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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】エレベータ装置
(51)【国際特許分類】
B66B 7/12 20060101AFI20241008BHJP
B66B 11/02 20060101ALI20241008BHJP
B66B 3/02 20060101ALI20241008BHJP
【ＦＩ】
B66B7/12 Z
B66B11/02 Z
B66B3/02 Z
【請求項の数】
2
(21)【出願番号】P 2024055291
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】滝藤 紳悟
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開２００４－１６１４６２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００８－２３０８１３（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭５６－１６１２７８（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６６Ｂ １／００－３１／０２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を昇降する乗りかごの移動経路に沿って設けられ、前記昇降路内の位置情報を有するリニアスケールと、前記乗りかごに設けられ前記リニアスケールから前記位置情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記位置情報に基づいて、前記乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、を備えるエレベータ装置であって、前記リニアスケールに洗浄液を放水する放水手段と、前記読取手段により読み取られた前記位置情報に基づいて、前記放水手段に放水させる放水制御手段と、を備えるエレベータ装置。
【請求項2】
前記乗りかごが昇降するときの走行風を集める集風手段と、前記集風手段で集められた前記走行風を前記リニアスケールに吹き出す第１のノズルと、前記集風手段で集められた前記走行風を前記読取手段に吹き出す第２のノズルと、を備える請求項１に記載のエレベータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータの昇降路内の全長にわたって設けられたリニアスケールの値を、乗りかごの読取装置で読み取り、位置情報を取得して乗りかごを運転制御するエレベータ装置における、リニアスケールの清掃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リニアスケールを適用したエレベータ装置としては、例えば特許文献１のような技術があるが、リニアスケールの清掃については考慮されていない。
また、清掃対象がリニアスケールとは異なるが、昇降路内に配設されたロープの清掃に関しては、乗りかごが最上階から最下階に移動する際に、ロープに洗浄液を吹きかける技術が開示されている。（例えば、特許文献２）。
また、清掃対象がリニアスケールとは異なるが、昇降路内に配設されたロープの清掃に関しては、乗りかごが最上階から最下階に移動する際に、ロープに洗浄液を吹きかける技術が開示されている。（例えば、特許文献２）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第６１６７８８５号公報
【文献】特開第２００２－３６２８５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータの昇降路内の全長にわたって設けられたリニアスケールに対して、特許文献２のようなロープの清掃を適用しようとすると、リニアスケールの清掃では、エレベータの昇降路の全長にわたって清掃するための作業時間と洗浄液が大量に必要となるといった課題がある。
【0005】
本開示は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、エレベータ装置は、昇降路内の全長にわたって清掃するのではなく、リニアスケールに付着する埃により読み取れなかった箇所を特定し、短時間かつ必要最小限の洗浄液にて清掃することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータ装置は、昇降路内を昇降する乗りかごの移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケールと、乗りかごに設けられリニアスケールから位置情報を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、を備えるエレベータ装置であって、リニアスケールに洗浄液を放水する放水手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、放水手段に放水させる放水制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、エレベータ装置は、昇降路内の全長にわたって清掃するのではなく、リニアスケールに付着する埃により読み取れなかった箇所を特定し、短時間かつ必要最小限の洗浄液にて清掃できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態１におけるエレベータの全体構成図である。
【図2】実施の形態１におけるエレベータ装置のブロック図である。
