(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】モータ付き制御自動化または機器システム用容積式ピペットチップ
(51)【国際特許分類】
B01L 3/02 20060101AFI20241008BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B01L3/02 D
G01N1/00 101K
(21)【出願番号】P 2021543454
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(86)【国際出願番号】 US2019069081
(87)【国際公開番号】W WO2020159658
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-09-22
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523108902
【氏名又は名称】フォーミュラトリクス・インターナショナル・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Formulatrix International Holding Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】クルニアント,ダニエル
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-322291(JP,A)
【文献】米国特許第05192511(US,A)
【文献】特開昭62-191049(JP,A)
【文献】特開昭57-016332(JP,A)
【文献】特開2013-136052(JP,A)
【文献】米国特許第06197259(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00-99/00
G01N 1/00-1/44
G01N 35/00-37/00
C12M 1/00-3/10
G01F 11/00-13/00,17/00-22/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動容積式ピペットチップであって、
境界部とピペットチップ本体を有するピペットチップであって、前記境界部は、内壁とレセプタクルを有し、前記ピペットチップ本体は、前記ピペットチップ本体の長さに沿って流体チャネルを有し、前記流体チャネルは、前記流体チャネルの遠位端において開口を有する、ピペットチップと、
前記ピペットチップの内側に沿って配置されたピペットプランジャであって、前記ピペットプランジャは、プランジャ上部、センタリング部、遠位先端部を有するプランジャチップを有し、
前記レセプタクルは、前記ピペットプランジャの停止機構として機能するために、前記センタリング部を受け入れるように構成され、
前記流体チャネルは、前記プランジャチップの前記遠位先端部を受け入れるように構成され、
前記プランジャ上部は、垂直外側壁特徴部を含む外壁を有し、
前記プランジャ上部は、前記
垂直外側壁特徴部によって、液体処理装置の接続部品に取り付けられる、ピペットチップ。
【請求項2】
前記流体チャネルは、前記流体チャネルの遠位端において先細りしたチップを有する、請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項3】
前記ピペットプランジャの前記遠位先端部は、前記流体チャネルの前記遠位端において、前記開口及び前記先細りしたチップと接続するように構成された丸まった部分を有する、請求項2に記載のピペットチップ。
【請求項4】
前記遠位先端部は、前記流体チャネルの前記先細りしたチップに対応する先細りした側壁を有する、請求項3に記載のピペットチップ。
【請求項5】
前記流体チャネルは壁を有し、
前記遠位先端部は、前記流体チャネルの先細りしたチップと前記遠位先端部の先細りした側壁の間の空間を最小にするのに十分な
前記流体チャネルの
前記壁に対して及び沿って、滑り可能に封止するような大きさにされた外側上端を有する、請求項4に記載のピペットチップ。
【請求項6】
前記外側上端は、前記外側上端に形成された封止リング機構を有する、請求項5に記載のピペットチップ。
【請求項7】
前記ピペットチップは、ポリマ材料で形成される、請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項8】
前記ピペットプランジャは、前記ピペットチップと同じポリマ材料で形成される、請求項7に記載のピペットチップ。
【請求項9】
前記ピペットプランジャは、前記ピペットチップのポリマ材料と異なるポリマ材料で形成される、請求項7に記載のピペットチップ。
【請求項10】
前記境界部の前記内壁は、垂直内壁機構を含む、請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項11】
前記垂直内壁機構のそれぞれは、前記境界部の前記内壁に沿って形成された隆起または突出した垂直線である、請求項10に記載のピペットチップ。
【請求項12】
前記プランジャ上部は、外壁を有し、
前記外壁は、垂直外壁機構を含む、請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項13】
前記垂直外壁機構のそれぞれは、前記プランジャ上部の前記外壁に沿って形成された隆起または突出した垂直線である、請求項12に記載のピペットチップ。
【請求項14】
前記境界部は、スペーサ機構のセットを備える上リムを有する、請求項1に記載のピペットチップ。
【請求項15】
境界部とピペットチップ本体を有するピペットチップであって、前記境界部は、内壁とレセプタクルを有し、前記ピペットチップ本体は、前記ピペットチップ本体の長さに沿って流体チャネルを有し、前記流体チャネルは、前記流体チャネルの遠位端に開口を有する、ピペットチップと、
前記ピペットチップの内側に沿って配置されたピペットプランジャであって、
前記ピペットプランジャは、プランジャ上部、プランジャセンタリング部、及び遠位先端部を有するプランジャチップを有し、
前記レセプタクルは、前記プランジャセンタリング部を受け入れるように構成され、
前記プランジャ上部は、垂直外壁機構を備えた外壁を有し、
前記プランジャ上部は液体処理装置の接続部品に取り付けられ、
