(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】排気浄化フィルタ
(51)【国際特許分類】
F01N 3/022 20060101AFI20241008BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
F01N3/022 C
F01N3/035 A
(21)【出願番号】P 2021511370
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020011275
(87)【国際公開番号】W WO2020203198
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/014004
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】関 千晶
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】古川 敦史
(72)【発明者】
【氏名】松尾 雄一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尚宏
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-82745(JP,A)
【文献】特開2011-41933(JP,A)
【文献】特表2019-505365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/022
F01N 3/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関の排気中の粒子状物質を捕捉して浄化する排気浄化フィルタであって、
排気の流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルが多孔質の隔壁により区画形成され、且つ、前記流出側端面における開口が目封じされた流入側セルと、前記流入側端面における開口が目封じされた流出側セルと、が交互に配置されたフィルタ基材と、
前記隔壁に担持された排気浄化触媒と、を備え、
前記フィルタ基材の体積基準によるメジアン気孔径(D50)は、20μmよりも大きく、
前記フィルタ基材の気孔分布の半値幅は、7μm~15μmであり、
前記排気浄化触媒は、前記排気浄化触媒の密度が相対的に高い高密度層と、前記排気浄化触媒の密度が相対的に低い低密度層と、に偏在して担持され、
前記高密度層は、前記隔壁を厚み方向に均等に4層に分割したときの前記4層のうち、
前記隔壁内に流入した排気が流出する前記隔壁の出口側に最も近い層であり、
前記高密度層には、一つの前記隔壁における前記排気浄化触媒の全担持量のうちの50質量%以上の排気浄化触媒が配置される、排気浄化フィルタ。
【請求項2】
前記フィルタ基材の気孔分布の半値幅は、7μm~9μmである、請求項
1に記載の排気浄化フィルタ。
【請求項3】
前記フィルタ基材の気孔率は、63%以上である、請求項1
または2に記載の排気浄化フィルタ。
【請求項4】
前記排気浄化触媒は、酸素吸放出材に担持される、請求項1から
3いずれかに記載の排気浄化フィルタ。
【請求項5】
前記排気浄化触媒は、三元触媒であり、
前記排気浄化フィルタは、GPFである、請求項1から
4いずれかに記載の排気浄化フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化触媒を備える排気浄化フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載されるガソリンエンジンにおいて、燃焼効率の向上等の観点から、直噴ガソリンエンジンの採用が進められている。ところが、この直噴ガソリンエンジンでは、PM等の粒子状物質がポートインジェクション(PI)エンジンよりも多く排出されるため、近年のエミッション規制(PM排出規制、PN(排出微粒子の粒子数)規制)の強化に伴って、ガソリンエンジンの排気通路に粒子状物質を捕捉する排気浄化フィルタ(Gasoline Particulate Filter、以下「GPF」という。)を設ける技術の検討が進められている。
【0003】
また、ガソリンエンジンの排気通路には、排気中に含まれるCO、HC及びNOxを浄化する三元触媒(以下、「TWC」という。)が、ハニカム支持体に担持された状態で設けられる。特に近年では、触媒浄化の要求性能を満たすために複数のTWCが直列に排気通路に配置される。そのため、これら複数のTWCに加え、GPFを新たに排気通路に設けるのは、圧力損失やコストの観点から好ましくない。
【0004】
