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特許7568659IOL圧縮アームを有するIOLインジェクタプランジャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】IOL圧縮アームを有するIOLインジェクタプランジャ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20241008BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61F2/16
A61F9/007
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021574274
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 IB2020055387
(87)【国際公開番号】W WO2020261009
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】62/867,350
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ エフ.ザッカー
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0368971(US,A1)
【文献】特表2004-528078(JP,A)
【文献】特表2016-519989(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0270907(US,A1)
【文献】特開平02-156943(JP,A)
【文献】特表2020-525190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズ(IOL)インジェクタプランジャであって、
前記プランジャの遠位端に形成され、IOLに接触し、前記プランジャに印加される軸方向力に応じて前記IOLを軸方向に移動させるよう適合されるプランジャ先端と、
前記プランジャの前記遠位端の対向する側面上に配設される第1及び第2の可撓性IOL圧縮アームであって、各圧縮アームは、前記プランジャに結合される近位端と、圧縮アーム先端を形成するテーパ状遠位端とを有する、第1及び第2の可撓性IOL圧縮アームと、を備え、
初期の圧縮アーム構成において、前記圧縮アームは、前記第1の圧縮アーム先端が圧縮されていないIOLの近位ハプティックの第1の端部に接触するよう適合され、前記第1の端部が前記近位ハプティックのハプティック先端を備え、第2の圧縮アーム先端が圧縮されていないIOLの近位ハプティックの第2の端部に接触するよう適合されるように、横方向に広げられ、
前記圧縮アームの外側側面に印加される内向きの横力に応じて、前記圧縮アームは、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム構成をとるよう適合され、前記圧縮アームは、内向きの横力をIOLに印加し、それによって圧縮構成をとるよう前記IOLを案内するよう適合される、
眼内レンズ(IOL)インジェクタプランジャ。
【請求項2】
前記プランジャ先端は、前記IOLが前記圧縮構成をとることに応じて、前記IOLに接触するよう適合される、請求項1に記載のプランジャ。
【請求項3】
前記プランジャは、IOLインジェクタのインジェクタ本体内部に配設され、前記インジェクタ本体は、
近位端及び遠位端を有する本体と、
近位端及び遠位端を有するノズルであって、前記ノズルの前記近位端は前記本体の前記遠位端に結合され、前記ノズルは圧縮されていないIOLを収容するよう構成されるIOLストレージ場所と、前記IOLストレージ場所よりも遠位のIOL待機場所とを更に有するノズルと、
前記本体の前記近位端から前記ノズルの前記遠位端に延在する長手方向軸を有するボアであって、前記ノズル内の前記ボアの遠位部分がテーパ状送出チャネルを形成する、ボアと、を備え、
前記プランジャは、前記インジェクタ本体内部に移動可能に結合され、前記ボア内部で整列され、
前記プランジャの軸方向移動に応じて、前記圧縮アームのそれぞれは、軸方向に移動し、前記テーパ状送出チャネルの内側側面に接触するよう適合され、それに応じて、前記圧縮アームは、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム構成をとるよう適合され、前記圧縮アームは、内向きの横力をIOLに印加し、それによって圧縮構成をとるよう前記IOLを案内するよう適合される、
請求項1に記載のプランジャ。
【請求項4】
前記圧縮アームは、前記圧縮アームが前記第2の圧縮アーム構成をとることに応じて前記プランジャから分離されるよう構成され、分離に応じて、前記プランジャの更なる軸方向移動時に、
前記圧縮アームが、前記テーパ状送出チャネル内部で更に軸方向に移動することがないよう適合され、
前記プランジャ先端が、圧縮されたIOLを、前記テーパ状送出チャネルを通して軸方向に押すよう適合されるように構成される、
請求項3に記載のプランジャ。
【請求項5】
前記圧縮アームの前記近位端はそれぞれピンを備え、
前記プランジャは、前記ピンを受け入れ、それによって、前記圧縮アームを前記プランジャに結合するよう適合される穴を備え、
