(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】回転支持スタンド、回転支持ユニット、及び回転支持ユニットの組立方法
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20241008BHJP
A47F 5/02 20060101ALI20241008BHJP
G09F 11/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A63H33/00
A47F5/02
G09F11/00
(21)【出願番号】P 2024101585
(22)【出願日】2024-06-24
【審査請求日】2024-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521315353
【氏名又は名称】株式会社インサイド
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】西山 将司
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3058708(JP,U)
【文献】登録実用新案第3232949(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00
G09F 11/00
A47F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端と他端のそれぞれに突起部を備えた回転部材を支持する回転支持スタンドであって、
枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部と、
一方の前記支持突起である第1突起に嵌め込まれる環状の第1ガイドと、
他方の前記支持突起である第2突起に嵌め込まれる環状の第2ガイドと、を有し、
前記第1突起と前記第1ガイドとにより、前記回転部材の一端の前記突起部を支持し、前記第2突起と前記第2ガイドとにより、前記回転部材の他端の前記突起部を支持するものである、回転支持スタンド。
【請求項2】
前記フレーム部は、
前記第1突起を備えた前記内側壁に設けられる第1窪み、及び前記第2突起を備えた前記内側壁に設けられる第2窪みのうちの少なくとも一方を有し、
前記第1窪みは、
前記第1突起が突起する方向とは反対側に凹み、その底面に前記第1突起が設けられたものであり、
前記第2窪みは、前記第2突起が突起する方向とは反対側に凹み、その底面に前記第2突起が設けられたものである、請求項1記載の回転支持スタンド。
【請求項3】
前記フレーム部における前記第1突起と前記第2突起との間の距離から、前記回転部材における一端の前記突起部の先端と他端の前記突起部の先端との間の距離を減じた差分が、前記第2ガイドの厚みよりも短くなっている、請求項1又は2に記載の回転支持スタンド。
【請求項4】
枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部と、
一方の前記支持突起である第1突起に嵌め込まれる環状の第1ガイドと、
他方の前記支持突起である第2突起に嵌め込まれる環状の第2ガイドと、
一端と他端のそれぞれに突起部を備えた板状の回転部材と、を有し、
前記第1突起と前記第1ガイドとにより、前記回転部材の一端の前記突起部を支持し、前記第2突起と前記第2ガイドとにより、前記回転部材の他端の前記突起部を支持するものである、回転支持ユニット。
【請求項5】
前記フレーム部は、
前記第1突起を備えた前記内側壁に設けられる第1窪み、及び前記第2突起を備えた前記内側壁に設けられる第2窪みのうちの少なくとも一方を有し、
前記第1窪みは、
前記第1突起が突起する方向とは反対側に凹み、その底面に前記第1突起が設けられたものであり、
前記第2窪みは、前記第2突起が突起する方向とは反対側に凹み、その底面に前記第2突起が設けられたものである、請求項4に記載の回転支持ユニット。
【請求項6】
前記フレーム部における前記第1突起と前記第2突起との間の距離から、前記回転部材における一端の前記突起部の先端と他端の前記突起部の先端との間の距離を減じた差分が、前記第2ガイドの厚みよりも短くなっている、請求項4又は5に記載の回転支持ユニット。
【請求項7】
嵌合部が形成された板状の台座部をさらに有し、
前記フレーム部は、
前記嵌合部に嵌め込まれる嵌合突起を外側壁に有する、請求項4又は5に記載の回転支持ユニット。
【請求項8】
枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部の、一方の前記支持突起である第1突起に、環状の第1ガイドを嵌め込む第1ガイド嵌め込み工程と、
一端と他端のそれぞれに突起部を備えた回転部材の、他端の前記突起部に環状の第2ガイドを嵌め込むと共に、一端の前記突起部を前記第1突起に当接させつつ、他端の前記突起部を他方の前記支持突起である第2突起に対向させる回転部材配置工程と、
