(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】行動異常を軽減する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/747 20150101AFI20241008BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20241008BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20241008BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20241008BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241008BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20241008BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20241008BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K35/747
A61K31/138
A61K31/496
A61K31/517
A61K45/00
A61P25/14
A61P25/20
A61P25/22
(21)【出願番号】P 2022557923
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2020081020
(87)【国際公開番号】W WO2021189279
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年4月11日発行、Nutrients 2019,11,820,pp.1-16にて公開
【微生物の受託番号】DSMZ DSM 28632
(73)【特許権者】
【識別番号】519010189
【氏名又は名称】ベネド バイオメディカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イン-ジェ・ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】チン-リン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】チェン-チェン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】チ-ジェ・シュー
【審査官】原口 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-213501(JP,A)
【文献】YAKUGAKU ZASSHI,2019年,Vol.139, No.11,p.1391-1396
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/747
A61K 31/138
A61K 31/496
A61K 31/517
A61K 45/00
A61P 25/14
A61P 25/20
A61P 25/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
Science Direct
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要のある対象における1つ以上の行動異常を軽減するという使用のための組成物であって、前記対象が7歳~12歳の神経発達障害を患っている個体であり、前記組成物が、有効量のラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128およびその担体を含み、
1つ以上の行動異常の軽減が、反抗性もしくは挑戦性の行動の軽減、不安レベルの軽減、規則違反行動の軽減、注意欠損の軽減、多動性もしくは衝動性の行動の軽減、またはそれらの組み合わせを含む、組成物。
【請求項2】
前記神経発達障害が、不安、自閉症、自閉症スペクトラム障害(ASD)、ASDの症状を有する精神状態、トゥレット症候群、強迫性障害、注意欠損多動性障害、反抗挑戦性障害、アスペルガー症候群症候群、小児期崩壊性障害またはレット症候群である、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
前記神経発達障害が、自閉症または自閉症スペクトラム障害(ASD)である、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記個体における1つ以上の行動異常の軽減が、台湾版の異常行動チェックリスト(ABC-T)、小児行動チェックリスト(CBCL)、臨床的総合印象改善度(CGI-I)、臨床的総合印象重症度(CGI-S)、台湾版のSwanson、Nolan and Pelham(SNAP)-IV(SNAP-IV)、社会的反応性スケール(SRS)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される標準的な行動評価によって決定される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記ラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128が、前記1つ以上の行動異常を軽減するための組成物の中の唯一の有効成分として機能する、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記対象に経口投与される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
抗精神病薬と組み合わせて前記対象に投与される医薬組成物である、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
前記抗精神病薬が、リスペリドン、アリピプラゾールおよびアトモキセチン塩酸塩からなる群から選択される、請求項
7に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
異なる時間間隔で前記抗精神病薬と組み合わせて前記対象に投与される、請求項
7に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
追加療法と組み合わせて前記対象に施し、
