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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】証明書用紙
(51)【国際特許分類】
   B42D 11/00 20060101AFI20241008BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B42D11/00 U
G09F3/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020218327
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103595
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】山内 望由季
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕平
(72)【発明者】
【氏名】新美 則明
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 一広
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-277959(JP,A)
【文献】特開2019-084721(JP,A)
【文献】特開2012-108695(JP,A)
【文献】特開2005-209009(JP,A)
【文献】特開2016-087806(JP,A)
【文献】特開平10-024684(JP,A)
【文献】特開2000-326672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
G09F 3/00- 3/20
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明事項を印字して、証明書を発行するのに用いられる証明書用紙であって、
一面側に証明事項を印字する印字部が設けられた矩形状の用紙基材と、
前記用紙基材の他面側に貼付された、前記証明事項を非接触で読み書き可能なRFIDインレットと、
前記他面側から前記RFIDインレットを覆うように貼付された保護シートと
を備え、
前記RFIDインレット及び前記保護シートは、前記印字部と厚み方向に重なる位置に貼付されており、
前記保護シートの外周縁のうち、前記用紙基材の所定の一辺と対向する側が、当該所定の一辺と平行な直線を含まないことを特徴とする証明書用紙。
【請求項2】
前記用紙基材の前記他面側には、前記他面側が凹むことにより周囲の厚紙部よりも紙厚が薄くなった薄紙部が設けられており、前記RFIDインレット及び前記保護シートは、前記薄紙部に貼付されていることを特徴とする請求項1に記載の証明書用紙。
【請求項3】
前記用紙基材の前記他面側には、前記RFIDインレットのICチップと厚み方向に重なる部位に、前記一面側に貫通しない切込みが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の証明書用紙。
【請求項4】
複数の前記用紙基材が一方向に連続してなるものであり、各用紙基材の境界で蛇腹状に折り返すことにより、前記用紙基材が折り重ねられた連続用紙であって、
上下方向に同じ向きで重なり合う複数の前記用紙基材について、前記各用紙基材に対する前記RFIDインレットの貼付部位が、少なくとも一部の前記用紙基材で相違するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の証明書用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所要の証明事項を印字して、各種の証明書を発行するのに用いられる証明書用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
免許証等の身分証明用カードでは、証明事項を記録したRFIDインレットがプラスチック製のカード基材に埋設されており、カード表面に印字された証明事項を、非接触でRFIDインレットから読出可能に構成されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6433008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、住民票等の紙の証明書についても、紙基材にRFIDインレットを貼付して、証明事項を非接触で機械的に読取可能にすることが検討されている。しかしながら、RFIDインレットをプラスチックカードに埋設する場合に比べて、RFIDインレットを薄い紙に貼付する場合には、RFIDインレットを衝撃や圧迫等から十分に保護できないおそれがある。