(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】複数の通信リンクを用いたWLANにおける省電力且つグループアドレス指定されたフレーム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/28 20180101AFI20241008BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241008BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20241008BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
H04W76/28
H04W84/12
H04W52/02 111
H04W72/0457 110
(21)【出願番号】P 2021569930
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 US2020034599
(87)【国際公開番号】W WO2020243117
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-24
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520078248
【氏名又は名称】マーベル アジア ピーティーイー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュ、リウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ホンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、フイ-リン
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0092039(US,A1)
【文献】特開2008-245235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0116555(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0184374(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて通信するための方法であって、前記方法が、
前記複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、前記第1のWLAN通信リンクに対する前記省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定する段階と、
前記複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して前記第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを前記第1通信デバイスで判定する段階であって、前記第2のWLAN通信リンクに対する前記省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにはない場合、前記第2通信デバイスは前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあることが認められ、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにはない場合、前記第2通信デバイスは前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあることが認められる、判定する段階と、
前記第1通信デバイスが、i)前記第1のWLAN通信リンク、およびii)前記第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて前記第2通信デバイスと通信する段階であって、ここには、i)前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかという判定、およびii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかという判定に従って前記第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信する段階と、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にある場合、前記第1通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、前記パケットは、前記第2通信デバイスに働きかけて前記第2のWLAN通信リンクに対してウェイク状態に移行させる情報を有するフレームを含み、前記フレームは、サービス品質(QoS)ヌルフレームまたはアクションフレームのうちの一方である、送信する段階と
を備え
、
前記第2通信デバイスと通信する段階が、i) a)前記第1のWLAN通信リンクのトラフィックおよびb)前記第2通信デバイスに対するトラフィックの一方または両方に関連するトラフィック負荷に応答して、ii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあると決定したことに応答して、連続するビーコンフレーム送信の間において、前記第2通信デバイスを前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ウェイク状態に移行させるように促す段階と、連続するビーコンフレーム送信の間において、前記第2通信デバイスを前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ウェイク状態に移行させるように前記促すことに関連して、前記第1のWLAN通信リンクおよび前記第2のWLAN通信リンクの両方が、前記ウェイク状態にある場合、前記第1のWLAN通信リンクおよび前記第2のWLAN通信リンクを介して、同時に、前記第2通信デバイスへデータを送信する段階とを含む、方法。
【請求項2】
前記方法がさらに、
前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるとの判定に応答して、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを前記第1通信デバイスで判定する段階と、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるとの判定に応答して、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを前記第1通信デバイスで判定する段階であって、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかは、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかと無関係である、判定する段階と
を備え、
前記第2通信デバイスと通信する段階がさらに、i)前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにある場合、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかの判定、およびii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにある場合、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかの判定に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを判定する段階が、
前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにより送信されたパケットを前記第1通信デバイスで受信する段階であって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを示す情報を含む、受信する段階を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかを判定する段階が、
前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにより送信されたパケットを前記第1通信デバイスで受信する段階であって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかを示す情報を含む、受信する段階を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法がさらに、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあると前記第1通信デバイスが判定した場合、
前記第1通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してアクティブモードに移行することを要求する情報を含む、送信する段階を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法がさらに、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してオフ状態にあると前記第1通信デバイスで判定する段階と、
前記第1通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してオン状態に移行することを要求する情報を含む、送信する段階と
を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイスであって、前記無線ネットワークインタフェースデバイスが1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスを有し、
前記1つまたは複数のICデバイスが
前記複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、前記第1のWLAN通信リンクに対する前記省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定することと、
前記複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して前記第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、前記第2のWLAN通信リンクに対する前記省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかは、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかと無関係である、判定することと、
i)前記第1のWLAN通信リンク、およびii)前記第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて前記第2通信デバイスと通信することであって、ここには、i)前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかの判定、およびii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかの判定に従って前記第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信することと、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にある場合、前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信することであって、前記パケットは、前記第2通信デバイスに働きかけて前記第2のWLAN通信リンクに対してウェイク状態に移行させる情報を有するフレームを含み、前記フレームは、サービス品質(QoS)ヌルフレームまたはアクションフレームのうちの一方である、送信することと
を行うように構成されており
、
前記1つまたは複数のICデバイスが、i) a)前記第1のWLAN通信リンクのトラフィックおよびb)前記第2通信デバイスに対するトラフィックの一方または両方に関連するトラフィック負荷に応答して、ii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあると決定したことに応答して、連続するビーコンフレーム送信の間において、前記第2通信デバイスを前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ウェイク状態に移行させるように促し、連続するビーコンフレーム送信の間において、前記第2通信デバイスを前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ウェイク状態に移行させるように前記促すことに関連して、前記第1のWLAN通信リンクおよび前記第2のWLAN通信リンクの両方が、前記ウェイク状態にある場合、前記第1のWLAN通信リンクおよび前記第2のWLAN通信リンクを介して、同時に、前記第2通信デバイスへデータを送信するようにさらに構成される、第1通信デバイス。
【請求項8】
前記1つまたは複数のICデバイスがさらに、
前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるとの判定に応答して、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを判定することと、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるとの判定に応答して、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを判定することであって、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかは、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかと無関係である、判定することと、
i)前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにある場合、前記第2通信デバイスが前記第1のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかの判定、およびii)前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにある場合、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかの判定にさらに従って、前記第2通信デバイスと通信することと
を行うように構成される、請求項7に記載の第1通信デバイス。
【請求項9】
前記1つまたは複数のICデバイスがさらに、
前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにより送信されたパケットを受信することであって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを示す情報を含む、受信することと、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記ドーズ状態にあるかどうかを前記パケット内の前記情報を用いて判定することと
を行うように構成される、請求項8に記載の第1通信デバイス。
【請求項10】
前記1つまたは複数のICデバイスがさらに、
前記第1のWLAN通信リンクのみを介して前記第2通信デバイスにより送信されたパケットを受信することであって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかを示す情報を含む、受信することと、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあるかどうかを前記パケット内の前記情報を用いて判定することと
を行うように構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の第1通信デバイス。
【請求項11】
前記1つまたは複数のICデバイスがさらに、前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対して前記省電力モードにあると前記第1通信デバイスが判定した場合、
前記第1のWLAN通信リンクを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信することであって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してアクティブモードに移行することを要求する情報を含む、送信することを行うように構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の第1通信デバイス。
【請求項12】
前記1つまたは複数のICデバイスがさらに、
前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してオフ状態にあると判定することと、
前記第1のWLAN通信リンクを介して前記第2通信デバイスにパケットを送信することであって、前記パケットは前記第2通信デバイスが前記第2のWLAN通信リンクに対してオン状態に移行することを要求する情報を含む、送信することと
を行うように構成される、請求項7から11のいずれか一項に記載の第1通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年5月24日出願の「Basic Service Set (BSS) with Band Aggregation - Power Save and TWT」と題する米国仮特許出願第62/852,612号、2019年7月29日出願の「Basic Service Set (BSS) with Band Aggregation - Power Save and TWT」と題する米国仮特許出願第62/879,801号、2019年8月14日出願の「Basic Service Set (BSS) with Band Aggregation - Power Save and TWT」と題する米国仮特許出願第62/886,812号、2019年8月19日出願の「Basic Service Set (BSS) with Band Aggregation - Power Save and TWT」と題する米国仮特許出願第62/888,950号、および2019年9月6日出願の「Basic Service Set (BSS) with Band Aggregation - Power Save and TWT」と題する米国仮特許出願第62/897,155号の利益を主張する。上述した全ての特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は概して無線通信システムに関し、より具体的には、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを用いた無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるパケット送信および省電力動作に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)は過去20年の間に急速に進化し、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格系といったWLAN規格の開発によって、シングルユーザのピークデータレートが向上した。データレートが増加した1つの手法は、WLANに用いられる通信チャネルの周波数帯域幅を増やすことである。例えば、IEEE802.11n規格では、2つの20MHzサブチャネルを集約して40MHzの集約通信チャネルを形成することが可能になる。一方、もっと最近のIEEE802.11ax規格では、20MHzサブチャネルを最大8個まで集約して最大160MHzまでの集約通信チャネルを形成することが可能になる。現在、IEEE802.11規格の新版に関する研究が始まっている。これはIEEE802.11be規格、または超高速スループット(EHT)WLANと呼ばれる。IEEE802.11be規格では、16個もの(または場合によってはさらに多くの)20MHzサブチャネルを集約して、最大320MHzまでの集約通信チャネル(または場合によってはさらに広い集約通信チャネル)を形成することが可能になり得る。さらに、IEEE802.11be規格では、異なる周波数セグメントの(例えば、周波数のギャップで分離された)20MHzサブチャネルを集約してそれぞれの通信リンクを形成することが可能になり得る。さらに、IEEE802.11be規格では、異なる無線周波数(RF)帯域の20MHzサブチャネルを集約して1つの集約チャネルを形成することが可能になり得るか、または異なるRF帯域の20MHzサブチャネルを集約して、それぞれの通信リンクを形成することが可能になり得る。
【0004】
現在のIEEE802.11規格(本明細書では簡単にするために「IEEE802.11規格」と呼ばれる)は、1つの通信チャネルを介してパケットを第2通信デバイスに送信する第1通信デバイスを提供する。IEEE802.11規格は、デバイスが省電力モードに入り、省電力モードの間に1つの通信チャネルを介してパケットを受信するための機構も提供する。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態では、ある方法が、それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて通信するためのものである。本方法は、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、第1のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定する段階と、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、第2のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにはない場合、第2通信デバイスは第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあることが認められ、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにはない場合、第2通信デバイスは第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあることが認められる、判定する段階と、第1通信デバイスが、i)第1のWLAN通信リンク、およびii)第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて第2通信デバイスと通信する段階であって、ここには、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定に従って第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信する段階とを備える。
【0006】
別の実施形態では、第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスを含み、本ICデバイスは、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、第1のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、第2のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかと無関係である、判定することと、i)第1のWLAN通信リンク、およびii)第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて第2通信デバイスと通信することであって、ここには、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定に従って第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信することとを行うように構成される。
【0007】
さらに別の実施形態では、ある方法が、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANにおいて通信するためのものである。本方法は、第1通信デバイスが第1のターゲットウェイクタイム(TWT)アグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートする段階であって、i)第1のTWTアグリーメントの複数のTWTサービス期間(SP)のうちの第1期間、およびii)第1のTWTアグリーメントの各TWT SPの第1時間長をネゴシエートすることを含み、第1のTWTアグリーメントは複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクのためのものであり、第1のTWTアグリーメントのTWT SPは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応する、ネゴシエートする段階と、第1通信デバイスが第2通信デバイスと第2のTWTアグリーメントをネゴシエートする段階であって、i)第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPのうちの第2期間、およびii)第2のTWTアグリーメントの各TWT SPの第2時間長をネゴシエートすることを含み、第2のTWTアグリーメントは第2のWLAN通信リンクのためのものであり、第2のTWTアグリーメントのTWT SPは、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応し、i)第1期間が第2期間と異なることが認められる、およびii)第1時間長が第2時間長と異なることが認められる、のうちの少なくとも一方である、ネゴシエートする段階と、第1通信デバイスが第1のTWTアグリーメントに従い第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信する段階と、第1通信デバイスが第2のTWTアグリーメントに従い第2のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信する段階とを含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、第1のTWTアグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートすることであって、i)第1のTWTアグリーメントの複数のTWT SPのうちの第1期間、およびii)第1のTWTアグリーメントの各TWT SPの第1時間長をネゴシエートすることを含み、第1のTWTアグリーメントは複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクのためのものであり、第1のTWTアグリーメントのTWT SPは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応する、ネゴシエートすることと、第2のTWTアグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートすることであって、i)第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPのうちの第2期間、およびii)第2のTWTアグリーメントの各TWT SPの第2時間長をネゴシエートすることを含み、第2のTWTアグリーメントは第2のWLAN通信リンクのためのものであり、第2のTWTアグリーメントのTWT SPは、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応し、i)第1期間が第2期間と異なることが認められる、およびii)第1時間長が第2時間長と異なることが認められる、のうちの少なくとも一方である、ネゴシエートすることと、第1のTWTアグリーメントに従い第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信することと、第2のTWTアグリーメントに従い第2のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信することとを行うように構成される。
【0009】
別の実施形態では、ある方法が、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANにおいて、トラフィックストリームを送信するためのものである。本方法は、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用にネゴシエートされているとの判定に応答して、第1通信デバイスが特定のWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信する段階と、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、第1通信デバイスが複数のWLAN通信リンクを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信する段階とを含む。
【0010】
さらに別の実施形態では、第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているかどうかを判定し、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用にネゴシエートされているとの判定に応答して、特定のWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信し、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、複数のWLAN通信リンクを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信するように構成される。
【0011】
さらに別の実施形態では、ある方法が、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANにおいて、グループアドレス指定されたフレームを送信するためのものである。本方法は、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、グループアドレス指定されたフレームはWLAN内の複数の第2通信デバイスを対象にしている、判定する段階と、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが複数のWLAN通信リンクの中のそれぞれのWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスを送信する段階であって、ここには、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスはある値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスはその値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することとが含まれる、送信する段階と、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが1つのWLAN通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信する段階とを備える。
【0012】
別の実施形態では、第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定することであって、グループアドレス指定されたフレームはWLAN内の複数の第2通信デバイスを対象にしている、判定することと、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、複数のWLAN通信リンクの中のそれぞれのWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスを送信することであって、ここには、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスはある値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスはその値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することとが含まれる、送信することとを行うように構成される。1つまたは複数のICデバイスはさらに、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、1つのWLAN通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態による、通信デバイスがそれぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して無線で情報のやり取りをする、例示的な通信システムのブロック図である。
【0014】
【
図2A】一実施形態による、
図1の通信システムで用いられる例示的な通信チャネルの図であり、この通信チャネルはそれぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを有する。
【0015】
【
図2B】一実施形態による、
図1の通信システムで用いられる別の例示的な通信チャネルの図であり、この通信チャネルはそれぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを有する。
【0016】
【
図3】一実施形態による、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して通信するように構成された、例示的な無線ネットワークインタフェースデバイスのブロック図である。
【0017】
【
図4】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用するWLANにおいてトラフィックストリームを送信するための、例示的な方法のフロー図である。
【0018】
【
図5】一実施形態による、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して送信される、グループアドレス指定されたフレームを示す図である。
