IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファイブ イレブン ファーマ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7568305新規重水素置換ポジトロン放出断層撮影(PET)造影剤及びそれらの薬理学的適用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】新規重水素置換ポジトロン放出断層撮影(PET)造影剤及びそれらの薬理学的適用
(51)【国際特許分類】
   C07C 217/80 20060101AFI20241008BHJP
   C07D 213/64 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 51/04 20060101ALI20241008BHJP
   C07B 59/00 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
C07C217/80 CSP
C07D213/64
A61K49/00
A61K51/04 200
C07B59/00
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022170703
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2019564038の分割
【原出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2023012496
(43)【公開日】2023-01-25
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】62/513,217
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517455580
【氏名又は名称】ファイブ イレブン ファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゼフイ ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジハオ ジャ
(72)【発明者】
【氏名】フタオ リウ
(72)【発明者】
【氏名】カール プレスル
(72)【発明者】
【氏名】ソク レ チェ
(72)【発明者】
【氏名】ハンク エフ. クン
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102526765(CN,A)
【文献】特許第7284509(JP,B2)
【文献】Seminars in Nuclear Medicine,2011年,Vol.41, No.4,pp.283-299
【文献】J. Med. Chem.,2007年,Vol.50, No.26,pp.6673-6684
【文献】Organic Square,2010年,No.33,pp.1-20
【文献】EJNMMI Research,2011年,1:33,pp.1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式II-Aの化合物:
【化126】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、メチルであり、1つ以上の重水素原子で換されており;
Xは、18FまたはFであり;
Yは、-[O(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、mは、1~6の整数である)であり;
、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、N、CH、またはCであり、A、A、A、A、及びAの最大で3つがNであ)。
【請求項2】
式II-B:
【化127】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、メチルであり、1つ以上の重水素原子で換されており;
mは、1~4の整数であり;
は、NまたはCHである)。
【請求項3】
mは、3である、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
は、CDである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
Yは、-[OCDCD-である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式II-C:
【化128】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、NまたはCHであり;
Xは、18FまたはFである)。
【請求項7】
は、Nであり、Xは、18Fである、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
は、CHであり、Xは、18Fである、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
各々の指定された重水素原子についての重水素濃縮は、少なくとも約50%である、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
各々の指定された重水素原子についての重水素濃縮は、少なくとも約80%である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
各々の指定された重水素原子についての重水素濃縮は、少なくとも約90%である、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
各々の指定された重水素原子についての重水素濃縮は、少なくとも約95%である、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な担体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
対象を造影するための方法に使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物であって、
前記方法は、
前記組成物を前記対象に投与すること;及び
前記対象または前記対象の一部の画像を得ること、
を含む、
組成物。
【請求項15】
インビボ造影する方法に使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合
物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物であって、
前記方法は、
前記組成物を対象に投与すること;及び
前記対象中の前記化合物の放射能のパターンを検出すること、
を含む、
組成物。
【請求項16】
以下の構造:
【化139】
(式中、Aは、NまたはCHである)を有する、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
重水素(D)は水素(H)の安定した同位体である。水素と重水素との物理的及び化学的特性の違いは比較的小さいが(Meanwell,J.Med.Chem.2011,54:2529-91)、重水素化化合物は、水素のために最適に開発された生物学的及び化学的プロセスに大きな影響を及ぼし得る。重水素置換は、水素よりもわずかに親油性が低く(ΔlogP=-0.006)、重水素のモル体積は、水素よりも1原子当たり0.140cm/mol小さい。炭素-重水素(C-D)結合は、炭素水素(C-H)結合よりも0.005Å短いので、C-D対C-H結合を切断するための活性化エネルギーは著しく高い。機能的には、これにより、C-D結合の開裂速度をC-H結合よりも6.7倍低下し(Kuchar,Molecules 2015,20:16186-220)、それが薬物動態特性に重大な影響を及ぼし得る。
【0002】
重水素置換活性医薬品に関する最近の報告は、既存分子の重水素化型による薬剤物質の安全性及びクリアランスならびに新しい薬剤の創出に及ぼす重水素の速度論的同位体効果の利点を実証してきた(Gant,J.Med.Chem.2014,57:3595-611)。テトラベナジン(NITOMANまたはXENAZINE)、重水素化テトラベナジン(SD-809、AUSTEDO)、デキストロメトルファン、及びD6-デキストロメトルファン(AVP-786)などのいくつかの例を以下に示す。
【化1】
【0003】
重水素化テトラベナジン(SD-809)は最近、ハンチントン病に関連する舞踏病の治療のためにFDAによって承認された。別の例は、アルツハイマー病を有する患者における興奮を治療するために設計されたAVP-786(重水素化デキストロメトルファン)である(Garay,Expert Opin.Investig.Drugs 2017,26:121-32)。
【0004】
水素から重水素への置換を介して薬剤の代謝を調節する能力は、造影剤の一般的な合併症、すなわち、インビボでの好適な滞留時間の欠如を解決する上で新規なアプローチを提供する。過去数十年間でインビボPET造影剤を改善するために水素から重水素への置換を使用することに関する報告がある(Kuchar,Molecules 2015,20:16186-220;Guengerich,J Labelled Comp Radiopharm 2013,56:428-31)。水素を重水素で置換する目的は、特定の酵素または受容体結合部位に対する結合能力を維持しながら、放射性トレーサーの損失を減少させるためにインビボ代謝を遅くすることである。1つの例は、脳内のMAO-B酵素(モノアミンオキシダーゼ-B;アミン酸素オキシドレダクターゼ-B)活性のマッピングに(11C-L-デプレニルの代わりに)11C-L-デプレニル-D2を使用することである(Fowler,J.Nucl.Med.1995,36:1255-62;Logan,Nucl.Med.Biol.2000,27:43-9)。
【化2】
【0005】
PETトレーサーを開発するための水素から重水素への置換の別の例は、テトラ重水素化18F-フルオロ-レボキセチン-D4であり、これは、インビボ代謝を遅らせることによって重水素化PETトレーサーのインビボ安定性を改善した(Lin,Nucl.Med.Biol.2005,2:415-22;Ding,Curr.Pharm.Des.2006,12:3831-45)。また、腫瘍代謝活性を研究するために11C-コリン、11C-D4-コリン、18F-フルオロエチル-コリン及び18F-フルオロエチル-D4-コリンが患者において比較されている(Beauregard,Cancer Imaging 2016,16:41;Nitsch,J.Nucl.Med.2016,57:38s-42s;Smith,Nucl.Med.Biol.2011,38:39-51;Witney,Clin.Cancer Res.2012,18:1063-72)。
【化3-1】
【化3-2】
例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病などの病態、及びうつ病の治療のための特異的にセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)のセロトニントランスポーター結合を評価するために、水素から重水素への置換を使用して、改善されたPET造影剤を開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Meanwell,J.Med.Chem.2011,54:2529-91
【文献】Kuchar,Molecules 2015,20:16186-220
【文献】Gant,J.Med.Chem.2014,57:3595-611
【文献】Garay,Expert Opin.Investig.Drugs 2017,26:121-32
【文献】Guengerich,J Labelled Comp Radiopharm 2013,56:428-31
【文献】Fowler,J.Nucl.Med.1995,36:1255-62
【文献】Logan,Nucl.Med.Biol.2000,27:43-9
【文献】Lin,Nucl.Med.Biol.2005,2:415-22
【文献】Ding,Curr.Pharm.Des.2006,12:3831-45
【文献】Beauregard,Cancer Imaging 2016,16:41
【文献】Nitsch,J.Nucl.Med.2016,57:38s-42s
【文献】Smith,Nucl.Med.Biol.2011,38:39-51
【文献】Witney,Clin.Cancer Res.2012,18:1063-72
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、パーキンソン病の診断のためのPET造影剤として、18Fで標識された重水素置換テトラベナジン誘導体を提供する。非放射性重水素化誘導体は、運動障害の治療のための小胞モノアミントランスポーター2を標的とする薬剤を提供する。
【0008】
一実施形態では、本開示は、式I-Aを有する化合物:
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
但し、RまたはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在し;
但し、nが2の場合、RはCHではない)を提供する。
【0009】
本開示はまた、アルツハイマー病の診断のためのPET造影剤としての重水素置換化合物を提供する。
【0010】
一実施形態では、本開示は、式(II-A)を有する化合物:
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-[O(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、mは、1~6の整数である)であり;
、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、N、CH、またはCであり、A、A、A、A、及びAの最大で3つがNであり;
但し、RまたはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在する)を提供する。
【0011】
別の実施形態では、本開示は、式(II-D)を有する化合物:
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、Rは、1つ以上の重水素原子で置換されており、前記C1-4アルキルの炭素原子の1つ以上は、任意に11Cであり;
、B、B、及びBは、それぞれ独立して、C、N、またはCHであり、B、B、B、及びBの最大で2つがNであり;
Xは、水素、18F、または19Fであり;
Wは、NまたはCHであり;
Zは、O、S、またはNHであり;
但し、前記化合物は、11Cまたは18Fで標識されている)を提供する。
【0012】
本開示は、脳内のセロトニントランスポーターのPET造影のための重水素置換ジアリールスルフィド化合物をさらに提供する。
【0013】
一実施形態では、本開示は、式(III-A)を有する化合物:
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素またはC1-4アルキルであり、前記C1-4
アルキルは、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
は、水素、ハロ、またはCNであり;
但し、R、R、またはYに少なくとも1つの重水素原子が存在する)を提供する。
【0014】
一実施形態では、本開示は、本明細書に開示される重水素置換化合物及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物に関する。
【0015】
一実施形態では、本開示は、対象において造影するための方法であって、本明細書に開示される放射性標識された化合物を対象に投与すること;及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法に関する。
【0016】
一実施形態では、本開示は、インビトロ造影する方法であって、有効量の本明細書に開示される放射性標識された化合物を対象に投与すること及び対象における化合物の放射能のパターンを検出することを含む、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本開示は、パーキンソン病、アルツハイマー病を評価するための、及びうつ病の治療のための特異的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)活性を決定するための新規な重水素置換PET造影剤を提供する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」または「the」は、別段特定されない限り、1以上を意味する。
【0019】
用語「または」は、接続的または分離的であり得る。
【0020】
「含む(include)」、「含む(including)」、「含有する(contain)」、「含有する(containing)」などのオープンな用語は、「含む(comprising)」を意味する。
【0021】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、それが修飾する数値を条件付け、そのような値を誤差の範囲内の変数として示すことが意図されている。用語「約」は、有効数字を考慮に入れて、記載された値を包含するであろう範囲、及びその数字に切り上げまたは切り下げることによって含まれるであろう範囲も同様に意味すると理解されるべきである。本明細書で使用される用語「約」は、記載された数±10%を含む。例えば、「約10」は9~11を意味する。
【0022】
値の範囲が開示されており、表記「n...からnまで」または「n~n」(n及びnは数である)が使用される場合、そのときは別段特定されない限り、この表記は、それら自体の数及びそれらの間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、端値の間及び端値を含んで全体的または連続的であり得る。
【0023】
用語「重水素濃縮」は、化合物の所与の位置における水素の代わりの重水素の組み込みの割合を指す。例えば、所与の位置における1%の重水素濃縮は、所与の試料中の分子の1%が特定の位置で重水素を含有することを意味する。天然に存在する重水素の分布は約0.0156%であるので、非濃縮出発材料を使用して合成された化合物の任意の位置における重水素濃縮は約0.0156%である。重水素濃縮は、質量分析法及び核磁気共鳴
分光法を含む、当業者に知られている従来の分析方法を使用して決定され得る。
【0024】
用語「重水素濃縮係数」は、本明細書で使用される場合、重水素の同位体存在量と自然存在量との比を意味する。例えば、重水素を有するものとして指定された位置は、本明細書に開示された化合物において重水素と指定された各原子で少なくとも3340(50.1%の重水素組み込み)の最小同位体濃縮係数を有し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも3500(指定された各重水素原子で54.6%の重水素組み込み)、少なくとも4000(62.4%の重水素組み込み)、少なくとも4500(70.2%の重水素組み込み)、少なくとも5000(78%の重水素)、少なくとも5500(85.8%の重水素組み込み)、少なくとも6000(93.6%の重水素組み込み)、少なくとも6090(95%の重水素組み込み)、少なくとも6218(97%の重水素組み込み)、少なくとも6346(99%の重水素組み込み)、または少なくとも6378(99.5%の重水素組み込み)の指定された各重水素原子についての同位体濃縮係数を有する。
【0026】
本明細書に開示される化合物における所与の位置を記述するために使用される場合の用語「重水素である」または化合物の図面における所与の位置を表すために使用される場合の記号「D」は、特定された位置が、天然に存在する重水素の分布を超えて重水素で濃縮されていることを意味する。いくつかの実施形態では、重水素濃縮は、特定された位置において少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の重水素である。
【0027】
本明細書に開示される重水素化化合物は、市販の重水素含有出発材料を使用して調製され得る。多くの重水素含有出発材料は、特定された位置で>99%の重水素濃縮を有する。
【0028】
本明細書に開示される化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含有し、それ故、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じ得る。本発明は、全てのそのような可能な形態の化合物、ならびにそれらのラセミ体及び分割された形態及びそれらの混合物を包含することを意味する。
【0029】
本明細書に開示される所定の化合物は、放射性フッ素原子18Fで標識されている。本明細書に開示される所定の他の化合物は、本明細書でFと互換的に使用されるフッ素の安定同位体である19Fを含有する。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容可能な塩」は、正当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、かつ合理的な利益/リスク比と釣り合うそれらの塩を指す。薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において薬学的に許容可能な塩を詳細に記載している。
【0031】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、無機及び有機酸、ならびに無機及び有機塩基との塩を包含する。薬学的に許容可能な塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキ
シルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;及びアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩が含まれるがこれらに限定されない。
【0032】
用語「治療すること」または「治療」は、統計的に有意な程度または当業者に検出可能な程度のいずれかまで、障害に関連する状態、症状、またはパラメータを改善するために、または障害の進行を遅くするかもしくは予防するために有効な量、手法、または様式で療法を施すことを指す。有効な量、手法、または様式は、対象に応じて変化し得、対象に合わせられ得る。対象には、ヒトまたは動物が含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)造影剤としての重水素化18F-FP-DTBZ(18F-AV-133)
ジヒドロキシ-テトラベナジンのフルオロアルキル誘導体が調製され、脳における小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)の造影剤として試験された(Goswami,Nucl.Med.Biol.2006,33:685-94;Kilbourn,Nucl.Med.Biol.2007,34:233-7)。11C-ジヒドロテトラベナジン(11C-DTBZ)を使用するPET造影は、ニューロンにおける分布VMAT2をマッピングするのに有用である。より長い物理的半減期を有する18F標識FP-DTBZ(18F-FP-(+)-DTBZ、18F-AV-133)も開発されてきた。過去数年間に、いくつかの報告がVMAT2造影剤としての18F-AV-133の臨床的有用性を記載している。18F-AV-133/PETのヒト臨床研究の結果は、それがパーキンソン病の診断及びモニタリングを補助する有用な薬剤であることを示唆している。
【0034】
代謝クリアランスに対する重水素の影響の発見に関連して、この影響を実証した18F-AV-133/PETのさらなる使用分野は、膵臓内のベータ細胞の可視化におけるものであった。膵臓におけるVMAT2結合は、糖尿病を有する患者において有意に減少するベータ細胞質量を測定するための有用な指標であり得ることが提案された(Kung,J.Nucl.Med.2008,49:1171-6;Raffo,J.Endocrinol.2008,198:41-9;Harris,J.Mol.Med.2008,86:5-16;Harris,Nucl.Med.Biol.2013,40:60-4;Freeby,Islets 2012,4:393-7)。
【化8】
【0035】
11C-DTBZ及び18F-FP-DTBZの両方が、パーキンソン病の診断のための小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)造影剤としてヒトで試験されてきた。18F-FE-DTBZはまた、潜在的な膵臓造影剤として調査されてきた。
【0036】
ベータ細胞を特異的に標的とするさらなるVMAT2造影剤を開発する努力において、類似の誘導体である18F-フルオロエチル-DTBZ(FE-DTBZ)及び対応する重水素化18F-フルオロエチル-DTBZ-D4(18F-FE-D4-DTBZ-D4)が、膵臓におけるVMAT2を造影するために調製されている(Eriksson,Nucl.Med.Biol.2010,37:357-63;Jahan,EJNMMI Res 2011,1:33)。
【0037】
これらの研究に対する補注のうち、18F-FP-DTBZの調製中に生成される副生成物があり得る。不純物の1つは、脱離反応を代わりに誘発したフッ化物イオンの求核置換に由来したと思われる。脱離反応は最初にC-H結合を切断することによって起こり、これが脱離反応につながったと思われる。理論によって束縛されることを望まないが、18Fプロピル基上で水素原子を重水素で置換することは、脱離反応を減少させ得、それ故、標識反応(スキーム1)を改善させ得ると考えられる。また、フルオロプロピル基上の重水素原子は、パーキンソン患者の脳におけるVMAT2結合部位を造影するためのより良好なインビボ安定性を有する化合物を提供し得る。
スキーム1
【化9】
【0038】
本開示は、パーキンソン病の診断及び治療のためのPET造影剤としての重水素置換テトラベナジンを提供する。
【0039】
一実施形態では、本開示は、式I-Aを有する化合物:
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
但し、RまたはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在し;
但し、nが2の場合、RはCHではない)を提供する。
【0040】
本開示の一実施形態は、式I-Aの化合物(式中、nは、3、4、5、または6である)を提供する。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、Yは、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-(CH-、または-(CD-である。いくつかの実施形態では、Yは、-(CH-または-(CD-である。
【0041】
本開示の一実施形態は、式I-Aの化合物(式中、Rは、重水素化されていてもよくまたは重水素化されていなくてもよいC1-4アルキルである)を提供する。いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CD、-CHCH、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CH(CH、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CHCH(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、-CD、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHまたは-CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CDである。
【0042】
いくつかの実施形態では、式I-Aの化合物は、以下の式:
【化11】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、X、Y、及びRは、本明細書で定義されたとおりである)を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、式I-Aの化合物は、以下の式:
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、Xは18Fまたは19Fである)を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、式I-Aの化合物は、以下の式:
【化13】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、Xは18Fまたは19Fである)を有する。
【0045】
