(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/04 20060101AFI20241008BHJP
B65H 11/00 20060101ALI20241008BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
B65H11/00 B
H04N1/00 567C
H04N1/12 Z
(21)【出願番号】P 2019229573
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】平井 義人
(72)【発明者】
【氏名】高山 徳裕
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】門 良成
【審判官】道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5511771(US,A)
【文献】特開2007-197168(JP,A)
【文献】実開昭56-157866(JP,U)
【文献】特開昭63-250959(JP,A)
【文献】特開2012-74832(JP,A)
【文献】特開2016-210611(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0176352(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101007598(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台と、
媒体の幅方向を規制する一対のサイドガイドと、
前記載置台が配置され、且つ、前記載置台に載置された媒体を搬送可能な搬送路を有する筐体と、を有し、
前記載置台の幅は、前記筐体の幅より小さく、
前記一対のサイドガイドは、当該一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が、前記載置台の内側から前記載置台の最大幅の外側に位置できるように前記載置台上に配置され、
前記搬送路の幅は、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が前記載置台の最大幅の外側に配置された状態の前記一対のサイドガイドの内側端部の間の幅より大きく、
前記搬送路は、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が前記載置台の最大幅の外側に位置した場合でも、前記一対のサイドガイドの内側間の幅を有する媒体を搬送可能である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記筐体の前記搬送路上に設けられ、且つ、撮像範囲が前記搬送路の媒体搬送方向と直交する方向の両端から所定距離以上離間した撮像部をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記一対のサイドガイドは、当該一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が、前記載置台の内側から前記載置台の最大幅の外側まで、媒体搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられている、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
載置台と、
媒体の幅方向を規制する一対のサイドガイドと、
前記載置台が配置され、且つ、前記載置台に載置された媒体を搬送可能な搬送路を有する筐体と、を有し、
前記一対のサイドガイドは、当該一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が、前記載置台の載置面の内側から前記載置面の最大幅の外側に位置できるように前記載置台上に配置され、
前記搬送路は、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が前記載置面の最大幅の外側に位置した場合でも、前記一対のサイドガイドの内側間の幅を有する媒体を搬送可能であり、
前記載置台は、前記載置面の最大幅の外側への前記一対のサイドガイドの移動と連動して移動し、前記載置面の最大幅の外側に位置する前記一対のサイドガイドを支持するカバーを有する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
前記一対のサイドガイドは、前記載置台から着脱可能に設けられている、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体の幅方向を規制する一対のサイドガイドが配置された載置台と、
前記載置台が配置され、且つ、前記載置台に載置された媒体を搬送可能な搬送路を有する筐体と、を有し、
前記載置台は、基部と、前記一対のサイドガイドが配置され、且つ、媒体搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられた載置部と、を含み、
前記基部の幅は、前記筐体の幅より小さく、
前記一対のサイドガイドは、当該一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が、前記基部の内側から前記基部の最大幅の外側に位置できるように前記載置台上に配置され、
前記搬送路の幅は、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が前記基部の最大幅の外側に配置された状態の前記一対のサイドガイドの内側端部の間の幅より大きく、
前記搬送路は、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が前記基部の最大幅の外側に位置した場合でも、前記一対のサイドガイドの内側間の幅を有する媒体を搬送可能である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項7】
前記載置台は、前記筐体から着脱可能に設けられており、
前記筐体は、前記載置台が前記筐体に取り付けられた状態において、前記一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部の前記載置台の最大幅の外側への移動を制限する制限部を有する、請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記載置台は、前記外側端部が前記載置台の最大幅の外側に位置している前記一対のサイドガイドを前記載置台の内側に押圧する押圧部を有し、
前記筐体は、前記載置台が前記筐体に取り付けられた状態において、前記外側端部が前記載置台の最大幅の外側に位置している前記一対のサイドガイドを係止させる係止部を有する、請求項
7に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置に関し、特に、媒体の幅方向を規制する一対のサイドガイドを有する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキャナ等の媒体搬送装置では、A判、B判又はリーガルサイズ等の定型サイズの媒体だけでなく、顧客毎に利用されている独自サイズの媒体を搬送させて撮像することが要求されている。媒体搬送装置において、定型サイズより大きい独自サイズの媒体をサポートしようとすると、媒体を載置する載置台のサイズを大きくする必要があり、装置サイズ及び装置重量が増大する。一方、そのような独自サイズの媒体をサポートする必要がない顧客にとっては、媒体搬送装置の装置サイズ及び装置重量は小さいほど好ましく、媒体搬送装置の装置サイズ及び装置重量が増大することは望ましくない。
