IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図1
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図2
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図3
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図4
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図5
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図6
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図7
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図8
  • 特許-配信装置、配信方法、及びプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】配信装置、配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/046 20220101AFI20241008BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241008BHJP
【FI】
H04L51/046
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024055598
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、総務省、「安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 淳志
(72)【発明者】
【氏名】稲田 優史
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-184250(JP,A)
【文献】特開2020-135799(JP,A)
【文献】特表2017-511546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/046
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部と、
ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得する起動情報取得部と、
前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとする挨拶メッセージ制御部と、
前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信する配信部と、
を備える配信装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記時期としての時間帯に応じた挨拶を含むメッセージを記憶し、
前記挨拶メッセージ制御部は、前記起動情報を受信した時刻に対応する時間帯のカテゴリに属するメッセージから前記挨拶メッセージを選択する、
請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記記憶部は、メッセージの内容に応じた複数の背景をさらに記憶し、
前記挨拶メッセージを選択したことに応じて前記記憶部から背景を読出し、読出した背景から前記挨拶メッセージの内容に応じた背景を、前記挨拶メッセージの背景として選択する背景選択部をさらに備え、
前記配信部は、前記背景選択部により選択された背景にて前記挨拶メッセージが表示されるように、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末へ配信する、
請求項1に記載の配信装置。
【請求項4】
時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部を備えるコンピュータが行う配信方法であって、
起動情報取得部が、ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得し、
挨拶メッセージ制御部が、前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとし、
配信部が、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信する、
配信方法。
【請求項5】
時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部を備えるコンピュータに、
ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得させ、
前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとさせ、
前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々のアプリケーションプログラム(アプリ)が開発され、アプリを数多くのユーザに利用してもらうべく様々な手法が研究されている。例えば、特許文献1には、顧客通信端末の簡略操作だけで速やかにタクシーの配車注文や配車予約を実現できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-29580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、プッシュ通知により予約時間又はタクシー接近等のメッセージをユーザの端末へ通知するものである。プッシュ通知では、通知されたメッセージの全部または一部の内容がスマートフォンのロック画面またはホーム画面の上端などに表示され、ユーザはアプリを起動しなくともプッシュ通知で通知されたメッセージの内容を把握することができてしまう場合が多い。