(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20241008BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20241008BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N5/64 541J
B60K35/23
G02B27/01
(21)【出願番号】P 2022155881
(22)【出願日】2022-09-29
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】井口 直也
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-313733(JP,A)
【文献】特開2021-189410(JP,A)
【文献】特開2016-199150(JP,A)
【文献】特開2020-040468(JP,A)
【文献】特開2021-162774(JP,A)
【文献】特開2018-185410(JP,A)
【文献】特開2021-046012(JP,A)
【文献】国際公開第2019/225758(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/23
G02B 27/01
G09F9/00
H04N5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された液晶表示素子と、
前記筐体に収容され、前記液晶表示素子から出力される表示光を車両のウインドシールドに向けて反射するミラーと、
前記液晶表示素子の表示面または背面の何れかの面に接触させて配置される透明な板状の熱伝導部材と、
放熱促進手段と、
を備え、
前記筐体は、前記熱伝導部材が挿入可能な貫通孔を有し、
前記熱伝導部材は、前記貫通孔を貫通しており、かつ前記貫通孔から前記筐体の外部空間に突出した突出部を有し、
前記放熱促進手段は、前記突出部の放熱を促進する
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記放熱促進手段は、前記筐体の外部に配置された流路と、前記流路に気流を発生させるファンと、を有し、
前記突出部は、前記流路に突出している
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記放熱促進手段は、前記突出部に接触させて配置されたヒートシンクを含む
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記貫通孔に配置され、前記熱伝導部材と前記筐体との間を気密にシールするパッキンを備える
請求項1から3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子を有する車両用表示装置がある。特許文献1には、液晶セルからフロントガラスまでの間における表示像の光路に、表示像を透過するとともに出射側偏光膜と接する水晶放熱板と、金属材料からなり水晶放熱板を保持する液晶保持部材と、を備えてなる車両用表示装置が開示されている。特許文献1には、太陽光が入射した場合であっても、表示器の損傷を防ぐことができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示素子の温度上昇を抑制する点において、なお改良の余地がある。例えば、透明な熱伝導部材を液晶表示素子に接触させる構成において、熱伝導部材の放熱を促進できることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、液晶表示素子の温度上昇を抑制できる車両用表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用表示装置は、筐体と、前記筐体に収容された液晶表示素子と、前記筐体に収容され、前記液晶表示素子から出力される表示光を車両のウインドシールドに向けて反射するミラーと、前記液晶表示素子の表示面または背面の何れかの面に接触させて配置される透明な板状の熱伝導部材と、放熱促進手段と、を備え、前記筐体は、前記熱伝導部材が挿入可能な貫通孔を有し、前記熱伝導部材は、前記貫通孔を貫通しており、かつ前記貫通孔から前記筐体の外部空間に突出した突出部を有し、前記放熱促進手段は、前記突出部の放熱を促進することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用表示装置において、透明な熱伝導部材は、筐体の外部空間に突出した突出部を有する。放熱促進手段は、突出部の放熱を促進する。本発明に係る車両用表示装置によれば、液晶表示素子の温度上昇を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車両用表示装置を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る車両用表示装置の冷却動作を説明する図である。
