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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241008BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20241008BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241008BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20241008BHJP
   H10K 59/88 20230101ALI20241008BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 611J
G09G3/20 642A
G09G3/20 680G
H10K59/131
H10K59/88
H10K59/121
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021573140
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2020083957
(87)【国際公開番号】W WO2021203358
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ロン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ボ
(72)【発明者】
【氏名】シュ シャオチン
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-534613(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0315357(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 ー 9/46
G09G 3/00 ー 5/42
H05B 33/00 - 33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
表示領域と、
前記表示領域の片側に位置する透光領域と、
前記表示領域と前記透光領域との間に位置した非発光領域である第1ダミー領域と、
前記表示領域及び前記第1ダミー領域に位置する第1信号線と、
前記表示領域に位置し、表示画素回路を含む表示画素ユニットと、
前記第1ダミー領域に位置し、第1ダミー画素回路を含む第1ダミー画素ユニットと、
第2信号線と、
接続素子と、
を含み、
前記表示画素回路は、前記第1信号線に接続され、
前記第1ダミー画素回路は、前記第1信号線に接続され、
前記第2信号線の延在方向は、前記第1信号線の延在方向と同じであり、
前記第2信号線と前記第1信号線は、前記接続素子により接続され、
前記第2信号線は、前記第1ダミー画素ユニットに接続され、
前記第1信号線は、ゲート線を含み、
前記第2信号線は、リセット制御信号線を含む、
表示パネル。
【請求項2】
前記第1ダミー画素回路の構造は、前記表示画素回路の構造と同じである、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記表示画素回路及び前記第1ダミー画素回路は、いずれもトランジスタを含む、
請求項1又は2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表示画素回路及び前記第1ダミー画素回路は、いずれも蓄電コンデンサを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1信号線に接続される前記第1ダミー画素ユニットからなる負荷は、前記第1信号線が補償前に欠損した負荷より小さい、
請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1信号線に接続される前記第1ダミー画素ユニットからなる負荷は、前記第1信号線が補償前に欠損した負荷の65%~80%である、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1信号線に接続される前記第1ダミー画素ユニットからなる負荷は、前記第1信号線が補償前に欠損した負荷の70%である、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項8】
第2ダミー画素ユニット及び第2ダミー領域を更に含み、
前記第2ダミー画素ユニットは、前記第2ダミー領域に位置し、
前記第2ダミー領域は、前記表示パネルの縁部に近接し、前記第1ダミー領域の前記表示領域から離れる側に位置し、
前記第2ダミー画素ユニットは、第2ダミー画素回路を含み、
前記第2ダミー画素回路の構造は、前記第1ダミー画素回路の構造の一部である、
請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1信号線は複数提供され、
前記第1信号線は、第1方向に沿って延在し、
複数の前記第1信号線は、第2方向に沿って配列され、
前記第1方向は、前記第2方向と交差し、
前記第2方向において、複数の第1信号線の負荷は、線形逓増する傾向がある、
請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記透光領域に位置する切欠を更に含む、
請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1ダミー画素ユニットは複数提供され、
前記第1信号線の両端はそれぞれ、複数の前記第1ダミー画素ユニットに接続される、
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1信号線の各端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数は2つより大きい、
請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第1信号線は、前記切欠の前記第1信号線の延在方向における相対する両側のうちの少なくとも片側に位置し、
前記第1信号線の前記切欠に近接する端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数は、前記第1信号線の前記切欠から離れる端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数より大きい、
請求項11又は12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記表示領域の前記透光領域に近接する側の縁部は曲線であり、トラフ及び前記トラフの両側に別々に設置されるピークを含み、
前記透光領域は、前記トラフの箇所に位置する、
請求項1013のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記曲線における前記ピークの前記切欠に近接する側に位置する部分の勾配は、前記曲線における前記ピークの前記切欠から離れる側に位置する部分の勾配より大きい、
請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第1信号線は複数提供され、
前記第1信号線は第1方向に沿って延在し、
複数の第1信号線は第2方向に沿って配列され、
前記第1方向は前記第2方向と交差し、
前記第2方向において、複数の第1信号線の負荷は線形逓減してから線形逓増する傾向がある、
請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記透光領域は、前記表示領域により取り囲まれ、
前記透光領域は、貫通孔領域を含み、
前記貫通孔領域は、第1貫通孔領域及び第2貫通孔領域を含み、
前記第1ダミー領域は、前記第1貫通孔領域と前記第2貫通孔領域との間に位置する部分を含み、
前記第1ダミー画素ユニットは、前記第1ダミー領域における前記第1貫通孔領域と前記第2貫通孔領域との間に位置する前記部分内に位置する、
請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
画素限定層を更に含み、
前記画素限定層は、前記表示領域に開口を設置することにより前記表示画素ユニットの発光面積を限定し、
前記画素限定層は、前記第1ダミー領域に開口を設置しないことにより前記第1ダミー画素ユニットを発光させない、
請求項1~17のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記第1ダミー画素ユニットは、更にダミー素子を含み、
前記ダミー素子は、前記第1ダミー画素回路に接続されず、又は、
前記ダミー素子の第1電極は、前記ダミー素子の発光機能層に接触しない、
請求項1~18のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項20】
データ線、発光制御信号線、第1電源コード、第2電源コード、リセット制御信号線、第1初期化信号線及び第2初期化信号線を更に含み、
前記第1ダミー画素ユニットは、更にダミー素子を含み、
前記第1ダミー画素ユニットは、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、閾値補償トランジスタ、第1発光制御トランジスタ、第2発光制御トランジスタ、第1リセットトランジスタ、第2リセットトランジスタ及び蓄電コンデンサを含み、
前記蓄電コンデンサの第1極は、前記閾値補償トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記蓄電コンデンサの第2極は、前記第1電源コードに電気的に接続され、
前記データ書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第1信号線に電気的に接続され、
前記データ書き込みトランジスタの第1極及び第2極はそれぞれ、前記データ線、前記駆動トランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記閾値補償トランジスタのゲート電極は、前記第1信号線に電気的に接続され、前記閾値補償トランジスタの第1極は、前記駆動トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記閾値補償トランジスタの第2極は、前記駆動トランジスタのゲート電極に電気的に接続され、
前記第1発光制御トランジスタのゲート電極及び前記第2発光制御トランジスタのゲート電極は、いずれも発光制御信号線に接続され、
前記第1発光制御トランジスタの第1極及び第2極はそれぞれ、前記第1電源コード及び前記駆動トランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第2発光制御トランジスタの第1極は、前記駆動トランジスタの第2極に電気的に接続され、
前記ダミー素子の第2電極は、前記第2電源コードに電気的に接続され、
前記第1リセットトランジスタのゲート電極は、前記リセット制御信号線に電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの第1極は、前記第1初期化信号線に電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの第2極は、前記駆動トランジスタのゲート電極に電気的に接続され、
前記第2リセットトランジスタのゲート電極は、前記第2信号線に電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの第1極は、前記第2初期化信号線に電気的に接続され、
前記ダミー素子に第1電極が設置されず、又は前記ダミー素子に第1電極が設置される場合、前記第2発光制御トランジスタの第2極は、前記ダミー素子の第1電極に電気的に接続されず、前記第2リセットトランジスタの第2極は、前記ダミー素子の第1電極に電気的に接続されない、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年以来、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(Active-matrix organic light-emitting diode、略称AMOLED)表示装置は表示分野で急速に発展しており、応用範囲がますます広がっていると同時に、消費者の表示装置の表示効果への要求もますます高まっている。
