(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】バッテリーセル
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20241008BHJP
【FI】
H01M50/105
(21)【出願番号】P 2019160898
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0126857
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522151617
【氏名又は名称】エスケー オン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒ ギュン
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0017364(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1253671(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380245(US,A1)
【文献】特開2015-153513(JP,A)
【文献】特表2015-537338(JP,A)
【文献】特開2004-071301(JP,A)
【文献】特開2007-073437(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0022156(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、
前記外装材は、前記電極組立体の下側を覆う第1部材と、前記電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、
前記第1部材及び前記第2部材は、一側で相互に連結されて前記電極組立体が密着される密着面が形成され、前記一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、
前記第1部材は、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、前記第2部材をシールするための第1シール部とを含み
、前記第1シール部は、前記第1凹部から延長され、
前記第2部材は、前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、前記第1部材をシールするための第2シール部とを含み
、前記第2シール部は、前記第2凹部から延長され、
前記第1凹部は、
前記バッテリーセルの底部を形成する底面と、
前記底面の前縁から上方に延長される第1前面と、
前記底面の後縁から上方に延長される第1後面とを含み、
前記第2凹部は、
前記バッテリーセルの上部を形成する上面と、
前記上面の前縁から下方に延長される第2前面と、
前記上面の後縁から前記第1後面の上縁まで下方に延長される第2後面とを含み、
前記第1シール部は、前記第1前面の上縁から前方に延長され、前記第2シール部は、前記第2前面の下縁から前方に延長され、前記第2前面の下縁は、前記第1前面の上縁よりも前方にあり、
前記第2後面はつなぎ部を介して前記第1後面に連結され、前記第2後面は前記つなぎ部から上方に行くほど前記電極組立体に近づく方向に傾き、前記第2後面は、前記第1後面に対して
前記電極組立体に向かって傾斜していることを特徴とする、バッテリーセル。
【請求項2】
電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、
前記外装材は、前記電極組立体の下側を覆う第1部材と、前記電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、
前記第1部材及び前記第2部材は、一側で互いに連結され、前記一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、
前記第1部材は、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、前記第2部材をシールするための第1シール部とを含み、前記第1シール部は、前記第1凹部から延長され、
前記第2部材は、前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、前記第1部材をシールするための第2シール部とを含み、前記第2シール部は、前記第2凹部から延長され、
前記外装材により形成される内部空間において、前記第1部材と前記電極組立体との間で形成される空間が、前記第2部材と前記電極組立体との間で形成される空間よりも小
さく、
前記第1凹部は、
前記バッテリーセルの底部を形成する底面と、
前記底面の前縁から上方に延長される第1前面と、
前記底面の後縁から上方に延長される第1後面とを含み、
前記第2凹部は、
前記バッテリーセルの上部を形成する上面と、
前記上面の前縁から下方に延長される第2前面と、
前記上面の後縁から前記第1後面の上縁まで下方に延長される第2後面とを含み、
前記第1シール部は、前記第1前面の上縁から前方に延長され、前記第2シール部は、前記第2前面の下縁から前方に延長され、前記第2前面の下縁は、前記第1前面の上縁よりも前方にあり、
