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特許7568334スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置及びその工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置及びその工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
E02D3/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023579279
(86)(22)【出願日】2023-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2023121179
(87)【国際公開番号】W WO2024027851
(87)【国際公開日】2024-02-08
【審査請求日】2023-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】章 麗莎
(72)【発明者】
【氏名】魏 驍
(72)【発明者】
【氏名】楊 仲軒
(72)【発明者】
【氏名】崔 允亮
(72)【発明者】
【氏名】王 新泉
(72)【発明者】
【氏名】劉 福深
(72)【発明者】
【氏名】趙 朝発
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-136844(JP,A)
【文献】特開2017-125397(JP,A)
【文献】特開2014-001556(JP,A)
【文献】特開2007-162216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置であって、
多孔管と、スクリューコンベア装置と、アウターケーシングと、集約装置と、リーマヘッドと、圧力監視システムと、質量測定器と、コンソールとを備え、前記圧力監視システムは、圧力センサーと、収集装置とを備え、
前記多孔管、前記集約装置及び前記リーマヘッドは、上から下に連結され、前記多孔管の外側に前記アウターケーシングが取り付けられて掘削ロッド本体を形成し、
前記多孔管は、高圧セメントミルクホース、予備管、負圧空気管、油圧管、負圧水管、主空気管、圧力センサー配線用管、圧力水管、予備空気管及び電線管を集約し、
前記アウターケーシングの頂部に排泥口が設けられ、前記排泥口は廃液タンクに接続され、
前記スクリューコンベア装置は、軸式スクリューコンベアと、電動装置とを備え、前記多孔管と前記アウターケーシングとの間に設けられ、前記スクリューコンベア装置の入口は前記集約装置に近い端に設けられ、出口は前記排泥口に連通され、前記電動装置は、前記軸式スクリューコンベアを駆動するために用いられ、
前記集約装置の円筒壁の外側には、上から下に高圧水噴射口、圧力センサー及び高圧注入口が設けられ、
前記リーマヘッドは、前記集約装置の底部に位置し、前記集約装置内の排泥通路を介して連通され、
前記集約装置内には、引き上げ過程中の掘削ロッド全体の回転による切土が周囲の土をかく乱させないように、前記リーマヘッドの別個回転を駆動して土を切削するためのモーター装置が設けられ、
前記集約装置内には、排土通路も設けられ、前記排土通路の前記リーマヘッドに近い箇所が入口となり、入口部に粉砕機が設けられ、出口は前記スクリューコンベア装置の入口に接続され、前記排土通路の出口部に砕土を前記排土通路から前記スクリューコンベア装置に入らせ、高圧水切削後に生じた土-水の混合物、及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するための排泥圧力チャンバー用バルブが設けられ、
前記主空気管は、前記高圧注入口に接続し、前記負圧空気管、前記負圧水管、前記予備空気管は、いずれも前記集約装置内に圧力制御弁を備えた管路を形成し、前記排土通路と連通した後排泥及び排土を補助し、
前記油圧管は、前記集約装置内に前記圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ前記排泥圧力チャンバー用バルブ及び前記モーター装置に接続され、
前記圧力水管は、前記集約装置内に前記圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ前記集約装置の円筒壁の前記高圧水噴射口及び前記リーマヘッド頂部の圧力水吐水口に連通され、
前記高圧セメントミルクホースは、気泡セメントミルクホースと軽量セメントミルクホースに分かれ、前記集約装置の前記高圧注入口に連通され、前記気泡セメントミルクホースを使用する場合、前記主空気管は空気枝管を分岐し前記気泡セメントミルクホースまでに連通してソイルセメントに気泡を加えるために用いられ、前記軽量セメントミルクホースを使用する場合、セメントミルクサイロ内の軽質セメントミルクには発泡剤が含まれ、
前記電線管は、電力を供給するために用いられ、前記高圧水噴射口から噴出された高圧水で土を切削し、前記排泥口は、高圧水切削後に生じた土-水の混合物及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するために用いられ、
前記圧力制御弁は、前記圧力センサー配線用管内の導線を介して前記コンソールに接続され、水圧・土圧データに基づき前記空気枝管内の空気圧を調整し、空気を前記高圧セメントミルクホースのセメントミルクに入るよう制御し、
前記質量測定器は、前記廃液タンク内に設けられ、排泥管から前記廃液タンクに排出された土-水の混合物の質量を測定し、測定データを前記コンソールに伝送し、
前記圧力センサーは、前記圧力センサー配線用管内の導線を介して前記収集装置に接続され、前記収集装置は前記コンソールに接続され、前記コンソールは、各前記圧力制御弁の協調制御作業の調整及び前記モーターの制御に使用される
ことを特徴とするスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項2】
前記気泡セメントミルクホースの上端は、前記セメントミルクサイロに接続され、使用するセメントミルク中に急結剤を添加し、前記気泡セメントミルクホースは前記集約装置内において前記圧力制御弁を備えた複数の前記空気枝管を介して前記主空気管に連通され、前記気泡セメントミルクホースと前記空気枝管とが連通されて空気が注入された後、前記高圧注入口部から前記主空気管を挿入し、前記高圧注入口に連通された同軸二重管構造を形成する
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項3】
前記圧力制御弁は、前記圧力センサー配線用管内の導線を介して前記コンソールに接続され、前記圧力センサーで収集された水圧・土圧データに基づき前記空気枝管内の空気圧を調整し、空気を前記高圧セメントミルクホースのセメントミルクに入るよう制御し、前記空気枝管の直径は、吹き込み対象となる前記高圧セメントミルクホース内の空気流通量により決定し、前記高圧注入口に連通された前記同軸二重管構造内の前記高圧セメントミルクホース直径は、前記主空気管より小さい
