(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法
(51)【国際特許分類】
B63H 23/36 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
B63H23/36
(21)【出願番号】P 2024100502
(22)【出願日】2024-06-21
【審査請求日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】202311238103.7
(32)【優先日】2023-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517141650
【氏名又は名称】哈爾浜工程大学
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】ピン・ヂァオ
(72)【発明者】
【氏名】シァン・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ワンイウ・リー
(72)【発明者】
【氏名】シーチュン・ルゥー
(72)【発明者】
【氏名】シュアン・マー
(72)【発明者】
【氏名】シウヂィアン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ヂィーヂュン・シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン・グオ
(72)【発明者】
【氏名】ドンフア・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ハンヂァン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】ホンリィアン・リー
(72)【発明者】
【氏名】リエイー・ドン
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113048150(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115169016(CN,A)
【文献】米国特許第6394654(US,B1)
【文献】特開2009-161003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 23/00 ー 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、以下を含み、
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得、
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記の前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、
前記船尾軸受の水膜圧力が収束している場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求め、
前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、前記の分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、
前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力し、ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含み、
ここで、前記の前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得ることは、以下を含み、
前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて、前記船尾軸受の第1水膜厚を計算し、
前記第1水膜厚に基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力を計算し、
前記第1水膜厚と前記水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受における微小突起の接触力を計算し、
前記第1水膜厚、前記水膜圧力及び前記微小突起の接触力の少なくとも一項を前記潤滑支持分析結果とし、
前記磁力支持分析結果は、前記船尾軸受の磁気吸引力を含み、前記の前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行って構造変形量を得ることは以下を含み、
前記水膜圧力、前記微小突起の接触力及び前記磁気吸引力に基づいて、前記船尾軸受のたわみ変形量を計算し、
前記水膜圧力と前記微小突起の接触力に基づいて、前記船尾軸受のシェルベアリングの弾性変形量を計算し、
前記たわみ変形量及び前記シェルベアリングの弾性変形量の少なくとも一項を前記構造変形量とする、ことを特徴とする前記磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【請求項2】
前記方法はさらに以下を含み、
前記船尾軸受の水膜圧力が収束していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸傾斜量及び前記構造変形量に基づいて更新後の水膜厚を計算し、更新後の水膜厚を前記第1水膜厚とし、前記の前記第1水膜厚に基づいて前記船尾軸受の水膜圧力を計算するステップに戻る、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【請求項3】
前記方法はさらに以下を含み、
前記荷重力と前記入力荷重との間のバランスが取れていない状況下で、第1パラメータを調整して前記船尾軸の傾斜量を調整することにより、前記の前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて前記船尾軸受の第1水膜厚を計算するステップに戻る、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【請求項4】
前記方法はさらに以下を含み、
前記タイマーが前記第1時間に到達していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸の傾斜量、前記構造変形量及び前記軸受摩耗量に基づいて、前記第1水膜厚を更新する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【請求項5】
前記構造変形量は、たわみ変形量とシェルベアリング弾性変形量とを含み、前記の前記幾何マージン、前記船尾軸の傾斜量、前記構造変形量及び前記軸受摩耗量に基づいて、前記第1水膜厚を更新することは、以下を含み、
前記幾何マージンと前記船尾軸の傾斜量に基づき、次式(1)を用いて前記船尾軸受のジャーナル傾斜を考慮した第1膜厚h
1を計算し、
【数45】
ここで、cは隙間の半径、c=R-r、Rは軸受の半径、rはジャーナルの半径、e
x
0はジャーナルの中間断面のx方向の偏心距離、e
y
0はジャーナルの中間断面のy方向の偏心距離、zは軸方向座標、α
xはx方向のジャーナル傾斜角、α
yはy方向のジャーナル傾斜角、θは周方向角度座標であり、
前記たわみ変形量に基づいて、前記船尾軸受の荷重変形時の断面当たりの水膜厚の変化量h
iθを計算し、
前記第1膜厚h
1、前記水膜厚変化量h
iθ、前記シェルベアリング弾性変形量δ
E及び前記軸受摩耗量h
wに基づいて、更新後の第1水膜厚を計算する、ことを特徴とする請求項4に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【請求項6】
前記第1膜厚h
1、前記水膜厚変化量h
iθ、前記シェルベアリング弾性変形量δ
E及び前記軸受摩耗量h
wに基づいて、更新後の第1水膜厚を計算し、以下を含み、
前記第1膜厚h
1、前記水膜圧力変化量h
iθ、前記シェルベアリング弾性変形量δ
E及び前記軸受摩耗量h
wに基づき、次式(2)を用いて更新後の第1水膜厚hを計算する、ことを特徴とする請求項5に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法。
【数46】
【請求項7】
磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置であって、以下を含み、
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行って磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行って潤滑支持分析結果を得る磁気-流体分析モジュールと、
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得る構造変形分析モジュールと、
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得る取得モジュールと、
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているか否かを判断するための第1判断モジュールと、
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果とに基づいて前記船尾軸受の荷重力を求めるため第2判断モジュールと、
前記荷重力と予め設定された入力荷重との間はバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算する計算モジュールと、
