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特許7568243解析プログラム、解析システム、及び解析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】解析プログラム、解析システム、及び解析方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/20 20170101AFI20241008BHJP
【FI】
G06T7/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023134085
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】523318279
【氏名又は名称】伊佐治 光章
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 光章
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-019417(JP,A)
【文献】特開2018-120344(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0374688(US,A1)
【文献】特開2020-027363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の映像データを解析する解析プログラムであって、
コンピュータに、
前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、
前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、
少なくとも、前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、
前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を実行させることを特徴とする解析プログラム。
【請求項2】
移動体の映像データを解析する解析プログラムであって、
コンピュータに、
前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、
前記映像データから前記検知対象の検知範囲が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記検知範囲が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、
少なくとも、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、
前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を実行させ、
前記検知対象は、前記第1層又は前記第2層の少なくともいずれか一方に含まれることを特徴とする解析プログラム。
【請求項3】
検出された前記検知対象の過去の位置情報に基づいて、前記検知対象に所定形状の背景が描かれたキャンパス下地を生成するステップと、
前記キャンパス下地と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせる事により前記雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の解析プログラム。
【請求項4】
前記キャンパス下地は複数生成され、前記キャンパス下地の前記背景の形状、前記背景の色、前記検知対象の位置が遡る時間、の少なくとも1つが互いに異なり、
前記キャンパス下地と、前記第1層と、前記第2層と、は予め設定された透明度により重ね合わせる事により前記雲化ヒートマップ画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の解析プログラム。
【請求項5】
移動体の映像データを解析する解析システムであって、
前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出する対象認識部と、
前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するヒートマップ生成部と、を有し、
前記ヒートマップ生成部は、前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成し、前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成することを有することを特徴とする解析システム。
【請求項6】
移動体の映像データを解析する解析方法であって、
前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、