前記第2後面はつなぎ部を介して前記第1後面に連結され、前記第2後面は前記つなぎ部から上方に行くほど前記電極組立体に近づく方向に傾き、前記第2後面は、前記第1後面に対して
前記電極組立体に向かって傾斜していることを特徴とする、バッテリーセル。
【請求項3】
電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、
前記外装材は、前記電極組立体の下側を覆う第1部材と、前記電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、
前記第1部材及び前記第2部材は、一側で互いに連結され、前記一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、
前記第1部材は、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、前記第2部材をシールするための第1シール部とを含み、前記第1シール部は、前記第1凹部から延長され、
前記第2部材は、前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、前記第1部材をシールするための第2シール部とを含み、前記第2シール部は、前記第2凹部から延長され、
前記第1部材及び前記第2部材が連結された前記一側で、前記
第2凹部の側面が前記
第1凹部の側面よりも前記電極組立体側に密着し、
前記第1凹部は、
前記バッテリーセルの底部を形成する底面と、
前記底面の前縁から上方に延長される第1前面と、
前記底面の後縁から上方に延長される第1後面とを含み、
前記第2凹部は、
前記バッテリーセルの上部を形成する上面と、
前記上面の前縁から下方に延長される第2前面と、
前記上面の後縁から前記第1後面の上縁まで下方に延長される第2後面とを含み、
前記第1シール部は、前記第1前面の上縁から前方に延長され、前記第2シール部は、前記第2前面の下縁から前方に延長され、前記第2前面の下縁は、前記第1前面の上縁よりも前方にあり、
前記第2後面はつなぎ部を介して前記第1後面に連結され、前記第2後面は前記つなぎ部から上方に行くほど前記電極組立体に近づく方向に傾き、前記第2後面は、前記第1後面に対して
前記電極組立体に向かって傾斜していることを特徴とする、バッテリーセル。
【請求項4】
前記第1凹部の内側体積と前記第2凹部の内側体積とが異なっている、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項5】
前記第2凹部の内側体積は、前記第1凹部の内側体積よりも大きい、請求
項4に記載のバッテリーセル。
【請求項6】
前記第2凹部の内側体積は、前記第1凹部の内側体積よりも小さい、請求
項4に記載のバッテリーセル。
【請求項7】
前記第1凹部で形成される深さと前記第2凹部で形成される深さは同じであり、かつ前記第2凹部で形成される内側体積が、前記第1凹部で形成される内側体積よりも大きい、請求
項4に記載のバッテリーセル。
【請求項8】
電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルの製造方法において、
前記外装材は、前記電極組立体の下側を覆う第1部材と、前記電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、
前記第1部材に、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部を形成し、前記第2部材に前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部とを形成し、
前記電極組立体を前記第1凹部に収容した後、前記第1凹部及び前記第2凹部が連結される一側面を前記電極組立体に密着させて密着面を形成しながら前記第2凹部に電極組立体を収容し、
前記第1凹部から延長される第1シール部および前記第2凹部から延長される第2シール部によって前記第1部材と前記第2部材との間をシールし、
前記第1凹部は、
前記バッテリーセルの底部を形成する底面と、
前記底面の前縁から上方に延長される第1前面と、
前記底面の後縁から上方に延長される第1後面とを含み、
前記第2凹部は、
前記バッテリーセルの上部を形成する上面と、
前記上面の前縁から下方に延長される第2前面と、
前記上面の後縁から前記第1後面の上縁まで下方に延長される第2後面とを含み、
前記第1シール部は、前記第1前面の上縁から前方に延長され、前記第2シール部は、前記第2前面の下縁から前方に延長され、前記第2前面の下縁は、前記第1前面の上縁よりも前方にあり、
前記第2後面はつなぎ部を介して前記第1後面に連結され、前記第2後面は前記つなぎ部から上方に行くほど前記電極組立体に近づく方向に傾き、前記第2後面は、前記第1後面に対して
前記電極組立体に向かって傾斜していることを特徴とする、
前記外装材をシールする、バッテリーセルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーセルに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、モバイル機器または自動車などの産業全般に渡って二次電池の需要が急激に増加しており、これに関する研究も活発に進行されている。二次電池の外装材は、ホイルを加圧し、電極組立体が収容される空間を形成する工程により形成される。二次電池は、前記工程により成形された外装材の内部空間に電極組立体(ゼリーロール)を挿入した後、成形された外装材の端部をシールして製造される。