前記追加療法が、適用行動分析(ABA)、発達、個体差、関係に基づくアプローチ(DIR)、自閉症および関連するコミュニケーション障害児向けの治療と教育(TEACCH)、絵交換コミュニケーションシステム(PECS)、感覚統合療法(sensory integration therapy)、フロアタイムアプローチ(Floortime approach)並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項11】
前記ラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128が、前記対象に、少なくとも3×10
9CFUの量で少なくとも2週間投与される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象における行動異常を軽減する方法に関する。より具体的には、神経発達障害に関連する状態または疾患を患っている個体の行動を改善するための、ラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
神経発達障害のある個体は、異常の行動と精神状態との組み合わせ、例えば、制限的、反復的もしくは常同的な行動、興味または活動、注意欠損、反抗挑戦性行動、コミュニケーションおよび社会的相互作用の欠損などを特徴とする。これらの神経発達障害は、例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠損多動性障害(ADHD)、反抗挑戦性障害(ODD)、およびトゥレット症候群(TS)が含まれる。
【0003】
このような神経発達障害の治療のために、リスペリドンやアリピプラゾールなどの抗精神病薬は、米国FDAによって承認されており、それぞれ5歳~16歳の患者と6歳~17歳の患者の自閉症障害に関連するADHD症状と易怒性(irritability)を治療する。しかし、これらの薬物は、他の異常行動を効果的に治療できないので、ASDの中核症状に関連する適応症、例えば、行動、興味および活動の制限的で反復的なパターンを伴うコミュニケーションや社会的相互作用の持続的な障害などについては、FDAによってまだ承認されていない。すべての個体が必ずしも薬物に反応するわけではないが、いくつかの関連する副作用、例えば、食欲増進、眠気、ホルモン変化などがあるため、薬物が望ましくなく不適切なものとなる。
【0004】
抗精神病薬の使用に加えて、ASD症状を緩和するための主流の介入は、心理社会的戦略、例えば、教育的介入、言語療法、行動的介入、発達療法および子育てスキルトレーニングプログラムなどが含まれており、コミュニケーションや社会的行動の改善にさまざまな効果がある。ケトジェニックダイエット、ビタミン、脂肪酸やグルテンフリーなどの食事および栄養補助食品は、さまざまなASD症状に一定の効果があることが報告された。しかし、ASDに対する有効性を裏付ける十分な証拠は見つからなかった。
【0005】
したがって、神経発達障害に関連する行動異常を軽減および改善するための安全で効果的な方法は、依然として必要とされている。このような神経発達障害を持つ個体の行動異常の軽減は重要であり、その治療においても非常に有益であり、また、トレーニングと教育がより少ない妨害でより効果的に実施できるため、個体でよりよく吸収されて取り入れた結果、彼らの生活の質を向上させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の内容を考慮すると、本開示は、有効量のラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128を含む組成物を投与することを含む、神経発達障害に罹っている対象における1つ以上の行動異常を軽減するための方法を提供する。一つの実施形態において、PS128の有効量は、少なくとも1×109CFU、少なくとも1×1010CFUまたは少なくとも1×1010CFUであり、例えば、2×109CFU、3×109CFU、4×109CFU、5×109CFU、6×109CFU、7×109CFU、8×109CFU、9×109CFU、2×1010CFU、3×1010CFU、4×1010CFU、5×1010CFU、6×1010CFU、7×1010CFU、8×1010CFU、9×1010、2×1011CFU、3×1011CFU、4×1011CFU、5×1011CFU、6×1011CFU、7×1011CFU、8×1011CFU、および9×1011CFUを含むが、これらに限定されない。
【0007】
本開示の一つの実施形態において、前記対象は、神経発達障害に罹っている7歳~15歳の個体である。本開示の別の実施形態において、前記神経発達障害に罹っている個体は、7歳~12歳である。別の実施形態において、前記神経発達障害に罹っている個体は、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳または15歳である。さらに別の実施形態において、前記神経発達障害に罹っている個体は、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳および12歳である。
【0008】
本開示の一実施形態において、前記組成物は、対象に少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間投与される。別の実施形態において、前記組成物は、対象に少なくとも1ヶ月間、2ヶ月間または3ヶ月間投与される。
【0009】
本開示の一つの実施形態において、前記神経発達障害は、不安(anxiety)、自閉症、自閉症スペクトラム障害(ASD)、いくつかのASDの症状を有する精神状態、トゥレット症候群、強迫性障害、注意欠損多動性障害、反抗挑戦性障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害またはレット症候群。本開示のさらなる実施形態において、前記神経発達障害は、自閉症または自閉症スペクトラム障害(ASD)である。
【0010】
本開示の一つの実施形態において、前記1つ以上の行動異常は、引きこもり行動、常同行動、反復行動、強迫行動、攻撃的行動、規則違反行動、社会的相互作用の欠損、コミュニケーションの欠損、注意欠損、適応性とセルフケアの欠損、社会的意識の欠損、社会的感情の欠損、異常な感じ(sensation)と知覚(perception)、関係とつながりを作る際の異常行動、異常な身体と物体の使用行動、多動性もしくは衝動性の行動、反抗性もしくは挑戦性の行動、または不安行動を含む。
【0011】