前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、
前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、
前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を有することを特徴とする解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は解析プログラム、解析システム、及び解析方法に関し、特にヒートマップ分析による解析プログラム、解析システム、及び解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートマップ分析を用いた流れを解析する方法において、人流解析が知られている。人流解析は、商業施設や小売業における顧客の行動分析や行動パターン解析、人の移動パターンを把握することによる交通渋滞予測や交通計画、イベント等の人が大量に集まる場所における安全な通路設計や過度な混雑回避、人の密度や接触移動パターンを解析することによる感染症対策等に用いられる。これらの場所においては、センサやモバイルカメラ、クラウドベースのプラットフォーム、AI技術を活用した人流解析が行われている。
【0003】
特許文献1に記載の人流分析方法は、ODデータの情報から分析領域のクラスタリングを行い、クラスタ内での移動データとクラスタ間の移動データとを導出する。具体的には、ODデータにおいて、分析領域の地点をノードとし人の移動をエッジとするグラフ理論におけるグラフデータに変換し、ネットワーク分析によるクラスタリングを行う。センタリング部によって、クラスタごとに中心点を算出し、これらの結果に基づいてクラスタ間の人の移動データと、クラスタ内の人の移動データと、を導出する。これにより、分析対象の地域におけるマクロ的な人の流動を把握するとともにその地域におけるミクロ的な流動も把握することができる。
【0004】
特許文献2に記載の人流解析プログラムでは、携帯端末の位置情報から時刻を読み込み、クレンジング処理を行った当該位置情報から移動経路を生成し、交通手段を判定して所定のエリアにおける人口の拡大推定を行う。具体的には、携帯端末等のウェアラブルデバイスの位置情報をクレンジングしてノイズを除去し、位置情報に対応する交通拠点から交通手段を推定する。最終的に、統計的手法を用いて携帯端末の普及率等から拡大推定を行い、サンプル数を推定エリアの人口に拡大することで対象エリアの人口における人の流れを推定する。これにより、人流データを解析するための処理の負荷が高くなりすぎるのを抑制しつつ、広範囲における人流データを解析することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-47763号公報
【文献】特開2023-26294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の人流分析方法及び特許文献2に記載の人流解析プログラムでは、例えば、人の多い交差点の人流映像における人流解析において、人がどのような経路で歩き、どの部分の人の密度が高くなるか、といった分析を行うには不向きであった。
【0007】
また、野外イベントやスタジアム等では、障害者の設置、通路幅や形状、又は防護柵の有無による人流の変化を把握したい要望があったが、一見して経時的な人の密度や流れを可視化することができる手法は確率されていなかった。また、人流以外にも、ビデオ映像から個々の物体の移動を検知し、映像全体としてヒートマップ化し、個々の物体の密集度が場所によってどのように変化するか、を解析する技術が求められていた。ここでいう物体とは、動物、魚類、プランクトン等の微生物、血液中を流れるヘモグロビン、その他細胞等を挙げることができる。
【0008】
そこで本発明は、移動体の映像をヒートマップ分析により可視化・雷雲化することで一見して密集度、さらに集合体の群形状を把握することができる解析プログラム、解析システム、及び解析方法の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、移動体の流れの映像データを解析する解析プログラムであって、コンピュータに、前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、少なくとも、前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を実行させることを特徴とする解析プログラムを提供している。
【0010】
ここでいう移動体とは、所定の環境下に置かれた車両、動物、魚類、鳥類、細菌、微生物、細胞等をいう。
【0011】
