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特許7568606口座管理システム、自動取引装置、プログラム、口座管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】口座管理システム、自動取引装置、プログラム、口座管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241008BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20241008BHJP
   G06Q 20/22 20120101ALI20241008BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q20/18
G06Q20/22 310
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021207965
(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公開番号】P2023092765
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 皓平
(72)【発明者】
【氏名】石川 高雄
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-157878(JP,A)
【文献】特開2013-196101(JP,A)
【文献】特開2005-242618(JP,A)
【文献】特開2006-113816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0295072(US,A1)
【文献】特開2020-106892(JP,A)
【文献】特開2009-238104(JP,A)
【文献】特開2002-207882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置と、銀行統括サーバと、を備える口座管理システムであって、
前記自動取引装置は、
少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携する連携部と、
連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定する残高判定部と、
前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する実行部と、を備える
ことを特徴とする口座管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の口座管理システムであって、
前記少なくとも2以上の口座情報は、それぞれ異なる金融機関に対応する情報である
ことを特徴とする口座管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の口座管理システムであって、
連携された前記口座情報のうち、優先する口座情報の順位を受け付ける優先順位受付部を更に備え、
前記実行部は、前記取引金額に対して残高が不足している場合には、前記優先順位受付部により受け付けた順位に対応した口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する
ことを特徴とする口座管理システム。
【請求項4】
銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置であって、
少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携する連携部と、
連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定する残高判定部と、
前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する実行部と、を備える
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置が実行するプログラムであって、
少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携し、
連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定し、
前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する
処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置が実行する口座管理方法であって、
少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携し、
連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定し、
前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する
ことを特徴とする口座管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座管理システム、自動取引装置、プログラム、口座管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行などの金融機関ごとに自動取引装置と、キャッシュカードや通帳などの金融媒体が用いられており、銀行の預金の残高は、金融機関ごとに閉じた環境で管理されているのが実情である。例えば、B銀行の自動取引装置においてA銀行のキャッシュカードを利用した場合には、全銀協(登録商標)などのネットワークを介してA銀行の口座の原簿にアクセスして、手数料を徴収された上で取引を成立させることができる。したがって、1回の取引操作に対して、利用するキャッシュカードをキーとして、対応する銀行の原簿の残高分しか取引利用することができない。例えば、資金不足である口座へ資金を移動させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-122264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、取引を行いたい金融機関のキャッシュカードが手元にない場合には、取引を行うことができない。また、金融機関の口座に残高がないことが分かった場合には、残高のあると思われる金融機関のキャッシュカードに変更して再度取引を実施する必要があるため、取引に余計な時間が必要となる。
【0005】
また、自動引き落とし設定を有効している金融機関の口座がある場合、対象口座が残高不足となった場合、事象の発生に気付かずに支払が滞納してしまうおそれがある。更に、自動取引装置の操作者は、キャッシュカードを金融機関の口座分保持する必要があるため、管理が煩雑となり、紛失や盗難のリスクが高くなるおそれがある。