【0003】
シートの幅方向の載置位置を規制する、設置位置が調整可能な第1の規制部材及び第2の規制部材と、第1の規制部材及び第2の規制部材の連動機構と、を有するシート給送装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
シートを積載する載置台と、シートの幅方向を規制する一対の幅規制部材と、幅規制部材の移動範囲を規制する補助規制部材を係合するために設けられた孔と、を有するシート積載装置が開示されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4958646号公報
【文献】特許第5692820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
媒体搬送装置では、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送できることが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能な媒体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、載置台と、媒体の幅方向を規制する一対のサイドガイドと、載置台が配置され、且つ、台に載置された媒体を搬送可能な搬送路を有する筐体と、を有し、一対のサイドガイドは、当該一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が、載置台の内側から載置台の最大幅の外側に位置できるように載置台上に配置され、搬送路は、一対のサイドガイドのそれぞれの外側端部が載置台の最大幅の外側に位置した場合でも、一対のサイドガイドの内側間の幅を有する媒体を搬送可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体搬送装置は、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図4】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図5】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図6】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図7A】載置台103のカバー103gについて説明するための模式図である。
【
図7B】載置台103のカバー103gについて説明するための模式図である。
【
図8A】他のサイドガイド207等について説明するための模式図である。
【
図8B】他のサイドガイド207等について説明するための模式図である。
【
図9A】他のサイドガイド307等について説明するための模式図である。
【
図9B】他のサイドガイド307等について説明するための模式図である。
【
図10A】他のサイドガイド407等について説明するための模式図である。
【
図10B】他のサイドガイド407等について説明するための模式図である。
【
図11A】他のサイドガイド507等について説明するための模式図である。
【
図11B】他のサイドガイド507等について説明するための模式図である。
【
図12A】他のサイドガイド607等について説明するための模式図である。
【
図12B】他のサイドガイド607等について説明するための模式図である。
【
図13A】他のサイドガイド707等について説明するための模式図である。
【
図13B】他のサイドガイド707等について説明するための模式図である。
【
図14A】他のサイドガイド807等について説明するための模式図である。
【
図14B】他のサイドガイド807等について説明するための模式図である。
【
図15A】他のサイドガイド907等について説明するための模式図である。
【
図15B】他のサイドガイド907等について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、プラスチック製のカード、冊子又はパスポート等である。用紙には、A判、B判又はリーガルサイズ等の定型サイズの用紙と、顧客毎に利用されている独自サイズの用紙が含まれる。独自サイズの用紙は、例えば所定の情報が記載された定型サイズの第1領域と、第1領域の両サイドに設けられた、スプロケットホールを含む第2領域とを含む。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0013】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103及び排出台104等を備える。
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0014】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。下側筐体101及び上側筐体102は、筐体の一例である。
【0015】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合するように、下側筐体101に配置されている。載置台103は、媒体が載置される載置面103aを有し、載置面103a上には、第1サイドガイド107a及び第2サイドガイド107bが設けられている。第1、第2サイドガイド107a、bは、一対のサイドガイドの一例である。以下では、第1、第2サイドガイド107a、bを総じてサイドガイド107と称する場合がある。各サイドガイド107は、載置台103の媒体搬送方向と直交する幅方向A2に連動して移動可能に設けられる。なお、各サイドガイド107は、独立して移動するように設けられてもよい。各サイドガイド107は、高さ方向A3において所定の高さを有し、載置台103に載置された媒体の幅方向を規制する。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0016】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0017】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、給送ローラ111、ブレーキローラ112、第1搬送ローラ113、第2搬送ローラ114、第1撮像装置115a、第2撮像装置115b、第3搬送ローラ116及び第4搬送ローラ117等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
【0018】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド108aを形成する。一方、上側筐体102の下面は、下側ガイド108aと対向し且つ媒体の搬送路の上側ガイド108bを形成する。即ち、下側筐体101及び上側筐体102は、載置台103に載置された媒体を搬送可能な搬送路を有する。
