(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】既定ルート走行車両
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241008BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2023037696
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2021507254の分割
【原出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2019048436
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】山崎 章弘
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-37398(JP,A)
【文献】特開平4-181305(JP,A)
【文献】特開平5-205198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既定ルートを走行する既定ルート走行車両において、
40°以上90°以下の水平画角で撮像する撮像装置と、
前記既定ルートの路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、自車の車両上下方向に沿った揺動軸線を中心に前記撮像装置を車体に対して揺動させる揺動装置と、
揺動する前記撮像装置により撮像された画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定するための路面位置関連情報を取得する路面位置関連情報取得部と、
前記揺動装置による前記撮像装置の揺動を制御し、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記路面位置関連情報および前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置によって撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定し、前記画像中の推定された前記既定ルートの前記路面の位置に基づいて、前記画像中の前記既定ルートの前記路面上の障害物を検出する制御装置とを有することを特徴とする既定ルート走行車両。
【請求項2】
前記制御装置は、自車の使用中に前記撮像装置により撮像された前記画像に基づかずに、自車の進行方向を制御することを特徴とする請求項1に記載の既定ルート走行車両。
【請求項3】
前記制御装置は、前記揺動軸線を中心とした30°以上180°以下の揺動角度範囲内で前記撮像装置が揺動するように、前記揺動装置を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の既定ルート走行車両。
【請求項4】
前記既定ルートの前記路面の形状の情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む第1既定ルート地図情報を予め記憶する記憶部を有し、
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、前記記憶部に記憶された前記第1既定ルート地図情報、および、前記制御装置によって推定された自車の現在位置に基づいて、前記揺動装置の目標揺動角度を設定し、
前記揺動装置は、前記制御装置によって設定された前記目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項5】
自車の使用中に、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状の情報を取得する路面形状情報取得部を有し、
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、前記路面形状情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状の情報に基づいて、前記揺動装置の目標揺動角度を設定し、
前記揺動装置は、前記制御装置によって設定された前記目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項6】
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、自車の使用中に自車が取得した前記揺動装置の目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項7】
前記路面位置関連情報取得部が、前記路面位置関連情報を予め記憶する記憶部であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項8】
前記路面位置関連情報取得部は、前記路面位置関連情報として、前記既定ルートの前記路面の形状および幅の情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む第2既定ルート地図情報を予め記憶し、
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、
前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記第2既定ルート地図情報、前記制御装置によって推定された自車の現在位置、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定することを特徴とする請求項7に記載の既定ルート走行車両。
【請求項9】
前記路面位置関連情報取得部は、前記路面位置関連情報として、前記撮像装置によって撮像された画像に投影可能な前記既定ルートの前記路面の3次元情報である3次元路面情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを予め記憶し、
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、
前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記3次元路面情報、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報、前記制御装置によって推定された自車の現在位置、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定することを特徴とする請求項7に記載の既定ルート走行車両。
【請求項10】
前記路面位置関連情報取得部が、自車の使用中に前記路面位置関連情報を取得することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項11】
前記路面位置関連情報取得部は、自車の使用中に、前記路面位置関連情報として、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状の情報を取得し、
前記既定ルートの前記路面の幅の情報を予め記憶する記憶部を有し、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記既定ルートの前記路面の幅の情報、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状の情報、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定することを特徴とする請求項10に記載の既定ルート走行車両。
【請求項12】
前記路面位置関連情報取得部は、自車の使用中に、前記路面位置関連情報として、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状および幅の情報を取得し、
前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状および幅の情報、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定することを特徴とする請求項10に記載の既定ルート走行車両。
【請求項13】
前記撮像装置が、左画像センサと、前記左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置される右画像センサとを有するステレオカメラであることを特徴とする請求項1~8、10~12のいずれか一項に記載の既定ルート走行車両。
【請求項14】
前記制御装置は、前記画像中の前記既定ルートの前記路面上の前記障害物を検出した場合に、自車の速度を低下させる、または、自車の走行を停止させることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の既定ルート走行車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既定ルートを走行する既定ルート走行車両に関する。
【背景技術】
【0002】
既定ルートを走行する既定ルート走行車両として、例えば特許文献1に記載されたゴルフカーがある。特許文献1に記載されたゴルフカーでは、撮像装置で撮像した画像に基づいて、既定ルートの路面上の障害物を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ゴルフカーは、走行速度が遅い。そのため、ゴルフカーは、曲率半径の小さいカーブでも走行できる。仮に、特許文献1の撮像装置の水平画角が小さいと、撮像装置の撮像範囲が小さくなる。そのため、曲率半径の小さいカーブを走行する際、既定ルートの路面上の障害物を検出することが難しい場合がある。もしくは、ゴルフカーが障害物にかなり接近するまで、既定ルートの路面上の障害物を検出することが難しい場合がある。
【0005】
そのため、特許文献1のゴルフカーが曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、ゴルフカーが既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出するためには、撮像装置の水平画角を大きく設定する必要がある。
【0006】
その一方、撮像装置を用いた既定ルートの路面上の障害物の検出において、確実に検出可能な障害物とゴルフカーとの距離の拡大が求められている。言い換えると、自車からより遠い障害物を高精度に検出することが求められている。しかし、撮像装置の水平画角が大きいほど、撮像装置から遠い対象物の位置を正確に検出することが難しくなるため、自車から遠い障害物の検出精度は低くなる。また、撮像装置の水平画角が大きいほど、撮像装置から遠い対象物を検出すること自体も難しくなるため、自車から遠い障害物の検出率も低くなる。つまり、撮像装置を用いた既定ルートの路面上の障害物の検出において、自車から遠い障害物の検出精度および検出率を高めることと、曲率半径の小さいカーブを走行する場合に障害物に接近する前に障害物を検出することとは、両立が困難である。
【0007】
本発明は、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できるとともに、曲率半径の小さいカーブを走行中であっても既定ルート走行車両が路面上の障害物に接近する前に障害物を検出可能な、既定ルート走行車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、既定ルートを走行する既定ルート走行車両において、40°以上90°以下の水平画角で撮像する撮像装置と、前記既定ルートの路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、自車の車両上下方向に沿った揺動軸線を中心に前記撮像装置を車体に対して揺動させる揺動装置と、揺動する前記撮像装置により撮像された画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定するための路面位置関連情報を取得する路面位置関連情報取得部と、前記揺動装置による前記撮像装置の揺動を制御し、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記路面位置関連情報に基づいて、揺動する前記撮像装置によって撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定し、前記画像中の推定された前記既定ルートの前記路面の位置に基づいて、前記画像中の前記既定ルートの前記路面上の障害物を検出し、自車の使用中に前記撮像装置により撮像された前記画像に基づかずに、自車の進行方向を制御する制御装置とを有することを特徴とする。
【0009】
この構成によると、既定ルートを走行する既定ルート走行車両は、撮像装置と、揺動装置と、路面位置関連情報取得部と、制御装置とを有する。撮像装置は、40°以上90°以下の水平画角で撮像する。つまり、撮像装置の水平画角は比較的小さい。言い替えると、撮像装置の撮像範囲が比較的小さい。揺動装置は、既定ルートの路面における既定ルート走行車両の将来の走行位置が撮像装置の撮像範囲に含まれるように、既定ルート走行車両の車両上下方向に沿った揺動軸線を中心に撮像装置を揺動させる。そのため、撮像装置の水平画角が小さくても、既定ルート走行車両が曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、撮像装置の撮像範囲に、既定ルートの路面における将来の走行位置を確実に含めることができる。路面位置関連情報取得部は、路面位置関連情報を取得する。路面位置関連情報は、揺動する撮像装置により撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定するための情報である。制御装置は、路面位置関連情報取得部が取得した路面位置関連情報に基づいて、揺動する撮像装置によって撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定する。制御装置は、画像中の推定された既定ルートの路面の位置に基づいて、画像中の既定ルートの路面上の障害物を検出する。これにより、撮像装置の水平画角が小さいにも関わらず、曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、既定ルート走行車両が既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。しかも、撮像装置の水平画角が小さいことにより、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できる。
以上のように、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できるとともに、曲率半径の小さいカーブを走行中であっても既定ルート走行車両が既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。
【0010】
