(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】タスク実行システム、自律移動端末及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241008BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2022183381
(22)【出願日】2022-11-16
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】520263796
【氏名又は名称】いくつものかたち株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519455807
【氏名又は名称】株式会社IoZ
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】木原 倫文
(72)【発明者】
【氏名】吉田 柳太郎
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0365046(US,A1)
【文献】特開2020-181434(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024468(KR,A)
【文献】国際公開第2019/058694(WO,A1)
【文献】特開2006-239849(JP,A)
【文献】国際公開第2018/083942(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第115222183(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113238533(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113806377(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114680751(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113393142(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106564054(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0205145(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0176337(US,A1)
【文献】特許第7055250(JP,B1)
【文献】特開2014-054335(JP,A)
【文献】特開2016-212462(JP,A)
【文献】特開2004-216528(JP,A)
【文献】国際公開第2019/045294(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、複数の自律移動端末とを備え、タスクを実行するタスク実行システムであって、
前記自律移動端末は、
タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、
受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、
実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を前記サーバに送信する端末側送信部とを備え、
前記サーバは、
前記自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末の識別情報に対応付けされたタスク情報を各自律移動端末に送信するサーバ側送信部と、
各自律移動端末から受信した評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報における前記識別情報と前記タスク情報の対応付けを更新する更新部とを備え、
前記サーバ側送信部は、更新された割当情報を記憶する前記記憶手段を参照し、前記各自律移動端末の識別情報に対応付けされたタスク情報を各自律移動端末に送信し、
さらに、
前記端末側受信部は、前記サーバ側送信部により新たに送信されたタスク情報を受信し、
前記実行部は、前記端末側受信部が新たに受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行し、
前記サーバは、
タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得した場合、当該判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定するサーバ側判定部と、
前記新規タスクが発生したと判定された場合、前記位置情報に基づいて特定される領域と、前記判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成するサーバ側生成部とを備え、
前記更新部は、生成されたタスク情報が、前記自律移動端末の識別情報と対応付けされるように前記割当情報を更新し、
前記自律移動端末は、
前記判定用情報を取得する端末側取得部と、
取得した判定用情報と所定の仮判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを仮判定し、前記新規タスクが発生したと仮判定した場合、仮判定した前記新規タスクを実行すべき領域と当該新規タスクの要件とを特定する端末側仮判定部とを備え、
前記端末側送信部は、前記判定用情報を前記サーバに送信し、
前記実行部は、
前記新規タスクの優先度に基づいて当該新規タスクの実行順を他のタスクの実行順よりも前に設定することで、前記サーバによる前記新規タスクが発生したか否かの判定結果を待たずに当該新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、
かつ前記サーバにより前記新規タスクが発生していないと判定された場合、当該新規タスクの実行を中止する
ことを特徴とするタスク実行システム。
【請求項2】
前記サーバ側生成部は、前記判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報から特定される経路と、所定の領域特定規則とに従って前記新規タスクを実行すべき領域を特定する
請求項1記載のタスク実行システム。
【請求項3】
前記自律移動端末は、前記タスクの実行中に自身が備えるセンサから取得したセンサ情報に基づいて学習処理を実行することで、前記タスクをより適切に実行するための制御情報を取得するように学習した学習済モデルを生成する端末側生成部を備え、
前記実行部は、
生成された前記学習済モデルに前記センサ情報を入力して前記タスクを実行するための前記制御情報を取得し、
取得した前記制御情報に基づいて前記タスクを実行し、
前記端末側送信部は、生成した前記学習済モデルを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記タスク情報に含まれる前記要件を満たすために用いられる前記制御情報を取得可能な前記学習済モデルを特定する特定部を備え、
前記サーバ側送信部は、当該タスク情報に対応付けされた識別情報の前記自律移動端末に対し、特定された前記学習済モデルを送信する
請求項1または請求項2に記載のタスク実行システム。
【請求項4】
前記端末側送信部は、前記実行部によるタスクの実行状況と自身の識別情報とが対応付けされた実行状況情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記実行状況情報が含む識別情報に対応付けされたタスク情報と、所定の分割規則とに従って複数の分割タスク情報を生成するサーバ側生成部を備え、
前記更新部は、前記分割タスク情報に対して新たに前記識別情報が対応付けされるように前記割当情報を更新する
請求項1または請求項2に記載のタスク実行システム。
【請求項5】
前記自律移動端末は、
前記タスクの要件と当該タスクの実行に必要な自律移動端末の機能とが対応付けされた機能情報を記憶する記憶手段を参照し、当該タスクを自身が実行可能か否かを判定する端末側判定部と、
該端末側判定部により前記タスクを自身が実行可能でないと判定された場合、当該タスクを実行可能な他の自律移動端末に救援を要請する要請部とを備え、
前記実行部は、前記要請に基づいて前記タスクを実行し、
前記端末側送信部は、前記要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報を前記サーバに送信し、
前記更新部は、当該評価関連情報を用いる前記更新手段によって前記割当情報を更新する
請求項1または請求項2に記載のタスク実行システム。
【請求項6】
前記タスクの要件は、紫外線を照射することを含み、
前記複数の自律移動端末は、紫外線照射機能を有さない第1自律移動端末と、紫外線照射機能を有する第2自律移動端末とを含み、
前記要請部は、自身が前記第1自律移動端末であり、かつ、紫外線を照射することである前記要件を含むタスク情報が自身の識別情報に対応付けされている場合、前記第2自律移動端末に救援を要請する
請求項5記載のタスク実行システム。
【請求項7】
前記自律移動端末は、
自身の周囲に存在する物体の位置を検出する検出部と、
前記自律移動端末がタスクを実行し得る領域を含む場所のマップと、当該場所における物体の位置とが対応付けされた端末側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、前記検出部により検出された前記位置を前記マップに対応付けるように前記端末側マップ情報を更新するマップ更新部とを備え、
前記端末側送信部は、更新された端末側マップ情報を前記サーバに送信し、
前記更新部は、
前記場所のマップと、当該場所における前記位置とが対応付けされたサーバ側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、複数の前記自律移動端末から受信した端末側マップ情報に基づいて、前記位置が前記マップに対応付けされるように前記サーバ側マップ情報を更新し、
前記評価関連情報と、更新した前記サーバ側マップ情報とに基づいて、前記割当情報を更新する
請求項1または請求項2に記載のタスク実行システム。
【請求項8】
タスクを実行する自律移動端末であって、
タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、
受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、
実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバに送信する端末側送信部とを備え、
前記評価関連情報は、自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報における前記識別情報と前記タスク情報の対応付けの所定の更新手段による更新のために前記サーバによって用いられ、
前記端末側受信部は、更新された前記割当情報を記憶する記憶手段を参照して前記サーバが送信した、自身の識別情報に対応付けされたタスク情報を受信し、
前記実行部は、新たに受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行し、
判定用情報を取得する端末側取得部と、
取得した
前記判定用情報と所定の仮判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを仮判定し、前記新規タスクが発生したと仮判定した場合、仮判定した前記新規タスクを実行すべき領域と当該新規タスクの要件とを特定する端末側仮判定部とをさらに備え、
前記端末側送信部は、前記判定用情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得した場合、当該判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定するサーバ側判定部と、
前記新規タスクが発生したと判定された場合、前記位置情報に基づいて特定される領域と、前記判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成するサーバ側生成部と、
生成されたタスク情報が、自律移動端末の識別情報と対応付けされるように前記割当情報を更新する更新部とを備え、
前記実行部は、
前記新規タスクの優先度に基づいて当該新規タスクの実行順を他のタスクの実行順よりも前に設定することで、前記サーバによる前記新規タスクが発生したか否かの判定結果を待たずに当該新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、
かつ前記サーバにより前記新規タスクが発生していないと判定された場合、当該新規タスクの実行を中止する
自律移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと複数の自律移動端末とを備えたタスク実行システム、自律移動端末及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自律移動端末にタスク(すなわち、仕事)を実行させるためのシステムが種々提案されている。このようなシステムには、例えば、自律移動端末に所定の場所を掃除させるものもある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、1つのタスクとしては実行が難しいことを理由として(例えば、掃除すべき場所が広範であることを理由として)、1つのタスクを複数のタスクに分割して複数の自律移動端末に割り当てる場合がある。この場合、例えば分割前のタスクの実行対象となる場所を複数の領域に分割し、分割した領域に対応するタスクを複数の自律移動端末に割り当てる方法を採り得る。ここで、複数の自律移動端末に対するタスクの割り当てを改善させたい場合、システムの管理者は、各自律移動端末により実行されたタスクの結果(例えば、タスクの成否や、完了までに要した時間)を見直して、より適切な割り当てを考えることになる。そのため、自律移動端末の数が多くなるほど管理者の負担が大きくなる場合があった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、複数の自律移動端末へタスクを割り当てるために要する管理者の負担を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明におけるタスク実行システムは、サーバと、複数の自律移動端末とを備え、タスクを実行するタスク実行システムであって、前記自律移動端末は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を前記サーバに送信する端末側送信部とを備え、前記サーバは、前記自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末に前記タスク情報を送信するサーバ側送信部と、各自律移動端末から受信した前記評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報を更新する更新部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明における自律移動端末は、所定のタスクを実行する自律移動端末であって、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバに送信する端末側送信部とを備え、前記評価関連情報は、自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報の所定の更新手段による更新のために前記サーバによって用いられることを特徴とする。
【0008】
本発明におけるサーバは、複数の自律移動端末に所定のタスクを実行させるためのサーバであって、前記自律移動端末の識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末に前記タスク情報を送信するサーバ側送信部と、各自律移動端末から受信した実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報を更新する更新部とを備え、前記タスク情報は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられた情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の自律移動端末へタスクを割り当てるために要する管理者の負担を軽減させることが可能なタスク実行システム、自律移動端末及びサーバを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るタスク実行システム100の構成の一例を表したブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する自律移動端末20の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100におけるタスク実行処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクのタスク情報生成処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクが発生したか否かの判定処理及び新規タスク実行処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクが発生したか否かの判定処理及び新規タスク実行処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する新規タスクの発生に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Cの構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Cの構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100における分割タスク情報生成処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100における救援要請処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する分割タスク情報の生成に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