本開示の一つの実施形態において、前記1つ以上の行動異常は、標準的な行動評価によって評価される。本開示のさらなる実施形態において、前記標準行動評価は、台湾版の異常行動チェックリスト(ABC-T)、小児行動チェックリスト(CBCL)、臨床全体印象改善度(CGI-I)、臨床全体印象重症度(CGI-S)、台湾版のSwanson、Nolan and Pelham(SNAP)-IV(すなわち、SNAP-IV)、社会的反応性スケール(SRS)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0012】
本開示の一つの実施形態において、前記1つ以上の行動異常の軽減は、不安レベルの軽減、異常な身体と物体の使用行動の軽減、規則違反行動の軽減、多動性もしくは衝動性の行動の軽減、反抗性もしくは挑戦性の行動の軽減、注意欠損の軽減、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本開示の別の実施形態において、前記1つ以上の行動異常の軽減は、反抗性もしくは挑戦性の行動の軽減、不安レベルの軽減、規則違反行動の軽減、注意欠損の軽減、多動性もしくは衝動性の行動の軽減、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本開示のさらなる実施形態において、前記1つ以上の行動異常の軽減により、精神年齢を改善する。別の実施形態において、1つ以上の行動異常の軽減は、ジストニアの軽減を含む。
【0013】
本開示の一態様では、神経発達障害に関連する1つ以上の行動異常を軽減するための唯一の有効成分である有効量のラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128を含む組成物を投与することを含む、必要のある対象において神経発達障害を治療するための方法が提供される。本開示の一実施形態において、前記組成物は、対象に経口投与される。別の実施形態において、前記方法は、前記組成物と組み合わせて抗精神病薬を対象に投与することをさらに含む。さらなる実施形態において、前記抗精神病薬は、リスペリドン、アリピプラゾール、およびアトモキセチン塩酸塩からなる群から選択される。さらに別の実施形態において、前記抗精神病薬および前記組成物は、異なる時間間隔で対象に投与される。
【0014】
本開示の一つの実施形態において、前記方法は、対象に追加療法を施すことをさらに含む。さらなる実施形態において、前記追加療法は、適用行動分析(ABA)、発達、個体差、関係に基づくアプローチ(DIR)、自閉症および関連するコミュニケーション障害児向けの治療および教育(TEACCH)、絵交換コミュニケーションシステム(PECS)、感覚統合療法(sensory integration therapy)、フロアタイムアプローチ(Floortime approach)並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0015】
本開示の一つの実施形態において、前記組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む医薬組成物である。本開示の別の実施形態において、前記薬学的に許容可能な担体は、生理学的に許容可能な賦形剤または希釈剤であってもよい。本開示のさらに別の実施形態において、前記生理学的に許容可能な賦形剤または希釈剤の例には、ラクトース、デンプン、デキストリン、シクロデキストリン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プロピオン酸カルボキシル化デンプン、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトデキストリンおよびステアリン酸マグネシウムを含むが、これらに限らない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施形態は、本開示を例示するために使用される。当業者は、本開示の明細書に基づいて、本開示の他の利点を理解することができる。また、本開示は、異なる実施形態に記載されているように実現または適用することができる。本開示を実施するための実施例は、それらの精神および範囲に反しない限り、異なる態様および用途に修正および/または変更することが可能である。
【0017】
本明細書で使用される記述用語または技術用語を含むすべての用語は、当業者にとっては明白な意味を有するように解釈されるべきである。しかしながら、これらの用語は、当業者の意図、先例または新しい技術の出現によって、異なる意味を有することが可能である。また、出願人がいくつかの用語を任意に選択することができ、この場合、選択された用語の意味は本開示の実施形態において詳細に説明される。したがって、本明細書で使用されている用語は、明細書全体の説明および用語の意味に基づいて定義されなければならない。
【0018】
また、ある部分がある構成要素または工程を「含有する」または「含む」場合、それに反対する具体的な記載がない限り、前記の部分が他の構成要素または他の工程をさらに含むことができ、それらを除外するものではない。
【0019】
さらに、本明細書で使用される単数形「一つ(a)」、「一つ(an)」および「前記(the)」は、1つの指示対象のみに明示的かつ明確に限定されない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことが明記されない限り、「および/または」という用語と交換可能に使用される。
【0020】
「有効量」という用語は、個体における行動障害、異常または症状の軽減、抑制または予防をもたらすために必要とされる活性成分の量を指す。当業者によって認識されるように、有効量は、投与経路、賦形剤の使用および他の治療処置との併用の可能性に応じて、変化する。
【0021】
本明細書で使用される「個体」という用語は、神経発達障害が発生する可能性がある単一の生物学的有機体を含み、それが動物、特に脊椎動物、例えば哺乳動物、さらに特にヒトを含むが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用される「状態」、「障害」、「症状」または「行動異常」という用語は、精神的障害に罹っている個体が表す症状を示し、前記精神的障害は、不安、自閉症、自閉症スペクトラム障害、レット症候群、トゥレット症候群、強迫性障害、注意欠損多動性障害、反抗挑戦性障害、アスペルガー症候群、または小児崩壊性障害などを含むが、これらに限らない。
【0023】