(2)本発明は、既定ルートを走行する既定ルート走行車両において、40°以上90°以下の水平画角で撮像する撮像装置と、前記既定ルートの路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、自車の車両上下方向に沿った揺動軸線を中心に前記撮像装置を車体に対して揺動させる揺動装置と、揺動する前記撮像装置により撮像された画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定するための路面位置関連情報を取得する路面位置関連情報取得部と、前記揺動装置による前記撮像装置の揺動を制御し、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記路面位置関連情報および前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置によって撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定し、前記画像中の推定された前記既定ルートの前記路面の位置に基づいて、前記画像中の前記既定ルートの前記路面上の障害物を検出する制御装置とを有することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、既定ルートを走行する既定ルート走行車両は、撮像装置と、揺動装置と、路面位置関連情報取得部と、制御装置とを有する。撮像装置は、40°以上90°以下の水平画角で撮像する。つまり、撮像装置の水平画角は比較的小さい。言い替えると、撮像装置の撮像範囲が比較的小さい。揺動装置は、既定ルートの路面における既定ルート走行車両の将来の走行位置が撮像装置の撮像範囲に含まれるように、既定ルート走行車両の車両上下方向に沿った揺動軸線を中心に撮像装置を揺動させる。そのため、撮像装置の水平画角が小さくても、既定ルート走行車両が曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、撮像装置の撮像範囲に、既定ルートの路面における将来の走行位置を確実に含めることができる。路面位置関連情報取得部は、路面位置関連情報を取得する。路面位置関連情報は、揺動する撮像装置により撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定するための情報である。制御装置は、路面位置関連情報取得部が取得した路面位置関連情報および撮像装置の揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する撮像装置によって撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定する。制御装置は、画像中の推定された既定ルートの路面の位置に基づいて、画像中の既定ルートの路面上の障害物を検出する。これにより、撮像装置の水平画角が小さいにも関わらず、曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、既定ルート走行車両が既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。しかも、撮像装置の水平画角が小さいことにより、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できる。
以上のように、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できるとともに、曲率半径の小さいカーブを走行中であっても既定ルート走行車両が既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。
【0012】
(3)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記制御装置は、前記揺動軸線を中心とした30°以上180°以下の揺動角度範囲内で前記撮像装置が揺動するように、前記揺動装置を制御する。
【0013】
この構成によると、揺動角度範囲が30°以上と比較的大きい。そのため、撮像装置の水平画角が小さくても、既定ルート走行車両が曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、撮像装置の撮像範囲に、既定ルートの路面における将来の走行位置をより確実に含めることができる。
【0014】
(4)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(3)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記既定ルートの前記路面の形状の情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む第1既定ルート地図情報を予め記憶する記憶部を有し、前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、前記記憶部に記憶された前記第1既定ルート地図情報、および、前記制御装置によって推定された自車の現在位置に基づいて、前記揺動装置の目標揺動角度を設定し、前記揺動装置は、前記制御装置によって設定された前記目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させる。
【0015】
この構成によると、制御装置は、記憶部に記憶された第1既定ルート地図情報、および、制御装置によって推定された現在位置に基づいて、揺動装置の目標揺動角度を設定する。これにより、既定ルート走行車両の使用中に既定ルート走行車両が目標揺動角度の情報を取得する場合に比べて、既定ルート走行車両が使用中に取得する情報量を抑えつつ、目標揺動角度をより細かく設定することができる。それにより、撮像された画像内の好適な位置に既定ルートの路面をより確実に含ませることができる。その結果、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0016】
(5)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(3)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
自車の使用中に、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状の情報を、取得する路面形状情報取得部を有し、前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、前記路面形状情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状の情報に基づいて、前記揺動装置の目標揺動角度を設定し、前記揺動装置は、前記制御装置によって設定された前記目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させる。
【0017】
この構成によると、撮像装置の目標揺動角度の設定のための現在位置の推定が不要である。
【0018】
(6)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(3)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の将来の走行位置が前記撮像装置の撮像範囲に含まれるように、自車の使用中に自車が取得した前記揺動装置の目標揺動角度に基づいて、前記揺動軸線を中心に前記撮像装置を揺動させる。
【0019】
この構成によると、撮像装置の目標揺動角度の設定のための現在位置の推定が不要でありながら、撮像装置の目標揺動角度を細かく設定できる。
【0020】
(7)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(6)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部が、前記路面位置関連情報を予め記憶する記憶部である。
【0021】
この構成によると、路面位置関連情報取得部は、路面位置関連情報を予め記憶する。これにより、既定ルート走行車両の使用中に既定ルート走行車両が路面位置関連情報を取得する場合に比べて、既定ルート走行車両の使用中に取得する情報量を抑えつつ、路面位置関連情報をより細かく取得することができる。制御装置は、このように取得された路面位置関連情報を用いて、既定ルートの路面上の障害物を検出する。そのため、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0022】
(8)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部は、前記路面位置関連情報として、前記既定ルートの前記路面の形状および幅の情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む第2既定ルート地図情報を予め記憶し、前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記第2既定ルート地図情報、前記制御装置によって推定された自車の現在位置、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定する。
【0023】
この構成によると、路面位置関連情報取得部は、路面位置関連情報として、既定ルートの路面の形状および幅の情報と、既定ルートの路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む第2既定ルート地図情報を予め記憶する。そのため、制御装置は、予め記憶された路面位置関連情報(第2既定ルート地図情報)、制御装置によって推定された既定ルート走行車両の現在位置、および、撮像装置の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置により撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定することができる。
【0024】
(9)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部は、前記路面位置関連情報として、前記撮像装置によって撮像された画像に投影可能な前記既定ルートの前記路面の3次元情報である3次元路面情報と、前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを予め記憶し、前記制御装置は、前記既定ルートの前記路面における自車の現在位置を推定し、前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記3次元路面情報、前記路面位置関連情報取得部に記憶された前記既定ルートの前記路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報、前記制御装置によって推定された自車の現在位置、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定する。
【0025】
この構成によると、制御装置は、路面位置関連情報取得部に記憶された路面位置関連情報、制御装置によって推定された既定ルート走行車両の現在位置、および、撮像装置の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置により撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定する。これにより、既定ルート走行車両の使用中に路面位置関連情報を車両が取得する場合に比べて、既定ルート走行車両の使用中に取得する情報量を抑えつつ、路面位置関連情報をより細かく取得することができる。3次元路面情報を含む路面位置関連情報を用いることにより、既定ルートの路面が坂道を含む場合であっても、画像中の既定ルートの路面の位置を推定する精度が高い。制御装置は、このように取得された路面位置関連情報を用いて、既定ルートの路面上の障害物を検出する。そのため、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0026】
(10)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(6)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部が、自車の使用中に前記路面位置関連情報を取得する。
【0027】
この構成によると、画像中の既定ルートの路面の位置の推定のための現在位置の推定が不要である。
【0028】
(11)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(10)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部は、自車の使用中に、前記路面位置関連情報として、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状の情報を取得し、前記既定ルートの前記路面の幅の情報を予め記憶する記憶部を有し、前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記既定ルートの前記路面の幅の情報、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状の情報、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定する。
【0029】
この構成によると、画像中の既定ルートの路面の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面の位置を精度良く推定できる。
【0030】
(12)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(10)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記路面位置関連情報取得部は、自車の使用中に、前記路面位置関連情報として、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状および幅の情報を取得し、前記制御装置は、前記路面位置関連情報取得部が取得した前記既定ルートの前記路面の前記一部分の形状および幅の情報、および、前記撮像装置の前記揺動軸線を中心とした現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、揺動する前記撮像装置により撮像された前記画像中の前記既定ルートの前記路面の位置を推定する。
【0031】
この構成によると、画像中の既定ルートの路面の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面の位置を精度良く推定できる。
【0032】
(13)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(8)、(10)~(12)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。前記撮像装置が、左画像センサと、前記左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置される右画像センサとを有するステレオカメラである。
【0033】
この構成によると、撮像装置が、左画像センサと、右画像センサとを有するステレオカメラである。左画像センサと右画像センサとを有するステレオカメラを撮像装置として用いることで、左画像センサにより撮像された左画像と、右画像センサにより撮像された右画像とに基づいて視差画像を生成して、この視差画像を用いて障害物を検出することが可能となる。また、1次元スキャンのレーザーレーダを用いた障害物検出では、起伏のある路面を障害物として検出しやすいという問題がある。一方、ステレオカメラを用いた障害物検出では、路面の起伏の影響を抑えながら、障害物を検出することができる。その結果、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0034】
