IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-アース端子 図1
  • 特許-アース端子 図2
  • 特許-アース端子 図3
  • 特許-アース端子 図4
  • 特許-アース端子 図5
  • 特許-アース端子 図6
  • 特許-アース端子 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】アース端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/64 20060101AFI20241008BHJP
   H01R 11/12 20060101ALI20241008BHJP
   H01R 4/34 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01R4/64 C
H01R11/12 E
H01R11/12 F
H01R4/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020190279
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079222
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】上原 建彦
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-045524(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042354(WO,A1)
【文献】特開2013-257975(JP,A)
【文献】特開2015-185486(JP,A)
【文献】実開昭57-064076(JP,U)
【文献】特開2015-185447(JP,A)
【文献】特開2016-006733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24- 4/46
H01R 4/58- 4/72
H01R 11/00-11/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト挿通孔が開口された板状の端子本体部とアース電線を接続する電線接続部とを有するアース本体端子と、
前記端子本体部に重ねて係止される重合平板部と前記端子本体部に重ならない非重合平板部とを連続して有するが、アース電線を接続する電線接続部を有しない複数の締結プレートと、
を備え、
前記端子本体部は、前記複数の締結プレートの各重合平板部に形成された係止部が係止される共通の被係止部を有し、前記アース本体端子のボルト挿通孔の孔縁部に前記被係止部を有しており、
前記複数の締結プレートの各重合平板部は、前記アース本体端子のボルト挿通孔と連通するボルト挿通孔を有し、
前記複数の締結プレートの各非重合平板部は、締結プレート毎に異なる方向に延設されると共にボルト挿通孔を有し、
前記端子本体部に前記複数の締結プレートのうちの1つの締結プレートの重合平板部が重ね合わされ係止された状態でボルトにてアース用部材の接地面に締結固定され、かつ、前記1つの締結プレートの非重合平板部が別のボルトにて前記接地面に締結固定されるアース端子。
【請求項2】
前記複数の締結プレートの各非重合平板部は、各重合平板部に対して前記端子本体部の板厚分一段下がった形態でそれぞれ形成され、前記端子本体部の裏面と前記各非重合平板部の裏面は同一平面となって前記接地面に接触した状態で前記別のボルトにて締結固定される、請求項1に記載のアース端子。
【請求項3】
前記締結プレートは、少なくとも2つ備えられ、少なくとも2つの前記締結プレートのうちの一方の締結プレートは、前記アース本体端子の軸方向に沿って平行に配置される、請求項1又は2に記載のアース端子。
【請求項4】
前記締結プレートは、少なくとも2つ備えられ、少なくとも2つの前記締結プレートのうちの他方の締結プレートは、前記アース本体端子の軸方向に対して直交するように配置される、請求項3に記載のアース端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車両のボディ等のアース用部材に2箇所でボルト締めされて接地されるアース端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアース端子では、1つの端子に1本のボルトにてアース用部材に締結固定する仕方が基本であったが、自動運転システム等の重要な回路の電源を保証するために、1つの端子に2本のボルトにてアース用部材に締結固定する仕方が普及している。この普及により、振動等に起因して1本のボルトに緩みが生じた場合でも端子外れという不具合が解消される。2箇所でボルト締めされるアース端子として、特許文献1及び特許文献2にそれぞれ記載されたものがある。
【0003】
この特許文献1に記載されたアース端子は、第1のボルト挿通孔が開口された板状の端子本体部と、アース電線を接続する電線接続部と、を有している。板状の端子本体部は、端子軸方向に対して直交する方向に延設されていて、この延設部に第2のボルト挿通孔が開口されている。そして、板状の端子本体部は、第1と第2のボルト挿通孔に挿通される2本のボルトにてアース用部材の接地面に締結固定されるようになっている。