【
図3】
図3は、実施形態の放熱促進手段を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の変形例に係る放熱促進手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る車両用表示装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から
図3を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両用表示装置に関する。
図1は、実施形態に係る車両用表示装置を示す図、
図2は、実施形態に係る車両用表示装置の冷却動作を説明する図、
図3は、実施形態の放熱促進手段を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の車両用表示装置1は、自動車等の車両100に搭載される。車両用表示装置1は、筐体2、液晶表示素子3、バックライトユニット4、熱伝導部材5、第一ミラー61、第二ミラー62、透明なカバー7、制御部10、および放熱促進手段50を有する。筐体2は、車両100のダッシュボード120の下方に収容されている。ダッシュボード120には、車両用表示装置1の表示光Ltを通過させる開口120aが形成されている。開口120aは、車両上下方向においてウインドシールド110と対向している。
【0012】
筐体2は、遮光性の材料で形成される。筐体2の少なくとも一部は、金属等の熱伝導性が高い材料で形成されてもよい。筐体2は、本体21、アッパカバー22、およびロアカバー24を有する。本体21は、上方に向けて開口した開口部21aを有する箱形状の部材である。液晶表示素子3、バックライトユニット4、熱伝導部材5、第一ミラー61、および第二ミラー62は、本体21に収容され、本体21に対して固定される。本体21は、バックライトユニット4を収容する収容部23を有する。収容部23の形状は、例えば、筒形状である。収容部23を構成する壁部の一部は、底壁部21bである。アッパカバー22は、本体21に対して取り付けられ、本体21の開口部21aを閉塞する。
【0013】
液晶表示素子3は、画像を表示する液晶を有する表示素子である。液晶表示素子3は、例えば、TFT-LCD(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display)である。液晶表示素子3は、例えば、液晶層、ガラス電極、偏光板等を含むフィルム状の部材である。液晶表示素子3は、表示光Ltを出力する表示面3aを有する。以下の説明において、液晶表示素子3における表示面3aの側とは反対側の面を背面3bと称する。
【0014】
バックライトユニット4は、液晶表示素子3の背面3bに対して光を照射する。バックライトユニット4は、光源41、集光レンズ42、発散レンズ43、バックライトケース44、ベゼル45、およびヒートシンク46を有する。光源41は、複数の発光体を有する。発光体は、例えば、LED等の発光素子である。集光レンズ42は、光源41が発生する光を集光するレンズである。発散レンズ43は、集光レンズ42によって集光された光を所望の角度で発散させるレンズである。
【0015】
バックライトケース44は、光源41、集光レンズ42、および発散レンズ43を収容する。バックライトケース44は、遮光性の材料で形成される。バックライトケース44における発散レンズ43と対向する壁面は、開口部44aを有する。バックライトケース44は、筐体2の収容部23に収容される。ヒートシンク46は、バックライトケース44に対して背面側に配置されている。ヒートシンク46は、光源41で発生する熱をバックライトケース44の外部に放出できるように配置されている。
【0016】
液晶表示素子3は、バックライトケース44に対して外側に配置され、開口部44aと対向している。光源41の光は、発散レンズ43から開口部44aを通過して液晶表示素子3の背面3bに入射する。ベゼル45は、液晶表示素子3および後述する熱伝導部材5を保持する枠部材である。ベゼル45は、バックライトケース44に対して固定される。ベゼル45は、液晶表示素子3から出力される表示光Ltが通過できるように開口している。また、収容部23は、液晶表示素子3から出力される表示光Ltが通過できるように開口している。