(14)本発明の1つの観点によると、本発明の既定ルート走行車両は、上記(1)~(13)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記制御装置は、前記画像中の前記既定ルートの前記路面上の前記障害物を検出した場合に、自車の速度を低下させる、または、自車の走行を停止させる。
【0035】
この構成によると、制御装置は、既定ルートの路面上の障害物を検出した場合に、既定ルート走行車両の速度を低下させる、または、既定ルート走行車両の走行を停止させる。これにより、手動ではなく自動で、既定ルート走行車両を減速または停止させることができる。その結果、障害物との接触が回避される可能性を高めることができる。
【0036】
<既定ルートの路面の定義>
本発明において、「既定ルートの路面」は、既定ルート走行車両が走行するための路面である。「既定ルートの路面」は、一般道路の路面であってもよく、例えばゴルフ場などの施設における専用道路の路面であってもよい。「既定ルートの路面」は、幅方向の両端の位置が視覚的に明確であってもよく、明確でなくてもよい。前者の例としては、例えば、既定ルートの路面が舗装面で、既定ルートの路面の外が地面の場合などである。後者の例としては、例えば、既定ルートの路面が、舗装された広場に設けられる場合である。
【0037】
<既定ルート走行車両の定義>
本発明において、「既定ルート走行車両」とは、既定ルートを走行する車両である。本発明の既定ルート走行車両は、例えば、ゴルフカー、自動運転バス、小型自動電動車両等が含まれる。本発明の既定ルート走行車両は、運転者が運転する路線バスのように、既定ルート以外も走行可能な車両は含まない。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作によらずに進行方向が制御される車両である。オペレータは、既定ルート走行車両の乗員と、既定ルート走行車両に対してリモート操作を行う者を含む。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作によらずに車速が制御可能であってもよい。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作によらずに停止可能であってもよい。本発明の既定ルート走行車両は既定ルートを自動的に走行する自動運転車両であってもよい。ここでの自動運転車両とは、オペレータの操作によらずに進行方向と車速が制御され、且つ、オペレータの操作によらずに停止する車両である。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作により停止可能であってもよい。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作によって車速を制御可能であってもよい。本発明の既定ルート走行車両は、オペレータの操作によって進行方向の制御ができるように切り替え可能であってもよい。
【0038】
<既定ルートの路面における自車の将来の走行位置の定義>
本発明において、「既定ルートの路面における自車の将来の走行位置」とは、既定ルートの路面において、自車の現在の走行位置から進行方向に離れた自車の将来の走行位置である。ここでいう走行位置は、既定ルートの路面において自車が配置される位置である。より詳細には、走行位置は、既定ルートの路面において自車の前面が配置される位置であってもよい。ここでいう進行方向に離れた距離は、固定された値であってもよく、自車の速度等に応じて変化される値であってもよい。つまり、「既定ルートの路面における自車の将来の走行位置」とは、既定ルートの路面における自車の直近の将来の走行位置である。
【0039】
<既定ルートの路面における自車の現在位置の推定の定義>
本発明において、「既定ルートの路面における自車の現在位置を推定する」とは、既定ルートの路面のある位置から現在位置までの距離を推定することであってもよく、基準となる位置に対する相対的な自車の現在位置を推定することであってもよく、自車の現在の絶対位置を推定することであってもよい。
【0040】
<撮像装置の水平画角の定義>
本発明において、撮像装置の水平画角とは、既定ルート走行車両の水平方向における水平画角である。ここでの既定ルート走行車両の水平方向とは、既定ルート走行車両の全車輪(または車輪に代わる走行手段)が水平面に接触した状態で既定ルート走行車両が停止しているときの水平方向である。
【0041】
<撮像装置により撮像された画像の定義>
本発明の「撮像装置により撮像された画像」とは、ある時点で撮像装置により撮像された画像である。本発明の撮像装置が複数の画像センサ(イメージセンサ)を有するステレオカメラの場合、本発明の「撮像装置により撮像された画像」は、複数の画像センサで同じタイミングで撮像された複数の画像のうちの少なくとも1つの画像であってもよく、複数の画像センサで同じタイミングで撮像された複数の画像に基づいて生成された1つの画像であってもよい。本発明の撮像装置は画像センサを1つだけ有する単眼カメラであってもよい。
【0042】
<画像中の既定ルートの路面の位置の推定の定義>
本発明において、「画像中の既定ルートの路面の位置を推定する」とは、少なくとも、画像中の既定ルートの路面の幅方向両端の位置を推定することである。画像中の既定ルートの路面の幅方向両端の位置を推定するとは、画像中の既定ルートの路面の幅方向両端の位置を厳密に推定することに限らない。画像中の既定ルートの路面の幅方向両端の位置を推定する精度は、画像中の既定ルートの路面上の障害物を検出できる程度であればよい。
【0043】
<既定ルートの路面上の障害物の定義>
本発明において、「既定ルートの路面上の障害物」とは、既定ルートの路面に接している障害物である。但し、本発明の既定ルート走行車両は、既定ルートの路面上の障害物だけでなく、既定ルートの路面に接しておらず既定ルートの路面の真上に存在する障害物も検出してもよい。
【0044】
<既定ルートの路面の形状の情報>
本発明において、第1既定ルート地図情報に含まれる「既定ルートの路面の形状の情報」とは、既定ルートの路面全体の形状の情報である。「既定ルートの路面の形状の情報」は、既定ルートの路面の幅の情報を含まない。「既定ルートの路面の形状の情報」は、既定ルートの路面のうちの一部分が直線状であるか曲線状であるかを判別できる情報である。既定ルートの路面のある部分が曲線状の場合には、「既定ルートの路面の形状の情報」は曲がりの程度(例えば曲率半径)を判別できる情報である。
本発明の第2既定ルート地図情報に含まれる「既定ルートの路面の形状の情報」の定義は、第1既定ルート地図情報に含まれる「既定ルートの路面の形状の情報」の上記の定義と同じである。
【0045】
<既定ルートの路面の一部分の形状の情報>
本発明において、「既定ルートの路面の一部分の形状の情報」は、既定ルートの路面の当該一部分が直線状であるか曲線状であるかを判別できる情報であってもよい。当該一部分が曲線状の場合には、「既定ルートの路面の一部分の形状の情報」は曲がりの程度を判別できる情報であってもよい。「既定ルートの路面の一部分の形状の情報」は、既定ルートの路面の当該一部分の方向を示す情報であってもよい。
【0046】
<自車の使用中>
本発明の「自車の使用中」とは、既定ルート走行車両を使用する目的で既定ルート走行車両が既定ルートを走行しているときである。「自車の使用中」は、既定ルート走行車両の記憶部に事前に記憶させる情報を取得するために既定ルート走行車両が既定ルートを走行しているときを含まない。
【0047】
<自車の使用中の情報の取得の定義>
本発明において、「自車の使用中に自車が揺動装置の目標揺動角度を取得する」とは、自車の使用中に、揺動装置の目標揺動角度の情報を外部から自車が取得することであってもよい。もしくは、自車の使用中に、揺動装置の目標揺動角度に対応付けられた識別情報を外部から自車が取得し、この識別情報に基づいて自車の記憶部から揺動装置の目標揺動角度の情報が読み出されることであってもよい。「自車の使用中に自車が揺動装置の目標揺動角度を取得する」とは、自車の使用中に、自車が外部から取得する情報と関係なく、自車の記憶部から路面位置関連情報取得部が読み出されることは含まない。自車が外部から情報を取得するとは、例えば、無線通信装置、RFIDタグなどから情報を取得することである。
また、本発明において、「自車の使用中に、路面位置関連情報取得部が路面位置関連情報を取得する」とは、自車の使用中に、路面位置関連情報取得部が、路面位置関連情報を外部から取得することであってもよい。もしくは、自車の使用中に、路面位置関連情報に対応付けられた識別情報を外部から自車が取得し、この識別情報に基づいて自車の記憶部から路面位置関連情報が読み出されて、路面位置関連情報取得部が路面位置関連情報を取得することであってもよい。「自車の使用中に、路面位置関連情報取得部が路面位置関連情報を取得する」とは、自車の使用中に、自車が外部から取得する情報と関係なく、路面位置関連情報取得部が、自車の記憶部から路面位置関連情報取得部を取得することは含まない。なお、本発明における「自車の使用中に、路面形状情報取得部が自車の将来の走行位置を含む既定ルートの路面の一部分の形状の情報を取得する」の定義も、上記の定義と同様である。
【0048】
<相対位置情報および絶対位置情報の定義>
本発明において位置Aの相対位置情報とは、基準位置に対する位置Aの相対的な位置を示す情報である。相対位置情報の基準位置は、既定ルートによって異なる。また、相対位置情報の基準位置は、位置Aによって異なってもよい。本発明において位置Aの絶対位置置情報とは、原点に対する位置Aの相対的な位置を示す情報である。既定ルートに関わらず、原点は固定されている。
【0049】
<揺動装置による撮像装置の揺動の定義>
本発明において、「揺動装置が撮像装置を揺動させる」とは、揺動装置が撮像装置を360°未満回転させることを意味する。本発明の揺動装置は、撮像装置を360°以上回転させることが可能であってもよい。本発明の揺動装置は、既定ルートの路面における既定ルート走行車両の将来の走行位置を撮像装置で撮像された画像内に含ませるために、撮像装置を360°以上回転させる場合があってもよい。
【0050】
<揺動角度範囲の定義>
本発明における「揺動角度範囲」とは、1つの既定ルート走行車両において、制御装置により制御された揺動装置が、撮像装置を車体に対して揺動させることができる最大範囲である。揺動角度範囲が180°の場合、制御装置により制御された揺動装置は、例えば、撮像装置を基準位置から90°と、基準位置から-90°揺動させることができてもよい。この場合、揺動装置としては、360°回転可能な装置が使用されてもよい。つまり、揺動角度範囲は、制御装置による制御上の最大揺動範囲であって、揺動装置の構造上の最大揺動範囲ではない。
【0051】
<現在の揺動角度の定義>
本発明において、撮像装置の「現在の揺動角度」とは、現在の撮像装置の実際の揺動角度であってもよく、現在の撮像装置の揺動角度と推定される角度であってもよい。
【0052】
<車両上下方向および車両右方向の定義>
本発明において、「車両上下方向」は、全車輪が水平面に接した状態で既定ルート走行車両が停止しているときに、水平面に直交する方向である。
本発明において、「車両右方向」は、全車輪が水平面に接した状態で既定ルート走行車両が停止しているときに、水平面内の方向であって、既定ルート走行車両の進行方向を向いて乗車する乗員にとっての右方向である。
【0053】
<左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置される右画像センサの定義>
本発明において、右画像センサが左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置されるとは、撮像装置の揺動可能範囲の少なくとも一部において、右画像センサが左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置されることを意味する。言い換えると、撮像装置の揺動角度がある角度のときに、右画像センサが左画像センサから車両右方向に離れた位置に配置されていればよい。
本発明において、「左画像センサから車両右方向に離れた位置」とは、左画像センサの車両右方向における右端を通り、車両右方向に直交する平面から、車両右方向に離れた位置である。
【0054】
<揺動角度に関連する情報の定義>
本発明において「揺動角度に関連する情報」とは、揺動角度を直接的または間接的に示す情報である。
【0055】
<その他の用語の定義>
本発明および本明細書において、A方向に沿った直線とは、A方向と平行な直線に限らない。A方向に沿った直線とは、特に限定しない限り、A方向を示す直線に対して-45°以上+45°以下の範囲内で傾斜している直線を含む。同様の定義が、「沿った」を用いた他の表現にも適用される。「沿った」を用いた他の表現とは、例えば、「A方向に沿った軸」や、「A方向に沿った方向」や、「複数のBがA方向に沿って配列される」や、「1つのBがA方向に沿っている」等である。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。本発明において、「車両上下方向に沿った揺動軸線」とは、車両上下方向に平行な揺動軸線に限らない。「車両上下方向に沿った揺動軸線」は、車両上下方向に対して±45°の範囲内で傾斜している揺動軸線を含む。
【0056】
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテムおよびその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的または機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
【0057】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0058】
本発明および本明細書において、複数の選択肢のうちの少なくとも1つとは、複数の選択肢から考えられる全ての組み合わせを含む。複数の選択肢のうちの少なくとも1つとは、複数の選択肢のいずれか1つであってもよく、複数の選択肢の全てであってもよい。例えば、AとBとCの少なくとも1つとは、Aのみであってもよく、Bのみであってもよく、Cのみであってもよく、AとBであってもよく、AとCであってもよく、BとCであってもよく、AとBとCであってもよい。
【0059】
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)または(2)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)または(2)の構成により得られる上記効果を奏する。
【0060】
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
【0061】