前記本体の前記遠位端の一部は、前記圧縮アームの前記近位端がスリーブ内に軸方向に配設される場合に前記ピンが前記穴内部に配設されるよう適合されるようなサイズのボアを有するスリーブを備え、
前記圧縮アームは、前記圧縮アームが前記初期圧縮アーム構成から前記第2の圧縮アーム構成に移動することに応じて、
前記圧縮アームの前記近位端が前記スリーブから出るよう適合され、それに応じて、前記プランジャから離間して外向きに屈曲するよう適合され、それによって前記ピンを前記穴から取り外し、前記圧縮アームを前記プランジャから分離するように適合される、
請求項4に記載のプランジャ。
【請求項6】
前記テーパ状送出チャネルは、前記圧縮アーム先端に接触し、前記分離された圧縮アームが前記テーパ状送出チャネルを通って更に軸方向に移動することを防止するよう適合されるハードストップを備える、請求項4に記載のプランジャ。
【請求項7】
前記ノズルは、更に、前記ノズル内部に長手方向に配設され、前記圧縮アームを受け入れるよう適合されるチャネルを備え、
前記IOLの圧縮に続く前記プランジャの更なる軸方向移動に応じて、
前記圧縮アームの一部は、前記プランジャ先端が前記テーパ状送出チャネルを通って更に軸方向に移動するよう適合されるように、前記プランジャから分離されるよう構成され、
前記圧縮アームは、前記チャネルを通って軸方向に摺動するよう適合される、
請求項3に記載のプランジャ。
【請求項8】
前記プランジャは、
前記圧縮アームが前記初期圧縮アーム構成にある場合に、前記IOLが前記IOLストレージ場所にあり、
前記圧縮アームが前記第2の圧縮アーム構成にある場合に、前記IOLが前記待機場所にあるように構成される、
請求項3に記載のプランジャ。
【請求項9】
前記圧縮アームは、IOLの側方外縁及びIOLの下側外縁に接触するよう適合される凹状内面を有する、請求項1に記載のプランジャ。
【請求項10】
前記IOLインジェクタは、IOLベース、IOLオプティック、又はその両方を別々に注入するよう適合される、請求項1に記載のプランジャ。
【請求項11】
前記IOLインジェクタは、IOLベース及びIOLオプティックを同時に注入するよう適合される、請求項1に記載のプランジャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼内レンズ(IOL)インジェクタのためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の眼は、最も簡単に言えば、角膜と呼ばれる透明な外側部分を通して光を透過及び屈折させ、更に、水晶体によって眼の後部の網膜上で像に焦点を合わせることによって視覚を提供するよう機能する。焦点の合った像の質は、眼の大きさ、形状、及び長さ、並びに角膜及び水晶体の形状及び透明度を含む多くの要因に依存する。外傷、年齢、又は疾病によって水晶体の透明度が低下すると、網膜に伝達され得る光が減少するため、視力が低下する。眼の水晶体におけるこの欠陥は、医学的に白内障として知られている。この状態の治療は、水晶体の外科的除去及び人工レンズ(IOL)の挿入である。
【0003】
多くの白内障水晶体は、超音波水晶体乳化吸引術と呼ばれる外科的手法によって除去される。この処置中に、開口部は眼の前嚢に作られ、超音波水晶体乳化吸引切断先端部が、疾患水晶体に挿入され、超音波で振動される。振動切断先端部は、水晶体が眼から吸引されてもよいように、それを液化又は乳化する。罹患した水晶体は、一旦除去されると、IOLに置き換えられる。
【0004】
IOLは、小さい切開部、場合によっては疾患水晶体を除去するために用いた同じ切開部を通して眼に注入されてもよい。IOLインジェクタは、IOLを眼内に送出するために用いられてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
眼内レンズ(IOL)インジェクタを説明する。プランジャは、プランジャの遠位端に形成され、IOLに接触し、プランジャに印加される軸方向力に応じてIOLを軸方向に移動させるよう適合されるプランジャ先端を有する。プランジャはまた、プランジャの遠位端の対向する側面上に配設される第1及び第2の可撓性IOL圧縮アームであって、各圧縮アームは、プランジャに結合される近位端と、圧縮アーム先端を形成するテーパ状遠位端とを有する、第1及び第2の可撓性IOL圧縮アームも有する。初期の圧縮アーム構成において、圧縮アームは、第1の圧縮アーム先端が圧縮されていないIOLの近位ハプティックの第1の端部に接触するよう適合され、第1の端部が近位ハプティックのハプティック先端を備えるように、横方向に広げられる。初期の圧縮アーム構成において、第2の圧縮アーム先端は、圧縮されていないIOLの近位ハプティックの第2の端部に接触するよう適合される。圧縮アームの外側側面に印加される内向きの横力に応じて、圧縮アームは、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム構成をとるよう適合され、圧縮アームは、内向きの横力をIOLに印加し、それによって圧縮構成をとるようIOLを案内するよう適合される。
【0006】
プランジャ先端は、IOLが圧縮構成をとることに応じて、IOLに接触するよう適合されてもよい。
【0007】