請求項2に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項4】
前記軽量セメントミルクホースの上端は、前記セメントミルクサイロに接続され、前記セメントミルクサイロ内の軽質セメントミルクには発泡剤が含まれ、前記発泡剤は第1種発泡剤と第2種発泡剤に分かれ、
前記第1種発泡剤は、界面活性類の発泡剤であり、
前記第2種発泡剤は、アルミニウム粉末、鉄粉末、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム粉末及び空気連行剤を9:9:1:1の比率の混合からなり、前記発泡剤はセメントミルク内に閉じた気泡を生成するために用いられ、前記空気連行剤は、気泡の数を増やし、気泡を均一にさせ、前記第2種発泡剤も室内試験と現場試験に従い配合比を調整してより多くの工事シナリオに適応させる
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項5】
前記セメントミルクサイロに添加する前記発泡剤の量は、前記圧力センサーで収集した前記水圧・土圧データに基づきリアルタイムに調整し、軽質ソイルセメントの体積が排出される土-水の混合物の体積と同一になるようにする
請求項4に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項6】
前記スクリューコンベア装置と前記多孔管及び前記アウターケーシングとの間には前記スクリューコンベア装置の運転時に前記多孔管、前記アウターケーシングとの間に接触しないような隙間があり、前記隙間は、排出砕土粒子の粒度により決まり、砕土流出量及び砕土による詰まり問題を減少するために用いられ、前記スクリューコンベア装置の傾斜角度は、排出砕土とコンベアベルトとの摩擦力により決まり、土粒子とスライムの大部分を搬出させることができるようにする
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項7】
前記予備空気管内には、圧縮空気が入っており、管路が詰まった場合孔内の加圧・清掃のために用いられ、前記主空気管の上端は、圧縮空気機に接続され、前記負圧空気管、前記負圧水管、前記油圧管、前記圧力水管及び予備空気管分岐管の前記圧力制御弁、前記圧力センサー、前記圧力制御弁は前記電線管内の電源コードにより電力が供給され、いずれも前記圧力センサー配線用管内の導線を介して前記コンソールに接続される
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項8】
前記コンソールは、前記多孔管、前記集約装置、前記圧力監視システム及び前記質量測定器に接続され、スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置の削孔作業、高圧水による土切削作業、高圧セメントミルク注入による補強作業、排泥作業及び各圧力制御弁協調制御作業を制御し、前記モーター装置は、前記油圧管の分岐管、前記電線管内の電源コードに接続され、前記モーター装置の制御導線は前記圧力センサー配線用管を通って前記コンソールに接続される
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置。
【請求項9】
請求項1に記載のスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置の工法であって、
補強対象領域内に地下水位、地盤沈下監視点を設けて、地下水位及び地盤沈下をリアルタイムで監視する位置決め・墨出しステップ、
スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を接続した後、コンソールから前記スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置を起動して削孔作業を実施し、モーター装置は、リーマヘッドを高速で回転させ、リーマビット及びこの上のリーマブレードが土を切削すると同時に、粉砕機は圧送対象混合物中の砂礫を粉砕させ、切削後の土壌と圧力水吐水口から噴出された圧力水とが土-水の混合物を形成し、粉砕後の砂礫と一緒に排土通路、排泥圧力チャンバー用バルブ、スクリューコンベア装置を経由して排出し、地下水位変化の監視データに基づき圧力水を注入して地下水を涵養し、地下水位を現状の状態に維持するステップ、
所定の深さまで削孔した後、前記モーター装置、圧力水吐水口、前記排泥圧力チャンバー用バルブを閉じ、削孔作業を停止するステップ、
前記コンソールから前記スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置の高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強システムを起動し:高圧水噴射口から噴射された高圧水で土を切削した後、高圧注入口から噴射された高圧セメントミルクを注入し補強し、掘削ロッドは、回転して引き上げられ、前記高圧水噴射口及び前記高圧注入口が高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強作業をそれぞれ続行するステップ、
高圧水で土を切削する過程中で、圧力センサーは、水圧・土圧データを、収集装置を経由して前記コンソールに伝送し、前記コンソールを介して前記排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整し、排出される高圧セメントミルク及び高圧水を制御し、補強領域の水圧・土圧を一定に保たせるステップ、
高圧セメントミルク注入過程中で、気泡セメントミルクホースに気泡を加える必要がある場合、前記コンソールにより圧力制御弁を制御し、空気枝管内の圧縮空気を高圧セメントミルクホースのセメントミルクに吹き込み、気泡が均一に分布する気泡セメントミルクを形成し、前記高圧注入口から噴射してセメントミルク注入による補強を実施し、質量測定器で土-水の混合物と砂礫の質量を測定し、測定データを前記コンソールに伝送し、前記コンソールにより補強領域に注入するセメントミルクの質量を調整・制御して、前記補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせるステップ、
土にセメントミルクを注入して補強した後、前記スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置をオフにし、前記スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を切り離すステップ、及び、
補強対象領域の全てのセメントミルク注入による補強施工を完了するまで、上記ステップを繰り返すステップ