【0017】
第一ミラー61は、液晶表示素子3から出力される表示光Ltを第二ミラー62に向けて反射するミラーである。例示された第一ミラー61は、筐体2の底壁部21bに配置されている。第一ミラー61の反射面には、コールドミラー処理がなされている。第一ミラー61の反射面は、可視光を反射し、かつ赤外光を透過させる。第一ミラー61は、例えば、平面ミラーである。
【0018】
第二ミラー62は、第一ミラー61の側から入射する表示光Ltを車両100のウインドシールド110に向けて反射するミラーである。第二ミラー62の反射面の形状は、例えば、凹状の自由曲面である。第二ミラー62の反射面は、表示光Ltによる画像を拡大させるように形成される。筐体2のアッパカバー22は、表示光Ltを通過させる開口部22aを有する。透明なカバー7は、アッパカバー22に固定されて開口部22aを閉塞する。
【0019】
第二ミラー62によって反射された表示光Ltは、カバー7を透過してウインドシールド110に入射する。ウインドシールド110は、表示光Ltを車両100のアイポイントEPに向けて反射する。車両100のドライバは、ウインドシールド110によって反射された表示光Ltにより虚像を視認する。
【0020】
制御部10は、筐体2の底壁部21bに配置されている。制御部10は、液晶表示素子3およびバックライトユニット4を制御するように構成されている。制御部10は、更に、後述するファン9を制御するように構成されている。制御部10は、例えば、演算回路、メモリ、および通信インターフェースを含むコンピュータである。制御部10は、制御基板に配置されてもよい。例示された制御部10は、底壁部21bの外側面に配置されている。ロアカバー24は、本体21の底壁部21bに係合して制御部10を覆う。
【0021】
本実施形態の車両用表示装置1は、以下に説明するように、液晶表示素子3を冷却して液晶表示素子3を熱から保護できるように構成されている。液晶表示素子3を冷却する冷却構造は、熱伝導部材5、および放熱促進手段50を含む。放熱促進手段50は、熱伝導部材5の放熱を促進するように構成されており、流路8およびファン9を含む。
【0022】
熱伝導部材5は、透明な部材であり、表示光Ltを透過させることができる。例示された熱伝導部材5の形状は、平板形状である。熱伝導部材5は、少なくとも空気よりも高い熱伝導率を有する。熱伝導部材5は、例えば、サファイアガラスで形成される。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の表示面3aに接触させて配置される。液晶表示素子3に対する熱伝導部材5の接触面積は大きな値であることが望ましい。本実施形態の熱伝導部材5は、表示面3aの全面に対して接触している。熱伝導部材5は、液晶表示素子3における画像表示領域の全領域を覆うことが好ましい。
【0023】
熱伝導部材5の厚さは、液晶表示素子3の厚さよりも大きくてもよい。液晶表示素子3に対して接触した熱伝導部材5は、液晶表示素子3の熱容量を拡大させることができる。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の熱を吸収し、液晶表示素子3の温度上昇を抑制することができる。
【0024】
本実施形態の熱伝導部材5は、熱伝導部材5の一部を筐体2の外部空間に突出させることができるように形成されている。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の表示面3aに沿って底壁部21bの側に向けて延在している。バックライトユニット4のベゼル45は、熱伝導部材5を貫通させるように構成されている。筐体2の底壁部21bは、熱伝導部材5が挿入可能な貫通孔21cを有する。貫通孔21cは、筐体2の内部空間と外部空間とを連通している。
【0025】
熱伝導部材5は、貫通孔21cを貫通している。熱伝導部材5は、貫通孔21cから筐体2の外部空間に突出した突出部5aを有する。突出部5aは、例えば、貫通孔21cから下方に向けて突出する。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の熱を筐体2の外部空間に放出することができる。
【0026】
放熱促進手段50は、流路8およびファン9を含む。流路8は、底壁部21bに対して筐体2の外側に形成されている。流路8は、底壁部21bの外側面と、壁部81とによって形成される。壁部81は、半筒形状を有しており、トンネル状の流路8を形成している。
【0027】