本発明の別の観点によると、物又は人の流れの映像データを解析する解析プログラムであって、コンピュータに、前記映像データから少なくとも人を含む検知対象を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、前記映像データから検知対象の検知範囲が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記検知範囲が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、少なくとも、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を実行させ、前記検知対象は、前記第1層又は前記第2層の少なくともいずれか一方に含まれることを特徴とする解析プログラムを提供している。
【0012】
また、検出された前記検知対象の過去の位置情報に基づいて、前記検知対象に所定形状の背景が描かれたキャンパス下地を生成するステップと、前記キャンパス下地と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせる事により前記雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、をさらに有することが好ましい。
【0013】
また、前前記キャンパス下地は複数生成され、前記キャンパス下地の前記背景の形状、前記背景の色、前記検知対象の位置が遡る時間、の少なくとも1つが互いに異なり、前記キャンパス下地と、前記第1層と、前記第2層と、は予め設定された透明度により重ね合わせる事により前記雲化ヒートマップ画像を生成することが好ましい。
【0014】
本発明の別の観点によると、移動体の映像データを解析する解析システムであって、前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出する対象認識部と、前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するヒートマップ生成部と、を有し、前記ヒートマップ生成部は、前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成し、前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成することを有することを特徴とする解析システムを提供している。
【0015】
本発明の別の観点によると、移動体の映像データを解析する解析方法であって、前記映像データから検知対象である前記移動体の種類を識別し、前記検知対象の位置を検出するステップと、前記映像データから前記検知対象の範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第1層と、前記第1層とは異なる前記範囲係数が設定された前記検知対象の密集度を示すヒートマップである第2層と、を生成するステップと、前記検知対象と、前記第1層と、前記第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップと、前記映像データの映像から所定の時間間隔で生成された前記雲化ヒートマップ画像を合成することにより前記雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップと、を有することを特徴とする解析方法を提供している。
【発明の効果】
【0016】
このような構成によると、範囲係数の異なるヒートマップ画像である第1層と第2層とを重ね合わせることによりヒートマップ画像を生成しているため、単一の画像においてヒートマップの分布がより鮮明化されて、単一層のヒートマップ画像と比較して一見して人又は物の密度、群形状を把握することができる。また、所定のフレームレートでヒートマップ画像を合成することにより雷雲化ヒートマップ映像を生成しているため、移動体の映像データを雲化するとともに、局所的に密度が高くなっている箇所が瞬間的に変色することにより当該箇所を雷雲のように表すことができる。つまり、人流の映像で一見して把握することが難しかった人の密度、群形状を、ヒートマップ分析によって可視化し、複数のヒートマップ画像を重ねることにより映像の雷雲化を行うことができる。なお、ヒートマップ画像の枚数を増やすほど、より鮮明な雷雲を表現することができる。さらに、検知対象と、第1層と、第2層とを重ね合わせてヒートマップ画像を生成するため、雷雲化ヒートマップ映像に検知対象が表示されることとなり、当該検知対象の密集度により全体の雷雲化の状況を確認することができる。また、検知対象である移動体の種類を識別して位置を検出しているため、異なる種類の移動体が複数存在する映像データであっても、個々の移動体の密集度等を可視化し雷雲化することができる。
【0017】
このような構成により、検知対象の背景が所定形状で描かれたキャンパス下地と第1層と第2層とを重ね合わせるため、検知対象の位置がより鮮明になることで綺麗なヒートマップ画像となり、雷雲化ヒートマップ映像の高精度の雷雲化を行うことができる。
【0018】