【0004】
また、特許文献2に記載されたアース端子は、端子軸方向に延びる矩形板状の端子本体部と、アース電線を接続する電線接続部と、を有している。この矩形板状の端子本体部には、その基端部(電線接続部)側と先端部側に2つのボルト挿通孔が開口されている。そして、矩形板状の端子本体部は、2つのボルト挿通孔に挿通される2本のボルトにてアース用部材の接地面に締結固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-76202号公報
【文献】特開2017-107728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のアース端子では、アース用部材の接地面の搭載形態が異なる場合、その都度、搭載形態に合わせてオリジナル形状の端子を製造していたため、金型形状が複雑になって金型費が高くなったり、開発工数が増えて、コスト高である。
【0007】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、アース用部材の接地面に2本のボルトにて低コストで簡単かつ確実に締結固定することができるアース端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様に係るアース端子は、ボルト挿通孔が開口された板状の端子本体部とアース電線を接続する電線接続部とを有するアース本体端子と、前記端子本体部に重ねて係止される重合平板部と前記端子本体部に重ならない非重合平板部とを連続して有するジョイント専用の複数の締結プレートと、を備え、前記端子本体部は、前記複数の締結プレートの各重合平板部に形成された係止部が係止される共通の被係止部を有し、前記複数の締結プレートの各重合平板部は、前記アース本体端子のボルト挿通孔と連通するボルト挿通孔を有し、前記複数の締結プレートの各非重合平板部は、締結プレート毎に異なる方向に延設されると共にボルト挿通孔を有し、前記端子本体部に前記複数の締結プレートのうちの1つの締結プレートの重合平板部が重ね合わされ係止された状態でボルトにてアース用部材の接地面に締結固定され、かつ、前記1つの締結プレートの非重合平板部が別のボルトにて前記接地面に締結固定されるものである。
【0009】
前記複数の締結プレートの各非重合平板部は、各重合平板部に対して前記端子本体部の板厚分一段下がった形態でそれぞれ形成され、前記端子本体部の裏面と前記各非重合平板部の裏面は同一平面となって前記接地面に接触した状態で前記別のボルトにて締結固定されることが好ましい。
【0010】
前記締結プレートは、少なくとも2つ備えられ、前記少なくとも2つの締結プレートのうちの一方の締結プレートは、前記アース本体端子の軸方向に沿って平行に配置されることが好ましい。
【0011】
前記締結プレートは、少なくとも2つ備えられ、前記少なくとも2つの締結プレートのうちの他方の締結プレートは、前記アース本体端子の軸方向に対して直交するように配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アース用部材の接地面に2本のボルトにて低コストで簡単かつ確実に締結固定することができるアース端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るアース端子の一例を示す平面図である。
図2】上記アース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定する前の状態を示す平面図である。
図3】上記アース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定する途中の状態を示す平面図である。
図4】上記アース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定した状態を示す平面図である。
図5】上記アース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定する前の状態を示す平面図である。
図6】上記アース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定する途中の状態を示す平面図である。
図7】上記アース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るアース端子について詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係るアース端子の一例を示す平面図である。図2はアース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定する前の状態を示す平面図である。図3はアース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定する途中の状態を示す平面図である。図4はアース端子の端子本体部に第1締結プレートを締結固定した状態を示す平面図である。図5はアース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定する前の状態を示す平面図である。図6はアース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定する途中の状態を示す平面図である。図7はアース端子の端子本体部に第2締結プレートを締結固定した状態を示す平面図である。