プランジャは、IOLインジェクタのインジェクタ本体内部に配設されてもよい。インジェクタ本体は、近位端及び遠位端を有する本体と、近位端及び遠位端を有するノズルとを含んでいてもよく、ノズルの近位端は本体の遠位端に結合される。ノズルは、圧縮されていないIOLを収容するよう構成されるIOLストレージ場所と、IOLストレージ場所よりも遠位のIOL待機場所とを含んでいてもよい。インジェクタ本体は、本体の近位端からノズルの遠位端に延在する長手方向軸を有するボアであって、ノズル内のボアの遠位部分がテーパ状送出チャネルを形成する、ボアを含んでいてもよい。プランジャは、インジェクタ本体内で移動可能に結合され、ボア内で整列されてもよい。プランジャの軸方向移動に応じて、圧縮アームのそれぞれは、軸方向に移動し、テーパ状送出チャネルの内側側面に接触するよう適合されてもよく、それに応じて、圧縮アームは、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム構成をとるよう適合されてもよく、圧縮アームは、内向きの横力をIOLに印加し、それによって圧縮構成をとるようIOLを案内するよう適合される。
【0008】
圧縮アームは、圧縮アームが第2の構成をとることに応じてプランジャから分離されるよう構成されてもよい。分離に応じて、プランジャの更なる軸方向移動時に、圧縮アームは、送出チャネル内部で更に軸方向に移動することがないよう適合されてもよく、プランジャ先端は、圧縮されたIOLを送出チャネルを通して軸方向に押すよう適合されてもよい。
【0009】
圧縮アームの近位端はそれぞれ、ピンを含んでいてもよく、プランジャは、ピンを受け入れ、それによって、圧縮アームをプランジャに結合するよう適合される穴を含んでいてもよい。本体の遠位端の一部は、圧縮アームの近位端がスリーブ内に軸方向に配設される場合にピンが穴内部に配設されるよう適合されるようなサイズのボアを有するスリーブを含んでいてもよい。圧縮アームは、圧縮アームが初期圧縮アーム構成から第2の圧縮アーム構成に移動することに応じて、圧縮アームの近位端が、スリーブを出るよう適合され、それに応じてプランジャから離間して外向きに屈曲するよう適合され、それによってピンを穴から取り外し、圧縮アームをプランジャから分離するように適合されてもよい。
【0010】
送出チャネルは、圧縮アーム先端に接触し、分離された圧縮アームが送出チャネルを通って更に軸方向に移動することを防止するよう適合されるハードストップを含んでいてもよい。
【0011】
ノズルは、更に、ノズル内部に長手方向に配設され、圧縮アームを受け入れるよう適合されるチャネルを含んでいてもよい。IOLの圧縮に続くプランジャの軸方向移動に応じて、圧縮アームの一部は、プランジャ先端が送出チャネルを通って軸方向に移動するよう適合されるように、プランジャから分離されるよう構成されてもよく、圧縮アームは、チャネルを通って軸方向に摺動するよう適合されてもよい。
【0012】
圧縮アームが初期圧縮アーム構成にある場合に、IOLはIOLストレージ場所にあってもよく、圧縮アームが第2の圧縮アーム構成にある場合に、IOLは待機場所にある。
【0013】
圧縮アームは、IOLの側方外縁及びIOLの下側外縁に接触するよう適合される凹状内面を有していてもよい。
【0014】
IOLインジェクタは、IOLベース、IOLオプティック、又はその両方を別々に注入するよう適合されてもよい。
【0015】
IOLインジェクタは、IOLベース及びIOLオプティックを同時に注入するよう適合されてもよい。
【0016】
本開示をより完全に理解するために、ここで、以下の説明に対して参照を行い、添付図面と併せて用いる。添付図面は、縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一例のIOLインジェクタの斜視図である。
図2図2は、図1の一例のIOLインジェクタの長手方向断面図である。
図3A図3Aは、一例のワンピースIOLを示す。
図3B図3Bは、ベース及びオプティックを含む一例のツーピースIOLを示す。
図4図4は、IOLインジェクタの一例のノズルの斜視図である。
図5A図5Aは、図4のIOLインジェクタのノズルの断面図である。
図5B図5Bは、図4のIOLインジェクタのノズルの別の断面図である。
図6図6図4のIOLインジェクタのノズルの別の斜視図である。
図7図7は、内部に位置し、待機場所に位置決めされたIOLを有する、一例のIOLインジェクタの遠位端の図である。
図8図8は、IOL圧縮アームを有する一例のプランジャの斜視図である。
図9図9は、IOL圧縮アームを有する一例のプランジャの別の斜視図である。
図10A図10Aは、初期の圧縮アーム構成のIOL圧縮アームを有する一例のプランジャ、及びIOLインジェクタ内部に配設される圧縮されていないIOL70の略図である。
図10B図10Bは、第2の圧縮アーム構成のIOL圧縮アームを有する一例のプランジャ、及びIOLインジェクタ内部に配設される圧縮されたIOL70の略図である。
図11図11は、IOLインジェクタ内部に配設されるIOL圧縮アームを有する一例のプランジャの別の略図である。
図12図12は、IOL圧縮アームを有するプランジャとハードストップを有するノズルとを含む一例のIOLインジェクタの斜視図である。
図13図13は、IOL圧縮アームを有するプランジャと、圧縮アームを受け入れるよう適合されるチャネルを有するノズルとを含む一例のIOLインジェクタの斜視図である。