突出部5aは、流路8に突出しており、流路8における空気の流通方向に対して交差している。例示された突出部5aは、流路8の入口8aに配置されている。ファン9は、流路8に気流を発生させる。例示されたファン9は、流路8の出口8bに配置されている。ファン9の回転方向は、流路8の空気を流路8から排出させる方向である。すなわち、ファン9は、入口8aから出口8bに向かう気流を発生させるように回転する。
【0028】
図2には、液晶表示素子3を冷却する冷却時の状態が示されている。
図2には、筐体2の内部に入射する外光SLが示されている。外光SLは、例えば、車室内に向けてウインドシールド110を透過する太陽光である。
図2に示す外光SLは、カバー7を透過し、第二ミラー62および第一ミラー61によって液晶表示素子3に向けて反射される。外光SLは、液晶表示素子3の温度を上昇させる。第二ミラー62が拡大ミラーである場合、第二ミラー62によって外光SLが集光されるため、液晶表示素子3の温度が上昇しやすい。
【0029】
本実施形態のファン9は、制御部10によって制御されてもよい。この場合、制御部10は、液晶表示素子3の温度に基づいてファン9を回転させてもよい。液晶表示素子3の温度は、温度センサによって検出されてもよい。制御部10は、筐体2の内部に外光SLが入射した場合にファン9を回転させてもよい。この場合、制御部10は、筐体2の内部に配置された光センサから検出結果を取得してもよい。なお、制御部10は、車両用表示装置1の電源がオンである場合にファン9を回転させてもよい。
【0030】
ファン9が回転すると、
図2に示すように、外部の空気が入口8aから流路8に流入する。ファン9は、流路8の内部に気流C1を生成する。流路8に導入される空気は、エアコンディショナーによって冷却された空気であってもよい。流路8を流れる空気によって熱伝導部材5の突出部5aの放熱が促進される。突出部5aから熱を吸収した空気は、ファン9によって流路8から排出される。例示されたファン9は、車両前後方向の後方に向けて空気を排出する。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の熱伝導部材5は、本体51と、透明な粘着シート52と、を有する。本体51は、サファイアガラス等で形成された板状の部材であり、突出部5aを有している。粘着シート52は、フィルム状の部材であり、本体51を液晶表示素子3の表示面3aに接着している。矢印AR1で示すように、液晶表示素子3の熱は粘着シート52を介して本体51に伝わる。
【0032】
流路8の気流C1は、熱伝導部材5の突出部5aを冷却し、突出部5aの放熱を促進する。例示された突出部5aは、一つの主面51aを気流C1に向けて配置されている。主面51aは、本体51が有する二つの主面51a,51bの一つである。他方の主面51bは、粘着シート52によって液晶表示素子3に接着される面である。主面51aが気流C1と対向していることで、冷却効果の向上が図られる。
【0033】
貫通孔21cと熱伝導部材5との間には、環状のパッキン11が配置されている。パッキン11は、熱伝導部材5と底壁部21bとの間を気密にシールする。パッキン11は、筐体2の内部空間と流路8との間で気体が流通することを規制する。パッキン11は、流路8から筐体2の内部への埃や異物の侵入を規制する。パッキン11は、液晶表示素子3やミラー61,62を埃や異物から保護することができる。
【0034】
なお、パッキン11の熱伝導率は、空気の熱伝導率よりも高くてもよい。この場合、パッキン11は、熱伝導部材5から底壁部21bに熱を逃がすことができる。底壁部21bは、気流C1によって冷却される。パッキン11を介して熱伝導部材5から底壁部21bへと熱が逃がされることで、突出部5aの表面積を拡大した場合と同様の冷却効果が実現される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の車両用表示装置1は、筐体2と、液晶表示素子3と、第二ミラー62と、透明な板状の熱伝導部材5と、放熱促進手段50と、を有する。液晶表示素子3は、筐体2に収容される。第二ミラー62は、筐体2に収容され、液晶表示素子3から出力される表示光Ltを車両100のウインドシールド110に向けて反射する。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の表示面3aに接触させて配置される。
【0036】