そこで、GPFにTWCを担持させ、粒子状物質捕捉性能に加えて三元浄化機能をGPFに付与する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、所望の粒子状物質捕捉性能を得るためには、GPFを構成するフィルタ基材として気孔径の小さいものを用いる必要があり、その場合には圧損が上昇して出力の低下を招くという課題があった。さらにこの課題は、走行距離が延びるほど、オイル由来のアッシュ(Ash、灰)等の粒子状物質が排気浄化フィルタに多く捕捉されるため、より顕著であった。
【0007】
また、触媒をコートすることにより粒子状物質捕捉性能を向上させる手法もあるが、従来の気孔径のフィルタ基材への触媒担持では、上述の圧損の観点からGPFに担持する触媒量が制限され、排気浄化性能も従来のTWCほど期待できなかった。即ち、圧損と、排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能は、互いにトレードオフの関係にあった。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧損を低減できるとともに、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を有する排気浄化フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気通路(例えば、後述の排気管3)に設けられ、前記内燃機関の排気中の粒子状物質を捕捉して浄化する排気浄化フィルタであって、排気の流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルが多孔質の隔壁(例えば、後述の隔壁323)により区画形成され、且つ、前記流出側端面における開口が目封じされた流入側セルと、前記流入側端面における開口が目封じされた流出側セルと、が交互に配置されたフィルタ基材(例えば、後述のフィルタ基材320)と、前記隔壁に担持された排気浄化触媒(例えば、後述のTWC33)と、を備え、前記フィルタ基材の体積基準によるメジアン気孔径(D50)は、18μm以上であり、前記フィルタ基材の気孔分布の半値幅は、7μm~15μmであり、前記排気浄化触媒は、前記排気浄化触媒の密度が相対的に高い高密度層(例えば、後述の高密度層331)と、前記排気浄化触媒の密度が相対的に低い低密度層(例えば、後述の低密度層332)と、に偏在して担持される、排気浄化フィルタ(例えば、後述のGPF32)を提供する。
【0010】
(1)の発明では、所謂ウォールフロー型のフィルタ基材に排気浄化触媒が担持された排気浄化フィルタにおいて、フィルタ基材のメジアン気孔径が比較的大きい18μm以上であるとともに、フィルタ基材に担持される排気浄化触媒が、相対的に密度が高い層と低い層とに偏在して配置される。
(1)の発明によれば、気孔径が比較的大きい気孔を有する隔壁の厚み方向の一部に、排気浄化触媒が層状且つ高密度に配置された高密度層を有するため、排気の流路が十分確保されるとともに、排気の流れの均一性が確保される結果、圧損の上昇を許容範囲内に抑制することができる。
ここで、粒子状物質による初期の圧損上昇と、粒子状物質堆積後の圧損上昇とは相関関係にあることが本出願人により見出されている。即ち、粒子状物質による初期の圧損上昇を抑制できれば、粒子状物質堆積後の圧損上昇を低減できる。この点、上述した(1)の発明の圧損上昇抑制効果は、初期の段階から発揮されるため、(1)の発明によれば、粒子状物質堆積後の圧損上昇を低減することができる。
【0011】
また、(1)の発明によれば、排気浄化触媒が隔壁の厚み方向の一部に層状且つ高密度に配置された高密度層を有するため、高密度に配置された排気浄化触媒によって狭められた流路を排気が確実に通過することとなり、高い粒子状物質の捕捉性能と高い排気浄化性能が得られる。
従って、(1)の発明によれば、粒子状物質による初期の圧損上昇を抑制することができ、粒子状物質堆積後の圧損を低減できる。ひいては、排気浄化触媒の担持量を制限することなく圧損を低減できるため、圧損を低減できるとともに、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を有する排気浄化フィルタを提供できる。
【0012】
さらには、(1)の発明では、フィルタ基材の気孔分布におけるピークの半値幅が7μm~15μmである。即ち、(1)の発明に係る排気浄化フィルタは、気孔径が大きく、気孔分布の半値幅が狭い。これにより、フィルタ基材に排気浄化触媒を担持する際に、排気浄化触媒を含むスラリーが毛細管現象によって気孔径の小さい気孔に優先的に流入することによって、該気孔が塞がれることを抑制できる。そのため、触媒担持後においても隔壁内の排気の流路の減少を抑制でき、触媒担持後の圧損上昇をより抑制できる排気浄化フィルタを提供できる。また、流路数が多いことにより、粒子状物質を含む排気と排気浄化触媒との接触確率が上がるため、より高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を有する排気浄化フィルタを提供できる。