を含む
ことを特徴とする工法。
【請求項10】
前記高圧セメントミルク注入過程中で、セメントミルクの質量を測定してセメントミルク注入による補強要件を満たすことを保証し、前記掘削ロッドは、頂部動力装置により回転して引き上げられ、回転引き上げ速度は前記排土通路が大量の土を含む排泥を排出し、注入された気泡ソイルセメントは補強領域の原位置土と置換できるようにし、補強施工前後の地層重力の等価性を満たすと共に前記補強領域の土の強度を向上させる
請求項9に記載の工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎補強の技術分野に関し、特に、スパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置及びその工法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市の浅層空間開発の完了に伴い、都市建設用地は逼迫しており、密集市街地における土地資源を効率的に活用するため、地下空間の開発が急速に進んでいる。地下空間の開発の過程で基礎補強技術は、建設された構築物周辺の地下工事近接施工を円滑に進めることができよう多用されてきた。
【0003】
基礎補強における一般的な3軸撹拌補強方法は、補強領域周囲の土に一定の側圧を発生させやすく、同時に補強領域のソイルセメントの密度が増加するため、基礎に追加の垂直応力を発生させることで、基礎の沈下を引き起こし、パイプラインの破損や路面の沈下、及び周辺の建物の基礎の変位を引き起こす可能性があった。
【0004】
したがって従来の基礎補強方法に起因する土の沈下や変形の危険性を軽減及び除去し、基礎補強工事をより効率的かつ確実にし、基礎補強技術の適用条件を増加するため、自動掘削式気泡ソイルセメントMJS装置の開発が急務となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】気泡混合軽質土盛り立て工事技術規程
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の不足を克服するためスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置及びその工法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その技術的課題を解決するため、採用する技術的手段として、
本発明の一態様では、多孔管と、スクリューコンベア装置と、アウターケーシングと、集約装置と、リーマヘッドと、圧力監視システムと、質量測定器と、コンソールとを備えたスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置を提供し、前記圧力監視システムは、圧力センサーと、収集装置とを備え、
前記多孔管、集約装置及びリーマヘッドは、上から下に連結され、前記多孔管の外側にアウターケーシングが取り付けられて掘削ロッド本体を形成し、
前記多孔管は、高圧セメントミルクホース、予備管、負圧空気管、油圧管、負圧水管、主空気管、圧力センサー配線用管、圧力水管、予備空気管及び電線管を集約し、
前記アウターケーシングの頂部に排泥口が設けられ、前記排泥口は廃液タンクに接続され、
前記スクリューコンベア装置は、軸式スクリューコンベアと、電動装置とを備え、多孔管とアウターケーシングとの間に設けられ、前記スクリューコンベア装置の入口は集約装置に近い端に設けられ、出口は排泥口に連通され、前記電動装置は、軸式スクリューコンベアを駆動するために用いられ、
前記集約装置の円筒壁の外側には、上から下に高圧水噴射口、圧力センサー及び高圧注入口が設けられ、
前記リーマヘッドは、集約装置の底部に位置し、集約装置内の排泥通路を介して連通され、
前記集約装置内には、引き上げ過程中の掘削ロッド全体の回転による切土が周囲の土をかく乱させないように、リーマヘッドの別個回転を駆動して土を切削するためのモーター装置が設けられ、
前記集約装置内には、排土通路も設けられ、前記排土通路のリーマヘッドに近い箇所が入口となり、入口部に粉砕機が設けられ、出口は前記スクリューコンベア装置の入口に接続され、排土通路の出口部に砕土を排土通路からスクリューコンベア装置に入らせ、高圧水切削後に生じた土-水の混合物、及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するための排泥圧力チャンバー用バルブが設けられ、
前記主空気管は、高圧注入口に接続し、前記負圧空気管、負圧水管、予備空気管は、いずれも集約装置内に圧力制御弁を備えた管路を形成し、排土通路と連通した後排泥及び排土を補助し、
前記油圧管は、集約装置内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ排泥圧力チャンバー用バルブ及びモーター装置に接続され、
前記圧力水管は、集約装置内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ集約装置の円筒壁の高圧水噴射口及びリーマヘッド頂部の圧力水吐水口に連通され、
前記高圧セメントミルクホースは、気泡セメントミルクホースと軽量セメントミルクホースに分かれ、集約装置の高圧注入口に連通され、前記気泡セメントミルクホースを使用する場合、主空気管は空気枝管を分岐し気泡セメントミルクホースまでに連通してソイルセメントに気泡を加えるために用いられ、前記軽量セメントミルクホースを使用する場合、セメントミルクサイロ内の軽質セメントミルクには発泡剤が含まれ、
前記電線管は、電力を供給するために用いられ、前記高圧水噴射口から噴出された高圧水で土を切削し、前記排泥口は、高圧水切削後に生じた土-水の混合物及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するために用いられ、
前記圧力制御弁は、圧力センサー配線用管内の導線を介してコンソールに接続され、水圧・土圧データに基づき空気枝管内の空気圧を調整し、空気を高圧セメントミルクホースのセメントミルクに入るよう制御し、
前記質量測定器は、廃液タンク内に設けられ、排泥管から廃液タンクに排出された土-水の混合物の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、
前記圧力センサーは、圧力センサー配線用管内の導線を介して収集装置に接続され、前記収集装置はコンソールに接続され、前記コンソールは、各圧力制御弁の協調制御作業の調整及びモーターの制御に使用される。
【0008】
さらに、前記気泡セメントミルクホースの上端は、セメントミルクサイロに接続され、使用するセメントミルク中に急結剤を添加し、気泡セメントミルクホースは集約装置内において圧力制御弁を備えた複数の空気枝管を介して主空気管に連通され、前記気泡セメントミルクホースと空気枝管とが連通されて空気が注入された後、高圧注入口部から主空気管を挿入し、高圧注入口に連通された同軸二重管構造を形成する。
