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特許7568356バッテリー監視装置、バッテリー監視方法、バッテリーパック及び電気車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】バッテリー監視装置、バッテリー監視方法、バッテリーパック及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20241008BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241008BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G01R31/00
H01M10/48 301
H02J7/00 Y
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023515781
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 KR2021012985
(87)【国際公開番号】W WO2022085962
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135553
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン-ゴン
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2009-0064774(KR,A)
【文献】特開2001-102092(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0025700(KR,A)
【文献】中国特許第102253342(CN,B)
【文献】特表2019-513339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング及び前記ハウジングの内部に収納される複数のバッテリーセルを有するバッテリーアセンブリーのためのバッテリー監視装置であって、
前記ハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサー、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサー、及び前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーの少なくとも1つと、
前記バッテリーアセンブリーから動作電圧を生成するように構成される電源回路と、
前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの前記少なくとも1つを停止状態から起動状態に切り換えるように構成されるコントローラと、を含み、
前記コントローラは、
起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つから収集される検出値基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視するように構成され
前記コントローラは、
前記監視開始命令が受信される場合、前記第1センサーからの検出値を第1サンプリングレートで収集し、
前記第2センサーからの検出値を第2サンプリングレートで収集し、
前記第3センサーからの検出値を第3サンプリングレートで収集し、
前記第1センサーから収集された検出値が第1臨界値以上であり、前記第2センサーから収集された検出値が第2臨界値未満であり、かつ前記第3センサーから収集された検出値が第3臨界値未満である第1異常状況が感知される場合、
前記第1センサーからの検出値を前記第1サンプリングレート以下である第4サンプリングレートで収集し、
前記第2センサーからの検出値を前記第2サンプリングレートより大きい第5サンプリングレートで収集し、
前記第3センサーからの検出値を前記第3サンプリングレート以上である第6サンプリングレートで収集する
バッテリー監視装置。
【請求項2】
ハウジング及び前記ハウジングの内部に収納される複数のバッテリーセルを有するバッテリーアセンブリーのためのバッテリー監視装置であって、
前記ハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサー、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサー、及び前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーの少なくとも1つと、
前記バッテリーアセンブリーから動作電圧を生成するように構成される電源回路と、
前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの前記少なくとも1つを停止状態から起動状態に切り換えるように構成されるコントローラと、を含み、
前記コントローラは、
起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つから収集される検出値に基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視するように構成され、
前記コントローラは、
前記第1センサーから収集される検出値、前記第2センサーから収集される検出値、及び前記第3センサーから収集される検出値を組み合わせて第1異常指数を決定し、
前記第1異常指数が第1臨界指数以上である第1異常状況が感知されたか否かを判定する
バッテリー監視装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記監視開始命令が受信される場合、前記第1センサーからの検出値を第1サンプリングレートで収集し、
前記第2センサーからの検出値を第2サンプリングレートで収集し、
