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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20241008BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611H
G09G3/20 612T
G09G3/20 621A
G09G3/20 621K
G09G3/20 624B
G09G3/20 642A
G09G3/20 650J
G09G3/20 670A
G09G3/20 680G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023109817
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2021168505の分割
【原出願日】2021-10-14
(65)【公開番号】P2023130434
(43)【公開日】2023-09-20
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135087
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】洪 錫 顯
(72)【発明者】
【氏名】李 聖 恩
(72)【発明者】
【氏名】金 廷 ▲ヒョン▼
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0378459(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0080337(KR,A)
【文献】特開2014-123125(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0071445(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0144689(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
複数のピクセル(PXL)を含むピクセルアレイと、
データライン(140)を介して前記複数のピクセルにディスプレイ用データ電圧を供給する駆動電圧生成回路(23)を含むドライバー集積回路と、
前記表示パネルと接続され、基準電圧ラインとして用いられるセンシングライン(SIO、150)を介して前記複数のピクセルに第1基準電圧を供給するセンシング回路(22)と
を含み、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、
前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)及びセンシング用データ電圧(VSEN)を供給するための前記データライン(140)と、
第1基準電圧(VPRER)を供給するための前記基準電圧ラインと、
高電位ピクセル電圧を供給するための高電位電源ラインと、
ゲート信号を供給するためのゲートライン対と
に接続されており、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)と前記第1基準電圧(VPRER)との間の電圧差に基づいて画像を表示し、
前記センシング回路(22)は、
前記センシングラインに連結されたセンシングチャネル端子(SCH)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1基準電圧の入力端子との間に連結され、前記第1基準電圧の入力端子と前記センシングチャネル端子(SCH)との間を選択的に接続及び切断するように構成された第1スイッチ(RPRE)と、
前記第1スイッチ(RPRE)がオフになる垂直ブランク区間で、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に、前記第1基準電圧から変化した前記センシングラインの電圧をセンシングするサンプリング部(S/H)と
を含み、
前記垂直ブランク区間内にはSIOセンシング区間とピクセルセンシング区間が連続的に位置し、
前記サンプリング部は、前記SIOセンシング区間の間に、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に生じる他のセンシングラインとの間の電圧の偏差を検出するために、前記センシングラインの電圧をセンシングし、次いで前記ピクセルセンシング区間の間に、ピクセルの駆動特性を示す前記複数のピクセルのノード電圧をセンシングし、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、駆動トランジスタ及び前記駆動トランジスタと接続された発光素子を含み、
前記駆動特性は、前記駆動トランジスタの閾値電圧、前記駆動トランジスタの電子移動度及び前記発光素子の動作点電圧のうちの少なくとも1つを含
前記垂直ブランク区間に先立つ垂直アクティブ区間で、前記センシングラインは前記第1基準電圧で充電され、
前記SIOセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結が遮断され、
前記ピクセルセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結がなされ、