【0013】
(2) (1)の排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層は、前記隔壁の外表面上に配置されてもよい。
【0014】
(2)の発明では、排気浄化触媒が高密度に配置された高密度層が、隔壁の外表面(排気の入口側表面及び出口側表面)上に配置される。これにより、排気浄化触媒によって隔壁内の気孔の気孔径が狭まることを抑制できるため、排気の流路をより十分に確保できる。従って、(2)の発明によれば、圧損をより低減できるとともに、より高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を有する排気浄化フィルタを提供できる。
【0015】
(3) (1)又は(2)の排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層には、一つの前記隔壁における前記排気浄化触媒の全担持量のうちの50質量%以上の排気浄化触媒が配置されてもよい。
【0016】
(3)の発明では、一つの隔壁に担持される排気浄化触媒のうちの50質量%以上が、隔壁の外表面上の高密度層に配置される。これにより、(1)、(2)の発明の効果がより高められる。
【0017】
(4) (1)から(3)いずれかの排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層は、前記隔壁に流入した排気が流出する前記隔壁の出口側の外表面上に配置されてもよい。
【0018】
(4)の発明では、排気浄化触媒が高密度に配置された高密度層が、隔壁の出口側の外表面上に配置される。これにより、入口側の外表面上に高密度層が配置される場合と比べて、入口側の気孔の気孔径が大きいまま維持されるため、気流層から隔壁内に排気が流入する際の圧損上昇を抑制できる。また、排気が流出する隔壁の出口側では、排気と排気浄化触媒との接触確率が上がるため、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を併せ持つ排気浄化フィルタを提供できる。
【0019】
(5) (1)の排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層は、前記隔壁内に配置されてもよい。
【0020】
(5)の発明では、排気浄化触媒が高密度に配置された高密度層が、隔壁内に配置される。これにより、隔壁内の厚み方向の一部に高密度層が配置されるため、高密度に配置された排気浄化触媒によって隔壁内の流路(気孔径)が狭められる結果、狭められた流路を排気がより確実に通過することとなり、より高い粒子状物質の捕捉性能と排気浄化性能が得られる。
【0021】
(6) (5)の排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層は、前記隔壁を厚み方向に均等に4層に分割したときの前記4層のうちのいずれかの層であり、前記高密度層には、一つの前記隔壁における前記排気浄化触媒の全担持量のうちの50質量%以上の排気浄化触媒が配置されてもよい。
【0022】
(6)の発明では、隔壁を厚み方向に4分割した時の4層のうちのいずれかが高密度層であり、該高密度層には、一つの隔壁に担持される排気浄化触媒のうちの50質量%以上が配置される。これにより、(1)、(5)の発明の効果がより高められる。
【0023】
(7) (6)の排気浄化フィルタにおいて、前記高密度層は、前記4層のうち、前記隔壁内に流入した排気が流出する前記隔壁の出口側に最も近い層であってもよい。
【0024】
(7)の発明では、排気浄化触媒が高密度に配置された高密度層が、最も隔壁の出口側に配置される。これにより、隔壁の入口側に高密度層が配置される場合と比べて、入口側の気孔の気孔径が大きいまま維持されるため、気流層から隔壁内に排気が流入する際の圧損上昇を抑制できる。また、排気が流出する隔壁の出口側では、排気と排気浄化触媒との接触確率が上がるため、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を併せ持つ排気浄化フィルタを提供できる。
【0025】
(8) (1)から(7)いずれかの排気浄化フィルタにおいて、前記フィルタ基材の気孔分布の半値幅は、7μm~9μmであってもよい。
【0026】
(8)の発明では、フィルタ基材の気孔分布におけるピークの半値幅が7μm~9μmである。これにより、(1)~(7)の発明の効果がより高められる。
【0027】
(9) (1)から(8)いずれかの排気浄化フィルタにおいて、前記フィルタ基材の気孔率は、63%以上であってもよい。
【0028】