【
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する分割タスク情報の生成に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
【
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する機能情報の例について説明するための説明図である。
【
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Dの構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Dの構成の一例を示すブロック図である。
【
図21】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100におけるマップ情報更新処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るタスク実行システムの例について説明する。
図1は、本発明に係るタスク実行システム100の構成の一例を表したブロック図である。タスク実行システム100は、サーバ10と、複数の自律移動端末20,201~20N(Nは任意の整数。)とを少なくとも含む。サーバ10及び複数の自律移動端末20,201~20Nは、互いにインターネットなどの通信ネットワーク30を介して接続されている。
【0013】
サーバ10は、複数の自律移動端末20,201~20Nに所定のタスクを実行させるための装置である。ここで、タスクとは、少なくとも満たすべき要件が定められた行動を意味する。要件の内容は特に限定されないが、実行の成否(あるいは完了と未完了)を機械により判定可能であることが好ましい。要件の例には、タスク「水拭き」に対して要件「対象を水拭きすること」があり、この場合の行動は「対象までの移動と水拭き動作」となる。また、他の要件の例には、タスク「紫外線照射」に対して要件「対象に紫外線を照射すること」があり、この場合の行動は「対象までの移動と紫外線照射動作」となる。さらに他の要件の例には、タスク「見まわり」に対し、要件「対象領域または対象経路を移動または撮影すること」と行動「移動または撮影」がある。
【0014】
サーバ10は、自律移動端末20の識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、複数の自律移動端末20,201~20Nにタスク情報を送信する機能と、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信した評価関連情報を用いる所定の更新手段によって割当情報を更新する機能とを少なくとも有する。サーバ10の機能構成の詳細は後述する。
【0015】
サーバ10は、タスク実行システム100の管理者によって管理され、複数の自律移動端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0016】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0017】
CPU101は、各種の演算及び制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算及び制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてタスクの割り当て更新処理に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0018】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数の自律移動端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、自律移動端末20にタスクを実行させるために必要な各種情報を全て記憶可能な構成としてもよい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0019】
自律移動端末20は、自律移動が可能な端末であって、所定のタスクを実行する端末である。自律移動端末20は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する機能と、受信したタスク情報に基づいてタスクを実行する機能と、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバ10に送信する機能とを少なくとも有する。本例では、自律移動端末20は、医療施設に配置され、紫外線照射や水拭き、嘔吐物除去といったタスクを実行する。なお、自律移動端末20と自律移動端末201~20Nとは、同じ機能を有する端末であってもよいし、異なる機能を有する端末であってもよい。以下、有する機能の違いによって自律移動端末間を区別することを行わない場合、単に「複数の自律移動端末20」と称する場合がある。自律移動端末20の構成の詳細は後述する。
【0020】
なお、自律移動端末20は、一般的なコンピュータやサーバ装置が通常備えているであろうCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)、メモリ、ハードディスクドライブ等のストレージを具備しているものとする(図示省略)。また、自律移動端末20を機能させるためにプログラムよって各種処理が実行されることは言うまでもない。
【0021】
また、自律移動端末20は、適宜メモリに読み出したデータを用いて各種処理に必要な情報処理をCPUにて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置に記憶させる。記憶装置は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置の構成は特に限定されないが、例えば、HDDやSSDが挙げられる。
【0022】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例を示すブロック図である。この
図2に示すように、サーバ10は、サーバ側送信部11と、更新部12とを少なくとも備える。
【0023】
サーバ側送信部11は、自律移動端末20,201~20Nの識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、複数の自律移動端末20,201~20Nにそれぞれタスク情報を送信する機能を有する。
【0024】
ここで、自律移動端末20の識別情報とは、タスク実行システム100において自律移動端末20を一意に識別するための情報を意味する。識別情報は、自律移動端末20と他の端末とをタスク実行システム100が識別可能な情報であれば特に限定されない。識別情報の例には、タスク実行システム100が制御する複数の自律移動端末20,201~20Nそれぞれ割り当てられた固有の識別番号がある。
【0025】
また、タスク情報とは、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられた情報を意味する。タスクを実行すべき領域とは、タスクを実行すべき対象が定められた範囲を意味する。タスクを実行すべき領域を特定するための構成は特に限定されず、タスクの管理者によって対象と範囲が指定される構成としてもよいし、複数の範囲に対して特定基準に従って対象が設定される構成としてもよい。このような構成の例には、1つの病院を構成する病室や廊下における床やドアノブを管理者が対象として指定する構成や、1つの病院を構成する病室に設置された物の情報(例えば、ベッドの数や配置)から自動的に対象(例えば、ベッドの下を含む床)が設定される構成としてもよい。
【0026】
なお、タスクを実行すべき領域を表す情報の内容は、自律移動端末20がタスクを実行すべき領域への移動に用いることが可能な内容であれば特に限定されず、マップに表される領域でもよいし、タスクを実行すべき領域を表す座標でもよい。
【0027】
また、タスクの要件とは、タスクが完了したと判定するために必要な条件を意味する。タスクの要件は特に限定されないが、複数の自律移動端末20,201~20Nのうち少なくとも何れかが有する機能により満たされることが可能な要件が好ましい。タスクの要件の例には、機能「紫外線照射」により満たされることが可能な要件「対象に紫外線を照射すること」や、機能「水拭き」により満たされることが可能な要件「対象を水拭きすること」がある。ただし、タスクの要件は、複数の自律移動端末20,201~20Nが有する機能の何れによっても満たされることが可能でない要件であってもよい。要件のタスクが存在する場合であっても、サーバ10が、タスクの要件が満たされないことを管理者に通知する構成とすることで、各タスクの要件が満たされるのか否かについて管理者自身で判断する負担が無くなる。そして、管理者は、サーバ10からの通知を、新たな機能を有する自律移動端末を投入するための判断の材料にすることができる。
【0028】
なお、タスクの要件を満たすことが可能な機能を特定するための構成の例には、タスクの要件とタスクの実行に必要な機能とが対応付けされた機能情報を用いる構成がある。
【0029】
また、タスクを実行する対象物体の種類(例えば、床や手摺)を特定するための構成の例には、タスクの要件を表す情報の少なくとも一部によって特定する構成や、タスクを実行すべき領域を表す情報の少なくとも一部によって特定する構成がある。このような構成で用いられる情報の構成の例には、タスクを実行する対象物体の種類とタスクの要件が満たされるための作業内容とが対応付けされた構成や、タスクを実行する対象物体の種類とタスクを実行すべき領域が含まれるマップとが対応付けされた構成がある。
【0030】
また、複数の自律移動端末20にタスク情報を送信するとは、各自律移動端末20について、自律移動端末の識別情報が対応付けされたタスク情報を自律移動端末20に送信することを意味する。各自律移動端末20にタスク情報を送信するタイミングは特に限定されず、所定の時間が経過する毎のタイミングでもよいし、複数の自律移動端末20,201~20Nによるタスクの実行状況が所定条件を満たしたタイミングでもよい。サーバ側送信部11が、所定の時間が経過する毎のタイミングで各自律移動端末20にタスク情報を送信する構成をとると、複数の自律移動端末20,201~20Nにタスクを定期的に実行させることとなる。なお、後述する割当情報を更新するタイミングについても、タスク情報の送信と同じく特に限定されない。すなわち、例えば全てのタスクが実行された後、それまで受信した各種情報に基づいて割当情報を更新する構成としてもよいし、所定期間ごとに更新する構成する構成としてもよい。
【0031】
また、複数の自律移動端末20,201~20Nにそれぞれタスク情報を送信するための構成は特に限定されず、タスク実行システム100が備える複数の自律移動端末20,201~20Nすべてに同じタイミングでタスク情報を送信する構成としてもよいし、複数の自律移動端末20,201~20Nのうち何れかの端末がサーバ10に評価関連情報を送信したことに応じてタスク情報を送信する構成としてもよい。
【0032】
更新部12は、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信した実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を用いる所定の更新手段によって割当情報を更新する機能を有する。
【0033】
ここで、実行済みタスクとは、一度実行を開始して実行を止めたタスクを意味する。実行済みタスクは、一度実行を開始して実行を止めたタスクであれば特に限定されず、要件が満たされたタスク(以下、「完了したタスク」ともいう。)でもよいし、要件が満たされずに実行が止まったタスク(以下、「未完了のタスク」ともいう。)でもよい。完了したタスクの例には、タスクを実行すべき領域全体に対して所定割合以上の領域又はすべての領域において要件が満たされた状況で実行を止めたタスクがある。未完了のタスクの例には、タスクを実行すべき領域全体に対して所定割合未満の領域において要件が満たされた状況において実行が止まったタスクがある。
【0034】
また、実行済みタスクの評価とは、タスクが実行済みにされたことに対する価値を決めることを意味する。実行済みタスクの評価の基準は、タスクが実行済みにされたことに対して与えられる評価に高低が存在する基準であれば特に限定されず、実行済みタスクの実行時間が短くなるに従って与えられる評価が高くなる基準でもよいし、実行済みタスクの要件の充足度合いが高くなるに従って与えられる評価が高くなる基準でもよいし、実行済みタスクの実行に対して直接的な評価内容に応じた評価が与えられる基準でもよい。実行済みタスクの実行時間の例には、実行済みタスクが実行中であった時間の総和や、実行済みタスクの実行を開始してから実行を止めたまでの時間(すなわち、中断した時間を含む時間)がある。実行済みタスクの要件の充足度合いの例には、実行済みタスクの要件が満たされた程度(充足と非充足の2択を含む)や、実行済みタスクを実行すべき領域のうちタスクの要件が満たされた領域の程度(充足割合)がある。実行済みタスクに対する直接的な評価の例には、実行済みタスクに対するユーザからの評価(例えば、「良い」、「普通」又は「悪い」)がある。
【0035】
また、評価関連情報とは、実行済みタスクの評価に関する情報を意味する。評価関連情報の構成は特に限定されず、実行済みタスクの評価材料を表す構成でもよいし、実行済みタスクに対する直接的な評価を表す構成でもよい。実行済みタスクの評価材料の例には、実行済みタスクの実行時間や、実行済みタスクの要件の充足度合いがある。また、評価関連情報の構成は、実行済みタスクを実行した自律移動端末20を特定可能な構成が好ましい。このような構成の例には、評価関連情報と自律移動端末20の識別情報とが対応付けされてサーバ10に送信される構成がある。このような構成とすることで、複数の自律移動端末20,201~20Nそれぞれの実行済みタスクの評価に関する情報として評価関連情報を扱うことができるようになる。
【0036】
また、所定の更新手段によって割当情報を更新するとは、割当情報における自律移動端末20の識別情報と、タスク情報との対応付けを所定の更新手段を用いて変更することを意味する。所定の更新手段については、自律移動端末20の機能構成を説明した後に説明する。
【0037】
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する自律移動端末20の構成の一例を示すブロック図である。この
図3に示すように自律移動端末20は、端末側受信部21と、実行部22と、端末側送信部23とを少なくとも備える。
【0038】
端末側受信部21は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する機能を有する。サーバ側送信部11により送信されたタスク情報は、端末側受信部21により受信される。
【0039】
実行部22は、受信したタスク情報に基づいてタスクを実行する機能を有する。
【0040】
ここで、タスク情報に基づいてタスクを実行するとは、タスク情報に含まれる領域においてタスク情報に含まれる要件が満たされるように自律移動端末20を制御することを意味する。タスク情報に基づいてタスクを実行するための構成は、タスク情報に含まれる領域及び要件に関する構成であれば特に限定されない。タスク情報に基づいてタスクを実行するための構成の例には、タスク情報に含まれる領域に自律移動端末20を移動させ、タスク情報に含まれる要件を満たすことが可能な機能を用いるように、自律移動端末20を制御する構成がある。本例において、実行部22は、タスク情報に含まれる領域が「1階」であり、タスク情報に含まれる要件が「床に紫外線を照射すること」である場合、自律移動端末20を病院の1階に移動させ、要件を満たすことが可能な機能「紫外線照射」を用いて床に紫外線を照射するように自律移動端末20を制御する。なお、紫外線を照射する箇所の例には、医療施設や介護施設における階段や廊下、病室の床や手摺がある。紫外線を照射する箇所の他の例には、公共的な乗り物の内部(例えば、電車内、バス内、ホバークラフト内)やトイレ(個室内を含む)の床や壁がある。なお、トイレ付バスなど、個室が設けられた公共施設や交通手段(例えば、駅や電車)において、殺菌を要する領域が否か(あるいは、殺菌性を要する優先度)が識別可能となるように領域情報を用意しておく構成としてもよい。
【0041】
また、タスク情報に基づいてタスクの実行を開始するタイミングは特に限定されず、サーバ10からタスク情報を受信したタイミングでもよいし、サーバ10からタスク情報を受信した後に所定の実行条件が満たされたタイミングでもよい。
【0042】
なお、実行部22は、端末側受信部21が複数のタスク情報を受信した場合、例えば、受信された複数のタスク情報のうち何れかのタスク情報を選択し、選択したタスク情報に基づいてタスクを実行する構成としてもよい。ここで、実行部22は、選択しなかったタスク情報のタスクについては、選択したタスク情報のタスクが実行済みになった後に実行を開始する構成としてもよい。すなわち、実行部22は、複数のタスク情報のタスクについては実行順を定めておき、実行順に実行していく構成としてもよい。
【0043】
端末側送信部23は、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバ10に送信する機能を有する。
【0044】
ここで、端末側送信部23によってサーバ10に送信される評価関連情報は、自律移動端末20が取得した情報である。自律移動端末20が評価関連情報を取得するための構成は特に限定されず、実行部22によるタスクの実行状況に基づいて評価関連情報を生成する構成でもよいし、サーバ10及び自律移動端末20以外の装置であってサーバ10及び/又は自律移動端末20と通信可能な装置(以下、「外部装置」という。)からの評価関連情報を受信する構成でもよい。自律移動端末20が評価関連情報を生成する構成の例には、タスクの実行を開始した時間及びタスクの実行を止めた時間に基づいて、タスクの実行時間を表す情報を評価関連情報として生成する構成がある。また、外部装置から評価関連情報を受信する構成の例には、ユーザが入力した実行済みタスクの評価を表す情報を携帯端末から受信する構成がある。なお、他の外部装置の例には、監視カメラやナースコールがある。