このため、プッシュ通知が必ずしもアプリの起動に繋がるとは限らず、アプリを起動して操作するといった利用の促進をすることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、アプリケーションプログラム(アプリ)を起動して操作するような利用を促進することができる配信装置、配信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部と、ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得する起動情報取得部と、前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとする挨拶メッセージ制御部と、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信する配信部と、を備える配信装置である。
【0007】
本発明の一態様は、時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部を備えるコンピュータが行う配信方法であって、起動情報取得部が、ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得し、挨拶メッセージ制御部が、前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとし、配信部が、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信する、配信方法である。
【0008】
本発明の一態様は、時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部を備えるコンピュータに、ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得させ、前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属し、自治体に関する情報の種別で分類された1又は2以上のサブカテゴリに属する、1又は2以上のメッセージ候補を前記記憶部から読出し、読出した前記メッセージ候補からランダムに選択した、特定の前記サブカテゴリに属するメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとさせ、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アプリケーションプログラム(アプリ)を起動して操作するような利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態におけるメッセージ配信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態の配信装置が行う処理を説明するための図である。
図3】実施形態における配信装置の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態の挨拶メッセージ情報の例を示す図である。
図5】実施形態の背景情報の例を示す図である。
図6】実施形態の配信装置が行う処理を説明するための図である。
図7】実施形態の挨拶メッセージ配信履歴情報の例を示す図である。
図8】実施形態の挨拶メッセージ配信履歴情報の例を示す図である。
図9】実施形態のメッセージ配信システムが行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(メッセージ配信システム10について)
図1は、本発明の実施形態に係るメッセージ配信システム10の構成例を示す図である。メッセージ配信システム10は、配信装置100、ユーザ端末300、およびネットワークNWで構成される。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)を含んでもよいし、WAN(Wide Area Network)を含んでもよいし、インターネットを含んでもよいし、移動体通信網やセルラー網などを含んでもよい。
【0013】
配信装置100は、ユーザ端末300に対し、事業者により提供されるサービスに関する事業者情報を配信する。ユーザ端末300は、事業者により提供されるサービスを利用するユーザが使用するスマートフォンなどの端末装置である。
【0014】
事業者は、任意の団体、企業、或いは個人であってよいが、例えば、自治体である。この場合、事業者としての自治体は、事業者により提供されるサービスとして、自治体が取り扱う手続きや行事などの情報、住民の生活に関わる情報、地域のお勧め情報などの自治体情報を自治体の住民に提供する。つまり、事業者としての自治体は、配信装置100を介して、事業者情報としての自治体情報を、自治体の住民が使用するユーザ端末300に配信する。
【0015】
本実施形態に係るメッセージ配信システム10では、事業者情報を発信する専用のアプリケーションプログラム(以下、単に「配信アプリ」とも称する)が配布され、配信アプリをユーザ端末300にインストールすることによって、利用者は事業者から発信される事業者情報を、ユーザ端末300を介して取得することができる。
【0016】
配信装置100は、個人宛メッセージを、ユーザ端末300に配信する。個人宛メッセージは、挨拶メッセージとは異なるメッセージであって、不特定多数に宛てた通知ではなく、配信アプリに含まれる様々なコンテンツからユーザ個人に対してコンテンツに関する情報を通知するものである。例えば、自治体に対して子供の出生届を提出したユーザ宛てに生後1か月検診の案内を通知するようなケースにおいて、個人宛メッセージが利用される。
【0017】
配信装置100は、個人宛メッセージを、プッシュ通知にてユーザ端末300に配信する。プッシュ通知とは、ユーザ端末300からの要求に対する応答として配信するものではなく、配信装置100から自発的に配信する通知方法である。プッシュ通知は、ユーザ端末300のロック画面またはホーム画面の上端などに表示される。
