できる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0093】
(1)キャリブレーション情報25を取得する方法は以下の方法であってもよい。1台の対象車両について、前記ステップ103において、複数の車両情報29をデータベース43から読み出す。複数の車両情報29は、同一の車両3から受信した車両情報29である。
【0094】
次に、複数の車両情報29のそれぞれについて、前記ステップ104~108の方法で、キャリブレーション情報25を取得する。その結果、1台の対象車両について、複数のキャリブレーション情報25が得られる。取得した複数のキャリブレーション情報25の平均値を、前記ステップ109で記録するキャリブレーション情報25として採用する。この場合、キャリブレーション情報25の精度を一層高めることができる。
【0095】
(2)車両3は、図11に示すECU7、9、11を備えていてもよい。ECU7は自車位置測定部15として機能する。ECU9はデータ送受信部13及びデータ収集・配信部17として機能する。データ送受信部13は、例えば、センター5との通信を行う通信機である。データ収集・配信部17は画像情報23及び位置情報27を収集する。ECU11はカメラ22と接続される。ECU11は画像データ取得部19として機能する。この場合、データ収集用のカメラ22を用いて車両3を構成することが容易である。なお、ECU11は第1のECUに対応し、ECU7は第2のECUに対応し、ECU9は第3のECUに対応する。
【0096】
(3)車両3は、図12に示すECU7を備えていてもよい。ECU7はカメラ22と接続される。ECU7は、データ送受信部13、自車位置測定部15、データ収集・配信部17、及び画像データ取得部19として機能する。データ送受信部13は、例えば、センター5との通信を行う通信機である。この場合、ドライブレコーダが備えるECU7により、車両3を構成することが容易である。
【0097】
(4)センター5は、カメラパラメータ33と、車両識別情報31とを関連付けたマップを備えていてもよい。この場合、センター5は、対象車両から送付された車両情報29に含まれる車両識別情報31と、マップとを対照して、対象車両のカメラパラメータ33を取得することができる。この場合、車両情報29はカメラパラメータ33を含まなくてもよい。
【0098】
(5)車両3は2台以上のカメラ22を備えていてもよい。この場合、車両情報29は、それぞれのカメラ22で取得された画像情報23と、それぞれのカメラ22のカメラパラメータ33とを含む。センター5は、それぞれのカメラ22についてキャリブレーション情報25を取得する。
【0099】
(6)本開示に記載の制御部41及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部41及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部41及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記録されてもよい。制御部41に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0100】
(7)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0101】
(8)上述した情報管理システム1の他、当該情報管理システムを構成要素とする高次のシステム、制御部41としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、情報収集方法、情報加工方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
図1
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