一実施形態では、式I-Aの化合物は:
【化14】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0046】
一実施形態では、式I-Aの化合物は:
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0047】
一実施形態では、式I-Aの化合物は:
【化16】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0048】
一実施形態では、式I-Aの化合物は:
【化17】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0049】
本開示は、パーキンソン病の診断をそれを必要とする対象において行うための方法であ
って、有効量の式I-Aの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与すること及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、有効量の本明細書に開示される式I-Aの化合物(式中、Xは18Fである)を投与することを含む、パーキンソン病を診断するための方法を提供する。
【0050】
本開示はまた、パーキンソン病の治療をそれを必要とする対象において行うための方法であって、治療的有効量の式I-Aの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の治療をそれを必要とする対象において行うための方法であって、治療的有効量の本明細書に開示される式I-Aの化合物(式中、Xは19Fである)を投与することを含む、方法を提供する。
【0051】
本明細書に開示される所定の化合物は、有用なVMAT2阻害活性を有し得、VMAT2が活性的役割を果たす障害の治療または予防において使用され得る。所定の実施形態は、VMAT2を阻害するための方法を提供する。他の実施形態は、VMAT2媒介障害の治療をそのような治療を必要とする対象において行うための方法であって、治療的有効量の式I-Aの化合物を対象に投与することを含む、方法を提供する。VMAT2の阻害によって改善される障害の治療のための薬剤の製造における本明細書に開示される所定の化合物の使用も提供される。
【0052】
用語「VMAT2媒介障害」は、異常なVMAT2活性によって特徴付けられる障害を指す。VMAT2媒介障害は、VMAT2を調節することによって完全にまたは部分的に媒介され得る。特に、VMAT2媒介障害は、VMAT2の阻害が、内在する障害に対していくらかの影響をもたらす障害である。
【0053】
VMAT2媒介障害には、慢性運動過多性運動障害、及び/またはVMAT2阻害剤を投与することによって軽減、緩和、または予防され得る任意の障害が含まれるがこれらに限定されない。用語「慢性運動過多性運動障害」は、「強迫性」、「リズミカル」、または「ステレオタイプ」と多様に呼ばれる、目的のない反復性の無秩序な運動行為を特徴とする障害を指す。ヒトでは、慢性運動過多性運動障害は、心因性(例えば、チック)、特発性(例えば、トゥレット症候群及びパーキンソン病におけるもの)、遺伝性(例えば、ハンチントン病に特徴的な舞踏病におけるもの)、感染性(例えば、シデナム舞踏病におけるもの)、または遅発性ジスキネジーにおけるもののように薬物誘発性であり得る。別段記述されない限り、「慢性運動過多性運動障害」は、全ての心因性、特発性、遺伝性、薬物誘発性の運動障害を指し、これらを含む。
【0054】
所定の実施形態では、慢性運動過多性運動障害は、ハンチントン病である。所定の実施形態では、慢性運動過多性運動障害は、パーキンソン病である。
【0055】
アルツハイマー病のための重水素化アミロイド造影剤
アルツハイマー病(AD)では、β-アミロイドペプチド(Aβ)凝集体が、直線状線維から典型的に構成される細胞外プラークに沈着する。これらの構造はまた、正常な老化でみられ、時に老人斑と称される。Aβプラーク沈着(すなわち、アミロイド仮説)は、ADにつながる重要な病態生理学的事象と考えられている(Gauthier,Alzheimer Dement 2016,12:60-4;Harrison,Br.J.Psychiatry 2016,208:1-3)。Aβプラーク特異的造影剤の研究は、過去15年にわたって脳造影の分野における最も魅力的な開発の1つであり、広範囲で検討されてきた。脳内のAβプラークについて最もよく特徴付けられたPET造影剤は、11C-6-OH-BTA-1(11C-PIB)(Mathis,Semin.Nucl.Med.2012,42:423-32)であり、ADが疑われる患者の脳内のA
βプラークを造影するためのトレーサーとして使用されてきた。多くの異なるコア構造が調製され、試験されてきた。Aβプラークに対して良好な結合を示す数百の潜在的なリガンドのうち、商業的流通に好適な4つの18F標識トレーサーがヒトにおいて成功裏に試験され(Kung,ACS Med Chem Lett 2012,3:265-7;Villemagne,Semin.Nucl.Med.2017,47:75-88)、FDAはヒトAβ造影のために3種(アミヴィッド(AMYVID)、ニューラセク(NEURACEQ)、及びビザミル(VIZAMYL))を承認した(スキーム2)。フルテメタモール(VIZAMYL)と構造的に類似した別のAβプラーク造影剤であるNAV4694も、ヒトでの研究において優れたインビトロ結合及び有望なインビトロ速度論を示してきた(Rowe,J.Nucl.Med.2013,54:880-6)。
スキーム2
【化18】
【0056】
11C-PIBは、ヒトで試験された最初の薬剤であり、これは18F-ビザミル及びNAV4694の開発につながった。また、11C-SB-13の修飾は、スチルベン及びスチリルピリジン系の薬剤の発見につながった。3単位のポリエチレングリコール鎖がコアに結合していた。ポリエチレングリコール鎖は、親油性を調節し、フッ素置換のための好適な位置を提供するのに有用である。これらのPET造影剤は全て、フェニル環に結合したN-メチル基を含有する。電子供与性N-メチルアニリニル基は、Aβプラークにおける標的部位の結合に重要な役割を果たす。理論によって縛られることを望まないが、N-メチル基を重水素化N-メチル基で置換することは、インビボでN-脱メチル化反応を減少させ得ると考えられる。
【0057】
18F-AV-45(アミヴィッド)のインビボ代謝に関する先行の報告は、静脈内(i.v.)注射後の血漿中の急速な変化を示した。マウスにおける18F-AV-45のインビボ代謝は、静脈注射から30分後に、親18F-AV-45の30%しか血漿中に残っていないことを示した。マウス血漿中の18F-AV-45の生物学的T1/2は30分未満と推定された。代謝物のプロファイリング及び代謝物の同定は、放射性検出及び液体クロマトグラフィ/質量分析解析を用いたHPLCによって行われた。血漿代謝物の1つは、N-脱メチル化18F-AV-160であり、これは注射後30分で代謝物の約48%を構成していた(スキーム3)。注射後2分での18F-AV-160の脳取り込みは、4.5%ID/g組織であり、60分で1.8%ID/gに減少した。親18F-AV-45の初期取り込みは、この代謝物より1.5倍高かった。AD脳切片オートラジオグラフィ及びインビトロAD脳ホモジネート結合アッセイを使用して、代謝物ではAβプラークへの有意な結合は観察されなかった。AV-160の阻害定数(K=54±5nM)は、18F-AV-45の非放射性型のそれ(K=2.87±0.17nM)と
比較して、AD脳組織ホモジネート中のAβプラークに対する結合親和性の少なくとも20倍の減少を示している(Choi,J.Nucl.Med.2009,50:1887-94)。
スキーム3
【化19】
【0058】
ヒトでは、インビボ代謝はマウスにおけるものと同様であることが判明した(Wong,J.Nucl.Med.2010,51:913-20)。18F-AV-45の注射後、血漿中の総放射能及び18F-AV-45に起因する血漿放射能の割合は急速に減少した。血漿放射能は、注射後10分以内におよそ80%、20分以内におよそ90%減少した。親化合物である18F-AV-45に加えて、3つの代謝産物ピークがヒト血漿で観察された。主要なピークの1つは、デスメチル-18F-AV-45(N-デスメチル18F-AV-45、すなわち、18F-AV-160)として非標識基準に一致した。比較として、18F-AV-1(ニューラセク)も迅速なインビボ代謝を示し;ヒト血漿中の主要代謝物の1つは、N-デスメチル18F-AV-1であった(スキーム3参照)。N-脱メチル化は、脳内のAβプラークに対する結合親和性の低下につながり、非特異的結合の増加に寄与すると考えられる。そのため、AV-45上で重水素化N-メチル基を置換することによってN-脱メチル化プロセスを遅らせることによって18F-AV-160のインビボ生成を減少させる新規戦略は、脳におけるAβプラークへの18F-AV-45の取り込みの増加及び非特異的結合の減少によって造影を改善するはずである(スキーム4)。
スキーム4
【化20】
【0059】
本発明者は、N-メチル-アニリン基のインビボ安定性が、AV-45及びAV-1の両方について重水素化メチル基の置換によって向上することを発見した。重水素化した薬剤である18F-AV-45-D3は、マウスにおける静脈注射後に18F-AV-45に観察されたものに匹敵する優れた脳取り込みを示した。
【0060】
本開示は、アルツハイマー病の診断のためのPET造影剤としての重水素置換化合物を提供する。
【0061】
一実施形態では、本開示は、式II-Aを有する化合物:
【化21】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18FまたはFであり;
Yは、-[O(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、mは、1~6の整数である)であり;
、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、N、CH、またはCであり、A、A、A、A、及びAの最大で3つがNであり;
但し、RまたはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在する)を提供する。
【0062】
本開示の一実施形態は、式II-Aの化合物(式中、Rは、重水素化されていてもよくまたは重水素化されていなくてもよいC1-4アルキルである)を提供する。いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CD、-CHCH、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CH(CH、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CHCH(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、-CD、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHまたは-CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CDである。
【0063】
本開示の一実施形態は、式II-Aの化合物(式中、mは、1、2、3、または4である)を提供する。いくつかの実施形態では、mは3である。いくつかの実施形態では、Yは、-[OCHCH-または-[OCDCD-である。いくつかの実施形態では、Yは、-[OCHCH-または-[OCDCD-である。いくつかの実施形態では、Yは、-[OCDCD-である。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の式を有する式II-Aの化合物:
【化22】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、R、X、及びYは、本明細書で定義されたとおりである)を提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、式II-Aの化合物は、以下の式:
【化23】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-2アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-[O(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、mは、1~4の整数であり;
は、NまたはCHであり;
但し、RまたはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在する)を有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、式II-Aの化合物は、以下の式:
【化24】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、NまたはCHであり;
Xは、18Fまたは19Fである)を有する。
【0067】
一実施形態では、式II-Aの化合物は:
【化25】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0068】
一実施形態では、式II-Aの化合物は:
【化26】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0069】
別の実施形態では、本開示は、式II-Dを有する化合物:
【化27】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-4アルキルであり、Rは、1つ以上の重水素原子で置換されており、該C1-4アルキルの炭素原子の1つ以上は、任意に11Cであり;
、B、B、及びBは、それぞれ独立して、C、N、またはCHであり、B、B、B、及びBの最大で2つがNであり;
Xは、水素、18F、または19Fであり;
Wは、NまたはCHであり;
Zは、O、S、またはNHであり;
但し、該化合物は、11Cまたは18Fで標識されている)を提供する。
【0070】
本開示の一実施形態は、式II-Dの化合物(式中、Rは、重水素化されていてもよくまたは重水素化されていなくてもよいC1-4アルキルである)を提供する。いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CD、-CHCH、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CH(CH、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CHCH(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、-CD、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHまたは-CDである。いくつかの実施形態では、Rは、-CDである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の式を有する式II-Dの化合物:
【化28】
を提供する。
【0072】
いくつかの他の実施形態では、本開示は、以下の式を有する式II-Dの化合物:
【化29】
を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態では、式II-Dの化合物は、以下の式:
【化30】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C1-2アルキルであり;
は、C、N、またはCHであり;
X、W、及びZは、本明細書で定義されたとおりである)を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示は、式II-DまたはII-E(式中、Rは、1つ以上の重水素原子で置換されたメチルである)を有する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、RはCDであり、Xは18Fである。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示は、式II-DまたはII-E(式中、Rは、C1-4アルキルであり、C1-4アルキルの1つの炭素原子が11Cである)を有する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、R11CDであり、Xは水素である。
【0076】
いくつかの実施形態では、式II-Dの化合物は、以下の式:
【化31】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、R及びXは、本明細書で定義されたとおりである)を有する。いくつかの実施形態では、Rは-CDであり、Xは18Fである。いくつかの実施形態では、Rは-11CDであり、XはHである。
【0077】
いくつかの実施形態では、式II-Dの化合物は、以下の式:
【化32】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、R及びXは、本明細書で定義されたとおりである)を有する。いくつかの実施形態では、Rは-CDであり、Xは18Fである。いくつかの実施形態では、Rは-11CDであり、XはHである。
【0078】
一実施形態では、式II-Dの化合物は:
【化33】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0079】
一実施形態では、式II-Dの化合物は:
【化34】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0080】
一実施形態では、式II-Dの化合物は:
【化35】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0081】
一実施形態では、式II-Dの化合物は:
【化36】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0082】
本開示は、アルツハイマー病の診断をそれを必要とする対象において行うための方法であって、有効量の式II-Aの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与すること及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を診断するための方法は、有効量の本明細書に開示される式II-Aの化合物(式中、Xは18Fである)を投与することを含む。
【0083】
本開示は、アルツハイマー病の診断をそれを必要とする対象において行うための方法であって、有効量の式II-Dの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与すること及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を診断するための方法は、有効量の本明細書に開示される式II-Dの化合物(式中、Xは18Fである)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を診断するための方法は、有効量の本明細書に開示される式II-Dの化合物(式中、R11CDである)を投与することを含む。
【0084】
セロトニントランスポーター(SERT)造影剤としての重水素化FPBM
中枢神経系におけるセロトニンニューロンは正常な脳機能において重要な役割を果たしている。セロトニンニューロンに局在するセロトニントランスポーター(SERT)は、神経伝達物質であるセロトニンをシナプスからシナプス前ニューロンへ戻す輸送を行うことによってセロトニンの作用を終結させるための主要な再取り込みメカニズムとして働く。これらのトランスポーターは、シナプスにおけるセロトニン濃度の制御及びシナプス後セロトニン受容体への結合に重要である。フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラムなどの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は、SERTを特異的に標的とし、ニューロンへのセロトニン再取り込みを防止する。結果として、SSRIは、シナプスにおけるセロトニンの濃度を制御することによってうつ病及び多くの他の精神的病態の治療に有用である(Bousman,BMC Psychiatry
2017,17:60)。それらは一般に、うつ病の一次療法と考えられており、それらは、世界で最も多く処方されている薬物分類の1つである。好適に18F標識されたSERT阻害剤を用いるポジトロン放射断層撮影(PET)造影は、様々な心理学的疾患における病態生理学的及び治療的メカニズムを調べるための方法として有用である(Spies,Lancet Psychiatry 2015,2:743-55)。インビボ造影のための多数のSERTリガンドが開発されてきた(以下の構造を参照)。11C-McN5652は、ヒトで使用された最初のSERT PET造影トレーサーであった。(+)-McN5652のS-18F-フルオロメチルアナログである18F-FMe-(+)-McN5652の開発は、ヒトにおいてPETでのSERT造影に望ましい特徴を示した(Hesse,J.Nucl.Med.Mol.Imaging 2012,39:1001-11)。PET造影はまた、SERTのインビボ定量に好適である。
【化37】
【0085】
ビスフェニルチオールのコア構造を有するリガンドもインビボSERT造影剤として有望な結果を示した。最も一般的に使用されるSERT PET造影剤は11C-DASBである(Wilson,J.Med.Chem.2000,43:3103-10;Wilson,Nucl.Med.Biol.2002,29:509-15)。それは、定量のための優れた選択性、高い再現性及び単純な速度論的モデリングを示した(Kupers,Neuroimage 2011,54:1336-43;Ginovart,Synapse 2004,52:89-99)。しかしながら、11C-DASBは、短い物理的半減期(20分)によって制限される11C標識放射性トレーサーであり、これは広範な臨床適用には好適ではない。18Fは、より長い半減期(110分)を有し、サイクロトロンによって数キュリーの活性で生成され得る。これにより、放射性医薬品業者で放射性標識し、リガンドを局所的に分布させることが可能になる。それ故、18F標識SERT造影剤は、放射性医薬品業者を介した商業的運搬に有益であり得る。SERT造影のためのそのような18F標識放射性トレーサーを開発するために多大な努力がなされてきた。1つの有望な18F標識リガンドは、18F-4-FADAMである(Huang,Eur.J.Nucl.Med.Mol.Imaging 2013,40:115-24;Shiue,J.Nucl.Med.2003,44:1890-7)。
【0086】
18F-4-FADAMの最初のヒトの研究からの結果は、それがSERTの局所的結合部位のマッピングに安全かつ有効であることを示していた(Huang,Eur.J.Nucl.Med.Mol.Imaging 2013,40:115-24)。ヒトの脳における局所的特異的取り込みは、SERTの既知の分布とよく相関していた。最適造影時間(約120分)はわずかに長かったが、慣習的な臨床使用には許容可能であった。フェニル環上に異なる置換を有する代替的なビスフェニルチオール誘導体である18F-FPBMは、高い選択的結合(K=0.38nM)、高い脳取り込み(静脈注射後2分で0.99%線量/g)、及び優れたインビボ標的対非標的比(注射後120分で7.7)を有することが示されている(Wang,Nucl.Med.Biol.2008,3
5:447-58;Wang,J.Nucl.Med.2009,50:1509-17;Wang,Nucl.Med.Biol.2010,37:479-86)。以前は、このジアリールスルフィドの標識は、TsO前駆体を介したK18F-F/K2.2.2での求核フッ素化によって実施された(スキーム5)(Qiao,Nucl.Med.Biol.2016,43:470-7;Zhu,Nucl.Med.Biol.2013,40:974-9)。所望の生成物である18F-FPBMは、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)または固相抽出(SPE)のいずれかによってさらに精製された。標識処置中に、脱離反応がビニル副生成物の生成をもたらしたことが観察された。
【0087】
18F-FP-DTBZ(18F-AV-133)で観察されたものと同様に、脱離反応は、最初にC-H結合を切断することによって生じ得る。理論によって束縛されることを望まないが、プロピル基上の水素原子を重水素で置換することは、脱離反応を低減し、それ故、標識反応を改善することができると考えられる。また、N,N-ジメチル基は、2つの重水素化メチル基で置き換えることができ、これはインビボ脱メチル化反応に抵抗する。
スキーム5
【化38】
【0088】
本開示は、脳内のセロトニントランスポーターのPET造影のための重水素置換ジアリールスルフィド化合物を提供する。
【0089】
一実施形態では、本開示は、式III-Aを有する化合物:
【化39】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素またはC1-4アルキルであり、前記C1-4アルキルは、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、18Fまたは19Fであり;
Yは、-(CR-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
は、水素、ハロ、またはCNであり;
但し、R、R、またはYに少なくとも1つの重水素原子が存在する)を提供する。
【0090】
本開示の一実施形態は、式III-Aの化合物(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素または重水素化されていてもよくまたは重水素化されていなくてもよいC1-4アルキルである)を提供する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して、水素、-CH、-CD、-CHCH、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CH(CH、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CHCH(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。これらの実施形態のいくつかでは、R及びRは、それぞれ独立して、水素、-CD、-CDCD、-CDCH、-CHCD、-CD(CD、-CH(CD、-CD(CH、-CDCH(CH、-CHCD(CH、-CHCH(CD、-CDCD(CH、-CDCH(CD、-CHCD(CD、または-CDCD(CDである。いくつかの実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して、水素、-CH、または-CDである。いくつかの実施形態では、R及びRの両方が-CDである。
【0091】
本開示の一実施形態は、式III-Aの化合物(式中、nは、3、4、5、または6である)を提供する。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、Yは、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-(CH-、-(CD-、-CH-、または-(CD-である。いくつかの実施形態では、Yは、-(CH-または-(CD-である。
【0092】
本開示の一実施形態は、式III-Aの化合物(式中、Rは、水素、F、Cl、Br、I、またはCNである)を提供する。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。いくつかの実施形態では、Rは、F、Cl、Br、またはIである。
【0093】
いくつかの実施形態では、式III-Aの化合物は、以下の式:
【化40】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
Xは、18Fまたは19Fであり;
は、水素またはハロである)を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、式III-Aの化合物は、以下の式:
【化41】
またはその薬学的に許容可能な塩(式中、X及びRは、本明細書で定義されたとおりである)を有する。
【0095】
一実施形態では、式III-Aの化合物は、
【化42】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0096】
