(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】振動子を含むエアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/10 20200101AFI20241008BHJP
A24F 40/05 20200101ALI20241008BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20241008BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20241008BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/05
A24F40/57
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2022534339
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 KR2022004118
(87)【国際公開番号】W WO2022211365
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0042813
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066822
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チュン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0146353(US,A1)
【文献】特表2020-535846(JP,A)
【文献】特表2020-509738(JP,A)
【文献】実開昭62-144580(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/10
A24F 40/05
A24F 40/57
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
本体と、
前記本体と着脱自在に結合されるカートリッジと、を含み、
前記本体は、
第1電圧値を有するバッテリ電圧を供給するバッテリと、
前記第1電圧値よりも大きい第2電圧値を有する第1ブースト電圧に前記バッテリ電圧を昇圧する第1ブースト回路と、
ピークツーピーク(peak-to-peak)電圧値であり、前記第2電圧値よりも大きい第3電圧値を有する第2ブースト電圧に前記第1ブースト電圧を昇圧する第2ブースト回路と、
前記バッテリ、前記第1ブースト回路及び前記第2ブースト回路を制御するプロセッサと、を含み、
前記カートリッジは、
前記第2ブースト電圧によって超音波振動を発生させ、エアロゾル生成物質を霧化する振動子と、
前記振動子と並列に連結されて前記第2ブースト回路から前記振動子に印加される交流電圧に含まれたノイズを除去またはフィルタリングするための抵抗と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第2電圧値は、前記第1電圧値の少なくとも3倍以上であり、
前記第3電圧値は、前記第2電圧値の少なくとも4倍以上である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記バッテリ電圧及び前記第1ブースト電圧は、DC(direct current)電圧であり、前記第2ブースト電圧は、AC(alternating current)電圧である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第2ブースト回路は、
一端に前記第1ブースト電圧が印加され、他端が前記振動子の一端に連結される第1インダクタと、
前記プロセッサから受信される第1PWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいて第1スイッチング電圧を生成する第1電力FET(Field Effect Transistor)と、
前記第1インダクタの前記他端と連結され、前記第1スイッチング電圧によって前記第1インダクタと接地との間の電流フローをスイッチングする第1トランジスタと、を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第1トランジスタは、
ゲート端子で受信された前記第1スイッチング電圧によって、接地に連結されたソース端子と前記第1インダクタの前記他端に連結されたドレイン端子との間の電流フローをスイッチングする半導体スイッチを含む、請求項
4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第2ブースト回路は、
一端に前記第1ブースト電圧が印加され、他端が前記振動子の他端に連結される第2インダクタと、
前記プロセッサから受信される第2PWM信号に基づいて第2スイッチング電圧を生成する第2電力FETと、
前記第2インダクタの前記他端と連結され、前記第2スイッチング電圧によって前記第2インダクタと接地との間の電流フローをスイッチングする第2トランジスタと、をさらに含む、請求項
4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第1PWM信号及び前記第2PWM信号は、相補的(complementary)である、請求項
6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記第1スイッチング電圧が第1状態であり、前記第2スイッチング電圧が第2状態である場合、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタのうち、1つのインダクタと接地との間には電流が流れるが、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタのうち、他の1つのインダクタと接地との間には、電流が流れないので、前記1つのインダクタを介して流れる電流の変化に対応するエネルギーは、前記1つのインダクタに保存され、前記他の1つのインダクタに保存されていたエネルギーは、前記振動子に伝達される、請求項
6に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子を含むエアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成する方式を代替して非燃焼方式でエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質から非燃焼方式でエアロゾルを生成してユーザに供給することができる。
【0003】
超音波振動を用いるエアロゾル生成装置は、振動子に交流電圧を印加して超音波振動を発生させ、超音波振動を介してエアロゾル生成物質を微粒子化することができる。エアロゾル生成物質が微粒子化されて放出されることにより、エアロゾルが生成されうる。一方、振動子が安定して効率的に駆動されるためには、エアロゾル生成装置のバッテリの電圧(例えば、3.4V~4.2V)よりもさらに高い交流電圧(例えば、55V~70V)が振動子に印加されなければならない。したがって、全体回路サイズまたは、全般的な電力消耗を過度に増加させずとも、高い交流電圧を振動子に印加するための技術が要求されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、振動子を含むエアロゾル生成装置及びその動作方法を提供する。