前記流体チャネルは、前記プランジャチップの前記遠位先端部を受け入れるように構成されたピペットプランジャと、
前記ピペットチップと前記ピペットプランジャを操作するように構成されたピペットチップ把持機構と、を備え、
前記ピペットチップ把持機構は、ピペットチップコレット及びピペットチップ固定機構を含み、
前記ピペットチップコレットは、ピペットチップコレット上リングプレート及び前記ピペットチップの前記境界部の内側に取り付けるためのコレットチャック部を含む、
る液体処理システム。
【請求項16】
前記コレットチャック部は、前記ピペットチップの前記境界部への摩擦を増加するように構成されたのこぎり歯状の機構を有する、請求項15に記載の液体処理システム。
【請求項17】
前記コレットチャック部が前記境界部の内側に適合するためのセグメントバンドまたはスリーブである、請求項16に記載の液体処理システム。
【請求項18】
前記コレットチャック部は、前記境界部の前記内壁に膨張及び固定するように構成される、請求項17に記載の液体処理システム。
【請求項19】
前記ピペットチップ固定機構は、ピペットチップ固定上リングプレートと、前記コレットチャック部の内側に適合するための中空スリーブ部とを含む、請求項18に記載の液体処理システム。
【請求項20】
前記コレットチャック部は、前記中空スリーブ部が前記ピペットチップコレットの前記コレットチャック部の内側に適合されたとき前記境界部の内壁に膨張するように構成され、
前記コレットチャック部は、前記中空スリーブ部が前記ピペットチップコレットの前記コレットチャック部から引き抜かれたとき、前記境界部に対して後退し、緩くなるように構成される、請求項19に記載の液体処理システム。
【請求項21】
前記
ピペットチップ把持機構は、ピペットプランジャコレット及びピペットプランジャ固定機構を含む、請求項15に記載の液体処理システム。
【請求項22】
前記ピペットプランジャコレットは、シャフト部及び前記ピペットプランジャの
前記プランジャ上部の周りに適合するためのコレットチャック部を有する、請求項21に記載の液体処理システム。
【請求項23】
前記コレットチャック部は、前記ピペットプランジャの
前記プランジャ上部の周りに適合するためのセグメントバンドまたはスリーブであり、
前記コレットチャック部は、前記コレットチャック部の内側にある前記プランジャ上部の外壁に対して膨張及び固定するように構成される、請求項22に記載の液体処理システム。
【請求項24】
前記ピペットプランジャ固定機構は、上リングプレートと、前記ピペットプランジャコレットの周りに適合する中空スリーブ部とを含む、請求項23に記載の液体処理システム。
【請求項25】
前記コレットチャック部は、前記中空スリーブ部が前記
ピペットプランジャコレットの前記コレットチャック部の周りを滑るとき、前記ピペットプランジャの前記プランジャ上部に対して閉じるように構成され、前記コレットチャック部は、前記中空スリーブ部が前記
ピペットプランジャコレットの前記コレットチャック部から引き抜かれるとき、前記ピペットプランジャの前記プランジャ上部を解放するように構成される、請求項24に記載の液体処理システム。
【請求項26】
前記
ピペットチップ把持機構は、一対のピペットチッププランジャ把持機構、一対のピペットプランジャコレット、固定された上プレート、下プレート及び前記上プレートと前記下プレートの間の2つのばねを含み、
前記ピペットプランジャコレットの上端は、前記上プレートに固定され、
前記下プレート及び2つのばねは、前記上プレートに対して移動可能であり、
それぞれのばねは、滑り可能な方法で前記下プレートを通る対応するピペットプランジャ固定機構にばね力を提供するように構成され、
前記ピペットプランジャ固定機構は、前記ピペットプランジャコレットに対して移動可能である、請求項15に記載の液体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示の主題は、2019年1月28日に出願された「モータ付き制御自動化または機器システム用容積式ピペットチップ」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第62/797,688号に関連し、その全ての開示を本明細書に援用する。
【0002】
本開示の主題は、一般的に液体処理方法及びさらに特にモータ付き制御自動化または液体処理機器システムのための容積式ピペットチップに関する。
【背景技術】
【0003】
自動化液体処理機器は、指定された容器の間で、例えば試薬またはサンプルなど、特定の量の液体を移すために用いられるロボットを含む。液体処理機器は、細胞生物学、ゲノミクス、法医学、及び薬物研究を含む様々な用途で役立つ。機器は、広範囲の体積の液体を移すという反復的な作業で、動作のスピードと効率及び送達される体積の精度と正確性を改善するために人を助ける。液体処理プロセスを自動化する利点は、動作のスループットと効率を向上し、人的誤差を排除することを含む。
【0004】
従来の液体処理機器において、通常機器とピペットチップのそれぞれの間に封止された境界がある。通常封止された境界は、機器の寿命の間、定期的なメンテナンス及び/または交換を必要とする圧縮可能なゴムOリングである。圧縮可能なゴムOリングは、またピペットチップ挿入の間の高摩擦を有する不利益を有し、結局(1)必要な下への力を達成するために強力なアクチュエータ及び(2)複数のOリングから高摩擦を処理して、複数のピペットチップ(例えば、96ウェルサンプルプレートで用いられる96ピペットチップ)に信頼できる封止境界を実行するために強い/重い機械構造を必要とする。例えば、従来の液体処理機器において、1つのピペットチップは、約100グラムの挿入力を必要とし、したがって、そのチップのためのアクチュエータは、約100グラムの下方の力を提供しなければならない。したがって、例えば96ピペットチップを処理するマルチチャンネル液体処理機器において、アクチュエータは、約9.5キログラムの下方への力が可能でなければならない。よって、強力なアクチュエータが要求され、高い力を処理できる強い/重い機械支持構造を有する。
【0005】
従来の液体処理機器の他の欠点は、これに限定されるものではないが(1)次のワークフローに繰り越すかもしれない汚染の共通ソースであるピペットチップ境界の全ての間の共有された気柱を有する空気置換ピペットチップの存在(2)特定の液体クラス範囲に専用の空気置換ピペットチップ(3)特定の空気圧縮及び膨張特性を有する空気置換ピペットチップを含む。