【0019】
給送ローラ111は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ112は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ111と対向して配置される。
【0020】
第1撮像装置115aは、撮像部の一例であり、下側ガイド108a上、即ち下側筐体101の搬送路上に設けられる。第1撮像装置115aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置115aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置115aは、不図示の処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の表面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0021】
同様に、第2撮像装置115bは、撮像部の一例であり、上側ガイド108b上、即ち上側筐体102の搬送路上に設けられる。第2撮像装置115bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置115bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置115bは、処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の裏面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0022】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0023】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ111が
図2の矢印A4の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド108aと上側ガイド108bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ112は、媒体搬送時、矢印A5の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ111及びブレーキローラ112の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ111と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
【0024】
媒体は、下側ガイド108aと上側ガイド108bによりガイドされながら、第1搬送ローラ113と第2搬送ローラ114の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ113及び第2搬送ローラ114がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって、第1撮像装置115aと第2撮像装置115bの間に送り込まれる。媒体は、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bにより読み取られた後、第3搬送ローラ116及び第4搬送ローラ117がそれぞれ矢印A8及び矢印A9の方向に回転することによって、排出台104上に排出される。
【0025】
図3及び
図4は、サイドガイド107について説明するための模式図である。
図3及び
図4において、上側の図は、下側筐体101から取り外した載置台103を上方から見た平面図であり、下側の図は、下側筐体101から取り外した載置台103を下流側から見た側面図である。
図3は、幅方向A2において、各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の各外側端部103b、cの位置に配置された状態を示す。
図4は、幅方向A2において、各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の各外側端部103b、cの外側に配置された状態を示す。
【0026】
図3及び
図4に示すように、載置台103の載置面103aには、第1、第2案内部103d、eが形成される。第1、第2案内部103d、eは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。一方、各サイドガイド107の下面側(載置台103側)には、第1、第2係合部が形成される。各サイドガイド107は、第1、第2係合部を第1、第2案内部103d、eに係合させて、第2案内部103d、eに沿って移動させることにより、載置台103上で幅方向A2にスライド移動する。
図4に示すように、サイドガイド107は、幅方向A2において、載置台103の外側まで移動可能に設けられている。
【0027】
また、載置台103は、下側筐体101に対して着脱可能に設けられている。載置台103には突起部103fが設けられ、下側筐体101に設けられた凹部に突起部103fを係合させることにより、載置台103は下側筐体101に取り付けられる。一方、突起部103fをその凹部から取り外すことにより、載置台103は下側筐体101から取り外される。
【0028】
図5及び
図6は、サイドガイド107について説明するための模式図である。
図5及び
図6は、上側筐体102を取り外した状態で媒体搬送装置100を上方から見た模式図である。
図5は、幅方向A2において、各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の各外側端部103b、cの位置に配置された状態を示す。
図6は、幅方向A2において、各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の各外側端部103b、cの外側に配置された状態を示す。
【0029】
図5及び
図6に示すように、幅方向A2において、載置台103の幅(外側端部103b、c間の距離)は、下側筐体101の幅(外側端部101a、b間の距離)より小さい。これにより、媒体搬送装置100は、下側筐体101に対して載置台103のサイズを小さくして、媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにすることができる。
【0030】
図5に示すように、幅方向A2において、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、cの位置に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L1は、例えば媒体搬送装置100がサポートする最大の定型サイズに設定される。媒体搬送装置100がサポートする最大の定型サイズは、リーガルサイズ(215.9mm)又はA4縦サイズ(210mm)等である。以下では、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、103cの位置に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L1を基準幅と称する場合がある。