【図3】実施の形態１におけるエレベータ装置の制御盤の位置情報を記憶するフローチャートである。
【図4】実施の形態１におけるエレベータ装置の制御盤の位置情報を記憶した結果である。
【図5】実施の形態１におけるエレベータ装置のリニアスケールを清掃するフローチャートである。
【図6】実施の形態２におけるエレベータ装置の全体構成図である。
【図7】実施の形態２におけるエレベータ装置の乾燥部の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
【0010】
エレベータは、乗りかご１、主ロープ２、釣合おもり３、巻上機６、制御盤７を備える。
乗りかご１の上端には、主ロープ２の一端が接続され、主ロープ２の他端には、釣合おもり３が接続されている。巻上機６は、乗りかご１と釣合おもり３とが互いに相反する方向に昇降するよう主ロープ２の中間部に設置されている。
エレベータの乗りかご１が昇降する昇降路（図示せず）には、乗りかご１の移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケール１１が設置されている。
乗りかご１の上端には、主ロープ２の一端が接続され、主ロープ２の他端には、釣合おもり３が接続されている。巻上機６は、乗りかご１と釣合おもり３とが互いに相反する方向に昇降するよう主ロープ２の中間部に設置されている。
エレベータの乗りかご１が昇降する昇降路（図示せず）には、乗りかご１の移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケール１１が設置されている。
【0011】
エレベータの乗りかご１には、読取手段１２、かご上機器１３、及び清掃手段１６が設置されている。
乗りかご１に設置された読取手段１２はリニアスケール１１の位置情報を読み取り、かご上機器１３に送信する。
かご上機器１３は、読取手段１２により読み取られたリニアスケール１１の位置情報を、制御ケーブル８を経由して制御盤７に送信する。
制御盤７は、読取手段１２により読み取られたリニアスケール１１の位置情報に基づいて巻上機６を駆動し、乗りかご１の昇降制御を行う。
乗りかご１に設置された読取手段１２はリニアスケール１１の位置情報を読み取り、かご上機器１３に送信する。
かご上機器１３は、読取手段１２により読み取られたリニアスケール１１の位置情報を、制御ケーブル８を経由して制御盤７に送信する。
制御盤７は、読取手段１２により読み取られたリニアスケール１１の位置情報に基づいて巻上機６を駆動し、乗りかご１の昇降制御を行う。
【0012】
乗りかご１に設置された清掃手段１６は、かご上機器１３に接続され、かご上機器１３を経由して制御盤７と信号を送受信する。
清掃手段１６は、リニアスケール１１と読取手段１２とに付着した油や埃などの汚れを清掃する手段である。
清掃手段１６は、リニアスケール１１と読取手段１２とに付着した油や埃などの汚れを清掃する手段である。
【0013】
乗りかご１に設置された読取手段１２、かご上機器１３、及び清掃手段１６は、それぞれの機能を説明するために、機能ブロックに分けているが、一体で構成しても良いし、別々でもよい。
例えば、清掃手段１６は、かご上機器１３に備えられてもよい。機能ブロックの一体化は、乗りかご１の配線省力や乗りかご１での保守作業の際に配線を断線させるリスクが低減する。
例えば、清掃手段１６は、かご上機器１３に備えられてもよい。機能ブロックの一体化は、乗りかご１の配線省力や乗りかご１での保守作業の際に配線を断線させるリスクが低減する。
【0014】
【0015】
最初に、制御盤７のブロック図を説明する。
制御盤７は、制御盤制御部２１、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２、制御盤記憶部２３、及び駆動部２４を備える。
制御盤７の制御盤制御部２１は、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２により、かご上機器１３を経由して読取手段１２が取得したリニアスケール１１の位置情報を取得する。
また、制御盤制御部２１は、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２により、かご上機器１３を経由して清掃手段１６と信号を送受信する。
制御盤７は、制御盤制御部２１、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２、制御盤記憶部２３、及び駆動部２４を備える。
制御盤７の制御盤制御部２１は、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２により、かご上機器１３を経由して読取手段１２が取得したリニアスケール１１の位置情報を取得する。
また、制御盤制御部２１は、制御盤通信Ｉ／Ｆ部２２により、かご上機器１３を経由して清掃手段１６と信号を送受信する。
【0016】
制御盤７の制御盤記憶部２３は、制御盤制御部２１の制御プログラムの格納、制御演算のデータ、リニアスケール１１の位置情報の保存を行う。
制御盤記憶部２３は、ＳＲＡＭ（Ｓｔａｔｉｃ Ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｅｙ）などを使用し、データを記憶し、その記憶したデータを読み出せる手段であれば何でもよい。
制御盤記憶部２３は、ＳＲＡＭ（Ｓｔａｔｉｃ Ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｅｙ）などを使用し、データを記憶し、その記憶したデータを読み出せる手段であれば何でもよい。
【0017】
制御盤制御部２１は、リニアスケール１１の位置情報に基づいて、駆動部２４に駆動指令を送り、巻上機８を駆動する。