【0045】
また、評価関連情報をサーバ10に送信するタイミングの例には、評価関連情報を取得したタイミングや、所定の時間経過毎のタイミングがある。所定の時間経過毎に評価関連情報がサーバ10に送信される場合は、複数の実行済みタスクについての評価関連情報がサーバ10にまとめて送信されるようにしてもよい。
【0046】
次に、上述した更新部12による割当情報の更新処理に用いる所定の更新手段について説明する。更新手段とは、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信した評価関連情報を用いて割当情報を更新する手段を意味する。
【0047】
ここで、更新手段は特に限定されないが、割当情報の更新後に複数の自律移動端末20,201~20Nから受信する評価関連情報の評価が割当情報の更新前と比較して高くなるように割当情報を更新する手段が好ましい。このような手段の例には、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信する評価関連情報が表す実行済みタスクの実行時間の合計が、更新前と比較して短くなるように割当情報を更新する手段がある。また、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信する評価関連情報が表す実行済みタスクの要件の充足度合いが、更新前と比較して高くなるように(あるいは、所定基準を超えるように)割当情報を更新する手段がある。なお、実行済みタスクの実行時間を短くすることや実行済みタスクの要件の充足度合いを高くすることのために割当情報を更新するための構成は、タスクを割り当てる自律移動端末を変更する構成や、タスクを実行する自律移動端末の機能を更新する構成、タスク実行システム100への新しい自律移動端末を投入する構成などであり、公知の技術を用いるためここでの詳細な記載は省略する。
【0048】
なお、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信する評価関連情報が表す実行済みタスクの実行時間の合計の例には、複数の実行済みタスクについての実行時間の合計や、複数のタスクのうち何れかの実行が開始されてから所定数以上(例えば、すべて)のタスクが実行済みになるまでの時間がある。
【0049】
また、各自律移動端末20から受信した評価関連情報が表すタスクの要件の充足度合いの例には、複数の実行済みタスクのうち要件が満たされた実行済みタスクの割合や、複数のタスクのうち要件が満たされたタスクの割合がある。
【0050】
以上、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10及び自律移動端末20の機能構成の一例について説明した。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100におけるタスク実行処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。タスク実行処理及び割当情報更新処理は、例えばサーバ10と通信可能な端末においてタスクの実行開始条件が満たされたこと(例えば、管理者の顔認証処理が行われたこと)を契機に開始される。
【0052】
サーバ10は、先ず、自律移動端末20にタスク情報を送信する(ステップS101)。本例においてサーバ10は、割当情報において自律移動端末20の識別情報に対応付けされたタスク情報を自律移動端末20に送信する。
【0053】
次に、自律移動端末20は、タスク情報を受信する(ステップS102)。本例において自律移動端末20は、サーバ10からタスク情報を受信する。
【0054】
自律移動端末20は、タスク情報を受信すると、タスク情報に基づいてタスクを実行する(ステップS103)。本例において自律移動端末20は、タスク情報に基づいて、領域「1階」において要件「床と手摺に紫外線を照射する」を満たすように、医療施設の1階において自律移動しつつ床と手摺に紫外線を照射する。
【0055】
自律移動端末20は、タスクを実行すると、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバ10に送信する(ステップS104)。本例において自律移動端末20は、医療施設の1階における床と手摺に対する紫外線照射を開始してから完了するまでの時間を表す情報を含む評価関連情報をサーバ10に送信する。
【0056】
サーバ10は、自律移動端末20から評価関連情報を受信すると、評価関連情報を用いる所定の更新手段によって割当情報を更新し(ステップS105)、タスク実行処理及び割当情報更新処理は終了する。本例においてサーバ10は、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信した評価関連情報を用いて複数のタスクのうち何れかのタスクの実行が開始されてからすべてのタスクが実行済みとなるまでの時間が更新前と比較して短くなるように割当情報を更新する。
【0057】
図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
図5における割当情報は、タスク番号と、タスク情報と、識別情報とを含む。
【0058】
タスク番号とは、タスクを識別するための番号を意味する。また、タスク情報とは、タスクを実行すべき領域とタスクの要件とが対応付けされた情報を意味する。また、識別情報とは、自律移動端末A、Bの識別情報を意味する。「識別情報」列には、各自律移動端末A、Bの識別情報(本例においては識別情報RA、RB)にタスク情報が対応付けされたことを表す情報が格納される。本例においては、各タスクについて「識別情報」列にタスクの実行状況が管理されることで、タスク情報と識別情報とが対応付けされていることが表されている。
【0059】
図5(a)は、タスク情報が自律移動端末A及びBに送信される前の割当情報の状態を示す図である。
図5(a)では、タスク番号1及び2のタスク情報が識別情報RAに対応付けされており、タスク番号1及び2が自律移動端末Aに割り当てられた状況(具体的には、タスクの実行が開始されていない状況。)である。また、タスク番号3及び4のタスク情報が識別情報RBに対応付けされており、タスク番号3及び4が自律移動端末Bに割り当てられた状況である。
【0060】
図5(b)は、タスク情報が自律移動端末A及びBに送信されてタスクの実行が開始された後の割当情報の状態を示す図である。
図5(b)では、自律移動端末A及びBに対してタスク情報が送信された後、タスク番号1及び3の「識別情報」列においてタスクが実行中になった状況が示されている。ここで、タスク番号1及び3の「識別情報」列では、さらに各タスクが開始された時間を表す情報についても管理される。また、タスク番号2及び4の「識別情報」列は、タスクが実行予定である状況になっている。ここで、実行予定とは、タスクの実行が開始されていないものの、後で実行される予定になっている状況を意味する。
【0061】
図5(c)は、すべてのタスクが実行済みになった後の割当情報の状態を示す図である。
図5(c)では、「識別情報」列においてタスク番号1~4のタスクが実行済みになった状況が示されている。ここで、「識別情報」列では、さらにタスク番号1~4のタスクが実行済みになった時間を表す情報についても管理される。自律移動端末A及びBは、実行済みになったタスクの実行時間を表す情報を評価関連情報としてサーバ10に送信している。
【0062】
図5(d)は、評価関連情報を用いる所定の更新手段によって更新された後の割当情報の状態を示す図である。
図5(d)では、タスク番号3について、タスク情報に対応付けされる識別情報が
図5(a)の状態からに変更されていることが示されている。すなわち、タスク番号3について、識別情報RAに割り当てられる状態からRBに割り当てられる状態に割当情報が更新されている。割当情報の更新は、自律移動端末A及びBによるタスクの実行時間に基づいて行われており、タスク番号1~4のタスク実行時間がより短くなるように行われたものである。「次回割り当て」とは、次回に各タスク情報を自律移動端末A又はBに送信することが決定された状況を意味する。そして、割当情報に基づいてタスク情報が自律移動端末A及びBに送信されることで、再びタスクが実行されることになる。
【0063】
以上のように、第1の実施形態におけるタスク実行システム100は、サーバ10と、複数の自律移動端末20,201~20Nとを備え、タスクを実行するシステムであって、自律移動端末20は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信し、受信したタスク情報に基づいてタスクを実行し、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバ10に送信し、サーバ10は、自律移動端末20の識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末20にタスク情報を送信し、複数の自律移動端末20,201~20Nから受信した評価関連情報を用いる所定の更新手段によって割当情報を更新するようにしたので、複数の自律移動端末20,201~20Nへタスクを割り当てるために要する管理者の負担を軽減させることが可能となる。
【0064】
すなわち、タスクの割り当てを更新する作業を管理者が行うことなく、実行済みタスクの評価を参照して複数の自律移動端末20,201~20Nに対するタスクの割り当ての更新が行われるようになるため、管理者の負担を軽減することが可能となる。このような効果は、管理対象である自律移動端末が多くなるほど大きくなるものと考えられる。
【0065】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Bの構成の一例を示すブロック図である。この
図6に示すように、サーバ10Bは、サーバ側送信部11と、更新部12Bと、サーバ側判定部13と、サーバ側生成部14Bと、特定部15とを少なくとも備える。
【0066】
サーバ側判定部13は、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得した場合、判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定する機能を有する。
【0067】
ここで、判定用情報とは、位置情報を含む情報であって新規タスクが発生したか否かの判定材料である情報を意味する。判定用情報の構成は、タスクが発生したか否かの判定を要求する内容であることをサーバ10Bが認識可能な構成であれば特に限定されず、タスクの発生を通知する情報を含む構成でもよいし、タスクが発生したか否かを判定する材料となる情報を含む構成でもよい。判定用情報の構成の例には、タスクを実行すべき領域及び/又はタスクの要件を表す情報を含む構成や、自律移動端末20B又は外部装置によって取得された所定情報を含む構成がある。所定情報の例には、自律移動端末20Bが備える撮影手段によって撮影された撮影画像や、医療施設における所定箇所に設置された人感センサによる検知情報、医療施設における病室の入退室情報がある。なお、タスクの発生を通知する情報をサーバが取得する構成の例には、タスクの発生位置を示す情報がユーザにより入力された携帯端末からその情報をサーバが受信する構成がある。
【0068】
また、判定用情報に含まれる位置情報が表す内容は特に限定されず、タスクの発生を通知する情報を送信した装置の位置でもよいし、判定用情報に含まれるセンサ情報を生成したセンサの位置でもよい。判定用情報に含まれる位置情報の内容の例には、患者が嘔吐した箇所や患者が嘔吐した病室番号、嘔吐物や転倒した患者を含む撮影画像の撮影位置がある。
【0069】
また、判定用情報を取得するための構成は特に限定されず、サーバ10Bからアクセス可能な判定用情報を記憶する記憶手段を参照する構成でもよいし、自律移動端末20Bから判定用情報を受信する構成でもよいし、外部装置から判定用情報を受信する構成でもよい。
【0070】
また、判定基準とは、判定用情報に基づいて新規タスクが発生したと判定する基準を意味する。判定基準は、端末側判定部27における仮判定基準とは異なる基準である。判定基準は特に限定されず、判定用情報がタスクの発生を通知する情報を含むことで満たされる基準でもよいし、判定用情報に含まれるセンサ情報に対する分析結果に応じて満たされる基準でもよい。このような基準の例には、患者が嘔吐した部屋番号を表す情報を判定用情報が含むという基準や、判定用情報に含まれる撮影画像に撮影画像に所定の物体や人物が含まれるという基準がある。本例では、判定基準は、自律移動端末20Bから受信した撮影画像に嘔吐物や転倒した患者が含まれているという画像分析結果であることで満たされる基準である。
【0071】
また、新規タスクとは、サーバ側判定部13による判定処理時にタスク情報が生成されていないタスクを意味する。つまり、新規タスクとは、タスク情報が生成されているタスクに対して新しく発生したタスクを意味する。新規タスクは特に限定されず、反復して実行されることが予定されるタスクでもよいし、反復されずに一度だけ実行されることが予定されるタスクでもよい。反復されずに一度だけ実行されることが予定される新規タスクの例には、医療施設において患者が嘔吐した嘔吐物の除去がある。
【0072】
サーバ側生成部14Bは、新規タスクが発生したと判定された場合、判定用情報に含まれる位置情報に基づいて特定される領域と、判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成する機能を有する。
【0073】
ここで、特定される領域とは、新規タスクを実行すべき領域を意味する。領域を特定するための構成は、判定用情報に含まれる位置情報に基づくものであれば特に限定されず、判定用情報に含まれる位置情報が表す位置を含む領域を特定する構成でもよいし、判定用情報に含まれる位置情報が表す位置に対応する判定用情報に含まれない位置情報をさらに用いて領域を特定する構成でもよい。領域を特定する構成の例には、判定用情報に含まれる位置情報が何れかの病室内の位置を表す場合にその病室を領域として特定する構成や、判定用情報に含まれる位置情報が表す位置を中心とした所定面積の領域を特定する構成がある。また、判定用情報に含まれる位置情報が表す患者の位置を含む領域と、判定用情報に含まれる位置情報とは異なる位置情報が表す患者の位置を含む領域との組み合わせを特定する構成がある。なお、判定用情報以外の位置情報を取得するための構成は特に限定されず、サーバ10Bがアクセス可能な状態の記憶手段を参照する構成でもよいし、サーバ10Bと通信可能な外部装置から受信する構成でもよい。
【0074】
また、判定用情報に基づいて新規タスクの要件を特定するための構成は特に限定されず、判定用情報に含まれる撮影画像が含む物体や人物に基づいた構成でもよいし、判定用情報に含まれる位置情報に基づいた構成でもよい。このような構成の例には、判定用情報に含まれる撮影画像に含まれる嘔吐物や嘔吐する患者の姿勢に基づいて要件「嘔吐物を除去すること」を特定する構成がある。また、判定用情報に含まれる位置情報が表す病室番号や部屋の種類に応じて要件「床と手摺に紫外線を照射すること」や要件「床を水拭きすること」を特定する構成がある。なお、部屋の種類の例には、病室や食堂、トイレがある。
【0075】
更新部12Bは、サーバ側生成部14Bによって生成されたタスク情報が、複数の自律移動端末20B,201B~20NBのうち少なくとも何れかの識別情報と対応付けされるように割当情報を更新する機能を有する。
【0076】
ここで、割当情報を更新するための構成は特に限定されないが、新規タスクが優先的に実行されるべきものである場合、新規タスクが他のタスクより優先して実行されるように、複数の自律移動端末20B,201B~20NBのうち少なくとも何れかの識別情報に対してタスク情報を対応付ける構成が好ましい。新規タスクが優先的に実行されるべきものであるか否か判定するための構成は特に限定されず、判定用情報に含まれる位置情報が表す位置に応じた判定結果となる構成でもよいし、新規タスクの要件に応じた判定結果となる構成でもよい。このような構成の例には、位置又はタスクの要件と、タスクの実行の優先有無とが対応付けされた情報を参照し、位置情報が表す位置又は新規タスクの要件に対応付けされた優先有無を特定する構成がある。ここで、タスクの実行を優先させる位置の例には、医療施設において多くの人が居る領域における位置や所定の患者が収容されている病室がある。また、タスクの実行を優先させるタスクの要件の例には、放置されていることが好ましくない嘔吐物を除去するタスクの要件「嘔吐物を除去する」がある。このような構成とすることで、新規タスクの優先度合いに応じて自律移動端末20Bに新規タスクを優先的に実行させることができるようになる。
【0077】
なお、更新部12Bは、自律移動端末20Bが新規タスクを優先的に実行している場合、自律移動端末20Bが実行を中断した、又は、実行予定である他のタスクを複数の自律移動端末201B~20NBの少なくとも何れかに実行させるように割当情報を更新する構成としてもよい。このような構成の例には、自律移動端末20Bとの距離に基づいて複数の自律移動端末201B~20NBのうち少なくとも何れかを選択する構成(例えば、最寄り、かつ自律移動端末20Bと同じ機能を有する端末を選択する構成)がある。このような構成とすることで、新規タスクの優先的な実行による他のタスク実行への影響に対応するために複数の自律移動端末20B,201B~20NB間で調整を行うことが可能になる。
【0078】