前記センシングチャネル端子、前記第1基準電圧の入力端子及び前記サンプリング部に連結され、前記SIOセンシング区間内で動作が活性化する第1非反転増幅回路(22-1)をさらに含む、
電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第1非反転増幅回路は、
反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有し、非反転入力端子が前記第1基準電圧の入力端子に連結されたOPアンプ(AMP)と、
前記OPアンプの反転入力端子に連結された第1抵抗(R1)と、
前記OPアンプの反転入力端子と出力端子との間に連結された第2抵抗(R2)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1抵抗との間に連結された第2スイッチ(SW1)と、
前記OPアンプの出力端子と前記サンプリング部との間に連結された第3スイッチ(SW1a)と
を含む、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項3】
前記第1非反転増幅回路は、
前記SIOセンシング区間内で前記第2スイッチ(SW1)及び前記第3スイッチ(SW1a)がオン状態を維持するうちに前記センシングラインの電圧と前記第1基準電圧との間の電圧差を増幅する、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項4】
表示パネルと、
複数のピクセル(PXL)を含むピクセルアレイと、
データライン(140)を介して前記複数のピクセルにディスプレイ用データ電圧を供給する駆動電圧生成回路(23)を含むドライバー集積回路と、
前記表示パネルと接続され、基準電圧ラインとして用いられるセンシングライン(SIO、150)を介して前記複数のピクセルに第1基準電圧を供給するセンシング回路(22)と
を含み、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、
前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)及びセンシング用データ電圧(VSEN)を供給するための前記データライン(140)と、
第1基準電圧(VPRER)を供給するための前記基準電圧ラインと、
高電位ピクセル電圧を供給するための高電位電源ラインと、
ゲート信号を供給するためのゲートライン対と
に接続されており、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)と前記第1基準電圧(VPRER)との間の電圧差に基づいて画像を表示し、
前記センシング回路(22)は、
前記センシングラインに連結されたセンシングチャネル端子(SCH)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1基準電圧の入力端子との間に連結され、前記第1基準電圧の入力端子と前記センシングチャネル端子(SCH)との間を選択的に接続及び切断するように構成された第1スイッチ(RPRE)と、
前記第1スイッチ(RPRE)がオフになる垂直ブランク区間で、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に、前記第1基準電圧から変化した前記センシングラインの電圧をセンシングするサンプリング部(S/H)と
を含み、
前記垂直ブランク区間内にはSIOセンシング区間とピクセルセンシング区間が連続的に位置し、
前記サンプリング部は、前記SIOセンシング区間の間に、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に生じる他のセンシングラインとの間の電圧の偏差を検出するために、前記センシングラインの電圧をセンシングし、次いで前記ピクセルセンシング区間の間に、ピクセルの駆動特性を示す前記複数のピクセルのノード電圧をセンシングし、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、駆動トランジスタ及び前記駆動トランジスタと接続された発光素子を含み、
前記駆動特性は、前記駆動トランジスタの閾値電圧、前記駆動トランジスタの電子移動度及び前記発光素子の動作点電圧のうちの少なくとも1つを含み、
前記垂直ブランク区間に先立つ垂直アクティブ区間で、前記センシングラインは前記第1基準電圧で充電され、
前記SIOセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結が遮断され、
前記ピクセルセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結がなされ、
前記第1基準電圧より高い第2基準電圧(VPRES)の入力端子、前記センシングチャネル端子及び前記サンプリング部に連結され、前記SIOセンシング区間内で動作が活性化する第2非反転増幅回路(22-2)をさらに含む
界発光表示装置。
【請求項5】
前記第2非反転増幅回路は、
反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有するOPアンプ(AMP)と、
前記OPアンプの反転入力端子に連結された第1抵抗(R1)と、
前記OPアンプの反転入力端子と出力端子との間に連結された第2抵抗(R2)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1抵抗との間に連結された第2スイッチ(SW1)と、