(9)の発明では、フィルタ基材の気孔率が63%以上である。これにより、排気の流路がより十分に確保されるため、(1)~(8)の発明の効果がより高められる。
【0029】
(10) (1)から(9)いずれかの排気浄化フィルタにおいて、前記フィルタ基材の体積基準によるメジアン気孔径(D50)は、20μm以上であってもよい。
【0030】
(10)の発明では、フィルタ基材の体積基準によるメジアン気孔径(D50)が20μm以上である。これにより、(1)~(9)の発明の効果がより高められる。
【0031】
(11) (1)から(10)いずれかの排気浄化フィルタにおいて、前記排気浄化触媒は、三元触媒であり、前記排気浄化フィルタは、GPFであってもよい。
【0032】
(11)の発明では、(1)~(10)の排気浄化フィルタをGPFに適用し、排気浄化触媒として三元触媒を用いる。これにより、圧損を低減しつつ、排気中のCO、HC、NOx及び粒子状物質を高い浄化率で浄化できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、圧損を低減できるとともに、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能を有する排気浄化フィルタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図である。
【
図2】上記実施形態に係るGPFの断面模式図である。
【
図3A】上記実施形態に係るフィルタ基材の気孔分布の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Aの最大Log微分気孔容積分布dV/d(logD)(ml/g)を100として規格化し、プロットした図である。
【
図4A】上記実施形態に係るGPFの断面画像の一例を示す図である。
【
図4B】上記実施形態に係るGPFの断面画像の他の例を示す図である。
【
図10】実施例6に係るGPFの断面画像図である。
【
図11】実施例7に係るGPFの断面画像図である。
【
図12】実施例8に係るGPFの断面画像図である。
【
図13】実施例9に係るGPFの断面画像図である。
【
図14】比較例1に係るGPFの断面画像図である。
【
図15】比較例2に係るGPFの断面画像図である。
【
図16】比較例3に係るGPFの断面画像図である。
【
図17】実施例1~9及び比較例1~3に係るGPFの実車における粒子状物質の捕集効率とAsh堆積後の圧損との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という。)1の排気浄化装置2の構成を示す図である。
エンジン1は、直噴方式のガソリンエンジンである。
図1に示すように、排気浄化装置2は、排気が流通する排気管3の上流側から順に設けられた、TWC31と、排気浄化フィルタとしてのGPF32と、を備える。
【0037】
TWC31は、排気中のHCをH2OとCO2に、COをCO2に、NOxをN2にそれぞれ酸化又は還元することで浄化する。TWC31は、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ゼオライト等の酸化物からなる担体に、触媒金属としてPdやRh等の貴金属を担持させたものが用いられる。このTWC31は、通常、ハニカム支持体上に担持される。
【0038】
また、TWC31は、OSC能を有するOSC材を含む。OSC材としては、CeO2の他、CeO2とZrO2の複合酸化物(以下、「CeZr複合酸化物」という。)等が用いられる。中でも、CeZr複合酸化物は、高い耐久性を有するため好ましく用いられる。なお、これらOSC材に、上記触媒金属が担持されていてもよい。
【0039】
TWC31の調製方法については特に限定されず、従来公知のスラリー法等により調製される。例えば、上記の酸化物、貴金属、OSC材等を含むスラリーを調製後、調製したスラリーをコージェライト製ハニカム支持体にコートして焼成することにより調製される。
【0040】
GPF32は、排気中の粒子状物質を捕捉して浄化する。具体的には、後述する隔壁内の微細な細孔を排気が通過する際に、隔壁の表面に粒子状物質が堆積することで、粒子状物質を捕捉する。
【0041】
ここで、本明細書における粒子状物質には、すす(カーボンスート)、オイルの燃え残り(SOF)、オイルの燃え滓であるアッシュ(Ash、灰)、PM等の粒子状物質が含まれる。近年では、これら粒子状物質の排出規制が厳格化されてきており、これら粒子状物質の総排出重量(g/km、g/kW)の規制(PM規制)だけでなく、例えばPM2.5等の粒子径2.5μm以下の小さな粒子状物質の排出個数が規制(PN規制)されるようになってきている。これに対して、本実施形態に係るGPF32は、これらPM規制やPN規制に対応可能なものである。