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する実施形態、具体例、および変更例を適宜組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明の既定ルート走行車両によると、既定ルートの路面上にあって既定ルート走行車両から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できるとともに、曲率半径の小さいカーブを走行中であっても既定ルート走行車両が既定ルートの路面上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明の実施形態の既定ルート走行車両の使用状況の一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態の具体例1のゴルフカーを模式的に示す側面図である。
【
図3】具体例1のゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】具体例1のゴルフカーが走行する既定ルートの路面の一例を示す模式図である。
【
図5】具体例1の左撮像センサおよび右撮像センサの座標系を示す図である。
【
図6】具体例1の制御装置が生成する視差画像P1を示す図である。
【
図7】具体例1の変更例1の記憶部が記憶する事前取得視差画像P2を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の具体例2のゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態の具体例3のゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。
【
図10】従来のゴルフカーの使用状況の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施形態について
図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態の既定ルート走行車両1は、撮像装置10と、路面位置関連情報取得部20と、制御装置30と、揺動装置40とを備える。撮像装置10、路面位置関連情報取得部20、制御装置30、および揺動装置40は、既定ルート走行車両1に搭載される。既定ルート走行車両1は、既定ルートの路面60を走行する。つまり、既定ルート走行車両1は、既定ルートを走行する。
【0065】
撮像装置10は、40°以上90°以下の水平画角Aで撮像する。つまり、撮像装置10の水平画角は比較的小さい。言い替えると、撮像装置10の撮像範囲が比較的小さい。
【0066】
揺動装置40は、既定ルートの路面60における既定ルート走行車両1の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように、既定ルート走行車両1の車両上下方向に沿った揺動軸線L1を中心に撮像装置10を車体に対して揺動させる。
【0067】
路面位置関連情報取得部20は、路面位置関連情報を取得する。路面位置関連情報とは、揺動する撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60の位置を推定するための情報である。
【0068】
制御装置30は、揺動装置40による撮像装置10の揺動を制御する。制御装置30は、路面位置関連情報取得部20が取得した路面位置関連情報に基づいて、揺動する撮像装置10によって撮像された画像中の既定ルートの路面60の位置を推定する。制御装置30は、画像中の既定ルートの路面60上の障害物を検出する。
【0069】
図1は、既定ルートの路面60上の既定ルート走行車両1を上から見た図であって、
図10は、既定ルートの路面60上の従来の既定ルート走行車両301を上から見た図である。
図1および
図10は、既定ルート走行車両1が急カーブ(曲率半径の小さいカーブ)に近づいた状況を示す。
【0070】
従来の既定ルート走行車両301の撮像装置310は揺動しない。撮像装置310の水平画角が撮像装置10の水平画角Aと同じである場合、撮像装置310の水平画角は比較的小さい。そのため、
図10に示すように、曲率半径の小さいカーブを走行する場合、撮像装置310の撮像範囲内に、既定ルートの路面60における既定ルート走行車両301の将来の走行位置が含まれないか少ししか含まれない。それにより、既定ルート走行車両301が既定ルートの路面60上の障害物に接近するまで、障害物を検出できない。仮に、撮像装置310の水平画角
が大きい場合、既定ルート走行車両301が既定ルートの路面60上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。しかし、撮像装置310の水平画角
が大きいと、既定ルートの路面60上にあって既定ルート走行車両
301から遠い障害物の検出精度および検出率が低い。
【0071】
一方、既定ルート走行車両1は、既定ルートの路面60における既定ルート走行車両1の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように、撮像装置10を揺動させる揺動装置40を有する。そのため、
図1に示すように、撮像装置10の水平画角Aが小さくても、曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、撮像装置10の撮像範囲に、既定ルートの路面60における将来の走行位置を確実に含めることができる。そのため、撮像装置10の水平画角Aが小さいにも関わらず、曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、既定ルート走行車両1が既定ルートの路面60上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。撮像装置10の水平画角Aが小さいことにより、既定ルートの路面60上にあって既定ルート走行車両1から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できる。
【0072】
以上のように、既定ルートの路面60上にあって既定ルート走行車両1から遠い障害物の検出精度および検出率を向上できるとともに、曲率半径の小さいカーブを走行中であっても既定ルート走行車両1が既定ルートの路面60上の障害物に接近する前に障害物を検出できる。
【0073】
(実施形態の具体例1)
次に、本発明の実施形態の具体例1について
図2~
図6を用いて説明する。具体例1は、ゴルフカーに本発明を適用した一例である。具体例1のゴルフカー1は、上述した実施形態の既定ルート走行車両1の特徴を全て有している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同じ部位についての説明は省略する。
【0074】
以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、車両上下方向、車両前後方向、車両左右方向である。車両上下方向は、全車輪が水平面に接した状態で既定ルート走行車両1が停止しているときに、水平面に直交する方向である。車両左右方向とは、全車輪が水平面に接した状態で既定ルート走行車両1が停止しているときに、水平面内の方向であって、既定ルート走行車両1の進行方向を向いて乗車する乗員にとっての左右方向である。車両前後方向とは、車両上下方向と車両左右方向に直交する方向であって、既定ルート走行車両の進行方向を向いて乗車する乗員にとっての前後方向である。各図に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
【0075】
<ゴルフカーの全体構成>
図2は、具体例1のゴルフカーを模式的に示した側面図である。
図3は、ゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。
図2および
図3に示すように、ゴルフカー1は、車体9と、4つの車輪3とを備える。4つの車輪3は、2つの前輪3fl、3frを含む。2つの前輪3fl、3frは、左右方向に並んで車体9の前部に配置されている。4つの車輪3は、2つの後輪3rl、3rrを含む。2つの後輪3rl、3rrは、左右方向に並んで車体9の後部に配置されている。ゴルフカー1は、4つの車輪3が回転することによって走行する。
【0076】
車体9は、シート2と、屋根部9aとを有する。シート2は、複数の乗員が着座可能に構成される。シート2は、フロントシート2fとリアシート2rを含む。フロントシート2fおよびリアシート2rは、前後方向に並んでいる。フロントシート2fおよびリアシート2rは、それぞれ、2人の乗員が着座可能に構成される。フロントシート2fは、リアシート2rの前に配置される。屋根部9aは、フロントシート2fとリアシート2rの上に配置される。なお、シート2の構成は、これに限らない。シート2に着座可能な乗員の最大数は、4名に限らない。
【0077】
ゴルフカー1は、駆動装置4を備える。駆動装置4は、例えば、電気モータを有する。ゴルフカー1は電動車である。図示しないバッテリの電力が、駆動装置4の電気モータに供給される。駆動装置4は、後輪3rr、3rlに駆動力を付与可能に構成されている。
【0078】
ゴルフカー1は、複数の制動装置5を備える。ゴルフカー1が有する制動装置5の数は4つである。4つの制動装置5は、4つの車輪3にそれぞれ設けられる。4つの制動装置5は、4つの車輪3に制動力を付与可能に構成されている。制動装置5は、例えば、油圧式のディスクブレーキ装置で構成される。
【0079】
図2および
図3に示すように、ゴルフカー1は、ステアリングホイール11を備える。ステアリングホイール11は、操舵装置15に接続される。ステアリングホイール11は、フロントシート2fに座る1人の乗員によって操作可能な位置に配置されている。ステアリングホイール11は、ゴルフカー1の進行方向を変えるために、乗員により操作される。ステアリングホイール11の回転により、操舵装置15が制御され、前輪3fr、3flが操舵される。具体例1のゴルフカー1は、自動運転モードと手動運転モードのいずれかで走行される。自動運転モードでは、ステアリングホイール11の操作によらず、ゴルフカー1の進行方向が制御される。手動運転モードでは、乗員がステアリングホイール11を操作することによって、ゴルフカー1の進行方向が制御される。
【0080】
ゴルフカー1は、アクセルペダル12およびブレーキペダル13を備える。アクセルペダル12は、ゴルフカー1の走行を開始または加速させるために、乗員によって操作される。アクセルペダル12の操作によって、駆動装置4によって後輪3rr、3rlに付与される駆動力が増大する。ブレーキペダル13は、ゴルフカー1の走行を停止または減速させるために、乗員によって操作される。ブレーキペダル13の操作によって、制動装置5が作動する。具体例1のゴルフカー1は、自動運転モードと手動運転モードのいずれかで走行される。自動運転モードでは、アクセルペダル12およびブレーキペダル13の操作によらず、ゴルフカー1の速度が制御される。手動運転モードでは、乗員がアクセルペダル12およびブレーキペダル13を操作することによって、ゴルフカー1の速度が制御される。
【0081】
ゴルフカー1は、誘導線センサ8を備える。誘導線センサ8は、車体9の下部に設けられる。誘導線センサ8は、ゴルフカー1が走行する既定ルートに埋設された電磁誘導線を検出する。
図4は、ゴルフカー1が走行する既定ルートの路面60の一例を示す模式図である。
図4に示すように、電磁誘導線62は、既定ルートに沿って埋設される。電磁誘導線62は、電磁波を発信する。誘導線センサ8は、電磁誘導線62が発信する電磁波を受信する。誘導線センサ8は、電磁誘導線62の電磁波を受信すると、電磁誘導線62の強さを示す検出信号を、後述する制御装置50に出力する。制御装置50は、この検出信号に基づいて、誘導線センサ8に対する電磁誘導線62の左右方向のずれ量を検出する。制御装置50は、誘導線センサ8に対する電磁誘導線62の左右方向のずれが解消されるように、操舵装置15を制御することで、ゴルフカー1の進行方向を制御する。これにより、ゴルフカー1は既定ルートに沿って走行できる。
【0082】
ゴルフカー1は、車輪回転センサ6を備える。車輪回転センサ6は、後輪3rlに設けられる。車輪回転センサ6は、後輪3rlの回転角を検出する。車輪回転センサ6は、例えば、ロータリーエンコーダで構成される。車輪回転センサ6は、検出した後輪3rlの回転角の信号を、後述する制御装置50に出力する。なお、車輪回転センサ6は、前輪3fl、3fr、後輪3rrのいずれかに設けられてもよい。
【0083】
ゴルフカー1は、埋設マーカ検出センサ7を備える。埋設マーカ検出センサ7は、車体9の下部に設けられる。埋設マーカ検出センサ7は、既定ルートの路面60に埋設された埋設マーカ61を検出する。
図4に示すように、複数の埋設マーカ61が、既定ルートの路面60に沿って埋設されている。埋設マーカ61は、磁気式の埋設マーカである。各埋設マーカ61は、複数の磁石で構成される。埋設マーカ61は、複数の磁石の配置や間隔の組み合わせで構成される磁場を生成する。
図4において、既定ルートのスタート位置Sから例えば等間隔で、複数の埋設マーカ61が埋設される。
図4の例では、既定ルートのスタート位置Sに埋設マーカ61が埋設されている。既定ルートのスタート位置Sに埋設された埋設マーカ61が、ゴルフカー1が最初に通過する埋設マーカ61である。なお、既定ルートのスタート位置Sに埋設マーカ61が埋設されなくてもよい。埋設マーカは、電波式の埋設マーカであってもよく、光学式または超音波式の埋設マーカであってもよい。
【0084】
埋設マーカ検出センサ7は、埋設マーカ61から情報を読み取り可能に構成される。埋設マーカ検出センサ7は、磁力センサである。埋設マーカ検出センサ7は、ゴルフカー1が埋設マーカ61を通過した時点で、埋設マーカ61の磁場を検出する。埋設マーカ検出センサ7は、埋設マーカ61の磁場を検出すると、検出した磁場の情報を、後述する制御装置50に出力する。制御装置50は、ゴルフカー1の使用中に、埋設マーカ検出センサ7で検出した埋設マーカ61の磁場の形状に基づいて識別される識別情報を示す検出信号を取得する。
【0085】
図2に示すように、ゴルフカー1は、撮像装置10を備える。撮像装置10は、車体9の前面中央部に設けられる。撮像装置10は、車体9の上部に設けられてもよく、車体9の下部に設けられてもよく、車体9における上下方向の中央部に設けられてもよい。撮像装置10の水平画角は、40°以上90°以下である。撮像装置10の水平画角は、45°以上であってもよい。撮像装置10の水平画角は、80°以下であってもよい。撮像装置10の水平画角は、75°以下であってもよい。
【0086】
ゴルフカー1は、揺動装置40を備える。揺動装置40は、揺動軸線L1を中心に撮像装置10を揺動させるように構成されている。
図2では、揺動軸線L1は上下方向に平行である。左右方向に見て、揺動軸線L1は上下方向に対して±45°の範囲内で傾斜していてもよい。揺動装置40は、車体9に対して撮像装置10を360°未満の角度範囲内で揺動可能である。以下の説明において、撮像装置10の揺動角度とは、撮像装置10が車体9に対して揺動軸線L1を中心として揺動した角度である。なお。揺動装置40は、車体9に対して撮像装置10を360°以上回転可能に構成されていてもよい。揺動装置40は、例えば、2方向に回転可能な電気モータを有する。図示しないバッテリの電力が、駆動装置4の電気モータに供給される。
【0087】