前記OPアンプの出力端子と前記サンプリング部との間に連結された第3スイッチ(SW1a)と、
一側電極(B)が前記OPアンプの非反転入力端子に連結されたキャパシタ(Cy)と、
前記センシングチャネル端子と前記キャパシタの他側電極(A)との間に連結された第4スイッチ(SW3)と、
前記OPアンプの非反転入力端子と前記第2基準電圧の入力端子との間に連結された第5スイッチ(SW4)と
を含む、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項6】
前記第2非反転増幅回路は、
前記SIOセンシング区間内で前記第2スイッチ(SW1)、前記第3スイッチ(SW1a)及び前記第4スイッチ(SW3)がオン状態を維持するうちに前記センシングラインの電圧と前記第2基準電圧との間の電圧差を増幅する、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項7】
表示パネルと、
複数のピクセル(PXL)を含むピクセルアレイと、
データライン(140)を介して前記複数のピクセルにディスプレイ用データ電圧を供給する駆動電圧生成回路(23)を含むドライバー集積回路と、
前記表示パネルと接続され、基準電圧ラインとして用いられるセンシングライン(SIO、150)を介して前記複数のピクセルに第1基準電圧を供給するセンシング回路(22)と
を含み、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、
前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)及びセンシング用データ電圧(VSEN)を供給するための前記データライン(140)と、
第1基準電圧(VPRER)を供給するための前記基準電圧ラインと、
高電位ピクセル電圧を供給するための高電位電源ラインと、
ゲート信号を供給するためのゲートライン対と
に接続されており、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、前記ディスプレイ用データ電圧(VDIS)と前記第1基準電圧(VPRER)との間の電圧差に基づいて画像を表示し、
前記センシング回路(22)は、
前記センシングラインに連結されたセンシングチャネル端子(SCH)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1基準電圧の入力端子との間に連結され、前記第1基準電圧の入力端子と前記センシングチャネル端子(SCH)との間を選択的に接続及び切断するように構成された第1スイッチ(RPRE)と、
前記第1スイッチ(RPRE)がオフになる垂直ブランク区間で、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に、前記第1基準電圧から変化した前記センシングラインの電圧をセンシングするサンプリング部(S/H)と
を含み、
前記垂直ブランク区間内にはSIOセンシング区間とピクセルセンシング区間が連続的に位置し、
前記サンプリング部は、前記SIOセンシング区間の間に、前記複数のピクセルの駆動特性とは独立に生じる他のセンシングラインとの間の電圧の偏差を検出するために、前記センシングラインの電圧をセンシングし、次いで前記ピクセルセンシング区間の間に、ピクセルの駆動特性を示す前記複数のピクセルのノード電圧をセンシングし、
前記複数のピクセル(PXL)の各々は、駆動トランジスタ及び前記駆動トランジスタと接続された発光素子を含み、
前記駆動特性は、前記駆動トランジスタの閾値電圧、前記駆動トランジスタの電子移動度及び前記発光素子の動作点電圧のうちの少なくとも1つを含み、
前記垂直ブランク区間に先立つ垂直アクティブ区間で、前記センシングラインは前記第1基準電圧で充電され、
前記SIOセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結が遮断され、
前記ピクセルセンシング区間の間に前記センシングラインと前記ピクセルとの間の電気的連結がなされ、
前記第1基準電圧の入力端子、前記センシングチャネル端子及び前記サンプリング部に連結され、前記SIOセンシング区間内で動作が活性化する第3非反転増幅回路(22-3)をさらに含む
界発光表示装置。
【請求項8】
前記第3非反転増幅回路は、
反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有するOPアンプ(AMP)と、
前記OPアンプの反転入力端子に連結された第1抵抗(R1)と、
前記OPアンプの反転入力端子と出力端子との間に連結された第2抵抗(R2)と、
前記センシングチャネル端子と前記第1抵抗との間に連結された第2スイッチ(SW1)と、
前記OPアンプの出力端子と前記サンプリング部との間に連結された第3スイッチ(SW1a)と、
一側電極(B)が前記OPアンプの非反転入力端子に連結されたキャパシタ(Cy)と、
前記センシングチャネル端子と前記キャパシタの他側電極Aとの間に連結された第4スイッチ(SW3)と、
前記OPアンプの非反転入力端子と前記第1基準電圧の入力端子との間に連結された第5スイッチ(SW5)と
を含む、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項9】
前記第3非反転増幅回路は、