【0016】
図1図4図7に示すように、アース端子10は、アース本体端子11と、ジョイント専用の第1、第2締結プレート20,30と、を備えていて、自動車のボディ(アース用部材)1の接地面2に第1,第2ボルト5,6にて締結固定されるものである。
【0017】
図1図7に示すように、アース本体端子11は、所定形状に打ち抜かれた導電性の金属板をプレス加工することにより形成されており、ボルト挿通孔13が開口された板状の端子本体部12と、アース電線7を接続する電線接続部17と、を有する。なお、導電性の金属として、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が用いられる。
【0018】
図1図4図7に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の略中央には、第1ボルト(ボルト)5の軸部5aが挿通する締結部としての非円形状のボルト挿通孔13が形成されている。このボルト挿通孔13の孔縁部の左右両側には、後述する第1、第2締結プレート20,30の各重合平板部21,31に形成された差込部(係止部)24,25、34,35が係止される共通の被差込部(被係止部)14,15を有している。この左右両側の被差込部14,15は、端子本体部12に対して共に板厚分一段上がった形態で形成され、端子本体部12に各締結プレート20,30の重合平板部21,31を重ね合わせた際に、これらを係止状態にする部分(被係止部)として形成されている。また、左右両側の被差込部14,15の相対向する内縁部14a,15aは、円弧状に形成されている。さらに、右側の被差込部15の外縁端の中央には、舌片状に突出した突出片部15baが形成されている。なお、アース本体端子11の端子本体部12と各締結プレート20,30の重合平板部21,31は、それぞれ同じ板厚に形成されている。
【0019】
また、図1に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の右上側の角部には、第1,第2締結プレート20,30の各重合平板部21,31に形成された係止爪(係止部)26,36が係止される矩形の係止孔(共通の被係止部)16を有している。そして、図4図7に示すように、端子本体部12に第1,第2締結プレート20,30の各重合平板部21,31が重ね合わされ係止された状態で、第1ボルト5にてボディ1の接地面2に締結固定されるようになっている。
【0020】
図4図7に示すように、アース本体端子11の電線接続部17は、アース電線7の端末の絶縁被覆9から露出した芯線8を加締め固定するU字状の導体加締め片18と、アース電線7の端末の絶縁被覆9を加締め固定するU字状の被覆加締め片19と、を有する。なお、図4及び図7は、各加締め片18,19にてアース電線7が加締め固定される前の状態を示している。
【0021】
図1に示すように、第1締結プレート(一方の締結プレート)20は、アース本体端子11の軸方向Lに沿って平行に配置され、第2締結プレート(他方の締結プレート)30は、アース本体端子11の軸方向Lに対して直交するように配置される。すなわち、第1,第2締結プレート20,30の各非重合平板部22,32は、締結プレート毎に異なる方向に延設されると共に同径で円形のボルト挿通孔27,37を有している。
【0022】
図1図4に示すように、第1締結プレート20は、アース本体端子11の端子本体部12に重ねて係止される重合平板部21と、アース本体端子11の端子本体部12に重ならない非重合平板部22と、を段差部21cを介して連続して有する。すなわち、第1締結プレート20の非重合平板部22は、階段状の段差部21cにより、重合平板部21に対して端子本体部12の板厚分一段下がった形態で形成されている。これにより、アース本体端子11の端子本体部12の裏面12bと第1締結プレート20の非重合平板部22の裏面22bは同一平面となって接地面2に接触するようになっている。そして、第1締結プレート20の非重合平板部22は、その裏面22bが接地面2に接触した状態で第2ボルト(別のボルト)6にて締結固定されるようになっている。
【0023】
図4に示すように、第1締結プレート20の重合平板部21の中央には、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに重ね合わされた際に、該端子本体部12のボルト挿通孔13と連通する締結部としての非円形状のボルト挿通孔23が形成されている。これら連通した重合平板部21のボルト挿通孔23と端子本体部12のボルト挿通孔13に、第1ボルト5の軸部5aが挿通されてボディ1の裏面側に配置されたナットと螺合することで、端子本体部12と重合平板部21がボディ1に締結固定される。
【0024】