他端の前記突起部に嵌め込まれている前記第2ガイドを、前記第2突起側に移動させて前記第2突起に嵌め込む第2ガイド移設工程と、を有する、回転支持ユニットの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材を支持する回転支持スタンド、及びこれに回転部材を組み合わせた回転支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の画像が印刷されたパネルを台座に取り付けて用いる自立型のスタンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のスタンドは、台座の取付穴にパネルの突起部を嵌め込み、台座側を下に向けて置くことにより、該パネルが直立するよう構成されている。また、特許文献1には、断面円形状の取付穴が形成された台座と、円柱状の突起部を備えたパネルとで構成されたスタンドも例示されており、このスタンドは、台座に対してパネルが回転可能となっている。
【0003】
ただし、特許文献1のスタンドは、置いた状態でパネルをくるくると回転させられるような構成を採っていない。この点、パネル状の回転部材の中央に穴をあけ、そこに1本の軸を通し、直立可能な枠の上下に軸の両端を固定することで回転部材の回転を可能としたスタンドも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスタンドは、回転部材を回転させるための構造が複雑で、かつ当該構造ではパネルを円滑に回転させることが難しい。したがって、回転部材を円滑に回転させる単純な構造のスタンドが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る回転支持スタンドは、一端と他端のそれぞれに突起部を備えた回転部材を支持する回転支持スタンドであって、枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部と、一方の支持突起である第1突起に嵌め込まれる環状の第1ガイドと、他方の支持突起である第2突起に嵌め込まれる環状の第2ガイドと、を有し、第1突起と第1ガイドとにより、回転部材の一端の突起部を支持し、第2突起と第2ガイドとにより、回転部材の他端の突起部を支持するものである。
【0007】
本発明の一態様に係る回転支持ユニットは、枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部と、一方の支持突起である第1突起に嵌め込まれる環状の第1ガイドと、他方の支持突起である第2突起に嵌め込まれる環状の第2ガイドと、一端と他端のそれぞれに突起部を備えた板状の回転部材と、を有し、フレーム部は、第1突起と第1ガイドとにより、回転部材の一端の突起部を支持し、第2突起と第2ガイドとにより、回転部材の他端の突起部を支持するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る回転支持ユニットの組立方法は、枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部の、一方の支持突起である第1突起に、環状の第1ガイドを嵌め込む第1ガイド嵌め込み工程と、一端と他端のそれぞれに突起部を備えた回転部材の、他端の突起部に環状の第2ガイドを嵌め込むと共に、一端の突起部を第1突起に当接させつつ、他端の突起部を他方の支持突起である第2突起に対向させる回転部材配置工程と、他端の突起部に嵌め込まれている第2ガイドを、第2突起側に移動させて第2突起に嵌め込む第2ガイド移設工程と、を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、第1突起に環状の第1ガイドが嵌め込まれ、第2突起に環状の第2ガイドが嵌め込まれるようになっており、第1ガイドと第2ガイドとが、両端の突起部を介して回転部材の回転運動を案内するよう構成されている。よって、単純な構造により回転部材を安定的に支持しつつ円滑に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る回転支持ユニットの外観を例示した斜視図である。
【
図2】
図1の回転支持ユニットの各構成部材が樹脂プレートより切り出された状態を例示した説明図である。
【
図3】
図1の回転部材を示す説明図であり、(a)は回転部材の正面図、(b)は回転部材の突起部に第2ガイドを嵌め込んだ状態を例示した正面図である。
【
図4】
図1のフレーム部を示す説明図であり、(a)はフレーム部の正面図、(b)はフレーム部材の支持突起に第1ガイドを嵌め込んだ状態例である。
【
図5】
図1の回転支持ユニットが組み立てられる様子を例示した説明図であり、(a)は
図3(b)の状態の回転部材をフレーム部の枠内に配置した状態例、(b)は(a)の状態から第2ガイドを支持突起に移設した状態例である。
【
図6】
図1の回転支持ユニットの組み立て方法に係る各工程を例示したフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態の変形例1に係る回転支持ユニットの外観を例示した斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態の変形例2に係る回転支持ユニットの外観を例示した斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態の変形例3に係る回転支持ユニットの外観を例示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態.
