(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】メンテナンス管理装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2020195270
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】川津 哲司
(72)【発明者】
【氏名】秋月 克之
(72)【発明者】
【氏名】馬場 友貴
(72)【発明者】
【氏名】今井 靖
(72)【発明者】
【氏名】山口 純一
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-072146(JP,A)
【文献】特開2020-113123(JP,A)
【文献】特開2002-373012(JP,A)
【文献】特開2000-237937(JP,A)
【文献】特開2015-118482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0210966(US,A1)
【文献】特開2019-153291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間でのメンテナンス対象物に対応するメンテナンス実行装置及び監視装置の動作を管理するように構成された装置管理部と、
前記メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶するように構成された記憶部と、
前記記憶部、前記メンテナンス実行装置、前記監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するように構成された情報収集部と、
前記メンテナンス対象物に係る仮想空間を管理するように構成された仮想空間管理部と、
前記情報収集部で収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、前記仮想空間管理部を用いて前記仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するように構成されたシミュレーション部と、
を備え、
前記シミュレーション部は、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するように構成され、
前記装置管理部は、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、前記現実空間で前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるように構成されている、
メンテナンス管理装置。
【請求項2】
前記シミュレーション部は、前記評価スコアの算出において、ゴルフコースの難易度及び美観度の少なくとも一方、若しくは、前記情報提供装置からの交通情報又は農作物情報を用いるように構成されている、
請求項1記載のメンテナンス管理装置。
【請求項3】
前記情報収集部は、前記メンテナンス実行装置、前記監視装置、及び、前記情報提供装置から、前記現実空間でメンテナンス中の前記メンテナンス対象物の情報、及び、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報を収集して位置情報及び時刻と関連付けて前記記憶部に記憶させるように構成されている、
請求項1又は2記載のメンテナンス管理装置。
【請求項4】
前記シミュレーション部は、前記メンテナンス条件に基づいて前記評価スコアを算出するための必要数を算出し、前記評価スコアを算出する際に、算出された前記必要数の前記評価スコアを算出したか否かを判断し、前記必要数の前記評価スコアを算出したときに、前記評価情報を表示指示装置に送信するように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
【請求項5】
前記装置管理部は、前記現実空間でのメンテナンスが終了したか否かを判断し、メンテナンスが終了したときに、前記メンテナンス実行装置に終了情報を送信するように構成されている、
請求項1乃至4のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
【請求項6】
前記情報収集部は、前記メンテナンス対象物及び前記メンテナンス条件を設定するように構成され、
設定される前記メンテナンス対象物及び前記メンテナンス条件の少なくとも一方は、予め設定されたもの、又は、以前において最後に実施したもの、若しくは、前記表示指示装置を用いてユーザに選択させたものである、
請求項1乃至5のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶されている前記情報に基づいて、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報、又は、メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報と、現在の情報と、を比較して、前記メンテナンス開始タイミング
と判断されたときの過去の情報、又は、前記メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報と、前記現在の情報との差分をとって、前記差分が予め設定された閾値未満であるときに、前記表示指示装置又は通信端末に向けて、メンテナンスを開始するように喚起させるメンテナンス開始喚起情報を送信するように構成されたタイミング予測部をさらに備える、
請求項1乃至6のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置と、
表示及び指示を行うとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された表示指示装置と、
現実空間でメンテナンスを実行するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成されたメンテナンス実行装置と、
前記現実空間を監視するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された監視装置と、
前記メンテナンス対象物に影響を与える情報を提供するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された情報提供装置と、
を備える、
メンテナンス管理システム。
【請求項9】
ハードウェア資源を用いてメンテナンスを管理するメンテナンス管理方法であって、
前記ハードウェア資源における情報収集部が、メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するステップと、
前記ハードウェア資源におけるシミュレーション部が、収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するステップと、
前記シミュレーション部が、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するステップと、
前記ハードウェア資源における装置管理部が、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるステップと、
を含む、
メンテナンス管理方法。
【請求項10】
メンテナンスを管理する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集する処理と、
収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出する処理と、
前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信する処理と、
前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させる処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス管理装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いて、ゴルフ場の様々な情報を収集して、ゴルフ場の維持、持続、保守、保全などのメンテナンス、又はその支援を行うシステムがある。例えば、特許文献1には、ゴルフコースのコース構成要素の提案された境界やエリアの修正の迅速な視覚的確認と、提案された境界やエリアの修正の関数として、コース構成要素の保守コストおよび消費可能リソースにおける予想される変更を提供するシステムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、サーバコンピュータにおいて、各ゴルフコースの設備状態を保存管理し、メンテナンス情報送受信端末から送信された設備トラブル情報を取得し、設備トラブルに対応する処置方法を選択するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、コンピュータシステムにおいて、ゴルフ場の植物が生育する領域上を移動している車両で検知された植物の生育に関連するデータに基づいて、ゴルフ場の維持管理に利用され得る情報を生成し、生成された情報をゴルフ場に提供するシステムが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献4には、コンピュータにおいて、対象エリア内の区画毎に人物や器具の挙動を取得し、取得した人物や器具の挙動に基づき、区画毎に人工芝の損傷の度合いを算出し、算出した区画毎の損傷の度合いに応じて、区画毎に人工芝の保守の要否を出力するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6462156号公報
【文献】特開2009-217697号公報