【発明の概要】
【0006】
本開示の主題は、容積式ピペットチップ及びピペットチップを用いた液体処理システムを含む。1つの実施形態において、ピペットチップは、境界部とピペットチップ本体を有し、境界部は、内壁とレセプタクルを有し、ピペットチップ本体は、ピペットチップ本体の長さに沿って流体チャネルを有し、流体チャネルは、流体チャネルの遠位端において開口を有する。
【0007】
ピペットチップは、さらにピペットチップの内側に沿って配置されたピペットプランジャを有し、ピペットプランジャは、プランジャ上部、プランジャセンタリング部、遠位先端部を有するプランジャチップを有する。1つの実施形態において、境界部のレセプタクルは、プランジャセンタリング部を受け入れるように構成され、流体チャネルは、プランジャチップの遠位先端部を受け入れるように構成される。
【0008】
別の実施形態において、流体チャネルは、流体チャネルの遠位端において先細りしたチップを有する。ピペットプランジャの遠位先端部は、流体チャネルの遠位端において、開口及び先細りしたチップと接続するように構成された丸まった部分を有する。
【0009】
さらに別の実施形態において、遠位先端部は、流体チャネルの先細りしたチップに対応する先細りした側壁を有する。さらに別の実施形態において、遠位先端部は、流体チャネルの先細りしたチップと遠位先端部の先細りした側壁の間の空間を最小にするのに十分な流体チャネルの壁に対して及び沿って、滑り可能に封止するような大きさにされた外側上端を有する。
【0010】
さらに別の実施形態において、外側上端は、外側上端に形成された封止リング機構を有する。ピペットチップは、ポリマ材料で形成される。ピペットプランジャは、ピペットチップと同じまたは異なるポリマ材料で形成される。
【0011】
さらに別の実施形態において、境界部の内壁は、垂直内壁機構を含む。1つの実施形態において、垂直内壁機構のそれぞれは、境界部の内壁に沿って形成された隆起または突出した垂直線である。
【0012】
プランジャ上部は、また外壁を有し、外壁は、垂直外壁機構を含む。1つの実施形態において、垂直外壁機構のそれぞれは、プランジャ上部の外壁に沿って形成された隆起または突出した垂直線である。
【0013】
1つの実施形態において、境界部は、スペーサ機構のセットを備える上リムを有する。
【0014】
本主題は、さらに液体処理システムを記載する。1つの実施形態において、液体処理システムは、境界部とピペットチップ本体を有するピペットチップであって、境界部は、内壁とレセプタクルを有し、ピペットチップ本体は、ピペットチップ本体の長さに沿って流体チャネルを有し、流体チャネルは、流体チャネルの遠位端に開口を有する、ピペットチップを含む。
【0015】
液体処理システムは、さらにピペットチップの内側に沿って配置されたピペットプランジャであって、ピペットプランジャは、プランジャ上部、プランジャセンタリング部、及び遠位先端部を有するプランジャチップを有し、レセプタクルは、プランジャセンタリング部を受け入れるように構成され、流体チャネルは、プランジャチップの遠位先端部を受け入れるように構成されたピペットプランジャを含む。
【0016】
液体処理システムは、さらにピペットチップとピペットプランジャを操作するように構成されたゼロ挿入力ピペットチップ把持機構を含む。
【0017】
1つの実施形態において、ゼロ挿入力ピペットチップ把持機構は、ピペットチップコレット及びピペットチップ固定機構を含む。
【0018】
ピペットチップコレットは、ピペットチップコレット上リングプレート及びピペットチップの境界部の内側に適合するためのコレットチャック部を含む。1つの実施形態において、コレットチャック部は、ピペットチップの境界部への摩擦を増加するように構成されたのこぎり歯状の機構を有する。
【0019】
別の実施形態において、コレットチャック部が境界部の内側に適合するためのセグメントバンドまたはスリーブである。
【0020】
さらに別の実施形態において、コレットチャック部は、境界部の内壁に膨張及び固定するように構成される。
【0021】
さらに別の実施形態において、ピペットチップ固定機構は、ピペットチップ固定上リングプレート及びコレットチャック部の内側に適合するための中空スリーブ部を含む。
【0022】
さらに別の実施形態において、コレットチャック部は、中空スリーブ部がピペットチップコレットのコレットチャック部の内側に適合されたとき境界部の内壁に膨張するように構成され、コレットチャック部は、中空スリーブ部がピペットチップコレットのコレットチャック部から引き抜かれたとき、境界部に対して後退し、緩くなるように構成される。
【0023】
液体処理システムは、さらにピペットプランジャコレット及びピペットプランジャ固定機構を有する、ゼロ挿入力ピペット把持機構を含む。
【0024】
1つの実施形態において、ピペットプランジャコレットは、シャフト部及びピペットプランジャのプランジャ上部の周りに適合するためのコレットチャック部を有する。
【0025】
別の実施形態において、コレットチャック部は、ピペットプランジャのプランジャ上部の周りに適合するためのセグメントバンドまたはスリーブであり、コレットチャック部は、コレットチャック部の内側にあるプランジャ上部の外壁に膨張及び固定するように構成される。
【0026】
さらに別の実施形態において、ピペットプランジャ固定機構は、上リングプレート及びプランジャコレットの周りに適合する中空スリーブ部を含む。コレットチャック部は、中空スリーブ部がプランジャコレットのコレットチャック部の周りを滑るとき、ピペットプランジャのプランジャ上部に対して閉じるように構成され、コレットチャック部は、中空スリーブ部がプランジャコレットのコレットチャック部から引き抜かれるとき、ピペットプランジャのプランジャ上部を解放するように構成される。
【0027】
さらに別の実施形態において、ゼロ挿入力ピペット把持機構は、一対のピペットプランジャ把持機構、一対のピペットプランジャコレット、固定された上プレート、下プレート及び上プレートと下プレートの間の2つのばねを含み、ピペットプランジャコレットの上端は、上プレートに固定され、下プレート及び2つのばねは、上プレートに対して移動可能であり、それぞれのばねは、滑り可能な方法で下プレートを通る対応するピペットプランジャ固定機構にばね力を提供するように構成され、ピペットプランジャ固定機構は、プランジャコレットに対して移動可能である。
【0028】