本開示は、セロトニントランスポーターの造影をそれを必要とする対象において行うための方法であって、有効量の式III-Aの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与すること及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、セロトニントランスポーターを造影するための方法は、有効量の本明細書に開示される式III-Aの化合物(式中、Xは18Fである)を投与することを含む。
【実施例
【0097】
いくつかの実施形態では、本開示は、うつ病の治療のためのSSRI活性の決定をそれを必要とする対象において行うための方法であって、有効量の本明細書に開示される式III-Aの化合物を対象に投与すること及び対象または対象の一部の画像を得ることを含む、方法を提供する。
実施例1
化合物Iaの合成
スキーム6
【化43】
【0098】
化合物Ia-2:(2R,3R,11R)-3-イソブチル-10-メトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2,9-ジオールの合成
【0099】
9-ベンジル保護DTBZ(Ia-1、380mg、0.96mmol)及び10%の乾燥Pd/C(15mg)の混合物をTHF(10mL)及びEtOH(5mL)中でH下で室温で6時間撹拌した。反応混合物を濾過し、EtOH(10mL)及びTHF(10mL)で洗浄した。溶媒を真空下で除去してIa-2(255mg、87%)を黄色の固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ 6.68 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.44-3.38 (m, 1H), 3.16-2.97 (m, 4H), 2.66-2.56 (m, 2H), 2.49-2.42 (m, 1H), 1.99 (t,
J=2.01 Hz, 1H), 1.79-1.68 (m, 2H), 1.57-1.45 (m, 3H), 1.12-1.05 (m, 1H), 0.97-0.93 (m, 6H)。C1827NOについて計算されたHRMS[M+H]306.2069.実測値306.2100。
【0100】
【化44】
化合物Ia-4:[1,1,2,2,3,3-D]-プロパン-1,3-ジイルビス
(4-メチルベンゼンスルホネート)の合成
【0101】
THF(10mL)中の化合物Ia-3(270mg、3.29mmol)(99原子%D)の溶液にHO(5mL)中のNaOH(527mg、13.17mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いでTHF(10mL)中のTsCl(1.88g、9.88mmol)を滴下して添加した。反応物を室温で24時間撹拌した。HO(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(酢酸エチル(EA)/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して[1,1,2,2,3,3-D]-プロパン-1,3-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)であるIa-4(970mg、76%)を白色の固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ 7.78-7.76 (m, 4H), 7.38-7.36 (m, 4H), 2.483 (s, 6H), C1714について計算されたHRMS[M+H]391.1156.実測値391.1140。
【0102】
【化45】
化合物Ia-5:3-(((2R,3R,11R)-2-ヒドロキシ-3-イソブチル-10-メトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-α]イソキノリン-9-イル)オキシ)プロピル-[1,1,2,2,3,3-D])-4-メチルベンゼンスルホネートの合成。
【0103】
Ia-2(44mg、0.14mmol)及びKCO(119mg、0.86mmol)の混合物をDMF(4mL)中で室温で1時間撹拌した。次いで化合物Ia-4(68mg、0.17mmol)を添加し、反応混合物を24時間室温で撹拌した。水(5mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(5×15mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製してIa-5(33.7mg、45%)を淡黄色の固体として得た。HNMR (400
MHz, CDCl) δ 7.80-7.78 (m, 2H), 7.30-7.29 (m, 2H), 6.68 (s, 1H), 6.54 (s, 1H),
3.78 (s, 3H), 3.43-3.39 (m, 1H), 3.15-2.97 (m, 4H), 2.65-2.57 (m, 2H), 2.50-2.44 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.00 (t, J=2.01
Hz, 1H), 1.78-1.68 (m, 2H), 1.64-1.47 (m, 3H), 1.12-1.05 (m, 1H), 0.98-0.94 (m,
6H)。C2833NOSについて計算されたHRMS[M+H]524.2953.実測値524.2963。
【0104】
【化46】
化合物Ia:(2R,3R,11R)-9-(3-フルオロプロポキシ-[1,1,2,2,3,3-D])-3-イソブチル-10-メトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-α]イソキノリン-2-オールの合成。
【0105】
化合物Ia-5(30mg、0.06mmol)及びTHF中1MのTBAF(0.17mL、0.17mmol)の混合物を無水THF(5mL)中で60℃で5時間撹拌した。HO(5mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(5×10mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製してIa(11.2mg、26%)を淡黄色の固体として得た。HNMR
(400 MHz, CDCl) δ 6.71 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.44-3.38 (m, 1H),
3.16-2.98 (m, 4H), 2.66-2.57 (m, 2H), 2.51-2.44 (m, 1H), 2.00 (t, J=2.01 Hz, 1H), 1.79-1.68 (m, 2H), 1.56-1.47 (m, 3H),
1.12-1.05 (m, 1H), 0.97-0.94 (m, 6H)。C2126FNOについて計算されたHRMS[M+H]372.2821.実測値372.2824。
【0106】
【化47】
放射性標識による18F-Ia(18F-AV-133-D6)の調製は、以下の工程によって達成された。活性化QMA軽量カートリッジに18Fフッ化物を装填し、0.7mLのK222/KCO溶液(40mgのKCO、220mgのK222、3.6mLの水、18.4mLのACN)で円錐形バイアル内に溶出させた。その溶液をアルゴン流下で80℃で乾燥させ、1mLのアセトニトリルで2回共沸乾燥させた。1mgのIa-5を0.5mlのDMSO(無水)に溶解し、乾燥した[18F]F/K222/KCO錯体に添加した。反応混合物を115℃で15分間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、8mLの水に添加した。混合物をOasis HLB(3cc)カートリッジに装填した。溶出し、3mLの水で2回洗浄した。所望の18F-Iaを1mlのアセトニトリルで溶出した(収率:62%、RCP約98%HPLC(Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのギ酸アンモニウム緩衝液(AFB)45/55、1mL/分)。この溶液に約1mLの10mMのAFBを添加し、分取HPLC(Phenomenex Gemini 250×10mm、ACN/10mMのAFB 45/55、3mL/分)に注入した。所望の18F-Iaの溶離液を回収した(660μCi mCi、保持時間14~15分)。溶液を18mLの水と混合し、Oasis HLB 3ccに添加した。活性物を1mLの100%エタノール
(590μCi)で溶出した。溶液を約200μLの体積まで濃縮し、1.8mLの緩衝液で希釈した。HPLC(HPLC:Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのAFB 45/55、1mL/分)でのHPLCプロファイルは、18F-Ia(18F-AV-133-D6)については6分で単一ピークを示した、RCY 48%(dc):RCP:99%;SA約182Ci/mmol(280nmで測定)。保持時間は非標識Iaに相当した。
【0107】
実施例2
Ki決定のためのインビトロ結合アッセイ AV-133対AV-133-D6(Ia)
50mMのHEPES、pH7.5、及び0.3Mのスクロース中で線条体(ラット脳から摘出)の組織ホモジネートを調製した。化合物を、10-7~10-12Mの範囲の濃度で18F-AV-133または18F-AV-133-D6(18F-Ia)(0.15~0.2nM)の結合についてそれらの競合能力を検査した。結合アッセイは、ガラス管(12×75mm)中で0.25mLの最終容量で実施した。非特異的結合は、10μMの(±)-テトラベナジン(TBZ)で定義した。室温で90分間インキュベートした後、ガラス繊維フィルターを通す濾過によって結合リガンドを遊離リガンドから分離した。フィルターを4mLの氷冷したPBS緩衝液(pH7.4)で3回洗浄し、フィルター上の放射能をガンマカウンター(WIZARD、Perkin-Elmer)でカウントした。非線形最小二乗曲線適合プログラムLIGANDを使用してデータを解析してIC50を決定し、AV-133及びAV-133-D6(Ia)のKdとして0.11nMを使用してCheng-Prusoff方程式によってKiを計算した。
【表1A】
【0108】
(±)TBZは、文献で報告されたものに匹敵するより低い結合親和性を示した。AV-133及びAV-133-D6(Ia)についての結合研究の結果は、水素の重水素への置換が、VMAT2結合部位に対して同じ結合親和性を提供したことを示した。結果は、18F-AV-133-D6(Ia)がVMAT2結合部位のための優れたPET造影剤であることを示した。最近承認された重水素化テトラベナジンSD-809と同様に、標的部位(VMAT2)に対するより高い結合親和性を示す「非標識(cold)」AV-133-D6(Ia)は、運動障害のための有用な治療剤であり得る。
【0109】
実施例3
ラットにおけるFP-DTBZの生体内分布データの比較:
18F-FP-(+)DTBZ対18F-FP-DTBZ-D6(18F-Ia)
【化48】
各群3匹のラットを各生体内分布研究に使用した。イソフルラン麻酔下で、20μCiの放射性トレーサーを含有する0.2mLの生理食塩水溶液を大腿静脈に注射した。イソフルラン麻酔下で心臓切除によって、示された時点でラットを屠殺した。対象となる臓器を取り出し、計量し、放射能をカウントした。臓器当たりのパーセント線量は、組織カウント数を、同時に測定された初期線量の1%(注射された物質の100倍希釈アリコート)のカウント数と比較することによって計算した。ラットにおける局所的脳分布を放射性トレーサーの静脈注射後に測定した。異なる脳領域(皮質、線条体、海馬、小脳及び視床下部)からの試料を摘出し、計量し、カウントした。各試料のパーセント線量/gは、試料カウント数を上述した希釈初期線量のカウント数と比較することによって計算した。比率は、各領域のパーセント線量/gを小脳のそれで除することによって計算した。小脳にはわずかな量のVMAT2結合部位しか存在しないので、標的対非標的結合の比を計算するための参照領域として小脳を使用した。
【表1B】
【表1C】
【0110】
18F-FP-(+)DTBZと18F-FP-DTBZ-D6(18F-Ia)との間のラットにおけるこの比較生体内分布研究は、良好な類似性が存在したことを実証した。しかしながら、最も顕著な差は骨吸収である。重水素化18F-FP-DTBZ-D6(18F-Ia)は、骨吸収の明確な区別可能な低下を示し、60及び120分での骨吸収は、18F-FP-(+)DTBZについて1.33及び1.86%線量/gであった一方で、重水素化18F-FP-DTBZ-D6(18F-Ia)は、それぞれ、0.47及び0.65%線量/gの骨吸収を示した。骨吸収の低下で示される改善は、C-Hと比較してC-Dのより高い結合エネルギーが関連している可能性が高く;その結果、それは、血液循環中の遊離18Fフッ化物のレベルを低下させる。
【0111】
もう1つの主要な観察は、静脈注射から120分後での改善された脳取り込みである。総脳取り込みは、18F-FP-(+)DTBZ及び18F-FP-DTBZ-D6(
F-Ia)についてそれぞれ0.26対0.34%線量/gであった。これは、総脳取り込みの40%の増加に相当する。2つの薬剤は、同等の局所的脳取り込み比を示した;静脈注射から60分後において線条体/小脳比は、18F-FP-(+)DTBZ及び18F-FP-DTBZ-D6(18F-Ia)についてそれぞれ5.66対6.05であった。
【0112】
水素から重水素への置換は、脳内のVMAT2を標的とする造影剤のインビボ薬物動態の改善に明らかな有益な効果をもたらす;このように、重水素置換を有する新規な新しい化学物質は、脳内のVMAT2のPET造影のためのより良好な特異的標的結合及び局所的脳シグナルを提供する。
【0113】
18F-FP-DTBZの18F-FP-DTBZ-D6への水素から重水素への置換は明らかにインビボ代謝の速度を低下させ、インビトロ薬物動態を改善した。
【0114】
重水素置換を有する新規な新しい化学物質は、脳におけるVMAT2のPET造影のためのより良好な特異的標的結合及び局所的脳シグナルを提供する。
【0115】
実施例4
化合物IIa1及び18F-IIa1の合成
スキーム7
【化49-1】
【化49-2】
15mLのDMF中のp-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)スチレンであるI
Ia-11(2.19g、10mmol)の溶液に、鉱油中60%のNaH分散液(60%、600mg、15mmol)を徐々に添加した。室温で0.5時間撹拌した後、重水素化ヨードメタン(1.46g、20mmol)(99.5原子%D)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、反応混合物を40mLの飽和塩化アンモニウム(NHCl)で0℃でクエンチした。次いで混合物を60mLのEtOAcで抽出した。有機層をHO及びブライン(40mL)で洗浄し、NaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(FC)(EtOAc/ヘキサン=2/8)によって精製して無色の油、IIa-12、(2.2g、96.1%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.33-7.26(m, 2H),
7.17-7.07(m, 2H), 6.67-6.60(m, 1H), 5.68-5.64(m, 1H), 5.18-5.16(m, 1H), 1.44(s,
9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ:154.49, 143.28, 136.14, 129.11, 126.28, 125.55, 112.13, 28.27。C1416NOについて計算されたHRMS236.1604、実測値237.2107[M+H]
【0116】
【化50】
15mLのDMF中のIIa-12(1g、4.1mmol)、2-[2-[2-[(5-ヨード-2-ピリジニル)オキシ]エトキシ]エトキシ]エタノール(1.47g、4.1mmol)、炭酸カリウム(0.69g、5.0mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(1.29g、4.0mmol)、及び酢酸パラジウム(22mg、0.10mmol)の溶液を窒素で15分間パージすることによって脱酸素化し、次いで65℃で2時間加熱した。溶液を室温(RT)に冷却し、80mLの酢酸エチルで希釈し、ブライン(20mL)で洗浄した。有機層をNaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をFC(EtOAc/ヘキサン=8/2)によって精製して白色の固体であるIIa-13(1.27g、65.2%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 168.04(d, J=2.0Hz, 1H), 7.85(s, 1H), 7.65-7.62(m, 1H), 7.31-7.29(m, 2H), 7.10-7.08(m, 2H), 6.82(s, 2H), 6.67-6.64(m, 1H), 4.37-4.36(m, 2H), 3.73(t, J=2.0Hz, 2H), 3.59-3.55(m, 6H), 3.49-3.47(m, 2H), 1.34(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 162.90, 162.43, 154.46, 145.50,
142.97, 135.78, 133.96, 127.16, 126.13,
126.33, 125.77, 124.30, 111.26, 80.23, 72.53, 70.53, 70.24, 69.54, 65.11, 61.45, 28.23。C2531について計算されたHRMS461.2605.実測値462.2801[M+H]
【0117】
【化51】
0℃の20mLのDCM中のIIa-13(1g、2.1mmol)の溶液、2mLのEtN、TsCl(1.64g、8.7mmol)及び10mgのDMAPを連続して
添加し、反応物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。溶液をブライン(20mL)によって洗浄した。有機層をNaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をFCによって精製して淡黄色の油であるIIa-14(1.24g、93.2%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.04(d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.81-7.77(m, 3H), 7.44(dd, J = 1.6, 1.6 Hz, 2H), 7.11(dd, J
= 1.6, 1.6 Hz 2H), 7.23(d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.96(d, J = 2.4 Hz, 2H), 6.79(d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.48-4.46(m, 2H), 4.17-4.15(m, 2H), 3.83-3.81(m, 2H), 3.70-3.60(m, 6H), 2.43(s, 3H), 1.47(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 163.05, 154.63, 145.62, 144.76, 143.14, 135.37, 134.07, 133.04, 1333.04, 129.80, 127.96, 127.32, 126.75, 126.43, 125.42, 124.44, 111.41, 80.40, 77.40, 77.08, 76.77, 70.76, 70.62, 69.75, 69.25, 68.71, 65.22, 28.34, 21.61。C3237Sについて計算されたHRMS615.2694.実測値616.3120[M+H]
【0118】
【化52】
1.5mLのTHF中のIIa-14(0.1g、0.16mmol)及びテトラブチルアンモニウムフルオリド(0.25mL、THF中1.0M)の溶液を70℃で4時間撹拌した。反応物を真空中で蒸発させ、残渣をFCによって精製して白色の固体であるIIa-15(64mg、85.4%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ:8.19(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.81-7.79(m, 1H), 7.46-7.44(m, 2H), 7.28-7.23(m, 2H), 6.98(d, J = 2.0 Hz, 2H), 6.79(d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.63(d, J=4.0 Hz, 1H), 4.53-4.50(m, 3H), 3.90-3.87(m, 2H), 3.83-3.72(m, 6H), 1.48(s, 9H)。13CNMR (100 MHz,
CDCl) δ: 163.10, 154.65, 145.64, 143.15, 135.33, 134.10, 127.30, 126.73, 126.42, 125.44, 124.49, 111.42, 83.99, 82.31,
80.42, 77.33, 77.01, 76.10, 70.85, 70.73, 70.55, 70.35, 69.79, 65.27, 28.47。C2530FNについて計算されたHRMS463.2562、実測値464.2408[M+H]
【0119】
【化53】
IIa-15(30mg、0.06mmol)の溶液及び1mLのTFAを室温で10
分間撹拌した。反応物を真空中で蒸発させ、残渣をFCによって精製して白色の固体であるIIa-1(19mg、81.5%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.51(s, 1H), 8.23(d, J=2.0 Hz, 1H), 8.01(dd, J = 2.4, 2.4 Hz, 1H), 7.65(dd, J = 1.6, 1.6 Hz, 2H), 7.31(dd, J = 1.6, 1.6 Hz, 2H), 7.15(d, J = 3.2 Hz, 2H), 6.85(d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.59(t, J=4.0
Hz, 1H), 4.47-4.45(m, 3H), 3.88-3.86(m,
2H), 3.78-3.86(m, 2H), 3.78-3.09(m, 6H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 162.87, 145.37, 141.13, 135.78, 135.72, 127.21, 127.04, 126.78, 124.74, 122.18, 110.84, 83.94, 81.83, 70.28, 69.79, 65.22。C2022FNについて計算されたHRMS363.2038;実測値364.2176[M+H]
【0120】
AV-45-D3(18F-IIa-1)の放射性標識
【化54】
放射性標識による18F-IIa1の調製は、以下の工程を経て達成され、これは以前に報告されたもの(Choi,J.Nucl.Med.2009;50:1887-94)と非常に類似していた。活性化QMA軽量カートリッジに18Fフッ化物を装填し、0.7mLのK222/KCO溶液(40mgのKCO、220mgのK222、3.6mLの水、18.4mLのACN)で円錐形バイアル内に溶出させた。その溶液をアルゴン流下で90℃で乾燥させ、1mLのアセトニトリルで2回共沸乾燥させた。1mgのIIa-14を0.5mlのDMSO(無水)に溶解し、乾燥したF/K222/KCO錯体に添加した。反応混合物を110℃で15分間加熱した。得られた反応混合物を冷却し、250μLの10%のHClを添加した。混合物を100℃で10分間加熱し、次いで氷浴中で冷却した。混合物を8mLの水で希釈し、850μLの1NのNaOHで中和し、Oasis HLB(3cc)カートリッジに装填した。混合物を溶出し、3mLの水で2回洗浄した。所望の18F-IIa1を1mlのアセトニトリルで溶出した(収率:80%、RCP約98%HPLC(Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのギ酸アンモニウム緩衝液(AFB)60/40、1mL/分)。この溶液に約1mLの10mMのAFBを添加し、分取HPLC(Phenomenex Gemini 250×10mm、ACN/10mMのAFB 60/40、4mL/分)に注入した。所望の18F-IIa1の溶離液を回収した(3.37mCi、保持時間9~10分)。溶液を18mLの水と混合し、Oasis HLB 3ccに添加した。活性物を1mLのエタノール/5μLの10%のHCl(3.03mCi)で溶出した。溶液を約200μLの体積まで濃縮し、1.8mLの緩衝液で希釈した。HPLC(HPLC:Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのAFB 6/4、1mL/分)でのHPLCプロファイルは、6分で単一ピークを示した。線量:3.03mCi;RCY71%(dc):RCP:99%;SA約830Ci/mmol(350nmで測定)。保持時間は「非標識」IIa1に相当した。
【0121】
実施例5
化合物IIa2の合成
スキーム8
【化55】
40mLのTHF中の4-スチルベノール(1g、4.7mmol)の溶液、次いでジ-tert-ブチルジカーボネート(4.13g、18.9mmol)及びEtN(1.91g、18.9mmol)を添加した。溶液を40℃で一晩撹拌した。反応物を真空中で蒸発させ、残渣をFCによって精製して白色の固体であるIIa-21(1.69g、86.8%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.49-7.46(m, 2H), 7.43-7.41(m, 2H), 7.37(d,
J=8.8 Hz, 2H), 7.17(dd, J=1.6, 1.6 Hz, 1H), 6.99(s, 1H), 6.69(s, 1H), 1.59(s, 9H), 1.55(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 152.67, 151.85, 150.25, 137.99, 135.25, 132.01, 128.39, 127.17, 127.15, 126.21, 121.45, 118.61, 83.54, 80.57, 28.37, 27.72。C2429NOについて計算されたHRMS411.2046.実測値412.3102[M+H]
【0122】
【化56】
15mLのDMF中のIIa-21(1g、2.4mmol)の懸濁液に、鉱油中60%のNaH分散液(60%、240mg、6mmol)を徐々に添加した。室温で0.5時間撹拌した後、重水素化ヨードメタン(0.73g、5mmol)(≧99.5原子%D)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、反応混合物を40mLの飽和塩化アンモニウム(NHCl)で0℃でクエンチした。次いで混合物を60mLのEtOAcで抽出した。有機層を水及びブライン(40mL)で洗浄し、NaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をFC(EtOAc/ヘキサン=3/7)によって精製して無色の油であるIIa-22(1g、96.8%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.51(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.
47(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.24(d, J=8.4 Hz, 2H), 7.18(d, J=8.4 Hz, 2H), 7.08(d, J=0.8
Hz, 1H), 1.59(s, 9H), 1.48(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 151.79, 150.43, 143.20, 135.03, 134.15, 128.19, 127.40, 127.29, 126.58, 125.43, 121.47, 83.59, 80.41, 28.35, 27.21。C2528NOについて計算されたHRMS428.2391.実測値429.3102[M+H]
【0123】
【化57】