図1に示すように、第1締結プレート20の重合平板部21のボルト挿通孔23の孔縁部の左右両側には、アース本体端子11の端子本体部12の左右両側の被差込部14,15に差し込まれて係止される差込部(係止部)24,25を有している。この左右両側の差込部24,25は、重合平板部21に対して共に板厚分一段下がった形態で形成され、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに重ね合わされた際に、これらを係止状態にする部分(係止部)として形成されている。さらに、左右両側の差込部24,25の相対向する内縁部24a,25aは、円弧状に形成されている。また、左側の差込部24の外側へ突出した部分には、下方へ傾斜するテーパ部24bが形成されて、相手側の被差込部14に差し込み易くなっている。さらに、右側の差込部25の内側へ突出した部分には、下方へ傾斜するテーパ部25bが形成されて、相手側の被差込部15に差し込み易くなっている。
【0025】
また、図1に示すように、第1締結プレート20の重合平板部21の右上側の角部には、アース本体端子11の端子本体部12の係止孔16に係止される係止爪(係止部)26が形成されている。そして、図4に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに第1締結プレート20の重合平板部21が重ね合わされ係止された状態で、第1ボルト5にてボディ1の接地面2に締結固定されるようになっている。
【0026】
さらに、図1図4に示すように、第1締結プレート20の非重合平板部22の中央には、第2ボルト(別のボルト)6の軸部6aが挿通する締結部としての円形状のボルト挿通孔27が形成されている。そして、図4に示すように、アース本体端子11の端子本体部12と重合平板部21を第1ボルト5にてボディ1の接地面2に締結固定する際に、非重合平板部22も第2ボルト6にてボディ1の接地面2に締結固定されるようになっている。
【0027】
図1図5図7に示すように、第2締結プレート30は、アース本体端子11の端子本体部12に重ねて係止される重合平板部31と、アース本体端子11の端子本体部12に重ならない非重合平板部32と、を段差部31cを介して連続して有する。すなわち、第2締結プレート30の非重合平板部32は、階段状の段差部31cにより、重合平板部31に対して端子本体部12の板厚分一段下がった形態で形成されている。これにより、アース本体端子11の端子本体部12の裏面12bと第2締結プレート30の非重合平板部32の裏面32bは同一平面となって接地面2に接触するようになっている。そして、第2締結プレート30の非重合平板部32は、その裏面32bが接地面2に接触した状態で第2ボルト(別のボルト)6にて締結固定されるようになっている。
【0028】
図7に示すように、第2締結プレート30の重合平板部31の中央には、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに重ね合わされた際に、該端子本体部12のボルト挿通孔13と連通する締結部としての非円形状のボルト挿通孔33が形成されている。これら連通した重合平板部31のボルト挿通孔33と端子本体部12のボルト挿通孔13に、第1ボルト5の軸部5aが挿通されてボディ1の裏面側に配置されたナットと螺合することで、端子本体部12と重合平板部31がボディ1に締結固定される。
【0029】
図1に示すように、第2締結プレート30の重合平板部31のボルト挿通孔33の孔縁部の左右両側には、アース本体端子11の端子本体部12の左右両側の被差込部14,15に差し込まれて係止される差込部(係止部)34,35を有している。この左右両側の差込部34,35は、重合平板部31に対して共に板厚分一段下がった形態で形成され、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに重ね合わされた際に、これらを係止状態にする部分(係止部)として形成されている。さらに、左右両側の差込部34,35の相対向する内縁部34a,35aは、円弧状に形成されている。また、左側の差込部34の外側へ突出した部分には、下方へ傾斜するテーパ部34bが形成されて、相手側の被差込部14に差し込み易くなっている。さらに、右側の差込部35の内側へ突出した部分には、下方へ傾斜するテーパ部35bが形成されて、相手側の被差込部15に差し込み易くなっている。
【0030】
また、図1に示すように、第2締結プレート30の重合平板部31の右上側の角部には、アース本体端子11の端子本体部12の係止孔16に係止される係止爪(係止部)36が形成されている。そして、図7に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに第2締結プレート30の重合平板部31が重ね合わされ係止された状態で、第1ボルト5にてボディ1の接地面2に締結固定されるようになっている。
【0031】
さらに、図1図7に示すように、第2締結プレート30の非重合平板部32の中央には、第2ボルト(別のボルト)6の軸部6aが挿通する締結部としての円形状のボルト挿通孔37が形成されている。そして、図7に示すように、アース本体端子11の端子本体部12と重合平板部31を第1ボルト5にてボディ1の接地面2に締結固定する際に、非重合平板部32も第2ボルト6にてボディ1の接地面2に締結固定されるようになっている。
【0032】