【0009】
さらに、前記圧力制御弁は、圧力センサー配線用管内の導線を介してコンソールに接続され、圧力センサーで収集された水圧・土圧データに基づき空気枝管内の空気圧を調整し、空気を高圧セメントミルクホースのセメントミルクに入るよう制御する。前記空気枝管の直径は、吹き込み対象となる高圧セメントミルクホース内の空気流通量により決定し、高圧注入口に連通された前記同軸二重管構造内の高圧セメントミルクホース直径は、主空気管より小さい。
【0010】
さらに、前記軽量セメントミルクホースの上端は、セメントミルクサイロに接続され、セメントミルクサイロ内の軽質セメントミルクには発泡剤が含まれ、前記発泡剤は第1種発泡剤と第2種発泡剤に分かれ、
前記第1種発泡剤は、界面活性類の発泡剤であり、前記第2種発泡剤は、アルミニウム粉末、鉄粉末、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム粉末及び空気連行剤を9:9:1:1の比率の混合からなり、前記発泡剤はセメントミルク内に閉じた気泡を生成するために用いられ、前記空気連行剤は、気泡の数を増やし、気泡を均一にさせ、前記第2種発泡剤も室内試験と現場試験に従い配合比を調整してより多くの工事シナリオに適応させることができる。
【0011】
さらに、セメントミルクサイロに添加する前記発泡剤の量は、圧力センサーで収集した水圧・土圧データに基づきリアルタイムに調整し、軽質ソイルセメントの体積が排出される土-水の混合物の体積と同一になるようにする。
【0012】
さらに、前記スクリューコンベア装置と前記多孔管及び前記アウターケーシングとの間には隙間があり、前記隙間は、排出砕土粒子の粒度により決まり、砕土流出量及び砕土による詰まり問題を減少するために用いられ、前記スクリューコンベア装置の傾斜角度は、排出砕土とコンベアベルトとの摩擦力により決まり、土粒子とスライムの大部分を搬出させることができるようにする。
【0013】
さらに、前記予備空気管内には、圧縮空気が入っており、管路が詰まった場合孔内の加圧・清掃のために用いることができ、前記主空気管の上端は、圧縮空気機に接続され、前記負圧空気管、負圧水管、油圧管、圧力水管及び予備空気管分岐管の圧力制御弁、圧力センサー、圧力制御弁は電線管内の電源コードにより電力が供給され、いずれも圧力センサー配線用管内の導線を介してコンソールに接続される。
【0014】
さらに、前記コンソールは、多孔管、集約装置、圧力監視システム及び質量測定器に接続され、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の削孔作業、高圧水による土切削作業、高圧セメントミルク注入による補強作業、排泥作業及び各圧力制御弁協調制御作業を制御する。前記モーター装置は、油圧管の分岐管、電線管内の電源コードに接続され、モーター装置の制御導線は圧力センサー配線用管を通ってコンソールに接続される。
【0015】
別の態様において、本発明は、工法も提供し、以下のステップ:
補強対象領域内に地下水位、地盤沈下監視点を設けて、地下水位及び地盤沈下をリアルタイムで監視する位置決め・墨出しステップ、
スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を接続した後、コンソールからスパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置を起動して削孔作業を実施し、モーター装置は、リーマヘッドを高速で回転させ、リーマビット及びこの上のリーマブレードが土を切削すると同時に、粉砕機は圧送対象混合物中の砂礫を粉砕させ、切削後の土壌と圧力水吐水口から噴出された圧力水とが土-水の混合物を形成し、粉砕後の砂礫と一緒に排土通路、排泥圧力チャンバー用バルブ、スクリューコンベア装置を経由して排出し、地下水位変化の監視データに基づき圧力水を注入して地下水を涵養し、地下水位を現状の状態に維持するステップ、
所定の深さまで削孔した後、モーター装置、圧力水吐水口、排泥圧力チャンバー用バルブを閉じ、削孔作業を停止するステップ、
コンソールからスパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強システムを起動し:高圧水噴射口から噴射された高圧水で土を切削した後、高圧注入口から噴射された高圧セメントミルクを注入し補強し、掘削ロッドは、一定速度で回転して引き上げられ、高圧水噴射口及び高圧注入口が高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強作業をそれぞれ続行するステップ、
高圧水で土を切削する過程中で、圧力センサーは、水圧・土圧データを、収集装置を経由してコンソールに伝送し、コンソールを介して排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整し、排出される高圧セメントミルク及び高圧水を制御し、補強領域の水圧・土圧を一定に保たせるステップ、
高圧セメントミルク注入過程中で、気泡セメントミルクホースに気泡を加える必要がある場合、コンソールにより圧力制御弁を制御し、空気枝管内の圧縮空気を高圧セメントミルクホースのセメントミルクに吹き込み、気泡が均一に分布する気泡セメントミルクを形成し、高圧注入口から噴射してセメントミルク注入による補強を実施し、質量測定器で土-水の混合物と砂礫の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、コンソールにより補強領域に注入するセメントミルクの質量を調整・制御して、補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせるステップ、
土にセメントミルクを注入して補強した後、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置をオフにし、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を切り離すステップ、及び、
補強対象領域の全てのセメントミルク注入による補強施工を完了するまで、上記ステップを繰り返すステップ、
を含む、上記方法。
【0016】
さらに、前記高圧セメントミルク注入過程中で、セメントミルクの質量を測定してセメントミルク注入による補強要件を満たすことを保証し、掘削ロッドは、頂部動力装置により回転して引き上げられ、回転引き上げ速度は排土通路が大量の土を含む排泥を排出し、注入された気泡ソイルセメントは補強領域の原位置土と置換できるようにし、補強施工前後の地層重力の等価性を満たすと共に補強領域の土の強度を向上させる。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比較して、本発明は次の有利な効果を有する。
【0018】