【0019】
【
図6】一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおいてグループアドレス指定されたフレームを送信するための、例示的な方法のフロー図である。
【0020】
【
図7】一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークで送信されたグループアドレス指定されたフレームを受信デバイスで処理するための、例示的な方法のフロー図である。
【0021】
【
図8】一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるアクセスポイント(AP)とクライアントステーションとの間の、例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0022】
【
図9】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0023】
【
図10】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0024】
【
図11】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0025】
【
図12】一実施形態による、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して通信するための、例示的な方法のフロー図である。
【0026】
【
図13】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0027】
【
図14】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0028】
【
図15】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0029】
【
図16】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおけるAPとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取りに関する図である。
【0030】
【
図17】一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおける、ビーコンフレームの例示的な送信の図である。
【0031】
【
図18】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおける、ビーコンフレームの別の例示的な送信の図である。
【0032】
【
図19】別の実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを利用する無線通信ネットワークにおける、ビーコンフレームの別の例示的な送信の図である。
【0033】
【
図20】一実施形態による、第1通信デバイスが第2通信デバイス用のバッファリングされたフレームを有しているかどうかを第1通信デバイスが第2通信デバイスに通知するための、例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次世代の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコル(例えば、超高速スループット(EHT)WLAN規格と呼ばれることがあるIEEE802.11be規格)では、16個もの(または、場合によってはさらに多くの)20MHzサブチャネルを集約して、320MHzの集約通信チャネル(または、場合によってはさらに広い集約通信チャネル)を形成することが可能になり得る。さらに、IEEE802.11be規格では、異なる周波数セグメントの(例えば、周波数のギャップで分離された)20MHzサブチャネルを集約してそれぞれの通信リンクを形成することが可能になり得る。さらに、IEEE802.11be規格では、それぞれの周波数セグメントに対応する複数のWLAN通信リンクの形成が可能になり得る。複数のWLAN通信リンクは、異なる情報を同時に送信/受信するのに用いられてよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、通信デバイスが複数の通信リンクの中の第2通信リンクに対して省電力モードで動作しているかどうかと無関係に、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の第1通信リンクに対して、通信デバイスが省電力モードで動作することが認められ、その逆も同様である。これにより、いくつかの実施形態によれば、WLANで通信し且つ電力を節約する際の柔軟性を有する通信デバイスがWLANに提供される。いくつかの実施形態では、これにより、スループットおよび/または輻輳を改善する際の柔軟性を有する、WLANのアクセスポイント(AP)が提供される。なぜならば、APは例えば、異なるクライアントステーションに、異なる通信リンクに対して省電力モードに入るよう要求して、クライアントステーション同士によるWLAN通信リンクの競合を減らすことができるからである。
【0036】
いくつかの実施形態では、WLAN内の通信デバイスが、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンク用に第1のターゲットウェイクタイム(TWT)アグリーメントをネゴシエートすることができ、これは第2のWLAN通信リンク用に第2のTWTアグリーメントをネゴシエートすることと無関係である。これにより、いくつかの実施形態によれば、電力を節約する際の柔軟性を有する通信デバイスがWLANに提供される。いくつかの実施形態では、これにより、スループットおよび/または輻輳を改善する際の柔軟性を有するAPが提供される。なぜならば、APは例えば、異なるクライアントステーションが異なる通信リンクに対して低電力状態に入るようにスケジューリングして、クライアントステーション同士によるWLAN通信リンクの競合を減らすことができるからである。
【0037】
いくつかの実施形態では、異なるサービス品質要件を有する特定の種類のトラフィックを送信するための特定の通信リンクを選択するように、且つ/または複数の通信リンクのうちのいずれかを介していくつかの種類のトラフィックを送信する柔軟性を持つように、APがクライアントステーションとネゴシエートすることができる。いくつかの実施形態では、これにより、スループットおよび/または輻輳を改善する際の柔軟性を有するAPが提供される。なぜならば、APは例えば、特定の種類のトラフィックのために第1通信リンクを確保する、且つ/または任意の通信リンクを介して特定の種類のトラフィックを送信することができるからである。
【0038】
いくつかの実施形態では、1つの通信リンクおよび/または複数の通信リンクを介して、APがグループアドレス指定されたフレームを送信することができる。いくつかの実施形態では、これにより、WLANにおけるスループット、輻輳、および/または電力消費を改善する際の柔軟性を有するAPが提供される。なぜならば、APは例えば、対象とする全ての受信機が1つの通信リンクを介して受信するのに利用可能である場合には、その1つの通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信することを選択し、また対象とする全ての受信機が1つの通信リンクのみを介して受信するのに利用可能ではない場合には、複数の通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信することを選択することができるからである。
【0039】
図1は、一実施形態による、複数の周波数セグメント内または異なる無線周波数(RF)帯域内の複数の通信リンクを用いる例示的なWLAN110の図である。WLAN110は、無線ネットワークインタフェースデバイス122に結合されたホストプロセッサ118を備えるアクセスポイント(AP)114を含む。無線ネットワークインタフェースデバイス122は、1つまたは複数の媒体アクセス制御(MAC)プロセッサ126(本明細書では簡略化するために「MACプロセッサ126」と呼ばれることがある)と、1つまたは複数のPHYプロセッサ130(本明細書では簡略化するために「PHYプロセッサ130」と呼ばれることがある)とを含む。PHYプロセッサ130は、複数の送受信機134を含み、これらの送受信機134は複数のアンテナ138に結合されている。
図1には3つの送受信機134および3つのアンテナ138が示されているが、他の実施形態において、AP114は他の好適な数(例えば、1つ、2つ、4つ、5つなど)の送受信機134およびアンテナ138を含む。いくつかの実施形態において、AP114は、送受信機134より多くの数のアンテナ138を含み、アンテナ切り替え手法が利用される。
【0040】
一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122は、1つのRF帯域内で所定の時間に動作するように構成される。一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122は、1つのRF帯域内のそれぞれの周波数セグメントに含まれる複数の通信リンクを介して同時に通信する、且つ/または複数の通信リンクを介して別々の時間に通信するように構成される。別の実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122はさらに、2つ以上のRF帯域内で同時にまたは別々の時間に動作するように構成される。例えば、一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122は、それぞれのRF帯域内の複数の通信リンクを介して同時に通信する、且つ/または複数の通信リンクを介して別々の時間に通信するように構成される。一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122は複数のPHYプロセッサ130を含み、それぞれのPHYプロセッサ130はそれぞれのRF帯域に対応する。別の実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス122は1つのPHYプロセッサ130を含み、各送受信機134はそれぞれのRF帯域に対応するそれぞれのRF無線機を含む。
【0041】
無線ネットワークインタフェースデバイス122は、後述されるとおりに動作するように構成された1つまたは複数の集積回路(IC)を用いて実装される。例えば、MACプロセッサ126は第1のICに少なくとも部分的に実装されてよく、PHYプロセッサ130は第2のICに少なくとも部分的に実装されてよい。例えば、様々な実施形態において、第1のICおよび第2のICは、1つのICパッケージに一緒に収められることでモジュール型デバイスを形成してもよく、第1のICおよび第2のICは1つのプリント基板上で一緒に結合されてもよい。別の例として、MACプロセッサ126の少なくとも一部およびPHYプロセッサ130の少なくとも一部が、1つのICに実装されてもよい。例えば、無線ネットワークインタフェースデバイス122はシステムオンチップ(SoC)を用いて実装されてよく、SoCは、MACプロセッサ126の少なくとも一部およびPHYプロセッサ130の少なくとも一部を含む。
【0042】
一実施形態において、ホストプロセッサ118は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどといったメモリデバイス(不図示)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態において、ホストプロセッサ118は第1のICに少なくとも部分的に実装されてよく、ネットワークデバイス122は第2のICに少なくとも部分的に実装されてよい。別の例として、ホストプロセッサ118、および無線ネットワークインタフェースデバイス122の少なくとも一部が1つのICに実装されてもよい。
【0043】
様々な実施形態において、AP114のMACプロセッサ126および/またはPHYプロセッサ130はデータユニットを生成し、また受け取ったデータユニットを処理するように構成され、このデータユニットは、IEEE802.11規格に適合する通信プロトコルまたは別の好適な無線通信プロトコルなどのWLAN通信プロトコルに適合している。例えば、MACプロセッサ126は、WLAN通信プロトコルのMAC層機能を含むMAC層機能を実装するように構成されてよく、PHYプロセッサ130は、WLAN通信プロトコルのPHY機能を含むPHY機能を実装するように構成されてよい。例えば、MACプロセッサ126は、MACサービスデータユニット(MSDU)、MACプロトコルデータユニット(MPDU)などといったMAC層データユニットを生成し、このMAC層データユニットをPHYプロセッサ130に供給するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ126は、MAC層データユニットを送信するのに用いるべき通信リンクを選択し、選択した通信リンクでMAC層データユニットを送信するようPHYプロセッサ130を制御するように構成される。また、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ126は、それぞれの通信リンクがいつアイドル状態であり且つ送信に利用可能であるかを判定し、それぞれの通信リンクがアイドル状態のときにMAC層データユニットを送信するようPHYプロセッサ130を制御するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ126は、クライアントステーションがいつスリープ状態にあるのか(したがって送信にも受信にも利用できないか)を判定するように構成される。例えば、いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ126は、クライアントステーションがいつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーションがいつウェイク状態にあってAP114との間の送信または受信に利用可能であるべきかについて、クライアントステーションとスケジュールをネゴシエートするように構成される。
【0044】
PHYプロセッサ130は、MACプロセッサ126からMAC層データユニットを受け取り、このMAC層データユニットをカプセル化して、アンテナ138を介して送信するためにPHYプロトコルデータユニット(PPDU)などのPHYデータユニットを生成するように構成されてよい。同様に、PHYプロセッサ130は、アンテナ138を介して受信したPHYデータユニットを受け取り、PHYデータユニットにカプセル化されたMAC層データユニットを抽出するように構成されてよい。PHYプロセッサ130は、抽出したMAC層データユニットをMACプロセッサ126に提供してよく、MACプロセッサ126はこのMAC層データユニットを処理する。
【0045】
PHYデータユニットは、本明細書では「パケット」と呼ばれることがあり、MAC層データユニットは、本明細書では「フレーム」と呼ばれることがある。
【0046】
一実施形態によれば、1つまたは複数のRF信号を送信のために生成することに関して、PHYプロセッサ130は、PPDUに対応するデータを処理して(この処理には、変調、フィルタリングなどが含まれてよい)1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を生成し、このデジタルベースバンド信号を1つまたは複数のアナログベースバンド信号に変換するように構成される。さらに、PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のアナログベースバンド信号を、1つまたは複数のアンテナ138を介して送信するために1つまたは複数のRF信号にアップコンバートするように構成される。
【0047】
1つまたは複数のRF信号を受信することに関して、PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のRF信号を1つまたは複数のアナログベースバンド信号にダウンコンバートし、1つまたは複数のアナログベースバンド信号を1つまたは複数のデジタルベースバンド信号に変換するように構成される。PHYプロセッサ130はさらに、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を処理して(この処理には、復調、フィルタリングなどが含まれてよい)PPDUを生成するように構成される。
【0048】
PHYプロセッサ130は、様々な実施形態において、増幅器(例えば、低雑音増幅器(LNA)、電力増幅器など)、RFダウンコンバータ、RFアップコンバータ、複数のフィルタ、1つまたは複数のアナログ/デジタル変換器(ADC)、1つまたは複数のデジタル/アナログ変換器(DAC)、1つまたは複数の離散フーリエ変換(DFT)計算機(例えば、高速フーリエ変換(FFT)計算機)、1つまたは複数の逆離散フーリエ変換(IDFT)計算機(例えば、逆高速フーリエ変換(IFFT)計算機)、1つまたは複数の変調器、1つまたは複数の復調器などを含む。
【0049】
PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のアンテナ138に供給される1つまたは複数のRF信号を生成するように構成される。PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のアンテナ138から1つまたは複数のRF信号を受け取るようにも構成される。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ126は、例えば、1つまたは複数のMAC層データユニット(例えば、MPDU)をPHYプロセッサ130に供給し且つ任意選択的に1つまたは複数の制御信号をPHYプロセッサ130に供給することで、1つまたは複数のRF信号を生成するようPHYプロセッサ130を制御するように構成される。一実施形態において、MACプロセッサ126は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどといったメモリデバイス(不図示)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。他の実施形態において、MACプロセッサ126は追加的にまたは代替的に、1つまたは複数のハードウェアステートマシンを含む。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ126は、MAC層データユニットを送信するのに用いるべき通信リンクを選択するように構成された通信リンク選択制御装置140を含む、またはこれを実装する。一実施形態によれば、例えば、クライアントステーションがそれぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを介して通信するように構成されている場合、通信リンク選択制御装置140は、1つまたは複数のMAC層データユニットのために、1つまたは複数のMAC層データユニットを送出するための複数の通信リンクのうちの1つを選択する。別の例として、グループアドレス指定されたMAC層データユニット(例えば、受信者アドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定されたMAC層データユニット)のために、一実施形態によれば、通信リンク選択制御装置140は、グループアドレス指定されたMAC層データユニット用に、グループアドレス指定されたMAC層データユニットを送出するための複数の通信リンクのうちの1つまたは複数を選択する。
【0052】
一実施形態において、通信リンク選択制御装置140は、プロセッサがメモリに格納された機械可読命令を実行することで実装され、機械可読命令は、以下でより詳細に説明される動作をプロセッサに行わせる。別の実施形態において、通信リンク選択制御装置140は追加的にまたは代替的に、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成されたハードウェア回路を有する。いくつかの実施形態において、ハードウェア回路は、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成された1つまたは複数のハードウェアステートマシンを含む。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ126は追加的にまたは代替的に、クライアント省電力(PS)制御装置142を含む、またはこれを実装する。制御装置142は、i)複数の通信リンクに関してクライアントステーションのPSに関連した状態を判定し、ii)複数の通信リンクに関してクライアントステーションのPSに関連したスケジュールをネゴシエートし、且つ/またはiii)PSに関連したスケジュールに関してフレームの生成を制御するように構成される。一実施形態によれば、例えば、クライアントステーションがそれぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを介して通信するように構成されている場合、クライアントPS制御装置142は、それぞれの通信リンクに対応するクライアントステーションのPSに関連した状態を判定するように構成される。別の例として、クライアントステーションがそれぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを介して通信するように構成されている場合、一実施形態によれば、クライアントPS制御装置142は、それぞれの通信リンクのPSに関連したスケジュールをクライアントステーションとネゴシエートする。
【0054】
一実施形態において、クライアントPS制御装置142は、プロセッサがメモリに格納された機械可読命令を実行することで実装され、機械可読命令は以下でより詳細に説明される動作をプロセッサに行わせる。別の実施形態において、クライアントPS制御装置142は追加的にまたは代替的に、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成されたハードウェア回路を有する。いくつかの実施形態において、ハードウェア回路は、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成された1つまたは複数のハードウェアステートマシンを含む。
【0055】
他の実施形態において、通信リンク制御装置140および/またはクライアントPS制御装置142は、AP114から省かれる。
【0056】
WLAN110は、複数のクライアントステーション154も含む。
図1には3つのクライアントステーション154が示されているが、様々な実施形態において、WLAN110は他の好適な数(例えば、1つ、2つ、4つ、5つ、6つなど)のクライアントステーション154を含む。クライアントステーション154-1は、無線ネットワークインタフェースデバイス162に結合されたホストプロセッサ158を含む。無線ネットワークインタフェースデバイス162は、1つまたは複数のMACプロセッサ166(本明細書では簡略化するために「MACプロセッサ166」と呼ばれることがある)と、1つまたは複数のPHYプロセッサ170(本明細書では簡略化するために「PHYプロセッサ170」と呼ばれることがある)とを含む。PHYプロセッサ170は複数の送受信機174を含み、これらの送受信機174は複数のアンテナ178に結合されている。
図1には3つの送受信機174および3つのアンテナ178が示されているが、他の実施形態において、クライアントステーション154-1は他の好適な数(例えば、1つ、2つ、4つ、5つなど)の送受信機174およびアンテナ178を含む。いくつかの実施形態において、クライアントステーション154-1は、送受信機174より多くの数のアンテナ178を含み、アンテナ切り替え手法が利用される。
【0057】
一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は、1つのRF帯域内で所定の時間に動作するように構成される。別の実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は、2つ以上のRF帯域内で同時にまたは別々の時間に動作するように構成される。例えば、一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は複数のPHYプロセッサ170を含み、それぞれのPHYプロセッサ170はそれぞれのRF帯域に対応する。別の実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は1つのPHYプロセッサ170を含み、各送受信機174はそれぞれのRF帯域に対応するそれぞれのRF無線機を含む。一実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は複数のMACプロセッサ166を含み、それぞれのMACプロセッサ166はそれぞれのRF帯域に対応する。別の実施形態において、無線ネットワークインタフェースデバイス162は、複数のRF帯域に対応する1つのMACプロセッサ166を含む。
【0058】
無線ネットワークインタフェースデバイス162は、後述されるとおりに動作するように構成された1つまたは複数のICを用いて実装される。例えば、MACプロセッサ166は少なくとも第1のICに実装されてよく、PHYプロセッサ170は少なくとも第2のICに実装されてよい。例えば、様々な実施形態において、第1のICおよび第2のICは、1つのICパッケージに一緒に収められることでモジュール型デバイスを形成してもよく、第1のICおよび第2のICは1つのプリント基板上で一緒に結合されてもよい。別の例として、MACプロセッサ166の少なくとも一部およびPHYプロセッサ170の少なくとも一部が、1つのICに実装されてもよい。例えば、無線ネットワークインタフェースデバイス162はSoCを用いて実装されてよく、SoCは、MACプロセッサ166の少なくとも一部およびPHYプロセッサ170の少なくとも一部を含む。
【0059】
一実施形態において、ホストプロセッサ158は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどといったメモリデバイス(不図示)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態において、ホストプロセッサ158は第1のICに少なくとも部分的に実装されてよく、ネットワークデバイス162は第2のICに少なくとも部分的に実装されてよい。別の例として、ホストプロセッサ158、および無線ネットワークインタフェースデバイス162の少なくとも一部が1つのICに実装されてもよい。
【0060】
様々な実施形態において、クライアントステーション154-1のMACプロセッサ166およびPHYプロセッサ170は、データユニットを生成し、また受け取ったデータユニットを処理するように構成され、このデータユニットはWLAN通信プロトコルまたは別の好適な通信プロトコルに適合している。例えば、MACプロセッサ166は、WLAN通信プロトコルのMAC層機能を含むMAC層機能を実装するように構成されてよく、PHYプロセッサ170は、WLAN通信プロトコルのPHY機能を含むPHY機能を実装するように構成されてよい。MACプロセッサ166は、MSDU、MPDUなどといったMAC層データユニットを生成し、このMAC層データユニットをPHYプロセッサ170に供給するように構成されてよい。さらに、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ166は、MAC層データユニットを送信するのに用いるべき通信リンクを選択し、選択した通信リンクでMAC層データユニットを送信するようPHYプロセッサ170を制御するように構成される。また、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ166は、それぞれの通信リンクがいつアイドル状態であり且つ送信に利用可能であるかを判定し、それぞれの通信リンクがアイドル状態のときにMAC層データユニットを送信するようPHYプロセッサ170を制御するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、MACプロセッサ166は、無線ネットワークインタフェースデバイス162の各部分がいつスリープ状態またはウェイク状態にあるのかを制御する(例えば、電力を節約する)ように構成される。いくつかの実施形態によれば、例えば、MACプロセッサ166は、クライアントステーション154-1がいつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーション154-1がいつウェイク状態になってAP114との間の送信または受信に利用可能であるべきかについて、AP114とスケジュールをネゴシエートするように構成される。
【0061】
PHYプロセッサ170は、MACプロセッサ166からMAC層データユニットを受け取り、このMAC層データユニットをカプセル化して、アンテナ178を介して送信するためにPPDUなどのPHYデータユニットを生成するように構成されてよい。同様に、PHYプロセッサ170は、アンテナ178を介して受信したPHYデータユニットを受け取り、PHYデータユニットにカプセル化されたMAC層データユニットを抽出するように構成されてよい。PHYプロセッサ170は、抽出したMAC層データユニットをMACプロセッサ166に供給してよく、MACプロセッサ166はこのMAC層データユニットを処理する。
【0062】
一実施形態によれば、PHYプロセッサ170は、1つまたは複数のアンテナ178を介して受信した1つまたは複数のRF信号を1つまたは複数のアナログベースバンド信号にダウンコンバートし、このアナログベースバンド信号を1つまたは複数のデジタルベースバンド信号に変換するように構成される。PHYプロセッサ170はさらに、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を処理して、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を復調し、PPDUを生成するように構成される。PHYプロセッサ170は、増幅器(例えば、LNA、電力増幅器など)、RFダウンコンバータ、RFアップコンバータ、複数のフィルタ、1つまたは複数のADC、1つまたは複数のDAC、1つまたは複数のDFT計算機(例えば、FFT計算機)、1つまたは複数のIDFT計算機(例えば、IFFT計算機)、1つまたは複数の変調器、1つまたは複数の復調器などを含む。
【0063】
PHYプロセッサ170は、1つまたは複数のアンテナ178に供給される1つまたは複数のRF信号を生成するように構成される。PHYプロセッサ170は、1つまたは複数のアンテナ178から1つまたは複数のRF信号を受け取るようにも構成される。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ166は、例えば、1つまたは複数のMAC層データユニット(例えば、MPDU)をPHYプロセッサ170に供給し且つ任意選択的に1つまたは複数の制御信号をPHYプロセッサ170に供給することで、1つまたは複数のRF信号を生成するようPHYプロセッサ170を制御するように構成される。一実施形態において、MACプロセッサ166は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどといったメモリデバイス(不図示)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態において、MACプロセッサ166はハードウェアステートマシンを含む。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ166は、MAC層データユニットを送信するのに用いるべき通信リンクを選択するように構成された通信リンク選択制御装置190を含む、またはこれを実装する。一実施形態によれば、例えば、通信リンク選択制御装置190は、1つまたは複数のMAC層データユニットのために、1つまたは複数のMAC層データユニットを送出するための複数の通信リンクのうちの1つを選択する。
【0066】
一実施形態において、通信リンク選択制御装置190は、プロセッサがメモリに格納された機械可読命令を実行することで実装され、機械可読命令は、以下でより詳細に説明される動作をプロセッサに行わせる。別の実施形態において、通信リンク選択制御装置190は追加的にまたは代替的に、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成されたハードウェア回路を有する。いくつかの実施形態において、ハードウェア回路は、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成された1つまたは複数のハードウェアステートマシンを含む。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、MACプロセッサ166は追加的にまたは代替的に、PS制御装置192を含む、またはこれを実装する。制御装置192は、i)複数の通信リンクに関して無線ネットワークインタフェースデバイス162のPSに関連した状態を判定し、ii)複数の通信リンクに関してクライアントステーション154-1のPSに関連したスケジュールをネゴシエートし、且つ/またはiii)PSに関連したスケジュールに関してフレームの生成を制御するように構成される。一実施形態によれば、例えば、クライアントPS制御装置192は、それぞれの通信リンクのPSに関連したスケジュールをAP114とネゴシエートする。
【0068】
一実施形態において、クライアントPS制御装置192は、プロセッサがメモリに格納された機械可読命令を実行することで実装され、機械可読命令は以下でより詳細に説明される動作をプロセッサに行わせる。別の実施形態において、クライアントPS制御装置192は追加的にまたは代替的に、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成されたハードウェア回路を有する。いくつかの実施形態において、ハードウェア回路は、以下でより詳細に説明される動作を行うように構成された1つまたは複数のハードウェアステートマシンを含む。
【0069】
他の実施形態において、通信リンク制御装置190および/またはクライアントPS制御装置192は、クライアントステーション154-1から省かれる。
【0070】