以上実施形態のアース端子10において、アース本体端子11への第1締結プレート20の組み付けは、先ず、図2に示すように、アース本体端子11及び第1締結プレート20を左右に並べ、次に、互いを近づけるように横にスライドさせる。この横のスライドにより、図3に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに第1締結プレート20の重合平板部21を重ね合わせる。この際、端子本体部12の左右両側の被差込部14,15に重合平板部21の左右両側の差込部24,25を差し込んで係止させ、かつ、端子本体部12の係止孔16に重合平板部21の係止爪26を係止させることで組み付けが完了する。その後、図4に示すように、アース本体端子11の端子本体部12と第1締結プレート20の非重合平板部22をボディ1の接地面2の所定位置に載置する。そして、重合平板部21のボルト挿通孔23と端子本体部12のボルト挿通孔13に第1ボルト5を挿通してナットを介して接地面2に締結固定し、かつ、非重合平板部22のボルト挿通孔27に第2ボルト6を挿通してナットを介して接地面2に締結固定する。よって、アース端子10がボディ1に2箇所でボルト締めされて固定されているため、振動等に起因して1箇所のボルトに緩みが生じても、もう1箇所のボルトで固定されているため、アース端子10がボディ1から外れることがなく、常に正確にアースが取れる。
【0033】
また、ボディ1の形状等によりアース端子10の搭載形態が異なる場合には、その搭載形態に合わせた形状に予め作製しておいた第2締結プレート30を用いる。アース本体端子11への第2締結プレート30の組み付けは、先ず、図5に示すように、アース本体端子11及び第2締結プレート30を左右に並べ、次に、互いを近づけるように横にスライドさせる。この横のスライドにより、図6に示すように、アース本体端子11の端子本体部12の表面12aに第2締結プレート30の重合平板部31を重ね合わせる。この際、端子本体部12の左右両側の被差込部14,15に重合平板部31の左右両側の差込部34,35を差し込んで係止させ、かつ、端子本体部12の係止孔16に重合平板部31の係止爪36を係止させることで組み付けが完了する。その後、図7に示すように、アース本体端子11の端子本体部12と第2締結プレート30の非重合平板部32をボディ1の接地面2の所定位置に載置する。そして、重合平板部31のボルト挿通孔33と端子本体部12のボルト挿通孔13に第1ボルト5を挿通してナットを介して接地面2に締結固定し、かつ、非重合平板部32のボルト挿通孔37に第2ボルト6を挿通してナットを介して接地面2に締結固定する。よって、アース端子10がボディ1に2箇所でボルト締めされて固定されているため、振動等に起因して1箇所のボルトに緩みが生じても、もう1箇所のボルトで固定されているため、アース端子10がボディ1から外れることがなく、常に正確にアースが取れる。
【0034】
このように、ボディ1の形状に合わせて、アース本体端子11に組み付けられる第1締結プレート20か第2締結プレート30の2つの締結プレートを用意しておくことで対応することができる。このため、各締結プレート20,30は、バリエーションを予め作製しておくことで、金型費用の低減や開発工数の削減を図ることができ、自由度のある設計が可能となる。これにより、ボディ1の形状に合わせて、アース本体端子11に第1締結プレート20か第2締結プレート30の何方かを組み付けてアース端子10とすることができるため、ボディ1の接地面2に2箇所のボルト締めにより低コストで簡単かつ確実にアース端子10を組み付けることができる。
【0035】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0036】
すなわち、前記実施形態によれば、第1、第2の締結プレートの重合平板部に対して非重合平板部をスレート(一直線上)に形成したが、重合平板部に対して非重合平板部を斜めに形成しても良い。
【0037】
また、前記実施形態によれば、アース用部材として自動車のボディにアース端子をボルト締めしたが、アース用部材は、自動車のボディに限られるものではなく、他の部材にアース端子をボルト締めしても良い。
【0038】
さらに、前記実施形態によれば、ボルト挿通孔にボルトを挿通してアース端子をボディに締結固定したが、ボディ側にボルト(スタッドボルト)を立設し、これにボルト挿通孔を挿通した上でナットで締め付けてアース端子を固定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
1 自動車のボディ(アース用部材)
2 接地面
5 第1ボルト(ボルト)
6 第2ボルト(別のボルト)
7 アース電線
10 アース端子
11 アース本体端子
12 端子本体部
12b 裏面
13 ボルト挿通孔
14,15 被差込部(共通の被係止部)
16 係止孔(共通の被係止部)
20 第1締結プレート(一方の締結プレート)
21 重合平板部
22 非重合平板部
22b 裏面
23 ボルト挿通孔
24,25 差込部(係止部)
26 係止爪(係止部)
27 ボルト挿通孔
30 第2締結プレート(他方の締結プレート)
31 重合平板部
32 非重合平板部
32b 裏面
33 ボルト挿通孔
34,35 差込部(係止部)
36 係止爪(係止部)
37 ボルト挿通孔
L 端子の軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7