【0003】
AMOLEDフレキシブルスクリーン技術は日増しに成熟し、湾曲可能で、コントラストが高く、消費電力が低いという特徴を有するため、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、略称LCD)を代替する次世代表示方式となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は表示パネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例に係る表示パネルであって、表示領域と、前記表示領域の片側に位置する透光領域と、前記表示領域と前記透光領域との間に位置した非発光領域である第1ダミー領域と、前記表示領域及び前記第1ダミー領域に位置する第1信号線と、前記表示領域に位置し、表示画素回路を含む表示画素ユニットと、前記第1ダミー領域に位置し、第1ダミー画素回路を含む第1ダミー画素ユニットと、を含み、前記表示画素回路は前記第1信号線に接続され、前記第1ダミー画素回路は前記第1信号線に接続される。
【0006】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1ダミー画素回路の構造は前記表示画素回路の構造と同じである。
【0007】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記表示画素回路及び前記第1ダミー画素回路はいずれもトランジスタを含む。
【0008】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記表示画素回路及び前記第1ダミー画素回路はいずれも蓄電コンデンサを更に含む。
【0009】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、表示パネルは更に第2信号線及び接続素子を含み、前記第2信号線の延在方向は前記第1信号線の延在方向と同じであり、前記第2信号線と前記第1信号線は前記接続素子により接続され、前記第2信号線は前記第1ダミー画素ユニットに接続される。
【0010】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線はゲート線を含み、前記第2信号線はリセット制御信号線を含む。
【0011】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線に接続される前記第1ダミー画素ユニットからなる負荷は前記第1信号線が補償前に欠損した負荷より小さい。
【0012】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線に接続される前記第1ダミー画素ユニットからなる負荷は前記第1信号線が補償前に欠損した負荷の65%~80%である。
【0013】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線に接続される第1ダミー画素ユニットからなる負荷は前記第1信号線が補償前に欠損した負荷の70%である。
【0014】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、表示パネルは更に第2ダミー画素ユニット及び第2ダミー領域を含み、前記第2ダミー画素ユニットは前記第2ダミー領域に位置し、前記第2ダミー領域は前記表示パネルの縁部に近接し、前記第1ダミー領域の前記表示領域から離れる側に位置し、前記第2ダミー画素ユニットは第2ダミー画素回路を含み、前記第2ダミー画素回路の構造は前記第1ダミー画素回路の構造の一部である。
【0015】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線は複数提供され、前記第1信号線は第1方向に沿って延在し、前記複数の第1信号線は第2方向に沿って配列され、前記第1方向は前記第2方向と交差し、前記第2方向において、複数の第1信号線の負荷は線形逓増する傾向がある。
【0016】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記透光領域に位置する切欠を更に含む。
【0017】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1ダミー画素ユニットは複数提供され、前記第1信号線の両端はそれぞれ前記複数の第1ダミー画素ユニットに接続される。
【0018】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線の各端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数は2つより大きい。
【0019】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線は前記切欠の前記第1信号線の延在方向における相対する両側のうちの少なくとも片側に位置し、前記第1信号線の前記切欠に近接する端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数は前記第1信号線の前記切欠から離れる端に接続される前記第1ダミー画素ユニットの個数より大きい。
【0020】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記透光領域は前記表示領域の片側に位置し、前記表示領域の前記透光領域に近接する側の縁部は曲線であり、トラフ及び前記トラフの両側に別々に設置されるピークを含み、前記透光領域は前記トラフの箇所に位置する。
【0021】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記曲線における前記ピークの前記切欠に近接する側に位置する部分の勾配は前記曲線における前記ピークの前記切欠から離れる側に位置する部分の勾配より大きい。
【0022】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1信号線は複数提供され、前記第1信号線は第1方向に沿って延在し、複数の第1信号線は第2方向に沿って配列され、前記第1方向は前記第2方向と交差し、前記第2方向において、複数の第1信号線の負荷は線形逓減してから線形逓増する傾向がある。
【0023】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記透光領域は前記表示領域により取り囲まれ、前記透光領域は貫通孔領域を含み、前記貫通孔領域は第1貫通孔領域及び第2貫通孔領域を含み、前記第1ダミー領域は前記第1貫通孔領域と前記第2貫通孔領域との間に位置する部分を含み、前記第1ダミー画素ユニットは前記第1ダミー領域における前記第1貫通孔領域と前記第2貫通孔領域との間に位置する前記部分内に位置する。
【0024】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、表示パネルは更に画素限定層を含み、前記画素限定層は前記表示領域に開口を設置することにより前記表示画素ユニットの発光面積を限定し、前記画素限定層は前記第1ダミー領域に開口を設置しないことにより前記第1ダミー画素ユニットを発光させない。
【0025】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、前記第1ダミー画素ユニットは更にダミー素子を含み、前記ダミー素子は前記表示画素回路に接続されず、又は前記ダミー素子の第1電極は前記ダミー素子の発光機能層に接触しない。
【0026】
本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルによれば、表示パネルは更にデータ線、発光制御信号線、第1電源コード、第2電源コード、リセット制御信号線、第1初期化信号線及び第2初期化信号線を含み、前記第1ダミー画素ユニットは更にダミー素子を含み、前記第1ダミー画素ユニットは駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、閾値補償トランジスタ、第1発光制御トランジスタ、第2発光制御トランジスタ、第1リセットトランジスタ、第2リセットトランジスタ及び蓄電コンデンサを含み、前記蓄電コンデンサの第1極は前記閾値補償トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記蓄電コンデンサの第2極は前記第1電源コードに電気的に接続され、前記データ書き込みトランジスタのゲート電極は前記第1信号線に電気的に接続され、前記データ書き込みトランジスタの第1極及び第2極はそれぞれ前記データ線、前記駆動トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記閾値補償トランジスタのゲート電極は前記第1信号線に電気的に接続され、前記閾値補償トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記閾値補償トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタのゲート電極に電気的に接続され、前記第1発光制御トランジスタのゲート電極及び前記第2発光制御トランジスタのゲート電極はいずれも発光制御信号線に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第1極及び第2極はそれぞれ前記第1電源コード及び前記駆動トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記ダミー素子の第2電極は前記第2電源コードに電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタのゲート電極は前記リセット制御信号線に電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの第1極は前記第1初期化信号線に電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの第2極は前記駆動トランジスタのゲート電極に電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタのゲート電極は前記第2信号線に電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの第1極は前記第2初期化信号線に電気的に接続され、前記ダミー素子に第1電極が設置されず、又は前記ダミー素子に第1電極が設置される場合、前記第2発光制御トランジスタの第2極は前記ダミー素子の第1電極に電気的に接続されず、前記第2リセットトランジスタの第2極は前記ダミー素子の第1電極に電気的に接続されない。
【0027】
本開示の少なくとも1つの実施例は上記いずれか1つの表示パネルを含む表示装置を更に提供する。
【0028】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は本開示のいくつかの実施例に関わるものに過ぎず、本開示を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】表示パネルの模式図である。
図2図1に示される表示パネルの部分模式図である。
図3】本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。
図4】本開示の一実施例に係る表示パネルにおける表示画素ユニット、ダミー画素ユニット及び表示画素ユニットに信号を提供する信号線の模式図である。
図5】本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。
図6】本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。
図7図5の部分構造模式図である。
図8】本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの分布模式図である。
図9図8における点線枠B1内の構造の模式図である。
図10】本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。