【0031】
また、幅方向A2において、撮像装置115の撮像範囲L2は、基準幅L1より大きい。これにより、基準幅を有する媒体が傾いて搬送された場合でも、撮像装置115は、搬送された媒体全体を撮像することができる。
【0032】
また、幅方向A2において、載置台103の最大幅(外側端部103b、c間の距離)L3は、撮像装置115の撮像範囲L2より大きい。なお、幅方向A2において、載置台103の最大幅L3は、撮像装置115の撮像範囲L2より小さくてもよい。この場合、媒体搬送装置100は、載置台103のサイズをより小さくして、媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにすることができる。
【0033】
また、幅方向A2において、搬送路101eの幅(搬送路101eの側壁101c、d間の距離)L4は、撮像装置115の撮像範囲L2より大きい。即ち、撮像装置115の撮像範囲は、搬送路の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の両端から所定距離以上離間している。例えば、幅方向A2において搬送路101eの側壁101c、dと撮像装置115の撮像範囲の端部の間の距離は、用紙内でスプロケットホールが設けられる領域の一般的なサイズより大きくなるように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、スプロケットホールが設けられた一般的な用紙を良好に搬送することができ、撮像装置115は、そのような用紙が搬送された場合に、用紙内で情報が記載された領域全体を確実に撮像することができる。
【0034】
また、幅方向A2において、搬送路101eの幅L4は、載置台103の最大幅L3より大きい。これにより、媒体搬送装置100は、媒体が傾いて搬送された場合でも、その媒体が側壁101c、dに衝突して媒体のジャムが発生することを抑制しつつ、載置台103のサイズを小さくして媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにすることができる。
【0035】
また、
図6に示すように、幅方向A2において、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、cの外側に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L5は、撮像装置115の撮像範囲L2より大きい。例えば、幅方向A2において最も外側に配置された状態の各サイドガイド107の内側と撮像装置115の撮像範囲の端部の間の距離は、用紙内でスプロケットホールが設けられる領域の一般的なサイズより大きくなるように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、スプロケットホールが設けられた一般的な用紙を良好に搬送することができ、撮像装置115は、そのような用紙が搬送された場合に、用紙内で情報が記載された領域全体を確実に撮像することができる。
【0036】
また、幅方向A2において、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、cの外側に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L5は、載置台103の最大幅L3より大きい。これにより、媒体搬送装置100は、載置台103のサイズを小さくして媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにしつつ、基準幅より大きい幅を有する媒体を良好に搬送することができる。
【0037】
また、幅方向A2において、搬送路101eの幅L4は、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、cの外側に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L5より大きい。即ち、搬送路101eは、各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の最大幅の外側に位置した場合でも、各サイドガイド107の内側間の幅を有する媒体を搬送可能に設けられている。これにより、媒体搬送装置100は、基準幅より大きい幅を有する媒体が傾いて搬送された場合でも、その媒体が側壁101c、dに衝突して媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0038】
このように、各サイドガイド107は、幅方向A2において各サイドガイド107の外側端部107c、dが載置台103の内側から載置台103の最大幅の外側に位置できるように載置台103上に配置される。これにより、媒体搬送装置100は、載置台103のサイズを小さくして媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにしつつ、基準幅より大きい幅を有する媒体を良好に搬送することができる。また、各サイドガイド107は、各サイドガイド107の外側端部107c、dが、載置台103の内側から載置台103の最大幅の外側まで、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられている。これにより、媒体搬送装置100は、基準幅より大きい幅を有し且つそれぞれ異なる幅を有する複数の媒体について、各媒体のサイズに合わせて媒体の幅方向を規制しながら、各媒体を良好に搬送することができる。
【0039】
なお、外側端部107c、dが載置台103の外側端部103b、cの外側に配置された状態の各サイドガイド107の内側間の幅L5は、撮像装置115の撮像範囲L2、載置台103の最大幅L3又は搬送路101eの幅L4より小さくてもよい。また、撮像装置115の撮像範囲は、搬送路の側壁101c、dと接していてもよい。
【0040】
図7A及び
図7Bは、載置台103のカバー103gについて説明するための模式図である。
図7A及び
図7Bは、下側筐体101から取り外した載置台103を下流側から見た側面図の一部である。
図7Aは、幅方向A2において第1サイドガイド107aの外側端部107cが載置台103の外側端部103bの位置に配置された状態を示す。
図7Bは、幅方向A2において第1サイドガイド107aの外側端部107cが載置台103の外側端部103bの外側に配置された状態を示す。以下では、幅方向A2において載置台103の一方側(第1サイドガイド107a側)についてのみ説明するが、載置台103の他方側(第2サイドガイド107b側)についても同様の構成が設けられる。
【0041】
図7A及び
図7Bに示すように、載置台103は、カバー103gを有する。カバー103gの幅方向A2の端部には、支持部材103hが、外側に向けて揺動可能に設けられる。支持部材103hの揺動軸には、コイルばね等により幅方向A2の内側に向かう押圧力が印加されている。
図7Aに示すように、支持部材103hは、載置台103の最大幅の外側端部103bの位置に配置された第1サイドガイド107aを支持する。一方、サイドガイド107の下面には、サイドガイド107の移動とともに移動する突起部107eが設けられる。