図14図14は、IOL圧縮アームを有する一例のプランジャ及びIOLベースの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の原理の理解を促す目的のため、ここで図面に示す実装を参照し、特定の言語を用いてこれを説明する。それでもやはり、開示の範囲について何の限定も意図していないことが理解されるであろう。説明するデバイス、機器、方法に対する任意の代替形態及び更なる修正形態並びに本開示の原理の任意の更なる適用は、開示が関連する技術分野の当業者が通常想到してもよいように完全に想定される。特に、1つの実装に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実装に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされてもよいことは、完全に想定される。
【0019】
図1及び図2は、ユーザによる手動での力の印加によって作動する一例のIOLインジェクタ10の略図である。IOLインジェクタ10は、インジェクタ本体20と、インジェクタ本体20に形成されるボア40を通って往復運動するよう適合するプランジャ30とを含んでいる。インジェクタ本体20は、近位端50及び遠位端23を有する本体21と、近位端22及び遠位端60を有するノズル25とを有する。ノズル25の近位端22は、本体21の遠位端23に結合されている。ノズル25は、非圧縮IOL70を収容するように構成されたIOLストレージ場所80と、IOLストレージ場所80よりも遠位のIOL待機場所809とを有する。
【0020】
ボア40は、主本体21の近位端50からノズル25の遠位端60まで延在している。ノズル25内のボア40の遠位部分はテーパ状供給チャネル31を形成し、これを通して、IOLが軸方向に前進され、圧縮され、遠位端60における遠位先端27内の開口部29を介して眼内に供給されてもよい。
【0021】
プランジャ30は、インジェクタ本体20内部に移動可能に結合され、ボア40内部で整列される。プランジャ30は、IOL70と接触するよう適合されるプランジャ先端220を有する。
【0022】
IOLインジェクタ10はまた、長手方向軸75も含んでいる。長手方向軸75は、プランジャ30に沿って延在し、プランジャ30の長手方向軸を画成してもよい。
【0023】
IOLストレージ場所80は、IOLストレージ場所80の内部へのアクセスを提供するドア90を含んでいてもよい。ドア90は、ドア90がヒンジ100を中心として枢動して、IOLストレージ場所80を開放し、例えば、IOL70の設置を可能にしてもよいようなヒンジ100を含んでいてもよい。他の実装において、IOLストレージ場所80は、IOL70を設置するためのドアを除いてもよい。かかる例において、IOL70は、IOLインジェクタ10の組み立て時にIOLストレージ場所80に組み込まれてもよい。従って、かかる場合、IOLインジェクタ10は、プリロードされたIOLインジェクタになる。かかる場合、IOLストレージ場所80は、ドア90ではなく、開くように構成されていないカバーを有していてもよい。IOLストレージ場所80は、IOLストレージ場所80への粘弾性体の添加を可能にするよう適合される穴を含んでいてもよい。
【0024】
インジェクタ本体20はまた、インジェクタ本体20の近位端50に形成されるタブ110を含んでいてもよい。タブ110は、ボア40を通ってプランジャ30を前進させるよう、眼科医、眼科手術助手若しくは看護師、又は他の医療専門家等のユーザの指、親指、又は手によって操作されてもよい。
【0025】
プランジャ30は、プランジャ本体200と、プランジャ本体200から遠位方向に延在するプランジャロッド210と、プランジャロッド210の遠位端230に形成され、例えば、IOLインジェクタ10のIOLストレージ場所80に配設されるIOLに接触するよう適合されるプランジャ先端220とを含んでいてもよい。プランジャ30が軸方向に前進させられ、それによって矢印78の方向にボア40内部で遠位方向に変位させられると、プランジャ30のプランジャ先端220は、IOL70等のIOLに係合し且つそれを前進させるよう適合される。図1及び図2において、IOL70は、IOLストレージ場所80内に位置して示されている。プランジャ30はまた、矢印78の方向に遠位方向にボア40を通ってプランジャ30を変位させることによって、ボア40を通ってプランジャ30を前進させるよう、ユーザの指、親指、又は手によって操作されてもよい、近位端250に形成されるフランジ240を含んでいてもよい。
【0026】
幾つかの実装において、IOL70はワンピースIOLであってもよい。即ち、幾つかの実装において、IOL70は、図3Aに示すように、オプティック460及びハプティック450を含んでいてもよい。各ハプティック450は先端部452を含んでいる。幾つかの実装において、オプティック460及びハプティック450は、材料単体から一体的に形成されてもよい。他の実装において、オプティック460は1つの材料片から形成されてもよく、ハプティック450は別の材料片から形成されてもよく、オプティック460及びハプティック450は眼内への供給の前に互いに結合されてもよい。場合によっては、オプティック460及びハプティック450は、IOLインジェクタへの挿入及び眼内への供給の前に、互いに確実に固定されてもよい。
【0027】