「治療を必要とする(必要のある)個体」という用語は、上記の行動障害または症状の1つ以上を表すかまたは罹っている個体を指す。適切な資格を持つ人は、標準的な行動検査プロトコルまたはガイドラインを使用して、そのような治療を必要とする個体を特定できる。同じ行動試験プロトコルまたはガイドラインを使用して、個体の障害または症状に改善があるかどうかを判断したり、治療を必要とする個体に投与するPS128の最も効果的な用量を決定したりすることもできる。
【0024】
本明細書で使用される「行動表現の改善」という用語は、個体が表す上記の行動障害、症状または異常のうちの1つ以上の重症度または頻度を防止または軽減することを指す。前記改善は、治療を受けている個体自身または他の個体によって観察される。
【0025】
本開示を説明するために、異なる実施例が使用される。以下の実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0026】
本開示は、神経発達障害の治療のためのラクトバチルス・プランタルム亜種プランタルムPS128の効果を調べた。
【0027】
台湾で無作為化二重盲検プラセボ対照試験が実施され、80名の対象が募集された。適格な対象は、治療コードを使用して、プロバイオティクス群(PS128)とプラセボ群という2つの分配方法で無作為に並べ替えられた群に従って、1:1の割合でこの研究の2群に無作為に分配された。無作為化は、参加者と接触していない研究助手によって行われた。分配順序は、研究チームのメンバー、医師または参加者が取得できなかった。この研究の主要的結果は、台湾版の自閉症行動チェックリスト(ABC-T)のアンケート、社会的反応性スケール(SRS)のスコア、および小児行動チェックリスト(CBCL)のアンケートの変化であり、副次的結果は、中国語版のSwanson、Nolan and Pelham-IV(SNAP-IV)の評価および臨床的総合印象改善度(CGI-I)の改善であった。この試験に参加している間、すべての対象は、訓練を受けたテスターによって行われた自閉症診断面接改訂版(ADI-R)に従って、ASDの診断がさらに確認された。
【0028】
参加者
研究の参加者は、包含基準と除外基準に基づいて選別された。前記包含基準は、精神障害の診断および統計マニュアル第5版(DSM-V)の基準に基づいてASDと診断された7歳~15歳の男児であった。主要な介護者には、台湾政府から提供された身体的および精神的障害カードを提供するように求めており、この研究の研究者によってICD-9(国際疾病分類第9版改訂版)のコードが299.00であることを確認した。ASDの有病率について男児が女児の約4倍であることを考慮すると、この研究では、ASDを患っている男児のみを取り入れた。前記除外基準は、登録を開始する2週間前に指定の抗生物質とヨーグルトまたはプロバイオティクス製品を摂取することが含まれた。参加者は、抗生物質に加えて、通常の薬物投与、処置、治療を継続することが許可され、研究期間中はヨーグルトやプロバイオティクス製品の摂取を控えるよう求められた。研究を開始する前に、すべての対象および対象の両親または介護者から、書面によるインフォームドコンセントが得られた。
【0029】
PS128およびプラセボ製品
この研究で使用されたラクトバチルス・プランタルムPS128は、DSMZにアクセッション番号DSM28632で寄託されて分離されている菌株であった。参加者へ提供されたPS128は、クリーム色の白い粉末を含むカプセルの形であった。プロバイオティクスのカプセルは、重量が425±25mgであり、1カプセルあたり3×1010CFUのPS128が含まれ、微結晶セルロースを担体とするものであるが、プラセボのカプセルは微結晶セルロースのみが含まれた。すべてのカプセルは、味と外観が同一であり、冷蔵温度(4~8℃)で保管された。
【0030】
評価
臨床的総合印象重症度(CGI-S)および臨床的総合印象改善度(CGI-I)のフォームは、それぞれ、ベースライン時(0週目)および介入完了時(4週目)に、医療専門家によって記入された。両親または介護者により、ABC-T、CBCL、SRSおよびSNAP-IVのアンケートの後続のスコアを完成させた。この研究は、2回の訪問を含み、ベースラインでの訪問は、登録、研究開始前の無作為化およびアンケートによる評価が含まれ、2回目の訪問は、対象の病歴のレビューと有害事象の報告が含まれた(4週目)。
【0031】
ABC-Tは、知的および発達障害のある子供の行動上の問題を評価するために使用される47項目のアンケートであり、「教育計画のための自閉症スクリーニング尺度『自閉症行動チェックリスト』第3版」から修正されたものである。この検証済みのツールは、感覚(sensory)(感じ(sensation)と知覚(perception);8項目)、関連(関係とつながり;11項目)、身体と物体の使用(身体活動と物体の厳密な使用;12項目)、言語(コミュニケーションと相互作用;8項目)、並びに、社交と自助(適応性とセルフケア;8項目)に関する質問を含む5つのサブスケールに分けられている。ABC-T項目は、評価中の各質問に対して、「はい」(1と評価され、症状あり)または「いいえ」(0と評価され、症状なし)で評価される。
【0032】
SRSは、社会的コミュニケーションと相互作用、および制限された興味と反復行動を評価するように設計された検証済みの65項目の評価ツールである。これらの評価は、社会的意識、社会的コミュニケーション、社会的感情、および自閉症のマニエリスムに分類される。
【0033】
CBCLは、攻撃的行動、不安、注意力の問題、規則違反行動、身体的愁訴、社会的問題、思考の問題および引きこもりの問題という経験に基づいた8つの症候群スケールを評価するための113項目のアンケートである。
【0034】
CGI-SおよびCGI-Iアンケートは、いずれも、それぞれ症状の重症度と改善度を特定するために臨床医によって評価される7段階スケールで測定された項目で構成されている。
【0035】
SNAP-IVは、6歳~15歳の子供のADHDとODDを評価するために使用される。これは、臨床研究に登録された患者に対する介入の効果を解釈するのに役立つ。台湾版のSNAP-IVは、注意欠損多動性障害(ADHD)のDSM-IV症状(18項目)、および反抗性と挑戦性の問題(8項目)を反映した26項目で構成されている。
【0036】
データ分析
データは、GraphPad Prism(バージョン7;GraphPad Software、San Diego、CA、USA)およびExcelを使用して分析した。
【0037】