一般用語で本開示の主題が記載されたので、次に、添付された図面を参照するが、これらは必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A-1B】液体処理機器及び/またはシステムの液体を吸引及び/または分配する本開示の容積式ピペットチップの、それぞれピペットチップ及びピペットプランジャの例の概略斜視図を描く。
【
図2】
図1A及び
図1Bに示されるピペットチップ及びピペットプランジャを含む、本開示の容積式ピペットチップの例の断面図を描く。
【
図3】本開示の容積式ピペットチップの上部の断面図を描く。
【
図4A-4B】本開示の容積式ピペットチップのピペットチップの、それぞれ側面図と断面図を描く。
【
図5A-5B】ピペットチップの境界部の、それぞれ概略斜視図と上面図を描く。
【
図6A-6B】それぞれピペットチップの遠位先端部の概略斜視図とピペットチップの底面図を描く。
【
図7A-7B】それぞれピペットプランジャの側面図とピペットプランジャの上部の概略斜視図を描く。
【
図8B-8C】ピペットプランジャの遠位先端部の概略斜視図を描く。
【
図9B-9C】ピペットプランジャの遠位先端部の、それぞれ上面図と底面図を描く。
【
図10】ピペットチップの遠位先端部に対するピペットプランジャの遠位先端部の詳細な断面図を描く。
【
図11】ピペットチップの遠位先端部に対するピペットプランジャの遠位先端部の詳細な断面図を描く。
【
図12】ピペットチップの遠位先端部に対するピペットプランジャの遠位先端部の詳細な断面図を描く。
【
図13】本開示の容積式ピペットチップで使用するためのピペットチップコレットの例の概略斜視図を描く。
【
図14】本開示の容積式ピペットチップで用いられるピペットチップ把持機構の例の側面図を描く。
【
図15A-15B】本開示の容積式ピペットチップで使用するためのプランジャコレットの例の、それぞれ側面図と断面図を描く。
【
図16C-16D】ピペットプランジャ把持機構の例と、本開示の容積式ピペットチップのピペットプランジャを把持するプロセスを示す。
【
図17】本開示の容積式ピペットチップのプランジャコレット、ピペットチップコレット、ピペットチップ、及びピペットプランジャの分解図を描く。
【
図18】本開示の容積式ピペットチップのプランジャコレット、ピペットチップコレット、ピペットチップ、及びピペットプランジャの分解図を描く。
【
図19】本開示の容積式ピペットチップのピペットチップの例のさらなる詳細を示す様々な図を描く。
【
図20】本開示の容積式ピペットチップのピペットプランジャの例のさらなる詳細を示す側面図を描く。
【
図21】
図13及び
図14に示されるピペットチップコレットの例のさらなる詳細を示す様々な図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の主題は、添付された図面を参照して以後完全にさらに詳細に記載され、本開示の主題の実施形態が全てではないがいくつかが示される。類似の符号は、全体を通して類似の要素を参照する。本開示の主題は、多くの異なる形態に具体化され、本明細書に記載される実施形態に限定されるように解釈されるべきでなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が適用できる法的な要求を満たすように提供される。実際に、本明細書に記載される本開示の主題の多くの変更及び他の実施形態は、本開示の主題が前述の記載及び関連付けられた図面に示される教示の利益を有して関連する当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本開示の主題は、開示された特定の実施形態に制限されるべきでなく、変更及び他の実施形態は、添付された特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されるべきである。
【0031】
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、モータ付き制御自動化用容積式ピペットチップまたはピペットチップ及びピペットプランジャを含む液体処理機器及び/またはシステムを提供する。
【0032】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップは、液体を吸引及び/または分配する液体処理機器で用いられる。
【0033】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップは、正確な体積の液体を吸引及び/または分配するように設計されたピペットチップ及びピペットプランジャを含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップは、ピペットチップとピペットプランジャの間に最小の大きさの空間を含み、それにより吸引及び/または分配される液体体積の精度を最適化する。
【0035】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップのピペットチップは、例えば液体処理機器のゼロ挿入力ピペットチップ把持機構と組み合わせて用いられるように設計され、ゼロ挿入力ピペットチップ把持機構の特徴部品は、ピペットチップコレットである。
【0036】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップのピペットプランジャは、例えば液体処理機器のゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構と組み合わせて用いられるように設計され、ゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構の特徴部品は、プランジャコレットである。
【0037】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップは、実質的に任意の液体クラス範囲で用いられる。
【0038】
いくつかの実施形態において、本開示の容積式ピペットチップは、汚染から保護するための特定の特徴を含む。例えば、従来の空気置換ピペットチップは、通常次のワークフローに繰り越すかもしれない汚染の共通ソースであるピペットチップ境界の全ての間の共有された気柱を有する。対照的に、本開示の容積式ピペットチップは、ピペットチップの間の共有された気柱を含まず、したがって、この考えられる汚染源がない。