15mLの水及び20mLのメタノール中のIIa-22(1g、2.3mmol)の懸濁液に、NaOH(0.46g、11.6mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、反応物を1NのHClで中和し、酢酸エチルで抽出し、NaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をFC(EtOAc/ヘキサン=3/7)によって精製して無色の油であるIIa-23(0.71g、92.5%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.36(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21(d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.93(dd, J = 1.6, 1.6 Hz, 2H), 6.66(d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.39(s,
1H), 1.52(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 155.95, 155.35, 142.28, 135.46, 126.51, 128.59, 127.74, 126.54, 125.87, 125.37, 115.72, 80.86, 28.42。C2020NOについて計算されたHRMS328.1866.実測値329.1902[M+H]
【0124】
【化58】
15mLのDMF中のIIa-23(0.7g、2.1mmol)の懸濁液に、トリエチレングリコールジ-p-トルエンスルホネート(1.95g、4.2mmol)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物をブラインによって洗浄し、酢酸エチルによって抽出し、次いでNaSOによって乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をFC(EtOAc/ヘキサン=3/7)によって精製して無色の油であるIIa-24(1.18g、90.2%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.76-7.73(m, 2H), 7.41-7.37(m, 4H), 7.27(dd, J = 6.8, 6.8 Hz, 2H), 7.18(d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.95-6.92(m, 2H), 6.88-6.84(m, 2H), 4.12(t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.06(t,
J = 4.8 Hz, 2H), 3.76(t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.64-3.59(m, 4H), 3.56-3.52(m, 2H), 2.35(s, 3H), 1.44(s, 9H)。13CNMR (100 MHz,
CDCl) δ: 158.40, 154.60, 144.79, 144.72, 134.57, 133.00, 130.21, 129.85, 127.92, 127.88, 127.65, 126.30, 125.89, 125.3
5, 114.84, 80.24, 70.68, 70.55, 69.69, 69.34, 69.30, 68.64, 67.44, 28.33, 21.55。C3338NOSについて計算されたHRMS614.2741.実測値615.2736[M+H]
【0125】
【化59】
1.5mLのTHF中のIIa-24(0.1g、0.16mmol)及びテトラブチルアンモニウムフルオリド(0.25mL、THF中1.0M)の溶液を70℃で4時間撹拌した。反応物を真空中で蒸発させ、残渣をFCによって精製して白色の固体であるIIa-25(63mg、84.4%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.45(dd, J=1.2, 1.2 Hz, 4H), 7.23(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.01-6.91(m, 4H), 4.65-4.63(m, 1H), 4.53-4.51(m, 1H), 4.17(t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.89(t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.81-3.73(m, 4H), 1.48(s, 9H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 158.51, 142.78, 134.68, 130.33, 127.98, 126.32, 126.00, 125.44, 114.87, 83.98, 82.30, 80.34, 70.90, 70.85, 70.56, 70.37, 69.82, 67.52。C2631FNOについて計算されたHRMS462.2609.実測値407.2122[M+H-tBu]
【0126】
【化60】
IIa-25(40mg、0.08mmol)の溶液及び1mLのTFAを室温で10分間撹拌した。反応物を真空中で蒸発させ、残渣をFCによって精製して白色の固体であるIIa-2(29mg、92.3%)を得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.41(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.36(d,
J = 8.4 Hz, 2H), 6.90(dd, J = 5.6, 4.8 Hz, 4H), 6.61(d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.65-4.63(m, 1H), 4.53-4.51(m, 1H), 4.17(t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.90-3.88(M Hz, 2H), 3.82-3.73(m, 6H)。13CNMR (100 MHz, CDCl) δ: 157.86, 148.77, 131.20, 127.43, 127.10, 127.05, 126.99, 124.00, 114.82, 124.00, 114.82, 112.47, 83.99, 82.31, 70.98, 70.56, 70.30, 69.85, 67.51。C2123FNOについて計算されたHRMS362.2085.実測値363.2402[M+H]
【0127】
実施例6
化合物IIbの合成
化合物IIbは、スキーム9で図示された合成方法によって調製され得る。
スキーム9
【化61】
【0128】
実施例7
化合物11C-PIB-D3の合成
化合物11C-PIB-D3は、スキーム10で図示された合成方法によって調製され得る。
スキーム10
【化62】
【0129】
実施例8
化合物IIcの合成
化合物IIcは、スキーム11で図示された合成方法によって調製され得る。
スキーム11
【化63】
【0130】
実施例9
化合物18F-IIcの合成
化合物18F-IIcは、スキーム12で図示された合成方法によって調製され得る。
スキーム12
【化64】
【0131】
実施例10
ヒトAD脳ホモジネートのAβ凝集体についてのインビトロ結合アッセイ
12×75mmのホウケイ酸塩ガラス管内で競合結合アッセイを実施した。反応混合物は、100μLのAD脳ホモジネート(20~25ug)、100μLの[18F]AV-45または[18F]AV-45-D3(約150,000cpm)、及び100μLの競合化合物(0.1%のウシ血清アルブミンを含有するPBS中で10-5から10-10Mに連続希釈された)を0.25mLの最終容量中に含有していた。同じアッセイ管中で1μMのIMPY(6-ヨード-2-(4’-ジメチルアミノ-)フェニル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン)の存在下で非特異的結合を定義した。混合物を室温で60分間インキュベートし、結合及び遊離放射能を、Brandel M-24R細胞採取器を使用するWhatman GF/Bフィルターを通す真空濾過によって分離し、続いてPBS緩衝液で3回洗浄した。フィルター上の放射能をガンマカウンター(Wizerd、Perkin-Elmer)でカウントした。非線形最小二乗曲線適合プログラムLIGANDを使用してデータを解析してIC50を決定した。AV-45及びAV-45-D3のKとして3.51nMを使用してCheng-Prusoff方程式によってKiを計算した。
【表2A】
【0132】
「標識済(hot)配位子」として18F-AV-45-D3または18F-AV-45のいずれかを使用した結合研究の結果は、水素から重水素への置換(AV-45対AV-45-D3、AV-1-D3)が、Aβ凝集体結合部位に対して同じ優れた結合親和性を呈したことを示していた。全ての重水素化された薬剤であるAV-45-D3(IIa1)、AV-1-D3(IIa2)は、同じ結合親和性を示した。
【0133】
実施例11
マウスにおける生体内分布研究
各群3匹のマウスを生体内分布研究に使用した。イソフルラン麻酔下で、放射性トレーサーを含有する0.1mLの生理食塩水溶液を尾静脈に注射した。イソフルラン麻酔下で心臓切除によって、示された時点でマウスを屠殺した。対象となる臓器を取り出し、計量し、放射能をカウントした。臓器当たりのパーセント線量は、組織カウント数を、同時に測定された初期線量の1%(注射された物質の100倍希釈アリコート)のカウント数と比較することによって計算した。
【表2B】
【表2C】
【0134】
統計的誤差内で、マウスにおける18F-AV-45及び18F-AV-45-D3(18F-IIa1)の生体内分布は、非常に類似した結果を示した。重水素化AV-45及び非重水素化AV-45の両方は、静脈注射後2分で同等の脳初期浸透を示したが、後の時点、すなわち、60分及び120分ではより低い脳保持を示した。
【0135】
実施例12
化合物FPBM(III-1)の合成
【化65】
無水DMF(3mL)中の化合物III-1-1(50mg、0.18mmol)及びKCO(76mg、0.55mmol)の混合物を65℃で1.5時間撹拌した。次いで3-フルオロプロピル-4-メチルベンゼンスルホネート(64mg、0.27mmol)を添加した。混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物FPBMであるIII-1(38mg、収率62%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, アセトン) δ 7.33 (dd, J = 7.7, 1.5 Hz, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 1H), 6.98 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 6.79 - 6.74
(m, 2H), 6.63-6.59 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 4.69 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.09 (t, J = 6.2 Hz, 2H),
3.55 (s, 2H), 2.26 (s, 6H), 2.21 - 2.06
(m, 2H)。13C NMR (100 MHz, アセトン) δ 157.53, 149.70, 139.69, 136.17, 131.11, 130.00, 127.37, 116.71, 116.25, 116.04, 114.80, 113.90, 81.36, 79.75, 63.63, 63.57, 61.88, 44.53。C1823FNOSについて計算されたHRMS[M+H]335.1593.実測値335.1603。
【0136】
実施例13
化合物FPBM-D6(III-2)の合成
スキーム13
【化66】
ジメチル-d6-アミン塩酸塩(0.53g、6.50mmol)(99原子%D)及びEtN(1.32g、12.99mmol)の混合物を無水DCM(20mL)中で0℃で撹拌した。次いで無水DCM(15mL)中の化合物III-2-1(1.08g、4.33mmol)を滴下して添加した。添加後、反応物を室温で5時間撹拌した。次いで水(30mL)を添加し、DCM(20mL×2)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物III-2-2(0.95g、収率83%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.45 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.83 - 6.79 (m, 2H), 3.81 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 159.16, 139.29, 133.52, 116.55, 112.87, 109.38, 55.59。C10BrNOについて計算されたHRMS[M+H]264.0506.実測値264.0529。
【0137】
【化67】
化合物III-2-2(510mg、1.94mmol)、Cu(25mg、0.39mmol)、CuO(27mg、0.19mmol)、2-アミノチオフェノール(364mg、2.91mmol)及びEtN(1.96g、19.40mmol)の混合物を2-エトキシエタノール(8mL)中で125℃で40時間撹拌した。次いで混合物を濾過し、メタノール(20mL)及びDCM(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物III-2-3(370mg、収率62%)を無色の粘着性の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.46 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21 - 7.09 (m,
2H), 6.84 - 6.66 (m, 4H), 3.78 (s, 3H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 158.71, 148.65, 138.91, 136.72, 132.33, 130.62, 123.43, 118.02, 115.94, 115.80, 115.37, 111.54, 55.47。C1612Sについて計算されたHRMS[M+H]309.1544.実測値309.1640。
【0138】
【化68】
化合物III-2-3(300mg、0.97mmol)の溶液を無水DCM(15mL)中で0℃で撹拌した。次いでDCM中1MのBBr(2.92mL、2.92mmol)をN下で滴下して添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温で撹拌した。NaHCOの飽和溶液を添加し、DCM(20mL×2)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-80%、体積/体積)によって精製して生成物III-2-4(200mg、収率70%)を無色の粘着性の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (dd, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.18 - 7.14 (m, 1H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.73 - 6.54 (m,
4H), 4.44 (brs, 2H)。C1510Sについて計算されたHRMS[M+H]295.1387.実測値295.1304。
【0139】
【化69】
化合物III-2-4(200mg、0.68mmol)の溶液を無水THF(4mL)中で室温で撹拌した。次いでTHF中1MのBH(3.4mL、3.40mmol)を添加した。反応混合物を8時間還流した。終了した後、混合物を冷却し、0.5mLの濃HCl(0.5mL)を注意深く添加し、溶媒を真空中で除去した。10mLの1MのHCl溶液を添加し、次いで1時間還流し、室温に冷却し、NaCOの飽和溶液でpHを8に調整した。溶液をEA(20mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。それをフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(メタノール/EA、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-2-5(135mg、収率71%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.16 (dd, J =
7.7, 1.5 Hz, 1H), 7.12-7.08 (m, 1H), 6.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.7
Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 8.1, 1.3 Hz, 1H), 6.66 - 6.61 (m, 2H), 3.60 (s, 2H).13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 156.32, 148.33, 138.51, 134.51, 131.68, 129.18, 124.90, 117.71, 117.41, 117.33, 115.20, 115.15, 60.85。C1512OSについて計算されたHRMS[M+H]281.1595.実測値281.1210。
【0140】
【化70】
化合物III-2-5(15mg、0.05mmol)及びKCO(22mg、0.16mmol)の混合物を無水DMF(3mL)中で65℃で1.5時間撹拌した。次いで3-フルオロプロピル-4-メチルベンゼンスルホネート(25mg、0.10mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(THF/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物FPBM-D6であるIII-2(6mg、収率35%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, アセトン) δ 7.33 (dd, J
= 7.7, 1.5 Hz, 1H), 7.15 - 7.10 (m, 1H), 6.98 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 6.79 - 6.73 (m, 2H), 6.61 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 5.24
(d, J = 13.6 Hz, 2H), 4.69 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.09 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.55 (s, 2H), 2.26 (s, 6H), 2.21 - 2.08 (m, 2H)。13C NMR (100
MHz, アセトン) δ 157.53, 149.70, 139.69, 136.17, 131.11, 130.00, 127.37, 116.71, 116.25, 116.04, 114.80, 113.90, 81.36, 79.75, 63.63, 63.57, 61.88, 44.53。C1817FNOSについて計算されたHRMS[M+H]341.1970.実測値341.1912。
【0141】
実施例14
化合物FPBM-D12(III-3)の合成
スキーム14
【化71】
THF(10mL)中の化合物III-3-2(270mg、3.29mmol)(99原子%D)の溶液に水(5mL)中のNaOH(527mg、13.17mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いでTHF(10mL)中のTsCl(1.88g、9.88mmol)を滴下して添加した。反応物を室温で24時間撹拌した。HO(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して[1,1,2,2,3,3-D]-プロパン-1,3-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)であるIII-3-3(970mg、76%)
を白色の固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ 7.78 - 7.76 (m, 4H), 7.38 - 7.36 (m, 4H), 2.483 (s, 6H), C1714について計算されたHRMS[M+H]391.1156.実測値391.1140。
【0142】
【化72】
無水DMF(3mL)中の化合物III-2-6(40mg、0.14mmol)及びKCO(59mg、0.43mmol)の混合物を65℃で1.5時間撹拌した。次いで化合物III-3-3(67mg、0.17mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-3-1(38mg、収率54%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, アセトン) δ 7.76 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.39 - 7.33 (m, 3H), 7.12 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.63 - 6.59 (m, 2H), 5.31 (s, 1H), 3.55 (s,
2H), 2.37 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, アセトン) δ 157.30, 149.78, 144.89, 139.61, 136.24, 133.20, 131.03, 130.03, 129.94, 127.69, 127.34, 116.66, 116.03, 114.80, 113.94, 61.74, 20.62。C251812について計算されたHRMS[M+H]499.2478.実測値499.2432。
【0143】
【化73】
無水THF(3mL)中の化合物III-3-1(20mg、0.04mmol)の混合物を65℃で撹拌した。次いでTHF中1MのTBAF(0.2mL、0.20mmol)を添加し、反応混合物を65℃で3時間撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発させた。水(8mL)を添加し、混合物をEA(15mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(THF/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物FPBM-D12であるIII-3(7mg、収率50%)を無色のワックス状の物
質として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.41 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.20 - 7.14 (m,
1H), 6.96 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.90 (d,
J = 2.8 Hz, 1H), 6.76 - 6.66 (m, 3H), 4.55 (brs,1H), 3.56 (s, 2H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 157.34, 148.29, 139.31, 136.33, 130.76, 130.08, 127.22, 118.21, 117.09, 116.39, 115.23, 114.08, 62.22。C181112FNOSについて計算されたHRMS[M+H]347.2347.実測値347.24
【0144】
実施例15
化合物FPBM-D6(III-4-2)の合成
スキーム15
【化74-1】
【化74-2】
無水DMF(3mL)中の化合物III-1-1(40mg、0.15mmol)及びKCO(61mg、0.44mmol)の混合物を65℃で1.5時間撹拌した。次いで化合物III-3-3(68mg、0.18mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(10mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-1(45mg、63%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.76 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 (dd,
J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.28 - 7.26 (m, 2H), 7.20 - 7.16 (m, 1H), 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 2.8 Hz 1H), 6.74
- 6.70 (m, 2H), 6.53 (dd, J = 8.6, 2.8
Hz, 1H), 4.56 (brs, 2H), 3.55 (s, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.32 (s, 6H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 157.02, 148.36, 144.76, 139.21, 136.40, 132.86, 130.65, 130.16, 129.83, 127.84, 127.39, 118.20, 116.97, 116.18, 115.24, 114.10, 62.31, 45.33, 21.59。C2524について計算されたHRMS[M+H]493.2102.実測値493.2013。
【0145】
【化75】
化合物III-4-1(20mg、0.04mmol)の混合物を無水THF(5mL)中で65℃で撹拌し、次いでTHF中1MのTBAF(0.12mL、0.12mmol)を添加し、反応混合物を65℃で3時間撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発させた。水(8mL)を添加し、混合物をEA(10mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物FPBM-D6であるIII-4-2(7mg、51%)を無色のワックス状の物質として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.39 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 1H), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.75 - 6.66 (m, 3H), 3.59 (s, 2H), 2.33 (s, 6H)。C1817FNOSについて計算されたHRMS[M+H]341.1970.実測値341.2005。
【0146】
実施例16
化合物III-4-25~III-4-28の合成
スキーム16
【化76】
スキーム17
【化77】
1-ブロモ-2-ニトロベンゼン(1g、4.95mmol)の混合物を濃HSO(10mL)中で0℃で撹拌し、NIS(1.23g、5.45mmol)を徐々に添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで氷水(30mL)を添加し、EA(30mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-15%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-3(1.35g、収率84%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.15 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H)。
【0147】
【化78】
