(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】相乗り管理装置、相乗り管理方法、及び相乗り管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2020048996
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2022-11-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳永 和典
(72)【発明者】
【氏名】愛甲 亘
(72)【発明者】
【氏名】小関 真冬
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109826(JP,A)
【文献】国際公開第2019/030835(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/234468(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/239175(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗り車両を管理する相乗り管理装置であって、
第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理部と、
予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、前記第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出部と、を備え、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、前記車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して前記走行計画を管理し、前記第2の時点は、前記第2ユーザの端末からの乗車リクエストを受け付けるよりも前の時点であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第3の時間以上である場合に、予め定められた範囲にいる前記第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付ける、相乗り管理装置。
【請求項2】
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第4の時間以上である場合に、予め定められた数以下の前記第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付ける、請求項1に記載の相乗り管理装置。
【請求項3】
相乗り車両を管理する相乗り管理装置であって、
第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理部と、
予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、前記第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出部と、を備え、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、前記車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して前記走行計画を管理し、前記第2の時点は、前記第2ユーザの端末からの乗車リクエストを受け付けるよりも前の時点であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第4の時間以上である場合に、予め定められた数以下の前記第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付ける、相乗り管理装置。
【請求項4】
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第5の時間以上である場合に、信号停車時のみ前記第2ユーザを乗車可能とする、請求項2または3に記載の相乗り管理装置。
【請求項5】
相乗り車両を管理する相乗り管理装置であって、
第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理部と、
予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、前記第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出部と、を備え、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、前記車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して前記走行計画を管理し、前記第2の時点は、前記第2ユーザの端末からの乗車リクエストを受け付けるよりも前の時点であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第5の時間以上である場合に、信号停車時のみ前記第2ユーザを乗車可能とする、相乗り管理装置。
【請求項6】
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第2の時間以上である場合に、前記車両に対する前記第2ユーザの乗車リクエストを受け付けない、請求項1から5のいずれか1項に記載の相乗り管理装置。
【請求項7】
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第6の時間以上である場合に、一度受付けた前記第2ユーザの乗車リクエストを取り消す、請求項1から6のいずれか1項に記載の相乗り管理装置。
【請求項8】
前記車両は自動運転を行う自動車両であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第7の時間以上である場合に前記自動車両の速度を上げた走行計画を作成する、請求項1から7のいずれか1項に記載の相乗り管理装置。
【請求項9】