【文献】特開2016-10398号公報
【文献】特開2018-156201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0008】
ゴルフ場のメンテナンス方法は、収集した情報に基づいて一義的に決まるものではなく、様々なメンテナンス方法があり、実施するメンテナンス方法を決定するのが難しい場合がある。また、ゴルフ場以外の対象物のメンテナンス方法にも同様なことが言える。
【0009】
本発明の主な課題は、様々なメンテナンス方法の中から適切なメンテナンス方法を決定することに貢献することができるメンテナンス管理装置、システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の視点に係るメンテナンス管理装置は、現実空間でのメンテナンス対象物に対応するメンテナンス実行装置及び監視装置の動作を管理するように構成された装置管理部と、前記メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶するように構成された記憶部と、前記記憶部、前記メンテナンス実行装置、前記監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するように構成された情報収集部と、前記メンテナンス対象物に係る仮想空間を管理するように構成された仮想空間管理部と、前記情報収集部で収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、前記仮想空間管理部を用いて前記仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するように構成されたシミュレーション部と、を備える。前記シミュレーション部は、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するように構成されている。前記装置管理部は、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、前記現実空間で前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるように構成されている。
【0011】
第2の視点に係るメンテナンス管理システムは、前記第1の視点に係るメンテナンス管理装置と、表示及び指示を行うとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された表示指示装置と、現実空間でメンテナンスを実行するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成されたメンテナンス実行装置と、前記現実空間を監視するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された監視装置と、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報を提供するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された情報提供装置と、を備える。
【0012】
第3の視点に係るメンテナンス管理方法は、ハードウェア資源を用いてメンテナンスを管理するメンテナンス管理方法であって、前記ハードウェア資源における情報収集部が、メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するステップと、前記ハードウェア資源におけるシミュレーション部が、収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するステップと、前記シミュレーション部が、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するステップと、前記ハードウェア資源における装置管理部が、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるステップと、を含む。
【0013】
第4の視点に係るプログラムは、メンテナンスを管理する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集する処理と、収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出する処理と、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信する処理と、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させる処理と、を前記ハードウェア資源に実行させる。
【0014】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備えたものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
前記第1~4の視点によれば、様々なメンテナンスの方法の中から適切なメンテナンスの方法を決定することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係るメンテナンス管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【
図2】実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図3】実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおける表示指示装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図4】実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス実行装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図5】実施形態1に係るメンテナンス管理システムをゴルフコースの芝のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図6】実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【
図7】実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図8】実施形態2に係るメンテナンス管理システムを市街地の道路の雪のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図9】実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【
図10】実施形態3に係るメンテナンス管理システムを農場のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図11】実施形態4に係るメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図12】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0018】
[実施形態1]
実施形態1に係るメンテナンス管理システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図3は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおける表示指示装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図4は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス実行装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0019】
メンテナンス管理システム1は、メンテナンス対象物のメンテナンスを管理するシステムである(
図1参照)。ここで、メンテナンス対象物として、例えば、ゴルフ場、サッカー、ラグビー、ホッケー、テニス、野球等の競技場、競馬場、道路、鉄道、建物、農場、牧場、漁場、養殖場、教室、教習所、醸造所、工場、オフィス、山林、河川、ダム等が挙げられる。また、メンテナンスとして、例えば、維持、持続、保守、保全、芝刈り、草刈り、清掃、除雪、線路交換、害虫害獣駆除、耕作、散水、収穫、施肥、農薬散布、餌やり、距離管理、温度管理、湿度管理、時間管理、植栽、剪定、落ち葉回収、水位管理、放流等が挙げられる。さらに、メンテナンスの支援として、例えば、メンテナンス方法に係る情報の提供、メンテナンス方法に係る評価スコアの提供等が挙げられる。メンテナンス管理システム1は、メンテナンス管理装置10と、表示指示装置20と、メンテナンス実行装置30と、監視装置40と、情報提供装置50と、ネットワーク60と、を備える。なお、各装置が設置される場所や台数については、特に限定されない。
【0020】
メンテナンス管理装置10は、メンテナンス対象物のメンテナンスを管理する装置である(
図1、
図2参照)。メンテナンス管理装置10は、クラウド上の任意の場所に設置することができる。メンテナンス管理装置10には、例えば、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を備える物理サーバを用いることができ、1台のサーバを仮想上複数のサーバとみなして稼働させる仮想サーバを用いてもよい。メンテナンス管理装置10は、時刻機能を有する。メンテナンス管理装置10は、所定のプログラムを実行することによって、通信部11と、仮想空間管理部12と、情報収集部13と、装置管理部14と、シミュレーション部15と、記憶部16と、を実現する。