両側t検定を行うことにより、PS128群とプラセボ群の間で、ベースライン時と4週目での人口統計学(パラメトリック検定)、臨床的特徴(ADI-Rスコア、CGI-SおよびCGI-I)並びに転帰測定値のスコアを比較した、。
【0038】
年齢で層化された探索的分析のために、対象を7歳~12歳および13歳~15歳の年齢層に分けられた。PS128群とプラセボ群の間のアンケート(4週目のスコアとベースラインのスコア)の差を比較するために、独立t検定を適用した。ベースラインのスコアと4週目のスコアは、グループ内分析を行うために、対応のあるt検定を使用して分析された。P<0.05の両側有意水準は、統計的に有意であると見なされた。
【0039】
結果
合計80名の対象が募集されて、下記のように無作為に治療に分配られた。39名はPS128が分配られ、41名はプラセボが分配られた。経験豊富な研究者によるADI-R評価によって、対象がASDと診断されていることが確認された。7歳~15歳の適格な80名の対象のうち、PS128群では3名、プラセボ群では6名の対象が脱落したため、研究期間終了時は71名の対象(PS128のn=36、プラセボのn=35)があった。この研究では、有害事象は報告されていなかった。対象またはその両親が参加中に胃腸不耐性またはアレルギー反応を報告することはなかった。
【0040】
以下の表1に示すように、年齢、身長、体重および臨床的特徴を含む人口統計学的データは、PS128群とプラセボ群の間では類似した(p>0.05)。両群の対象はいずれも自閉症の基準を満たし、それらのスコアはいずれも「相互的な社会的な交流」、「言語とコミュニケーション(言語的および非言語的)」、「常同的な反復行動もしくは興味」および「発症年齢」という4領域のすべてでカットオフ値を上回り、また、両群の得点は類似した(P>0.05)。ベースライン時、PS128群とプラセボ群はCGIスコアも類似した(P=0.26)。
【0041】
【0042】
CGI-I、ABC-T、SRS、CBCL、SNAP-IVの評価結果を以下の表2に示す。結果、両群のCGI-Iスコアがいずれも「最小限の改善」と同等であることが示された(PS128群およびプラセボグループ群がそれぞれ3.64および3.66であった;P=0.94)。ベースライン時と4週目の両方とも、ABC-T、SRS、CBCL、SNAP-IVの合計スコアとサブスケールスコアにおいて、PS128群とプラセボ群の間は差がなかった。
【0043】
【0044】
ところで、評価結果をさらに年齢分析で層別化(小学校が7~12歳であり、中学校が13~15歳である)すると、以下の表3に示すように、PS128群では明らかな改善が見られた。
【0045】
7歳~12歳の小学生の対象では、プラセボ群の「社会的意識」のスコアは、ベースライン時(P=0.02)および4週目(P=0.04)のいずれにもPS128群よりも低かった。時間経過に伴う変化(4週目のスコアとベースライン時のスコア)を比較することにより、PS128群は、プラセボ群と比較して、SNAP-IVの反抗性/挑戦性(P=0.03)および合計スコア(P=0.02)の改善を示した。
【0046】
【0047】
群内でのさらなる探索的分析を、PS128治療群およびプラセボ群の異なる年齢層で実施した(以下の表4に示す)。
【0048】
7歳~15歳(7~15歳)の年齢層では、PS128を4週間摂取したところ、身体と物体の使用の改善(P=0.04)、SRS合計スコアのわずかな軽減(P=0.04)、不安の軽減(P=0.02)および規則違反行動の軽減(P=0.02)、多動性および衝動性の軽減(P=0.04)、反抗性および挑戦性の軽減(ODD;P=0.045、小数点以下2桁に四捨五入した結果、表4では0.05として示す)、並びにSNAP-IV合計スコアの軽減(P=0.018、小数点以下2桁に四捨五入した結果、表4では0.02として示す)の傾向を示した。
【0049】
7歳~12歳(7~12歳)の年齢層では、PS128を4週間摂取したところ、さらに軽減したCBCLでの不安(P=0.01)、CBCLでの規則違反行動(P=0.01)、SNAP-IVでの注意欠損(P=0.03)、SNAP-IVでの多動性/衝動性(P=0.02)、SNAP-IVでの反抗性/挑戦性(P=0.02)およびSNAP-IVでの合計スコア(P=0.004)を示した。行動異常の軽減は、7歳~15歳(7~15歳)の年齢層よりも、7歳~12歳(7~12歳)の年齢層ではさらに顕著であり、P値がより小さくなった。
【0050】
【0051】
実際、PS128治療群では、ベースライン時と治療4週間後にすべての評価を完了した31名の対象のうち、14名はCBCLの不安スコアの低下で示されるように不安の軽減を示し、最大はスコアが12から4まで減少した。CBCLスコアによって評価された他の症候の群では、15名は引きこもり問題の減少を示し、10名は身体的愁訴の減少を示し、14名は社会的問題のスコアが低下し、12名は思考の問題のスコアが低下し、11名は注意力の問題の減少を示し、17名は規則違反行動の減少を示し、11名は攻撃的な行動の減少を示した。合計において、14名の個体は、CBCLでの合計スコアが低下し、そのスコア低下の幅が57と大きいこと(113から56まで減少したこと)を示した。
【0052】
知的および発達障害児の行動問題を示すABC-Tの合計スコアにおいても、31名の対象のうち、14名は減少した。ABC-Tによって測定された5つのサブスケールでは、8名は感じと知覚に関する問題の減少を示し、9名は関連(例えば、関係とつながりを作るなど)での問題の減少を示し、14名は身体と物体の異常な使用行動(例えば、物体の厳密な使用など)の減少を示し、10名はコミュニケーションと相互作用の改善を示し、12名は適応性とセルフケアの改善を示した。
【0053】
社会的コミュニケーションと相互作用、制限された興味と反復行動に関する評価では、31名の対象のうち、14名はSRS合計スコアの減少を示し、最大の減少幅が25であった(139から114まで減少した)。SRSによって評価された社会的コミュニケーションと相互作用の4つの側面について、16名は社会的コミュニケーションの改善を示し、16名は自閉症のマニエリスムの減少を示し、12名は社会的意識の改善を示し、15名は社会的感情の改善を示した。
【0054】
注意欠損、多動性もしくは衝動性および反抗性もしくは挑戦性の行動の評価は、SNAP-IVが使用され、31名の対象のうち、18名は合計スコアが低下したことが確認された。その中、17名は注意欠損の問題の改善を示し、14名は多動性もしくは衝動性が少ないことを示し、また、14名は反抗性および挑戦性の行動が少ないことを示した。