揺動装置40は、制御装置50によって制御される。制御装置50に制御された揺動装置40は、既定ルートの路面60におけるゴルフカー1の将来の走行位置が撮像範囲に含まれるように撮像装置10を揺動させる。つまり、揺動装置40は、既定ルートの路面60における自車1から進行方向に離れた領域が、撮像装置10が撮像する画像内に含まれるように、撮像装置10を揺動させる。揺動装置40は、制御装置50によって設定された目標揺動角度に基づいて、撮像装置10を揺動させる。目標揺動角度は、数m程度先(例えば、5m先)の既定ルートの路面60の方向と同じ又はほぼ同じである。目標揺動角度は、後述する既定ルート地図情報とゴルフカー1の現在位置とに基づいて設定される。
【0088】
制御装置50は、揺動軸線L1を中心とした所定の揺動角度範囲内で撮像装置10が揺動するように、揺動装置40を制御する。揺動角度範囲は、例えば、30°以上であってもよい。揺動角度範囲は、例えば、180°以下であってもよい。揺動角度範囲は、撮像装置10の水平画角と揺動角度範囲との合計が、例えば、120°以上180°以下となるように設定されてもよい。つまり、撮像装置10の水平画角が90°の場合、揺動角度範囲は、30°以上90°以下であってもよい。また、撮像装置10の水平画角が40°の場合、揺動角度範囲は、80°以上140°以下であってもよい。
【0089】
具体例1において、撮像装置10は、ステレオカメラである。
図3に示すように、撮像装置10は、左画像センサ10aと、右画像センサ10bと、これら2つの画像センサ10a、10bを保持する保持体10cとを有する。左画像センサ10aおよび右画像センサ10bは、予め定められた幾何条件の下で保持体10cに保持されている。保持体10cは揺動装置40に支持される。左画像センサ10aの光軸と右画像センサ10bの光軸は平行である。全車輪3が水平面に接した状態で既定ルート走行車両1が停止しているときに、左画像センサ10aと右画像センサ10bは同じ高さにある。撮像装置10の揺動角度がゼロのとき、右画像センサ10bと左画像センサ10aは、左右方向に平行な1つの直線上にある。つまり、右画像センサ10bは、左画像センサ10aから車両右方向に離れた位置に配置される。左画像センサ10aおよび右画像センサ10bは、CCD(Charge coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの一般的な可視光センサである。
【0090】
左画像センサ10aおよび右画像センサ10bに固定された座標系を
図5に示す。撮像装置10の揺動角度がゼロのとき、座標系のX軸は左右方向に平行であって、Y軸は上下方向に平行であって、Z軸は前後方向に平行である。X軸およびY軸は、左画像および右画像の座標軸である。左画像センサ10aが撮像した画像を左画像とし、右画像センサ10bが撮像した画像を右画像とする。撮像装置10は、左画像および右画像を、後述する制御装置50に出力する。
【0091】
<制御装置の概略構成>
図3に示すように、ゴルフカー1は、制御装置50を備える。制御装置50は、プロセッサ51および記憶部52を備える。プロセッサ51は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マルチプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および本明細書に記載する処理を実行することができる任意の他の回路が含まれる。記憶部52は、プロセッサ51で実行される処理に必要な情報を記憶する。記憶部52は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。
【0092】
ゴルフカー1は、自動運転モードと手動運転モードに切換え可能である。自動運転モードでは、ゴルフカー1は既定ルートを自動的に走行する。自動運転モードの場合、制御装置50は、ゴルフカー1を自動的に走行させるための自動運転制御を行う。また、自動運転モードにおいて、制御装置50は、後述する路面位置関連情報に基づいて、既定ルートの路面60上の障害物を検出する障害物検出処理を行う。自動運転モードにおいて、制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合、ゴルフカー1の速度を低下させる。
【0093】
(1)通常の自動運転制御
制御装置50は、誘導線センサ8からの検出信号を取得する。制御装置50は、制御装置50は、誘導線センサ8からの検出信号に基づいて、操舵装置15を制御する。
【0094】
制御装置50の記憶部52は、速度制御情報を予め記憶している。速度制御情報は、磁場に基づいて識別される識別情報とゴルフカー1の速度とが関連付けられた情報である。制御装置50は、取得した識別情報に基づいて、記憶部52から速度制御情報を読み出す。そして、制御装置50は、取得した識別情報に関連付けられたゴルフカー1の速度を取得する。制御装置50は、車輪回転センサ6の信号に基づいて、ゴルフカー1の現在速度を算出する。そして、制御装置50は、ゴルフカー1の現在速度が取得した速度になるように、駆動装置4および制動装置5を制御する。なお、ゴルフカー1は、ゴルフカー1の現在速度を検出するために、車輪回転センサ6とは別に、4つの車輪3のいずれかの車輪3の回転速度を検出するセンサを有していてもよい。
【0095】
ゴルフカー1の加速が必要な場合、制御装置50は、駆動装置4に対して、後輪3rr、3rlに付与される駆動力を増加させるための信号を送信する。ゴルフカー1の減速が必要な場合、制御装置50は、制動装置5に対して、後輪3rr、3rlに付与される駆動力を減少させるための信号を送信する。必要な減速度が大きい場合には、制御装置50は、駆動装置4への信号の送付に加えて、制動装置5に対して、4つの車輪3に制動力を付与するための信号を送信する。
【0096】
(2)既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合の自動運転制御
制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合に、ゴルフカー1の速度を低下させる。制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合に、ゴルフカー1の速度を低下させた後、最終的に、ゴルフカー1の走行を停止させてもよい。制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物が検出されなくなった場合に、ゴルフカー1の速度を通常の自動運転制御時の速度に戻してもよい。制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合に、制動装置5および駆動装置4の少なくとも一方を制御することで、ゴルフカー1の速度を低下させる、または、ゴルフカー1の走行を停止させる。
【0097】
なお、ゴルフカー1は、音または光によって乗員およびゴルフカー1の周囲の者に報知する報知手段を有していてもよい。制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合に、報知手段を作動させてもよい。報知手段の作動は、ゴルフカー1の速度を低下させる前に開始してもよい。
【0098】
(3)障害物検出処理
次に、制御装置50の障害物検出処理について説明する。制御装置50の記憶部52は、障害物検出処理に使用する既定ルート地図情報Iaを予め記憶している。既定ルート地図情報Iaは、通常の自動運転制御にも使用されてもよい。既定ルート地図情報Iaには、既定ルートの路面60の形状および幅の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とが含まれる。既定ルート地図情報Iaは、本発明の第1既定ルート地図情報と第2既定ルート地図情報のいずれにも相当する。
図4に示すように、既定ルートの路面60の形状は、直線とカーブとで構成される。既定ルートの路面60の形状および幅の情報とは、電磁誘導線62の形状と既定ルートの路面60の幅の情報であってもよい。既定ルートの路面60の形状は、電磁誘導線62の形状と既定ルートの路面60の幅から特定できる。既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報は、例えば、
図4に示すスタート位置Sからどれだけ離れた位置であるかという情報である。例えば、
図4に示す位置Saの相対位置情報は、スタート位置Sから距離Daだけ離れているという情報である。既定ルートの路面60上の複数の位置の絶対位置情報は、例えば、緯度と経度とで表される。
【0099】
制御装置50は、障害物検出処理において、現在位置推定処理と、路面位置推定処理と、障害物検出処理と、撮像装置揺動処理とを実行する。これらの処理は、ゴルフカー1の使用中に行われる。制御装置50は、上述した実施形態の制御装置30を含む。制御装置50は、本発明の制御装置を含む。以下、各処理の詳細について説明する。
【0100】
(3-1)現在位置推定処理
制御装置50は、既定ルートの路面60における自車1の現在位置を推定する現在位置推定処理を実行する。制御装置50は、現在位置推定処理において、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Iaと、車輪回転センサ6からの検出信号と、誘導線センサ8からの検出信号とに基づいて、既定ルートの路面60における自車1の現在位置を推定する。以下、現在位置推定処理の詳細を説明する。
【0101】
制御装置50は、車輪回転センサ6からの検出信号を用いたオドメトリ(走行距離計測法)によって、スタート位置Sから、または、通過した埋設マーカ61からのゴルフカー1の移動距離を算出する。また、制御装置50は、誘導線センサ8からの検出信号に基づいて、誘導線センサ8に対する電磁誘導線62の左右方向のずれ量を推定する。制御装置50は、算出された移動距離と、既定ルート地図情報Iaと、推定されたずれ量とに基づいて、既定ルートの路面60における自車1の現在位置を推定する。移動距離と、既定ルート地図情報Iaとから、既定ルートにおけるゴルフカー1の現在のおおよその位置を推定することができる。移動距離と既定ルート地図情報Iaに加えて、推定されたずれ量を使うことで、既定ルートの路面60における自車1の現在位置を推定することができる。
【0102】
現在位置の推定に、埋設マーカ61からの移動距離が使用される場合、現在位置の推定に、埋設マーカ検出センサ7が検出した埋設マーカ61の識別情報も使用される。つまり、この場合、制御装置50は、現在位置推定処理において、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Iaと、車輪回転センサ6からの検出信号と、埋設マーカ検出センサ7からの検出信号と、誘導線センサ8からの検出信号とに基づいて、既定ルートの路面60における自車1の現在位置を推定する。
【0103】
現在位置推定処理では、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の形状の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報が使用される。現在位置推定処理では、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の幅の情報は使用されない。
【0104】
(3-2)路面位置推定処理
制御装置50は、現在位置推定処理の後、路面位置推定処理を実行する。制御装置50は、路面位置推定処理において、ゴルフカー1の使用中に撮像装置10によって撮像された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定する。この路面位置推定処理では、路面位置関連情報が用いられる。路面位置関連情報とは、ゴルフカー1の使用中に撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定するための情報である。具体例1において、路面位置関連情報は、既定ルート地図情報Iaである。記憶部52は、予め路面位置関連情報を記憶している。即ち、具体例1の記憶部52は、上述した実施形態の路面位置関連情報取得部20の一例である。
【0105】
制御装置50は、撮像装置10の現在の揺動角度を取得する。制御装置50は、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Ia(路面位置関連情報)、制御装置50によって推定された既定ルート走行車両1の現在位置、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定する。推定された自車1の現在位置と、既定ルート地図情報Iaとから、自車1の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の形状および幅を推定できる。また、自車1の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の形状および幅と、撮像装置10の現在の揺動角度とに基づいて、現在位置において現在の揺動角度で撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定できる。そのため、既定ルート地図情報Iaと、推定された自車1の現在位置と、撮像装置10の現在の揺動角度とから、画像中の既定ルートの路面70の位置を推定することができる。
【0106】
路面位置推定処理では、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の形状および幅の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報が使用される。画像中の既定ルートの路面70の位置を推定するとは、少なくとも、画像中の既定ルートの路面70の幅方向両端の位置を推定することである。以下、路面位置推定処理の一例の詳細を説明する。
【0107】
制御装置50は、左画像センサ10aにより撮像された左画像と右画像センサ10bにより撮像された右画像とに基づいて視差画像を生成する。視差画像は、例えばSAD(Sum of Absolute Difference)等のステレオマッチングにより生成することができる。ステレオマッチングの方法は、他にも、面積相関法や、Census transformが挙げられる。視差画像の座標系は、
図5に示す撮像装置10に固定された座標系と同じである。つまり、視差画像は、
図5に示すX軸とY軸を座標軸とする。視差画像は、座標値ごとに視差値を有する。視差値は、右画像と左画像の画素のずれ量である。視差値は、例えば、左画像に対する右画像の横方向の画素のずれ量であってもよい。制御装置50が生成する視差画像の一例である視差画像P1を
図6に示す。視差画像P1は、
図4におけるスタート位置Sから距離Da離れた位置Saにおいて揺動角度θaの撮像装置10で撮像した画像に基づいて生成された視差画像である。
【0108】
制御装置50は、既定ルート地図情報Ia(路面位置関連情報)、推定された自車1の現在位置、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、視差画像中の既定ルートの路面70の位置を推定する。具体的には、制御装置50は、視差画像中の既定ルートの路面70の両端を示す複数のX座標値を算出(推定)する。より詳細には、制御装置50は、視差画像中の既定ルートの路面70の両端を示す複数のX座標値と、各X座標値に対応付けられた視差値の範囲を算出する。つまり、制御装置50は、視差画像中の既定ルートの路面70の両端を厳密に示すのではなく、視差画像中の既定ルートの路面70の両端とその近傍を示す複数のX座標値を算出する。
【0109】