【0039】
液体処理機器及び/またはシステムの液体を吸引及び/または分配する本開示の容積式ピペットチップ100の例の様々な図は、ここから
図1A、
図1B、
図2、及び
図3を参照する。例えば、容積式ピペットチップ100は、ピペットチップ105及びピペットプランジャ130を含む。
【0040】
図1Aは、本開示の容積式ピペットチップ100のピペットチップ105の例の概略斜視図を示す。
図1Bは、本開示の容積式ピペットチップ100のピペットプランジャ130の例の概略斜視図を示す。さらに、
図2は、ピペットチップ105の断面図とピペットチップ105に対して配置されたピペットプランジャ130を備えて示す。
【0041】
容積式ピペットチップ100のピペットチップ105は、境界部110とピペットチップ本体112を含む。境界部110は、例えば、ピペットチップ本体112につながるオープンバレルタイプの構造である。したがって、境界部110は、内壁120を有する。ピペットチップ105の境界部110は、例えば液体を吸引及び/または分配する液体処理機器(図示せず)の接続部品(
図13及び
図14参照)に適合される。流体チャネル114は、ピペットチップ本体112の長さに沿って伸びる。流体が吸引及び/または分配される流体チャネル114の遠位端において開口116(
図11及び
図12参照)がある。さらに、開口116につながるピペットチップ本体112の遠位端は、先細りしたチップ118(
図10、
図11及び
図12参照)を有する。さらに、レセプタクル(またはキャビティ)122は、ピペットチップ105の境界部110の下部おいて提供される。ピペットチップ105は、例えばポリマで形成される。ピペットチップ105の例のさらなる詳細は、
図4Aから
図6B及び
図19を参照して、以下に示され、記載される。
【0042】
ピペットプランジャ130は、ピペットチップ105の内側に沿って配置される。ピペットプランジャ130は、プランジャ上部132、プランジャ
センタリング部134、及び遠位先端部138を含むプランジャチップ136を含む。プランジャ上部132は、例えば、容積式ピペットチップ100を用いて液体を吸引及び/または分配する液体処理機器(図示せず)の接続部品(
図15Aから
図16B参照)に適合される。さらに、プランジャ
センタリング部134は、ピペットチップ105の境界部110のプランジャストップレセプタクル(またはキャビティ)122に適合され、ここでプランジャストップレセプタクル(またはキャビティ)122は、ピペットプランジャ130のプランジャ
センタリング部134を受け入れるように設計される。プランジャ
センタリング部134は、ピペットプランジャ130の「停止」機構の機能を果たす。プランジャチップ136とピペットプランジャ130の遠位先端部138は、ピペットチップ105のピペットチップ本体112の流体チャネル114に適合される。さらに、プランジャチップ136の遠位先端部138は、ピペットチップ105の流体チャネル114の遠位端において開口116と先細りしたチップ118に接続及び封止するように設計される。ピペットプランジャ130の例のさらなる詳細は、
図7Aから
図9B及び
図20を参照して以下に示され記載される。
【0043】
さらに、
図3は、
図2に示される本開示の容積式ピペットチップ100の上部の断面図を示す。例えば、
図3は、容積式ピペットチップ100のピペットチップ105及びピペットプランジャ130の上部の断面図を示す。この図において、ピペットチップ105とピペットプランジャ130の他の機構は描かれる。例えば、ピペットチップ105は、さらに境界部110の内壁120に沿った垂直内壁機構124のセットを含む。1つの例において、ピペットチップ105は、8つの垂直内壁機構124を含む。垂直内壁機構124のそれぞれは、境界部110の内壁120に沿って形成される隆起または突出した垂直線機構である。
【0044】
垂直内壁機構124のセットは、液体処理機器(図示せず)の接続部品(
図13及び
図14)にピペットチップ105の境界部110を把持するまたは接続することを助けるために提供される。例えば、垂直内壁機構124のセットは、所定の位置にピペットチップ105を保持するための摩擦力を増加することによって助ける一方で、与えられる力を潜在的に減らす。
【0045】
さらに
図3を参照して、ピペットプランジャ130は、さらにプランジャ上部132の外壁に沿って垂直外壁機構133のセットを含む。1つの例において、ピペットプランジャ130は、8つの垂直外壁機構133を含む。垂直外壁機構133のそれぞれは、プランジャ上部132の外壁に沿って形成された隆起または突出した垂直線機構である。
【0046】
垂直外壁機構133のセットは、液体処理機器(図示せず)の接続部品(
図15Aから
図16B参照)にピペットプランジャ130のプランジャ上部132を把持するまたは接続することを助けるために提供される。例えば、垂直外壁機構133のセットは、所定の位置にピペットプランジャ130を保持する摩擦力を増加することによって助ける一方で、与えられる力を潜在的に減らす。
【0047】
本開示の容積式ピペットチップ100のピペットチップ105の、それぞれ側面図と断面図は、ここから
図4A及び4Bを参照する。例えば、
図4Bは、
図4Aの線A-Aに沿って切り取られた断面図である。さらに
図5A及び
図5Bは、ピペットチップ105の境界部110の、それぞれ概略斜視図と上面図を示す。スタンドオフまたはスペーサ機構126のセットは、ピペットチップ105の境界部110の上リムの周りに提供される。1つの例において、8つのスタンドオフまたはスペーサ機構126が提供される。さらに
図6A及び
図6Bは、それぞれピペットチップ105の遠位先端部(すなわち先細りしたチップ118)の概略斜視図及びピペットチップ105の底面図を示す。
【0048】
それぞれピペットプランジャ130の側面図とピペットプランジャ130のプランジャ上部132の概略斜視図は、ここから
図7A及び
図7Bを参照する。さらに
図8Aは、再びピペットプランジャ130の側面図を示す。さらに
図8B及び
図8Cは、ピペットプランジャ130の遠位先端部138の概略斜視図を示す。遠位先端部138は、流体チャネル114(
図10及び
図11)の開口116を封止するように設計された丸まった部分140を有する。ピペットプランジャ130は、例えばポリマ材料で形成される。ピペットプランジャ130を形成するために用いられるポリマは、ピペットチップ105を形成するために用いられるポリマと同じまたは異なる。さらに、