【0021】
通信部11は、情報の通信(送受信)を行う機能部である(
図2参照)。通信部11は、ネットワーク60を介して、表示指示装置20、メンテナンス実行装置30、監視装置40、及び、情報提供装置50と通信可能に接続されている。通信部11には、例えば、有線通信インタフェイスを用いることができ、無線通信インタフェイスを用いてもよい。通信部11は、仮想空間管理部12、情報収集部13、装置管理部14、シミュレーション部15、及び、記憶部16と通信可能に接続されている。
【0022】
仮想空間管理部12は、仮想空間を管理する機能部である(
図2参照)。仮想空間管理部12は、各種の情報に基づいて仮想空間を構築する。ここで、仮想空間とは、現実にあるメンテナンス対象物を含む空間(次元不問;以下、「現実空間」と呼ぶ)を、コンピュータ上に再現した仮想的な空間である。例えば、ゴルフ場における芝のメンテナンスを行う場合、仮想空間には、メンテナンスする芝、さらにゴルフコースそのもの、メンテナンス実行装置30等がグラフィックないしレイアウトとしてコンピュータ上に再現される。近年は、三次元計測技術、コンピュータグラフィックス技術、VR(Virtual Reality)技術などの向上により、現実空間を仮想空間として再現することができる。仮想空間の構築には、記憶部16に格納されている情報や、情報収集部13で収集された情報、装置管理部14で管理している情報等を用いることができる。なお、仮想空間では、グラフィックレイアウトすなわち視覚以外にも、マイクやスピーカによる音(聴覚)、人口嗅覚センサと香料合成等による香りや匂い(嗅覚)、ハプティクス技術による触感(触覚)、味覚再現技術による味(味覚)なども同様に再現できることは言うまでもない。
【0023】
情報収集部13は、情報を収集する機能部である(
図2参照)。情報収集部13は、仮想空間管理部12でメンテナンス対象物に係る仮想空間をコンピュータ上に再現するための必要な情報を収集することができる。情報収集部13は、メンテナンス対象物やメンテナンス条件を設定する。情報収集部13は、記憶部16、メンテナンス実行装置30、監視装置40、及び、情報提供装置50等から情報を収集する。ここで、収集される情報として、例えば、メンテナンス対象物の地形や状態、メンテナンス実行装置30及び監視装置40に係る位置情報や検出情報等のメンテナンスに必要な情報だけでなく、情報提供装置50からの天気情報、交通情報、農作物情報などのメンテナンスに影響を与える情報も挙げられる。
【0024】
装置管理部14は、メンテナンス実行装置30及び監視装置40の動作を管理する機能部である(
図2参照)。装置管理部14は、メンテナンス実行装置30及び監視装置40に対して、選択されたメンテナンス方法を実行するように指示などを行う。装置管理部14は、メンテナンス実行装置30及び監視装置40のセンサ情報、位置情報等の情報を取得する。
【0025】
シミュレーション部15は、仮想空間内のメンテナンス対象物に対して、メンテナンス実行装置30を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションする機能部である(
図2参照)。シミュレーション部15は、過去にメンテナンスを行ったときの履歴に基づいて過去の状態や、現在に対するメンテナンス直後の将来の状態だけでなく、メンテナンス直後のさらなる将来の状態をシミュレーションすることができる。芝刈りを例にすると、芝刈り直後(メンテナンス直後)の将来の状態をシミュレーションするだけでなく、芝刈り後の芝の成長速度を考慮したさらなる将来の状態をシミュレーションすることができる。さらなる将来の状態は、メンテナンス対象の現在の状態と、過去にメンテナンスを行ったときの状態の履歴と、メンテナンス直後の将来の状態と、があれば求めることができる。シミュレーション部15は、設定されたメンテナンス条件に基づいて、評価スコアを算出するための必要数を算出する。シミュレーション部15は、情報収集部13で取得した情報(メンテナンス対象物の現在(又は最新)の情報、メンテナンス実行装置30の現在(又は最新)の情報)、及び、メンテナンス条件に基づいて、メンテナンス条件の任意の組み合わせでメンテナンスをシミュレーションして、仮想空間管理部12を用いて仮想空間においてシミュレーション画像を作成し、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出する。なお、シミュレーション部15では、グラフィックレイアウトすなわち視覚以外にも、マイクやスピーカによる音(聴覚)、人口嗅覚センサと香料合成等による香りや匂い(嗅覚)、ハプティクス技術による触感(触覚)、味覚再現技術による味(味覚)なども同様にシミュレーションできることは言うまでもない。また、必要数及び評価スコアの詳細は、後述する。
【0026】
記憶部16は、各種の情報を記憶する機能部である(
図2参照)。記憶部16には、例えば、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の記憶装置を用いることができる。なお、記憶部16は、
図2ではメンテナンス管理装置10の内部に存在する構成となっているが、内部に存在する必要はなく、外部に存在していてもよく、構成を限定するものではない。記憶部16は、情報収集部13の制御により、情報の書き込みや読み出しを行う。記憶される情報として、例えば、メンテナンス対象物の地形や状態に係る情報、情報収集部13によって収集されるデータ、装置管理部14で管理しているメンテナンス実行装置30に係る位置情報や検出情報等が挙げられる。また、記憶部16は、メンテナンス対象物の現在及び過去の状態に係る情報、メンテナンスに影響を与える事象についての現在及び過去の状態に係る情報が、位置情報と時刻と関連付けて記憶することができる。さらに、記憶部16は、過去において設定されたことがあるメンテナンス条件の組み合わせ(メンテナンス方法)に係る情報を記憶する。
【0027】
表示指示装置20は、表示及び指示を行う装置である(
図1、
図3参照)。表示指示装置20は、ユーザ(メンテナンス管理者)とメンテナンス管理装置10との間のインタフェイスの役割をするものである。表示指示装置20として、例えば、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有するパーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ等を用いることができる。表示指示装置20は、通信部21と、表示部22と、入力部23と、制御部24と、を備える。
【0028】
通信部21は、情報の通信(送受信)を行う機能部である(
図3参照)。通信部21は、ネットワーク60を介してメンテナンス管理装置10、メンテナンス実行装置30、監視装置40、及び、情報提供装置50と通信可能に接続されている。通信部21は、制御部24の制御により通信を行う。通信部21には、例えば、有線通信インタフェイスを用いることができ、無線通信インタフェイスを用いてもよい。
【0029】
表示部22は、情報を表示する機能部である(
図3参照)。表示部22は、制御部24の制御により表示を行う。表示部22には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。なお、表示部22と併用又は代用して、スピーカ部(図示せず)を用いてもよい。表示部22は、例えば、シミュレーション部15が求めた条件や、当該条件を変えてメンテナンスを実行した場合の結果や、当該結果に基づいて算出した評価スコアや、仮想空間等の情報を1つ以上表示する。
【0030】
入力部23は、表示指示装置20に情報を入力する機能部である(
図3参照)。入力部23は、制御部24によって制御され、ユーザ(メンテナンス管理者)の操作によって情報が入力される。入力部23には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク(音声認識機能を用いる場合)等を用いることができる。入力部23は、ユーザの操作によって入力された情報を、制御部24の制御に応じて所定の機能部に送信する。入力部23は、ユーザの操作により実施したいメンテナンス方法が入力(選択)されると、選択された結果を装置管理部14に送信する。これにより、現実空間で1台以上のメンテナンス実行装置30を用いて、選択されたメンテナンス方法に応じたメンテナンス対象物のメンテナンスを行うことができる。
【0031】
制御部24は、通信部21、表示部22、及び、入力部23を制御する機能部である(
図3参照)。制御部24には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサを用いることができる。制御部24は、所定のプログラムを実行することにより、プログラムに記述された所定の情報処理を行うことができる。
【0032】
メンテナンス実行装置30は、現実空間で実際にメンテナンスを実行する装置である(
図4参照)。メンテナンス実行装置30として、メンテナンス作業を行い、かつ、移動可能な装置を用いることができ、例えば、芝刈機、散水機、掃除機、除雪車、耕運機、散水機、農薬散布機、収穫機等の作業機械を用いることができる。メンテナンス実行装置30は、通信部31と、メンテナンス実行部32と、センサ部33と、移動部34と、制御部35と、を備える。なお、メンテナンス実行装置30は、これらの機能部以外にも、例えば、情報を表示する表示部(図示せず)、音声を出力する音声出力部(図示せず)などを備えていてもよい。
【0033】
通信部31は、情報の通信(送受信)を行う機能部である(
図4参照)。通信部31は、ネットワーク60を介してメンテナンス管理装置10、表示指示装置20、監視装置40、及び、情報提供装置50と通信可能に接続されている。通信部31は、制御部35の制御により通信を行う。通信部31には、例えば、無線通信インタフェイスを用いることができ、有線通信インタフェイスを用いてもよい。