図7Bに示すように、突起部107eは、サイドガイド107の外側端部107cが載置台103の外側端部103bより外側に配置された場合、支持部材103hと当接して支持部材103hを外側に押し出す。支持部材103hは、突起部107eにより外側に押し出された場合も、第1サイドガイド107aを支持する。
【0042】
このように、カバー103gは、載置台103の最大幅の外側へのサイドガイド107の移動と連動して移動し、載置台103の最大幅の外側の端部より外側に位置するサイドガイド107を支持する。したがって、媒体搬送装置100は、サイドガイド107が載置台103の外側に配置された場合でも、サイドガイド107を十分な力で安定的に支持する。これにより、媒体搬送装置100は、サイドガイド107の強度を担保し、利用者がサイドガイド107に誤って触れた場合、又は、載置台103を落下させた場合等にサイドガイド107が変形又は損傷してしまうことを抑制できる。なお、カバー103gは、固定されるように設けられてもよい。
【0043】
以上詳述したように、媒体搬送装置100において、サイドガイド107は載置台103より外側に配置可能に設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、基準幅より大きい幅を有する媒体を良好に搬送することが可能となった。したがって、媒体搬送装置100は、載置台103のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0044】
特に、媒体搬送装置100は、サイドガイド107を載置台103の内側に配置して基準幅以下の幅を有する媒体を搬送させるとともに、サイドガイド107を載置台103の外側に配置して基準幅より大きい幅を有する媒体を搬送させることが可能となった。媒体搬送装置100では、ほとんどの利用シーンにおいて、媒体搬送装置100がサポートする最大の定型サイズ以下の幅を有する媒体が搬送され、ごく稀に、その最大の定型サイズより大きい幅を有する媒体が搬送される。利用者は、ほとんどの利用シーンでは、サイドガイド107を載置台103の載置面103a上でのみ移動させるため、サイドガイド107をスムーズにセットすることができる。一方、利用者は、特殊なサイズを有する媒体を搬送させる稀なケースにおいても、サイドガイド107を載置台103の外側まで移動させることにより、そのような媒体を良好に搬送させることができる。
【0045】
また、媒体搬送装置100は、載置台103のサイズを小さくすることにより、媒体搬送装置100全体の外観をコンパクトにするとともに、装置使用時の装置専有面積(設置面積)、装置重量及び装置コストを低減させることが可能となった。
【0046】
図8A及び
図8Bは、他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台203及び第1、第2サイドガイド207a、bについて説明するための模式図である。
図8A及び
図8Bは、下側筐体101から取り外した載置台203を下流側から見た側面図である。以下では、第1サイドガイド207a及び第2サイドガイド207bを総じてサイドガイド207と称する場合がある。載置台203、サイドガイド207は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0047】
サイドガイド207は、載置台203から着脱可能に設けられている。載置台203の上面(載置面203a)及び側面203b、cと、第1、第2サイドガイド207a、bの下面207c、d及び側面207e、fとの内の一方は永久磁石で形成され、他方は強磁性体で形成される。永久磁石は、例えばアルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石等であり、強磁性体は、例えば鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウム等である。なお、載置台203とサイドガイド207は、互いに引き付けあえばどのように構成されてもよい。例えば、載置台203の載置面203a及び側面203b、cと、各サイドガイド207の下面207c、d及び側面207e、fとの両方が永久磁石で形成されてもよい。
【0048】
図8Aに示すように、各サイドガイド207は、下面207c、dが載置台203の載置面203aの任意の位置に貼り付けられることにより、載置台203の載置面203a上の任意の位置に配置される。また、各サイドガイド207は、側面207e、fが載置台203の側面203b、cに貼り付けられることにより、載置台203の外側に配置される。これにより、サイドガイド207は、各外側端部が載置台203の内側から載置台203の最大幅の外側に位置できるように載置台203上に配置される。
【0049】
図9A及び
図9Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台303及び第1、第2サイドガイド307a、bについて説明するための模式図である。
図9A及び
図9Bは、下側筐体101から取り外した載置台303を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド307a、bを総じてサイドガイド307と称する場合がある。載置台303、サイドガイド307は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0050】
サイドガイド307は、載置台303から着脱可能に設けられている。載置台303の載置面303aには、第1、第2案内部303b、cが形成される。第1、第2案内部303b、cは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。第1、第2案内部303b、cの上流側及び下流側の端部には、第1、第2凹部303d、eが形成される。また、載置台303の載置面303aには、幅方向A2の両端部に第1、第2被係合部303f、gが形成される。第1、第2被係合部303f、gの上流側及び下流側の端部には、第3、第4凹部303h、iが形成される。一方、各サイドガイド307には、第1、第2係合部307c、dが形成される。第1、第2係合部307c、dの上流側及び下流側の端部には、第1、第2突起部307e、fが形成される。
【0051】
図9Aに示すように、各サイドガイド307は、第1、第2突起部307e、fを第1、第2凹部303d、eに係合させることにより、載置台103に取り付けられる。また、各サイドガイド307は、第1、第2係合部307c、dを第1、第2案内部303b、cに沿って移動させることにより、載置台103上で幅方向A2にスライド移動する。また、各サイドガイド307は、第1、第2突起部307e、fを第1、第2凹部303d、eから取り外すことにより、載置台103から取り外される。
【0052】
一方、
図9Bに示すように、各サイドガイド307は、第1、第2突起部307e、fを第3、第4凹部303h、iに係合させることにより、第1、第2被係合部303f、gに係合され、載置台303の外側に配置される。これにより、サイドガイド307は、各外側端部が載置台303の内側から載置台303の最大幅の外側に位置できるように載置台303上に配置される。
【0053】
図10A及び
