(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 34/24 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A01D34/24 103
A01D34/24 105Z
(21)【出願番号】P 2020154849
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】森山 浩二
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-152837(JP,U)
【文献】特開2019-080511(JP,A)
【文献】特許第4903545(JP,B2)
【文献】特開2004-283008(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0228086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/24
A01D 63/00 - 63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に対して昇降可能に設けられた刈取部と、前記刈取部の高さを検出するための刈高検出装置と、を備えたコンバインであって、
前記刈高検出装置は、
第1軸に上下回動可能に設けられた装置本体と、
前記第1軸の後方に位置する第2軸により回動可能に支持された接地体と、
前記接地体の前記第2軸回りの回動量を検出する検出センサと、を備え、
前記検出センサによる検出信号に基づいて前記刈取部の高さを検出する
ものであり、
前記接地体は、前記第2軸回りの回動について、外力の作用を受けていない状態で所定の基準位置に位置決めされるように設けられており、
前記検出センサは、前記接地体の前記基準位置から後方への回動量を検出する
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記接地体は、前記基準位置より後方に位置する状態では、前記第1軸回りの回動を停止させた状態の前記装置本体に対して前記第2軸回りに回動する
ことを特徴とする請求項
1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記装置本体は、前記接地体が前記基準位置より前方に位置する状態では、前記接地体の回動に連動して前記第1軸回りに回動するように構成されている
ことを特徴とする請求項
1または請求項
2に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ調整可能な刈取部を有するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインは、走行機体の前側に刈取部を備えるとともに、走行機体上に脱穀部を備え、走行しながら刈取部による穀稈の刈取りや脱穀部による脱穀等を行う。従来、コンバインには、刈取部を走行機体に対して昇降可能に設け、刈取部の地面からの高さである刈高さを制御するため、刈高検出装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような構成においては、刈高検出装置の検出信号に基づき、刈取部を昇降させる油圧シリンダ等の昇降用装置の動作が制御され、刈高さの自動制御が行われる。
【0003】
特許文献1には、刈高検出装置として、刈取部が有する分草体の後下方に配置されたセンサユニットを備えた構成が開示されている。センサユニットは、分草体にブラケットを介して上下回動可能に取り付けられたユニット本体と、ユニット本体の回動位置を検出するポテンショメータと、ユニット本体に対して上下回動可能に取り付けられた接地体とを備える。ユニット本体は、その前部に位置する第1回転軸によりブラケットに回動可能に支持される。接地体は、ユニット本体の後部に位置する第2回転軸によりユニット本体に回動可能に支持され、ユニット本体の後部から下方に向けて延出している。
【0004】
特許文献1に開示されたセンサユニットによれば、通常走行時である機体前進時において、後方への回動が規制された接地体が地面や切り株から押圧されると、接地体とユニット本体とが一体的に第1回転軸回りに上下回動し、そのユニット本体の回動位置に基づいて分草体の地面からの高さが検出される。一方、機体後進時においては、接地体が地面や切り株から押圧されて前方へ回動してユニット本体の下面に当接し、さらに接地体が切り株などから上方に押圧されることで、接地体とユニット本体とが一体的に第1回転軸回りに上方に回動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたセンサユニットは、接地体の後方への回動を規制することで、通常走行時に、接地体とともにユニット本体を第1回転軸回りに上下回動させ、そのユニット本体の回動を検出している。このような構成によれば、次のような問題がある。
【0007】
特許文献1に開示されたセンサユニットの構成によれば、通常走行時において、ユニット本体が常に上下回動する状況が生じやすくなる。このため、ユニット本体が損傷を受けやすくなる。また、例えば分草体とユニット本体との間に泥などが詰まることで、通常走行時においてユニット本体の上方への回動が妨げられる場合がある。このような場合、接地体の後方への回動が規制されていることから、接地体が地面や切り株から受ける力が過大となり、例えば接地体の破損等の不具合が生じる可能性がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、刈取部による刈高さを検出するための構成において、地面や切り株から接地体に作用する力に起因する不具合を解消することができ、精度良く刈高さを検出することができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンバインは、走行機体に対して昇降可能に設けられた刈取部と、前記刈取部の高さを検出するための刈高検出装置と、を備えたコンバインであって、前記刈高検出装置は、第1軸に上下回動可能に設けられた装置本体と、前記第1軸の後方に位置する第2軸により回動可能に支持された接地体と、前記接地体の前記第2軸回りの回動量を検出する検出センサと、を備え、前記検出センサによる検出信号に基づいて前記刈取部の高さを検出するものである。
【0010】
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記接地体は、前記第2軸回りの回動について、外力の作用を受けていない状態で所定の基準位置に位置決めされるように設けられており、前記検出センサは、前記接地体の前記基準位置から後方への回動量を検出するものである。
【0011】
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記接地体は、前記基準位置より後方に位置する状態では、前記第1軸回りの回動を停止させた状態の前記装置本体に対して前記第2軸回りに回動するものである。
【0012】
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記装置本体は、前記接地体が前記基準位置より前方に位置する状態では、前記接地体の回動に連動して前記第1軸回りに回動するように構成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、刈取部による刈高さを検出するための構成において、地面や切り株から接地体に作用する力に起因する不具合を解消することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンバインの左側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るコンバインの右側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るコンバインの刈取部の構成を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るコンバインの刈高検出装置およびその設置部の近傍の構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る分草部および刈高検出装置の構成を示す左側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る分草部および刈高検出装置の構成を示す右側面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るセンサユニットを示す斜視図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置を示す左側面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置を示す平面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造を示す左側面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造を示す平面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造の一部を省略した左側面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造を示す斜視図である。
【
図15】
図11におけるA-B-C位置の組合せ断面図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に係る前側固定軸の位置調整機構についての説明図である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る前側軸支部の構成を示す平面断面図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係るコンバインのバック時の刈高検出装置の動作についての説明図である。
【
図19】本発明の第1実施形態に係るコンバインのバック時から前進する際の刈高検出装置の動作についての説明図である。
【
図20】本発明の第1実施形態に係るコンバインの機体停止時において刈取部が下降した際の刈高検出装置の動作についての説明図である。
【
図21】本発明の第1実施形態に係る刈高検出装置の左右回動についての説明図である。
【
図22】本発明の第2実施形態に係るコンバインの刈高検出装置およびその設置部の近傍の構成を示す左側面図である。
【
図23】本発明の第2実施形態に係る刈高検出装置の構成を示す斜視図である。
【
図24】本発明の第2実施形態に係る刈高検出装置の構成を示す斜視図である。
【
図25】本発明の第2実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造を示す左側面図である。
【
図26】本発明の第2実施形態に係る刈高検出装置の装置本体の内部構造を示す平面図である。
【
図27】
図25におけるX-Y-Z位置の組合せ断面図である。
【
図28】本発明の第2実施形態に係る前側軸支部の構成を示す平面断面図である。
【
図29】本発明の第2実施形態に係る後側軸支部の構成を示す平面断面図である。
【
図30】本発明の第2実施形態に係る刈高検出装置の動作についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、高さ調整可能な刈取部を有するコンバインにおいて、刈取部の高さを検出するための刈高検出装置に関し、刈高検出装置の構成を工夫することにより、刈高検出装置の精度の向上を図ろうとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
[コンバインの全体構成]
まず、
図1および
図2を用いて、本実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、コンバイン1の前方(
図1における左方)に向かって左側および右側を、それぞれコンバイン1における左側および右側とする。
【0017】
図1および
図2に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、左右一対のクローラ部3,3を有するクローラ式の走行装置として構成された走行部2と、走行部2により支持された走行機体4とを備える。走行機体4は、コンバイン1の車体の枠状の構造部を含む。コンバイン1は、走行機体4上に搭載された駆動源としてのエンジン11を備える。
【0018】
走行機体4の前部には、圃場の稲、麦等の穀稈を刈り取りながら取り込む刈取部5が設けられている。走行機体4上には、刈取部5により刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀部6と、脱穀部6から取り出された穀粒を貯留する穀粒タンク7とが、横並び状に設けられている。脱穀部6は機体左側に、穀粒タンク7は機体右側にそれぞれ配置されている。コンバイン1は、走行部2により走行しながら刈取部5による穀稈の刈取りや脱穀部6による脱穀等を行う。
【0019】
走行部2を構成する各クローラ部3は、走行機体4の下方において前後方向に延設されたトラックフレーム3aと、トラックフレーム3aに支持された駆動スプロケット3b等の各種回転体と、これらの回転体に巻回された履帯3cとを有する。クローラ部3は、駆動スプロケット3bにおいてエンジン11の動力の伝達を受けて駆動する。
【0020】
刈取部5は、エンジン11からの駆動力によって駆動し、穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を脱穀部6等に搬送する。刈取部5は、走行機体4の前側において、コンバイン1の機体幅の略全体にわたって設けられている。刈取部5は、走行機体4に対して昇降可能に設けられている。なお、
図2は、刈取部5を
図1に示す状態に対して下降させた状態を示している。
【0021】
脱穀部6は、前後方向を回転軸方向とする扱胴6aと、扱胴6aの左方に設けられた穀稈供給装置とを有する。穀稈供給装置は、刈取部5により刈り取られた穀稈の株元を挟持して穂先を扱胴6a側とした横臥姿勢で穀稈を後方へ搬送する。穀稈供給装置は、左右方向を回転軸方向とする複数のスプロケットに巻回されたフィードチェン6bと、これと協動して穀稈の株元を挟扼する穀稈供給挟扼体6cとを含んで構成されている。
【0022】
走行機体4上における脱穀部6の下方には、脱穀部6により脱穀処理された処理物を選別処理する選別部8が設けられている。選別部8は、揺動選別装置8aと、風選別装置および穀粒搬送装置とを有する。選別部8は、脱穀部6から落下してきた処理物を揺動選別装置8aにより揺動選別し、揺動選別後の処理物を風選別装置により風選別する。選別部8は、風選別後の処理物のうち、穀粒を穀粒搬送装置により穀粒タンク7に向けて右方へ搬送し、藁屑や塵埃などを風選別装置により後方へ飛ばして機体の外部に排出する。穀粒搬送装置により穀粒タンク7に向けて搬送された穀粒は、穀粒タンク7に貯留される。
【0023】