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであり、証明書に貼付されるRFIDインレットを適切に保護し得る証明書用紙の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、証明事項を印字して、証明書を発行するのに用いられる証明書用紙であって、一面側に証明事項を印字する印字部が設けられた矩形状の用紙基材と、前記用紙基材の他面側に貼付された、前記証明事項を非接触で読み書き可能なRFIDインレットと、前記他面側から前記RFIDインレットを覆うように貼付された保護シートとを備え、前記RFIDインレット及び前記保護シートは、前記印字部と厚み方向に重なる位置に貼付されており、前記保護シートの外周縁のうち、前記用紙基材の所定の一辺と対向する側が、当該所定の一辺と平行な直線を含まないことを特徴とする証明書用紙である。ここで、証明書用紙の給紙方向が定まっている場合は、当該給紙方向側の一辺が、「用紙基材の所定の一辺」となる。また、証明書用紙の給紙方向が定まっていない場合は、給紙方向側になり得る側のいずれか一辺が、「用紙基材の所定の一辺」となる。
【0007】
かかる構成にあっては、保護シートが変形することによって、証明書用紙の表裏からRFIDインレットに加わる衝撃や圧迫を軽減できるため、RFIDインレットが破損し難くなる。したがって、本発明によれば、用紙基材に貼付されるRFIDインレットを適切に保護可能となる。
また、証明書用紙は、プラスチックカードに比べて折り曲げが容易であるが、RFIDインレットは折り曲げに弱く、RFIDインレットの貼付部位で証明書用紙が折り曲げられると、RFIDインレットが破損するおそれがある。これに対して、本発明では、RFIDインレットの裏側に保護シートを貼付することで、RFIDインレットの貼付部位の剛性を、保護シートの分だけ高めることができるため、RFIDインレットの貼付部位で証明書用紙が折り曲げられて、RFIDインレットが破損するのを防止できる。
また、保護シートの外周縁は、用紙基材の所定の一辺と対向する側が、当該所定の一辺と平行な直線を含まないため、当該所定の一辺の側から証明書用紙をプリンターに給紙して印字部に証明事項を印字すれば、プリンターの印字ヘッドが、保護シートの外周縁の段差と一度に当接する面積を減らすことができる。このため、かかる構成によれば、保護シートを比較的厚くして、保護シートの外周縁の段差が比較的大きくなっても、印字不良が発生し難くなる。
【0008】
本発明にあって、前記保護シートの外周縁のうち、前記用紙基材の所定の一辺と対向する側は、当該所定の一辺に向けて膨出する円弧形状であることが提案される。発明者の研究によれば、かかる構成とした場合に、印字不良の発生を最も低減できる。
【0009】
また、本発明にあって、前記用紙基材の前記他面側には、前記他面側が凹むことにより周囲の厚紙部よりも紙厚が薄くなった薄紙部が設けられており、前記RFIDインレット及び前記保護シートは、前記薄紙部に貼付されていることが提案される。
【0010】
かかる構成によれば、保護シートの外周縁に形成される段差を、薄紙部の凹みの深さ分だけ低減可能となるため、印字部に証明事項を印字する際に、当該段差の裏側で印字のかすれや欠けが一層生じ難くなる。
また、薄紙部は、周囲の厚紙部よりも紙厚が薄く破れ易いため、かかる構成のように、薄紙部にRFIDインレット及び保護シートを貼付すれば、用紙基材を破損させずに、RFIDインレットを剥がすのが困難となり、また、RFIDインレットを剥がす際に用紙基材を破損させれば、RFIDインレットを剥がしたことが露見してしまう。このため、本発明によれば、RFIDインレットの貼替えによる証明書の改ざんが困難となる。
なお、薄紙部は比較的破れ易いが、RFIDインレットや保護シートによって裏打ちできるため、強度的な問題は生じない。
【0011】
また、本発明にあって、前記用紙基材の前記他面側には、前記RFIDインレットのICチップと厚み方向に重なる部位に、前記一面側に貫通しない切込みが形成されていることが提案される。ここで、切込みは、刃(ハーフカット刃)によって形成されるものに限らず、レーザー加工によって形成されるものを含む。
【0012】
用紙基材に切込みを形成した部位は、厚み方向の力に対して変形し易くなる。RFIDインレットのICチップは、インレット基材の表面から突出しており、負荷が加わり易いため、本発明のように、ICチップの配設部位に切込みが形成されていれば、ICチップの配設部位に厚み方向の力が加わった時に、用紙基材が変形して当該力を吸収するため、ICチップに加わる負荷を軽減できる。
また、かかる構成にあっては、用紙基材が切込みに沿って破れ易くなるため、用紙基材を破損させずに、RFIDインレットを剥がすのが困難となり、RFIDインレットの貼替えによる証明書の改ざんが困難となる。