このような構成により、複数のキャンパス下地は背景の形状、色、遡る時間の少なくとも1つが異なるため、これらの条件を適切に設定することで雷雲化ヒートマップ映像の見せ方を任意に設定することができる。また、キャンパス下地と第1層と第2層とは予め設定された透明度により重ね合わせるため、透明度の設定によって雷雲化ヒートマップ映像の見せ方を任意に設定することができる。
【0019】
本発明によると、移動体の映像を対象物をヒートマップ分析により可視化・雷雲化することで一見して密集度、さらに集合体の群形状を把握することができる解析プログラム、解析システム、及び解析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態の解析システムのブロック図。
図2】本発明の第1の実施の形態の解析システムのフローチャート。
図3】本発明の第1の実施の形態の解析システムの映像データ。
図4】本発明の第1の実施の形態の解析システムのアイコンデータ。
図5】本発明の第1の実施の形態の解析システムのキャンパス下地。
図6】本発明の第1の実施の形態の解析システムのキャンパス下地の人の移動履歴を表す図。
図7】本発明の第1の実施の形態の解析システムの対象位置データのアイコンを示す図。
図8】本発明の第1の実施の形態の解析システムのキャンパス下地を9層重ね合わせたイメージ図。
図9】本発明の第1の実施の形態の解析システムのキャンパス下地を9層重ね合わせた重畳キャンパス下地。
図10】本発明の第1の実施の形態の解析システムのヒートマップにおける範囲係数を極小としたときのヒートマップ画像。
図11】本発明の第1の実施の形態の解析システムのヒートマップにおける範囲係数を拡大したときのヒートマップ画像。
図12】本発明の第1の実施の形態の解析システムの図10のヒートマップ画像と図11のヒートマップ画像とを重ね合わせた重畳ヒートマップ画像。
図13】本発明の第1の実施の形態の解析システムのキャンパス下地とヒートマップ画像とを重ね合わせ雲化ヒートマップ画像を生成するイメージ図。
図14】本発明の第1の実施の形態の解析システムの1フレームにおける雲化ヒートマップ画像。
図15】本発明の第1の実施の形態の解析システムの雷雲化ヒートマップ映像。
図16】本発明の第3の実施の形態の解析システムの全体図。
図17】本発明の第3の実施の形態の解析システムのブロック図。
図18】本発明の変形例の解析システムのブロック図。
図19】本発明の他の変形例の解析システムの解析対象データとなる映像の1フレーム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施の形態による解析システム1を、図1から図15を参照して説明する。本実施の形態の解析システム1は、イベント会場、スタジアム、駅構内、店舗、観光地、商業施設、都心部の交通道路等における人流を可視化し、一見して密度、群形状の経時的な推移を把握することができる。具体的には、図3に示すような街中の交差点における映像を解析システム1で解析している。
【0022】
解析システム1である情報処理端末10はコンピュータであって、制御部2と、記憶部3と、表示部4と、操作部5と、通信部6と、を有している。制御部2は、対象認識部21と、下地生成部22と、ヒートマップ生成部23と、を有している。記憶部3は、解析対象データ31と、対象位置データ32と、キャンパス下地33と、ヒートマップ画像34と、雷雲化ヒートマップ映像35と、を主に記憶している。制御部2はCPU(Central Processing Unit)であって、記憶部3に保存されている各種データ及びアプリケーションを展開している。
【0023】
対象認識部21は、図3に示す映像データである解析対象データ31のフレームを抽出した画像データ31Aから、検知対象の種類及び位置をディープラーニングによる人工知能によって自動認識し、図4に示す対象位置データ32を生成する。具体的には、画像データ31Aのノイズ除去や色の正規化といった前処理を行い、畳み込みニューラルネットワーク等によって階層的に特徴抽出を行い高次の特徴に変換する。分類器によって検知対象のクラスタリングを行い、画像データ31Aにおける所定の画像の対象を検知する。このとき、モデルがラベル付き画像データ31Aに基づいて入力画像から予測を行い、予測結果と正解との誤差を算出して誤差を最小化するようにアルゴリズムが再設定される。学習が完了したモデルによって次の画像データ31Aに対する画像認識処理を行う。対象認識部21が認識する対象は、例えば街中の映像であれば、人、車両、二輪車、ベビーカー、ペットであり、スタジアム内の映像であれば、一方のチーム、他方のチーム、ボール、観覧客、控え選手、審判であり、イベント会場であれば、演者、観覧客、警備員である。対象認識部21の識別対象は、これに限定されず、各種解析対象データ31に基づき任意に設定することができる。
【0024】
対象認識部21は、図4及び図7に示すように、2軸のグラフ上に検知対象である人21Aと、車両21Bと、をプロットしそれぞれの座標を記憶する。対象認識部21は、図7に示すように、車両21Bの種類、具体的には、自家用車、バス、トラック、タクシー、二輪車、電動スクーター、自転車等も識別し、異なるアイコンで表示する。人21A及び車両21Bは、本発明の移動体の一例である。