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、最小限のキャッシュカードで口座の管理を行うことができる口座管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、自動取引装置と、銀行統括サーバと、を備える口座管理システムであって、前記自動取引装置は、少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携する連携部と、連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定する残高判定部と、前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する実行部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置であって、少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携する連携部と、連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定する残高判定部と、前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する実行部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置が実行するプログラムであって、少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携し、連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定し、前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行する処理を実行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、銀行ホストコンピュータと通信を行う自動取引装置が実行する口座管理方法であって、少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携し、連携された前記口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、前記金融取引に対応する取引金額が前記一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定し、前記取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された前記口座情報のうち、前記一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して前記金融取引を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、最小限のキャッシュカードで口座の管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の自動取引システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る自動取引装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るA銀行ホストのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るB銀行ホストのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る銀行統括サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】口座管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】口座情報テーブルの一例を示す図である。
図8】管理情報テーブルの一例を示す図である。
図9】口座管理システムにおいて実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その1)である。
図10】口座管理システムにおいて実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その2)である。
図11】口座管理システムにおいて実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その3)である。
図12】口座管理システムにおいて実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その4)である。
図13】表示部に表示される取引選択画面の一例を示す図である。
図14】表示部に表示される優先順位設定画面の一例を示す図である。
図15】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その1)である。
図16】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その2)である。
図17】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その3)である。
図18】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その4)である。
図19】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その5)である。
図20】口座管理システムにおいて実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その6)である。
図21】表示部に表示される優先順位確認画面の一例を示す図である。
図22】表示部に表示される優先金融機関選択画面の一例を示す図である。
図23】表示部に表示される金融機関選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。以下では、本実施形態の口座管理システム500について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の口座管理システム500の構成例を示す図である。口座管理システム500は、自動取引装置100、A銀行ホストコンピュータ(以下「A銀行ホスト」と呼ぶ)200、B銀行ホストコンピュータ(以下、「B銀行ホスト」と呼ぶ)300、及び銀行統括サーバ400を含む。口座管理システム500は、図1に示していない他の装置を含んでいてもよい。自動取引装置100は、ネットワークNを介してA銀行ホスト200、B銀行ホスト300と通信可能に接続される。A銀行ホスト200及びB銀行ホスト300は、ネットワークNを介して銀行統括サーバ400と通信可能に接続される。A銀行ホスト200は、A銀行の管轄内に配置されるサーバである。B銀行ホスト300は、B銀行の管轄内に配置されるサーバである。
【0015】
自動取引装置100は、銀行、その他の金融機関などの店舗に設置され、顧客の操作に基づいて入出金などの取引を行う。本実施形態において、自動取引装置100は、A銀行とB銀行とどちらの管轄であってもよい。
【0016】
自動取引装置100は、操作者が操作案内表示に従いキャッシュカードを挿入口に入れ、キーボードもしくはタッチパネルにて暗証番号を入力し、ネットワークNを介してA銀行ホスト200又はB銀行ホスト300と通信して、本人であることを確認した後、現金の預け入れ、払い出し、振り込みなどの取引を行う。なお、図1では自動取引装置100が1台で記載されているが、これに限定されず、複数でもよい。
【0017】
A銀行ホスト200及びB銀行ホスト300は、自動取引装置100からの電文に従って金融機関に関する処理を実行する装置である。A銀行ホスト200又はB銀行ホスト300には、主キー情報及び主キー情報に関連付けられたサブ情報がそれぞれ格納されている。主キー情報には、顧客の口座番号などの情報が格納されている。サブ情報には、口座番号に対応した名義人名の情報などが含まれる。
【0018】
銀行統括サーバ400は、A銀行ホスト200又はB銀行ホスト300からの電文に従って金融機関に関する処理を実行する装置である。銀行統括サーバ400は、例えば全銀協(登録商標)などに設置されるサーバである。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る自動取引装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。自動取引装置100は、制御部101、記憶部102、表示部103、入力部104、カード処理部105、紙幣処理部106、硬貨処理部107、及び通信部108を有する。
【0020】