なお、切込みが形成された部位は比較的破れ易いが、RFIDインレットによって裏打ちできるため、強度的な問題は生じない。また、切込みは、印字部が設けられる一面側には貫通しないため、証明事項の印字の障害となることもない。
【0013】
また、本発明にあって、複数の前記用紙基材が一方向に連続してなるものであり、各用紙基材の境界で蛇腹状に折り返すことにより、前記用紙基材が折り重ねられた連続用紙であって、上下方向に同じ向きで重なり合う複数の前記用紙基材について、前記各用紙基材に対する前記RFIDインレットの貼付部位が、少なくとも一部の前記用紙基材で相違するように構成されていることが提案される。
【0014】
用紙基材を蛇腹折りにより折り重ねた状態では、隣り合う用紙基材が表裏逆向きに重なり、一つ置きの用紙基材が相互に同じ向きで重なることとなる。この時、同じ向きで重なる全ての用紙基材のICチップが上下方向に重なり合うと、各ICチップの厚みや重量により、各ICチップに強い負荷が加わって、ICチップが破損するおそれがある。これに対して、かかる構成では、用紙基材を折り重ねた状態で、上下方向に重なり合うRFIDインレットのICチップの数を少なくできるため、夫々のICチップに加わる負荷を軽減可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、証明書に貼付されるRFIDインレットを適切に保護し得る証明書用紙を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例の証明書用紙1の表面図である。
図2】実施例の証明書用紙1の裏面図である。
図3図2中のX部分拡大図である。
図4】RFIDインレット3と保護シート4を用紙基材5から分離して示す、証明書用紙1の裏側の拡大斜視図である。
図5】切込み部9を拡大して示す用紙基材5の裏面図である。
図6】証明書用紙1の積層構造を示す説明図である。
図7】変形例の証明書用紙1aの概略を示す展開図である。
図8】変形例に係る保護シート4を示す証明書用紙1の裏面拡大図である。
図9】変形例に係る薄紙部6を示す証明書用紙1の裏面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を、以下の実施例によって説明する。なお、以下の実施例において、本発明に係る証明書用紙の一面側は、証明書用紙1の表側に相当する。
【0018】
本実施例の証明書用紙1は、地方自治体の住民票を発行するための用紙である。かかる証明書用紙1は、縦20cm×横15cmの縦長矩形状であるが、本発明の証明書用紙の形状や大きさはこれに限定されるものではない。また、証明書用紙1の厚みは特に限定されないが、一般的なプリンターで印字部2に印字するならば、500μm以下の厚みとすることが望ましい。図1に示すように、証明書用紙1の表側は、略全域が証明事項(氏名、生年月日、住所、発行日等)を印字するための印字部2となっている。用紙基材5の表側には、印字部2に印字する証明事項の項目名や枠線等が事前印刷によって設けられている。また、図示は省略しているが、用紙基材5の表側全体には、複写や偽造を防止するための地紋が事前印刷によって設けられている。
【0019】
図2,3に示すように、証明書用紙1の裏側には、用紙基材5の上部中央に、非接触でデータを読み書き可能なRFIDインレット3が貼付され、さらに、RFIDインレット3を裏側から覆うように、保護シート4が貼付される。RFIDインレット3は、発行した住民票が折り曲げられた時に屈曲して破損し難いように、証明書用紙1の短手方向中心線と重ならない位置に貼付されている。なお、用紙基材5の裏側は、事前印刷のない白紙となっている。
【0020】
証明書用紙1を用いて住民票を発行する場合は、地方自治体の担当部署が、表側の印字部2に、所要の証明事項や発行日をプリンターで印字するとともに、公印を押印する。また、証明書用紙1に貼付されたRFIDインレット3に、印字した証明事項のデータを記憶させる。かかる証明書用紙1により発行した住民票は、RFIDインレット3が記憶する証明事項を非接触で機械的に読み取ることができるため、証明事項の確認作業が容易となる。なお、RFIDインレット3に記憶させるデータは、暗号化したり、電子署名を付したりして、証明事項のデータの改ざんを防止することが望ましい。
【0021】
用紙基材5の表側は全体が平坦であるが、図2~4に示すように、用紙基材5の裏側は、平坦な厚紙部7と、厚紙部7の裏面よりも一段凹んだ、底部が平坦な薄紙部6とで構成される。そして、薄紙部6に、RFIDインレット3及び保護シート4が貼付される。薄紙部6は、左右両側縁と下側縁とが略コ字状をなし、上側縁が上方に膨出する円弧形状をなす、平面視蒲鉾断面形状をなしている。図4に示すように、用紙基材5は、2枚の紙片5a,5bを厚み方向に貼り合わせてなるものである。2枚の紙片5a,5bは、厚みが等しく、用紙基材5と同じ外形をなす上質紙である。裏側の紙片5bは薄紙部6の部分が刳り抜かれており、薄紙部6の部分が刳り抜かれていない表側の紙片5aの裏側に、裏側の紙片5bを積層することにより、用紙基材5の裏側に、用紙基材5の半分の厚みだけ凹んだ薄紙部6が形成される。このように、用紙基材5を、2枚の紙片5a,5bの貼り合わせにより構成すれば、用紙基材5の裏側に薄紙部6を比較的容易に形成できる。