図1~
図5を参照し、実施の形態における回転支持ユニット100の構成例について説明する。各図では、図面の煩雑化を避ける等の目的で、符号の一部を適宜省略する。また、各図には、第1ガイド31及び第2ガイド32の動きを示すため、適宜白抜き矢印を示している。
【0012】
図1に示すように、回転支持ユニット100は、回転支持スタンド10と、回転部材50と、により構成されている。回転支持スタンド10は、フレーム部20と、第1ガイド31と、第2ガイド32と、台座部40と、を有している。
【0013】
本実施の形態の回転支持ユニット100は、各構成部材(フレーム部20、第1ガイド31、第2ガイド32、台座部40、及び回転部材50)が1枚の樹脂プレートから切り出されるよう構成されており、全体の厚みが等しくなっている。樹脂プレートは、例えば、透明性の高いアクリルなどの合成樹脂により形成される。
図1では、回転支持ユニット100の各構成部材において、透けて見え得るエッジなどを相対的に細い線で示してはいるが、明瞭性を優先し、視認可能な線の一部を省略又は簡略化している。
【0014】
図2は、レーザーカッターなどにより、各構成部材の外周部分及び内周部分(回転部材50は外周部分のみ)に相当する箇所に切り込みが入れらた状態の樹脂プレートの例示であり、これも回転支持ユニット100に相当する。該回転支持ユニット100は、残余部80を有しており、残余部80から各構成部材を手で簡単に分離することができる。
【0015】
残余部80を含む1枚のプレートの状態で回転支持ユニット100の各構成部材を袋詰め等すれば、場所を取らず、整理も容易なため、運搬・陳列などの場面で利便性が高い。
図2のようなプレート状の回転支持ユニット100は、嵌め穴3h及び嵌合部41の箇所に残余部80があってもよく、なくてもよい。もっとも、回転支持ユニット100は、残余部80を含めずに販売等してもよい。
【0016】
台座部40は、中央の箇所に嵌合部41が形成された板状の部材である。本実施の形態における台座部40は、長方形状に形成されており、その長手方向に沿って嵌合部41が形成されている。嵌合部41は、フレーム部20を安定的に支持するために、台座部40の長手方向の中央で、かつ短手方向の中央に形成するとよい。嵌合部41は、後述する嵌合突起23の安定的な嵌め込みが可能であれば、溝状に形成されてもよく、貫通した穴であってもよい。
【0017】
図3に示すように、回転部材50は、一端と他部のそれぞれに突起部(51、52)を備えた板状の部材である。回転部材50は、2つの突起部(51、52)の中心間を結んだ直線上の軸を中心に回転するよう配置される(
図1の双方矢印参照)。回転部材50は、平面視での外郭形状が、回転の軸を中心とした線対称となるように形成するとよい。
【0018】
ここで、一端の突起部のことを一端突起51と称し、他端の突起部のことを他端突起52と称する。一端突起51は、回転部材50の一端の中央の部分に設けられ、他端突起52は、回転部材50の他端の中央の部分に設けられる。一端突起51及び他端突起52は、それぞれ、先端に向けて先細りとなるテーパ状に形成されている。一端突起51の先細りとなる角度は、第1ガイド31の厚みKや嵌め穴31hの大きさ等に応じて調整するとよく、他端突起52の先細りとなる角度は、第2ガイド32の厚みKや嵌め穴32hの大きさ等に応じて調整するとよい。
【0019】
各図に例示する一端突起51及び他端突起52は、それぞれ、正面視で二等辺三角形状に形成されており、先端が丸みを帯びている。一端突起51の先細りとなる角度(頂点の角度)と、他端突起52の先細りとなる角度(頂点の角度)とは、等しくてもよく、異なっていてもよい。一端突起51の長さL1は、第1ガイド31の厚みKよりも長くなるよう形成するとよい。他端突起52の長さL2は、第2ガイド32の厚みKよりも長くなるよう形成するとよい。
【0020】
各図に例示する回転部材50は、フレーム部20の内側面よりも一回り小さい長方形状に形成された本体部50Aを有し、一端突起51と他端突起52とは、互いに反対側に突起している。回転部材50は、例えば、一方の面又は双方の面にイラストや写真等の画像が印刷されて用いられる。
図1の回転部材50は、本体部50Aの一方の面に画像が印刷された想定での例示である。