図9Aは、再びピペットプランジャ130の側面図を示す。さらに、
図9B及び
図9Cは、ピペットプランジャ130の遠位先端部138の、それぞれ上面図及び底面図を示す。
【0049】
ピペットチップ105のピペットチップ本体112の遠位先端部に対するピペットプランジャ130の遠位先端部138の詳細な断面図は、ここから
図10、
図11及び
図12を参照する。再び、ピペットプランジャ130の遠位先端部138の丸まった部分140は、例えば
図10及び
図11に示されるように、ピペットチップ105の流体チャネル114の遠位端において開口116と先細りしたチップ118と接続するように設計される。例えば、遠位先端部138は、流体チャネル114の先細りしたチップ118に対応する先細りした側壁を有する。
【0050】
さらに、プランジャチップ136の遠位先端部138の外側上端142は、ピペットチップ本体112の流体チャネル114の壁に対して及び沿って滑り可能に封止するような大きさである。プランジャチップ136の遠位先端部138の外側上端142は、最終的に摩滅及び漏出する前の多くの混合サイクルで信頼性を維持するピペットプランジャ130の「封止」リング機構を提供する。
【0051】
図11は、また流体チャネル114の先細りしたチップ118とピペットプランジャ130の遠位先端部138の先細りした側壁の小さい空間150を示す。1つの例において、吸引する流体152は、この空間150内に捕らえられる。容積式ピペットチップ100の有益な特徴は、ピペットプランジャ130の遠位先端部138の設計が、この空間150の大きさを最小にすることである。結果として、吸引された及び/または分配された液体体積は、正確に保持される。さらに、容積式ピペットチップ100は、実質的に任意の液体クラス範囲で用いられる。
【0052】
図12は、使用時の容積式ピペットチップ100の例を示す。1つの例において、
図12は、引き抜かれるピペットプランジャ130と、ピペットチップ105のピペットチップ本体112の流体チャネル114にくみ上げられる吸引する流体152を示す。別の例において、
図12は、押されるピペットプランジャ130とピペットチップ105のピペットチップ本体112の流体チャネル114から押し出される分配する流体152を示す。
【0053】
標準の空気置換ピペットチップにおいて、例えば温度、気圧、比重、及び溶液の粘度などの事物は、空気置換ピペットチップの性能に影響を与える。対照的に、容積式ピペットは、非常に粘性がある、揮発性である、高温または低温、または腐食性であるサンプルを正確にピペッティングするために用いられる。ピペットチップ105とピペットプランジャ130を含む本開示の容積式ピペットチップ100は、容積式ピペットの例である。
【0054】
液体処理機器及び/またはシステムの本開示の容積式ピペットチップ100の動作中、ピペットチップ105は固定される一方で、ピペットプランジャ130は、液体を吸引及び/または分配するためにピペットチップ105に対して動作される。本開示の容積式ピペットチップ100の利益は、ピペットチップ105がゼロ挿入力ピペットチップ把持機構160(
図14参照)を通して操作されるように設計されることである。1つの例において、ピペットチップ105のためのゼロ挿入力ピペットチップ把持機構160(
図14参照)は、例えば
図13、
図14、及び
図21に示されるようにピペットチップコレット200を特徴とする。同様に、ピペットプランジャ130は、ゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構170(
図16C及び
図16D)によって操作されるように設計される。1つの例において、ピペットチップ105のためのゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構170(
図16C及び
図16D参照)は、例えば
図15A、
図15B、
図16A、
図16B、及び
図22に示されるように、プランジャコレット300を特徴とする。
【0055】
本開示の容積式ピペットチップ100のピペットチップ105で使用するためのピペットチップコレット200の例の概略斜視図は、ここからの
図13を参照する。さらに
図14は、
図13に示されるピペットチップコレット200に対するピペットチップ105の透視図を示す。ピペットチップコレット200は、例えばピペットチップコレット上リングプレート210及びピペットチップ105の境界部110の内側に適合するためのコレットチャック部212を含む。さらに、ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、例えば
図14に示されるように、ピペットチップ105の境界部110への摩擦を増加するためにのこぎり歯状の機構214を有する。
【0056】
ピペットチップコレット200は、例えば
図14に示されるように、例えばピペットチップ把持機構160の特徴部品である。ピペットチップ把持機構160は、本開示の容積式ピペットチップ100で用いられるゼロ挿入力ピペットチップ把持機構の例である。一般的に、「コレット」は、膨張及び/または収縮できるセグメントバンドまたはスリーブである。ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、チャックを囲う任意の部材上に把持されるように設計される。例えば、ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、ピペットチップ105の境界部110の内側に適合するセグメントバンドまたはスリーブである。ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、ピペットチップ105の境界部110の内壁120に膨張及び固定するように設計される(
図14参照)。すなわち、固定位置にあるとき、コレットチャック部212(または把持チャック)は、コレットチャック部212を囲うピペットチップ105の境界部110上に把持する。さらに、ピペットチップ105の境界部110の垂直内壁機構124のセットは、ピペットチップコレット200のコレットチャック部212にピペットチップ105の境界部110を把持するまたは接続することを助けるために用いられる。ピペットチップコレット200の例のさらなる詳細は、