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する処理モジュールとを含み、ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力と前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含み、
ここで、前記磁気-流体分析モジュールは以下の場合に用いられ、
前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸傾斜量に基づいて、前記船尾軸受の第1水膜厚を計算し、
前記第1水膜厚に基づいて前記船尾軸受の水膜圧力を計算し、
前記第1水膜厚と前記水膜圧力に基づいて前記船尾軸受における微小突起の接触力を計算し、
前記第1水膜厚、前記水膜圧力と前記微小突起の接触力の少なくとも一項を前記潤滑支持分析結果とし、
前記磁力支持分析結果は前記船尾軸受の磁気吸引力を含み、前記構造変形分析モジュールは具体的には以下の場合に用いられ、
前記水膜圧力、前記微小突起の接触力及び前記磁気吸引力に基づいて前記船尾軸受のたわみ変形量を計算し、
前記水膜圧力と前記微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受のシェルベアリングの弾性変形量を計算し、
前記たわみ変形量及び前記シェルベアリングの弾性変形量の少なくとも一項を前記構造変形量とする、ことを特徴とする磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置。
【請求項8】
電子設備であって、メモリと、プロセッサとメモリ上に記憶されて前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは前記プログラムを実行する際に請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実現する、ことを特徴とする前記電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は船尾軸受技術分野に関し、特に磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
艦船船尾軸は推進軸系の重要な一部であり、水潤滑式船尾軸受は船尾軸の支持部材として、その潤滑支持性能は、船尾軸が正常に運転し続けることができるかどうかを決定する鍵である。水潤滑式船尾軸受は通常、低速重負荷状態で運転し、摩擦対の界面に深刻な摩擦や摩耗が発生しやすく、さらに水膜隙間の増加を招き、船尾軸受の潤滑支持性能を低下させる。水潤滑式船尾軸受は舷外の海(河)水を潤滑媒体として使い、舷外水には多くの土砂などの固形不純物があるので、通常、比較的柔らかい船尾軸受ライナー材を使用して密封性と固体粒子への吸着能力を強化しているが、比較的柔らかい材料は作業時に大きな変形が発生し、船尾軸受の潤滑水膜の形成に不利である。また、艦船の船尾軸の末端にプロペラを接続すると、プロペラの重力により船尾軸のたわみ変形が起こり、たわみ変形変位により船尾軸受の潤滑状態が悪化し、荷重力が変化する。
【0003】
現在、磁気-流体複合支持は、船尾軸受の潤滑性能と摩耗性を改善する実行可能な方法であり、船尾軸受によく発生するエッジ摩耗現象をある程度改善することができる。
【0004】
しかし、現在、磁気-流体複合支持に対する潤滑分析方法がないので、磁気-流体複合支持の船尾軸受の潤滑性を効果的に評価することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術において磁気-流体複合支持の船尾軸受潤滑性を効果的に評価することが困難であるという課題を解決するための磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を提供し、以下を含み、
【0007】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得、
【0008】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、
【0009】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記の前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、
【0010】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、
【0011】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束している場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求め、
【0012】
前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、
【0013】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、前記の分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、
【0014】
前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力し、ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0015】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記の前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得ることは以下を含み、
【0016】
前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて、前記船尾軸受の第1水膜厚を計算し、
【0017】
前記第1水膜厚に基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力を計算し、
【0018】
前記第1水膜厚と前記水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受における微小突起の接触力を計算し、
【0019】
前記第1水膜厚、前記水膜圧力及び前記微小突起の接触力の少なくとも一項を前記潤滑支持分析結果とする。
【0020】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記磁力支持分析結果は前記船尾軸受の磁気吸引力を含み、前記の前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得ることは以下を含み、
【0021】
前記水膜圧力、前記微小突起の接触力及び前記磁気吸引力に基づいて、前記船尾軸受のたわみ変形量を計算し、
【0022】
前記水膜圧力と前記微小突起の接触力に基づいて、前記船尾軸受のシェルベアリングの弾性変形量を計算し、
【0023】
前記たわみ変形量及び前記シェルベアリングの弾性変形量の少なくとも一項を前記構造変形量とする。
【0024】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記方法はさらに以下を含み、
【0025】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束していない場合、前記幾何学マージン、前記船尾軸傾斜量及び前記構造変形量に基づいて更新後の水膜厚を計算し、更新後の水膜厚を前記第1水膜厚とし、前記の前記第1水膜厚に基づいて前記船尾軸受の水膜圧力を計算するステップに戻る。
【0026】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記方法はさらに以下を含み、
【0027】
前記荷重力と前記入力荷重との間のバランスがとれていない状況下で、第1パラメータを調整して前記船尾軸の傾斜量を調整することにより、前記の前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて前記船尾軸受の第1水膜厚を計算するステップに戻る。
【0028】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記方法はさらに以下を含み、
【0029】
前記タイマーが前記第1時間に到達していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸の傾斜量、前記構造変形量及び前記軸受摩耗量に基づいて、前記第1水膜厚を更新する。
【0030】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記構造変形量はたわみ変形量とシェルベアリング弾性変形量とを含み、前記幾何マージン、前記船尾軸の傾斜量、前記構造変形量と前記軸受摩耗量に基づいて、前記第1水膜厚を更新し、以下を含み、
【0031】
前記幾何マージンと前記船尾軸の傾斜量に基づき、式(1)を用いて前記船尾軸受のジャーナル傾斜を考慮した第1膜厚h1を計算し、
【0032】
【0033】
ここで、cは隙間の半径、c=R-r、Rは軸受の半径、rはジャーナルの半径、ex
0はジャーナルの中間断面のx方向の偏心距離、ey
0はジャーナルの中間断面のy方向の偏心距離、zは軸方向座標、αxはx方向のジャーナル傾斜角、αyはy方向のジャーナル傾斜角、θは周方向角度座標である。