【0025】
下地生成部22は、図5から図9に示すように、対象認識部21によって生成された対象位置データ32に基づき、人21Aの現在又は過去の位置を中心とした所定の径を有する円で表示するキャンパス下地33を生成する。図5に示すキャンパス下地33は、図6の点線で示す円のように、所定時間だけ遡った人21Aの位置を中心としている。キャンパス下地33の所定時間、円の径、円の色、円の透過度は、雷雲化ヒートマップ映像35の見え方に関わる要素であるため、予め所定の値に設定される。ここで、種別の異なる検知対象は、同一キャンパス下地33内において円の色を変えることが望ましい。雷雲化ヒートマップ映像35の見え方を変える際は、キャンパス下地33の各種条件を任意に変更することで、所望の映像を得ることができる。
【0026】
図5に示すキャンパス下地33は、図6に示すように、実線で表す人21Aの図4における現在位置から所定時間過去の点線で示す人円を表している。人21Aは、点線で示す位置から一点鎖線で示す位置を経由し、実線で示す位置に至る。下地生成部22は、点線から実践までの時間を9分割し、それぞれの位置における人21Aの人円を描いた9枚のキャンパス下地33を生成する。具体的には、下地生成部22は、所定時間、円の径、円の色、円の透過度の少なくとも1つの条件が異なる9枚のキャンパス下地33を生成する。それぞれのキャンパス下地33には、対象位置データ32に基づき人21A及び車両21Bが表示される。図9は、図8に示すように9枚のキャンパス下地33を予め設定された透明度で重ね合わせることにより得られた重畳キャンパス下地33Aである。重畳キャンパス下地33Aのように複数のキャンパス下地33を重畳することで、個々の人21A及び車両21Bの密集度を雲の如く表現する下地を生成することができる。
【0027】
ヒートマップ生成部23は、図10から図12に示すように、対象認識部21によって生成された対象位置データ32に基づき、人21A及び車両21Bの現在位置を中心としたヒートマップ画像34を生成する。ヒートマップ生成部23は、予め設定された範囲係数に基づき、人21Aの位置からベイズ推定・確率統計により検知対象の密集度を算出し、ヒートマップ画像34を生成する。
【0028】
範囲係数とは、ヒートマップにおいて、人21A及び車両21B等の検知対象の座標の点群を捉える範囲を示している。範囲係数が大きく設定されると、ヒートマップ生成部23は検知対象の座標点群を一群として捉え、広い範囲で密集度をベイズ推定により算出し、高密度、低密度として色分けする。換言すると、範囲係数が大きくなると検知対象を群として捉える傾向となり、ヒートマップ画像34における大まかな密集度を把握することができる。範囲係数が小さく設定されると、ヒートマップ生成部23は検知対象の座標点群を小さな範囲の群として捉え、狭い範囲で密集度をベイズ推定により算出し、高密度、低密度として色分けする。換言すると、範囲係数が小さくなると検知対象を点として捉える傾向となり、ヒートマップ画像34における個々の検知対象の密集度を把握することができる。
【0029】
ヒートマップ生成部23は、ノイズや欠損値等を除去する事前処理を行い、ベイズ推定の確立分布により、人21Aの位置を表す対象位置データ32に基づいて、ヒートマップを表現する確率分布モデルを構築する。ベイズ推定により、確率分布に基づく事前分布を設定し、ベイズの定理により事後分布を算出して人流の密度の推定値を得る。事後分布からのサンプリングにより人流位置を確率的に推定し、これらの結果を集約することにより図10及び図11に示すような各地点における人流のヒートマップ画像34を生成する。ヒートマップ画像34を生成する際の各種パラメータは、得られた画像の状態に応じて任意に設定することができる。
【0030】
本実施の形態では、ヒートマップ生成部23は2次元スチューデントのt分布のグラフによりヒートマップ画像34を生成する。本実施の形態では、人21A及び車両21B等の検知対象が密集しているところはより多く出現する確率が高いので色を濃く表示するとともに、人21A及び車両21B等の検知対象の密集度が低いところは出現確率が低くなるため暗く表示する。図10に示すヒートマップ画像34は、範囲係数を極小として検知対象の座標点群を個別的に把握することにより生成される。図11に示すヒートマップ画像34は、範囲係数を拡大して検知対象の座標点群を群として把握することにより生成される。
【0031】
図12は、図10に示す範囲係数を極小としたヒートマップ画像34と、図11に示す範囲係数が拡大されたヒートマップ画像34と、を重ね合わせ得られた重畳ヒートマップ画像34Aを示す。図10に示す範囲係数が極小なヒートマップ画像34及び図11に示す範囲係数が拡大されたヒートマップ画像34のいずれか一方が本発明の第1層の一例であり、他方が本発明の第2層の一例である。