なお、更新部12Bは、所定条件を満たす位置が他の位置と比較して優先的に対応されるように割当情報を更新する構成としてもよい。このような構成の例には、人(例えば、病院における看護師)により指示された位置や、AIが画像分析から転倒や嘔吐と判定した位置に新規タスクが発生した場合、他の位置で発生した新規タスクよりも優先的に取り扱われるように(例えば、タスクが早く実行されるように、あるいは優れた機能を備えた端末が割り当てられるように)割当情報を更新する構成がある。なお、このような位置または位置を含む領域をマークすることで、優先的に取り扱うべき領域を記録して、その後の割当情報の更新に利用する構成としてもよい。すなわち、タスクを実行すべき領域が複数ある場合に、各領域に設定された優先度を用いて割当情報が更新される構成としてもよい。
【0079】
特定部15は、タスク情報に含まれる要件を満たすために用いられる制御情報を取得可能な学習済モデルを特定する機能を有する。特定部15の詳細説明は後述する。
【0080】
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Bの構成の一例を示すブロック図である。この
図7に示すように、自律移動端末20Bは、端末側受信部21と、実行部22Bと、端末側送信部23Bと、端末側取得部24と、端末側仮判定部25と、端末側生成部26とを少なくとも備える。
【0081】
端末側取得部24は、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得する機能を有する。
【0082】
ここで、判定用情報を取得するための構成は特に限定されないが、サーバ10Bを介さずに判定用情報を取得する構成が好ましい。このような構成の例には、自律移動端末20Bが備えるセンサが生成したセンサ情報を判定用情報として取得する構成がある。サーバ10Bを介さずに判定用情報を取得する構成とすることで、サーバ10Bに判定用情報を要求して取得する通信の時間を省くことができる。
【0083】
端末側仮判定部25は、端末側取得部24によって取得された判定用情報と所定の仮判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを仮判定する機能を有する。
【0084】
ここで、仮判定基準とは、サーバ側判定部13における判定基準とは異なる基準であって、判定用情報に基づいて新規タスクが発生したか否かを仮判定する基準を意味する。仮判定基準は特に限定されないが、サーバ側判定部13における判定基準に従った判定処理と比較して判定に要する処理負荷が小さくなり得る基準であることが好ましい。仮判定基準の例には、自律移動端末20Bが有する情報だけで仮判定する基準や、サーバ側判定部13における判定基準に含まれる複数の要素のうち一部と同じ要素で構成された判定基準で仮判定する情報処理量が削減された基準がある。
【0085】
また、仮判定するとは、新規タスクが発生したか否かの一時的な判定を行うことを意味する。端末側仮判定部25は、新規タスクが発生したと仮判定した場合、仮判定した新規タスクを実行すべき領域と新規タスクの要件とを特定する。そして、実行部22Bは、サーバ10Bによる本判定の結果を待たずに新規タスクの実行を開始する。
【0086】
端末側送信部23Bは、端末側取得部24において取得された判定用情報をサーバ10Bに送信する機能を有する。
【0087】
ここで、判定用情報をサーバ10Bに送信する条件は特に限定されず、端末側仮判定部25によって新規タスクが発生したと仮判定された場合にのみ満たされる条件でもよいし、端末側仮判定部25による仮判定の結果に関わらず満たされる条件でもよい。
【0088】
実行部22Bは、新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、かつサーバ10Bにより新規タスクが発生していないと判定された場合、新規タスクの実行を中止する機能を有する。
【0089】
ここで、新規タスクを他のタスクより優先するとは、発生したと仮判定された新規タスクの実行順を他のタスクの実行順よりも前に設定することを意味する。新規タスクを他のタスクより優先するための構成は特に限定されないが、新規タスクの要件に応じて定められた優先度に基づいて実行順が設定される構成が好ましい。このような構成の例には、要件「嘔吐物を除去すること」である新規タスクの優先度を「高い」と判定し、新規タスクの実行順を1番に設定する(すなわち、タスクの実行に割り込む)構成がある。
【0090】
また、サーバ10Bにより新規タスクが発生していないと判定されるとは、サーバ側判定部13による判定処理によって新規タスクが発生していないと判定されることを意味する。サーバ側判定部13によって新規タスクが発生していないと判定された場合に、サーバ10Bが、サーバ側判定部13による判定結果を表す情報を自律移動端末20に送信することで、自律移動端末20Bは、端末側仮判定部25による仮判定結果が誤りであることを認識できる。
【0091】
また、新規タスクを実行予定であるとは、発生したと仮判定された新規タスク以外の他のタスクの実行中であること、又は、何れのタスクも実行していないことを意味する。
【0092】
また、新規タスクの実行を中止するとは、新規タスクの実行を止めて再開しないこと、又は、実行を開始していない新規タスクの実行を開始しないことを意味する。新規タスクの実行を中止するための構成は特に限定されないが、新規タスクの実行を中止して新規タスク以外のタスクの実行を開始する又は再開する構成が好ましい。実行を開始する又は再開するタスクを選択するための構成の例には、自律移動端末20Bの現在位置に最も近い領域のタスクを選択する構成や新規タスクを実行するために実行を中断したタスクを選択する構成がある。このような構成の例には、実行部22Bは、発生したと仮判定されて自律移動端末20Bによって実行中である新規タスク「嘔吐物除去」の実行を中止して、自律移動端末20Bの現在位置に最も領域が近い他のタスク「紫外線照射」の実行を選択する構成がある。また、新規タスク「嘔吐物除去」を実行するために実行を中断した他のタスク「水拭き」を選択する構成がある。
【0093】
なお、サーバ側生成部14Bが新規タスクについてのタスク情報を生成した場合、端末側受信21は、サーバ10Bからサーバ側生成部14Bによって生成されたタスク情報を受信する。そして、実行部22Bは、そのタスク情報に基づいて新規タスクを実行する。このような構成とすることで、サーバ10Bにより管理された割当情報に含まれるタスク情報に基づいて、自律移動端末20Bに新規タスクを実行させることができる。言い換えると、サーバ10Bは、割当情報において新規タスクも管理することができる。したがって、複数の自律移動端末20B,201B~20NBに対して新規タスクを含むタスクを割り当てるために要する管理者の負担を軽減させることが可能となる。
【0094】
端末側生成部26は、タスクの実行中に自律移動端末20Bが備えるセンサから取得したセンサ情報に基づいて学習処理を実行することで、タスクをより適切に実行するための制御情報を取得するように学習した学習済モデルを生成する機能を有する。
【0095】
ここで、自律移動端末20Bが備えるセンサは、タスクの実行に用いるセンサ情報を取得可能なセンサであれば特に限定されない。自律移動端末20Bが備えるセンサの例には、カメラやマイクがある。
【0096】
また、センサ情報に基づいて学習処理を実行するとは、センサ情報をモデルに入力して出力された制御情報と所定基準とに従ってモデルのパラメータを更新する処理を所定基準が満たされるまで実行することを意味する。
【0097】
また、学習済モデルの種類は、センサ情報を入力してタスクをより適切に実行するための制御情報を端末側生成部26が取得可能なものであれば特に限定されない。学習済モデルの種類の例には、ニューラルネットワークを用いるモデルがある。なお、学習に用いる教師データについては、自律移動端末20Bがタスクの実行中に取得したセンサ情報及び制御情報に基づくタスクの実行結果を表すデータが採用可能である。なお、学習に用いる教師データは、管理者が用意したデータであってもよい。また、学習済モデルは、自律移動端末20Bが備えるセンサの種類やセンサの数、モータの数が入力される情報として定められていてもよい。
【0098】
また、タスクをより適切に実行するとは、実行済みタスクの評価が学習処理前と比較して高くなるようにタスクを実行することを意味する。タスクをより適切に実行するための構成は特に限定されないが、サーバ10Bに送信される評価関連情報が表す評価が学習処理前と比較して高くなるようにタスクを実行する構成が好ましい。このような構成の例には、サーバ10Bに送信される評価関連情報が表す評価が、タスクの実行が開始してからタスクの実行が完了するまでの時間が短くなるに従って高くなる評価であり、その時間が学習処理前と比較して短くなるようにタスクを実行する構成がある。
【0099】
また、制御情報とは、自律移動端末20Bを制御するための情報を意味する。制御情報の内容は、自律移動端末20Bを制御できる情報であれば特に限定されない。制御情報の内容の例には、自律移動端末20Bの底面部に備えられたローラーの向き制御及び回転回数制御を表す内容や、自律移動端末20Bの前面に備えられた紫外線照射装置のオンオフ制御や照射向き制御を表す内容がある。
【0100】
実行部22Bは、端末側生成部26により生成された学習済モデルにセンサ情報を入力してタスクを実行するための制御情報を取得し、取得した制御情報に基づいてタスクを実行する機能を有する。
【0101】
ここで、センサ情報を入力する対象の学習済モデルは、自律移動端末20Bが実行中であるタスクの要件が満たし得る制御情報を取得可能な学習済モデルである。
【0102】
端末側送信部23Bは、生成した学習済モデルをサーバ10Bに送信する機能を有する。
【0103】
ここで、サーバ10Bに送信する学習済モデルを決定するための構成は特に限定されず、学習済モデルから取得した制御情報に基づいて実行した実行済みタスクの評価に基づいた構成が好ましい。このような構成の例には、端末側生成部26による学習処理によって実行済みタスクの実行時間が短くなった学習済モデルに決定する構成がある。
【0104】
次に、上述した特定部15について説明する。特定部15は、タスク情報に含まれるタスクの要件を満たすために用いられる制御情報を取得可能な学習済モデルを特定する機能を有する。
【0105】
ここでのタスク情報とは、自律移動端末20Bから受信したタスク情報を意味する。また、特定対象となる学習済モデルは、サーバ10Bが自律移動端末20Bから受信した学習済モデルの何れかである。
【0106】
また、タスクの要件を満たすために用いられる制御情報とは、タスクの要件を満たし得るように自律移動端末20Bを制御するための情報を意味する。制御情報の内容は特に限定されないが、タスクの要件が満たされるための機能に対応するものが好ましい。タスクの要件を満たすために用いられる制御情報の例には、タスクの要件が「床に紫外線を照射すること」である場合、自律移動端末20Bの前面に備えられた紫外線照射装置のオンオフ制御や照射向き制御を行うための情報がある。
【0107】
また、学習済モデルを特定するための構成は、タスク情報に含まれるタスクの要件を満たすための制御情報を取得可能なモデルを特定できれば特に限定されないが、タスクをより適切に実行するための制御情報を取得可能な学習済モデルを特定する構成が好ましい。このような構成の例には、学習済モデルとタスクの実行の評価とが対応付けされた情報を記憶する記憶情報を参照し、評価関連情報における実行済みタスクの評価が比較的高くタスクを実行可能な制御情報を取得できる学習済モデルを特定する構成がある。
【0108】
サーバ側送信部11は、特定部15による特定処理に用いられたタスク情報に対応付けされた識別情報の自律移動端末20Bに対し、特定部15により特定された学習済モデルを送信する機能を有する。
【0109】
ここで、サーバ側送信部11によって自律移動端末20Bに対して送信された学習済モデルは、実行部22Bによるタスクの実行における制御情報の取得に用いられる。
【0110】
以上、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10B及び自律移動端末20Bの機能構成の一例について説明した。
【0111】
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクのタスク情報生成処理の例を示すフローチャートである。新規タスクのタスク情報生成処理は、例えばサーバ10Bが、外部装置から撮影画像を受信したことを契機に開始される。
【0112】
サーバ10Bは、先ず、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報と所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定する(ステップS201)。本例においてサーバ10Bは、撮影画像に嘔吐物が含まれている場合に、新規タスク「嘔吐物除去」が発生したと仮判定し、撮影画像に嘔吐物が含まれていない場合に、新規タスクが発生していないと判定する。
【0113】
サーバ10Bは、新規タスクが発生したと判定すると、新規タスクの領域を特定する(ステップS202)。本例においてサーバ10Bは、判定用情報から特定される領域を新規タスクの領域として特定する。一方、本例において新規タスクが発生していないと判定されると、サーバ10Bは、ここでの処理を終了する。
【0114】
サーバ10Bは、新規タスクを実行すべき領域を特定すると、タスク情報を生成する(ステップS203)。本例においてサーバ10Bは、特定した領域と、判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成する。
【0115】
サーバ10Bは、タスク情報を生成すると、割当情報を更新する(ステップS204)。本例においてサーバ10Bは、タスク情報と自律移動端末20Bの識別情報とが対応付けされるように割当情報を更新する。ただし、ステップS205からステップS208までに関しては
図4のステップS102からステップS105までと同じ内容の処理であるため説明を省略する。
【0116】
図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクが発生したか否かの判定処理及び新規タスク実行処理の例を示すフローチャートである。判定処理及び新規タスク実行処理は、例えば自動移動端末20Bが判定処理の開始条件が満たされたと判定したことを契機に開始される。以下、自動移動端末20Bが備えるカメラまたはセンサから、実行すべきタスクの障害物(例えば、掃除に関するタスクに対して新たに発生した嘔吐物)を認識した場合に判定処理が開始される場合を例に説明する。
【0117】
自律移動端末20Bは、先ず、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得する(ステップS301)。本例において自律移動端末20Bは、自身が備えるカメラによって撮影した撮影画像と、その撮影画像を撮影した位置を表す位置情報とを含む判定用情報を取得する。
【0118】
自律移動端末20Bは、判定用情報を取得すると、新規タスクが発生した否かを仮判定する(ステップS302)。本例において自律移動端末20Bは、取得した撮影画像及び位置情報と、仮判定基準「撮影画像に嘔吐物が含まれている場合は新規タスク「嘔吐物除去」が発生していること」に従って、新規タスクが発生したか否かを仮判定する。
【0119】
ここで、新規タスクが発生したと仮判定すると、自律移動端末20Bは、判定用情報をサーバ10Bに送信する(ステップS303)。本例において自律移動端末20Bは、仮判定基準が満たす判定用情報をサーバ10Bに送信する。一方、新規タスクが発生していないと仮判定すると、自律移動端末20Bはここでの処理を終了する(図示は省略。)。なお、本例において自律移動端末20Bは、サーバ10Bからの反応を待たずに、新規タスクの実行を開始する。ただし、自律移動端末20Bは、新規タスクの実行を開始する条件が満たされていない場合(あるいは開始予定とする条件が満たされている場合)、新規タスクの実行を予定する。このような構成の例には、新規タスクよりも優先度の高いタスクの実行中または実行予定である場合に、新規タスクを所定の記憶領域に実行予定タスクとして登録する構成がある。
【0120】
サーバ10Bは、自律移動端末20Bから判定用情報を受信すると、受信した判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定する(ステップS304)。本例においてサーバ10Bは、撮影画像とその撮影画像を撮影した位置を表す位置情報とを含む判定用情報と、判定基準「撮影画像に嘔吐物が含まれている場合は新規タスク「嘔吐物除去」が発生していること」に従って、新規タスクが発生したか否かを判定する。なお、サーバ10Bは、ここでの判定結果を表す判定結果情報を自律移動端末20Bに送信する。本例においてサーバ10Bは、撮影画像に嘔吐物が含まれていないことに基づいて新規タスクが発生していないと判定し、判定結果情報を自律移動端末20Bに送信する。なお、新規タスクが発生していると判定する場合の例については後述する。
【0121】
自律移動端末20Bは、サーバ10Bから判定結果情報を受信すると、新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、かつサーバ10により新規タスクが発生していないと判定された場合、新規タスクの実行を中止し(ステップS305)、判定処理及び新規タスク実行処理を終了する。本例において自律移動端末20Bは、サーバ10Bから新規タスクが発生していないという判定結果情報を受信すると、実行中である新規タスク「嘔吐物除去」の実行を中止する。
【0122】
図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するタスク実行システム100における新規タスクが発生したか否かの判定処理及び新規タスク実行処理の例を示すフローチャートである。判定処理及び新規タスク実行処理は、例えば自動移動端末20Bが判定処理の開始条件が満たされたと判定したことを契機に開始される。以下、自動移動端末20Bが備えるカメラまたはセンサから、実行すべきタスクの障害物(例えば、掃除に関するタスクに対して新たに発生した嘔吐物)を認識した場合に判定処理が開始される場合を例に説明する。ただし、ステップS401からステップS404までに関しては
図9のステップS301からステップS304までと同じ内容の処理であるため説明を省略する。
【0123】