例えば、制御装置50は、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の形状の情報と、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報と、推定された自車1の現在位置と、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報とに基づいて、視差画像中の既定ルートの路面70の幅方向中央を通るラインを推定してもよい。この場合、制御装置50は、推定されたライン上の複数の視差値と、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の実際の幅の情報とに基づいて、視差画像上の既定ルートの路面70の両端を示す複数のX座標値および各X座標に対応する視差値の範囲を算出する。
また、例えば、制御装置50は、既定ルート地図情報Iaと、推定された自車1の現在位置と、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報とに基づいて、視差画像中の既定ルートの路面70の両端を示す複数のX座標値および各X座標に対応する視差値の範囲を直接算出してもよい。
【0110】
図6に示す視差画像P1中の既定ルートの路面70の幅方向両端の位置を示す複数のX座標値は、視差値の範囲daに対応付けられたX座標値X
1およびX
10と、視差値の範囲dbに対応付けられたX座標値X
2およびX
9と、視差値の範囲dcに対応付けられたX座標値X
3およびX
8と、視差値の範囲ddに対応付けられたX座標値X
4およびX
7と、視差値の範囲deに対応付けられたX座標値X
5およびX
6である。視差値の範囲da~dgの関係は、da>db>dc>dd>de>df>dgである。
【0111】
図6の視差画像P1では、障害物Ob4があることによって、視差値が範囲de内でX座標値がX
5である領域が存在しない。制御装置50は、例えば、視差値が範囲deでX座標値がX
6の線分などから、視差画像P1において視差値が範囲deでX座標値がX
5の線分の位置を推定する。
【0112】
(3-3)障害物検出処理
制御装置50は、路面位置推定処理の後、障害物検出処理を実行する。制御装置50は、障害物検出処理において、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面70(60)上の障害物を検出する。
【0113】
まず、制御装置50は、撮像装置10により撮像された画像中の障害物を検出する。制御装置50は、生成した視差画像を用いて、画像中の障害物を検出する。ここでの障害物とは、ゴルフカー1の走行にとって障害となる可能性を有するか否かは問わず、立体物をいう。画像中の障害物を検出する処理は、画像中の既定ルートの路面70の位置を推定した後に行ってもよく、推定する前に行ってもよい。制御装置50は、生成した視差画像において、例えば、同じ視差値がY軸方向に予め定められた画素数を超えて連続し、視差値が異なる領域とX軸方向に隣接する領域を、障害物として検出してもよい。制御装置50は、生成した視差画像において、例えば、所定の範囲内の視差値がY軸方向に予め定められた画素数を超えて連続し、視差値の差が所定値より大きい領域とX軸方に隣接する領域を、障害物として検出してもよい。
図6において、領域Ob1、Ob2、Ob3、Ob4が障害物として検出される。
【0114】
次に、制御装置50は、検出された障害物が、既定ルートの路面70上に存在するか否かを判定する。つまり、制御装置50は、視差画像中の障害物が、路面位置推定処理で推定された視差画像中の既定ルートの路面70上に存在するか否かを判定する。具体的には、制御装置50は、視差画像において、障害物の下端を示すX座標値が、既定ルートの路面70を示し、障害物の下端の視差値と同じ視差値に対応付けられたX座標値の範囲内に含まれるかどうかを判定する。含まれる場合、障害物が既定ルートの路面70上にあると判定される。この方法により、既定ルートの路面60に接する障害物だけでなく、既定ルートの路面60に接しておらず既定ルートの路面60の真上に存在する障害物も検出できる。例えば、
図6に示される障害物Ob1~Ob4のうち、障害物Ob4だけが既定ルートの路面70上にあると判定される。このようにして、制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出する。
【0115】
なお、制御装置50は、視差画像中の障害物を囲む最小の矩形領域が、視差画像中の既定ルートの路面70と重なるかどうかを判定した後で、既定ルートの路面70と重なる矩形領域内の障害物に対して、上述した判定をしてもよい。この2段階判定により、より高速に障害物が既定ルートの路面70上に存在するか否かを判定することができる。
【0116】
(3-4)撮像装置揺動処理
制御装置50は、撮像装置揺動処理において、既定ルートの路面60における自車1の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Ia、および、制御装置50によって推定された自車1の現在位置に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度を設定する。推定された自車1の現在位置と、既定ルート地図情報Iaとから、自車1の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の形状を推定できる。つまり、推定された自車1の現在位置と、既定ルート地図情報Iaとから、自車1の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の方向を推定できる。自車1の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の方向から、既定ルートの路面60における自車1の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように揺動装置40の目標揺動角度を設定できる。
【0117】
目標揺動角度を設定する処理では、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の形状の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報が使用される。目標揺動角度を設定する処理では、既定ルート地図情報Iaに含まれる既定ルートの路面60の幅の情報は使用されない。
【0118】
制御装置50は、撮像装置揺動処理において、設定した目標揺動角度に基づいて揺動装置40を制御する。揺動装置40は、設定された目標揺動角度となるように撮像装置10を揺動させる。以上が、障害物検出処理の説明である。
【0119】
具体例1は、上述した実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0120】
制御装置50は、揺動軸線L1を中心とした30°以上180°以下の揺動角度範囲内で撮像装置10が揺動するように、揺動装置40を制御する。揺動角度範囲が30°以上と比較的大きい。そのため、撮像装置10の水平画角が小さくても、ゴルフカー1が曲率半径の小さいカーブを走行する場合に、撮像装置10によって撮像された画像に、既定ルートの路面60における将来の走行位置をより確実に含めることができる。
【0121】
制御装置50は、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Ia、および、制御装置50によって推定された現在位置に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度を設定する。これにより、ゴルフカー1の使用中にゴルフカー1が目標揺動角度の情報を取得する場合に比べて、ゴルフカー1が使用中に取得する情報量を抑えつつ、目標揺動角度をより細かく設定することができる。それにより、撮像された画像内の好適な位置に既定ルートの路面60をより確実に含ませることができる。その結果、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー1から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0122】
記憶部52(路面位置関連情報取得部)は、路面位置関連情報を予め記憶する。これにより、ゴルフカー1の使用中にゴルフカー1が路面位置関連情報を取得する場合に比べて、ゴルフカー1の使用中に取得する情報量を抑えつつ、路面位置関連情報をより細かく取得することができる。制御装置50は、このように取得された路面位置関連情報を用いて、既定ルートの路面60上の障害物を検出する。そのため、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー1から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0123】
記憶部52(路面位置関連情報取得部)は、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の形状および幅の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを含む既定ルート地図情報Iaを予め記憶する。そのため、制御装置50は、予め記憶された既定ルート地図情報Ia(路面位置関連情報)、制御装置50によって推定された現在位置、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を推定することができる。
【0124】
撮像装置10は、左画像センサ10aと右画像センサ10bとを有するステレオカメラである。左画像センサ10aと右画像センサ10bとを有するステレオカメラを撮像装置10として用いることで、左画像センサ10aにより撮像された左画像と、右画像センサ10bにより撮像された右画像とに基づいて視差画像を生成して、この視差画像を用いて障害物を検出することが可能となる。また、1次元スキャンのレーザーレーダを用いた障害物検出では、起伏のある路面を障害物として検出しやすいという問題がある。一方、ステレオカメラを用いた障害物検出では、路面の起伏の影響を抑えながら、障害物を検出することができる。その結果、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー1から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0125】
制御装置50は、既定ルートの路面60上の障害物を検出した場合に、ゴルフカー1の速度を低下させる、または、ゴルフカー1の走行を停止させる。これにより、手動ではなく自動で、ゴルフカー1を減速または停止させることができる。その結果、障害物との接触が回避される可能性を高めることができる。
【0126】
(実施形態の具体例1の変更例1)
具体例1において、記憶部52は、路面位置関連情報として、既定ルート地図情報Iaを予め記憶している。そして、制御装置50は、生成した視差画像、記憶部52に記憶された既定ルート地図情報Ia(路面位置関連情報)、制御装置50によって推定された自車1の現在位置、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、視差画像中の既定ルートの路面70の両端を示す複数のX座標値を算出している。
しかし、記憶部52は、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の複数の位置S1~Snの事前取得視差画像中の既定ルートの路面60の両端を示す複数のX座標値を含む複数の路面座標情報を予め記憶していてもよい。
【0127】
複数の位置S1~Snの事前取得視差画像とは、複数の位置S1~Snの各々においてゴルフカー1の撮像装置10により事前に撮像された右画像と左画像に基づいて作成された視差画像である。より詳細には、事前取得視差画像は、ゴルフカー1の撮像装置10を揺動させることなく撮像した右画像と左画像に基づいて生成された視差画像である。例えば、事前取得視差画像を撮像するときの撮像装置10は、揺動角度がゼロの状態で固定されている。複数の位置S1~Snは、例えば等間隔で並んでいてもよい。複数の位置S1~Snは、スタート位置Sを含んでいてもよい。
【0128】
路面座標情報は、X座標値と対応付けられた視差値または視差値の範囲も含む。複数の路面座標情報は、複数の位置S1~Snと対応付けて記憶部52に記憶されている。1つの位置に対する路面座標情報の数は1つである。このように、路面座標情報は、ゴルフカー1の撮像装置10により事前に撮像された画像に基づいて生成されている。複数の路面座標情報は、ゴルフカー1の撮像装置10を揺動させずに撮像した画像に基づいて生成されている。路面座標情報は、事前に撮像された画像と、この画像が撮像された位置の位置情報と、既定ルートの路面60の形状の情報に基づいて生成される。なお、路面座標情報は、ゴルフカー1とは異なる車両の撮像装置によって事前に撮像された画像に基づいて生成されていてもよい。但し、この場合も撮像装置は揺動されない。
【0129】
図7に、具体例1の変更例1の路面位置関連情報を生成するために用いた事前取得視差画像の一例である事前取得視差画像P2を示す。
図7に示される事前取得視差画像P2は、
図4に示す位置Saで撮像された画像に基づいて生成されている。なお、上述したように、
図6に示される視差画像P1も、位置Saで撮像された画像に基づいて生成されている。この事前取得視差画像P2に基づいて生成された路面座標情報は、視差値の範囲daに対応付けられたX座標値X
11およびX
16と、視差値の範囲dbに対応付けられたX座標値X
12およびX
17と、視差値の範囲dcに対応付けられたX座標値X
13およびX
18と、視差値の範囲ddに対応付けられたX座標値X
14およびX
19と、および、視差値の範囲deに対応付けられたX座標値X
15およびX
20とである。
【0130】
制御装置50は、複数の位置S1~Snと対応付けて記憶部52に記憶された複数の路面座標情報の中から、推定された自車1の現在位置に最も近い位置に対応付けられた路面座標情報を抽出する。例えば、推定された自車1の現在位置が位置Saに最も近い場合、事前取得視差画像P2に基づいて生成された路面座標情報が抽出される。制御装置50は、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、抽出された路面座標情報のX座標値及び視差値を補正する。制御装置50は、補正後のX座標値および視差値から、現在の揺動角度の撮像装置10で撮影された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定できるように、X座標値および視差値を補正する。
【0131】
具体例1の変更例1では、具体例1と路面位置関連情報が異なる。しかし、具体例1の変更例1では、具体例1と同様に、ゴルフカー1の使用中にゴルフカー1が路面位置関連情報を取得する場合に比べて、ゴルフカー1の使用中に取得する情報量を抑えつつ、路面位置関連情報をより細かく取得することができる。制御装置50は、このように取得された路面位置関連情報を用いて、既定ルートの路面60上の障害物を検出する。そのため、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー1から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0132】