1、本発明におけるスクリューコンベア装置は、負圧装置に接続され、集約装置部分では排土通路を介して土―水の混合物、砂礫を軸式スクリューコンベアに圧送し、物理的摩擦を利用して機械で土―水の混合物、砂礫を廃液タンクに排出し、直接負圧により土粒子、セメントを直接抽出し、資源消費量を削減し、グリーン環境保全の理念に適合する。
【0019】
2、本発明におけるスクリューコンベア装置は、別個の電動装置を備え、多孔管とは別個に動作し、多孔管の回転速度が速すぎて軸式スクリューコンベア上のスライムを遠心分離で飛散し、搬出されることが困難であることで、排土効率が低下することを避ける。
【0020】
3、本発明では、2種類の高圧セメントミルクホースを設け、気泡セメントミルクホースを使用する場合、主空気管から分岐された空気枝管で高圧セメントミルクホース中に気泡を加え、空気を素早く包み込んで閉じた気泡を形成し、空気をセメント液中に均一に分布させ、補強領域の異なる場所の強度が基本的に同じであり、一部の気泡の不均一による破断を防ぐことができるようにする。セメントミルク注入後の補強領域の密度増加で生じる追加の応力による地盤沈下、及び周辺の構築物に危害する可能性のある状況を効果的に防止し、従来の基礎補強工法による土の沈下や変形の危険性を根本的に軽減及び排除し、特に建物が密集した地域での施工に適している。
【0021】
気泡セメントミルクホースと主空気管形は、同軸二重管構造を形成し、高圧で噴射したセメントの周囲を高圧空気で包み込み、セメント噴射範囲を標準化し、基礎を規則的な形状に補強し、信頼性とコントロール性がいずれも向上する。
【0022】
軽量セメントミルクホースを使用する場合、軽質発泡セメントで補強し、セメントミルクと発泡剤はセメントミルクサイロ内でよく混合し、発泡剤がセメントミルク中で十分な時間発泡して、気泡が安定かつ均一な軽質発泡セメントミルクを形成し、軽質発泡セメントミルクの品質の安定性を保証する。
【0023】
4、本発明におけるリーマヘッドは、テーパー状であり、リーマヘッド上のリーマブレードは鋸歯状刃であり、切削しながら排土し、リーマヘッドは独立して電動装置に接続されるため、土の切削と搬送の効率を向上し、工期を短縮する。
【0024】
5、本発明には、排土通路を設け、土粒子とスライムを排土通路から排出し、砕土が集約装置内のその他の管路に衝突して損傷を生じることを防止するだけではなく、大量の土が集約装置に堆積して詰まりを引き起こすのを防止する。
【0025】
6、本発明における粉砕機は、粗粒土中の砂礫を粉末状に粉砕し、排土通路から排出される砂礫が排土通路に詰まることを避け、粉砕された砂礫は負圧が小さい場合でスクリューコンベア装置に圧送でき、砂礫を含む環境での施工に適し、資源消費を削減し、装置を保護する。
【0026】
7、本発明では、排出土量と注入気泡セメントの質量との間のバランスをとることができるように、質量測定器で測定し、補強領域内の地層自重応力の等価性と水圧・土圧のバランスを保証することで、補強領域地層の自重応力の等価性を確保し、補強後の局所的な密度増加による沈下を避け、施工周辺環境へのかく乱を軽減し、安全で信頼できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のスパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の側面図である。
図2図1のA-A線に沿った断面図である。
図3】スクリューコンベア装置の断面図である。
図4】注入管ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面及び実施例を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0029】
図1に示すように、本発明の実施例は、多孔管1と、スクリューコンベア装置2と、アウターケーシング3と、集約装置4と、リーマヘッド8と、圧力監視システムと、質量測定器と、コンソールとを備えたスパイラルリーマ吸引式軽量気泡ソイルセメントMJS装置を提供し、前記圧力監視システムは、圧力センサー6と、収集装置とを備え、前記多孔管、集約装置及びリーマヘッドは、上から下に連結され、前記多孔管の外側にアウターケーシングが取り付けられて掘削ロッド本体を形成し、
図2に示すように、前記多孔管1は、高圧セメントミルクホース1-1、予備管1-2、負圧空気管1-3、油圧管1-4、負圧水管1-5、主空気管1-6、空気枝管1-6-1、圧力センサー配線用管1-7、圧力水管1-8、予備空気管1-9及び電線管1-10を集約し、
前記アウターケーシング3の頂部に排泥口10が設けられ、前記排泥口10は廃液タンクに接続され、
図3に示すように、前記スクリューコンベア装置2は、軸式スクリューコンベアと、電動装置とを備え、多孔管1とアウターケーシング3との間に設けられ、スクリューコンベア装置2の入口は集約装置4に近い端に設けられ、出口は排泥口10に連通され、多孔管1の回転により噴射したセメントミルク注入による補強に影響しないように、前記スクリューコンベア装置2内の頂部に近い領域に電動装置が設けられ、軸式スクリューコンベアが単独で土を搬送できるようにし、
前記集約装置4の円筒壁の外側には、上から下に高圧水噴射口5、圧力センサー6及び高圧注入口7が設けられ、
前記リーマヘッド8は、リーマビット8-1とリーマリング8-2とからなり、前記リーマビット8-1とリーマリング8-2とは固結され、鋸歯状のリーマブレード8-1-1はリーマビット8-1に固結され、前記リーマヘッド8は、集約装置4の底部に位置し、集約装置4内の排泥通路を介して連通され、
前記集約装置4内の底部に近い領域には、掘削ロッド全体の回転による切土が周囲の土をかく乱させないように、リーマヘッドの別個回転を駆動して土を切削するためのモーター装置が設けられ、
前記集約装置4内には、排土通路も設けられ、前記排土通路のリーマヘッド8に近い箇所が入口となり、入口部に砕土粒子中の砂礫を粉砕するための粉砕機が設けられ、前記排土通路の出口は前記スクリューコンベア装置2に接続され、排土通路の出口部に砕土を排土通路からスクリューコンベア装置2に入らせ、高圧水切削後に生じた土-水の混合物、及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するための排泥圧力チャンバー用バルブが設けられ、
前記負圧空気管1-3、負圧水管1-5、予備空気管1-9は、いずれも集約装置4内に圧力制御弁を備えた管路を形成し、排土通路と連通した後排泥及び排土を補助し、
前記油圧管1-4は、集約装置4内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ排泥圧力チャンバー用バルブ及びモーター装置に接続され、