【0034】
前記たわみ変形量に基づいて、前記船尾軸受の荷重変形時の断面当たりの水膜厚の変化量hiθを計算し、
【0035】
前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリング弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づいて、更新後の第1水膜厚を計算する。
【0036】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法であって、前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリング弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づいて、更新後の第1水膜厚を計算し、以下を含み、
【0037】
前記第1膜厚h1、前記水膜圧力変化量hiθ、前記シェルベアリング弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づき、式(2)を用いて更新後の第1水膜厚hを計算し、
【0038】
【0039】
本発明はまた、磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置を提供し、
【0040】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行って磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行って潤滑支持分析結果を得る磁気-流体分析モジュールと、
【0041】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得る構造変形分析モジュールと、
【0042】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得る取得モジュールと、
【0043】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているか否かを判断するための第1判断モジュールと、
【0044】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果とに基づいて前記船尾軸受の荷重力を求めるため第2判断モジュールと、
【0045】
前記荷重力と予め設定された入力荷重との間はバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算する計算モジュールと、
【0046】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する処理モジュールとを含む。ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力と前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0047】
本発明はまた、電子装置を提供し、メモリと、プロセッサとメモリ上に記憶されてプロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは前記プログラムを実行する際に上記のいずれか一項に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実現する。
【0048】
本発明はまた、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供し、その中にコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサによってこのコンピュータプログラムを実行する際に上記のいずれか一項に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実現する。
【0049】
本発明はまた、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラムを含み、プロセッサによって前記コンピュータプログラムを実行する際に上記のいずれか一項に記載の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実現する。
【発明の効果】
【0050】
本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法では、予め設定された第1時間内に船尾軸受潤滑に対して潤滑分析を行うためにタイマーを起動することができ、現在の時間ステップ(第1時間)の計算が完了する時、摩耗関連のパラメータを更新し、具体的な潤滑分析において、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を行い、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果を得、そして、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて、船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、構造変形量に基づいて潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて潤滑と界面特性分析を繰り返し、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、第1水膜圧力と第2水膜圧力を比較して船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、収束されている場合、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて船尾軸受の荷重力を求め、さらに荷重力と入力荷重とのバランスを判断する。バランスがとれている場合、潤滑支持分析結果における微小突起の接触力(界面特性)に基づいて船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、このとき、タイマーが第1時間に到達していない場合、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、タイマーが第1時間に到達してから目標結果を出力し、目標結果は上記潤滑分析過程における各中間値又は結果値であってもよい。本発明の実施例は目標結果を利用して磁気-流体複合支持の船尾軸受の潤滑性などを効果的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明又は先行技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に、実施例又は先行技術の説明において使用する図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形例であり、当業者では、創造的な作業なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法の流れ
図1である。
【
図2】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の概略
図1である。
【
図3】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の概略
図2である。
【
図4】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の断面概略図である。
【
図5】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石と船尾軸受と間の構造概略図である。
【
図6】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石領域及び磁極配列の概略図である。
【
図7】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石を3つの領域に分割した時の概略図である。
【
図8】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における微小要素と船尾軸受との関係を示す概略図である。
【
図9】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法の流れ
図2である。
【
図10】本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置の構造概略図である。
【
図11】本発明が提供する電子装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明における図面を併せて、本発明の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、ここで説明される実施例は全部の実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者は創造的な作業なしに得られたすべてのその他の実施例は、本発明の保護対象とする。
【0053】
以下、図面を併せて本発明の磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を説明する。
【0054】