【0003】
外装材のほとんどは、アルミニウムを含む金属層と、これをコーティングしているコート層とで形成されているため、熱および応力に脆弱である。また、電極組立体とともに外装材に収容される電解液は、爆発の危険性が存在し、熱的安定性に劣る欠点がある。このため、外装材ならびに該外装材の内部に収容される電極組立体および電解液などが熱によって損傷することを防止し、バッテリー内で発生する熱を放出する構造を有することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10‐2018‐0054617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は、絶縁抵抗に優れ、モジュールとして組み立て時の冷却効果を最大化できるバッテリーセルを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の一実施形態は、熱によるセパレータの損傷を防止できるバッテリーセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、外装材は、収容された電極組立体の下側を覆う第1部材と、電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、第1部材及び第2部材は、一側で互いに連結され、一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、第1部材は、電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、第2部材をシールするための第1シール部とを含み、第2部材は、電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、第1部材をシールするための第2シール部とを含み、前記第1シール部における前記第2シール部とシールされた部分の内側に位置する第1境界から前記第1凹部における前記第1シール部側に位置する第1外側表面までの距離よりも、前記第2シール部の内側に位置する第2境界から前記第2凹部における前記第2シール部側に位置する第2外側表面までの距離がより長い、バッテリーセルを提供する。
【0008】
また、本発明の他の実施形態によると、電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、外装材は、収容された電極組立体の下側を覆う第1部材と、電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、第1部材及び第2部材は、一側で互いに連結され、一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、第1部材は、電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、第2部材をシールするための第1シール部とを含み、第2部材は、電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、第1部材をシールするための第2シール部とを含み、外装材により形成される内部空間において、第1部材と電極組立体との間で形成される空間が、第2部材と電極組立体との間で形成される空間よりも小さい、バッテリーセルを提供する。
【0009】
また、本発明のまた他の実施形態によると、電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルにおいて、前記外装材は、収容された前記電極組立体の下側を覆う第1部材と、前記電極組立体の上側を覆う第2部材とを含み、前記第1部材及び前記第2部材は、一側で互いに連結され、前記一側を除いた残りの側に沿ってシールされ、前記第1部材は、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、前記第2部材をシールするための第1シール部とを含み、前記第2部材は、前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部と、前記第1部材をシールするための第2シール部とを含み、前記第1部材及び前記第2部材が連結された前記一側で、前記第1凹部の側面が前記第2凹部の側面よりも前記電極組立体側に密着している、バッテリーセルを提供する。
【0010】
また、前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記一側で形成される深さが、前記第1凹部及び前記第2凹部の他側で形成される深さよりも小さくてもよい。
【0011】
また、前記密着面の長さが、前記密着面の長さ方向と垂直な方向に外装材が延長された長さよりも長くてもよい。
【0012】
また、前記密着面の長さは、密着面の長さ方向と垂直な方向に外装材が延長された長さの2倍よりも長くてもよい。
【0013】
また、前記第1凹部の内側体積と前記第2凹部の内側体積とは、異なっていてもよい。
【0014】
また、前記第2凹部の内側体積は、前記第1凹部の内側体積よりも大きくてもよい。
【0015】
また、前記第2凹部の内側体積は、前記第1凹部の内側体積よりも小さくてもよい。
【0016】
また、前記第1凹部で形成される深さと前記第2凹部で形成される深さは同じであり、かつ前記第2凹部で形成される内側体積が前記第1凹部で形成される内側体積よりも大きくてもよい。