【0042】
図2は、本実施形態に係るGPF32の断面模式図である。
図2に示すように、GPF32は、フィルタ基材320と、フィルタ基材320の隔壁323に担持された排気浄化触媒(本実施形態ではTWC33)と、を備える。
フィルタ基材320は、例えば軸方向に長い円柱形状であり、コージェライト、ムライト、シリコンカーバイド(SiC)等の多孔質体により形成される。フィルタ基材320には、流入側端面32aから流出側端面32bまで延びる複数のセルが設けられ、これらセルは隔壁323により区画形成される。
【0043】
フィルタ基材320は、流入側端面32aにおける開口を目封じする流入側目封じ部324を備える。流入側目封じ部324によって流入側端面32aにおける開口が目封じされたセルは、流入側端部が閉塞している一方で流出側端部が開口し、隔壁323内を通過した排気を下流へ流出させる流出側セル322を構成する。
流入側目封じ部324は、フィルタ基材320の流入側端面32aから目封じ用セメントを封入することで形成される。
【0044】
フィルタ基材320は、流出側端面32bにおける開口を目封じする流出側目封じ部325を備える。流出側目封じ部325によって流出側端面32bにおける開口が目封じされたセルは、流入側端部が開口する一方で流出側端部が閉塞しており、排気管3から排気が流入する流入側セル321を構成する。
流出側目封じ部325は、フィルタ基材320の流出側端面32bから目封じ用セメントを封入することで形成される。
【0045】
なお、セルの流入側端面32aにおける開口と、流出側端面32bにおける開口とが互い違いに目封じされることで、流出側端面32bにおける開口が目封じされた流入側セル321と、流入側端面32aにおける開口が目封じされた流出側セル322と、が交互に配置されている。より詳しくは、流入側セル321と流出側セル322とは、互いに格子状(市松状)に隣接して配置されている。
【0046】
図2中に矢印で示すように、流入側セル321に流入した排気は、気流層から隔壁323内に流入した後、隔壁323内を通過して流出側セル322へと流出する。排気が隔壁323に流入する側が入口側(Inlet)であり、排気が隔壁323から流出する側が出口側(Outlet)である。
【0047】
図3Aは、本実施形態に係るフィルタ基材320の気孔分布の一例を示す図である。この気孔分布は、Hgポロシメータにより測定される。
図3A中、横軸は気孔径(μm)を表しており、縦軸はLog微分気孔容積分布dV/d(logD)(ml/g)を表している。
図3Aから明らかであるように、フィルタ基材320の体積基準によるメジアン気孔径(D50)は、18μm以上である。より好ましくは、20μm以上である。
【0048】
即ち、本実施形態のフィルタ基材320は、メジアン気孔径が18μm以上と比較的大きい気孔を有する。これにより、隔壁323内に流入する排気の流路が十分に確保される。特に、後述するように本実施形態では排気浄化触媒(TWC33)の担持位置を工夫することにより、フィルタ基材320中の気孔の気孔径が排気浄化触媒(TWC33)によって狭められる(塞がれる)ことが抑制されているため、排気の流路が十分に確保される結果、圧損を低減することができる。
【0049】
図3Bは、
図3Aの最大Log微分気孔容積分布dV/d(logD)(ml/g)を100として規格化し、プロットした図である。
図3B中で表現された半値幅は、気孔分布のピークのシャープ度合いを表す指標である。本実施形態に係るフィルタ基材320では、この半値幅は、7~15μmであることが好ましい。より好ましい半値幅は、7~9μmである。
【0050】
即ち、本実施形態のフィルタ基材320は、気孔径が大きく、気孔分布の半値幅が狭い。半値幅が7~15μmであることにより、フィルタ基材320に排気浄化触媒(TWC33)を担持する際に、排気浄化触媒(TWC33)を含むスラリーが毛細管現象によって気孔径の小さい気孔に優先的に流入することによって、該気孔が塞がれることを抑制できる。そのため、触媒担持後においても隔壁323内の排気の流路の減少を抑制でき、触媒担持後の圧損上昇をより抑制できるGPF32を提供できる。また、流路数が多いことにより、粒子状物質を含む排気と排気浄化触媒(TWC33)との接触確率が上がるため、より高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。
【0051】
フィルタ基材320の気孔率は、63%以上であることが好ましい。フィルタ基材320の気孔率が63%以上であれば、排気浄化触媒(TWC33)を担持させたときに圧損が急激に悪化するのを抑制できる。
【0052】
図4Aは、本実施形態に係るGPF32の断面画像の一例を示す図である。
図3A中、白色部分がフィルタ基材320、黒色部分が気孔、灰色部分が排気浄化触媒としてのTWC(三元触媒)33をそれぞれ表している。また、