図21を参照して以下に示され記載される。
【0057】
図14をここから参照すると、ピペットチップコレット200は、ピペットチップ把持機構160の特徴部品である。さらに、
図14は、
図13に示されるピペットチップコレット200に対する容積式ピペットチップ105の透視図を示す。一般的に、「コレット」は、膨張及び/または収縮できるセグメントバンドまたはスリーブである。ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、チャックを囲う任意の部材上に把持されるように設計される。例えば、ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、容積式ピペットチップ105の境界部110の内側に適合するためのセグメントバンドまたはスリーブである。ピペットチップコレット200のコレットチャック部212は、容積式ピペットチップ105の境界部110の内壁220に膨張及び固定するように設計される。すなわち、固定位置にあるとき、コレットチャック部212(または把持チャック)は、コレットチャック部212を囲う容積式ピペットチップ105の境界部110上に把持する。さらに、容積式ピペットチップ105の境界部110の垂直内壁機構224及び/またはピペットチップコレット200ののこぎり歯状の機構214のセットは、ピペットチップコレット200のコレットチャック部212に容積式ピペットチップ105の境界部110を把持するまたは接続することを助けるために用いられる。
【0058】
ピペットチップ把持機構160は、ゼロ挿入力ピペットチップ把持機構である。ピペットチップ把持機構160は、ピペットチップコレット200及びピペットチップ固定機構250を含む。ピペットチップ固定機構250は、例えばピペットチップ固定上リングプレート252及びピペットチップコレット200のコレットチャック部212の内側に適合する中空スリーブ部254を含む。例えば、中空スリーブ部254がピペットチップコレット200のコレットチャック部212の内側に適合するとき、コレットチャック部212は、容積式ピペットチップ105の境界部110の内壁220に膨張する。対照的に、中空スリーブ部254がピペットチップコレット200のコレットチャック部212から引き抜かれるとき、コレットチャック部212は、容積式ピペットチップ105の境界部110に対して後退し、緩くなる。
【0059】
図15A及び
図15Bをここから参照して、
図15Aは、プランジャコレット300の側面図である一方で、
図15Bは、
図15Aの線A-Aに沿って切り取られたプランジャコレット300の断面図である。プランジャコレット300は、本開示の容積式ピペットチップ100のピペットプランジャ130と共に使用するためのものである。プランジャコレット300は、例えばシャフト部310とピペットプランジャ130のプランジャ上部132の周りに適合するためのコレットチャック部312を含む。さらに、
図16Aは、ピペットプランジャ130のコレットチャック部312の概略斜視図を示し、
図16Bは、プランジャコレット300のコレットチャック部312に対するピペットプランジャ130の断面図である。
【0060】
プランジャコレット300は、ゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構170(
図16C及び
図16D)の特徴部品である。プランジャコレット300のコレットチャック部312は、チャックの内側の任意の部材を把持するように設計される。例えば、プランジャコレット300のコレットチャック部312は、ピペットプランジャ130のプランジャ上部132に適合するセグメントバンドまたはスリーブである。プランジャコレット300のコレットチャック部312は、ピペットプランジャ130(
図16B参照)のプランジャ上部132の外壁に膨張及び固定するように設計される。すなわち、固定位置にあるとき、コレットチャック部312(または把持チャック)は、コレットチャック部312の内側にあるピペットプランジャ130のプランジャ上部132上に把持する。さらに、ピペットプランジャ130のプランジャ上部132の垂直外壁機構133のセットは、プランジャコレット300のコレットチャック部312にプランジャ上部132を把持するまたは接続することを助けるために用いられる。プランジャコレット300の例のさらなる詳細は、
図22を参照して以下に示され記載される。
【0061】
ピペットプランジャ把持機構170の例と本開示の容積式ピペットチップ100のピペットプランジャを把持するプロセスは、ここから
図16C及び
図16Dを参照する。プランジャコレット300は、ピペットプランジャ把持機構170の特徴部品である。ピペットプランジャ把持機構170は、ゼロ挿入力ピペットプランジャ把持機構である。ピペットプランジャ把持機構170は、プランジャコレット300及びピペットプランジャ固定機構350を含む。ピペットプランジャ固定機構350は、例えば上リングプレート352及びコレットチャック部312を含むプランジャコレット300の周りに適合する中空スリーブ部354を含む。例えば、中空スリーブ部354がプランジャコレット300のコレットチャック部312の周りを下に滑るとき、コレットチャック部312は、ピペットプランジャ130のプランジャ上部132に対して閉じる(把持する)。対照的に、中空スリーブ部354がプランジャコレット300のコレットチャック部312から引き抜かれるとき、コレットチャック部312は、ピペットプランジャ130のプランジャ上部132を解放する。
【0062】
図16C及び
図16Dは、2つのプレート(356A及び356B)に対して設置され、2つのプレート(356A及び356B)の間の2つのばね358を備える一対のピペットプランジャ把持機構170を示す。例えば、上プレート356Aは、固定されている一方で、それぞれのばね358は、滑り可能な(浮遊)方法で下プレート356Bを通る対応するピペットプランジャ固定機構350にばね力を提供する。さらに、プランジャコレット300の上端は、上プレート356Aに固定される。したがって、プランジャコレット300は、上プレート356Aに対して固定される一方で、ピペットプランジャ固定機構350及び下プレート356Bは、上プレート356Aに対して移動可能である。したがって、ピペットプランジャ固定機構350は、プランジャコレット300に対して移動可能である。
【0063】
例えば
