(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】フレームを送信すること
(51)【国際特許分類】
H04W 76/18 20180101AFI20241008BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20241008BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
H04W76/18
H04W28/04
H04W72/54 110
(21)【出願番号】P 2022520868
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2019077250
(87)【国際公開番号】W WO2021069066
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-05-31
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】スンドマン, デニス
(72)【発明者】
【氏名】ロペス, ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】マックス, セバスティアン
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-518543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスにおける、フレームを受信機に送信する方法であって、前記方法は、
前記フレームが前記無線デバイスと前記受信機との間の第1の無線通信リンクを介して前記受信機によって正常に受信されないと決定することと、
前記無線デバイスと前記受信機との間の第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することと
を含み、
前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定することは、前記第1の無線通信リンクを使用して前記フレームを前記受信機に送信することと、前記受信機による前記フレームの受信の確認応答が前記無線デバイスによって受信されなかったと決定することとを含み、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することが、前記第1の無線通信リンクを使用した前記フレームの送信に続く前記第1の無線通信リンクを介した前記フレームの再送信のためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することを含む、または
前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定することは、リッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施することと、前記第1の無線通信リンクに関連するチャネルが占有されていると決定することとを含み、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することが、前記第1の無線通信リンク上でのさらなるLBTプロシージャのためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することを含
み、
前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することは、前記第2の無線通信リンク上でLBTプロシージャを実施することと、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すると直ちに前記フレームを前記受信機に送信することとを含む、
方法。
【請求項2】
前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することは、前記受信機が前記第1の無線通信リンクおよび前記第2の無線通信リンクを介してフレームを受信することが可能であると決定することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の無線通信リンクおよび前記第2の無線通信リンクが、802.11無線通信リンクを備える、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項5】
フレームを受信機に送信するための装置であって、前記装置がプロセッサとメモリとを備え、前記メモリは、前記装置が、
前記フレームが前記装置と前記受信機との間の第1の無線通信リンクを介して前記受信機によって正常に受信されないと決定することと、
前記装置と前記受信機との間の第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することと
を行うように動作可能であるような、前記プロセッサによって実行可能な命令を含んでおり、
前記メモリは、前記装置が、
前記第1の無線通信リンクを使用して前記フレームを前記受信機に送信することと、前記受信機による前記フレームの受信の確認応答が前記
装置によって受信されなかったと決定することとによって、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すること、および、前記第1の無線通信リンクを使用した前記フレームの送信に続く前記第1の無線通信リンクを介した前記フレームの再送信のためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信すること、または
リッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施することと、前記第1の無線通信リンクに関連するチャネルが占有されていると決定することとによって、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すること、および、前記第1の無線通信リンク上でのさらなるLBTプロシージャのためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信すること
を行うように動作可能であるような、前記プロセッサによって実行可能な命令を含
み、
前記メモリは、前記装置が、前記第2の無線通信リンク上でLBTプロシージャを実施することと、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すると直ちに前記フレームを前記受信機に送信することとによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信するように動作可能であるような、前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、
装置。
【請求項6】
前記メモリは、前記装置が、前記受信機が前記第1の無線通信リンクおよび前記第2の無線通信リンクを介してフレームを受信することが可能であると決定することによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信するように動作可能であるような、前記プロセッサによって実行可能な命令を含んでいる、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の無線通信リンクおよび前記第2の無線通信リンクが、802.11無線通信リンクを備える、請求項
5または6に記載の装置。
【請求項8】
フレームを受信機に送信するための装置であって、前記装置は、
前記フレームが前記装置と前記受信機との間の第1の無線通信リンクを介して前記受信機によって正常に受信されないと決定することと、
前記装置と前記受信機との間の第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信することと
を行うように動作可能であり、
前記装置は、
前記第1の無線通信リンクを使用して前記フレームを前記受信機に送信することと、前記受信機による前記フレームの受信の確認応答が前記
装置によって受信されなかったと決定することとによって、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すること、および、前記第1の無線通信リンクを使用した前記フレームの送信に続く前記第1の無線通信リンクを介した前記フレームの再送信のためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信すること、または
リッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施することと、前記第1の無線通信リンクに関連するチャネルが占有されていると決定することとによって、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すること、および、前記第1の無線通信リンク上でのさらなるLBTプロシージャのためのバックオフ時間の満了の前に、前記フレームを前記受信機に送信することによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信すること
を行うように動作可能であ
り、
前記装置は、前記第2の無線通信リンク上でLBTプロシージャを実施することと、前記フレームが前記受信機によって正常に受信されないと決定すると直ちに前記フレームを前記受信機に送信することとによって、前記第2の無線通信リンクを介して前記フレームを前記受信機に送信するように動作可能である、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例は、フレームを受信機に送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11では、(いくつかの例では局またはSTAと呼ばれる)無線デバイスが、データフレームを送信する第1の試みを行う前に、STAは、リッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施することによって、使用されることを意図された送信チャネルがアイドルであることを保証する必要がある。他の送信との衝突を回避するために、STAは、ランダムバックオフ時間を選択する。STAは、STAが送信することができる前に、バックオフ時間と同程度の長さの(間欠であり得る)総持続時間の間、アイドルチャネルを監視する必要がある。このバックオフ時間は、スロットサイズ(一般に9μs)×0から初期競合ウィンドウ(CW)の間で引き出されるランダム整数である。拡張分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータに応じて、初期CWのサイズが変動し得る。バックグラウンドデータトラフィックの場合、初期CWは、2n-1であり、n=4である。
【0003】