前記車両は自動運転を行う自動車両であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第8の時間以上である場合に前記走行計画における経路として渋滞の少ないルートを選択する、請求項1から8のいずれか1項に記載の相乗り管理装置。
【請求項10】
前記車両は自動運転を行う自動車両であり、
前記走行計画管理部は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第9の時間以上である場合に前記走行計画における経路として有料道路を含むルートを選択する、請求項1から9のいずれか1項に記載の相乗り管理装置。
【請求項11】
相乗り管理装置が行う相乗り管理方法であって、
第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理段階と、
予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、前記第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出段階と、を備え、
前記走行計画管理段階は、前記遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、前記車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して前記走行計画を管理し、前記第2の時点は、前記第2ユーザの端末からの乗車リクエストを受け付けるよりも前の時点であり、
前記走行計画管理段階は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第3の時間以上である場合に、予め定められた範囲にいる前記第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付ける、相乗り管理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理段階と、
予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、前記第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出段階と、を実行させるための相乗り管理プログラムであって、
前記走行計画管理段階は、前記遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、前記車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して前記走行計画を管理し、前記第2の時点は、前記第2ユーザの端末からの乗車リクエストを受け付けるよりも前の時点であり、
前記走行計画管理段階は、前記遅延時間が前記第1の時間より大きい予め定められた第3の時間以上である場合に、予め定められた範囲にいる前記第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付ける、相乗り管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相乗り管理装置、相乗り管理方法、及び相乗り管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「車両が予定到着時刻に間に合わない場合、その旨の警報をメールで通知する管理システム」が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-125191
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、相乗り車両を管理する相乗り管理装置が提供される。相乗り管理装置は、第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理部を備えてもよい。相乗り管理装置は、予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出部を備えてもよい。走行計画管理部は、遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して走行計画を管理してもよい。
【0004】
走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第2の時間以上である場合に、車両に対する第2ユーザの乗車リクエストを受け付けなくてもよい。走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第3の時間以上である場合に、予め定められた範囲にいる第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付けてもよい。
【0005】
走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第4の時間以上である場合に、予め定められた数以下の第2ユーザの乗車リクエストのみを受け付けてもよい。走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第5の時間以上である場合に、信号停車時のみ第2ユーザを乗車可能としてもよい。走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第6の時間以上である場合に、一度受付けた第2ユーザの乗車リクエストを取り消してもよい。
【0006】
車両は自動運転を行う自動車両であり、走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第7の時間以上である場合に自動車両の速度を上げた走行計画を作成してもよい。車両は自動運転を行う自動車両であり、走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第8の時間以上である場合に走行計画における経路として渋滞の少ないルートを選択してもよい。
【0007】