前記第3センサーからの検出値を第3サンプリングレートで収集するように構成される、請求項に記載のバッテリー監視装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第2センサーから収集された検出値が前記第2臨界値以上であり、かつ前記第3センサーから収集された検出値が前記第3臨界値未満である第2異常状況が感知される場合、
前記第1センサーからの検出値を前記第4サンプリングレート以下である第7サンプリングレートで収集し、
前記第2センサーからの検出値を前記第5サンプリングレート以下である第8サンプリングレートで収集し、
前記第3センサーからの検出値を前記第6サンプリングレートより大きい第9サンプリングレートで収集するように構成される、請求項に記載のバッテリー監視装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第3センサーから収集された検出値が前記第3臨界値以上である第3異常状況が感知される場合、所定の安全機能を行うように構成される、請求項4に記載のバッテリー監視装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記監視開始命令が受信される場合、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を、第1サンプリングレートで収集するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリー監視装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に、第1加重値、第2加重値及び第3加重値を適用した結果を組み合わせて出力する第1関係関数を用いて第1異常指数を決定し、
前記第1異常指数が第1臨界指数以上である第1異常状況が感知される場合、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を、前記第1サンプリングレートより大きい第2サンプリングレートで収集するように構成される、請求項6に記載のバッテリー監視装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に、第4加重値、第5加重値及び第6加重値を適用した結果を組み合わせて出力する第2関係関数を用いて第2異常指数を決定し、
前記第2異常指数が第2臨界指数以上である第2異常状況が感知される場合、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を前記第2サンプリングレートより大きい第3サンプリングレートで収集するように構成され、
前記第2関係関数によって前記第2センサーから収集された検出値に付与される加重値は、前記第1関係関数によって前記第2センサーから収集された検出値に付与される加重値よりも大きい、請求項7に記載のバッテリー監視装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に、第7加重値、第8加重値及び第9加重値を適用した結果を組み合わせて出力する第3関係関数を用いて第3異常指数を決定し、
前記第3異常指数が第3臨界指数以上である第3異常状況が感知される場合、所定の安全機能を行うように構成され、
前記第3関係関数によって前記第3センサーから収集された検出値に付与される加重値は、前記第2関係関数によって前記第3センサーから収集された検出値に付与される加重値より大きい、請求項8に記載のバッテリー監視装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の前記バッテリー監視装置を含む、バッテリーパック。
【請求項11】
請求項10に記載の前記バッテリーパックを含む、電気車両。
【請求項12】
複数のバッテリーセルが収納されるバッテリーアセンブリーのハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサー、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサー、及び前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーの少なくとも1つと、前記バッテリーアセンブリーから動作電圧を生成するように構成される電源回路と、コントローラとを含むバッテリー監視装置によって実行可能なバッテリー監視方法であって、
前記コントローラが、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの前記少なくとも1つを停止状態から起動状態に切り換える段階と、
前記コントローラが、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つから収集される検出値に基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視する段階と、を含み、
前記バッテリー監視方法は、
前記コントローラが、前記監視開始命令が受信される場合、前記第1センサーからの検出値を第1サンプリングレートで収集する段階と、
前記コントローラが、前記第2センサーからの検出値を第2サンプリングレートで収集する段階と、
前記コントローラが、前記第3センサーからの検出値を第3サンプリングレートで収集する段階と、
前記第1センサーから収集された検出値が第1臨界値以上であり、前記第2センサーから収集された検出値が第2臨界値未満であり、かつ前記第3センサーから収集された検出値が第3臨界値未満である第1異常状況が感知される場合、
前記コントローラが、前記第1センサーからの検出値を前記第1サンプリングレート以下である第4サンプリングレートで収集する段階と、
前記コントローラが、前記第2センサーからの検出値を前記第2サンプリングレートより大きい第5サンプリングレートで収集する段階と、
前記コントローラが、前記第3センサーからの検出値を前記第3サンプリングレート以上である第6サンプリングレートで収集する段階と、を含む
バッテリー監視方法。
【請求項13】