図3(a)では、本体部50Aと、一端突起51及び他端突起52それぞれとの境界を破線(仮想線)で示しているが、これらは別々に形成される訳ではなく、一体的に形成されている。
【0021】
図4に示すように、フレーム部20は、枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁(2A、2B)それぞれに支持突起(21、22)を有している。以下、一方の支持突起のことを第1突起21ともいい、他方の支持突起のことを第2突起22ともいう。第1突起21は、内側壁2Aの中央の箇所に設けられ、第2突起22は、内側壁2Bの中央の箇所に設けられている。第1突起21と第2突起22とは、互いに対向するよう配置され、互いに反対側に延伸している。第1突起21及び第2突起22は、それぞれ、断面視矩形状に形成されている。第1突起21の高さh1は、第1ガイド31の厚みKよりも短くなっており、第2突起22の高さh2は、第2ガイド32の厚みKよりも短くなっている。
【0022】
また、フレーム部20は、台座部40の嵌合部41に嵌め込まれる嵌合突起23を外側壁2Gに有している。嵌合突起23は、外側壁2Gのうちの第1突起21の背面側の位置に設けられている。すなわち、嵌合突起23は、外側壁2Gにおける第1突起21とは背中合わせの位置から外側へ延びている。嵌合突起23の延伸方向の長さは、台座部40の厚み以下となっている。
【0023】
換言すると、フレーム部20は、枠状の本体部20Aを有すると共に、本体部20Aにおける一方の互いに対向する2つの内側面各々から反対向きに延びる支持突起(21、22)を有している。また、フレーム部20は、本体部20Aの外側面における、第1突起21が延びる面の背面側の位置に、嵌合突起23を有している。
図4(a)では、本体部20Aと、第1突起21、第2突起22、及び嵌合突起23それぞれとの境界を破線(仮想線)で示しているが、これらは別々に形成される訳ではなく、一体的に形成されている。なお、フレーム部20は、他方の互いに対向する2つの内側壁2Cが平坦に形成されている。内側壁2A、内側壁2B、及び2つの内側壁2Cにより構成された、フレーム部20における平面視矩形状の内側壁のことを全内側壁2Nと称する。
【0024】
第1ガイド31は、
図4(b)のように、一方の支持突起である第1突起21に嵌め込まれるものである。第2ガイド32は、
図5(b)のように、他方の支持突起である第2突起22に嵌め込まれるものである。第1ガイド31及び第2ガイド32は、それぞれ、環状に形成され、嵌め穴3hを有している。すなわち、第1ガイド31の嵌め穴3hには第1突起21が嵌め込まれ、第2ガイド32の嵌め穴3hには第2突起22が嵌め込まれる。第1ガイド31及び第2ガイド32は、回転部材50の回転運動を案内するものである。
【0025】
第1突起21と、第2突起22と、嵌合突起23とは、互いの延伸方向において位置が重なっている。ここで、延伸方向に垂直で、かつフレーム部20が配置される面に平行な方向を「左右方向」とする。第1突起21は及び第2突起22は、左右方向の中心が、フレーム部20の左右方向の中心と重なるように配置するとよい。このようにすれば、より円滑かつ安定的に回転部材50を回転させることができる。嵌合突起23は、左右方向の中心が、内側壁2Aにおける左右方向の中心と重なるように配置するとよい。このようにすれば、台座部40の嵌合部41に嵌合突起23を嵌め込み、フレーム部20を載置する際の安定性が高まる。
【0026】
ここで、回転支持ユニット100は、組み立てられて飾られる際、台座部40側、つまり第1突起21側が下側となるよう配置される。そのため、便宜上、第1突起21側を下側、第2突起22側を上側とみた場合の表現を用いて説明することがある。
【0027】
回転支持スタンド10は、第1突起21と第1ガイド31とにより、回転部材50の一端突起51を支持し、第2突起22と第2ガイド32とにより、回転部材50の他端突起52を支持するよう組み立てられる。より具体的に、一端突起51は、第1突起21に当接して支持され、第1ガイド31によって回転が案内される。他端突起52は、第2ガイド32を介して第2突起22により支持される。すなわち、第2突起22は、第2ガイド32を固定するために機能し、他端突起52は、第2ガイド32によりその回転が案内される。
【0028】