車両は自動運転を行う自動車両であり、走行計画管理部は、遅延時間が第1の時間より大きい予め定められた第9の時間以上である場合に走行計画における経路として有料道路を含むルートを選択してもよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、相乗り管理方法が提供される。相乗り管理方法は、第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理段階を備えてもよい。相乗り管理方法は、予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出する遅延算出段階を備えてもよい。走行計画管理段階は、遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して走行計画を管理してもよい。
【0009】
本発明の第3の態様においては、相乗り管理プログラムが提供される。相乗り管理プログラムは、コンピュータに、第1ユーザが乗車する車両の目的地に到着する時刻を予定した到着予定時刻を含む走行計画を管理する走行計画管理段階を実行させてもよい。予め定められた第1の時点で予定した第1の到着予定時刻に対する、第1の時点よりも後の予め定められた第2の時点で予定した第2の到着予定時刻の遅延時間を算出してもよい。走行計画管理段階は、遅延時間が予め定められた第1の時間以上である場合に、車両に相乗りを希望する第2ユーザの端末からの乗車リクエストを制限して走行計画を管理してもよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。
【
図2】ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。
【
図3】表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。
【
図5】走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。
【
図6】車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。
【
図7】ユーザ情報格納部1043に格納されるユーザの情報の例を示す。
【
図8】走行計画格納部1042に格納される走行計画の情報の例を示す。
【
図9】(a)~(d)は、第1の到着予定時刻に対する第2の到着予定時刻の遅延時間Sを示す。
【
図11】車両管理装置10において第1ユーザ50および第2ユーザ52からの乗車リクエストを処理する処理フローの一例である。
【
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。車両管理システム70は、マイカー以外の交通手段での移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ、いわゆるMaaS(Mobility as a Service)を提供する。
図1の車両管理システム70の例では、相乗り管理装置としての車両管理装置10、自動車両30、32、ユーザ端末40、42がインターネットなどのネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。ユーザ端末40は第1ユーザ50により使用される通信端末であり、例えばスマートフォンである。同様に、ユーザ端末42は第2ユーザ52により使用される通信端末である。なお、以下の説明において、自動車両を自動車両30のみを用いて説明する。
【0014】
車両管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどのサーバである。自動車両30は、例えば自動車であり、その駆動の方式を問わない。さらに、自動車両30は、定員が数名の乗用車あってもよいし、定員が乗用車よりも多いバスであってもよい。
【0015】
自動車両30は、複数組のユーザが相乗り可能な車両である。相乗りは、乗合いとも呼ばれることもあり、あるユーザが乗車している自動車両が当該ユーザの出発地から目的地まで移動する途中で、他のユーザも当該自動車両に乗車して当該自動車両を共用するものである。相乗りにおいて、他のユーザが先のユーザの目的地よりも手前で降車してもよいし、同じ目的地で降車してもよいし、より遠くで降車してもよい。なお、自動車両30に先に乗車するユーザを第1ユーザ50といい、自動車両30に第1ユーザ50が乗車した後に、自動車両30への乗車を希望するユーザを第2ユーザ52という。3組以上のユーザが自動車両30に相乗りする場合、自動車両30に先に乗車する第1ユーザ50以外のユーザを全て第2ユーザ52という。第1ユーザ50および第2ユーザ52は、それぞれ同乗者を伴っていてもよい。
【0016】
車両管理装置10において、自動車両30が複数のユーザを相乗りさせて輸送する場合には、各ユーザの目的地への到着時刻を厳密にコントロールすることが好ましい。したがって、目的地への到着が遅れそうな場合には対策を講じることが好ましい。本実施形態は、自動車両30が目的地への到着が遅れそうな場合には自動車両30に対する第2ユーザ52の相乗りを制限して目的地への到着時刻をコントロールするものである。
【0017】
図2は、ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。ユーザ端末40は、通信部402、入力部404および表示部406を有する。通信部402は、ネットワーク20を介して車両管理装置10と通信し、情報を送受信する。入力部404は、第1ユーザ50からの文字や数字などの入力を受け付ける。表示部406は、文字や数字などを含む画像を表示する。入力部404と表示部406とは、タッチパネルのように一体化されていてもよい。ユーザ端末42はユーザ端末40と同じ構成であってよく、説明を省略する。
【0018】
図3は、表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。乗車リクエストの入力画面410は、ユーザID、出発地、その希望時刻、目的地、その希望時刻、同乗者の人数、その中に異性がいるか、喫煙があるか、および、飲食があるか、の入力欄を有する。このうち、目的地の希望時刻を入力するかどうかは任意になっている。