図1は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析の流れ図の1つであり、
図1に示すように、この方法はステップ101~ステップ107とを含み、そのうち、
【0055】
ステップ101、タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得る。
【0056】
手順102、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得る。
【0057】
手順103、前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得る。
【0058】
手順104、前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断する。
【0059】
手順105、前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求める。
【0060】
手順106、前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算する。
【0061】
手順107、前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する。ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0062】
関連技術では、現在、磁気-流体複合支持に対する潤滑分析方法がないので、磁気-流体複合支持の船尾軸受潤滑度を効果的に評価することが困難である。
【0063】
本発明の実施例が提供する方法は、磁気支持と流体支持の結合作用を考慮した水潤滑式船尾軸受潤滑分析方法である。磁気支持と流体支持の両方もその支持特性(荷重力変化)を通じてジャーナルと軸受間の相互作用に影響を与え、さらに異なる潤滑性能を実現する。従って、本発明の実施例はある磁気-流体複合支持船尾軸受の構造に基づいて、磁気支持導入後の磁気-流体結合作用下の船尾軸受の潤滑状態と船尾軸受表面の摩耗特性をより精密に分析することができる。
【0064】
具体的には、タイマーを起動し、予め設定された第1時間内で船尾軸受の潤滑に対して潤滑分析を行い、現在の時間ステップ(第1時間)の計算が完了する時、摩耗関連のパラメータを更新することができる。
【0065】
具体的な潤滑分析において、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を行い、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果を得、そして、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて、船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、さらに構造変形量に基づいて潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて潤滑と界面特性分析を繰り返し、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、第1水膜圧力と第2水膜圧力を比較して船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、収束されている場合、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて船尾軸受の荷重力を求め、さらに荷重力と入力荷重とのバランスを判断することができる。バランスがとれている場合、潤滑支持分析結果における微小突起の接触力(界面特性)に基づいて船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、このとき、タイマーが第1時間に到達していない場合、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、タイマーが第1時間に到達してから目標結果を出力し、目標結果は上記潤滑分析過程における各中間値又は結果値であってもよい。
【0066】
ここで、タイマーが第1時間に到達していない場合、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻る場合、前回で得られた中間値又は結果値は、次回の磁力支持特性分析又は潤滑と界面特性分析に影響を与える可能性があると説明されたい。
【0067】
例えば、前回で計算された軸受摩耗量は、次回の分析を実行する際に、潤滑と界面特性分析による潤滑支持分析結果に影響を与える可能性がある。これは、潤滑と界面特性分析における水膜厚を決定するときに軸受摩耗量を考慮しているので、さらに潤滑と界面特性分析過程全体に影響を与え、最終的に潤滑支持分析結果に影響を与える原因である。
【0068】
目標結果については、潤滑分析過程における変化を反映するために、出力前の最終回の結果量を目標結果とするか、その前の1回または複数回の対応中間値を目標結果とすることができる。
【0069】
本発明の実施例が提供する磁気-流体複合支持結合の船尾軸受潤滑分析方法では、予め設定された第1時間内に船尾軸受潤滑に対して潤滑分析を行うためにタイマーを起動することができ、現在の時間ステップ(第1時間)の計算が完了する時、摩耗関連のパラメータを更新し、具体的な潤滑分析において、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を行い、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果を得、そして、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて、船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、構造変形量に基づいて潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて潤滑と界面特性分析を繰り返し、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、第1水膜圧力と第2水膜圧力を比較して船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、収束されている場合、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて船尾軸受の荷重力を求め、さらに荷重力と入力荷重とのバランスを判断する。バランスがとれている場合、潤滑支持分析結果における微小突起の接触力(界面特性)に基づいて船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、この場合、タイマーが第1時間に到達していない場合、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、タイマーが第1時間に到達してから目標結果を出力し、目標結果は上記潤滑分析過程における各中間値又は結果値であり、本発明の実施例は目標結果を利用して磁気-流体複合支持の船尾軸受の潤滑度などを効果的に評価することができる。
【0070】
なお、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得る実現方法は以下を含み、
【0071】
前記船尾軸受の幾何的隙間と船尾軸の傾斜量に基づいて、前記船尾軸受の第1水膜厚を計算し、
【0072】
前記第1水膜厚に基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力を計算し、
【0073】
前記第1水膜厚と前記水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受における微小突起の接触力を計算し、
【0074】
前記第1水膜厚、前記水膜圧力及び前記微小突起の接触力の少なくとも一項を前記潤滑支持分析結果とする。
【0075】
具体的には、船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて、船尾軸受の第1水膜厚を計算し、具体的には以下のように導出することができる:
【0076】
図2から
図4に示すように、
図2は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の概略
図1であり、
図3は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の概略
図2であり、
図4は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における船尾軸受のある動作状態下の断面概略図である。
【0077】
図2及び
図3は、ある動作状態の滑り軸受であり、ここで、空間傾斜角はα
xとα
yでそれぞれx方向とy方向の傾斜角を表す。
図4は滑り軸受のある断面であり、R、rはそれぞれ軸受の半径とジャーナルの半径を表し、半径隙間c=R-r。e、φはそれぞれジャーナルの偏心距離と偏心角を表し、偏心距離をx方向とy方向に分解するとe
x、e
yは偏心距離の水平と垂直の成分を表し、次式を満たす。h’が周方向座標θの水膜厚、ω
jは船尾軸の正常回転数であり、通常変化しないと考えられる。
【0078】
【0079】
幾何学的関係から、ジャーナルの傾斜を考慮しない膜厚計算式を導出することができる:
【0080】
【0081】
ここで、εは偏心率であり、ε=e/c。