前記SIOセンシング区間内で前記第2スイッチ(SW1)、前記第3スイッチ(SW1a)、前記第4スイッチ(SW3)及び前記第5スイッチ(SW5)がオン状態を維持するうちに前記センシングラインの電圧と前記第1基準電圧との間の電圧差を増幅する、請求項に記載の電界発光表示装置。
【請求項10】
前記センシングチャネル端子と前記サンプリング部との間に連結された第2スイッチ(SW2)をさらに含み、
前記第2スイッチ(SW2)はSIOセンシング区間の間にオフ状態を維持し、前記ピクセルセンシング区間の間にオン状態を維持する、請求項及びのいずれか一項に記載の電界発光表示装置。
【請求項11】
前記垂直ブランク区間に先立つ垂直アクティブ区間の長さがフレーム周波数とは独立に固定されるが、前記垂直ブランク区間の長さは前記フレーム周波数によって変わる、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
第1フレーム周波数による前記垂直ブランク区間には前記SIOセンシング区間及び前記ピクセルセンシング区間が全部割り当てられ、
第2フレーム周波数による前記垂直ブランク区間には前記ピクセルセンシング区間のみ全部割り当てられ、
前記第2フレーム周波数は前記第1フレーム周波数より早い、請求項11に記載の電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電界発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックスタイプの電界発光表示装置は発光素子と駆動素子をそれぞれ含むピクセルをマトリックス状に配列し、映像データの階調によってピクセルで具現される映像の輝度を調節する。駆動素子は自分のゲート電極とソース電極との間にかかる電圧(以下、“ゲート・ソース間の電圧”という)によって発光素子に流れるピクセル電流を制御する。ピクセル電流によって発光素子の発光量と画面の輝度が決定される。
【0003】
駆動素子の閾値電圧及び電子移動度、発光素子の動作点電圧(又はターンオン電圧)などはピクセルの駆動特性を決定するので、全てのピクセルで同一でなければならないが、工程及び劣化特性などの多様な原因によってピクセルの間に駆動特性が変わることができる。このような駆動特性の違いは輝度偏差をもたらし、所望の画像を具現するのに制約になる。
【0004】
ピクセル間の輝度偏差を補償するために、センシングラインを介してピクセルの駆動特性差をセンシング及び補償する補償技術が知られている。しかし、センシングラインに不良が発生した場合、当該センシングラインを共有するピクセルのセンシング値と補償値が歪んで輝線又は暗線が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-120409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明はセンシングライン間の充電電圧維持能力の差を補償して画像品位を高めるようにした電界発光表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例による電界発光表示装置は、ディスプレイ用データ電圧と第1基準電圧との間の電圧差に基づいて画像を表示するピクセルと、データラインを介して前記ピクセルに前記ディスプレイ用データ電圧を供給する駆動電圧生成回路と、センシングラインを介して前記ピクセルに前記第1基準電圧を供給するセンシング回路とを含み、前記センシング回路は、前記センシングラインに連結されたセンシングチャネル端子と、前記センシングチャネル端子と前記第1基準電圧の入力端子との間に連結されたスイッチと、前記スイッチがオフになる垂直ブランク区間で、前記ピクセルの駆動特性に関係なく前記第1基準電圧から変化した前記センシングラインの電圧をセンシングするサンプリング部とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施例による電界発光表示装置は、センシングライン間の充電電圧維持能力差を補償して画像品位を高めることができる。
【0009】
本発明の実施例による電界発光表示装置は、センシング回路内に非反転増幅回路をさらに含み、センシングラインの電圧変動量検出時間を縮めることができ、センシング分別力を向上させることができる。
【0010】
本発明による効果は以上で例示した内容に制限されなく、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例による電界発光表示装置を示す図である。
図2図1の表示パネルが備えるピクセルアレイの一例を示す図である。
図3図2のピクセルアレイに連結されたデータ駆動回路の一構成を示す図である。
図4図3に示したピクセルの等価回路図である。
図5】SIOセンシング駆動が必要な理由を説明するための図である。
図6】SIOセンシング駆動が必要な理由を説明するための図である。
図7】ホストシステムとタイミングコントローラとの間で可変フレーム周波数による信号をやり取りすることを示す図である。
図8】入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。
図9】入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。
図10】垂直ブランク区間の長さによるRT(Real Time)センシングの設定例を示す図である。
図11】垂直ブランク区間の長さによるRT(Real Time)センシングの設定例を示す図である。