筐体2は、熱伝導部材5が挿入可能な貫通孔21cを有する。熱伝導部材5は、貫通孔21cを貫通しており、かつ貫通孔21cから筐体2の外部空間に突出している。放熱促進手段50は、突出部5aの放熱を促進する。本実施形態の車両用表示装置1は、熱伝導部材5の突出部5aを筐体2から外部に突出させ、かつ放熱促進手段50によって突出部5aの放熱を促進する。よって、本実施形態の車両用表示装置1は、液晶表示素子3の温度上昇を抑制できる。
【0037】
本実施形態の放熱促進手段50は、筐体2の外部に配置された流路8と、流路8に気流C1を発生させるファン9と、を有する。突出部5aは、流路8に突出している。放熱促進手段50は、ファン9が発生させる気流C1により突出部5aを強制冷却することができる。
【0038】
本実施形態の車両用表示装置1は、貫通孔21cに配置され、熱伝導部材5と筐体2との間を気密にシールするパッキン11を有する。パッキン11は、筐体2の内部への埃等の侵入を規制することができる。
【0039】
車両用表示装置1は、更に、熱伝導部材5から筐体2へと熱を逃がす構成を有していてもよい。この場合、筐体2の全体または一部が金属等の熱伝導率が高い材料で形成されることが好ましい。熱伝導部材5は、筐体2における高い熱伝導率を有する部分に接触させて配置される。熱伝導部材5は、筐体2に対して直接接触してもよく、熱伝導シート等の熱伝導率が高い部材を介して筐体2に接触してもよい。筐体2における熱伝導部材5との接触箇所には、ヒートシンク等の放熱部材が設けられてもよい。熱伝導部材5は、突出部5aの側とは反対側の端部を筐体2に接触させてもよい。この場合、熱伝導部材5の両端部が冷却されることで、液晶表示素子3の温度上昇が効率的に抑制される。
【0040】
なお、液晶表示素子3に対して熱伝導部材5の本体51を固定する方法は、粘着シート52による接着固定には限定されない。本体51および液晶表示素子3は、ばねやねじによって互いに押し付けられてもよい。熱伝導部材5は、液晶表示素子3の表示面3aに接触することに代えて、背面3bに接触してもよい。
【0041】
突出部5aの突出方向は、下方には限定されない。例えば、突出部5aは、筐体2の側方に向けて突出してもよい。この場合、筐体2の側壁に貫通孔が設けられてもよい。
【0042】
流路8に気流C1を発生させる手段は、流路8およびファン9には限定されない。空調ダクトから突出部5aに対してエアコンディショナーの冷風が当てられてもよい。この場合、空調ダクトから流路8の入口8aまで冷風が導かれてもよい。車両100の走行風が突出部5aに当てられてもよい。この場合、流路8の入口8aは、走行風を受け入れることができる位置に設けられてもよい。
【0043】
[実施形態の変形例]
図4を参照して、実施形態の変形例について説明する。
図4は、実施形態の変形例に係る放熱促進手段を示す図である。変形例の放熱促進手段50は、熱伝導部材5の突出部5aに取り付けられたヒートシンク53を有する。ヒートシンク53は、突出部5aに固定される基部53aと、複数のフィン53bと、を有する。
【0044】
ヒートシンク53は、金属等の熱伝導率が高い材料で形成される。基部53aは、突出部5aの先端面に接触している。複数のフィン53bは、基部53aから熱伝導部材5の側とは反対側に向けて突出している。複数のフィン53bは、気流C1が複数のフィン53bの間を通過できるように配置されている。ヒートシンク53は、突出部5aの放熱を促進することができる。
【0045】
なお、放熱促進手段50は、ヒートシンク53を有する場合、流路8およびファン9を有していなくてもよい。筐体2の外部に配置されたヒートシンク53は、突出部5aの放熱を促進することができる。空調ダクトから突出部5aおよびヒートシンク53に対してエアコンディショナーの冷風が当てられてもよい。車両100の走行風が突出部5aおよびヒートシンク53に当てられてもよい。
【0046】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0047】
1:車両用表示装置
2:筐体、 3:液晶表示素子、 3a:表示面、 3b:背面
4:バックライトユニット、 5:熱伝導部材、 5a:突出部
7:カバー、 8:流路、 8a:入口、 8b:出口
9:ファン、 10:制御部
21:本体、 21a:開口部、 21b:底壁部、 21c:貫通孔
22:アッパカバー、 23:収容部、 24:ロアカバー
41:光源、 42:集光レンズ、 43:発散レンズ、 44:バックライトケース
45:ベゼル、 46:ヒートシンク
50:放熱促進手段
51:本体、 52:粘着シート、 53:ヒートシンク
61:第一ミラー、 62:第二ミラー
81:壁部
100:車両、 110:ウインドシールド、 120:ダッシュボード
EP:アイポイント、 Lt:表示光、 SL:外光