【0022】
図3~5に示すように、表側の紙片5aの裏側には、薄紙部6の中央部に、複数本の切込み8が密集して形成された切込み部9が設けられている。切込み部9は、上側縁と左右両側縁とが略コ字状をなし、下側縁が上方に膨出する円弧形状をなしている。図5に示すように、切込み部9には、上下方向の切込み8と、左右方向の切込み8とが、夫々約0.2mm間隔で格子状に形成されている。切込み8の深さは、表側の紙片5aの厚みの半分程度であり、用紙基材5の表側に貫通しないハーフカット状をなしている。そして、切込み部9には、格子状に形成された切込み8の間に、平面視正方形状をなす柱状の突部10が多数形成される。かかる切込み8は、刃(ハーフカット刃など)でも形成可能であるが、間隔が狭いため、レーザー加工により形成することが望ましい。
【0023】
図3,4に示すように、RFIDインレット3は、樹脂フィルムからなる矩形状のインレット基材11の一側面に、印字部2に印字される証明事項を電磁的に記憶可能なICチップ12と、無線通信用のアンテナ13とを配設してなるものである。かかるRFIDインレット3は、公知のものを広く用いることができ、通信に用いる電波の帯域も特に限定されるものではない。アンテナ13の厚みは、インレット基材11の厚みに比べて極めて薄いが、ICチップ12の厚み(高さ)は、インレット基材11の厚みよりも厚く、インレット基材11の表面から突出している。RFIDインレット3は、ICチップ12及びアンテナ13の配設面を証明書用紙1の表側に向けて、粘着剤で薄紙部6に貼付される。ここで、上述した切込み部9の平面形状は、ICチップ12の平面形状よりも大きくなっており、RFIDインレット3は、ICチップ12の全体が切込み部9と厚み方向に重なるように貼付される。
【0024】
保護シート4は、紙や樹脂シートで構成されるものである。図3,4に示すように、保護シート4は、左右両側縁と下側縁とが略コ字状をなし、上側縁が上方に膨出する円弧形状をなす、平面視蒲鉾断面形状をなしている。保護シート4のかかる平面形状は、RFIDインレット3の平面形状よりも縦横の寸法が大きく、粘着剤でRFIDインレット3の裏側全体に貼付されるとともに、外周部がRFIDインレット3の周囲に延出して、RFIDインレット3の周囲で用紙基材5と粘着剤で貼付されている。ここで、保護シート4は、RFIDインレット3とは異なる粘着剤により用紙基材5に貼付される。具体的には、RFIDインレット3がホットメルト系粘着剤で用紙基材5に貼付されるのに対して、保護シート4は、エマルジョン系粘着剤によって用紙基材5及びRFIDインレット3に貼付される。また、図3に示すように、保護シート4の平面形状は、薄紙部6の平面形状よりも一回り小さい蒲鉾断面形状をなしており、保護シート4は、薄紙部6の中に収まるように貼付される。そして、証明書用紙1の裏側には、保護シート4の外周縁と周囲の厚紙部7との間に、薄紙部6の深さだけ凹んだ凹溝15が形成される。このように、薄紙部6は、細幅な凹溝15以外の部分が、RFIDインレット3及び保護シート4で裏打ちされているため、紙厚が薄くても強度的な問題は生じない。また、保護シート4の中央部には円形の開口部16が形成される。開口部16の平面形状は、RFIDインレット3のICチップ12の平面形状よりも大きく、保護シート4は、平面視において、ICチップ12が開口部16の内部に収まるようにRFIDインレット3に貼付される。上述のようにICチップ12は、インレット基材11の表面から突出しているため、かかる構成のように、ICチップ12と保護シート4の開口部16を重ねることにより、ICチップ12の配設部分で、証明書用紙1が過度に厚くなるのを防止できる(図6参照)。
【0025】
図6は、証明書用紙1の積層構造を示したものである。なお、RFIDインレット3のアンテナ13は極めて薄いため、図示を省略している。上述のように、用紙基材5は、薄紙部6において裏側の紙片5bの厚み分だけ裏側が凹んだ形状となっており、薄紙部6の紙厚は、周囲の厚紙部7の紙厚の半分となっている。RFIDインレット3は、インレット基材11とICチップ12を合わせた厚みが、裏側の紙片5bの厚みよりも薄くなっており、RFIDインレット3は、薄紙部6に貼付された状態で、全体が厚紙部7の裏面よりも低い位置に配置されている。
【0026】