図12】垂直ブランク区間の長さによるRT(Real Time)センシングの設定例を示す図である。
図13】本発明の第1実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。
図14図13の回路の駆動波形図である。
図15】本発明の第2実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。
図16図13の回路の駆動波形図である。
図17】本発明の第3実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。
図18図17の回路の駆動波形図である。
図19】本発明の第4実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。
図20図19の回路に関する駆動波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本発明は以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得る。ただ、本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供するものである。本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0013】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状、サイズ、縮尺、角度、個数などは例示的なものであるので、本発明が図面に示した事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ構成要素は同じ参照符号で指称する。本発明で言及する‘含む’、‘有する’、‘なる’などを使う場合、‘~のみ’という表現を使わない限り、他の部分をさらに含むことができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0014】
構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものとして解釈する。
【0015】
位置関係についての説明の場合、例えば、‘~の上に’、‘~の上部に’、‘~の下部に’、‘~のそばに’などで2つの部分の位置関係を説明する場合、‘すぐ’又は‘直接’という表現を使わない限り、2つの部分の間に2つ以上の他の部分が位置することができる。
【0016】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に制限されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもできる。
【0017】
本明細書で表示パネルの基板上に形成されるピクセル回路はnタイプMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造のTFTから具現されるか又はpタイプMOSFET構造のTFTから具現されることもできる。TFTはゲート(gate)、ソース(source)及びドレイン(drain)を含む3電極素子である。ソースはキャリア(carrier)をトランジスタに供給する電極である。TFT内でキャリアはソースから流れ始める。ドレインはTFTからキャリアが外部に出る電極である。すなわち、MOSFETにおけるキャリアはソースからドレインに流れる。nタイプTFT(NMOS)の場合、キャリアが電子(electron)であるため、ソースからドレインに電子が流れるようにソース電圧がドレイン電圧より低い電圧を有する。nタイプTFTで電子がソースからドレイン側に流れるから、電流はドレインからソース側に流れる。これに対し、pタイプTFT(PMOS)の場合、キャリアが正孔(hole)であるため、ソースからドレインに正孔が流れるようにソース電圧がドレイン電圧より高い。pタイプTFTで正孔がソースからドレイン側に流れるから、電流がソースからドレイン側に流れる。MOSFETのソースとドレインは固定されたものではないことに気を付けなければならない。例えば、MOSFETのソースとドレインは印加電圧によって変更されることができる。
【0018】
一方、本発明で、TFTの半導体層は、オキシド素子、アモルファスシリコン素子、及びポリシリコン素子の少なくとも1つから具現されることができる。
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。以下の説明で、本発明に関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0020】
図1は本発明の実施例による電界発光表示装置を示す図である。そして、図2図1の表示パネルが備えるピクセルアレイの一例を示す図である。
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による電界発光表示装置は、表示パネル10、ドライバー集積回路20、補償集積回路30、ホストシステム40、保存メモリ50、及び電源回路60を含むことができる。表示パネル10を駆動するためのパネル駆動回路は、表示パネル10が備えるゲート駆動回路15と、ドライバー集積回路20に内蔵されたデータ駆動回路25とを含む。
【0022】