エタノール(20mL)を0℃で撹拌し、次いでナトリウム(356mg、15.48mmol)を徐々に添加した。全てのナトリウムが消費され、ナトリウムエトキシドになった後、溶媒を80℃に温め、エタノール(10mL)中の化合物III-4-4(1.31g、6.19mmol)を添加し、反応混合物を80℃で1時間N下で撹拌した。次いで化合物III-4-3(2.63g、8.05mmol)を添加し、2時間還流した。溶媒を蒸発させ、HO(30mL)を添加し、濃HClでpH=5に中和し、EA(30mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%~60%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-8(1.6g、57%)を黄色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ
8.49 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.62 (dd, J =
8.7, 1.8 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.04 (s, 3H), 2.87 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 168.81, 161.87, 145.30, 145.07, 142.07, 139.17, 139.03, 133.87, 130.68, 116.97, 116.55, 112.72, 87.77, 55.68, 38.53, 34.60。C1615INSについて計算されたHRMS[M+H]458.9875.実測値458.9828。
【化79】
【0148】
化合物III-4-9~III-4-12の調製のための一般的手順A
化合物III-4-5~III-4-8(2mmol)をメタノール(10mL)中で0℃で撹拌し、濃HCl(5mL)を添加した。次いでSnCl(1.52g、8mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。完了後、混合物を水(30mL)で希釈し、2MのNaOH水溶液でpH=10に塩基性化し、EA(30mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-80%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-9~III-4-12を無色のワックス状
の油として得た。
【0149】
【化80】
化合物III-4-9を手順Aに従って化合物III-4-5から調製してIII-4-9を無色のワックス状の物質として得た、収率68%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.69 - 6.61 (m, 2H), 4.67 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.16 (s, 3H), 2.87 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 170.01, 158.97,
149.65, 139.19, 137.61, 136.33, 132.75,
122.73, 117.72, 115.92, 114.74, 114.42,
111.45, 55.49, 38.53, 34.64。C1617ClNSについて計算されたHRMS[M+H]337.0778.実測値337.0855。
【0150】
【化81】
化合物III-4-10を手順Aに従って化合物III-4-6から調製してIII-4-10を無色のワックス状の物質として得た、収率69%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.87 - 6.74 (m, 4H), 4.76 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 170.42, 158.94, 149.66, 138.29,
137.76, 132.46, 124.61, 122.65, 120.82,
117.78, 116.17, 114.72, 111.61, 55.51, 38.63, 34.86。C1617BrNSについて計算されたHRMS[M+H]381.0272, 383.0252.実測値381.0183, 383.0162。
【0151】
【化82】
化合物III-4-11を手順Aに従って化合物III-4-7から調製してIII-4-11を無色のワックス状の物質として得た、収率71%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.48 - 7.40 (m, 1H), 7.10 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 8.7, 2.8 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.43 - 6.35 (m, 2H), 4.71 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。C1617FNSについて計算されたHRMS[M+H]321.1073.実測値321.1117。
【0152】
【化83】
化合物III-4-12を手順Aに従って化合物III-4-8から調製してIII-4-12を無色のワックス状の物質として得た、収率68%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.13 (dd, J = 8.3, 6.5 Hz,
2H), 7.03 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 8.1, 1.6 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.15 (s, 3H), 2.85 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 169.98, 159.00, 149.74, 139.27, 137.74, 132.91, 126.63, 123.65, 122.46, 115.93, 111.48, 96.47, 55.50, 38.54, 34.65。C1617INSについて計算されたHRMS[M+H]429.0134.実測値429.0038。
【0153】
化合物III-4-13~III-4-16の調製のための一般的手順B
【化84】
化合物III-4-9~III-4-12(2mmol)の混合物を無水DCM(15mL)中で0℃撹拌した。次いでDCM中1MのBBr(6mL、6mmol)をN下で滴下して添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応後、NaHCOの飽和溶液を添加し、混合物をDCM(20mL×2)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-80%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-13~III-4-16を無色のワックス状の物質として得た。
【0154】
【化85】
化合物III-4-13を手順Bに従って化合物III-4-9から調製してIII-4-13を無色のワックス状の物質として得た、収率68%。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.27 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.78-6.76 (m, 2H), 6.65 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.58 (dd, J = 8.3, 2.3 Hz, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.78
(s, 3H)。13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 170.69, 157.12, 150.35, 138.98, 136.85, 135.62, 132.88, 120.85, 116.81, 116.68, 114.20, 114.05, 113.12, 37.56, 33.50。C1515ClNSについて計算されたHRMS[M+H]323.0621.実測値323.0658。
【0155】
【化86】
化合物III-4-14を手順Bに従って化合物III-4-10から調製してIII
-4-14を無色のワックス状の物質として得た、収率71%。H NMR (400
MHz, CDCl) δ 7.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H),
6.87 (dd, J = 7.9, 5.3 Hz, 2H), 6.80 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 3.14 (s, 3H), 2.85 (s, 3H)。C1515BrNSについて計算されたHRMS[M+H]367.0116, 369.0095.実測値367.0147, 369.0127。
【0156】
【化87】
化合物III-4-15を手順Bに従って化合物III-4-11から調製してIII-4-15を無色のワックス状の物質として得た、収率69%。H NMR (400
MHz, CDCl) δ 7.40 (dd, J = 9.2, 6.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 8.5, 2.4 Hz, 1H), 6.44 - 6.35 (m, 2H), 3.17 (s,
3H), 2.89 (s, 3H)。C1515FNSについて計算されたHRMS[M+H]307.0917.実測値307.0947。
【0157】
【化88】
化合物III-4-16を手順Bに従って化合物III-4-12から調製してIII-4-16を無色のワックス状の物質として得た、収率68%。H NMR (400
MHz, CDCl) δ 7.08 (dd, J = 16.6, 4.8 Hz, 2H), 7.02 - 6.99 (m, 1H), 6.87 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 2.5 Hz, 1H),
6.58 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.16 (s, 3H), 2.86 (s, 3H)。C1515INSについて計算されたHRMS[M+H]414.9977.実測値414.9912。
【0158】
【化89】
化合物III-4-17~III-4-20の調製のための一般的手順C
化合物III-4-13~III-4-16(1mmol)を無水THF(5mL)中で室温で撹拌した。次いでTHF中1MのBH(3mL、3mmol)を添加し、反応混合物を8時間還流した。混合物を冷却し、0.5mLの濃HClを注意深く添加した。溶媒を真空中で除去し、1MのHCl溶液(10mL)を添加し、1時間還流し、室温に冷却し、pHをNaCOの飽和溶液で8に調整した。混合物をEA(20mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/メタノール、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-17~III-4-20を無色のワックス状の油として得た。
【0159】
【化90】
化合物III-4-17を手順Cに従って化合物III-4-13から調製してIII-4-17を無色のワックス状の油として得た、収率66%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.24 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1H), 6.59 (dd, J = 8.5, 2.8 Hz, 1H), 3.56 (s, 2H), 2.32
(s, 6H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 155.25, 149.02, 138.47, 136.94, 135.69, 131.32, 125.79, 118.30, 118.04, 116.18, 115.61, 114.81, 61.60, 45.08。C1517ClNOSについて計算されたHRMS[M+H]309.0828.実測値309.0780。
【0160】
【化91】
化合物III-4-18を手順Cに従って化合物III-4-14から調製してIII-4-18を無色のワックス状の油として得た、収率69%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.17 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.83 - 6.77 (m, 2H), 6.62 (dd, J = 8.6, 2.8 Hz, 1H), 4.79 (brs, 2H),
3.58 (s, 2H), 2.33 (s, 6H)。13C NMR (100
MHz, CDCl) δ 155.32, 149.13, 138.47, 136.98, 131.66, 125.56, 123.77, 121.13, 117.94, 117.70, 116.32, 116.16, 61.61, 45.02。C1517BrNOSについて計算されたHRMS[M+H]353.0323, 355.0303.実測値353.0284, 355.0277。
【0161】
【化92】
化合物III-4-19を手順Cに従って化合物III-4-15から調製してIII-4-19を無色のワックス状の油として得た、収率63%。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.26 (dd, J = 8.5, 6.5 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 8.5, 2.8 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 11.2, 2.7 Hz, 1H), 6.37-6.32 (m, 1H), 3.57 (s, 2H), 2.31 (s, 6H).13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 165.75, 163.33, 155.92, 151.27, 151.14, 138.01, 137.47, 137.37, 130.55, 125.54, 117.35, 115.08, 111.68, 103.76, 103.54, 100.88, 100.63, 61.20, 44.02。C1517FNOSについて計算されたHRMS[M+H]293.1124.実測値293.0578。
【0162】
【化93】
化合物III-4-20を手順Cに従って化合物III-4-16から調製してIII-4-20を無色のワックス状の油として得た、収率67%。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.13 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.91 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 5.4, 2.7 Hz, 2H), 6.68 (dd, J = 8.5, 2.7 Hz, 1H),
3.67 (s, 2H), 2.37 (s, 6H)。C1517INOSについて計算されたHRMS[M+H]401.0185.実測値401.0158。
【0163】
【化94】
化合物III-4-21~III-4-24の調製のための一般的手順D
化合物III-4-17~III-4-20(0.1mmol)及びKCO(41mg、0.3mmol)を無水DMF(3mL)中で65℃で1.5時間撹拌し、次いで化合物II-3-3(39mg、0.1mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(10mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して化合物III-4-21~III-4-24を無色の油として得た。
【0164】
【化95】
化合物III-4-21を手順Dに従って化合物III-4-17から調製してIII-4-21を無色の油として得た、収率50%。C2523ClNについて計算されたHRMS[M+H]527.1712.実測値527.1637。
【0165】
【化96】
化合物III-4-22を手順Dに従って化合物III-4-18から調製してIII-4-22を無色の油として得た、収率51%。C2523BrNについて計算されたHRMS[M+H]571.1207, 573.1187.実測値571.1311, 573.1288。
【0166】
【化97】
化合物III-4-23を手順Dに従って化合物III-4-19から調製してIII-4-23を無色の油として得た、収率58%。C2523FNについて計算されたHRMS[M+H]511.2008.実測値511.1965。
【0167】
【化98】
化合物III-4-24を手順Dに従って化合物III-4-20から調製してIII-4-24を無色の油として得た、収率53%。C2523INについて計算されたHRMS[M+H]619.1068.実測値619.1003。
【0168】
化合物II-4-25~II-4-28の調製のための一般的手順E
【化99】
化合物III-4-21~III-4-24(0.2mmol)を無水THF(5mL
)中で65℃で撹拌した。次いでTHF中1MのTBAF(0.6mL、0.6mmol)を添加した。反応混合物を65℃で3時間撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発させ、水(8mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(MeOH/DCM、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-4-25~III-4-28を無色の油として得た。
【0169】
【化100】
化合物III-4-25を手順Eに従って化合物III-4-21から調製してIII-4-25を無色の油として得た、収率60%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.35 (dd, J = 7.8, 0.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.74 - 6.65 (m, 3H), 4.79 (s, 2H), 3.54 (s, 2H), 2.31 (s, 6H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 157.47 149.38, 139.36, 137.43, 135.80, 131.13, 126.85, 117.91 116.65 115.56, 114.66, 114.17, 62.51,
45.25。C1816ClFNOSについて計算されたHRMS[M+H]375.1580.実測値375.1649。
【0170】
【化101】
化合物III-4-26を手順Eに従って化合物III-4-22を使用して調製してIII-4-26を無色の油として得た、収率57%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.26 (s, 1H), 6.98 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 5.3, 2.4 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 8.6, 2.9 Hz, 1H), 4.78 (s, 2H),
3.54 (s, 2H), 2.31 (s, 6H).13C NMR (100
MHz, CDCl) δ 157.51, 149.52, 139.45, 137.53, 131.26, 126.66, 123.93, 120.79, 117.56, 116.66, 116.21, 114.17, 62.52, 45.25。C1816BrFNOSについて計算されたHRMS[M+H]419.1075, 421.1055.実測値419.1050, 421.1030。
【0171】
【化102】
化合物III-4-27を手順Eに従って化合物III-4-23から調製してIII-4-27を無色の油として得た、収率52%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.43 (dd, J = 8.2, 6.6 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 8.6, 2.8 Hz, 1H), 6.45 - 6.38 (m, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.55 (s, 2H), 2.32 (s, 6H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 165.84, 163.40, 157.25, 150.43, 150.31, 138.90, 138.54, 138.44, 130.48, 127.56, 116.63, 114.13, 112.03, 105.06, 104.84, 101.70, 101.45, 62.49, 45.25。C1816OSについて計算されたHRMS[M+H]359.1876.実測値359.1793。
【0172】
【化103】
化合物III-4-28を手順Fに従って化合物III-4-24から調製してIII-4-28を無色の油として得た、収率55%。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.14 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 0.9 Hz, 2H), 6.79 (dd,
J = 8.7, 2.8 Hz, 1H), 3.60 (s, 2H), 2.31 (s, 6H).13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 157.92, 150.20, 138.69, 136.34, 131.21, 126.28, 125.91, 123.25, 116.58, 116.37, 114.19, 94.78, 61.17, 44.03。C1816FINOSについて計算されたHRMS[M+H]467.0936.実測値467.0887。
【0173】
実施例17
化合物III-5-5の合成
スキーム18
【化104】
化合物III-5-1(500mg、2.17mmol)、Cu(28mg、0.43mmol)、CuO(31mg、0.22mmol)、2-アミノチオフェノール(408mg、3.26mmol)及びEtN(2.20g、21.74mmol)の混合物を2-エトキシエタノール(8mL)中で125℃で40時間撹拌した。混合物を濾過し、メタノール(20mL)及びDCM(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-2(350mg、収率59%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.36 (d,
J = 7.7 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.90 - 6.79 (m, 3H), 6.67 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 172.24, 157.78, 149.77, 136.67, 136.00, 130.47, 129.60, 126.16, 117.51, 116.24, 115.11,115.03, 112.96, 54.58。C1414Sについて計算されたHRMS[M+H]275.0854.実測値275.0821。
【0174】
【化105】
化合物III-5-2(350mg、1.28mmol)を無水DCM(15mL)中で0℃で撹拌し、次いでDCM中1MのBBr(3.83mL、3.83mmol)を窒素下で滴下して添加した。添加後、反応混合物を5時間還流し、冷却し、NaHCOの飽和溶液を添加した。混合物をDCM/MeOH(10/1)(20mL×3)の溶液
で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-80%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-3(230mg、収率69%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.35 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 10.4, 8.4 Hz, 2H), 6.73 - 6.63 (m, 2H)。13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 172.54, 155.62, 149.51, 136.76, 136.38, 130.30, 130.21, 123.93, 117.52, 117.48, 115.70, 115.11, 114.30。C1312Sについて計算されたHRMS[M+H]261.0698.実測値261.0687。
【0175】
【化106】
化合物III-5-3(40mg、0.15mmol)及びKCO(64mg、0.46mmol)の混合物を無水DMF(4mL)中で65℃で1.5時間撹拌し、次いで化合物3-フルオロプロピル-4-メチルベンゼンスルホネート(71mg、0.30mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-70%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-4(30mg、収率61%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.41 (dd, J = 7.6, 1.4
Hz, 1H), 7.25 - 7.18 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.87 - 6.84 (m, 1H), 6.78 - 6.73 (m, 2H), 4.69 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.38 (brs, 2H), 4.09 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.22 - 2.10 (m, 2H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 169.62, 157.17, 148.61, 136.65, 135.07, 130.88, 126.27, 118.74, 117.89, 115.61, 115.46, 114.61, 81.28, 79.64, 63.94, 63.88, 30.39, 30.19。C1617FNSについて計算されたHRMS[M+H]321.1073.実測値321.1120。
【0176】
【化107】
化合物III-5-4(25mg、0.68mmol)を無水THF(4mL)中で室温で撹拌した。THF中1MのBH(3.4mL、3.40mmol)を添加し、反応
混合物を8時間還流した。混合物を冷却し、0.5mLの濃HCl(0.2mL)を注意深く添加し、溶媒を真空中で除去した。1MのHCl溶液(5mL)を添加し、次いで1時間還流し、室温に冷却し、pHをNaCOの飽和溶液で8に調整した。混合物をEA(20mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(メタノール/DCM、0%-13%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-5(12.5mg、収率52%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.29 - 7.25 (m, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 7.02 - 6.97 (m, 2H), 6.78 - 6.68 (m, 3H), 4.70 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.59 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.09 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.99 (s, 2H), 2.26 - 2.07 (m, 2H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 158.18, 147.53, 143.82, 135.10, 131.30, 129.85, 124.73, 118.86, 116.79, 115.41, 114.89, 113.64, 81.46, 79.82, 63.64, 63.59, 62.74,