【0017】
また、前記第1境界と前記第2境界は、同じ垂直線上に位置してもよい。
【0018】
また、電極組立体と、該電極組立体を収容する外装材とを含むバッテリーセルを製造するに当たり、前記外装材に、前記電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部と、前記電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部とを形成し、前記電極組立体を前記第1凹部に収容した後、前記第1凹部及び前記第2凹部が連結される一側面を前記電極組立体に密着させながら前記第2凹部に電極組立体を収容し、前記外装材をシールする、バッテリーセルの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によると、コート層が熱によって損傷することを最小限に抑えることができる。
【0020】
また、本発明の実施形態によると、電極組立体のセパレータが熱によって損傷することを最小限に抑えることができる。
【0021】
さらに、本発明の実施形態によると、冷却効率に優れたバッテリーセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルの平面図である。
【
図2】
図2は、外装材がセルを形成する方法を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルの外装材の断面を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルをシールする様子を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルの内部に電極組立体を挿入してシールする様子を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルにおいて、第1凹部及び第2凹部の深さおよび体積を異にして示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の具体的な実施の形態を説明することとする。以下の詳細な説明は、本明細書に記述する方法、装置及び/又はシステムに関する総合的な理解を助けるために提供される。但し、これらは例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0024】
本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、使用者、運用者の意図または慣例などによって異なり得る。従って、その定義は、本明細書全般に亘る内容に基づいて行われるべきである。詳細な説明で使用される用語は、単に本発明の実施形態を記述するためのものであり、決して制限的であってはならない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「備える」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0025】
また、第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的に使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなしに第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と称されてもよい。
【0026】
さらに、「一側」、「他側」、「上部」、「下部」などの方向性の用語は、開示された図面の配向に関連して使用される。本発明の実施形態の構成要素は、様々な配向に位置設定することができるので、方向性の用語は、例示を目的として使用されるものであって、それを制限するものではない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーセル10の斜視図である。一般的に、二次電池は、電極組立体50と、該電極組立体50を収容する外装材100とを含むバッテリーセル10が基本単位をなすように形成され得る。
【0028】
電極組立体は、陽極(図示せず)と、陰極(図示せず)と、陽極と陰極を区別するセパレータ(
図5の「55」)とを含むことができる。
【0029】
外装材100は、アルミニウムなどで形成される金属層と、該金属層と電極組立体50が通電しないように絶縁機能を行うコート層とを含んで形成することができる。
【0030】
本発明の一実施形態によるバッテリーセル10は、電極組立体50と、該電極組立体50を収容する外装材100とを含むことができる。このとき、外装材100は、電極組立体50の下側を覆う第1部材110と、電極組立体50の上側を覆う第2部材120とを含むことができる。
【0031】
第1部材110は、電極組立体50を収容する空間を提供する第1凹部112と、第2部材120をシールするための第1シール部111とを含むことができる。
【0032】
第2部材120は、電極組立体50を収容する空間を提供する第2凹部122と、第1部材110をシールするための第2シール部121とを含むことができる。
【0033】
第1シール部111及び第2シール部121は、シールされる部分を提供する部分であって、シール部と命名される部分全体を必ずしもシールしなければならないということではない。例えば、後述するように、第1シール部111は、第2シール部121とシールされていない部分を外装材100の内側に延長することができる。