走行機体4上の右側後端部には、穀粒タンク7内の穀粒を外部へ排出する穀粒排出装置としての排出オーガ9が旋回可能に設けられている。排出オーガ9は、先端部に排出口9aを有し、穀粒タンク7に貯留されている穀粒を排出口9aから排出する。排出口9aから排出された穀粒は、トラックの荷台やコンテナ等に投入される。
【0024】
走行機体4上において、脱穀部6の後方には、脱穀部6による脱穀処理後の排藁を処理する排藁処理部10が設けられている。排藁処理部10は、排藁搬送装置10aと、排藁切断装置10bとを有する。排藁搬送装置10aは、脱穀部6により脱穀済みの穀稈(排稈)を後方に搬送して機体の外部に排出するかあるいは排藁切断装置10bに搬送する。排藁切断装置10bは、排藁搬送装置10aから搬送された排稈を切断して機体の外部に排出する。
【0025】
また、走行機体4上において、刈取部5の右方であって穀粒タンク7の前方には、キャビン13により覆われた運転部14が設けられている。運転部14の前部には、操向操作部としてのハンドル部15が設けられており、ハンドル部15の後方に、運転席16が設けられており、運転席16の側方に、各種操作具が配設されている。
【0026】
運転部14の下方にはエンジン11を含む原動機部が設けられている。エンジン11は、例えばディーゼルエンジンである。エンジン11の動力は、変速装置等を介して、コンバイン1が各部において備える各種装置に伝達される。
【0027】
刈取部5について、
図1から
図3を用いて説明する。刈取部5は、刈取フレームとしての刈取支持機枠20を有し、この刈取支持機枠20に、分草板21、引起装置22、掻込装置23、刈刃装置24、穀稈搬送装置25等を支持させて構成されている。刈取部5が有する各装置は、エンジン11から動力が伝達されることで作動する。
【0028】
分草板21は、刈取部5が有する分草部50を構成するものであり、刈取部5の前端に設けられ、先細り形状を有し、圃場に植生する穀稈を分草する。引起装置22は、分草板21の後側に設けられており、チェンで連結された複数のタイン22aを動作させることで、倒伏している穀稈を引き起こす。
【0029】
掻込装置23は、引起装置22の後側に設けられており、チェン駆動する搬送機構23aや回転パッカー23b等を含んで構成されており、穀稈を掻き込む。なお、
図3においては、掻込装置23のうち、左側の端部に設けられた構成部分のみを示し、他の構成部分についての図示を省略している。
【0030】
刈刃装置24は、引き起された穀稈の株元を切断するバリカン型の装置である。穀稈搬送装置25は、刈り取られた穀稈を搬送する装置であり、複数条の刈取り穀稈を合流して後上方へ挟持搬送し、脱穀部6のフィードチェン6bの始端部に横倒れ姿勢で受け渡す。
【0031】
図1に示すように、刈取支持機枠20は、走行機体4の前側において前下がり状に配された支持フレーム26により支持されている。支持フレーム26は、機体左右方向の略中央部に設けられており、支持フレーム26の前側に、刈取支持機枠20が設けられている。
【0032】
図3に示すように、刈取支持機枠20は、機体の左右方向に延伸した横フレーム31と、横フレーム31から前方に延出した複数の分草フレーム32,34とを有する。刈取支持機枠20は、横フレーム31において支持フレーム26による支持を受ける。
【0033】
横フレーム31は、角パイプ状の部材からなる直線状のフレーム部分である。分草フレーム32,34は、丸パイプ状の部材からなるフレーム部分であり、所定の屈曲形状または湾曲形状を有し、平面視で前後方向に延伸している。分草フレーム32,34は、後端部または後部を横フレーム31に固定支持させることで、片持ち状に支持されている。
【0034】
複数の分草フレーム32,34は、左右方向に所定の間隔を隔てて、並列配置されている。分草フレーム32,34は、コンバイン1の刈取りの条数よりも1つ多い本数設けられる。本実施形態に係るコンバイン1は7条刈りであり、8本の分草フレーム32,34が設けられている。8本の分草フレーム32,34のうち、左端に位置する分草フレーム34は、他の複数の(7本の)分草フレーム32と異なる形状を有する。
【0035】
左右に隣り合う分草フレーム32,34間に、引起装置22が配置されており、合計7台の引起装置22が設けられている。引起装置22の下部が、各分草フレーム32,34の前部に支持ステー33(
図4参照)等を介して連結支持されている。また、各分草フレーム32,34の前端に、分草板21が取り付けられている。なお、複数の分草板21としては、比較的大きいものと比較的小さいものとの2種の分草板21が所定の配置で設けられている。
【0036】
以上のような構成を備えた刈取部5は、走行機体4に対して、昇降用装置としての油圧シリンダ18を介して所定の軸回りに回動可能に装着されている(
図1参照)。つまり、刈取部5は、油圧シリンダ18の伸縮動作による回動動作によって走行機体4に対して昇降可能に設けられている。油圧シリンダ18は、走行機体4と支持フレーム26との間に設けられており、支持フレーム26の後端部が、刈取部5の昇降回動の支点として左右方向の軸回りに回動可能に支持されている。
【0037】
以上のように、コンバイン1は、刈取部5を走行機体4に対して昇降可能に設けている。そして、コンバイン1は、刈取部5の地面G1からの高さである刈高さを制御するため、刈高検出装置40を備える。このような構成においては、刈高検出装置40の検出信号に基づき、刈取部5を昇降させる油圧シリンダ18の動作が制御され、刈高さの自動制御が行われる。
【0038】
油圧シリンダ18の動作は、制御弁である電磁弁の動作制御によって制御される。コンバイン1が備える制御部は、刈高検出装置40の検出信号に基づいて、油圧シリンダ18の制御弁の動作を制御することで、刈高さを制御する。
【0039】
刈高さの自動制御は、刈高検出装置40の検出信号に基づいて、刈取部5の刈高さを設定値に維持するように、油圧シリンダ18の制御弁の動作を制御し、刈取部5を自動的に昇降制御するものである。なお、運転部14には、刈高さ調整用の操作部が設けられており、例えば、刈高さの自動制御中において、操作部の操作による刈高さの調整を優先させる制御が行われる。
【0040】
以上のように、コンバイン1は、分草板21を含む分草部50を有し走行機体4に対して昇降可能に設けられた刈取部5と、刈取部5の高さである刈高さを検出するための刈高検出装置40とを備える。本実施形態では、刈高検出装置40は、8個の分草板21のうち、左端に位置する分草板21Aの後側に配置されている。左端の分草板21Aは、左端に位置する分草フレーム34により支持されている。なお、左端の分草板21Aは、2種の分草板21のうち比較的大きい分草板21である。
【0041】
[第1実施形態]
刈高検出装置40およびその支持構成の第1実施形態について、
図4から
図21を用いて説明する。
【0042】
(刈高検出装置の構成)
図4から
図17に示すように、刈高検出装置40は、装置本体41と、接地体42と、検出センサ43と、装置本体支持部材であるユニット支持体44とを備える。刈高検出装置40において、装置本体41、接地体42、および検出センサ43により、一体的なセンサユニット45が構成されており(
図8参照)、このセンサユニット45が、ユニット支持体44に対して左右方向の軸回りに回動可能に支持されている。ユニット支持体44は、分草部50に対して、前後方向の軸回りに回動可能に支持されている。
【0043】
刈高検出装置40は、全体として、分草部50に対して前後方向の軸回りに回動可能に支持されるとともに、センサユニット45を、ユニット支持体44に対して左右方向の軸回りに回動可能に支持させている。刈高検出装置40の前後方向軸回りの回動、およびセンサユニット45の左右方向軸回りの回動は、刈高検出装置40に作用する外力に応じて行われる。以下では、刈高検出装置40に外力が作用していない状態を基準状態とし、特に断りが無い限り基準状態の刈高検出装置40について説明する。
【0044】
センサユニット45において、装置本体41は、例えば金属製の鋳物で構成されたケース51内に、各種のギアやバネ等を所定の軸に支持させた構成を有する。ケース51は、ケース51の本体部をなす右ケース体52と、右ケース体52の左側を蓋状に覆う左ケース体53とによる左右二分割構造を有する。右ケース体52と左ケース体53は、側面視でケース51の周囲の4箇所で固定ボルト55により互いに固定されている。固定ボルト55は、ケース51の左側から左ケース体53のボルト孔を貫通し、右ケース体52のネジ孔52a(
図11参照)に螺挿されている。
【0045】
図9に示すように、ケース51は、側面視において前後方向(
図9における左右方向)を長手方向とした概略矩形状の外形を有する。ケース51の側面視外形における四隅近傍に、固定ボルト55による固定部が設けられている。ケース51は、側面視において、概略的に、上辺側を凸側、下辺側を凹側とした湾曲形状を有する。
【0046】
センサユニット45において、接地体42は、ケース51の後端の後側から下方に延出している。また、検出センサ43は、ケース51の右側面部に付設された態様で設けられている。
【0047】
ユニット支持体44は、帯状の板状部材が平面視で所定の形状をなすように屈曲形成された態様の部材であり、前後方向に延伸している。ユニット支持体44は、前後方向に細長い左側面部44aと、左側面部44aの前端部から右方に向けて直角状をなすように形成された前面部44bと、前面部44bの右端部から後方に向けて直角状をなすように形成された右前側面部44cと、左側面部44aの後端部から右方に向けて直角状をなすように形成された後面部44dとを有する。これらの面部は、いずれも縦面部であり、全体として略一定の幅(上下方向の寸法)を有する。
【0048】
左側面部44aは、左右方向を板厚方向とする前後に細長い略矩形板状の部分である。左側面部44aは、その後部において、前側から後側にかけて徐々に幅を狭くした形状を有する。前面部44bは、前後方向を板厚方向とする板状の部分である。前面部44bは、左右方向について、左側面部44aの前後方向の長さの1/4~1/3程度の寸法を有する。
【0049】
右前側面部44cは、左右方向を板厚方向とする板状の部分であり、左側面部44aの前端部に対して左右方向に対向している。右前側面部44cは、前後方向について、左側面部44aの前後方向の長さの1/6~1/5程度の長さを有する。後面部44dは、前後方向を板厚方向とする板状の部分であり、前面部44bに対して前後方向に対向している。後面部44dは、左右方向について、前面部44bの長さの半分よりも長い寸法を有する。
【0050】
ユニット支持体44は、上下を開放させるとともに、左側面部44a、前面部44b、右前側面部44c、および後面部44dにより、平面視で、前後に長い矩形状に沿うとともに、右後側の大部分を開放させた形状を有する。
【0051】
このようなユニット支持体44に対し、センサユニット45が、ユニット支持体44により囲まれた空間部分の前部に位置するように設けられている。センサユニット45は、その略全体を、平面視でユニット支持体44の外形が沿う矩形状の範囲内に位置させている。
【0052】
センサユニット45は、ケース51の前端部を、前面部44bの直後方であって左側面部44aの前端部と右前側面部44cとの間に位置させている。また、前後方向について、左側面部44aは、その後側の略半分を、ケース51の後端よりも後側に位置させている。
【0053】
また、センサユニット45は、左側面視において、ケース51の上下方向の中間部を、ユニット支持体44の左側面部44aに重ねている。センサユニット45は、左側面視において、左側面部44aに対して、ケース51の前後中央部を上方にはみ出させるとともに、ケース51の下側の部
分を下方にはみ出させている(
図9参照)。
【0054】
センサユニット45の各部について説明する。装置本体41は、第1軸である前側固定軸61に上下回動可能に設けられている。前側固定軸61は、左右方向を軸方向とする支軸であり、第1軸心P1を中心としてセンサユニット45を回動可能に支持する。
【0055】
前側固定軸61は、装置本体41において、ケース51の前端部近傍に位置している。前側固定軸61は、右端部を、ユニット支持体44の右前側面部44cに固定させた状態で、右前側面部44cから左方に向けて延出している。つまり、前側固定軸61は、右前側面部44cに対して片持ち状に支持された固定軸である。なお、前側固定軸61は、その左端部をユニット支持体44の左側面部44aの前端部に固定させることで片持ち状に支持された軸であってもよく、また、左側面部44aの前端部および右前側面部44cの両側に固定されてこれらの面部間に架設された軸であってもよい。
【0056】
前側固定軸61は、ケース51に対して相対回転可能に支持されている。つまり、ケース51は、前側固定軸61に対して回動可能に支持されている。
図15に示すように、前側固定軸61は、右ケース体52に対し、右ケース体52の前部に形成された筒状のボス部52hを貫通し、ボス部52hに対して軸受部材であるブッシュ47を介して支持されている。前側固定軸61は、左ケース体53に対し、左側の端部を左ケース体53の前部に形成された軸支穴53aにブッシュ48を介して挿嵌させた状態で支持されている。また、右ケース体52における前側固定軸61の右方への突出基部には、前側固定軸61を貫通させるリング状のオイルシール49が設けられている。
【0057】
このように、センサユニット45は、ユニット支持体44に固設された固定軸である前側固定軸61に対して、左右方向を軸方向として片持ち支持の状態で上下回動可能に設けられている(
図9、矢印A1参照)。すなわち、本実施形態において、ユニット支持体44は、前側固定軸61によってセンサユニット45の装置本体41を上下回動可能に支持する装置本体支持部材に相当する。
【0058】
ユニット支持体44に対するセンサユニット45の第1軸心P1回りの回動に関し、センサユニット45は、
図11および
図12に示すように、ケース戻しバネ56および固定プレート57により、下方回動方向に付勢されている。
【0059】
固定プレート57は、前側固定軸61の軸方向に対して垂直な板状の部分であり、前側固定軸61の左側の部分に固設されている。つまり、固定プレート57は、前側固定軸61と一体の部分である。固定プレート57は、ブッシュ48の右側に位置している。固定プレート57は、円形状の外形に沿う本体部分から後側へ向けて突出した鋭角状の支持アーム部57aを有し、全体として略涙滴型の板形状を有する。
【0060】
ケース戻しバネ56は、いわゆるトーションバネであり、コイル状の部分の両端側に延出部56a,56bを有する。ケース戻しバネ56は、固定プレート57の右側に位置し、コイル状の部分の右側の部分をボス部52hに対して外嵌させ、前側固定軸61を貫通させた状態で設けられている。
【0061】
ケース戻しバネ56は、コイル状の部分の右側に位置する一方の延出部56aを、右ケース体52の下面52bに当接させるとともに、コイル状の部分の左側に位置する他方の延出部56bを、固定プレート57に係止させている。他方の延出部56bは、先端部を左方に向けて屈曲させて、固定プレート57の支持アーム部57aに形成された係止孔57bに貫通させることで、固定プレート57に係止されている。
【0062】
ケース戻しバネ56は、延出部56a,56b同士を離間させる方向の付勢力により、前側固定軸61に固設された固定プレート57に対して右ケース体52を下側に押し下げる力を作用させる。これにより、センサユニット45が、前側固定軸61の軸回りに下方に回動する方向に付勢される。