一実施形態において、クライアントステーション154-2および154-3のそれぞれは、クライアントステーション154-1と同じまたはこれと同様の構造を有する。一実施形態において、クライアントステーション154-2および154-3のうちの一方または両方は、クライアントステーション154-1と異なる好適な構造を有する。クライアントステーション154-2および154-3のそれぞれは、同じ数または異なる数の送受信機およびアンテナを有する。一実施形態によれば、例えば、クライアントステーション154-2および/またはクライアントステーション154-3はそれぞれ、2つの送受信機および2つのアンテナのみを有する(不図示)。
【0071】
図2Aは、一実施形態による、
図1の通信システム110に用いられる例示的な運用チャネル200の図である。運用チャネル200は、第1周波数セグメント208に含まれる複数のサブチャネル204と、第2周波数セグメント216に含まれる複数のサブチャネル212とを有する。運用チャネル200は、全体の帯域幅220に及ぶ。一実施形態において、第1セグメント208および第2セグメント216は同じ無線周波数(RF)帯域内にある。
【0072】
他の実施形態において、第1セグメント208および第2セグメント216は異なるRF帯域内にある。連邦通信委員会(FCC)は現在、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を複数のRF帯域、例えば2.4GHz帯域(約2.4~2.5GHz)および5GHz帯域(約5.170~5.835GHz)で運用することを許可している。最近FCCは、WLANを6GHz帯域(5.925~7.125GHz)でも運用できることを提案した。他の国/地域の規制当局も、2.4GHz帯域および5GHz帯域におけるWLAN運用を許可しており、6GHz帯域におけるWLAN運用の許可を検討している。現在開発中の将来のWLANプロトコルによって、WLANが複数のRF帯域のスペクトルを同時に用いることができるマルチバンド運用が認められるかもしれない。
【0073】
いくつかの実施形態において、第1周波数セグメント208は第1通信リンクとして用いられ、第2周波数セグメント216は第2通信リンクとして用いられ、第1通信リンクおよび第2通信リンクは同時送信に用いられる。
【0074】
1つの実施形態において、サブチャネル204/212のそれぞれは、20MHzに及ぶ。したがって、
図2Aに示すように、第1セグメント208は160MHzに及び、第2セグメント216は80MHzに及ぶ。他の実施形態において、第1周波数セグメント208は、別の好適な数のサブチャネル204(例えば、1つ、2つ、4つなど)を含み、20MHz、40MHz、80MHzなどといった別の好適な帯域幅に及び、且つ/または第2周波数セグメント216は、別の好適な数のサブチャネル212(例えば、1つ、2つ、8つなど)を含み、20MHz、40MHz、160MHzなどといった別の好適な帯域幅に及ぶ。
【0075】
第1周波数セグメント208に含まれる1つのサブチャネル204-1がプライマリサブチャネルとして指定され、その他のサブチャネル204/212はセカンダリサブチャネルとして指定される。いくつかの実施形態によれば、制御フレームおよび/または管理フレームがプライマリサブチャネル204-1で送信される。いくつかの実施形態において、プライマリサブチャネルは、サブチャネル204/212のうちのいずれかを送信に用いるために、いくつかの実施形態によればアイドル状態でなければならない。いくつかの実施形態において、第2周波数セグメント216に含まれるサブチャネル212も、プライマリサブチャネルとして指定される(不図示)。第2周波数セグメント216がプライマリサブチャネルも含むいくつかの実施形態において、少なくともいくつかのシナリオでは、制御フレームおよび/または管理フレームは追加的にまたは代替的に、第2周波数セグメント216のプライマリサブチャネルで送信される。他の実施形態において、制御フレームおよび/または管理フレームは、第1周波数セグメント208のプライマリサブチャネル204-1でのみ送信される。
【0076】
第2周波数セグメント216がプライマリサブチャネルも含むいくつかの実施形態において、いくつかの実施形態によれば、第1周波数セグメント208のプライマリサブチャネル204-1は、複数のサブチャネル204のうちのいずれかを送信に用いるためにアイドル状態でなければならず、第2周波数セグメント216のプライマリサブチャネルは、複数のサブチャネル212のうちのいずれかを送信に用いるためにアイドル状態でなければならない。他の実施形態において、いくつかの実施形態によれば、複数のセカンダリサブチャネル204のうちの1つまたは複数が、プライマリサブチャネル204-1がアイドル状態ではない場合にも送信に用いられてよく、且つ/または複数のセカンダリサブチャネル212のうちの1つまたは複数が、第2周波数セグメント216のプライマリサブチャネルがアイドル状態ではない場合にも送信に用いられてよい。
【0077】
他の実施形態において、第2セグメント216に含まれるどのサブチャネル212も、プライマリサブチャネルとして指定されない。
【0078】
図2Bは、別の実施形態による、
図1の通信システム110に用いられる別の例示的な運用チャネル250の図である。運用チャネル250は
図2Aの例示的な運用チャネル200と同様であり、簡略化するために同じ番号の要素は詳細に説明されない。例示的な運用チャネル250では、第1周波数セグメント208および第2周波数セグメント216が、周波数のギャップ254によって分離されている。いくつかの実施形態において、第1周波数セグメント208および第2周波数セグメント216は同じRF帯域にある。他の実施形態において、第1周波数セグメント208および第2周波数セグメント216は異なるRF帯域にある。
【0079】
ここで
図2Aおよび
図2Bを参照すると、サブチャネル204/212のうちの1つまたは複数が「パンクチャリング」され(
図2Aおよび
図2Bには示されていない)、例えば、いくつかの実施形態によれば、「パンクチャリング」されたサブチャネルでは何も送信されない。
【0080】
図2A~
図2Bの例示的な運用チャネル200および250は2つの周波数セグメント208/216を含むものとして示されているが、他の好適な運用チャネルでは、3つ以上の周波数セグメント(例えば、第3周波数セグメントを含む、第3周波数セグメントおよび第4周波数セグメントを含むなど)が含まれる。いくつかの実施形態において、何も送信されない周波数のギャップ(ギャップ254と同様)によって第3周波数セグメントが第2周波数セグメント216から分離されている。いくつかの実施形態において、第3周波数セグメントが周波数において第2周波数セグメント216と連続している。
【0081】
いくつかの実施形態において、
図2A~
図2Bに示されているようなそれぞれの周波数セグメントが、異なるMACアドレスと関連付けられている。例えば、それぞれの周波数セグメントがそれぞれの通信リンクとして用いられる実施形態において、それぞれの通信リンクは、異なるMACアドレスに対応する。
【0082】
図3は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数の通信リンクを介して同時通信を行うように構成された、例示的なネットワークインタフェースデバイス300の図である。ネットワークインタフェースデバイス300は、
図1のAP114のネットワークインタフェースデバイス122の一実施形態である。ネットワークインタフェースデバイス300は、
図1のクライアントステーション154-1のネットワークインタフェースデバイス162の一実施形態である。他の実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス122および/またはネットワークインタフェースデバイス162は、ネットワークインタフェースデバイス300と異なる好適な構造を有する。さらに、いくつかの実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス300は、
図1の通信デバイスとは別の好適な通信デバイスに用いられる、且つ/または
図1の無線ネットワークとは別の好適な無線ネットワークに用いられる。
【0083】
ネットワークインタフェースデバイス300は、示された実施形態において、第1周波数セグメントの第1通信リンクおよび第2周波数セグメントの第2通信リンクを介して同時通信を行うように構成される。
【0084】
ネットワークインタフェースデバイス300は、PHYプロセッサ308に結合されたMACプロセッサ304を含む。MACプロセッサ304は、PHYプロセッサ308とフレーム(またはPSDU)をやり取りをする。
【0085】
一実施形態において、MACプロセッサ304は
図1のMACプロセッサ126に対応する。別の実施形態において、MACプロセッサ304は
図1のMACプロセッサ166に対応する。一実施形態において、PHYプロセッサ308は
図1の1つまたは複数のPHYプロセッサ130に対応する。別の実施形態において、PHYプロセッサ308は
図1の1つまたは複数のPHYプロセッサ170に対応する。
【0086】
MACプロセッサ304は、共通のMACロジック312と、リンク固有(LS)のMACロジック316とを含む。共通のMACロジック312は一般に、複数の通信リンクに共通したMAC層機能を実装する。例えば、共通のMACロジック312は、(例えば、ホストプロセッサ(不図示)から受け取った)データを、複数の通信リンクを介した送信のためにMSDU、MPDU、アグリゲートMPDU(A-MPDU)などといったMAC層データユニットにカプセル化し、また複数の通信リンクを介して受信したMSDU、MPDU、A-MPDUなどからデータを取り出すように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、共通のMACロジック312は、MAC層データユニットを送信するのに用いるべき通信リンクを選択するように構成される。
【0087】
一般にLSのMACロジック316はそれぞれ、LSのMACロジック316が対応している特定の通信リンクに固有のMAC層機能を実装する。例えば、いくつかの実施形態において、LSのMACロジック316aは、第1通信リンクがいつアイドル状態であって送信に利用可能かを判定するように構成され、LSのMACロジック316bは、第2通信リンクがいつアイドル状態であって送信に利用可能かを判定するように構成される。いくつかの実施形態において、LSのMACロジック316はそれぞれ、それぞれのネットワークアドレス(例えば、MACアドレス)と関連付けられる。すなわち、LSのMACロジック316aは、第1ネットワークアドレス(例えば、第1のMACアドレス)と関連付けられ、LSのMACロジック316bは、第1ネットワークアドレスとは異なる第2ネットワークアドレス(例えば、第2のMACアドレス)と関連付けられる。
【0088】
いくつかの実施形態において、共通のMACロジック312は
図1を参照して上述した通信リンク選択制御装置140を実装する。いくつかの実施形態において、共通のMACロジック312は追加的にまたは代替的に、
図1を参照して上述したクライアント省電力制御装置142/省電力制御装置192を実装する。いくつかの実施形態において、クライアント省電力制御装置142/省電力制御装置192の一部または全部が、それぞれのリンク固有のクライアント省電力制御装置142/省電力制御装置192として、それぞれのLSのMACロジック316に実装される。
【0089】
いくつかの実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス300がAPに含まれる場合、いくつかの実施形態によれば、クライアント省電力制御装置142は、クライアントステーション154が第1通信リンクに対していつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーションが第1通信リンクに対していつウェイク状態にあるべきかについて、クライアントステーション154と第1スケジュールをネゴシエートし、且つクライアントステーション154が第2通信リンクに対していつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーションが第2通信リンクに対していつウェイク状態にあるべきかについて、クライアントステーション154と第2スケジュールをネゴシエートするように構成される。同様に、ネットワークインタフェースデバイス300がクライアントステーションに含まれる場合、いくつかの実施形態によれば、省電力制御装置192は、クライアントステーションが第1通信リンクに対していつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーションが第1通信リンクに対していつウェイク状態にあるべきかについて、APと第1スケジュールをネゴシエートし、且つクライアントステーション154が第2通信リンクに対していつスリープ状態にあることが認められるのか、またクライアントステーションが第2通信リンクに対していつウェイク状態にあるべきかについてAPと第2スケジュールをネゴシエートするように構成される。
【0090】
さらに、いくつかの実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス300がAPに含まれる場合、クライアント省電力制御装置142は、クライアントステーション154が第1通信リンクに対していつスリープ状態にあるのか、したがっていつ第1通信リンクを介した送信または受信に利用できないのかを判定し、またクライアントステーション154が第2通信リンクに対していつスリープ状態にあるのか、したがっていつ第2通信リンクを介した送信または受信に利用できないのかを判定するように構成される。同様に、いくつかの実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス300がクライアントステーションに含まれる場合、省電力制御装置192は、第1通信リンクに対するクライアントステーションのPSに関連した状態を判定し、また第2通信リンクに対するクライアントステーションのPSに関連した状態を判定するように構成される。
【0091】
PHYプロセッサ308aは、第1通信リンクに対応するベースバンド信号プロセッサ320aを含み、PHYプロセッサ308bは第2通信リンクに対応するベースバンド信号プロセッサ320bを含む。PHYプロセッサ308aは、第1通信リンクに対応する第1のRF無線機(無線機-1)328aも含み、PHYプロセッサ308bは第2通信リンクに対応する第2のRF無線機(無線機-2)328bを含む。ベースバンド信号プロセッサ320aは第1のRF無線機328aに結合され、ベースバンド信号プロセッサ320bは第2のRF無線機328bに結合される。一実施形態において、RF無線機328aおよびRF無線機328bは
図1の送受信機134に対応する。別の実施形態において、RF無線機328aおよびRF無線機328bは
図1の送受信機174に対応する。一実施形態において、RF無線機328aは第1のRF帯域で動作するように構成され、RF無線機328bは第2のRF帯域で動作するように構成される。別の実施形態において、RF無線機328aおよびRF無線機328bは両方とも、同じRF帯域で動作するように構成される。
【0092】
一実施形態において、ベースバンド信号プロセッサ320は、MACプロセッサ304からフレーム(またはPSDU)を受け取り、そのフレーム(またはPSDU)をそれぞれのパケットにカプセル化してそれぞれのパケットに対応するそれぞれのベースバンド信号を生成するように構成される。
【0093】
ベースバンド信号プロセッサ320aは、ベースバンド信号プロセッサ320aにより生成されたそれぞれのベースバンド信号を無線機-1(328a)に供給する。ベースバンド信号プロセッサ320bは、ベースバンド信号プロセッサ320bにより生成されたそれぞれのベースバンド信号を無線機-2(328b)に供給する。無線機-1(328a)および無線機-2(328b)は、それぞれのベースバンド信号をアップコンバートし、第1通信リンクおよび第2通信リンクを介してそれぞれ送信するために、それぞれのRF信号を生成する。無線機-1(328a)は、第1周波数セグメントを介して第1のRF信号を送信し、無線機-2(328b)は、第2周波数セグメントを介して第2のRF信号を送信する。
【0094】
無線機-1(328a)および無線機-2(328b)は、それぞれ第1通信リンクおよび第2通信リンクを介して、それぞれのRF信号を受信するようにも構成される。無線機-1(328a)および無線機-2(328b)は、それぞれの受信信号に対応するそれぞれのベースバンド信号を生成する。生成したそれぞれのベースバンド信号は、それぞれのベースバンド信号プロセッサ320aおよび320bに供給される。それぞれのベースバンド信号プロセッサ320aおよび320bは、それぞれの受信信号に対応するそれぞれのPSDUを生成し、それぞれのPSDUをMACプロセッサ304に供給する。一実施形態において、MACプロセッサ304は、ベースバンド信号プロセッサ320aおよび320bから受け取ったPSDUを処理する。
【0095】
いくつかの実施形態において、
図3に示す例示的なネットワークインタフェース300は1つのMACプロセッサ304を含むが、他の好適なネットワークインタフェースデバイスは複数のMACプロセッサを含み、複数のMACプロセッサ304のそれぞれが複数の通信リンクのそれぞれに対応する。いくつかの実施形態において、
図3に示す例示的なネットワークインタフェース300は複数のPHYプロセッサ308を含むが、他の好適なネットワークインタフェースデバイスは1つのPHYプロセッサを含み、複数のRF無線機が複数の通信リンクのそれぞれに対応する。いくつかの実施形態において、1つのPHYプロセッサは複数のベースバンドプロセッサ320を含み、他の実施形態において、1つのPHYプロセッサは、それぞれの通信リンクに対応する複数のベースバンド信号を生成し且つ複数のRF無線機から受け取った複数のベースバンド信号を処理するように構成された1つのベースバンドプロセッサを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、上述したような、複数の通信リンクを利用するWLANで送信された少なくともいくつかのMAC層データユニット(例えば、MPDU)が、複数のトラフィッククラスに対応し、各トラフィッククラスは特定のトラフィックタイプ(例えば、ネットワーク制御、映像、音声、ストリーミングマルチメディアなど)と関連付けられる。例えば、一実施形態において、トラフィッククラスは特定のサービス品質(QoS)要件および/または優先度(例えば、バックグラウンド、ベストエフォート、映像、音声など)と関連付けられる。一実施形態において、各トラフィッククラスは特定のトラフィック識別子(TID)に対応し、MAC層データユニット(例えば、MPDU)は、MPDUが対応するTIDのインジケーションを(例えば、MAC層データユニットのMACヘッダに)含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内のMPDUを任意の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信することが認められ、トラフィックストリーム内のMPDUを送信するのに用いることになる特定の通信リンクを設定するよう第2通信デバイスと最初にネゴシエートすることはない。例えば、説明のために
図2A~
図2Bを参照すると、第1通信デバイスは、同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内の第1セットのMPDUを第2通信デバイスに第1周波数セグメント208(例えば、第1通信リンク)を介して送信することが認められ、第1周波数セグメント208がトラフィックストリームに用いられることを第2通信デバイスと最初にネゴシエートすることはない。この例に続いて、第1通信デバイスは、同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内の第2セットのMPDUを第2通信デバイスに第2周波数セグメント216(例えば、第2通信リンク)を介して続けて送信することも認められ、トラフィックストリームの通信リンクが第1周波数セグメント208から第2周波数セグメント216に切り替えられようとしていることを第2通信デバイスと最初にネゴシエートすることはない。
【0098】
同様に、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、任意のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームは、それぞれの第2通信デバイスを対象にしているそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)でMPDUを任意の第2通信デバイスに任意の通信リンクを介して送信することが認められ、トラフィックストリーム内のMPDUを送信するのに用いることになる特定の通信リンクを設定するよう複数の第2通信デバイスのうちのいずれかと最初にネゴシエートすることはない。
【0099】
他の実施形態において、第1通信デバイスは、同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内のMPDUを第2通信デバイスに送信するための特定の通信リンクを第2通信デバイスとネゴシエートしてから、特定の通信リンクを介してトラフィックストリーム内のMPDUを送信する必要がある。例えば、説明のために
図2A~
図2Bを参照すると、第1通信デバイスは、同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内のMPDUを第2通信デバイスに送信するための第1周波数セグメント208(例えば、第1通信リンク)を用いる第2通信デバイスとネゴシエートしてから、第1周波数セグメント208を介してトラフィックストリーム内のMPDUを送信する必要がある。この例に続いて、第1通信デバイスが第2周波数セグメント216(例えば、第2通信リンク)を介してトラフィックストリーム内のMPDUを送信するよう切り替えると決定した場合、第1通信デバイスは、第2周波数セグメント216をトラフィックストリームに用いることに切り替えるよう第2通信デバイスと最初にネゴシエートしてから、第2周波数セグメント216を介してトラフィックストリーム内のMPDUを第2通信デバイスに送信する必要がある。
【0100】
同様に、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、様々なトラフィックストリーム(各トラフィックストリームは、それぞれの第2通信デバイスを対象にしているそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)に含まれるMPDUを送信するのに用いられることになる通信リンクを全ての第2通信デバイスとネゴシエートしてから、任意のトラフィックストリームを送信する必要がある。
【0101】
他の実施形態において、第1通信デバイスは、第1セットのトラフィックストリーム(各トラフィックストリームは、それぞれの第2通信デバイスを対象にしているそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を任意の通信リンクを介して送信することが認められ、第1セットのトラフィックストリーム内のMPDUを送信するのに用いることになる特定の通信リンクを設定するよう複数の第2通信デバイスのうちのいずれかと最初にネゴシエートすることはない。同様に、そのような実施形態において、第1通信デバイスは、第1セットのトラフィックストリームのうちのいずれかに含まれるMPDUを送信するのに用いる通信リンクを切り替えることが認められ、通信リンクの切り替えに関して複数の第2通信デバイスのうちのいずれかと最初にネゴシエートすることはない。一方、そのような実施形態において、第1通信デバイスは、第2セットのトラフィックストリーム(各トラフィックストリームは、それぞれの第2通信デバイスを対象にしているそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)に含まれるMPDUを送信するのに用いられることになる通信リンクを少なくともいくつかの第2通信デバイスとネゴシエートしてから、第2セットのトラフィックストリーム内の任意のトラフィックストリームを送信する必要がある。同様に、そのような実施形態において、第1通信デバイスは、第2セットのトラフィックストリームのうちのいずれかに含まれるMPDUを送信するのに用いる通信リンクの切り替えを少なくともいくつかの第2通信デバイスとネゴシエートしてから、第2セットのトラフィックストリーム内のMPDUを送信するのに用いる通信リンクを切り替える必要がある。
【0102】
いくつかの実施形態において、特定のTIDを有するMPDUを送信するのに用いることになる通信リンクをネゴシエートすることは、WLANで用いられている複数の通信リンクの中の特定の通信リンクを介して、特定のTIDを有し且つWLAN内で送信される全てのMPDUが送信されることを指定するアナウンスメントフレームをAPが送信することを含む。いくつかの実施形態において、特定のTIDを有するMPDUを送信するのに用いることになる通信リンクをネゴシエートすることは、WLANで用いられている複数の通信リンクの中の特定の通信リンクを介して、特定のTIDを有し、特定のクライアントステーションに送信されるまたはこれにより送信される全てのMPDUが送信されることを指定するアナウンスメントフレームをAPが送信することを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、特定のTIDを有するMPDUを特定のクライアントステーションに送信するまたはそこから送信するのに用いることになる通信リンクをネゴシエートすることは、WLANで用いられている複数の通信リンクの中の特定の通信リンクを介して、特定のTIDを有する全てのMPDUがクライアントステーションにまたはこれにより送信されることを指定するアナウンスメントフレームを特定のクライアントステーションが送信することを含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、説明したような通信リンクをネゴシエートすることは、特定のTIDのために、および任意選択的に特定のクライアントステーションのためにどの通信リンクが用いられることになるかに関して、APが最終決定をすることを含む。少なくともいくつかの実施形態において、特定のTIDのために、および任意選択的に特定のクライアントステーションのためにどの通信リンクが用いられることになるかに関してAPに最終決定をさせることは、特定のTIDを有するMPDUの送信に関して遅延および/またはジッタ(および/または別の好適なサービス品質指標)をAPが制御するのを促進する。
【0105】
いくつかの実施形態において、特定のTIDに関するネゴシエーションがなかった場合、第1通信デバイスは同じTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内のMPDUを任意の通信リンクを介して送信することが認められ、トラフィックストリーム内のMPDUを送信するのに用いることになる特定の通信リンクを設定するよう任意の第2通信デバイスと最初にネゴシエートすることはない。一方、特定のTIDに関して第2通信デバイスとのネゴシエーションがなかった場合、第1通信デバイスは、特定のTIDを有するMPDUのトラフィックストリーム内のMPDUを特定の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信する必要がある。
【0106】
ここで
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つ同じクライアントステーション154を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクを選択するように、ネットワークインタフェース122が構成される(例えば、MACプロセッサ126が構成される、通信リンク選択制御装置140が構成されるといった具合である)。いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つ同じクライアントステーション154を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクをクライアントステーション154とネゴシエートするように、ネットワークインタフェース122が構成される(例えば、MACプロセッサ126が構成される、通信リンク選択制御装置140が構成されるといった具合である)。いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つ同じクライアントステーション154を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクをアナウンスするフレームを生成するように、ネットワークインタフェース122が構成される(例えば、MACプロセッサ126が構成される、通信リンク選択制御装置140が構成されるといった具合である)。
【0107】
いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つAP114を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクを選択するように、ネットワークインタフェース162が構成される(例えば、MACプロセッサ166が構成される、通信リンク選択制御装置190が構成されるといった具合である)。いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つAP114を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクをAP114とネゴシエートするように、ネットワークインタフェース162が構成される(例えば、MACプロセッサ166が構成される、通信リンク選択制御装置190が構成されるといった具合である)。いくつかの実施形態において、特定のトラフィックストリーム(例えば、同じTIDを有し且つAP114を対象にしているMPDUを含む)を送信するのに用いることになる通信リンクをアナウンスするフレームを生成するように、ネットワークインタフェース162が構成される(例えば、MACプロセッサ166が構成される、通信リンク選択制御装置190が構成されるといった具合である)。
【0108】
図4は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANにおいてトラフィックストリームを送信する、例示的な方法400のフロー図である。いくつかの実施形態において、AP114および/またはクライアントステーション154は方法400を実施するように構成され、
図4は単に説明のために
図1を参照して説明される。他の実施形態において、方法400は別の好適な通信デバイスによって実施される。
【0109】
ブロック404では、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているかどうかを、第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定するといった具合である)。一実施形態において、第1トラフィックストリームは、同じTIDを有し且つ任意選択的に第2通信デバイスを対象にしている(PHYデータユニットまたはパケット内の)MPDUに対応する。
【0110】
特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用にネゴシエートされているとのブロック404における判定に応答して、本フローはブロック408に進む。ブロック408では、第2通信デバイスとネゴシエートされた特定のWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ270が送信するといった具合である)。
【0111】
一方、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとのブロック404における判定に応答して、本フローはブロック412に進む。ブロック412では、複数のWLAN通信リンクを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ270が送信するといった具合である)。
【0112】
いくつかの実施形態において、方法400はさらに、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとのブロック404における判定に応答して、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるかどうかを、第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定するといった具合の)段階と、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるとの判定に応答して、1つのWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ270が送信するといった具合の)段階とを備え、ブロック412において第1トラフィックストリーム内のパケットを複数のWLAN通信リンクを介して送信することはさらに、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることはないというその後の決定に応答したものである。
【0113】
図1、
図2A~
図2Bを再度参照すると、いくつかの実施形態において、AP114は、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを用いることができる各クライアントステーション154と「ネゴシエート済みのリンク」をネゴシエートする。ネゴシエート済みのリンクは、複数の通信リンクの中の、AP114およびクライアントステーション154用の主要なまたは既定の通信リンクとして機能する。いくつかの実施形態において、ネゴシエート済みのリンクは全てのクライアントステーション154に対して同じであり、例えば、WLAN110に対するネゴシエート済みのリンクは1つしか存在しない。いくつかの実施形態において、AP114は、ネゴシエート済みのリンクでのみビーコンフレームを送信する。他の実施形態において、AP114は複数の通信リンクでビーコンフレームを送信する。
【0114】