このように、本実施例では、RFIDインレット3は、周囲の厚紙部7よりも紙厚の薄く、破れ易い薄紙部6に貼付されるため、RFIDインレット3を剥ぎ取った時に、RFIDインレット3を剥がした痕跡が薄紙部6に残り易い。したがって、本実施例の証明書用紙1によれば、RFIDインレット3の貼替えによる証明書の改ざんが困難となる。特に、薄紙部6は、印字部2の裏側に形成されており(図1参照)、薄紙部6が破れた際には、裏側の印字部2の印字内容にずれや欠けが生じるため、RFIDインレット3を剥がし痕跡を容易に発見できる。
【0027】
また、本実施例では、周囲の厚紙部7よりも凹んだ薄紙部6にRFIDインレット3が貼付されており、RFIDインレット3は証明書用紙1(厚紙部7)の裏側に膨出していない。かかる構成によれば、RFIDインレット3に負荷が掛かり難く、RFIDインレット3が破損し難くなる。また、かかる構成によれば、印字部2に証明事項を印字する際に、RFIDインレット3のインレット基材11やICチップ12の凹凸が印字の障害になり難くなる。
【0028】
図6に示すように、保護シート4の厚みは、裏側の紙片5bの厚みよりもわずかに厚くなっている。このため、保護シート4が薄紙部6に貼付される部分では、保護シート4の裏面が、厚紙部7の裏面よりもわずかに盛り上がっており、証明書用紙1の裏側には、保護シート4の外周縁の裏面と厚紙部7の裏面の間に、段差20が形成されている。また、保護シート4がRFIDインレット3に貼付される部分では、保護シート4の裏面は、RFIDインレット3(インレット基材11)の厚み分だけ、さらに盛り上がっており、証明書用紙1の裏側には、RFIDインレット3の外周縁にあたる部位に段差21が形成されている。なお、保護シート4は、RFIDインレット3のICチップ12と重なる部分に開口部16が形成されているため、ICチップ12と重なる部分では保護シート4は盛り上がっていない。
【0029】
以上のように、本実施例では、RFIDインレット3を裏側を覆うように保護シート4が貼付されるため、RFIDインレット3を、厚み方向からの衝撃や圧迫から保護できる。また、保護シート4はRFIDインレット3よりも大きく、保護シート4の外周部は、RFIDインレット3の周囲に延出して、薄紙部6に貼付されている。かかる構成にあっては、RFIDインレット3を証明書用紙1から剥ぎ取るためには、RFIDインレット3だけでなく、保護シート4を用紙基材5から剥がさなくてはならない。このため、本実施例では、RFIDインレット3のみが用紙基材5に貼付される構成よりも、RFIDインレット3を剥ぎ取り難く、RFIDインレット3の貼替えによる証明書の改ざんが困難となる。
【0030】
特に、本実施例では、RFIDインレット3を用紙基材5に貼付する粘着剤23と、保護シート4を用紙基材5に貼付する粘着剤24とが相違している。かかる構成によれば、用紙基材5から保護シート4を剥がす時と、用紙基材5からRFIDインレット3を剥がす時とで、夫々の粘着剤23,24の性質に合わせた剥がし方をする必要があるため、RFIDインレット3の貼り替えが一層困難となる。また、本実施例では、保護シート4は、RFIDインレット3を用紙基材5に貼付するホットメルト粘着剤よりも粘着力の弱いエマルジョン系粘着剤によってRFIDインレット3及び用紙基材5に貼付される。かかる構成にあっては、RFIDインレット3は、保護シート4に対してよりも、用紙基材5と強く貼付されるため、保護シート4を用紙基材5から剥ぎ取った時に、RFIDインレット3は保護シート4とともに剥離せず、用紙基材5に貼付されたままとなる。したがって、かかる構成によれば、RFIDインレット3を用紙基材5から剥離する手間が比較的大きくなる。なお、本実施例では、RFIDインレット3と保護シート4を粘着剤23,24によって用紙基材5に貼付しているが、RFIDインレット3と保護シート4の一方、又は両方を、接着剤で用紙基材5に貼付してもよい。
【0031】
また、保護シート4は、RFIDインレット3と同様に、用紙基材5が破れ易い薄紙部6に貼付されるため、保護シート4を剥がす際に、剥がした痕跡が残り易いという利点がある。なお、薄紙部6自体は比較的破れ易いが、RFIDインレット3や保護シート4によって裏打ちされているため、RFIDインレット3や保護シート4を剥ぎ取ろうとしない限りは、強度が不足することはない。
【0032】
また、本実施例では、RFIDインレット3の裏側に保護シート4を貼付することで、RFIDインレット3の貼付部位の剛性を、保護シート4の分だけ高めることができるため、RFIDインレット3の貼付部位で証明書用紙1が屈曲し難くなる。特に、本実施例では、RFIDインレット3の貼付部位において、保護シート4の裏面が、厚紙部7の裏面よりも盛り上がっており、RFIDインレット3の貼付部位における証明書用紙1の用紙厚が、厚紙部7における用紙厚よりも厚くなっている。かかる構成によれば、RFIDインレット3の貼付部位が、周囲の厚紙部7よりも屈曲し難くなるため、証明書用紙1に曲げ応力が加わった際に、RFIDインレット3の貼付部位が一層屈曲し難くなる。