【0032】
記憶部3は、HDD(Hard Disk Drive)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、から構成される。HDDは、各種アプリケーション、及び人又は物の流れの解析に必要となる各種データ及びOS等のプログラムを保存している。RAMは揮発性メモリであってプログラムの作業領域として使用され、ROMは非揮発性メモリであってプログラムの記憶領域として使用される。
【0033】
記憶部3の解析対象データ31は、移動体の流れの解析の対象となるデータであって、図3に示すような街中の交差点の映像である。対象位置データ32は、対象認識部21によって生成された図4に示すデータであって、検知対象の種類、検知対象の位置である座標を備えている。解析対象データ31は、本発明の映像データの一例である。
【0034】
キャンパス下地33は、下地生成部22によって生成された図5図8及び図9に示すデータであり、本実施の形態では9枚生成される。ヒートマップ画像34は、ヒートマップ生成部23によって生成された図10から図12に示すデータであって、本実施の形態では2枚生成される。キャンパス下地33及びヒートマップ画像34は、対象位置データ32の人21A及び車両21Bのアイコン及び位置情報を含む。
【0035】
表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL等のディスプレイであって、制御部2によって処理された情報を表示する。操作部5は、情報処理端末10を使用するユーザが操作を入力するための入力インターフェースであって、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、センサ等から構成されている。通信部6は、ネットワークを介して外部の端末と通信する。
【0036】
次に、解析システム1の解析の流れについて、図2を参照して説明する。制御部2は、情報処理端末10の記憶部3に記憶された映像である解析対象データ31から、所定のフレーム画像を抽出する(S1)。本実施の形態では、フレームレートが30FPSに設定され、すべての画像に対してヒートマップ化の処理が行われ映像化される。フレームレートは、これに限定されず生成される人流の雷雲化ヒートマップ映像35の解像度や情報処理端末10の性能等に応じて任意に設定することができる。
【0037】
対象認識部21は、抽出された画像データ31Aから、AIによって検知対象である人21A、車両21Bの種類及び位置を認識し、図4に示す対象位置データ32を生成する(S2)。このとき、対象認識部21は、グラフ上において人21A及び車両21Bの位置を座標認識し、アイコンのグラフ上へのプロットを行い座標データと共に記憶部3に記憶する(S3)。
【0038】
下地生成部22は、対象位置データ32の人21A及び車両21Bを元に、図5に示すような過去の人21A及び車両21Bの位置に基づくキャンパス下地33を生成するとともに、図7に示すように、時間、円の径、円の色、透明度等が異なるキャンパス下地33を9枚生成する(S4)。ヒートマップ生成部23は、対象位置データ32の人21A及び車両21Bを元に、ヒートマップのパラメータである範囲係数を極小に設定した図10に示すヒートマップ画像34と、範囲係数を拡大した図11に示すヒートマップ画像34と、を生成する(S5)。
【0039】
ヒートマップ生成部23は、図13に示すように、9層のキャンパス下地33と2層のヒートマップ画像34とを重ね合わせることにより、図14に示す雲化ヒートマップ画像34Bを得る。このとき、ヒートマップ生成部23は、各層の透過度を予め設定された値とする。すべてのフレームについて雲化ヒートマップ画像34Bが生成されると、制御部2はすべてのフレームを繋ぎ合わせることにより雷雲化ヒートマップ映像35を得る(S7)。得られた雷雲化ヒートマップ映像35は、記憶部3に記憶され、図15に示すように映像化されて動画として表示部4に表示される。
【0040】
このような構成によると、範囲係数が極小の図10に示すヒートマップ画像34と、範囲係数が拡大された図11に示すヒートマップ画像34と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像34Bを生成しているため、単一の画像においてヒートマップの分布がより鮮明化されて、単一層のヒートマップ画像と比較して一見して人又は物の密度、群形状を把握することができる。また、所定のフレームレートでヒートマップ画像34を映像化しているため、移動体である人21A及び車両21Bの映像データを雲化するとともに、局所的に密度が高くなっている箇所が瞬間的に変色することにより当該箇所を雷雲のように表すことができる。つまり、人流の映像で一見して把握することが難しかった人の密度、群形状を、ヒートマップ分析によって可視化し、複数のヒートマップ画像34を重ねることにより映像の雷雲化を行うことができる。なお、ヒートマップ画像34の枚数を増やすほど、より鮮明な雷雲を表現することができる。さらに、検知対象である人21A及び車両21Bと、範囲係数が極小の図10に示すヒートマップ画像34と、範囲係数が拡大された図11に示すヒートマップ画像34と、を重ね合わせて雲化ヒートマップ画像34Bを生成するため、映像化された雷雲化ヒートマップ映像35に検知対象が表示されることとなり、当該検知対象の密集度により全体の雷雲化の状況を確認することができる。また、検知対象である人21A及び車両21Bの種類を識別して位置を検出しているため、異なる種類の検知対象が複数存在する解析対象データ31であっても、個々の検知対象の密集度等を可視化し雷雲化することができる。