図11】本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。
図12図11の部分模式図である。
図13】本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。
図14】本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。
図15】本開示の一実施例に係る表示パネルにおける各表示画素ユニットに信号を提供する信号線の模式図である。
図16】本開示の一実施例に係る表示パネルの表示画素回路構造の原理図である。
図17】本開示の実施例に係る表示パネルの1つの表示画素ユニットのタイミング信号図である。
図18】本開示の一実施例に係る表示画素ユニットの表示画素回路構造の平面図である。
図19】本開示の一実施例に係る表示パネルの表示画素ユニットの断面図である。
図20】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において形成された半導体パターン層の模式図である。
図21】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第1絶縁薄膜層上に形成された第1導電パターン層の模式図である。
図22】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において半導体パターン層をセルフアライン技術により導体化処理した後の構造模式図である。
図23】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第2絶縁薄膜層上に形成された第2導電パターン層の模式図である。
図24】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第2導電パターン層上に第3絶縁薄膜層を形成し、且つ第1絶縁薄膜層、第2絶縁薄膜層及び第3絶縁薄膜層のうちの少なくとも1つにビアを形成する模式図である。
図25】本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において層間絶縁層上に形成された第3導電パターン層の模式図である。
図26】本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの断面図である。
図27】本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの断面図である。
図28】本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素回路構造の原理図である。
図29】平板コンデンサの方式で負荷補償を行う表示パネルの模式図である。
図30】本開示の一実施例に係る表示パネルの第2ダミー画素ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0031】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は本開示の属する分野内で当業者が理解する通常の意味であるべきである。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する言葉はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。同様に、「含む」又は「含み」等の類似する言葉は、該言葉の前に記載された素子又は部材が該言葉の後に列挙した素子又は部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する言葉は物理的又は機械的な接続に限定されるのではなく、直接的又は間接的接続にかかわらず、電気的接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0032】
現在、透光領域が設置される必要のあるフレキシブルスクリーンについては、透光領域の近傍に異形表示領域を形成するが、透光領域の設置はスクリーンの表示効果に影響し、異形表示領域を補償しなければ、全画面表示するとき、輝度の差異によりMura等の表示不良が発生してしまい、従って、透光領域が設置されるディスプレイは異形表示領域に対して補償設計を行うことを考慮する必要がある。例えば、透光領域の設置は切欠を設置して透光領域を形成し又は貫通孔を開設することにより透光領域を形成することができる。
【0033】
図1は表示パネルの模式図である。図1に示すように、表示パネルは表示領域R1のフレーム領域Rf及び透光領域R2を含み、図1における実線は表示パネルの輪郭線であり、図1における点線は表示パネルの表示領域の境界である。フレーム領域Rfは表示領域R1外に位置し、且つ表示領域R1を取り囲む。例えば、輪郭線は切断線である。パッケージ層を形成した後に輪郭線に応じて切断して単一の表示パネルを形成する。
【0034】
図2図1に示される表示パネルの部分模式図である。図2に示すように、表示パネルはゲート線GLと、ゲート線GLに接続される複数の表示画素ユニットP0とを含む。
【0035】
図2に示すように、透光領域R2の位置する表示画素ユニット行に表示画素ユニットが一定数不足し、透光領域が大きければ大きいほど、表示画素ユニットの不足数は多くなり、該行の表示画素ユニットのゲート線の負荷の低減をもたらし、各行の表示画素ユニットのゲート線の負荷の不一致により表示画素ユニットの充電時間は異なり、隣接行の表示画素ユニットのゲート線の充電時間の差が大きすぎると、この2行の表示画素ユニットの電流差はより大きくなり、電流差が規格を超えると、該領域にMura表示不良が発生してしまう。例えば、図2に示すように、透光領域R2の近傍に、より上のゲート線GLの負荷が小さければ小さいほど、充電時間は多くなり、ゲート信号のオン時間は異なり、リフレッシュ周波数は異なり、同じデータ信号において、書き込み表示画素ユニットの電圧は異なり、このため、表示パネルの上部の輝度は表示パネルの下部の輝度より大きくなり、全画面表示するとき、画面が同じではなく、mura等の表示不良現象が発生してしまう。透光領域の近傍の各行の表示画素ユニットのゲート線の負荷の差を小さくするために、透光領域の近傍の各行の表示画素ユニットのゲート線の負荷を補償する必要がある。補償過程において表示領域の異形度に基づいて空間を活用し、適切な補償方案を用いて補償する必要があり、これにより、表示効果を最適化して、できるだけ表示効果を最適化するとともにフレームを狭くするという目的を実現するようにする。
【0036】
図3は本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。図3に示すように、表示パネルは表示領域R1、透光領域R2、第1ダミー領域R31、第1信号線L1、表示画素ユニットP0及び第1ダミー画素ユニットP1を含む。
【0037】
図3に示すように、透光領域R2は表示領域R1の片側に位置し、他の実施例では、透光領域R2は表示領域R1により取り囲まれてもよい。透光領域R2はセンシング素子を置くことに用いられてもよく、センシング素子はカメラを含むが、それに限らない。例えば、センシング素子の少なくとも一部は透光領域R2内に位置する。
【0038】
図3に示すように、第1ダミー領域R31は表示領域R1と透光領域R2との間に位置し、第1ダミー領域R31は非発光領域である。図1図3を参照して、点線で示される表示領域の境界と実線で示される表示パネルの輪郭線との間の領域はフレーム領域であってもよい。フレーム領域は非発光領域であり、第1ダミー領域R31はフレーム領域に位置する。
【0039】
図3に示すように、第1信号線L1は表示領域R1及び第1ダミー領域R31に位置する。即ち、第1信号線L1は表示領域R1に位置する部分及び第1ダミー領域R31に位置する部分を含む。表示画素ユニットP0は表示領域R1に位置する。表示画素ユニットP0は出光可能である。第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー領域R31に位置する。明瞭に図示するために、図3には一部の表示画素ユニットP0、一部の第1ダミー画素ユニットP1を模式的に示す。表示画素ユニットP0の個数及び第1ダミー画素ユニットP1の個数は必要に応じて設定されてもよい。
【0040】
図4は本開示の一実施例に係る表示パネルにおける表示画素ユニット、ダミー画素ユニット及び表示画素ユニットに信号を提供する信号線の模式図である。図4に示すように、表示画素ユニットP0は表示画素回路100を含む。第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー画素回路101を含む。表示画素回路100は第1信号線L1に接続され、第1ダミー画素回路101は第1信号線L1に接続される。
【0041】
本開示の実施例に係る表示パネルによれば、第1ダミー領域で第1信号線L1に第1ダミー画素回路101を設置することにより、第1信号線L1の負荷を大幅に増加させ、表示時の輝度不均一によるmura等の表示不良を回避する。
【0042】
図4に示すように、表示画素ユニットP0は発光素子20と、発光素子20に駆動電流を提供する表示画素回路構造100とを含み、発光素子20は電界発光素子例えば有機電界発光素子であってもよく、例えば有機発光ダイオード(OLED)であってもよい。表示画素ユニットP0は正常に発光する画素ユニットである。表示画素ユニットP0は表示領域R1に位置する。
【0043】
図4に示すように、表示パネルは更に初期化信号線210、発光制御信号線110、データ線313、第1電源コード311及び第2電源コード312を含む。例えば、第1信号線L1は表示画素回路構造100に走査信号SCANを提供するように構成される。発光制御信号線110は表示画素ユニットP0に発光制御信号EMを提供するように構成される。データ線313は画素回路構造100にデータ信号DATAを提供するように構成され、第1電源コード311は表示画素回路構造100に一定の第1電圧信号ELVDDを提供するように構成され、第2電源コード312は表示画素回路構造100に一定の第2電圧信号ELVSSを提供するように構成され、且つ第1電圧信号ELVDDは第2電圧信号ELVSSより大きい。初期化信号線210は表示画素回路構造100に初期化信号Vintを提供するように構成される。初期化信号Vintは一定の電圧信号であり、そのサイズは例えば第1電圧信号ELVDDと第2電圧信号ELVSSとの間に介在してもよいが、それに限らず、例えば、初期化信号Vintは第2電圧信号ELVSS以下であってもよい。例えば、表示画素回路構造100は走査信号SCAN、データ信号DATA、初期化信号Vint、第1電圧信号ELVDD、第2電圧信号ELVSS、発光制御信号EM等の信号の制御によって駆動電流を出力することにより発光素子20を駆動して発光させる。図4に示すように、発光素子20は第1電極201及び第2電極202を含む。第1電極201は表示画素回路構造100に接続され、第2電極202は第2電源コード312に接続される。
【0044】
図4に示すように、第1信号線L1は第1ダミー画素回路101に接続され、第1ダミー画素ユニットP1はダミー素子30を含み、ダミー素子30は第1ダミー画素回路101に接続されず、このため、第1ダミー画素ユニットP1は発光しない。例えば、画素定義層はダミー領域に開口を設置せず、このため、ダミー素子30は第1ダミー画素回路101に接続されない。当然ながら、他の方式で第1ダミー画素ユニットP1を発光させなくてもよく、例えば、ダミー素子30に第1電極を設置しなくてもよく、又は発光機能層を設置しなくてもよい。図4に示すように、ダミー素子30は第2電極302を含む。第2電極302は第2電源コード312に接続される。
【0045】
例えば、第1信号線L1の負荷を最大限に増加させるために、第1ダミー画素回路101の構造を表示画素回路100の構造と同じにする。第1ダミー画素回路101の構造を表示画素回路100の構造と同じにすることにより、第1信号線L1の表示画素ユニットに位置する部分及び第1信号線L1の第1ダミー画素ユニットに位置する部分の環境を一致させ、負荷を類似させ、第1信号線L1の負荷をより良く補償することができ、隣接する第1信号線L1の負荷を類似させ、これにより、より最適な補償効果を実現する。
【0046】
例えば、表示画素回路100及び第1ダミー画素回路101はいずれもトランジスタを含む。例えば、表示画素回路100及び第1ダミー画素回路101はいずれも蓄電コンデンサを更に含む。