図10Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台403及び第1、第2サイドガイド407a、bについて説明するための模式図である。
図10A及び
図10Bは、下側筐体101から取り外した載置台403を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド407a、bを総じてサイドガイド407と称する場合がある。載置台403、サイドガイド407は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0054】
載置台403の載置面403aには、第1案内部403b、第2案内部403c、第1凹部403d及び第2凹部403eが形成され、載置台403の側面には、第1被係合部403f、第2被係合部403g、第3凹部403h及び第4凹部403iが形成される。一方、サイドガイド407には、第1係合部407c、第2係合部407d、第1突起部407e及び第2突起部407fが形成される。載置台403及びサイドガイド407が有する各部の機能は、載置台303及びサイドガイド307が有する各部の機能と同様である。但し、
図10Bに示すように、各サイドガイド407は、第1、第2突起部407e、fを第3、第4凹部403h、iに係合させることにより、第1、第2被係合部403f、gに係合され、載置台303の外側に配置される。これにより、サイドガイド407は、各外側端部が載置台403の内側から載置台403の最大幅の外側に位置できるように載置台403上に配置される。
【0055】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、サイドガイドが載置台から着脱可能に設けられている場合も、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0056】
図11A及び
図11Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台503及び第1、第2サイドガイド507a、bについて説明するための模式図である。
図11A及び
図11Bは、下側筐体101から取り外した載置台503を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド507a、bを総じてサイドガイド507と称する場合がある。載置台503、サイドガイド507は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0057】
載置台503の載置面503aには、第1、第2案内部503b、cが形成される。第1、第2案内部503b、cは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。また、載置台503の載置面503aには、幅方向A2の両端部に第1、第2収納部503d、eが形成される。第1、第2収納部503d、eの上流側及び下流側の端部の下方には第1、第2下方凹部503f、gが形成され、上方には第1、第2上方凹部503h、iが形成される。一方、各サイドガイド507は、第1、第2内側サイドガイド507c、dと、第1、第2外側サイドガイド507e、fとを有する。第1、第2内側サイドガイド507c、dには、第1、第2係合部507g、hが形成される。第1、第2外側サイドガイド507e、fの上流側及び下流側の端部には、第1、第2突起部507i、jが形成される。
【0058】
図11Aに示すように、第1、第2内側サイドガイド507c、dは、第1係合部507g、hを第1、第2案内部503b、cに沿って移動させることにより、載置台503上でスライド移動する。即ち、第1、第2内側サイドガイド507c、dは、載置台503上で媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられる。一方、第1、第2外側サイドガイド507e、fは、第1、第2突起部507i、jを第1、第2下方凹部503f、gに係合させることにより、第1、第2収納部503d、eに収納される。このように、第1、第2外側サイドガイド507e、fは、載置台503に収納可能に設けられる。
【0059】
また、
図11Bに示すように、第1、第2内側サイドガイド507c、dは、第1、第2係合部507g、hを中心に幅方向A2の内側に向けて回転可能に設けられている。第1、第2内側サイドガイド507c、dは、第1、第2係合部507g、hを中心に幅方向A2の内側に向けて倒されることにより、第1、第2案内部503b、cに収納される。このように、第1、第2内側サイドガイド507c、dは、載置台503に収納可能に設けられる。一方、第1、第2外側サイドガイド507e、fは、第1、第2突起部507i、jを第1、第2下方凹部503f、gから取り外すことにより、第1、第2収納部503d、eから引き出し可能となる。第1、第2外側サイドガイド507e、fは、第1、第2突起部507i、jを第1、第2上方凹部503h、iに係合させることにより、載置台503の外側に配置される。即ち、第1、第2外側サイドガイド507e、fは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において第1、第2内側サイドガイド507c、dの外側に配置される。これにより、サイドガイド507は、各外側端部が載置台503の内側から載置台503の最大幅の外側に位置できるように載置台503上に配置される。
【0060】
図12A及び
図12Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台603及び第1、第2サイドガイド607a、bについて説明するための模式図である。
図12A及び
図12Bは、下側筐体101から取り外した載置台603を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド607a、bを総じてサイドガイド607と称する場合がある。載置台603、サイドガイド607は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0061】
載置台603は、幅方向A2の中央部に設けられた移動部603b及び収納部603cを含む。移動部603bの上流側及び下流側の端部には、突起部603dが形成される。一方、収納部603cの上流側及び下流側の端部の下方には下方凹部603eが形成され、上方には上方凹部603fが形成される。載置台603の載置面603aには、第1、第2案内部603g、hが形成される。第1、第2案内部603g、hは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールであり、移動部603b及び移動部603b以外の部分にわたって形成される。
【0062】
各サイドガイド607は、第1、第2内側サイドガイド607c、dと、第1、第2外側サイドガイド607e、fとを有する。第1、第2内側サイドガイド607c、dには、第1、第2係合部607g、hが形成される。載置台603の載置面603aと直交する高さ方向A3において、第1、第2外側サイドガイド607e、fの高さは、第1、第2内側サイドガイド607c、dの高さより大きい。載置台603の上面(載置面603a)と、第1、第2外側サイドガイド607e、fの下面との内の一方は永久磁石で形成され、他方は強磁性体で形成される。なお、載置台603の載置面603aと、第1、第2外側サイドガイド607e、fの下面との両方が永久磁石で形成されてもよい。