前記圧力水管1-8は、集約装置4内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ集約装置4の円筒壁の高圧水噴射口5及びリーマヘッド8頂部の圧力水吐水口に連通され、前記リーマヘッド8頂部の圧力水吐水口から圧力水を噴射し、リーマヘッド8が土を切削する際の抵抗を低減し、温度を下げると共に、土―水の混合物を排土通路から容易に排出される一方で、排土通路を経由して排出される地下水の量をバランスさせ、地下水位を現状の状態に維持し、地下水位の低下による地盤沈下を防止するために用いられることができ、
前記高圧注入口7は、対で配置され、各高圧注入口7には注入管ユニットが配設され、
前記注入管ユニットは、高圧セメントミルクホース1-1、主空気管1-6、空気枝管1-6-1及び圧力制御弁9から構成され、前記空気枝管1-6-1は、主空気管1-6が集約装置4内で分岐されたもので、圧力制御弁9を介して高圧セメントミルクホース1-1に連通され、前記圧力制御弁9は、空気枝管1-6-1から高圧セメントミルクホース1-1に吹き込む空気の圧力を制御するために用いられ、
図4に示すように、前記高圧セメントミルクホース1-1は、空気枝管1-6-1に連通され、空気を吹き込んだ後、高圧注入口7付近で主空気管1-6に挿入して、高圧注入口7に連通された同軸二重管構造を形成し、前記圧力制御弁9は、圧力センサー配線用管1-7内の導線を介してコンソールに接続され、水圧・土圧データに基づいて空気枝管1-6-1内の空気圧を調整し、空気を高圧セメントミルクホース1-1のセメントミルク中に入るよう制御し、補強領域の土中の気泡が均一に分布し、孔隙量が安定し、
前記圧力センサー6は、圧力センサー配線用管1-7内の導線を介して収集装置に接続されて、リアルタイムで収集された水圧・土圧データを収集装置に伝送し、前記収集装置は、コンソールに接続され、水圧・土圧の異常を監視した場合、前記コンソールは排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整して、排出される高圧セメントミルク及び高圧水を制御し、補強領域の水圧・土圧が一定に保たれ、
前記質量測定器は、廃液タンク内に設けられ、スクリューコンベア装置2により廃液タンクに圧送された土―水の混合物の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、コンソールにより補強領域に注入するセメントミルクの質量を調整・制御して、補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせる。
【0030】
前記スクリューコンベア装置2と前記多孔管1及び前記アウターケーシング3との間には一定の距離を有し、前記距離を設けるのは、スクリューコンベア装置2の運転時に多孔管1、アウターケーシング3との間に摩擦がなく、流出する砕土量が少なくさせ、前記スクリューコンベア装置2設置的傾斜角度需保證土粒與泥漿大部分可被運出、前記スクリューコンベア装置2の傾斜角度は、土粒子とスライムの大部分を搬出できるようにする必要があり、
さらに、前記複数の多孔管1は、ボルトで継ぎ足すことができ、前記高圧セメントミルクホース1-1の上端はセメントミルクサイロに接続され、前記高圧セメントミルクホース1-1のセメントミルク中に急結剤を添加し、空気枝管1-6-1から空気を吹き込んだ後、空気を素早く包み込んで閉じた気泡を形成でき、前記圧力水管1-8の上端は、圧力水槽に接続され、前記予備空気管1-9には、圧縮空気が入っており、管路が詰まった場合孔内の加圧・清掃のために用いることができ、前記主空気管1-6上端の上端は、圧縮空気機に接続され、前記負圧空気管1-3、負圧水管1-5、油圧管1-4、圧力水管1-8及び予備空気管1-9分岐管の圧力制御弁、圧力センサー6、圧力制御弁9は電線管1-10内の電源コードにより電力が供給され、いずれも圧力センサー配線用管1-7内の導線を介してコンソールに接続され、
前記集約装置4には、少なくとも一対の高圧注入口7が設けられ、前記空気枝管1-6-1の直径は、吹き込み対象となる高圧セメントミルクホース1-1内の空気流通量により決定し、高圧注入口7に連通された前記同軸二重管構造内の高圧セメントミルクホース1-1直径は、主空気管1-6より小さく、
さらに、前記モーター装置は、油圧管1-4の分岐管、電線管1-10内の電源コードに接続され、モーター装置の制御導線は圧力センサー配線用管1-7を通ってコンソールに接続される。
【0031】
さらに、記コンソールは、多孔管1、集約装置4、圧力監視システム及び質量測定器に接続され、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の削孔作業、高圧水による土切削作業、高圧セメントミルク注入による補強作業、排泥作業及び各圧力制御弁協調制御作業を制御する。
【0032】
さらに、前記集約装置4の最大直径は、前記アウターケーシング3の直径と同じであり、前記リーマヘッド8の最大外径は、アウターケーシング3、集約装置4の外径よりも大きくなければならない。
【0033】
別の態様において、本発明の実施例は、以下のステップを含む、気泡セメントミルクホースを使用する工法も提供する。
【0034】
ステップ1:補強対象領域内に地下水位、地盤沈下監視点を設けて、地下水位及び地盤沈下をリアルタイムで監視する位置決め・墨出し、
ステップ2:スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を接続した後、コンソールからスパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の掘削システムを起動して削孔作業を実施し、モーター装置は、リーマヘッド8を高速で回転させ、リーマビット8-1及びこの上のリーマブレードド8-1-1が土を切削すると同時に、粉砕機は圧送対象混合物中の砂礫を粉砕させ、切削後の土壌と圧力水吐水口から噴出された圧力水とが土-水の混合物を形成し、粉砕後の砂礫と一緒に排土通路、排泥圧力チャンバー用バルブ、スクリューコンベア装置を経由して排出し、地下水位変化の監視データに基づき圧力水を注入して地下水を涵養し、地下水位を現状の状態に維持し、
ステップ3:所定の深さまで削孔した後、モーター装置、圧力水吐水口、排泥圧力チャンバー用バルブを閉じ、削孔作業を停止し、
ステップ4:コンソールからスパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強システムを起動し:高圧水噴射口5から噴射された高圧水で土を切削した後、高圧注入口7から噴射された高圧セメントミルクを注入し補強し、掘削ロッドは、一定速度で回転して引き上げられ、高圧水噴射口5及び高圧注入口7が高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強作業をそれぞれ続行し、
高圧水で土を切削する過程中で、圧力センサー6は、水圧・土圧データを、収集装置を経由してコンソールに伝送し、コンソールを介して排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整し、排出される高圧セメントミルク及び高圧水を制御し、補強領域の水圧・土圧を一定に保たせ、