【0033】
また、本実施例では、保護シート4の外周縁と厚紙部7との間に、薄紙部6の深さだけ凹んだ凹溝15が形成される。かかる凹溝15は、厚紙部7の半分の紙厚であり、RFIDインレット3や保護シート4も貼付されていないため、厚紙部7よりも屈曲し易くなっている。このため、かかる構成によれば、RFIDインレット3の貼付部位の辺りに曲げ応力が加わった際に、RFIDインレット3の貼付部位よりも先に凹溝15に沿って証明書用紙1が屈曲することで、RFIDインレット3の貼付部位が屈曲するのを防ぐことができる。特に、かかる凹溝15は、矩形状の用紙基材5の縦辺と横辺に平行な直線状部分を含んでおり、証明書用紙1を用紙基材5の一辺と平行に折り曲げようとする力に対して、用紙基材5は、凹溝15のかかる直線状部分で容易に屈曲することとなるため、発行された住民票が折り畳まれた際に、RFIDインレット3の貼付部位で用紙基材5が屈曲するのを防止できる。
【0034】
本実施例に係る保護シート4は、RFIDインレット3を衝撃や圧迫、折り曲げから保護するという観点では、厚みをできるだけ厚くすることが望ましい。しかしながら、保護シート4が厚くなるほど、証明書用紙1の裏側において、保護シート4が盛り上がって、保護シート4の外周縁に形成される段差20が大きくなる。かかる段差20が大きいと、印字部2に証明事項を印字する際に、当該段差20の裏側で印字の欠けやかすれが生じ易くなるため、保護シート4の厚みには限度がある。これに対して、本実施例では、保護シート4の外周部は、RFIDインレット3の周囲に延出しており、RFIDインレット3とは重なっていないため、保護シート4の外周縁の段差20が比較的大きくなり難い。このため、本実施例では、印字部2への印字に支障のない範囲内で、保護シート4を比較的厚くすることができる。
【0035】
また、保護シート4は、周囲の厚紙部7よりも凹んだ薄紙部6に貼付されるため、本実施例では、厚紙部7との裏面と、保護シート4の裏面との段差20は、薄紙部6の深さ分だけ低減されている。このように、薄紙部6に保護シート4を貼付することにより、保護シート4を薄くすることなく、保護シート4の外周縁に形成される段差20を比較的小さくできる。
【0036】
また、本実施例では、保護シート4の外周縁のうち、用紙基材5の上辺と対向する上側縁が、上方に膨出する円弧形状をなしており、用紙基材5の上辺と平行な直線を含まないよう構成されている。かかる構成にあっては、証明書用紙1を上側からプリンターに給紙して、証明事項を印字部2に印字すれば、プリンターの印字ヘッドが、保護シート4の外周縁の段差20と一度に当接する面積を減らすことができる。このため、かかる構成によれば、保護シート4を比較的厚くして、保護シート4の外周縁の段差20を比較的大きくても印字不良が発生し難くなる。
【0037】
また、上述のように、本実施例では、薄紙部6に形成された切込み部9と重なるように、RFIDインレット3が貼付される。切込み部9では、切込み8によって用紙基材5が厚み方向に変形し易くなっているため、RFIDインレット3の貼付部位に対して、厚み方向から力が加わった時に、切込み部9が変形することにより、RFIDインレット3に加わる負荷を軽減できる。特に、ICチップ12は、インレット基材11の表面から突出しており、RFIDインレット3の中で最も負荷が加わり易く、破損し易い部分であるが、本実施例では、かかるICチップ12と厚み方向に重なる位置に切込み部9が設けられるため、ICチップ12に加わる負荷を軽減して、RFIDインレット3の破損を適切に防止可能となる。
【0038】
また、上述のように、本実施例では、切込み部9には、格子状に形成された複数の切込み8の間に柱状の突部10が形成されており、かかる複数の切込み8と突部10が、ICチップ12と厚み方向に重なっている(図5参照)。かかる構成によれば、厚み方向の力に対して突部10が変形することにより、用紙基材5が厚み方向の力を一層吸収し易くなるため、ICチップ12に加わる負荷をより一層軽減可能となる。
【0039】
また、切込み部9は厚み方向に変形し易く、証明事項の印字の際に印字ヘッドに圧縮されて、切込み部9の外周縁に紙厚の段差が生じるため、本実施例では、切込み部9の下側縁が、上方に膨出する円弧形状をなし、用紙基材5の下辺と平行な直線を含まないよう構成されている。かかる構成によれば、証明書用紙1を上側からプリンターに給紙して、証明事項を印字部2に印字すれば、プリンターの印字ヘッドが、切込み部9の外周縁の段差と一度に当接する面積を低減できるため、切込み部9の外周縁で印字不良が発生し難くなる。
【0040】