【0055】
実際、PS128で4週間治療した31名の対象のうち、異常行動の改善または軽減が見られなかったのは1名だけであった。すなわち、PS128治療を4週間受けた31名の対象のうち、30名は1つ以上のCBCL、ABC-T、SRSまたはSNAP-IVの評価によって評価される神経発達障害に関連する状態の改善または異常行動の軽減を示した。
【0056】
合計4名の個体(対象ID:1017、7歳;対象ID:1028、7歳;対象ID:1069、8歳;対象ID:1076、7歳)は、PS128治療を4週間受けた後のCBCL、ABC-T、SRSおよびSNAP-IVの評価の全ての合計スコアが軽減することが確認された。すなわち、これらの4名の個体は、4つの評価のいずれによっても、神経発達障害に関連する異常行動がすべて軽減されたことを示した。
【0057】
例えば、対象ID:1064(12歳)は、PS128治療を4週間受けた後、CBCLによって評価された不安行動に関するスコアが21から14まで大きく減少し、無価値感や劣等感が少なくなり、心配、不安、恐怖および罪悪感も少なくなり、自殺について言及する頻度が少なくなり、自意識と困惑のレベルも少なくなったことを示した。さらに、前記対象は、攻撃的行動の減少という点においても大幅に改善され、CBCLでの攻撃的行動に関するスコアは26から8まで減少した。前記対象は、言い争いおよびからかいが減り、脅したり、喧嘩をしたり、他人に体当たりすることが少なくなり、自分や他人に属するものを壊すことが減り、注意を要求することが少なくなり、叫ぶことも少なくなった。また、前記対象は、癇癪(かんしゃく、temper tantrum)が少なくなり、気分や感情の急激な変化が少なくなり、より安定した気分でいられており、疑わしさ、頑固さまたはイライラが少なくなったことが確認された。
【0058】
さらに、対象ID:1064は、社会的コミュニケーションにおいても大幅に改善され、常同的な行動や興味などの自閉症のマニエリスムが少なくなったことが確認された。例えば、前記対象は、おもちゃの遊び方や手をパタパタさせたり揺らしたりするなどの奇妙な繰り返しの行動が少なくなり、同じことを繰り返し話したり考えたりすることが少なくなり、愚かで奇妙な行動が少なくなり、異常な声のトーンや不適切な笑いが少なくなり、仲間との関係が良くなり、適切に一緒に遊ぶようになり、他人と「歩調を合わせていない」ことをより気にすることを示した。また、前記対象は、より広い範囲の興味を示し、音、質感または匂いにあまり敏感ではなくなり、他人からからかわれたり、奇妙または変わったと見なされることも少ないことがわかった。
【0059】
別の例として、対象ID:1017は、いくつかの改善が見られており、例えば、前記対象は、楽しみが増えており、寂しさを訴えることが少なくなり、泣くことが少なくなり、注意を要求することが少なくなり、不適切な行動をとった後に嫉妬ではなく罪悪感を感じることになり、特定の動物、状況または学校以外の場所に対する恐怖が少なくなり、神経質または緊張が少なくなり、神経質な動きやけいれんが少なくなり、他の子供たちに好かれるようになり、便秘が少なくなり、恐れや不安が少なくなり、過食が少なくなり、頭痛などの既知の医学的原因のない身体的問題が少なくなり、人への身体的攻撃が少なくなり、年長の子供たちと一緒にいたいという好みが少なくなり、昼夜を問わずほとんどの子供よりも多く眠らなくなり、頑固、不機嫌または易怒性が少なくなり、気分や感情の突然の変化が少なくなり、引きこもりが少なくなり、他人との関わりが多くなることなどを示した。
【0060】
また、別の評価では、対象ID:1017は、社会的/環境的な刺激に対してより注意を払い、聴力が向上し、難聴の疑いが少なくなり、日常/環境の変化に対する強い反応が少なくなり、他人の表情や感情により敏感になり、打ち身、切り傷や注射などの痛みを伴う刺激に対する反応が増え、噛む、打つや蹴るなどで他人を傷つけることが少なくなり、同じ言葉を何度も繰り返すことが少なくなり、他の子供が遊んでいるときの模倣が増え、物を回す、回転させるや叩くことが少なくなり、音や言葉を何度も繰り返すことが少なくなり、人を「無視」することが少なくなり、破壊性が少なくなった。
【0061】
3つ目の評価において、対象ID:1017は、ストレス下で「オートパイロット」(例えば、奇妙に見える硬直的または柔軟性のない行動パターンなど)を示すことが少なくなり、他人が彼/彼女を利用しようとしているときがより認識できるようになり、奇妙または変わったに見える行動が少なくなり、年長の子供や大人の会話の意味をより理解できるようになり、アイコンタクトを避けることまたは異常なアイコンタクトが少なくなり、彼/彼女の日常生活習慣を変えることがより容易になり、他人と「歩調が一致しない」または「波長が合わない」ことを気にすることが多くなり、他の子供たちから奇妙または変わったと見なされることが少なくなり、多くのことが起こっている状況で動揺することが少なくなり、大人と「関係」を築く難しさが少なくなり、他人の気分の変化により適切に対応できるようになり、ある活動から別の活動へとぶらぶらすることが少なくなり、不適切な笑いやばかげた笑いが少なくなり、質問に直接答えることができるようになり、話題の周りで話すことの難しさが少なくなり、ロボットのような声や彼/彼女が講義をしているような変な声で人と会話することが少なくなり、感情的な距離感がなくなり、自分の感情をより見せることになり、異常な方法で他人に触れることが少なくなり、社交の場での緊張が少なくなったことを示した。
【0062】
4つ目の評価において、対象ID:1017は、活動に必要なものを失う頻度が少なくなり、外部刺激に気を取られることが少なくなり、日常の活動で物忘れが少なくなり、手足をそわそわすることが少なくなり、静かに遊んだり余暇活動に参加することができるようになり、余計な会話が少なくなり、質問が完了する前に答えをぼんやりさせるなどのせっかちな行動が少なくなり、癇癪が少なくなり、大人と口論することが少なくなり、自分の過ちや不品行を他人のせいにすることが少なくなり、他人にあまり触れられないかまたはイライラすることが少なくなり、怒りや憤りが少なくなり、悪意が減少することを示した。
【0063】