制御部101は、自動取引装置100の全体を統括的に制御するもので、制御プログラムを読込んだCPU(Central Processing Unit)のソフトウェア処理により実現される。記憶部102は、例えばSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などであり、制御プログラムや表示部103に表示される操作画面の画面データや各種データを記憶する。自動取引装置100は、コンピュータとして実現され得る。
【0021】
表示部103は、金融取引等の取引画面や暗証番号を操作者に入力させる操作画面を表示する。入力部104は、操作者からの指示を受け付けて、指示内容を制御部101に通知する。入力部104はタッチパネルディスプレイであり、表示部103と一体的に構成される。
【0022】
カード処理部105は、操作者が挿入したキャッシュカードのカード情報を読取り、読取ったカードの情報を制御部101に通知する。カードは、磁気カードあるいはICカードいずれでも良い。カード処理部105は、磁気カードの場合には、MS(Magnetic Stripe)データを読取り、読取ったMSデータを、制御部101に通知する。また、ICカードの場合には、ICチップからデータを読取り、読取ったICチップのデータを、制御部101に通知する。
【0023】
紙幣処理部106は、入金時には操作者から入金された紙幣を内部の紙幣収納部に格納し、出金時には内部の紙幣収納部から所定枚数の紙幣を繰出し出金する。硬貨処理部107は、入金時には操作者から入金された硬貨を内部の硬貨収納部に格納し、出金時には内部の硬貨収納部から所定枚数の硬貨を繰出し出金する。
【0024】
通信部108は、自動取引装置100とA銀行ホスト200との間及び、自動取引装置100とB銀行ホスト300との間でのデータの授受を制御する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係るA銀行ホスト200のハードウェア構成の一例を示す図である。A銀行ホスト200は、制御部201、記憶部202、表示部203、入力部204、及び通信部205を有する。A銀行ホスト200は、図3に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。なお、図3では自動取引装置100が1台で記載されているが、これに限定されず、複数でもよい。また、A銀行ホスト200は、図示しないホストサーバと接続されていてもよい。
【0026】
制御部201は、CPU等であり、記憶部202のROMやHDD等に記憶されたプログラムを記憶部202のRAMに展開して順次実行することで、A銀行ホスト200全体の動作を制御する。記憶部202は、RAM、ROM、HDD等であり、制御部201が実行するプログラム、各種設定情報等を記憶する。
表示部203は、例えばLCDのディスプレイであり、制御部201の制御のもとでA銀行ホスト200の操作者に対して操作画面等を表示する。入力部204は、表示部203と一体化したタッチパネルで、操作者の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部201に通知される。
【0027】
通信部205は、制御部201の制御のもと、ネットワークNを通じて自動取引装置100及び銀行統括サーバ400との間で通信を行う。A銀行ホスト200は、通信部205による通信を行うことで、自動取引装置100との間、及び銀行統括サーバ400との間でデータの送受信を行う。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係るB銀行ホスト300のハードウェア構成の一例を示す図である。B銀行ホスト300は、制御部301、記憶部302、表示部303、入力部304、及び通信部305を有する。B銀行ホスト300は、図4に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。なお、図4では自動取引装置100が1台で記載されているが、これに限定されず、複数でもよい。また、B銀行ホスト300は、図示しないホストサーバと接続されていてもよい。
【0029】
制御部301は、CPU等であり、記憶部302のROMやHDD等に記憶されたプログラムを記憶部302のRAMに展開して順次実行することで、B銀行ホスト300全体の動作を制御する。記憶部302は、RAM、ROM、HDD等であり、制御部301が実行するプログラム、各種設定情報等を記憶する。
表示部303は、例えばLCDのディスプレイであり、制御部301の制御のもとでB銀行ホスト300の操作者に対して操作画面等を表示する。入力部304は、表示部303と一体化したタッチパネルで、操作者の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部301に通知される。
【0030】
通信部305は、制御部301の制御のもと、ネットワークNを通じて自動取引装置100及び銀行統括サーバ400との間で通信を行う。B銀行ホスト300は、通信部305による通信を行うことで、自動取引装置100との間、及び銀行統括サーバ400との間でデータの送受信を行う。
【0031】
図5は、本発明の実施形態に係る銀行統括サーバ400のハードウェア構成の一例を示す図である。銀行統括サーバ400は、制御部401、記憶部402、表示部403、入力部404、及び通信部405を有する。銀行統括サーバ400は、図5に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0032】
制御部401は、CPU等であり、記憶部402のROMやHDD等に記憶されたプログラムを記憶部402のRAMに展開して順次実行することで、銀行統括サーバ400全体の動作を制御する。記憶部402は、RAM、ROM、HDD等であり、制御部401が実行するプログラム、各種設定情報等を記憶する。
表示部403は、例えばLCDのディスプレイであり、制御部401の制御のもとで銀行統括サーバ400の操作者に対して操作画面等を表示する。入力部404は、表示部403と一体化したタッチパネルで、操作者の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部401に通知される。
【0033】
通信部405は、制御部401の制御のもと、ネットワークNを通じてA銀行ホスト200とB銀行ホスト300との間で通信を行う。銀行統括サーバ400は、通信部405による通信を行うことで、A銀行ホスト200とB銀行ホスト300との間でデータの送受信を行う。
【0034】
図6は、口座管理システム500の機能構成の一例を示すブロック図である。口座管理システム500は、自動取引装置100、A銀行ホスト200、B銀行ホスト300、及び銀行統括サーバ400を含む。口座管理システム500は、図6に示していない他の構成を含んでいてもよい。
【0035】
自動取引装置100の制御部101は、連携部111、優先順位受付部112、残高判定部113、及び実行部114を備える。制御部101は、図6に示していない他の機能構成を含んでいてもよい。
【0036】
A銀行ホスト200の記憶部202は、口座情報テーブル211を記憶する。B銀行ホスト300の記憶部302は、口座情報テーブル311を記憶する。記憶部202及び記憶部302は、図6に示していない他の情報を記憶していてもよい。
【0037】
図7は、口座情報テーブルの一例を示す図である。図7(1)は、A銀行ホスト200の記憶部202に記憶される口座情報テーブル211を示す。図7(2)は、B銀行ホスト300の記憶部302に記憶される口座情報テーブル311を示す。口座情報テーブル211に記憶されている情報と、口座情報テーブル311に記憶されている情報と、は同じ構成であるからあわせて説明する。口座情報テーブル211及び口座情報テーブル311は口座情報の一例である。
【0038】
口座情報テーブル211及び口座情報テーブル311には、主キーに対応してサブ情報が記憶される。主キーは口座番号に紐づいた情報である。主キーには、金融機関コード、支店コード、科目、及び口座番号の情報が含まれる。サブ情報には、主キーの口座番号に対応する名義人名、暗証番号、及び残高の情報が含まれる。