【0034】
第1部材110及び第2部材120は、一側(
図3の「150」)で互いに連結され、一側150を除いた残りの側に沿ってシールすることができる。このとき、一側150の面に電極組立体50を密着することができる。このため、一側150の面は、密着面とも呼ばれる。
【0035】
第1部材110及び第2部材120は、一つの外装材100の一部を意味するものであり得る。本明細書で第1部材110及び第2部材120は、説明の便宜のために区分したものであり、分離されたもの又は別個のものでなくてもよい。
【0036】
電極タブは、
図1(a)に示すように、陽極タブ11と陰極タブ12が互いに反対方向に引き出されてもよく、
図1(b)に示すように、単一方向に並んで引き出されてもよい。
【0037】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、密着面150の長さ(A)が、密着面150の長さ方向と垂直な方向に外装材100が延長された長さ(B)よりも長くてもよい。
【0038】
密着面150には、冷却板(図示せず)などが連結され得る。冷却板による冷却効率を良好にするためには、冷却板と、電極組立体50を収容している外装材100とが、多くの面積で互いに接触していることが重要である。
【0039】
密着面150の長さを大きくして、冷却板と外装材100が互いに接触する面積を大きくすることができる。大きな冷却板を位置させることができるので、前述のように、本発明の一実施形態によるバッテリーセル10は、冷却効率の側面で従来のバッテリーセルよりも有利である。
【0040】
密着面150の長さ(A)と、密着面150の長さ方向と垂直な方向に外装材100が延長された長さ(B)との比は、一定である必要はなく、二次電池の形状または大きさによって使用者が適宜選択することができる。ただし、好ましくは、密着面150の長さ(A)が、密着面150の長さ方向と垂直な方向に外装材100が延長された長さ(B)の2倍以上長いと、冷却効率をさらに良好にすることができる。
【0041】
図2は、外装材100aがセルを形成する方法を示す図である。外装材100aは、第1部材110aと第2部材120aとを含むことができる。このとき、第1部材110aは、電極組立体の下側を収容する空間を提供する第1凹部112aと、前記第2部材120aをシールするための第1シール部111aとを含むことができる。同様に、第2部材120aは、電極組立体の上側を収容する空間を提供する第2凹部122aと、第1部材110aをシールするための第2シール部121aとを含むことができる。
図2に示すように、第1凹部112a及び第2凹部122aは、フォーミング(forming)工程により形成できるが、これに限定されるものではない。第1凹部112aは、電極組立体の下側を覆うように形成することができ、第2凹部122aは、電極組立体の上側を覆うように形成することができる。
【0042】
このとき、
図2のように、第1シール部111aの端部と第2シール部121aの端部とが互いに一致するようにシールして、バッテリーセルを形成することができる。
【0043】
このとき、
図2に示すように、第1凹部112aと電極組立体が形成する空間の大きさと、第2凹部122aと電極組立体が形成する空間の大きさは、互いに同じであってもよい。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルの外装材100の断面を示す図である。
図3を参照すると、外装材100は、第1部材110と第2部材120を含むことができる。電極組立体50が収容される空間が形成されるとき、電極組立体50と第2部材120によって形成される空間(A)が、電極組立体50と第1部材110によって形成される空間(B)よりも大きくなるように形成することができる。詳細には、第1シール部111及び第2シール部121が接触する接触面131を基準として、電極組立体50と第1部材110によって第1シール部111の方向に形成される下側空間が、第1シール部111及び第2シール部121が接触する接触面131を基準として、電極組立体50と第2部材120によって第2シール部121の方向に形成される第2部材120が形成する上側空間よりも小さくなるように形成することができる。
【0045】
また、本発明の他の一実施形態によるバッテリーセルの外装材100は、第2部材120の第2シール部121と、第1部材110の第1シール部111とが接触面を形成するとき、第1部材110及び第2部材120が連結された一側150の反対側で第1凹部112と第1シール部111との境界は、第2凹部122と第2シール部との境界よりも電極組立体50に隣接して位置することができる。このとき、第1シール部111と第2シール部121は、必ずしも端部が一致するように接触面を形成する必要はない。第1シール部111及び第2シール部121の端部が一致せず、多少ずれるようにシールしてもよい。ただし、これに限定されるものではない。
【0046】
例えば、
図1(a)のように両方向に電極タブが引き出されているバッテリーセルでは、シール部111,121の端部を切断してもよく、シール部111,121の端部を切断することにより、シール部111,121の端部を一致させることができる。
【0047】
ただし、
図1(b)のように単方向に電極タブが引き出される場合には、シール部111,121の先端を切断し難いので、一致せずにずれるように形成することができる。