高圧セメントミルク注入過程中で、コンソールにより圧力制御弁9を制御し、空気枝管1-6-1内の圧縮空気を高圧セメントミルクホース1-1のセメントミルクに吹き込み、気泡が均一に分布する気泡セメントミルクを形成した後、高圧注入口7から噴射してセメントミルク注入による補強を実施し、質量測定器で土-水の混合物と砂礫の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、コンソールにより補強領域に注入するセメントミルクの質量を調整・制御して、補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせ、
ステップ5:土にセメントミルクを注入して補強した後、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置をオフにし、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置の各管路を切り離し、
ステップ6:補強対象領域の全てのセメントミルク注入による補強施工を完了するまで、上記ステップを繰り返し、
セメントミルクの質量を測定してセメントミルク注入による補強要件を満たすことを保証し、掘削ロッドは、頂部動力装置により回転して引き上げられ、回転引き上げ速度は排土通路が大量の土を含む排泥を排出し、注入された気泡ソイルセメントは補強領域の原位置土と置換できるようにし、補強施工前後の地層重力の等価性を満たすと共に補強領域の土の強度を向上させる。
【0035】
前記ステップ5において、空気枝管1-6-1から高圧セメントミルクホース1-1のセメントミルク中に吹き込む圧縮空気は、セメントミルク注入による補強深さに応じてリアルタイムで調整し、異なる深さの補強土中の気泡が均一に分布し、孔隙量が安定するようにし、補強領域に注入するセメントミルクの質量は、排土通路から排出される自然土の質量と同じであり、前記ステップ6において、仕様書に定める方法でセメントミルク注入による補強土の質量を測定する。
【実施例2】
【0036】
軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置であって、多孔管1と、スクリューコンベア装置2と、アウターケーシング3と、集約装置4と、リーマヘッド8と、圧力監視システムと、質量測定器と、コンソールとを備え、前記圧力監視システムは、圧力センサー6と、収集装置とを備え、
前記多孔管1は、高圧セメントミルクホース1-1、予備管1-2、負圧空気管1-3、油圧管1-4、負圧水管1-5、主空気管1-6、圧力センサー配線用管1-7、圧力水管1-8、予備空気管1-9及び電線管1-10を集約し、
前記スクリューコンベア装置2は、軸式スクリューコンベアと、電動装置とを備え、多孔管1とアウターケーシング3との間に設けられ、スクリューコンベア装置2の入口は排泥圧力チャンバー用バルブに連通され、出口は排泥口10に連通され、多孔管1の回転により噴射したセメントミルク注入による補強に影響しないように、前記スクリューコンベア装置2内の頂部領域に電動装置が設けられ、軸式スクリューコンベアが単独で土を搬送できるようにし、
前記排泥口10は、アウターケーシング3の頂部に設けられ、外部の廃液タンクに接続され、
前記集約装置4の円筒壁の外側には、上から下に高圧水噴射口5、圧力センサー6及び高圧注入口7が設けられ、
前記リーマヘッド8は、リーマビット8-1とリーマリング8-2とからなり、前記リーマビット8-1とリーマリング8-2とは固結され、鋸歯状のリーマブレード8-1-1はリーマビット8-1に固結され、前記リーマヘッド8は、集約装置4の底部に位置し、集約装置4内の排泥通路を介して連通され、
前記集約装置4内の底部に近い領域にリーマヘッド8とは別に接続されて、掘削ロッド全体の回転による切土が周囲の土をかく乱させないよう、リーマヘッドのみを回転駆動して土を切削するためモーター装置が設けられ、
前記集約装置4内には、排土通路も設けられ、前記排土通路のリーマヘッド8に近い箇所に砕土粒子中の砂礫を粉砕するための粉砕機が設けられ、前記排土通路の出口は前記スクリューコンベア装置2に接続され、排土通路の出口部に砕土を排土通路からスクリューコンベア装置2に入いる速度を制御するための排泥圧力チャンバー用バルブが設けられ、
前記負圧空気管1-3、負圧水管1-5、予備空気管1-9は、いずれも集約装置4内に圧力制御弁が設けられ、排土通路と連通した後排泥及び排土を補助し、
前記油圧管1-4は、集約装置4内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、それぞれ排泥圧力チャンバー用バルブ及びモーター装置に接続され、
前記圧力水管1-8は、集約装置4内に圧力制御弁を備えた2つの分岐管を形成し、集約装置4の円筒壁の高圧水噴射口5及びリーマヘッド8頂部の圧力水吐水口に連通され、前記リーマヘッド8頂部の圧力水吐水口から圧力水を噴射し、リーマヘッド8が土を切削する際の抵抗を低減し、温度を下げる一方で、排土通路を経由して排出される地下水の量をバランスさせ、地下水位を現状の状態に維持し、地下水位の低下による地盤沈下を防止するために用いられることができ、
前記高圧水噴射口5から噴出された高圧水で土を切削し、前記排泥口は、高圧水切削後に生じた土-水の混合物及び高圧注入後の余剰のセメントミルクを排出するために用いられ、前記高圧注入口7から注入された高圧セメントミルクで土を切削し、補強し、
前記圧力センサー6は、圧力センサー配線用管1-7内の導線を介して収集装置に接続されて、リアルタイムで収集された水圧・土圧データを収集装置に伝送し、前記収集装置は、コンソールに接続され、水圧・土圧の異常を監視した場合、前記コンソールは排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整して、排出される高圧セメントミルク及び高圧水を制御し、補強領域の水圧・土圧が一定に保たれ、
前記質量測定器は、廃液タンク内に設けられ、スクリューコンベア装置2により廃液タンクに圧送された土―水の混合物の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、コンソールにより補強領域に注入するセメントミルクの質量を調整・制御して、補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせる。
【0037】
前記スクリューコンベア装置2内に多孔管1の回転速度が速すぎて軸式スクリューコンベア上の砕石又は土―水の混合物を遠心分離で飛散し、アウターケーシング3に衝突して損傷を与えないように、軸式スクリューコンベアを別国に作動させるための電動装置が設けられ、