【0039】
銀行統括サーバ400の記憶部402は、管理情報テーブル411を記憶する。記憶部402は、図6に示していない他の情報を記憶していてもよい。
【0040】
図8は、管理情報テーブルの一例を示す図である。管理情報テーブル411には、主キーに対応してサブ情報が記憶される。主キーは口座番号に紐づいた情報である。主キーには、金融機関コード、支店コード、科目、及び口座番号の情報が含まれる。サブ情報には、優先順位設定の情報が含まれる。優先順位設定の情報は、優先する口座情報の順位を示す情報である。例えば、優先順位設定の情報に、A銀行とB銀行のいずれの金融機関を優先するかを示す情報が記憶される。
【0041】
図6の説明に戻り、連携部111は、少なくとも2以上の口座情報をそれぞれ連携する。少なくとも2以上の口座情報は、それぞれ異なる金融機関に対応する情報である。例えば、連携部111は、自動取引装置100の操作者の入力部104に対する入力操作に基づき口座登録の指示を受け付けると、A銀行ホスト200及びB銀行ホスト300に対し、口座連携照会要求電文を送信して、口座情報の連携を要求する。
【0042】
連携部111は、口座連携照会要求電文に応じてA銀行ホスト200及びB銀行ホスト300から応答された応答電文に含まれる名義人名が一致しているか否かを判定する。A銀行ホスト200及びB銀行ホスト300から応答された応答電文に含まれる名義人名が一致している場合には、連携部111は、A銀行ホスト200を介して銀行統括サーバ400に対して口座連携登録の要求を行う。銀行統括サーバ400の制御部401は、口座連携登録の要求に応じてA銀行ホスト200の口座情報とB銀行ホスト300の口座情報との間の連携情報を登録する。
【0043】
優先順位受付部112は、連携部111により連携された口座情報のうち、優先する口座情報の順位を受け付ける。優先順位受付部112は、自動取引装置100の操作者の入力部104に対する入力操作に基づき優先順位の指示を受け付けると、A銀行ホスト200又はB銀行ホスト300を介して銀行統括サーバ400に対して優先順位設定要求を行い、優先順位の登録を要求する。銀行統括サーバ400は、優先順位設定要求に応じて要求された優先順位の情報を管理情報テーブル411のサブ情報に記憶する。
【0044】
残高判定部113は、連携部111により連携された口座情報のうち、一の口座情報に対する金融取引の指示を受け付けた場合に、金融取引に対応する取引金額が一の口座情報に含まれる残高に対して不足しているか否かを判定する。
【0045】
実行部114は、残高判定部113が判定した結果、取引金額に対して残高が不足している場合には、連携された口座情報のうち、一の口座情報以外の他の口座情報の残高を参照して金融取引を実行する。
【0046】
次に、口座管理システム500において実行される口座管理処理について説明する。図9図12は、口座管理システム500において実行される口座管理処理のうち口座登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。口座登録処理は、後述の口座連携処理に先立って行われる処理である。図9は、口座管理システム500において実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その1)を示す。図10は、口座管理システム500において実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その2)を示す。図11は、口座管理システム500において実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その3)を示す。図12は、口座管理システム500において実行される口座登録処理の一例を示すシーケンスチャート(その4)を示す。
【0047】
口座登録処理は、自動取引装置100の制御部101、A銀行ホスト200の制御部201、B銀行ホスト300の制御部301、及び銀行統括サーバ400の制御部401によって実行される。
【0048】
はじめに、自動取引装置100の制御部101は、取引選択画面を表示部103に表示する(ステップS101)。
【0049】
図13は、表示部103に表示される取引選択画面610の一例を示す図である。取引選択画面610には、複数の取引キーが表示されている。取引選択画面610に表示されている取引キーとして、預入キー611、残高照会キー612、口座登録キー613、払戻キー614、定額定期キー615、及びENGLISHキー616が配置されている。
【0050】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS101で表示した取引選択画面610に表示された取引キーのうち口座登録キー613がタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて選択されたか否かを判定する(ステップS102)。
【0051】
口座登録キー613が選択されない場合(ステップS102:NO)には、口座登録キー613が選択されるまでの間処理を待機する。口座登録キー613が選択された場合(ステップS102:YES)には、制御部101は、A銀行のキャッシュカードの挿入を促すメッセージが含まれるカード挿入画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS103)。
【0052】
操作者の操作に基づきA銀行のキャッシュカードの挿入を受け付けると、制御部101は、A銀行のキャッシュカードのMS(磁気ストライプ:Magnetic Stripe)から、A銀行の口座情報を取得する(ステップS104)。A銀行のキャッシュカードのMSには、A銀行の口座番号、及び後述の口座登録情報を含む口座情報が格納されている。A銀行のキャッシュカードにIC(Integrated Circuit)チップがついている場合には、制御部101は、A銀行のキャッシュカードのICからA銀行の口座情報を取得してもよい。A銀行のキャッシュカードのICには、A銀行の口座番号を含む情報が格納されている。
【0053】
制御部101は、A銀行の暗証番号の入力を促すメッセージが含まれる暗証番号入力画面(図示せず)を表示部103に表示し、タッチパネルディスプレイの入力部104を通じてA銀行の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS105)。
【0054】
制御部101は、口座連携照会要求電文をA銀行ホスト200へ送信する(ステップS106)。口座連携照会要求電文には、キャッシュカードから取得したA銀行の口座番号、暗証番号の情報が含まれる。
【0055】
口座連携照会要求電文を受け付けたA銀行ホスト200の制御部201は、口座連携照会要求電文に含まれるA銀行の口座番号を参照して、口座連携照会要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS107)。暗証番号が一致することが確認されると制御部201は、口座番号に対応する仮申請フラグをONにする(ステップS108)。仮申請フラグは、口座連携照会要求の有無を示す情報である。仮申請フラグがONである場合には、口座連携照会要求が行われていることを示し、仮申請フラグがOFFである場合には、口座連携照会要求が行われていないことを示す。
【0056】
制御部201は、A銀行の口座番号に対応する名義人名と、暗証番号の確認結果を含む応答電文を自動取引装置100へ送信する(ステップS109)。自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS110)。応答電文に暗証番号の確認結果が不一致であることが示されている場合には、制御部201は、電文の判定結果はNG(ステップS110:NG)であると判定し、口座管理処理は終了となる。
【0057】