(実施形態の具体例1の変更例2)
具体例1の変更例1では、複数の路面座標情報は、ゴルフカー1の撮像装置10を揺動させずに撮像した画像に基づいて生成されている。しかし、複数の路面座標情報は、既定ルートの路面60における自車の将来の走行位置が画像内に含まれるように撮像装置10を揺動させつつ撮像した画像に基づいて生成されてもよい。なお、具体例1の変更例1と同様に、路面座標情報は、ゴルフカー1とは異なる車両の撮像装置によって事前に撮像された画像に基づいて生成されていてもよい。以下、具体例1の変更例1と異なる点についてのみ説明する。
【0133】
複数の路面座標情報の各々は、撮像装置10の揺動角度と対応付けて記憶部52に記憶されている。詳細には、路面座標情報は、事前取得視差画像を生成するための画像を撮像したときの撮像装置10の揺動角度と対応付けて記憶されている。
【0134】
制御装置50は、複数の位置S1~Snと対応付けて記憶部52に記憶された複数の路面座標情報の中から、推定された自車1の現在位置に最も近い位置に対応付けられた路面座標情報を抽出する。制御装置50は、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報と、抽出した路面座標情報に対応付けられた撮像装置10の揺動角度とに基づいて、抽出された路面座標情報のX座標値及び視差値を補正する。制御装置50は、補正後のX座標値および視差値から、現在の揺動角度の撮像装置10で撮影された画像中の既定ルートの路面70の位置を推定できるように、X座標値および視差値を補正する。
【0135】
具体例1の変更例2でも、ゴルフカー1の使用中にゴルフカー1が路面位置関連情報を取得する場合に比べて、ゴルフカー1の使用中に取得する情報量を抑えつつ、路面位置関連情報をより細かく取得することができる。制御装置50は、このように取得された路面位置関連情報を用いて、既定ルートの路面60上の障害物を検出する。そのため、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー1から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0136】
(実施形態の具体例2)
本発明の実施形態の具体例2について、
図8に基づいて説明する。
図8は、ゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。具体例2のゴルフカー101は、上述した実施形態の既定ルート走行車両1の特徴を全て有している。以下の説明では、上述した実施形態および具体例1と同じ部位についての説明は省略する。
【0137】
具体例2のゴルフカー101の制御装置150は、プロセッサ151および記憶部152を備える。記憶部152は、既定ルートの路面60の幅の情報を予め記憶している。制御装置150は、既定ルートの路面60における自車101の現在位置を推定しない。また、具体例2のゴルフカー101は、ゴルフカー101の使用中に、ゴルフカー101の速度の制御に使用される目標速度情報を取得する。目標速度情報は、目標速度情報が取得された直後のゴルフカー101の目標とする速度に関する情報である。よって、ゴルフカー101は、自車101の位置を推定したり、ゴルフカー101の速度を制御したりするために必要な車輪回転センサ6および埋設マーカ検出センサ7を備えていない。
【0138】
具体例2のゴルフカー101は、RFID(Radio Frequency Identification)タグから情報を読み取るRFIDリーダ170を備えている。RFIDリーダ170は、ゴルフカー101の使用中に、自車101の将来の走行位置を含む既定ルートの路面60の一部分の形状の情報を取得する。ゴルフカー101の使用中にRFIDリーダ170が取得する既定ルートの路面60の一部分の形状の情報は、本発明の路面位置関連情報に相当する。具体例2のRFIDリーダ170は、上述した実施形態の路面位置関連情報取得部20の一例である。つまり、具体例2のRFIDリーダ170は、本発明の路面位置関連情報取得部に相当する。また、具体例2のRFIDリーダ170は、本発明の路面形状情報取得部にも相当する。
【0139】
具体例2では、
図4に示す複数の埋設マーカ61の代わりに、複数のRFIDタグが、既定ルートに沿って配置されている。RFIDタグは、地表に剥き出しの状態であっても、地中に埋設されていてもよい。RFIDタグの各々には、ゴルフカー101の目標速度情報と、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報とが記憶されている。
【0140】
RFIDリーダ170は、ゴルフカー101がRFIDタグの上を通過する度に、直下のRFIDタグから目標速度情報を取得する。制御装置150は、RFIDリーダ170が取得した目標速度情報に基づいて、駆動装置4または/および制動装置5を制御する。
【0141】
RFIDリーダ170は、ゴルフカー101がRFIDタグの上を通過する度に、直下のRFIDタグから、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報を取得する。制御装置150は、記憶部152に記憶された既定ルートの路面60の幅の情報、RFIDリーダ170(路面位置関連情報取得部)が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を推定する。そして、制御装置150は、画像中の既定ルートの路面60(70)上の障害物を検出する。制御装置150は、上述した実施形態の制御装置30を含む。
【0142】
RFIDリーダ170は、ゴルフカー101がRFIDタグの上を通過する度に、直下のRFIDタグから、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報を取得する。制御装置150は、既定ルートの路面60における自車101の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように、RFIDリーダ170(路面形状情報取得部)が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度を設定する。揺動装置40は、制御装置150によって設定された目標揺動角度に基づいて、撮像装置10を揺動させる。
【0143】
具体例2は、上述した実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。具体例2は、具体例1と同じ構成に関して、具体例1の効果と同じ効果を奏する。また、具体例2では、撮像装置10の目標揺動角度の設定のための現在位置の推定が不要である。さらに、具体例2では、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要である。画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を精度良く推定できる。
【0144】
(実施形態の具体例2の変更例1)
具体例2において、RFIDリーダ170は、ゴルフカー101の使用中に、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報を取得する。既定ルートの路面60の幅の情報は、記憶部152に予め記憶されている。制御装置150は、記憶部152に記憶された既定ルートの路面60の幅の情報、RFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を推定する。
しかし、RFIDリーダ170が、ゴルフカー101の使用中に、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の一部分の形状および幅の情報を取得してもよい。この場合、記憶部152は、既定ルートの路面60の幅の情報を記憶していなくてよい。制御装置150は、RFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状および幅の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60の位置を推定する。
【0145】
具体例2の変更例1では、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定の方法が具体例2と異なる。しかし、具体例2の変更例1では、具体例2と同様に、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要である。具体例2の変更例1では、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を精度良く推定できる。
【0146】
(実施形態の具体例2の変更例2)
具体例2において、制御装置150は、ゴルフカー101の使用中にRFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度を設定する。
しかし、ゴルフカー101の使用中にRFIDリーダ170が目標揺動角度を取得し、制御装置150は、取得された目標揺動角度に基づいて揺動装置40を制御してもよい。すなわち、RFIDタグには、揺動装置40の目標揺動角度に関連する情報が記憶されている。
【0147】
具体例2の変更例2では、揺動装置40の目標揺動角度の設定の方法が具体例2と異なる。しかし、具体例2の変更例2では、具体例2と同様に、揺動装置40の目標揺動角度の設定のための現在位置の推定が不要である。具体例2の変更例2では、撮像装置の目標揺動角度の設定のための現在位置の推定が不要でありながら、撮像装置の目標揺動角度を細かく設定できる。
【0148】
(実施形態の具体例3)
本発明の実施形態の具体例3について、
図9に基づいて説明する。
図9は、ゴルフカーの概略構成を示すブロック図である。具体例3のゴルフカー201は、上述した実施形態の既定ルート走行車両1の特徴を全て有している。以下の説明では、上述した実施形態およびその具体例1、2と同じ部位についての説明は省略する。
【0149】
具体例3の制御装置250は、プロセッサ251および記憶部252を備える。記憶部252は、既定ルート地図情報Ibを予め記憶している。既定ルート地図情報Ibには、既定ルートの路面60の形状の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とが含まれる。既定ルート地図情報Ibは、本発明の第1既定ルート地図情報に相当する。また、記憶部252は、既定ルートの路面60の幅の情報を記憶する。つまり、実質的には、記憶部252は、具体例1と同様に、既定ルートの路面60の形状および幅の情報と、既定ルートの路面60上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報とを記憶する。
【0150】
具体例3のゴルフカー201は、具体例1のゴルフカー1と同様に、車輪回転センサ6および埋設マーカ検出センサ7を備える。制御装置250は、記憶部252に記憶された既定ルート地図情報Ibと、車輪回転センサ6からの検出信号と、誘導線センサ8からの検出信号とに基づいて、既定ルートの路面60における自車201の現在位置を推定する。もしくは、具体例3の制御装置250は、記憶部252に記憶された既定ルート地図情報Ibと、車輪回転センサ6からの検出信号と、埋設マーカ検出センサ7からの検出信号と、誘導線センサ8からの検出信号とに基づいて、既定ルートの路面60における自車201の現在位置を推定する。
【0151】
また、具体例3のゴルフカー201は、具体例2のゴルフカー101と同様に、RFIDリーダ170を備えている。RFIDリーダ170は、ゴルフカー201の使用中に、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報をRFIDタグから取得する。具体例3のRFIDリーダ170は、上述した実施形態の路面位置関連情報取得部20の一例である。
【0152】
制御装置250は、具体例2の制御装置150と同様に、記憶部252に記憶された既定ルートの路面60の幅の情報、RFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を推定する。制御装置250は、上述した実施形態の制御装置30を含む。
【0153】
また、制御装置250は、具体例1の制御装置50と同様に、既定ルートの路面60における自車201の将来の走行位置が撮像装置10の撮像範囲に含まれるように、記憶部252に記憶された既定ルート地図情報Ib、および、制御装置250によって推定された自車201の現在位置に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度を設定する。揺動装置40は、制御装置250によって設定された目標揺動角度に基づいて、撮像装置10を揺動させる。
【0154】
具体例3は、上述した実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。具体例3は、具体例1と同じ構成に関して、具体例1の効果と同じ効果を奏する。具体例3は、具体例2と同じ構成に関して、具体例2の効果と同じ効果を奏する。
【0155】
具体例3では、揺動装置40の目標揺動角度の設定の方法が、具体例1と同じある。具体例3では、記憶部252に記憶された既定ルート地図情報Ib、および、制御装置250によって推定された現在位置に基づいて、揺動装置40の目標揺動角度が設定される。これにより、ゴルフカー201の使用中にゴルフカー201が目標揺動角度の情報を取得する場合に比べて、ゴルフカー201が使用中に取得する情報量を抑えつつ、目標揺動角度をより細かく設定することができる。それにより、撮像された画像内の好適な位置に既定ルートの路面60をより確実に含ませることができる。その結果、既定ルートの路面60上にあってゴルフカー201から遠い障害物の検出精度および検出率をより向上できる。
【0156】
具体例3では、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定の方法が、具体例2と同じである。具体例3では、具体例2と同様に、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要である。画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を精度良く推定できる。
【0157】
(実施形態の具体例3の変更例1)
具体例3において、RFIDリーダ170は、ゴルフカー201の使用中に、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の一部分の形状の情報を取得する。既定ルートの路面60の幅の情報は、記憶部252に予め記憶されている。制御装置250は、記憶部252に記憶された既定ルートの路面60の幅の情報、RFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60の位置を推定する。
しかし、RFIDリーダ170が、ゴルフカー201の使用中に、路面位置関連情報として、既定ルートの路面60の一部分の形状および幅の情報を取得してもよい。この場合、記憶部252は、既定ルートの路面60の幅の情報を記憶していなくてよい。制御装置250は、RFIDリーダ170が取得した既定ルートの路面60の一部分の形状および幅の情報、および、撮像装置10の現在の揺動角度に関連する情報に基づいて、撮像装置10により撮像された画像中の既定ルートの路面60の位置を推定する。