【0048】
第1シール部111及び第2シール部121は、前述のように接触面131を形成することができる。接触面131は、外装材100がシールされるとき、第1シール部111及び第2シール部121が当接する面であり得る。
【0049】
第1部材110における第1シール部111は、外装材100をシールするための部分であり得、第2シール部121との接触面131を形成する部分であり得る。第2部材120における第2シール部121は、外装材100をシールするための部分であり得、第1シール部111との接触面131を形成する部分であり得る。
【0050】
第1シール部111において、接触面131における電極組立体50の方向への内側に位置する境界、すなわち、シールされた部分の内側に位置する境界を第1境界(b)、第2シール部121において、接触面131における電極組立体50の方向への内側に位置する境界、すなわち、第2シール部121におけるシールされた部分の内側に位置する境界を第2境界(a)と称することができる。このとき、第1シール部111において、シールされていない部分が電極組立体50の内部に所定の長さだけ延長されて形成され得る。
【0051】
第1境界(b)及び第2境界(a)は、同じ垂直線上に形成することができ、第1部材110における境界が第1境界(b)、第2部材120における境界が第2境界(a)であり得る。
【0052】
第1境界(b)から第1凹部112の内部空間の外側、詳細には、第1凹部112における、第1シール部111側に位置する第1外側表面113までの距離と、第2境界(a)から第2凹部122の内部空間の外側、詳細には、第2凹部122における、第2シール部121側に位置する第2外側表面123までの距離との差が離隔距離(D)であり得る。
【0053】
このとき、第1境界(b)から第1凹部112の内部空間の外側、詳細には、第1凹部112における、第1シール部111側に位置する第1外側表面113までの距離が、第2境界(a)から第2凹部122の内部空間の外側、詳細には、第2凹部122における、第2シール部121側に位置する第2外側表面123までの距離よりも長くてもよい。
【0054】
すなわち、第2外側表面123が第1外側表面113よりもシール部111,121側にさらに突出するように形成することができ、このときの第2外側表面123が第1外側表面よりもさらに突出した距離が離隔距離(D)であり得る。
【0055】
後述する
図4(b)のように、第1凹部112及び第2凹部122のシール部111,121側の外側表面113,123に傾斜が形成されている場合には、第1境界(b)から第1凹部112側の下方に傾斜し始める距離が、第2境界(a)から第2凹部122側の上方に傾斜し始める距離よりも長くてもよい。この差は、前述した離隔距離(D)によって発生し得る。
【0056】
本発明のまた他の一実施形態のバッテリーセル10は、外装材100によって形成される内部空間において、第1部材110と電極組立体50との間で形成される空間が、第2部材と電極組立体との間で形成される空間よりも小さくてもよい。
【0057】
外装材100は、離隔距離(D)を形成するために、第1部材110及び第2部材120が連結される一側150において、第2部材120に該当する部分は曲がるように形成することができる。一側150が曲がるように形成することで、電極組立体50と外装材100を密着させることができる。電極組立体50と外装材100が密着すると、電極組立体50と外装材100との間に形成される空き空間が減少して冷却効率を向上させることができる。外装材100を形成するとき、第1凹部112に電極組立体50を収容した後、一側150を電極組立体50に密着させながら第2凹部122に電極組立体50を収容した後、シールしてバッテリーセル10を形成することができる。
【0058】
バッテリーセル10を使用するとき、電極組立体50では発熱が発生し得る。ただし、バッテリーセル10の効率のために、適切に冷却することが重要である。熱伝達の側面から考慮すると、電極組立体50で発生した熱は、電極組立体50と外装材100との間の空間、および外装材100の順に経て外装材100の外部に伝達され得る。このとき、外装材100の外部に冷却板(図示せず)が配置される場合、電極組立体50と外装材100との間の空間の大きさが小さいほど、外装材100の外部に排出されない熱が減少し、冷却効率が向上し得る。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーセル10をシールする様子を示す図である。
図5は、本発明の一実施形態によるバッテリーセル10の内部に電極組立体50を挿入してシールする様子を示す図である。
【0060】
電極組立体が二次電池の外装材内に収容された後は、外装材内に水分が浸透すること、および電極組立体が外部と通電することを防止するために、二次電池の外装材をシールしなければならない。シール面積が大きくなると、その分だけ電極組立体50を収容できる空間が小さくなるので、空間活用の可能性が低くなり得る。ただし、シール面積が小さくなりすぎると、シールの信頼性が低下し、外部衝撃にも弱くなるため、日常生活または使用される装置に大きくない衝撃が加わった場合でも、二次電池本来の機能を失うことがある。したがって、本来の機能をスムーズに行うことができ、かつ最小限にシールされる面積を形成することが重要である。
【0061】