いくつかの実施形態において、AP114は、ネゴシエート済みのリンクだけで、グループアドレス指定されたフレームを送信する。他の実施形態において、AP114は、少なくともいくつかのグループアドレス指定されたフレームのそれぞれを、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクで送信する。本明細書で用いる場合、「グループアドレス指定された」フレームとは、ブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスに設定された受信者アドレスを有するMPDUのことであり、MPDUのMACヘッダの中にある。ブロードキャストアドレスとは、MPDUが全ての受信者を対象にしていることを受信者に示すネットワークアドレスのことである。マルチキャストアドレスとは、MPDUがマルチキャストアドレスに対応する受信者のグループを対象にしていることを受信者に示すネットワークアドレスのことである。例えば、AP114は、クライアントステーション154のグループを規定し、クライアントステーション154のグループに特定のマルチキャストアドレスを割り当てることができる。したがって、一実施形態によれば、規定のグループに入っているクライアントステーション154が、特定のマルチキャストアドレスに設定された受信者アドレスを持つMPDUを受信すると、クライアントステーション154は、このMPDUが当該クライアントステーションを対象にしていると判定する。一方、規定のグループに入っていないクライアントステーション154が、特定のマルチキャストアドレスに設定された受信者アドレスを持つMPDUを受信すると、クライアントステーション154は、このMPDUがクライアントステーション154を対象にしていないと判定する。
【0115】
いくつかの実施形態において、グループアドレス指定されたフレームを送信するのに用いることになる1つまたは複数の通信リンクを、AP114が判定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定するといった具合である)。また、判定した1つまたは複数の通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームを、AP114が送信する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0116】
通信デバイスがグループアドレス指定されたフレームを複数の通信リンクを介して送信する場合、通信デバイスは、グループアドレス指定されたフレームのそれぞれのインスタンスを複数の通信リンクのそれぞれを介して送信する。いくつかの実施形態において、通信デバイスが、グループアドレス指定されたフレームのそれぞれのインスタンスを、複数の通信リンクのそれぞれのインスタンスを介して送信する場合、通信デバイスは、グループアドレス指定されたフレームの各インスタンスのMACヘッダに含まれるシーケンス番号フィールドを同じ番号に設定する。シーケンス番号フィールドは、グループアドレス指定されたフレームに対応するシーケンス番号に対応する。したがって、後続の他のそれぞれのグループアドレス指定されたフレームのそれぞれのシーケンス番号フィールドは(同じグループアドレス指定されたフレームのインスタンスと違って)、異なるそれぞれのグループアドレス指定されたフレームが異なるシーケンス番号を持つようにインクリメントされる。しかし、後続の同じグループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスが送信される場合には、後続の同じグループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスのシーケンス番号フィールドは同じ値に設定される。以下でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態によれば、受信者は、複数の通信リンクを介して受信したグループアドレス指定されたフレームのそれぞれのインスタンスのMACヘッダに含まれるシーケンス番号フィールドを用いて、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスのうちの1つを受け入れ、グループアドレス指定されたフレームの任意の他のインスタンスを廃棄するまたは使わない。
【0117】
図5は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して送信される、グループアドレス指定されたMPDUを示す図である。例えば、グループアドレス指定されたMPDU504の複数のインスタンスが、複数の通信リンクを介して送信される。具体的には、グループアドレス指定されたMPDU504aの第1インスタンスが、第1周波数セグメントに対応する第1通信リンクを介して送信され、グループアドレス指定されたMPDU504bの第2インスタンスが第2周波数セグメントに対応する第2通信リンクを介して送信される。グループアドレス指定されたMPDU504aの第1インスタンスは、値[x]に設定されたシーケンス番号フィールドを有するMACヘッダ508aを含み、グループアドレス指定されたMPDU504bの第2インスタンスは、値[x]に設定されたシーケンス番号フィールドを有するMACヘッダ508bを含む。さらに、グループアドレス指定されたMPDU520の複数のインスタンスが、複数の通信リンクを介して送信される。具体的には、グループアドレス指定されたMPDU520aの第1インスタンスが、グループアドレス指定されたMPDU504aの第1インスタンスの送信後に、第1通信リンクを介して送信される。同様に、グループアドレス指定されたMPDU520bの第2インスタンスが、グループアドレス指定されたMPDU504bの第2インスタンスの送信後に、第2通信リンクを介して送信される。グループアドレス指定されたMPDU520aの第1インスタンスは、値[x+1]に設定されたシーケンス番号フィールドを有するMACヘッダ524aを含み、グループアドレス指定されたMPDU520bの第2インスタンスは、値[x+1]に設定されたシーケンス番号フィールドを有するMACヘッダ524bを含む。言い換えれば、一般にグループアドレス指定されたMPDU504の送信後に送信されるグループアドレス指定されたMPDU520のシーケンス番号は、グループアドレス指定されたMPDU504のシーケンス番号に対してインクリメントされる。
【0118】
図6は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANにおいて、グループアドレス指定されたフレームを送信するための例示的な方法600のフロー図である。いくつかの実施形態において、AP114および/またはクライアントステーション154は方法600を実施するように構成され、
図6は単に説明のために
図1を参照して説明される。他の実施形態において、方法600は別の好適な通信デバイスによって実施される。
【0119】
ブロック604では、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを、第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定するといった具合である)。グループアドレス指定されたフレームは、WLAN内の複数の第2通信デバイスを対象にしている。
【0120】
グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとのブロック604における判定に応答して、本フローはブロック608に進む。ブロック608では、複数のWLAN通信リンクの中のそれぞれのWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスを、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスをブロック608で送信することは、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを送信し、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを送信することを含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、ブロック608で送信されるグループアドレス指定されたフレームの各インスタンスは、グループアドレス指定されたフレームのMACヘッダにシーケンス番号フィールドを含み、グループアドレス指定されたフレームの各インスタンスのシーケンス番号フィールドは同じ値に設定される。一実施形態において、方法600はさらに、グループアドレス指定されたフレームの各インスタンスのMACヘッダに含まれるシーケンス番号フィールドが同じ値に設定されるように、グループアドレス指定されたフレームの各インスタンスを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成するといった具合である)段階を含む。一方、一実施形態によれば、後続の他のそれぞれのグループアドレス指定されたフレームのそれぞれのシーケンス番号フィールドは(同じグループアドレス指定されたフレームのインスタンスと違って)、異なるそれぞれのグループアドレス指定されたフレームが異なるシーケンス番号を持つようにインクリメントされる。しかし、後続の同じグループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスが送信される場合には、後続の同じグループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスのシーケンス番号フィールドは別の同じ値に設定される。
【0122】
一方、グループアドレス指定されたフレームが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとのブロック604における判定に応答して、本フローはブロック612に進む。ブロック612では、複数のWLAN通信リンクの中の1つのWLAN通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。
【0123】
図7は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを利用するWLANで送信されたグループアドレス指定されたフレームを受信デバイスで処理するための、例示的な方法700のフロー図である。いくつかの実施形態において、AP114および/またはクライアントステーション154は方法700を実施するように構成され、
図7は単に説明のために
図1を参照して説明される。他の実施形態において、方法700は別の好適な通信デバイスによって実施される。
【0124】
ブロック704では、通信デバイスが保存する受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号を、通信デバイスが初期化する(例えば、ネットワークインタフェース162が初期化する、MACプロセッサ166が初期化する、ネットワークインタフェース122が初期化する、MACプロセッサ126が初期化するといった具合である)。例えば、一実施形態によれば、受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号をレジスタ、記憶場所などに、通信デバイスが保存する(例えば、ネットワークインタフェース162が保存する、MACプロセッサ166が保存する、ネットワークインタフェース122が保存する、MACプロセッサ126が保存するといった具合である)。また、受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号をゼロまたは別の好適な値に、通信デバイスが初期化する(例えば、ネットワークインタフェース162が初期化する、MACプロセッサ166が初期化する、ネットワークインタフェース122が初期化する、MACプロセッサ126が初期化するといった具合である)。
【0125】
ブロック708では、複数のWLAN通信リンクのうちの1つを介して送信されるグループアドレス指定されたフレームを、通信デバイスが受信する(例えば、ネットワークインタフェース162が受信する、PHYプロセッサ170が受信する、MACプロセッサ166が受信する、ネットワークインタフェース122が受信する、PHYプロセッサ130が受信する、MACプロセッサ126が受信するといった具合である)。グループアドレス指定されたフレームは、WLAN内の複数の通信デバイスを対象にしている。
【0126】
ブロック712では、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が、通信デバイスにより保存されている受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号より大きいかどうかを、通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定するといった具合である)。
【0127】
ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号より大きいとのブロック712における判定に応答して、本フローはブロック716に進む。ブロック716では、受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号を、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に、通信デバイスが設定する(例えば、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定するといった具合である)。
【0128】
ブロック720では、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームを、通信デバイスが処理する(例えば、ネットワークインタフェース162が処理する、MACプロセッサ166が処理する、ネットワークインタフェース122が処理する、MACプロセッサ126が処理するといった具合である)。その後、本フローはブロック708に戻り、別のグループアドレス指定されたフレームを受信する。
【0129】
一方、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号より大きくない(例えば、これより小さいまたはこれと等しい)とのブロック712における判定に応答して、本フローはブロック724に進む。ブロック724では、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームを、通信デバイスが廃棄する(例えば、ネットワークインタフェース162が廃棄する、MACプロセッサ166が廃棄する、ネットワークインタフェース122が廃棄する、MACプロセッサ126が廃棄するといった具合である)。例えば、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号は、受信者グループアドレス指定されたシーケンス番号より大きくない(例えば、これより小さいまたはこれと等しい)ので、これは、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームが、別の通信リンクを介して受信した同じグループアドレス指定されたフレームの別のインスタンスであり、通信デバイスにより処理されているまたは処理されることを示している。したがって、ブロック708で受信したグループアドレス指定されたフレームの別のインスタンスは廃棄されてよい。グループアドレス指定されたフレームをブロック724で廃棄することに関連して、本フローはブロック708に戻り、別のグループアドレス指定されたフレームを受信する。
【0130】
図1、
図2A~
図2B、および
図3を再度参照すると、いくつかの実施形態によれば、AP114、クライアントステーション154-1、およびネットワークインタフェースデバイス300などの通信デバイスが、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクに対する通信デバイスのそれぞれのステータスを単独で制御するように構成される。例えば、一実施形態によれば、通信リンクは各通信リンクに対してオン状態にあってもオフ状態にあってもよい。説明しやすいように、通信リンクに対してオン状態にある通信デバイスの状態は、本明細書では「オン状態にある通信リンク」と呼ばれることがあり、通通信リンクに対してオフ状態にある通信デバイスの状態は、本明細書では「オフ状態にある通信リンク」と呼ばれることがある。
【0131】
通信リンクがオフ状態にある場合、通信デバイスは、この通信リンクを介して送信することはなく、また受信することもない。したがって、いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、通信デバイスは任意選択的に、この通信リンクに対応する少なくともいくつかのハードウェア構成要素を低電力モードにして、電力を節約する。例えば、ネットワークインタフェースデバイス300(
図3)では、第1通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は、ネットワークインタフェースデバイス300を制御して、i)第1のRF無線機328aおよびii)第1ベースバンドプロセッサ320aのうちの一方または両方を低電力モードにする。いくつかの実施形態において、第1通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は、ネットワークインタフェースデバイス300を制御してPHYプロセッサ308aを低電力モードにする。いくつかの実施形態において、第1通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は追加的にまたは代替的に、ネットワークインタフェースデバイス300を制御してLSのMAC(316a)を低電力モードにする。
【0132】
同様に、第2通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は、ネットワークインタフェースデバイス300を制御してi)第2のRF無線機328bおよびii)第2ベースバンドプロセッサ320bのうちの一方または両方を低電力モードにする。いくつかの実施形態において、第2通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は、ネットワークインタフェースデバイス300を制御してPHYプロセッサ308bを低電力モードにする。いくつかの実施形態において、第2通信リンクがオフ状態にある場合、省電力制御装置142/192は追加的にまたは代替的に、ネットワークインタフェースデバイス300を制御してLSのMAC(316b)を低電力モードにする。
【0133】
上述したようなネゴシエート済みのリンクを利用するいくつかの実施形態において、通信デバイスは、ネゴシエート済みのリンクをオン状態に保つ必要があり、任意の他の通信リンクを選択的にオフ状態に移行することが認められる。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、通信デバイスが通信リンクの状態をアナウンスする。例えば、一実施形態によれば、クライアントステーションがAPと関連付けられることになる(例えば、クライアントステーションがAPにより管理されるWLANに加わる)関連付け手順において、クライアントステーションは、特定の通信リンクがオン状態にあるのか、またはオフ状態にあるのかに関するインジケーション(例えば、関連付け要求フレーム、再関連付け要求フレーム、プローブ要求フレームなどといった好適なフレームの情報エレメント(IE)に含まれる、好適なフレームの(例えば、制御フィールドまたは別の好適なフィールドの中にある)MACヘッダに含まれるなど)を含むフレームを生成して送信する。別の例として、一実施形態によれば、クライアントステーションがAPと関連付けられると共に、クライアントステーションは、特定の通信リンクがオン状態にあるのか、またはオフ状態にあるのかに関する(例えば、(例えば、制御フィールドまたは別の好適なフィールドの中にある)MACヘッダに含まれる)インジケーションを含むフレーム(例えば、確認応答フレーム、アクションフレーム、サービス品質(QoS)ヌルフレーム、または別の好適なフレーム)を生成して送信する。
【0135】
いくつかの実施形態において、特定の通信リンクがオフ状態に移行した場合、一実施形態によれば、クライアントステーションは、インジケーションを含むフレームを、オン状態にある別の通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンクまたは別の好適な通信リンク)で送信する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクがオン状態に移行した場合、一実施形態によれば、クライアントステーションは、インジケーションを含むフレームを、同じ通信リンクまたはオン状態にある別の通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンクまたは別の好適な通信リンク)で送信する。
【0136】
いくつかの実施形態によれば、第1通信デバイスは、第2通信が通信リンクの状態を変更することを要求する。例えば、一実施形態によれば、APがフレーム(例えば、確認応答フレーム、アクションフレーム、QoSヌルフレーム、関連付け応答フレーム、再関連付け応答フレーム、プローブ応答フレーム、または別の好適なフレーム)を生成してクライアントステーションに送信し、このフレームは、特定の通信リンクをオン状態またはオフ状態に設定するという要求を含む。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクがオフ状態にある場合、一実施形態によれば、APは、要求を含むフレームをオン状態にある別の通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンクまたは別の好適な通信リンク)で送信する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクがオン状態にある場合、一実施形態によれば、APは、要求を含むフレームを同じ通信リンクまたはオン状態にある別の通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンクまたは別の好適な通信リンク)で送信する。
【0137】
一実施形態において、通信リンクがオン状態にある場合、通信デバイスは、通信リンクに対してアクティブモードまたは省電力モードで動作することができる。一実施形態によれば、アクティブモードでは、通信リンクに対応する通信デバイスのハードウェア構成要素が電力を供給され、アクティブモードにある間はいつでも通信リンクを介して送受信する準備ができている。
【0138】
省電力モードでは、通信デバイスは、通信リンクに対して、ドーズ状態およびアウェイク状態を含む複数の状態の間で切り替わる。一実施形態によれば、ドーズ状態では、通信デバイスは送信することはなく、他の通信デバイスはこの通信デバイスが通信リンクを介して受信できないとみなす。いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、通信デバイスが通信リンクに関してドーズ状態にある場合、通信リンクに対応する、通信デバイスの少なくともいくつかのハードウェア構成要素が低電力モードになってよい。一方、アウェイク状態では、通信リンクに対応する、通信デバイスのハードウェア構成要素が電力を供給され、通信リンクを介して送受信する準備ができている。
【0139】
いくつかの実施形態において、通信デバイスは、異なる通信リンクに対して異なる省電力関連モード(例えば、アクティブまたは省電力)を可能にし、異なる通信リンクに関して異なる省電力関連モード(例えば、アクティブまたは省電力)の間の切り替わりを単独で行うように構成される。同様に、いくつかの実施形態において、通信デバイスは、第1通信リンクに対して異なる省電力関連状態(例えば、アウェイクまたはドーズ)の間の移行を、任意の他の通信リンクの省電力関連モードおよび/または省電力関連状態と無関係に行うように構成される。一例として、いくつかの実施形態によれば、通信デバイスが第1通信リンクに対してドーズ状態にあり、第1通信リンクを介して送信/受信できない間、通信デバイスは1つまたは複数の第2通信リンクに対してアクティブモードまたはアウェイク状態にあることができるので、1つまたは複数の第2通信リンクを介して送信/受信することができる。
【0140】
いくつかの実施形態によれば、通信デバイスが、通信リンクに対して通信デバイスのモードの変更をアナウンスする。例えば、一実施形態によれば、クライアントステーションが通信リンクに対して省電力モードに入ると(または、間もなく入ると)、クライアントステーションは、クライアントステーションが通信リンクに対して省電力モードに入っているというインジケーション(例えば、(例えば、制御フィールドまたは別の好適なフィールド内にある)MACヘッダに含まれる、MACフレームボディに含まれるなど)を含むフレーム(例えば、確認応答フレーム、アクションフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレーム)を生成して送信する。別の例として、一実施形態によれば、クライアントステーションが通信リンクに対してアクティブモードに入ると(または入ることになると)、クライアントステーションは、クライアントステーションが通信リンクに対してアクティブモードに入っているというインジケーション(例えば、(例えば、制御フィールドまたは別の好適なフィールド内にある)MACヘッダに含まれる、MACフレームボディに含まれるなど)を含むフレーム(例えば、確認応答フレーム、アクションフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレーム)を生成して送信する。いくつかの実施形態において、(全ての通信リンクが通信デバイスによって用いられているのと違って)モード変更が特定の通信リンクに対応する場合、上述したフレームは特定の通信リンクのインジケーションを含む。いくつかの実施形態において、モード変更が通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクに対応する場合、上述したフレームは、モード変更が通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクに対応するというインジケーションを含む。いくつかの実施形態において、上述したフレームは、モード変更がどのリンクに対応するかというインジケーションを含まず、通信デバイスは特定のリンクに関してモード変更をアナウンスし、通信は、モード変更が対応する通信リンクでフレームを送信する。
【0141】
いくつかの実施形態において、(全ての通信リンクが通信デバイスによって用いられているのと違って)モード変更が特定の通信リンクに対応する場合、通信デバイスは特定の通信リンクでフレームを送信する。他の実施形態において、(全ての通信リンクが通信デバイスによって用いられているのと違って)モード変更が特定の通信リンクに対応する場合、通信デバイスは別の通信リンクでフレームを送信する。ここで、フレームは、モード変更が特定の通信リンクに対応するというインジケーションを含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、(全ての通信リンクが通信デバイスによって用いられているのと違って)モード変更が特定の通信リンクに対応する場合、上述したようなフレーム(例えば、確認応答フレーム、アクションフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレーム)は、通信デバイスによって用いられている任意の他の通信リンクがアウェイクモードにあるかどうかに関するインジケーションを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、通信リンクのオン状態への切り替えに応答して、通信デバイスは通信リンクに対してアクティブモードにあるとみなされる。いくつかの実施形態において、通信リンクのオフ状態への切り替えに応答して、通信デバイスは通信リンクに対して省電力モードにあるとみなされる。ただし、通信リンクに対するアウェイク状態への移行を行うことができないこと、またトラフィックは通信リンクで送信できないことを除く。
【0144】
図6を再度参照すると、グループアドレス指定されたフレームを送信することになる通信デバイスが、どの通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信するかを、グループアドレス指定されたフレームを受信することになる他の通信デバイスの、複数の通信リンクに対する省電力関連のモード/状態に基づいて決定する。例えば、一実施形態によれば、グループアドレス指定されたフレームを受信することになる全ての他の通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してi)アクティブモードまたはii)ウェイク状態のうちの少なくとも一方にあると、通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェースデバイス162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定する、省電力制御装置192が判定する、ネットワークインタフェースデバイス300が判定するといった)場合、1つの通信リンクだけを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信すると通信デバイスが決定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が決定する、MACプロセッサ126が決定する、通信リンク選択制御装置140が決定する、ネットワークインタフェースデバイス162が決定する、MACプロセッサ166が決定する、通信リンク選択制御装置190が決定する、ネットワークインタフェースデバイス300が決定するといった具合である)。
【0145】
一方、グループアドレス指定されたフレームを受信することになる全ての他の通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してi)アクティブモードまたはii)ウェイク状態のうちの少なくとも一方にはないと、通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェースデバイス162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定する、省電力制御装置192が判定する、ネットワークインタフェースデバイス300が判定するといった)場合、複数の通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信すると通信デバイスが決定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が決定する、MACプロセッサ126が決定する、通信リンク選択制御装置140が決定する、ネットワークインタフェースデバイス162が決定する、MACプロセッサ166が決定する、通信リンク選択制御装置190が決定する、ネットワークインタフェースデバイス300が決定するといった具合である)。
【0146】
図8は、一実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、例示的な通信のやり取り800の図である。
図8の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図8は、第1通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンク)および第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図8では左から右へと時間が進む。
【0147】
図8に示すシナリオでは、第2通信リンクはクライアントステーションに対して最初はオフ状態にある。通信リンクがオン状態にあるというアナウンスメントに対応するフレーム(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)804を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成するといった具合である)。その後、このフレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、フレーム804は、第2通信リンクがオン状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションを含む。別の実施形態において、フレーム804はアナウンスメントがどの通信リンクのためのものかというインジケーションを含まないが、フレーム804は第2通信リンクで送信されるので、APは、第2通信リンクがオン状態にあることをフレーム804がアナウンスしているとみなす。
【0148】
フレーム804を受信すると、第2通信リンクがクライアントステーションに対してオン状態にあるとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定するといった具合である)。第2通信リンクがオン状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションがフレーム804に含まれる一実施形態において、第2通信リンクがオン状態にあると判定するために、第2通信リンクのインジケーションをAPが用いる(例えば、ネットワークインタフェース122が用いる、ネットワークインタフェース300が用いる、MACプロセッサ126が用いる、クライアント省電力制御装置142が用いるといった具合である)。アナウンスメントがどの通信リンクに対するものかに関するインジケーションをフレーム804が含まない一実施形態において、第2通信リンクを介したフレーム804の受信に応答して、アナウンスメントが第2通信リンクに対するものであると、APが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定するといった具合である)。
【0149】
一実施形態によれば、フレーム804の受信に応答して、フレーム804の受信を確認する確認応答フレーム808を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0150】
他の実施形態において、フレーム804は第1通信リンクで送信される。
【0151】
図9は、APとクライアントステーションとの間の、別の実施形態による別の例示的な通信のやり取り900の図である。
図9の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図9は、第1通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンク)および第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図9では左から右へと時間が進む。