たとえば、衝突などにより、データフレームの送信が失敗した場合、STAは再送信を試みる。再送信におけるあらゆる試みについて、nの値は、1だけ増加される。たとえば、バックグラウンドデータトラフィックを仮定すると、これは、第1の再送信のためのCWが、25-1=31になることを意味する。バックオフパラメータは、スロットサイズ×0からCWの間で一様に選択されるランダム整数であるので、平均して、第1の再送信のためのチャネルアクセスが、第1の送信の場合よりも長い時間を要することになる。第2の試みられた再送信の場合、第1の再送信試みが失敗したと仮定すると、nの値は、バックグラウンドデータトラフィックの例では、CWが26-1=63になるように、同じく1だけ増加される。各再送信試みについて、このプロシージャは、最大競合ウィンドウ値CWmaxまで継続する。バックグラウンドトラフィックの場合、この値は、210-1=1023である。IEEE802.11におけるバックオフ機構に関するさらなる詳細が、参照により本明細書に組み込まれる、IEEE規格802.11(商標)-2016におけるセクション「10.3.3 ランダムバックオフ時間」において見つけられ得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、無線デバイスにおける、フレームを受信機に送信する方法を提供する。本方法は、フレームが、無線デバイスと受信機との間の第1の無線通信リンクを介して受信機によって正常に受信されないと決定することと、無線デバイスと受信機との間の第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することとを含む。
【0005】
本開示のさらなる態様は、フレームを受信機に送信するための装置を提供する。本装置は、プロセッサとメモリとを備える。メモリは、本装置が、フレームが本装置と受信機との間の第1の無線通信リンクを介して受信機によって正常に受信されないと決定することと、本装置と受信機との間の第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することとを行うように動作可能であるような、プロセッサによって実行可能な命令を含んでいる。
【0006】
本開示の追加の態様は、フレームを受信機に送信するための装置を提供する。本装置は、フレームが本装置と受信機との間の第1の無線通信リンクを介して受信機によって正常に受信されないと決定することと、本装置と受信機との間の第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することとを行うように動作可能である。
【0007】
本開示の例をより良く理解するために、および本開示の例がどのように実現され得るかをより明らかに示すために、次に、単に例として、以下の図面への参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】無線デバイスにおける、フレームを受信機に送信する方法の一例のフローチャートである。
【
図2】フレームを受信機に送信するための装置200の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は、限定ではなく説明の目的で、特定の実施形態または例など、具体的な詳細を記載する。他の例が、これらの具体的な詳細から離れて採用され得ることが当業者によって諒解されよう。いくつかの事例では、よく知られている方法、ノード、インターフェース、回路、およびデバイスの詳細な説明が、不要な詳細で説明を不明瞭にしないように省略される。説明される機能が、ハードウェア回路(たとえば、特殊な機能を実施するために相互接続されたアナログおよび/または個別論理ゲート、ASIC、PLAなど)を使用して、ならびに/あるいは1つまたは複数のデジタルマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータとともにソフトウェアプログラムおよびデータを使用して、1つまたは複数のノードにおいて実装され得ることを、当業者は諒解されよう。また、エアインターフェースを使用して通信するノードは、好適な無線通信回路を有する。その上、適切な場合、本技術は、加えて、本明細書で説明される技法をプロセッサに行わせることになるコンピュータ命令の適切なセットを含んでいる、固体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、任意の形態のコンピュータ可読メモリ内で完全に具現されると見なされ得る。
【0010】
ハードウェア実装形態は、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェアと、縮小命令セットプロセッサと、限定はしないが、(1つまたは複数の)特定用途向け集積回路(ASIC)および/または(1つまたは複数の)フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むハードウェア(たとえば、デジタルまたはアナログ)回路と、(適切な場合)そのような機能を実施することが可能な状態機械とを含むかまたは包含し得る。
【0011】
802.11規格の発展においてマルチリンク動作が考慮される。マルチリンク動作は、2つのデバイス(たとえば、送信機および受信機、またはSTAなど2つの無線デバイス)の間の複数のリンクを介した複数の同時送信を可能にし得る。リンクは、たとえば、チャネル、サブチャネル、またはリソースユニットであり得る。リンクはまた、いくつかの例では、異なる周波数帯域中に、たとえば、2.4GHz帯域中にあるリンク、および5GHz帯域中に別のリンクがあり得る。
【0012】
本開示のいくつかの例では、デバイスが、デバイスと受信機との間の第1のリンク上でフレームを受信機に送信することを試み得るが、フレームは正常に受信されない。これは、たとえば、衝突によるものであり得るか、あるいは、代替的に、フレームは、送信されるが、確認応答が受信機によって返されないか、または否定応答が受信機によって返され得る。デバイスは、次いで、第1のリンクとは異なる第2のリンク上でフレームを送信し(または、送信する試みを行い)得る。第2のリンクは、たとえば、第1のリンクと同時にアクティブであり得る。いくつかの例では、フレームは、第1のリンク上の第1のフレームの再送信(または第2の送信試み)に関連するバックオフ時間の満了の前に送信され得る(または送信する試みが開始され得る)。リンクは、同じ技術または規格(たとえば、同じ802.11規格)を使用し得るか、あるいは、いくつかの例では、異なる無線通信技術または規格を使用し得る。
【0013】
いくつかの例では、デバイスは、受信機へのデータ転送のために1つのリンクを使用し得、第2のリンクを使用しないことがある。
【0014】
図1は、無線デバイスにおける、フレームを受信機に送信する方法100の一例のフローチャートである。方法は、ステップ102において、フレームが無線デバイスと受信機との間の第1の無線通信リンクを介して受信機によって正常に受信されないと決定することを含む。これは、たとえば、フレームが、たとえば、LBT失敗、(たとえば、ある時間期間における)LBT失敗の数、または何らかの他の理由のために、無線デバイスによって送信されなかったと決定することによって決定され得る。LBT失敗は、ここでは、たとえば、LBTプロシージャが衝突を指示すること、またはチャネルが現在占有されていることを意味し得る。代替的に、フレームは、無線デバイスによって送信されていることがあり、(たとえば、ある時間期間において)確認応答が受信されないかまたは正常に受信されない、あるいは、否定応答、またはフレームが受信機において正常受信されなかったという何らかの他の指示が、受信される。いくつかの例では、第1のリンクおよび第2のリンクは、802.11無線通信リンクであり得る。
【0015】
方法のステップ104は、無線デバイスと受信機との間の第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することを含む。いくつかの例では、同じデバイス(たとえば、無線デバイスおよび受信機)間の各リンクが、EDCAパラメータの独立したセットを有し得る(これは、したがって、リンク間で同じであるかまたは異なり得る)。いくつかの例では、リンクは、同時にアクティブ(たとえば、使用可能)であり得るが、他の例では、リンクは、同時にアクティブでないことがある(たとえば、リンクは、たとえば、セットアップまたはアクティブ化を必要とし得る)。いくつかの例では、無線デバイスは、第1のリンクと第2のリンクの両方上で同時に送信することが可能であり得る。しかしながら、他の例では、無線デバイスは、たとえば、ハードウェア制限(たとえば、1つの送信機チェーンのみ)により、同時に両方のリンク上で送信することが可能でないことがある。しかしながら、いくつかの例では、両方のリンクは、無線デバイスが両方のリンク上で同時に送信することができない場合でも、アクティブであると見なされ得る。いくつかの例では、無線デバイスと受信機は両方とも局またはSTAであり得る。
【0016】
方法100のいくつかの例では、フレームは、送信されるが、受信機によって確認応答されない(または否定応答される)ことがある。したがって、フレームが受信機によって正常に受信されないと決定することは、いくつかの例では、第1の無線通信リンクを使用してフレームを受信機に送信することと、受信機によるフレームの受信の確認応答が無線デバイスによって受信されなかったと決定することとを含み得る。確認応答が受信されなかったと決定することは、否定応答(またはフレームが受信機において正常に受信または復号されなかったという何らかの他の指示)が代わりに受信されたと決定することを含み得る。いくつかの例では、第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することは、第1の無線通信リンクを使用したフレームの送信に続く第1の通信リンクを介したフレームの再送信のためのバックオフ時間の満了の前に、フレームを受信機に送信することを含み得る。したがって、たとえば、フレームは、フレームが第1のリンク上で再送信される(すなわち、送信において別の試みが行われる)場合よりも短い遅延を伴って第2のリンク上で送信され得る(または、フレームを送信するための試みが行われ得る)。
【0017】
いくつかの例では、フレームが受信機によって正常に受信されないと決定することは、第1の無線通信リンクに関連するチャネルが占有されていると決定することを含む。したがって、フレームは、いくつかの例では、送信されないことがある。第1の無線通信リンクに関連するチャネルが占有されていると決定することは、リッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施することを含み得る。いくつかの例では、第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することは、第1の無線通信リンク上でのさらなるLBTプロシージャのためのバックオフ時間の満了の前に、フレームを受信機に送信することを含む。したがって、たとえば、フレームは、フレームが第1のリンク上で再送信される(すなわち、送信において別の試みが行われる)場合よりも短い遅延を伴って第2のリンク上で送信され得る(または、フレームを送信するための試みが行われ得る)。
【0018】
第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することは、いくつかの例では、フレームが受信機によって正常に受信されないと決定すると直ちにフレームを受信機に送信することを含み得る。したがって、いくつかの例では、再送信(すなわち、前に正常に送信されなかったフレーム)のためのレイテンシ低減があり得る。いくつかの例では、第1のリンクと第2のリンクとの間の負荷分散もあり得る。
【0019】
いくつかの例では、第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することは、受信機が第1の無線通信リンクおよび第2の無線通信リンクを介してフレームを受信することが可能であると決定すること(たとえば、受信機がマルチリンク対応であると決定すること)を含む。この決定は、たとえば、第2の通信リンク上でフレームを送信する試みの前に行われ得、たとえば、第2の通信リンクがセットアップまたはアクティブ化される前に行われ得る。受信機が両方のリンクを介してフレームを受信することができるかどうかは、たとえば、無線デバイスと受信機との間の関連付けプロセス、受信機の能力に関係する情報が交換された前のメッセージ交換、または抽出された能力の指示、あるいは受信機から前に受信されたフレームのヘッダから決定され得る。
【0020】
いくつかの例では、無線デバイスと受信機との間の3つまたはそれ以上のリンクがあり得る。そのような例では、フレームが第1のリンク上で正常に送信されない(または受信機によって受信されない)場合、無線デバイスは、フレームを送信する別の試みのために他の2つのリンクのうちの1つを選択し得る。いくつかの例では、第2のリンクは、他の2つのフレームから(または、さらにより多くのリンクがある場合、第1のリンクを除くリンクのうちのいずれかから)ランダムに選定され得る。そのような場合、受信機は、フレームのためのリンクのすべてを監視する必要があり得るか、または、いくつかの例では、選定されたリンクは、無線デバイスによって受信機に通信され得る。代替的に、たとえば、再送信試みのための次のリンクを選択するためにラウンドロビン方式が使用され得る。そのような場合、第2のリンクとして使用されるリンクが決定論的であり得るので、受信機は、2つのリンクを監視する必要があるにすぎない(または、受信機がどの(1つまたは複数の)リンクを監視すべきかを通知される必要がないことがある)。
【0021】
本開示の例のいくつかの代替形態では、受信機は、たとえば、2つ(またはそれ以上)の協調アクセスポイントなど、2つの協調デバイスを備え得る。各リンクは、無線デバイスとアクセスポイントの各々との間にあり得る。これらのアクセスポイントは、いくつかの例では、バックホールを通して接続され得る。そのような例では、各アクセスポイントは、1つのリンク上でのみ無線デバイスからフレームを受信し得るので、各アクセスポイントは、マルチリンク対応であることもマルチリンク対応でないこともある。
【0022】
図2は、フレームを受信機に送信するための装置200の一例の概略図である。装置200は、処理回路202(たとえば、1つまたは複数のプロセッサ)と、処理回路202と通信しているメモリ204とを備える。メモリ204は、処理回路202によって実行可能な命令を含んでいる。装置200は、処理回路202と通信しているインターフェース206をも備える。インターフェース206と、処理回路202と、メモリ204とは、直列に接続されて示されているが、これらは、代替的に、任意の他のやり方で、たとえば、バスを介して相互接続され得る。
【0023】
一実施形態では、メモリ204は、装置200が、フレームが装置と受信機との間の第1の無線通信リンクを介して受信機によって正常に受信されないと決定することと、装置と受信機との間の第2の無線通信リンクを介してフレームを受信機に送信することとを行うように動作可能であるような、処理回路202によって実行可能な命令を含んでいる。いくつかの例では、装置200は、
図1を参照しながら上記で説明された方法100を行うように動作可能である。
【0024】
上述の例は本発明を限定するのではなく例示するものであること、および、当業者であれば添付の記述の範囲から逸脱することなく、多くの代替例を設計することが可能となることに留意されたい。「含む、備える(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に列挙されているエレメントまたはステップ以外の、エレメントまたはステップの存在を除外せず、「a」または「an」は複数を除外せず、単一のプロセッサまたは他のユニットが、以下の記述に具陳されているいくつかのユニットの機能を果たし得る。「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語が使用される場合、それらは、単に、特定の特徴の好都合な識別のための標示として理解されるべきである。特に、それらは、別段に明記されていない限り、複数のそのような特徴のうちの第1の特徴または第2の特徴(すなわち、時間または空間において発生することになる、そのような特徴のうちの第1のものまたは第2のもの)を記述するものとして解釈されるべきでない。本明細書で開示された方法におけるステップは、別段に明確に述べられていない限り、任意の順序で行われ得る。記述におけるいかなる参照符号も、それらの範囲を限定するものと解釈されるべきではない。