【0082】
ジャーナルの傾斜を考慮して、各断面x方向とy方向の偏心距離は、以下の式で求められる:
【0083】
【0084】
ここで、ex
0、ey
0はそれぞれジャーナルの中間断面のx、y方向の偏心距離、αx、αyはそれぞれ、z>0の断面上ex、eyが増大するx方向、y方向のジャーナル傾斜角である。
【0085】
これにより、ジャーナル傾斜を考慮しない場合、水膜厚h′は2方向偏心距離ex、eyのみと関連する。ジャーナル傾斜を考慮する場合は、x方向、y方向のジャーナル傾斜を導入する必要があるので、水膜厚h’は中断面偏心距離ex
0、ey
0とジャーナル傾斜角αx、αyの関数であり、すなわち:
【0086】
【0087】
なお、前記磁力支持分析結果は前記船尾軸受の磁気吸引力を含み、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づき、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行って構造変形量を得る実現方法は以下を含み、
【0088】
前記水膜圧力、前記微小突起の接触力及び前記磁気吸引力に基づいて、前記船尾軸受のたわみ変形量を計算し、
【0089】
前記水膜圧力と前記微小突起の接触力に基づいて、前記船尾軸受のシェルベアリングの弾性変形量を計算し、
【0090】
前記たわみ変形量及び前記シェルベアリングの弾性変形量の少なくとも一項を前記構造変形量とする。
【0091】
具体的には、(一)まず磁力支持特性分析について以下に説明する。
【0092】
1)構造モデル及び磁場分析。
【0093】
図5は、本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石と船尾軸受と間の構造概略図である。
図5に示すように、図に示す永久磁石領域は、halbach永久磁石アレイであり、その作用は磁石側(図のYの負方向に近い側)の磁場を強化する一方で、他方側(図のYの正方向に近い側)をほぼゼロに弱くすることである。永久磁石ブロックは径方向の磁化と軸方向の磁化が交互に配置される形式を採用し、
図6に示すように、
図6は、本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石領域及び磁極配列の概略図である。
【0094】
永久磁石アレイの軸に対する磁気吸引力を求めるためには、磁場分析において永久磁石アレイとジャーナルとの間の隙間領域の磁束密度分布を得る必要がある。Halbach永久磁石アレイの特性に基づき、端部効果及び銅ジャケットとヨークなどの他の構造による磁場への影響を無視して、分析領域を3つの部分に分割することができる。
図7は、本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における永久磁石領域を3つの領域に分割した時の概略図であり、
図7に示すように、近似的には、領域IとIIIの相対透磁率μ
r=1、領域IIはhalbach永久磁気アレイと考えられる。領域IIIにおける磁束密度分布は、以下の式により求めることができる。
【0095】
【0096】
ここで、μ0=真空透磁率、λ=kω、kは高調波数、ωはアレイ構造に関連する係数であり、ω=2π/1、1はhalbachアレイモジュールの軸方向の長さKIIIであり、以下の式により計算する。
【0097】
【0098】
ここで、次式であり、y1とy2は媒体境界におけるy方向座標である。
【0099】
【0100】
なお、領域IIIにおける磁束密度を求める際には、工程上のニーズを満たすために精度要件を満たす和を求める高調波数を設定すればよいことを説明する必要がある。
【0101】
2)磁気吸引力計算モデル。
【0102】
磁場における強磁性材料の受力は、通常、マクスウェル応力テンソル法または仮想仕事原理法を用いて計算される。回転軸に対するhalbachアレイの磁気吸引力は、axwell応力テンソル(Stress tensor)法を用いて求める。
【0103】
端部効果がなく、磁気漏れがなく、回転軸表面の永久磁石アレイで覆われていない領域の磁気誘導強度は0であると仮定する(被覆領域は以下のように示す)。
【0104】
まず、ジャーナル表面の微小要素が受けている磁気吸引力を計算し、
図8は、本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法における微小要素と船尾軸受との関係を示す概略図であり、
図8に示すように、halbachアレイと回転軸との隙間には、長さ、幅、高さの微小要素を考慮し、幅方向は示されておらず、微小要素上面は回転軸外面外側に隣接し、下面は回転軸内面外側に密接する。応力テンソル法によると、発散定理を用いて体積分を面積分に変換し、磁場が微小要素に作用する力は次のように表すことができる。
【0105】
【0106】
ここで、Bnは領域IIIにおける磁束密度の表面Sに垂直な成分であり、上式はさらに次のように書くことができる。
【0107】
【0108】
上記のように、halbach永久磁石アレイのジャーナルに対する磁気吸引力(y方向)が得られる:
【0109】
【0110】
ここで、φ′及びZは、永久磁石で覆われるジャーナル領域の座標範囲を示す。
【0111】
(二)微小突起の接触力について、具体的には以下のように分析する。
【0112】
本発明の実施例はG-T接触モデルを用い、その式は以下の通りであり、
【0113】
【0114】
ここで、Eは総合弾性率であり、両接触面の弾性率E1とE2およびポアソン比ν1とν2によって得ることができ、具体的には次の式により求めることができる。
【0115】
【0116】
F(H)は分布関数であり、次の式により求めることができる。
【0117】
【0118】
Kは弾性係数であり、以下の式により求めることができる。
【0119】
【0120】
ここで、φは微小突起の密度、βは微小突起の粗さピーク曲率半径を表す。
【0121】
(三)船尾軸のたわみについて、具体的には以下のように分析する。
【0122】
プロペラの重力、流体圧力及び接触圧力の共同作用の下で、船尾軸受はたわみを生じ、船尾軸のたわみ曲線の近似微分方程式は次式である。
【0123】
【0124】
ここで、Eは軸の弾性率、Iは図心軸の慣性モーメントであり、円形断面I=D4π/64において、Dは軸の直径であり、積分により得られるたわみ曲線方程式は、次式となる。
【0125】
【0126】
ここで、C、Dは定数であり、境界条件によって決定される。
【0127】
荷重状況と境界条件に応じて、集中力を受ける軸のたわみ曲線方程式は、次2式となる。
【0128】
【0129】
【0130】
ここで、aは集中力の作用点の軸方向位置であり、荷重状況はFx、Fyとaで特徴づけることができる。
【0131】
軸が軸受において荷重を受けて変形すると、各断面に対応する水膜厚が変化し、その式は次式となる。
【0132】
【0133】
ここで、iは船尾軸の軸方向の離散度(ノード数)で、第i軸セグメントのたわみ変形を考慮した偏心距離であり、具体的には次式である。
【0134】
【0135】
プロペラ重力は船尾軸の末端に作用する集中力であり、また、船尾軸の計算領域の軸方向の離散度が十分に大きい場合、各軸セグメントが受ける流体圧力(p)と接触圧力(pc)がその作用面に沿って積分された合力を集中力と見なし、この集中力とその軸セグメントが受ける磁気荷重力(Fm)とのベクトル和を求めることで、本モジュールがたわみ変位を計算するために必要なFx、Fyを得ることができる。各要素の作用の下で、ある軸セグメントにおけるたわみ変位x、y方向の成分を線形に重ね合わせると、この軸セグメントの最終的たわみ変位が得られる。
【0136】
(四)軸受内孔表面の弾性変形について、具体的に以下のように分析する。
【0137】
船尾軸材料の弾性率(102GPaオーダー)は船尾軸受のライナー材の弾性率(10-1GPaオーダー)よりもかなり大きいため、潤滑分析において、ジャーナル表面に弾性変形が発生していないと考えられ、軸受内孔表面の弾性変形による膜厚への影響のみを考慮する。本モジュールはフレキシブルマトリクス法を用いて軸受内孔表面の弾性変形を計算する。
【0138】
フレキシブルマトリクス(次式)は、軸受内孔表面(θ′,z′)で作用する単位圧力p(θ′,z')が(θ、z)で発生する弾性変形変位量である。
【0139】
【0140】
フレキシブルマトリクスはAnsys有限要素ソフトウェアによって得ることができる。フレキシブルマトリクスによる弾性変形量の計算式は、次式である。
【0141】
【0142】
任意選択的に、前記船尾軸受の水膜圧力が収束していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸傾斜量及び前記構造変形量に基づいて、更新後の水膜厚を計算し、更新後の水膜厚を前記第1水膜厚とし、前記の前記第1水膜厚に基づいて前記船尾軸受の水膜圧力を計算するステップに戻ることができる。
【0143】
任意選択的に、前記荷重力と前記入力荷重との間でバランスがとれていない場合は、第1パラメータを調整して前記船尾軸の傾斜量を調整することにより、前記の前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて前記船尾軸受の第1水膜厚を計算するステップに戻ることができる。
【0144】
具体的には、荷重力と入力荷重との間でバランスがとれていない場合は、第1水膜厚を計算するステップに戻り、例えば偏心率、偏角などを含む第1パラメータを調整することによって第1水膜厚を更新し、最終的には荷重力と入力荷重との間でバランスが取れるようにすることができる。