別の例として、対象ID:1028は、特定の考えから気持ちを離すことができるようになり、混乱が少なくなり、泣くことが少なくなり、空想または考えに没頭することが少なくなり、自傷行為が少なくなり、彼/彼女が家族や他人のものを破壊することが少なくなり、よりよく食べることができるよになり、他の子供たちとより仲良くすることができるようになり、不正行為の後に罪悪感を感じるようになり、けがをする頻度が少なくなり、事故を起こしにくくなり、他の子供たちに好かれるようになり、恐れや不安が少なくなり、過食が少なくなり、より規則的で正常な睡眠パターンになり、おねしょが少なくなり、自分の性器で遊ぶことが少なくなり、特定の行為を何度も繰り返すことが少なくなり、話すことを拒否することが少なくなり、叫ぶことが少なくなり、言語障害が少なくなり、頑固、不機嫌またはイライラすることが少なくなり、気分や感情の急激な変化が少なくなり、癇癪が少なくなり、指しゃぶりが少なくなり、より活動的になり、不愉快、悲しみまたは落ち込みが少なくなり、より活発になり、異常に騒ぐ頻度が少なくなり、破壊行為が少なくなったことを示した。
【0064】
別の評価では、対象ID:1028は、他人の声が聞こえるようになり、噛んだり、叩いたり、蹴ったりすることで他人を傷つけることが少なくなり、他人の表情や感情に反応しやすくなり、癇癪が激しくないか、あるいは軽度の癇癪の頻度が少なくなり、音や言葉を何度も繰り返すことが少なくなり、破壊性が少なくなったことを示した。
【0065】
3つ目の評価では、対象ID:1028は、年長の子供や大人の会話をより聞き取りして意味を理解することができるようになり、大人にしがみつくことが少なくなり、仲間と順番にやり取りする際のぎこちなさが少なくなり、身体活動の協調性が向上し、話している内容と彼/彼女の表情とがより一致するようになり、他の子供から奇妙または変わったと見なされることが少なくなり、社交的なぎこちなさを示すことが少なくなり、友達を作ることが上手になり、他の子供たちから奇妙または変わったと見なされることが少なくなり、社会的ぎこちなさが少なくなり、仲間や大人とのより良い「関係」を築くことができるようになり、出来事の原因と結果をより理解できるようになり、過度に深刻な表情を見せることが少なくなり、愚かまたは不適切な笑いが少なくなり、質問に直接答えることができるようになり、話題の周りで話すことの難しさが少なくなり、より柔軟で気が変わりやすくなり、じっと見つめたり凝視したりすることが少なくなったことを示した。
【0066】
4つ目の評価では、対象ID:1028は、作業や活動を整理することが上手になり、持続的な精神的努力を必要とする作業に取り込むことが得意となり、静かに遊んだり余暇活動に参加することができるようになり、「常に動き回っている」または「モーターで駆動されているように振る舞う」ということが少なくなり、気性を失うことが少なくなり、あまり神経質になったり他人にイライラしたりすることが少なくなり、怒りや憤りが少なくなり、悪意や執念が少なくなったことを示した。
【0067】
別の例として、対象ID:1033は、いくつかの改善が見られており、例えば、トイレ以外での排便が少なくなり、自慢したり誇ったりすることが少なくなり、大人への執着や依存が少なくなり、故意に自傷することが少なくなり、家庭や学校での反抗が少なくなり、他の子供たちと仲良くなり、家庭、学校や他の場所での規則違反が少なくなり、特定の動物、状況または学校以外の場所に対する恐怖が少なくなり、神経質、高度緊張または緊張感を示すことが少なくなり、恐れや不安が少なくなり、発疹やその他の皮膚の問題などの既知の医学的原因のない身体的な問題が少なくなり、自分の性器で遊ぶことが少なくなり、学業が向上し、話すことを拒否することが少なくなり、特定の行為を何度も繰り返すことが少なくなり、家出が少なくなり、叫び声が減り、秘密主義が少なくなり、奇妙な行動が少なくなり、不機嫌になることが少なくなり、セックスについて考えることが少なくなり、異常に大きな声で話すことが少なくなり、日中に自分を濡らすことが少なくなり、泣き言が少なくなり、引きこもりが少なくなるなどを示した。
【0068】
別の評価では、対象ID:1033は、日常生活/環境の変化に対する強い反応が少なくなり、突進やダーツの行為が少なくなり、前置詞を含む簡単な命令に従うことが得意となり、癇癪が激しくないか、あるいは軽度の癇癪の頻度が少なくなり、遊んでいる他の子供たちを真似することが上手くなり、人を「無視」することが少なくなり、無生物を操作したり夢中したりすることが少なくなり、物を並べるなどの複雑な「儀式」に関与することが少なくなったことを示した。
【0069】
3つ目の評価では、対象ID:1033は、奇妙または変わったに見える行動が少なくなり、自分の気持ちを他の人に伝えることができるようになり、身体活動の協調性が向上し、グループ活動に積極的に参加し、他人が悲しんでいるときに慰めをより喜んで提供することができるようになり、仲間や大人との社会的交流を避けることが少なくなり、個人の衛生状態が良くなり、ある活動から別の活動へ目的もなくさまようことが少なくなり、過度に深刻な表情が少なくなり、彼/彼女が大きな声で話したり騒ぎすぎたりする時間をより意識し、ロボットのような異常な声または講義をしているような声で話すことが少なくなり、人に対して物であるかのように反応することが少なくなり、物事を行うための異常または非論理的な理由を与えることが少なくなり、異常な方法で他人に触れることが少なくなったことを示した。
【0070】
4つ目の評価では、対象ID:1033は、指示に従って学業、家事または責務を完了することができるようになり、持続的な精神的努力を必要とする作業に従事することを避けることが少なくなり、活動に必要なものを失うことが少なくなり、日常生活で物忘れが少なくなり、自分の意思で席を離れることが少なくなり、不適切な状況で過度に走り回ったり登ったりすることが少なくなり、静かに遊んだり余暇活動に参加することができるようになり、順番待ちの難しさが少なくなり、他人への妨害や邪魔が少なくなり、自分の過ちや不正行為を他人のせいにすることが少なくなり、怒りや憤りが減り、悪意や執念が少なくなったことを示した。
【0071】
別の例として、対象ID:1069は、多くの側面で改善を示し、例えば、より集中してより長い時間注意を払うことができるようになり、特定の考えから離れやすくなり、混乱が少なくなり、他の子供たちと仲良くなり、特定の動物、状況または学校以外の場所に対する恐怖が少なくなり、彼/彼女は何か悪いことを考えたりやったりするかもしれないという恐れが少なくなり、完璧でなければならないという気持ちが少なくなり、他人が彼/彼女を捕まえようと思うことが減り、無価値感や劣等感が少なくなり、からかわれることが少なくなり、他人と一緒にいるよりも一人でいることが好きということがなくなり、嘘やごまかしが少なくなり、神経質、高度の緊張または緊張感が少なくなり、他の子供たちに好かれるようになり、恐れや不安が少なくなり、罪悪感が少なくなり、公共の場で自分の性器で遊ぶことが少なくなり、自分の性器で遊ぶことが少なくなり、叫ぶことが少なくなり、自意識過剰や恥ずかしさが減り、恥ずかしがりや臆病が少なくなり、ぽかんとした顔が少なくなり、必要のないものをあまりにも多く保管することが少なくなり、奇抜なアイデアが少なくなり、余計な会話が減り、からかいが少なくなり、異常な大声で話すことが少なくなり、泣き言が少なくなり、引きこもりが少なくなり、他人との関わりが深まることを含む改善を示した。