図3に示す例では、ユーザID「U002」、出発地「東京都港区青山X-△」、その希望時刻「12/4 10:30」、目的地「埼玉県和光市中央△-X」、その希望時刻は未入力、同乗者「1名」、異性はなし(すなわち、同乗者が自分と同性である男性)、喫煙はなし、飲酒はあり、の情報が入力されている。
【0019】
入力部404はそれぞれの入力欄に対して第1ユーザ50からの入力を受け付けて、入力された情報を表示部406の入力欄に表示させる。上記入力欄のうち、ユーザID等にはテキストの入力を受け付け、異性有等は選択・非選択の別の入力を受ける(いわゆるラジオボタンである)。入力画面410の送信ボタンが押されると、入力された情報が、乗車リクエストとして通信部402から車両管理装置10に送信される。
【0020】
表示部406は入力画面410の他に、乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を表示する。受付情報は、乗車リクエストの内容が受け付けられたことが確認できるように、入力画面410と同内容の情報が表示されることが好ましい。
【0021】
表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から相乗り候補の情報を受信した場合にこれを表示するとともに、相乗りの可否の入力を促す画像を表示する。表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から利用料金の情報を受信した場合にこれを表示する。
【0022】
図4は、自動車両30の機能ブロックの一例を示す。自動車両30は、車載端末302、自動走行部310、現在地情報取得部312および乗車情報取得部314を有する。
【0023】
車載端末302は、車両管理装置10と通信する通信部304と、通信部304が車両管理装置10から受信した走行計画の情報を格納する走行計画格納部306を有する。なお、以下の説明を簡単化するため、自動車両30は完全自動運転(レベル5の自動運転と呼ばれることもある)のできる車両であるとする。すなわち、走行計画格納部306に格納された走行計画に沿って、自動走行部310が自動車両30全ての運転タスクを実行する例で説明する。
【0024】
現在地情報取得部312は、例えばGPSなどを含み、自動車両30の現在地の情報を一定時間毎に取得する。現在地情報取得部312は、現在地の情報を走行IDに対応付けて一定時間毎に車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、現在地情報取得部312は、現在地の情報と走行計画格納部306に格納された出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地に到着した場合にはその旨を示す情報を、目的地に到着した場合にはその旨を示す情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
【0025】
乗車情報取得部314は、例えば車内を撮影するカメラを含み、自動車両30の乗車の状況を示す情報として車内の画像を一定時間毎に取得する。乗車情報取得部314は、当該画像を走行IDに対応付けて一定時間ごとに車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、乗車情報取得部314は画像認識等により当該画像を解析し、自動車両30に第1ユーザ50および第2ユーザ52が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報、荷物を持っているか否かの情報などを判定し、その旨の情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
【0026】
図5は、走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の一例を示す。走行計画格納部306には、車両管理装置10で生成された走行計画のうち、自動車両30を用いるもの、すなわち、車両ID「A30」の走行計画が格納されている。
【0027】
ただし、ユーザIDの欄にはIDそのものに加えて、車両管理装置10に格納されている画像を受信して格納している。乗車情報取得部314は当該画像を用いた顔認証により、第1ユーザ50および第2ユーザ52が乗車しているか否か等を判断する。
【0028】
図6は、車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。車両管理装置10は、受付部101、乗車情報取得部102、走行情報取得部103、走行計画管理部104、および出力部105、を備える。走行計画管理部104は、走行計画作成部1041、走行計画格納部1042、ユーザ情報格納部1043、および遅延算出部1044、を備える。出力部105は、料金情報出力部1051、走行計画出力部1052、乗車可否情報出力部1053、を備える。
【0029】
受付部101は、第1ユーザ50が使用するユーザ端末40から乗車リクエストを受信する。受付部101は、乗車リクエストの受付に先立って、または、乗車リクエストの初回受付時に、第1ユーザ50の情報をユーザ端末40から受信して、走行計画管理部104のユーザ情報格納部1043に格納する。受付部101は、第2ユーザ52が使用するユーザ端末42から乗車リクエストを受信する。受付部101は、同様に第2ユーザ52の情報を走行計画管理部104のユーザ情報格納部1043に格納する。
【0030】
図7は、ユーザ情報格納部1043に格納されるユーザ情報の例を示す。ユーザ情報格納部1043には、ユーザIDに対応付けて、ユーザの端末ID,氏名、性別、年齢、ユーザの顔画像が格納されている。ユーザIDは第1ユーザ50が指定してもよいし、受付部101が新たなユーザからの情報を受け付けたときに自動的に割り振ってもよい。また、
図7の例で、端末IDとして当該端末で受信できるメールアドレスが格納されている。
【0031】
図7の例において、例えばユーザID「U0001」に対応付けて、端末ID「abc@edf.com」、氏名「本田○郎」、性別「男」、年齢「32」、顔画像として画像ファイルが格納されている。
【0032】