表示パネル10は多数のピクセルラインPNL1~PNL4を備え、各ピクセルラインは多数のピクセルPXLと複数の信号ラインとを備える。本明細書で説明する“ピクセルライン”は物理的な信号ラインではなく、ゲートラインの延長方向に沿って互いに隣り合うピクセルPXLと信号ラインの集合体を意味する。信号ラインは、ピクセルPXLにディスプレイ用データ電圧VDISとセンシング用データ電圧VSENを供給するためのデータライン140、ピクセルPXLに基準電圧VPRER又はVPRESを供給するための基準電圧ライン150、ピクセルPXLにゲート信号SCAN、SENを供給するゲートライン対160、162、及びピクセルPXLに高電位ピクセル電圧を供給するための高電位電源ラインPWLを含むことができる。
【0023】
表示パネル10のピクセルPXLはマトリックス状に配置されてピクセルアレイ(Pixel array)を構成する。図2のピクセルアレイに含まれた各ピクセルPXLは、データライン140のいずれか1つ、基準電圧ライン150のいずれか1つ、高電位電源ラインPWLのいずれか1つ、及びゲートライン対160、162のいずれか1つに連結されることができる。図2のピクセルアレイに含まれた各ピクセルPXLは電源回路60から低電位ピクセル電圧をさらに受けることができる。電源回路60は低電位電源ライン又はパッド部を介して低電位ピクセル電圧をピクセルPXLに供給できる。
【0024】
表示パネル10にはゲート駆動回路15が内蔵されることができる。ゲート駆動回路15はピクセルアレイが形成された表示領域の外の非表示領域に位置することができる。
【0025】
ゲート駆動回路15はピクセルアレイのゲートライン対160、162に連結された複数のゲートステージを含むことができる。ゲートステージは、ピクセルPXLのスイッチ素子を制御するための第1ゲート信号SCANを生成して第1ゲートライン160に供給し、ピクセルPXLのスイッチ素子を制御するための第2ゲート信号SENを生成して第2ゲートライン162に供給できる。
【0026】
ドライバー集積回路20はタイミング制御部21及びデータ駆動回路25を含むことができるが、これに限定されない。タイミング制御部21はドライバー集積回路20内に含まれず、ドライバー集積回路20とともにコントロールボードに実装されることもできる。データ駆動回路25はセンシング回路22及び駆動電圧生成回路23を含むことができるが、これに限定されない。
【0027】
タイミング制御部21は、ホストシステム40から入力されるタイミング信号、例えば垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、ドットクロック信号DCLK及びデータイネーブル信号DEなどを参照してゲート駆動回路15の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号GDCと、データ駆動回路25の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号DDCとを生成することができる。
【0028】
データタイミング制御信号DDCは、ソーススタートパルス(Source Start Pulse)、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock)、及びソース出力イネーブル信号(Source Output Enable)などを含むことができるが、これに限定されない。ソーススタートパルスは駆動電圧生成回路23のデータサンプリング開始タイミングを制御する。ソースサンプリングクロックは立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに基づいてデータのサンプリングタイミングを制御するクロック信号である。ソース出力イネーブル信号は駆動電圧生成回路23の出力タイミングを制御する。
【0029】
ゲートタイミング制御信号GDCはゲートスタートパルス(Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock)などを含むことができるが、これに限定されない。ゲートスタートパルスは一番目ゲート出力を生成するゲートステージに印加されてそのステージの動作を活性化する。ゲートシフトクロックはゲートステージに共通して入力されるもので、ゲートスタートパルスをシフトさせるためのクロック信号である。
【0030】
タイミング制御部21は、パネル駆動回路の動作タイミングを制御することにより、各フレームの垂直ブランク期間にピクセルPXLの駆動特性をセンシングすることができる。また、タイミング制御部21はパネル駆動回路の動作タイミングを制御することにより、複数の垂直ブランク期間の少なくとも1つ以上で、ピクセルPXLの駆動特性をセンシングするに先立ちセンシングラインの電圧維持能力をさらにセンシングすることができる。一方、タイミング制御部21はパネル駆動回路の動作タイミングを制御することにより、パワーオン期間又はパワーオフ期間にピクセルPXLの駆動特性をさらにセンシングすることもできる。
【0031】
ここで、パワーオン期間はシステム電源が印加された後から画面がオンになるまでの期間であり、パワーオフ期間は画面がオフになった後からシステム電源が解除されるまでの期間である。垂直ブランク期間は隣接した垂直アクティブ期間の間に位置し、映像データの書込みが中止される期間である。垂直アクティブ期間は画面再生のために映像データが表示パネル10に書き込まれる期間である。ピクセルPXLの駆動特性はピクセルPXLに含まれた駆動素子の閾値電圧及び電子移動度、及び発光素子の動作点電圧の中で少なくとも1つ以上を含むことができる。そして、センシングラインは基準電圧ライン150であることができる。