【0152】
図9に示すシナリオでは、第2通信リンクはクライアントステーションに対して最初はオフ状態にある。クライアントステーションが第2通信リンクをオン状態に移行することを求める要求に対応するフレーム(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)904を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置124が生成するといった具合である)。その後、このフレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。一実施形態において、フレーム904は、要求が第2通信リンクに対応することを示す、第2通信リンクのインジケーションを含む。
【0153】
一実施形態によれば、フレーム904の受信に応答して、フレーム904の受信を確認する確認応答フレーム908を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。さらに、フレーム904の受信に応答して、第2通信リンクをフレーム904に応答してオン状態に移行するかどうかを、クライアントステーションが判定する(例えば、ネットワークインタフェース162が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ166が判定する、省電力制御装置192が判定するといった具合である)。
【0154】
第2通信リンクをオン状態に移行するとの判定に応答して、クライアントステーションは第2通信リンクをオン状態に移行する(例えば、ネットワークインタフェース162は第2通信リンクをオン状態に移行する、ネットワークインタフェース300は第2通信リンクをオン状態に移行する、MACプロセッサ166はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクをオン状態に移行する、省電力制御装置192はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクをオン状態に移行するといった具合である)。さらに、第2通信リンクをオン状態に移行するとの判定に応答して、通信リンクがオン状態にあるというアナウンスメントに対応するフレーム(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)912を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成するといった具合である)。その後、このフレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、フレーム912は、第2通信リンクがオン状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションを含む。
【0155】
フレーム912を受信すると、第2通信リンクがクライアントステーションに対してオン状態にあるとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定するといった具合である)。第2通信リンクがオン状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションがフレーム912に含まれる一実施形態において、第2通信リンクがオン状態にあると判定するために、第2通信リンクのインジケーションをAPが用いる(例えば、ネットワークインタフェース122が用いる、ネットワークインタフェース300が用いる、MACプロセッサ126が用いる、クライアント省電力制御装置142が用いるといった具合である)。
【0156】
一実施形態によれば、フレーム912の受信に応答して、フレーム912の受信を確認する確認応答フレーム916を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0157】
他の実施形態において、フレーム912は、
図8のフレーム804と同様に第2通信リンクで送信される。
【0158】
図10は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1000の図である。
図10の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図10は、第1通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンク)および第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図10では左から右へと時間が進む。
【0159】
図10に示すシナリオでは、第2通信リンクは省電力モードにあり、クライアントステーションに対して最初はドーズ状態にある。ビーコンフレーム1004をAPが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置124が生成するといった具合である)。その後、このビーコンフレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。一実施形態において、ビーコンフレーム1004aの第1インスタンスが第1通信リンクを介して送信され、ビーコンフレーム1004bの第2インスタンスが第2通信リンクを介して送信される。
【0160】
次のビーコンフレーム1006を送信する前に(すなわち、次のターゲットビーコン送信時間(TBTT)の前に)、クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行すべきと、APが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置124が判定するといった具合である)。一例として、クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行すべきと、APが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置124が判定するといった具合である)。なぜならば、第1通信リンクのトラフィック負荷が高い、クライアントステーションへのトラフィックには高いトラフィック負荷があるなどと、APが判定している(例えば、ネットワークインタフェース122が判定している、ネットワークインタフェース300が判定している、MACプロセッサ126が判定している、クライアント省電力制御装置124が判定しているといった具合である)からである。
【0161】
クライアントステーションは第2通信リンクに関してウェイク状態に移行すべきとの判定に応答して、クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行することを求める要求に対応するフレーム1008(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置124が生成するといった具合である)。その後、このフレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。一実施形態において、フレーム1008は、要求が第2通信リンクに対応することを示す、第2通信リンクのインジケーションを含む。
【0162】
一実施形態によれば、フレーム1008の受信に応答して、フレーム1008の受信を確認する確認応答フレーム1012を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成するといった具合である)、その後、この確認応答フレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。さらに、フレーム1008に応答して第2通信リンクに関連してウェイク状態に移行するかどうかを、フレーム1008の受信に応答して、クライアントステーションが判定する(例えば、ネットワークインタフェース162が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ166が判定する、省電力制御装置192が判定するといった具合である)。
【0163】
第2通信リンクに関してウェイク状態に移行するとの判定に応答して、クライアントステーションは第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する(例えば、ネットワークインタフェース162は第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、ネットワークインタフェース300は第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、MACプロセッサ166はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、省電力制御装置192はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクに関してウェイク状態に移行するといった具合である)。
【0164】
さらに、いくつかの実施形態によれば、第2通信リンクに関してウェイク状態に移行するとの判定に応答して、クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行したというアナウンスメントに対応するフレーム(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)(
図10には示されていない)を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成するといった具合である)。その後、このフレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、(クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行したことをアナウンスする)フレームは、第2通信リンクがウェイク状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションを含む。1つの実施形態において、クライアントステーションは(クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行したことをアナウンスする)フレームを第1通信リンクで送信する。別の実施形態において、クライアントステーションは(クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行したことをアナウンスする)フレームを第2通信リンクで送信する。
【0165】
別の実施形態において、フレーム1008に応答して第2通信リンクに関してウェイク状態に移行すべき将来の時間を、クライアントステーションが決定する(例えば、ネットワークインタフェース162が決定する、ネットワークインタフェース300が決定する、MACプロセッサ166が決定する、省電力制御装置192が決定するといった具合である)。その後、決定した将来の時間にウェイク状態への移行が行われる。そのような実施形態において、いくつかの実施形態によれば、クライアントステーションが第2通信リンクに関して将来の時間にウェイク状態に移行するとのアナウンスメントに対応し且つ将来の時間を示すフレーム(例えば、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)(
図10には示されていない)を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成するといった具合である)。その後、このフレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、(クライアントステーションが第2通信リンクに関して将来の時間にウェイク状態に移行することをアナウンスする)フレームは、第2通信リンクがウェイク状態に移行することを示す第2通信リンクのインジケーションを含む。1つの実施形態において、クライアントステーションは(クライアントステーションが第2通信リンクに関して将来の時間にウェイク状態に移行することをアナウンスする)フレームを第1通信リンクで送信する。別の実施形態において、クライアントステーションは(クライアントステーションが第2通信リンクに関して将来の時間にウェイク状態に移行することをアナウンスする)フレームを第2通信リンクで送信する。
【0166】
クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態にあると判定すると、第2通信リンクを介して、1つまたは複数のデータパケット1016をクライアントステーションに、APが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。いくつかの実施形態において、第1通信リンクを介して1つまたは複数のデータパケット1020もクライアントステーションに、APが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0167】
図11は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1100の図である。
図11の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図11は、第1通信リンク(例えば、ネゴシエート済みのリンク)および第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図11では左から右へと時間が進む。
【0168】
図11に示すシナリオでは、第2通信リンクは省電力モードにあり、クライアントステーションに対して最初はドーズ状態にある。ビーコンフレーム1104を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置124が生成するといった具合である)。その後、このビーコンフレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。一実施形態において、ビーコンフレーム1104aの第1インスタンスが第1通信リンクを介して送信され、ビーコンフレーム1104bの第2インスタンスが第2通信リンクを介して送信される。
【0169】
ビーコンフレーム1104は、APがクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを有するという情報を(例えば、トラフィックインジケーションマップ(TIM)の中に)含み、バッファリングされたフレームは第2通信リンクを介してクライアントステーションに送信されることになる。第1通信リンクを介してビーコンフレーム1104aをクライアントステーションが受信し、APがクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを有するとクライアントステーションが判定する(例えば、ネットワークインタフェース162が判定する、ネットワークインタフェース300が判定する、MACプロセッサ166が判定する、省電力制御装置192が判定するといった具合である)。バッファリングされたフレームは第2通信リンクを介してクライアントステーションに送信されることになる。
【0170】
APが次のビーコンフレーム1106を送信する前に(すなわち、次のTBTTの前に)、APがクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを有するとの判定に応答して、バッファリングされたフレームは第2通信リンクを介してクライアントステーションに送信されることになり、クライアントステーションは第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する(例えば、ネットワークインタフェース162は第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、ネットワークインタフェース300は第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、MACプロセッサ166はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクに関してウェイク状態に移行する、省電力制御装置192はネットワークインタフェース162を制御して第2通信リンクに関してウェイク状態に移行するといった具合である)。さらに、いくつかの実施形態によれば、APがクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを有するとの判定に応答して、バッファリングされたフレームは第2通信リンクを介してクライアントステーションに送信されることになり、クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態に移行したことを示すフレーム1108(例えば、省電力(PS)ポールフレーム、QoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレーム)を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成するといった具合である)。その後、このフレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。一実施形態において、フレーム1108は、第2通信リンクがウェイク状態にあることを示す第2通信リンクのインジケーションを含む。1つの実施形態において、クライアントステーションは第1通信リンクでフレーム1108を送信する。別の実施形態において、クライアントステーションは第2通信リンクでフレーム1108を送信する。
【0171】
一実施形態によれば、フレーム1108の受信に応答して、フレーム1108の受信を確認する確認応答フレーム1112を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ126が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0172】
クライアントステーションが第2通信リンクに関してウェイク状態にあると判定すると、第2通信リンクを介して1つまたは複数のデータパケット1116をクライアントステーションに、APが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0173】
一実施形態によれば、パケット1116の受信に応答して、パケット1116の受信を確認する確認応答フレーム1120を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、ネットワークインタフェース300が生成する、MACプロセッサ166が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ170が送信するといった具合である)。
【0174】
いくつかの実施形態において、確認応答フレーム1120は、第2通信デバイスが第2通信リンクに関してドーズ状態に移行したというインジケーションを(例えば、確認応答フレーム1120のMACヘッダ、MACヘッダ内の制御フィールドなどに)含むために生成される。いくつかの実施形態において、確認応答フレーム1120は、ドーズ状態への移行が第2通信リンクに関連しているというインジケーションを含まないが、むしろAPは、ドーズ状態への移行に関するインジケーションが第2通信リンクで送信されたことから、ドーズ状態への移行が第2通信リンクに関連しているとみなす。他の実施形態において、確認応答フレーム1120は、ドーズ状態への移行が第2通信リンクに関連しているという明確なインジケーションを(例えば、確認応答フレーム1120のMACヘッダ、MACヘッダ内の制御フィールドなどに)含む。
【0175】
図12は、一実施形態による、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクを介して通信するための、例示的な方法1200のフロー図である。いくつかの実施形態において、AP114(
図1)、クライアントステーション154(
図1)、および/またはネットワークインタフェースデバイス300(
図3)は、方法1200を実施するように構成され、
図12は単に説明のために
図1および
図3を参照して説明される。他の実施形態において、方法1200は別の好適な通信デバイスによって実施される。
【0176】
様々な実施形態において、方法1200は、
図4の方法400、
図5を参照して説明した手法、
図6の方法600、
図8を参照して説明した手法、
図9を参照して説明した手法、
図10を参照して説明した手法、および/または
図11を参照して説明した手法のうちの1つまたは複数と組み合わせて(またはそのどれとも組み合わせずに)実施される。
【0177】
ブロック1204では、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクに対する第2通信デバイスのそれぞれの省電力関連の状態および/またはモードを、第1通信デバイスが監視する(例えば、ネットワークインタフェース122が監視する、MACプロセッサ126が監視する、クライアント省電力制御装置142が監視する、ネットワークインタフェース162が監視する、MACプロセッサ166が監視する、省電力制御装置192が監視する、ネットワークインタフェース300が監視するといった具合である)。いくつかの実施形態において、ブロック1204で省電力関連の状態および/またはモードを監視することは、それぞれの通信リンクに対応するそれぞれの現在の省電力関連の状態および/またはモードを判定することを含む。いくつかの実施形態において、ブロック1204で省電力関連の状態および/またはモードを監視することは追加的にまたは代替的に、(それぞれの通信リンクに対応する)1つまたは複数の現在の省電力関連の状態および/またはモードが変化する1つまたは複数のそれぞれの将来の時間を決定することを含む。いくつかの実施形態において、ブロック1204で省電力関連の状態および/またはモードを監視することは、i)メモリデバイス(例えば、1つまたは複数のレジスタ、レジスタファイル、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリなど)に、それぞれの通信リンクに対応するそれぞれの現在の省電力関連の状態および/またはモードに関するそれぞれのインジケーションを記録すること、およびii)メモリデバイスに、(それぞれの通信リンクに対応する)1つまたは複数の現在の省電力関連の状態および/またはモードが変化する1つまたは複数のそれぞれの将来の時間に関する1つまたは複数のそれぞれのインジケーションを記録すること、のうちの一方または両方を含む。
【0178】
いくつかの実施形態によれば、それぞれの通信リンクに対応するそれぞれの省電力関連の状態および/またはモードをブロック1204で判定することは、それぞれの通信リンクに対応する第2通信デバイスの現在の省電力関連の状態および/またはモードに関するインジケーションを第2通信デバイスから受信することを含む。例えば、第1通信デバイスは、(例えば、
図8~
図11を参照して)上述したようなインジケーション、または他の好適なインジケーションを受信する。
【0179】
いくつかの実施形態によれば、それぞれの通信リンクに対応するそれぞれの省電力関連の状態および/またはモードをブロック1204で判定することは追加的にまたは代替的に、それぞれの通信リンクに対応する1つまたは複数の現在の省電力関連の状態および/またはモードが変化する将来の時間に関するインジケーションを第2通信デバイスから受信することを含む。例えば、第1通信デバイスは、(例えば、
図8~
図11を参照して)上述したようなインジケーション、または他の好適なインジケーションを受信する。
【0180】
ブロック1208では、ブロック1204で判定された第2通信デバイスのそれぞれの省電力関連の状態および/またはモードに従って、複数の通信リンクを介して第2通信デバイスと、第1通信デバイスが通信する(例えば、ネットワークインタフェース122が通信する、ネットワークインタフェース162が通信する、ネットワークインタフェース300が通信するといった具合である)。いくつかの実施形態において、ブロック1208で複数の通信リンクを介して通信することは、第1通信デバイスが(第2通信デバイスに対して)オン状態にあると判定する1つまたは複数の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信すること、また第1通信デバイスが(第2通信デバイスに対して)オフ状態にあると判定する1つまたは複数の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信しないと判定することを含む。いくつかの実施形態において、ブロック1208で複数の通信リンクを介して通信することは追加的にまたは代替的に、第1通信デバイスが(第2通信デバイスに対して)ウェイク状態にあると判定する1つまたは複数の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信すること、また第1通信デバイスが(第2通信デバイスに対して)ドーズ状態にあると判定する1つまたは複数の通信リンクを介して第2通信デバイスに送信しないと判定することを含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、クライアントステーションが、ウェイク状態とドーズ状態との間を通信リンクに関連して移行するスケジュールをネゴシエートする。このスケジュールは、本明細書では「ターゲットウェイクタイムスケジュール」、「TWTスケジュール」、または「TWTアグリーメント」と呼ばれることがある。特定のクライアントステーションの場合、TWTスケジュールは、クライアントステーションが(まだウェイク状態にはない場合に)通常、ウェイク状態に移行する指定期間(「TWTサービス期間」または「TWT SP」と呼ばれることがある)を含み、TWT SPの間はウェイク状態にとどまる。いくつかのシナリオにおいて、クライアントステーションはTWT SPが終わるとドーズ状態に戻る。少なくともいくつかの実施形態において、APがTWTスケジュールを用いることは、WLAN内のクライアントステーション同士の競合を最小限に抑える、且つ/またはクライアントステーションによる電力消費を削減するのに役立つ。
【0182】
いくつかの実施形態によれば、TWTスケジュールのネゴシエーションは、i)TWT SPの開始時間、ii)TWT SP同士の間の期間、およびiii)各TWT SPの長さのうちの1つまたは複数といった1つまたは複数のTWTスケジュールパラメータをネゴシエートすることを含む。いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のTWTスケジュールパラメータをネゴシエートすることは、通信デバイスが1つまたは複数のTWTスケジュールパラメータに関して1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0183】
第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのTWTスケジュールを(第2通信デバイスと)ネゴシエートする。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールは、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)と無関係にネゴシエートされる。例えば、いくつかの実施形態において、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに、他のTWTスケジュールが存在しない且つ/または(第2通信デバイスと)ネゴシエートされている他のTWTスケジュールがない場合、第1通信デバイスは、特定の通信リンクのTWTスケジュールを(第2通信デバイスと)ネゴシエートする。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在する場合、第1通信デバイスは、特定の通信リンクのTWTスケジュールに関する1つまたは複数のパラメータを(第2通信デバイスと)ネゴシエートする。このパラメータは、その他の通信リンクのその他のTWTスケジュールの対応するパラメータとは異なるものである。
【0184】
他の実施形態において、複数の通信リンクのTWTスケジュールに関するパラメータのうちの1つまたは複数は、単独でネゴシエートされない。例えば、ネゴシエートされるTWTスケジュールのパラメータのうちの1つまたは複数は、通信デバイスが用いている全ての通信リンクに適用される。例示的な一実施形態として、全ての通信リンクに対して同じTWTスケジュールが第1通信デバイスによって用いられている(例えば、i)TWT SPの開始時間、ii)TWT SP同士の間の期間、およびiii)各TWT SPの長さが、全ての通信リンクについて同じである)ことに関して、第1通信デバイスが第2通信デバイスとネゴシエートする。
【0185】
別の例として、ネゴシエートされるTWTスケジュールの第1セットのパラメータが、通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクに適用されるのに対して、ネゴシエートされるTWTスケジュールの第2セットのパラメータは、通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクより少ないものに適用される。例示的な一実施形態として、第1通信デバイスが、全ての通信リンクについて同じであるi)TWT SPの開始時間、およびii)TWT SP同士の間の期間に関して、第2通信デバイスとネゴシエートし、また第1通信デバイスは、それぞれの通信リンクのTWT SPの異なるそれぞれの時間長に関して、第2通信デバイスとネゴシエートする。
【0186】
一実施形態によれば、TWTスケジュールの終了には、合意したTWTスケジュールを完全に終えることが必要である。いくつかの実施形態によれば、TWTスケジュールの終了は、通信デバイスがTWTスケジュールを終えるために1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0187】
第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのTWTスケジュールを終了する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの終了は、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)と無関係に行われる。例えば、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに他のTWTスケジュールが存在しない場合、特定の通信リンクのTWTスケジュールを終了する。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在する場合、第1通信デバイスは特定の通信リンクのTWTスケジュールを終了しても、その他の通信リンクのその他のTWTスケジュールを終了しない(例えば、特定の通信リンクのTWTスケジュールが終了した後も、その他の通信のその他のTWTスケジュールをアクティブにしたままにする)。
【0188】
他の実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの終了は、複数の通信リンクの中の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールと無関係に行われることはない。ある事例として、第1通信デバイスは、全ての通信リンクのTWTスケジュールを同時に終了する。別の事例として、第1通信デバイスは、第1セットの複数の通信リンクのTWTスケジュールを同時に終了し、第2セットの通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールは終了しない。
【0189】
一実施形態によれば、TWTスケジュールの停止には、合意したTWTスケジュールを一定期間の間、停止することが必要である。いくつかの実施形態によれば、TWTスケジュールの停止は、通信デバイスがTWTスケジュールを停止するために1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0190】
第1通信デバイスは、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのTWTスケジュールを停止する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの停止は、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)と無関係に行われる。例えば、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに他のTWTスケジュールが存在しない場合、特定の通信リンクのTWTスケジュールを停止する。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在する場合、第1通信デバイスは、特定の通信リンクのTWTスケジュールを停止し、その他の通信リンクのその他のTWTスケジュールを停止しない(例えば、その他の通信のその他のTWTスケジュールをアクティブのままにして、特定の通信リンクのTWTスケジュールを停止する)。
【0191】
他の実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの停止は、複数の通信リンクの中の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールと無関係に行われることはない。ある事例として、第1通信デバイスは、全ての通信リンクのTWTスケジュールを同時に停止する。別の事例として、第1通信デバイスは、第1セットの複数の通信リンクのTWTスケジュールを同時に停止し、第2セットの通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールは停止しない。
【0192】
一実施形態によれば、TWTスケジュールの再開には、停止したTWTスケジュールの再開が必要である。いくつかの実施形態によれば、TWTスケジュールの再開は、通信デバイスがTWTスケジュールを再開するために1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0193】