サーバ10Bは、新規タスクが発生したと判定すると、新規タスクを実行すべき領域を特定する(ステップS405)。本例においてサーバ10Bは、新規タスク「嘔吐物除去」が発生したと判定した場合、外部装置による撮影画像、その撮影画像の撮影位置及び撮影時刻、並びに、時刻に近い時刻の撮影画像に基づいて嘔吐した人物を特定し、人物の移動経路を新規タスク「嘔吐物除去」を実行すべき領域と特定する。以下、ステップS406からステップS411までに関しては
図8のステップS203からステップS208までと同じ内容の処理になるため説明を省略する。
【0124】
図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する新規タスクの発生に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
図11における割当情報は、タスク番号と、タスク情報と、識別情報とを含む。
【0125】
図11(a)は、新規タスクのタスク情報が生成される前の割当情報の状態を示す図である。
図11(a)における割当情報は、
図5(a)における割当情報と同じ状態である。
【0126】
図11(b)は、新規タスクのタスク情報が生成された際の割当情報の状態を示す図である。
図11(b)に示すように、タスク番号が5である新規タスクのタスク情報が追加されている。そして、タスク番号5について、タスク情報に識別情報RAが対応付けされている。また、タスク番号5の新規タスクは、タスクの実行に割り込んだ状況である。ここで、タスクの実行に割り込んだ状況とは、自律移動端末20Bが実行中であるタスクの実行を止めて(中断または中止して)新規タスクの実行を優先する状況を意味する。自律移動端末Aは、タスク番号5のタスクの実行を優先している。
【0127】
図11(c)は、新規タスクを優先して実行しているときの割当情報の状態を示す図である。
図11(c)では、自律移動端末Aがタスク番号1のタスクの実行を止めて、タスク番号5の新規タスクの実行を開始したことが示されている。なお、タスク番号5のタスクが実行済みになった場合、自律移動端末Aは、タスク番号1についてタスクの実行を再開する。
【0128】
以上のように、第2の実施形態におけるタスク実行システム100は、サーバ10Bが、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得した場合、判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定し、新規タスクが発生したと判定された場合、位置情報に基づいて特定される領域と、判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成し、生成したタスク情報が、自律移動端末20Bの識別情報と対応付けされるように割当情報を更新するため、新規タスクの割り当てに要する管理者の負担増加を防止することが可能となる。
【0129】
また、第2の実施形態におけるタスク実行システム100は、自律移動端末20Bが、タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得し、取得した判定用情報と所定の仮判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを仮判定し、判定用情報をサーバ10Bに送信し、新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、かつサーバ10Bにより新規タスクが発生していないと判定された場合、新規タスクの実行を中止するため、自律移動端末20B(例えば、エッジAI)によって仮判定され、サーバ10B(例えば、クラウドAI)によって本判定(自律移動端末20Bとは異なる基準での判定)される2段階判定が行われるようになる。そのため、自律移動端末20Bで迅速にタスクを開始しつつ、タスク実行システム100全体としての新規タスク発生有無の判定精度を向上させることができるようになる。したがって、自律移動端末20Bが無駄な動作を継続してしまうような事態の防止が可能になる。
【0130】
また、第2の実施形態におけるタスク実行システム100は、自律移動端末20Bが、タスクの実行中に自身が備えるセンサから取得したセンサ情報に基づいて学習処理を実行することで、タスクをより適切に実行するための制御情報を取得するように学習した学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルにセンサ情報を入力してタスクを実行するための制御情報を取得し、取得した制御情報に基づいてタスクを実行し、生成した学習済モデルをサーバ10Bに送信し、サーバ10Bが、タスク情報に含まれる要件を満たすために用いられる制御情報を取得可能な学習済モデルを特定し、タスク情報に対応付けされた識別情報の自律移動端末20Bに対し、特定した学習済モデルを送信するようにしたので、自律移動端末20Bにとってタスクを実行した経験が無い場所に自律移動端末20Bが投入された場合、自律移動端末20Bは、複数の自律移動端末201B~20NBのうち何れかにより生成された学習済モデルを利用してタスクを実行することができるようになる。よって、複数の自律移動端末20B,201B~20NBを柔軟に運用することが可能になる。すなわち、複数の自律移動端末201B~20NBのうち何れかのクローンを自律移動端末20Bにコピーするかのような端末の柔軟な運用が可能になる。例えば、自律移動端末20Bが生成した学習済モデルは、自律移動端末20Bが故障や破壊、焼失した場合であっても消えることなく複数の自律移動端末201B~20NBのうち少なくとも何れかに用いられることが可能になる。なお、サーバ10Bが有する機能を実現させるためのプログラムが所定の記憶手段に記憶されている(バックアップされている)構成とすると、サーバ10Bが故障や破壊、焼失した場合であっても、サーバ10Bの機能を他のサーバを用いて再現することも可能となる。
【0131】
なお、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、サーバ10Bは、複数の自律移動端末20B,201B~20NBのうち少なくとも何れかから判定用情報を受信した場合は、管理者に通知情報を通知する構成としてもよい。ここで、通知情報の内容は特に限定されず、サーバ10Bが受信した判定用情報そのものでもよいし、サーバ10Bが判定用情報を受信したことを通知する(例えば、アラートを出す)内容でもよい。また、通知情報の構成は特に限定されず、画像情報でもよいし、音声情報でもよい。このような構成とすることで、新規タスクの発生有無がサーバ10Bにより判定されることを管理者は把握することができるようになる。
【0132】
また、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、所定の検温装置による人物の検温結果に応じた所定箇所に、検温された人物を案内する案内装置を備えるようにしてもよい。このような構成の例には、病院において検温された人物の体温が平熱状態であるか発熱状態であるかに応じて異なる部屋を案内する出力装置がある。タスク実行システム100がこのような案内装置を備えることで、感染症に感染している可能性が高い人物を所定箇所に移動させることできるようになるので、例えば医療施設においてタスク「紫外線照射」を実行すべき領域の拡大を抑止することが期待できる。
【0133】
また、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、自律移動端末20Bは、タスクを実行中に、自身が備える検温装置によって自身の周囲を通過する人物の検温を実行し、所定の通知条件を満たす場合に検温結果を所定の通知対象に通知する構成としてもよい。ここで、通知条件の例には、検温した人物の体温が閾値以上であることがある。また通知対象の例には、体温が閾値以上の状態(発熱状態)にあった人物や、タスク実行システム100の管理者がある。なお、通知対象に検温結果(あるいは、体温が異常値であることなど、通知目的に応じて定義された通知情報)を通知する構成の例には、通知対象である人物や管理者が保有する携帯端末に所定のメッセージが記載されたメールを送信する構成がある。このような構成とすることで、発熱状態である人物を迅速に特定することができ、その人物自身またはシステムに適切な対応を促すことができるようになる。
【0134】
なお、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、サーバ側生成部14Bが、判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報から特定される経路と、所定の領域特定規則とに従って新規タスクを実行すべき領域を特定する構成としてもよい。
【0135】
ここで、時刻情報とは、経路の特定に用いられる情報であって時刻を表す情報を意味する。時刻情報の構成は特に限定されず、タスクの発生を通知した時刻を表す情報を含む構成でもよいし、所定物体や所定人物を検知したセンサ情報(例えば、撮影画像や人感センサによる検知情報)の生成時刻を表す情報を含む構成でもよいし、判定用情報に含まれる位置情報が表す位置に所定人物が存在していた時刻を表す情報を含む構成でもよい。判定用情報に含まれる時刻情報の構成の例には、嘔吐物の発見をユーザがサーバ10Bに通知した時刻を表す情報を含む構成がある。また、時刻情報の構成の他の例には、嘔吐物を含む撮影画像の撮影時刻を表す情報を含む構成や、病室や食堂における患者の滞在履歴情報に含まれる入退室時刻を表す情報を含む構成がある。
【0136】
また、人物情報とは、経路の特定に用いられる情報であって人物を表す情報を意味する。人物情報の構成は、人物を特定するための構成であれば特に限定されず、人物を特定する内容を含む構成でもよいし、分析処理によって人物を特定可能になる構成でもよい。人物情報の例には、患者の名前や患者の収容病室番号を表すものや、病室に対する患者の入退室履歴を表すものがある。また、人物情報の他の例には、画像分析することで患者を特定可能な撮影画像を表すものがある。なお、画像から患者を特定する構成の例には、撮影画像に含まれる嘔吐物の周辺に存在していたことが位置情報により示される患者を特定する構成がある。さらに、判定用情報に含まれる時刻情報が「人物を含む撮影画像の撮影時刻」である場合、撮影画像に含まれる人物を表す情報を人物情報として用いる構成としてもよい。
【0137】
また、判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報から特定される経路とは、新規タスクが発生した原因である人物の移動経路(ルート)を意味する。経路を特定するための構成は特に限定されないが、判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報を用いて人物の移動履歴を特定する構成が好ましい。経路を特定するための構成の例には、時刻情報が表す時刻における位置情報が表す位置に基づいて、人物情報が表す患者の位置の変化を特定し、特定した位置の変化に基づいて患者の移動履歴を特定する手段がある。患者の移動経路の例には、部屋及び/又は廊下を順番に患者が訪れた組み合わせがある。また、部屋及び/又は廊下の組み合わせの例には、1番目に訪れた食堂と、2番目に訪れた廊下と、3番目に訪れた病室という組み合わせがある。
【0138】
なお、経路を特定する時期からどの程度遡って移動経路を特定するかは特に限定されず、タスク発生時刻を基準に経路を特定する時間帯を特定する構成としてもよいし、経路を特定する時期を基準に時間帯を特定する構成としてもよい。すなわち、タスク発生時刻より前(または後や前後)における患者の移動経路を特定する構成としてもよいし、経路を特定する時期からタスク発生時刻までの患者の移動経路を特定する構成としてもよい。タスク発生時刻の例には、タスク「嘔吐物除去」の発生がサーバ10Bに通知された時刻や嘔吐物を含む撮影画像を撮影した時刻がある。なお、人物についての位置の変化を表す情報を取得するための構成は特に限定されず、自律移動端末20Bや監視カメラが撮影した患者を含む撮影画像を受信する構成でもよいし、患者や医療施設スタッフが保有する携帯端末の位置情報を患者や医療施設スタッフの位置を表す情報として受信する構成でもよい。
【0139】
また、サーバ側生成部14Bが、人物の移動経路を推定する構成としてもよい。すなわち、サーバ側生成部14Bが、現時点(経路の特定を開始した時)又はサーバが有する情報から人物の位置を特定できた最後の時を基準に、所定時間経過するまでの人物の移動経路を推定する構成としてもよい。移動経路を推定するための構成は特に限定されず、例えば、患者の移動傾向から所定の時刻以降のその患者の移動経路を推定する構成がある。患者の移動傾向を表す要素の例には、患者の移動速度や患者の移動方向、患者の入退室履歴がある。なお、患者の入退室履歴の例には、患者の移動経路の履歴や、患者が訪れた部屋の履歴がある。このような構成とすることで、領域を推定しない場合と比較して、新規タスクを実行することによって望ましい結果が生じる領域をより広く特定することが可能になる。なお、移動経路を推定する終期は特に限定されず、所定時間分(例えば、1時間)を推定する構成としてもよいし、終了条件(例えば、閉館時間まで)に従って終期が特定される構成としてもよい。
【0140】
また、経路を特定するための構成は、判定用情報に含まれない位置情報、時刻情報及び人物情報を、上述した経路の特定及び/又は経路の推定に用いる構成としてもよい。判定用情報に含まれない位置情報、時刻情報及び人物情報は、経路の特定に寄与するものであれば特に限定されないが、物体や人物の状況を表す組み合わせであることが好ましい。なお、判定用情報に含まれない位置情報、時刻情報及び人物情報を取得するための構成の例には、複数の自律移動端末201B~20NBのうち少なくとも何れかから受信する構成や、外部装置から受信する構成がある。このような構成とすることで、判定用情報では特定できない領域も特定できるようになるため、判定用情報に含まれない位置情報、時刻情報及び人物情報を経路の特定及び/又は経路の推定に用いない場合と比較して、新規タスクを実行することによって望ましい結果が生じる領域をより広く特定することが可能になる。すなわち、例えば判定用情報が患者Aを表す場合に、患者Aとの関係が所定条件(例えば、同室であること)を満たす患者Bの移動経路もタスクの実行領域とすることもできるようになる。
【0141】
また、領域特定規則に従って新規タスクを実行すべき領域を特定するための構成は特に限定されず、経路に基づいて特定される複数の領域の組み合わせを特定する構成でもよいし、経路に基づいて対象(例えば、床、ドアノブ、手摺)を特定し、特定した対象を含む領域を特定する構成でもよい。領域特定規則の例には、患者の移動経路に含まれる病室や廊下の組み合わせを領域として特定する規則がある。領域特定規則の他の例には、患者の移動経路に基づいて患者が触れたと推測される床、ドアノブ及び手摺を特定する規則がある。
【0142】
なお、サーバ10Bは、監視対象を撮影する複数のカメラから撮影画像を受信し、受信した複数の撮影画像を用いて特定される監視対象の移動経路と、所定の領域特定規則とに従って新規タスクを実行すべき領域を特定する構成としてもよい。ここで、監視対象とは、経路の特定に用いられる対象を意味する。監視対象は特に限定されず、人でもよいし物体でもよい。このような構成とすることで、監視対象の移動量や移動方向をより正確に特定できるため、監視対象の移動経路をより正確に特定することが可能になる。
【0143】
上述したように、サーバ側生成部14Bが、判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報から特定される経路と、所定の領域特定規則とに従って新規タスクを実行すべき領域を特定する構成とすることで、新規タスクを実行することによって望ましい結果が生じる領域をより広く特定し、特定した領域について、複数の自律移動端末20B,201B~20NBのうち少なくとも何れかに新規タスクを実行させることが可能になる。例えば、感染症に罹っていると考えられる患者の移動経路における床や手摺には、飛沫や接触、エアロゾルによって細菌やウィルスが付着する可能性がある。そこで、患者の移動してきた経路(例えば、患者が嘔吐した前後の時間にその患者が居た箇所)や今後移動すると推測される経路に基づいて紫外線を照射する領域を特定することによって、より有効な殺菌を実現し、患者や医療施設スタッフ等の感染リスクを減らすことが可能になる。
【0144】
また、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、自律移動端末20Bについて、自身が備える顔認証手段によって、自身を操作してよいユーザか否かを判定する構成としてもよい。自律移動端末20Bをユーザが操作する場合の例には、タスク「紫外線照射」を自律移動端末20Bに実行させる操作がある。このような構成とすることで、管理者が想定していない人物に自律移動端末20Bを操作されることを防止でき、管理者による自律移動端末20Bの管理負担を軽減することが可能になる。
【0145】
また、上述した第2の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、自律移動端末20Bが、所定機能を用いたタスクの実行中である場合であり、かつセンサによって人物を検知した場合に、所定機能を用いたタスクの実行を中断する構成としてもよい。さらに、自律移動端末20Bは、所定機能を用いたタスクを中断した後、自身が備えるセンサによって人物が検知されなくなった場合、所定機能を用いたタスクの実行を再開する構成としてもよい。このような構成とすることで、タスクの実行に人体への影響が懸念される機能(例えば、消毒用の紫外線(UV-C)を照射する機能)を用いる場合も、安全性を確保できる。
【0146】
[第3の実施形態]
図12は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Cの構成の一例を示すブロック図である。この
図12に示すように、サーバ10Cは、サーバ側送信部11と、更新部12Cと、サーバ側生成部14Cとを少なくとも備える。
【0147】
サーバ側生成部14Cは、自律移動端末20Cから受信した実行状況情報が含む識別情報に対応付けされたタスク情報と、所定の分割規則とに従って複数の分割タスク情報を生成する機能を有する。