【0063】
一方、ユニット支持体44に対するセンサユニット45の回動に関し、ケース51に設けられた係止突起53bにより、センサユニット45の下方への回動が基準状態の位置で規制されている。係止突起53bは、左ケース体53の前後中央部の上端部に、左ケース体53の一部として、左方に向けて突出形成されている。基準状態において、センサユニット45は、係止突起53bをユニット支持体44の左側面部44aの上縁に当接させることで、ユニット支持体44に対する下方への相対回動を不能としている。
【0064】
このように、センサユニット45は、前側固定軸61回りの回動について、下方回動方向に付勢された状態で、基準状態からのユニット支持体44に対する下方回動が規制されている。したがって、センサユニット45を前側固定軸61回りに上方に回動させる外力がセンサユニット45に作用することで、センサユニット45は、ケース戻しバネ56の付勢力に抗して上方に回動し、外力が解除されることで、ケース戻しバネ56の付勢力によって自動的に下方に回動し、係止突起53bの係止作用によって基準状態の位置に戻る。
【0065】
本実施形態に係る刈高検出装置40において、ユニット支持体44に対してセンサユニット45を支持する前側固定軸61は、ユニット支持体44に対する回動方向の相対位置が調整可能に設けられている。前側固定軸61の位置調整機構について、
図10、
図14および
図16を用いて説明する。
【0066】
前側固定軸61は、横断面形状を円形とする棒状の部材により構成されており、右端部を、ユニット支持体44の右前側面部44cの下部に形成された円形の軸孔44e(
図7参照)に回動可能に嵌合させている。前側固定軸61の右端部には、右前側面部44cの内側(左側)に重なる軸支持プレート46が固設されている。軸支持プレート46は、前側固定軸61と一体的に回動する部分となる。軸支持プレート46は、側面視において右前側面部44cの外形の範囲内に位置している。なお、
図14においては軸支持プレート46の図示を省略している。
【0067】
軸支持プレート46は、固定ボルト58により、右前側面部44cに締結固定されている。固定ボルト58は、前側固定軸61の上方の位置において、右方から右前側面部44cを貫通して、軸支持プレート46の左側に設けられたナット部46aに螺挿されている。右前側面部44cにおいて、固定ボルト58を貫通させるボルト孔44fは、前側固定軸61の第1軸心P1を中心とした回動を許容する長孔となっている。
【0068】
このような構成において、固定ボルト58による締結を緩めた状態で、第1軸心P1回りに軸支持プレート46を回動させることで(
図16、矢印B1参照)、ユニット支持体44に対する前側固定軸61の回動方向の位置が調整される。こうした前側固定軸61の位置調整に関し、前側固定軸61の位置決めを行うための止めネジ59が設けられている。
【0069】
図16に示すように、止めネジ59は、ユニット支持体44における前面部44bと右前側面部44cによる角部の下部において、上下方向を筒軸方向とする円筒状のネジ筒60の内周側に形成されたネジ孔60aに対して下方から螺挿された状態で設けられている。ネジ筒60は、溶接等によってユニット支持体44に固定されている。止めネジ59は、先端部を縮径状の当接部59aとしてネジ筒60から上方に突出させ、軸支持プレート46に下方から当接している。止めネジ59の当接部59aの反対側の端面には、止めネジ59を回転操作するための溝部59bが形成されている。
【0070】
軸支持プレート46は、止めネジ59の当接を受ける部分として、鋭角状の部分である被当接部46bを前側(
図16において左側)に突出させている。被当接部46bは、下側に、止めネジ59の当接部59aの当接を受ける被当接面46cを有する。
【0071】
軸支持プレート46は、ユニット支持体44に対する前側固定軸61の回動位置の位置調整において、被当接部46bを止めネジ59に当接させることで位置決めされる。つまり、左側面視でのユニット支持体44に対する前側固定軸61の左回転方向の回動について、止めネジ59が、軸支持プレート46に対するストッパとなり、軸支持プレート46を介して前側固定軸61の位置決めが行われる。
【0072】
したがって、止めネジ59を回転させてネジ筒60の上端からの止めネジ59の突出量を調整することで、ユニット支持体44に対して軸支持プレート46が位置決めされる回動位置を調整することができる。軸支持プレート46の回動位置の調整により、ユニット支持体44に対する前側固定軸61の位置の調整が可能となる。
【0073】
接地体42は、装置本体41に対して前側固定軸61の後方に位置する第2軸である後側回動軸62により回動可能に支持されている。後側回動軸62は、左右方向を軸方向とする支軸であり、第2軸心P2を中心として、装置本体41のケース51に対して接地体42を回動可能に支持する。
【0074】
後側回動軸62は、装置本体41において、ケース51の後端部近傍に位置している。後側回動軸62は、ケース51に対して相対回転可能に支持されている。後側回動軸62は、右ケース体52に対し、右ケース体52の後部に形成された軸支持孔52cを貫通し、軸支持孔52cに対して軸受部材であるブッシュ65を介して支持されている。後側回動軸62は、左ケース体53に対し、左側の端部を左ケース体53の後部に形成された軸支穴53cにブッシュ66を介して挿嵌させた状態で支持されている。また、右ケース体52における後側回動軸62の右方への突出基部には、後側回動軸62を貫通させるリング状のオイルシール67が設けられている。
【0075】
後側回動軸62のケース51から右方への突出部分に、接地体42が固設されている。接地体42は、装置本体41から下方に延出した部分である接地体本体部42aと、後側回動軸62に対する支持部分である支持アーム部42bとを有する。接地体本体部42aおよび支持アーム部42bは、いずれも所定の形状を有する板状の部分である。
【0076】
接地体本体部42aは、背面視で表れる板面形状として、上側から下側にかけて徐々に幅(左右方向の寸法)を広げた下広がりの形状を有するへら状の部分である。接地体本体部42aは、側面視において、上下の中央部を頂部として前側を凸側とした鈍角状の屈曲形状をなす部分である。側面視で接地体本体部42aの上半部と下半部とがなす屈曲の角度は、例えば140~150°程度である。接地体本体部42aは、最大幅をケース51の左右幅と略同じとし、左右方向についてケース51の左右幅内に位置している。
【0077】
支持アーム部42bは、鈍角状の屈曲形状をなす縦壁状の部分であって、ケース51の直後方に位置する接地体本体部42aの上端部から、ケース51に沿うように右前側に延出され、後側回動軸62に固定されている。支持アーム部42bは、その前側の部分を、左右方向を板厚方向とする固定面部とし、この固定面部に、後側回動軸62の右端部を相対回転不能に貫通させ、ナット68等により後側回動軸62に締結固定されている。
【0078】
このように、接地体42は、後側回動軸62に固定され、第2軸心P2を中心として後側回動軸62と一体的に回動する。接地体42は、その回動範囲において、ケース51に干渉しないように設けられている。接地体42の回動位置に関し、基準状態の刈高検出装置40における接地体42の位置を基準位置とする。
【0079】
接地体42は、装置本体41に対する後側回動軸62回りの相対回動として、次のような回動を行う。すなわち、接地体42は、先端を地面G1に接触させた状態で、コンバイン1が前進することによる地面G1からの引きずり抵抗(接地摺動抵抗)により、先端側を後方に移動させるように回動(後方回動)する(
図9、矢印C1参照)。一方、接地体42は、コンバイン1が後進することによる接地摺動抵抗により、先端側を前方に移動させるように回動(前方回動)する(
図9、矢印C2参照)。
【0080】
検出センサ43は、接地体42の後側回動軸62回りの回動量を検出するセンサである。検出センサ43は、刈高検出装置40が備える第3軸である中間回動軸70に対して設けられ、中間回動軸70の回動量から、接地体42の後側回動軸62回りの回動量を検出する。
【0081】
中間回動軸70は、左右方向を軸方向とする支軸であり、第3軸心P3を中心として、装置本体41のケース51に対して相対回動可能に支持されている。中間回動軸70は、前後方向について、前側固定軸61と後側回動軸62の中間に位置している。
【0082】
中間回動軸70は、右ケース体52に対し、右ケース体52の前後中間部に形成された筒状のボス部52dを貫通し、ボス部52dに対して軸受部材であるブッシュ71を介して支持されている。中間回動軸70は、左ケース体53に対し、左側の端部を左ケース体53の前後中間部に形成された軸支穴53dにブッシュ72を介して挿嵌させた状態で支持されている。
【0083】
検出センサ43は、ロータリ型のポテンショメータであり、中間回動軸70および後側回動軸62を介して、接地体42の回転位置を検出する。検出センサ43は、前後方向について、前側固定軸61と後側回動軸62の間に位置している。検出センサ43は、右ケース体52の右側面部に形成された円形状の凹部52eに本体部の左側に形成された円形状の突出部43bを嵌合させた状態で、右ケース体52に螺挿されるボルト73により前後2箇所で右ケース体52に固定されている。
【0084】
検出センサ43は、中間回動軸70の右端部の連結を受け、中間回動軸70を検出軸として、直接的には中間回動軸70の第3軸心P3回りの回転位置を検出する。検出センサ43は、その本体部から上方に信号線43aを延出させており、走行機体4側に備えられた制御部に接続されている。なお、信号線43aの代わりに、本体部において信号線を接続させるコネクタ部を有する構成であってもよい。
【0085】
中間回動軸70は、接地体42の回動にともなう後側回動軸62の回転動力の伝達を受けて回動する。中間回動軸70は、刈高検出装置40が備える第1伝達部材である検出用駆動ギア76および第2伝達部材である検出用従動ギア77を介して、後側回動軸62の回転動力の伝達を受ける。
【0086】
検出用駆動ギア76は、後側回動軸62を貫通させた状態で、後側回動軸62に対して相対回動可能に支持されている。検出用駆動ギア76は、周方向の一部に凹凸状の歯部をなすギア部76aを有する部分ギアであり、略扇形状を有する。検出用駆動ギア76は、側面視においてギア部76aを中間回動軸70側に向けた状態で設けられている。ギア部76aが形成される角度範囲は、例えば80~90°の角度範囲である。
【0087】
検出用従動ギア77は、中間回動軸70を貫通させるとともに中間回動軸70に固定された状態で、中間回動軸70と一体的に回動するように設けられている。検出用従動ギア77は、検出用駆動ギア76から後側回動軸62の回転動力の伝達を受ける。検出用従動ギア77は、周方向の一部に凹凸状の歯部をなすギア部77aを有する部分ギアである。検出用従動ギア77は、側面視においてギア部77aを後側に向けた状態で設けられており、ギア部77aを検出用駆動ギア76のギア部76aに噛合させることで、検出用駆動ギア76と噛合している。ギア部77aが形成される角度範囲は、例えば150~170°の角度範囲である。
【0088】
刈高検出装置40は、後側回動軸62の回動を検出用駆動ギア76に伝達するための構成として、後側回動軸62に固定された駆動部材である駆動アーム80を有する。駆動アーム80は、後側回動軸62を貫通させた筒状の基部81と、基部81から後側回動軸62の径方向外側に向けて延出したアーム部82とを有する。
【0089】
駆動アーム80は、後側回動軸62に対して基部81をスプライン嵌合の態様で係合させており、後側回動軸62に対し、相対回転が不能となるように締結固定されている。つまり、駆動アーム80は、第2軸心P2を中心として後側回動軸62と一体的に回動する。
【0090】
アーム部82は、後側回動軸62の軸方向を板厚方向とする板状の部分であり、基部81から第2軸心P2に対して斜め後上方に向けて突設されている。アーム部82は、側面視において、基部81側から先端側にかけて、基部81の外径から徐々に先細りの形状を有する。アーム部82は、後側回動軸62の軸方向について、筒状の基部81の中間部に設けられており、検出用駆動ギア76の左側に隣接している。検出用駆動ギア76は、基部81のうちアーム部82よりも右側の部分に対して取り付けられており、基部81に対して相対回転可能に支持されることで、後側回動軸62に対して相対回転可能に設けられている。
【0091】
駆動アーム80は、検出用駆動ギア76に当接作用する検出用ピン83を有する。検出用ピン83は、アーム部82の略中央部から右方に向けて円柱状に突出するように設けられている。検出用ピン83は、検出用駆動ギア76に対して、ギア部76aの外周縁部よりも後側回動軸62の径方向の内側に位置しており、後側回動軸62の軸方向について、検出用駆動ギア76に干渉する突出長さを有する。検出用ピン83は、ギア部76aの後側の縁部76bを、検出用駆動ギア76に対する当接部とする。
【0092】
このような構成において、検出用ピン83が、接地体42の後方への回動にともなう後側回動軸62の回動を検出用駆動ギア76に伝達して検出用駆動ギア76を後側回動軸62回りに回動させる第1伝達部材用入力部となる。
【0093】
すなわち、接地体42の後方への回動にともなって後側回動軸62を介して駆動アーム80がアーム部82を前方に移動させるように回動し、これにより検出用駆動ギア76が後側から検出用ピン83によって押されて後側回動軸62回りに回動する。検出用駆動ギア76が回動することで、これに噛合した検出用従動ギア77とともに中間回動軸70が回動し、その中間回動軸70の回動が検出センサ43によって検出される。
【0094】
以上のように、刈高検出装置40は、センサユニット45において、接地体42の後方回動を検出センサ43に検出させるための検出用伝達機構として、後側回動軸62、駆動アーム80、検出用駆動ギア76、検出用従動ギア77、および中間回動軸70を含む構成を有する。
【0095】
また、装置本体41は、接地体42が基準位置より前方に位置する状態では、接地体42の回動に連動して前側固定軸61回りに回動するように構成されている。すなわち、例えばコンバイン1の機体後進時等において、接地摺動抵抗として接地体42が後方からの押圧作用を受けることで基準位置よりも前側に回動する際には、装置本体41に対する接地体42の相対回動にともなって、装置本体41が前側固定軸61回りに上方に回動する。
【0096】
刈高検出装置40は、センサユニット45において、接地体42の基準位置から前方への回動にともなって装置本体41を上方に回動させるための構成として、ケース回動用伝達機構を備える。
【0097】
ケース回動用伝達機構について説明する。ケース回動用伝達機構は、後側回動軸62、駆動アーム80、第3伝達部材としてのケース回動用駆動ギア86、第4伝達部材としてのケース回動用従動ギア87、中間回動軸70、固定プレート57、および前側固定軸61を含む。
【0098】