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によれば、第1電圧値を有するバッテリ電圧を供給するバッテリ;前記第1電圧値よりも大きい第2電圧値を有する第1ブースト電圧に前記バッテリ電圧を昇圧する第1ブースト回路;ピークツーピーク(peak-to-peak)電圧値であり、前記第2電圧値よりも大きい第3電圧値を有する第2ブースト電圧に前記第1ブースト電圧を昇圧する第2ブースト回路;前記第2ブースト電圧によって超音波振動を発生させ、エアロゾル生成物質を霧化する振動子;及び前記バッテリ、前記第1ブースト回路及び前記第2ブースト回路を制御するプロセッサ;を含む、エアロゾル生成装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、振動子を含むエアロゾル生成装置及びその動作方法を提供することができる。具体的に、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、第1ブースト回路を用いてバッテリ電圧を第1ブースト電圧に昇圧し、第2ブースト回路を用いて第1ブースト電圧を第2ブースト電圧に昇圧し、第2ブースト電圧を振動子に印加する。第1ブースト回路は、全体的な回路サイズの過度な増加を防ぐために、適正な昇圧率ほどバッテリ電圧を1次的に昇圧するDC-DCコンバータ回路を含んでもよい。また、第2ブースト回路は、インダクタの逆起電力を用いるスイッチング回路を用いて、直流電圧を交流電圧に変換するだけでなく、2次的な昇圧効果を獲得することができる。
【0008】
したがって、本発明の一実施例によれば、複数のDC-DCコンバータ回路をカスケード(cascade)方式で結合するか、一回に10倍以上に昇圧可能なコンバータ回路を使用する場合に比べて、全体回路のサイズまたは全般的な電力消耗を過度に増加させずとも、高い電圧値を有する交流電圧を振動子に印加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図2】一実施例によるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図3】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示す図面である。
【
図4】一実施例による第1ブースト回路を示す回路図である。
【
図5】一実施例による第2ブースト回路を示す回路図である。
【
図6】一実施例によるPWM信号を示す図面である。
【
図7】一実施例による第2ブースト回路の動作を説明するための図面である。
【
図8】一実施例による第2ブースト回路の動作を説明するための図面である。
【
図9】一実施例による振動子に印加される電圧の変化を示すグラフである。
【
図10】一実施例によるカートリッジの回路構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一側面によれば、エアロゾル生成装置は、第1電圧値を有するバッテリ電圧を供給するバッテリ;前記第1電圧値よりも大きい第2電圧値を有する第1ブースト電圧に前記バッテリ電圧を昇圧する第1ブースト回路;ピークツーピーク(peak-to-peak)電圧値であり、前記第2電圧値よりも大きい第3電圧値を有する第2ブースト電圧に前記第1ブースト電圧を昇圧する第2ブースト回路;前記第2ブースト電圧によって超音波振動を発生させ、エアロゾル生成物質を霧化する振動子;及び前記バッテリ、前記第1ブースト回路及び前記第2ブースト回路を制御するプロセッサ;を含む。
【0011】
一例において、前記第2電圧値は、前記第1電圧値の少なくとも3倍以上であり、前記第3電圧値は、前記第2電圧値の少なくとも4倍以上でもある。
【0012】
前記バッテリ電圧及び前記第1ブースト電圧は、DC(direct current)電圧であり、前記第2ブースト電圧は、AC(alternating current)電圧でもある。
【0013】
前記第1ブースト回路は、前記バッテリ電圧が印加される入力端子、前記入力端子と、パワーインダクタを介して連結されるスイッチ端子、基準電圧端子、及び前記第1ブースト電圧を出力する出力端子を含むDC-DCコンバータ;一端が前記出力端子に連結され、他端が前記基準電圧端子に連結される第1抵抗;並びに一端が前記基準電圧端子に連結され、他端が接地に連結される第2抵抗を含む。
【0014】
前記第1ブースト回路は、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の比率に基づいて前記第1ブースト電圧を出力する。
【0015】
前記第2ブースト回路は、一端に前記第1ブースト電圧が印加され、他端が前記振動子の一端に連結される第1インダクタ;前記プロセッサから受信される第1 PWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいて第1スイッチング電圧を生成する第1電力FET(Field Effect Transistor);及び前記第1インダクタの前記他端と連結され、前記第1スイッチング電圧によって前記第1インダクタと接地との間の電流フローをスイッチングする第1トランジスタ;を含む。
【0016】
前記第1トランジスタは、ゲート端子で受信された前記第1スイッチング電圧の状態によって、接地に連結されたソース端子と、前記第1インダクタの前記他端に連結されたドレイン端子との間の電流フローをスイッチングする半導体スイッチを含む。
【0017】
また、前記第1電力FETは、前記第1ブースト電圧が印加されるVIN端子、及び前記第1電圧値よりも大きい第4電圧値を有する駆動電圧が印加されるVDD端子を含む。
【0018】
前記第2ブースト回路は、一端に前記第1ブースト電圧が印加され、他端が前記振動子の他端に連結される第2インダクタ;前記プロセッサから受信される第2 PWM信号に基づいて第2スイッチング電圧を生成する第2電力FET;及び前記第2インダクタの前記他端と連結され、前記第2スイッチング電圧によって前記第2インダクタと接地との間の電流フローをスイッチングする第2トランジスタ;をさらに含む。
【0019】
前記第1 PWM信号及び前記第2 PWM信号は、相補的(complementary)でもある。
【0020】
前記第1スイッチング電圧が第1状態であり、前記第2スイッチング電圧が第2状態である場合、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタのうち、1つのインダクタと接地との間には、電流が流れるが、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタのうち、他の1つのインダクタと接地との間には、電流が流れないので、前記1つのインダクタを介して流れる電流の変化に対応するエネルギーは、前記1つのインダクタに保存され、前記他の1つのインダクタに保存されていたエネルギーは、前記振動子に伝達されうる。
【0021】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、該当する発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0022】
明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「...部」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによっても具現される。
【0023】
本発明で使用されたように「少なくとも1つ」のような表現は、構成要素のリストに先行するとき、構成要素の全体リストを限定し、リストの個別的な構成要素を限定しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b及びc」を含むと理解されうる。
【0024】
また、本発明で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用されうる。
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態によっても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
図1は、一実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0027】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、霧化器120、センサ130、ユーザインターフェース140、メモリ150及びプロセッサ160を含む。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、
図1に示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置10の設計によって、
図1に示されたハードウェア構成の一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうるということを、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0028】
一例として、エアロゾル生成装置10は、本体を含み、その場合、エアロゾル生成装置10に含まれたハードウェア要素は、本体に位置する。
【0029】
他の実施例として、エアロゾル生成装置10は、本体及びカートリッジを含み、エアロゾル生成装置10に含まれたハードウェア要素は、本体及びカートリッジに分配されて位置する。または、エアロゾル生成装置10に含まれたハードウェア要素のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置しうる。
【0030】
以下、エアロゾル生成装置10に含まれた各要素の位置を限定せず、各要素の動作について説明する。
【0031】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、霧化器120がエアロゾル生成物質を霧化させるように、電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置10内に備えられた他のハードウェア要素、例えば、センサ130、ユーザインターフェース140、メモリ150及びプロセッサ160の動作に必要な電力を供給する。バッテリ110は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。
【0032】
例えば、バッテリ110は、ニッケル系バッテリ(例えば、ニッケル金属ハイドライドバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ)、またはリチウム系バッテリ(例えば、リチウムコバルトバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、チタン酸リチウムバッテリまたはリチウムポリマーバッテリ)でもある。但し、エアロゾル生成装置10に使用されうるバッテリ110の種類は、上述したところによって制限されない。必要によって、バッテリ110は、アルカリバッテリ、またはマンガンバッテリを含んでもよい。
【0033】
霧化器120は、プロセッサ160の制御によってバッテリ110から電力を供給される。霧化器120は、バッテリ110から電力を供給され、エアロゾル生成装置10に保存されたエアロゾル生成物質を霧化させうる。
【0034】
霧化器120は、エアロゾル生成装置10の本体に位置する。または、エアロゾル生成装置10が本体及びカートリッジを含む場合、霧化器120は、カートリッジに位置するか、本体及びカートリッジに分けられて位置する。霧化器120がカートリッジに位置する場合、霧化器120は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ110から電力を供給されうる。また、霧化器120が本体及びカートリッジに分けられて位置する場合、霧化器120で電力供給が必要な部品は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ110から電力を供給されうる。
【0035】
霧化器120は、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質からエアロゾル(aerosol)を発生させる。エアロゾルは、気体中に液体及び/または固体微粒子が分散されている浮遊物を意味する。したがって、霧化器120から発生するエアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態を意味する。例えば、霧化器120は、エアロゾル生成物質の相(phase)を気化及び/または昇華を通じて気相に変換させうる。また、霧化器120は、液相及び/または固相のエアロゾル生成物質を微粒子化して放出することで、エアロゾルを生成させうる。
【0036】
例えば、霧化器120は、超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0037】
図1に示されていないが、霧化器120は、熱を発生させることで、エアロゾル生成物質を加熱するヒータを選択的に含んでもよい。エアロゾル生成物質は、ヒータによって加熱され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0038】
ヒータは、任意の適した電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。またヒータは、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0039】
例えば、一実施例において、ヒータは、カートリッジの一部でもある。またカートリッジは、後述する液体伝達手段及び保存槽を含んでもよい。保存槽に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータは、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータは、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0040】
他の例として、エアロゾル生成装置10は、シガレットを収容することができる収容空間を含み、ヒータは、エアロゾル生成装置10の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置10の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータは、シガレットの内部及び/または、外部に位置することができる。これにより、ヒータは、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0041】
一方、ヒータは、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータは、交番磁場を誘導するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、交番磁場によって加熱されうるサセプタが含まれうる。
【0042】
エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ130を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ130でセンシングされた結果は、プロセッサ160に伝達され、センシング結果によってプロセッサ160は、霧化器120の動作制御、喫煙の制限、カートリッジ(または、シガレット)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるようにエアロゾル生成装置10を制御する。
【0043】
例えば、少なくとも1つのセンサ130は、パフ感知センサを含んでもよい。パフ感知センサは、外部から流入される気流の流量(flow)変化、圧力変化、及び音の検出のうち、少なくとも1つに基づいて、ユーザのパフを感知する。パフ感知センサは、ユーザのパフ開始時点及び終了時点を検出し、プロセッサ160は、検出されたパフ開始時点及び終了時点によってパフ期間(puff period)及び非パフ(non-puff)期間を判断する。
【0044】
また、少なくとも1つのセンサ130は、ユーザ入力センサを含む。ユーザ入力センサは、スイッチ、物理的ボタン、タッチセンサのようにユーザの入力を受信するセンサでもある。例えば、タッチセンサは、ユーザが金属材質によって形成された所定の領域をタッチする場合、キャパシタンス(capacitance)の変化が発生し、キャパシタンスの変化を検出することで、ユーザの入力を感知する静電容量型センサでもある。プロセッサ160は、静電容量型センサによって検出されるキャパシタンスの変化に基づいて、ユーザの入力発生有無を決定する。キャパシタンスの変化前後値が、既設定のしきい値を超過した場合、プロセッサ160は、ユーザの入力が発生したと決定する。
【0045】
また、少なくとも1つのセンサ130は、モーションセンサを含む。モーションセンサを介してエアロゾル生成装置10の傾度、移動速度及び加速度のようなエアロゾル生成装置10の動きに係わる情報が獲得されうる。例えば、モーションセンサは、エアロゾル生成装置10が動く状態、エアロゾル生成装置10の停止状態、パフのためにエアロゾル生成装置10が所定範囲内の角度で傾いた状態、及び各パフ動作の間でパフ動作時とは異なる角度でエアロゾル生成装置10が傾いた状態に係わる情報を測定することができる。モーションセンサは、当該技術分野で知られた多様な方法を用いて、エアロゾル生成装置10の運動情報を測定する。例えば、モーションセンサは、x軸、y軸及びz軸の3方向の加速度を測定する加速度センサ、及び3方向の角速度を測定するジャイロセンサを含んでもよい。
【0046】
また、少なくとも1つのセンサ130は、近接センサを含む。近接センサは、接近する物体、あるいは近傍に存在する物体の有無または距離を電磁界の力または赤外線などを用いて機械的接触なしに検出するセンサを意味する。したがって、近接センサは、エアロゾル生成装置10に接近するユーザを検出することができる。
【0047】
また、少なくとも1つのセンサ130は、イメージセンサを含んでもよい。イメージセンサは、例えば、物体のイメージを獲得するためのカメラを含んでもよい。イメージセンサは、カメラによって獲得されたイメージに基づいて物体を認識することができる。プロセッサ160は、イメージセンサを介して獲得されたイメージを分析し、ユーザがエアロゾル生成装置10を使用するための状況であるか否かを決定する。例えば、ユーザがエアロゾル生成装置10を使用するために、エアロゾル生成装置10を唇あたりに接近させるとき、イメージセンサは、唇のイメージを獲得する。プロセッサ160は、獲得されたイメージを分析して唇と判断される場合、ユーザがエアロゾル生成装置10を使用するための状況であるか否かを決定する。これにより、エアロゾル生成装置10は、霧化器120を予め動作させるか、ヒータを予熱させうる。
【0048】
また、少なくとも1つのセンサ130は、エアロゾル生成装置10に使用される消耗品(例えば、カートリッジ、シガレットなど)の装着または脱去を感知する消耗品脱着センサを含みうる。例えば、消耗品脱着センサは、消耗品がエアロゾル生成装置10に接触したか否かを感知するか、イメージセンサによって消耗品が脱着されたか否かを判断する。また、消耗品脱着センサは、消耗品のマーカーと相互作用するコイルのインダクタンス値の変化を感知するインダクタンスセンサであるか、消耗品のマーカーと相互作用するキャパシタのキャパシタンス値の変化を感知するキャパシタンスセンサでもある。
【0049】
また、少なくとも1つのセンサ130は、温度センサを含む。温度センサは、霧化器120の振動子またはヒータ(または、エアロゾル生成物質)の温度を感知する。エアロゾル生成装置10は、振動子またはヒータの温度を感知する別途の温度センサを含むか、別途の温度センサを含む代わりに、ヒータ自体が温度センサの役割を遂行する。または、ヒータが温度センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置10に別途の温度センサがさらに含まれうる。また、温度センサは、振動子またはヒータだけではなく、エアロゾル生成装置10の印刷回路基板(PCB)、バッテリのような内部部品の温度も感知する。
【0050】
また、少なくとも1つのセンサ130は、エアロゾル生成装置10の周辺環境の情報を測定する多様なセンサを含んでもよい。例えば、少なくとも1つのセンサ130は、周辺環境の温度を測定する温度センサ、周辺環境の湿度を測定する湿度センサ、周辺環境の圧力を測定する大気圧センサなどを含む。
【0051】
エアロゾル生成装置10に備えられるセンサ130は、上述した種類に限定されず、多様なセンサをさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、ユーザ認証及び保安のために、ユーザの指から指紋情報を獲得する指紋センサ、瞳の虹彩パターンを分析する虹彩認識センサ、手の平を撮影したイメージから静脈内還元ヘモグロビンの赤外線吸収量を感知する静脈認識センサ、目、鼻、口及び顔面輪郭などの特徴点を2Dまたは3D方式で認識する顔面認識センサ、及びRFID(Radio-Frequency Identification)センサなどを含む。
【0052】
エアロゾル生成装置10は、前記例示された多様なセンサ130の例示の一部のみを選択的に含んでもよい。すなわち、エアロゾル生成装置10は、前記センサのうち、少なくとも1つ以上のセンサでセンシングされる情報を組み合わせて活用することができる。
【0053】
ユーザインターフェース140は、ユーザにエアロゾル生成装置10の状態に係わる情報を提供する。ユーザインターフェース140は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェースなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0054】
但し、エアロゾル生成装置10には、上の例示された多様なユーザインターフェース140の例示のうち、一部のみが取捨選択されて具現されうる。
【0055】
メモリ150は、エアロゾル生成装置10内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ150は、プロセッサ160で処理されたデータ及び処理されるデータを保存する。メモリ150は、DRAM(dynamicRandom access memory)、SRAM(staticRandom access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmableRead-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0056】
メモリ150には、エアロゾル生成装置10の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0057】
プロセッサ160は、エアロゾル生成装置10の全般的な動作を制御する。プロセッサ160は、多数の論理ゲートのアレイによって具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ160が異なる形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0058】
プロセッサ160は、少なくとも1つのセンサ130によってセンシングされた結果を分析してから遂行される処理を制御する。例えば、プロセッサ160は、少なくとも1つのセンサ130によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器120の動作が開始または終了されるように霧化器120に供給される電力を制御する。また、プロセッサ160は、少なくとも1つのセンサ130によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器120が適量のエアロゾルを発生させるように、霧化器120に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。例えば、プロセッサ160は、霧化器120の振動子が所定の周波数で振動するように、振動子に供給される電流または電圧を制御することができる。
【0059】
一実施例において、プロセッサ160は、エアロゾル生成装置10に対するユーザ入力を受信した後、霧化器120の動作を開始する。また、プロセッサ160は、パフ感知センサによってユーザのパフが感知されれば、霧化器120の動作を開始する。また、プロセッサ160は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、霧化器120に電力供給を中断させうる。
【0060】
プロセッサ160は、少なくとも1つのセンサ130によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース140を制御する。例えば、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ160は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いて、ユーザに、エアロゾル生成装置10がすぐ終了することを予告する。
【0061】
一方、
図1には、示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと結合され、エアロゾル生成システムを構成する。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ110を充電するのに用いられうる。例えば、エアロゾル生成装置10は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置10のバッテリ110を充電することができる。
【0062】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0063】
図2は、一実施例によるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0064】
図2に示された実施例によるエアロゾル生成装置10は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体25と、を含む。
【0065】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体25に結合する。一例として、カートリッジ20の少なくとも一部が本体25に挿入されることで、カートリッジ20と、本体25が結合する。他の例として、本体25の少なくとも一部がカートリッジ20に挿入されることで、カートリッジ20と、本体25が結合されうる。
【0066】
カートリッジ20と、本体25は、スナップフィット(snap-fit)方式、螺合方式、磁力結合方式または嵌合方式のうち、少なくとも1つの方式によって結合されるが、カートリッジ20と、本体25の結合方式が上述した例示に限定されるものではない。
【0067】
一実施例において、カートリッジ20は、ユーザの吸入過程でユーザの口腔に挿入されるマウスピース210を含んでもよい。一実施例において、マウスピース210は、カートリッジ20の一端部領域に配置され、他端部領域は、本体25と結合されうる。マウスピース210は、エアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出口210eを含んでもよい。
【0068】
ユーザの吸入またはパフ動作によってカートリッジ20の外部と内部との圧力差が発生し、カートリッジ20の内部と外部との圧力差によってカートリッジ20の内部で生成されたエアロゾルが排出口210eを介してカートリッジ20の外部に排出されうる。ユーザは、マウスピース210を介してエアロゾルを吸い込むことで、排出口210eを介してカートリッジ20の外部に排出されるエアロゾルを供給されうる。
【0069】
一実施例において、カートリッジ20は、ハウジング200の内部空間に位置し、エアロゾル生成物質を収容する保存槽220を含んでもよい。すなわち、保存槽220は、エアロゾル生成物質を直接収容する容器(container)の役割が行える。代案として、保存槽220は、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含む要素を含んでもよい。
【0070】
カートリッジ20は、例えば、液状や、固状や、気状や、ゲル(gel)状などのいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、タバコ含有物質を含む液体、揮発性タバコ香成分を含む液体、及び/または、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0071】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のいずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0072】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加されたグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0073】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置10の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0074】
エアロゾル生成装置10は、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を変換し、エアロゾル(aerosol)を発生させる霧化器120を含んでもよい。
【0075】
一例示として、保存槽220に保存または収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段230によって霧化器120に供給され、霧化器120は、液体伝達手段230から供給されたエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを生成させうる。液体伝達手段230は、例えば、コットン、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含む芯(wick)でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0076】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置10の霧化器120は、超音波振動によってエアロゾル生成物質を霧化させる超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換させうる。
【0077】
例えば、霧化器120は、短周期の振動を発生させる振動子を含み、振動子から生成される振動は、超音波振動でもある。超音波振動の周波数は、約100kHz~3.5MHzでもあるが、それに限定されるものではない。振動子から生成された短周期の振動によって保存槽220から霧化器120に供給されたエアロゾル生成物質は、気化及び/または粒子化されて、エアロゾルに霧化されうる。
【0078】
振動子は、例えば、圧電セラミックを含み、圧電セラミックは、物理的な力(例えば、圧力)によって電気(例えば、電圧)を発生させ、逆に電気が印加されるとき、振動(すなわち、機械的な力)を発生させることで、電気と機械的な力を相互変換することができる機能性材料でもある。振動子に電気が印加されることにより、短周期の振動(すなわち、物理的な力)が発生し、発生した振動は、エアロゾル生成物質を小粒子に分け出し、エアロゾルを生成させうる。
【0079】
振動子は、電気的連結部材を介してエアロゾル生成装置10の他の構成要素と電気的に連結されうる。例えば、振動子は、電気的連結部材を介してエアロゾル生成装置10のバッテリ110、プロセッサ160、または、エアロゾル生成装置10の回路のうち、少なくとも1つと電気的に連結されうるが、振動子と電気的に連結される構成要素が上述した例示に限定されるものではない。
【0080】
振動子は、電気的連結部材を介してバッテリ110から電流または電圧を供給されて超音波振動を発生させるか、プロセッサ160によって作動が制御されうる。
【0081】
電気的連結部材は、例えば、ポゴピン(Pogo Pin)またはCクリップのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、電気的連結部材が上述した例示に限定されるものではない。他の例として、電気的連結部材は、ケーブルまたは軟性印刷回路基板(FPCB)のうち、少なくとも1つを含む。
【0082】
他の実施例(図示せず)において、霧化器120は、別途の液体伝達手段230を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質に振動を伝達してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の振動収容部によっても具現される。
【0083】
図2は、液体伝達手段230及び霧化器120がカートリッジ20に配置される実施例を示すが、本発明は、それに制限されるものではない。他の実施例において、液体伝達手段230は、カートリッジ20に配置され、霧化器120は、本体25に配置されうる。
【0084】
エアロゾル生成装置10のカートリッジ20は、排出通路240を含む。排出通路240は、カートリッジ20の内部に形成され、霧化器120及びマウスピース210の排出口210eと流体連通することができる。これにより、霧化器120で発生したエアロゾルは、排出通路240に沿って流動し、排出口210eを介してエアロゾル生成装置10の外部に排出されてユーザに伝達されうる。
【0085】
例えば、排出通路240は、カートリッジ20の内部で保存槽220によって取り囲まれるように配置されうるが、それに限定されるものではない。
【0086】
図示されていないが、エアロゾル生成装置10のカートリッジ20は、エアロゾル生成装置10の外部に位置した空気(以下、「外部空気」)がエアロゾル生成装置10の内部に流入されるための少なくても1つの空気流入通路を含んでもよい。
【0087】
外部空気は、少なくとも1つの空気流入通路を介して排出通路240または霧化器120によって、エアロゾルが発生する空間に流入されうる。流入された外部空気は、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と混合され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0088】
カートリッジ20と、本体25の縦方向(すなわち、長手方向)と垂直な断面は、ほぼ円形、楕円形、正方形、長方形、またはさまざまな多角形のように、実施例によって異なる形状を有することができる。但し、エアロゾル生成装置10の断面の形状は、上述した形状に限定されない。また、本発明は、エアロゾル生成装置10の直線的に延びる構造に限定されない。
【0089】
他の実施例において、エアロゾル生成装置10は、ユーザが手で取りやすく流線形に湾曲されるか、特定領域で既定の角度に折り曲げられる。また、エアロゾル生成装置10の断面形状は、長手方向に沿って異なってもいる。
【0090】
図3は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示す図面である。
【0091】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置(例えば、
図1または、
図2のエアロゾル生成装置10)は、バッテリ110及びプロセッサ160以外にも、第1ブースト回路310及び第2ブースト回路320をさらに含んでもよい。
【0092】
図3及び後述する図面の実施例では、説明の便宜上、プロセッサ160、第1ブースト回路310及び第2ブースト回路320が別個の構成要素であると示されているが、本実施例の具現は、それに制限されない。すなわち、第1ブースト回路310及び第2ブースト回路320のうち、少なくとも1つは、プロセッサ160内に備えられた構成要素でもある。また、第1ブースト回路310及び第2ブースト回路320それぞれは、エアロゾル生成装置の本体(例えば、
図2の本体25)及びカートリッジ(例えば、
図2のカートリッジ20)の何処にも配置されうる。そのような変形は、本実施例の範囲に属するものと解釈されうる。
【0093】
バッテリ110は、第1電圧値を有するバッテリ電圧VBATを供給する。第1電圧値は、3.4V~4.2Vの範囲に含まれるが、それに制限されるものではない。第1電圧値は、3.8V~6Vの範囲または2.5V~3.6Vの範囲に含まれうる。携帯性のために、エアロゾル生成装置のサイズが制限されるところ、エアロゾル生成装置に含まれるバッテリ110のサイズも制限されうる。これにより、バッテリ110によって供給されるバッテリ電圧VBATの第1電圧値は、振動子を安定して効率よく駆動するのに不十分であり、バッテリ電圧VBATの昇圧が要求されうる。
【0094】
第1ブースト回路310は、バッテリ電圧V
BATを第1電圧値よりも大きい第2電圧値を有する第1ブースト電圧V
1に昇圧する。バッテリ電圧V
BAT及び第1ブースト電圧V
1は、DC(direct current)電圧でもある。第2電圧値は10V~13Vの範囲に含まれるが、それに制限されるものではない。第2電圧値は、7V~10.5Vの範囲または12V~20Vの範囲に含まれうる。一例において、第2電圧値は、第1電圧値の少なくとも3倍以上でもある。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。以下、
図4を参照して第1ブースト回路310についてさらに詳細に説明する。
【0095】
図4は、一実施例による第1ブースト回路を示す回路図である。
【0096】
図4を参照すれば、第1ブースト回路310は、バッテリ電圧V
BATが印加される入力端子VIN、入力端子VINと、パワーインダクタL0を介して連結されるスイッチ端子SW、基準電圧端子V
REF、及び第1ブースト電圧V
1を出力する出力端子V
OUTを含むDC-DCコンバータ410を含んでもよい。基準電圧端子V
REFは、DC-DCコンバータ410の基準電圧を示す。
【0097】
また、第1ブースト回路310は、一端が出力端子VOUTに連結され、他端が基準電圧端子VREFに連結される第1抵抗R1、及び一端が基準電圧端子VREFに連結され、他端が接地に連結される第2抵抗R2を含む。
【0098】
DC-DCコンバータ410は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の比率に基づいて第1ブースト電圧V1を出力する。例えば、DC-DCコンバータ410は、次の数式1によって第1ブースト電圧V1を出力端子VOUTに出力することができる。
【0099】
【0100】
一例において、DC-DCコンバータ410の入力端子にバッテリ電圧VBATが印加され、第1抵抗R1は、510kΩであり、第2抵抗R2は、42.5kΩであり、基準電圧端子VREFの電圧が1Vである場合、DC-DCコンバータ410は、前記数式1によって13Vの第1ブースト電圧V1を出力端子VOUTに出力する。
【0101】
当該例示において、バッテリ電圧VBATが4.2Vである場合、第1ブースト回路310は、バッテリ電圧VBATを3倍以上昇圧するものでもある。一方、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の比率によって第1ブースト回路310の昇圧率が異なるが、第1ブースト回路310は、過度に高い昇圧率を有さない。例えば、第1ブースト回路310は、バッテリ電圧VBATを3倍以上であるが、6倍を超えないように昇圧する。このように第1ブースト回路310は、全体的な回路サイズを過度に増加させないように、適正な昇圧率ほどバッテリ電圧VBATを昇圧することができる。
【0102】
再び
図3に戻って、第2ブースト回路320は、ピークツーピーク(peak-to-peak)電圧値であり、第2電圧値よりも大きい第3電圧値を有する第2ブースト電圧V
2に第1ブースト電圧V
1を昇圧することができる。第3電圧値は、55V~70Vの範囲に含まれうるが、それに制限されるものではない。第3電圧値は、45V~60Vの範囲、または65V~80Vの範囲に含まれうる。一例において、第3電圧値は、第2電圧値の少なくとも4倍以上でもある。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。以下、
図5を参照して、第2ブースト回路320についてさらに詳細に説明する。
【0103】
図5は、一実施例による第2ブースト回路を示す回路図である。
【0104】
図5を参照すれば、第2ブースト回路320は、第1駆動回路510及び第2駆動回路520を含んでもよい。第1駆動回路510及び第2駆動回路520は、後述するところのように、相補的な(complementary)PWM(Pulse Width Modulation)信号によって制御されるという点のみ異なり、互いに等しい構造を有する。第1駆動回路510の出力端子と第2駆動回路520の出力端子それぞれに振動子の一端または他端が連結され、第1駆動回路510の出力端子と第2駆動回路520の出力端子との間の電圧が振動子に印加される第2ブースト電圧V
2に対応しうる。第2ブースト電圧V
2は、AC(alternating current)電圧でもある。
【0105】
第1駆動回路510は、第1インダクタL1、第1電力FET(Field Effect Transistor)515及び第1トランジスタTR1を含む。第1インダクタL1は、第1ブースト電圧V
1が印加される一端及び振動子の一端に連結される他端を含む。第1電力FET515は、プロセッサ(例えば、
図1ないし
図3のプロセッサ160)から受信される第1PWM信号PWM_Pに基づいて第1スイッチング電圧V
SW_Pを生成させうる。第1トランジスタTR1は、第1インダクタL1の他端と連結され、第1スイッチング電圧V
SW_Pによって第1インダクタL1と接地との電流フローをスイッチングすることができる。
【0106】
第1電力FET515は、第1ブースト電圧V1が印加されるVIN端子、及び第1電圧値よりも大きい第4電圧値を有する駆動電圧VDDが印加されるVDD端子を含む。第4電圧値は、第1電力FET515を駆動するための電圧に対応するものであって、例えば、5Vでもある。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0107】
第1電力FET515は、VIN端子に第1ブースト電圧V1が印加されれば、第1PWM信号PWM_Pに基づいて第1スイッチング電圧VSW_Pを生成させうる。第1スイッチング電圧VSW_Pは、第1PWM信号PWM_Pに対応する周波数を有し、ハイ(HIGH)状態及びロー(LOW)状態を交番する電圧信号を意味する。第1電力FET515によって生成された第1スイッチング電圧VSW_Pは、第1トランジスタTR1の制御に用いられうる。
【0108】
第1トランジスタTR1は、ゲート端子で受信された第1スイッチング電圧VSW_Pによって、接地に連結されたソース端子と第1インダクタL1の他端に連結されたドレイン端子との間の電流フローをスイッチングする半導体スイッチを含む。例えば、第1トランジスタTR1は、NチャネルMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)によって具現されうる。但し、それに制限されるものではなく、第1トランジスタTR1は、NチャネルMOSFETではない、PチャネルMOSFETや他のタイプの半導体スイッチング素子によっても具現される。
【0109】
第2駆動回路520は、第2インダクタL2、第2電力FET525及び第2トランジスタTR2を含む。第2インダクタL2は、第1ブースト電圧V1が印加される一端及び振動子の他端に連結される他端を含む。第2電力FET525は、プロセッサから受信される第2PWM信号PWM_Nに基づいて第2スイッチング電圧VSW_Nを生成させうる。第2トランジスタTR2は、第2インダクタL2の他端と連結され、第2スイッチング電圧VSW_Nによって第2インダクタL2と接地との電流フローをスイッチングすることができる。
【0110】
第2電力FET525は、第1ブースト電圧V1が印加されるVIN端子、及び第1電圧値よりも大きい第4電圧値を有する駆動電圧VDDが印加されるVDD端子を含む。第4電圧値は、第2電力FET525を駆動するための電圧に対応するものであって、例えば、5Vである。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0111】
第2電力FET525は、VIN端子に第1ブースト電圧V1が印加されれば、第2PWM信号PWM_Nに基づいて第2スイッチング電圧VSW_Nを生成させうる。第2スイッチング電圧VSW_Nは、第2PWM信号PWM_Nに対応する周波数を有し、ハイ状態及びロー状態を交番する電圧信号を意味する。第2電力FET525によって生成された第2スイッチング電圧VSW_Nは、第2トランジスタTR2の制御に用いられうる。
【0112】
第2トランジスタTR2は、ゲート端子で受信された第2スイッチング電圧VSW_Nの状態によって、接地に連結されたソース端子と第2インダクタL2の他端に連結されたドレイン端子との間の電流フローをスイッチングする半導体スイッチを含む。例えば、第2トランジスタTR2は、NチャネルMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)によって具現されうる。但し、それに制限されるものではなく、第2トランジスタTR2は、NチャネルMOSFETではない、PチャネルMOSFETや他のタイプの半導体スイッチング素子によっても具現される。
【0113】
一方、第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2それぞれのゲート端子とソース端子との間の電圧VGSが増加するほど、第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2それぞれでソース端子とドレイン端子との間の電流フローが許容される場合の有効抵抗RDS(on)が小さくなる。ソース端子は、接地に連結されるので、第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2のゲート端子とソース端子との間の電圧VGSはそれぞれ第1スイッチング電圧VSW_P及び第2スイッチング電圧VSW_Nに対応しうる。例えば、電圧VGSが約6Vである場合の有効抵抗RDS(on)の最大値が約72mΩであり、一方、電圧VGSが約10Vである場合の有効抵抗RDS(on)の最大値は、約59mΩに減少する。したがって、第1スイッチング電圧VSW_P及び第2スイッチング電圧VSW_Nが約10V以上になるように、第1電力FET515及び第2電力FET525が制御され、これにより、全体的な回路の効率が増加しうる。但し、第1スイッチング電圧VSW_P及び第2スイッチング電圧VSW_Nは、20Vを超過しないように制限されうる。
【0114】
第1駆動回路510及び第2駆動回路520は、相補的なPWM信号(例えば、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_N)によってそれぞれ制御されることにより、振動子にブースティングされた交流電圧(例えば、第2ブースト電圧V
2)を印加することができる。以下、
図6ないし
図9を参照して、振動子に交流電圧が印加される過程について詳細に説明する。
【0115】
図6は、一実施例によるPWM信号を示す図面である。
【0116】
図6を参照すれば、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nの例示が示されている。第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nは、既設定の周期Tによってハイ状態及びロー状態を繰り返す。
【0117】
第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nは、相補的でもある。例えば、
図6に示されたように、第1PWM信号PWM_Pがハイ状態である場合、第2PWM信号PWM_Nは、ロー状態である。また、第1PWM信号PWM_Pがロー状態である場合、第2PWM信号PWM_Nは、ハイ状態である。
【0118】
一例において、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nそれぞれのデューティー比は50%である。その場合、t1は、0.5T、t2は、1.5T、t3は、2.5Tである。但し、必ずしもそれに制限されるものではなく、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nのデューティー比は他の値を有する。但し、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nは、相補的なので、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nのデューティー比の和は、100%にならなければならない。
【0119】
一方、第1PWM信号PWM_P及び第2PWM信号PWM_Nは、相補的なので、第1トランジスタTR1にハイ状態の第1スイッチング電圧VSW_Pが印加される場合、第2トランジスタTR2には、ロー状態の第2スイッチング電圧VSW_Nが印加されうる。また、第1トランジスタTR1にロー状態の第1スイッチング電圧VSW_Pが印加される場合、第2トランジスタTR2には、ハイ状態の第2スイッチング電圧VSW_Nが印加されうる。
【0120】
図7及び
図8は、一実施例による第2ブースト回路の動作を説明するための図面である。
【0121】
第1スイッチング電圧VSW_Pが第1状態(例えば、ハイまたはロー状態)であり、第2スイッチング電圧VSW_Nが第2状態(例えば、ローまたはハイ状態)である場合、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のうち、1つのインダクタと接地との間に電流が流れる。したがって、前記1つのインダクタを介して流れる電流の変化に対応するエネルギーが前記1つのインダクタに保存されうる。また、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のうち、他の1つのインダクタと接地との間の電流フローが遮断されるので、前記他の1つのインダクタに保存されていたエネルギーが振動子に伝達されうる。
【0122】
図7を参照すれば、第1スイッチング電圧V
SW_Pがハイ状態であり、第2スイッチング電圧V
SW_Nがロー状態である場合の第2ブースト回路320の等価回路が示されている。
【0123】
図7に示されたように、第1スイッチング電圧V
SW_Pがハイ状態である場合、第1トランジスタTR1のソース端子とドレイン端子との間の電流フローが許容されうる。これにより、第1インダクタL1と接地との間の電流フローが許容されうる。第1インダクタL1は、0ではない負荷値(例えば、キャパシタンス)を有する振動子Pとも連結されるが、接地の抵抗は、0であるか、実質的に0に近い。したがって、第1インダクタL1を介して流れる電流I
1は、実質的にいずれも接地に流れうる。一方、第1インダクタL1を介して電流I
1が流れるので、第1インダクタL1は、電流I
1に対応するエネルギーを保存する。
【0124】
第2スイッチング電圧VSW_Nがロー状態である場合、第2トランジスタTR2のソース端子とドレイン端子との間の電流フローが遮断されうる。これにより、第2インダクタL2に保存されていたエネルギーが振動子Pに供給されうる。例えば、振動子Pを介して流れる電流Iは、第2インダクタL2を介して流れる電流I2に対応しうる。
【0125】
図8を参照すれば、第1スイッチング電圧V
SW_Pがロー状態であり、第2スイッチング電圧V
SW_Nがハイ状態である場合の第2ブースト回路320の等価回路が示されている。
【0126】
図8に示されたように、第1スイッチング電圧V
SW_Pがロー状態である場合、第1トランジスタTR1のソース端子とドレイン端子との間の電流フローが遮断されうる。これにより、第1インダクタL1に保存されていたエネルギーが振動子Pに供給されうる。例えば、振動子Pを介して流れる電流Iは、第1インダクタL1を介して流れる電流I
1に対応しうる。
【0127】
第2スイッチング電圧VSW_Nがハイ状態である場合、第2トランジスタTR2のソース端子とドレイン端子との間の電流フローが許容されうる。これにより、第2インダクタL2と接地との間の電流フローが許容されうる。第2インダクタL2は、0ではない負荷値(例えば、キャパシタンス)を有する振動子Pとも連結されるが、接地の抵抗は、0であるか、実質的に0に近い。したがって、第2インダクタL2を介して流れる電流I2は、実質的にいずれも接地に流れうる。一方、第2インダクタL2を介して電流I2が流れるので、第2インダクタL2は、電流I2に対応するエネルギーを保存することができる。
【0128】
第1スイッチング電圧V
SW_P及び第2スイッチング電圧V
SW_Nそれぞれは、PWM信号に対応する周波数を有し、ハイ状態及びロー状態を繰り返す電圧信号に該当しうる。したがって、
図7及び
図8に基づいて前述したスイッチング状態が早く繰り返されうる。インダクタの逆起電力は、次の数式2のように、インダクタのインダクタンス値L及び経時的な電流の変化(dI/dt)に比例するのである。
【0129】
【0130】
したがって、第1ブースト電圧V1が高くなることにより、インダクタを介して流れる電流I自体が増加するか、スイッチング速度が高いほど(すなわち、PWM信号の周期が短いほど)振動子に高い電圧が印加されうる。
【0131】
前述したように、第2ブースト回路320は、第1駆動回路510及び第2駆動回路520を含み、第1駆動回路510の出力端子と第2駆動回路520の出力端子それぞれに振動子の一端または他端が連結されるフルブリッジ(Full-bridge)構造を有するところ、振動子にエネルギーが伝達される効率が大きく向上しうる。また、回路の全般的な電力消耗が過度に増加されず、かつ高い電圧値を有する交流電圧が振動子に印加されうる。
【0132】
図9は、一実施例による振動子に印加される電圧の変化を示すグラフである。
【0133】
図9を参照すれば、
図3ないし
図8を参照して説明した回路構成によるとき、振動子に印加される電圧の変化が示されている。
図9の例示において、振動子に印加される交流電圧のピークツーピーク電圧値は、55V~70V範囲に該当しうる。その範囲は、バッテリ電圧(例えば、3.4V~4.2V)より少なくとも13.1倍ないし最大20.6倍高い。このように、本発明によれば、全体回路のサイズまたは全般的な電力消耗を過度に増加させず、かつ高い電圧値を有する交流電圧が振動子に印加されうるということが分かる。
【0134】
また、
図3に戻って、振動子は、第2ブースト回路320から第2ブースト電圧V
2が印加されることにより、超音波振動を発生させ、エアロゾル生成物質を霧化することができる。プロセッサ160は、バッテリ110、第1ブースト回路310、及び第2ブースト回路320を制御することができる。例えば、プロセッサ160は、第1ブースト回路310に昇圧を指示するイネーブル信号を伝送し、第2ブースト回路320にイネーブル信号及びPWM信号を伝送することができる。
【0135】
図10は、一実施例によるカートリッジの回路構成を示す図面である。
【0136】
図10を参照すれば、振動子Pを含むカートリッジ(例えば、
図2のカートリッジ20)の回路構成が示されている。
【0137】
カートリッジは、外部電源(例えば、
図3の第2ブースト回路320)から振動子に交流電圧(例えば、第2ブースト電圧V
2)が印加される過程で発生するノイズを除去またはフィルタリングするための抵抗R
0を含む。例えば、抵抗R
0は、カートリッジに配置された印刷回路基板の一領域に実装(mounted)され、振動子と電気的に連結されうる。
【0138】
図10に示されたように、抵抗R
0は、振動子と電気的に並列に連結されるフィードバック回路を形成することで、振動子に印加される電圧信号に含まれたノイズを除去またはフィルタリングすることができる。例えば、抵抗R
0は、エアロゾル生成装置(例えば、
図1または
図2のエアロゾル生成装置10)の作動時(または「電源on」)に発生するノイズを除去して振動子に安定した電圧を印加させうる。また、抵抗R
0は、振動子に印加される交流電圧によって振動子と外部電源との間で発生するノイズを除去またはフィルタリングすることができる。これにより、ノイズによる振動子の損傷が防止され、カートリッジまたはエアロゾル生成装置が安定して作動されうる。
【0139】
一実施例によれば、抵抗R0は、約0.8MΩ~1.2MΩの抵抗値を有するように形成されて振動子に印加される電圧信号に含まれたノイズを除去することができる。但し、抵抗R0の抵抗値は、実施例によって一部変更されてもよい。
【0140】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解する。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれるものと解釈されねばならない。