応答電文に暗証番号の確認結果が一致していることが示されている場合には、制御部201は、電文の判定結果はOK(ステップS110:OK)であると判定し、制御部101は、B銀行のキャッシュカードの挿入を促すメッセージが含まれるカード挿入画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS111)。
【0058】
操作者の操作に基づきB銀行のキャッシュカードの挿入を受け付けると、制御部101は、B銀行のキャッシュカードのMSから、B銀行の口座情報を取得する(ステップS112)。B銀行のキャッシュカードのMSには、B銀行の口座番号を含む情報が格納されている。B銀行のキャッシュカードにICチップがついている場合には、制御部101は、B銀行のキャッシュカードのICからB銀行の口座情報を取得してもよい。B銀行のキャッシュカードのICには、B銀行の口座番号を含む情報が格納されている。
【0059】
制御部101は、B銀行の暗証番号の入力を促すメッセージが含まれる暗証番号入力画面(図示せず)を表示部103に表示し、タッチパネルディスプレイの入力部104を通じてB銀行の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS113)。
【0060】
制御部101は、口座連携照会要求電文をB銀行ホスト300へ送信する(ステップS114)。口座連携照会要求電文には、B銀行のキャッシュカードから取得したB銀行の口座番号、暗証番号の情報が含まれる。
【0061】
口座連携照会要求電文を受け付けたB銀行ホスト300の制御部301は、口座連携照会要求電文に含まれるB銀行の口座番号を参照して、口座連携照会要求電文に含まれるB銀行の暗証番号と、記憶部302の口座情報テーブル311に記憶されている暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS115)。
【0062】
暗証番号が一致することが確認されると制御部301は、B銀行の口座番号に対応する名義人名と、暗証番号の確認結果を含む応答電文を自動取引装置100へ送信する(ステップS116)。自動取引装置100の制御部101は、B銀行ホスト300から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS117)。応答電文に暗証番号の確認結果が不一致であることが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS117:NG)であると判定し、口座管理処理は終了となる。
【0063】
応答電文に暗証番号の確認結果が一致していることが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS110:OK)であると判定し、名義人名の判定を行う(ステップS118)。名義人名の判定では、ステップS109においてA銀行ホスト200から送信された応答電文に含まれる名義人名と、ステップS116においてB銀行ホスト300から送信された応答電文に含まれる名義人名と、が一致するか否かが判定される。
【0064】
A銀行ホスト200から送信された応答電文に含まれる名義人名と、B銀行ホスト300から送信された応答電文に含まれる名義人名と、が一致しない場合には名義人名の判定はNG(ステップS118:NG)であると判定され、口座登録処理は終了となる。A銀行ホスト200から送信された応答電文に含まれる名義人名と、B銀行ホスト300から送信された応答電文に含まれる名義人名と、が一致する場合には名義人名の判定はOK(ステップS118:OK)であると判定され、自動取引装置100の制御部101は、口座連携要求電文をA銀行ホスト200へ送信する(ステップS119)。口座連携要求電文には、口座連携を行うA銀行の口座番号の情報と、B銀行の口座番号の情報と、が含まれる。
【0065】
A銀行ホスト200の制御部201は、仮申請フラグがONであるか否かを判定する(ステップS120)。仮申請フラグがOFFである場合には、制御部201は、口座連携ができない旨の応答電文を自動取引装置100へ送信し口座登録処理を終了する。
【0066】
仮申請フラグがONである場合には、口座連携登録依頼電文を銀行統括サーバ400へ送信する(ステップS121)。口座連携登録依頼電文には、口座連携を行うA銀行の口座番号の情報と、B銀行の口座番号の情報と、が含まれる。口座連携登録依頼電文を受信した銀行統括サーバ400の制御部401は、口座間連携情報登録を行う。口座間連携情報登録では、口座連携登録依頼電文に含まれる口座連携を行うA銀行の口座番号の情報と、B銀行の口座番号の情報と、を連携する(紐づける)処理が行われる。制御部401は、A銀行の口座番号の情報と、B銀行の口座番号の情報と、を連携した情報(口座間連携情報)を管理情報テーブル411に記憶(登録)する(ステップS122)。
【0067】
銀行統括サーバ400の制御部401は、登録結果をA銀行ホスト200へ送信する(ステップS123)。登録結果を受けたA銀行ホスト200の制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS124)。
【0068】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS125)。応答電文に口座連携ができないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS125:NG)であると判定し、口座登録処理は終了となる。
【0069】
応答電文に口座連携ができたことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS125:OK)であると判定し、優先順位設定画面を表示部103に表示する(ステップS126)。
【0070】
図14は、表示部103に表示される優先順位設定画面620の一例を示す図である。優先順位設定画面620には、優先する金融機関を選択する選択キーが表示されている。優先順位設定画面620に表示されている選択キーとして、A銀行選択キー621、B銀行選択キー622が配置されている。
【0071】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS126で表示した優先順位設定画面620に表示された選択キーのうち優先する金融機関を選択する選択キーをタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて入力を受け付ける(ステップS127)。優先順位設定画面620に表示されたA銀行選択キー621が選択された場合には、制御部101は、A銀行を優先する金融機関の順位として選択する。優先順位設定画面620に表示されたB銀行選択キー622が選択された場合には、制御部101は、B銀行を優先する金融機関の順位として選択する。
【0072】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200に優先順位設定要求電文を送信する(ステップS128)。優先順位設定要求電文には、ステップS127で受け付けた金融機関の優先順位の情報が含まれる。
【0073】
A銀行ホスト200の制御部201は、優先順位設定要求電文を受け付けると、銀行統括サーバ400に優先順位登録要求電文を送信する(ステップS129)。優先順位設定要求電文には、ステップS127で受け付けた優先する金融機関の順位の情報が含まれる。
【0074】
銀行統括サーバ400の制御部401は、優先順位設定要求電文に含まれる金融機関の情報に基づき優先順位の登録を行う(ステップS130)。優先順位設定要求電文に優先する金融機関の順位としてA銀行が選択されている場合には、制御部401は、優先する金融機関の順位としてA銀行、B銀行の順に登録する。優先順位設定要求電文に優先する金融機関の順位としてB銀行が選択されている場合には、制御部401は、優先する金融機関の順位としてB銀行、A銀行の順に登録する。制御部401は、優先する金融機関の順位を管理情報テーブル411の優先順位設定として登録する。
【0075】