他の実装において、IOL70は、例えば、図3Bに示すようにマルチピースIOLであってもよい。例えば、幾つかの実装において、IOL70は、2つ以上の別個のコンポーネントを含んでいる。図3Bは、2つの着脱自在に取り付けられるコンポーネントを含む一例のIOL70である。図3Bに示すように、IOL70は、オプティック460、及びハプティック450を含み、且つ、上部498及び下部499を有する及びベース461を含む。オプティック460及びベース461は、一緒に結合されて単一のIOLになり、その後、必要に応じて、互いから分離されて別個の構成要素になるように適合されている。場合によっては、例えば、図3Bに示すツーピースIOL70等のマルチピースIOLの1つ以上のコンポーネントは、別々に患者の眼内に注入可能である。一旦眼に入ると、コンポーネントは、完全なIOLに組み立てられてもよい。例えば、図3Bに示すツーピースIOL70の場合、オプティック460及びベース461は、別々に眼内に注入可能である。一旦注入されると、オプティック460は、ベース461の内縁部8内に配設される溝14内でベース461に結合されるよう適合されている。
【0028】
時として、患者は、IOLの交換を必要とする可能性があり、IOLを交換する処置は、結果として眼に対する損傷を生じる可能性がある。例えば、ツーピースIOLを用いる場合、交換処置は、ベースが眼内の所定の位置に留まることを可能にする、オプティックの交換のみを含む可能性がある。
【0029】
上で説明したように、幾つかの実装において、IOL70は、ベース461及びオプティック460が別々に患者の眼内に注入されるツーピースIOLであってもよい。従って、ツーピースIOLの場合、ベース461及びオプティック460は、眼内に挿入するために別々のIOLインジェクタ10内に収容されてもよい。他の実装において、ツーピースIOLの2つのコンポーネントは、単一のIOLインジェクタを用いて別々に眼内に挿入されてもよい。シングルピースIOLの場合、オプティック460及びハプティック450は一体型IOLを形成し、単一のIOLインジェクタの使用により同時に眼内に挿入される。
【0030】
従って、幾つかの実装において、ユーザは、例えば、上で説明したIOLインジェクタのIOLストレージ場所80等のIOLインジェクタのIOLストレージコンパートメント内にIOLを装填することによって、ワンピースIOLをIOLインジェクタに載置してもよい。また、説明するように、IOLストレージ場所80は、ドア90等のドアを介してアクセスされてもよい。
【0031】
ツーピースIOLの場合、幾つかの実装において、ユーザは、ベース461等のベースを、例えばドアを介して、IOLインジェクタのIOLストレージコンパートメント内に装填してもよい。オプティック460等のオプティックは、例えばドアを介して、別個のIOLインジェクタのIOLストレージコンパートメント内に導入されてもよい。場合によっては、IOLストレージコンパートメントは、ドア90等のドアを通してアクセスされてもよい。
【0032】
幾つかの実装において、IOLは、例えば、製造中、又はそうでなければエンドユーザに配布される前に、IOLインジェクタのストレージコンパートメント内にプリロードされてもよい。従って、ワンピースIOLの場合、ワンピースIOLは、エンドユーザが受け取る前に、IOLインジェクタをストレージコンパートメント内にプリロードされてもよい。ツーピースIOLの場合、ベースは、1つのIOLインジェクタのストレージコンパートメント内にプリロードされ得、一方、オプティックは、別のIOLインジェクタのIOLストレージコンパートメント内にプリロードされてもよい。本明細書中に用いるような「プリロードされた」という用語は、ワンピース又はマルチピース構成(例えば、ツーピース構成を含む)のいずれかのIOLが、ユーザによってではなく、むしろ、IOLが以前にIOLインジェクタに設置されており、ユーザがIOLインジェクタを受け取った時点ですでにIOLインジェクタ内に含まれていることによって、IOLインジェクタ内にロードされていることを意味する。IOLインジェクタは、ユーザが受け取った場合に滅菌パッケージ内にパッケージされてもよい。
【0033】
本開示を読むと当業者によって理解されるように、IOLインジェクタにプリロードされたIOLは、ユーザによって実行されるIOLインジェクタへのIOLの手動設置及び折り畳みの場合よりも有利である。例えば、IOLを手動で設置して折り畳むと、誤差が生じる可能性が高くなり、それによってすでに複雑な手順中に不要な二次操作又は修正を生じさせる可能性がある。例えば、IOLを手動で設置して折り畳むことにより、人為的ミスや不十分な滅菌技術等によるIOLの汚染の可能性も招く可能性がある。IOLの汚染により、患者に対する無菌環境を損ない、感染又は他の患者への危害のリスクをもたらす可能性がある。
【0034】
図4図7は、一例のノズル25の詳細を示している。場合によっては、ノズル25は、テーパ状の外面を有する。更に、ノズル25は、開口部29に向かってテーパ状となるテーパ状送出チャネル31を形成するボア40の一部を含んでいてもよい。遠位先端27は、IOL70を移植できるように、眼内への挿入に適合されている。IOL70は、遠位先端27に形成された開口部29から眼内に排出される。図5Bに示すように、テーパ状送出チャネル31及び遠位先端27は、幅W1を有する楕円形の断面120を有していてもよい。加えて、遠位先端27は、傾斜先端130を含んでいてもよい。IOLストレージ場所80、送出チャネル31、及び開口部29は、送出通路を画成してもよい。送出通路のサイズは、その長さに沿って変化してもよい。例えば、場合によっては、送出通路の幅W1、高さH1、又はその両方が、送出通路の長さに沿って変化してもよい。送出通路のサイズの変化は、IOLが送出通路を通って前進するときに、IOLの圧縮に寄与してもよい。