【0072】
別の評価では、対象ID:1069は、他人の話をよく聞くことになり、周囲をよりよく認識し、「新しい」人に対する視覚的な反応がよく、物を並べるなどの複雑な「儀式」への関与が少なくなったことを示した。
【0073】
3つ目の評価では、対象ID:1069は、一人のときよりも社交的な状況での行動が少なくなり、ストレス下にあるときに奇妙に見える硬直的または柔軟性のない行動パターンなどの「オートパイロットモード」が少なくなり、他人と一緒にいることに関心を持つようになり、奇妙または変わったに見える行動が少なくなり、大人への執着が減り、自信が高まるようになり、会話でアイデアを伝えようとする際のイライラが少なくなり、異常な感覚への関心が少なくなり、個人の衛生状態が良くなり、社会的にぎこちなくなることが少なくなり、感情的に彼/彼女に近づきたい人を避けるようになり、大人との「関係」が良くなり、想像力が豊かになり、現実との接点を失わずにふりをすることが上手になり、介護者から離れやすくなり、ユーモアのセンスが向上してジョークをより理解できるようになり、彼/彼女が誰かに近づきすぎたり誰かの空間に侵入している時はより理解できるようになり、物事を行うために異常または非論理的な理由を与えることが少なくなり、異常な方法で他人に触れることが少なくなり、社交の場での緊張が少なくなり、じっと見つめたり空を凝視したりすることが少なくなることを示した。
【0074】
4つ目の評価では、対象ID:1069は、作業や遊びの活動で注意を持続させることが得意になり、直接話しかけられたときに相手の話をよく聞くようになり、持続的な精神的努力を必要とする作業に従事することを避けることが少なくなり、外部刺激による注意散漫が少なくなり、日常生活での物忘れが少なくなり、手足をそわそわしたり座席で身もだえしたりすることが少なくなり、過度に走り回ったり登ったりすることが少なくなり、静かに遊んだり余暇活動に参加することができるようになり、質問が完了する前に答えがぼやかすことが少なくなり、順番を待つことができるようになり、会話やゲームに突っ込むなどの他人への妨害や邪魔が少なくなり、故意に他人を苛立たせるようとすることが少なくなったことを示した。
【0075】
別の例として、対象ID:1076は、多くの側面で改善を示し、例えば、じっと座っていることができるようになり、落ち着かないことが少なくなり、過活動が少なくなり、よりよく食べるようになり、完璧でなければならないという気持ちが少なくなり、他人が彼/彼女を捕まえようと思うことが減り、無価値感や劣等感が少なくなり、からかわれることが少なくなり、トラブルに巻き込まれる人と付き合うことが少なくなり、悪夢が少なくなり、恐れや不安が少なくなり、より良い学業ができるようになり、年長の子供たちと一緒にいたいという好みが少なくなり、頑固、不機嫌やイライラが少なくなり、気分や感情の急激な変化が少なくなり、すねることが少なくなり、睡眠中の会話や歩行が少なくなり、余計な会話が少なくなり、癇癪や短気が少なくなり、不幸、悲しみや落ち込みが少なくなり、泣き言や心配事が少くなったことなどを含む改善を示した。別の評価では、対象ID:1076は、日常生活/環境の変化に対する強い反応が少なくなり、癇癪が激しくないか、あるいは軽度の癇癪の頻度が少なくなり、ニーズが満たされるのを待つことが得意になり、周囲や危険な状況をより認識するようになり、物を並べるなどの複雑な「儀式」への関与が少なくなり、破壊的でないことを示した。3つ目の評価では、対象ID:1076は、奇妙または変わったに見える行動が少なくなり、年長の子供や大人の会話の意味をより理解することができるようになり、自分の気持ちを相手に伝えることができるようになり、仲間と順番にやり取りする際のぎこちなさが少なくなり、他人の行動をより真似することができるようになり、他の子供たちから奇妙または変わったと思われることが少なくなり、彼/彼女がいったん考え始めてもそのことを頭から離すことがより簡単にできるようになり、彼/彼女に感情的に近づきたい人を避けることが少なくなり、他人が見たり聞いたりしている場所により多くの注意を向けることができるようになり、過度に深刻な表情が少なくなり、質問に直接答えることができるようになり、話題の周りで話すときに終わらせることがしなくなり、からかわれることが少なくなり、より柔軟で気が変わりやすくなり、物事を行うための異常または非論理的な理由が少なくなり、社交の場での緊張が少なくなったことを示した。
【0076】
別の評価では、対象ID:1076は、直接話しかけられたときに聞き取りが良くなり、持続的な精神的努力を必要とする作業に従事することを避けることが少なくなり、外部刺激によって気を散らされることが少なくなり、日常生活での物忘れが少なくなり、手や足をそわそわしたり座席で身もだえしたりすることが少なくなり、不適切な過度の走り回りやよじ登りが少なくなり、「常に動き回っている」または「モーターで駆動されている」ように動作することが少なくなり、余計な会話が少なくなり、質問が完了する前に答えがぼやけることが少なくなり、順番待つことが上手になり、他人への妨害や邪魔が少なくなり、機嫌を損ねることが少なくなり、大人と口論することが少なくなり、大人の要求や規則に逆らったり拒否したりする活動が少なくなり、他人を困らせることを故意に行うことが少なくなり、彼または彼女が自分の過ちまたは不正行為を他人のせいにすることが少なくなり、他人に触れたりイライラしたりすることが少なくなり、怒りや憤りが減り、悪意や執念が少なくなったことを示した。
【0077】
詳細な実施形態の前述の説明は、本開示の原理および機能を開示するために例示されているに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の開示における精神および原理によるすべての修正および変形は、添付の特許請求の範囲内にあることを当業者は理解すべきである。明細書および実施例は、単なる例示と見なされ、本開示の真の範囲は特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
[受託証]