【0047】
図5は本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。図3に示される表示パネルに比べて、図5に示される表示パネルは更に第2ダミー画素ユニットP2を含み、第2ダミー画素ユニットP2は第2ダミー領域R32に位置し、第2ダミー領域R32は表示パネルの縁部に近接する。例えば、第2ダミー画素ユニットP2は容量補償の役割を果たさず、第2ダミー画素ユニットP2の設置はエッチング均一性の向上に役立つ。例えば、各第1信号線の表示パネルの縁部に近接する箇所に1つの第2ダミー画素ユニットP2が設置される。例えば、透光領域の近傍に、各第1信号線の表示パネルの左側縁部、右側縁部に近接する箇所に1つの第2ダミー画素ユニットP2が設置される。透光領域が切欠である場合、透光領域の近傍に、各第1信号線の表示パネルの切欠に近接する箇所に1つの第2ダミー画素ユニットP2が設置される。本開示の実施例では、透光領域の設置により一部の表示画素ユニットが不足しない表示画素ユニット行の第1信号線は負荷の補償を行わなくてもよい。
【0048】
例えば、図5に示すように、同一行の表示画素ユニットにおいて、透光領域の左側に位置する第1信号線の負荷は透光領域の右側に位置する第1信号線の負荷に一致し、透光領域の左右両側にmura等の表示不良が発生することを回避する。例えば、図5に示すように、隣接する2行の表示画素ユニットにおいて、隣接する2つの第1信号線の負荷は一致し又はそれらの差が小さく、上下2行の表示画素ユニットにmura等の表示不良が発生することを回避する。
【0049】
図6は本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。図6に示すように、表示パネルDPNは表示画素ユニットP0、第1ダミー画素ユニットP1、第2ダミー画素ユニットP2を含む。第2ダミー画素ユニットP2は第2ダミー画素回路102を含み、第2ダミー画素回路102の構造は第1ダミー画素回路101の構造の一部であり、又は第1ダミー画素回路101の構造と同じである。図6に示すように、表示画素ユニットP0は表示画素回路100を含み、第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー画素回路101を含む。表示画素回路100はトランジスタT0及びコンデンサC0を含み、第1ダミー画素回路101はトランジスタT01及びコンデンサC01を含み、第2ダミー画素回路102はトランジスタT02及びコンデンサC02を含む。例えば、トランジスタT0、トランジスタT01及びトランジスタT02の構造は同じであるが、それに限らない。例えば、コンデンサC0、コンデンサC01及びコンデンサC02の構造は同じであるが、それに限らない。当然ながら、いくつかの実施例では、第2ダミー画素回路102はトランジスタ及びコンデンサのうちの少なくとも1つを有しなくてもよい。当然ながら、他のいくつかの実施例では、第2ダミー画素ユニットP2及び第2ダミー画素回路102を設置しなくてもよい。
【0050】
図7図5の部分構造模式図である。図7に示すように、表示パネルの上辺に、第2ダミー領域R32は第1ダミー領域R31より表示領域R1を離れる。表示パネルの左辺に、第2ダミー領域R32は表示領域R1に隣接する。
【0051】
例えば、図3図5及び図7に示すように、より良い負荷補償の役割を果たすために、第1信号線L1の両端をそれぞれ複数の第1ダミー画素ユニットP1に接続する。
【0052】
例えば、図3図5及び図7に示すように、第1信号線L1の負荷の増加に役立つために、第1信号線L1の各端に接続される第1ダミー画素ユニットP1の個数を2つより大きくする。
【0053】
例えば、図3図5及び図7に示すように、第1信号線L1は複数提供され、第1信号線L1は第1方向Xに沿って延在し、複数の第1信号線L1は第2方向Yに沿って配列され、第1方向Xは第2方向Yと交差し、第2方向Yにおいて、複数の第1信号線L1の負荷は線形逓増する傾向がある。これにより、補償によって異形表示領域の各行の表示画素ユニットの電流は線形逓増する傾向があるようにすることができ、隣接行の表示画素ユニットの表示輝度の差がより大きい現象が発生することを回避することができ、輝度の差異によるmura等の表示不良が発生することを回避する。当然ながら、表示パネルは透光領域の近傍の負荷が線形逓増する傾向のある複数の第1信号線L1のほか、透光領域を離れる負荷が一致し又はほぼ一致する複数の他の第1信号線L1を更に含みてもよい。
【0054】
図8は本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの分布模式図である。図8では、第1ダミー領域R31内に位置する灰色部分は第1ダミー画素ユニットを代表する。図8に示すように、表示パネルは中心線CT0に対して軸対称な構造を呈する。中心線CT0は第2方向Yに沿って延在する。本開示の他の実施例に係る表示パネルは中心線に対して軸対称な構造を呈してもよい。
【0055】
実際に補償するとき、異形領域の空間を最大限に利用すべきであり、空間のある前提で第1ダミー画素ユニットをできる限り多く設置することにより透光領域を補償し、負荷をより良く補償することができるだけでなく、フレームを効果的に減少させることもできる。
【0056】
図8に示すように、切欠の左右両側は肩の形状を呈する。縁部(Margin)を少々広くし、曲がり角の箇所に空間を有し、該空間で第1ダミー画素ユニットP1を多く設置することができる。
【0057】
図9図8における点線枠B1内の構造の模式図である。灰色部分が多ければ多いほど、第1ダミー画素ユニットP1の数が多くなることを代表する。図8及び図9には隣接する第1ダミー画素ユニット間の境界を示さない。
【0058】
本開示の実施例に係る補償方案の設計は、異形表示領域の空間を活用する前提で、第1ダミー画素ユニットを用いて透光領域(切欠)を補償し、異形領域のフレームを減少させるとともに、より最適な異形領域表示効果を実現することである。
【0059】
図3図5図7図9を参照して、同一行の表示画素ユニットは切欠の第1側に位置する1つの第1信号線L1及び切欠の第2側に位置する1つの第1信号線L1を含む。例えば、切欠の第1側は切欠の左側であり、切欠の第2側は切欠の右側である。切欠の第1側及び切欠の第2側は切欠の第1方向Xにおける相対する両側である。例えば、切欠の第1側の第1信号線L1は切欠の第2側に位置する第1信号線L1に接続されず、切欠の第1側に位置する第1信号線L1は第1ゲート駆動回路により駆動され、切欠の第2側に位置する1つの第1信号線L1は第2ゲート駆動回路により駆動される。例えば、切欠の近傍の表示画素ユニットは走査駆動回路を該表示パネルに取り付けられるGOA(Gate driver On Array)片側駆動方式として用いて駆動する。
【0060】
例えば、図3図5図7図9を参照して、第1信号線L1は切欠の第1信号線L1の延在方向における相対する両側のうちの片側に位置し、第1信号線L1の切欠に近接する端に接続される第1ダミー画素ユニットP1の個数は第1信号線L1の切欠から離れる端に接続される第1ダミー画素ユニットP1の個数より大きい。
【0061】
例えば、図3図5図7図9を参照して、透光領域R2は表示領域R1の片側に位置し、図中の透光領域R2は表示領域R1の上側に位置する。図8に示すように、表示領域R1の透光領域R2に近接する側の縁部は曲線であり、該曲線はトラフ60及びトラフ60の両側に別々に設置されるピーク70を含み、透光領域R2はトラフ60の箇所に位置する。透光領域R2は切欠NCを含む。
【0062】
例えば、図8に示すように、曲線におけるピーク70の切欠NCに近接する側に位置する部分701の勾配は曲線におけるピークの切欠NCから離れる側に位置する部分702の勾配より大きい。勾配とは例えば該部分曲線と第1方向Xとがなす夾角を指し、又は、該部分曲線と第1信号線L1の延在方向とがなす夾角を指す。該部分曲線が弧度を有する場合には、該部分曲線のある点での接線と第1方向X又は第1信号線L1の延在方向とがなす夾角を指してもよい。
【0063】
図10は本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。図5に示される表示パネルに比べて、図10に示される表示パネルにおいて、同一行の表示画素ユニットにおける切欠の第1側に位置する第1信号線L1と切欠の第2側に位置する第1信号線L1は接続線により接続される。接続線はフレーム領域内に位置する。例えば、切欠の近傍の表示画素ユニットは走査駆動回路を該表示パネルに取り付けられるGOA(Gate driver On Array)両側駆動方式として用いて駆動する。
【0064】
図11は本開示の一実施例に係る表示パネルの模式図である。図11に示すように、表示パネルは表示領域R1、透光領域R2、フレーム領域Rf及び第1ダミー領域R31を含む。フレーム領域Rfは表示領域R1を取り囲む。表示領域R1は透光領域R2を取り囲む。透光領域R2は貫通孔領域を含み、貫通孔領域は第1貫通孔領域R21及び第2貫通孔領域R22を含み、第1ダミー領域R31は第1貫通孔領域R21と第2貫通孔領域R22との間に位置する部分を含む。例えば、パッケージ層を形成した後、第1貫通孔領域R21及び第2貫通孔領域R22の輪郭線に応じて切断して貫通孔領域を有する表示パネルを形成する。
【0065】
図12図11の部分模式図である。第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー領域R31の第1貫通孔領域R21と第2貫通孔領域R22との間に位置する部分R311内に位置する。図12には表示領域R1に位置する表示画素ユニットP0を更に示す。図12には第1信号線L1、発光制御信号線110及びデータ線313を更に示す。例えば、第1信号線L1及び発光制御信号線110は第1導電パターン層LY1に位置し、データ線313は第3導電パターン層LY3に位置するが、それらに限らない。
【0066】
例えば、図12に示すように、第1信号線L1は複数提供され、第1信号線L1は第1方向Xに沿って延在し、複数の第1信号線L1は第2方向Yに沿って配列され、第1方向Xは第2方向Yと交差する。例えば、いくつかの実施例では、第2方向Yにおいて、複数の第1信号線L1の負荷は線形逓減してから線形逓増する傾向がある。これにより、透光領域R2の近傍の隣接する2行の表示画素ユニットの表示輝度の差異を小さくし、mura等の表示不良が発生することを回避する。当然ながら、表示パネルは透光領域の近傍の負荷が線形逓減してから線形逓増する傾向のある複数の第1信号線L1のほか、透光領域を離れる負荷が一致し又はほぼ一致する複数の他の第1信号線L1を更に含みてもよい。
【0067】
図13は本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。図13に示すように、表示パネルDPN1は透光領域R2を有し、透光領域R2は第1貫通孔領域R21及び第2貫通孔領域R22を含む。図13に示すように、センサ80は第1センサ801及び第2センサ802を含み、第1センサ801は第1貫通孔領域R21内に位置し、第2センサ802は第2貫通孔領域R22内に位置する。図12及び図13を参照して、第3方向Zは第1方向Xに垂直であり、且つ第2方向Yに垂直である。
【0068】
図14は本開示の一実施例に係る表示パネルの部分模式図である。例えば、図14に示すように、表示パネルは更に第2信号線L2及び接続素子CN0を含み、第2信号線L2の延在方向は第1信号線L1の延在方向と同じであり、第2信号線L2及び第1信号線L1はいずれも第1方向Xに沿って延在し、第2信号線L2及び第1信号線L1は第2方向Yに沿って配列される。第2信号線L2と第1信号線L1は接続素子CN0により接続され、第2信号線L2は第1ダミー画素ユニットP1に接続される。接続素子CN0はリード領域R4に位置する。リード領域R4は第2ダミー領域R32の表示領域R1から離れる側に位置する。例えば、リード領域R4は表示パネルの左辺及び/又は右辺に位置してもよい。
【0069】
例えば、第1信号線L1はゲート線を含み、第2信号線L2はリセット制御信号線を含む。例えば、第1信号線L1と第2信号線L2は同一層例えば第1導電パターン層に位置するが、接続素子CN0は他の層例えば第3導電パターン層に位置し、且つ貫通絶縁層のビアによってそれぞれ第1信号線L1及び第2信号線L2に接続される。例えば、図14における接続素子CN0の左側はGOA回路に接続される。