第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのTWTスケジュールを再開する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの再開は、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)と無関係に行われる。例えば、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに他のTWTスケジュールが存在しない場合、特定の通信リンクのTWTスケジュールを再開する。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在し且つ停止している場合、第1通信デバイスは、特定の通信リンクのTWTスケジュールを再開し、その他の通信リンクのその他のTWTスケジュールを再開しない(例えば、その他の通信のその他のTWTスケジュールを停止したままにして、特定の通信リンクのTWTスケジュールを再開する)。
【0194】
他の実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの再開は、複数の通信リンクの中の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールと無関係に行われることはない。ある事例として、第1通信デバイスは、全ての通信リンクのTWTスケジュールを同時に再開する。別の事例として、第1通信デバイスは、第1セットの複数の通信リンクのTWTスケジュールを同時に再開し、第2セットの通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールは再開しない。
【0195】
一実施形態によれば、TWTスケジュールの変更には、既存のTWTスケジュールの1つまたは複数のパラメータを変更する必要がある。例えば、例示的な一実施形態によれば、TWTスケジュールの変更には、i)TWT SP同士の間の期間、およびii)各TWT SPの長さのうちの一方または両方を変更する必要がある。いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のTWTスケジュールパラメータを変更することは、通信デバイスが1つまたは複数のTWTスケジュールパラメータの変更に関して1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0196】
第1通信デバイスが、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのTWTスケジュールを変更する。いくつかの実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの変更は、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)と無関係に行われる。例えば、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに他のTWTスケジュールが存在しない場合、特定の通信リンクのTWTスケジュールを変更する。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在する場合、第1通信デバイスは、特定の通信リンクのTWTスケジュールに関するパラメータを変更し、その他の通信リンクのその他のTWTスケジュールの対応するパラメータを何も変更しない(また任意選択的に、このパラメータを何も変更しない)。
【0197】
他の実施形態において、特定の通信リンクのTWTスケジュールの変更は、複数の通信リンクの中の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールと無関係に行われることはない。ある事例として、第1通信デバイスは、全ての通信リンクのTWTスケジュールを同時に変更する。別の事例として、第1通信デバイスは、第1セットの複数の通信リンクのTWTスケジュールを同時に変更し、第2セットの通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュールは変更しない。
【0198】
特定のTWT SPの間に、通信デバイスはTWT SPを早く終えることに合意してよい。いくつかの実施形態によれば、特定のTWT SPを早く終えることは、通信デバイスがTWT SPを早く終えるために1つまたは複数のパケットをやり取りすることを含む。
【0199】
第1通信デバイスが特定のTWT SPを早く終える。このTWT SPは、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクの中の特定の通信リンクのものである。いくつかの実施形態において、特定のTWT SPを早く終えることは、複数の通信リンクの中の任意の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWTスケジュール(もしあれば)および/またはTWT SP(もしあれば)と無関係に行われる。例えば、いくつかの実施形態において、第1通信デバイスは、第2通信デバイスで用いられている任意の他の通信リンクに他のTWTスケジュールが存在しない場合、特定の通信リンクの特定のTWT SPを早く終える。別の例として、いくつかの実施形態では、別のTWTスケジュールが別の通信リンク用に存在する場合、第1通信デバイスは特定の通信リンクの特定のTWT SPを早く終え、その他の通信リンクの別のTWT SPは早く終えない。
【0200】
他の実施形態において、特定の通信リンクのTWT SPの早期終了は、複数の通信リンクの中の他の通信リンクの1つまたは複数の他のTWT SPと無関係に行われることはない。ある事例として、第1通信デバイスは、全ての通信リンクのTWT SPを同時に早く終える。別の事例として、第1通信デバイスは、第1セットの複数の通信リンクのTWT SPを同時に早く終え、第2セットの通信リンクの1つまたは複数の他のTWT SPは早く終えない。
【0201】
上述したように、少なくともいくつかの実施形態において、TWTネゴシエーション、TWT終了、TWT停止、TWT再開、TWTパラメータ変更、および/またはTWT SPの早期終了には、通信デバイス同士の間でのパケットの通信が必要である。例えば、少なくともいくつかの実施形態において、第1通信デバイスが、1つまたは複数の通信リンクに関連して、TWTネゴシエーション、TWT終了、TWT停止、TWT再開、TWTパラメータ変更、またはTWT SPの早期終了などのTWT管理オペレーションに関するパケット内のフレームを第2通信デバイスに送信する。一実施形態によれば、本フレームは、TWT管理オペレーションが対応する1つまたは複数の通信リンクの1つまたは複数のそれぞれのインジケーションを含む。例えば、本フレームはビットマップを含み、ビットマップ内のそれぞれのビット位置がそれぞれの通信リンクに対応して、TWT管理オペレーションが対応する通信リンクを示す。例えば、一実施形態によれば、TWT管理オペレーションが対応する通信リンクに対応するビットを第1の値に、第1通信デバイスが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。一方、TWT管理オペレーションが対応しない通信リンクに対応するビットを第2の値に、第1通信デバイスが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。
【0202】
いくつかの実施形態では、本フレームが、通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクに適用されるTWT管理オペレーションのためのものである場合、本フレームは、この管理オペレーションが通信デバイスによって用いられている全ての通信リンクに適用されるというインジケーションを含む。
【0203】
TWT管理オペレーションに関するフレームが、TWT管理オペレーションが対応する第1通信リンクのインジケーション(または第1通信リンクを含む通信リンク一式のインジケーション)を含むいくつかの実施形態において、本フレームを第2通信リンクで、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。いくつかの実施形態において、第2通信リンクはネゴシエート済みのリンクであり、TWT管理オペレーションに関するフレームは、ネゴシエート済みのリンクで送信される必要がある。
【0204】
TWT管理オペレーションに関するフレームが、TWT管理オペレーションが対応する第1通信リンクのインジケーション(または第1通信リンクを含む通信リンク一式のインジケーション)を含むいくつかの実施形態において、本フレームを第2通信リンクで、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0205】
一実施形態では、TWTスケジュールをネゴシエートする場合、i)フレームがTWTスケジュールのネゴシエーションに対応することを示すフレーム、ii)スケジューリング用の1つまたは複数のパラメータ(例えば、TWT開始時間、TWT期間、および/またはTWT SPの長さなど)を含むフレーム、およびiii)TWTスケジュールが対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0206】
一実施形態では、TWTスケジュールをネゴシエートする場合、i)フレームがTWTスケジュールのネゴシエーションに対応することを示すフレーム、ii)スケジューリング用の1つまたは複数のパラメータ(例えば、TWT開始時間、TWT期間、および/またはTWT SPの長さなど)を含むフレーム、およびiii)TWTスケジュールが対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0207】
一実施形態では、TWTスケジュールを終了する場合、i)フレームがTWTスケジュールの終了に対応することを示すフレーム、およびii)この終了が対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0208】
一実施形態では、TWTスケジュールを停止する場合、i)フレームがTWTスケジュールの停止に対応することを示すフレーム、およびii)この停止が対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0209】
一実施形態では、TWTスケジュールを再開する場合、i)フレームがTWTスケジュールの再開に対応することを示すフレーム、およびii)この再開が対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0210】
一実施形態では、TWTスケジュールを変更する場合、i)フレームがTWTスケジュールの変更に対応することを示すフレーム、ii)変更されるスケジューリング用の1つまたは複数のパラメータ(例えば、TWT開始時間、TWT期間、および/またはTWT SPの長さなど)を含むフレーム、およびiii)TWTスケジュール変更が対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0211】
一実施形態では、TWT SPを早く終える場合、i)フレームがTWT SPの早期終了に対応することを示すフレーム、およびii)この早期終了が対応する1つまたは複数の通信リンクのインジケーションを含むフレームを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、(パケット内の)フレームを第2通信デバイスに、第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0212】
図13は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1300の図である。
図13の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図13は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図13では左から右へと時間が進む。
【0213】
図13に示すシナリオにおいて、クライアントステーションは、第1通信リンクおよび第2通信リンクの両方に関して省電力モードにある。さらに、TWT SP1304が第1通信リンク用に確立されており、TWT SP1308が第2通信リンク用に確立されている。
図13には、TWT SP1304およびTWT SP1308が別々の時間に開始して終了するように示されているが、他の実施形態では、TWT SP1304およびTWT SP1308が同時に開始して同時に終了する。
【0214】
TWT SP1304の初期部分では、クライアントステーションは第1通信リンクに対してウェイク状態にあり、TWT SP1308の初期部分では、クライアントステーションは第2通信リンクに対してウェイク状態にある。一実施形態において、TWT SP1304を早く終え且つTWT SP1308を早く終えるとクライアントステーションが決定する(例えば、ネットワークインタフェース162が決定する、MACプロセッサ166が決定する、省電力制御装置192が決定する、ネットワークインタフェース300が決定するといった具合である)。TWT SP1304を早く終え且つTWT SP1308を早く終えるとの決定に応答して、フレーム1312をクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。このフレームは、クライアントステーションが全てのTWT SPを早く終えようとしているとのインジケーションを(例えば、フレーム1312のMACヘッダ内、MACヘッダ内の制御フィールド内、フレーム1312のMACフレームボディ内などに)有する。さらに、第2通信リンクを介してパケット内のフレーム1312をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。第1通信リンクがネゴシエート済みのリンクである別の実施形態において、第1通信リンクを介してパケット内のフレーム1312をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0215】
一実施形態において、フレーム1312はPSポールフレームである。他の実施形態において、フレーム1312はQoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレームである。
【0216】
フレーム1312の受信に応答して、クライアントステーションがTWT SP1304およびTWT SP1308を早く終えようとしているとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。さらに、フレーム1312の受信に応答して、フレーム1312の受信を確認する確認応答フレーム1316を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0217】
フレーム1312の送信に関連して、TWT SP1304を終える前に且つTWT SP1308を終える前に、第1通信リンクおよび第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をドーズ状態に、クライアントステーションが移行する(例えば、ネットワークインタフェース162が移行する、MACプロセッサ166がネットワークインタフェース162を制御して移行する、省電力制御装置192がネットワークインタフェース162を制御して移行する、ネットワークインタフェース300が移行するといった具合である)。一実施形態において、クライアントステーションは、確認応答フレーム1316の受信に応答して、第1通信リンクおよび第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をドーズ状態に移行する。
【0218】
図14は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1400の図である。
図14の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図14は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図14では左から右へと時間が進む。
【0219】
図14に示すシナリオにおいて、クライアントステーションは、第1通信リンクおよび第2通信リンクの両方に関して省電力モードにある。さらに、TWT SP1404が第1通信リンク用に確立されており、TWT SP1408が第2通信リンク用に確立されている。
図14には、TWT SP1404およびTWT SP1408が別々の時間に開始して終了するように示されているが、他の実施形態では、TWT SP1404およびTWT SP1408が同時に開始して同時に終了する。
【0220】
TWT SP1404では、クライアントステーションは第1通信リンクに対してウェイク状態にあり、TWT SP1408の初期部分では、クライアントステーションは第2通信リンクに対してウェイク状態にある。一実施形態において、TWT SP1408を早く終えるとクライアントステーションが決定する(例えば、ネットワークインタフェース162が決定する、MACプロセッサ166が決定する、省電力制御装置192が決定する、ネットワークインタフェース300が決定するといった具合である)。TWT SP1408を早く終えるとの決定に応答して、フレーム1412をクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。このフレームは、クライアントステーションが第2通信リンクのTWT SPを早く終えようとしているとのインジケーションを(例えば、フレーム1412のMACヘッダ内、MACヘッダ内の制御フィールド内、フレーム1412のMACフレームボディ内などに)有する。さらに、第2通信リンクを介してパケット内のフレーム1412をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。第1通信リンクがネゴシエート済みのリンクである別の実施形態において、第1通信リンクを介してパケット内のフレーム1412をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0221】
一実施形態において、フレーム1412はPSポールフレームである。他の実施形態において、フレーム1412はQoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレームである。
【0222】
一実施形態において、フレーム1412はビットマップを含み、ビットマップ内のそれぞれのビット位置はそれぞれの通信リンクに対応して、TWT SPの早期終了が対応する通信リンクを示す。例えば、一実施形態によれば、TWT SPの早期終了が対応する通信リンクに対応するビットを第1の値に、クライアントステーションが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。一方、TWT SPの早期終了が対応しない通信リンクに対応するビットを第2の値に、クライアントステーションが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。したがって、一実施形態において、クライアントステーションは第1通信リンクに対応する第1ビットを第2の値に設定し、第2通信リンクに対応する第2ビットを第1の値に設定する。
【0223】
フレーム1412の受信に応答して、クライアントステーションがTWT SP1408を早く終えようとしているとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。さらに、フレーム1412の受信に応答して、フレーム1412の受信を確認する確認応答フレーム1416をAPが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0224】
フレーム1412の送信に関連して、TWT SP1408を終える前に、第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をドーズ状態に、クライアントステーションが移行する(例えば、ネットワークインタフェース162が移行する、MACプロセッサ166がネットワークインタフェース162を制御して移行する、省電力制御装置192がネットワークインタフェース162を制御して移行する、ネットワークインタフェース300が移行するといった具合である)。一実施形態において、クライアントステーションは、確認応答フレーム1416の受信に応答して、第1通信リンクおよび第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をドーズ状態に移行する。
【0225】
図15は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1500の図である。
図15の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図15は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図15では左から右へと時間が進む。
【0226】
図15に示すシナリオにおいて、クライアントステーションは、第1通信リンクおよび第2通信リンクの両方に関して省電力モードにある。クライアントステーションは第1通信リンクに対してドーズ状態にあり、TWT SP1508は第2通信リンク用に確立されている。
【0227】
TWT SP1508の開始に関連して、フレーム1512をクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。このフレームは、クライアントステーションがウェイク状態にあるというインジケーションを(例えば、フレーム1512のMACヘッダ内、MACヘッダ内の制御フィールド内、フレーム1512のMACフレームボディ内などに)有する。さらに、第2通信リンクを介してパケット内のフレーム1512をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。第2通信リンク内のみのフレーム1512を送信することで、クライアントステーションが第2通信リンクに対してウェイク状態にあることのみが示される。
【0228】
一実施形態において、フレーム1512はPSポールフレームである。他の実施形態において、フレーム1512はQoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレームである。
【0229】
第2通信リンクでのフレーム1512の受信に応答して、クライアントステーションが第2通信リンクに対してウェイク状態にあるとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。さらに、フレーム1512の受信に応答して、フレーム1512の受信を確認する確認応答フレーム1516を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0230】
フレーム1512の送信に関連して、第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をウェイク状態に、クライアントステーションが移行する(例えば、ネットワークインタフェース162が移行する、MACプロセッサ166がネットワークインタフェース162を制御して移行する、省電力制御装置192がネットワークインタフェース162を制御して移行する、ネットワークインタフェース300が移行するといった具合である)。
【0231】
図16は、別の実施形態による、APとクライアントステーションとの間の、別の例示的な通信のやり取り1600の図である。
図16の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図16は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。特定の通信リンクでのクライアントステーションによる送信が、対応する横線の下に示されており、特定の通信リンクでのAPによる送信が、対応する横線の上に示されている。さらに、
図16では左から右へと時間が進む。
【0232】
図16に示すシナリオにおいて、クライアントステーションは、第1通信リンクおよび第2通信リンクの両方に関して省電力モードにある。さらに、TWT SP1604が第1通信リンク用に確立されており、TWT SP1608が第2通信リンク用に確立されている。
【0233】
TWT SP1604の開始およびTWT SP1608の開始に関連して、フレーム1612をクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。このフレームは、クライアントステーションがウェイク状態にあるというインジケーションを(例えば、フレーム1612のMACヘッダ内、MACヘッダ内の制御フィールド内、フレーム1612のMACフレームボディ内などに)有する。さらに、第2通信リンクを介してパケット内のフレーム1612をAPに、クライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0234】
一実施形態において、フレーム1612はビットマップを含み、ビットマップ内のそれぞれのビット位置がそれぞれの通信リンクに対応して、クライアントステーションがウェイク状態にある通信リンクを示す。例えば、一実施形態によれば、クライアントステーションがウェイク状態にある通信リンクに対応するビットを第1の値に、クライアントステーションが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。一方、クライアントステーションがウェイク状態にはない(例えば、オフ状態にある場合にはドーズ状態にあるといった)通信リンクに対応するビット(もしあれば)を第2の値に、クライアントステーションが設定する(例えば、ネットワークインタフェース122が設定する、MACプロセッサ126が設定する、クライアント省電力制御装置142が設定する、ネットワークインタフェース162が設定する、MACプロセッサ166が設定する、省電力制御装置192が設定する、ネットワークインタフェース300が設定するといった具合である)。したがって、一実施形態において、クライアントステーションは第1通信リンクに対応する第1ビットを第1の値に設定し、第2通信リンクに対応する第2ビットを第1の値に設定する。
【0235】
一実施形態において、フレーム1612はPSポールフレームである。他の実施形態において、フレーム1612はQoSヌルフレーム、アクションフレーム、または別の好適なフレームである。
【0236】
フレーム1612の受信に応答して、クライアントステーションが第1通信リンクおよび第2通信リンクに対してウェイク状態にあるとAPが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、クライアント省電力制御装置142が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。さらに、フレーム1612の受信に応答して、フレーム1612の受信を確認する確認応答フレーム1616を、APが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、クライアント省電力制御装置142が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、この確認応答フレームをAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、ネットワークインタフェース300が送信する、PHYプロセッサ130が送信するといった具合である)。
【0237】
フレーム1612の送信に関連して、第1通信リンクおよび第2通信リンクに対応する少なくともハードウェア構成要素をウェイク状態に、クライアントステーションが移行する(例えば、ネットワークインタフェース162が移行する、MACプロセッサ166がネットワークインタフェース162を制御して移行する、省電力制御装置192がネットワークインタフェース162を制御して移行する、ネットワークインタフェース300が移行するといった具合である)。
【0238】
いくつかの実施形態において、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクで動作するAP(本明細書では「マルチリンクAPエンティティ」と呼ばれることがある)が、それぞれの通信リンクに対応する複数の異なるAP(本明細書では「サブAP」と呼ばれることがある)とみなされる。いくつかの実施形態において、各サブAPは、それぞれのネットワークアドレス(例えば、MACアドレス、基本サービスセット識別子(BSSID)など)と関連付けられる。
【0239】
いくつかの実施形態において、マルチリンクAPエンティティは、全ての通信リンクでビーコンフレームを送信する。ビーコンフレームとは、APが周期的に送信する管理フレームである。ビーコンフレームは、APが管理するWLANに関する情報を含む。例えば、いくつかの実施形態によれば、ビーコンフレームは、WLANの能力および設定に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、ビーコンフレームは、クライアントステーションがクライアントステーションの内部クロックを更新するのに用いることができるタイムスタンプを含む。いくつかの実施形態において、ビーコンフレームは、データレートの変更といった、喫緊の設定変更に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、ビーコンフレームは、APがそれぞれのクライアントステーションへの送信を待つバッファリングされたフレームを有しているかどうかを、省電力モードにあるそれぞれのクライアントステーションに示す1つまたは複数のトラフィックインジケーションマップ(TIM)エレメントを含む。
【0240】
いくつかの実施形態において、マルチリンクAPエンティティは1つのビーコンフレームの複数のインスタンスをそれぞれの通信リンクで送信する。ここで、1つのビーコンフレームは全てのサブAPの情報を含む。他の実施形態において、マルチリンクAPエンティティは、サブAPごとに、サブAP用のビーコンフレームの複数のインスタンスをそれぞれの通信リンクで送信する。ここで、ビーコンフレームはそれぞれのサブAPの情報を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、ビーコンフレームは、複数の通信リンクのうちのいずれかに関連してクライアントステーション用に何かフレームがバッファリングされているかどうかをクライアントステーションごとに示すTIMエレメントを含む。
図17は、別の実施形態による、マルチリンクAPエンティティによる例示的な送信の図である。
図17の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図17は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。さらに、
図17では左から右へと時間が進む。
【0242】
第1通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1704をマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。一実施形態によれば、ビーコンフレーム1704は、マルチリンクAPエンティティが複数の通信リンクのうちのいずれかに関連して、バッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示すTIMエレメントを含む。さらに、第1通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1704をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0243】
さらに、第2通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1708をマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。一実施形態によれば、ビーコンフレーム1708は、ビーコンフレーム1704に含まれるのと同じTIMエレメントを含む。さらに、第2通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1708をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0244】
いくつかの実施形態において、ビーコンフレーム1704およびビーコンフレーム1708は、同じビーコンフレームの別々のインスタンスである。他の実施形態において、ビーコンフレーム1704は、ビーコンフレーム1708と異なるビーコンフレームである。
【0245】
ビーコンフレーム1704を第1通信リンクで受信する且つ/またはビーコンフレーム1708を第2通信リンクで受信すると、クライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定するために、TIMエレメントをクライアントステーションが解析する(例えば、ネットワークインタフェース162が解析する、MACプロセッサ166が解析する、ネットワークインタフェース300が解析するといった具合である)。クライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、PSポールフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレームをクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに送信させるために、パケット内のPSポールフレーム(または、他の好適なフレーム)をAPにクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。様々な実施形態において、クライアントステーションは、第1通信リンクまたは第2通信リンクのうちの一方または両方を介して、PSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を送信する。
【0246】
いくつかの実施形態において、
図17のTIMエレメント送信手法は、マルチリンクAPが複数の通信リンクのうちのいずれかを介してトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を送信することが認められる場合に用いられる。
【0247】
図18は、別の実施形態による、マルチリンクAPエンティティによる例示的な送信の図である。