【0148】
ここで、自律移動端末20Cから受信した実行状況情報とは、自律移動端末20Cによるタスクの実行状況と自律移動端末20Cの識別情報とが対応付けされた情報を意味する。タスクの実行状況は特に限定されず、1つのタスクの進捗状況(進み具合)でもよいし、複数のタスクについての進捗状況でもよい。タスクの進捗状況の例には、完了までの進捗割合や、タスクが完了したか否か、実行済みか否か、あるいは実行予定がある否かがある。
【0149】
また、分割規則とは、タスク情報に含まれるタスクを実行すべき領域及び/又はタスクの要件を実行状況情報に基づいて分割し、分割した領域及び/又は要件に基づいて分割タスク情報を生成する規則を意味する。分割規則は特に限定されないが、タスクの実行状況に関する分割条件(以下、「第1分割条件」という。)を満たす場合にタスクを分割するものであることが好ましい。第1分割条件の例には、タスクの進捗が予定よりも遅れていることがある。また、第1分割条件の他の例には、実行済みタスクの割合が予定よりも小さいということがある。第1分割条件が満たされているか否かを判定するための構成の例には、タスクの開始時間、タスクの実行時間とタスクの進捗とが対応付けされた情報を利用するものや、実行済みタスクの数と、実行すべきタスクの数とが対応付けされた情報を利用するものがある。
【0150】
ここで、タスクを実行すべき領域を分割するための構成は特に限定されず、タスクを実行すべき領域が建物(例えば、医療施設)である場合に、建物における所定単位毎(例えば、階や部屋)に分割する構成としてもよいし、タスクを実行すべき領域が面積で定義される場合に、所定面積毎に分割する構成としてもよい。
【0151】
また、タスクの要件を分割するための構成は、タスクが完了したと判定されるために必要な複数の要件に分けることが可能なタスクに対するものであれば特に限定されない。このような構成の例には、タスク「嘔吐物除去」の要件「嘔吐物を除去すること」を、要件「嘔吐物を吸引すること」及び要件「床を水拭きすること」に分割する構成がある。なお、タスクの要件を複数の要件に分割するための構成の例には、分割前の要件と分割後の複数の要件とが対応付けされた情報を記憶する記憶手段を参照し、分割対象とする要件を、対応する複数の要件に分割する構成がある。
【0152】
なお、分割規則の他の例には、複数の自律移動端末20C,201C~20NCのうち少なくとも2つ(以下、「2つ以上の端末」という。)の間の相対位置に関する分割条件(以下、「第2分割条件」という。)を満たす場合にタスクを分割するものがある。
【0153】
ここで、2つ以上の端末間の相対位置とは、2つ以上の端末のうち何れかの端末の位置を基準に特定される他の端末の位置を意味する。2つ以上の端末間の相対位置を特定するための構成は特に限定されず、2つ以上の端末のうち1つの端末を基準に他の端末の相対的な距離及び/又は方向を特定する構成でもよいし、位置が建物における所定単位毎(例えば、階や部屋)に識別される場合に、2つ以上の端末の位置の同一又は相違を特定する構成でもよい。2つ以上の端末間の相対位置を特定するための構成の例には、自律移動端末20Cの位置を基準に複数の自律移動端末201C~20NCのうち少なくとも何れかの距離及び/又は方向を特定する構成がある。また、2つ以上の端末間の相対位置を特定するための構成の他の例には、複数の自律移動端末20C,201C~20NCの位置が建物における所定単位毎に識別される場合に、建物における自律移動端末20Cの位置に対する複数の自律移動端末201C~20NCのうち少なくとも何れかの位置の関係(例えば、同一階や1つ上の階、2つ隣りの部屋)を特定する構成がある。
【0154】
また、第2分割条件は特に限定されず、2つ以上の端末間の相対的な距離及び/又は方向に関する条件でもよいし、2つ以上の端末の位置に関する条件でもよい。第2分割条件の例には、2つの端末が所定の距離未満離れていることや、2つの端末が所定の距離以上離れており、かつ2つの端末が分割前のタスクを実行すべき領域に存在すること、あるいは自律移動端末20Cの位置を基準とした所定方向に複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかが存在することがある。第2分割条件の他の例には、複数の自律移動端末20C,201C~20NCの位置が建物における所定単位毎に識別される場合に、建物における複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかの位置が、自律移動端末20Cと同じ位置に存在することや、異なる位置に存在することがある。2つ以上の端末間の相対位置を条件とする規則を分割規則が含むことで、複数の自律移動端末20C,201C~20NCの少なくとも何れかの移動に関する要素(例えば、移動時間)を考慮した分割タスク情報の生成が可能となる。
【0155】
更新部12Cは、分割タスク情報に対して新たに複数の自律移動端末20C,201C~20NCのうち少なくとも何れかの識別情報が対応付けされるように割当情報を更新する機能を有する。
【0156】
ここで、分割タスク情報に対して識別情報を対応づけるための構成は特に限定されないが、分割元のタスクのタスク情報に自律移動端末20Cの識別情報が対応付けされている場合、自律移動端末20Cとは異なる複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかの識別情報を分割タスク情報と対応付ける構成が好ましい。分割タスク情報に対して識別情報を対応づけるための構成の例には、分割元のタスクのタスク情報に自律移動端末20Cの識別情報が対応付けされている場合、生成された複数の分割タスク情報のうち、1つの情報に対して自律移動端末20Cの識別情報を対応付けて、残りの情報それぞれに対して複数の自律移動端末201C~20NCのうち何れかの識別情報を対応付ける構成がある。
【0157】
また、2つ以上の端末間の相対位置を条件とする分割規則に従って分割タスク情報が生成された場合に、その分割タスク情報に対して識別情報を対応づけるための構成は特に限定されないが、複数の自律移動端末20C,201C~20NCのうち、第2分割条件が充足された否かが判定される際に相対位置が特定された2つ以上の端末の識別情報を分割タスク情報に対応付ける構成が好ましい。このような構成の例には、生成された複数の分割タスク情報について、第2分割条件が充足された否かが判定される際に相対位置が特定された2つ以上の端末のうち、タスクを実行すべき領域が最も近い端末の識別情報を対応付ける構成がある。
【0158】
図13は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Cの構成の一例を示すブロック図である。この
図13に示すように、自律移動端末20Cは、端末側受信部21と、実行部22Cと、端末側送信部23Cと、端末側判定部27とを少なくとも備える。
【0159】
端末側送信部23Cは、実行部22Cによるタスクの実行状況と自律移動端末20Cの識別情報とが対応付けされた実行状況情報をサーバ10Cに送信する機能を有する。
【0160】
ここで、実行状況情報を送信するタイミングは特に限定されず、所定の時間が経過する毎のタイミングでもよいし、タスクが実行済みになったタイミングでもよい。
【0161】
端末側判定部27は、タスクの要件とタスクの実行に必要な自律移動端末20Cの機能とが対応付けされた機能情報を記憶する記憶手段を参照し、自律移動端末20Cがタスクを実行可能か否か判定する機能を備える。
【0162】
ここで、機能情報の構成は、タスクの要件から自律移動端末20Cの機能が特定される構成であれば特に限定されない。機能情報の構成の例には、要件「床と手摺に紫外線を照射すること」と機能「紫外線照射」とが対応付けされた構成がある。
【0163】
また、自律移動端末20Cがタスクを実行可能か否か判定するとは、端末側受信部21により受信されたタスク情報に含まれるタスクの要件と同一の要件が対応付けされた機能を自律移動端末20Cが有しているか否かを判定することを意味する。
【0164】
要請部28は、端末側判定部27によりタスクを自律移動端末20Cが実行可能でないと判定された場合、そのタスクを実行可能な複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかに救援を要請する機能を有する。
【0165】
ここで、タスクを実行可能な複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかを特定するための構成は特に限定されず、自律移動端末の識別情報と、自律移動端末の機能とが対応付けされた情報を利用して特定する構成でもよいし、複数の自律移動端末201C~20NCと通信して特定する構成でもよいし、サーバ10Cに特定させる構成でもよい。
【0166】
また、複数の自律移動端末201C~20NCの少なくとも何れかに救援を要請するための構成は、タスクを実行可能であると特定された端末がタスクを実行すべき領域およびタスクの要件を認識できる構成であれば特に限定されない。このような構成の例には、タスク情報と、救援要請であることを表す情報とが対応付けされた救援要請情報を、特定した端末に送信する構成がある。
【0167】
よって、要請部28は、例えば、自律移動端末20Cが紫外線照射機能を有さない自律移動端末(以下、「第1自律移動端末」という。)であり、かつ、紫外線を照射することである要件を含むタスク情報が自律移動端末20Cの識別情報に対応付けされている場合、紫外線照射機能を有する自律移動端末(以下、「第2自律移動端末」という。)に救援を要請する。
【0168】
実行部22Cは、複数の自律移動端末201C~20NCのうち何れかからの救援の要請に基づいてタスクを実行する機能を有する。
【0169】
ここで、救援の要請に基づいてタスクを実行するための構成は特に限定されず、実行中であるタスクの実行を中断して救援を要請されたタスクを実行する構成としてもよいし、実行中であるタスクが実行済みとなった後に救援を要請されたタスクを実行する構成としてもよい。
【0170】
端末側送信部23Cは、複数の自律移動端末201C~20NCにおける何れかからの救援の要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報をサーバ10Cに送信する機能を有する。
【0171】
ここで、端末側送信部23Cによって送信される評価関連情報の構成は、複数の自律移動端末201C~20NCからの救援の要請に基づいて実行されたタスクであることが表れていれば特に限定されない。
【0172】
サーバ10Cでは、更新部12Cが、救援の要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報を用いる更新手段によって割当情報を更新する。
【0173】
ここで、更新手段は、救援の要請に基づいて割当情報を更新する手段であれば特に限定されないが、複数の自律移動端末201C~20NCのうち救援の要請に基づいてタスクを実行済みにした端末の識別情報が、そのタスクのタスク情報に対応付けされるように割当情報を更新する手段が好ましい。このような構成の例には、タスクの実行状況と自律移動端末の用途とに基づいて、各タスクに適した端末を選択または新たな端末の投入(あるいは、発動)を決定する構成がある。ここで、サーバ10Cが、全タスクを実行するために自律移動端末の台数を増やすことが効率的と判定したことを、新たな端末を導入するトリガとする構成としてもよい。この場合、例えばサーバ10Cが、自律移動端末の台数および機能に基づいてタスクの実行をシミュレートする機能を備える構成としてもよい。
【0174】
図14は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100における分割タスク情報生成処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。分割タスク情報生成処理及び割当情報更新処理は、例えばサーバ10Cが、通信可能な端末においてタスクの実行開始条件が満たされたこと(例えば、管理者の顔認証処理が行われたこと)を契機に開始される。ただし、ステップS501からステップS503までに関しては
図4のステップS101からステップS103までと同じ内容の処理であるため説明を省略する。
【0175】
自律移動端末20Cは、タスクの実行を開始すると、実行状況情報をサーバ10Cに送信する(ステップS504)。本例において自律移動端末20Cは、実行中のタスク「紫外線照射」の進捗状況を表す情報と自身の識別情報とが対応付けされた実行状況情報をサーバ10Cに送信する。
【0176】
サーバ10Cは、実行状況情報を受信すると、分割タスク情報を生成する(ステップS505)。本例においてサーバ10Cは、自律移動端末20Cから受信した実行状況情報が含む識別情報に対応付けされたタスク情報と、所定の分割規則とに従って複数の分割タスク情報を生成する。
【0177】
サーバ10Cは、分割タスク情報を生成すると、割当情報を更新する(ステップS506)。本例においてサーバ10Cは、タスクの実行中でない自律移動端末201Cの識別情報に、複数の分割タスク情報のうち少なくとも1つが対応付けされるように割当情報を更新する。また、サーバ10Cは、自律移動端末201Cに対応付けされなかった分割タスク情報が自律移動端末20Cの識別情報に対応付けされるように割当情報を更新する。
【0178】
サーバ10Cは、割当情報を更新すると、自律移動端末20C、201Cに分割タスク情報を送信する(ステップS507)。本例においてサーバ10Cは、割当情報において自律移動端末20C、201Cに対応付けされたタスク「紫外線照射」の分割タスク情報を自律移動端末20C、201Cに送信する。なお、本例において自律移動端末20C、201Cへのタスク情報の送信は同じタイミングで行われるが、送信タイミングが異なっていてもよい。
【0179】
自律移動端末20Cは、分割タスク情報を受信する(ステップS508)。本例において自律移動端末20Cは、サーバ10Cから分割タスク情報を受信する。
【0180】
自律移動端末201Cは、分割タスク情報を受信する(ステップS509)。本例において自律移動端末201Cは、サーバ10Cから分割タスク情報を受信する。
【0181】
自律移動端末20Cは、分割タスク情報を受信すると、分割タスク情報に基づいてタスクを実行する(ステップS510)。本例において自律移動端末20Cは、実行中であった分割前のタスク「紫外線照射」を中止して、分割タスク情報に基づいてタスク「紫外線照射」を実行する。
【0182】
自律移動端末20Cは、タスクを実行すると、実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバ10Cに送信する(ステップS511)。本例において自律移動端末20Cは、分割タスク情報に基づいたタスクの実行時間を表す情報を含む評価関連情報をサーバ10Cに送信する。
【0183】
自律移動端末201Cは、分割タスク情報を受信すると、分割タスク情報に基づいてタスクを実行する(ステップS512)。本例において自律移動端末201Cは、分割タスク情報に基づいてタスク「紫外線照射」を実行する。
【0184】
自律移動端末201Cは、タスクを実行すると、評価関連情報をサーバ10Cに送信する(ステップS513)。本例において自律移動端末201Cは、分割タスク情報に基づいた実行済みタスクの実行時間を表す情報を含む評価関連情報をサーバ10Cに送信する。
【0185】
サーバ10Cは、自律移動端末20C、201Cから評価関連情報を受信すると、各評価関連情報に基づいて割当情報を更新し(ステップS514)、分割タスク情報生成処理及び割当情報更新処理は終了する。本例においてサーバ10Cは、自律移動端末20C、201Cから受信した評価関連情報を用いて分割前のタスクを含む複数のタスクのうち何れかのタスクの実行が開始されてからすべてのタスクが実行済みとなるまでの時間が更新前と比較して短くなるように割当情報を更新する。
【0186】
図15は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100における救援要請処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。救援要請処理及び割当情報更新処理は、例えばサーバ10Cと通信可能な端末においてタスクの実行開始条件が満たされたこと(例えば、管理者の顔認証処理が行われたこと)を契機に開始される。ただし、ステップS601およびステップS602までに関しては
図4のステップS101からステップS102までと同じ内容の処理であるため説明を省略する。
【0187】
自律移動端末20Cは、タスク情報を受信すると、タスクを自身が実行可能か否かを判定する(ステップS603)。本例において自律移動端末20Cは、タスクの要件「床に紫外線を照射すること」と機能「紫外線照射」とが対応付けされた機能情報を記憶する記憶手段を参照し、タスク「紫外線照射」を自身が実行可能か否かを判定する。
【0188】
自律移動端末20Cは、タスクを自身が実行可能でないと判定すると、タスクを実行可能な自律移動端末201Cに救援を要請する(ステップS604)。本例において自律移動端末20Cは、自律移動端末の識別情報201Cと、自律移動端末201Cの機能とが対応付けされた情報を利用して、タスク「紫外線照射」の実行に必要な機能「紫外線照射」を有しているか否かを特定する。そして、本例において自律移動端末20Cは、タスク情報と、救援を要請することとが対応付けされた救援要請情報を自律移動端末201Cに送信する。一方、本例において、タスクを自身が実行可能であると自律移動端末20Cが判定すると、
図4のステップS103からステップS105までと同じ内容の処理が実行され、ここでの処理は終了する。
【0189】
自律移動端末201Cは、救援要請情報を受信すると、救援の要請に基づいてタスクを実行する(ステップS605)。本例において自律移動端末201Cは、自律移動端末20Cからの救援の要請に基づいてタスク「紫外線照射」を実行する。
【0190】
自律移動端末201Cは、タスクを実行すると、救援の要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報をサーバ10Cに送信する(ステップS606)。本例において自律移動端末201Cは、タスク「紫外線照射」が救援の要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報をサーバ10Cに送信する。