複数のバッテリーセルが収納されるバッテリーアセンブリーのハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサー、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサー、及び前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーの少なくとも1つと、前記バッテリーアセンブリーから動作電圧を生成するように構成される電源回路と、コントローラとを含むバッテリー監視装置によって実行可能なバッテリー監視方法であって、
前記コントローラが、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの前記少なくとも1つを停止状態から起動状態に切り換える段階と、
前記コントローラが、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーの少なくとも1つから収集される検出値に基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視する段階と、を含み、
前記バッテリー監視方法は、
前記コントローラが、前記第1センサーから収集される検出値、前記第2センサーから収集される検出値、及び前記第3センサーから収集される検出値を組み合わせて第1異常指数を決定する段階と、
前記コントローラが、前記第1異常指数が第1臨界指数以上である第1異常状況が感知されたか否かを判定する段階と、を含む
バッテリー監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリーセルを有するバッテリーアセンブリーの内部的異常を監視する技術に関する。
【0002】
本出願は、2020年10月19日出願の韓国特許出願第10-2020-0135553号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーパックは、通常、複数のバッテリーセルとそれを収容するハウジング有する少なくとも一つのバッテリーアセンブリーを含む。バッテリーセルは、電極積層体及び電解質を外装材内に収納した後、外装材を密封することで製造される。外装材によって電極組立体及び電解質が外部から隔離されることで、バッテリーセルを安全に使用できる。
【0006】
バッテリーセルの外装材が破裂する場合、外装材によって隔離していた外装材の内部に閉じこめられていた人体に有害な物質(例えば、電解液)が外装材の外部へ漏出し得る。外装材の破裂原因は、外部的原因と内部的原因に分けられ得る。外部的原因(例えば、外部からの強い衝撃)の発生は予測しにくいため、バッテリーパックを安全に運用することにおいて内部的原因に重点を置く必要がある。
【0007】
内部的原因による外装材の破裂順序は、次のようである。バッテリーセルの温度が上昇するにつれ、バッテリーセルの内部でガスの発生が加速化し、発生したガスによって内部圧力が増加しながら外装材も徐々に膨張する。外装材の膨張程度が限界値を超えると、結局、外装材が破裂して外装材の内部に閉じこめられていたガスが外装材の外部へ排出されるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーアセンブリーに含まれたバッテリーセルの外装材の破裂に関わるパラメーター(即ち、温度、圧力、ガス)を独立的に検出するセンサーを用いて、バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視するための装置及び方法と、前記装置を含むバッテリーパック及び前記バッテリーパックを含む電気車両を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面によるバッテリー監視装置は、ハウジング及び前記ハウジングの内部に収納される複数のバッテリーセルを有するバッテリーアセンブリーのためのものである。前記バッテリー監視装置は、前記ハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサーと、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサーと、前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーと、前記バッテリーアセンブリーの直流電流を用いて動作電圧を生成するように構成される電源回路と、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーを停止状態から起動状態に切り換えるように構成されるコントローラと、を含む。前記コントローラは、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値を基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視するように構成される。
【0011】
前記コントローラは、前記監視開始命令が受信される場合、前記第1センサーからの検出値を第1サンプリングレートで収集し、前記第2センサーからの検出値を第2サンプリングレートで収集し、前記第3センサーからの検出値を第3サンプリングレートで収集するように構成され得る。
【0012】
前記コントローラは、前記第1センサーから収集された検出値が第1臨界値以上であり、前記第2センサーから収集された検出値が第2臨界値未満であり、かつ前記第3センサーから収集された検出値が第3臨界値未満である第1異常状況が感知される場合、前記第1センサーからの検出値を前記第1サンプリングレート以下である第4サンプリングレートで収集し、前記第2センサーからの検出値を前記第2サンプリングレートより大きい第5サンプリングレートで収集し、前記第3センサーからの検出値を前記第3サンプリングレート以上である第6サンプリングレートで収集するように構成され得る。
【0013】
前記コントローラは、前記第2センサーから収集された検出値が前記第2臨界値以上であり、かつ前記第3センサーから収集された検出値が前記第3臨界値未満である第2異常状況が感知される場合、前記第1センサーからの検出値を前記第4サンプリングレート以下である第7サンプリングレートで収集し、前記第2センサーからの検出値を前記第5サンプリングレート以下である第8サンプリングレートで収集し、前記第3センサーからの検出値を前記第6サンプリングレートより大きい第9サンプリングレートで収集するように構成され得る。