【0018】
図2は、配信装置が行う処理を説明するための図である。図2には、個人宛メッセージが表示された配信アプリの画面の例が示されている。この図に示すように、配信アプリでは、表示領域E1に個人宛メッセージが表示され、表示領域E2にイベントの通知など個人宛メッセージ以外のコンテンツが表示される。表示領域E1は、個人宛メッセージがプッシュ通知されたことに起因して配信アプリが起動された場合に設けられる。ユーザが表示領域E1をスワイプ操作すると、例えば、個人宛メッセージの一覧や、個人宛メッセージの内容の詳細が表示される。
【0019】
(配信装置100について)
図3は、配信装置100の機能構成の一例を示す図である。配信装置100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130とを備える。これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(HardDisk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0020】
通信部120は、配信装置100をネットワークNWに接続する通信インターフェースである。通信部120は、ネットワークNWを介してユーザ端末300と通信する。例えば、通信部120は、イーサネット(登録商標)やLAN等のNIC(Network Interface Card)である。
【0021】
制御部110は、配信装置100の各部を制御する。制御部110は、起動情報取得部111と、挨拶メッセージ制御部112と、配信部113と、個別メッセージ制御部114と、背景選択部115とを備える。
【0022】
個別メッセージ制御部114は、個人宛メッセージを配信する。個別メッセージ制御部114は、ユーザ端末300に通知した個人宛メッセージのステータスを管理する。ここでのステータスとは、個人宛メッセージの内容がユーザに確認された「既読」か、内容が確認されていない「未読」かのステータスである。例えば、個別メッセージ制御部114は、個人宛メッセージがユーザ端末300に受信されると、その個人宛メッセージのステータスを「未読」とする。
【0023】
ここで、個人宛メッセージはプッシュ通知にて配信されるから、ユーザ端末300において配信アプリが起動されていない状態であっても、ユーザ端末300のロック画面またはホーム画面などに、個人宛メッセージが表示される。
ユーザ端末300では、ユーザは、配信アプリを起動することなく、プッシュ通知を消去する操作を行うことができる。
また、ユーザが、プッシュ通知をタップ操作する等して配信アプリを起動した場合、図2に示す表示領域E1に個人宛メッセージが表示され、この表示領域E1がユーザによってスワイプ操作された場合、個別メッセージ制御部114は、その個人宛メッセージのステータスを「既読」とする。
【0024】
個別メッセージ制御部114は、表示領域E1がスワイプ操作され、個人宛メッセージが「既読」のステータスとなった場合、ユーザ端末300の表示領域E1に表示していた個人宛メッセージを消去し、それまで表示領域E2に表示されていたイベントの通知など個人宛メッセージ以外のコンテンツをユーザ端末300の表示画面全体(つまり、表示領域E1およびE2)に表示させる。
【0025】
ここで、従来は、「未読」の個人宛メッセージがない状態で、配信アプリが起動された場合、ユーザ端末300の表示画面全体(つまり、表示領域E1およびE2)に、図2において表示領域E2に表示されているイベントの通知など個人宛メッセージ以外のコンテンツを表示させていた。つまり、配信アプリを起動した時点で「未読」の個人宛メッセージが有る場合には表示領域E1に個人宛メッセージを表示し、「未読」の個人宛メッセージが無い場合には表示領域E1およびE2の全体に個人宛メッセージ以外のコンテンツを表示することになり、配信アプリを起動した時点で「未読」の個人宛メッセージが有るか否かに応じて、配信アプリを起動した時の画面配置が異なっていた。
【0026】
ユーザは、アプリを起動しないことで、個人宛メッセージのより詳細かつ重要な情報や、例えば、自治体が取り扱う手続きや行事などの情報、住民の生活に関わる情報、地域のお勧め情報など、配信アプリに用意されている有用なサービスに気づくことができない。例えば、配信アプリを起動することなくプッシュ通知を消去するユーザや、プッシュ通知が通知されたことがないユーザは、アプリを起動しない可能性が高いと考えられる。
この対策として、本実施形態では、ユーザに、表示領域E1に、何等かメッセージが表示されることを意識づけることができるようにし、アプリを起動して操作するような利用を促進することができるようにした。
【0027】
具体的に、本実施形態では、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動された場合、個人宛メッセージとは異なる「他のメッセージ」を、表示領域E1に表示させるようにした。さらに、「他のメッセージ」として、挨拶や気遣いを感じさせるようなメッセージ(挨拶メッセージ)を配信するようにした。
【0028】
配信アプリの起動時に、挨拶メッセージを配信してユーザへの語り掛けを行うことによってユーザは自分を気遣ってくれていると感じることができる。自分への気遣いを感じれば、行動経済学による所謂「好意の返報性」の原理から、ユーザは配信アプリを操作してあげようという心理が働く。例えば、ユーザは、挨拶メッセージが配信されることを知らずに配信アプリを起動した場合には、挨拶メッセージがタイミングよく配信されたことに驚き感動して配信アプリを操作してみようと考える。そして、ユーザは、起動時に挨拶メッセージが配信されることを知った後においては、挨拶メッセージで通知される内容を期待して配信アプリを起動するようになる。これにより、配信アプリの起動を習慣づけると共に、ユーザに配信アプリの操作に慣れてもらうことができる。
【0029】