【0191】
サーバ10Cは、評価関連情報を受信すると、評価関連情報を用いる更新手段によって割当情報を更新し(ステップS606)、救援要請処理及び割当情報更新処理は終了する。本例においてサーバ10Cは、タスク「紫外線照射」が救援の要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報を用いる更新手段によってタスク「紫外線照射」のタスク情報が自律移動端末201Cの識別情報に対応付けされるように割当情報を更新する。
【0192】
図16は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する分割タスク情報の生成に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
図16に示される割当情報は、タスク番号と、実行状況分割タスク番号と、相対位置分割タスク番号と、タスク情報と、識別情報とを含む。
【0193】
実行状況分割タスク番号とは、実行状況情報と所定の分割規則に従って生成されたタスクを識別するための番号を意味する。また、相対位置分割タスク番号とは、2つ以上の端末間の相対位置を条件とする規則を含む分割規則に従って生成されたタスクを識別するための番号を意味する。また、タスク情報とは、タスクを実行すべき領域とタスクの要件とが対応付けされた情報を意味し、分割タスク情報を実行すべき領域と分割タスクの要件とが対応付けされた情報を含む。
【0194】
図16(a)は、分割タスク情報が生成される前の割当情報の状態を示す図である。
図16(a)において、自律移動端末Aはタスク番号1のタスクの実行中であり、自律移動端末Bはタスク番号3のタスクの実行中である。自律移動端末C及びDは、自身の識別情報にタスク情報が対応付けされていない。
【0195】
図16(b)は、実行状況情報と所定の分割規則に従って分割タスク情報が生成された後の割当情報の状態を示す図である。
図16(b)に示すように、タスク番号1のタスクの進捗が所定の基準を下回っていたこと(言い換えると、タスク番号1のタスクの進み具合が遅いこと)に基づいて3つの分割タスク情報が生成されている。3つの分割タスク情報の実行状況分割タスク番号は、1-1、1-2、1-3である。実行状況分割タスク番号1-1について、分割タスク情報が識別情報RAに対応付けされている。そして、自律移動端末Aは、実行状況分割タスク番号1-1のタスクの実行を開始している。また、実行状況分割タスク番号1-2について、分割タスク情報が識別情報RCに対応付けされている。そのため、自律移動端末Cは、実行状況分割タスク番号1-2のタスクを実行する。
【0196】
図17は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する分割タスク情報の生成に関する割当情報の更新例について説明するための説明図である。
図17における割当情報は、タスク番号と、実行状況分割タスク番号と、相対位置分割タスク番号と、タスク情報と、識別情報とを含む。
図16と同様の部分については説明を省略する。
【0197】
図17は、2つ以上の端末間の相対位置を条件とする規則を含む分割規則に従って分割タスク情報が生成された後の割当情報の状態を示す図である。
図17では、タスク番号1-3について、分割タスク情報から2つの分割タスク情報が生成されている。2つの分割タスク情報は、自律移動端末Aと自律移動端末Dとの間の位置が近いことに基づいて生成されたものである。2つの分割タスク情報の相対位置分割タスク番号は、1-3-1、1-3-2である。ここで、識別情報RAに対応付けされるタスク情報は、タスク番号1-3のタスク情報から相対位置分割タスク番号1-3-1のタスクに変更されている。そのため、自律移動端末Aは、タスク番号1-1のタスクが実行済みになった後に相対位置分割タスク番号1-3-1のタスクの実行を開始する予定である。また、相対位置分割タスク番号1-3-2について、分割タスク情報に識別情報RDが対応付けされている。そのため、自律移動端末Dは、相対位置分割タスク番号1-3-2のタスクを実行する。
【0198】
図18は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する機能情報の例について説明するための説明図である。本例における機能情報は、要件番号と、要件と、機能とを含む。
【0199】
要件番号とは、タスクの要件を識別するための番号を意味する。また、機能情報が含む要件は、タスクの要件である。また、機能情報が含む機能は、要件を満たすことが可能な複数の自律移動端末20C,201C~20NCのうち少なくとも何れかの機能である。本例において機能情報は、要件「床と手摺に紫外線照射すること」と、機能「紫外線照射」とが対応付けされ、要件「床を水拭きすること」と、機能「水拭き」とが対応付けされている。要件「嘔吐物を除去すること」と機能「吸引」及び機能「水拭き」とが対応付けされている。
【0200】
以上のように、第3の実施形態におけるタスク実行システム100は、自律移動端末20Cが、タスクの実行状況と自身の識別情報とが対応付けされた実行状況情報(例えば、共通台帳を表す情報)をサーバ10Cに送信し、サーバ10Cが、受信した実行状況情報が含む識別情報に対応付けされたタスク情報と、所定の分割規則とに従って複数の分割タスク情報を生成し、分割タスク情報に対して新たに識別情報が対応付けされるように割当情報を更新するようにしたので、細分化されたタスクの割り当て更新ができるようになる。そのため、例えば、タスクの実行状況に応じて、複数の自律移動端末20C,201C~20NCに分割前のタスクの実行を分担させるような割当情報の更新が可能になる。すなわち、タスクの実行について、複数の自律移動端末20C,201C~20NCを協働させるような割当情報の更新が可能になる。したがって、タスクの実行状況に応じてそのタスクの割り当てを更新する作業を管理者が行うことなく、管理者の負担を軽減することが可能となる。
【0201】
また、第3の実施形態におけるタスク実行システム100は、自律移動端末20Cが、タスクの要件とタスクの実行に必要な自律移動端末20Cの機能とが対応付けされた機能情報を記憶する記憶手段を参照し、タスクを自身が実行可能か否かを判定し、該端末側判定部27によりタスクを自身が実行可能でないと判定された場合、タスクを実行可能な他の自律移動端末201Cに救援を要請し、他の自律移動端末201Cが、要請に基づいてタスクを実行し、要請に基づいて実行されたタスクであることを含む評価関連情報をサーバ10Cに送信し、サーバ10Cが、評価関連情報を用いる更新手段によって割当情報を更新するようにしたので、自律移動端末20Cがタスクを実行できない場合であっても、自律移動端末20Cのタスクについて、タスクの割り当てを更新する作業を管理者が行うことなく、複数の自律移動端末201C~20NC間で対応されるようになるため、管理者の負担増加を抑止することが可能になる。
【0202】
また、第3の実施形態におけるタスク実行システム100は、タスクの要件が、紫外線を照射することを含み、複数の自律移動端末20C,201C~20NCは、紫外線照射機能を有さない第1自律移動端末と、紫外線照射機能を有する第2自律移動端末とを含み、自律移動端末20Cが、自身が第1自律移動端末であり、かつ、紫外線を照射することである要件を含むタスク情報が自身の識別情報に対応付けされている場合、第2自律移動端末に救援を要請するため、自律移動端末20Cが紫外線照射機能を有しているか管理者が確認することなく紫外線を照射することというタスクの要件が満たされるようになる。そのため、紫外線照射を行うべき領域において紫外線が照射されない状況を防止でき、その領域を居る人に細菌やウィルスが感染するリスクを減らすことが可能になる。
【0203】
また、上述した第3の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、自律移動端末20Cが、自身のバッテリ残量を表す情報をサーバ10Cに送信し、サーバ10Cが、自律移動端末20Cのバッテリ残量が所定量以下になった場合、複数の自律移動端末201C~20NCのうち少なくとも何れかのバッテリ残量に基づいて、自律移動端末20Cが実行中または実行予定であるタスクのタスク情報に複数の自律移動端末201C~20NCのうち少なくとも何れかの識別情報が対応付けされるように割当情報を更新する構成としてもよい。ここで、バッテリ残量に基づいて割当情報を更新するための構成は特に限定されないが、複数の自律移動端末201C~20NCのうちバッテリ残量が他の端末と比較して多い端末の識別情報に、自律移動端末20Cが実行中または実行予定であるタスクのタスク情報が対応付けされる構成が好ましい。このような構成とすることで、自律移動端末20Cがタスクの実行中にバッテリ不足となる状況を回避できるようになる。
【0204】
また、上述した第3の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、自律移動端末20Cが、端末側判定部27によりタスクを実行可能でないと判定された場合、そのタスクの対応を管理者に要求する構成としてもよい。管理者に要求する条件は特に限定されず、タスクを実行可能な複数の自律移動端末201C~20NCが特定されなかったことでもよいし、タスクの要件が複数の自律移動端末20C,201C~20NCの機能では満たされないことでもよい。このような構成とすることで、例えば複数の自律移動端末20C,201C~20NCでは対処できない状況が発生した場合でも管理者による対応を期待できるようになる。
【0205】
また、上述した第3の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、サーバ10Cが、複数の自律移動端末20C,201C~20NC毎のタスクの実行状況を表示手段に表示させる構成としてもよい。ここで、タスクの実行状況を表示するための構成は、タスクの実行状況を管理者が視認できるものであれば特に限定されないが、タスクの実行状況に応じた色の画像を表示する構成が好ましい。このような構成の例には、タスクの実行速度に応じた色の画像であってタスクの実行時間を表す画像を自律移動端末毎に表示する構成がある。タスクの実行状況を表示手段に表示させる構成とすることで、自律移動端末毎のタスクの実行状況を管理者が視認できるようになるため、管理者によるタスクの実行状況の確認負担を軽減することが可能となる。
【0206】
また、上述した第3の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、サーバ10Cが、複数の自律移動端末20C,201C~20NCの実行状況情報(例えば、共通台帳を表す情報を複数の自律移動端末20C,201C~20NCに送信する構成としてもよい。そして、タスク実行システム100は、複数の自律移動端末20C,201C~20NCが、他の端末の実行状況情報を確認し、他の端末が実行中である又は実行予定であるタスクの実行を補助する構成としてもよい。
【0207】
[第4の実施形態]
図19は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10Dの構成の一例を示すブロック図である。この
図19に示すように、サーバ10Dは、サーバ側送信部11と、更新部12Dとを少なくとも備える。
【0208】
更新部12Dは、自律移動端末がタスクを実行し得る領域を含む場所のマップと、その場所における物体の位置とが対応付けされたサーバ側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、複数の自律移動端末20D,201D~20NDから受信した端末側マップ情報に基づいて、物体の位置が場所のマップに対応付けされるようにサーバ側マップ情報を更新する機能を有する。
【0209】
ここで、タスクが実行され得る場所は、複数の自律移動端末20D,201D~20NDが自律移動できる所であれば特に限定されない。タスクが実行され得る場所の例には、医療施設や介護施設、電車内がある。
【0210】
また、場所のマップとは、タスクを実行すべき領域が特定されるマップを意味する。場所のマップからタスクを実行すべき領域を特定するための構成は特に限定されず、場所のマップにタスクを実行すべき領域が含まれる構成でもよいし、場所のマップに含まれる情報からサーバ10Dまたは自律移動端末20Dがタスクを実行すべき領域を特定する構成としてもよい。場所のマップに含まれる情報の例には、場所に存在する壁や段差の位置を表す情報がある。すなわち、例えば、医療施設の病室や廊下を仕切る壁や段差の位置に基づいて自律移動可能な領域を特定可能な医療施設のマップがある。なお、マップの種類は特に限定されず、場所を2次元で表す2次元マップでもよいし、場所を3次元で表す3次元マップ(例えば、いわゆるフロアマップに高さを加えたマップ)でもよい。
【0211】
また、サーバ側マップ情報とは、場所における物体の位置をサーバ10Dが認識するための情報を意味する。サーバ側マップ情報の構成は特に限定されないが、複数の自律移動端末20D,201D~20NDによるタスクの実行が可能な領域を特定できる構成が好ましい。サーバ側マップ情報の例には、医療施設のマップと、医療施設に存在するベッドや椅子の位置と、複数の自律移動端末20D,201D~20NDが自律移動できる領域とが対応付けされた情報がある。
【0212】
また、物体の位置が場所のマップに対応付けされるようにサーバ側マップ情報を更新するための構成は特に限定されず、サーバ10Dが受信した端末側マップ情報に含まれる物体の位置を点として場所のマップに追加する構成でもよいし、その物体の位置を含むその物体が占める領域を場所のマップに追加する構成でもよい。このような構成の例には、サーバ10Dが受信した端末側マップ情報にベッドや椅子の位置が含まれている場合、そのベッドや椅子の位置を表す点を医療施設のマップに追加する構成や、そのベッドや椅子が占める領域を医療施設のマップに追加する構成がある。端末側マップ情報については後述する。
【0213】
更新部12Dは、複数の自律移動端末20D,201D~20NDから受信した評価関連情報と、更新したサーバ側マップ情報とに基づいて、割当情報を更新する機能を有する。
【0214】
ここで、割当情報を更新するための構成は特に限定されないが、更新したサーバ側マップ情報に含まれる物体の位置がタスクの実行に与える影響が反映されるように割当情報を更新する構成が好ましい。割当情報を更新するための構成の例には、サーバ側マップ情報の更新で追加された椅子により自律移動端末の移動可能経路が変更される場合に、変更後の移動可能経路に基づいてタスクの割り当てを変更する構成がある。このような構成の例には、病室Aから病室Bへの移動経路上に物体が置かれた場合、置かれる前と比べて自律移動端末20Dよりも早く病室Bに移動できる端末が無いか検索し、該当する端末がある場合、自律移動端末20Dに割り当てられていた病室Bに関するタスクを該当する端末に割り当てる構成がある。また、サーバ側マップ情報の更新で病室に棚が置かれた場合、タスク「水拭き」を実行すべき床部分の面積が狭くなったことからタスク実行に要する作業時間が低下したと判定し、そのタスク「水拭き」を割り当てる端末を変更する構成としても良い。割当情報の更新に関する他の例には、夜間に病院内の清掃活動を自律移動端末に実行させる場合、朝6時までに終わることが要件であるタスクの実行が間に合わないとき、自律移動端末を投入する例がある。すなわち、サーバが備えるAIが、タスクの実行前または実行中、朝6時までにタスクを実行(または、完了)できるか否か判定し、実行できないと判定した場合、実行できるようにするために逆算して必要な対応(ロボットの追加やタスクの割り当て、タスクの削除)を計算する。なお、待機中の自律移動端末については、サーバが、自律移動端末の充電状況を参照し、追加可能条件を満たす自律移動端末を現場に投入する構成としてもよい。
【0215】
図20は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する自律移動端末20Dの構成の一例を示すブロック図である。この
図20に示すように、自律移動端末20Dは、端末側受信部21と、実行部22と、端末側送信部23Dと、検出部29と、マップ更新部210とを少なくとも備える。
【0216】
検出部29は、自律移動端末20Dの周囲に存在する物体の位置を検出する機能を有する。
【0217】
ここで、自律移動端末20Dの周囲に物体が存在するか否か判定するための構成は特に限定されないが、自律移動端末20Dが備えるセンサ装置によって取得されたセンサ情報を用いる構成が好ましい。このような構成の例には、自律移動端末20Dが備えるカメラによって撮影された撮影画像に物体が含まれているか否かを判定する構成がある。
【0218】
また、物体の位置を検出するための構成は特に限定されないが、自律移動端末20Dが備えるセンサにより取得されたセンサ情報に基づいて自律移動端末20Dの位置と物体の位置との相対的な位置関係を特定し、特定した相対位置に基づいて物体の位置を検出する構成が好ましい。なお、自律移動端末20Dの位置を特定する方法は特に限定されず、例えば、医療施設に設置された複数のマーカのうち自律移動端末20Dが撮影した撮影画像に含まれるマーカ(例えば、医療施設における部署や部局、部屋番号、壁に掛けられたフロア名を表すプレート)の種類及び位置を用いる方法がある。また、自律移動端末20Dの自己位置を特定する構成の他の例には、医療施設に設置された複数の発信装置から発信された複数のビーコン電波を自律移動端末20Dが受信してそのビーコン電波の受信強度を利用する構成や、所定の電波を発する装置(例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ)の位置を用いる構成がある。また、自律移動端末20Dの自己位置を特定する構成の他の例には、自律移動端末20DがGPS信号を受信して利用する構成や、自律移動端末20Dがマイクを備える場合に、そのマイクを用いて特定の振幅や周波数の音を拾って、その音の音源を特定する構成がある。
【0219】
また、物体の位置を検出する条件は特に限定されず、自律移動端末20Dがタスクの実行中であることでもよいし、自律移動端末20Dがタスクの実行中でないことでもよい。