図18の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図18は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。さらに、
図18では左から右へと時間が進む。一実施形態において、第1通信リンクはネゴシエート済みのリンクである。
【0248】
第1通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1804をマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。ビーコンフレーム1804は、マルチリンクAPエンティティが第1通信リンクを介して送信するためのクライアントステーション用のバッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示す第1のTIMエレメントを含む。ビーコンフレーム1804は、マルチリンクAPエンティティが第2通信リンクを介して送信するためのクライアントステーション用のバッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示す第2のTIMエレメントも含む。
【0249】
第1通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1804をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0250】
さらに、第2通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1808もマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。一実施形態によれば、ビーコンフレーム1808は、第1のTIMエレメントも第2のTIMエレメントも含まない。第2通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1808をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0251】
いくつかの実施形態において、ビーコンフレーム1804は、ビーコンフレーム1808と異なるビーコンフレームである。
【0252】
いくつかの実施形態では、ビーコン1804が送信されたときに、少なくともいくつかのクライアントステーションが第1通信リンクに対してウェイク状態にある必要がある。
【0253】
第1通信リンクでビーコンフレーム1804を受信すると、i)第1通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定する第1のTIMエレメント、およびii)第2通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定する第2のTIMエレメントを、クライアントステーションが解析する(例えば、ネットワークインタフェース162が解析する、MACプロセッサ166が解析する、ネットワークインタフェース300が解析するといった具合である)。第1通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、PSポールフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレームをクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第1通信リンクを介してパケット内のPSポールフレーム(または、他の好適なフレーム)をAPにクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、クライアントステーションは、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第2通信リンクを介してPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を送信する。
【0254】
同様に、第2通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、PSポールフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレームをクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第2通信リンクを介して送信させるために、第2通信リンクを介してパケット内のPSポールフレーム(または、他の好適なフレーム)をAPにクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、クライアントステーションは、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第2通信リンクを介して送信させるために、第1通信リンクを介してPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を送信する。
【0255】
他の実施形態において、APは、例えば、1つのパケットまたは複数のパケット内にある複数のビーコンフレーム1804を、第1通信リンクを介して送信する。例えば、第1通信リンクでは第1ビーコンフレーム1804が第1サブAPに対応し、第1ビーコンフレーム1804は第1のTIMエレメントを含むために生成される。また第2通信リンクでは第2ビーコンフレーム1804が第2サブAPに対応し、第2ビーコンフレーム1804は第2のTIMエレメントを含むために生成される。
【0256】
いくつかの実施形態において、
図18のTIMエレメント送信手法は、マルチリンクAPが第1通信リンクを介して第1セットの1つまたは複数のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を送信し、また第2通信リンクを介して第2セットの1つまたは複数のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を送信する必要がある場合に用いられる。例えば、一実施形態によれば、第1のTIMエレメントは第1セットの1つまたは複数のトラフィックストリームにおけるバッファリングされたMPDUに対応し、第2のTIMエレメントは第2セットの1つまたは複数のトラフィックストリームにおけるバッファリングされたMPDUに対応する。
【0257】
図19は、別の実施形態による、マルチリンクAPエンティティによる例示的な送信の図である。
図19の横線は、それぞれの周波数セグメントに対応する別々の通信リンクを示している。具体的には、
図19は、第1通信リンクおよび第2通信リンクを示している。さらに、
図19では左から右へと時間が進む。一実施形態において、第1通信リンクはネゴシエート済みのリンクである。
【0258】
第1通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1904をマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。ビーコンフレーム1904は、マルチリンクAPエンティティが複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得るクライアントステーション用のバッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示す第1のTIMエレメントを含む。ビーコンフレーム1904は、マルチリンクAPエンティティが第1通信リンクを介して送信するためのクライアントステーション用のバッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示す第2のTIMエレメントも含む。ビーコンフレーム1904は、マルチリンクAPエンティティが第2通信リンクを介して送信するためのクライアントステーション用のバッファリングされた任意のフレームを有しているかどうかをクライアントステーションごとに示す第3のTIMエレメントも含む。
【0259】
第1通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1904をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0260】
さらに、第2通信リンクで送信するためのビーコンフレーム1808もマルチリンクAPエンティティが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース200が生成するといった具合である)。一実施形態によれば、ビーコンフレーム1908は第1のTIMエレメントを含むが、第2のTIMエレメントも第3のTIMエレメントも含まない。第2通信リンクを介してパケット内のビーコンフレーム1908をマルチリンクAPが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0261】
いくつかの実施形態において、ビーコンフレーム1904は、ビーコンフレーム1908と異なるビーコンフレームである。
【0262】
いくつかの実施形態では、ビーコン1904が送信されたときに、少なくともいくつかのクライアントステーションが第1通信リンクに対してウェイク状態にある必要がある。
【0263】
第1通信リンクでビーコンフレーム1904を受信すると、i)第1通信リンクまたは第2通信リンクのいずれかを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定する第1のTIMエレメント、ii)第1通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定する第2のTIMエレメント、およびiii)第2通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームを何かAPが有するかどうかを判定する第3のTIMエレメントを、クライアントステーションが解析する(例えば、ネットワークインタフェース162が解析する、MACプロセッサ166が解析する、ネットワークインタフェース300が解析するといった具合である)。第1通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、PSポールフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレームをクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第1通信リンクを介してパケット内のPSポールフレーム(または、他の好適なフレーム)をAPにクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、クライアントステーションは、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第2通信リンクを介してPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を送信する。
【0264】
同様に、第2通信リンクを介して送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、PSポールフレーム、QoSヌルフレーム、または別の好適なフレームをクライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第2通信リンクを介して送信させるために、第2通信リンクを介してパケット内のPSポールフレーム(または、他の好適なフレーム)をAPにクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、クライアントステーションは、APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第2通信リンクを介して送信させるために、第1通信リンクを介してPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を送信する。
【0265】
同様に、第1通信リンクまたは第2通信リンクのいずれかで送信するためにクライアントステーション用にバッファリングされたフレームをAPが有するとクライアントステーションが判定した場合、i)第1のPSポールフレーム(またはQoSヌルフレームもしくは別の好適なフレーム)、およびii)第2のPSポールフレーム(またはQoSヌルフレームもしくは別の好適なフレーム)のうちの一方または両方を、クライアントステーションが生成する(例えば、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、省電力制御装置192が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。その後、i)APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第1通信リンクを介してAPに向けたパケット内の第1のPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)、およびii)APに働きかけて、バッファリングされた複数のフレームのうちの1つまたは複数をクライアントステーションに第1通信リンクを介して送信させるために、第2通信リンクを介してAPに向けたパケット内の第2のPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)、のうちの一方または両方をクライアントステーションが送信する(例えば、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。
【0266】
いくつかの実施形態において、クライアントステーションが第2のTIMエレメントに関連したPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を生成し、クライアントステーションは第1のTIMエレメントに関連した第1通信リンク用の別のPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を生成しない。同様に、いくつかの実施形態において、クライアントステーションが第3のTIMエレメントに関連したPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を生成し、クライアントステーションは第1のTIMエレメントに関連した第2通信リンク用の別のPSポールフレーム(または他の好適なフレーム)を生成しない。
【0267】
他の実施形態において、APは、例えば、1つのパケットまたは複数のパケット内にある複数のビーコンフレーム1904を、第1通信リンクを介して送信する。例えば、第1通信リンクでは第1ビーコンフレーム1904が第1サブAPに対応し、第1ビーコンフレーム1904は第1のTIMエレメントおよび第2のTIMエレメントを含むために生成される。また第2通信リンクでは第2ビーコンフレーム1904が第2サブAPに対応し、第2ビーコンフレーム1904は第3のTIMエレメントおよび任意選択的に第1のTIMエレメントを含むために生成される。
【0268】
いくつかの実施形態において、
図19のTIMエレメント送信手法は、マルチリンクAPが第1通信リンクを介して第1セットの1つまたは複数のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を送信し、また第2通信リンクを介して第2セットの1つまたは複数のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を送信する必要があり、且つ第3セットの1つまたは複数のトラフィックストリーム(各トラフィックストリームはそれぞれのクライアントステーションを対象にしたそれぞれ同じTIDを有するMPDUを含む)を第1通信リンクまたは第2通信リンクのいずれかを介して送信することが認められる場合に用いられる。例えば、一実施形態によれば、第2のTIMエレメントは、第1セットの1つまたは複数のトラフィックストリームにおけるバッファリングされたMPDUに対応し、第3のTIMエレメントは第2セットの1つまたは複数のトラフィックストリームにおけるバッファリングされたMPDUに対応し、第1のTIMエレメントは第3セットの1つまたは複数のトラフィックストリームにおけるバッファリングされたMPDUに対応する。
【0269】
図20は、一実施形態による、第1通信デバイスが第2通信デバイス用のバッファリングされたフレームを持っているかどうかを第1通信デバイスが第2通信デバイスに通知するための、例示的な方法のフロー図である。いくつかの実施形態において、AP114および/またはクライアントステーション154は方法2000を実施するように構成され、
図20は単に説明のために
図1を参照して説明される。他の実施形態において、方法2000は別の好適な通信デバイスによって実施される。いくつかの実施形態において、方法2000は
図4の方法400と共に実施される。他の実施形態において、方法2000は
図4の方法400と共に実施されない。
【0270】
ブロック2004では、それぞれの周波数セグメントに対応する複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得る、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた任意のフレームを第1通信デバイスが有しているかどうかを、第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。
【0271】
複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得る、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを第1通信デバイスが有しているとのブロック2004における判定に応答して、本フローはブロック2008に進む。ブロック2008では、複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得る、第2通信デバイス用のバッファリングされた任意のフレームを第1通信デバイスが有しているかどうかを第2通信デバイスごとに示す第1のTIMエレメントを、第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。次に本フローは、ブロック2012に進む。
【0272】
さらに、複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得る、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた少なくとも1つのフレームを、第1通信デバイスが有していないとのブロック2004における判定に応答して、本フローもブロック2012に進む。ブロック2012では、複数の通信リンクの中の第1通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた任意のフレームを、第1通信デバイスが有しているかどうかを第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。
【0273】
第1通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを、第1通信デバイスが有しているとのブロック2012における判定に応答して、本フローはブロック2016に進む。ブロック2016では、第1通信リンクのみを介して送信されることになる、第2通信デバイス用のバッファリングされた任意のフレームを、第1通信デバイスが有しているかどうかを第2通信デバイスごとに示す第2のTIMエレメントを第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。次に本フローは、ブロック2020に進む。
【0274】
さらに、第1通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた少なくとも1つのフレームを、第1通信デバイスが有していないとのブロック2012における判定に応答して、本フローもブロック2020に進む。ブロック2020では、複数の通信リンクの中の第2通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた任意のフレームを、第1通信デバイスが有しているかどうかを第1通信デバイスが判定する(例えば、ネットワークインタフェース122が判定する、MACプロセッサ126が判定する、通信リンク選択制御装置140が判定する、ネットワークインタフェース162が判定する、MACプロセッサ166が判定する、通信リンク選択制御装置190が判定する、ネットワークインタフェース300が判定するといった具合である)。
【0275】
第2通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを、第1通信デバイスが有しているとのブロック2020における判定に応答して、本フローはブロック2024に進む。ブロック2024では、第2通信リンクのみを介して送信されることになる、第2通信デバイス用のバッファリングされた任意のフレームを、第1通信デバイスが有しているかどうかを第2通信デバイスごとに示す第3のTIMエレメントを第1通信デバイスが生成する(例えば、ネットワークインタフェース122が生成する、MACプロセッサ126が生成する、ネットワークインタフェース162が生成する、MACプロセッサ166が生成する、ネットワークインタフェース300が生成するといった具合である)。次に本フローは、ブロック2028に進む。
【0276】
さらに、第2通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた少なくとも1つのフレームを、第1通信デバイスが有していないとのブロック2020における判定に応答して、本フローもブロック2028に進む。
【0277】
ブロック2028では、第1のTIMがブロック2008で生成された場合、複数の通信リンクのうちの複数(例えば、全て)を介して第1のTIMを第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、複数の通信リンクのうちのいずれかを介して送信され得る、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを、第1通信デバイスが有しているとのブロック2004における判定に応答して、第1通信デバイスは複数の通信リンクのうちの複数(例えば、全て)を介して第1のTIMを(ブロック2028で)送信する。
【0278】
ブロック2032では、第2のTIMがブロック2016で生成された場合、第1通信リンクのみを介して第2のTIMを第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、第1通信デバイスのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを、第1通信デバイスが有しているとのブロック2012における判定に応答して、第1通信デバイスは第1通信リンクのみを介して第2のTIMを(ブロック2032で)送信する。
【0279】
ブロック2036では、第3のTIMがブロック2024で生成された場合、第1通信リンクのみを介して第3のTIMを第1通信デバイスが送信する(例えば、ネットワークインタフェース122が送信する、PHYプロセッサ130が送信する、ネットワークインタフェース162が送信する、PHYプロセッサ170が送信する、ネットワークインタフェース300が送信するといった具合である)。別の実施形態において、第2通信リンクのみを介して送信されることになる、複数の第2通信デバイスのうちのいずれかのためのバッファリングされた1つまたは複数のフレームを、第1通信デバイスが有しているとのブロック2020における判定に応答して、第1通信デバイスは第1通信リンクのみを介して第3のTIMを(ブロック2036で)送信する。いくつかの実施形態において、第3のTIMは、ブロック2036で、第2通信リンクのみを介して送信される。
【0280】
いくつかの実施形態において、第1のTIM、第2のTIM、および第3のTIMは、
図19を参照して上述したような1つまたは複数のビーコンフレームに含まれている。
【0281】
実施形態1:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて通信するための方法であって、本方法が、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、第1のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定する段階と、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、第2のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにはない場合、第2通信デバイスは第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあることが認められ、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにはない場合、第2通信デバイスは第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあることが認められる、判定する段階と、第1通信デバイスが、i)第1のWLAN通信リンク、およびii)第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて第2通信デバイスと通信する段階であって、ここには、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかという判定に従って第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信する段階とを備える、方法。
【0282】
実施形態2:本方法がさらに、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるとの判定に応答して、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるとの判定に応答して、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかと無関係である、判定する段階とを備え、第2通信デバイスと通信する段階がさらに、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにある場合、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかの判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにある場合、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかの判定に従う、実施形態1に記載の方法。
【0283】
実施形態3:第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを判定する段階が、第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにより送信されたパケットを第1通信デバイスで受信する段階であって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを示す情報を含む、受信する段階を有する、実施形態2に記載の方法。
【0284】
実施形態4:本方法がさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にある場合、第1通信デバイスが第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、パケットは、第2通信デバイスに働きかけて第2のWLAN通信リンクに対してアウェイク状態に移行させる情報を含む、送信する段階を備える、実施形態2および3のいずれかに記載の方法。
【0285】
実施形態5:第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかを判定する段階が、第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにより送信されたパケットを第1通信デバイスで受信する段階であって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかを示す情報を含む、受信する段階を有する、実施形態1から4のうちのいずれかに記載の方法。
【0286】
実施形態6:本方法がさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあると第1通信が判定した場合、第1通信デバイスが第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してアクティブモードに移行することを要求する情報を含む、送信する段階を備える、実施形態1から3および5のうちのいずれかに記載の方法。
【0287】
実施形態7:本方法がさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してオフ状態にあると第1通信デバイスで判定する段階と、第1通信デバイスが第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスにパケットを送信する段階であって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してオン状態に移行することを要求する情報を含む、送信する段階とを備える、実施形態1から6のうちのいずれかに記載の方法。
【0288】
実施形態8:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイス。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスを含み、本ICデバイスは、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、第1のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含む、判定することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクに対して第2通信デバイスが省電力モードにあるかどうかを判定することであって、第2のWLAN通信に対する省電力モードはウェイク状態およびドーズ状態を含み、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかと無関係である、判定することと、i)第1のWLAN通信リンク、およびii)第2のWLAN通信リンクのうちの少なくとも一方を用いて第2通信デバイスと通信することであって、ここには、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかの判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかの判定に従って第2通信デバイスと通信することが含まれる、通信することとを行うように構成される。
【0289】
実施形態9:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるとの判定に応答して、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを判定することと、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるとの判定に応答して、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを判定することであって、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかと無関係である、判定することと、i)第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対して省電力モードにある場合、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかの判定、およびii)第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにある場合、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかの判定にさらに従って、第2通信デバイスと通信することとを行うように構成される、実施形態8に記載の第1通信デバイス。
【0290】
実施形態10:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにより送信されたパケットを受信することであって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかを示す情報を含む、受信することと、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にあるかどうかをパケット内の情報を用いて判定することとを行うように構成される、実施形態9に記載の第1通信デバイス。
【0291】
実施形態11:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してドーズ状態にある場合、第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにパケットを送信することであって、パケットは第2通信デバイスに働きかけて第2のWLAN通信リンクに対してアウェイク状態に移行させる情報を含む、送信することを行うように構成される、実施形態9または10のいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0292】
実施形態12:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のWLAN通信リンクのみを介して第2通信デバイスにより送信されたパケットを受信することであって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかを示す情報を含む、受信することと、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあるかどうかをパケット内の情報を用いて判定することとを行うように構成される、実施形態8から11のうちのいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0293】