【0014】
前記コントローラは、前記第3センサーから収集された検出値が前記第3臨界値以上である第3異常状況が感知される場合、所定の安全機能を行うように構成され得る。
【0015】
前記コントローラは、前記監視開始命令が受信される場合、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を、第1サンプリングレートで収集するように構成され得る。
【0016】
前記コントローラは、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に第1関係関数を適用して第1異常指数を決定するように構成され得る。前記コントローラは、前記第1異常指数が第1臨界指数以上である第1異常状況が感知される場合、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を、前記第1サンプリングレートより大きい第2サンプリングレートで収集するように構成され得る。
【0017】
前記コントローラは、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に第2関係関数を適用して第2異常指数を決定するように構成され得る。前記コントローラは、前記第2異常指数が第2臨界指数以上である第2異常状況が感知される場合、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサー各々からの検出値を前記第2サンプリングレートより大きい第3サンプリングレートで収集するように構成され得る。前記第2関係関数によって前記第2センサーから収集された検出値に付与される加重値は、前記第1関係関数によって前記第2センサーから収集された検出値に付与される加重値よりも大きい。
【0018】
前記コントローラは、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に第3関係関数を適用して第3異常指数を決定するように構成され得る。前記コントローラは、前記第3異常指数が第3臨界指数以上である第3異常状況が感知される場合、所定の安全機能を行うように構成され得る。前記第3関係関数によって前記第3センサーから収集された検出値に付与される加重値は、前記第2関係関数によって前記第3センサーから収集された検出値に付与される加重値より大きい。
【0019】
なお、本発明の他面によるバッテリーパックは、前記バッテリー監視装置を含み得る。
【0020】
また、本発明のさらに他面による電気車両は、前記バッテリーパックを含み得る。
【0021】
本発明のさらに他面によるバッテリー監視方法は、複数のバッテリーセルが収納されるバッテリーアセンブリーのハウジングの内部温度を検出するように構成される第1センサーと、前記ハウジングの内部圧力を検出するように構成される第2センサーと、前記ハウジングの内部ガスを検出するように構成される第3センサーと、前記バッテリーアセンブリーからの直流電流を用いて動作電圧を生成するように構成される電源回路と、コントローラを含むバッテリー監視装置によって実行可能である。前記バッテリー監視方法は、前記コントローラが、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーが停止状態に制御されている間に監視開始命令が受信される場合、前記動作電圧を用いて、前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーを停止状態から起動状態に切り換える段階と、前記コントローラが、起動状態の前記第1センサー、前記第2センサー及び前記第3センサーから各々収集される検出値に基づいて、前記バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例の少なくとも一つによれば、バッテリーアセンブリーに含まれたバッテリーセルの外装材の破裂に関わるパラメータ(即ち、温度、圧力、ガス)を独立的に検出するセンサーを用いてバッテリーアセンブリーの内部的異常を監視可能である。
【0023】
本発明の実施例の少なくとも一つによれば、各センサーから収集される検出値に対応する異常状況の深刻度に合わせて少なくとも一つのセンサーに対するサンプリングレートを調節することで、バッテリーアセンブリーの内部的異常を迅速に検出可能であると共に、バッテリーアセンブリーの内部的異常を監視することにおいて無駄な電力消耗を減らすことができる。
【0024】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による電気車両の構成を示した図である。
【0027】
図2】本発明の第1実施例によるバッテリー監視方法を示したフローチャートである。
【0028】
図3】本発明の第2実施例によるバッテリー監視方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0030】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0032】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「~部」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0033】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0034】
図1は、本発明による電気車両1の構成を示した図である。
【0035】
図1を参照すると、電気車両1は、バッテリーパック2、リレー3、インバータ4、電気モーター5及び上位コントローラ6を含む。
【0036】
バッテリーパック2は、バッテリーアセンブリー10及びバッテリー監視装置100を含む。
【0037】