44.90。C1619FNOSについて計算されたHRMS[M+H]307.1280.実測値307.1291。
【0177】
実施例18
化合物III-5-8の合成
スキーム19
【化108】
化合物III-5-3(40mg、0.15mmol)及びKCO(64mg、0.46mmol)の混合物を無水DMF(4mL)中で65℃で1.5時間撹拌した。次いで化合物III-8(72mg、0.18mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-70%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-6(37mg、収率50%)を白色の固体として得た。C2318について計算されたHRMS[
M+H]479.1581.実測値479.1566。
【0178】
【化109】
化合物III-5-6(37mg、0.08mmol)を無水THF(5mL)中で65℃で撹拌し、次いでTHF中1MのTBAF(0.23mL、0.23mmol)を添加した。反応混合物を65℃で3時間撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発させ、HO(8mL)を添加し、混合物をEA(15mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-70%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-7(14mg、収率56%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.36 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.20 - 7.16 (m,1H), 7.10 - 7.09 (m,1H), 6.86-6.80 (m,3H), 6.89 - 6.65 (m,1H)。
【0179】
【化110】
化合物III-5-7(14mg、0.04mmol)を無水THF(2mL)中で室温で撹拌し、次いでTHF中1MのBH(0.43mL、0.43mmol)を添加した。反応混合物を8時間還流した。混合物を冷却し、0.5mLの濃HCl(0.2mL)を注意深く添加し、溶媒を真空中で濃縮した。1MのHCl溶液(5mL)を添加し、1時間還流し、室温に冷却し、pHをNaCOの飽和溶液で8に調整した。混合物をEA(20mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(メタノール/DCM、0%-13%、体積/体積)によって精製して生成物III-5-8(7mg、収率52%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.26 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 7.04 - 6.97 (m, 2H), 6.79 - 6.70 (m, 3H), 4.02 (s, 2H), 3.52 (brs, 4H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 158.25, 147.50, 143.18, 135.05, 131.51, 129.89, 124.81, 118.93, 116.75, 115.49, 115.13, 113.96, 44.40。C1613FNOSについて計算されたHRMS[M+H]313.1657.実測値313.1716。
【0180】
実施例19
化合物III-6-5の合成
スキーム20
【化111】
化合物III-6-1(500mg、2.05mmol)、Cu(26mg、0.41mmol)、CuO(29mg、0.21mmol)、2-アミノチオフェノール(384mg、3.07mmol)及びEtN(2.07g、20.49mmol)の混合物を2-エトキシエタノール(8mL)中で125℃で40時間撹拌した。混合物を濾過し、メタノール(20mL)及びDCM(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-60%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-2(350mg、収率59%)を淡黄色の固体として得た。III-6-2 H NMR (400 MHz, MeOD) δ
7.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.17 (dd, J =
10.7, 4.7 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.6 Hz,
1H), 6.94 - 6.78 (m, 3H), 6.66 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.92 (s, 3H)。13C NMR (100 MHz, MeOD) δ 170.43, 157.99, 149.64, 136.92, 136.47, 130.38, 129.99, 125.74, 117.50, 115.99, 115.11, 112.92, 54.59, 25.32。C1516Sについて計算されたHRMS[M+H]289.1011.実測値289.1088。
【0181】
【化112】
化合物III-6-2(300mg、1.04mmol)を無水DCM(15mL)中で0℃で撹拌した。次いでDCM中1MのBBr(3.13mL、3.13mmol)を窒素下で滴下して添加した。添加後、反応混合物を室温で撹拌し;次いでNaHCOの飽和溶液を添加し、DCM(20mL×2)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水M
gSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-70%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-3(190mg、収率67%)を無色の粘着性の油として得た。H NMR
(400 MHz, CDCl) δ 7.36 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 6.86 (dd, J = 16.0, 5.7 Hz, 2H), 6.76 - 6.70 (m, 2H), 6.66 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.41 (brs, 2H)。C1414Sについて計算されたHRMS[M+H]275.0854.実測値275.0867。
【0182】
【化113】
化合物III-6-3(40mg、0.15mmol)及びKCO(61mg、0.44mmol)の混合物を無水DMF(3mL)中で65℃で1.5時間撹拌した。化合物3-フルオロプロピル-4-メチルベンゼンスルホネート(68mg、0.30mmol)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、室温に冷却し、NaClの飽和溶液(12mL)を添加した。混合物をEA(15mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-80%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-4(30mg、収率61%)を無色の粘着性の油として得た。C1719FNSについて計算されたHRMS[M+H]335.1230.実測値335.1185。
【0183】
【化114】
化合物III-6-4(30mg、0.09mmol)の混合物を無水THF(4mL)中で室温で撹拌した。次いでTHF中1MのBH(0.9mL、0.90mmol)を添加した。反応混合物を8時間還流した。混合物を冷却し、0.5mLの濃HCl(0.5mL)を注意深く添加し、溶媒を真空中で除去した。1MのHCl溶液(10mL)を添加し、次いで1時間還流し、室温に冷却し、pHをNaCOの飽和溶液で8に調整した。混合物をEA(20mL×3)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(メタノール/DCM、0%-13%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-5(15mg、収率52%)を無色の粘着性の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.31 (dd, J = 7.7, 1.4
Hz, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 6.97 (dd,
J = 11.8, 5.7 Hz, 2H), 6.78 - 6.69 (m,
3H), 4.70 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.08 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.21-2.11
(m, 2H)。13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 157.80, 147.73, 140.44, 135.43, 131.05, 129.93, 125.66, 118.69, 116.84, 115.87, 115.37, 114.08, 81.48, 79.84, 63.63, 63.58, 54.07, 36.02, 30.50, 30.30。C1721FNOSについて計算されたHRMS[M+H]321.1437.実測値321.1451。
【0184】
実施例20
化合物III-6-8の合成
スキーム20
【化115】
化合物III-5-5(20mg、0.07mmol)及びEtN(33mg、0.33mmol)の混合物を無水DCM(7mL)中で0℃で撹拌した。(Boc)O(30mg、0.14mmol)を滴下して添加した。添加後、反応物を室温で3時間撹拌した。次いでHO(30mL)を添加した。混合物をDCM(10mL×2)で抽出し、有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-70%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-6(17mg、64%)を無色の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.24 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.19 - 7.13 (m, 1H), 7.03 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.4 Hz,
1H), 6.77-6.70 (m, 3H), 4.96 (s, 1H), 4.70 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.58 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.22 (s, 2H), 4.08 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.24 - 2.04 (m, 2H), 1.47 (s, 9H)。13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.16, 155.79, 147.36, 139.82, 134.90, 131.60, 129.84, 118.96
, 115.48, 115.36, 114.30, 81.43, 79.79, 77.32, 63.66, 63.60, 42.97, 30.45, 30.25, 28.41。C2127FNSについて計算されたHRMS[M+H]407.1805.実測値407.1763。
【0185】
【化116】
化合物III-6-6(17mg、0.04mmol)を無水DMF(2mL)中で0℃で撹拌し、次いで60%のNaH(3.3mg、0.08mmol)を徐々に添加した。添加後、反応物を0℃で30分間撹拌した。重水素化ヨードメタン(9mg、0.06mmol)を添加し、0℃でさらに1時間撹拌した。NaClの飽和溶液(15mL)を添加し、混合物をEA(20mL×2)で抽出した。有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/ヘキサン、0%-50%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-7(13mg、73%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.18 - 7.14 (m, 2H), 7.04 - 6.94 (m, 1H), 6.77 - 6.70 (m, 4H), 4.70 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.58 (t, J = 5.8 Hz,
1H), 4.19 (brs, 2H), 4.07 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.22-2.10 (m, 2H), 1.52 - 1.46 (m, 9H)。C2226FNSについて計算されたHRMS[M+H]424.2149.実測値424.2158。
【0186】
【化117】
化合物III-6-7(13mg、0.03mmol)をCFCOOH(3mL)中で室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発させた。pHをNaCOの飽和溶液で8に調整した。混合物をEA(10mL×3)で抽出し、有機層を組み合わせ、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)(EA/メタノール、0%-10%、体積/体積)によって精製して生成物III-6-8(5mg、50%)を無色の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.29 - 7.27 (m, 1H), 7.20 -
7.15 (m, 1H), 7.04 - 7.01 (m, 2H), 6.77
- 6.71 (m, 3H), 4.69 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.08 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.99 (s, 2H), 2.23 - 2.04
(m, 2H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 157.99, 147.71, 137.89, 135.36, 131.44, 130.08, 126.01, 118.86, 116.50, 116.27, 115.55, 114.97, 81.43, 79.79, 63.70, 63.65, 52.86, 30.44, 30.24。C1718FNOSについて計算されたHRMS[M+H]324.1625.実測値324.1628。
【0187】
実施例21
18F-III-3(18F-FPBM-D12)の放射性標識
【化118】
放射性標識による18F-III-3(18F-FPBM-D12)の調製は、以下の工程によって達成された。活性化QMA軽量カートリッジに18Fフッ化物を装填し、0.7mLのK222/KCO溶液(40mgのKCO、220mgのK222、3.6mLの水、18.4mLのACN)で円錐形バイアル内に溶出させた。その溶液をアルゴン流下で80℃で乾燥させ、1mLのアセトニトリルで2回共沸乾燥させた。2mgの前駆体を0.5mlのアセトニトリル(無水)に溶解し、乾燥した18FF/K222/KCO錯体に添加した。III-3-1を含有する反応混合物を80℃で15分間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、8mLの水に添加した。混合物をOasis HLB(3cc)カートリッジに装填した。カートリッジを溶出し、3mLの水で2回洗浄した。所望の18F-III-3を1mlのアセトニトリルで溶出した(収率:53%、RCP約99%HPLC(Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのギ酸アンモニウム緩衝液(AFB)50/50、1mL/分)。この溶液に約1mLの水を添加し、分取HPLC(Phenomenex Gemini 250×10mm、ACN/水 60/40、4mL/分)に注入した。所望の18F-III-3の溶離液を回収した(14.5mCi、保持時間21~22分)。溶液を30mLの水と混合し、Oasis HLB 3ccに添加した。活性物を1mLの100%エタノール(12.2mCi)で溶出した。溶液を約200μLの体積まで濃縮し、1.8mLの緩衝液で希釈した。HPLC(HPLC:Supelco Ascentis 150×4.6mm、ACN/10mMのAFB 50/50、1mL/分)でのラジオプロファイルは、18F-III-3(18F-FPBM-D12)について4分で単一ピークを示した、RCY 32%(dc):RCP:99%;SA約1700Ci/mmol(280nmで決定)。保持時間は非標識III-3に相当し、化学的特性を確認した。
【0188】
実施例22
インビトロ結合アッセイ
セロトニントランスポーター(共通の親細胞株LLC-PK1で発現したLLC-SERT)の膜ホモジネートを調製し、結合アッセイに使用した。競合結合アッセイを0.25mLの最終容量で実施した。膜懸濁液のアリコートを、50mMのTris-HCl(pH7.4)、120mMのNaCl及び0.1%のウシ血清アルブミン、0.2nMの[125I]DAM、及び8~10濃度(10-13~10-7M)の競合薬物と混合し
た。非特異的結合は10μMのシタロプラムで定義した。インキュベートを室温で60分間行い、結合したリガンドを、1%のポリエチレンイミン(SIGMA,St.Louis,MO)で予備浸漬したガラス繊維フィルターで回収し、ガンマカウンター(Wizard,Perkin Elmer)でカウントした。非線形最小二乗曲線適合プログラムLIGANDを使用してデータを解析してIC50を決定し、[125I]IDAMのKdとして0.2nMを使用してCheng-Prusoff方程式によってKiを計算した。
【表3A】
【0189】
この系における重水素化された薬剤の結合親和性は非常に高い結合親和性を示した。フルオロプロピル-D6基の付加は、同等の結合親和性を示した。
【表3B】
【0190】
この系の薬剤では、結合親和性は、重水素の有無にかかわらず、二置換化合物でのN,N-ジメチル置換に依存し、最も高い結合親和性を示す。
【表3C】
【0191】
結合親和性研究は、重水素化された薬剤は全て、対応する重水素化されていない薬剤と比較して、SERT結合部位に対して同等の結合親和性を示すことを示している。その新規な重水素化された薬剤は、SERT結合部位への結合に有用であり得る。
【0192】
実施例23
ラットにおける生体内分布
各群3匹のラットを各生体内分布研究に使用した。イソフルラン麻酔下で、20μCiの放射性トレーサーを含有する0.2mLの生理食塩水溶液を大腿静脈に注射した。イソフルラン麻酔下で心臓切除によって、示された時点でラットを屠殺した。対象となる臓器を取り出し、計量し、放射能をカウントした。臓器当たりのパーセント線量は、組織カウント数を、同時に測定された初期線量の1%(注射された物質の100倍希釈アリコート)のカウント数と比較することによって計算した。ラットにおける局所的脳分布を放射性トレーサーの静脈注射後に測定した。異なる脳領域(皮質、線条体、海馬、小脳及び視床下部)からの試料を摘出し、計量し、カウントした。各試料のパーセント線量/gは、試料カウント数を上述した希釈初期線量のカウント数と比較することによって計算した。比率は、各領域のパーセント線量/gを小脳のそれで除することによって計算した。小脳にはわずかな量のSERTしか存在しないので、標的対非標的結合の比を計算するための参照領域として小脳を使用した。
【表3D】
【0193】
18F-III-3(18F-FPBM-D12)の静脈注射後のラットにおける生体内分布は、その新たな重水素化された薬剤が血液脳関門を透過し、セロトニントランスポーター結合部位の濃度が高い領域、すなわち、視床下部及び線条体領域に局在したことを示した(表3d)。脳における重水素化18F-III-3(18F-FPBM-D12)の局所的分布は、以前に報告された非重水素化18F-III-1(18F-FPBM)のそれと同等である。
【0194】
新規な新しい重水素化化合物である18F-III-3(18F-FPBM-D12)は、薬剤効果をモニタリングするためにセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)を服用する前後での患者の造影に有用であり得る。上述のような「非標識」薬剤はまた、セロト
ニン取り込みの遮断が指示される特定の療法に有用であり得る。
【0195】
所定の実施形態を図示し、説明してきたが、以下の特許請求の範囲に定義されるようなそのより広い態様において、技術から逸脱することなく当業者に従って変更及び改変がなされ得ることが理解されるべきである。
【0196】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、改変及び変形がなされ得る。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内で機能的に均等な方法及び組成物は、前述の説明から当業者には明らかである。そのような改変及び変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。本開示は、そのような特許請求の範囲が有する均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。本開示は、当然に変化し得る特定の方法、試薬、化合物組成物または生物学的システムに限定されるものではないことを理解されたい。また、本明細書で使用された専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、限定することは意図されていない。
【0197】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書は、各々の個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が、その全体が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる文章に含まれる定義は、それらが本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
【0198】
参考文献
[1]Meanwell NA.Synopsis of some recent tactical application of bioisosteres in drug design.J.Med.Chem.2011;54:2529-91.
[2]Kuchar M and Mamat C.Methods to Increase the Metabolic Stability of (18)F-Radiotracers.Molecules 2015;20:16186-220.
[3]Guengerich FP.Kinetic deuterium isotope effects in cytochrome P450 oxidation reactions.J Labelled Comp Radiopharm 2013;56:428-31.
[4]Howland RH.Deuterated Drugs.J.Psychosoc.Nurs.Ment.Health Serv.2015;53:13-6.
[5]Gant TG.Using deuterium in drug discovery:leaving the label in the drug.J.Med.Chem.2014;57:3595-611.
[6]Jankovic J,Jimenez-Shahed J,Budman C,Coffey B,Murphy T,Shprecher D,et al.Deutetrabenazine in Tics Associated with Tourette Syndrome.Tremor Other Hyperkinet Mov (N Y) 2016;6:422.
[7]Frank S,Testa CM,Stamler D,Kayson E,Davis C,Edmondson MC,et al.Effect of Deutetrabenazine on Chorea Among Patients With Huntington Disease:A Randomized Clinical Trial.JAMA 2016;316:40-50.
[8]Garay RP and Grossberg GT.AVP-786 for
the treatment of agitation in dementia of the Alzheimer type.Expert Opin.Investig.Drugs 2017;26:121-32.
[9]Fowler JS,Wang GJ,Logan J,Xie S,Volkow ND,MacGregor RR,et al.Selective reduction of radiotracer trapping by deuterium
substitution:comparison of carbon-11-L-deprenyl and carbon-11-deprenyl-D for MAO B mapping.J.Nucl.Med.1995;36:1255-62.[10]Logan J,Fowler JS,Volkow ND,Wang GJ,MacGregor RR,and Shea C.Reproducibility of repeated measures of deuterium substituted [11C]L-deprenyl ([11C]L-deprenyl-D2) binding in the human brain.Nucl.Med.Biol.2000;27:43-9.
[11]Fowler JS,Logan J,Volkow ND,and Wang
GJ.Translational Neuroimaging:Positron Emission Tomography Studies of Monoamine
Oxidase.Mol.Imaging Biol.2005;7:1-11.
[12]Fowler JS,MacGregor RR,Wolf AP,Arnett CD,Dewey SL,Schlyer D,et al.Mapping human brain monoamine oxidase A and B with
11C-labeled suicide inactivators and PET.Science 1987;235:481-5.
[13]Lin KS,Ding YS,Kim SW,and Kil KE.Synthesis,enantiomeric resolution,F-18 labeling and biodistribution of reboxetine analogs:promising radioligands for imaging the norepinephrine transporter with positron emission tomography.Nucl.Med.Biol.2005;32:415-22.
[14]Ding Y-S,Lin K-S,and Logan J.PET imaging of norepinephrine transporters.Curr.Pharm.Des.2006;12:3831-45.
[15]Beauregard JM and Beaulieu A.How we read FCH-PET/CT for prostate cancer.Cancer Imaging 2016;16:41.