【0158】
具体例3の変更例1は、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定の方法が具体例2の変更例1と同じである。具体例3の変更例1では、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面60(70)の位置を精度良く推定できる。
【0159】
本発明は、上述した実施形態の具体例1、2、3およびその変更例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の具体例の他の変更例について説明する。
【0160】
≪制御装置の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、制御装置50、150、250は、1つのプロセッサで構成される。制御装置50、150、250は、複数のプロセッサで構成されてもよい。本発明の制御装置は、少なくとも1つのプロセッサで構成される。本発明の制御装置が複数のプロセッサで構成される場合、複数のプロセッサは物理的に離れた2つのプロセッサを含んでいてもよい。本発明の記憶部は、少なくとも1つの記憶装置で構成される。本発明の記憶部は、外部記憶装置を含んでいてもよい。本発明の記憶部が複数の記憶装置で構成される場合、複数の記憶装置は物理的に離れた2つの記憶装置を含んでいてもよい。
【0161】
≪既定ルート走行車両の駆動装置の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、駆動装置4は、電気モータを含み、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する駆動装置である。しかし、本発明の既定ルート走行車両が有する駆動装置は、ガソリン等の燃料の燃焼エネルギーを運動エネルギーに変換する駆動装置であってもよい。本発明の駆動装置は、例えば、エンジンであってもよい。本発明の駆動装置は、エンジンと電気モータの両方を有していてもよい。
【0162】
≪既定ルート走行車両の制動装置の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、制動装置5は、ディスクブレーキ装置である。しかし、本発明の制動装置は、ディスクブレーキ装置以外の運動エネルギーを熱エネルギーに変換する機械式ブレーキを含んでいてもよい。ディスクブレーキ装置以外の機械式ブレーキは、例えば、ドラムブレーキ装置であってもよい。また、本発明の既定ルート走行車両が有する制動装置は、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する電気式ブレーキを含んでいてもよい。電気式ブレーキは、例えば、モータ機能付き発電機による回生ブレーキであってもよい。また、本発明の制動装置は、機械式ブレーキと電気式ブレーキを併用するものであってもよい。
【0163】
≪既定ルート走行車両の車輪の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、2つの前輪3fr、3flと2つの後輪3rr、3rlを有する。しかし、本発明の既定ルート走行車両は、1つまたは2つより多い前輪を有してもよい。本発明の既定ルート走行車両は、1つまたは2つより多い後輪を有してもよい。
【0164】
≪既定ルート走行車両の走行の制御の変更例1≫
実施形態の具体例1、2、3において、制御装置50、150、250は、前輪3fr、3flを操舵して、ゴルフカー1、101、201の進行方向を制御する。しかしながら、本発明の制御装置は、少なくとも1つの後輪を操舵して、既定ルート走行車両の進行方向を制御してもよい。本発明の制御装置は、少なくとも1つの前輪と少なくとも1つの後輪を操舵して、既定ルート走行車両の進行方向を制御してもよい。本発明の制御装置は、複数の車輪の少なくとも1つの車輪を操舵して、既定ルート走行車両の進行方向を制御してもよい。また、本発明の制御装置は、車両の左部に配置された左車輪の回転速度と車両の右部に配置された右車輪の回転速度を異なるように制御することにより、既定ルート走行車両の進行方向を制御してもよい。
【0165】
≪既定ルート走行車両の走行の制御の変更例2≫
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、誘導線センサ8からの検出信号に基づいて進行方向が制御され、埋設マーカ検出センサ7からの検出信号に基づいて速度が制御される。しかし、本発明の既定ルート走行車両が自動的に走行する場合、自動的に走行するための速度および進行方向の制御の方法は、これに限らない。
【0166】
≪既定ルート走行車両の操作子の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、ステアリングホイール11を備えている。しかしながら、本発明の既定ルート走行車両は、ステアリングホイールを備えなくてもよい。
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、アクセルペダル12を備えている。しかしながら、本発明の既定ルート走行車両は、アクセルペダルを備えなくてもよい。
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、ブレーキペダル13を備えている。しかしながら、本発明の既定ルート走行車両は、アクセルペダルおよびブレーキペダルを備えなくてもよい。
【0167】
≪既定ルート走行車両の種類の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201の通常の進行方向は、車両前方向である。通常の進行方向は、一時的な進行方向は含まない。しかしながら、本発明の既定ルート走行車両は、進行方向を車両後方向に変更して走行することができるスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)であってもよい。
【0168】
≪既定ルート走行車両の種類の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3の既定ルート走行車両は、ゴルフカーである。しかし、本発明の既定ルート走行車両は、自動運転バス、小型自動電動車両等であってもよい。本発明の既定ルート走行車両は、レール上をレールに沿って走行する車両を含んでもよく、含まなくてもよい。本発明の既定ルート走行車両は、乗員を乗せて走行する車両であってもよく、乗員を乗せない車両であってもよい。
【0169】
≪現在位置を推定する処理の変更例≫
実施形態の具体例1、3において、制御装置50、250は、記憶部52、252に記憶された既定ルート地図情報Ia、Ibと、車輪回転センサ6からの検出信号と、埋設マーカ検出センサ7からの検出信号と、誘導線センサ8からの検出信号とに基づいて、ゴルフカー1、201の現在位置を推定している。
しかしながら、本発明の制御装置は、これ以外の方法で、既定ルート走行車両の現在位置を推定してもよい。例えば、制御装置50、250は、誘導線センサ8からの検出信号を使用せずに、記憶部52、252に記憶された既定ルート地図情報Ia、Ibと、車輪回転センサ6および埋設マーカ検出センサ7からの検出信号とに基づいて、既定ルート走行車両の現在位置を推定してもよい。また、例えば、本発明の制御装置は、GPSなどのGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して、既定ルート走行車両の現在位置を推定してもよい。
【0170】
≪RFIDリーダの代替≫
具体例2、3およびその変更例において、ゴルフカー101、201の使用中に情報を取得する手段として、RFIDリーダ170が用いられている。しかし、本発明において、既定ルート走行車両の使用中に情報を取得する手段として、RFIDリーダの代わりに、無線通信により情報を取得する無線通信装置が使用されてもよい。例えば、既定ルート走行車両に搭載される無線通信装置は、既定ルートに沿って路面の外に配置された複数の通信機から情報を取得してもよい。既定ルート走行車両に搭載される無線通信装置は、具体例2、3のRFIDリーダ170のように、路面位置関連情報を取得してもよい。この場合、無線通信装置は、本発明の路面位置関連情報取得部に相当する。既定ルート走行車両に搭載される無線通信装置は、具体例2のRFIDリーダ170のように、自車の将来の走行位置を含む前記既定ルートの前記路面の一部分の形状の情報を取得してもよい。この場合、無線通信装置は、本発明の路面形状情報取得部に相当する。既定ルート走行車両に搭載される無線通信装置は、具体例2の変更例2のRFIDリーダ170のように、目標揺動角度を取得してもよい。既定ルート走行車両に搭載される無線通信装置は、具体例2のRFIDリーダ170のように、目標速度情報を取得してもよい。
【0171】
≪撮像装置の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、撮像装置10は、2つの画像センサを有するステレオカメラである。しかし、本発明の撮像装置は、3つ以上の画像センサを有するステレオカメラであってもよい。また、本発明の撮像装置は、単眼カメラでもよい。
【0172】
≪画像中の路面の位置を推定する処理の変更例≫
本発明の制御装置は、撮像装置によって撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定するために視差画像を用いなくてもよい。この場合、本発明の路面位置関連情報は、例えば、撮像装置によって撮像された画像に投影されて、画像中の既定ルートの路面を表す情報を含んでいてもよい。この情報を投影路面情報と称する。投影路面情報は、画像中の既定ルートの路面の形状と幅を表す情報である。投影路面情報は、例えば、事前に既定ルート走行車両が既定ルートを走行したときに取得した撮像装置の3次元の移動軌跡の情報と、既定ルートの路面の幅の情報とに基づいて生成された3次元路面情報であってもよい。3次元の移動軌跡の情報を取得する際には、撮像装置は揺動させずに固定したままとする。
【0173】
本発明の路面位置関連情報取得部が路面位置関連情報を予め記憶する場合、路面位置関連情報は、既定ルートの路面上の複数の位置の相対位置情報または絶対位置情報と、既定ルートの路面上の位置情報と対応付けられた既定ルートの路面全体の投影路面情報とを含んでいてもよい。この場合、制御装置は、予め記憶された路面位置関連情報と、制御装置によって推定された自車の現在位置と、撮像装置の現在の揺動角度とに基づいて、撮像装置によって撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定してもよい。投影路面情報を含む路面位置関連情報を用いることにより、既定ルートの路面が坂道を含む場合であっても、画像中の既定ルートの路面の位置を推定する精度が高い。
【0174】
本発明の路面位置関連情報取得部が既定ルート走行車両の使用中に路面位置関連情報取得する場合、路面位置関連情報は、自車の将来の走行位置を含む既定ルートの路面の一部分の投影路面情報を含んでいてもよい。この場合、制御装置は、既定ルート走行車両の使用中に取得した路面位置関連情報と、撮像装置の現在の揺動角度とに基づいて、撮像装置によって撮像された画像中の既定ルートの路面の位置を推定してもよい。これにより、画像中の既定ルートの路面の位置の推定のための現在位置の推定が不要でありながら、画像中の既定ルートの路面の位置を精度良く推定できる。また、投影路面情報を含む路面位置関連情報を用いることにより、既定ルートの路面が坂道を含む場合であっても、画像中の既定ルートの路面の位置を推定する精度が高い。
【0175】
≪画像中の障害物を検出する処理の変更例≫
本発明の制御装置は、撮像装置によって撮像された画像中の障害物(立体物)を検出するために視差画像を用いなくてもよい。例えば、制御装置は、機械学習により、撮像装置によって撮像された画像から、人や車両などの特定の障害物(立体物)を検出してもよい。
本発明の制御装置は、撮像装置によって撮像された画像に基づいて既定ルートの路面上の障害物を検出するために、視差画像を利用しなくてもよい。視差画像が不要な場合、撮像装置は単眼カメラであってもよい。
【0176】
≪路面上の障害物が検出された後の制御の変更例≫
実施形態の具体例1、2、3において、ゴルフカー1、101、201は、既定ルートの路面60上の障害物が検出された場合、制御装置50、150、250によって自動的に減速される。しかし、本発明の既定ルート走行車両は、既定ルートの路面上の障害物が検出された場合、自動的に減速されなくてもよい。
【0177】
例えば、本発明の既定ルート走行車両は、音または光によって乗員および既定ルート走行車両の周囲の者(例えば歩行者)に報知する報知手段を有していてもよい。そして、既定ルートの路面上の障害物が検出された場合、制御装置は、報知手段を作動させてもよい。報知手段によって既定ルートの路面上に障害物があることを認識した乗員の操作によって、既定ルート走行車両が減速してもよい。この場合、乗員の操作によって、最終的に、既定ルート走行車両の走行が停止してもよい。具体例1、2、3における自動運転モード中、既定ルートの路面上の障害物が検出された場合、乗員の操作によって、既定ルート走行車両を減速させてもよい。
【0178】
また、例えば、既定ルートの路面上の障害物が検出された場合、既定ルート走行車両から管理装置に情報が送信されてもよい。管理装置が受信する情報は、リモート操作者によって監視される。リモート操作者は、制御装置から管理装置に送信された情報によって、既定ルートの路面上に障害物があることを認識する。障害物があることを認識したリモート操作者の操作によって、既定ルート走行車両に制御信号が送信される。既定ルート走行車両の制御装置は、この制御信号に基づいて既定ルート走行車両を減速させる。つまり、既定ルート走行車両は、リモート操作者の操作によって減速してもよい。この場合、リモート操作者の操作によって、最終的に、既定ルート走行車両の走行が停止してもよい。具体例1、2、3における自動運転モード中、既定ルートの路面上の障害物が検出された場合、リモート操作者の操作によって、既定ルート走行車両を減速させてもよい。
【0179】
なお、本出願の基礎出願である特願2019-48436号における「既定走路」は、本出願の「既定ルートの走路」に相当する。同基礎出願における「画像走路特定情報」および「画像走路特定情報取得部」は、本出願の「路面位置関連情報」および「路面位置関連情報取得部」にそれぞれ相当する。同基礎出願における「走路形状情報取得部」は、本出願の「路面形状情報取得部」に相当する。同基礎出願における「第1既定走路地図情報」および「第2既定走路地図情報」は、本出願の「第1既定ルート地図情報」および「第2既定ルート地図情報」にそれぞれ相当する。同基礎出願における「3次元走路情報」は、本出願の「3次元路面情報」に相当する。
【符号の説明】
【0180】
1 既定ルート走行車両、ゴルフカー
9 車体
10 撮像装置
20 路面位置関連情報取得部
30、50 制御装置
40 揺動装置
52 記憶部(路面位置関連情報取得部)
60 既定ルートの路面
70 画像中の既定ルートの路面
101 ゴルフカー(既定ルート走行車両)
150 制御装置
151 プロセッサ
152 記憶部
170 RFIDリーダ(路面位置関連情報取得部、路面形状情報取得部)
201 ゴルフカー(既定ルート走行車両)
250 制御装置
252 記憶部(路面位置関連情報取得部)
L1 揺動軸線
A 水平画角