リレー3は、バッテリーアセンブリー10のプラス端子及びマイナス端子をインバータ4のプラス端子及びマイナス端子に各々接続する一対の電力経路を通して、バッテリーアセンブリー10に電気的に直列に接続される。リレー3は、バッテリー監視装置100からのスイチング信号に応じて、オン状態とオフ状態に制御される。リレー3は、コイルの磁気力によってオンオフされる機械式リレーであるか、またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect transistor)のような半導体スイッチであり得る。
【0038】
インバータ4は、上位コントローラ6からの命令に応じて、バッテリーアセンブリー10からの直流電流を交流電流へ切り換えるように提供される。
【0039】
電気モーター5は、インバータ4からの交流電流を用いて駆動する。電気モーター5としては、例えば、三相交流モーターを用い得る。
【0040】
バッテリーアセンブリー10は、複数のバッテリーセル11及びハウジング12を含む。ハウジング12は、バッテリーアセンブリー10の全体的な外形を定義し、複数のバッテリーセル11が配設(収納)される内部空間を提供する。ハウジング12は、電気車両1に設けられたバッテリールームにボルトなどによって固定されて締結され得る。
【0041】
複数のバッテリーセル11は、直列、並列または直・並列の混合で接続され得る。バッテリーセル11は、例えば、リチウムイオンバッテリーセルであり得る。勿論、反復的な充放電が可能なものであれば、バッテリーセル11の種類は特に限定されない。
【0042】
バッテリーセル11は、電極積層体、電解質及び外装材を含む。電極積層体は、正極板、負極板及び正極板と負極板との間に配置されるセパレータを含む。外装材は、その内部に電極積層体及び電解質が収納された状態で完全に密封される。これによって、外装材が破裂していない状態では、電極積層体、電解質及び充放電反応の副産物として発生したガスが外装材によって外部から隔離される。
【0043】
バッテリー監視装置100は、バッテリーアセンブリー10の内部温度、内部圧力及び内部ガスの検出結果を活用し、バッテリーアセンブリー10の内部的異常を監視するように提供される。
【0044】
バッテリー監視装置100は、第1センサー110、第2センサー120、第3センサー130、電源回路140及びコントローラ150を含む。バッテリー監視装置100は、インターフェース部160をさらに含み得る。
【0045】
第1センサー110は、ハウジング12の内部空間に配置され、バッテリーアセンブリー10の内部温度を示す第1検出信号を生成するように構成される。一例で、第1センサー110は、複数のバッテリーセル11のいずれか二つの間の温度をバッテリーアセンブリー10の内部温度として検出し得る。第1センサー110としては、サーミスター、熱電対などのような公知の温度検出素子を用い得る。
【0046】
第2センサー120は、ハウジング12の内部空間に配置され、バッテリーアセンブリー10の内部圧力を示す第2検出信号を生成するように構成される。一例で、第2センサー120は、複数のバッテリーセル11のいずれか二つの間に接触した状態で二つのバッテリーセルの膨張によって加えられる圧力をバッテリーアセンブリー10の内部圧力として検出し得る。第2センサー120としては、ひずみゲージなどのような公知の圧力検出素子を用い得る。
【0047】
第3センサー130は、ハウジング12の内部空間に配置され、バッテリーアセンブリー10の内部ガスを示す第3検出信号を生成するように構成される。第3センサー130としては、空気質センサーなどのような公知のガス検出素子を用い得る。
【0048】
電源回路140は、バッテリーアセンブリー10から供給される直流電流を用いて、コントローラ150の動作に要求される所定の電圧レベルを有する動作電圧を生成するように構成される。電源回路140としては、電圧レギュレーター、DC-DCコンバータなどが用いられ得る。
【0049】
コントローラ150は、ハードウェア的に、ASIC(application specific integrated circuit,特定用途向け集積回路)、DSP(digital signal processor,デジタルシグナルプロセッサ)、DSPD(digital signal processing device,デジタル信号処理デバイス)、PLD(programmable logic device,プログラマブルロジックデバイス)、FPGA(field programmable gate array,フィールドプログラマブルゲートアレイ)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、その他の機能遂行のための電気的ユニットの少なくとも一つを用いて具現され得る。
【0050】
コントローラ150には、メモリが内蔵され得る。メモリーは、例えば、フラッシュメモリー(登録商標)タイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、SSDタイプ(Solid State Disk type,ソリッドステートディスクタイプ)、SDDタイプ(Silicon Disk Drive type,シリコンディスクドライブタイプ)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、RAM(random access memory,ランダムアクセスメモリー)、SRAM(static random access memory,スタティックランダムアクセスメモリー)、ROM(read‐only memory,リードオンリーメモリー)、EEPROM(electrically erasable programmable read‐only memory,エレクトリカリーイレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリー)、PROM(programmable read‐only memory,プログラマブルリードオンリーメモリー)の少なくとも一つのタイプの保存媒体を含み得る。メモリーには、後述する実施例によるバッテリー管理方法を実行するのに必要なプログラム及び各種データが予め保存され得る。
【0051】