【0034】
メンテナンス実行部32は、メンテナンスを実行する機能部である(
図4参照)。メンテナンスとして、例えば、維持、持続、保守、保全、芝刈り、草刈り、清掃、除雪、線路交換、害虫害獣駆除、耕作、散水、収穫、施肥、農薬散布、餌やり、距離管理、温度管理、湿度管理、時間管理等が挙げられる。メンテナンス実行部32は、制御部35の制御によりメンテナンスを実行するようにしてもよく、ユーザの操作(手動操作、遠隔操作)によりメンテナンスを実行するようにしてもよい。
【0035】
センサ部33は、所定の状況を検出する機能部である(
図4参照)。ここで、所定の状況として、例えば、メンテナンス実行装置30の位置、状態(燃料残量、バッテリ残量、動作可能時間、回転数、速度、芝を刈る仕様、水を撒く能力、掃除可能な範囲等)、周辺の状態(画像、方向、角度、気温、湿度、風速、気圧、標高等)等が挙げられる。センサ部33は、制御部35の制御により所定の状況を検出する。センサ部33は、検出された所定の状況に係る情報をメンテナンス管理装置10に向けて送信する。
【0036】
移動部34は、メンテナンス実行装置30を移動させる機能部である(
図4参照)。移動部34として、例えば、原動機(エンジン、モータ等)の駆動により移動する車両、ローター、スクリュー等を用いることができる。移動部34は、制御部35の制御により移動するようにしてもよく、ユーザの操作(手動操作、遠隔操作)により移動するようにしてもよい。
【0037】
制御部35は、通信部31、メンテナンス実行部32、センサ部33、及び、移動部34を制御する機能部である(
図4参照)。制御部35には、例えば、CPU、MPU等のプロセッサを用いることができる。制御部35は、所定のプログラムを実行することにより、プログラムに記述された所定の情報処理を行うことができる。
【0038】
監視装置40は、現実空間を監視する装置である(
図1参照)。監視装置40として、画像を取得して送信する機能を有する装置が用いられ、例えば、監視カメラ、カメラ付きドローン、カメラ付き車両(ゴルフカート、パトロールカー等)、カメラ付き船等を用いることができる。監視装置40において用いられるカメラには、例えば、ToF(Time of Flight)カメラ、ステレオカメラ、3D-LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)、デプスセンサ、測距センサ、距離カメラ等を用いることができる。監視装置40は、位置、方向、角度等に係る情報を、取得した画像に関連付けて送信する機能を有するようにしてもよい。監視装置40は、移動可能な場合には、GPS受信機等の位置を検出する機能を有するようにしてもよい。監視装置40は、取得した画像に係る情報をメンテナンス管理装置10に向けて送信する。
【0039】
情報提供装置50は、メンテナンス対象物に影響を与える情報を提供する装置である(
図1参照)。メンテナンス対象物に影響を与える情報として、例えば、天気情報、交通情報、農作物情報(市況、収穫量、価格等)等が挙げられる。情報提供装置50は、メンテナンス管理装置10の情報収集部13の要求を受けて、当該要求に応じた情報を情報収集部13に提供する。
【0040】
ネットワーク60は、メンテナンス管理装置10、表示指示装置20、メンテナンス実行装置30、監視装置40、及び、情報提供装置50の間を通信可能に接続する情報通信網である。ネットワーク60には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。ネットワーク60は、無線、有線など通信の形態を限定するものではない。
【0041】
次に、実施形態1に係るメンテナンス管理システムをゴルフコースの芝のメンテナンスに適用した場合の一例について図面を用いて説明する。
図5は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムをゴルフコースの芝のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0042】
図5は、ゴルフコース70の芝のメンテナンス(芝刈り)を行う例である。ここでは、インターネットクラウド上にメンテナンス管理装置10が存在し、管理棟2に表示指示装置20が存在する。ゴルフコース70に、メンテナンス実行装置(
図1の30)として、芝刈機30a、散水機30b、掃除機30cが存在し、監視装置(
図1の40)として、カメラ40a、ドローン40b、ゴルフカート40cが存在する。カメラ40a、ドローン40b、ゴルフカート40cは、監視装置(
図1の40)として記載しているが、芝のメンテナンスと直接関係していなくても、他の監視システム等からメンテナンス対象に関する監視情報を取得できればよく、別の目的のために使用されていてもよい。また、ここでは複数の種類のメンテナンス実行装置(30a、30b、30c)の例を挙げたが、1つ以上の種類かつ1台以上のメンテナンス実行装置であればよく、種類、数を限定するものではない。メンテナンス管理装置10は、ネットワーク60を介して、情報提供装置(
図1の50)として天気情報提供装置50aと通信可能に接続されており、メンテナンス管理装置10の情報収集部(
図2の13)が天気情報(天候、降水量、風速、天気予報など)を取得できるようになっている。メンテナンス管理システムの詳細な動作は、後述する。
【0043】
次に、実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作(メンテナンス管理方法)について図面を用いて説明する。
図6は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。ここでは、
図5のようにメンテナンス管理システムをゴルフコースの芝のメンテナンス(芝刈り)に適用した場合を例に説明する。なお、メンテナンス管理システムの構成については
図1~
図5を参照されたい。
【0044】
まず、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、メンテナンス対象物を設定する(ステップA1)。メンテナンス対象物は、予め設定しておいてもよく、以前において最後に実施したメンテナンス対象物に設定してもよく、表示指示装置20を用いてユーザに複数のメンテナンス対象物の中から1つのメンテナンス対象物を選択させて設定してもよい。
図5の例では、メンテナンス対象物は、ゴルフコース70の芝である。
【0045】
次に、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、ステップA1で設定されたメンテナンス対象物の現在(又は最新)の情報を取得する(ステップA2)。
図5の例では、メンテナンス対象物であるゴルフコース70の芝の現在の情報、例えば、ゴルフコース70の地形、地点ごとの芝の状態、色、長さ、気温、湿度、風速、風向などの情報を取得する。
【0046】
ここで、情報の取得では、基本的には、記憶部16から情報を取得するが、記憶部16に情報がない場合、ステップA1のメンテナンス対象物の設定をトリガーに、メンテナンス対象物に関連するメンテナンス実行装置30(
図5の例では芝刈機30a、散水機30b、掃除機30c)や監視装置40(
図5の例ではカメラ40a、ドローン40b、ゴルフカート40c)や情報提供装置50(
図5の例では天気情報提供装置50a)から直接、情報を取得したり、それぞれを管理するシステムに問い合わせて情報を取得してもよい。また、記憶部16から情報を取り出す場合、記憶部16における情報の有無に関わらず、その都度、メンテナンス実行装置30や監視装置40や情報提供装置50等から情報を取得するようにしてもよい。さらに、これらの情報において、変動のない情報であれば予め設定された情報とし、取得した情報がそのまま用いられない情報であれば取得した情報を解析(例えば、データ解析、画像解析、演算、変換等)して得られた情報とすることができる。なお、情報収集部13は、収集した情報を解析する機能を有していてもよい。ここでの情報の取得方法は、以降の情報の取得にも適用することができる。
【0047】
次に、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、ステップA1で設定されたメンテナンス対象物に関連するメンテナンス実行装置30の現在(又は最新)の情報を取得する(ステップA3)。
図5の例では、メンテナンス実行装置30となる芝刈機30a、散水機30b、掃除機30cの詳細情報、例えば、現在位置、動作可能時間、移動可能な速度、芝を刈る仕様や、水を撒く能力、掃除可能な範囲などの情報を取得する。なお、メンテナンス対象物に関連するメンテナンス実行装置30は、予め設定しておいてもよく、ステップA3を行う際に、表示指示装置20を用いてユーザにメンテナンス対象物に関連するメンテナンス実行装置30を選択させて設定してもよい。
【0048】
次に、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、メンテナンス条件を設定する(ステップA4)。メンテナンス条件として、例えば、芝を刈る長さ、メンテナンス(芝刈り、水やり、掃除等)にかかるコスト、時間、燃料、電力消費量、難易度、美観度などについて、一意な値をとる条件とすることができる。また、メンテナンス条件は、メンテナンス対象物とともに予め設定しておいてもよく、以前において最後に設定したメンテナンス条件に設定してもよく、表示指示装置20を用いてユーザにメンテナンス条件を選択させて設定してもよい。さらに、メンテナンス条件の設定では、特に、以降で説明する評価スコアが異なるように複数のメンテナンス条件を設定することが望ましい。
【0049】