本実施の形態のフレーム部20は、第1突起21を備えた内側壁2Aに、第1突起21が突起する方向とは反対側に凹み、その底面21vに第1突起21が設けられた第1窪み21Uを有している。また、フレーム部20は、第2突起22を備えた内側壁2Bに、第2突起22が突起する方向とは反対側に凹み、その底面22vに第2突起22が設けられた第2窪み22Uを有している。
【0029】
第1窪み21U及び第2窪み22Uは、左右方向における中央の箇所に形成されている。第1突起21は、第1窪み21Uの底面21vにおける左右方向の中央から突起しており、第2突起22は、第2窪み22Uの底面22vにおける左右方向の中央から突起している。第1窪み21Uは、第1突起21に嵌め込まれた第1ガイド31と干渉しないように形成されており、第1窪み21Uは、第2突起22に嵌め込まれた第2ガイド32と干渉しないように形成されている。もっとも、第1窪み21Uの幅は、第1突起21に嵌め込まれた第1ガイド31の外側面と軽く接触する程度にしてもよく、第2窪み22Uの幅は、第2突起22に嵌め込まれた第2ガイド32の外側面と軽く接触する程度にしてもよい。
【0030】
回転支持スタンド10は、フレーム部20における第1突起21と第2突起22との間の距離(支持間距離)S1(
図4(a)参照)から、回転部材50における一端突起51の先端と他端突起52の先端との間の距離(突起間距離)T1(
図3(a)参照)を減じた差分が、第2ガイド32の厚みKよりも短くなっている(S1-T1<K)。なお、支持間距離S1は、具体的には、第1突起21における内側の面である支持面21fから第2突起22における内側の面である対向面22fまでの距離である。突起間距離T1は、一端突起51の先端から他端突起52の先端までの距離である。これにより、
図5(b)のように、一端突起51が第1突起21に当接し、他端突起52が第2ガイド32によって支持されるよう構成することができる。
【0031】
図3(b)に例示するような他端突起52と第2ガイド32との位置関係に関しては(1)他端突起52の先端が第2ガイド32の嵌め穴3h内に配置されるよう構成してもよく、(2)他端突起52の先端と第2ガイド32の外側の面とが面一になるよう構成してもよく、(3)他端突起52の先端が第2ガイド32の外側に出るよう構成してもよい。ただし、(1)の場合は、他端突起52の先端と第2ガイド32の外側の面との差が極力小さくなるよう調整するとよい。
【0032】
組み立て工程に対応づけて説明すると、回転支持スタンド10は、支持間距離S1が、他端突起52に第2ガイド32を嵌め込んだときの、回転部材50の一端突起51の先端から、他端突起52の先端又は第2ガイド32の外側の面のうちの何れか遠い方までの距離(配置距離)T2以上となるよう構成するとよい。かかる構成により、
図5(a)のように、一端突起51を第1突起21に当接させた状態で、他端突起52と第2突起22とを容易に対向させることができる。
【0033】
また、回転支持スタンド10は、第1突起21に嵌め込んだ第1ガイド31の内側の面から第2突起22に嵌め込んだ第2ガイド32の内側の面までの距離(ガイド間距離)S2が、突起間距離T1よりも短くなっている。なお、各ガイド(31、32)の内側の面とは、互いに対向する面のことである。かかる構成により、
図5(b)のように、回転部材50の一端突起51の先端が第1ガイド31の嵌め穴3h内に収まり、かつ他端突起52の先端が第2ガイド32の嵌め穴3h内に収まる状態をつくることができる。
【0034】
続いて、
図6のフローチャートを参照し、回転支持ユニット100の組立方法について説明する。
【0035】
〔台座嵌め込み工程〕
ユーザは、嵌合部41が形成された板状の台座部40に、フレーム部20の嵌合突起23を嵌め込む。これにより、フレーム部20が台座部40によって支えられ、直立可能な状態となる(ステップS101)。
【0036】
〔第1ガイド嵌め込み工程〕
ユーザは、フレーム部20の第1突起21に環状の第1ガイド31を嵌め込む。
図4(b)の第1突起21側を参照するとよい(ステップS102)。
【0037】
〔回転部材配置工程〕
次いで、ユーザは、