前記複数の多孔管1は、ボルトで継ぎ足すことができ、前記高圧セメントミルクホース1-1の上端はセメントミルクサイロに接続され、前記予備空気管1-9には、圧縮空気が入っており、管路が詰まった場合孔内の加圧・清掃のために用いることができ、前記圧力水管1-8の上端は、圧力水槽に接続され、前記主空気管1-6上端の上端は、圧縮空気機に接続され、前記前記予備管1-2、負圧空気管1-3、負圧水管1-5、油圧管1-4、圧力水管1-8及び予備空気管1-9分岐管の圧力制御弁、圧力センサー6は電線管1-10内の電源コードにより電力が供給され、いずれも圧力センサー配線用管1-7内の導線を介してコンソールに接続され、
【0038】
前記発泡剤は第1種発泡剤と第2種発泡剤に分かれ、前記第1種発泡剤は、界面活性類の発泡剤であり、発泡剤で発泡して生成される気泡は、次の要件を満たすこと:
気泡は均一かつ微細で、気泡密度は48kg/m~52kg/mであり、
標準的な気泡柱の1時間での沈降高さは、6mm以下であり、
標準的な気泡柱の1時間でのブリーディング水量は、20ml以下であり、
消泡試験に確認される湿潤かさ密度の増加率は、10%を超えないこと(非特許文献1より抜粋)。界面活性類発泡剤メーカーから入手し、前記第2種発泡剤はアルミニウム粉末、鉄粉末、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム粉末及び少量の空気連行剤を9:9:1:1の比率の混合からなり、前記発泡剤はセメントミルク内に閉じた気泡を生成するために用いられ、前記空気連行剤は、気泡の数を増やし、気泡を均一にさせ、前記第2種発泡剤も室内試験と現場試験に従い配合比を調整してより多くの工事シナリオに適応させることができる。
【0039】
セメントミルクサイロに添加する前記発泡剤の量は、圧力センサー6で収集した水圧・土圧データに基づきリアルタイムに調整し、軽質ソイルセメントの体積が排出される土-水の混合物の体積と同一になるようにし、
前記コンソールは、多孔管1、集約装置4、圧力監視システム及び質量測定器に接続され、軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の削孔作業、高圧水による土切削作業、高圧セメントミルク注入による補強作業、排泥作業及び各圧力制御弁協調制御作業を制御する。
【0040】
前記集約装置4の最大直径は、前記アウターケーシング3の直径と同じであり、前記リーマヘッド8の最大外径は、アウターケーシング3、集約装置4の外径よりも大きくなければならず、
前記モーター装置は、油圧管1-4の分岐管、電線管1-10内の電源コードに接続され、モーター装置の制御導線は圧力センサー配線用管1-7を通ってコンソールに接続される。
【0041】
別の態様において、本発明の実施例は、以下のステップを含む、軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の工法も提供する。
【0042】
S1:補強対象領域内に地下水位、地盤沈下監視点を設けて、地下水位及び地盤沈下をリアルタイムで監視する位置決め・墨出し、
S2:軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の各管路を接続した後、コンソールから軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の掘削システムを起動して削孔作業を実施し、モーター装置は、リーマヘッド8を高速で回転させ、リーマビット8-1及びこの上のリーマブレードド8-1-1が土を切削すると同時に、粉砕機は圧送対象混合物中の砂礫を粉砕させ、切削後の土壌と圧力水吐水口から噴出された圧力水とが土-水の混合物を形成し、砂礫と一緒に排土通路、排泥圧力チャンバー用バルブを経由して、スクリューコンベア装置に入り、排泥口10を経由して廃液タンクに排出し、地下水位変化の監視データに基づき圧力水吐水口から圧力水を注入して地下水を涵養し、地下水位を現状の状態に維持し、
S3:所定の深さまで削孔した後、モーター装置、圧力水吐水口、排泥圧力チャンバー用バルブを閉じ、削孔作業を停止し、
S4:コンソールから軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強システムを起動し:高圧水噴射口5から噴射された高圧水で土を切削した後、高圧注入口7から噴射された高圧セメントミルクを注入し補強し、同時に掘削ロッドは、一定速度で回転して引き上げられ、高圧水噴射口5及び高圧注入口7が高圧水による土切削及び高圧セメントミルク注入による補強作業をそれぞれ続行し、
高圧水で土を切削する過程中で、圧力センサー6は、水圧・土圧データを、収集装置を経由してコンソールに伝送し、コンソールを介して排泥圧力チャンバー用バルブの開度を調整し、排出される高圧セメントミルク及び高圧水の量を制御し、補強領域の水圧・土圧を一定に保たせ、
S5:質量測定器で土-水の混合物の質量を測定し、測定データをコンソールに伝送し、コンソールにより補強領域に注入する軽質気泡セメントミルクの質量を調整・制御して、補強領域の施工前後の地層の自重応力を等価にさせ、
S6:土にセメントミルクを注入して補強した後、スパイラルリーマ吸引式気泡ソイルセメントMJS装置をオフにし、軽質ソイルセメント補強に用いられるスパイラルリーマ吸引式MJS装置の各管路を切り離し、
掘削ロッドを引き戻す過程中で、砂礫が排土通路内の粉砕機で完全に粉砕され、スクリューコンベア装置2を詰まらないように引き戻す速度を制御し、
セメントミルクの質量を測定してセメントミルク注入による補強要件を満たすことを保証し、掘削ロッドは、頂部動力装置により回転して引き上げられ、回転引き上げ速度は排土通路が大量の土を含む排泥を排出し、注入された軽質気泡ソイルセメントは補強領域の原位置土と置換できるようにし、補強施工前後の地層重力の等価性を満たすと共に補強領域の土の強度を向上させる。
【0043】
以上は、具体的実施例を参照しつつ本発明の技術原理を説明した。これらの描写は、本発明の原理を解釈するためだけのものであり、本発明の保護範囲に限定されるとして解釈されない。ここでの解釈に基づいて、当業者は創造性の活動をしない前提で想到した本発明その他の具体的実施形態は、いずれも本発明の保護範囲内に収まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 排泥口
1 多孔管
1-1 高圧セメントミルクホース
1-2 予備管
1-3 負圧空気管
1-4 油圧管
1-5 負圧水管
1-6 主空気管
1-6-1 空気枝管
1-7 圧力センサー配線用管
1-8 圧力水管
1-9 予備空気管
1-10 電線管
2 スクリューコンベア装置
3 アウターケーシング
4 集約装置
5 高圧水噴射口
6 圧力センサー
7 高圧注入口
8 リーマヘッド
8-1 リーマビット
8-1-1 リーマブレード
8-2 リーマリング
9 圧力制御弁

図1
図2
図3
図4