【0145】
任意選択的に、前記タイマーが第1時間に到達していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸傾斜量、前記構造変形量及び前記軸受摩耗量に基づいて第1水膜厚を更新することができる。
【0146】
具体的には、タイマーが第1時間に到達していない場合は、前回で計算された幾何マージン、船尾軸傾斜量、構造変形量及び軸受摩耗量を利用して第1水膜厚を更新し、次回の潤滑分析を開始することができる。
【0147】
任意選択的に、前記構造変形量は、たわみ変形量とシェルベアリングの弾性変形量とを含み、前記の前記幾何マージン、前記船尾軸傾斜量、前記構造変形量及び前記軸受摩耗量に基づいて前記第1水膜厚を更新する実現方法は、以下を含み、
【0148】
前記幾何マージンと前記船尾軸傾斜量に基づき、次式(1)を用いて前記船尾軸受のジャーナル傾斜を考慮した第1膜厚h1を計算する。
【0149】
【0150】
ここで、cは隙間半径、c=R-r、Rは軸受の半径、rはジャーナルの半径、ex
0はジャーナルの中間断面のx方向の偏心距離、ey
0はジャーナルの中間断面のy方向の偏心距離、zは軸方向座標、αxはx方向のジャーナル傾斜角、αyはy方向のジャーナル傾斜角、θは周方向角度座標である。
【0151】
前記たわみ変形量に基づいて、前記船尾軸受の荷重変形時の各断面に対応する水膜厚変化量hiθを計算する。
【0152】
前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリングの弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づいて更新後の第1水膜厚を計算する。
【0153】
具体的には、軸受の摩耗について、具体的には以下のように分析する。
【0154】
Archard摩耗方程式によると、2つの物体表面が相対速度vで互いに摺動し、印加圧力pcを受けたときの摩耗量hwの計算式は、次式となる。
【0155】
【0156】
ここで、pcは接触圧力、Hcは比較的柔らかい材料の硬度、kは定数であり、通常は摩耗係数と呼ばれ、t1は摩耗時間である。
【0157】
任意選択的に、前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリング弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づいて更新後の第1水膜厚を計算する実現方法は、以下を含み、
【0158】
前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリング弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づき、次式(2)を用いて更新後の第1水膜厚hを計算する。
【0159】
【0160】
具体的には、最終的な水膜厚方程式は、次式である。
【0161】
【0162】
次に、本発明の実施例が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法について、例を挙げて説明する。
【0163】
本発明の実施例が提供する方法は、流体支持、磁力支持、固体弾性変形及び軸受摩耗の4つの要素及び各要素と潤滑分析との間の結合作用を総合的に考慮している。本発明に対応するシミュレーション分析アルゴリズムモデルは、水潤滑式軸受混合弾性流体動圧潤滑計算モジュールと、構造変形と軸受の摩耗を考慮した水膜厚計算モジュールと、Halbach永久磁石アレイ磁場シミュレーション計算モジュールとを含む。上記モジュールに基づいて、構造変形(流体圧力、接触圧力、磁気荷重力の影響を受ける)、表面摩耗の両者と流体動圧潤滑との結合分析アルゴリズムモデルを構築し、磁気-流体複合支持形式を有する水潤滑式船尾軸受のシミュレーションに技術的裏付けを提供することができる。
【0164】
一、以下、本発明の実施例に関わる各モジュールを説明する。
【0165】
(一)水潤滑式軸受混合弾性流体動圧潤滑計算モジュール
【0166】
このモジュールでは、水潤滑式船尾軸受水膜領域の制御方程式として、平均Reynolds方程式を用いており、その式は以下の通りであり、
【0167】
【0168】
ここで、∂は偏微分記号、x、yは座標、ρは流体(水)密度、pは圧力、hは膜厚、Vx、Vyは速度成分であり、各流量因子(各φ、それぞれ水膜厚と軸受軸、ジャーナル表面パラメータと相関する係数を特徴づける)の計算式は以下の4式の通りであり、
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
ここで、Hは膜厚比、H=h/σ、σは総合表面粗さであり、関連するその他の係数は軸受の微視的表面パラメータγによって決定され、その対応関係を下の表に示す。
【0174】
【0175】
本モジュールでは、pは求める必要がある水膜圧力(変数、水膜圧力分布、空間分布、二次元)であり、その他はすべて既知数である。h(変数、水膜厚分布、空間分布、二次元)は水膜厚計算モジュールによって計算され、Vx、Vyは実際の状況によって決定され、各流量因子φはhと微視的表面パラメータγによって共同で決定され、密度ρと動力粘度ηは流体(水)の物性パラメータであり、定数として理解することができる。
【0176】
数値的解法(有限差分)を用いて水潤滑式船尾軸受の水膜領域の制御方程式に対応する式の解を求めて水膜圧力pを得、求める流体領域を単層メッシュでメッシュ分割することは数値解の精度要求を満たすことができると考えている。水膜圧力pに関する反復式(次式)を構築し、ここでk1 は現在のステップに対応する反復ステップ数を表し、SOR法で加速計算する収束過程である。
【0177】
【0178】
水潤滑式船尾軸受水膜領域の制御方程式に対応する式の解を求めるには、圧力境界条件を設定する必要がある。圧力境界条件は実際の状況と比較的に近く、その研究に最も広く用いられているReynolds境界条件を採用する。Reynolds境界条件は、水膜全体が常に連続しているわけではない考えており、Reynolds境界条件は、水膜圧力の異常な変化は水膜破裂により自然に発生した結果であり、最小水膜厚hmin後のある位置で破裂し、破裂後の水膜圧力は正孔圧力であり、圧力変化率もゼロであると考えている。すなわち、次式である。
【0179】
【0180】
Reynolds境界条件は水膜の始点と終点の間の潤滑媒体を連続させ、終点の後ろに潤滑媒体、空気が棒状に流れ、圧力境界条件を設定すると、船尾軸受の潤滑と界面特性分析をより正確に行うのに役立つ。
【0181】
(二)構造変形と軸受摩耗を考慮した水膜厚計算モジュール。
【0182】
本モジュールでは、水潤滑式船尾軸受の水膜厚は幾何マージンによって決定されるほか、ジャーナルの傾斜及びたわみ、軸受ライナー材の弾性変形及び軸受内孔表面の摩耗による影響を受ける。
【0183】
1)船尾軸傾斜、2)船尾軸たわみ、3)軸受内孔表面弾性変形、4)微小突起接触モデル、5)軸受摩耗。
【0184】
1)~5)により、最終的水膜厚方程式は、次式となる。
【0185】
【0186】
(三)Halbch永久磁石アレイ磁場シミュレーションモジュール。
【0187】
上記の磁力支持特性分析についての説明によれば、最終的に、次式となる。
【0188】
【0189】
二、
図9は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法の流れ
図2であり、
図9に示すように、以下のステップを含み、
【0190】
S1、t=t0と設定する。
【0191】
ここで、t0は初期時間である。
【0192】
S2、船尾軸受領域の磁場特性を求める。
【0193】
S3、磁気吸引力を計算する。
【0194】
S4、入力荷重、初期偏心率、偏角を設定する。
【0195】
S5、水膜厚を計算する。
【0196】
S6、水膜圧力を計算する。
【0197】
S7、微小突起の接触力を計算する。
【0198】
S8、船尾軸のたわみ変形を計算する。
【0199】
S9、シェルベアリングの弾性変形を計算する。
【0200】
S10、水膜圧力が収束されているかどうかを判断し、収束されている場合はS11へ、収束されていない場合は、S5に戻る。
【0201】
具体的には、水膜圧力の収束判断基準は以下の通りである。
【0202】
有限差分法(Finite Difference Method、FDM)でReynolds方程式の解を求める。等間隔のメッシュノードを用いて計算領域(水膜領域)を離散化した後、数値解を求めるために、方程式に対して移項と還元などの操作を行い、最終的に反復解法で求めることができる方程式(次式)を得る:
【0203】
【0204】
上記の式において、kは正の整数で、反復ステップ数を表し、i、jは、それぞれメッシュノードの2方向上のシーケンス番号を表す。
【0205】
水膜圧力収束の判断基準は次の式となる。
【0206】
【0207】
m、nはそれぞれ2方向のメッシュノードの総数を表す。上の式が成立すれば、水膜圧力の反復計算が収束に達し、逆に反復計算を続ける。
【0208】
S11、船尾軸受の荷重力を計算する。
【0209】
S12、荷重力と入力荷重との間でバランスがとれているかを判断し、バランスがとれている場合は、S13へ、バランスがとれていない場合は、偏心率、偏角を調整し、S5に戻る。
【0210】
具体的には、荷重力と荷重間のバランスを判断する基準は以下の通りである。
【0211】
船尾軸受の荷重力Pyは次式で表すことができる。
【0212】
【0213】
ここで、PL
yとPC