図3(b)のように、回転部材50の他端突起52に環状の第2ガイド32を嵌め込む(ステップS103)。また、ユーザは、一端突起51を第1突起21に当接させつつ、他端突起52を第2突起22に対向させる。より具体的に、ユーザは、一端突起51の先端を第1突起21の内側の面である支持面21fに当接させる。これにより、
図5(a)のような状態となる。
図5(a)の例では、支持間距離S1が配置距離T2よりも長くなっており、一端突起51を第1突起21に当接させた状態で、他端突起52と第2突起22とを容易に対向させて配置することができる(ステップS104)。
【0038】
〔第2ガイド移設工程〕
そして、ユーザは、
図5(b)のように、他端突起52に嵌め込まれている第2ガイド32を第2突起22側に移動させて第2突起22に嵌め込む。ユーザは、回転支持ユニット100を直立させ、回転支持スタンド10により支持された回転部材50の左右の一端を指などで押す(はじく)ことにより、回転部材50を回転させることができる(ステップS105)。
【0039】
上記の回転支持ユニット100の組立方法は、
図6に付されたステップ番号の順に説明したが、
図1のような状態に組み上げることができれば、各工程の順序は問わない。例えば、ステップS101の台座嵌め込み工程は、ステップS102~S105の各工程の後に行ってもよい。また、ステップS103の工程とステップS104の工程は、例えば、一端突起51を第1突起21に当接させた状態で、他端突起52に第2ガイド32を嵌め込むなど、並行処理的に行ってもよい。
【0040】
以上のように、本実施の形態における回転支持スタンド10は、第1突起21と第1ガイド31とにより回転部材50の一端突起51を支持し、第2突起22と第2ガイド32とにより回転部材50の他端突起52を支持するよう構成されている。すなわち、回転支持スタンド10は、第1突起21に第1ガイド31が嵌め込まれ、第2突起22に第2ガイド32が嵌め込まれるようになっており、第1ガイド31と第2ガイド32とが、両端の突起部(51、52)を介して回転部材50の回転運動を案内するよう構成されている。したがって、単純な構造により回転部材50を安定的に支持しつつ円滑に回転させることができる。
【0041】
回転支持スタンド10は、第1突起21が下側、第2突起が上側に配置されるよう構成すれば、回転部材50の一端突起51は、フレーム部20の第1突起21に当接して支持される。つまり、回転部材50の一端突起51は、その先端が第1突起21の支持面21fに接触し、第1ガイド31は、一端突起51の回転を補助する程度に留まる。また、回転部材50は、回転する際、第2突起22に固定された第2ガイド32の内周の一部に接触する程度となっている。すなわち、回転支持スタンド10は、回転部材50との接触箇所が極力少なくなるよう工夫されているため、回転部材50の円滑かつ安定的な回転を実現することができる。
【0042】
本実施の形態のフレーム部20は、第1突起21を備えた内側壁2Aに、第1突起21が突起する方向とは反対側に凹み、その底面21vに第1突起21が設けられた第1窪み21Uを有している。また、フレーム部20は、第2突起22を備えた内側壁2Bに、第2突起22が突起する方向とは反対側に凹み、その底面22vに第2突起22が設けられた第2窪み22Uを有している。よって、第1ガイド31を第1突起21に取り付ける際、第1ガイド31を第1窪み21Uに逃がすことができ、第2ガイド32を第2突起22に取り付ける際、第2ガイド32を第2窪み22Uに逃がすことができる。したがって、回転部材50の一端とフレーム部20の内側壁2Aとの間の隙間、及び回転部材50の他端とフレーム部20の内側壁2Bとの間の隙間を狭くすることができるため、フレーム部20の強度を高めると共に、意匠性の向上を図ることができる。
【0043】
本実施の形態の回転支持スタンド10は、フレーム部20における第1突起21と第2突起22との間の距離(支持間距離)S1から、回転部材50における一端突起51の先端と他端突起52の先端との間の距離(突起間距離)T1を減じた差分が、第2ガイド32の厚みKよりも短くなるよう構成されている。したがって、組み立て後の回転支持ユニット100の角度を変えても、回転支持スタンド10から回転部材50が外れることがないため、ユーザの使用上の安心感及び信頼感を高めることができる。
【0044】
ちなみに、回転支持ユニット100は、