【0041】
このような構成により、検知対象の背景が円で描かれたキャンパス下地33と、範囲係数が極小の図10に示すヒートマップ画像34と、範囲係数が拡大された図11に示すヒートマップ画像34と、を重ね合わせるため、検知対象の位置がより鮮明になることで綺麗な雲化ヒートマップ画像34Bとなり、高精度の雷雲化ヒートマップ映像35を得ることができる。
【0042】
このような構成により、9枚のキャンパス下地33は背景の形状、色、遡る時間の少なくとも1つが異なるため、これらの条件を適切に設定することで雷雲化ヒートマップ映像35の見せ方を任意に設定することができる。また、キャンパス下地33と、範囲係数が極小の図10に示すヒートマップ画像34と、範囲係数が拡大された図11に示すヒートマップ画像34と、は予め設定された透明度により重ね合わせるため、透明度の設定によって雷雲化ヒートマップ映像35の見せ方を任意に設定することができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について、説明する。第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0044】
第1の実施の形態の解析システム1では対象位置データ32の位置データに基づいてキャンパス下地33及びヒートマップ画像34を生成したため、キャンパス下地33及びヒートマップ画像34に人21A及び車両21Bのアイコンが表示された。これに対し第2の実施の形態では、キャンパス下地33及びヒートマップ画像34には人21A及び車両21Bのアイコンが表示されない。制御部2は、S8の処理において対象位置データ32と、9層のキャンパス下地33と、2層のヒートマップ画像34と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像34Bを生成する。制御部2は、解析対象データ31の全フレームについて雲化ヒートマップ画像34Bを生成し繋ぎ合わせることにより、雷雲化ヒートマップ映像35を生成する。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図16及び図17を参照して説明する。上述の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0046】
解析システム201は、情報処理端末210と、外部サーバ211と、撮像部212と、通信ネットワーク213と、から構成される。情報処理端末110と、外部サーバ211と、撮像部212は、通信ネットワーク213を介して双方向通信可能である。第1の実施の形態の解析システム1では記憶部3の解析対象データ31の人流を解析したが、第3の実施の形態の解析システム201は撮像部212によって撮影された映像を一時的に外部サーバ211に保存するとともに、外部サーバ211の制御部2がリアルタイムで雷雲化ヒートマップ映像35を生成する。
【0047】
図17に示すように、外部サーバ211は、制御部2と、記憶部3と、操作部5と、通信部6と、を有している。情報処理端末210はコンピュータ、スマートフォン、タブレット、専用端末等であって、制御部202と、記憶部203と、表示部204と、操作部205と、通信部206と、を有している。
【0048】
撮像部212で撮影された映像は、通信ネットワーク213を介して外部サーバ211の記憶部3に記憶され、制御部2により雷雲化ヒートマップ映像35が生成される。情報処理端末210の表示部204で、通信ネットワーク213を介して雷雲化ヒートマップ映像35を閲覧することができる。
【0049】
このような構成によると、撮像部212の映像をリアルタイムでヒートマップ映像化することができるとともに、外部サーバ211の処理能力を高めることで能力の低い情報処理端末210であっても雷雲化ヒートマップ映像35を閲覧することができる。また、情報処理端末210は、通信ネットワーク213を介して外部サーバ211に記憶された雷雲化ヒートマップ映像35を閲覧するため、情報処理端末210を持ち運ぶことでどの場所でも閲覧可能となる。また、複数の情報処理端末210で同時に雷雲化ヒートマップ映像35を閲覧することができる。
【0050】