図6に戻り、車両管理装置10の走行情報取得部110は、自動車両30から走行の状況の情報を取得する。走行の状況の情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30の現在地の情報である。自動車両30の現在地の情報は、時刻情報に紐付けられている。これに代えてまたはこれに加えて、走行の状況の情報には、自動車両30が、対応する走行計画における出発地に到着したか否かの情報や、目的地に到着したか否かの情報が含まれてもよい。
【0033】
乗車情報取得部112は、自動車両30から乗車の状況を示す情報を取得する。乗車の状況を示す情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30の車内の画像である。これに代えてまたはこれに加えて、乗車の状況を示す情報には、自動車両30に第1ユーザ50および第2ユーザ52が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報、荷物を持っているか否かの情報などが含まれていてもよい。
【0034】
走行計画管理部104が受付部101から第1ユーザ50の乗車リクエストを受信すると、走行計画管理部104の走行計画作成部1041は、第1ユーザ50の乗車リクエストに基づいて自動車両30の走行計画を作成する。この場合に、走行計画作成部1041は、乗車リクエストに含まれているユーザIDに対応付けて格納されているユーザの情報をユーザ情報格納部1043から読出して、当該情報も用いて走行計画を作成する。なお、走行計画の作成の方法は特に言及しない限り既知の経路案内装置と同様の方法が用いられてよい。先の走行計画に対して相乗りが追加される場合の走行計画の作成方法は、特に言及しない限り既知の経路案内装置における走行経路に通過点を追加する場合と同様の方法が用いられてよい。走行計画作成部1041が自動車両30の走行計画を作成すると、走行計画管理部104は第1ユーザ50のユーザ端末40に対して乗車リクエストを受け付けた旨の情報および作成した走行計画を送信する。
【0035】
走行計画作成部1041が、管理する複数の自動車両の現在の状況から第1ユーザ50の乗車リクエストを満たす走行計画を作成できないと判断した場合、走行計画管理部104は、第1ユーザ50の乗車リクエストを拒否し、その旨の情報を第1ユーザ50のユーザ端末40に送信する。
【0036】
走行計画管理部104は、受付部101から受信した第2ユーザ52の乗車リクエストの内容および第1ユーザ50が乗車している自動車両30の遅延情報に基づいて、自動車両30に対する第2ユーザ52の乗車リクエストを受付けるか否かを決定する。走行計画管理部104が第2ユーザ52の乗車リクエストを受付けることを決定すると、走行計画管理部104の走行計画作成部1041は、第2ユーザ52の乗車リクエストに基づいて自動車両30の走行計画を変更する。
【0037】
走行計画作成部1041は、走行計画の作成にあたり、第1ユーザ50のユーザ端末40から受信した乗車リクエストに含まれている情報に基づき、第1ユーザ50の目的地への到着予定時刻を予測する。この場合、走行計画作成部1041は、出発時刻、出発地と目的地との間の距離、想定される走行経路、走行経路における信号の数、走行経路における一時停止などの交通標識の配置状況、有料道路の使用可否、時間帯ごとの渋滞情報、事故による走行経路の封鎖情報等を考慮して目的地への到着予定時刻を予測する。走行計画作成部1041による到着予定時刻の予測には既知の方法が用いられてよい。
【0038】
走行計画作成部1041は、第1の時点において自動車両30が目的地へ到着する第1の到着予定時刻を予測する。第1の時点は、第1ユーザ50のユーザ端末40から乗車リクエストを受信した時点である。また、第1の時点は、第1ユーザ50が自動車両30へ乗車した時点であってもよい。さらに、第1の時点は、第1ユーザ50が自動車両30へ乗車後、自動車両30が走行中の時点であってもよい。
【0039】
走行計画作成部1041は、第1の時点よりも後の第2の時点において、当該時点において新たに取得した交通状況や自動車両30の遅延状況から走行計画を再度作成し、自動車両30が目的地へ到着する第2の到着予定時刻を再度予測する。第2の時点は、第1ユーザ50の走行計画における走行時間の半分を経過した時点である。第1ユーザ50の走行計画における走行時間とは、出発時刻から第1の到着予定時刻に至る時間である。また、第2の時点は、第1ユーザ50の走行計画における走行経路の中間地点を通過した時点であってもよい。第2の時点は第1の時点よりも後の他の時点であってもよい。
【0040】
走行計画管理部104は、走行計画作成部1041が作成した走行計画の情報を走行計画格納部1042に格納する。
【0041】
図8は、走行計画格納部1042に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画格納部1042には、走行IDに対応付けて、車両ID,相乗りの情報、ユーザID,出発地、出発時刻、目的地、走行のルート、到着時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無、および飲酒の有無に関する情報が格納されている。なお、
図8における到着時刻は、走行計画管理部104が第1ユーザ50のユーザ端末40から乗車リクエストを受信した第1の時点で予測した第1の到着予定時刻である。ここで、走行計画管理部104が第2の到着予定時刻を予測した場合、第1の到着予定時刻の代わりに第2の到着予定時刻が格納される。なお、第1の到着予定時刻の欄の横に第2の到着予定時刻の欄を設けて、第1の到着予定時刻および第2の到着予定時刻の双方を格納してもよい。
【0042】
車両IDは、走行IDで特定される走行計画で用いられる自動車両を特定する。
図8の例において、走行ID「D001」に対して車両ID「A30」が対応付けられているので、当該走行計画で車両ID「A30」で特定される自動車両、例えば
図1の自動車両30が用いられる。
【0043】
相乗りの情報は、走行IDで特定される走行計画の中で相乗りがあるかどうか、および、相乗りがある場合には、相乗りとなる相手の走行計画の走行IDが格納される。
図8の例では、走行ID「D001」の相乗りの情報の欄に走行ID「U0002」が格納されているので、これらが相乗りであることを示す。なお、相乗りがない場合には無効な値が格納される。