ケース回動用駆動ギア86は、後側回動軸62を貫通させた状態で、後側回動軸62に対して相対回動可能に支持されている。ケース回動用駆動ギア86は、後側回動軸62の軸方向について、駆動アーム80のアーム部82の左側に隣接している。ケース回動用駆動ギア86は、駆動アーム80の基部81のうちアーム部82よりも左側の部分に対して取り付けられており、基部81に対して相対回転可能に支持されることで、後側回動軸62に対して相対回転可能に設けられている。
【0099】
ケース回動用駆動ギア86は、周縁部の大部分を凹凸状の歯部をなすギア部86aとするとともに、周縁部の一部を切欠状の凹部86bとした部分ギアである。ケース回動用駆動ギア86は、凹部86bを上側に向けた状態で設けられている。凹部86bは、後側に、側面視においてギア部86aが沿う円弧形状とともに山型状の角部をなす係止面86cを有する。凹部86bが形成される角度範囲は、例えば70~80°の角度範囲である。
【0100】
ケース回動用従動ギア87は、中間回動軸70を貫通させるとともに中間回動軸70に対して相対回動可能に支持された状態で設けられている。ケース回動用従動ギア87は、中間回動軸70上において、検出用従動ギア77の左方に位置している。ケース回動用従動ギア87は、ケース回動用駆動ギア86から後側回動軸62の回転動力の伝達を受ける。ケース回動用従動ギア87は、周方向の一部に凹凸状の歯部をなすギア部87aを有する部分ギアである。ケース回動用従動ギア87は、中間回動軸70に対する所定の径方向を長手方向とした長手状の部材であり、長手方向の一側にギア部87aを有し、長手方向の他側を、頂部をなすように鋭角状に延出させたアーム部87bとしている。
【0101】
ケース回動用従動ギア87は、側面視においてギア部87aを後側回動軸62側に向けた状態で設けられており、ギア部87aをケース回動用駆動ギア86のギア部86aに噛合させることで、ケース回動用駆動ギア86と噛合している。ギア部87aが形成される角度範囲は、例えば80~90°の角度範囲である。
【0102】
ケース回動用従動ギア87は、固定プレート57に当接作用する支持ピン88を有する。支持ピン88は、アーム部87bの先端部から右方に向けて円柱状に突出するように設けられている。ケース回動用従動ギア87は、中間回動軸70の軸方向について、本体部分を、固定プレート57より左側に位置させており、支持ピン88は、固定プレート57に干渉する突出長さを有する。支持ピン88は、支持アーム部57aの上側の縁部57cを、固定プレート57に対する当接部とする。
【0103】
刈高検出装置40は、後側回動軸62の回動をケース回動用駆動ギア86に伝達するための構成として、後側回動軸62に固定された駆動アーム80を有する。
【0104】
駆動アーム80は、ケース回動用駆動ギア86に当接作用するケース回動用ピン84を有する。ケース回動用ピン84は、アーム部82の略中央部から左方に向けて円柱状に突出するように設けられている。ケース回動用ピン84は、検出用ピン83と同軸上に位置しており、検出用ピン83に対して略左右対称に設けられている。
【0105】
ケース回動用ピン84は、後側回動軸62の軸方向について、ケース回動用駆動ギア86に干渉する突出長さを有し、ケース回動用駆動ギア86の凹部86b上に位置している。ケース回動用ピン84は、凹部86bの係止面86cを、ケース回動用駆動ギア86に対する当接部とする。
【0106】
このような構成において、ケース回動用ピン84が、接地体42の前方への回動にともなう後側回動軸62の回動をケース回動用駆動ギア86に伝達してケース回動用駆動ギア86を後側回動軸62回りに回動させる第3伝達部材用入力部となる。
【0107】
すなわち、接地体42の前方への回動にともなって後側回動軸62を介して駆動アーム80がアーム部82を後方に移動させるように回動し、これによりケース回動用駆動ギア86が前側からケース回動用ピン84によって押されて後側回動軸62回りに回動する。ケース回動用駆動ギア86が回動することで、これに噛合したケース回動用従動ギア87が回動する。
【0108】
ケース回動用従動ギア87は、回動して支持ピン88を固定プレート57に当接させることで、固定プレート57に押圧作用する。固定プレート57は、前側固定軸61に固定されていることから、支持ピン88による押圧作用の反作用として、装置本体41を構成するケース51が後側を上昇させるように前側固定軸61回りに回動する。ここで、ケース51の上昇回動は、ケース戻しバネ56による付勢力に抗して行われる。このように、固定プレート57は、前側固定軸61に固定されケース回動用従動ギア87の回転動力を受けて装置本体41を前側固定軸61回りに回動させる回動支持部として機能する。
【0109】
以上のような構成において、接地体42は、後側回動軸62回りの回動について、外力の作用を受けていない状態で所定の基準位置に位置決めされるように設けられている。接地体42の位置決めのための構成について説明する。
【0110】
接地体42は、後側回動軸62回りの回動について、接地体戻しバネ90により、検出用駆動ギア76および駆動アーム80を介して、前方回動の方向に付勢されている。接地体戻しバネ90は、いわゆるトーションバネであり、コイル状の部分の両端側に延出部90a,90bを有する。接地体戻しバネ90は、検出用駆動ギア76の右側に位置し、コイル状の部分にブッシュ91を介して後側回動軸62を貫通させた状態で設けられている。
【0111】
接地体戻しバネ90は、コイル状の部分の右側に位置する一方の延出部90aを、右ケース体52の下面52bに当接させるとともに、コイル状の部分の左側に位置する他方の延出部90bを、検出用駆動ギア76に係止させている。他方の延出部90bは、先端部を左方に向けて屈曲させて、検出用駆動ギア76のギア部76aの前側の縁部76cに当接させることで、検出用駆動ギア76に係止されている。
【0112】
接地体戻しバネ90は、延出部90a,90b同士を離間させる方向の付勢力により、検出用駆動ギア76に対して左側面視で右回りに回動する力を作用させ、検出用駆動ギア76から検出用ピン83により駆動アーム80に対してアーム部82を後側に移動させる力を作用させる。これにより、接地体42が、駆動アーム80が固設された後側回動軸62を介して前方に回動する方向に付勢される。
【0113】
一方、基準状態における接地体42の前方への回動は、上述したケース回動用伝達機構により、ケース戻しバネ56の付勢力の作用によって規制される。接地体42が前方に回動しようとすることで、駆動アーム80のケース回動用ピン84からケース回動用駆動ギア86およびケース回動用従動ギア87を介して、支持ピン88から固定プレート57に押圧力が作用し、この押圧力が、ケース戻しバネ56によるケース51を押し下げようとする付勢力に抗する力となる。
【0114】
すなわち、ケース戻しバネ56によるケース51を押し下げようとする付勢力が、ケース回動用従動ギア87、ケース回動用駆動ギア86、駆動アーム80、および後側回動軸62を介して接地体42に作用し、基準状態における接地体42の前方への回動が規制される。したがって、ケース戻しバネ56および接地体戻しバネ90それぞれの付勢力(トルク)は、接地体42が基準位置で位置決めされるように設定される。
【0115】
以上のような構成を備えた刈高検出装置40において、接地体42は、基準位置より後方に位置する状態では、前側固定軸61軸回りの回動を停止させた状態の装置本体41に対し、後側回動軸62回りに回動するように設けられている。すなわち、例えばコンバイン1の機体前進時等において、接地体42が前方からの押圧作用を受けることで基準位置よりも後側に回動した状態では、装置本体41は前側固定軸61回りに回動することなく、接地体42のみが装置本体41に対して後側回動軸62回りに相対回動することとなる。
【0116】
そして、検出センサ43は、接地体42の基準位置から後方への回動量を検出する。すなわち、接地体42が基準位置にある状態からの接地体42の装置本体41に対する後方への相対回動が、刈高さを検出するための回動として、検出センサ43によって検出される。
【0117】
一方、接地体42の装置本体41に対する相対回動に関し、接地体42の基準位置から前方への回動については、ケース51の上昇回動をともなうことになる。すなわち、接地体42の基準位置から前方への回動においては、接地体42の回動に連動して、装置本体41が全体的に前側固定軸61回りに上昇回動することとなる。
【0118】
ここで、装置本体41に対する接地体42の基準位置から前方への相対回動においては、駆動アーム80がアーム部82を後方に移動させるように回動するため、検出用ピン83は、検出用駆動ギア76に作用しない。したがって、検出用駆動ギア76に噛合した検出用従動ギア77を軸支する中間回動軸70は回動することなく、検出センサ43による中間回動軸70の回動の検出は行われない。
【0119】
以上のように、刈高検出装置40は、装置本体41に対する接地体42の基準位置からの後方への回動状態において、検出センサ43による接地体42の回動量の検出が行われるように構成されている。
【0120】
以上のような構成を備えた刈高検出装置40により、コンバイン1は、検出センサ43による検出信号に基づいて刈取部5の高さ(刈高さ)を検出する。上述のとおり、刈高検出装置40は、接地体42の後方回動を検出するものであるため、主にコンバイン1の機体前進時において、刈高さの検出を行う。
【0121】
刈高検出装置40において、検出センサ43は、接地体42の回動位置に対応した第2軸心P2回りの中間回動軸70の回動位置を検出することで、分草板21の地面G1からの高さ、つまり刈高さを検出する。検出センサ43の検出信号は、信号線43aから制御部に送られる。制御部は、検出センサ43からの検出信号の入力を受け、その検出信号に基づき、検出結果から算出される刈高さを設定値に保持するように、油圧シリンダ18を動作させ、刈高さを調整する。
【0122】
(刈高検出装置の支持構成)
本実施形態に係る刈高検出装置40の支持構成について説明する。刈高検出装置40は、分草部50に対するユニット支持体44の支持構成により、前後方向の軸回りに回動可能に支持されている。すなわち、
図9および
図10に示すように、刈高検出装置40は、分草部50に対し、前後方向に沿う軸心線O1を中心に、左右に揺動するように回動可能に支持されている。
【0123】
刈高検出装置40の支持に関する分草部50の構成について説明する。分草部50は、刈取部5の下部に設けられた左端の分草フレーム34と、分草フレーム34の前側に設けられる分草板21と、分草フレーム34に固定されるサポートフレーム100とを含む。ここで、刈高検出装置40の支持に関する分草板21は、左端に位置する分草板21Aである(
図3参照)。
【0124】
分草フレーム34は、後側から前側にかけて、前下がりの傾斜部分である後側傾斜部101と、後側傾斜部101とともに鈍角状の角部をなす前上がりの傾斜部分である中間傾斜部102と、中間傾斜部102とともに鋭角状の角部をなす前下がりの傾斜部分である前側傾斜部103とを有する。中間傾斜部102および前側傾斜部103は、角部として上側に凸の湾曲部104を形成している。分草フレーム34は、後側傾斜部101の後端部を基端部とし、前側傾斜部103の前端部を先端部とする。分草フレーム34は、全体として側面視で略「Z」状をなす屈曲形状を有する。
【0125】
分草フレーム34は、
図5に示すように、後側傾斜部101の中間部を横フレーム31の左端部の上方に位置させ、横フレーム31の左端部上に固設された支持部材105を介して、後側傾斜部101を横フレーム31に固定させている。分草フレーム34は、中間傾斜部102の湾曲部104近傍の部位から、右方に向けて、左端の引起装置22の下部を支持する支持フレーム部106を延出させている(
図4参照)。支持フレーム部106に、左端の引起装置22を支持する支持ステー33が固設されている。
【0126】
サポートフレーム100は、丸パイプ状の部材からなるフレーム部分であり、所定の屈曲形状または湾曲形状を有し、分草フレーム34の下側において、平面視で前後方向に沿うように設けられている。本実施形態では、サポートフレーム100は、分草フレーム32よりも径が小さいパイプ部材により形成されている。
【0127】
サポートフレーム100は、後側から前側にかけて、前下がりの傾斜部分である後側傾斜部111と、後側傾斜部111とともに鈍角状の角部をなす水平状の部分である水平部112と、水平部112とともに鈍角状の角部をなす前上がりの傾斜部分である前側傾斜部113と、前側傾斜部113とともに鈍角状の角部をなすように斜め後上方に立ち上がった起立部114とを有する。
【0128】
サポートフレーム100の後端部である後側傾斜部111の後端部は、分草フレーム34の中間傾斜部102の下部の前側に溶接等によって固定されている。後側傾斜部111は、側面視において分草フレーム34の後側傾斜部101と略上下対称となる傾斜角度を有する。分草フレーム34に対する後側傾斜部111の固定部分の下側には、左右方向を板厚方向とする補強板115が両フレーム間に溶接等によって固定された状態で架設されている。
【0129】
また、サポートフレーム100において、水平部112は、上下方向について、分草板21の下端よりもわずかに上方に位置している。前側傾斜部113は、側面視において分草フレーム34の中間傾斜部102と略平行となる傾斜角度を有する。起立部114は、側面視において分草フレーム34の前側傾斜部103と略平行となる傾斜角度を有し、前側傾斜部103の後側に沿った状態で前側傾斜部103に溶接等によって固定されている。前側傾斜部113と起立部114がなす角部は、分草フレーム34の先端部の直後方に位置している。
【0130】
サポートフレーム100は、前後両側を分草フレーム34に溶接等によって固定させており、分草フレーム34とともに、側面視において多角形状をなす閉じたフレーム部分を構成している。すなわち、分草フレーム34の中間傾斜部102および前側傾斜部103による上側に凸の部分と、概略的に側面視で下側を凸側とした形態をなすサポートフレーム100とが上下に合わさり、側面視で略五角形状をなすフレーム部分が構成されている。
【0131】
分草板21は、分草板本体121と、分草板本体121の後側に設けられたリブ板部122とを有する。分草板本体121は、平面断面視において前側を凸側とする板状の部材であり、正面視形状をなす正面板部と、正面板部の周囲から後側に湾曲状に形成された側面部とを有する。分草板本体121は、正面視および平面視において後側から前側にかけて徐々に幅狭となる先鋭形状を有する。分草板本体121は、側面視において前下がりかつ後下側を凸側とした湾曲形状を有する。
【0132】
リブ板部122は、左右方向を板厚方向とする板状の部分であり、分草板本体121の正面板部の後側において、分草板本体121の左右中央部に設けられている。リブ板部122は、板状の部材を溶接等によって分草板本体121に固定することで、分草板本体121と一体の部分として設けられている。リブ板部122は、分草板本体121に対して、上下方向について中央よりもやや上の位置から下端(先端)までの範囲で設けられている。
【0133】
リブ板部122は、分草板本体121の側面視の湾曲形状に沿う形状を有しながら、平面断面視で分草板本体121とともに矢印形状をなすように分草板本体121から後側に突出するように設けられている。分草板本体121にリブ板部122を設けた構成は、左右対称な形状を有する。