コントローラ150は、上位コントローラ6、第1センサー110、第2センサー120、第3センサー130及び電源回路140に動作可能に結合する。二つの構成が動作可能に結合するということは、単方向または双方向に信号を送受信可能に二つの構成が直・間接的に接続されていることを意味する。
【0052】
コントローラ150は、電源回路140によって供給される動作電圧を用いた駆動中に、上位コントローラ6からの命令に応じて、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130を制御しながら、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130の少なくとも一つからの検出値を収集するように構成される。検出値を収集するということは、アナログ信号である検出信号をデジタル値へ切り換えた後、メモリーに記録する動作を意味し得る。
【0053】
コントローラ150は、内部に設けられた電圧変換回路を用いて、動作電圧とは相異なる電源電圧に切り換え得る。電源電圧は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130の活性化に要求される所定の電圧レベルを有する。即ち、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130は各々、電源電圧が供給される間、関連する検出信号を生成する起動状態で動作するようになる。コントローラ150は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130の各々に対する電源電圧の供給を選択的に遮断することで、各センサー110、120、130を起動状態から停止状態に切り換え得る。停止状態に制御される各センサー110、120、130に関わる検出信号の生成は中断される。勿論、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130も、動作電圧によって活性化するように構成されることが可能であり、この場合には、動作電圧から電源電圧への変換は省略され得る。
【0054】
コントローラ150は、監視チャンネルを介して各センサー110、120、130に動作可能に結合し得る。監視チャンネルは、電源ライン及び通信ラインを有する。コントローラ150からの電源電圧は、電源ラインによって各センサー110、120、130に供給され得る。コントローラ150は、通信ラインによって各センサー110、120、130からの検出信号を受信し、受信された検出信号を検出値として収集し得る。
【0055】
インターフェース部160は、コントローラ150と電気車両1の上位コントローラ6(例えば、ECU:Electronic Control Unit)との有線通信または無線通信を支援するように構成される。有線通信は、例えば、CAN(contoller area network)通信であり、無線通信は、例えば、ジグビー(登録商標)やブルートゥース(登録商標)通信であり得る。勿論、コントローラ150と上位コントローラ6との有無線通信を支援するものであれば、通信プロトコールの種類は特に限定されない。インターフェース部160は、コントローラ150及び/または上位コントローラ6から受信された情報を使用者が認識可能な形態で提供する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー)を含み得る。
【0056】
図2は、本発明の第1実施例によるバッテリー監視方法を示したフローチャートである。図2の方法は、図1のバッテリー監視装置100によって実行可能である。
【0057】
図1及び図2を参照すると、段階S200で、コントローラ150は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130が停止状態に制御される間、監視開始命令が受信されたか否かを判定する。上位コントローラ6は、使用者の入力に応じて、監視開始命令をバッテリー監視装置100に伝送し得る。段階S200の値が「はい」である場合、段階S210へ進む。
【0058】
段階S210で、コントローラ150は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130に電源供給を供給し、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130を停止状態から起動状態へ切り換える。これによって、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130は各々、起動状態で検出信号を生成するようになる。
【0059】
段階S220で、コントローラ150は、第1サンプリングレート、第2サンプリングレート及び第3サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130各々からの検出値を収集する。第1サンプリングレート、第2サンプリングレート及び第3サンプリングレートは、相互に同一または相違することがあり、各々予め決けられた値を有する。例えば、第1サンプリングレートは、100回/1秒、第2サンプリングレートは10回/1秒、第3サンプリングレートは1回/1秒であり得る。
【0060】
段階S230で、コントローラ150は、第1センサー110から収集された検出値が第1臨界値以上であり、第2センサー120から収集された検出値が第2臨界値未満であり、かつ第3センサー130から収集された検出値が第3臨界値未満である第1異常状況が感知されたか否かを判定する。即ち、第1異常状況は、バッテリーアセンブリー10の内部温度が第1臨界値に対応する臨界温度以上に上昇した一方、バッテリーアセンブリー10の内部圧力及びガス濃度は両方とも正常水準である状況である。段階S230の値が「はい」である場合、段階S240へ進む。
【0061】