【0063】
図12Aに示すように、第1、第2内側サイドガイド607c、dは、第1、第2係合部607g、hを第1、第2案内部603g、hに沿って移動させることにより、載置台603上でスライド移動する。即ち、第1、第2内側サイドガイド607c、dは、載置台603上で媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられる。移動部603bは、突起部603dを下方凹部603eに係合させることにより、収納部603cに収納される。
【0064】
また、
図12Bに示すように、移動部603bは、収納部603cから上方に、第1、第2内側サイドガイド607c、dと略同一の高さまで引き出し可能に設けられている。第1、第2内側サイドガイド607c、dが移動部603bより幅方向A2の外側に配置された状態で、移動部603bが引き出されて、突起部603dが上方凹部603fに係合されることにより、移動部603bは、
図12Bに示す位置に係止する。このように、移動部603bは、第1、第2内側サイドガイド607c、dの媒体搬送方向と直交する幅方向A2の内側において、上方に移動可能に設けられる。収納部603cから引き出された移動部603bの上面と、第1、第2内側サイドガイド607c、dの上面とは、略面一に形成されるため、載置台603には媒体が良好に載置される。
【0065】
一方、第1、第2外側サイドガイド607e、fは、外側端部が、載置台603の外側に位置するように載置台603上に配置される。即ち、第1、第2外側サイドガイド607e、fは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において第1、第2内側サイドガイド607c、dの外側に配置される。これにより、サイドガイド607は、各外側端部が載置台603の内側から載置台603の最大幅の外側に位置できるように載置台603上に配置される。
【0066】
なお、第1、第2内側サイドガイド607c、dは、第1、第2外側サイドガイド607e、fと同様に、永久磁石又は強磁性体で形成され、載置面603a上の任意の位置に貼り付けられてもよい。また、載置台203の側面も載置面203aと同様に永久磁石又は強磁性体で形成され、第1、第2外側サイドガイド607e、fは、載置台203の側面に貼り付けられてもよい。
【0067】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、サイドガイドが内側サイドガイド及び外側サイドガイドを含む場合も、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0068】
図13A及び
図13Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台703及び第1、第2サイドガイド707a、bについて説明するための模式図である。
図13A及び
図13Bは、下側筐体101から取り外した載置台703を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド707a、bを総じてサイドガイド707と称する場合がある。載置台703、サイドガイド707は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0069】
載置台703は、第1載置部703b、第2載置部703c、移動部703d及び収納部703eを含む。載置台703において第1、第2載置部703b、cの下部には、第1、第2案内部703f、gが形成される。第1、第2案内部703f、gは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。第1、第2載置部703b、cの下面には、第1、第2係合部703h、iが形成される。また、第1、第2載置部703b、cの上面には、第3、第4案内部703j、kが形成される。第3、第4案内部703j、kは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。移動部703dの上流側及び下流側の端部には、突起部703lが形成される。一方、収納部703eの上流側及び下流側の端部の下方には下方凹部703mが形成され、上方には上方凹部703nが形成される。一方、各サイドガイド707は、第1、第2載置部703b、cに配置される。各サイドガイド707には、第3、第4係合部707c、dが形成される。
【0070】
図13Aに示すように、移動部703dは、突起部703lを下方凹部703mに係合させることにより、収納部703eに収納される。
【0071】
また、
図13Bに示すように、第1、第2載置部703b、cは、それぞれ第1、第2係合部703h、iを第1、第2案内部703f、gに沿って移動させることにより、載置台703上でスライド移動する。移動部703dは、収納部703eから上方に、第1、第2載置部703b、cと略同一の高さまで引き出し可能に設けられている。第1、第2載置部703b、cが移動部703dより幅方向A2の外側に配置された状態で、移動部703dが引き出されて、突起部703lが上方凹部703nに係合されることにより、移動部703dは
図13Bに示す位置に係止する。このように、移動部703dは、第1、第2載置部703b、cの幅方向A2の内側において、上方に移動可能に設けられる。収納部703eから引き出された移動部703dの上面と、第1、第2載置部703b、cの上面とは、略面一に形成されるため、載置台703には媒体が良好に載置される。なお、幅方向A2において最も外側に配置される第1、第2載置部703b、cの間の距離が十分に短い場合、載置台703に載置される媒体は撓まないため、移動部703dは省略されてもよい。
【0072】
一方、
図13A及び
図13Bに示すように、各サイドガイド707は、第3、第4係合部707c、dを第3、第4案内部703j、kに沿って移動させることにより、第1、第2載置部703b、c上でスライド移動する。これにより、サイドガイド707は、各外側端部が載置台703の内側から載置台703の最大幅の外側に位置できるように載置台703上に配置される。
【0073】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、サイドガイド707が配置された載置部が幅方向A2に移動可能に設けられる場合も、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0074】
図14A及び
図14Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における載置台803及び第1、第2サイドガイド807a、bについて説明するための模式図である。
図14A及び
図14Bは、下側筐体101から取り外した載置台803を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド807a、bを総じてサイドガイド807と称する場合がある。載置台803、サイドガイド807は、それぞれ媒体搬送装置100の載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0075】