【0070】
本開示の実施例に係る表示パネルによれば、第2信号線L2は第1信号線L1に接続され、且つ第2信号線L2は第1ダミー画素ユニットP1に接続され、これにより、第1信号線L1の負荷を大幅に増加させ、第1信号線L1の負荷欠損を効果的に減少させる。
【0071】
例えば、本開示のいくつかの実施例では、第1信号線L1に接続される第1ダミー画素ユニットP1からなる負荷は第1信号線L1が補償前に欠損した負荷より小さい。即ち、補償を行うとき、補償の負荷は補償前に欠損した負荷に等しいのではなく、第1信号線L1の補償の負荷は第1信号線L1が補償前に欠損した負荷より小さい。
【0072】
例えば、第1信号線L1が補償前に欠損した負荷は該表示画素ユニット行の透光領域に設置され得る表示画素ユニットの個数によって取得されてもよい。又は、第1信号線L1が補償前に欠損した負荷は透光領域が設置されない場合の第1信号線L1の負荷及び透光領域が設置される場合の第1信号線L1の負荷によって取得されてもよい。第1信号線L1が補償前に欠損した負荷は透光領域が設置されない場合の第1信号線L1の負荷から透光領域が設置される場合の第1信号線L1の負荷を引くことにより取得されてもよいが、それに限らない。
【0073】
負荷は電気容量を含む。例えば、第1信号線L1が補償前に欠損した負荷は模擬又は計算の方式で取得されてもよく、例えば、表示画素ユニットの個数、欠損した表示画素ユニットの個数及び電気容量の公式に基づいて取得される。電気容量の公式から分かるように、電気容量は2つの極板の間の距離、2つの極板の間の正対面積及び2つの極板の間の誘電体の誘電率等に関連する。
【0074】
例えば、本開示のいくつかの実施例では、表示品質を向上させるために、第1信号線L1に接続される第1ダミー画素ユニットP1からなる負荷は第1信号線L1が補償前に欠損した負荷の65%~80%である。
【0075】
例えば、本開示のいくつかの実施例では、表示品質を向上させるために、第1信号線L1に接続される第1ダミー画素ユニットP1からなる負荷は第1信号線L1が補償前に欠損した負荷の70%である。
【0076】
図15は本開示の一実施例に係る表示パネルにおける各表示画素ユニットに信号を提供する信号線の模式図である。図16は本開示の一実施例に係る表示パネルの表示画素回路構造の原理図である。図17は本開示の実施例に係る表示パネルの1つの表示画素ユニットのタイミング信号図である。図18は本開示の一実施例に係る表示画素ユニットの表示画素回路構造の平面図である。図19は本開示の一実施例に係る表示パネルの表示画素ユニットの断面図である。
【0077】
図15及び図16を参照して、各表示画素ユニットP0は発光素子20と、発光素子20に駆動電流を提供する表示画素回路構造100とを含み、発光素子20は電界発光素子例えば有機電界発光素子であってもよく、例えば有機発光ダイオード(OLED)であってもよい。表示画素ユニットP0は正常に発光する画素ユニットである。表示画素ユニットP0は表示領域R1に位置する。
【0078】
図15には第1信号線L1、データ線313、第1電源コード311、第2電源コード312、発光制御信号線110及び初期化信号線210を示す。図16には第2信号線L2及びリセット制御信号線111を更に示し、第2信号線L2は表示画素回路構造100にリセット制御信号RESETを提供するように構成される。リセット制御信号線111は表示画素回路構造100にリセット制御信号RESETを提供するように構成される。
【0079】
例えば、図15及び図16を参照して、第1信号線L1は表示画素回路構造に走査信号SCANを提供するように構成される。発光制御信号線110は表示画素ユニットP0に発光制御信号EMを提供するように構成される。データ線313は表示画素回路構造100にデータ信号DATAを提供するように構成され、第1電源コード311は表示画素回路構造100に一定の第1電圧信号ELVDDを提供するように構成され、第2電源コード312は表示画素回路構造100に一定の第2電圧信号ELVSSを提供するように構成され、且つ第1電圧信号ELVDDは第2電圧信号ELVSSより大きい。初期化信号線210は表示画素回路構造100に初期化信号Vintを提供するように構成される。初期化信号Vintは一定の電圧信号であり、そのサイズは例えば第1電圧信号ELVDDと第2電圧信号ELVSSとの間に介在してもよいが、それに限らず、例えば、初期化信号Vintは第2電圧信号ELVSS以下であってもよい。例えば、画素回路構造は走査信号SCAN、データ信号DATA、初期化信号Vint、第1電圧信号ELVDD、第2電圧信号ELVSS、発光制御信号EM等の信号の制御によって駆動電流を出力することにより発光素子を駆動して発光させる。
【0080】
例えば、図18に示すように、リセット制御信号線111、第1信号線L1、発光制御信号線110、第2信号線L2及び蓄電コンデンサC1の第1極C11は第1導電パターン層LY1に位置し、第1初期化信号線211、第2初期化信号線212、導電ブロックBK及び蓄電コンデンサC1の第2極C12は第2導電パターン層LY2に位置し、第1接続電極31a、第2接続電極31b、第3接続電極31c、第4接続電極31d、データ線313及び第1電源コード311は第3導電パターン層LY3に位置する。第2電源コード312は第3導電パターン層LY3に位置してもよい。
【0081】
図18及び図19を参照して、表示パネルは更にアクティブ層ATLを含み、アクティブ層ATLと第1導電パターン層LY1との間に第1ゲート絶縁層GI1が設置され、第1導電パターン層LY1と第2導電パターン層LY2との間に第2ゲート絶縁層GI2が設置され、第2導電パターン層LY2と第3導電パターン層LY3との間に層間絶縁層ILDが設置される。
【0082】
例えば、表示パネルは複数の表示画素ユニットP0を含み、複数の表示画素ユニットP0はアレイ状に配列されてもよい。各表示画素ユニットP0は表示画素回路構造100、発光素子20並びに第1信号線L1、データ線313及び電圧信号線を含む。例えば、発光素子20は有機発光ダイオード(OLED)であり、発光素子20はそれに対応する表示画素回路構造100の駆動によって赤色光、緑色光、青色光又は白色光等を発する。該電圧信号線は1つであってもよく、又は複数であってもよい。例えば、図15及び図16に示すように、該電圧信号線は第1電源コード311、第2電源コード312、発光制御信号線110、第1初期化信号線211、第2初期化信号線212、リセット制御信号線111及び第2信号線L2等のうちの少なくとも1つを含む。第1信号線L1は表示画素回路構造100に走査信号SCANを提供するように構成される。データ線313は表示画素回路構造100にデータ信号DATAを提供するように構成される。例えば、1つの画素は複数の表示画素ユニットを含む。1つの画素は異なる色の光を射出する複数の表示画素ユニットを含みてもよい。例えば、1つの画素は赤色光を射出する表示画素ユニット、緑色光を射出する表示画素ユニット及び青色光を射出する表示画素ユニットを含むが、それらに限らない。1つの画素に含まれる表示画素ユニットの個数及び各表示画素ユニットの出光状況は必要に応じて決定されてもよい。
【0083】
例えば、第1ダミー画素ユニットP1の構造は表示画素回路構造100と同じである。例えば、画素定義層は第1ダミー領域R31に開口を有せず、及び/又は第1ダミー領域R31に発光素子の第1電極を配置せず、それにより第1ダミー画素ユニットP1を発光させない。
【0084】
例えば、第2ダミー画素ユニットP2の構造は表示画素ユニットP0の回路構造を除去してなるものである。例えば、第2ダミー画素ユニットP2の画素回路は不完全であり、画素定義層は第2ダミー領域R32に開口を有せず、及び/又は第2ダミー領域R32に発光素子の第1電極を配置せず、それにより第2ダミー画素ユニットP2を発光させない。第2ダミー画素ユニットP2の画素回路が不完全であることは、第2ダミー画素ユニットP2の画素回路が表示画素回路構造100における少なくとも1つの素子又は部材を有しないことを含む。
【0085】
例えば、第1電源コード311は表示画素回路構造100に一定の第1電圧信号ELVDDを提供するように構成され、第2電源コード312は表示画素回路構造100に一定の第2電圧信号ELVSSを提供するように構成され、且つ第1電圧信号ELVDDは第2電圧信号ELVSSより大きい。発光制御信号線110は表示画素回路構造100に発光制御信号EMを提供するように構成される。第1初期化信号線211及び第2初期化信号線212は表示画素回路構造100に初期化信号Vintを提供するように構成され、リセット制御信号線111は表示画素回路構造100にリセット制御信号RESETを提供するように構成され、第2信号線L2は表示画素回路構造100に走査信号SCANを提供するように構成される。初期化信号Vintは一定の電圧信号であり、そのサイズは例えば第1電圧信号ELVDDと第2電圧信号ELVSSとの間に介在してもよいが、それに限らず、例えば、初期化信号Vintは第2電圧信号ELVSS以下であってもよい。
【0086】
図16及び図18に示すように、該表示画素回路構造100は駆動トランジスタT1、データ書き込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第1発光制御トランジスタT4、第2発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、第2リセットトランジスタT7及び蓄電コンデンサC1を含む。駆動トランジスタT1は発光素子20に電気的に接続され、且つ走査信号SCAN、データ信号DATA、第1電圧信号ELVDD、第2電圧信号ELVSS等の信号の制御によって駆動電流を出力することにより発光素子20を駆動して発光させる。
【0087】
有機発光ダイオード表示パネルの画素ユニットにおいて、駆動トランジスタは有機発光素子に接続され、データ信号、走査信号等の信号の制御によって有機発光素子に駆動電流を出力することにより有機発光素子を駆動して発光させる。
【0088】
例えば、本開示の実施例に係る表示パネルは更にデータ駆動回路及び走査駆動回路を含む。データ駆動回路は制御回路の命令に基づいて表示画素ユニットP0にデータ信号DATAを提供するように構成され、走査駆動回路は制御回路の命令に基づいて表示画素ユニットP0に発光制御信号EM、走査信号SCAN及びリセット制御信号RESET等の信号を提供するように構成される。例えば、制御回路は外部集積回路(IC)を含むが、それに限らない。例えば、走査駆動回路は該表示パネルに取り付けられるGOA(Gate driver On Array)構造であり、又は該表示パネルとボンディング(Bonding)する駆動チップ(IC)構造である。例えば、更に異なる駆動回路を用いてそれぞれ発光制御信号EM及び走査信号SCANを提供することができる。例えば、上記電圧信号を提供するよう、表示パネルは更に電源(図示せず)を含み、必要に応じて電圧源又は電流源であってもよく、前記電源はそれぞれ第1電源コード311、第2電源コード312及び初期化信号線(第1初期化信号線211及び第2初期化信号線212)により表示画素ユニットP0に第1電圧信号ELVDD、第2電源電圧ELVSS及び初期化信号Vint等を提供するように構成される。
【0089】
図16及び図18に示すように、蓄電コンデンサC1の第2極C12は第1電源コード311に電気的に接続され、蓄電コンデンサC1の第1極C11は閾値補償トランジスタT3の第2極T32に電気的に接続される。データ書き込みトランジスタT2のゲート電極T20は第1信号線L1に電気的に接続され、データ書き込みトランジスタT2の第1極T21及び第2極T22はそれぞれデータ線313、駆動トランジスタT1の第1極T11に電気的に接続される。閾値補償トランジスタT3のゲート電極T30は第1信号線L1に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第1極T31は駆動トランジスタT1の第2極T12に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第2極T32は駆動トランジスタT1のゲート電極T10に電気的に接続される。
【0090】
例えば、図16及び図18に示すように、第1発光制御トランジスタT4のゲート電極T40及び第2発光制御トランジスタT5のゲート電極T50はいずれも発光制御信号線110に接続される。