【0044】
ユーザIDの欄には走行IDで特定される走行計画を利用するユーザIDが格納されている。なお、自動車両30を回送する場合、すなわち、いずれのユーザも乗車しない場合には、回送であることを示すユーザID「U9999」が格納される。
図8の例においては、走行ID「0003」が回送であることに対応して、ユーザID「U9999」が格納されている。
【0045】
出発地、その時刻、目的地、同乗者の数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無の欄は、ユーザIDで特定される第1ユーザ50および第2ユーザ52が乗車リクエストにおいて入力した情報が格納される。走行ルートは、走行計画格納部1042が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて設定した情報が格納される。
【0046】
図8においては説明を簡単にするため、単に「ルートS」等の文字で示した。目的地の時刻は、走行計画格納部1042が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて予測した情報が格納される。その他の情報には走行ルート上の渋滞の情報などが含まれる。走行ルートの設定および目的地の時刻の予測は既知の方法が用いられてよい。
【0047】
図6に戻り、走行計画管理部104の遅延算出部1044は、走行計画作成部1041が第1の時点及び第2の時点において予測した第1の到着予定時刻及び第2の到着予定時刻を走行計画格納部1042から取得する。本実施形態において、第1の時点は、走行計画管理部104が第1ユーザ50のユーザ端末40から乗車リクエストを受信した時点であり、第2の時点は、第1ユーザ50の走行計画における走行時間の半分を経過した時点である。
【0048】
遅延算出部1044は、第1の到着予定時刻に対する第2の到着予定時刻の遅延時間Sを算出する。なお、遅延算出部1044は、第1ユーザ50が乗車リクエストにおいて目的地への到着の希望時刻を指定した場合、当該希望時刻を第1の到着予定時刻の代わりに用いてもよい。
【0049】
図9(a)~(d)は、第1の到着予定時刻に対する第2の到着予定時刻の遅延時間Sを示す。
図9(a)には、出発時刻T0と、走行計画管理部104が第1の時点で予測した第1の到着予定時刻である到着予定時刻T1とが示される。
図9(a)において、到着予定時刻T1からの遅延の程度を示す設定時間S1及び設定時間S2が予め設定されている。設定時間S1及び設定時間S2は、例えば、第1ユーザ50の走行計画における走行時間との比が所定の比率となるように予め設定され、走行計画格納部1042に格納されている。設定時間S1及び設定時間S2は、5分や10分などの絶対値で予め設定されてもよい。
【0050】
図9(b)には、出発時刻T0と、走行計画管理部104が第2の時点で予測した第2の到着予定時刻である到着予定時刻T2が示される。
図9(b)において、到着予定時刻T2は到着予定時刻T1から遅延時間S3だけ遅延している。ここで、設定時間S1>遅延時間S3の関係が成り立つことから、遅延時間S3がそれ程大きくはなく第2ユーザ52を相乗り乗車させる余裕があると考えられる。したがって、走行計画管理部104は、自動車両30に対する第2ユーザ52の乗車リクエストを制限しないで受け付ける。なお、走行計画管理部104は、到着予定時刻T2が到着予定時刻T1よりも早い場合、すなわち遅延が生じていない場合には、設定時間S1>遅延時間S3とする。
【0051】
図9(c)には、出発時刻T0と、走行計画管理部104が第2の時点で予測した第2の到着予定時刻である到着予定時刻T3が示される。
図9(c)には、
図9(b)と比べて渋滞等で自動車両30の走行がやや遅れた状況が示される。
図9(c)において、到着予定時刻T3は到着予定時刻T1から遅延時間S4だけ遅延している。
図9(c)において、設定時間S1≦遅延時間S4≦設定時間S2の関係が成り立つことから、ある程度の遅延が発生している状況であり、これ以上は大幅に遅れないことが望ましい。したがって、走行計画管理部104は、自動車両30に対する第2ユーザ52の乗車リクエストを制限して受け付ける。
【0052】
図9(d)には、出発時刻T0と、走行計画管理部104が第2の時点で予測した第2の到着予定時刻である到着予定時刻T4が示される。
図9(d)には、
図9(c)と比べて更に自動車両30の走行が遅れた状況が示される。
図9(d)において、到着予定時刻T4は到着予定時刻T1から遅延時間S5だけ遅延している。
図9(d)において、遅延時間S5>設定時間S2であることから、既に大幅な遅れが予想されており第2ユーザ52を相乗り乗車させることで第1ユーザ50の目的地への到着時間が更に遅れることが予想される。したがって、走行計画管理部104は、自動車両30に対する第2ユーザ52の乗車リクエストを受け付けない。
【0053】
図10は、第2ユーザ52の出発地の一例を示す。
図10には、設定時間S1≦遅延時間S4≦設定時間S2であるときに(
図9(c)参照)、走行計画管理部104が行う第2ユーザ52の乗車リクエストを制限する場合の一例が示される。
【0054】
図10には、第1ユーザ50の出発地及び目的地と、第2ユーザ52A~52Cの出発地が示される。
図10において、第1ユーザ50の走行計画における走行経路は実線で示されており、第2ユーザ52Bを相乗りさせた場合に変更された走行経路は一点鎖線で示されており、第2ユーザ52Cを相乗りさせた場合に変更された走行経路は二点鎖線で示されている。
図10において、第2ユーザ52Aの出発地は第1ユーザ50の走行計画における走行経路上に位置しており、第2ユーザ52Bおよび第2ユーザ52Cの出発地は第1ユーザ50の走行計画における走行経路外に位置している。
【0055】
走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~51Cが自動車両30への乗車を希望する場所である出発地を考慮して第2ユーザ52A~52Cの自動車両30への乗車リクエストを受け付けるか否かを決定する。
【0056】