次に、メンテナンス管理装置10のシミュレーション部15は、ステップA4で設定されたメンテナンス条件に基づいて、評価スコアを算出するための必要数を算出する(ステップA5)。
【0050】
ここで、必要数とは、ステップA4で設定された各メンテナンス条件が取り得る値の組み合わせ数である。例えば、ステップA4で設定された各メンテナンス条件が取り得る値が2つの値を取る場合、メンテナンス条件が1つの場合には必要数は2であり、メンテナンス条件が2つの場合には必要数は4であり、メンテナンス条件が3つの場合には必要数は8であり、メンテナンス条件が4つ以上の場合にも同様に必要数が算出される。また、ステップA4で設定された各メンテナンス条件が取り得る値が3つの値を取る場合、メンテナンス条件が1つの場合には必要数は3であり、メンテナンス条件が2つの場合には必要数は9であり、メンテナンス条件が3つの場合には必要数は27であり、メンテナンス条件が4つ以上の場合にも同様に必要数が算出される。また、ステップA4で設定されたメンテナンス条件が2つあり、一方のメンテナンス条件が取り得る値が4つの値を取り、かつ、他方のメンテナンス条件が取り得る値が5つの値を取る場合には必要数は20である。例えば、メンテナンス条件として難易度が1つであれば、難易度が取り得る値(例えば、保有しているメンテナンスごとのハンディキャップ0のプレイヤーのスコアを平均した値の組み合わせ)とすることができる。
【0051】
ステップA5の後、又は、必要数の評価スコアを算出していない場合(ステップA7のNO)、メンテナンス管理装置10のシミュレーション部15は、ステップA2及びステップA3で取得した情報、並びに、ステップA4で設定されたメンテナンス条件に基づいて、メンテナンス条件の任意の組み合わせ(メンテナンス方法)でメンテナンスをシミュレーションして、仮想空間管理部12を用いて仮想空間においてシミュレーション結果(画像、文字等)を作成し、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出する(ステップA6)。メンテナンスのシミュレーション、及び、評価スコアの算出は、メンテナンス条件の組み合わせが複数ある場合には、メンテナンス条件の組み合わせを変えて、評価スコアが算出されていないメンテナンス条件の組み合わせについて行われる。これにより、現実空間でメンテナンスを実行する前に、メンテナンス条件を変えた様々なメンテナンス方法を試し、その結果を確認することができる。
【0052】
ここで、評価スコアは、メンテナンス方法の優先順位を評価するためのスコアである。
評価スコアは、メンテナンスにかかるコストや時間など、メンテナンス自体に関わる項目だけでなく、メンテナンスを行ったことによる副次的効果を示すもので算出するのが望ましい。例えば、コストや時間が多くなれば多くなるほど評価スコアが低くなり、コストや時間が少なくなれば少なくなるほど評価スコアが高くなる。また、副次的効果が高ければ高くなるほど評価スコアが高くなり、副次的効果が低ければ低くなるほど評価スコアが低くなる。ただし、評価スコアは、難易度、美観度等の副次的効果を汎用的に扱うために用意した変数であり、評価スコアの高い低いは、良い悪いを示すものではなく、優先順位の高い順に並べることを目的としている。
【0053】
また、ゴルフコース70の芝のメンテナンスの結果によってゴルフコース70の難易度が変わるので、評価スコアの算出において、ゴルフコース70の難易度(ラウンドするのに必要な打数)を用いるようにしてもよい。例えば、難易度は、気象条件、コースの芝刈り状態、ティー71からカップ77までの距離、ラウンドしたハンディキャップごとのプレイヤーのスコアの平均値等に基づいて算出することができる。気象条件として、例えば、天気(晴れ、雨、雪、曇り等)、気温、湿度、風速、風向等が挙げられる。コースの芝刈り状態として、例えば、フェアウェイ/ラフの位置とエリアの大きさ(面積)、フェアウェイ/ラフのそれぞれの芝の長さ、フェアウェイの幅等が挙げられる。気象条件とコースの芝刈り状態と難易度との対応関係を予め算出しておき、難易度を指定したときの気象条件での芝刈り状態を再現することができる。例えば、晴れ、無風、フェアウェイとラフの位置と大きさに対してハンディキャップが0あるいは0~9など範囲を持たせた人のスコアを平均して評価スコアとして求めておくことができる。こうしておくと、指定した評価スコア(すなわちコースの難易度)にするメンテナンス(フェアウェイ/ラフの位置とエリアの大きさ、芝の長さ)を実現することができる。なお、気象条件はスコアに大きく影響するので、条件を「晴れ」「風速5.0m/s以内」などに固定することが好ましい。また、難易度は、別の例として、実際のコースをラウンドした人のスコアを使わずに、試打したデータを用いることができる。例えば、ハンディキャップ0の人(複数人)がその芝の条件(長さと種類)で100ヤードのところから半径10ヤードのグリーンに10回中何回グリーンオンできるのかで、10段階ぐらいの難易度を出すことができる。また、グリーン上での難易度は、芝の長さでボールの転がるスピードが変わるために、転がりやすさ(減速度:初速と止まるまでのスピードの変化度合い)を難易度として用いることができる。転がりやすくなるほど難易度が高くなる。また、コース全体としての難易度は、錯視効果を利用して(対象の大小や歪みの形を使って遠近感を狂わせたり、障害物を目立つように見せたりすることで)変えることができるので、例えば、バンカーをメンテナンスする機器や、木々の枝打ち機器などを導入することによって、錯視効果を考慮したメンテナンスを実施することができる。さらに、メンテナンスとして芝刈りに加えて、芝の植え替えまで入れるとすると、芝の種類を、難易度に影響する芝のパラメータとすることができる。芝の種類として、グリーンならベントや高麗、フェアウェイやラフなら高麗や野芝や洋芝などが挙げられる。洋芝の一種であるフェスキューは、難易度が高くなる。評価スコアとしてゴルフコース70の難易度を用いる場合の基本的な考え方として、難易度が高ければ高くなるほど評価スコアが高くなり、難易度が低ければ低くなるほど評価スコアが低くなる。
【0054】
さらに、評価スコアの算出として、メンテナンスを行ったことによる副次的効果であるゴルフコース70の美観度を用いてもよい。美観度は、色の均一性、芝目の幾何学的配置、芝を刈っている場所と刈っていない場所の境目の連続性(滑らかに接続されているか)等に基づいて算出することができる。また、美観度は、例えば、明度、色彩、彩度のヒストグラムから求める方法(明度を一定にし、一定の範囲の色相、特に緑色を示す範囲の彩度の分布を調べ、ばらつき度合いの少なさを評価スコアとする方法)や、芝刈りエリアのエッジを画像処理計算で求め、エッジが急激に変化していないかを判断する方法、また芝目によって幾何学模様を形成するかを判断する方法を用いて算出することができる。さらに、美観度は、単純にプレイヤーにコースごとの美観度をアンケートして求める方法を用いて算出することができる。評価スコアとして美観度を用いる場合の基本的な考え方として、美観度が高ければ高くなるほど評価スコアが高くなり、美観度が低ければ低くなるほど評価スコアが低くなる。
【0055】
次に、メンテナンス管理装置10のシミュレーション部15は、ステップA5で算出された必要数の評価スコアを算出したか否かを判断する(ステップA7)。必要数の評価スコアを算出していない場合(ステップA7のNO)、ステップA6に戻る。
【0056】
必要数の評価スコアを算出した場合(ステップA7:YES)、メンテナンス管理装置10のシミュレーション部15は、メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果(例えば、画像)、及び、評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置20に送信する(ステップA8)。
【0057】
ステップA8の後、評価情報が表示指示装置20で受信されて表示され、ユーザは評価情報を参照することができる。評価情報は、ユーザにメンテナンス方法の一覧として表示して、実行するメンテナンス方法を選択させる必要があるため、メンテナンス方法の数が多い場合は、評価スコアが大きい順にメンテナンス方法を表示したり、過去に選択した条件を優先的に表示したり、表示指示装置20を使用してユーザが事前に設定しておいたメンテナンス方法を優先的に表示してもよい。ユーザは、表示されたメンテナンス方法の一覧の中から、評価情報における評価スコアを参考にして、実行するメンテナンス方法を選択して、メンテナンス方法選択情報を表示指示装置20からメンテナンス管理装置10に送信することになる。
【0058】
次に、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、表示指示装置20からのメンテナンス方法選択情報を受信する(ステップA9)。
【0059】
なお、ステップA9でメンテナンス方法選択情報を受信しない場合、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、終了するかどうかユーザに問い合わせ、終了する場合には終了し、終了しない場合は初めに戻り、別のメンテナンス対象物を設定したり、別のメンテナンス条件を設定したりすることが可能である。
【0060】
ステップA9の後、又は、メンテナンスが終了していない場合(ステップA12のNO)、メンテナンス管理装置10の装置管理部14は、受信したメンテナンス方法選択情報で選択されたメンテナンス方法に基づいて、現実空間でメンテナンス実行装置30(
図5では芝刈機30a、散水機30b、掃除機30c)及び監視装置40(
図5ではカメラ40a、ドローン40b、ゴルフカート40c)を用いてメンテナンス及び監視を実行させる(ステップA10)。ここでの現実空間でのメンテナンスの実行は、ステップA6の仮想空間でのメンテナンスのシミュレーション結果に基づいて行われる。
【0061】