また、本実施例では、用紙基材5が切込み部9の切込み8に沿って破れ易くなっているため、RFIDインレット3を剥ぎ取ろうとした時に、用紙基材5が破れた痕跡が残り易い。薄紙部6は、印字部2の裏側に形成されており、用紙基材5が破れた際には、印字内容にずれや欠けが生じるため、RFIDインレット3を剥がした痕跡を容易に発見できる。また、切込み部9には切込み8が縦横に形成されており、RFIDインレット3がどの方向から剥がされた場合でも用紙基材5が破れ易くなっているため、切込み部9を破らずに、RFIDインレット3を剥ぎ取るのは困難である。したがって、かかる構成によれば、RFIDインレット3の貼替えによる証明書の改ざんを好適に防止可能となる。なお、切込み8は比較的破れ易いが、RFIDインレット3によって裏打ちされているため、RFIDインレット3を剥ぎ取ろうとしない限りは、強度的な問題は生じない。また、切込み8は、印字部2が設けられる表側には貫通しないため、証明事項の印字の障害となることもない。
【0041】
本実施例の証明書用紙1は、例えば、以下の(1)~(6)の工程により製造できる。
(1)表側の紙片5aに、オフセット印刷等により事前印刷を行う。
(2)表側の紙片5aの裏面に、レーザー加工等によって切込み8を密集状に形成して、切込み部9を配設する。
(3)裏側の紙片5bを、薄紙部6の平面形状に刳り抜く。
(4)表側の紙片5aと裏側の紙片5bを積層し接着する。
(5)RFIDインレット3を粘着剤23で薄紙部6に貼付する。
(6)RFIDインレット3を覆うようにして、保護シート4をRFIDインレット3及び薄紙部6に粘着剤24で貼付する。
【0042】
なお、上記製造方法は、一例に過ぎず、本実施例の証明書用紙1は他の製造方法によっても製造され得る。例えば、事前印刷や切込み部9の形成は、表側の紙片5aと裏側の紙片5bを接着した後に形成してもよい。また、RFIDインレット3と保護シート4は、相互に接着した後に薄紙部6に貼付してもよい。
【0043】
以上に、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例の形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記実施例は、本発明を住民票用の証明書用紙に適用したものであるが、本発明の証明書用紙は、公的機関や民間企業が発行する証明書に用いられる用紙全般に適用可能である。
【0044】
また、上記実施例の証明書用紙1は、単票であったが、本発明の証明書用紙は、連続用紙やロール用紙であってもよい。
図7は、上記実施例の証明書用紙1を連続用紙に変更した変形例の証明書用紙1aである。かかる証明書用紙1aは、上記実施例の用紙基材5を、長手方向に複数連続させてなるものである。各用紙基材5はミシン目26を介して連続しており、各用紙基材5は証明事項を印字した後にミシン目26で切断して分離される。また、かかる証明書用紙1aは、上方から給紙するよう定まっているため、保護シート4の上側縁が、用紙基材5の上辺と平行な直線を含まない円弧形状に形成される。図7では展開した状態を示しているが、かかる証明書用紙1aは、ミシン目26で蛇腹折りにして、用紙基材5を1つずつ折り重ねた折畳み状態で保管される。かかる折畳み状態では、隣り合う用紙基材5は表裏逆向きに重なり、一つ置きの用紙基材5が相互に同じ向きで重なることとなる。これに対して、本変形例では、図7に示すように、各用紙基材5に対するRFIDインレット3の貼付部位が、一つ置きの用紙基材5で相互に異なるように構成される。かかる構成によれば、用紙基材5を折り重ねた時に、上下方向に重なるRFIDインレット3のICチップ12の数を少なくできるため、多数のICチップ12が上下に重なることによって、ICチップ12に強い負荷が加わり、ICチップ12が破損することを防止できる。なお、本変形例では、各用紙基材5に対する薄紙部6の形成位置を、証明書用紙1aの幅方向にずらすことで、RFIDインレット3の貼付位置をずらしているが、各用紙基材5に対する薄紙部6の形成位置を一定にして、保護シート4とRFIDインレット3の貼付位置をずらすようにしてもよい。また、また、各用紙基材5に対する薄紙部6と保護シート4の配置を一定にして、RFIDインレット3の貼付位置のみをずらすようにしてもよい。また、本変形例では、用紙基材5の境界に形成される全てのミシン目26を蛇腹折りにして、用紙基材5を1つずつ重ねているが、本発明は、ミシン目26を一つ置きに蛇腹折りにして、用紙基材5を2つずつ重ねる連続用紙であってもよい。用紙基材5を2つずつ重ねる場合には、3つ置きの用紙基材5が相互に同じ向きで重なることとなるため、各用紙基材5に対するRFIDインレット3の貼付部位を、3つ置きの用紙基材5で相互に異なるように構成すれば、上下方向に重なるRFIDインレット3のICチップ12の数を少なくできる。
【0045】