段階S240で、コントローラ150は、第4サンプリングレート、第5サンプリングレート及び第6サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々の検出値を収集する。即ち、コントローラ150は、第1検出信号の取得速度を第1サンプリングレートから第4サンプリングレートへ、第2検出信号の取得速度を第2サンプリングレートから第5サンプリングレートへ、第3検出信号の取得速度を第3サンプリングレートから第6サンプリングレートへ各々設定する。第4サンプリングレート、第5サンプリングレート及び第6サンプリングレートは、各々予め決められた値を有する。第4サンプリングレートは、第1サンプリングレート以下である。第5サンプリングレートは、第2サンプリングレートより大きい。第6サンプリングレートは、第3サンプリングレート以上である。例えば、第4サンプリングレートは100回/1秒、第5サンプリングレートは50回/1秒、第6サンプリングレートは60回/1秒であり得る。第5サンプリングレートが第2サンプリングレートより大きいため、内部温度の上昇によって加速化する内部圧力の上昇を精度よく監視可能である。
【0062】
段階S250で、コントローラ150は、第2センサー120から収集された検出値が第2臨界値以上であり、第3センサー130から収集された検出値が第3臨界値未満である第2異常状況が感知されたか否かを判定する。第1異常状況は既に感知されたため、第1センサー110から収集された検出値は、第2異常状況の発生を判定するのに活用されない。即ち、第2異常状況は、バッテリーアセンブリー10の内部温度が第1臨界値に対応する臨界温度以上に上昇した後、バッテリーアセンブリー10の内部圧力が第2臨界値に対応する臨界圧力以上に上昇し、バッテリーアセンブリー10のガス濃度は正常水準である状況である。段階S250の値が「はい」である場合、段階S260へ進む。
【0063】
段階S260で、コントローラ150は、第7サンプリングレート、第8サンプリングレート及び第9サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々検出値を収集する。即ち、コントローラ150は、第1検出信号の取得速度を第4サンプリングレートから第7サンプリングレートに、第2検出信号の取得速度を第5サンプリングレートから第8サンプリングレートに、第3検出信号の取得速度を第6サンプリングレートから第9サンプリングレートに各々設定する。第7サンプリングレート、第8サンプリングレート及び第9サンプリングレートは、各々予め決められた値を有する。第7サンプリングレートは、第4サンプリングレート以下である。第8サンプリングレートは、第5サンプリングレート以下である。第9サンプリングレートは、第6サンプリングレートより大きい。例えば、第7サンプリングレートは60回/1秒、第8サンプリングレートは50回/1秒、第9サンプリングレートは100回/1秒であり得る。第9サンプリングレートが第6サンプリングレートより大きいため、内部圧力の上昇によって外装材が破裂したときに発生するガスの漏出を精度よく監視可能である。
【0064】
段階S270で、コントローラ150は、第3センサー130から収集された検出値が第3臨界値以上である第3異常状況が感知されたか否かを判定する。第1異常状況及び第2異常状況は既に感知されたため、第1センサー110から収集された検出値及び第2センサー120から収集された検出値は、第2異常状況の発生を判定するのに活用されない。即ち、第3異常状況は、バッテリーアセンブリー10の内部圧力が第2臨界値に対応する臨界圧力以上に上昇した後、バッテリーアセンブリー10に含まれた少なくとも一つのバッテリーセル11の外装材が破裂することによってハウジング12の内部のガス濃度が正常水準を超過してしまった状況である。段階S270の値が「はい」である場合、段階S280へ進む。
【0065】
段階S280で、コントローラ150は所定の安全機能を行う。安全機能は、外装材の破裂を上位コントローラ6に報告する動作を含み得る。安全機能は、リレー3をオフ状態に制御する動作を含み得る。安全機能は、外装材の破裂を使用者(例えば、車両運転者)に知らせる視覚的/聴覚的情報を出力する動作を含み得る。
【0066】
図3は、本発明の第2実施例によるバッテリー監視方法を示したフローチャートである。図3の方法は、図1のバッテリー監視装置100によって実行可能である。
【0067】
図1及び図3を参照すると、段階S300で、コントローラ150は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130が停止状態に制御される間に、監視開始命令が受信されたか否かを判定する。上位コントローラ6は、使用者の入力に応じて、監視開始命令をバッテリー監視装置100へ伝送し得る。段階S300の値が「はい」である場合、段階S310へ進む。
【0068】
段階S310で、コントローラ150は、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130に電源供給を供給し、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130を停止状態から起動状態に切り換える。これによって、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130は各々、起動状態で検出信号を生成するようになる。
【0069】
段階S320で、コントローラ150は、第1サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々検出値を収集する。第1サンプリングレートは、予め決められた値を有する。例えば、第1サンプリングレートは3回/1秒であり得る。
【0070】
段階S322で、コントローラ150は、第1関係関数を用いて、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々収集された検出値に基づいて、バッテリーアセンブリー10の内部的異常の深刻度を示す第1異常指数を決定する。第1関係関数は、第1センサー110からの検出値、第2センサー120からの検出値及び第3センサー130からの検出値に各々固有の加重値(換算係数)を適用した結果を組み合わせて出力する関数である。下記の数式1は、第1関係関数の一例である。