ここで、制御盤制御部２１は、エレベータ制御手段と定義する。
ここで、制御盤制御部２１は、エレベータ制御手段と定義する。
【0018】
次に、乗りかご１に設置された清掃手段１６のブロック図を説明する。
乗りかご１に設置された清掃手段１６は、清掃手段制御部２６、清掃手段通信Ｉ／Ｆ部２７、清掃手段記憶部２８、及び清掃部２９を備える。
清掃手段１６の清掃手段制御部２６は、清掃手段通信Ｉ／Ｆ部２７により、かご上機器１３を経由して制御盤７と信号を送受信する。
乗りかご１に設置された清掃手段１６は、清掃手段制御部２６、清掃手段通信Ｉ／Ｆ部２７、清掃手段記憶部２８、及び清掃部２９を備える。
清掃手段１６の清掃手段制御部２６は、清掃手段通信Ｉ／Ｆ部２７により、かご上機器１３を経由して制御盤７と信号を送受信する。
【0019】
清掃手段１６の清掃手段記憶部２８は、清掃手段制御部２６の制御プログラムの格納、制御演算のデータの保存を行う。
清掃手段記憶部２８は、ＳＲＡＭ（Ｓｔａｔｉｃ Ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｅｙ）などを使用し、データを記憶し、その記憶したデータを読み出せる手段であれば何でもよい。
清掃手段記憶部２８は、ＳＲＡＭ（Ｓｔａｔｉｃ Ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｅｙ）などを使用し、データを記憶し、その記憶したデータを読み出せる手段であれば何でもよい。
【0020】
清掃手段１６の清掃手段制御部２６は、清掃部２９を動作させたり、停止させたりする。
清掃部２９には、リニアスケール１１と読取手段１２とに付着した油や埃などの汚れを清掃する洗浄液を備えている。
洗浄液は、油や埃などの汚れを清掃でき、揮発性が高い液体であれば何でもよい。
ここで、清掃手段制御部２６と清掃部２９とは、それぞれ放水制御手段と放水手段と定義する。
清掃部２９には、リニアスケール１１と読取手段１２とに付着した油や埃などの汚れを清掃する洗浄液を備えている。
洗浄液は、油や埃などの汚れを清掃でき、揮発性が高い液体であれば何でもよい。
ここで、清掃手段制御部２６と清掃部２９とは、それぞれ放水制御手段と放水手段と定義する。
【0021】
清掃手段制御部２６は、かご上機器１３を経由して制御盤７から清掃動作指令信号を受信し、清掃部２９によりリニアスケール１１と読取手段１２とを清掃する。
制御盤７から清掃手段１６に送信される清掃動作指令信号は、清掃液を吹き付ける強弱を含む信号としても良い。例えば、清掃動作指令信号には、「清掃動作指令」と「強中弱」とを含む信号とする。清掃動作指令信号に「強」が含まれた場合には、清掃部２９は、リニアスケール１１に洗浄液を強く放出し、清掃動作指令信号に「弱」が含まれた場合には、清掃部２９は、リニアスケール１１と読取手段１２とに洗浄液を弱く放出する。
制御盤７から清掃手段１６に送信される清掃動作指令信号は、清掃液を吹き付ける強弱を含む信号としても良い。例えば、清掃動作指令信号には、「清掃動作指令」と「強中弱」とを含む信号とする。清掃動作指令信号に「強」が含まれた場合には、清掃部２９は、リニアスケール１１に洗浄液を強く放出し、清掃動作指令信号に「弱」が含まれた場合には、清掃部２９は、リニアスケール１１と読取手段１２とに洗浄液を弱く放出する。
【0022】
清掃動作指令信号には、清掃液の強弱を含む信号とすることにより、リニアスケール１１の位置情報が広い範囲にわたって読み取れない場合には、強く洗浄液を放出し、リニアスケール１１の位置情報が小さい範囲にわたって読み取れない場合には、弱く洗浄液を放出する。その清掃液の強弱は、洗浄液の使用量を低減しつつ、リニアスケール１１と読取手段１２とに付着した油や埃などの汚れを清掃することができる効果を奏する。
【0023】
図３と図４を用いて実施の形態１に係るエレベータ装置の制御盤の位置情報を記憶するフローチャートを説明する。図３は、実施の形態１に係るエレベータ装置の制御盤の位置情報を記憶するフローチャートである。図４は、実施の形態１に係るエレベータ装置の制御盤の位置情報を記憶した結果である。
【0024】
ステップＳ１において、制御盤７の制御盤制御部２１は、読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報を取得する。
ステップＳ２において、制御盤制御部２１は、読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報が取得できたか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報が取得できた場合は、ステップＳ３に移行する（ステップＳ２のＹＥＳ）。
一方、リニアスケール１１の位置情報が取得できなかった場合は、終了する。
ステップＳ３において、制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３にリニアスケール１１の位置情報を記憶し終了する。
ステップＳ２において、制御盤制御部２１は、読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報が取得できたか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報が取得できた場合は、ステップＳ３に移行する（ステップＳ２のＹＥＳ）。
一方、リニアスケール１１の位置情報が取得できなかった場合は、終了する。
ステップＳ３において、制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３にリニアスケール１１の位置情報を記憶し終了する。
【0025】
図４において、制御盤記憶部２３には、リニアスケール１１の位置情報とその位置情報の取得結果を記憶している。