[16]Nitsch S,Hakenberg OW,Heuschkel M,Drager D,Hildebrandt G,Krause BJ,et al.Evaluation of Prostate Cancer with 11C- and
18F-Choline PET/CT:Diagnosis and Initial Staging.J.Nucl.Med.2016;57:38s-42s.
[17]Smith G,Zhao Y,Leyton J,Shan B,Nguyen QD,Perumal M,et al.Radiosynthesis and pre-clinical evaluation of [(18)F]fluoro-[1,2-(2)H(4)]choline.Nucl.Med.Biol.2011;38:39-51.
[18]Witney TH,Alam IS,Turton DR,Smith G,Carroll L,Brickute D,et al.Evaluation of
deuterated 18F- and 11C-labeled choline
analogs for cancer detection by positron emission tomography.Clin.Cancer Res.2012;18:1063-72.
[19]Goswami R,Ponde D,Kung M,Hou C,Kilbourn M,and Kung H.Fluoroalkyl derivatives
of dihydrotetrabenazine as positron emission tomography imaging agents targeting vesicular monoamine transporters.Nucl.Med.Biol.2006;33:685-94.
[20]Kilbourn M,Hockley B,Lee L,Hou C,Goswami R,Ponde D,et al.Pharmacokinetics of
[(18)F]fluoroalkyl derivatives of dihydrotetrabenazine in rat and monkey brain.Nucl.Med.Biol.2007;34:233-7.
[21]Siderowf A,Pontecorvo MJ,Shill HA,Mintun MA,Arora A,Joshi AD,et al.PET imaging of amyloid with Florbetapir F 18 and PET imaging of dopamine degeneration with 18F-AV-133 (florbenazine) in patients with Alzheimer disease and Lewy body disorders.BMC Neurol.2014;14:79.
[22]Hsiao IT,Weng YH,Lin WY,Hsieh CJ,Wey
SP,Yen TC,et al.Comparison of 99mTc-TRODAT-1 SPECT and 18 F-AV-133 PET imaging in healthy controls and Parkinson’s disease patients.Nucl.Med.Biol.2014;41:322-9.
[23]Hsiao IT,Weng YH,Hsieh CJ,Lin WY,Wey
SP,Kung MP,et al.Correlation of Parkinson disease severity and 18F-DTBZ positron emission tomography.JAMA Neurol 2014;71:758-66.
[24]Okamura N,Villemagne V,Drago J,Pejoska S,Dhamija R,Mulligan R,et al.In Vivo Measurement of Vesicular Monoamine Transporter Type 2 Density in Parkinson Disease with 18F-AV-133.J.Nucl.Med.2010;51:223-8.
[25]Villemagne VL,Okamura N,Pejoska S,Drago J,Mulligan RS,Chetelat G,et al.In vivo assessment of vesicular monoamine transporter type 2 in dementia with lewy bodies and Alzheimer disease.Arch.Neurol.2011;68:905-12.
[26]Kung M,Hou C,Lieberman B,Oya S,Ponde
D,Blankemeyer E,et al.In Vivo Imaging of {beta}-Cell Mass in Rats Using 18F-FP-(+)-DTBZ:A Potential PET Ligand for Studying Diabetes Mellitus.J.Nucl.Med.2008;49:1171-6.
[27]Raffo A,Hancock K,Polito T,Xie Y,Andan G,Witkowski P,et al.Role of vesicular
monoamine transporter type 2 in rodent insulin secretion and glucose metabolism
revealed by its specific antagonist tetrabenazine.J.Endocrinol.2008;198:41-9.
[28]Harris PE,Ferrara C,Barba P,Polito T,Freeby M,and Maffei A.VMAT2 gene expression and function as it applies to imaging beta-cell mass.J.Mol.Med.2008;86:5-16.
[29]Harris PE,Farwell MD,and Ichise M.PET quantification of pancreatic VMAT 2 binding using (+) and (-) enantiomers of [(1)(8)F]FP-DTBZ in baboons.Nucl.Med.Biol.2013;40:60-4.
[30]Freeby M,Ichise M,and Harris PE.Vesicular monoamine transporter,type 2 (vmat2) expression as it compares to insulin and pancreatic polypeptide in the head,body and tail of the human pancreas.Islets 2012;4:393-7.
[31]Normandin MD,Petersen KF,Ding YS,Lin
SF,Naik S,Fowles K,et al.In vivo imaging of endogenous pancreatic beta-cell mass in healthy and type 1 diabetic subjects using 18F-fluoropropyl-dihydrotetrabenazine and PET.J.Nucl.Med.2012;53:908-16.[32]Eriksson O,Jahan M,Johnstrom P,Korsgren O,Sundin A,Halldin C,et al.In vivo and in vitro characterization of [18F]-FE-(+)-DTBZ as a tracer for beta-cell mass.Nucl.Med.Biol.2010;37:357-63.
[33]Jahan M,Eriksson O,Johnstrom P,Korsgren O,Sundin A,Johansson L,et al.Decreased defluorination using the novel beta-cell imaging agent [18F]FE-DTBZ-d4 in pigs examined by PET.EJNMMI Res 2011;1:33.
[34]Gauthier S,Albert M,Fox N,Goedert M,Kivipelto M,Mestre-Ferrandiz J,et al.Why
has therapy development for dementia failed in the last two decades? Alzheimers
Dement 2016;12:60-4.
[35]Harrison JR and Owen MJ.Alzheimer disease:the amyloid hypothesis on trial.Br.J.Psychiatry 2016;208:1-3.
[36]Mathis CA,Mason NS,Lopresti BJ,and Klunk WE.Development of positron emission
tomography beta-amyloid plaque imaging agents.Semin.Nucl.Med.2012;42:423-32.
[37]Zeng F and Goodman MM.Fluorine-18 radiolabeled heterocycles as PET tracers for imaging beta-amyloid plaques in Alzheimer disease.Curr.Top.Med.Chem.2013;13:909-19.
[38]Kung H.The β-amyloid hypothesis in Alzheimer disease:Seeing is believing..ACS Med Chem Lett 2012;3:265-7.
[39]Villemagne VL,Dore V,Bourgeat P,Burnham SC,Laws S,Salvado O,et al.Abeta-amyloid and Tau Imaging in Dementia.Semin.Nucl.Med.2017;47:75-88.
[40]Rowe CC,Pejoska S,Mulligan RS,Jones G,Chan JG,Svensson S,et al.Head-to-Head Comparison of 11C-PiB and 18F-AZD4694 (NAV4694) for beta-Amyloid Imaging in Aging and Dementia.J.Nucl.Med.2013;54:880-6.[41]Nelissen N,Van Laere K,Thurfjell L,Owenius R,Vandenbulcke M,Koole M,et al.Phase 1 study of the Pittsburgh compound B
derivative 18F-flutemetamol in healthy volunteers and patients with probable Alzheimer disease.J.Nucl.Med.2009;50:1251-9.
[42]Rowe CC,Jones G,Dore V,Pejoska S,Margison L,Mulligan RS,et al.Standardized Expression of 18F-NAV4694 and 11C-PiB beta-Amyloid PET Results with the Centiloid
Scale.J.Nucl.Med.2016;57:1233-7.
[43]Rowe CC,Pejoska S,Mulligan RS,Jones G,Chan JG,Svensson S,et al.Head-to-head comparison of 11C-PiB and 18F-AZD4694 (NAV4694) for beta-amyloid imaging in aging and dementia.J.Nucl.Med.2013;54:880-6.[44]Kung H,Choi S,Qu W,Zhang W,and Skovronsky D.(18)F Stilbenes and Styrylpyridines for PET Imaging of Abeta Plaques in Alzheimer Disease:A Miniperspective.J.Med.Chem.2009;53:933-41.
[45]Zhu L,Ploessl K,and Kung HF.PET/SPECT imaging agents for neurodegenerative diseases.Chem.Soc.Rev.2014.
[46]Choi S,Golding G,Zhuang Z,Zhang W,Lim N,Hefti F,et al.Preclinical properties
of 18F-AV-45:a PET agent for Aβ plaques
in the brain.J.Nucl.Med.2009;50:1887-94.
[47]Wong D,Rosenberg P,Zhou Y,Kumar A,Raymont V,Ravert H,et al.In Vivo Imaging of Amyloid Deposition in Alzheimer Diseas
e Using the Radioligand 18F-AV-45 (Flobetapir F 18).J.Nucl.Med.2010;51:913-20.
[48]Patt M,Schildan A,Barthel H,Becker G,Schultze-Mosgau MH,Rohde B,et al.Metabolite analysis of [18F]Florbetaben (BAY 94-9172) in human subjects:a substudy within a proof of mechanism clinical trial.J.Radioanal.Nucl.Chem.2010;284:557-62.
[49]Rowe C,Ackerman U,Browne W,Mulligan R,Pike K,O’Keefe G,et al.Imaging of amyloid beta in Alzheimer disease with (18)F-BAY94-9172,a novel PET tracer:proof of mechanism.Lancet Neurol.2008;7:129-35.
[50]Bousman CA,Forbes M,Jayaram M,Eyre H,Reynolds CF,Berk M,et al.Antidepressant
prescribing in the precision medicine era:a prescriber’s primer on pharmacogenetic tools.BMC Psychiatry 2017;17:60.
[51]Kambeitz JP and Howes OD.The serotonin transporter in depression:Meta-analysis of in vivo and post mortem findings and implications for understanding and treating depression.J.Affect.Disord.2015;186:358-66.
[52]Spies M,Knudsen GM,Lanzenberger R,and Kasper S.The serotonin transporter in psychiatric disorders:insights from PET imaging.Lancet Psychiatry 2015;2:743-55.[53]Oya S,Choi S,Kung M,and Kung H.5-Chloro-2-(2’-((dimethylamino)methyl)-4’-iodophenylthio)benzenamine:a new serotonin transporter ligand.Nucl.Med.Biol.2007;34:129-39.
[54]Kung H,Newman S,Choi S,Oya S,Hou C,Zhuang Z,et al.2-(2-(dimethylaminomethyl)phenoxy)-5-iodophenylamine:an improved serotonin transporter imaging agent.J.Med.Chem.2004;47:5258-64.
[55]Wang JL,Parhi AK,Oya S,Lieberman B,Kung MP,and Kung HF.2-(2’-((Dimethylamino)methyl)-4’-(3-[(18)F]fluoropropoxy)-phenylthio)benzenamine for positron emission tomography imaging of serotonin transporters.Nucl.Med.Biol.2008;35:447-58.
[56]Wang JL,Deutsch EC,Oya S,and Kung HF.FlipADAM:a potential new SPECT imaging agent for the serotonin transporter.Nucl.Med.Biol.2010;37:577-86.
[57]Huang Y,Zheng MQ,and Gerdes JM.Development of effective PET and SPECT imagin
g agents for the serotonin transporter:has a twenty-year journey reached its destination? Curr.Top.Med.Chem.2010;10:1499-526.
[58]Mavel S,Meheux N,Guilloteau D,and Emond P.Synthesis and in vitro evaluation of fluorinated diphenyloxide derivatives
and sulfur analogs as serotonin transporter ligands.Bioorg.Med.Chem.2010;18:236-41.
[59]Jarkas N,Voll RJ,Williams L,and Goodman MM.Validation of two fluoro-analogues of N,N-dimethyl-2-(2’-amino-4’-hydroxymethyl-phenylthio)benzylamine as serotonin transporter imaging agents using microPET.Nucl.Med.Biol.2010;37:593-603.
[60]Kang HH,Wang CH,Chen HC,Li IH,Cheng CY,Liu RS,et al.Investigating the effects of noise-induced hearing loss on serotonin transporters in rat brain using 4-[(18)F]-ADAM/small animal PET.Neuroimage 2012.
[61]Huang YY,Huang WS,Ma KH,Chou TK,Kuo YY,Cheng CY,et al.Synthesis and comparison of 4-[18F]F-ADAM,2-[18F]F-ADAM,N-Desmethyl-4-[18F]F-ADAM and [18F]F-AFM as serotonin transporter imaging agents.Appl.Radiat.Isot.2012;70:2298-307.
[62]Chen YA,Huang WS,Lin YS,Cheng CY,Liu
RS,Wang SJ,et al.Characterization of 4-[18F]-ADAM as an imaging agent for SERT in non-human primate brain using PET:a dynamic study.Nucl.Med.Biol.2012;39:279-85.
[63]Hesse S,Brust P,Mading P,Becker GA,Patt M,Seese A,et al.Imaging of the brain
serotonin transporters (SERT) with (18)F-labelled fluoromethyl-McN5652 and PET in humans.Eur.J.Nucl.Med.Mol.Imaging 2012;39:1001-11.
[64]Paterson LM,Kornum BR,Nutt DJ,Pike VW,and Knudsen GM.5-HT radioligands for human brain imaging with PET and SPECT.Med.Res.Rev.2013;33:54-111.
[65]Huang WS,Huang SY,Ho PS,Ma KH,Huang YY,Yeh CB,et al.PET imaging of the brain
serotonin transporters (SERT) with N,N-dimethyl-2-(2-amino-4-[18F]fluorophenylthio)benzylamine (4-[18F]-ADAM) in humans:a preliminary study.Eur.J.Nucl.Med.Mol.
Imaging 2013;40:115-24.
[66]Szabo Z,Kao PF,Scheffel U,Suehiro M,Mathews WB,Ravert HT,et al.Positron emission tomography imaging of serotonin transporters in the human brain using [11C](+)McN5652.Synapse 1995;20:37-43.
[67]Zessin J,Eskola O,Brust P,Bergman J,Steinbach J,Lehikoinen P,et al.Synthesis
of S-([18F]fluoromethyl)-(+)-McN5652 as
a potential PET radioligand for the serotonin transporter.Nucl.Med.Biol.2001;28:857-63.
[68]Stehouwer JS and Goodman MM.(11) C and (18) F PET radioligands for the serotonin transporter (SERT).J Labelled Comp Radiopharm 2013;56:114-9.
[69]Wilson AA,Ginovart N,Schmidt M,Meyer
JH,Threlkeld PG,and Houle S.Novel radiotracers for imaging the serotonin transporter by positron emission tomography:synthesis,radiosynthesis,and in vitro and ex vivo evaluation of 11C-labeled 2-(phenylthio)araalkylamines.J.Med.Chem.2000;43:3103-10.
[70]Wilson AA,Ginovart N,Hussey D,Meyer J,and Houle S.In vitro and in vivo characterisation of [11C]-DASB:a probe for in
vivo measurements of the serotonin transporter by positron emission tomography.Nucl.Med.Biol.2002;29:509-15.
[71]Kupers R,Frokjaer VG,Erritzoe D,Naert A,Budtz-Joergensen E,Nielsen FA,et al.Serotonin transporter binding in the hypothalamus correlates negatively with tonic heat pain ratings in healthy subjects:a [11C]DASB PET study.Neuroimage 2011;54:1336-43.
[72]Ginovart N,Sun W,Wilson AA,Houle S,and Kapur S.Quantitative validation of an
intracerebral beta-sensitive microprobe
system to determine in vivo drug-induced receptor occupancy using [11C]raclopride in rats.Synapse 2004;52:89-99.
[73]Kim E,Howes OD,Park JW,Kim SN,Shin SA,Kim BH,et al.Altered serotonin transporter binding potential in patients with obsessive-compulsive disorder under escitalopram treatment:[11C]DASB PET study.Psychol.Med.2015:1-10.
[74]Oya S,Choi SR,Coenen H,and Kung HF.N
ew PET imaging agent for the serotonin transporter:[(18)F]ACF (2-[(2-amino-4-chloro-5-fluorophenyl)thio]-N,N-dimethyl-benzenmethanamine).J.Med.Chem.2002;45:4716-23.
[75]Huang Y,Bae SA,Zhu Z,Guo N,Roth BL,and Laruelle M.Fluorinated diaryl sulfides as serotonin transporter ligands:synthesis,structure-activity relationship study,and in vivo evaluation of fluorine-18-labeled compounds as PET imaging agents.J.Med.Chem.2005;48:2559-70.
[76]Shiue G,Choi S,Fang P,Hou C,Acton P,Cardi C,et al.N,N-dimethyl-2-(2-amino-4-(18)F-fluorophenylthio)-benzylamine (4-(18)F-ADAM):an improved PET radioligand for serotonin transporters.J.Nucl.Med.2003;44:1890-7.
[77]Wang J,Parhi A,Oya S,Lieberman B,and
Kung H.In vivo characterization of a series of 18F-diaryl sulfides (18F-2-(2’-((dimethylamino)methyl)-4’-(fluoroalkoxy)phenylthio)benzenamine) for PET imaging of the serotonin transporter.J.Nucl.Med.2009;50:1509-17.
[78]Wang J,Oya S,Parhi A,Lieberman B,Ploessl K,Hou C,et al.In vivo studies of the SERT-selective [18F]FPBM and VMAT2-selective [18F]AV-133 radiotracers in a rat
model of Parkinson’s disease.Nucl.Med.Biol.2010;37:479-86.
[79]Qiao H,Zhang Y,Wu Z,Zhu L,Choi SR,Ploessl K,et al.One-step preparation of [(18)F]FPBM for PET imaging of serotonin transporter (SERT) in the brain.Nucl.Med.Biol.2016;43:470-7.
[80]Zhu L,Li G,Choi SR,Plossl K,Chan P,Qiao H,et al.An improved preparation of [18F]FPBM:A potential serotonin transporter (SERT) imaging agent.Nucl.Med.Biol.2013;40:974-9.
【0199】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式I-Aの化合物:
【化119】

またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C 1-4 アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、 18 FまたはFであり;
Yは、-(CR -(式中、R 及びR は、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
但し、R またはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在し;
但し、nが2の場合、R はCH ではない)。
(項2)
nは、3である、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項3)
式I-B:
【化120】

を有する、上記項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項4)
は、メチルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されている、上記項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項5)
式I-C:
【化121】

を有する、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項6)
以下の構造:
【化122】

を有する、上記項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項7)
以下の構造:
【化123】

を有する、上記項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項8)
以下の構造:
【化124】

を有する、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項9)
以下の構造:
【化125】

を有する、上記項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項10)
式II-Aの化合物:
【化126】

またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C 1-4 アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、 18 FまたはFであり;
Yは、-[O(CR -(式中、R 及びR は、それぞれ独立して、水
素または重水素原子であり、mは、1~6の整数である)であり;
、A 、A 、A 、及びA は、それぞれ独立して、N、CH、またはCであり、A 、A 、A 、A 、及びA の最大で3つがNであり;
但し、R またはYのいずれかに少なくとも1つの重水素原子が存在する)。
(項11)
式II-B:
【化127】

を有する、上記項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C 1-2 アルキルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
mは、1~4の整数であり;
は、NまたはCHである)。
(項12)
は、メチルであり、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
mは、3である、上記項10または11に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項13)
は、CD である、上記項10~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項14)
Yは、-[OCD CD -である、上記項10~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項15)
式II-C:
【化128】

を有する、上記項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、NまたはCHであり;
Xは、 18 FまたはFである)。
(項16)
は、Nであり、Xは、 18 Fである、上記項15に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項17)
は、CHであり、Xは、 18 Fである、上記項15に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項18)
式II-Dの化合物:
【化129】

またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C 1-4 アルキルであり、R は、1つ以上の重水素原子で置換されており、前記C 1-4 アルキルの炭素原子の1つ以上は、任意に 11 Cであり;
、B 、B 、及びB は、それぞれ独立して、C、N、またはCHであり、B 、B 、B 、及びB の最大で2つがNであり;
Xは、水素、 18 F、またはFであり;
Wは、NまたはCHであり;
Zは、O、S、またはNHであり;
但し、前記化合物は、 11 Cまたは 18 Fで標識されている)。
(項19)
式II-E:
【化130】

を有する、上記項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
は、C 1-2 アルキルであり;
は、C、N、またはCHである)。
(項20)
式II-F:
【化131】

を有する、上記項18または19に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項21)
式II-G:
【化132】

を有する、上記項18または19に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項22)
は、1つ以上の重水素原子で置換されたメチルである、上記項18~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項23)
は、 11 CD であり、Xは、水素である、上記項18~22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項24)
は、CD であり、Xは、 18 Fである、上記項18~22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項25)
以下の構造:
【化133】

を有する、上記項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項26)
以下の構造:
【化134】

を有する、上記項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項27)
以下の構造:
【化135】

を有する、上記項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項28)
式III-Aの化合物:
【化136】

の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
及びR は、それぞれ独立して、水素またはC 1-4 アルキルであり、前記C 1-4 アルキルは、1つ以上の重水素原子で任意に置換されており;
Xは、 18 FまたはFであり;
Yは、-(CR -(式中、R 及びR は、それぞれ独立して、水素または重水素原子であり、nは、1~6の整数である)であり;
は、水素、ハロ、またはCNであり;
但し、R 、R 、またはYに少なくとも1つの重水素原子が存在する)。
(項29)
nは、3である、上記項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項30)
Yは、-(CD -である、上記項28または29に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項31)
及びR は、それぞれ独立して、水素または1つ以上の重水素原子で任意に置換されたメチルである、上記項28~30のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項32)
及びR は、それぞれ独立して、水素またはCD である、上記項28~31のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項33)
式III-B:
【化137】

を有する、上記項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩(式中:
Xは、 18 FまたはFであり;
は、水素またはハロである)。
(項34)
以下の構造:
【化138】

を有する、上記項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項35)
各々の指定された重水素原子についての重水素濃縮は、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%である、上記項1~34のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
(項36)
上記項1~35のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な担体を含む、薬学的組成物。
(項37)
対象を造影するための方法であって、
上記項1~35のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記対象に投与すること;及び
前記対象または前記対象の一部の画像を得ること、を含む前記方法。
(項38)
インビボ造影する方法であって、
有効量の上記項1~35のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与すること;及び
前記対象中の前記化合物の放射能のパターンを検出すること、を含む前記方法。