例えば、配信アプリには、事業者情報に対応する様々なコンテンツが含まれている。例えば、事業者としての自治体により、配信アプリを介して、配信する自治体情報には、防災・防犯、くらし・手続き、子育て、教育、保健・福祉、観光・イベント、広報、ごみなどに関する情報が含まれ、これらの項目をさらに細分化させた項目に対応するコンテンツが含まれる。このように、自治体情報は、非常に多岐にわたる。また、各々の情報量が多い傾向にあることが多い。このように、配信アプリに様々なコンテンツが含まれているとユーザが得たい情報を探すことが困難となる場合も想定される。
【0030】
配信アプリに対する操作を誘引し、配信アプリを操作するように仕向け、ユーザに配信アプリの操作に慣れてもらえれば、配信アプリにはどのようなコンテンツが含まれ、どの様な操作をすればどの様なコンテンツを閲覧することができるのかを、ユーザ自身に把握してもらうことができる。これにより、ユーザは、配信アプリに含まれる様々なコンテンツから、ユーザ自身の興味や関心に応じて適切に所望のコンテンツを探し出すことができるようになる。ユーザが所望のコンテンツを適切に探し出すことができるようになれば、ユーザによる自治体への問い合わせが減少したり、ユーザ自身が適切に行政手続きを行ったりすることができるようになる。このため、自治体の好適な運営に寄与することができる。
【0031】
以下では、主に、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されたことに応じて表示領域E1に挨拶メッセージが表示される構成について、説明する。
【0032】
図3の説明に戻り、記憶部130は、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の記憶装置を備える。記憶部130は、例えば、挨拶メッセージ情報131、挨拶メッセージ配信履歴情報132、および、背景情報133を記憶する。挨拶メッセージ情報131は、ユーザ端末300に配信する挨拶メッセージに関する情報である。挨拶メッセージ配信履歴情報132は、ユーザ端末300に配信した挨拶メッセージの履歴を示す情報である。背景情報133は、挨拶メッセージの背景画面に関する情報である。
【0033】
起動情報取得部111は、起動情報を取得する。起動情報は、ユーザ端末300がユーザなどによって操作され、配信アプリが起動されたことに応じてユーザ端末300から配信装置100に通知される情報である。配信装置100は、ユーザ端末300から通知された起動情報を通信部120により受信し、通信部120が受信した起動情報を起動情報取得部111に出力する。これにより、起動情報取得部111は、通信部120を介して起動情報を取得する。起動情報取得部111は、取得した起動情報を、挨拶メッセージ制御部112に出力する。
【0034】
挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージの配信を制御する。挨拶メッセージ制御部112は、起動情報取得部111から起動情報を取得したことをトリガとして、起動判定を行う。この起動判定は、配信アプリの起動が、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されたか否かを判定する処理である。
【0035】
例えば、挨拶メッセージ制御部112は、ユーザ端末300のロック画面またはホーム画面などに表示されたプッシュ通知をタップ操作して配信アプリを起動した場合、「未読」の個人宛メッセージがある状態で配信アプリが起動されたと判定する。一方、挨拶メッセージ制御部112は、プッシュ通知をタップ操作する操作以外の方法、例えば、ユーザ端末300のホーム画面に表示された配信アプリのアイコンをタップ操作して配信アプリを起動した場合、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されたと判定する。
【0036】
挨拶メッセージ制御部112は、起動判定において、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されたと判定した場合、記憶部130から挨拶メッセージ情報131を読出し、読出した挨拶メッセージ情報131にあるメッセージからランダムに選択したメッセージを、配信アプリの起動時に、ユーザ端末300に送信する挨拶メッセージとする。挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージとして選択したメッセージの内容を示す情報を配信部113に出力する。
【0037】
図4は、挨拶メッセージ情報131の例を示す図である。図4に示すように、挨拶メッセージ情報131は、カテゴリ、挨拶メッセージID、挨拶メッセージ、通知種別などが対応付けられた情報である。カテゴリは、挨拶をする時間帯ごとの分類を示す情報であり、ここでは、朝、昼、夕、夜などの分類を示す。挨拶メッセージIDは、挨拶メッセージを一意に識別する情報である。挨拶メッセージは、挨拶メッセージの内容を示す。通知種別は、挨拶メッセージの内容に応じた種別を示す。この図の例において、通知種別は、場所、コミュニティ、バス運行、その他のいずれかの種別を示すものである。このように、挨拶メッセージ情報131は、時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを示す。つまり、記憶部130は、挨拶メッセージ情報131として、時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する。
【0038】
なお、この図では、記憶部130は、一日のうちの時間帯に応じた挨拶を含むメッセージを記憶する場合を例示したがこれに限定されない。挨拶メッセージ情報131として、少なくとも時期に応じた挨拶を含むメッセージが記憶されていればよく、例えば、季節、時節、時候、暦、二十四節気などに応じた挨拶を含むメッセージが記憶されていてもよい。
【0039】