制御部401は、優先順位の登録結果をA銀行ホスト200へ送信する(ステップS131)。登録結果を受け付けたA銀行ホスト200の制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS132)。
【0076】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS133)。応答電文に優先順位の登録ができないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS133:NG)であると判定し、口座登録処理は終了となる。
【0077】
応答電文に優先順位の登録ができたことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS133:OK)であると判定し、制御部101は、B銀行のキャッシュカードのMSに対し口座登録情報の書き込みを行う(ステップS134)。口座登録情報は、少なくとも2以上の金融機関の口座情報が連携されていることを示す情報(フラグ)である。口座登録情報の書き込みは、B銀行のキャッシュカードのMSの任意の空き領域に行うことができる。B銀行のキャッシュカードにICチップがついている場合には、制御部101は、B銀行のキャッシュカードのICの任意の空き領域に対し口座登録の情報の書き込みを行うことができる。
【0078】
制御部101は、B銀行のキャッシュカードを返却することを報知するメッセージが含まれるカード返却画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS135)。その後、制御部101は、B銀行のキャッシュカードを自動取引装置100から放出し(ステップS136)、B銀行のキャッシュカードを操作者に返却する。
【0079】
制御部101は、A銀行のキャッシュカードのMSに対し口座登録情報の書き込みを行う(ステップS137)。口座登録情報の書き込みは、A銀行のキャッシュカードのMSの任意の空き領域に行うことができる。A銀行のキャッシュカードにICチップがついている場合には、制御部101は、A銀行のキャッシュカードのICの任意の空き領域に対し口座登録の情報の書き込みを行うことができる。
【0080】
制御部101は、A銀行のキャッシュカードを返却することを報知するメッセージが含まれるカード返却画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS138)。その後、制御部101は、A銀行のキャッシュカードを自動取引装置100から放出し(ステップS139)、A銀行のキャッシュカードを操作者に返却する。この処理が終了すると口座登録処理は終了となる。
【0081】
次に、口座管理システム500において実行される口座管理処理について説明する。図15図20は、口座管理システム500において実行される口座管理処理のうち口座連携処理の一例を示すシーケンスチャートである。口座連携処理は、図9図12を参照して説明した口座登録処理の後に行われる処理である。図15は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その1)を示す。図16は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その2)を示す。図17は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その3)を示す。図18は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その4)を示す。図19は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その5)を示す。図20は、口座管理システム500において実行される口座連携処理の一例を示すシーケンスチャート(その6)を示す。
【0082】
口座連携処理は、自動取引装置100の制御部101、A銀行ホスト200の制御部201、B銀行ホスト300の制御部301、及び銀行統括サーバ400の制御部401によって実行される。
【0083】
はじめに、自動取引装置100の制御部101は、図13に示す取引選択画面を表示部103に表示する(ステップS201)。
【0084】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS201で表示した取引選択画面610に表示された取引キーのうち払戻キー614がタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて選択されたか否かを判定する(ステップS202)。
【0085】
払戻キー614が選択されない場合(ステップS202:NO)には、払戻キー614が選択されるまでの間処理を待機する。払戻キー614が選択された場合(ステップS202:YES)には、制御部101は、A銀行のキャッシュカードの挿入を促すメッセージが含まれるカード挿入画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS203)。
【0086】
操作者の操作に基づきA銀行のキャッシュカードの挿入を受け付けると、制御部101は、A銀行のキャッシュカードのMSから、A銀行の口座情報を取得する(ステップS204)。A銀行のキャッシュカードのMSには、A銀行の口座番号、及び口座登録情報を含む口座情報が格納されている。A銀行のキャッシュカードにICチップがついている場合には、制御部101は、A銀行のキャッシュカードのICからA銀行の口座情報を取得してもよい。A銀行のキャッシュカードのICには、A銀行の口座番号を含む情報が格納されている。
【0087】
制御部101は、ステップS204でA銀行のキャッシュカードから取得した口座情報に口座登録情報が含まれるか否かを判定する(ステップS205)。口座登録情報が含まれていない場合(ステップS205:NO)には、金融機関の口座情報が連携されていないことを示すため、制御部101は、自動取引装置100で行われる既存の取引処理を行い、その後処理を終了する(ステップS206)。
【0088】
口座登録情報が含まれている場合(ステップS205:YES)には、金融機関の口座情報が連携されていることを示すため、制御部101は、A銀行ホスト200に対し口座登録照会要求電文を送信する(ステップS207)。口座登録照会要求電文には、金融機関コード、支店コード、科目、口座番号の情報が含まれる。
【0089】
A銀行ホスト200の制御部201は、銀行統括サーバ400に対し口座登録照会要求電文を送信する(ステップS208)。ステップS208で送信される口座登録照会要求電文は、ステップS207で送信された口座登録照会要求電文とほぼ同内容である。
【0090】
銀行統括サーバ400の制御部401は、口座登録照会要求電文に含まれる口座情報が管理情報テーブル411に登録されているかを検索する口座登録情報検索を行う(ステップS209)。口座登録照会要求電文に含まれる口座情報が管理情報テーブル411に登録されている場合には、制御部401は、A銀行の口座情報に連携済みの口座情報をA銀行ホスト200へ送信する(ステップS210)。連携済みの口座情報には、B銀行の口座情報が含まれる。連携済みの口座情報を受けたA銀行ホスト200の制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS211)。
【0091】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS212)。応答電文に口座連携ができないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS212:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0092】
応答電文に口座連携ができたことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS212:OK)であると判定し、優先銀行確認画面を表示部103に表示する(ステップS213)。
【0093】