図16Cは、非把持状態のピペットプランジャ把持機構170を示す。
図16Cにおいて、下プレート356Bは、上プレート356Aに向かって上に引き上げられる一方で、2つのばね358を圧縮する。この状態において、ピペットプランジャ固定機構350の中空スリーブ部354は、プランジャコレット300のコレットチャック部312から引き上げられ離れ、プランジャコレット300を開き拡大することができる。この状態において、ピペットプランジャ130は、プランジャコレット300に設置され、そこから取り外される。
【0064】
対照的に、
図16Dは、把持状態のピペットプランジャ把持機構170を示す。
図16Dにおいて、2つのばね358のばね力は、上プレート356Aから離して下プレート356B及びピペットプランジャ固定機構350を押す。この状態において、中空スリーブ部354は、プランジャコレット300のコレットチャック部312の周りに押し下げ、プランジャコレット300を閉じるまたは収縮する。この状態において、プランジャコレット300は、ピペットプランジャ上に把持される。
【0065】
ピペットプランジャ把持機構170は、ばね358を使用して、独立して固定プリロードを設定し、それぞれのピペットプランジャ把持機構170は、1つのピペットプランジャ130から次のピペットプランジャに独立して任意に変わるプランジャ寸法を処理することができる。
【0066】
本開示の容積式ピペットチップ100のプランジャコレット300、ピペットチップコレット200、ピペットチップ105、及びピペットプランジャ130の分解図は、ここから
図17及び
図18を参照する。
【0067】
本開示の容積式ピペットチップ100のピペットチップ105の非限定の例のさらなる詳細を示す様々な図は、ここから
図19を参照する。
図19に示される全ての寸法は、ミリメータである。
図19に示されるピペットチップ105の詳細はただ例示的である。ピペットチップ105は、
図19に示される正確な寸法及び機構に限定されない。
【0068】
本開示の容積式ピペットチップ100のピペットプランジャ130の非限定の例のさらなる詳細を示す側面図は、ここから
図20を参照する。
図20に示される全ての寸法はミリメータである。
図20に示されるピペットプランジャ130の詳細は、ただ例示的である。ピペットプランジャ130は、
図20に示される正確な寸法及び機構に限定されない。
【0069】
図13及び
図14に示されるピペットチップコレット200の非限定の例のさらなる詳細を示す様々な図は、ここから
図21を参照する。
図21に示される全ての寸法は、ミリメータである。
図21に示されるピペットコレット200の詳細は、ただ例示的である。ピペットチップコレット200は、
図21に示される正確な寸法及び機構に限定されない。
【0070】
図15Aから
図16Bに示されるプランジャコレット300の非限定の例のさらなる詳細を示す様々な図は、ここから
図22を参照する。
図22に示される全ての寸法は、ミリメータである。
図22に示されるプランジャコレット300の詳細は、ただ例示的である。プランジャコレット300は、
図22に示される正確な寸法及び機構に限定されない。
【0071】
長年の特許法慣習に従って、用語「1つの」(a)、「1つの」(an)及び「その」(the)は、特許請求の範囲を含む、本出願で用いられるとき「1またはそれ以上」を参照する。そのため、例えば、「1つの主題」への参照は、文脈が明らかに反対である場合を除いて(例えば、複数の主題)、複数の主題を含む、など。
【0072】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、用語「備える」(comprise)、「備える」(comprises)及び「備える」(comprising)は、文脈が他を要求する場合を除いて、非排他的な意味で用いられる。同様に、用語「含む」及びその文法的なバリエーションは、非制限であることを意図し、リストの品物の記載は、リストされた品物に置換されるまたは加えられる他の同様な品物を除外しない。
【0073】
本明細書及び添付された特許請求の範囲の目的のために、特に断りのない限り、量、大きさ、寸法、比率、形状、配合、パラメータ、パーセンテージ、量、特性、及び本明細書及び特許請求の範囲で用いられる他の数値を表現する全ての数は、用語「約」(about)が値、量または範囲に明示的に出現していなくても、用語「約」(about)によって全ての場合において修飾されているとして理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、次の明細書及び添付された特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、正確でなく、正確であることを必要としないが、略及び/または望まれたより大きいまたは小さく、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など及び本開示の主題によって得られるべき求められる望ましい特性に依存して当業者に知られる他の係数を反映する。例えば、用語「約」(about)は、値を参照するとき、特定の量からいくつかの実施形態において±100%、いくつかの実施形態において±50%、いくつかの実施形態において±20%、いくつかの実施形態において±10%、いくつかの実施形態において±5%、いくつかの実施形態において±1%、いくつかの実施形態において±0.5%、及びいくつかの実施形態において±0.1%の変動を含むことを意味し、そのような変動は、開示された方法を実行するまたは開示された組成物を用いるために適切である。
【0074】
さらに、用語「約」は、1またはそれ以上の数または数値範囲と関連して用いられるとき、範囲の全ての数を含む、全てのそのような数を参照すると理解されるべきである及び記載された数値の上下の境界に延在することによってその範囲を変更する。終点による数値範囲の記載は、例えばその範囲内を含めるその分数を含む全整数(例えば1から5の記載は、1、2、3、4、5及びその分数例えば1.5、2.25、3.75、4.1など)などの全ての数及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0075】
前述の主題は、理解の明確の目的のために描写及び例としていくつかの詳細で説明されたが、特定の変形および変更が添付された特許請求の範囲内で実施されることを当業者によって理解されるであろう。