【0091】
例えば、図16及び図18に示すように、第1発光制御トランジスタT4の第1極T41及び第2極T42はそれぞれ第1電源コード311及び駆動トランジスタT1の第1極T11に電気的に接続される。第2発光制御トランジスタT5の第1極T51及び第2極T52はそれぞれ駆動トランジスタT1の第2極T12、発光素子20の第1電極201に電気的に接続される。発光素子20の第2電極202(OLEDの共通電極、例えば陰極であってもよい)は第2電源コード312に電気的に接続される。
【0092】
例えば、図16及び図18に示すように、第1リセットトランジスタT6のゲート電極T60はリセット制御信号線111に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第1極T61は第1初期化信号線211に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第2極T62は駆動トランジスタT1のゲート電極T10に電気的に接続される。第2リセットトランジスタT7のゲート電極T70は第2信号線L2に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7の第1極T71は第2初期化信号線212に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7の第2極T72は発光素子20の第1電極201に電気的に接続される。
【0093】
例えば、図18に示すように、第1接続電極31a、第2接続電極31b、第3接続電極31c、第4接続電極31d、データ線313及び第1電源コード311は同一層に位置する。これにより、データ線313はビアV10によってデータ書き込みトランジスタT2の第1極T21に電気的に接続され、第1電源コード311はビアV20によって第1発光制御トランジスタT4の第1極T41に電気的に接続され、第1電源コード311はビアV30によって蓄電コンデンサC1の第2極C12に電気的に接続され、第1電源コード311はビアV0によって導電ブロックBKに電気的に接続される。第1接続電極31aの一端はビアV11によって第1初期化信号線211に電気的に接続され、第1接続電極31aの他端はビアV12によって第1リセットトランジスタT6の第1極T61に接続され、更に第1リセットトランジスタT6の第1極T61を第1初期化信号線211に電気的に接続させる。第2接続電極31bの一端はビアV21によって第1リセットトランジスタT6の第2極T62に電気的に接続され、第2接続電極31bの他端はビアV22によって駆動トランジスタT1のゲート電極T10(即ち、蓄電コンデンサC1の第1極C11)に電気的に接続され、それにより第1リセットトランジスタT6の第2極T62を駆動トランジスタT1のゲート電極T10(即ち、蓄電コンデンサC1の第1極C11)に電気的に接続させる。第3接続電極31cの一端はビアV31によって第2初期化信号線212に電気的に接続され、第3接続電極31cの他端はビアV32によって第2リセットトランジスタT7の第1極T71に電気的に接続され、それにより第2リセットトランジスタT7の第1極T71を第2初期化信号線212に電気的に接続させる。第4接続電極31dはビアV40によって第2発光制御トランジスタT5の第2極T52に電気的に接続される。第4接続電極31dは後続に形成された発光素子20の第1電極201(図6参照)に電気的に接続することに用いられてもよい。
【0094】
なお、本開示の一実施例に使用されるトランジスタはいずれも薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又は他の特性が同じであるスイッチングデバイスであってもよい。ここで使用されるトランジスタのソース電極、ドレイン電極は構造的に対称的なものであってもよいため、そのソース電極、ドレイン電極は構造的に区別しなくてもよい。本開示の一実施例では、トランジスタのゲート電極以外の2つの極を区別するために、その一方の極が第1極であり、他方の極が第2極であると直接説明され、従って、本開示の実施例の全部又は一部のトランジスタの第1極及び第2極は必要に応じて交換可能である。例えば、本開示の実施例に記載のトランジスタの第1極はソース電極であってもよく、第2極はドレイン電極であってもよく、又は、トランジスタの第1極はドレイン電極であり、第2極はソース電極である。
【0095】
また、トランジスタの特性に基づいて区別すれば、トランジスタをN型及びP型トランジスタに分けることができる。本開示の実施例はトランジスタがいずれもP型トランジスタを用いる場合を例として説明する。本開示の該実現方式に対する説明及び指導に基づいて、当業者は創造的な労力を要することなく、N型トランジスタを本開示の実施例の表示画素回路構造における少なくとも一部のトランジスタとして用い、即ちN型トランジスタ又はN型トランジスタ及びP型トランジスタの組み合わせの実現方式を用いることに容易に想到することができ、従って、これらの実現方式も本開示の保護範囲内に含まれる。
【0096】
図3及び図5に示される表示基板の表示画素回路は図16に示される。本開示の実施例は表示パネルの画素回路が7T1Cの構造である場合を例として説明するが、それに限らない。表示基板の画素回路は更に他の数のトランジスタを含む構造、例えば7T2C構造、6T1C構造、6T2C構造又は9T2C構造であってもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0097】
図19は本開示の一実施例に係る表示パネルの断面図である。例えば、図19に示すように、表示パネルは薄膜トランジスタTa及び蓄電コンデンサC1を含む。薄膜トランジスタTaは上記第2発光制御トランジスタT5である。薄膜トランジスタTaはベース基板BSに位置するアクティブ層ATL1、アクティブ層ATL1のベース基板BSから離れる側に位置する第1ゲート絶縁層GI1、第1ゲート絶縁層GI1のベース基板BSから離れる側に位置するゲート電極GEを含む。表示パネルはゲート電極GEのベース基板BSから離れる側に位置する第2ゲート絶縁層GI2、第2ゲート絶縁層GI2のベース基板BSから離れる側に位置する層間絶縁層ILD、並びに層間絶縁層ILDのベース基板BSから離れる側に位置する接続電極CNE1及び接続電極CNE2を更に含む。アクティブ層ATL1はチャネルCN11と、それぞれチャネルCN11の両側に位置する第1極ET1及び第2極ET2とを含み、接続電極CNE1は第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2及び層間絶縁層ILDを貫通するビアによって第2極ET2に接続され、接続電極CNE2は第1極ET1に接続される。蓄電コンデンサC1は第1極C11及び第2極C12を含み、第1極C11及びゲート電極GEは同一層に位置し、いずれも第1導電パターン層LY1に位置し、第2極C12は第2ゲート絶縁層GI2と層間絶縁層ILDとの間に位置し、第2導電パターン層LY2に位置する。第1極ET1及び第2極ET2のうちの一方はソース電極であり、第1極ET1及び第2極ET2のうちの他方はドレイン電極である。接続電極CNE1及び接続電極CNE2は第3導電パターン層LY3に位置する。表示パネルは更に不動態化層PVX及び平坦化層PLNを含む。例えば、接続電極CNE1及び接続電極CNE2はそれぞれ上述の第4接続電極31d及び第2接続電極31bであってもよい。
【0098】
図19に示すように、表示パネルは更に発光素子20を含み、発光素子20は第1電極201、発光機能層EML及び第2電極202を含み、第1電極201は不動態化層PVX及び平坦化層PLNを貫通するビアによって接続電極CNE1に接続される。表示パネルは更にパッケージ層CPSを含み、パッケージ層CPSは第1パッケージ層CPS1、第2パッケージ層CPS2及び第3パッケージ層CPS3を含む。例えば、第1パッケージ層CPS1及び第3パッケージ層CPS3は無機材料層であり、第2パッケージ層CPS2は有機材料層である。例えば、第1電極201は陽極であり、第2電極202は陰極であるが、それらに限らない。
【0099】
発光素子20は有機発光ダイオードを含む。発光機能層は第2電極202と第1電極201との間に位置する。発光機能層EMLは少なくとも発光層を含み、更に正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層のうちの少なくとも1つを含みてもよい。
【0100】
図19に示すように、表示パネルは更に画素定義層PDL及び支持物PSを含む。画素定義層PDLは開口を有し、開口は表示画素ユニットの発光面積(出光領域)を限定するように構成され、支持物PSは発光機能層EMLを形成する際に精密金属マスクを支持するように構成される。図19には発光素子の相対する両側にいずれも支持物PSが設置されることを示す。例えば、隣接する表示画素ユニットの間にいずれも支持物PSが設置されるが、それに限らず、他の実施例では、隣接しない表示画素ユニットの間にいずれも支持物PSが設置される。
【0101】
例えば、発光素子20の陽極及び陰極のうちの一方は駆動トランジスタに電気的に接続され、駆動トランジスタは発光素子20を駆動して発光させる駆動電流を発光素子20に提供するように構成される。
【0102】
例えば、データ線は表示画素ユニットにデータ信号を入力するように構成され、第1電源信号線は駆動トランジスタに第1電源電圧を入力するように構成される。第2電源信号線は表示画素ユニットに第2電源電圧を入力するように構成される。第1電源電圧は定電圧であり、第2電源電圧は定電圧であり、例えば、第1電源電圧は正電圧であり、第2電源電圧は負電圧であるが、それらに限らない。例えば、いくつかの実施例では、第1電源電圧は正電圧であり、第2電源信号線は接地される。
【0103】
以下に図16及び図17を参照しながら本開示の実施例に係る表示パネルの1つの表示画素ユニットの駆動方法について説明する。
【0104】
図17に示すように、1フレームの表示時間帯内に、表示画素ユニットの駆動方法は第1リセット段階t1、データ書き込み及び閾値補償並びに第2リセット段階t2、発光段階t3を含む。
【0105】
第1リセット段階t1において、発光制御信号EMをオフ電圧として設定し、リセット制御信号RESETをオン電圧として設定し、走査信号SCANをオフ電圧として設定する。
【0106】
データ書き込み及び閾値補償並びに第2リセット段階t2において、発光制御信号EMをオフ電圧として設定し、リセット制御信号RESETをオフ電圧として設定し、走査信号SCANをオン電圧として設定する。
【0107】
発光段階t3において、発光制御信号EMをオン電圧として設定し、リセット制御信号RESETをオフ電圧として設定し、走査信号SCANをオフ電圧として設定する。
【0108】
図17に示すように、第1電圧信号ELVDD、第2電圧信号ELVSS及び初期化信号Vintはいずれも一定の電圧信号であり、初期化信号Vintは第1電圧信号ELVDDと第2電圧信号ELVSSとの間に介在する。
【0109】
例えば、本開示の実施例のオン電圧とは対応のトランジスタの第1極及び第2極をオンさせることができる電圧を指し、オフ電圧とは対応のトランジスタの第1極及び第2極をオフさせることができる電圧を指す。トランジスタがP型トランジスタである場合、オン電圧は低電圧(例えば、0V)であり、オフ電圧は高電圧(例えば、5V)であり、トランジスタがN型トランジスタである場合、オン電圧は高電圧(例えば、5V)であり、オフ電圧は低電圧(例えば、0V)である。図17に示される駆動波形はいずれもP型トランジスタを例として説明し、即ちオン電圧は低電圧(例えば、0V)であり、オフ電圧は高電圧(例えば、5V)である。
【0110】
図16及び図17を併せて参照して、第1リセット段階t1において、発光制御信号EMはオフ電圧であり、リセット制御信号RESETはオン電圧であり、走査信号SCANはオフ電圧である。このとき、第1リセットトランジスタT6はオン状態にあるが、データ書き込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第1発光制御トランジスタT4及び第2発光制御トランジスタT5はオフ状態にある。第1リセットトランジスタT6は初期化信号(初期化電圧)Vintを駆動トランジスタT1のゲート電極に伝送して蓄電コンデンサC1に記憶し、駆動トランジスタT1をリセットして前回(前の1フレーム)発光する際に記憶されるデータを削除する。