サイドガイド807は、形状記憶合金等の形状記憶部材で形成されている。
図14Aに示すように、サイドガイド807は、載置台803の内側において媒体の幅方向を規制するように設置可能である。また、
図14Bに示すように、サイドガイド807は、載置台803の外側において媒体の幅方向を規制するように設置可能である。これにより、各サイドガイド807は、外側端部が載置台803の内側から載置台803の最大幅の外側に位置できるように載置台803上に配置される。
【0076】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、サイドガイド807が形状記憶部材で形成される場合も、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0077】
図15A及び
図15Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における下側筐体901、載置台903及び第1、第2サイドガイド907a、bについて説明するための模式図である。
図15A及び
図15Bにおいて、上側の図は、下側筐体901から取り外した載置台903を下流側から見た側面図であり、下側の図は、載置台903が取り外された下側筐体901を下流側から見た側面図である。以下では、第1、第2サイドガイド907a、bを総じてサイドガイド907と称する場合がある。下側筐体901、載置台903、サイドガイド907は、それぞれ媒体搬送装置100の下側筐体101、載置台103、サイドガイド107の代わりに用いられる。
【0078】
下側筐体901は、載置台903と対向する面(載置台903が取り付けられる面)に、第1制限部901a、第2制限部901b、第1係止部901c及び第2係止部901dを有する。第1制限部901a、第2制限部901b、第1係止部901c及び第2係止部901dは、それぞれ載置台903と対向する面に形成された穴又は凹部である。
【0079】
載置台903は、下側筐体901から着脱可能に設けられている。載置台903の載置面903aには、第1、第2案内部903b、cが形成される。第1、第2案内部903b、cは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。また、載置台903の下側筐体901と対向する面(下側筐体901に取り付けられる面)には、第1、第2案内部903b、cに沿って第1、第2穴部903d、eが形成される。また、載置台903は、幅方向A2の両端に、第1、第2ばね部材903f、gを有する。第1、第2ばね部材903f、gは、押圧部の一例である。なお、押圧部として、第1、第2ばね部材903f、gの代わりにゴム部材が用いられてもよい。
【0080】
各サイドガイド907は、第1、第2係合部907c、dを有する。第1、第2係合部907c、dの上流側及び下流側の端部には、第1、第2突起部907e、fが形成される。第1、第2突起部907e、fは、第1、第2穴部903d、eから下流側に向けて突出するように設けられる。
【0081】
図15Aに示すように、各サイドガイド907が載置台903の内側に配置された状態で、載置台903が下側筐体901に取り付けられた場合、第1、第2突起部907e、fは、第1、第2制限部901a、bに係合する。第1、第2突起部907e、fは、幅方向A2において第1、第2制限部901a、bに沿って移動する。第1、第2制限部901a、bは、各サイドガイド907の外側端部が載置台903の最大幅の外側へ移動できないように設けられる。即ち、第1、第2制限部901a、bは、載置台903が下側筐体901に取り付けられた状態において、各サイドガイド907の外側端部の載置台903の最大幅の外側への移動を制限する。また、第1、第2ばね部材903f、gは、この場合に第1、第2係合部907c、dを押圧しないように設けられる。
【0082】
これにより、載置台903が下側筐体901に取り付けられた運用状態では、サイドガイド907は、載置台903の内側でのみスライド移動可能となる。したがって、媒体搬送装置は、基準幅以下の幅を有する媒体のみを搬送させる利用者に利用される場合に、サイドガイド907が載置台903の外側まで移動してしまうことを防止し、利用者の利便性を向上させることができる。
【0083】
この状態から、載置台903が下側筐体901から取り外された場合、第1、第2突起部907e、fは、第1、第2制限部901a、bから離間し、各サイドガイド907は、載置台903の外側に移動可能となる。この場合、第1、第2ばね部材903f、gは、第1、第2係合部907c、dを幅方向A2の内側に向けて押圧する。即ち、第1、第2ばね部材903f、gは、外側端部が載置台903の最大幅の外側に位置している各サイドガイド907を載置台903の内側に押圧する。利用者により、幅方向A2の外側に向けて、第1、第2ばね部材903f、gによる押圧力より強い力が加えられると、
図15Bに示すように、各サイドガイド907は載置台903の外側に配置される。
【0084】
各サイドガイド907が載置台903の外側に配置された状態で、載置台903が下側筐体901に取り付けられた場合、第1、第2突起部907e、fは、第1、第2係止部901c、dに係合し、第1、第2係止部901c、dによって係止する。即ち、第1、第2係止部901c、dは、載置台903が下側筐体901に取り付けられた状態において、外側端部が載置台903の最大幅の外側に位置している各サイドガイド907を係止させる。
【0085】
この状態から、載置台903が下側筐体901から取り外された場合、第1、第2突起部907e、fは、第1、第2係止部901c、dから離間する。この場合、第1、第2ばね部材903f、gが、第1、第2係合部907c、dを幅方向A2の内側に押圧することにより、各サイドガイド907は、自動的に載置台903の内側に移動する。利用者は、載置台903を下側筐体901から取り外すだけで各サイドガイド907を載置台903の内側に戻すことができ、媒体搬送装置は利用者の利便性を向上させることができる。
【0086】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、載置台903が下側筐体901に取り付けられた状態におけるサイドガイド907の移動を制限する場合も、載置台のサイズの増大を抑制しつつ、様々なサイズの媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0087】
なお、サイドガイド907は、載置台903の載置面903a上でのみ移動可能に設けられてもよい。その場合、第1、第2制限部901a、bは、各サイドガイド907が、幅方向A2において載置面903a上に設定された所定の制限領域内でのみ移動可能となるように設けられる。一方、第1、第2係止部901c、dは、各サイドガイド907が、幅方向A2において制限領域の外側に設定された非制限領域に係止させるように設けられる。
【符号の説明】
【0088】
100 媒体搬送装置
101、901 下側筐体
103、203、303、403、503、603、703、803、903 載置台
107、207、307、407、507、607、707、807、907 サイドガイド
115 撮像装置