走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~52Cの出発地が第1ユーザ50の走行計画における走行経路上に位置する場合に、第2ユーザ52A~52Cの乗車リクエストを受け付ける。また、走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~52Cの出発地が第1ユーザ50の走行計画における走行経路上に位置しない場合であっても、第2ユーザ52A~52Cを乗車させることによって第1ユーザ50の走行計画における走行距離が予め定められた第1の距離以上増加しない場合に、第2ユーザ52A~52Cの乗車リクエストを受け付ける。第1の距離は、例えば、第1ユーザ50の走行計画における総走行距離との比が所定の比率となるように予め設定される。
【0057】
図10に示される例では、第2ユーザ52Aの出発地は第1ユーザ50の走行計画における走行経路上に位置しているため、走行計画管理部104は第2ユーザ52Aの乗車リクエストを受付ける。また、第2ユーザ52Bを乗車させることによって第1ユーザ50の走行距離が予め定められた第1の距離以上増加しないため、走行計画管理部104は第2ユーザ52Bの乗車リクエストを受付ける。一方で、第2ユーザ52Cを乗車させることによって回り道をすることになり、第1ユーザ50の走行距離が予め定められた第1の距離よりも増加するため、走行計画管理部104は第2ユーザ52Cの乗車リクエストを拒否する。
【0058】
走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~52Cの目的地を更に考慮して第2ユーザ52A~52Cの乗車リクエストを受け付けるか否かを決定してもよい。例えば、走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~52Cの目的地が第1ユーザ50の走行計画における走行経路上にある場合、又は第1ユーザ50の目的地以降にあるため第1ユーザ50の走行時間に影響を与えない場合に、第2ユーザ52A~52Cの乗車リクエストを受け付けてもよい。また、走行計画管理部104は、第2ユーザ52A~52Cの出発地又は目的地が渋滞が予測される経路上にあるか否かを考慮して第2ユーザ52A~52Cの乗車リクエストを受け付けるか否かを決定してもよい。
【0059】
第2ユーザ52の乗車リクエストの制限の他の例として、走行計画管理部104は、自動車両30に乗車させる第2ユーザ52の数を制限してもよい。この場合、遅延時間Sが設定時間S1より大きい時間である場合に、予め定められた数以下の第2ユーザ52の乗車リクエストのみを受け付けてもよい。また、遅延時間Sに応じて段階的に自動車両30に乗車させる第2ユーザ52の数の上限を設定してもよい。
【0060】
走行計画管理部104は、遅延時間Sによって第2ユーザ52を乗車させるタイミングを制限してもよい。走行計画管理部104は、例えば遅延時間Sが設定時間S1より大きい時間である場合に、信号停車時のみ第2ユーザ52を乗車可能とするように走行計画を設定してもよい。信号停車時のみ第2ユーザ52を乗車可能とすることで、第2ユーザ52を乗車させることによる時間のロスを低減することができ、更なる遅延を抑制することができる。
【0061】
走行計画管理部104は、遅延時間Sによって一度受付けた第2ユーザ52の乗車リクエストを取り消してもよい。この場合、走行計画管理部104は遅延時間Sが設定時間S1より大きい時間である場合に一度受付けた第2ユーザ52の乗車リクエストを取り消してもよい。大幅な遅れが予想される場合、第2ユーザ52の乗車リクエストを取り消すことにより、第2ユーザ52を乗車させることによる時間のロスを低減することができ、更なる遅延を抑制することができる。
【0062】
走行計画管理部104は、遅延時間Sによって自動車両30の走行速度をコントロールしてもよい。この場合、走行計画管理部104は遅延時間Sが設定時間S1より大きい時間である場合に自動車両30の速度を上げた走行計画を作成してもよい。自動車両30の速度を上げる程度は、遅延時間Sによって段階的に設定してもよい。
【0063】
走行計画管理部104は、遅延時間Sによって自動車両30の走行経路を変更してもよい。この場合、走行計画管理部104は、遅延時間Sが設定時間S1より大きい時間である場合に走行計画における走行経路として渋滞の少ないルートを選択してもよく、または有料道路を含むルートを選択してもよい。
【0064】
図6に戻り、出力部105の料金情報出力部1051は、自動車両30を利用した第1ユーザ50および第2ユーザ52に対して利用料金を精算し、対応するユーザ端末40、42に利用料金の情報を送信する。この場合に、料金情報出力部1051は、走行情報取得部103からの走行の状況の情報、および、乗車情報取得部102からの乗車の状況の情報に基づいて利用料金を精算する。
【0065】
出力部105の走行計画出力部1052は、自動車両30の車載端末302と第1ユーザ50のユーザ端末40に対して、作成した第1ユーザ50の走行計画を送信する。走行計画出力部1052は、第2ユーザ52の乗車リクエストを受付けた場合には、第2ユーザ52の自動車両30への乗車によって変更された走行計画を自動車両30の車載端末302と第1ユーザ50および第2ユーザ52のユーザ端末40、42に対して送信する。
【0066】
出力部105の乗車可否情報出力部1053は、第1ユーザ50のユーザ端末40に対して第1ユーザ50の乗車リクエストを受付けるか否かの情報を送信する。乗車可否情報出力部1053は、自動車両30の車載端末302と第1ユーザ50および第2ユーザ52のユーザ端末40、42に対して、第2ユーザ52の乗車リクエストを受付けるか否かの情報を送信する。
【0067】
図11は、車両管理装置10において第1ユーザ50および第2ユーザ52からの乗車リクエストを処理する処理フローの一例である。
【0068】
車両管理装置10の受付部101は、第1ユーザ50からの乗車リクエストの入力を受け付け、走行計画管理部104は、受付部101から受信した乗車リクエストの内容から第1ユーザ50の乗車リクエストを受付けることを決定する(S01)。例えば、乗車リクエストはユーザ端末40にインストールされた専用のアプリケーションを立ち上げることで入力され、ユーザ端末40は乗車リクエストを車両管理装置10の受付部101に送信する。