【0111】
データ書き込み及び閾値補償並びに第2リセット段階t2において、発光制御信号EMはオフ電圧であり、リセット制御信号RESETはオフ電圧であり、走査信号SCANはオン電圧である。このとき、データ書き込みトランジスタT2及び閾値補償トランジスタT3はオン状態にあり、第2リセットトランジスタT7はオン状態にあり、第2リセットトランジスタT7は初期化信号Vintを発光素子20の第1電極に伝送することにより発光素子20をリセットするが、第1発光制御トランジスタT4、第2発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6及び第2リセットトランジスタT7はオフ状態にある。このとき、データ書き込みトランジスタT2はデータ信号電圧VDATAを駆動トランジスタT1の第1極に伝送し、即ちデータ書き込みトランジスタT2は走査信号SCAN及びデータ信号DATAを受信して走査信号SCANに基づいて駆動トランジスタT1の第1極にデータ信号DATAを書き込む。閾値補償トランジスタT3がオンされて駆動トランジスタT1をダイオード構造に接続し、これにより、駆動トランジスタT1のゲート電極を充電することができる。充電が完了した後、駆動トランジスタT1のゲート電圧はVDATA+Vthであり、ここで、VDATAがデータ信号電圧であり、Vthが駆動トランジスタT1の閾値電圧であり、即ち、閾値補償トランジスタT3は走査信号SCANを受信して走査信号SCANに基づいて駆動トランジスタT1のゲート電圧に対して閾値電圧補償を行う。この段階では、蓄電コンデンサC1の両端の電圧差はELVDD-VDATA-Vthである。
【0112】
発光段階t3において、発光制御信号EMはオン電圧であり、リセット制御信号RESETはオフ電圧であり、走査信号SCANはオフ電圧である。第1発光制御トランジスタT4及び第2発光制御トランジスタT5はオン状態にあるが、データ書き込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第1リセットトランジスタT6及び第2リセットトランジスタT7はオフ状態にある。第1電圧信号ELVDDは第1発光制御トランジスタT4によって駆動トランジスタT1の第1極に伝送され、駆動トランジスタT1のゲート電圧がVDATA+Vthに維持され、発光電流Iは第1発光制御トランジスタT4、駆動トランジスタT1及び第2発光制御トランジスタT5を通過して発光素子20に流れ込んで、発光素子20が発光する。即ち、第1発光制御トランジスタT4及び第2発光制御トランジスタT5は発光制御信号EMを受信して、発光制御信号EMに基づいて発光素子20を発光させるように制御する。発光電流Iは下記飽和電流公式を満足する。
K(Vgs-Vth)=K(VDATA+Vth-ELVDD-Vth)=K(VDATA-ELVDD)
ここで、K=0.5μCox(W/L)であり、μが駆動トランジスタのチャネル移動度であり、Coxが駆動トランジスタT1の単位面積のチャネル電気容量であり、WとLがそれぞれ駆動トランジスタT1のチャネル幅及びチャネル長さであり、Vgsが駆動トランジスタT1のゲート電極とソース電極(即ち、本実施例における駆動トランジスタT1の第1極)との間の電圧差である。
【0113】
上記式から分かるように、発光素子20を流れる電流は駆動トランジスタT1の閾値電圧に関連しない。従って、該表示画素回路の構造は駆動トランジスタT1の閾値電圧をより良く補償する。
【0114】
例えば、発光段階t3の時間の1フレームの表示時間帯での比率は調節可能である。そうすると、発光段階t3の時間の1フレームの表示時間帯での比率を調節することにより発光輝度を制御することができる。例えば、表示パネルの走査駆動回路103又は追加設置された駆動回路を制御することにより発光段階t3の時間の1フレームの表示時間帯での比率を調節することが実現される。
【0115】
例えば、他の実施例では、第1リセットトランジスタT6又は第2リセットトランジスタT7等を提供しなくてもよく、即ち本開示の実施例は図6に示される具体的な画素回路に限らず、駆動トランジスタに対する補償を実現できる他の画素回路を用いてもよい。本開示の該実現方式に対する説明及び指導に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく容易に想到し得る他の設置方式は、いずれも本開示の保護範囲内に属する。
【0116】
以下に図18に示される表示基板の製造方法について説明する。
【0117】
図20は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において形成された半導体パターン層の模式図である。半導体パターン層SCPは半導体材料により形成される。半導体材料は多結晶シリコンを含む。マスクを用いて半導体パターン層SCPを形成することができる。例えば、薄膜トランジスタの閾値電圧を調節するよう、半導体パターン層SCPは低濃度ドープを行うことができる。低濃度ドープはホウ素イオンを用いてドープすることができる。
【0118】
本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法は半導体パターン層SCP上に第1絶縁薄膜層を形成することを更に含む。第1絶縁薄膜層はSiOxを用いてもよいが、それに限らない。
【0119】
図21は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第1絶縁薄膜層上に形成された第1導電パターン層の模式図である。第1導電パターン層LY1は発光制御信号線110、リセット制御信号線111、第2信号線L2、第1信号線L1、駆動トランジスタT1のゲート電極T10を含む。駆動トランジスタT1のゲート電極T10は同時に蓄電コンデンサC1の第1極C11とされる。第1導電パターン層LY1の材料は金属を含み、金属はモリブデン(Mo)を含むが、それに限らない。
【0120】
図22は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において半導体パターン層をセルフアライン技術により導体化処理した後の構造模式図である。半導体パターン層をセルフアライン技術により導体化処理した後にアクティブ層ALTを形成する。例えば、表示基板の製造過程において、セルフアライン技術を用いて第1導電パターン層LY1をマスクとして半導体パターン層SCPを導体化処理して、アクティブ層ATLを形成する。例えば、イオン注入を用いて半導体パターン層SCPを高濃度ドープし、例えば、大量のホウ素イオンをドープしてもよく、これにより、半導体パターン層SCPの第1導電パターン層LY1で被覆されていない部分の抵抗を大幅に低減させ、導体特性を有させ、即ち導体化されて、駆動トランジスタT1のソース電極領域(第1極T11)及びドレイン電極領域(第2極T12)、データ書き込みトランジスタT2のソース電極領域(第1極T21)及びドレイン電極領域(第2極T22)、閾値補償トランジスタT3のソース電極領域(第1極T31)及びドレイン電極領域(第2極T32)、第1発光制御トランジスタT4のソース電極領域(第1極T41)及びドレイン電極領域(第2極T42)、第2発光制御トランジスタT5のソース電極領域(第1極T51)及びドレイン電極領域(第2極T52)、第1リセットトランジスタT6のソース電極領域(第1極T61)及びドレイン電極領域(第2極T62)、並びに第2リセットトランジスタT7のソース電極領域(第1極T71)及びドレイン電極領域(第2極T72)を形成する。半導体パターン層SCPの第1導電パターン層LY1で被覆される部分は半導体特性を維持し、駆動トランジスタT1のチャネル領域T14、データ書き込みトランジスタT2のチャネル領域T24、閾値補償トランジスタT3のチャネル領域T34、第1発光制御トランジスタT4のチャネル領域T44、第2発光制御トランジスタT5のチャネル領域T54、第1リセットトランジスタT6のチャネル領域T64及び第2リセットトランジスタT7のチャネル領域T74を形成する。例えば、図10に示すように、第2リセットトランジスタT7の第2極T72及び第2発光制御トランジスタT5の第2極T52は一体に形成され、第2発光制御トランジスタT5の第1極T51、駆動トランジスタT1の第2極T12及び閾値補償トランジスタT3の第1極T31は一体に形成され、駆動トランジスタT1の第1極T11、データ書き込みトランジスタT2の第2極T22、第1発光制御トランジスタT4の第2極T42は一体に形成され、閾値補償トランジスタT3の第2極T32及び第1リセットトランジスタT6の第2極T62は一体に形成される。
【0121】
例えば、図22に示すように、第1発光制御トランジスタT4のゲート電極T40は発光制御信号線110の一部であり、第2発光制御トランジスタT5のゲート電極T50は発光制御信号線110の一部であり、データ書き込みトランジスタT2のゲート電極T20は第1信号線L1の一部であり、閾値補償トランジスタT3のゲート電極T30は第1信号線L1の一部であり、第1リセットトランジスタT6のゲート電極T60はリセット制御信号線111の一部であり、第2リセットトランジスタT7のゲート電極T70は第2信号線L2の一部である。
【0122】
例えば、本開示の実施例が使用されるトランジスタのチャネル領域(アクティブ層)は単結晶シリコン、多結晶シリコン(例えば、低温多結晶シリコン)又は金属酸化物半導体材料(例えば、IGZO、AZO等)であってもよい。1つの実施例では、該トランジスタはいずれもP型低温多結晶シリコン(LTPS)薄膜トランジスタである。他の実施例では、駆動トランジスタT1のゲート電極に直接接続される閾値補償トランジスタT3及び第1リセットトランジスタT6は金属酸化物半導体薄膜トランジスタであり、即ちトランジスタのチャネル材料は金属酸化物半導体材料(例えば、IGZO、AZO等)であり、金属酸化物半導体薄膜トランジスタはより低い漏れ電流を有し、駆動トランジスタT1のゲート漏れ電流の低減に役立つ。
【0123】
例えば、本開示の実施例が使用されるトランジスタは複数種類の構造、例えばトップゲート型、ボトムゲート型又はダブルゲート構造を含みてもよい。1つの実施例では、駆動トランジスタT1のゲート電極に直接接続される閾値補償トランジスタT3及び第1リセットトランジスタT6はダブルゲート型薄膜トランジスタであり、駆動トランジスタT1のゲート漏れ電流の低減に役立つ。
【0124】
本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法によれば、導体化処理後の構造に第2絶縁薄膜層を形成する。図面には第2絶縁薄膜層を示さない。例えば、第2絶縁薄膜層は面状を呈するようにベース基板を被覆することができる。第2絶縁薄膜層の材料はSiNxを含むが、それに限らない。
【0125】
図23は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第2絶縁薄膜層上に形成された第2導電パターン層の模式図である。第2導電パターン層LY2は第1初期化信号線211、導電ブロックBK、蓄電コンデンサC1の第2極C12及び第2初期化信号線212を含む。蓄電コンデンサC1の第2極C12は開口OPN1を有する。蓄電コンデンサC1の第2極C12は開口OPN1を有し、第2接続電極31b(図18参照)が開口OPN1を貫通して蓄電コンデンサC1の第1極C11に電気的に接続されることに役立つ。第2接続電極31bと蓄電コンデンサC1の第2極C12とが互いに絶縁される。第2導電パターン層LY2の材料は金属を含み、金属はモリブデン(Mo)を含むが、それに限らない。
【0126】
図24は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において第2導電パターン層上に第3絶縁薄膜層を形成し、且つ第1絶縁薄膜層、第2絶縁薄膜層及び第3絶縁薄膜層のうちの少なくとも1つにビアを形成する模式図である。図24に示すように、ビアを形成した後、第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層及び層間絶縁層を形成し、図24には第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層及び層間絶縁層を示さず、図19を参照してもよい。第3絶縁薄膜層は面状を呈するようにベース基板を被覆することができる。第1ゲート絶縁層は第1絶縁薄膜層内にビアを形成した後の構造である。第2ゲート絶縁層は第2絶縁薄膜層内にビアを形成した後の構造である。層間絶縁層は第3絶縁薄膜層内にビアを形成した後の構造である。層間絶縁層ILDの材料はSiOx及びSiNxのうちの少なくとも1つを含むが、それらに限らない。