図21は、表示部103に表示される優先順位確認画面630の一例を示す図である。優先順位確認画面630には、不足金額があった場合に優先する金融機関の優先順位(順番)631、訂正キー632、確認キー633が配置されている。
【0094】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS213で表示した優先順位確認画面630に表示されたキーのうち訂正キー632をタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS214)。訂正キー632は、優先順位の訂正を受け付けるキーである。訂正キー632をタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて入力を受け付けていない場合(ステップS214:NO)には、処理はステップS217へ進む。訂正キー632をタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて入力を受け付けた場合(ステップS214:YES)には、制御部101は、優先順位の訂正を受け付けたと判定し、優先銀行金融機関選択画面を表示部103に表示する(ステップS215)。
【0095】
図22は、表示部103に表示される優先金融機関選択画面640の一例を示す図である。優先金融機関選択画面640には、優先する金融機関を選択する選択キーが表示されている。優先金融機関選択画面640に表示されている選択キーとして、A銀行選択キー641、B銀行選択キー642が配置されている。
【0096】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS215で表示した優先金融機関選択画面640に表示された選択キーのうち優先する金融機関を選択する選択キーをタッチパネルディスプレイの入力部104を通じて入力を受け付ける(ステップS216)。優先金融機関選択画面640に表示されたA銀行選択キー641が選択された場合には、制御部101は、A銀行を優先する金融機関の順位として選択する。優先金融機関選択画面640に表示されたB銀行選択キー642が選択された場合には、制御部101は、B銀行を優先する金融機関の順位として選択する。
【0097】
制御部101は、A銀行の暗証番号の入力を促すメッセージが含まれる暗証番号入力画面(図示せず)を表示部103に表示し、タッチパネルディスプレイの入力部104を通じてA銀行の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS217)。
【0098】
制御部101は、引出金額の入力を促すメッセージが含まれる引出金額入力画面(図示せず)を表示部103に表示し、タッチパネルディスプレイの入力部104を通じて引出金額の入力を受け付ける(ステップS218)。制御部101は、受け付けた引出金額の確認を促すメッセージが含まれる金額確認画面(図示せず)を表示部103に表示する(ステップS219)。
【0099】
制御部101は、A銀行ホスト200へ残高照会要求電文を送信する(ステップS220)。残高照会要求電文には、口座番号、引出金額、及び暗証番号の情報が含まれる。
【0100】
残高照会要求電文を受け付けたA銀行ホスト200の制御部201は、残高照会要求電文に含まれるA銀行の口座番号を参照して、残高照会要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS221)。暗証番号が一致することが確認されると制御部201は、残高照会要求電文に含まれる引出金額が、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の残高に足りているかを確認する残高照会を行う(ステップS222)。残高照会が終わると制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS223)。
【0101】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS224)。応答電文に暗証番号が一致しないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS224:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0102】
応答電文に暗証番号が一致することが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS224:OK)であると判定し、応答電文に基づいて残高判定を行う(ステップS225)。応答電文に残高が足りることが示されている場合には、制御部101は、残高判定はOKであると判定し(ステップS225:OK)、通常の取引処理と同様に、A銀行ホスト200へ払戻要求電文を送信する(ステップS226)。払戻要求電文には暗証番号、及び引出金額の情報が含まれる。
【0103】
払戻要求電文を受け付けたA銀行ホスト200の制御部201は、払戻要求電文に含まれるA銀行の口座番号を参照して、払戻要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS227)。暗証番号が一致することが確認されると制御部201は、口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の残高を払戻要求電文に含まれる引出金額で減算して更新する(ステップS228)。残高の更新が終わると制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS229)。
【0104】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS230)。応答電文に暗証番号が一致しないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS230:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0105】
応答電文に暗証番号が一致することが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS230:OK)であると判定し、引出金額に対応した現金を計数し(ステップS231)、計数した現金を放出する(ステップS232)。制御部201は、放出した金額を明細票に印字して放出する(ステップS233)。この処理が終了すると口座連携処理は終了となる。
【0106】
ステップS225の説明に戻り、応答電文に残高が足りないことが示されている場合には、制御部101は、残高判定はNGであると判定し(ステップS225:NG)、処理はステップS234へ進む。
【0107】
制御部101は、登録済みの口座全てに対してステップS222の残高照会を実施したか否かを判定する(ステップS234)。登録済みの口座全てに対してステップS222の残高照会を実施した場合(ステップS234:YES)には、口座連携処理は終了となる。すなわち、全ての口座に対して残高照会が実施済みの場合、全ての口座の残高を合算しても払出金額に足りないため、この場合処理は終了する。
【0108】
登録済みの口座全てに対してステップS222の残高照会を実施していない場合(ステップS234:NO)には、制御部101は、金融機関選択画面を表示部103に表示する(ステップS235)。
【0109】
図23は、表示部103に表示される金融機関選択画面650の一例を示す図である。金融機関選択画面650には、不足金額651、及び不足金額を補う金融機関を選択する金融機関選択キー652が表示されている。
【0110】
自動取引装置100の制御部101は、ステップS235で表示した金融機関選択画面650に表示された金融機関選択キー652により金融機関の選択を受け付ける(ステップS236)。
【0111】