【0035】
場合によっては、インジェクタ本体20は、挿入深度ガード140を含んでいてもよい。挿入深度ガード140は、眼の外側表面に隣接するよう適合されたフランジ面150を形成してもよい。挿入深度ガード140は、その開示の全てを引用して本明細書中に組み込む米国特許出願第15/049,315号明細書に記載されているように、眼の表面に隣接し、それによって遠位先端27が眼内に延在することが可能な量を制限する。
【0036】
図6及び図7は、一例のノズル25の一部の詳細図である。ノズル25は、テーパ状部分62及び挿入深度ガード140を含んでいてもよい。遠位先端27は、圧縮された又は部分的に圧縮されたIOL70の待機場所809の視覚的表示を提供する境界1900を含んでいてもよい。本明細書中に用いるような「待機場所」という用語は、ノズル25の遠位端60に隣接する場所を指す。例えば、待機場所809は、遠位端60から2~10mmの場所であってもよい。例えば、図6に示す例では、境界1900は、ノズル25の全部又は一部を取り囲む狭い隆起又はラインである。場合によっては、境界1900は、テーパ状部分62と挿入深度ガード140との間に配置されてもよい。インジェクタ本体20の少なくとも一部は、ユーザがインジェクタ本体20内のIOLを見ることを可能にする透明又は半透明の材料から形成されてもよい。特に、インジェクタ本体20のノズル25は、プランジャ30によってそれを通って移動するときのIOLの観察を可能にするために、透明な材料から形成されてもよい。
【0037】
図7は、IOL70がノズル25の待機場所809に配置された、IOLインジェクタ10の遠位端60の図を示している。図7に示すように、IOL70の待機場所809は、IOL70のオプティックの遠位端が境界1900と実質的に整列する場所として規定されてもよい。ハプティック450又はその一部は、境界1900を超えて延在してもよい。
【0038】
本明細書中に説明する様々な実装において、IOLインジェクタ10は、IOL70との増加した接触表面積を有するよう適合されるプランジャ30を含む。特に、幾つかの実装において、本明細書中に説明するプランジャ30は、IOL70がIOLインジェクタ10のノズル25を通る送出のために狭構成に圧縮されることが可能なように、圧縮されていないIOL70に接触し、制御下でIOL70を折り畳むよう適合される幅の広い遠位端を有する。ある特定の実装において、本明細書中に説明するプランジャ30は、IOL70をプランジャ前進時の「バンチング」から防ぐように、軸方向荷重を分散させるよう構成される。
【0039】
本明細書中に用いるような用語「バンチング」とは、従来のプランジャがIOLインジェクタの送出チャネルを通ってIOL70を前進させるために用いられる場合に時として生じる可能性がある、IOL70の長手方向軸における望ましくない軸方向の折り畳み又は圧縮を指す。従来のプランジャは、一般に、比較的小さいIOL接触表面積を有するIOLとの単一の接触点を有するか、又はIOL周囲の比較的小さい部分に接触するプランジャ先端を有している。一般的なプランジャは、IOL周囲の約5%のみと接触するプランジャ先端を有する。特に、従来のプランジャを用いて、ノズル25を通してIOL70を前進させる場合、例えば、テーパ状送出チャネル31内部で、例えば、ストレージ場所80から待機場所809まで前進させる等、及び/又は、IOL70を比較的大きい高さH1及び/又は幅W1を有するボア40の一部からテーパ状送出チャネル31内等のより狭い部分に前進させる場合等に、バンチングが生じる可能性がある。
【0040】
上で説明する一般的な先端が硬いプランジャとは対照的に、幾つか他の既存のプランジャ、例えば折り畳み可能なエラストマープランジャは、シリコーン製の先端が柔らかいプランジャ等の柔らかい先端を有する。一般的な柔らかい先端のプランジャは、IOL周囲の約10~15%に接触するプランジャ先端を有する。しかし、柔らかい先端のプランジャは、送出チャネル31の内面に対するエラストマー材料の高い抵抗、及び予測不能に変形するシリコーンの傾向等の欠点を有する。
【0041】
従って、ある特定の実装において、本明細書中に説明するプランジャ30は、一般には、比較的小さいIOL接触表面積又はIOL周囲を有するIOLとの単一接触点のみを有し、一般には、インジェクタ本体20のボア40を通ってIOLを軸方向にのみ押動するよう構成される、従来のプランジャ又は他の既存のプランジャとは異なる動作原理を利用している。
【0042】
図8図9は、ノズル25を通してIOL70を前進させるよう印加される軸方向力と同時に、IOL70上に横方向の内向きの圧縮力を提供するよう適合される圧縮アーム1を有する、本開示の一例のプランジャ30の略図である。
【0043】