【0134】
また、分草部50は、分草板21の後側に設けられた分草板支持部材としてのヒッチ125を含む。ヒッチ125は、分草板21に取り付けられるとともに、分草フレーム34に固定されることで、分草板21を分草フレーム34に支持する。
【0135】
ヒッチ125は、長手状の板状部材であり、その長手方向を、分草板21の後上がりの傾斜に沿わせるように、後上がりの傾斜状に設けられている。ヒッチ125は、上下方向について、リブ板部122の上端と略同じ位置から、リブ板部122の下部までの範囲にわたる長さを有し、側面視で大部分をリブ板部122に重ねた状態で、リブ板部122に取り付けられている。
【0136】
ヒッチ125は、リブ板部122に対して左側から重なり、ヒッチ125の下端部と上部との上下2箇所でボルト126およびナット127によりリブ板部122に締結固定されている。ボルト126は、左側からヒッチ125およびリブ板部122を貫通して右側に位置するナット127に螺挿されている。
【0137】
ヒッチ125は、溶接等によって分草フレーム34の先端部に固定されている。詳細には、ヒッチ125は、上部において、側面視でリブ板部122から後方にはみ出た上部突出部125aを有し、この上部突出部125aの後側が、分草フレーム34の先端部の前側に溶接等によって固定されている。
【0138】
分草フレーム34は、ヒッチ125の固定を受ける先端部分、つまり前側傾斜部103の下端部分を、分草フレーム34の本体部分をなすパイプ部材とは別体の先端形成部材128により形成している。先端形成部材128は、円筒状の部材であり、一側に円筒状の縮径部を有し、その縮径部を分草フレーム34の本体部分をなすパイプ部材に挿嵌させた状態で、ボルト129等によりパイプ部材に固定されている。
【0139】
先端形成部材128は、分草フレーム34において、本体部分をなすパイプ部材と同径状の先端部を形成しており、先端部を先細り状のテーパ部128aとしている。ヒッチ125の上部突出部125aは、その後縁部において、テーパ部128aを有する先端形成部材128の前側の側面視形状にならう屈曲形状を有し、先端形成部材128を嵌合させた態様で、先端形成部材128に固定されている。
【0140】
このように、ヒッチ125は、分草フレーム34に固定されることで、分草フレーム34の前方に、分草板21を支持する。分草板21は、ヒッチ125に対する取付け角度(傾斜角度)が調整可能に設けられている。
【0141】
具体的には、ヒッチ125のリブ板部122に対するボルト126による上下2箇所の固定部のうち、上側の固定部において、ヒッチ125にボルト126を貫通させるボルト孔125bは、後下がりの傾斜方向を長手方向とする長孔となっている。また、下側の固定部におけるヒッチ125のボルト孔125cは、ボルト126を貫通させる円形の孔である。このようなヒッチ125の固定構造により、分草板21は、ヒッチ125に対して、下側のボルト126による固定部を支点とした回動方向について、長孔であるボルト孔125bによる可動範囲で、取付け角度(傾斜角度)が調整可能となっている。
【0142】
以上のような構成を備えた分草部50に対して、刈高検出装置40は、分草部50に対して、前後両側を軸支部130として前後方向の軸回りに回動可能に支持されている。すなわち、刈高検出装置40は、分草部50に対する支持部として、前側の軸支部130である前側軸支部130Aと、後側の軸支部130である後側軸支部130Bとを有し、これらの軸支部130により、前後方向の軸心線O1を回動軸として回動可能に支持されている。このように、刈高検出装置40の前後に、刈高検出装置40を前後方向の軸回りに回動可能に支持する前側軸支部130Aと後側軸支部130Bとが設けられている。
【0143】
前側軸支部130Aは、分草板21の後側に設けられ、後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に設けられている。前後の各軸支部130について説明する。
【0144】
前側軸支部130Aは、分草板21の後側に設けられた前支持部であるボス部132と、ユニット支持体44の前端部に設けられ、ボス部132に支持された前支持軸部131とを有する。前側軸支部130Aは、ユニット支持体44から前方に向けて突設された前支持軸部131を、ヒッチ125の下端部に設けられたボス部132に支承させた構成を有する。つまり、本実施形態では、刈高検出装置40の前端部側は、ボス部132を介してヒッチ125に取り付けられている。
【0145】
前支持軸部131は、ユニット支持体44の前面部44bから前方に向けて突出している。前支持軸部131は、前面部44bに対して、ピン状の軸体を、前後方向を軸方向として溶接等によって貫通固定させることで設けられている。前支持軸部131は、ユニット支持体44と一体の部分であり、軸心を軸心線O1に一致させている。
【0146】
ボス部132は、
図17に示すように、円筒状の内周面132aにより軸支持空間132bをなす中空円筒状の部分であり、後側を開口させるとともに、前側を先細り状のテーパ部132cとしている。ボス部132は、円筒状の部材をヒッチ125の下端部に固定することで設けられている。
【0147】
ヒッチ125は、その下端部に、側面視において、テーパ部132cを有するボス部132の前部の上側の側面視形状に沿う屈曲形状をなす凹部125dを有する。ボス部132をなす円筒状の部材は、ヒッチ125の凹部125dに前部を嵌合させた状態で、溶接等によってヒッチ125に固設されている。ボス部132は、ヒッチ125の板厚よりも大きい外径を有し、左右方向について中央部にヒッチ125を位置させている。
【0148】
ボス部132に対し、前支持軸部131が、その前部を軸支持空間132b内に挿入させた状態で回動可能に支持されている。前支持軸部131は、ボス部132の内周面132aとの間に、前支持軸部131を貫通させた部材として、前側から後側にかけて順に、軸受部材としての円筒状のブッシュ134、バックアップリング135、およびOリング136を介在させている。
【0149】
前支持軸部131は、ボス部132に対して、ボス部132の外側から径方向内側に向けて螺挿された止めネジ137およびロックナット138によって抜け止めされている。ロックナット138は、ボス部132の外周面に溶接等によって固定されている。止めネジ137は、ロックナット138に螺挿されるとともに、ボス部132の周壁を貫通し、前支持軸部131に係合している。止めネジ137は、その先端部を、前支持軸部131のブッシュ134よりも前側の部分に部分的な縮径部により形成された外周溝131a内に位置させることで、前支持軸部131に係合している。
【0150】
このように、前側軸支部130Aは、分草板21に対して、ヒッチ125を介して、ボス部132により、ユニット支持体44の前部に設けられた前支持軸部131を支承している。これにより、前側軸支部130Aは、分草部50に対して、刈高検出装置40の前側を、前後方向を回動軸として回動可能に支持している。
【0151】
前記後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に設けられた後支持部であるステー142と、ユニット支持体44の後端部に設けられ、ステー142に支持された後支持軸部141とを有する。後側軸支部130Bは、ユニット支持体44から後方に向けて突設された後支持軸部141を、サポートフレーム100に対して支持プレート143を介して設けられたステー142に支承させた構成を有する。つまり、本実施形態では、刈高検出装置40の後端部側は、ステー142および支持プレート143を介してサポートフレーム100に取り付けられている。
【0152】
後支持軸部141は、ユニット支持体44の後面部44dから後方に向けて突出している。後支持軸部141は、後面部44dに対して、ピン状の軸体を、前後方向を軸方向として溶接等によって貫通固定させることで設けられている。後支持軸部141は、ユニット支持体44と一体の部分であり、軸心を軸心線O1に一致させている。つまり、後支持軸部141は、前支持軸部131と同軸心上に配置されている。
【0153】
支持プレート143は、略直角三角形状の板状部材である。支持プレート143は、サポートフレーム100に対して、直角三角形状の外形の直角側を前側とするとともに斜辺部を前側傾斜部113の傾斜に沿わせ、前側傾斜部113の下部の左側に溶接等によって固設されている。
【0154】
ステー142は、細長い矩形板状の部材を略「L」字状に屈曲形成した部材であり、直角状の角部をなす面部として、長手状の面部である固定面部142aと、短手状の面部である支持面部142bとを有する。ステー142は、固定面部142aを、長手方向を前後方向として支持プレート143の左側に重ね、固定面部142aおよび支持プレート143を貫通するボルト145およびボルト145の螺挿を受けるナット部146等によって前後2箇所で支持プレート143に固定されている。
【0155】
ステー142は、固定面部142aの前側から右方に向けて屈曲した支持面部142bを、ユニット支持体44の後面部44dと平行状とし、後面部44dの後側に近接対向させている。支持面部142bには、後支持軸部141を貫通させる支持孔142cが形成されている。ステー142は、支持孔142cに対して遊びがある状態で後支持軸部141を貫通させ、後支持軸部141を回動可能に支持している。
【0156】
このように、後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に対して、支持プレート143を介して、ステー142により、ユニット支持体44の後部に設けられた後支持軸部141を支承している。これにより、後側軸支部130Bは、分草部50に対して、刈高検出装置40の後側を前側軸支部130Aと同軸上に前後方向を回動軸として回動可能に支持している。
【0157】
以上のように、刈高検出装置40は、分草部50に対してユニット支持体44を前後方向の軸心線O1回りに回動可能に支持させことで、ユニット支持体44に支持されたセンサユニット45を左右揺動可能に支持させている。このような支持構成において、ユニット支持体44は、前端部および後端部のそれぞれに、前後の各軸支部130にて支持される支持軸部として、前支持軸部131および後支持軸部141を有する。
【0158】
刈高検出装置40は、前後方向の軸回りの回動について、前側軸支部130Aに設けられた戻しバネ147により、所定の中立位置に位置するように弾性的に位置決めされている。戻しバネ147は、いわゆるトーションバネであり、コイル状の部分の両端側に直線状の延出部147a,147bを有する。戻しバネ147は、そのコイル状の部分を、前支持軸部131の拡径状の基部131bに貫通させ、両端の延出部147a,147bを上方に延出させた状態で設けられている。なお、基部131bは、前支持軸部131のうち、ボス部132から後側に露出した部分であり、ボス部132とユニット支持体44の前面部44bとの間に位置する。
【0159】
一方、ユニット支持体44においては、前面部44bから前方に向けて係止ピン148が突設されている。係止ピン148は、前面部44bの上縁部に設けられた半円状の突出部44gから前方に突出しており、前支持軸部131の上方に位置している。
【0160】
戻しバネ147は、係止ピン148の左右両側に延出部147a,147bを位置させ、延出部147a,147bにより係止ピン148を左右両側から弾性力を持って挟持している。また、戻しバネ147は、係止ピン148の上方に位置するヒッチ125の下部の左右両側に延出部147a,147bを位置させ、延出部147a,147bにより弾性力を持ってヒッチ125を挟持している。
【0161】
このような構成によれば、刈高検出装置40を軸心線O1回りに回動させる所定の大きさ以上の外力が刈高検出装置40に作用すると、刈高検出装置40は、回動方向に応じて係止ピン148により一方の延出部147a,147bを押すことで、戻しバネ147の弾性力に抗して回動する。そして、外力の作用が無くなると、戻しバネ147の弾性力によって刈高検出装置40が中立位置に復帰する。
【0162】
また、分草板21においては、リブ板部122の下部の左右両側からガイド棒124が設けられている。2本のガイド棒124は、平面視で互いの間の間隔を前側から後側にかけて徐々に広げるように、リブ板部122から後方に向けて延出している。2本のガイド棒124は、例えばコンバイン1の機体前進時において刈高検出装置40に近付こうとする雑草等の夾雑物等を左右の側方に案内して後方に逃がすためのガイドとして機能する。
【0163】
また、本実施形態のコンバイン1において、前側軸支部130Aは、分草フレーム34よりも前方に位置し、装置本体41の少なくとも一部は、分草フレーム34の前端よりも前方に位置する。具体的には次のとおりである。
【0164】
前側軸支部130Aの後端部は、ユニット支持体44の前面部44bから前方に突出した前支持軸部131の基端部である。一方、分草フレーム34の前端部は、先端形成部材128のテーパ部128aであり、テーパ部128aは、前後方向について、ユニット支持体44の略中央部に位置する。前後方向について、テーパ部128aの位置は、装置本体41の後端部と略同じ位置である。このように、前側軸支部130Aは、分草フレーム34よりも前方に位置している。
【0165】
また、ユニット支持体44は、前後方向について、略前半部を、分草フレーム34の前端部であるテーパ部128aよりも前側に位置させている。そして、ユニット支持体44に支持されたセンサユニット45の装置本体41は、前後方向について、略全体を、ユニット支持体44の略前半部の範囲内に位置させている。このように、本実施形態では、装置本体41は、前後方向の略全体を、分草フレーム34の前端よりも前方に位置させている。
【0166】
また、本実施形態では、刈高検出装置40は、分草部50に対して次のような配置で設けられている。分草部50において、サポートフレーム100は、ヒッチ125の後方に、前上がりに傾斜した傾斜フレーム部である前側傾斜部113を有する。つまり、前側傾斜部113は、ヒッチ125の後方側から後下がりに傾斜したフレーム部分である。そして、ヒッチ125および前側傾斜部113は、側面視で上側を凸側とした山型の形態をなす。
【0167】
図5および
図7に示すように、側面視において、後上がり状に傾斜したヒッチ125と、前上がり状に傾斜したサポートフレーム100の前側傾斜部113とにより、分草フレーム34の先端部近傍を頂部とする概略山形状の部分が構成されている。つまり、後上がり状に傾斜したヒッチ125の上端部と、前上がり状に傾斜した前側傾斜部113の上端部とが、分草フレーム34の先端部を介して互いに近傍に位置している。
【0168】
そして、刈高検出装置40は、ヒッチ125とサポートフレーム100の前側傾斜部113との間に配置されている。すなわち、側面視において、ヒッチ125および前側傾斜部113の下側には、前後方向についてヒッチ125と前側傾斜部113とにより挟まれた空間部が形成されており、その空間内に、刈高検出装置40が配置されている。
【0169】
刈高検出装置40は、ヒッチ125および前側傾斜部113の下側において、ユニット支持体44の前側についてはボス部132を介してヒッチ125の下端部に支持され、ユニット支持体44の後側についてはステー142等を介して前側傾斜部113の下部に支持されることで、前後方向に架設された態様で設けられている。このような支持構成によれば、前後方向に延伸したユニット支持体44と、ユニット支持体44の前端部近傍から後上がりに傾斜したヒッチ125と、ユニット支持体44の後端部近傍から前上がりに傾斜した前側傾斜部113とにより、側面視において、ユニット支持体44側を底辺側とした略二等辺三角形状に沿うフレーム構造部が構成されている。
【0170】
また、本実施形態では、刈高検出装置40における装置本体41の支持構成に関し、次のような構成が採用されている。ユニット支持体44は、前端部および後端部のそれぞれに、前後方向の軸方向視で装置本体41の少なくとも一部と重複する部分を有する。
【0171】
ユニット支持体44は、前端部に前面部44bを有し、後端部に後面部44dを有する。前面部44bは、ユニット支持体44の左側面部44aの前部と略同じ上下幅を有し、後面部44dは、左側面部44aの後部を略同じ上下幅を有する。装置本体41の外形をなすケース51は、上述のとおり、側面視において、左側面部44aに対して上下にはみ出す大きさを有する(
図9参照)。
【0172】
また、
図10に示すように、ユニット支持体44は、左右方向について、前面部44bの左右方向の寸法D1の範囲内に、ケース51の全体を位置させている。また、ユニット支持体44は、左右方向について、後面部44dの左右方向の寸法D2の範囲内に、ケース51の左側(
図10における下側)の大部分を位置させている。
【0173】
以上のような構成により、ユニット支持体44は、正面視において前面部44bの大部分をケース51に重ねた状態で、ケース51を前側から覆っている。一方、ユニット支持体44は、背面視において、後面部44dの略全体をケース51に重ねた状態で、ケース51を後側から覆っている。さらに、ユニット支持体44は、左側面部44aにより、ケース51の上下方向の中間部を、ケース51の前後方向の全体にわたって左方から覆っている。
【0174】
(刈高検出装置の動作)
以上のような本実施形態に係る刈高検出装置40の動作について説明する。
【0175】
まず、コンバイン1による通常作業時、つまり機体前進状態での作業時の刈高検出装置40の動作について、
図13を用いて説明する。通常作業時には、刈高検出装置40において検出用伝達機構が作用し、刈高さの検出が行われる。すなわち、刈高さが設定値に保持されるように、刈高検出装置40による刈高さの検出値に基づいて、刈高さの制御が行われる。刈高さの検出は、接地体42が装置本体41に対する回動位置を基準位置より後方とした状態で行われる。
【0176】
機体前進時(以下単に「前進時」という。)において、先端を地面G1に接触させた状態で摺動する接地体42は、接地摺動抵抗により、装置本体41のケース51に対して、基準位置から後側回動軸62回りに後方に回動する(矢印E1参照)。接地体42は、後側回動軸62と一体的に第2軸心P2回りに回動し、これにより、後側回動軸62に固設された駆動アーム80が、アーム部82を前方に移動させるように回動する(矢印E2参照)。
【0177】
駆動アーム80が前方へ回動することで、駆動アーム80の検出用ピン83によって検出用駆動ギア76が後側から押され、検出用駆動ギア76が後側回動軸62に対して第2軸心P2を中心として左側面視で左回りに相対回動する(矢印E3参照)。この検出用駆動ギア76の回動にともない、検出用駆動ギア76に噛合した検出用従動ギア77が、中間回動軸70と一体的に第3軸心P3を中心として左側面視で右回りに回動する(矢印E4参照)。この中間回動軸70の回動が検出センサ43によって検出され、中間回動軸70の回動量に基づいて刈高さが検出される。
【0178】
次に、コンバイン1の機体後進時(以下「バック時」という。)の刈高検出装置40の動作について、
図11を用いて説明する。バック時には、刈高検出装置40においてケース回動用伝達機構が作用し、装置本体41の前側固定軸61回りの上方回動が行われる。装置本体41の上方回動は、接地体42が装置本体41に対する回動位置を基準位置より前方とした状態で行われる。
【0179】
バック時において、先端を地面G1に接触させた接地体42は、接地摺動抵抗により、装置本体41のケース51に対して、基準位置から後側回動軸62回りに前方に回動する(矢印F1参照)。接地体42は、後側回動軸62と一体的に第2軸心P2回りに回動し、これにより、後側回動軸62に固設された駆動アーム80が、アーム部82を後方に移動させるように回動する(矢印F2参照)。
【0180】
駆動アーム80が後方へ回動することで、駆動アーム80のケース回動用ピン84によってケース回動用駆動ギア86が前側から押され、ケース回動用駆動ギア86が後側回動軸62に対して第2軸心P2を中心として左側面視で右回りに相対回動する(矢印F3参照)。このケース回動用駆動ギア86の回動にともない、ケース回動用駆動ギア86に噛合したケース回動用従動ギア87が、中間回動軸70に対して第3軸心P3を中心としてアーム部87bを下げる向きに相対回動する(矢印F4参照)。
【0181】
このケース回動用従動ギア87の回動にともない、アーム部87bに固定された支持ピン88が、固定プレート57の支持アーム部57aに上側から押圧作用して荷重を伝達する(矢印F5参照)。これにより、装置本体41が前側固定軸61を中心として後側を上昇させるように、接地体42および検出センサ43と一体的に回動する(矢印F6参照)。このように、ケース回動用伝達機構は、バック時において装置本体41を上方へ回動させて逃がす逃げ構造として機能する。
【0182】
次に、バック時の刈高検出装置40の挙動について、
図18を用いて詳細に説明する。バック時において、接地体42が接地していない状態では、刈高検出装置40は基準状態となり、接地体42は基準位置に位置する(
図18A参照)。
【0183】
バック時において(矢印T1参照)、接地体42が接地していない状態から、刈取部5が下降し、
図18Aに示すように、分草板21の下端の地面G1からの高さである分草板高さが、接地体42が接地する所定の高さH0よりも低くなることで、接地体42が地面G1から接地摺動抵抗を受け、第2軸心P2回りに前方に回動する。高さH0は、例えば約60mmである。この状態において、第2軸心P2は、第1軸心P1よりもわずかに低い位置に位置している。なお、分草板高さは、刈高さを規定する指標の一つである。
【0184】
図18Bは、分草板高さが高さH0よりもわずかに低い高さH1となった状態を示している。この状態において、接地体42は、装置本体41に対してわずかに前方に相対回動し(矢印J1参照)、これに連動して、装置本体41は、基準状態からわずかに逃げる方向に回動する(矢印K1参照)。この状態において、例えば、高さH1が約50mmの場合、接地体42の基準位置からの回動角度α1は、約30°となる。また、装置本体41の基準状態からの回動角度は、約10°となり、第2軸心P2は、第1軸心P1と略同じ高さに位置する。
【0185】
図18Cは、分草板高さが高さH1よりも低い高さH2となった状態を示している。この状態において、接地体42は、装置本体41に対してさらに前方に相対回動し(矢印J2参照)、これに連動して、装置本体41は、さらに上方に逃げる方向に回動する(矢印K2参照)。この状態において、例えば、高さH2が約28mmの場合、接地体42の基準位置からの回動角度α2は、約60°となる。また、装置本体41の基準状態からの回動角度は、約25°となり、第2軸心P2は、第1軸心P1よりも高い位置に位置する。
【0186】
図18Dは、分草板高さが0の状態、つまり分草板21の下端が地面G1に位置する状態を示している。この状態において、接地体42は、装置本体41に対してさらに前方に相対回動し(矢印J3参照)、装置本体41は、さらに上方に逃げる方向に回動する(矢印K3参照)。この状態において、接地体42の基準位置からの回動角度α3は、約90°となる。また、装置本体41の回動角度は、約37.5°となり、第2軸心P2は、第1軸心P1よりもさらに高い位置に位置する。
【0187】
続いて、バック時に装置本体41が上方回動により逃げた状態から、分草板高さが0の状態のまま前進した場合の刈高検出装置40の挙動について、
図19を用いて説明する。
図19Aは、バック時における分草板高さが0の状態、つまり
図18Dと同様の状態を示している。
【0188】
図19Aに示す状態から、分草板高さ0を保持した状態で機体が前進し始めると(矢印T2参照)、
図19Bに示すように、接地体42が接地摺動抵抗によって装置本体41に対して相対的に後方回動するとともに(矢印L1参照)、装置本体41も上方に回動する(矢印M1参照)。
図19Bに示す状態は、装置本体41が最も上方に回動した状態であり、この状態において、接地体42の基準位置からの回動角度α4は、約60°となる。つまり、接地体42の基準位置からの回動角度が約60°で、地面G1からの装置本体41の押し上げ量が最大となる。
【0189】
なお、ケース回動用伝達機構による装置本体41に対する接地体42の前方回動の位置に対応した装置本体41の上方回動の位置よりもさらに上方への装置本体41の回動は、ケース戻しバネ56の付勢力に抗した回動となる。また、装置本体41の上方回動については、ヒッチ125の上部突出部125aの下側の凹状の角部125eの近傍部分が装置本体41に対するストッパとなる。
【0190】
図19Bに示す状態からさらに機体が前進すると、
図19Cに示すように、接地体42が押されてさらに後方に回動する一方で(矢印L2参照)、装置本体41は、接地体42の先端の位置に応じて下方に回動する(矢印M2参照)。
図19Cは、接地体42の基準位置からの回動角度α5が30°の状態を示している。この状態において、装置本体41の基準状態からの回動角度は、約38°となる。
【0191】
図19Cに示す状態からさらに機体が前進すると、
図19Dに示すように、装置本体41がさらに下方に回動するとともに(矢印M3参照)、接地体42は基準位置に戻る(矢印L3参照)。このように前進時において接地体42が基準位置に戻る動作は、主に装置本体41内の機構の作用ではなく地面G1からの反力(接地摺動抵抗)の作用により行われる。
【0192】
次に、コンバイン1が停止している機体停止状態において、刈取部5を下げたときの刈高検出装置40の動作について、
図20を用いて説明する。
【0193】
図20Aは、機体停止時において、接地体42が接地していない状態を示す。この状態では、刈高検出装置40は基準状態となり、接地体42は基準位置に位置する。
【0194】
図20Aに示す状態から、分草板高さが0となるように刈取部5が下がることにより(矢印U1参照)、
図20Bに示すように、刈高検出装置40は、接地体42を接地させることで、地面G1からの反力(接地反力)によって装置本体41を上昇させるように第1軸心P1回りに回動させる(矢印N1参照)。ここで、刈高検出装置40は、接地体42を装置本体41に対して相対回動させることなく、接地体42の基準位置を保持した状態のまま、装置本体41を回動させる。基準状態からの装置本体41の回動角度β1は、例えば約27°である。
【0195】
次に、刈高検出装置40が横方向の外力を受けた場合の刈高検出装置40の挙動について、
図21を用いて説明する。ここでは、刈高検出装置40が、ユニット支持体44から下方に突出した接地体42において横方向からの外力を受ける場合について説明する。例えば、接地体42が接地した状態で機体の操向操作が行われた場合等において、刈高検出装置40に横方向の外力が作用する。
【0196】
刈高検出装置40に横方向の外力が作用した場合、刈高検出装置40は、前後の軸支部130により、前後方向の軸心線O1回りに回動して逃げることになる。
図21Aは、刈高検出装置40に横方向の外力が作用しておらず、軸心線O1回りについて刈高検出装置40が中立位置に位置した状態を示す。
【0197】
図21Aに示す状態から、刈高検出装置40に対して左方(
図21Aにおける右方)から外力が作用すると、
図21Bに示すように、刈高検出装置40は、軸心線O1を中心として、接地体42を右方に移動させるように回動する(矢印Q1参照)。
図21Bは、刈高検出装置40が中立位置から軸心線O1回りに左側に角度γ1回動した状態を示している。
図21Bに示す例において、角度γ1は約45°である。
【0198】
一方、
図21Aに示す状態から、刈高検出装置40に対して右方(
図21Aにおける左方)から外力が作用すると、
図21Cに示すように、刈高検出装置40は、軸心線O1を中心として、接地体42を左方に移動させるように回動する(矢印Q2参照)。
図21Cは、刈高検出装置40が中立位置から軸心線O1回りに右側に角度γ2回動した状態を示している。
図21Cに示す例において、角度γ2は約70°である。
【0199】
図21Bや
図21Cに示す状態から、横方向の外力の作用が無くなると、戻しバネ147および係止ピン148による付勢構造により、刈高検出装置40は、所定の中立位置に戻ることになる。こうした前後方向の軸心線O1回りの横方向の回動(左右回動)は、接地体42に対して前後方向の力が作用することによる接地体42および装置本体41の回動と独立した動作として行われる。つまり、刈高検出装置40の軸心線O1回りの左右回動と、第1軸心P1回りの装置本体41の回動および第2軸心P2回りの接地体42の回動とは、刈高検出装置40に作用する外力に応じて同時的に行われ得る。
【0200】
以上のような構成を備えた本実施形態に係るコンバイン1によれば、刈取部5による刈高さを検出するための構成において、地面G1や切り株から接地体42に作用する力に起因する不具合を解消することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【0201】
本実施形態に係る刈高検出装置40によれば、通常走行時において、接地体42の後方回動により刈高さが検出されるため、装置本体41が常に上下回動する状況を生じにくくすることができる。これにより、装置本体41が損傷を受けにくくすることができる。また、装置本体41が上下回動する状況が生じにくくなることで、装置本体41と分草板21やヒッチ125等との間に泥などが詰まることを抑制することができる。これにより、接地体42に地面G1や切り株から受ける力が過大となることを抑制することができ、例えば接地体42の破損等の不具合を抑制することが可能となる。
【0202】
このように、本実施形態に係る刈高検出装置40は、例えば前進時において、後側回動軸62回りの接地体42の後方回動を規制することなく、その接地体42の回動に基づいて、中間回動軸70の回動を検出する検出センサ43によって刈高さを検出するものであり、精度良く刈高さを検出することが可能となる。これにより、刈高さの制御の精度を向上することができる。
【0203】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、接地体42の装置本体41に対する相対回動について、接地体42の基準位置から後方への回動量を検出センサ43により検出するように構成されている。
【0204】
このような構成によれば、例えば前進時において、接地摺動抵抗による接地体42の後方回動により、検出センサ43による刈高さの検出を行うことができる。これにより、接地体42に地面G1や切り株から過大力が作用することを抑制することができ、例えば接地体42の破損等の不具合を抑制することが可能となる。
【0205】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40においては、接地体42は、基準位置より後方に位置する状態では、前側固定軸61回りの回動を停止させた状態の装置本体41に対して後側回動軸62回りに回動する。つまり、刈高検出装置40は、接地体42が基準位置より後方に位置する状態では、装置本体41は回動せずに接地体42のみが回動するように構成されている。
【0206】
このような構成によれば、例えば前進時において装置本体41の位置を保持することができるので、例えば接地体42の破損等の不具合を抑制しながら、接地体42の回動に基づいて検出される刈高さを精度良く検出することができる。
【0207】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、接地体42が基準位置より前方に位置する状態では、装置本体41が接地体42の回動に連動して前側固定軸61回りに回動するように構成されている。
【0208】
このような構成によれば、例えばバック時において接地体42を介して装置本体41を強制的に上方に逃がすことができるので、装置本体41や接地体42に対して破損を生じさせ得る過大な負荷が作用することを抑制することができる。すなわち、バック時においては、接地体42は、接地摺動抵抗により、前方回動方向の作用を受けるが、接地体42の基準位置からの前方回動にともなって、装置本体41が上方に回動することになるので、接地体42が過負荷状態となることを避けることができ、装置本体41や接地体42の破損等を抑制することができる。
【0209】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、接地体42の後方回動を検出センサ43に検出させるための検出用伝達機構において、接地体42と一体的に回動する後側回動軸62に回動可能に支持された検出用駆動ギア76と、検出センサ43に対する入力軸となる中間回動軸70に固定された検出用従動ギア77とを有する。そして、これらのギアを介して後側回動軸62の回動が中間回動軸70に伝達される。
【0210】
このような構成によれば、接地体42の回動を確実に検出センサ43に入力することが可能となる。これにより、接地体42の回動に基づいて検出される刈高さを精度良く検出することができる。
【0211】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、検出用伝達機構において、駆動アーム80を有し、駆動アーム80に、検出用駆動ギア76を回動させる検出用ピン83を有する。
【0212】
このような構成によれば、検出用伝達機構をコンパクトに構成することができるとともに、接地体42の回動を確実に検出センサ43に入力することが可能となり、刈高さを精度良く検出することができる。
【0213】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、接地体42の前方回動に連動して装置本体41を上方に回動させるケース回動用伝達機構において、後側回動軸62に回動可能に支持されたケース回動用駆動ギア86と、中間回動軸70に回動可能に支持されたケース回動用従動ギア87と、前側固定軸61に固定された固定プレート57とを有する。
【0214】
このような構成によれば、シンプルな構成によりケース回動用伝達機構を実現することができ、バック時において装置本体41を上方に逃がすことができるので、装置本体41の破損等の不具合を抑制することが可能となる。
【0215】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、ケース回動用伝達機構において、駆動アーム80に、ケース回動用駆動ギア86を回動させるケース回動用ピン84を有する。
【0216】
このような構成によれば、ケース回動用伝達機構をコンパクトに構成することができるとともに、接地体42の回動を確実にケース回動用駆動ギア86に入力することが可能となり、装置本体41を上方に逃がすことができる。
【0217】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、止めネジ59の操作によるユニット支持体44に対する前側固定軸61の位置調整機構を有する。
【0218】
このような構成によれば、ケース戻しバネ56および係止突起53bによるユニット支持体44に対する装置本体41の位置決め構造において、装置本体41内におけるギア同士の噛合位置に応じて、駆動アーム80の検出用ピン83およびケース回動用ピン84と、検出用駆動ギア76およびケース回動用駆動ギア86それぞれとの間のガタを無くすようにこれらを組み付けることが可能となる。これにより、検出センサ43による刈高さの検出において刈高さを精度良く検出することができる。
【0219】
また、本実施形態に係るコンバイン1によれば、刈取部5による刈高さを検出するための構成を安定して支持することが可能であり、外部から力が加わることに起因して支持部において生じる破損等の不具合を抑制することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【0220】
本実施形態に係る刈高検出装置40は、分草部50に対して、前後両側を軸支部130として前後方向の軸回りに回動可能に支持されている。
【0221】
このような構成によれば、例えば、接地体42が接地した状態で機体の操向操作が行われた際などに刈高検出装置40に横方向の外力が作用した場合、刈高検出装置40を軸心線O1回りにローリング回動させて逃がすことができ、外力の影響を低減することができる。これにより、刈高検出装置40を分草部50に対して安定した状態で支持することができ、主に横方向の入力に対して、刈高検出装置40の破損等の不具合を抑制することができる。また、刈高検出装置40を前後両側で支持することで、十分な支持強度を容易に得ることが可能となる。
【0222】
また、本実施形態において、分草部50は、ヒッチ125を介して分草板21を支持する分草フレーム34と、分草フレーム34に固定されたサポートフレーム100とを含む。そして、刈高検出装置40の前後の軸支部130のうち、前側軸支部130Aは、分草板21の後側に設けられ、後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に設けられている。
【0223】
このような構成によれば、刈高検出装置40を安定的に支持することが可能となるとともに、刈高検出装置40の前側を分草板21によってガードすることができる。これにより、刈高検出装置40の安定的な動作を確保することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【0224】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40は、ユニット支持体44を備え、前側軸支部130Aは、ボス部132とユニット支持体44の前端部に設けられボス部132に支持された前支持軸部131とを有し、後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に対して設けられたステー142とユニット支持体44の後端部に設けられステー142に支持された後支持軸部141とを有する。
【0225】
このような構成によれば、簡単な構成により前後の軸支部130を設けることが可能となり、安定的に刈高検出装置40を前後方向の軸回りに回動可能に支持することが可能となる。これにより、刈高検出装置40への横方向の入力に対して、刈高検出装置40の破損等の不具合を抑制することができる。
【0226】
また、本実施形態において、前側軸支部130Aは、分草フレーム34よりも前方に位置し、装置本体41の略全体は、分草フレーム34の前端よりも前方に位置する。
【0227】
このような構成によれば、刈高検出装置40のセンサユニット45を前方に配置させることができるので、刈高さの検出精度を向上させることができる。すなわち、刈高さは、センサユニット45の接地体42の回動動作に基づき、分草板21の高さとして検出されるものであるため、センサユニット45が前方の分草板21に近付くことで、接地体42の動作を分草板21の高さ位置としてより精度よく反映させることが可能となる。
【0228】
また、本実施形態において、分草部50は、分草板21を分草フレーム34に支持するヒッチ125を含み、前側軸支部130Aは、ヒッチ125に対して設けられている。
【0229】
このような構成によれば、ヒッチ125に対する分草板21の取付け角度にかかわらず、前側軸支部130Aによる支持位置を保持することができる。これにより、刈高検出装置40を安定的に支持することが可能となる。
【0230】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40の支持構成において、側面視で山型の形態をなすヒッチ125とサポートフレーム100の前側傾斜部113との間に、刈高検出装置40が配置されている。
【0231】
このような構成によれば、ヒッチ125とサポートフレーム100の前側傾斜部113により刈高検出装置40を前後からカバーすることができるので、刈高検出装置40のセンサユニット45に対して、刈り取った穀稈や夾雑物等が接触することを抑制することができる。これにより、刈高検出装置40の安定的な動作を確保することができ、良好な検出精度を保持することが可能となる。
【0232】
また、本実施形態において、ユニット支持体44は、前端部および後端部のそれぞれに、前後方向の軸心線O1の軸方向視で装置本体41と重複する部分として、前面部44bおよび後面部44dを有する。
【0233】
このような構成によれば、ユニット支持体44の前面部44bと後面部44dによって装置本体41を前後からカバーすることができるので、装置本体41に対して、刈り取った穀稈や夾雑物等が接触することを抑制することができる。これにより、刈高検出装置40の安定的な動作を確保することができ、良好な検出精度を保持することが可能となる。
【0234】
[第2実施形態]
刈高検出装置40およびその支持構成の第2実施形態について、
図22から
図30を用いて説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通のまたは同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態に係る刈高検出装置40は、主に装置本体41の内部機構の点、および刈高検出装置40の支持構成の点について第1実施形態と異なる。
【0235】
(刈高検出装置の構成)
本実施形態に係る刈高検出装置40は、第1実施形態との対比において、接地体42の後方回動を検出センサ43に検出させるための検出用伝達機構のみを有し、接地体42の基準位置から前方への回動にともなって装置本体41を上方に回動させるためのケース回動用伝達機構を省略した構成となっている。したがって、刈高検出装置40において、駆動アーム80にはケース回動用ピン84が設けられておらず、後側回動軸62にはケース回動用駆動ギア86が設けられておらず、中間回動軸70にはケース回動用従動ギア87が設けられていない。
【0236】
このように、本実施形態では、装置本体41においてケース回動用伝達機構が備えられていないことから、接地体42の位置決めのための構成が、第1実施形態と異なっている。接地体42の位置決めのための構成について説明する。
【0237】
本実施形態に係る接地体42は、第1接地体戻しバネ221と、第2接地体戻しバネ222とにより、後側回動軸62回りの回動について、外力の作用を受けていない状態で所定の基準位置に位置決めされるように設けられている。
【0238】
接地体42は、後側回動軸62回りの回動について、第1接地体戻しバネ221により、駆動アーム80を介して、後方回動の方向に付勢されている。また、接地体42は、第2接地体戻しバネ222により、検出用従動ギア77、検出用駆動ギア76、および駆動アーム80を介して、前方回動の方向に付勢されている。なお、本実施形態では、駆動アーム80の基部81は、アーム部82と一体的な板状の部分となっている。
【0239】
第1接地体戻しバネ221は、いわゆるトーションバネであり、コイル状の部分の両端側に延出部221a,221bを有する。第1接地体戻しバネ221は、検出用駆動ギア76の右側に位置し、コイル状の部分にブッシュ223を介して後側回動軸62を貫通させた状態で設けられている。
【0240】
第1接地体戻しバネ221は、コイル状の部分の右側に位置する一方の延出部221aを、下後方に延出させて右ケース体52の後下側の固定ボルト55が螺挿されるボス部52fの上側に当接させるとともに、コイル状の部分の左側に位置する他方の延出部221bを、駆動アーム80に係止させている。他方の延出部221bは、駆動アーム80の検出用ピン83に対して下側から当接することで、駆動アーム80に係止されている。
【0241】
第1接地体戻しバネ221は、延出部221a,221b同士を離間させる方向の付勢力により、駆動アーム80に対して左側面視で左回りに回動する力を作用させる。これにより、接地体42が、駆動アーム80が固設された後側回動軸62を介して後方に回動する方向に付勢される。
【0242】
一方、第2接地体戻しバネ222は、いわゆるトーションバネであり、コイル状の部分の両端側に延出部222a,222bを有する。第2接地体戻しバネ222は、検出用従動ギア77の右側に位置し、コイル状の部分をボス部52dに対して外嵌させ、中間回動軸70を貫通させた状態で設けられている。
【0243】
第2接地体戻しバネ222は、コイル状の部分の右側に位置する一方の延出部221aを、上方に延出させて右ケース体52の後上側の固定ボルト55が螺挿されるボス部52gの前側に当接させるとともに、コイル状の部分の左側に位置する他方の延出部221bを、検出用従動ギア77に係止させている。他方の延出部222bは、先端部を左方に向けて屈曲させて、検出用従動ギア77の前側において径方向外側に向けて鋭角状に突出形成された係止凸部77bに対して上側から当接させることで、検出用従動ギア77に係止されている。
【0244】
第2接地体戻しバネ222は、延出部222a,222b同士を離間させる方向の付勢力により、検出用従動ギア77に対して左側面視で左回りに回動する力を作用させ、検出用従動ギア77に噛合した検出用駆動ギア76から検出用ピン83により駆動アーム80に対してアーム部82を後側に移動させる力を作用させる。これにより、接地体42が、駆動アーム80が固設された後側回動軸62を介して前方に回動する方向に付勢される。
【0245】
このように、第1接地体戻しバネ221による接地体42に対する後方回動方向への付勢力と、第2接地体戻しバネ222による接地体42に対する前方回動方向への付勢力とが、互いに抗力となる。第2接地体戻しバネ222による接地体42の前方回動方向への付勢力が、第1接地体戻しバネ221による接地体42の後方回動方向への付勢力よりも常に大きくなるように、両バネの付勢力が設定されている。そして、
図25に示すように、右ケース体52の後部には、検出用駆動ギア76の後側の位置に、検出用駆動ギア76の後側の端面76dの当接を受ける係止面52sをなす凸部が形成されている。検出用駆動ギア76の後側の端面76dが係止面52sに当接することにより、検出用駆動ギア76の後側への回動が規制される。
【0246】
このような構成によれば、第2接地体戻しバネ222による接地体42の前方回動方向への付勢力によって検出用駆動ギア76が端面76dを係止面52sに当接させることで右ケース体52に係止され、第1接地体戻しバネ221の付勢力によって後方回動しようとする接地体42の回動が停止状態となり、基準状態における接地体42の回動が規制される。なお、接地体42を基準位置で位置決めさせるための構成は、上記のとおり互いに抗力となる第1接地体戻しバネ221および第2接地体戻しバネ222それぞれの付勢力(トルク)の設定により、接地体42を基準位置で位置決めさせるような構成であってもよい。
【0247】
また、本実施形態では、ケース戻しバネ56および固定プレート57によるセンサユニット45のユニット支持体44に対する第1軸心P1回りの下方回動方向への付勢構造に関し、センサユニット45の下方への回動を基準状態の位置で規制するための構成が、第1実施形態と異なっている。本実施形態では、係止突起53bの代わりに、ケース51に設けられたケースストッパボルト210により、センサユニット45の下方への回動が基準状態の位置で規制されている。
【0248】
ケースストッパボルト210は、左ケース体53の上縁部の前後中間部に左方から螺挿されており、頭部を左ケース体53から左方に向けて突出させている。ケースストッパボルト210は、4本の固定ボルト55のうち上前に位置する固定ボルト55の後側近傍に位置している。このような構成により、基準状態において、センサユニット45は、ケースストッパボルト210の頭部をユニット支持体44の左側面部44aの上縁に当接させることで、ユニット支持体44に対する下方への相対回動を不能としている。
【0249】
(刈高検出装置の支持構成)
本実施形態に係る刈高検出装置40の支持構成は、主に前側軸支部130Aおよび後側軸支部130Bの構成の点で第1実施形態と異なる。本実施形態に係る前側軸支部130Aおよび後側軸支部130Bの構成について説明する。
【0250】
前側軸支部130Aは、分草板21の後側に設けられた前支持部であるステー242と、ユニット支持体44の前端部に設けられ、ステー242に支持された前支持軸部231とを有する。前側軸支部130Aは、ユニット支持体44から前方に向けて突設された前支持軸部231を、分草板21のリブ板部122に対してステー242に支承させた構成を有する。つまり、本実施形態では、刈高検出装置40の前端部側は、ステー242を介して分草板21に取り付けられている。
【0251】
前支持軸部231は、ユニット支持体44の前面部44bから前方に向けて突出している。前支持軸部231は、前面部44bに対して、ピン状の軸体を、前後方向を軸方向として溶接等によって貫通固定させることで設けられている。前支持軸部231は、ユニット支持体44と一体の部分であり、軸心を軸心線O1に一致させている。
【0252】
ステー242は、細長い矩形板状の部材を略「L」字状に屈曲形成した部材であり、直角状の角部をなす面部として、長手状の面部である固定面部242aと、短手状の面部である支持面部242bとを有する。ステー242は、固定面部242aを、長手方向を前後方向としてリブ板部122の下部の右側に重ね、固定面部242aおよびリブ板部122を貫通するボルト245およびボルト245の螺挿を受けるナット246等によって前後2箇所でリブ板部122に締結固定されている。
【0253】
ステー242は、固定面部142aの後側から左方に向けて屈曲した支持面部242bを、ユニット支持体44の前面部44bと平行状とし、前面部44bの前側に対向させている。支持面部242bには、前支持軸部231を貫通させる支持孔242cが形成されている。ステー242は、支持孔242cに対して遊びがある状態で前支持軸部231を貫通させ、前支持軸部231を回動可能に支持している。前支持軸部231は、ユニット支持体44の前面部44bとステー242の支持面部242bとの間の部分を拡径状の基部231aとしており、この基部231aに、戻しバネ147が外嵌された状態で設けられている。
【0254】
前記後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に設けられた後支持部であるボス部232と、ユニット支持体44の後端部に設けられ、ボス部232に支持された後支持軸部241とを有する。後側軸支部130Bは、ユニット支持体44から後方に向けて突設された後支持軸部241を、サポートフレーム100に対して支持プレート143およびステー142を介して設けられたボス部232に支承させた構成を有する。つまり、本実施形態では、刈高検出装置40の後端部側は、ボス部232、ステー142、および支持プレート143を介してサポートフレーム100に取り付けられている。
【0255】
後支持軸部241は、ユニット支持体44の後面部44dから後方に向けて突出している。後支持軸部241は、後面部44dに対して、ピン状の軸体を、前後方向を軸方向として溶接等によって貫通固定させることで設けられている。後支持軸部241は、ユニット支持体44と一体の部分であり、軸心を軸心線O1に一致させている。つまり、後支持軸部241は、前支持軸部231と同軸心上に配置されている。
【0256】
ステー142において、ユニット支持体44の後面部44dの後側に対向した支持面部142bには、後支持軸部241を貫通させる支持孔142cが形成されている。ステー142は、支持孔142cに対して遊びがある状態で後支持軸部241を貫通させ、後支持軸部241を回動可能に支持している。
【0257】
ボス部232は、
図29に示すように、円筒状の内周面232aにより軸支持空間232bをなす中空円筒状の部分であり、前側を開口側とするとともに、後側を先細り状のテーパ部232cとしている。ボス部232は、円筒状の部材をユニット支持体44の後面部44dの後側に溶接等によって固定することで設けられている。ボス部232は、その外径を後面部44dの外形よりも小さくし、軸心線O1の軸方向視において後面部44dの外形の範囲内に納まるように設けられている。
【0258】
ボス部232に対し、後支持軸部241が、その後部を軸支持空間232b内に挿入させた状態で回動可能に支持されている。後支持軸部241は、ボス部232の内周面232aとの間に、後支持軸部241を貫通させた部材として、軸受部材としての円筒状のブッシュ234、およびその前側に設けられたOリング236を介在させている。
【0259】
後支持軸部241は、ボス部232に対して、ボス部232の外側から径方向内側に向けて螺挿された止めネジ237およびロックナット238によって抜け止めされている。ロックナット238は、ボス部232の外周面に溶接等によって固定されている。止めネジ237は、ロックナット238に螺挿されるとともに、ボス部232の周壁を貫通し、後支持軸部241に係合している。止めネジ237は、その先端部を、後支持軸部241のブッシュ234よりも後側の部分に部分的な縮径部により形成された外周溝241a内に位置させることで、後支持軸部241に係合している。
【0260】
このように、後側軸支部130Bは、サポートフレーム100に対して、支持プレート143およびステー142を介して、ボス部232により、ユニット支持体44の後部に設けられた後支持軸部241を支承している。これにより、後側軸支部130Bは、分草部50に対して、刈高検出装置40の後側を前側軸支部130Aと同軸上に前後方向を回動軸として回動可能に支持している。
【0261】
以上のように、刈高検出装置40は、分草部50に対してユニット支持体44を前後方向の軸心線O1回りに回動可能に支持させことで、ユニット支持体44に支持されたセンサユニット45を左右揺動可能に支持させている。このような支持構成において、ユニット支持体44は、前端部および後端部のそれぞれに、前後の各軸支部130にて支持される支持軸部として、前支持軸部231および後支持軸部241を有する。
【0262】
(刈高検出装置の動作)
以上のような本実施形態に係る刈高検出装置40の動作について説明する。
【0263】
コンバイン1による通常作業時には、第1実施形態と同様に、刈高検出装置40において検出用伝達機構が作用し、刈高さの検出が行われる。すなわち、
図25に示すように、前進時において、接地体42は、接地摺動抵抗により、後側回動軸62と一体的に第2軸心P2回りに後方回動し(矢印S1参照)、後側回動軸62に固設された駆動アーム80が、アーム部82を前方に移動させるように回動する。これにより、検出用駆動ギア76が検出用ピン83によって押されて後側回動軸62に対して第2軸心P2を中心として左側面視で左回りに相対回動し、検出用駆動ギア76に噛合した検出用従動ギア77が、中間回動軸70と一体的に第3軸心P3を中心として左側面視で右回りに回動する。この中間回動軸70の回動が検出センサ43によって検出される。
【0264】
一方、本実施形態の刈高検出装置40は、ケース回動用伝達機構を備えないことから、コンバイン1のバック時には、装置本体41内のギアの動作をともなくことなく、接地体42およびこれと一体の部分のみが回動する。すなわち、
図25に示すように、バック時において、接地体42は、接地摺動抵抗により、装置本体41のケース51に対して、基準位置から後側回動軸62回りに前方に回動する(矢印S2参照)。接地体42は、後側回動軸62と一体的に第2軸心P2回りに回動し、これにより、後側回動軸62に固設された駆動アーム80が、アーム部82を後方に移動させるように回動する(矢印S3参照)。ここで、接地体42は、第1接地体戻しバネ221の付勢力に抗して前方回動する。なお、接地体42は、例えば基準位置よりも後側の回動位置にある状態から前方に回動する場合、地面G1からの反力を受けて装置本体41を上昇させるように第1軸心P1回りに回動させ、装置本体41の下側をくぐるようにして前方へと回動する。
図25においては、接地体42の前方回動について、回動角度が約85°であってケース51に当接した状態となる最大回動状態の接地体42および駆動アーム80を二点鎖線で示している。
【0265】
次に、本実施形態の刈高検出装置40の他の挙動について、
図30を用いて説明する。
図30Aは、機体停止時において、接地体42が接地していない状態を示しており、刈高検出装置40は基準状態であり、接地体42は基準位置に位置している。
【0266】
図30Aに示す状態から、分草板高さが0となるように刈取部5が下がることにより(矢印U1参照)、
図30Bに示すように、刈高検出装置40は、接地体42を接地させることで、地面G1からの反力(接地反力)によって装置本体41を上昇させるように第1軸心P1回りに回動させる(矢印V1参照)。この第1軸心P1回りの装置本体41の回動にともない、刈高検出装置40は、接地反力によって接地体42を装置本体41に対して前方回動させる(矢印W1参照)。ここで、基準状態からの装置本体41の回動角度は、例えば約55°であり、接地体42の基準位置からの回動角度は例えば約10°である。
【0267】
図30Bに示す状態から、分草板高さ0を保持した状態で機体がバックすると(矢印T1参照)、
図30Cに示すように、接地体42が接地摺動抵抗によって装置本体41に対して相対的に前方回動するとともに(矢印W2参照)、装置本体41は下方に回動し、ケース戻しバネ56の付勢力等によって基準状態の位置に戻る(矢印V2参照)。この状態において、接地体42は、前方への最大回動状態またはそれと略同じ状態となる。
【0268】
一方、
図30Bに示す状態から、分草板高さ0を保持した状態で機体が前進すると(矢印T2参照)、
図30Dに示すように、接地体42が接地摺動抵抗によって装置本体41に対して相対的に後方回動するとともに(矢印W3参照)、装置本体41は下方に回動し、ケース戻しバネ56の付勢力等によって基準状態の位置に戻る(矢印V3参照)。この状態において、接地体42は、後方への最大回動状態またはそれと略同じ状態となる。
【0269】
以上のような構成を備えた本実施形態に係る刈高検出装置40によれば、第1実施形態に係るコンバイン1と同様に、刈取部5による刈高さを検出するための構成において、地面G1や切り株から接地体42に作用する力に起因する不具合を解消することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【0270】
また、本実施形態に係る刈高検出装置40の支持構成によれば、刈取部5による刈高さを検出するための構成を安定して支持することが可能であり、外部から力が加わることに起因して支持部において生じる破損等の不具合を抑制することができ、精度良く刈高さを検出することができる。
【0271】
以上のように実施形態を用いて説明した本発明に係るコンバインは、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨に沿う範囲で、種々の態様を採用することができる。
【0272】
上述した実施形態では、刈高検出装置40は、刈取部5を構成する刈取支持機枠20の左端部に設けられているが、刈高検出装置40設ける位置は特に限定されるものではない。刈高検出装置40は、例えば、上述した実施形態と左右対称な構成とすることで、刈取支持機枠20の右端部に設けられてもよい。また、刈高検出装置40は、例えば刈取支持機枠20の左右両端部に設けること等により、複数個所に設けられてもよい。
【0273】
また、上述した実施形態では、ユニット支持体44は、前面部44bと後面部44dとを繋ぐ部分として左側面部44aを有するものであるが、ユニット支持体44の形態は特に限定されるものではない。ユニット支持体44は、例えば、前面部44bと後面部44dとを繋ぐ部分として、装置本体41の右方に位置する右側面部を有する構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0274】
1 コンバイン
4 走行機体
5 刈取部
18 油圧シリンダ
21 分草板
34 分草フレーム
40 刈高検出装置
41 装置本体
42 接地体
43 検出センサ
44 ユニット支持体(装置本体支持部材)
44b 前面部
44d 後面部
45 センサユニット
50 分草部
57 固定プレート(回動支持部)
61 前側固定軸(第1軸)
62 後側回動軸(第2軸)
70 中間回動軸(第3軸)
76 検出用駆動ギア(第1伝達部材)
77 検出用従動ギア(第2伝達部材)
80 駆動アーム(駆動部材)
83 検出用ピン(第1伝達部材用入力部)
84 ケース回動用ピン(第3伝達部材用入力部)
86 ケース回動用駆動ギア(第3伝達部材)
87 ケース回動用従動ギア(第4伝達部材)
100 サポートフレーム
113 前側傾斜部(傾斜フレーム部)
121 分草板本体
122 リブ板部
125 ヒッチ(分草板支持部材)
130 軸支部
130A 前側軸支部
130B 後側軸支部
131 前支持軸部
132 ボス部(前支持部)
141 後支持軸部
142 ステー(後支持部)
231 前支持軸部
232 ボス部(後支持部)
241 後支持軸部
242 ステー(前支持部)