図6のフローチャートにも示す、台座嵌め込み工程と、第1ガイド嵌め込み工程と、回転部材配置工程と、第2ガイド移設工程とにより、容易に且つ精度よく組み立てることができる。なお、回転支持ユニット100は、回転支持スタンド10と回転部材50とを組み合わせたものであり、回転支持スタンド10と回転部材50とは別々に販売等されてもよい。
【0045】
<変形例1>
フレーム部20は、
図7のように、第1窪み21U及び第2窪み22Uを有しないよう構成してもよい。このようにしても、第1突起21と第1ガイド31とで回転部材50の一端突起51を安定的に支持しつつ、第2突起22と第2ガイド32とで回転部材50の他端突起52を安定的に支持することができる。ただし、
図5(b)と
図7との比較から分かるように、回転部材50の一端とフレーム部20の内側壁2Aとの間の隙間、及び回転部材50の他端とフレーム部20の内側壁2Bとの間の隙間が広くなるため、意匠性が幾分か低下することに加えて、フレーム部20の強度が相対的に低下する。
【0046】
フレーム部20は、第1窪み21U及び第2窪み22Uのうちの何れか一方を有するよう構成してもよい。このようにすれば、回転部材50の一端とフレーム部20の内側壁2Aとの間の隙間、又は回転部材50の他端とフレーム部20の内側壁2Bとの間の隙間を狭くすることができるため、意匠性の向上を図ることができ、フレーム部20の強度を一定程度高め得る。なお、載置上の安定性の観点からは、下側に配置される第1窪み21Uを設け、内側壁2A側の体積が相対的に大きくなるようにした方が、フレーム部20の重心が下がるため、好ましい。他の構成は、上述の本編と同様である。本変形例1の回転支持スタンド10及び回転支持ユニット100によっても、単純な構造により回転部材50を円滑かつ安定的に回転させることができる。他に得られる効果は、上述の本編の構成と同様である。
【0047】
<変形例2>
フレーム部20は、
図8のように、平面視多角形状の枠状としてもよく、これに合わせて回転部材50の形状を調整するとよい。
図8では、平面視六角形状の枠状であるフレーム部20と、平面視六角形状の外郭をもつ回転部材50とを例示しているが、これに限らず、フレーム部20は、平面視で種々の多角形状の枠状としてもよく、回転部材50は、平面視で種々の多角形状の外郭をもつよう形成してもよい。もっとも、回転支持ユニット100は、フレーム部20の内壁面と、回転部材50の外郭形状が、平面視において、回転部材50の回転軸を中心とした線対称となるようにするとよい。例えば、フレーム部20は、平面視で円形状又は楕円形状等の枠状としてもよく、回転部材50は、平面視で円形状又は楕円形状等の外郭をもつよう形成してもよい。他の構成は、上述の本編と同様である。本変形例2の回転支持スタンド10及び回転支持ユニット100によっても、単純な構造により回転部材50を円滑かつ安定的に回転させることができる。他に得られる効果は、上述の本編の構成と同様である。そして、変形例2の回転支持ユニット100にも変形例1の構成を適用することができる。
【0048】
<変形例3>
フレーム部20は、
図9のように、第1突起21と第2突起22とが横並びで配置されるよう構成してもよい。この場合、嵌合突起23は、フレーム部20の外側壁2Gのうちで、第1突起21及び第2突起22とは背中合わせにならない位置に配置される。かかる構成を採ると、回転部材50の一端突起51が第1ガイド31の下方に接触し、かつ他端突起52が第2ガイド32の下方に接触する状態となるが、互いの接触部分は最低限に抑えられるため、回転部材50を円滑かつ安定的に回転させることができる。他の構成は、上述の本編と同様である。本変形例3の回転支持スタンド10及び回転支持ユニット100によっても、単純な構造により回転部材50を円滑かつ安定的に回転させることができる。他に得られる効果は、上述の本編の構成と同様である。そして、変形例3の回転支持ユニット100にも変形例1及び変形例2の構成を適用することができる。
【0049】
上述した実施の形態は、本発明に係る回転支持スタンド、回転支持ユニット、及び回転支持ユニットの組立方法の一例であり、本発明の技術的範囲はこれらの態様に限定されない。例えば、第1ガイド31及び第2ガイド32の形状は、各図の例に限らず、各々の機能を確保することができる範囲で適宜変更してもよい。各図では、外周及び内周が平面視円形状の第1ガイド31及び第2ガイド32を例示しているが、これに限定されない。例えば、第1ガイド31及び第2ガイド32の外周は、平面視で多角形状であってもよく、楕円形状等であってもよい。