本明細書中に説明する実装において、プランジャ30は、プランジャロッド210の遠位端230等のプランジャの遠位端230に形成され、IOL70に接触し、プランジャ30に印加される軸方向力に応じてIOL70を軸方向に移動させるよう適合されるプランジャ先端220と、加えて、1つ以上の圧縮アーム1とを有している。一般に、本明細書中に説明するプランジャ30は、プランジャ30の遠位端230の対向する側面に配設される第1及び第2の可撓性IOL圧縮アーム1を有している。圧縮アームのそれぞれは、プランジャロッド210の遠位端230に結合される等、プランジャ30に結合される近位端と、圧縮アーム先端2を形成する、テーパ状遠位端等の遠位端とを有する。本明細書中に説明する圧縮アームは、IOLとの増加した接触表面積を提供するよう適合される。圧縮アーム1は、例えば、ノズル25を通る送出のために狭い構成に圧縮されることが可能であるように、制御下で非圧縮IOL70を横方向に折り畳むか又は圧縮する能力を含む、様々な利点を提供する。プランジャ先端220及び圧縮アーム1は共に、広いIOL接触表面積を形成してもよい。例えば、幾つかの実装において、圧縮アームを有するプランジャは、IOL周囲の25%に接触する、又は約25%に接触するよう適合されてもよい。
【0044】
初期の圧縮アーム1構成において、圧縮アーム1は、第1の圧縮アーム先端2が非圧縮IOLの近位ハプティック450の第1の端部に接触するよう適合され、第1の端部が近位ハプティック450のハプティック先端452を備え、第2の圧縮アーム先端2が非圧縮IOL70の近位ハプティック450の第2の端部に接触するよう適合されるように、横方向に広げられてもよい。
【0045】
本明細書中で用いるような用語「広げる」とは、圧縮アーム1同士が、例えば、少なくとも10°、少なくとも20°、少なくとも30°、少なくとも40°、又は少なくとも50°の角度で互いに対して配設されるように、圧縮アーム先端2が互いから離間した方向を向く構成を指す。
【0046】
圧縮アーム1の外側側面901に印加される、図9及び図10Bの矢印900の方向等の内向きの横力に応じて、圧縮アーム1は、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム1構成をとるよう適合され、圧縮アーム1は、内向きの横力をIOL70に印加し、それによって圧縮構成をとるようIOL70を案内するよう適合される。
【0047】
更に、幾つかの実装において、例えば、図10Bに示すように、プランジャ先端220は、圧縮アーム1によるIOL70の少なくとも部分的な圧縮に続いて、IOL70に接触するよう適合される。幾つかの実装において、プランジャ先端220は、IOL70が圧縮構成をとることに応じて、IOL70に接触するよう適合される。
【0048】
様々な実装において、プランジャ30は、IOLインジェクタ10内部に配設されていてもよい。例えば、図10A図10Bは、IOL圧縮アーム1を有する一例のプランジャ30、及びIOLインジェクタ10内部に配設されるIOLベース461等のIOL70の略図である。図10A図10Bの一例のIOLインジェクタ10は、近位端50及び遠位端23を有する本体21を含むインジェクタ本体20を有している。一例のIOLインジェクタ10はまた、近位端22及び遠位端60を有するノズル25も有し、ノズル25の近位端22は本体21の遠位端23に結合され、ノズル25は、更に、圧縮されていないIOL70を収容するよう構成されるIOLストレージ場所80と、IOLストレージ場所80よりも遠位のIOL待機場所809とを有している。一例のIOLインジェクタ10はまた、本体21の近位端50からノズル25の遠位端60に延在する長手方向軸75を有するボア40も有し、ノズル25内のボア40の遠位部分がテーパ状送出チャネル31を形成している。プランジャは、インジェクタ本体20内部に移動可能に結合され、ボア40内部で整列される。
【0049】
図10Aは、初期の圧縮アーム構成のIOL圧縮アームを有する一例のプランジャ、及び圧縮されていないIOL70の略図である。図10Bは、第2の圧縮アーム構成のIOL圧縮アームを有する一例のプランジャ、及び圧縮されたIOL70の略図である。
【0050】
例えば、図10A図10Bに示すように、プランジャ30の軸方向移動に応じて、幾つかの実装において、圧縮アーム1のそれぞれは、軸方向に移動し、テーパ状送出チャネル31の内側側面64に接触するよう適合される。それに応じて、圧縮アーム1は、互いに向かって屈曲して第2の圧縮アーム1構成をとるよう適合され、圧縮アーム1は、内向きの横力をIOL70に印加し、それによって圧縮構成をとるようIOL70を案内するよう適合される。
【0051】
従って、IOL圧縮アームの制御下でIOL70の圧縮に続いて、プランジャ30は、次いで、プランジャ先端220が圧縮されたIOL70を軸方向に変位させ、圧縮されたIOL70を、送出経路を通って及びノズル25の遠位端60における開口部29を通って軸方向に前進させるように、軸方向に更に前進させられてもよい。
【0052】
図11は、IOL圧縮アームを有する一例のプランジャの別の略図であり、圧縮アーム1は、プランジャロッド210から分離される等、プランジャ30から分離されるよう構成される。一般に、幾つかの実装において、送出チャネル31は、圧縮アームと共に送出チャネル31を通ってノズル25の遠位端60までの圧縮されたIOLの軸方向移動を可能にするサイズでなくてもよい。更に、一般に、圧縮されたIOL70は、IOL70がテーパ状送出チャネル31内部で圧縮構成をとった後、圧縮アームとの継続的な接触を必要とせず、代わりに、プランジャ先端220と接触して送出チャネルを通ってノズル25の遠位端60まで軸方向に前進させられている間に、テーパ状送出チャネル31の内面64との接触によって圧縮構成に維持されてもよいことが理解されるであろう。