制御部101は、B銀行の暗証番号の入力を促すメッセージが含まれる暗証番号入力画面(図示せず)を表示部103に表示し、タッチパネルディスプレイの入力部104を通じてB銀行の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS237)。
【0112】
制御部101は、B銀行ホスト300へ残高照会要求電文を送信する(ステップS238)。残高照会要求電文には、B銀行の口座番号、引出金額、及び暗証番号の情報が含まれる。B銀行へ送信される引出金額は、A銀行の残高から減算した金額となる。
【0113】
残高照会要求電文を受け付けたB銀行ホスト300の制御部301は、残高照会要求電文に含まれるB銀行の口座番号を参照して、残高照会要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部302の口座情報テーブル311に記憶されているB銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS239)。暗証番号が一致することが確認されると制御部301は、残高照会要求電文に含まれる引出金額が、記憶部302の口座情報テーブル311に記憶されているB銀行の残高に足りているかを確認する残高照会を行う(ステップS240)。残高照会が終わると制御部301は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS241)。
【0114】
自動取引装置100の制御部101は、B銀行ホスト300から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS242)。応答電文に暗証番号が一致しないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS242:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0115】
応答電文に暗証番号が一致することが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS242:OK)であると判定し、応答電文に基づいて残高判定を行う(ステップS243)。応答電文に残高が足りないことが示されている場合には、制御部101は、残高判定はNGであると判定し(ステップS243:NO)、口座連携処理は終了となる。
【0116】
応答電文に残高が足りることが示されている場合には、制御部101は、残高判定はOKであると判定し(ステップS243:OK)、A銀行ホスト200へ払戻要求電文を送信する(ステップS244)。払戻要求電文には暗証番号、及び引出金額の情報が含まれる。
【0117】
払戻要求電文を受け付けたA銀行ホスト200の制御部201は、払戻要求電文に含まれるA銀行の口座番号を参照して、払戻要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS245)。暗証番号が一致することが確認されると制御部201は、口座情報テーブル211に記憶されているA銀行の残高を払戻要求電文に含まれる引出金額で減算して更新する(ステップS246)。残高の更新が終わると制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS247)。
【0118】
自動取引装置100の制御部101は、A銀行ホスト200から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS248)。応答電文に暗証番号が一致しないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS248:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0119】
応答電文に暗証番号が一致することが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS248:OK)であると判定し、B銀行ホスト300へ払戻要求電文を送信する(ステップS249)。払戻要求電文には暗証番号、及び引出金額の情報が含まれる。
【0120】
払戻要求電文を受け付けたB銀行ホスト300の制御部201は、払戻要求電文に含まれるB銀行の口座番号を参照して、払戻要求電文に含まれる暗証番号と、記憶部202の口座情報テーブル211に記憶されているB銀行の暗証番号と、が一致するか確認する(ステップS250)。暗証番号が一致することが確認されると制御部201は、口座情報テーブル211に記憶されているB銀行の残高を払戻要求電文に含まれる引出金額で減算して更新する(ステップS251)。残高の更新が終わると制御部201は、許可応答を自動取引装置100へ送信する(ステップS252)。
【0121】
自動取引装置100の制御部101は、B銀行ホスト300から送信された応答電文に基づいて電文の判定を行う(ステップS253)。応答電文に暗証番号が一致しないことが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はNG(ステップS253:NG)であると判定し、口座連携処理は終了となる。
【0122】
応答電文に暗証番号が一致することが示されている場合には、制御部101は、電文の判定結果はOK(ステップS253:OK)であると判定し、引出金額に対応した現金を計数し(ステップS254)、計数した現金を放出する(ステップS255)。制御部101は、放出した金額を明細票に印字して放出する(ステップS256)。制御部101は、A銀行のキャッシュカードを放出し、口座連携処理は終了となる。
【0123】
このようにA銀行の口座とB銀行の口座とが連携済みである場合には、取引を行いたい銀行のキャッシュカードが手元にない場合であっても、何れか一方の銀行のキャッシュカードに基づいて取引を行うことができる。また、A銀行の口座に残高がないことが分かった場合には、残高のあるB銀行のキャッシュカードに変更せずに取引を行うことができ、取引に余計な時間をかける必要がなくなる。
【0124】
また、自動取引装置100の操作者は、キャッシュカードを銀行の口座分保持する必要がないため、管理が容易となり、キャッシュカードの紛失や盗難のリスクを減らすことができる。このため、最小限のキャッシュカードで利用頻度の低い口座の管理を行うことができる。
【0125】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることはもちろんである。
【0126】
例えば、定期的な自動引き落としがある口座に関して、自動引き落としの際に残高不足が発生した場合には、優先順位受付部112が受け付けた口座の優先順位に従って自動的に別の金融機関の口座から不足分の引き出しを行うようにすることができる。なお、優先順位には、一定金額以下になる場合には、自動的に引出しを行わない設定を含めることもできる。
【0127】
また、上述の実施形態では、A銀行とB銀行の2つの金融機関の口座からの払戻取引を行うようにしている。2つ以上の金融機関の口座からの払戻取引を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0128】
100 :自動取引装置
101 :制御部
102 :記憶部
103 :表示部
104 :入力部
105 :カード処理部
106 :紙幣処理部
107 :硬貨処理部
108 :通信部
111 :連携部
112 :優先順位受付部
113 :残高判定部
114 :実行部
200 :A銀行ホスト
201 :制御部
202 :記憶部
203 :表示部
204 :入力部
205 :通信部
211 :口座情報テーブル
300 :B銀行ホスト
301 :制御部
302 :記憶部
303 :表示部
304 :入力部
305 :通信部
311 :口座情報テーブル
400 :銀行統括サーバ
401 :制御部
402 :記憶部
403 :表示部
404 :入力部
405 :通信部
411 :管理情報テーブル
500 :口座管理システム
N :ネットワーク
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