挨拶メッセージ制御部112は、起動情報が取得された日時に対応する時期のカテゴリに属する挨拶メッセージ情報131を記憶部130から読出し、読出した挨拶メッセージ情報131にあるメッセージからランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
挨拶メッセージ情報131として、図4の例に示すように朝、昼、夕、夜などの一日のうちの時間帯に応じた挨拶メッセージが記憶されている場合、挨拶メッセージ制御部112は、起動情報を取得した時刻に対応する時間帯のカテゴリに属するメッセージから、ランダムに挨拶メッセージを選択する。
例えば、起動情報を取得した時刻が、5:00から10:59までの間の時刻であった場合、挨拶メッセージ制御部112は、「朝」のカテゴリに属する挨拶メッセージとして、図4の挨拶メッセージID(M1)、(M2)、…に対応する一連のメッセージ群を抽出し、抽出したメッセージ群の中からランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
起動情報を取得した時刻が、11:00から16:59までの間の時刻であった場合、挨拶メッセージ制御部112は、「昼」のカテゴリに属する挨拶メッセージとして、図4の挨拶メッセージID(D1)、(D2)、(D3)…に対応する一連のメッセージ群を抽出し、抽出したメッセージ群の中からランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
起動情報を取得した時刻が、17:00から22:59までの間の時刻であった場合、挨拶メッセージ制御部112は、「夕」のカテゴリに属する挨拶メッセージとして、図4の挨拶メッセージID(E1)、(E2)…に対応する一連のメッセージ群を抽出し、抽出したメッセージ群の中からランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
起動情報を取得した時刻が、13:00から翌日4:59までの間の時刻であった場合、挨拶メッセージ制御部112は、「夜」のカテゴリに属する挨拶メッセージとして、図4の挨拶メッセージID(N1)…に対応する一連のメッセージ群を抽出し、抽出したメッセージ群の中からランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
【0040】
背景選択部115は、挨拶メッセージの背景に設定する背景画像を選択する。背景選択部115は、挨拶メッセージ制御部112によって挨拶メッセージが選択されたことに応じて記憶部130から背景情報133を読出す。
【0041】
図5は、背景情報133の例を示す図である。図5に示すように、背景情報133は、通知種別と背景画像が対応付けられた情報である。通知種別は、メッセージの内容に応じた種別を示す。ここでは、通知種別は、場所、コミュニティ、バス運行、その他のいずれかの種別を示すものであり、図4に示す挨拶メッセージ情報131の通知種別と対応している。この図において、背景画像には、通知種別に応じたデザインが施されている。例えば、「場所」に対応する通知種別の背景画像には地図をイメージさせるデザインが施されている。「バス運行」に対応する通知種別の背景画像には路線図をイメージさせるデザインが施されている。「コミュニティ」に対応する通知種別の背景画像には地域や街並みをイメージさせるデザインが施されている。
なお、この図の例では、背景画像にデザインされた地図や路線図などの輪郭がはっきりと描かれているが、これに限定されない。背景画像において、地図や路線図などの輪郭がはっきりと描かれておらず輪郭部分が徐々に背景色と一体化するような淡いデザインが用いられてもよい。
【0042】
背景選択部115は、挨拶メッセージ制御部112によって選択された挨拶メッセージの通知種別に対応する背景画像を選択する。背景選択部115は、挨拶メッセージ情報131を参照することによって、挨拶メッセージ制御部112によって選択された挨拶メッセージに対応づけられた通知種別を特定する。背景選択部115は、特定した通知種別に対応する背景画像を選択し、選択した背景画像の画像情報を配信部113に出力する。
【0043】
配信部113は、ユーザ端末300に挨拶メッセージを送信する。挨拶メッセージ制御部112によって選択された挨拶メッセージの内容が、背景選択部115によって選択された背景にて表示されるように、挨拶メッセージをユーザ端末300へ送信する。
【0044】
図6は、配信装置が行う処理を説明するための図である。図6には、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されると表示される画面の例が示されている。
この図に示すように、表示領域E1には挨拶メッセージが表示される。表示領域E2にはイベントの通知などのコンテンツが表示される。例えば、ユーザが表示領域E1をスワイプ操作すると、挨拶メッセージが消去される。
配信装置100は、表示領域E1がスワイプ操作されたことに応じて、挨拶メッセージを消去した後、それまで表示領域E2に表示されていたイベントの通知など挨拶メッセージ以外のコンテンツをユーザ端末300の表示画面全体(つまり、表示領域E1およびE2)に表示させる。
【0045】
このように、本実施形態では、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動されたことに応じて、個人宛メッセージが表示される表示領域E1に、挨拶メッセージを表示させる。これにより、ユーザに、表示領域E1に、何等かメッセージが表示されることを意識づけることができ、アプリを起動して操作するような利用を促進することができる。
【0046】
ここで、挨拶メッセージ制御部112は、配信履歴に基づいて挨拶メッセージを選択するようにしてもよい。配信履歴は、ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージを送信した履歴である。例えば、配信部113は、挨拶メッセージを配信すると、配信履歴IDを発行し、発行した配信履歴IDに、配信した挨拶メッセージの配信日時、挨拶メッセージIDなどを対応付けて配信履歴を生成し、生成した配信履歴を挨拶メッセージ配信履歴情報132に記憶させる。