【0069】
走行計画管理部104の走行計画作成部1041は、第1ユーザ50のユーザ端末40からの乗車リクエストを満たす走行計画を作成し、第1の時点において第1の到着予定時刻を予測する(S02)。第1ユーザ50の走行計画における走行時間の半分である第2の時点を経過したら(S03:YES)、走行計画管理部104の走行計画作成部1041は、第2の時点で判明した交通状況や遅延状況を考慮して再度走行計画を作成し、第2の時点における第2の到着予定時刻を予測する(S04)。
【0070】
走行計画管理部104の遅延算出部1044は、第1の到着予定時刻と第2の到着予定時刻とを比較して、第2の到着予定時刻の第1の到着予定時刻からの遅延時間Sを算出し、当該遅延時間Sと予め定められた設定時間S1及び設定時間S2を比較する(S05)。
【0071】
図9(b)に示されるように、設定時間S1>遅延時間Sであるとき、走行計画管理部104は、第2ユーザ52の乗車リクエストを制限なしで受付ける(S06)。
図9(c)に示されるように、設定時間S1≦遅延時間S≦設定時間S2であるとき、走行計画管理部104は、第2ユーザ52の乗車リクエストを制限して受付ける(S07)。
図9(d)に示されるように、遅延時間S>設定時間S2であるとき、走行計画管理部104は、第2ユーザ52の乗車リクエストを拒否する(S08)。
【0072】
第2ユーザ52の乗車リクエストを制限して受付ける場合(S07)、受付部101が第2ユーザ52からの乗車リクエストを受付けると(S09)、走行計画管理部104は、第2ユーザ52を乗車させることによって第1ユーザ50の走行計画における走行距離が予め定められた第1の距離以上増加するか否かを判断する(S10)。走行距離が予め定められた第1の距離以上増加しない場合には、走行計画管理部104は第2ユーザ52の乗車リクエストを受付けて第2ユーザ52を乗車させる(S11)。一方で、走行距離が予め定められた第1の距離以上増加する場合には、走行計画管理部104は第2ユーザ52の乗車リクエストを拒否して第2ユーザ52を乗車させない(S12)。
【0073】
以上、本実施形態によれば、第1ユーザ50の目的地への到着が遅れそうな場合には自動車両30に対する第2ユーザ52の相乗りを制限するので、第1ユーザ50の目的地への到着時刻をコントロールすることができる。
【0074】
なお、上記実施形態では走行計画作成部1041が第1の到着予定時刻および第2の到着予定時刻を予測し、遅延算出部1044が第1の到着予定時刻に対する第2の到着予定時刻の遅延時間Sを算出することにより遅延の程度を算出した。しかしながら、到着予定時刻の予測は3回以上行われてもよい。その場合、走行計画作成部1041が第1の到着予定時刻、第2の到着予定時刻、および第3の到着予定時刻を予測して、遅延算出部1044が第1の到着予定時刻に対する第2の到着予定時刻および第3の到着予定時刻の遅延時間Sを算出することにより遅延の程度を算出してもよい。
【0075】
なお、上記の自動車両30は完全自動運転のできる車両の例で説明したが、自動車両30は完全自動運転ではない車両であってもよい。すなわち、当該自動車両の運転タスクの少なくとも一部を運転者が実施する車両(レベル0から4の自動運転と呼ばれることもある)であってもよい。運転者は第1ユーザ50および第2ユーザ52であってもよい。上記の車両管理装置10の一部またはすべての機能が車載端末302等に搭載されていてもよい。これにより、車載端末302等が車両管理装置10として機能してもよい。
【0076】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0077】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0078】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0080】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0081】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0082】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0083】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0084】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0085】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0086】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0087】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0088】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0089】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0091】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0092】
10 車両管理装置、30 自動車両、40、42 ユーザ端末、50 第1ユーザ、52、52A~52C 第2ユーザ、70 車両管理システム、101 受付部、102 乗車情報取得部、103 走行情報取得部、104 走行計画管理部、105 出力部、302 車載端末、304 通信部、306 走行計画格納部、310 自動走行部、312 現在地情報取得部、314 乗車情報取得部、402 通信部、404 入力部、406 表示部、410 入力画面、1041 走行計画作成部、1042 走行計画格納部、1043 ユーザ情報格納部、 1044 遅延算出部、1051 料金情報出力部、 1052 走行計画出力部、 1053 乗車可否情報出力部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード