(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電線
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20241008BHJP
H01B 5/08 20060101ALI20241008BHJP
H01B 7/28 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01B7/00 310
H01B5/08
H01B7/28 C
(21)【出願番号】P 2020169845
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 晋太郎
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3223576(JP,U)
【文献】特開2009-029927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 5/08
H01B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心線と、前記中心線を取り囲むように配置される複数の導体芯線と、前記複数の前記導体芯線を覆うように設けられる絶縁体と、を備える電線であって、
前記中心線
の全体は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料から構成される、
電線。
【請求項2】
請求項1に記載の電線において、
前記中心線を構成する前記混合材料は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)を100重量部、
セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上100重量部以下、
の重量比率で含有する、
電線。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電線において、
前記絶縁体は、
当該絶縁体の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部を有する、
電線。
【請求項4】
請求項1に記載の電線において、
前記中心線の引張強度は、380N/mm
2
以上760N/mm
2
以下である、
電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心線と、中心線を取り囲むように配置される複数の導体芯線と、複数の導体芯線を覆うように設けられる絶縁体と、を備える電線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電柱や鉄塔等に架け渡すように敷設されて送電等に用いられる架空配電線として、抗張力体としての中心線と、中心線を取り囲みながら撚り合わされる複数の導体芯線と、外装材としての樹脂絶縁体と、を有する電線が提案されている。例えば、従来の架空配電線の一つでは、補強繊維に溶融金属を含浸させた複合材料で構成された中心線の外周を取り囲むように、複数本の導体芯線が配置されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電線は、中心線として一般的な鋼線(例えば、亜鉛メッキ鋼線やアルミ覆鋼線など)が用いられる場合に比べて軽量化が可能であり、強度と重量とのバランスに優れる。しかし、従来の電線を実際に使用するにあたり、配電設備のメンテナンス等の目的で使用後の電線を廃棄する場合、中心線を構成する複合材料から金属部分と補強繊維とを分離することが困難であることから、廃棄処理が複雑化する。換言すると、電線の廃棄やリサイクルを行う際の環境負荷が大きい。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、強度及び軽量性に優れ且つ廃棄等を行う際の環境負荷を低減可能な電線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電線は、下記[1]~[4]を特徴としている。
[1]
中心線と、前記中心線を取り囲むように配置される複数の導体芯線と、前記複数の前記導体芯線を覆うように設けられる絶縁体と、を備える電線であって、
前記中心線の全体は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料から構成される、
電線であること。
[2]
上記[1]に記載の電線において、
前記中心線を構成する前記混合材料は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)を100重量部、
セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上100重量部以下、
の重量比率で含有する、
電線であること。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の電線において、
前記絶縁体は、
当該絶縁体の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部を有する、
電線であること。
[4]
上記[1]に記載の電線において、
前記中心線の引張強度は、380N/mm
2
以上760N/mm
2
以下である、
電線であること。
【0007】
上記[1]の構成の電線によれば、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料で構成された中心線が、抗張力体として用いられる。発明者による実験及び考察等によれば、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料で中心線を構成することで、電線(例えば、架空配電線)に求められる強度を有しながら、一般的な鋼線を中心線として用いる場合に比べて重量を低減した電線が得られることが明らかになっている。更に、ポリブチレンサクシネート(PBS)は、生分解性樹脂であり、セルロースナノファイバー(CNF)は、植物等の主成分であるセルロースから抽出される繊維状材料である。そのため、上述した従来の電線に用いられる中心線に比べ、廃棄等を行う際の環境負荷を低減できる。なお、電線の使用時には中心線は絶縁体に覆われて外部環境から隔離されているため、中心線の生分解性は問題にならない。したがって、本構成の電線は、強度及び軽量性に優れ且つ廃棄等を行う際の環境負荷を低減可能である。
【0008】
上記[2]の構成の電線によれば、中心線を構成する混合材料は、ポリブチレンサクシネート(PBS)を100重量部、セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上100重量部以下、の重量比率で含有する。発明者による実験及び考察によれば、このような組成を有する混合材料は、引張強度に優れることから中心線の細径化が可能となり、且つ、混合材料を加工(例えば、押出成形等)して中心線を製造する際に加工装置にかかる負荷を低減できる。
【0009】
上記[3]の構成の電線によれば、絶縁体の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部(いわゆる、ひれ)が、絶縁体に設けられる。これにより、例えば、電線を架空配電線として用いる際、電線に積もった雪が電線の円周方向に沿って回り込むことを妨げることで、電線周囲に雪が固着すること(着雪)を抑制できる。更に、本構成の電線の中心線(抗張力体)は一般的な鋼線に比べて軽量であるため、導体芯線としてアルミニウム又はアルミニウム合金等で構成された軽量な素線が用いられる場合、電線全体の重量が特に軽量となる。このように軽量な電線への着雪を抑制することで、例えば、着雪に起因する電線の揺動等(いわゆるギャロッピングやスリートジャンプ等)を適切に抑制できる。この点で、本構成の突条部による難着雪効果が電線にもたらす貢献は、極めて顕著なものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、強度及び軽量性に優れ且つ廃棄等を行う際の環境負荷を低減可能な電線を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る電線の端部を、内部構造の理解容易化のために各構成部材の一部を適宜取り除いて示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す電線を製造する製造装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電線1について説明する。電線1は、典型的には、電柱や鉄塔等に架け渡すように敷設されて送電等に用いられる架空配電線として使用される。よって、電線1は、強度(具体的には、抗張力性)及び軽量性が要求される。
【0014】
<電線1の構成>
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る電線1は、抗張力体としての丸棒状の中心線10と、中心線10を取り囲んで撚り合わされる複数の導体芯線20と、複数の導体芯線20を覆うように設けられる円管状の絶縁体30と、を備える。
【0015】
中心線10は、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料から構成されている。中心線10を構成するポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)の具体的な組成については後述する。
【0016】
セルロースナノファイバー(CNF)の比重は1.5程度であり、鋼鉄の比重(=7.8程度)より十分に小さい。よって、セルロースナノファイバー(CNF)は、鋼鉄と比べて極めて軽い。発明者による実験及び考察等によれば、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料で中心線10を構成することで、電線1として十分な強度を確保しながら、一般的な鋼線を中心線として用いる場合に比べて軽量化が可能である。
【0017】
ポリブチレンサクシネート(PBS)は、生分解が可能な生分解性樹脂である。セルロースナノファイバー(CNF)は、植物等の主成分であるセルロースから抽出される繊維状材料である。よって、上述した従来の電線に用いられる中心線(金属と繊維との複合材料で構成)に比べ、中心線10の廃棄時の環境負荷が小さい。更に、電線1の使用時には中心線10は絶縁体30に覆われて外部環境から隔離されているため、中心線10の生分解性は問題にならない。
【0018】
導体芯線20は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。撚り合わされた複数の導体芯線20における撚りの形態は、特に制限されないが、S撚り、Z撚り、及び、SZ撚り(交互撚り)の何れであってもよい。電線1に含まれる導体芯線20の本数は、特に制限されないが、本例では8本である。
【0019】
中心線10を取り囲んで撚り合わされる複数の導体芯線20の公称断面積は、典型的には、25mm2又は58mm2である。導体芯線20の公称断面積が25mm2の場合、中心線10の外径は4.3mmであり、導体芯線20の外径は2.3mmであることが好ましい。導体芯線20の公称断面積が58mm2の場合、中心線10の外径は6.5mmであり、導体芯線20の外径は3.5mmであることが好ましい。なお、これらの中心線10及び導体芯線20の外径の値は、後述する撚り線圧縮部44による圧縮前の値(換言すれば、後述する導体芯線供給部41及び中心線供給部42よる繰り出し時点での値)である。更に、詳細は後述するように、中心線10の強度について、導体芯線20の公称断面積が25mm2の場合、中心線10の最大耐力が5.5kN以上であることが好ましく、導体芯線20の公称断面積=58mm2の場合、中心線10の最大耐力が12.3kN以上であることが好ましい。別の言い方をすると、中心線10の引張強度は、380N/mm2以上760N/mm2以下であることが好ましい。
【0020】
円管状の絶縁体30は、撚り合わされた複数の導体芯線20の外周を覆っている。絶縁体30は、例えば、塩化ビニル材料やポリエチレン材料等の絶縁樹脂材料で構成されている。絶縁体30の外周面には、
図1及び
図2に示すように、径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部31(いわゆる、ひれ)が設けられている。
図1及び
図2に示す例では、一対の突条部31が、絶縁体30の外周面における周方向の上下端位置に設けられている。これにより、例えば、電線1を架空配電線として用いる際、電線1に積もった雪が電線1の円周方向に沿って回り込むことを突条部31で妨げ、電線1の周囲に雪が固着すること(着雪)を抑制できる。
【0021】
絶縁体30は、中心線10を取り囲んで撚り合わされた複数の導体芯線20の外周に、加熱溶融された樹脂材料を一対の突条部31が設けられた円管形状を有するように押出成形することにより形成されている。これにより、中心線10及び中心線10を取り囲んで撚り合わされている複数の導体芯線20が、絶縁体30によって保護される。
【0022】
<電線1の製造装置及び製造方法>
次いで、電線1を製造する製造装置40、及び、製造装置40を用いた電線1の製造方法について説明する。
【0023】
図3に示すように、電線1を製造する製造装置40は、導体芯線供給部41及び中心線供給部42を備えている。導体芯線供給部41は一般的なリール等を含んで構成され、導体芯線供給部41から、複数の導体芯線20が繰り出される。中心線供給部42も一般的なリール等を含んで構成され、中心線供給部42から、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を混錬し押出成形した中心線10が繰り出される。
【0024】
導体芯線供給部41及び中心線供給部42の下流側には、撚り部43が設けられている。撚り部43には、導体芯線供給部41から繰り出される複数の導体芯線20及び中心線供給部42から繰り出される中心線10が送り込まれる。撚り部43は、一般的な撚り機構を有し、中心線10を取り囲むように複数の導体芯線20を撚り合わせる。
【0025】
撚り部43の下流側には、撚り線圧縮部44及び絶縁体形成部45が順に設けられている。撚り線圧縮部44は、一般的なダイスを有し、中心線10を取り囲むように撚り合わされている複数の導体芯線20を、ダイスを用いて径方向内側に圧縮する。これにより、複数の導体芯線20が円筒状に塑性変形して、
図1及び
図2に示すように、中心線10の外周に隙間なく密着する。絶縁体形成部45は、一般的な絶縁体形成機構を有し、圧縮された複数の導体芯線20の周囲を覆うように、加熱溶融された樹脂材料を押出成形することにより、一対の突条部31が設けられた円管状の絶縁体30を形成する。以上により、
図1及び
図2に示す電線1が製造される。
【0026】
<中心線10を構成する混合材料の組成(重量比率)の好ましい範囲>
以下、中心線10を構成するポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)の組成の好ましい範囲について説明する。発明者による実験及び考察等によれば、中心線10を構成するポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)の組成に関し、ポリブチレンサクシネート(PBS)が100重量部に対して、セルロースナノファイバー(CNF)を50~100重量部とすることが好ましい、ことが判明した。
【0027】
具体的には、ポリブチレンサクシネート(PBS)が100重量部に対して、セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上とすることで、架空配電線として使用される電線1の中心線10として必要な強度を満足することができることが判明した。ここで、中心線10に求められる強度として、例えば、導体芯線20の公称断面積が25mm2の場合、中心線10の最大耐力が5.5kN以上であることが好ましく、導体芯線20の公称断面積が58mm2の場合、中心線10の最大耐力が12.3kN以上であることが好ましい。
【0028】
ポリブチレンサクシネート(PBS)が100重量部に対するセルロースナノファイバー(CNF)の重量部数の50からの増加に伴い、中心線10の引張強度が増加することによって中心線10の細径化が可能となる。しかし、ポリブチレンサクシネート(PBS)が100重量部に対するセルロースナノファイバー(CNF)の重量部数が100を超えると、中心線10の押出成形時に押出機にかかる負荷が過度に大きくなり得ることが判明した。
【0029】
以上より、中心線10を構成するポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)の組成(重量比率)を上記の範囲とすることで、強度に優れることから中心線10の細径化が可能となり、且つ、中心線10を押出成形する際に押出機にかかる負荷を小さくすることができる。
【0030】
<作用・効果>
以上説明したように、本実施形態に係る電線1によれば、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料から構成された中心線10が、抗張力体として用いられる。発明者による実験及び考察等によれば、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料で中心線10を構成することで、電線1として十分な強度を確保しながら、一般的な鋼線を用いる場合に比べて軽量化が可能である。更に、ポリブチレンサクシネート(PBS)は、生分解性樹脂であり、セルロースナノファイバー(CNF)は、植物等の主成分であるセルロースから抽出される繊維状材料である。そのため、上述した従来の電線に用いられる中心線に比べ、廃棄時の環境負荷が小さい。更に、電線1の使用時には中心線10は絶縁体30に覆われて外部環境から隔離されているため、中心線10の生分解性は問題にならない。したがって、本実施形態に係る電線1は、強度及び軽量性に優れ且つ廃棄時の環境負荷を低減可能である。
【0031】
更に、本実施形態に係る電線1によれば、中心線10を構成する混合材料は、ポリブチレンサクシネート(PBS)を100重量部と、セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上100重量部以下と、を含むことが好適である。発明者による実験及び考察によれば、このような組成の混合材料は、強度に優れることから中心線10の細径化が可能となり、且つ、混合材料を押出成形して中心線10を成形する際に押出機にかかる負荷を小さくすることができる。
【0032】
更に、本実施形態に係る電線1によれば、絶縁体30の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部31が、絶縁体30に設けられる。これにより、例えば、電線1を架空配電線として用いる際、電線1への着雪を抑制できる。更に、電線1の中心線10(抗張力体)は一般的な鋼線に比べて軽量であり、且つ、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成された軽量な導体芯線20が用いられることから、電線1全体の重量は特に軽量である。このように軽量な電線1への着雪を抑制することで、例えば、着雪に起因する電線1の揺動等を適切に抑制できる。この点で、突条部31による難着雪効果が電線1にもたらす貢献は、極めて顕著なものである。
【0033】
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0034】
例えば、上記実施形態では、絶縁体30の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部31が、絶縁体30に設けられている。これに対し、このような突条部31が絶縁体30に設けられなくてもよい。
【0035】
ここで、上述した本発明に係る電線1の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
中心線(10)と、前記中心線(10)を取り囲むように配置される複数の導体芯線(20)と、前記複数の前記導体芯線(20)を覆うように設けられる絶縁体(30)と、を備える電線(1)であって、
前記中心線(10)は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)及びセルロースナノファイバー(CNF)を含む混合材料から構成される、
電線(1)。
[2]
上記[1]に記載の電線(1)において、
前記中心線(10)を構成する前記混合材料は、
ポリブチレンサクシネート(PBS)を100重量部、
セルロースナノファイバー(CNF)を50重量部以上100重量部以下、
の重量比率で含有する、
電線(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の電線(1)において、
前記絶縁体(30)は、
当該絶縁体(30)の外周面から径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる突条部(31)を有する、
電線(1)。
【符号の説明】
【0036】
1 電線
10 中心線
20 導体芯線
30 絶縁体
31 突条部