【0050】
嵌合突起23及び嵌合部41の数、形状、及び配置は各図の例に限らず、嵌め込みの安定性等を損なわない範囲で適宜変更してもよい。例えば、嵌合部41は、台座部40の長方形状における短手方向に沿って形成されてもよく、長手方向に対し斜めに形成されてもよい。もっとも、台座部40は、必ずしも平面視で長方形状である必要はなく、嵌合部41は、台座部40の中央の箇所以外に設けられてもよい。嵌合部41は、必ずしもスリット状である必要はない。フレーム部20は、複数の嵌合突起23を有していてもよい。この場合、台座部40は、複数の嵌合突起23それぞれに1対1で対応づけられた複数の嵌合部41を有していてもよく、複数の嵌合突起23がまとめて嵌め込まれる嵌合部41を有していてもよい。第1突起21の高さh1と第2突起22の高さh2とは、等しくてもよく、異なっていてもよい。第1ガイド31の厚みKと第2ガイド32の厚みKとは、等しくてもよく、異なっていてもよい。一端突起51の長さL1と、他端突起52の長さL2とは、等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0051】
フレーム部20と台座部40とは、一体的に形成されたものであってよい。例えば、フレーム部20と台座部40とを組み合わせた形状のフレーム部を、金型を用いた射出成形や3Dプリンターにより形成してもよい。この場合、フレーム部20は嵌合突起23を有さず、台座部40は嵌合部41を有しない。同様に、フレーム部20と第1ガイド31とは、一体的に形成されたものであってよく、さらに、フレーム部20と第1ガイド31と台座部40とは、一体的に形成されたものであってもよい。ただし、回転支持スタンド10は、各構成部材(フレーム部20、第1ガイド31、第2ガイド32、台座部40)が1枚の樹脂プレートから切り出されるよう構成した方が、運搬時や陳列時などにおいて省スペース化が図れるため、利便性が高い。
【0052】
回転支持スタンド10は、適切な位置に配置された一端突起51及び他端突起52をもつ種々の形状の回転部材50を安定的に支持し、円滑に回転させることができる。すなわち、回転部材50は、プレート状のものに限らず、様々な形状のものを採用することができる。例えば、オプション又は別売の回転部材50を回転支持スタンド10に支持させ、当該回転部材50を回転させて楽しんでもよい。回転支持スタンド10及び回転部材50は、それぞれ、透明性を有しなくてもよく、半透明のものであってもよい。各図では、回転支持ユニット100の各構成部材につき、平面視でのエッジの部分が丸みを帯びた例(R面取りされている例)を示しているが、これも必須のものではない。
【符号の説明】
【0053】
2A~2C 内側壁、2G 外側壁、2N 枠内側壁、3h 嵌め穴、10 回転支持スタンド、20 フレーム部、20A、50A 本体部、21 第1突起、21U 第1窪み、21f 支持面、21v、22v 底面、22 第2突起、22U 第2窪み、22f 対向面、23 嵌合突起、31 第1ガイド、31h、32h 嵌め穴、32 第2ガイド、40 台座部、41 嵌合部、50 回転部材、51 一端突起、52 他端突起、80 残余部、100 回転支持ユニット、h1、h2 高さ、K 厚み、S1 支持間距離、S2 ガイド間距離、T1 突起間距離、T2 配置距離。
【要約】
【課題】単純な構造により回転部材を安定的に支持しつつ円滑に回転させる回転支持スタンド、回転支持ユニット、及び回転支持ユニットの組立方法を提供すること。
【解決手段】
一端と他端のそれぞれに突起部を備えた回転部材を支持する回転支持スタンド。回転支持スタンドは、枠状に形成され、一方の互いに対向する2つの内側壁それぞれに支持突起を備えたフレーム部と、一方の支持突起である第1突起に嵌め込まれる環状の第1ガイドと、他方の支持突起である第2突起に嵌め込まれる環状の第2ガイドと、を有する。回転支持スタンドは、第1突起と第1ガイドとにより、回転部材の一端の突起部を支持し、第2突起と第2ガイドとにより、回転部材の他端の突起部を支持するものである。
【選択図】
図1