図3Aの上側が隔壁323の入口側(Inlet)であり、下側が隔壁323の出口側(Outlet)である。なお、これらの表記については、後述する画像図全てにおいて同様である。
【0053】
図4Aに示す一例では、隔壁323の出口側から厚み方向25%に位置する層(隔壁323を厚み方向に均等に、厚みTずつ4分割したときの4層のうち最も出口側に位置する層)に、TWC33が高密度に担持された高密度層331が配置されている。このように、本実施形態のGPF32では、排気浄化触媒(TWC33)が、密度が相対的に高い高密度層331と、密度が相対的に低い低密度層332と、に偏在して担持されている。
【0054】
このように、本実施形態のGPF32は、気孔径が比較的大きい気孔を有する隔壁323の厚み方向の一部に、排気浄化触媒(TWC33)が層状且つ高密度に配置された高密度層331を有するため、排気の流路が十分確保されるとともに、排気の流れの均一性が確保される結果、圧損の上昇を許容範囲内に抑制することができる。
ここで、粒子状物質による初期の圧損上昇と、粒子状物質堆積後の圧損上昇とは相関関係にあることが本出願人により見出されている。即ち、粒子状物質による初期の圧損上昇を抑制できれば、粒子状物質堆積後の圧損上昇を低減できる。この点、上述の圧損上昇抑制効果は、初期の段階から発揮されるため、本実施形態によれば、粒子状物質堆積後の圧損上昇を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、高密度に配置された排気浄化触媒(TWC33)によって狭められた流路を排気が確実に通過することとなり、高い粒子状物質の捕捉性能と高い排気浄化性能が得られる。従って、本実施形態によれば、粒子状物質による初期の圧損上昇を抑制することができ、粒子状物質堆積後の圧損を低減できる。ひいては、排気浄化触媒(TWC33)の担持量を制限することなく圧損を低減できるため、圧損を低減できるとともに、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。
【0056】
また、
図4Aに示す一例のように、排気浄化触媒(TWC33)が高密度に配置された高密度層331が、最も隔壁323の出口側に配置されることにより、隔壁323の入口側に高密度層が配置される場合と比べて、入口側の気孔の気孔径が大きいまま維持されるため、気流層から隔壁323内に排気が流入する際の圧損上昇を抑制できる。また、排気が流出する隔壁323の出口側では、排気と排気浄化触媒(TWC33)との接触確率が上がるため、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。ただし、高密度層331の配置はこれに限定されず、4分割した4層のうちのいずれに高密度層を配置してもよい。
【0057】
次に、
図4Bは、本実施形態に係るGPF32の断面画像の他の例を示す図である。
図4Bに示す他の例では、排気浄化触媒(TWC33)が層状且つ高密度に配置された高密度層331が、隔壁323内ではなく、隔壁323の外表面上に配置されている。より詳しくは、隔壁323の出口側の外表面上に高密度層331が配置されている。
【0058】
図4Bに示す他の例では、排気浄化触媒(TWC33)によって隔壁323内の気孔の気孔径が狭まることを抑制できるため、排気の流路をより十分に確保できる。従って、圧損をより低減できるとともに、より高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。また、排気浄化触媒(TWC33)が高密度に配置された高密度層331が、隔壁323の出口側の外表面上に配置される。これにより、入口側の外表面上に高密度層が配置される場合と比べて、入口側の気孔の気孔径が大きいまま維持されるため、気流層から隔壁323内に排気が流入する際の圧損上昇を抑制できる。また、排気が流出する隔壁323の出口側では、排気と排気浄化触媒(TWC33)との接触確率が上がるため、高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。ただし、高密度層331を入口側の外表面上に配置してもよい。
【0059】
上述の各高密度層331には、一つの隔壁323における排気浄化触媒(TWC33)の全担持量のうちの50質量%以上の排気浄化触媒(TWC33)が配置されることが好ましい。これにより、上述の各効果がより確実に発揮され、圧損をより低減できるとともに、より高い排気浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。
【0060】