【0047】
図7および図8は、実施形態の挨拶メッセージ配信履歴情報132の例を示す図である。挨拶メッセージ配信履歴情報132は、配信履歴ID、配信日時、挨拶メッセージID、反応などが対応付けられた情報である。配信履歴IDは、配信履歴を一意に識別する情報である。配信日時は、挨拶メッセージが配信された日時を示す。挨拶メッセージIDは挨拶メッセージを一意に識別する情報である。反応は、挨拶メッセージを受け取ったユーザからの反応である。
【0048】
図7および図8に示すように、配信履歴に、挨拶メッセージを受け取ったユーザからの反応が含まれていてもよい。挨拶メッセージを受け取ったユーザからの反応は、任意の方法で取得することができる。例えば、配信アプリにおいて表示された挨拶メッセージがスワイプ操作されると、「挨拶メッセージは如何でしたか」などの質問と共に、「よい」「悪い」などの選択肢が表示される。ユーザは、挨拶メッセージから感じた反応に応じて選択肢を選択する。ユーザによって選択肢が選択されると、その選択結果を示す情報が、ユーザ端末300から配信装置100に通知される。配信装置100は、ユーザ端末300から通知された選択結果を受信すると、受信した選択結果に応じた反応を、挨拶メッセージに対するユーザからの反応として挨拶メッセージ配信履歴情報132に記憶させる。
【0049】
挨拶メッセージ制御部112は、ユーザの反応がよいメッセージを、挨拶メッセージとして配信するようにしてもよい。この場合、挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージを選択する場合に、記憶部130から挨拶メッセージ配信履歴情報132を読出す。挨拶メッセージ制御部112は、読出した挨拶メッセージ配信履歴情報132から、抽出条件に合致するメッセージを抽出する。抽出条件は、挨拶メッセージ情報131にあるメッセージから、今回選択する挨拶メッセージの候補を抽出する条件である。例えば、挨拶メッセージ制御部112は、起動情報を受信した日時に対応する時期のカテゴリに属するメッセージのうち、反応がしきい値以上、例えば「よい」または「まあよい」が対応付けられたメッセージを、抽出条件として、挨拶メッセージ配信履歴情報132から抽出する。挨拶メッセージ制御部112は、抽出したメッセージからランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
【0050】
また、挨拶メッセージ制御部112は、起動情報を受信した日時に対応する時期のカテゴリに属するメッセージのうち、配信頻度がしきい値以下のメッセージを、抽出条件として、挨拶メッセージ情報131からメッセージを抽出するようにしてもよい。例えば、起動情報を受信した時刻が「朝」のカテゴリに属する時間帯であった場合、挨拶メッセージ情報131にある、挨拶メッセージIDが「Mn(n=1、2、…)」のメッセージのうち、配信頻度がしきい値以下、例えば、1回も配信した実績がないメッセージを抽出する。
挨拶メッセージ制御部112は、抽出したメッセージからランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。
図7において、挨拶メッセージ配信履歴情報132には、「朝」のカテゴリに属するメッセージとして、配信履歴IDがTX1~TX4に対応する4つの配信履歴が示され、挨拶メッセージID(M1)、(M5)、(M3)、(M2)のそれぞれのメッセージが配信されたことが示されている(符号H1)。この場合、例えば、次回、起動情報を受信した時刻が「朝」のカテゴリに属する時間帯であった場合、挨拶メッセージ制御部112は、配信履歴において、まだ配信した実績がない挨拶メッセージID(M4)に対応するメッセージを抽出条件に合致するメッセージとして抽出する。
【0051】
或いは、挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージに、ユーザの収集欲を喚起するような文言を含めるようにしてもよい。ここでの収集とは、ユーザ端末300に配信された挨拶メッセージを、ユーザが取得した挨拶メッセージとして集めることである。例えば、挨拶メッセージ制御部112は、配信履歴に基づいて、コンプリート情報を生成する。コンプリート情報は、ユーザが取得した挨拶メッセージに関する情報であり、例えば、配信アプリにあるメッセージの総数に対するユーザに配信した挨拶メッセージ数の比率や、未配信のメッセージの数などを示す情報である。
挨拶メッセージ制御部112は、「コンプリート情報」を、挨拶メッセージに含めるようにする。例えば、挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージID(M1)のメッセージにコンプリート情報を含めたメッセージとして、「おはようございます。最近の…」とのメッセージに続き、「あと2つ揃えば「朝」カテゴリの挨拶メッセージがコンプリートします。」、「「朝」カテゴリの挨拶メッセージ全9種類のうち、8種類が揃いました」などの案内文を追加したメッセージを、挨拶メッセージとする。
図8において、配信履歴IDがTX4に対応する配信履歴において、挨拶メッセージID(M4#)のメッセージが配信されたことが示されている(符号H2)。これは、挨拶メッセージID(M4)に対応するメッセージに、コンプリート情報が付加されたメッセージが挨拶メッセージとして配信されたことを示している。
【0052】