このように、本発明の証明書用紙は連続用紙にも適用できる。なお、上記変形例のように、証明書用紙1aをミシン目26で蛇腹状に折り返す場合には、ミシン目26の部分で裏側の紙片5bを欠落させて、証明書用紙1aを折り返し易いようにすることが提案される。
【0046】
また、上記実施例では、用紙基材5の裏側は白紙であったが、用紙基材5の裏側にも事前印刷をしてもよい。事前印刷の内容としては、発行する証明書についての注意事項や、証明書発行後に備考を記入するための備考欄などが挙げられる。また、用紙基材5の裏側に貼付される保護シート4の裏面に、事前印刷を施すようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施例では、RFIDインレット3は、ICチップ12の配設面が証明書用紙1の表側を向くように用紙基材5に貼付されていたが、RFIDインレット3は、ICチップ12の配設面が証明書用紙1の裏側を向くように貼付してもよい。
【0048】
また、上記実施例の保護シート4は、平面視蒲鉾断面形状をなしているが、本発明に係る保護シート4の平面形状は特に限定されず、円形状や四角形状であってもよい。なお、上記実施例では、保護シート4の上側縁が、用紙基材5の上辺と平行な直線を含まないようにすることで、プリンターの印字ヘッドが、保護シート4の上側縁の段差20と一度に当接する面積を減らすようにしているが、これは、証明書用紙1をプリンターに上方から給紙して印字することを前提とした構成であり、証明書用紙1に上方からでなく、下方や横方向からプリンターに給紙して印字する場合には、給紙方向に合わせて保護シート4の下側縁や左右の側縁を、用紙基材5の対向する辺と平行な直線を含まない形状とすることが望ましい。また、本発明を連続用紙やロール紙に適用する場合には、証明書用紙の給紙方向が一方向に定まるため、保護シート4の、給紙方向側の側縁を、用紙基材5の対向する辺と平行な直線を含まない形状とすることが望ましい。また、上記実施例では、保護シート4の上側縁を上方に膨出する円弧形状とすることで、保護シート4の上側縁が用紙基材5の上辺と平行な直線を含まないようにしているが、保護シート4の上側縁を、その他の形状によって、用紙基材5の上辺と平行な直線を含まないようにしてもよい。具体的には、保護シート4の上側縁を、図8(a)に示すように、用紙基材5の上辺に対して傾いた直線状にしたり、図8(b)に示すように、下方に凹む円弧形状にしたり、図8(c)に示すように、波線状にしたりすることが挙げられる。
【0049】
また、上記実施例に係る薄紙部6は、平面視蒲鉾断面形状をなしているが、本発明に係る薄紙部の平面形状は特に限定されず、円形状や四角形状であってもよい。ただし、薄紙部6は、RFIDインレット3や保護シート4で裏打ちされていない部分が比較的破れ易いため、上記実施例のように、RFIDインレット3や保護シート4が貼付されていない部分が凹溝形状となるように、薄紙部6の平面形状を決定することが望ましい。また、上記実施例に係る薄紙部6は、厚紙部7に四方を囲まれていたが、本発明に係る薄紙部は、少なくとも一側で厚紙部7と隣接していれば足りる。具体的には、図9(a)に示すように、薄紙部6は用紙基材5の一辺と接するように形成されていてもよいし、図9(b),9(c)に示すように、用紙基材5の二辺と接するように形成されていてもよい。
【0050】
また、上記実施例では、用紙基材5は、表側の紙片5aと裏側の紙片5bを貼り合わせてなるものであるが、本発明に係る用紙基材は単紙であってもよい。また、表側と裏側の紙片5a,5bは、一方又は両方が積層紙やコート紙であってもよい。
【0051】
また、上記実施例の切込み部9は、RFIDインレット3の中央部と重なるように形成されていたが、切込み部9は、RFIDインレット3全体と重なるように形成してもよいし、保護シート4の貼付部分とも重なるように形成してもよい。また、上記実施例では、切込み部9において、切込み8が格子状に形成されているが、切込み8のパターンは特に限定されず、複数の切込み8を縞状に形成してもよい。また、各切込み8は、直線状に限らず、波線状や破線状であってもよい。ただし、RFIDインレット3の負荷を軽減する観点では、切込み8は、規則的に、かつ、密集状に形成されていることが望ましい。切込み8の密集度合いは特に限定されないが、少なくとも1cm四方に3本以上の切込み8が形成されていることが望ましい。
【符号の説明】
【0052】
1 証明書用紙
2 印字部
3 RFIDインレット
4 保護シート
5 用紙基材
5a 表側の紙片
5b 裏側の紙片
6 薄紙部
7 厚紙部
8 切込み
9 切込み部
10 突部
11 インレット基材
12 ICチップ
13 アンテナ
15 凹溝
16 開口部
20,21 段差
23,24 粘着剤
26 ミシン目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9