【0071】
(数式1)
【数1】
【0072】
数式1において、DIは第1異常指数、Cは第1換算係数、Cは第2換算係数、Cは第3換算係数、Sは第1センサー110から収集された最新の検出値、Sは第2センサー120から収集された最新の検出値、Sは第3センサー130から収集された最新の検出値である。第1関係関数は、上記例による数式1に制限されず、各センサー110、120、130の検出値を組み合わせた結果値が出力可能であれば、他の数式が用いられ得る。
【0073】
段階S330で、コントローラ150は、第1異常指数が第1臨界指数以上である第1異常状況が感知されたか否かを判定する。第1異常状況は、バッテリーアセンブリー10が正常ではないが、バッテリーセル11の外装材の破裂する可能性が所定の水準以下である状況である。段階S330の値が「はい」である場合、段階S340へ進む。
【0074】
段階S340で、コントローラ150は、第1サンプリングレートより大きい第2サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々検出値を収集する。即ち、コントローラ150は、第1検出信号、第2検出信号及び第3検出信号の取得速度を第1サンプリングレートから第2サンプリングレートへ増加させる。例えば、第2サンプリングレートは30回/1秒であり得る。
【0075】
段階S342で、コントローラ150は、第2関係関数を用いて、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々収集された検出値に基づいて、バッテリーアセンブリー10の内部的異常の深刻度を示す第2異常指数を決定する。第2関係関数は、第1センサー110からの検出値、第2センサー120からの検出値及び第3センサー130からの検出値に各々固有の加重値(換算係数)を適用した結果を組み合わせて出力する関数である。下記の数式2は、第2関係関数の一例である。
【0076】
(数式2)
【数2】
【0077】
数式2において、DIは第2異常指数、Cは第4換算係数、Cは第5換算係数、Cは第6換算係数、Sは第1センサー110から収集された最新の検出値、Sは第2センサー120から収集された最新の検出値、Sは第3センサー130から収集された最新の検出値である。第2関係関数は、上記例による数式2に制限されず、各センサー110、120、130の検出値を組み合わせた結果値が出力可能であれば、他の数式が用いられ得る。
【0078】
注目すべき点は、第2関係関数によって第2センサー120から収集された検出値に付与される加重値は、第1関係関数によって第2センサー120から収集された検出値に付与される加重値より大きいことがあるという点である。例えば、数式2の第5換算係数Cは、数式1の第2換算係数Cより大きい。
【0079】
段階S350で、コントローラ150は、第2センサー120から収集された検出値が第2臨界指数以上であり、かつ第3センサー130から収集された検出値が第3臨界指数未満である第2異常状況が感知されたか否かを判定する。第2異常状況は、第1異常状況よりバッテリーアセンブリー10の内部的異常が深刻になり、バッテリーセル11の外装材が破裂する可能性が所定の水準を超過する状況である。段階S350の値が「はい」である場合、段階S360へ進む。
【0080】
段階S360で、コントローラ150は、第2サンプリングレートより大きい第3サンプリングレートで、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々の検出値を収集する。即ち、コントローラ150は、第1検出信号、第2検出信号及び第3検出信号の取得速度を第2サンプリングレートから第3サンプリングレートに増加させる。例えば、第3サンプリングレートは60回/1秒であり得る。
【0081】
段階S362で、コントローラ150は、第3関係関数を用いて、第1センサー110、第2センサー120及び第3センサー130から各々収集された検出値に基づいて、バッテリーアセンブリー10の内部的異常の深刻度を示す第3異常指数を決定する。第3関係関数は、第1センサー110からの検出値、第2センサー120からの検出値及び第3センサー130からの検出値に各々固有の加重値(換算係数)を適用した結果を組み合わせて出力する係数である。下の数式3は、第3関係関数の一例である。
【0082】
(数式3)
【数3】
【0083】
数式3において、DIは第3異常指数、Cは第7換算係数、Cは第8換算係数、Cは第9換算係数、Sは第1センサー110から収集された最新の検出値、Sは第2センサー120から収集された最新の検出値、Sは第3センサー130から収集された最新の検出値である。第3関係関数は、上記例による数式3に制限されず、各センサー110、120、130の検出値を組み合わせた結果値が出力可能であれば、他の数式が用いられ得る。
【0084】
注目すべき点は、第3関係関数によって第3センサー130から収集された検出値に付与される加重値は、第2関係関数によって第3センサー130から収集された検出値に付与される加重値より大きいという点である。例えば、数式3の第9換算係数Cは、数式2の第6換算係数Cより大きい。
【0085】
段階S370で、コントローラ150は、第3センサー130から収集された検出値が第3臨界指数以上である第3異常状況が感知されたか否かを判定する。段階S370の値が「はい」である場合、段階S380へ進む。
【0086】
段階S380で、コントローラ150は、所定の安全機能を行う。安全機能は、外装材の破裂を上位コントローラ6に報告する動作を含み得る。安全機能は、リレー3をオフ状態に制御する動作を含み得る。安全機能は、外装材の破裂を使用者(例えば、車両運転者)に知らせる視覚的/聴覚的情報を出力する動作を含み得る。
【0087】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0088】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0089】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2
図3