【0127】
図24に示すように、表示パネルはビアV40、ビアV0、ビアV10、ビアV20、ビアV30、ビアV11、ビアV12、ビアV21、ビアV22、ビアV31及びビアV32を含む。
【0128】
図25は本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法において層間絶縁層上に形成された第3導電パターン層の模式図である。図25に示すように、第3導電パターン層LY3は第1接続電極31a、第2接続電極31b、第3接続電極31c、第4接続電極31d、データ線313及び第1電源コード311を含む。第3導電パターン層を形成した後、図18に示される表示基板を得ることができる。例えば、第3導電パターン層LY3の材料は金属材料を含み、例えば、Ti-Al-Tiの3つのサブ層が積層された構造を用いてもよいが、それに限らない。
【0129】
図25図24及び図18を参照して、蓄電コンデンサC1の第1極C11は第2接続電極31bによって閾値補償トランジスタT3の第2極T32に電気的に接続される。閾値補償トランジスタT3の第2極T32は第2接続電極31bによって駆動トランジスタT1のゲート電極T10に電気的に接続される。第1リセットトランジスタT6の第1極T61は第1接続電極31aによって第1初期化信号線211に電気的に接続される。第2リセットトランジスタT7の第1極T71は第3接続電極31cによって第2初期化信号線212に電気的に接続される。第4接続電極31dは第2発光制御トランジスタT5の第2極T52に電気的に接続される。
【0130】
図26は本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの断面図である。図26に示すように、第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー画素回路101及びダミー素子30を含み、図26に示すように、ダミー素子30は第1電極301、発光機能層EML及び第2電極302を含む。第1ダミー画素回路101はトランジスタTbを含み、画素定義層PDLは第1ダミー画素ユニットP1に開口を設置せず、ダミー素子30の発光機能層EMLは第1電極301に接触せず、これにより、第1ダミー画素ユニットP1は発光しない。画素限定層PDLは第1ダミー領域R31に開口を設置せず、第1ダミー画素ユニットP1を発光させない。図26に示すように、画素限定層PDLはダミー素子30の第1電極301を完全に被覆し、第1ダミー画素ユニットP1に通じる信号チャネルがない。ダミー素子30の第1電極301はダミー素子30の発光機能層EMLに接触しない。
【0131】
図27は本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素ユニットの断面図である。図27に示すように、第1ダミー画素ユニットP1は第1ダミー画素回路101及びダミー素子30を含み、第1ダミー画素回路101はトランジスタTcを含み、ダミー素子30は発光機能層EML及び第2電極302を含む。図27に示すように、ダミー素子30は第1電極301を含みず、且つダミー素子30の発光機能層EMLは第1ダミー画素回路101に接触しない。これにより、第1ダミー画素ユニットP1は発光しない。図27における画素限定層PDLは開口を有するが、該開口は平坦化層PLN及び不動態化層PVXを貫通せず、これにより、ダミー素子30の発光機能層EMLは第1ダミー画素回路101に接触しない。
【0132】
図28は本開示の一実施例に係る表示パネルの第1ダミー画素回路構造の原理図である。図16に示される表示画素ユニットの表示画素回路構造に比べて、ダミー素子30は第1ダミー画素回路構造101に接続されない。図16及び図28に示すように、表示画素回路101の構造は第1ダミー画素回路101の構造と同じである。
【0133】
例えば、図4及び図28を参照して、表示パネルはデータ線313、発光制御信号線110、第1電源コード311、第2電源コード312、リセット制御信号線111、第1初期化信号線211及び第2初期化信号線212を含み、第1ダミー画素ユニットP1は更にダミー素子30を含み、第1ダミー画素ユニットP1は駆動トランジスタT1、データ書き込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第1発光制御トランジスタT4、第2発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、第2リセットトランジスタT7及び蓄電コンデンサC1を含む。
【0134】
蓄電コンデンサC1の第2極は第1電源コード311に電気的に接続され、蓄電コンデンサC1の第1極は閾値補償トランジスタT3の第2極に電気的に接続される。
【0135】
データ書き込みトランジスタT2のゲート電極は第1信号線L1に電気的に接続され、データ書き込みトランジスタT2の第1極及び第2極はそれぞれデータ線313、駆動トランジスタT1の第1極に電気的に接続される。
【0136】
閾値補償トランジスタT3のゲート電極は第1信号線L1に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第2極は駆動トランジスタT1のゲート電極に電気的に接続される。
【0137】
第1発光制御トランジスタT4のゲート電極及び第2発光制御トランジスタT5のゲート電極はいずれも発光制御信号線110に接続される。
【0138】
第1発光制御トランジスタT4の第1極及び第2極はそれぞれ第1電源コード311及び駆動トランジスタT1の第1極に電気的に接続され、第2発光制御トランジスタT5の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に電気的に接続され、ダミー素子30の第2電極は第2電源コード312に電気的に接続される。
【0139】
第1リセットトランジスタT6のゲート電極はリセット制御信号線111に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第1極は第1初期化信号線211に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第2極は駆動トランジスタT1のゲート電極に電気的に接続される。
【0140】
第2リセットトランジスタT7のゲート電極は第2信号線L2に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7の第1極は第2初期化信号線212に電気的に接続される。
【0141】
ダミー素子30に第1電極301が設置されず、又は、ダミー素子30に第1電極301が設置される場合、第2発光制御トランジスタT5の第2極はダミー素子30の第1電極301に電気的に接続されず、第2リセットトランジスタT7の第2極はダミー素子30の第1電極301に電気的に接続されない。
【0142】
本開示の実施例に係る表示パネルによれば、負荷補償は3D補償の方式を用い、多くのノードを含み、多くの寄生容量による補償は負荷補償効果が高い。
【0143】
図29は平板コンデンサの方式を用いて負荷補償を行う表示パネルの模式図である。図29に示すように、点線枠B2は平板コンデンサの設置箇所であり、平板コンデンサはリード領域R4に設置される。ところが、平板コンデンサを補償ユニットとして用いて異形領域を補償するとき、平板コンデンサの実際補償値と理論計算値との差がより大きく、且つ平板コンデンサ自体の負荷と表示画素ユニットとの差がより大きく、平板コンデンサの方式を用いて負荷欠損を十分に補償することができない。従って、平板コンデンサに比べて、空間のある前提で第1ダミー画素ユニットを補償ユニットとして用いることは明らかな利点を有し、第1ダミー画素ユニットは各第1信号線の位置する環境を一致させることができ、そうすると、各第1信号線の負荷を基本的に一致させることができ、第1信号線のエッチング均一性にも役立ち、エッチング不均一により第1信号線の負荷が一致せず、更に補償に誤差が生じて表示効果に影響してしまうことを回避する。
【0144】
本開示の実施例では、第1信号線L1はゲート線であってもよく、第2信号線L2はリセット制御信号線であってもよい。例えば、第2信号線L2は第2リセット制御信号線である。リセット制御信号線111は第1リセット制御信号線である。
【0145】
図8に示される表示パネル及び図29に示される表示パネルの補償効果の比較は下記表に示される。表から分かるように、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、第1信号線の補償負荷は17.39fFに達することができ、第2信号線の補償負荷は16.40fFに達することができ、即ち、単一の第1信号線及び単一の第2信号線の補償効果は平板コンデンサを補償ユニットとして用いる補償方式による補償効果に近い。第1信号線及び第2信号線の補償の負荷の和は平板コンデンサを補償ユニットとして用いる補償方式による補償効果より大きい。
【0146】
【表1】
【0147】
第1信号線が第2信号線に接続される場合、第1ダミー画素ユニットによりある行の第1信号線の負荷を補償するとき、補償負荷は該行の第1信号線の負荷及び第1信号線に接続される第2信号線の負荷の2つの部分を含むが、平板コンデンサの方式で補償するとき、補償の負荷の圧倒的多数は補償ユニットからのものである。
【0148】
表1は異なる補償方案における補償ユニットの第1信号線の電気容量であり、表から分かるように、方案1を利用して補償するとき、第1信号線及び第2信号線の負荷の和は1つの平板コンデンサの補償ユニットの負荷より大きく、且つ平板コンデンサの実際補償値と理論計算値との差はより大きく、即ち第1ダミー画素ユニットを用いる補償方式は明らかな利点を有する。
【0149】
例えば、異形表示領域を補償するとき、平板コンデンサの補償ユニットが多ければ多いほど、占有するフレームが大きくなり、それにより上部フレームが大きくなる。本開示の実施例は異形表示領域の空間を最大限に利用し、それにより補償ユニットの個数を減少させ、更に上部フレームの幅を減少させる。
【0150】
本開示の実施例に係る表示パネルによれば、異形表示領域の空間を活用する前提で、第1ダミー画素ユニットを補償ユニットとして用いて透光領域を補償し、フレームを狭くすることができるだけでなく、負荷をより良く補償することもでき、より最適な表示効果を実現する。
【0151】
図30は本開示の一実施例に係る表示パネルの第2ダミー画素ユニットの平面図である。図30に示すように、第2ダミー画素ユニットP2は第2ダミー画素回路102を含む。第2ダミー画素回路102はコンデンサのみを含み、完全なトランジスタを含みない。例えば、第2ダミー画素ユニットP2のアクティブ層ATL2は表示画素ユニットのアクティブ層ATLと異なる。アクティブ層ATL2の構造はアクティブ層ATLの構造の一部である。第2ダミー画素ユニットP2は発光しない。例えば、第2ダミー画素ユニットP2が発光しない方式は第1ダミー画素ユニットと同じであってもよいが、それに限らない。例えば、第2ダミー画素ユニットは発光機能層を含みなくてもよいが、それに限らない。
【0152】
本開示の少なくとも1つの実施例は上記いずれか1つの表示パネルを含む表示装置を更に提供する。
【0153】
例えば、表示装置はOLED表示装置又はOLED表示装置を含むコンピュータ、携帯電話、腕時計、デジタルフォトフレーム、カーナビゲーション等のいかなる表示機能を持つ製品又はデバイスを含む。
【0154】
以上の説明は本開示の具体的な実施形態であって、本開示の保護範囲を制限するためのものではない。当業者が本開示に開示される技術的範囲内で容易に想到し得る変更や置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本開示の保護範囲は特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
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