次に、又は、ステップA10を行っている間、メンテナンス管理装置10の情報収集部13は、現実空間でメンテナンス中のメンテナンス対象物(
図5ではゴルフコース70の芝)の情報、及び、メンテナンス対象物に影響を与える情報を収集して、記憶部16に記憶させる(ステップA11)。
図5では、芝刈機30a、散水機30b、掃除機30cに搭載されたセンサ部(
図4の33)が検出したメンテナンス対象物の情報と、カメラ40a、ドローン40b、ゴルフカート40cの監視対象物(メンテナンス対象物に対応)の情報と、天気情報提供装置50aから天気情報(気温、湿度、風速、風向等)が、記憶部16にメンテナンス対象物の位置情報と時刻と関連付けて格納される。
【0062】
次に、メンテナンス管理装置10の装置管理部14は、現実空間でのメンテナンスが終了したか否かを判断する(ステップA12)。メンテナンスが終了していない場合(ステップA12のNO)、ステップA10に戻る。
【0063】
メンテナンスが終了した場合(ステップA12のYES)、メンテナンス管理装置10の装置管理部14は、メンテナンス実行装置30に終了情報を送信し、その後、終了する。終了情報を受信したメンテナンス実行装置30は、例えば、燃料補給や充電のための初期位置に戻るなどの動作をとることができる。
【0064】
実施形態1によれば、メンテナンス方法(メンテナンス条件の組み合わせ)ごとに評価スコアを算出しているので、評価スコアを参考にすることにより、様々なメンテナンス方法の中から適切なメンテナンス方法を決定することに貢献することができる。
【0065】
また、実施形態1によれば、ユーザが表示指示装置20から遠隔操作することで、現実空間でメンテナンスを実行することができる。
【0066】
また、実施形態1によれば、現実空間でメンテナンスを実際に行う前に、現実空間に限りなく再現したメンテナンス管理装置10の仮想空間上でメンテナンス条件をいろいろと変えてシミュレーションしているので、シミュレーション結果を表示指示装置20に表示してユーザが確認できる。
【0067】
また、実施形態1によれば、副次的効果に基づく評価スコアを、メンテナンス方法と一緒に、表示指示装置20に一覧として表示することで、ユーザが複雑なメンテナンス条件をわかりやすい形で比較してメンテナンスを実行できる。
【0068】
また、実施形態1によれば、メンテナンス中にもメンテナンス対象物とメンテナンスに影響を与える情報を収集して記憶(更新、追加)しているので、メンテナンスの回数を重ねていくうちに、実施できるメンテナンス方法(条件)の数を増やすことができる。
【0069】
さらに、実施形態1によれば、メンテナンス中にもメンテナンス対象とメンテナンス対象に影響を与える情報を収集し、メンテナンスの方法とメンテナンスの効果が明らかになるので、今まで職人の経験と勘に頼っていたようなメンテナンスを誰でも実施できるようになる。
【0070】
[実施形態2]
実施形態2に係るメンテナンス管理システムについて図面を用いて説明する。
図7は、実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0071】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、メンテナンス管理装置10において、タイミング予測部17を追加したものである。タイミング予測部17は、メンテナンス開始タイミングを予測する機能部である。タイミング予測部17は、記憶部16に記憶されたメンテナンス対象物の情報及びそのメンテナンス対象に影響を与える情報に基づいて、メンテナンス開始タイミングを予測し、メンテナンス開始タイミングであると判断したときに、ユーザに対してメンテナンスするように喚起させるメンテナンス開始喚起情報を送信する。また、タイミング予測部17は、メンテナンス開始タイミングと判断されたときに、開始喚起情報の送信の併用又は代用として、
図6の動作を自動的に開始させたり、あるいは、例えば、
図6の動作におけるメンテナンス対象物の設定(ステップA1)、及び、メンテナンス条件の設定(ステップA4)を予め設定しておき、かつ、評価情報の送信(ステップA8)からメンテナンス方法選択情報の受信(ステップA9)までの動作の代わりに評価スコアが最も高いもの、前回と評価スコアが同じものなどの予め選択論理を登録しておいて、自動的にメンテナンス(完全無人メンテナンス)を開始させることができる。
タイミング予測部17の動作の詳細は、後述する。実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるその他の構成は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムの構成と同様である。
【0072】
次に、実施形態2に係るメンテナンス管理システムを市街地の道路の雪のメンテナンス(除雪)に適用した場合の一例について図面を用いて説明する。
図8は、実施形態2に係るメンテナンス管理システムを市街地の道路の雪のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0073】
図8は、市街地80の道路81の雪のメンテナンス(除雪)を行う例である。
図8の例では、メンテナンス管理システム1において、実施形態1(
図5参照)に対して、複数のメンテナンス対象物に影響する情報提供装置(
図1の50に相当)として、天気情報提供装置50aに加えて交通情報提供装置50bが追加されている。ここでは、インターネットクラウド上にメンテナンス管理装置10が存在し、管理棟2に表示指示装置20が存在する。道路81に、メンテナンス実行装置(
図1、
図4の30に相当)として、複数の除雪車30d、30e、30fが存在し、監視装置(
図1の40に相当)として、カメラ40a、ドローン40b、パトロールカー40dが存在する。カメラ40a、ドローン40b、パトロールカー40dは、監視装置(
図1の40に相当)として記載しているが、雪のメンテナンスと直接関係していなくても、他の監視システム等からメンテナンス対象に関する監視情報を取得できればよく、別の目的のために使用されていてもよい。また、ここでは複数のメンテナンス実行装置(30d、30e、30f)の例を挙げたが、1台以上のメンテナンス実行装置であればよく、数を限定するものではない。メンテナンス管理装置10は、ネットワーク60を介して、情報提供装置(
図1の50に相当)として天気情報提供装置50a及び交通情報提供装置50bと通信可能に接続されており、メンテナンス管理装置10の情報収集部(
図7の13)が天気情報(天候、降水量、風速、天気予報など)や交通情報(交通渋滞、交通事故、立ち往生する車の存在、通行の情報、通行人の滞留、転倒などのけがなど)を取得できるようになっている。メンテナンス管理システムの詳細な動作は、後述する。
【0074】
次に、実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作について図面を用いて説明する。
図9は、実施形態2に係るメンテナンス管理システムにおけるメンテナンス管理装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。ここでは、
図8のようにメンテナンス管理システムを市街地の道路の雪のメンテナンス(除雪)に適用した場合を例に説明する。なお、メンテナンス管理システムの構成については
図1、
図3、
図4、
図7、
図8を参照されたい。
【0075】
実施形態2において、メンテナンス管理装置10の動作については、基本的には実施形態1の動作(
図6参照)の流れと同様であり、
図6のステップA7の評価スコアとして、交通情報を使用することができる。メンテナンス対象物が道路81の雪であれば、交通情報として、交通渋滞の発生、交通事故の発生状況、立ち往生する車の存在に係る情報を用いることができる。また、メンテナンス対象物が歩道(図示せず)の雪であれば、交通情報として、通行の情報、通行人の滞留の情報と、転倒などのけがの発生状況に係る情報を使用することができる。タイミング予測部17の動作については、以下のとおりである。
【0076】
まず、タイミング予測部17は、記憶部16に記憶されている、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報(メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去のメンテナンス対象物の情報及びそのメンテナンス対象物に影響を与える情報)と、現在の情報(現在のメンテナンス対象物の情報及びそのメンテナンス対象物に影響を与える情報)と、を比較して、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報と現在の情報とが似ているか否かを判断する(ステップB1)。なお、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報がないときは、メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報を予め設定しておいて、メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報と、現在の情報と、を比較するようにすればよい。
【0077】
ここで、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報と現在の情報とが似ているか否かの判断については、例えば、メンテナンス対象物の情報(
図8では道路81の雪)及びそのメンテナンス対象物に影響を与える情報(例えば、天気情報、交通情報)のそれぞれを、予め設定された基準(例えば、良い状態から悪い状態までランク分けされた基準)に基づいて数値化しておき、対応するメンテナンス条件ごとに、メンテナンス開始タイミングにおける過去のメンテナンス対象物の情報及びそのメンテナンス対象物に影響を与える情報のそれぞれの数値と、現在のメンテナンス対象物の情報及びそのメンテナンス対象物に影響を与える情報のそれぞれの数値との差分をとって、その差分が予め設定された閾値未満であるか否かにより判断することができる。