yはそれぞれ水膜荷重力と微小突起の接触圧力により提供する荷重力を表し、その計算式は以下の通りであり、
【0214】
【0215】
荷重力Pyと荷重Wy(指定、垂直方向)とのバランス判断基準は次式であり、この式が成立すれば、荷重力と荷重との間でバランスがとれていると考えられる。
【0216】
【0217】
S13、軸受の摩耗を計算する。
【0218】
S14、指定時間ステップtEに到達しているかどうかを判断する。到達している場合はS15へ、到達していない場合は、△tをあけてS2とS4に戻る。
【0219】
本発明の実施例では、S2とS4を実行する優先順位を制限していないことを説明されたい。
【0220】
S15、目標結果を出力する。
【0221】
具体的には、目標結果は潤滑分析過程におけるすべての中間値及び最終的結果値などであり得る。
【0222】
本発明の実施例は弾性流体動圧潤滑理論、摩擦対界面の微小突起接触理論、カンチレバー梁たわみ曲線変位重畳アルゴリズムとArchard摩耗理論に基づいて、磁気-流体複合支持構造を有する船尾軸受潤滑分析方法を確立した。
【0223】
以下、本発明が提供する磁気-流体複合支持結合の船尾軸受潤滑分析装置を説明する。以下に説明する磁気-流体複合支持結合の船尾軸受潤滑分析装置は上記に記載の磁気-流体複合支持結合の船尾軸受潤滑分析方法と相互に対応して参照することができる。
【0224】
図10は本発明が提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置の構造概略図であり、
図10に示すように、磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析装置1000であって、
【0225】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得る磁気-流体分析モジュール1001と、
【0226】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得る構造変形分析モジュール1002と、
【0227】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得る取得モジュール1003と、
【0228】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断する第1判断モジュール1004と、
【0229】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求める第2判断モジュール1005と、
【0230】
前記荷重力と予め設定された入力荷重との間でバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算する計算モジュール1006と、
【0231】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する処理モジュール1007とを含む。ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0232】
本発明の実施例が提供する磁気-流体複合支持結合の船尾軸受潤滑分析装置では、予め設定された第1時間内に船尾軸受潤滑に対して潤滑分析を行うためにタイマーを起動することができ、現在の時間ステップ(第1時間)の計算が完了する時、摩耗関連のパラメータを更新し、具体的な潤滑分析において、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を行い、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果を得、そして、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて、船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、構造変形量に基づいて潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて潤滑と界面特性分析を繰り返し、水膜厚補正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、第1水膜圧力と第2水膜圧力を比較して船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、収束されている場合、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて船尾軸受の荷重力を求め、さらに荷重力と入力荷重とのバランスを判断する。バランスがとれている場合、潤滑支持分析結果における微小突起の接触力(界面特性)に基づいて船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、この場合、タイマーが第1時間に到達していない場合、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、タイマーが第1時間に到達してから目標結果を出力し、目標結果は上記潤滑分析過程における各中間値又は結果値であり、本発明の実施例は目標結果を利用して磁気-流体複合支持の船尾軸受の潤滑度などを効果的に評価することができる。
【0233】
なお、磁気-流体分析モジュール1001は具体的には以下の場合に用いられる。
【0234】
前記船尾軸受の幾何的隙間と船尾軸の傾斜量に基づいて、前記船尾軸受の第1水膜厚を計算し、
【0235】
前記第1水膜厚に基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力を計算し、
【0236】
前記第1水膜厚と前記水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受における微小突起の接触力を計算し、
【0237】
前記第1水膜厚、前記水膜圧力及び前記微小突起の接触力の少なくとも一項を前記潤滑支持分析結果とする。
【0238】
なお、前記磁力支持分析結果は前記船尾軸受の磁気吸引力を含む。
【0239】
構造変形分析モジュール1002は具体的には以下の場合に用いられる。
【0240】
前記水膜圧力、前記微小突起の接触力及び前記磁気吸引力に基づいて、前記船尾軸受のたわみ変形量を計算し、
【0241】
前記水膜圧力と前記微小突起の接触力に基づいて、前記船尾軸受のシェルベアリングの弾性変形量を計算し、
【0242】
前記たわみ変形量及び前記シェルベアリングの弾性変形量の少なくとも一項を前記構造変形量とする。
【0243】
なお、処理モジュール1007は以下の場合にも用いられる。
【0244】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束していない場合、前記幾何マージン、前記船尾軸傾斜量及び前記構造変形量に基づいて、更新後の水膜厚を計算し、更新後の水膜厚を前記第1水膜厚とし、前記第1水膜厚に基づいて前記船尾軸受の水膜圧力を計算するステップに戻る。
【0245】
なお、処理モジュール1007は以下の場合にも用いられる。
【0246】
前記荷重力と前記入力荷重との間のバランスが取れていない場合は、第1パラメータを調整して前記船尾軸の傾斜量を調整し、前記船尾軸受の幾何マージンと船尾軸の傾斜量に基づいて前記船尾軸受の第1水膜厚を計算するステップに戻る。
【0247】
なお、処理モジュール1007は以下の場合にも用いられる。
【0248】
タイマーが第1時間に到達していない場合、前記幾何学的間隙、前記船尾軸傾斜量、前記構造変形量と前記軸受摩耗量に基づいて第1水膜厚を更新する。
【0249】
なお、前記構造変形量は、たわみ変形量とシェルベアリングの弾性変形量とを含む。
【0250】
処理モジュール1007は具体的には以下の場合にも用いられる。
【0251】
前記幾何マージンと前記船尾軸傾斜量に基づき、次式(1)を用いて前記船尾軸受のジャーナル傾斜を考慮した第1膜厚h1を計算する。
【0252】
【0253】
ここで、cは隙間半径、c=R-r、Rは軸受の半径、rはジャーナルの半径、ex
0はジャーナルの中間断面のx方向の偏心距離、ey
0はジャーナルの中間断面のy方向の偏心距離、zは軸方向座標、αxはx方向のジャーナル傾斜角、αyはy方向のジャーナル傾斜角、θは周方向角度座標である。
【0254】
前記たわみ変形量に基づいて、前記船尾軸受の荷重変形時の各断面に対応する水膜厚変化量hiθを計算する。
【0255】
前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリングの弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づいて、更新後の第1水膜厚を計算する。
【0256】
なお、処理モジュール1007は以下の場合にも用いられる。
【0257】
前記第1膜厚h1、前記水膜厚変化量hiθ、前記シェルベアリングの弾性変形量δE及び前記軸受摩耗量hwに基づき、次式(2)を用いて更新後の第1水膜厚hを計算する。
【0258】
【0259】
図11は本発明が提供する電子装置の構造概略図であり、
図11に示すように、この電子装置は、プロセッサ(processor)1110と、通信インターフェース(communications Interface)1120と、メモリ(memory)1130と通信バス1140とを含むことができ、そのうち、プロセッサ1110と、通信インターフェース1120と、メモリ1130とは通信バス1140を介して相互間の通信を行う。磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実行するために、プロセッサ1110はメモリ1130のロジックコマンドを呼び出すことができ、この方法は以下を含み、