図9は、メッセージ配信システムが行う処理の流れを示すシーケンス図である。ユーザ端末300は、配信アプリを起動する(ステップS10)。ユーザ端末300において配信アプリが起動されたことに応じて、ユーザ端末300は、起動情報を配信装置100に送信する。配信装置100は、ユーザ端末300から起動情報を受信すると、起動情報を受信した時刻に対応する時間帯のカテゴリに属する挨拶メッセージIDをランダムに選択する(ステップS11)。配信装置100は、選択した挨拶メッセージIDに基づいて記憶部130を読出し、選択した挨拶メッセージIDに対応するメッセージを、挨拶メッセージとして取得する(ステップS12)。配信装置100は、挨拶メッセージをユーザ端末300に配信する(ステップS13)。配信装置100は、挨拶メッセージ情報(挨拶メッセージの内容、および背景画像などを含む情報)を、ユーザ端末300に送信することによって、挨拶メッセージを配信する。ユーザ端末300は、配信装置100から挨拶メッセージを受信し(ステップS14)、受信した挨拶メッセージを配信アプリの表示領域E1に表示させる(ステップS15)。ユーザ端末300は、配信アプリを再起動する操作が行われたか否かを判定する(ステップS16)。例えば、ユーザは、挨拶メッセージを収集したい、或いは、次の挨拶メッセージを配信させたいような希望がある場合、配信アプリを再起動する操作を行う。つまり、ユーザは、配信アプリを終了する操作をした後、再度、配信アプリを起動する操作を行う。ステップS16において配信アプリを再起動する操作が行われた場合、配信装置100はステップS10に戻る。一方、ステップS16において配信アプリを再起動する操作が行われない場合、配信装置100は処理を終了する。
【0053】
なお、図9に示すフローチャートでは、ステップS11において挨拶メッセージIDを選択し、ステップS12において挨拶メッセージIDに対応する挨拶メッセージを挨拶メッセージ情報131から取得する場合を例示したが、これに限定されない。ステップS11において、起動情報を受信した時刻に対応する時間帯のカテゴリに属するメッセージからランダムにメッセージを選択し、選択したメッセージを挨拶メッセージとしてもよい。この場合、ステップS12を省略することができる。
【0054】
以上説明したように、実施形態のメッセージ配信システム10は、記憶部130と、起動情報取得部111と、挨拶メッセージ制御部112と、配信部113とを備える。記憶部130は、挨拶メッセージ情報131(時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージ)を記憶する。起動情報取得部111は、ユーザ端末300において配信アプリ(アプリケーションプログラム)が起動されたことを示す起動情報を取得する。挨拶メッセージ制御部112は、起動情報が取得された日時に対応する挨拶メッセージ情報131(起動情報が取得された日時に対応する時期のカテゴリに属するメッセージ)を記憶部130から読出す。挨拶メッセージ制御部112は、読出したメッセージからランダムに選択したメッセージを、配信アプリの起動時に、ユーザ端末300に送信する挨拶メッセージとする。配信部113は、挨拶メッセージをユーザ端末300に配信する。これにより、実施形態の管理システム1では、ユーザ端末300において配信アプリが起動された時刻に応じた挨拶メッセージを配信することができ、時候の挨拶を含まない単なるメッセージを配信した場合よりも、ユーザに対する気遣いを示すことができ、「好意の返報性」の原理から、配信アプリを操作するように仕向けることができる。したがって、アプリケーションプログラム(アプリ)を起動して操作するような利用を促進することができる。
【0055】
また、実施形態のメッセージ配信システム10では、記憶部130は、挨拶メッセージ情報131(時期としての時間帯に応じた挨拶を含むメッセージ)を記憶する。挨拶メッセージ制御部112は、起動情報を受信した時刻に対応する時間帯のカテゴリに属するメッセージから、挨拶メッセージを選択する。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、おはよう、こんにちは、こんばんは等といった時間帯に応じた挨拶を含む挨拶メッセージを配信することができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0056】
また、実施形態のメッセージ配信システム10は、背景選択部115をさらに備える。記憶部130は、メッセージの内容に応じた複数の背景をさらに記憶する。
背景選択部115は、挨拶メッセージ制御部112によって挨拶メッセージを選択したことに応じて、記憶部130から背景情報133(メッセージの内容に応じた複数の背景)を読出し、読出した背景情報133から、挨拶メッセージの内容に応じた背景を、挨拶メッセージの背景として選択する。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、挨拶メッセージの内容に応じた背景が付与されたメッセージを配信することができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0057】
また、実施形態のメッセージ配信システム10は、個別メッセージ制御部114をさらに備える。個別メッセージ制御部114は、個人宛メッセージ(挨拶メッセージとは異なる個人宛メッセージであって事業者からユーザに宛てた個人宛メッセージ)を、プッシュ通知により、ユーザ端末300に配信するように制御する。挨拶メッセージ制御部112は、個人宛メッセージが配信されたことに応じて配信アプリが起動されたか、または個人宛メッセージが配信されたこととは無関係に配信アプリが起動されたかを判定する。
例えば、挨拶メッセージ制御部112は、ユーザ端末300のロック画面またはホーム画面などに表示されたプッシュ通知をタップ操作して配信アプリを起動した場合、「未読」の個人宛メッセージがある状態で配信アプリが起動された、つまり個人宛メッセージが配信されたことに応じて配信アプリが起動されたと判定する。
一方、挨拶メッセージ制御部112は、プッシュ通知をタップ操作する操作以外の方法、例えば、ユーザ端末300のホーム画面に表示された配信アプリのアイコンをタップ操作して配信アプリを起動した場合、「未読」の個人宛メッセージがない状態で配信アプリが起動された、つまり、個人宛メッセージが配信されたこととは無関係に配信アプリが起動されたと判定する。