【0078】
メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報と現在の情報とが似ていない場合(ステップB1のNO)、タイミング予測部17は、ステップB1に戻り、再度、現在の情報が更新(又は追加)された際に、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報と現在の情報とが似ているか否かを判断することになる。
【0079】
メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報と現在の情報とが似ている場合(ステップB1のYES)、タイミング予測部17は、表示指示装置20に向けて、メンテナンスを開始するように喚起させるメンテナンス開始喚起情報を送信し(ステップB2)、その後、終了する。なお、メンテナンス開始喚起情報の送信先は、表示指示装置20の代わりに、予め登録されたメンテナンス管理者のスマートフォンなどの通信端末(図示せず)であってもよい。これにより、表示指示装置20等のメンテナンス管理者は、メンテナンス開始すべきタイミングを適切なタイミングで知ることができる。
【0080】
以上のようなタイミング予測部17は、道路上に雪が積もったときの適切なタイミングで除雪を実施する場合に限らず、最適なタイミングでメンテナンスを実施する必要があるものにも適用することができる。例えば、ゴルフ場のコースを形成する芝が伸びた場合、適切なタイミングで芝刈りを実施する場合にも適用することができる。また、例えば、農地に対しては、適切なタイミングで耕運、水まき、農薬散布、収穫などを実施する場合にも適用することができる。
【0081】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、メンテナンス方法(メンテナンス条件の組み合わせ)ごとに評価スコアを算出しているので、評価スコアを参考にすることにより、様々なメンテナンス方法の中から適切なメンテナンス方法を決定することに貢献することができる。
【0082】
また、実施形態2によれば、メンテナンス作業、すなわち除雪作業を繰り返していくうちに、優先的に除雪する箇所、除雪が不要な箇所がわかるようになり、効率的な除雪を行うことができる。
【0083】
さらに、実施形態2によれば、過去のメンテナンスに関連する情報を管理しておき、メンテナンス管理者にメンテナンス開始喚起情報を送信することで、メンテナンスを行うべきタイミングを逃さずにメンテナンスを実施できるようになる。
【0084】
[実施形態3]
実施形態3に係るメンテナンス管理システムについて図面を用いて説明する。
図10は、実施形態3に係るメンテナンス管理システムを農場の農地のメンテナンスに適用した場合の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0085】
実施形態3は、実施形態2の変形例であり、メンテナンス対象物に影響する情報提供装置(
図1の50に相当)として、道路情報提供装置(
図8の50b)に代えて農作物情報提供装置50cを用いたものである。実施形態3に係るメンテナンス管理装置(図示せず)は、実施形態1又は2に係るメンテナンス管理装置(
図2又は
図7の10)と同じである。実施形態3に係るメンテナンス管理システムにおけるその他の構成は、実施形態1に係るメンテナンス管理システムの構成と同様である。
【0086】
図10は、農場90の農地91~94の農作物のメンテナンス(耕運、散水、農薬散布、収穫)を行う例である。
図10の例では、メンテナンス管理システム1において、実施形態1(
図5参照)に対して、複数のメンテナンス対象物に影響する情報提供装置(
図1の50に相当)として、天気情報提供装置50aに加えて農作物情報提供装置50cが追加されている。ここでは、インターネットクラウド上にメンテナンス管理装置10が存在し、管理棟2に表示指示装置20が存在する。農地91~94に、メンテナンス実行装置(
図1、
図4の30に相当)として、耕運機30g、散水機30h、農薬散布機30i、収穫機30jが存在し、監視装置(
図1の40に相当)として、カメラ40a、ドローン40bが存在する。カメラ40a、ドローン40bは、監視装置(
図1の40に相当)として記載しているが、農作物のメンテナンスと直接関係していなくても、他の監視システム等からメンテナンス対象に関する監視情報を取得できればよく、別の目的のために使用されていてもよい。また、ここでは複数種類のメンテナンス実行装置(30g、30h、30i、30j)の例を挙げたが、1種以上のメンテナンス実行装置であればよく、種類の数を限定するものではない。メンテナンス管理装置10は、ネットワーク60を介して、情報提供装置(
図1の50に相当)として天気情報提供装置50a及び農作物情報提供装置50cと通信可能に接続されており、メンテナンス管理装置10の情報収集部(
図7の13)が天気情報(天候、降水量、風速、天気予報など)や農作物情報(収穫量、作物の価格など)を取得できるようになっている。メンテナンス管理システムの詳細な動作は、後述する。
【0087】
実施形態3において、メンテナンス管理装置10の動作については、基本的には実施形態1、2の流れと同様であり、評価スコアとして、農作物情報を使用することができる。農作物情報として、農作物の出来具合を示す収穫量、作物の価格を使用することができる。農作物情報は、農作物情報提供装置50cから取得してもよいし、メンテナンス実行装置(
図1の30に相当)である収穫機30j等から装置管理部14を通して直接収集してもよい。
【0088】
実施形態3によれば、実施形態1と同様に、メンテナンス方法(メンテナンス条件の組み合わせ)ごとに評価スコアを算出しているので、評価スコアを参考にすることにより、様々なメンテナンス方法の中から適切なメンテナンス方法を決定することに貢献することができる。
【0089】
また、実施形態3によれば、農作物の収穫量や価格に対して、最適な耕し方、水のやり方、農薬の撒き方、収穫の仕方、肥料のやり方、水のやり方、収穫の仕方、雑草の刈り方などがわかるようになる。
【0090】
さらに、実施形態3によれば、今農薬をまくとこれくらいの作物の値段になるということがわかるようになり、戦略的な農業が可能となる。
【0091】
[実施形態4]
実施形態4に係るメンテナンス管理装置について図面を用いて説明する。
図11は、実施形態4に係るメンテナンス管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0092】
メンテナンス管理装置10は、現実空間のメンテナンス対象物のメンテナンスを管理する装置である。メンテナンス管理装置10は、装置管理部14と、記憶部16と、情報収集部13と、仮想空間管理部12と、シミュレーション部15と、を備える。
【0093】
装置管理部14は、現実空間でのメンテナンス対象物に対応するメンテナンス実行装置(
図1の30に相当)及び監視装置(
図1の40に相当)の動作を管理するように構成されている。
【0094】
記憶部16は、メンテナンス対象物の情報、メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶するように構成されている。
【0095】
情報収集部13は、記憶部16、メンテナンス実行装置(
図1の30に相当)、監視装置(
図1の40に相当)、及び、情報提供装置(
図1の50に相当)のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するように構成されている。
【0096】
仮想空間管理部12は、前記メンテナンス対象物に係る仮想空間を管理するように構成されている。
【0097】
シミュレーション部15は、情報収集部13で収集された情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間管理部12を用いて仮想空間内のメンテナンス対象物に対してメンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するように構成されている。シミュレーション部15は、メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置(
図1の20に相当)に送信するように構成されている。
【0098】
装置管理部14は、表示指示装置(
図1の20に相当)からの、評価情報におけるメンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間でメンテナンス実行装置(
図1の30に相当)及び監視装置(
図1の40に相当)を用いてメンテナンス及び監視を実行させるように構成されている。
【0099】
実施形態4によれば、メンテナンス方法(メンテナンス条件の組み合わせ)ごとに評価スコアを算出しているので、評価スコアを参考にすることにより、様々なメンテナンス方法の中から適切なメンテナンス方法を決定することに貢献することができる。
【0100】
なお、実施形態1~4に係るメンテナンス管理装置、表示指示装置、情報提供装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図12に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源100は、内部バス104により相互に接続される、プロセッサ101、メモリ102、ネットワークインタフェイス103等を備える。
【0101】
なお、