TWC33は、上述のTWC31と同様に、排気中のHCをH2OとCO2に、COをCO2に、NOxをN2にそれぞれ酸化又は還元することで浄化する。TWC33は、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ゼオライト等の酸化物からなる担体に、触媒金属としてPdやRh等の貴金属を担持させたものが用いられる。
【0061】
また、TWC33は、OSC材(酸素吸放出材)を含む。OSC材としては、CeO2の他、CeO2とZrO2の複合酸化物(以下、「CeZr複合酸化物」という。)等が用いられる。中でも、CeZr複合酸化物は、高い耐久性を有するため好ましく用いられる。なお、これらOSC材に、上記触媒金属が担持されていてもよい。上述のTWCの触媒作用を同時に有効に生じさせるためには、燃料と空気の比(以下「空燃比」という。)を完全燃焼反応における化学量論比(以下「ストイキ」という。)近傍に保つことが好ましいところ、酸化雰囲気下で酸素を吸蔵し、還元雰囲気下で酸素を放出する酸素吸蔵放出能を有するOSC材を助触媒として触媒金属とともに用いることにより、より高い触媒浄化性能が得られる。
【0062】
TWC33の調製方法については特に限定されず、従来公知のスラリー法等により調製される。例えば、上記の酸化物、貴金属、OSC材等を含むスラリーをミリングして調製した後、調製したスラリーをフィルタ基材320にコートして焼成することにより調製される。
【0063】
上述の構成を有するTWC33のウォッシュコート量は、好ましくは30~150g/Lである。TWC33のウォッシュコート量がこの範囲内であれば、圧損上昇を低減しつつ高い触媒浄化性能及び粒子状物質捕捉性能が得られる。
なお本実施形態では、TWC33には触媒金属として他の貴金属、例えばPtが含まれていてもよい。
【0064】
以上の構成を備える本実施形態に係るGPF32は、例えばピストン押し上げ法により製造される。ピストン押し上げ法では、排気浄化触媒の構成材料を所定量含むスラリーをミリングにより作製し、フィルタ基材320の流入側端面をスラリー流入入口として、ピストン押上げ方法にて、WC量60g/Lでフィルタ基材320に排気浄化触媒を担持させる。その後、乾燥させて焼成を行うことにより、GPF32が得られる。
【0065】
高密度層をフィルタ基材320の表層に形成(配置)させる方法の一例としては、高粘度のスラリーにフィルタ基材320を含浸させ、吸引圧力を低く設定する方法が挙げられる。また、スラリー調製時のミリング時間を短くして比較的大きな粒子が残存するスラリーを用いる方法も挙げられる。
高密度層をフィルタ基材320の隔壁323の入口側/出口側に形成(配置)させる方法の一例としては、高粘度のスラリーにフィルタ基材320を含浸させ、吸引圧力を高く設定する方法が挙げられる。
高密度層をフィルタ基材320の厚み方向中央に形成(配置)させる方法の一例としては、低粘度のスラリーにフィルタ基材320を含浸させ、吸引時間を短く設定する方法が挙げられる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
上記実施形態では、本発明に係る排気浄化フィルタをGPFに適用したが、これに限定されない。本発明に係る排気浄化フィルタをDPFに適用してもよい。この場合、排気浄化触媒としては、TWCに限定されず他の排気浄化触媒を用いてもよく、例えばPM燃焼触媒等の酸化触媒を用いることができる。
【実施例】
【0067】
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0068】
[実施例1~9、比較例1~3]
先ず、硝酸Pdと硝酸Rhの水溶液とAl2O3担体(市販のγ-アルミナ)とをエバポレータ内に投入し、Al2O3担体にPdとRhを質量比で6/1で含侵担持させた。次いで、乾燥させた後に600℃で焼成を行い、Pd-Rh/Al2O3触媒を得た。同様にして、硝酸Pdと硝酸RhとCeO2を調製し、Pd-Rh/CeO2触媒を得た。いずれも、貴金属の担持量は、Pdを1.51質量%、Rhを0.25質量%とした。なお、使用したフィルタ基材(担体)は、平均気孔径/半値幅/気孔率が異なる6種類のものを用い、サイズはφ118.4×91mm、1Lサイズとした。
【0069】
次いで、Pd-Rh/Al
2O
3触媒とPd-Rh/CeO
2触媒とを等量混合し、水及びバインダーを混合してボールミルにてミリングを行い、スラリーを調製した。各実施例及び比較例において、スラリー調製における水の量を異なるものとしてスラリー粘度を調整し、併せて後述する触媒担持工程におけるスラリー吸引圧力を異なる条件で行うことにより、触媒の高密度層の位置が異なる触媒担持GPFを調製した。表1に、フィルタ基材の仕様、排気浄化触媒(TWC)の高密度層の位置、及び、高密度層における触媒割合を示す。また、
図5~
図16に、各実施例及び比較例に係るGPFの断面画像図を示した。
【0070】