本発明による解析プログラム、解析システム、及び解析方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0051】
上述の実施の形態では、キャンパス下地33として過去の人21A及び車両21Bの位置に基づいて人円を生成したが、これに限定されない。例えば、将来的に人21A及び車両21Bが移動する可能性のある方向を統計的手法によって予測し、未来の人21A及び車両21Bの位置に基づいて人円を生成してもよい。
【0052】
上述の実施の形態では、キャンパス下地33を9枚生成し、ヒートマップ画像34を2枚生成し、11枚のデータを重ね合わせて雲化ヒートマップ画像34Bを得たが、これに限定されず任意の枚数を設定することができる。例えば、図18に示すように、解析システム301は、下地生成部が設けられておらずヒートマップ生成部23のみを有している。制御部2が重畳ヒートマップ画像34を生成する際は、少なくとも2枚のヒートマップ画像34のみを重畳する。これにより、下地生成部による処理プロセスを省略することができるため、性能の高くない情報処理端末であっても迅速に雷雲化ヒートマップ映像35を生成することができる。また、ヒートマップ画像34を3枚以上作成し、ヒートマップ生成部23にて合成することにより、さらに鮮明な雷雲化した雷雲化ヒートマップ映像35を生成することができる。
【0053】
上述の実施の形態では、下地生成部22は、所定時間、円の径、円の色、円の透過度の少なくとも1つの条件が異なる9枚のキャンパス下地33を生成したが、これに限定されない。各種条件を所望の値に設定することにより、下地生成部22は少なくとも1枚以上のキャンパス下地33を作成してもよい。
【0054】
上述の実施の形態では、1つのフレームについて雲化ヒートマップ画像34Bを生成し、すべてのフレームについて生成した段階でつなぎ合わせて映像化したが、これに限定されない。解析システムは、ヒートマップ化された映像を出力できれば良く、すべてのフレームについて対象認識部21が検知対象を認識し、次にすべてのフレームについて下地生成部22がキャンパス下地33を生成し、次に、すべてのフレームについてヒートマップ生成部23がヒートマップ画像34を生成し、次にすべてのフレームについて雲化ヒートマップ画像34Bを生成し、最終的に雷雲化ヒートマップ映像35を生成してもよい。
【0055】
上述の実施の形態では、解析対象データ31として図2に示す人流映像を用いたが、これに限定されない。対象認識部21の人工知能は様々な人及び物を画像認識し識別することができるため、人流解析以外の分野にも適用することができる。例えば、図19に示すような魚群の群れの映像を解析システム1で解析し、ヒートマップ分析によって雷雲化した映像を得ることができる。動物の群れの映像を解析システム1で解析することで、対象認識部21が動物を認識し、ヒートマップ分析によって雷雲化した映像を得ることができる。また、医療分野への応用により、対象認識部21が血管の映像から血液を流れるヘモグロビンを認識し、血管内におけるヘモグロビンの流れを雷雲化によって可視化することができる。他に、細胞群の瓦解・分解する様子や集合体が形成される過程の映像を解析システム1で解析することで、対象認識部21が特定の細胞や細菌等を学習検知し、当該過程を可視化し雷雲のごとく表現することができる。
【0056】
上述の実施の形態では、キャンパス下地33として検知対象を中心とした円を背景としたが、これに限定されない。情報処理端末10の性能及び雷雲化ヒートマップ映像35の見え方に応じて、検知対象を中心として多角形、雲型、滴型等任意の形状を選択することができる。
【符号の説明】
【0057】
1、201、301 解析システム
2 制御部
3 記憶部
4 表示部
21 対象認識部
22 下地生成部
23 ヒートマップ生成部
31 解析対象データ
32 対象位置データ
33 キャンパス下地
34 ヒートマップ画像
34A 重畳ヒートマップデータ
34B 雲化ヒートマップ画像
35 雷雲化ヒートマップ映像
【要約】      (修正有)
【課題】画像認識AIを使用して移動体の映像から対象物を点群データ化してヒートマップ分析により可視化・雷雲化することで一見して密集度、群形状を把握することができる解析プログラム、解析システム及び解析方法を提供する。
【解決手段】解析プログラムは、映像データから検知対象である移動体を識別し、検知対象の位置を検出するステップS2と、映像データから検知対象の範囲係数が設定されたヒートマップである第1層と、第1層とは異なる範囲係数が設定された第2層と、を生成するステップと、少なくとも、検知対象と、第1層と、第2層と、を重ね合わせることにより雲化ヒートマップ画像を生成するステップS5と、映像データの映像から所定の時間間隔で生成された雲化ヒートマップ画像を合成することにより雲化ヒートマップ画像を映像化し雷雲化ヒートマップ映像を生成するステップS7と、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18
図19