実施形態13:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対して省電力モードにあると第1通信が判定した場合、第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスにパケットを送信することであって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してアクティブモードに移行することを要求する情報を含む、送信することを行うように構成される、実施形態8から10または12のうちのいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0294】
実施形態14:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してオフ状態にあると判定することと、第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスにパケットを送信することであって、パケットは第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに対してオン状態に移行することを要求する情報を含む、送信することとを行うように構成される、実施形態8から13のうちのいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0295】
実施形態15:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて通信するための方法であって、本方法が、第1通信デバイスが第1のターゲットウェイクタイム(TWT)アグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートする段階であって、i)第1のTWTアグリーメントの複数のTWTサービス期間(SP)のうちの第1期間、およびii)第1のTWTアグリーメントの各TWT SPの第1時間長をネゴシエートすることを含み、第1のTWTアグリーメントは複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクのためのものであり、第1のTWTアグリーメントの複数のTWT SPは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応する、ネゴシエートする段階と、第1通信デバイスが第2通信デバイスと第2のTWTアグリーメントをネゴシエートする段階であって、i)第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPのうちの第2期間、およびii)第2のTWTアグリーメントの各TWT SPの第2時間長をネゴシエートすることを含み、第2のTWTアグリーメントは第2のWLAN通信リンクのためのものであり、第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPは、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応し、i)第1期間が第2期間と異なることが認められる、およびii)第1時間長が第2時間長と異なることが認められる、のうちの少なくとも一方である、ネゴシエートする段階と、第1通信デバイスが第1のTWTアグリーメントに従い第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信する段階と、第1通信デバイスが第2のTWTアグリーメントに従い第2のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信する段階とを備える、方法。
【0296】
実施形態16:第2のTWTアグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートする段階が、第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションに対応する1つまたは複数のフレームを第1のWLAN通信リンクを介して送信する段階であって、1つまたは複数のフレームを第2通信デバイスに送信することを含む、送信する段階を含む、実施形態15に記載の方法。
【0297】
実施形態17:第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションに対応する1つまたは複数のフレームを送信する段階が、第1のWLAN通信リンクを介して、i)第1のTWTアグリーメントのネゴシエーション、およびii)第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションについてのネゴシエーション情報を含むフレームを送信する段階を有する、実施形態16に記載の方法。
【0298】
実施形態18:i)第1のTWTアグリーメントのネゴシエーション、およびii)第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションに対応するフレームを送信する段階が、あるフレームを送信する段階であって、当該フレームは、i)第1のWLAN通信リンクに対応し且つ当該フレームが第1のWLAN通信リンクに対応するネゴシエーション情報を含むことを示すために設定された第1ビットと、ii)第2のWLAN通信リンクに対応し且つ当該フレームが第2のWLAN通信リンクに対応するネゴシエーション情報を含むことを示すために設定された第2ビットとを有するビットマップを含む、送信する段階を有する、実施形態17に記載の方法。
【0299】
実施形態19:それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイス。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、第1のターゲットウェイクタイム(TWT)アグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートすることであって、i)第1のTWTアグリーメントの複数のTWTサービス期間(SP)のうちの第1期間、およびii)第1のTWTアグリーメントの各TWT SPの第1時間長のネゴシエーションを含み、第1のTWTアグリーメントは複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクのためのものであり、第1のTWTアグリーメントの複数のTWT SPは、第2通信デバイスが第1のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応する、ネゴシエートすることと、第2のTWTアグリーメントを第2通信デバイスとネゴシエートすることであって、i)第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPのうちの第2期間、およびii)第2のTWTアグリーメントの各TWT SPの第2時間長のネゴシエーションを含み、第2のTWTアグリーメントは第2のWLAN通信リンクのためのものであり、第2のTWTアグリーメントの複数のTWT SPは、第2通信デバイスが第2のWLAN通信リンクに関してウェイク状態にあるべき時間セグメントに対応し、i)第1期間が第2期間と異なることが認められる、およびii)第1時間長が第2時間長と異なることが認められる、のうちの少なくとも一方である、ネゴシエートすることと、第1のTWTアグリーメントに従い第1のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信することと、第2のTWTアグリーメントに従い第2のWLAN通信リンクを介して第2通信デバイスと通信することとを行うように構成される。
【0300】
実施形態20:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションに対応する1つまたは複数のフレームを第1のWLAN通信リンクを介して送信することであって、1つまたは複数のフレームを第2通信デバイスに送信することを含む、送信することを行うように構成される、実施形態19に記載の第1通信デバイス。
【0301】
実施形態21:1つまたは複数のICデバイスがさらに、i)第1のTWTアグリーメントのネゴシエーション、およびii)第2のTWTアグリーメントのネゴシエーションについてのネゴシエーション情報を含む1つのフレームを生成し、第1のWLAN通信リンクを介して1つのフレームを送信するように構成される、実施形態20に記載の第1通信デバイス。
【0302】
実施形態22:1つまたは複数のICデバイスがさらに、i)第1のWLAN通信リンクに対応し且つ1つのフレームが第1のWLAN通信リンクに対応するネゴシエーション情報を含むことを示すために設定された第1ビットと、ii)第2のWLAN通信リンクに対応し且つ1つのフレームが第2のWLAN通信リンクに対応するネゴシエーション情報を含むことを示すために設定された第2ビットとを有するビットマップを含む1つのフレームを生成するように構成される、実施形態20に記載の第1通信デバイス。
【0303】
実施形態23:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいてトラフィックストリームを送信するための方法であって、本方法が、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用にネゴシエートされているとの判定に応答して、第1通信デバイスが特定のWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信する段階と、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、第1通信デバイスが複数のWLAN通信リンクを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信する段階とを備える、方法。
【0304】
実施形態24:本方法がさらに、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるとの判定に応答して、第1通信デバイスが第1トラフィックストリーム内のパケットを1つのWLAN通信リンクのみを介して送信する段階とを備え、第1トラフィックストリーム内のパケットを複数のWLAN通信リンクを介して送信する段階はさらに、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることはないとの判定に応答したものである、実施形態23に記載の方法。
【0305】
実施形態25:本方法がさらに、第1通信デバイスにバッファリングされている且つ複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む1つのトラフィックインジケーションマップ(TIM)を有するパケットを、第1通信デバイスが送信する段階を備える、実施形態23または24のいずれかに記載の方法。
【0306】
実施形態26:本方法がさらに、第1通信デバイスがi)第1通信デバイスにバッファリングされている且つ第1のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第1のトラフィックインジケーションマップ(TIM)、およびii)第1通信デバイスにバッファリングされている且つ第2のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第2のTIMを送信する段階を備える、実施形態23または24のいずれかに記載の方法。
【0307】
実施形態27:本方法がさらに、第1通信デバイスが第1のTIMおよび第2のTIMを第1のWLAN通信リンクを介して送信する段階を備える、実施形態26に記載の方法。
【0308】
実施形態28:本方法がさらに、第1通信デバイスが第1のTIMおよび第2のTIMをそれぞれのビーコンフレームで送信する段階を備える、実施形態27に記載の方法。
【0309】
実施形態29:本方法がさらに、第1通信デバイスが第1のTIMおよび第2のTIMを1つのパケットで送信する段階を備える、実施形態27に記載の方法。
【0310】
実施形態30:本方法がさらに、第1通信デバイスが第1のTIMおよび第2のTIMを1つのビーコンフレームで送信する段階を備える、実施形態29に記載の方法。
【0311】
実施形態31:本方法がさらに、第1トラフィックストリームが特定のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが、特定のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになる且つ第1通信デバイスにバッファリングされているフレームだけに関する情報を含む第1のトラフィックインジケーションマップ(TIM)を送信する段階と、第1トラフィックストリーム内のパケットが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが、第1通信デバイスにバッファリングされている且つ複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第2のTIMを有するパケットを送信する段階であって、第2のTIMが、複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになる第1トラフィックストリーム内のフレームおよび第2トラフィックストリーム内のフレームに関する情報を含む、送信する段階とを備える、実施形態23に記載の方法。
【0312】
実施形態32:それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイス。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているかどうかを判定し、特定のWLAN通信リンクが第1トラフィックストリーム用にネゴシエートされているとの判定に応答して、特定のWLAN通信リンクのみを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信し、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、複数のWLAN通信リンクを介して第1トラフィックストリーム内のパケットを送信するように構成される。
【0313】
実施形態33:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1トラフィックストリーム用に第2通信デバイスとネゴシエートされているWLAN通信リンクがないとの判定に応答して、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるかどうかを判定することと、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されるとの判定に応答して、第1トラフィックストリーム内のパケットを1つのWLAN通信リンクのみを介して送信することであって、第1トラフィックストリーム内のパケットを複数のWLAN通信リンクを介して送信することはさらに、第1トラフィックストリーム内の全てのパケットが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることはないとの判定に応答したものである、送信することとを行うように構成される、実施形態32に記載の第1通信デバイス。
【0314】
実施形態34:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1通信デバイスにバッファリングされている且つ複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む1つのTIMを有するパケットを送信するように構成される、実施形態32または33のいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0315】
実施形態35:1つまたは複数のICデバイスがさらに、i)第1通信デバイスにバッファリングされている且つ第1のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第1のTIM、およびii)第1通信デバイスにバッファリングされている且つ第2のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第2のTIMを送信するように構成される、実施形態32または33のいずれかに記載の第1通信デバイス。
【0316】
実施形態36:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のTIMおよび第2のTIMを第1のWLAN通信リンクを介して送信するように構成される、実施形態35に記載の第1通信デバイス。
【0317】
実施形態37:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のTIMおよび第2のTIMをそれぞれのビーコンフレームで送信するように構成される、実施形態36に記載の第1通信デバイス。
【0318】
実施形態38:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のTIMおよび第2のTIMを1つのパケットで送信するように構成される、実施形態36に記載の第1通信デバイス。
【0319】
実施形態39:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のTIMおよび第2のTIMを1つのビーコンフレームで送信するように構成される、実施形態38に記載の第1通信デバイス。
【0320】
実施形態40:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1トラフィックストリームが特定のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、特定のWLAN通信リンクのみを介して送信されることになる且つ第1通信デバイスにバッファリングされているフレームだけに関する情報を含む第1のTIMを送信することと、第1トラフィックストリーム内のパケットが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスにバッファリングされている且つ複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるフレームに関する情報を含む第2のTIMを有するパケットを送信することであって、第2のTIMが、複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになる第1トラフィックストリーム内のフレームおよび第2トラフィックストリーム内のフレームに関する情報を含む、送信することとを行うように構成される、実施形態32に記載の第1通信デバイス。
【0321】
実施形態41:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて、グループアドレス指定されたフレームを送信するための方法であって、本方法が、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階であって、グループアドレス指定されたフレームはWLAN内の複数の第2通信デバイスを対象にしている、判定する段階と、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが複数のWLAN通信リンクの中のそれぞれのWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスを送信する段階であって、ここには、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスはある値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスはその値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することとが含まれる、送信する段階と、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、第1通信デバイスが1つのWLAN通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信する段階とを備える、方法。
【0322】
実施形態42:グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定する段階が、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにあるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにはないとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになると判定する段階とを有する、実施形態41に記載の方法。
【0323】
実施形態43:グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定する段階がさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにあるとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになると判定する段階を有する、実施形態42に記載の方法。
【0324】
実施形態44:グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定する段階が、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方であるかどうかを第1通信デバイスで判定する段階と、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方ではないとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになると判定する段階とを有する、実施形態41に記載の方法。
【0325】
実施形態45:グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定する段階がさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方であるとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになると判定する段階を有する、実施形態44に記載の方法。
【0326】
実施形態46:それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイス。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、本ICデバイスは、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるかどうかを判定することであって、グループアドレス指定されたフレームはWLAN内の複数の第2通信デバイスを対象にしている、判定することと、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになるとの判定に応答して、複数のWLAN通信リンクの中のそれぞれのWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの複数のインスタンスを送信することであって、ここには、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスはある値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することと、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを送信することであって、グループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスはその値に設定されたシーケンス番号を有する、送信することとが含まれる、送信することとを行うように構成される。1つまたは複数のICデバイスはさらに、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクの中の1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになるとの判定に応答して、1つのWLAN通信リンクのみを介して、グループアドレス指定されたフレームを送信するように構成される。
【0327】
実施形態47:1つまたは複数のICデバイスがさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにあるかどうかを判定し、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにはないとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになると判定するように構成される、実施形態46に記載の第1通信デバイス。
【0328】
実施形態48:1つまたは複数のICデバイスがさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスが1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにあるとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになると判定するように構成される、実施形態47に記載の第1通信デバイス。
【0329】
実施形態49:1つまたは複数のICデバイスがさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方であるかどうかを判定し、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方ではないとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが複数のWLAN通信リンクを介して送信されることになると判定するように構成される、実施形態46に記載の第1通信デバイス。
【0330】
実施形態50:1つまたは複数のICデバイスがさらに、複数の第2通信デバイスのうちの全ての第2通信デバイスがi)1つのWLAN通信リンクに対してアクティブモードにある、またはii)1つのWLAN通信リンクに対してウェイクモードにある、のうちの少なくとも一方であるとの判定に応答して、グループアドレス指定されたフレームが1つのWLAN通信リンクのみを介して送信されることになると判定するように構成される、実施形態59に記載の第1通信デバイス。
【0331】
実施形態51:それぞれの周波数セグメント内の複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信リンクを利用するWLANにおいて、グループアドレス指定されたフレームを受信するための方法であって、本方法が、複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して第1のグループアドレス指定されたフレームを第1通信デバイスで受信する段階であって、第1のグループアドレス指定されたフレームはWLAN内の第1通信デバイスおよび1つまたは複数の第2通信デバイスを対象にしている、受信する段階と、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に第1通信デバイスで設定する段階と、複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して、第2のグループアドレス指定されたフレームを第1通信デバイスで受信する段階であって、第2のグループアドレス指定されたフレームはWLAN内の第1通信デバイスおよび1つまたは複数の第2通信デバイスを対象にしている、受信する段階と、第2のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号と格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号とを第1通信デバイスで比較する段階と、第2のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号より小さいまたはこれと等しいとの判定に応答して、第1通信デバイスが第2のグループアドレス指定されたフレームを廃棄する段階とを備える、方法。
【0332】
実施形態52:本方法がさらに、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に設定する前に、第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号と格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号の以前の値とを第1通信デバイスで比較する段階を備え、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に設定するのは、第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号の以前の値より大きいとの判定に応答したものである、実施形態51に記載の方法。
【0333】
実施形態53:第1のグループアドレス指定されたフレームを第1のWLAN通信リンクを介して受信する段階が、同じグループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスを第1のWLAN通信リンクを介して受信する段階を有し、第2のグループアドレス指定されたフレームを第2のWLAN通信リンクを介して受信する段階が、同じグループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスを第2のWLAN通信リンクを介して受信する段階を有する、実施形態51に記載の方法。
【0334】
実施形態54:それぞれの周波数セグメント内の複数のWLAN通信リンクを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースデバイスを備える第1通信デバイス。無線ネットワークインタフェースデバイスは1つまたは複数のICデバイスを含み、1つまたは複数のICデバイスは、第1のグループアドレス指定されたフレームを複数のWLAN通信リンクの中の第1のWLAN通信リンクを介して受信することであって、第1のグループアドレス指定されたフレームはWLAN内の第1通信デバイスおよび1つまたは複数の第2通信デバイスを対象にしている、受信することと、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に設定することと、第2のグループアドレス指定されたフレームを複数のWLAN通信リンクの中の第2のWLAN通信リンクを介して受信することであって、第2のグループアドレス指定されたフレームはWLAN内の第1通信デバイスおよび1つまたは複数の第2通信デバイスを対象にしている、受信することと、第2のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号と格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号とを比較することと、第2のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号より小さいまたはこれと等しいとの判定に応答して、第2のグループアドレス指定されたフレームを廃棄することとを行うように構成される。
【0335】
実施形態55:1つまたは複数のICデバイスがさらに、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に設定する前に、第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号と格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号の以前の値とを比較するように構成され、格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号を第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号に設定するのは、第1のグループアドレス指定されたフレームのシーケンス番号が格納済みのグループアドレス指定されたシーケンス番号の以前の値より大きいとの判定に応答したものである、実施形態54に記載の第1通信デバイス。
【0336】
実施形態56:1つまたは複数のICデバイスがさらに、第1のグループアドレス指定されたフレームを第1のWLAN通信リンクを介して、第1のWLAN通信リンクを介して受信した同じグループアドレス指定されたフレームの第1インスタンスとして受信し、第2のグループアドレス指定されたフレームを第2のWLAN通信リンクを介して、第2のWLAN通信リンクを介して受信した同じグループアドレス指定されたフレームの第2インスタンスとして受信するように構成される、実施形態54に記載の第1通信デバイス。
【0337】
上述した様々なブロック、オペレーション、および手法のうちの少なくともいくつかが、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、またはそのあらゆる組み合わせを利用して実装されてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを利用して実装される場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどといった任意の好適なコンピュータ可読メモリに格納されてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、1つまたは複数のプロセッサで実行されると、1つまたは複数のプロセッサに様々な動作を実行させる機械可読命令を含んでよい。
【0338】
ハードウェアに実装される場合、ハードウェアは、個別部品、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能型ロジックデバイス(PLD)などのうちの1つまたは複数を備えてよい。
【0339】
本発明は特定の例を参照して説明されているが、こうした例は単なる例示であって本発明を限定する意図はなく、本発明の範囲から逸脱することなく、開示した実施形態に対して様々な変更、追加、および/または削除が行われてよい。