実施例1~9及び比較例1~3では、フィルタ基材の流入側端面をスラリー流入入口とし、ピストン押上げ方法にて、WC量60g/Lでフィルタ基材に上記TWCを担持させた。その後、空気を流しながら150℃で乾燥した後、600℃で焼成を行い、各GPFを得た。
【0071】
【0072】
[実車粒子状物質捕集試験]
各実施例及び比較例に係るGPFについて、排気量1.5Lのガソリン直噴エンジン車両の直下1L三元触媒の後段に、試験対象となるGPFを搭載し、室温25℃、湿度50%の条件においてWLTPモードを走行し、その際のGPF前後のPM数(PN)を測定し、PM数(PN)捕集効率(低減率)を算出した。測定にあたっては、前処理として、WLTPを1サイクル走行して、GPFが残る粒子状物質を除去後、室温25℃にて24時間ソークを行い、コールド状態から測定を実施してデータとした。
【0073】
[Ash耐久後圧損試験]
各実施例及び比較例に係るGPFについて、模擬アッシュとして石膏を用いた耐久性試験を行った。具体的には、先ず石膏を焼成後、実際のアッシュに近い粒径となるまでミリングを実施した。次いで、自作吸引装置(大型ドライポンプ(設計排気量1850L/分)をタンクに繋いで真空引き)を用いて、フィルタ基材に所定の模擬アッシュ量を吸引させることによって、実走の耐久を模擬した。Ash堆積量としては150gとした。
【0074】
[圧損]
各実施例及び比較例に係るGPFの圧損については、ツクバリカセイキ製の触媒担体圧損試験装置を用いて測定を実施した。具体的には、GPFフルサイズ(φ118.4×91mm)をセットし、Airを流量2.17m3/min(COLD FLOW)で流し、圧損を測定した。
【0075】
[考察]
各GPFのPN捕集効率(低減率)とAsh堆積後の圧損との関係を
図17に示した。
図17において、実車におけるGPFに要求される特性であるPN捕集効率(低減率)とAsh堆積後の圧損を両立可能な領域として、PN捕集効率(低減率)65%以上且つAsh堆積後圧損4000Pa以下とした場合、実施例1~9のみが両立可能であることが確認された。また、より好ましい両立可能領域として、PN捕集効率(低減率)75%以上且つAsh堆積後圧損3500Pa以下とした場合、実施例1~6のみが両立可能であることが確認された。さらに好ましい両立可能領域としては、PN捕集効率(低減率)80%以上且つAsh堆積後圧損2500Pa以下とした場合、実施例1~4のみが両立可能であることが確認された。
【0076】
実施例1~9の仕様の特徴を表1から読み解くと、フィルタ基材のメジアン気孔径は比較的大きいが、比較例2、3と比べて気孔の分布のシャープさを表す半値幅は小さい。フィルタ基材の特徴としては、中心気孔径が大きく気孔分布がシャープな基材であることが分かる。
【0077】
また、比較例1と比べて実施例1~9のTWCの担持状態の特徴として、TWCがフィルタ基材の厚さ方向の一部(厚さとして出口側、入口側から25%、又は表層)にTWCが高密度に担持されていることが分かる。
【0078】
以上を踏まえ、GPF仕様の基材と触媒担持状態の特徴から以下のメカニズムが推定できる。
一般的な知見として、平均気孔径が大きいフィルタ基材を用いることで、圧損の低減が可能となる。比較例2、3においては実施例と同様の平均気孔径を持つが、半値幅が大きく、気孔径の分布が広い。これにより隔壁内に排気が流れる際に排気の流れの均一性が確保できず圧損が上昇しやすい。また、小さい気孔の存在が多いことを示しており、触媒調製時に触媒が小さい気孔に優先的に流入し、結果的に流路を閉塞させ排気の流路数が少なくなっていることも推定される。これらの理由から、隔壁内を流れる排気の流速が上がり、圧損が上がりやすく、粒子状物質のもすり抜けやすくなると推定される。
【0079】
実施例1~9においては気孔分布がシャープなフィルタ基材を用いることに加え、表面あるいは隔壁の特定の部位に層状に集中して担持されていることを特徴としている。これにより、排気の流れの均一性が確保されるとともに触媒調製時も触媒が小さい細孔に優先的に担持されてしまうことも抑制できる。即ち、比較例1~3に対し圧損上昇を抑制できる。また、TWCが隔壁内あるいは表面の特定の部位に層状に集中して担持されることにより、粒子状物質を含む排気は担持されたTWCによって狭められた流路を確実に通ることとなり、高い粒子状物質の捕捉性能と高いガス浄化性能を達成することも可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1…エンジン(内燃機関)
2…排気浄化装置
3…排気管(排気通路)
32…GPF(排気浄化フィルタ)
32a…流入側端面
32b…流出側端面
33…TWC(排気浄化触媒)
320…フィルタ基材
323…隔壁
321…流入側セル
322…流出側セル
324…流入側目封じ部
325…流出側目封じ部
331…高密度層
332…低密度層