【0053】
従って、幾つかの実装において、圧縮アーム1は、圧縮アーム1が第2の構成をとることに応じてプランジャ30から分離されるよう構成される。分離に応じて、プランジャ30の更なる軸方向移動時に、圧縮アーム1は、送出チャネル31内部で更に軸方向に移動することがないよう適合され、プランジャ先端220は、圧縮されたIOLを送出チャネル31を通して軸方向に押すよう適合される。
【0054】
幾つかの実装において、図11に示すように、圧縮アーム1の近位端はそれぞれ、ピン3を含んでいてもよく、プランジャ30は、ピンを受け入れ、それによって、圧縮アーム1をプランジャ30に結合するよう適合される穴4を有していてもよい。幾つかの実装において、圧縮アーム1が第2の圧縮アーム構成をとるまで圧縮アーム1へのプランジャ30の結合を維持するために、インジェクタ本体20内部のボア40の一部は、プランジャ30と圧縮アーム1との間の接触を維持するようなサイズにされてもよい。例えば、図11に示すように、本体21の遠位端の一部は、圧縮アーム1の近位端がスリーブ5内部に軸方向に配設される場合にピンが穴4内部に配設されるようにサイズにされているボア40直径を有するスリーブ5を含んでいてもよい。プランジャ30の更なる軸方向移動時に、圧縮アーム1が初期圧縮アーム1構成から第2の圧縮アーム1構成に移動することに応じて、圧縮アーム1の近位端は、スリーブ5を出るよう構成されてもよく、それに応じてプランジャ30から離間して外向きに屈曲するよう適合され、それによってピン3を穴4から取り外し、圧縮アーム1をプランジャ30から分離する。従って、プランジャ先端220を含むが圧縮アーム1を含まないプランジャロッド等のプランジャ30は、次いで、ノズル内で更に軸方向に移動し、それによって、IOL70をノズル25の遠位端60に前進させてもよい。
【0055】
幾つかの実装において、例えば図12に示すように、送出チャネル31は、圧縮アーム1が第2の圧縮アーム構成にある場合等に圧縮アーム先端2に接触し、分離された圧縮アーム1が送出チャネル31を通って更に軸方向に移動することを防止する一方で、プランジャ先端220を含むプランジャロッド210等の分離されたプランジャ30がプランジャ30に印加される更なる軸方向力に応じて更に軸方向に移動することを可能にするよう適合されるハードストップ6を含んでいてもよい。
【0056】
幾つかの実装において、例えば図13に示すように、ノズル25は、切欠き若しくはレリーフ特徴、又は例えば、ノズル25内部に長手方向に配設され、圧縮アーム1を受け入れるよう適合されるチャネル7を含んでいてもよい。例えば、圧縮アーム1が第2の圧縮アーム構成にある場合等、IOL70の圧縮に続くプランジャ30の更なる軸方向移動に応じて、圧縮アーム1の少なくとも一部は、プランジャ先端220を含むプランジャロッド210が送出チャネル31を通って軸方向に移動するよう適合され、圧縮アーム1がチャネル7に入り、それを通って軸方向に摺動するよう適合されるように、プランジャロッド210から分離される等、プランジャ30から分離されるよう構成される。
【0057】
幾つかの実装において、本開示のプランジャ30は、圧縮アーム1が初期圧縮アーム構成にある場合に、IOL70がIOLストレージ場所80にあってもよく、圧縮アーム1が第2の圧縮アーム構成にある場合に、IOL70が待機場所809にあってもよいように構成されてもよい。
【0058】
プランジャ30の圧縮アーム1は、IOL70との最適な接触表面積を提供するように成形されてもよい。幾つかの実装において、例えば図14に示すように、圧縮アーム1は、IOL70の側方外縁9a及びIOL70の下側外縁9bに接触するよう適合される凹状内面8を有していてもよい。
【0059】
いくつかの実装において、本開示のIOLインジェクタ10は、IOLベース461、IOLオプティック460、又はその両方を別々に注入するよう適合される圧縮アーム1を有するプランジャ30を含んでいてもよい。幾つかの実装において、本開示のIOLインジェクタ10は、IOLベース461及びIOLオプティック460を同時に注入するよう適合される圧縮アーム1を有するプランジャ30を含んでいてもよい。
【0060】
本開示に従って適合されてもよいIOLインジェクタの非限定的な実施例は、米国特許第7,156,854号明細書及び米国特許出願公開第2016/0256316号明細書に説明されるものを含んでおり、それぞれの開示の全てを参照して本明細書に組み込む。
【0061】
上記で開示された主題は、制限ではなく例示として考えられるべきであり、添付された特許請求の範囲は、本開示の真の思想及び範囲内にある全てのそのような修正、強化、及び他の実施を包含するように意図される。従って、法により許可される最大限の範囲で、本開示の適用範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広範に許容される解釈によって特定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限又は限定すべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14