リニアスケール１１の位置情報は、「１０００」から「１００７」の位置と、「１０１３」から「１０１９」までの位置とが取得できている。一方、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までは、取得できていない。
つまり、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までの間では、リニアスケール１１の位置情報が油や埃などにより汚れて読み取れなくなっている。
リニアスケール１１の位置情報は、「１０００」から「１００７」の位置と、「１０１３」から「１０１９」までの位置とが取得できている。一方、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までは、取得できていない。
つまり、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までの間では、リニアスケール１１の位置情報が油や埃などにより汚れて読み取れなくなっている。
【0026】
【0027】
ステップＳ１１において、制御盤７の制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３に記憶された位置情報を取得する。
ステップＳ１２において、制御盤制御部２１は制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所（範囲）があったか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所があった場合は、ステップＳ１３に移行する（ステップＳ１２のＹＥＳ）。
一方、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所がない場合は、終了する（ステップＳ１２のＮＯ）。
ステップＳ１２において、制御盤制御部２１は制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所（範囲）があったか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所があった場合は、ステップＳ１３に移行する（ステップＳ１２のＹＥＳ）。
一方、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所がない場合は、終了する（ステップＳ１２のＮＯ）。
【0028】
具体的に、図４において、位置情報が記憶されていない場所（範囲）とは、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までの間である。
制御盤制御部２１は、「１０００」、「１００１」、「１００２」のように、１ステップごとにリニアスケール１１の位置情報を読み取っていくが、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までの位置情報が読み取れない。
制御盤制御部２１は、「１０００」、「１００１」、「１００２」のように、１ステップごとにリニアスケール１１の位置情報を読み取っていくが、「１００７」を超えた位置から「１０１３」の手前の位置までの位置情報が読み取れない。
【0029】
ステップＳ１３において、制御盤制御部２１は駆動部２４に駆動指令を送り、巻上機８を駆動させて、位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１を移動させる。
例えば、図４において、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１００２」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１００７」の位置まで移動させる。また、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１０１７」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１０１３」の位置まで移動させる。
例えば、図４において、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１００２」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１００７」の位置まで移動させる。また、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１０１７」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１０１３」の位置まで移動させる。
【0030】
ステップＳ１４において、制御盤制御部２１は位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１が移動したか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１が移動した場合は、ステップＳ１５に移行する（ステップＳ１４のＹＥＳ）。
一方、位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１が移動していない場合は、ステップＳ１３に移行する（ステップＳ１４のＮＯ）。
制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１が移動した場合は、ステップＳ１５に移行する（ステップＳ１４のＹＥＳ）。
一方、位置情報が記憶されていない場所の直前の位置まで乗りかご１が移動していない場合は、ステップＳ１３に移行する（ステップＳ１４のＮＯ）。
【0031】