挨拶メッセージ制御部112は、個人宛メッセージが配信されたこととは無関係に配信アプリが起動されたと判定した場合に、挨拶メッセージを選択する。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、個人宛メッセージが配信されたこととは無関係に配信アプリが起動された場合に挨拶メッセージを配信することができる。このため、個人宛メッセージが通知されていなくとも、配信アプリを起動するように仕向けることができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0058】
また、実施形態のメッセージ配信システム10では、挨拶メッセージ制御部112は、配信アプリにおいて、個人宛メッセージが表示される表示エリア(表示領域E1)に、挨拶メッセージが表示されるように制御する。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、ユーザに対して、表示エリア(表示領域E1)に何等かのメッセージが表示されることを意識づけることができ、アプリを起動して操作するような利用を促進することができる。
【0059】
また、実施形態のメッセージ配信システム10では、記憶部130は、挨拶メッセージ配信履歴情報132(ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージの配信履歴)をさらに記憶する。挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージを選択する場合に、記憶部130から配信履歴を読出す。挨拶メッセージ制御部112は、記憶部130から読出した配信履歴から、起動情報を受信した日時に対応する時期のカテゴリに属するメッセージのうち、配信頻度がしきい値以下のメッセージからランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、挨拶メッセージ情報131として予め用意したメッセージから、ユーザ端末300に送信したことがないか、ごく稀にしか送信されない挨拶メッセージを、ユーザ端末300に配信することができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0060】
また、実施形態のメッセージ配信システム10では、記憶部130は、挨拶メッセージ配信履歴情報132(ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージの配信履歴)をさらに記憶する。挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージを選択する場合に、記憶部130から挨拶メッセージ配信履歴情報132を読出す。挨拶メッセージ制御部112は、読出した挨拶メッセージ配信履歴情報132から、起動情報を受信した日時に対応する時期のカテゴリに属するメッセージのうち、既に配信済みのメッセージの割合がしきい値以上である場合、その割合に応じた文言を挨拶メッセージに含めるようにする。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、「あと2つ揃えば「朝」カテゴリの挨拶メッセージがコンプリートします。」などの文言を挨拶メッセージに含めることができる。したがって、ユーザが挨拶メッセージを収集したくなるように仕向けることができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0061】
また、実施形態のメッセージ配信システム10では、記憶部130は、挨拶メッセージ配信履歴情報132(ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージに対する反応)をさらに記憶する。挨拶メッセージ制御部112は、挨拶メッセージを選択する場合に、記憶部130から挨拶メッセージ配信履歴情報132(ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージに対する反応)を読出す。挨拶メッセージ制御部112は、読出した挨拶メッセージ配信履歴情報132(ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージに対する反応)に基づいて、起動情報を受信した日時に対応する前記時期のカテゴリに属するメッセージのうち、ユーザ端末300へ送信した挨拶メッセージに対する反応がしきい値以上のメッセージからランダムに選択したメッセージを、挨拶メッセージとする。これにより、実施形態のメッセージ配信システム10では、ユーザの反応が好ましいメッセージを、挨拶メッセージとして配信することができ、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0062】
上述した実施形態におけるメッセージ配信システム10及び配信装置100の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0063】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10…メッセージ配信システム
100…配信装置
110…制御部
111…起動情報取得部
112…挨拶メッセージ制御部
113…配信部
114…個別メッセージ制御部
115…背景選択部
130…記憶部
300…ユーザ端末
【要約】
【課題】アプリケーションプログラム(アプリ)を起動して操作するような利用を促進する。
【解決手段】時期に対応するカテゴリに分類された複数のメッセージを記憶する記憶部と、ユーザ端末においてアプリケーションプログラムが起動されたことを示す起動情報を取得する起動情報取得部と、前記起動情報が取得された日時に対応する前記時期のカテゴリに属するメッセージを前記記憶部から読出し、読出したメッセージからランダムに選択したメッセージを、前記アプリケーションプログラムの起動時に前記ユーザ端末に送信する挨拶メッセージとする挨拶メッセージ制御部と、前記挨拶メッセージを前記ユーザ端末に配信する配信部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9