図12に示す構成は、ハードウェア資源100のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源100は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ101等のユニットの数も
図12の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ101がハードウェア資源100に含まれていてもよい。プロセッサ101には、例えば、CPU、MPU、GPU等を用いることができる。
【0102】
メモリ102には、例えば、RAM、SSD、HDD、ROM(Read Only Memory)等を用いることができる。
【0103】
ネットワークインタフェイス103には、例えば、LANカード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0104】
ハードウェア資源100の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0105】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0106】
[付記1]
現実空間でのメンテナンス対象物に対応するメンテナンス実行装置及び監視装置の動作を管理するように構成された装置管理部と、
前記メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶するように構成された記憶部と、
前記記憶部、前記メンテナンス実行装置、前記監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するように構成された情報収集部と、
前記メンテナンス対象物に係る仮想空間を管理するように構成された仮想空間管理部と、
前記情報収集部で収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、前記仮想空間管理部を用いて前記仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するように構成されたシミュレーション部と、
を備え、
前記シミュレーション部は、前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するように構成され、
前記装置管理部は、前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、前記現実空間で前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるように構成されている、
メンテナンス管理装置。
[付記2]
前記シミュレーション部は、前記評価スコアの算出において、ゴルフコースの難易度及び美観度の少なくとも一方、若しくは、前記情報提供装置からの交通情報又は農作物情報を用いるように構成されている、
付記1記載のメンテナンス管理装置。
[付記3]
前記情報収集部は、前記メンテナンス実行装置、前記監視装置、及び、前記情報提供装置から、前記現実空間でメンテナンス中の前記メンテナンス対象物の情報、及び、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報を収集して位置情報及び時刻と関連付けて前記記憶部に記憶させるように構成されている、
付記1又は2記載のメンテナンス管理装置。
[付記4]
前記シミュレーション部は、前記メンテナンス条件に基づいて前記評価スコアを算出するための必要数を算出し、前記評価スコアを算出する際に、算出された前記必要数の前記評価スコアを算出したか否かを判断し、前記必要数の前記評価スコアを算出したときに、前記評価情報を表示指示装置に送信するように構成されている、
付記1乃至3のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
[付記5]
前記装置管理部は、前記現実空間でのメンテナンスが終了したか否かを判断し、メンテナンスが終了したときに、前記メンテナンス実行装置に終了情報を送信するように構成されている、
付記1乃至4のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
[付記6]
前記情報収集部は、前記メンテナンス対象物及び前記メンテナンス条件を設定するように構成され、
設定される前記メンテナンス対象物及び前記メンテナンス条件の少なくとも一方は、予め設定されたもの、又は、以前において最後に実施したもの、若しくは、前記表示指示装置を用いてユーザに選択させたものである、
付記1乃至5のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
[付記7]
前記記憶部に記憶されている前記情報に基づいて、メンテナンス開始タイミングと判断されたときの過去の情報、又は、メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報と、現在の情報と、を比較して、前記メンテナンス開始タイミングの過去の情報、又は、前記メンテナンス開始タイミングと判断されうる情報と、前記現在の情報との差分をとって、前記差分が予め設定された閾値未満であるときに、前記表示指示装置又は通信端末に向けて、メンテナンスを開始するように喚起させるメンテナンス開始喚起情報を送信するように構成されたタイミング予測部をさらに備える、
付記1乃至6のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置。
[付記8]
付記1乃至7のいずれか一に記載のメンテナンス管理装置と、
表示及び指示を行うとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された表示指示装置と、
現実空間でメンテナンスを実行するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成されたメンテナンス実行装置と、
前記現実空間を監視するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された監視装置と、
前記メンテナンス対象物に影響を与える情報を提供するとともに、前記メンテナンス管理装置と通信可能に構成された情報提供装置と、
を備える、
メンテナンス管理システム。
[付記9]
ハードウェア資源を用いてメンテナンスを管理するメンテナンス管理方法であって、
メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集するステップと、
収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出するステップと、
前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信するステップと、
前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させるステップと、
を含む、
メンテナンス管理方法。
[付記10]
メンテナンスを管理する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
メンテナンス対象物の情報、前記メンテナンス対象物に影響を与える情報、位置情報、及び、時刻を関連付けて記憶する前記ハードウェア資源における記憶部、メンテナンス実行装置、監視装置、及び、情報提供装置のいずれかから直接又は間接的に情報を収集する処理と、
収集された前記情報、及び、少なくとも1つのメンテナンス条件に基づいて、仮想空間内の前記メンテナンス対象物に対して前記メンテナンス実行装置を用いてメンテナンスを実行した際の結果をシミュレーションするとともに、メンテナンス方法の優先順位を評価するための評価スコアを算出する処理と、
前記メンテナンス条件の組み合わせごとのメンテナンス方法、シミュレーション結果、及び、前記評価スコアの算出結果を関連付けた評価情報を表示指示装置に送信する処理と、
前記表示指示装置からの、前記評価情報における前記メンテナンス方法の中から実行するメンテナンス方法が選択された、メンテナンス方法選択情報に基づいて、現実空間での前記メンテナンス対象物に対応する前記メンテナンス実行装置及び前記監視装置を用いてメンテナンス及び監視を実行させる処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0107】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0108】
1 メンテナンス管理システム
2 管理棟
10 メンテナンス管理装置
11 通信部
12 仮想空間管理部
13 情報収集部
14 装置管理部
15 シミュレーション部
16 記憶部
17 タイミング予測部
20 表示指示装置
21 通信部
22 表示部
23 入力部
24 制御部
30 メンテナンス実行装置
30a 芝刈機
30b 散水機
30c 掃除機
30d、30e、30f 除雪車
30g 耕運機
30h 散水機
30i 農薬散布機
30j 収穫機
31 通信部
32 メンテナンス実行部
33 センサ部
34 移動部
35 制御部
40 監視装置
40a カメラ
40b ドローン
40c ゴルフカート
40d パトロールカー
50 情報提供装置
50a 天気情報提供装置
50b 交通情報提供装置
50c 農作物情報提供装置
60 ネットワーク
70 ゴルフコース
71 ティー
72 ラフ
73 フェアウェイ
74、75 バンカー
76 グリーン
77 カップ
80 市街地
81 道路
90 農場
91、92、93、94 農地
95、96、97 農道
100 ハードウェア資源
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ネットワークインタフェイス
104 内部バス