図4を参照すると、外装材100は、前述のように、絶縁などのためのコート層40を形成することができる。第1シール部111及び第2シール部121が加熱手段(H)によってシールされる場合には、加熱手段(H)と外装材100の内側面に形成されたコート層40の距離が近くなり、熱によってコート層40が損傷することがある。バッテリーセル10の内部には、電極組立体50および電解液(図示せず)が収容され得、外装材100は金属層を含むので、加熱手段(H)によってコート層40が損傷すると、破壊されたコート層40に電解液が入り込んだ状態でシールされ、絶縁不良が発生することがある。
図3のように、第1境界と第2境界が離隔距離(D)を有すると、第1部材110側に形成されているコート層40は、熱により損傷する可能性が低くなり得る。したがって、本発明の一実施形態によると、外装材100における絶縁不良を顕著に低減することができる。
【0062】
図5を参照すると、第1境界と第2境界が離隔距離(D)を有すると、離隔距離(D)が存在しない場合に比べて、外装材100内に電極組立体50を収容するとき、電極組立体50が加熱手段(H)と離隔距離(D)だけ離れることになる。
図4に示すように、コート層40が加熱手段(H)と離隔距離(D)だけ離れることになるので、外装材100の絶縁不良を防止するのと同様に、電極組立体50にも熱による影響が低減され得る。
【0063】
電極組立体50は、ゼリーロールとも呼ばれる。電極組立体50には、陽極と、陰極と、陽極と陰極を分離させるセパレータ55とが存在し得る。セパレータ55には、高い遮蔽性および絶縁性、そして低抵抗のものが求められ得る。セパレータ55が不良であると、陽極と陰極が接続してショートが発生することがある。例えば、ポリオレフィンを原料とするセパレータの場合は、耐熱性が低く、製造工程における熱によってセパレータが損傷し、陽極と陰極の間でショートが発生することがある。
【0064】
前述のように、従来の構造よりもセパレータ55が加熱手段(H)と離隔距離(D)だけ離れていると、セパレータの損傷による電極組立体における内部ショートの発生を大幅に低減することができる。
【0065】
図4及び
図5に示すように、第1凹部112及び第2凹部122の他側は、一側のように垂直方向に形成してもよく、傾斜して形成してもよい。第1凹部112及び第2凹部122の他側の形状は、
図4及び
図5に示す形状に限定されない。
【0066】
図6は、第1凹部及び第2凹部の深さおよび体積を異にして示す図である。
図6(a)は、第1凹部112aの内側体積が第2凹部122aの内側体積よりも小さく、一側150aに電極組立体50が密着した後、第2凹部122aが電極組立体50を覆って形成されたものを示す図である。
図6(b)は、第1凹部112bの深さが第2凹部122bの深さよりも大きいものを示す図である。
図6(c)は、第1凹部112cの内側体積が第2凹部122cの内側体積よりも大きく、一側150cに電極組立体50が密着した後、第2凹部122cが電極組立体50を覆って形成されたものを示す図である。
【0067】
第1凹部112側の深さが第2凹部122側の深さよりも小さいと、電極組立体50を一側150に密着できる面積が大きくなり、冷却効果を高めることができる。第1凹部112と第2凹部122の深さが異なっているので、第1凹部112の内側体積よりも第2凹部122の内側体積をより大きくすることができる。ただし、第2凹部122の深さが深いので、電極組立体50の収容が困難なことがある。
【0068】
図6(a)を参照すると、第2凹部122aの他側が第1凹部112aの他側よりも突出しているので、電極組立体50の収容がより容易であり得る。
【0069】
図6(a)とは異なり、
図6(b)は、第1凹部112bの深さが第2凹部122bの深さよりも大きい場合を示している。第1凹部112bの広さを電極組立体50の大きさと合うように形成することで、電極組立体50の外装材100への密着が有利であり得る。また、第2凹部122bの深さが小さいので、電極組立体50を容易に覆うことができる。
図6(b)に示すような構造を有する場合には、電極組立体50の収容不良を低減することができる。
【0070】
図6(c)は、第1凹部112c及び第2凹部122cで形成される深さは同じであるが、第2凹部122cが形成する内側体積が、第1凹部112cが形成する内側体積よりも大きい場合を示す図である。
図6(c)に示すようにバッテリーセル10を形成した場合にも、電極組立体50の収容不良を低減することができる。
【0071】
以上、代表的な実施形態により本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の範疇を逸脱しない範囲内で、前述した実施形態に対する様々な変形が可能であることを理解するはずである。従って、本発明の権利範囲は、説明した実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、その特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0072】
10:バッテリーセル
11:陽極タブ
12:陰極タブ
40:コート層
50:電極組立体
55:セパレータ
100:外装材
110:第1部材
111:第1シール部
112:第1凹部
113:第1外側表面
120:第2部材
121:第2シール部
122:第2凹部
123:第2外側表面
131:接触面
150:密着面