【0220】
マップ更新部210は、自律移動端末20Dがタスクを実行し得る領域を含む場所のマップと、その場所における物体の位置とが対応付けされた端末側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、検出部29により検出された物体の位置を場所のマップに対応付けるように端末側マップ情報を更新する機能を有する。
【0221】
ここで、端末側マップ情報とは、場所における物体の位置を自律移動端末20Dが検出して認識するための情報を意味する。端末側マップ情報の構成は特に限定されないが、自律移動端末20Dによるタスクの実行が可能な領域を特定できる構成が好ましい。
【0222】
また、物体の位置を場所のマップに対応付けるように端末側マップ情報を更新するための構成は特に限定されず、検出部29により検出された物体の位置を点として場所のマップに追加する構成でもよいし、検出部29により検出された物体の位置を含むその物体が占める領域を場所のマップに追加する構成でもよい。このような構成の例には、検出部29によりベッドや椅子が検出された際、そのベッドや椅子の位置を表す点を医療施設のマップに追加する構成や、そのベッドや椅子が占める領域を医療施設のマップに追加する構成がある。
【0223】
端末側送信部23Dは、マップ更新部210によって更新された端末側マップ情報をサーバ10Dに送信する機能を有する。
【0224】
ここで、更新された端末側マップ情報をサーバ10Dに送信するタイミングは特に限定されず、端末側マップ情報が更新される毎のタイミングでもよいし、所定時間が経過する毎のタイミングでもよい。
【0225】
図21は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応するタスク実行システム100におけるマップ情報更新処理及び割当情報更新処理の例を示すフローチャートである。マップ情報更新処理は、例えば自律移動端末20Dがタスクを実行するために自律移動することを契機に開始される。
【0226】
自律移動端末20Dは、先ず、自身の周囲に存在する物体の位置を検出する(ステップS701)。本例において自律移動端末20Dは、自身の自己位置と物体の位置との相対的な位置関係を特定し、特定した相対位置に基づいて物体の位置を検出する。
【0227】
自律移動端末20Dは、物体の位置を検出すると、検出した物体の位置を場所のマップに対応付けるように端末側マップ情報を更新する(ステップS702)。本例において自律移動端末20Dは、医療施設のマップと、医療施設におけるベッドや椅子の位置とが対応付けされた端末側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、検出したベッドや椅子が占める領域を医療施設のマップに追加するように端末側マップ情報を更新する。
【0228】
自律移動端末20Dは、端末側マップ情報を更新すると、更新した端末側マップ情報をサーバ10Dに送信する(ステップS703)。本例において自律移動端末20Dは、更新した医療施設のマップを含む端末側マップ情報をサーバ10Dに送信する。
【0229】
サーバ10Dは、端末側マップ情報を受信すると、その端末側マップ情報に基づいて、物体の位置がマップに対応付けされるようにサーバ側マップ情報を更新する(ステップS704)。本例においてサーバ10Dは、医療施設のマップと、ベッドや椅子の位置とが対応付けされたサーバ側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、ベッドや椅子が占める領域を医療施設のマップに追加するようにサーバ側マップ情報を更新する。
【0230】
サーバ10Dは、サーバ側マップ情報を更新すると、複数の自律移動端末20D,201D~20NDから受信した評価関連情報と、更新したサーバ側マップ情報とに基づいて、割当情報を更新し(ステップS705)、マップ情報更新処理及び割当情報更新処理は終了する。本例においてサーバ10Dは、複数の自律移動端末20D,201D~20NDから受信した評価関連情報と、更新したサーバ側マップ情報に含まれるベッドや椅子の位置がタスクの実行に与える影響が反映されるように割当情報を更新する。
【0231】
以上のように、第4の実施形態におけるタスク実行システム100は、自律移動端末20Dが、自身の周囲に存在する物体の位置を検出し、複数の自律移動端末20D,201D~20NDがタスクを実行し得る領域を含む場所のマップと、場所における物体の位置とが対応付けされた端末側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、検出した物体の位置をマップに対応付けるように端末側マップ情報を更新し、更新した端末側マップ情報をサーバ10Dに送信し、サーバ10Dが、場所のマップと、場所における物体の位置とが対応付けされたサーバ側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、複数の前律移動端末20D,201D~20NDから受信した端末側マップ情報に基づいて、物体の位置が場所のマップに対応付けされるようにサーバ側マップ情報を更新し、評価関連情報と、更新したサーバ側マップ情報とに基づいて、割当情報を更新するようにしたので、物体の位置を確認してマップに反映させる作業を管理者が行うことなく、マップ情報の更新と、そのマップ情報に基づく割当情報の更新が行われるため、管理者の負担を軽減させることが可能となる。
【0232】
なお、上述した第4の実施形態では特に言及していないが、タスク実行システム100は、サーバ10Dが、サーバ側マップ情報を複数の自律移動端末20D,201D~20NDに送信し、自律移動端末20Dが、サーバ10Dから受信したサーバ側マップ情報に基づいて物体の位置の検出が完了していない領域を特定し、特定した領域において自身の周囲に存在する物体の位置を検出する構成としてもよい。
【0233】
ここで、物体の位置の検出が完了していない領域は特に限定されないが、物体の位置が検出されていない領域でもよいし、物体の検出精度が所定の再検出条件を満たす領域でもよい。物体の位置の検出が完了していない領域の例には、空間に複数設定された所定体積のキューブのうち、物体の位置が検出されていないキューブまたは物体の検出精度が所定の再検出条件を満たすキューブに属する領域がある。また、再検出条件の例には、場所において想定されていない形状の物体が検出されたことがある。このような構成とすることで、複数の自律移動端末20D,201D~20NDは、例えば月面のような地形の詳細が判明しておらずGPSの利用ができない場所において、複数の自律移動端末20D,201D~20ND間で同じマップを共有して物体の位置を検出する領域を特定できるため、複数の自律移動端末20D,201D~20NDによる物体の位置を検出する作業の無駄を減らすことが可能になる。
【0234】
なお、タスク実行システム100は、実行順序が定義された複数のタスクを処理する構成とされてもよい。すなわち、例えばタスク「水拭き」とタスク「紫外線」が同一または近くの領域に設定されている場合、タスク「水拭き」が実行された後にタスク「紫外線」が実行されるよう割当情報が作成または更新される構成としてもよい。このような構成とすることで、作業効率が向上することが想定される。
【0235】
また、タスク実行システム100は、除菌効果を示す情報を取得し、除菌効果が高まるように割当情報を更新する構成とされてもよい。すなわち、例えば水拭きの後、床に水が残ると、その後の除菌作業(いわゆるスプレー殺菌や、紫外線照射による除菌を含む)の効果が落ちてしまうことが知られている。そこで、タスク実行システム100が、タスクの実行対象(例えば、床や手摺)における除菌状況を表す情報(除菌情報)を取得し、除菌情報に基づいて除菌関連のタスクが実行されるより前に別のタスク(ほこりの除去や、床の乾拭き)が追加されるよう割当情報を更新する構成としてもよい。この場合、除菌情報を取得するための構成は特に限定されず、人による入力を受け付ける構成としてもよいし、所定の評価基準(例えば、紫外線照射が実行された時間)を用いて自動的に生成された情報を取得する構成としても良い。なお、タスク実行システム100が、除菌情報に基づいて除菌関連のタスクを追加する構成としてもよい(例えば、紫外線照射が行われる領域に、アルコール噴霧も加えることで、ハイブリッドで殺菌効果を高めることが想定される)。
【0236】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【0237】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
サーバと、複数の自律移動端末とを備え、タスクを実行するタスク実行システムであって、
前記自律移動端末は、
タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、
受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、
実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を前記サーバに送信する端末側送信部とを備え、
前記サーバは、
前記自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末に前記タスク情報を送信するサーバ側送信部と、
各自律移動端末から受信した前記評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報を更新する更新部とを備える
ことを特徴とするタスク実行システム。
[2]
前記サーバは、
タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得した場合、当該判定用情報と、所定の判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを判定するサーバ側判定部と、
前記新規タスクが発生したと判定された場合、前記位置情報に基づいて特定される領域と、前記判定用情報に基づいて特定される新規タスクの要件とが対応付けされたタスク情報を生成するサーバ側生成部とを備え、
前記更新部は、生成された前記タスク情報が、前記自律移動端末の識別情報と対応付けされるように前記割当情報を更新する
[1]記載のタスク実行システム。
[3]
前記サーバ側生成部は、前記判定用情報に含まれる位置情報、時刻情報及び人物情報から特定される経路と、所定の領域特定規則とに従って前記新規タスクを実行すべき領域を特定する
[2]記載のタスク実行システム。
[4]
前記自律移動端末は、
タスクが発生したか否かの判定要求として位置情報を含む判定用情報を取得する端末側取得部と、
取得した判定用情報と所定の仮判定基準とに従って新規タスクが発生した否かを仮判定する端末側仮判定部とを備え、
前記端末側送信部は、前記判定用情報を前記サーバに送信し、
前記実行部は、前記新規タスクを他のタスクより優先して実行中である若しくは実行予定であり、かつ前記サーバにより前記新規タスクが発生していないと判定された場合、当該新規タスクの実行を中止する
[1]から[3]のうち何れかに記載のタスク実行システム。
[5]
前記自律移動端末は、前記タスクの実行中に自身が備えるセンサから取得したセンサ情報に基づいて学習処理を実行することで、前記タスクをより適切に実行するための制御情報を取得するように学習した学習済モデルを生成する端末側生成部を備え、
前記実行部は、
生成された前記学習済モデルに前記センサ情報を入力して前記タスクを実行するための前記制御情報を取得し、
取得した前記制御情報に基づいて前記タスクを実行し、
前記端末側送信部は、生成した前記学習済モデルを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記タスク情報に含まれる前記要件を満たすために用いられる前記制御情報を取得可能な前記学習済モデルを特定する特定部を備え、
前記サーバ側送信部は、当該タスク情報に対応付けされた識別情報の前記自律移動端末に対し、特定された前記学習済モデルを送信する
[1]から[4]のうち何れかに記載のタスク実行システム。
[6]
前記端末側送信部は、前記実行部によるタスクの実行状況と自身の識別情報とが対応付けされた実行状況情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記実行状況情報が含む識別情報に対応付けされたタスク情報と、所定の分割規則とに従って複数の分割タスク情報を生成するサーバ側生成部を備え、
前記更新部は、前記分割タスク情報に対して新たに前記識別情報が対応付けされるように前記割当情報を更新する
[1]から[5]のうち何れかに記載のタスク実行システム。
[6-1]
前記所定の分割規則は、複数の自律移動端末間の相対位置を条件とする規則を含む
[6]記載のタスク実行システム。
[7]
前記自律移動端末は、
前記タスクの要件と当該タスクの実行に必要な自律移動端末の機能とが対応付けされた機能情報を記憶する記憶手段を参照し、当該タスクを自身が実行可能か否かを判定する端末側判定部と、
該端末側判定部により前記タスクを自身が実行可能でないと判定された場合、当該タスクを実行可能な他の自律移動端末に救援を要請する要請部とを備え、
前記実行部は、前記要請に基づいて前記タスクを実行し、
前記端末側送信部は、前記要請に基づいて実行されたタスクであることを含む前記評価関連情報を前記サーバに送信し、
前記更新部は、当該評価関連情報を用いる前記更新手段によって前記割当情報を更新する
[1]から[6]のうち何れかに記載のタスク実行システム。
[8]
前記タスクの要件は、紫外線を照射することを含み、
前記複数の自律移動端末は、紫外線照射機能を有さない第1自律移動端末と、紫外線照射機能を有する第2自律移動端末とを含み、
前記要請部は、自身が前記第1自律移動端末であり、かつ、紫外線を照射することである前記要件を含む前記タスク情報が自身の識別情報に対応付けされている場合、前記第2自律移動端末に救援を要請する
[7]記載のタスク実行システム。
[9]
前記自律移動端末は、
自身の周囲に存在する物体の位置を検出する検出部と、
前記自律移動端末がタスクを実行し得る領域を含む場所のマップと、当該場所における物体の位置とが対応付けされた端末側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、前記検出部により検出された前記位置を前記マップに対応付けるように前記端末側マップ情報を更新するマップ更新部とを備え、
前記端末側送信部は、更新された前記端末側マップ情報を前記サーバに送信し、
前記更新部は、
前記場所のマップと、当該場所における前記位置とが対応付けされたサーバ側マップ情報を記憶した記憶手段を参照し、複数の前記自律移動端末から受信した前記端末側マップ情報に基づいて、前記位置が前記マップに対応付けされるように前記サーバ側マップ情報を更新し、
前記評価関連情報と、更新した前記サーバ側マップ情報とに基づいて、前記割当情報を更新する
[1]から[8]のうち何れかに記載のタスク実行システム。
[10]
タスクを実行する自律移動端末であって、
タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信部と、
受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行部と、
実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバに送信する端末側送信部とを備え、
前記評価関連情報は、自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報の所定の更新手段による更新のために前記サーバによって用いられる
自律移動端末。
[11]
複数の自律移動端末に所定のタスクを実行させるためのサーバであって、
前記自律移動端末の識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末に前記タスク情報を送信するサーバ側送信部と、
各自律移動端末から受信した実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報を更新する更新部とを備え、
前記タスク情報は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられた情報である
サーバ。
[12]
タスクを実行する機能を自律移動端末に実現するためのタスク実行プログラムであって、
前記自律移動端末に、
タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられたタスク情報を受信する端末側受信機能と、
受信したタスク情報に基づいて前記タスクを実行する実行機能と、
実行済みタスクの評価に関する評価関連情報をサーバに送信する端末側送信機能とを実現させ、
前記評価関連情報は、自律移動端末の識別情報と、前記タスク情報とが対応付けされた割当情報の所定の更新手段による更新のために前記サーバによって用いられる
タスク実行プログラム。
[13]
複数の自律移動端末にタスクを実行させるための機能をサーバに実現するためのタスク実行プログラムであって、
前記サーバに、
前記自律移動端末の識別情報と、タスク情報とが対応付けされた割当情報を記憶する記憶手段を参照し、各自律移動端末に前記タスク情報を送信するサーバ側送信機能と、
各自律移動端末から受信した実行済みタスクの評価に関する評価関連情報を用いる所定の更新手段によって前記割当情報を更新する更新機能とを実現させ、
前記タスク情報は、タスクを実行すべき領域と、タスクの要件とが対応付けられた情報である
タスク実行プログラム。
【符号の説明】
【0238】
100 タスク実行システム
10 サーバ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
11 サーバ側送信部
12 更新部
13 サーバ側判定部
14 サーバ側生成部
15 特定部
20,201~20N 自律移動端末
21 端末側受信部
22 実行部
23 端末側送信部
24 端末側取得部
25 端末側仮判定部
26 端末側生成部
27 端末側判定部
28 要請部
29 検出部
210 マップ更新部