ステップＳ１５において、制御盤制御部２１は、清掃手段１６の清掃手段制御部２１に清掃動作指令信号を送信し、清掃部２９によりリニアスケール１１と読取手段１２とを清掃させる。
ステップＳ１６において、制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動したか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動した場合は、ステップＳ１７に移行する（ステップＳ１６のＹＥＳ）。
一方、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動していない場合は、ステップＳ１５に移行する（ステップＳ１６のＮＯ）。
ステップＳ１６において、制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動したか否かを判定する。
制御盤制御部２１は、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動した場合は、ステップＳ１７に移行する（ステップＳ１６のＹＥＳ）。
一方、位置情報が記憶されている場所まで乗りかご１が移動していない場合は、ステップＳ１５に移行する（ステップＳ１６のＮＯ）。
【0032】
例えば、図４において、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置が「１００２」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１００７」から「１０１３」の位置まで移動したか否かを判定する。また、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１０１７」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１０１３」から「１００７」の位置まで移動したか否かを判定する。
【0033】
ステップＳ１７において、制御盤制御部２１は、清掃手段１６の清掃手段制御部２１に
清掃動作指令信号を送信し、清掃部２９によりリニアスケール１１と読取手段１２との清掃を停止させる。
例えば、図４において、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置が「１００２」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１０１３」の位置まで移動したら清掃を停止する。また、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１０１７」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１００７」の位置まで移動したら清掃を停止する。
清掃動作指令信号を送信し、清掃部２９によりリニアスケール１１と読取手段１２との清掃を停止させる。
例えば、図４において、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置が「１００２」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１０１３」の位置まで移動したら清掃を停止する。また、制御盤制御部２１は、フロー処理開始前の乗りかご１の位置がリニアスケール１１の「１０１７」の位置にいた場合に、乗りかご１をリニアスケール１１の「１００７」の位置まで移動したら清掃を停止する。
【0034】
ステップＳ１８において、制御盤制御部２１は、リニアスケール１１を清掃した位置情報の範囲を、乗りかご１移動させながら読取手段１２により読み取られるリニアスケール１１の位置情報が取得する。
【0035】
ステップＳ１９において、制御盤制御部２１は位置情報が記憶されていない場所（範囲）があったか否かを再度判定する。
制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所があった場合は、ステップＳ１１に移行する（ステップＳ１９のＹＥＳ）。
一方、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所がない場合は、終了する（ステップＳ１９のＮＯ）。
制御盤制御部２１は、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所があった場合は、ステップＳ１１に移行する（ステップＳ１９のＹＥＳ）。
一方、制御盤記憶部２３に位置情報が記憶されていない場所がない場合は、終了する（ステップＳ１９のＮＯ）。
【0036】
以上のように、本実施の形態１に係るエレベータ装置は、昇降路内の全長にわたって清掃するのではなく、リニアスケールに付着する埃により読み取れなかった箇所を特定し、短時間かつ必要最小限の洗浄液にて清掃できるという効果を奏する。
【0037】
実施の形態２．
図６を用いて実施の形態２におけるエレベータの全体構成図を説明する。図６は、エレベータ装置が設置されるエレベータの全体構成図である。
なお、図６の説明において、実施の形態１にエレベータの全体構成図に相当する部分には、図１と同一符号を付して、その説明を省略する。
図６を用いて実施の形態２におけるエレベータの全体構成図を説明する。図６は、エレベータ装置が設置されるエレベータの全体構成図である。
なお、図６の説明において、実施の形態１にエレベータの全体構成図に相当する部分には、図１と同一符号を付して、その説明を省略する。
【0038】
エレベータの乗りかご１には、乾燥部３１が読取手段１２の近くに設置されている。
乾燥部３１は、後述する清掃部２９からの洗浄液の揮発をしやすくする。
乾燥部３１は、後述する清掃部２９からの洗浄液の揮発をしやすくする。