【0260】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得、
【0261】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、
【0262】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、
【0263】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、
【0264】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求め、
【0265】
前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、
【0266】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、
【0267】
前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する。ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0268】
また、上記メモリ1130内のロジックコマンドは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現し、かつ、独立した製品として販売又は使用することができる場合は、コンピュータの読み取り可能な記憶媒体に記憶してもよい。このような理解に基づき、本発明の技術的解決手段は、本質的に、または、先行技術に貢献した部分、または、この技術的解決手段の一部はソフトウェア製品の形式で具現化することができ、このコンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、あるコンピュータデバイス(パソコン、サーバー又はネットワークデバイスであり得る)により本発明の各実施形態に記載された方法の全部又は一部のステップを実行できるようにいくつかのコマンドを含む。前記記憶媒体は、Uディスク、ポータブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなど、プログラムコードを記憶できるさまざまな媒体である。
【0269】
本発明はまた、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは非一時的コンピュータの読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、コンピュータが上記各方法により提供される磁気-液複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実行することができ、この方法は以下を含み、
【0270】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得、
【0271】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、
【0272】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、
【0273】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、
【0274】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求め、
【0275】
前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、
【0276】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、
【0277】
前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力し、ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0278】
本発明はまた、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、その中にはコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサによりこのコンピュータプログラムを実行すると、上記各方法で提供する磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を実現することができ、この方法は以下を含み、
【0279】
タイマーを起動し、分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得、
【0280】
前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて、前記船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、
【0281】
前記構造変形量に基づいて前記潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、補正後の水膜厚に基づいて前記船尾軸受に対する潤滑と界面特性分析を実行するステップに戻り、水膜厚修正前後に対応する第1水膜圧力と第2水膜圧力を得、
【0282】
前記第1水膜圧力と前記第2水膜圧力とに基づいて、前記船尾軸受の水膜圧力が収束しているかどうかを判断し、
【0283】
前記船尾軸受の水膜圧力が収束されている場合、前記磁力支持分析結果と前記潤滑支持分析結果に基づいて前記船尾軸受の荷重力を求め、
【0284】
前記荷重力と予め設定された入力荷重とのバランスがとれている場合、前記潤滑支持分析結果における微小突起の接触力に基づいて前記船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、
【0285】
前記タイマーが予め設定された第1時間に到達していなければ、予め設定された第2時間をあけ、分析する前記船尾軸受に対して磁力支持特性分析を行い、磁力支持分析結果を得、前記船尾軸受に対して潤滑と界面特性分析を行い、潤滑支持分析結果を得るステップに戻り、
【0286】
前記タイマーが前記第1時間に到達した場合、目標結果を出力する。ここで、前記目標結果は、前記磁力支持分析結果、前記潤滑支持分析結果、前記構造変形量、前記船尾軸受の荷重力、及び前記軸受摩耗量の少なくとも一項を含む。
【0287】
上記に記載する装置の実施例は例示であり、前記分離部材として説明されたユニットは物理的に分離されていてもよく、または物理的に分離されていなくてもよく、ユニットとして表示している部材は物理的に分離されていなくてもよく、すなわち1つの場所にあってもよく、または複数のネットワーク要素に分散されていてもよい。本実施例の目的は、実際の必要に応じてその一部または全部のモジュールを選択して実現することができる。当業者は、創造的作業を行わずに理解して実施することができる。
【0288】
以上の実施形態の説明により、当業者は、各実施形態がソフトウェアと必要な共通のハードウェアプラットフォームによって実現でき、もちろんハードウェアによっても実現可能であることがはっきりと理解される。このような理解に基づき、上記の技術的解決手段は、本質的に、または、先行技術に貢献した部分はソフトウェア製品の形式で具現化することができ、このソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶することができ、各実施例又は実施例のある部分に記載する法補を実行できるようにいくつかのコマンドを含む。
【0289】
最後に、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。前記の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前記の各実施例に記載された技術的解決手段を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置き換えたりすることができ、これらの修正または置き換えは、それぞれの技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の精神および範囲から逸脱させるものではない。
【要約】 (修正有)
【課題】磁気-流体複合支持結合に基づく船尾軸受潤滑分析方法を提供する。
【解決手段】分析する船尾軸受に対して磁力支持特性分析及び潤滑と界面分析を行い、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果を得、そして、上記の分析結果に基づいて船尾軸受に対して構造変形分析を行い、構造変形量を得、さらに、構造変形量に基づいて潤滑支持分析結果における水膜厚を補正し、潤滑と界面特性分析を繰り返して補正前後の水膜圧力を得、最後に、補正前後の水膜圧力を比較して水膜圧力が収束されているかを判断し、収束されている場合は、磁力支持分析結果と潤滑支持分析結果に基づいて船尾軸受の荷重力を求め、そして荷重力は入力荷重との間にバランスがとれているかを判断し、バランスがとれている場合は、微小突起の接触力に基づいて船尾軸受の軸受摩耗量を計算し、タイマーが第1時間に到達した場合は、目標結果を入力する。
【選択図】
図1