【0039】
【0040】
図７の（１）側面図では、清掃手段１６の近くに設置された乾燥部３１の側面図を示す。
乾燥部３１は、後述するノズルによりリニアスケール１１と読取手段１２とを清掃できる位置に設置されている。
乾燥部３１は、後述するノズルによりリニアスケール１１と読取手段１２とを清掃できる位置に設置されている。
【0041】
図７の（２）斜視図では、乾燥部３１の斜視図を示す。
乾燥部３１は、集風手段３６、第１のノズル３７、及び第２のノズル３８を備える。
乾燥部３１の集風手段３６は、乗りかご１の上昇により集風手段３６に風を集風し、集風された風は、第１のノズル３７と第２のノズル３８とから吹き出す構造である。
乾燥部３１の第１のノズル３７と第２のノズル３８とは、それぞれリニアスケール１１と読取手段１２とに、乗りかご１の上昇により集風手段３６で集められた風を吹き出すようになっている。
乾燥部３１は、集風手段３６、第１のノズル３７、及び第２のノズル３８を備える。
乾燥部３１の集風手段３６は、乗りかご１の上昇により集風手段３６に風を集風し、集風された風は、第１のノズル３７と第２のノズル３８とから吹き出す構造である。
乾燥部３１の第１のノズル３７と第２のノズル３８とは、それぞれリニアスケール１１と読取手段１２とに、乗りかご１の上昇により集風手段３６で集められた風を吹き出すようになっている。
【0042】
また、乾燥部３１の集風手段３６は、乗りかご１の上昇により風を集風するように取り付けられているが、集風手段３６を下向きにして、乗りかご１の下降により風を集風するように取り付けても良い。また、乾燥部３１を２箇所に設置し、それぞれ乗りかご１の上昇と乗りかご１の下降とにより風を集風してもよい。
【0043】
以上のように、本実施の形態２に係るエレベータ装置は、乾燥部によりリニアスケールと読取手段とに放出された洗浄液を早く乾燥させて、リニアスケールの位置情報を早く読み取りができるという効果を奏する。
【0044】
以上のように構成された本開示のエレベータ装置は、昇降路内を昇降する乗りかご１の移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケール１１と、乗りかご１に設けられリニアスケール１１から位置情報を読み取る読取手段１２と、読取手段１２により読み取られた位置情報に基づいて、乗りかご１の運転を制御するエレベータ制御手段と、を備えるエレベータ装置であって、リニアスケール１１に洗浄液を放水する放水手段と、読取手段１２により読み取られた位置情報に基づいて、放水手段に放水させる放水制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0045】
これにより、昇降路内の全長にわたって清掃するのではなく、リニアスケールに付着する埃により読み取れなかった箇所を特定し、短時間かつ必要最小限の洗浄液にて清掃できるという効果を奏する。
【0046】
また、本開示のエレベータ装置は、乗りかご１が昇降するときの走行風を集める集風手段３６と、集風手段３６で集められた走行風をリニアスケール１１に吹き出す第１のノズル３７と、集風手段３６で集められた走行風を読取手段１２に吹き出す第２のノズル３８と、を備えることを特徴とする。
【0047】
これにより、エレベータ装置は、乾燥部によりリニアスケールと読取手段とに放出された洗浄液を早く乾燥させて、リニアスケールの位置情報を早く読み取りができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0048】
１ 乗りかご、 ２ 主ロープ、 ３ 釣合おもり、 ６ 巻上機、 ７ 制御盤、 ８ 制御ケーブル、 １１ リニアスケール、 １２ 読取手段、 １３ かご上機器、
１６ 清掃手段、 ２１ 制御盤制御部、 ２２ 制御盤通信Ｉ／Ｆ部、 ２３ 制御盤記憶部、 ２４ 駆動部、 ２６ 清掃手段制御部、 ２７ 清掃手段通信Ｉ／Ｆ部、
２８ 清掃手段記憶部、 ２９清掃部、 ３１ 乾燥部３６ 集風手段、 ３７ 第１のノズル、 ３８ 第２のノズル。
１６ 清掃手段、 ２１ 制御盤制御部、 ２２ 制御盤通信Ｉ／Ｆ部、 ２３ 制御盤記憶部、 ２４ 駆動部、 ２６ 清掃手段制御部、 ２７ 清掃手段通信Ｉ／Ｆ部、
２８ 清掃手段記憶部、 ２９清掃部、 ３１ 乾燥部３６ 集風手段、 ３７ 第１のノズル、 ３８ 第２のノズル。
【要約】 （修正有）
【課題】短時間かつ必要最小限の洗浄液にて清掃することができるエレベータ装置を提供する。
【解決手段】昇降路内を昇降する乗りかごの移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケールと、乗りかごに設けられリニアスケールから位置情報を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、を備えるエレベータ装置であって、リニアスケールに洗浄液を放水する放水手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、放水手段に放水させる放水制御手段とを備える。
【選択図】図２
【解決手段】昇降路内を昇降する乗りかごの移動経路に沿って設けられ、昇降路内の位置情報を有するリニアスケールと、乗りかごに設けられリニアスケールから位置情報を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御手段と、を備えるエレベータ装置であって、リニアスケールに洗浄液を放水する放水手段と、読取手段により読み取られた位置情報に基づいて、放水手段に放水させる放水制御手段とを備える。
【選択図】図２
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】