【0032】
タイミング制御部21は、表示パネル10のピクセルラインPNL1~PNL4に対するセンシング駆動タイミング及びディスプレイ駆動タイミングを所定のシーケンスで制御することにより、ディスプレイ駆動及びセンシング駆動を具現することができる。
【0033】
タイミング制御部21は、ディスプレイ駆動のためのタイミング制御信号GDC、DDCとセンシング駆動のためのタイミング制御信号GDC、DDCを互いに異なるように生成することができる。センシング駆動はピクセルセンシング駆動及びSIOセンシング駆動を含む。ピクセルセンシング駆動は、センシング対象ピクセルPXLにセンシング用データ電圧VSENを書き込んで当該ピクセルPXLの駆動特性をセンシングし、センシング結果、データSDATAに基づいて当該ピクセルPXLの駆動特性変化を補償するための第1補償値をアップデートすることを意味する。SIOセンシング駆動は、センシングラインの電圧維持能力をセンシングし、センシングラインの電圧偏差を補償するための第2補償値をアップデートすることを意味する。そして、ディスプレイ駆動は、アップデートされた第1及び第2補償値に基づき、当該ピクセルPXLに入力されるデジタル映像データを補正し、補正された映像データCDATAに対応するディスプレイ用データ電圧VDISを当該ピクセルPXLに印加して入力映像を表示することを意味する。
【0034】
駆動電圧生成回路23はデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器(Digital to Analog converter、以下DACという)から具現されることができる。駆動電圧生成回路23はデータライン140を介してピクセルPXLに連結されることができる。駆動電圧生成回路23は、ピクセルセンシング駆動に必要なセンシング用データ電圧VSENとディスプレイ駆動に必要なディスプレイ用データ電圧VDISを生成してデータライン140に供給する。ディスプレイ用データ電圧VDISは補償集積回路30で補正されたデジタル映像データCDATAに対するデジタル/アナログ変換結果であり、階調値及び補償値によってピクセル単位でその大きさを変えることができる。センシング用データ電圧VSENは、カラー別に駆動素子の駆動特性が違うことを考慮し、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)及びW(白色)ピクセルで互いに異なるように設定することができる。
【0035】
センシング回路22は基準電圧ライン150から具現されるセンシングラインを介してピクセルPXLに連結され得る。センシング回路22は、ディスプレイ駆動に必要な第1基準電圧VPRERをセンシングライン150に供給し、ピクセルセンシング駆動に必要な第2基準電圧VPRESをセンシングライン150に供給する。センシング回路22は、ピクセルセンシング駆動の際、ピクセルPXLの駆動特性を示すピクセルPXLの特定のノード電圧を、センシングライン150を介してセンシングすることができる。センシング回路22は、SIOセンシング駆動の際、第1基準電圧VPRERから低くなるセンシングライン150の放電特性をセンシングすることができる。
【0036】
センシング回路22は、複数のアナログセンシング値を複数のADC(Aanlog-Digital Conveter)を用いて同時に並列処理することもでき、複数のアナログセンシング値を1個のADCを用いて順次直列処理することもできる。ADCは、予め決定されたセンシングレンジによってアナログセンシング値をデジタルセンシング結果データSDATAに変換した後、保存メモリ50に供給する。
【0037】
保存メモリ50は、センシング駆動の際、センシング回路22から入力されるデジタルセンシング結果データSDATAを保存する。保存メモリ50はフラッシュメモリで具現化可能であるが、これに限定されない。
【0038】
補償集積回路30は、補償回路31及び補償メモリ32を含むことができる。補償メモリ32は保存メモリ50から読み込んだデジタルセンシング結果データSDATAを補償回路31に伝達する。補償メモリ32はRAM(Random Access Memory)、例えばDDR SDRAM(Double Date Rate Synchronous Dynamic RAM)であってもよいが、これに限定されない。補償回路31は保存メモリ50から読み込んだデジタルセンシング結果データSDATAに基づいて各ピクセル別に補償オフセット(Offset)及び補償ゲイン(Gain)を演算し、演算された補償オフセットと補償ゲインによってホストシステム40から受けた映像データを補正し、補正された映像データCDATAをドライバー集積回路20に供給する。
【0039】
電源回路60は、ピクセルPXLに供給される高電位ピクセル電圧及び低電位ピクセル電圧を生成することができる。また、電源回路60は、センシング回路22に供給される第1基準電圧VPRER、第2基準電圧VPRES、第3基準電圧VPRER2、基底電圧GNDなどを生成することができる。ピクセルPXLの駆動特性とセンシング回路22のセンシングレンジなどを満たすように、第1基準電圧VPRERは第2基準電圧VPRESより高く生成され得る。センシング回路22でのセンシング分別力が高くなるように、第3基準電圧VPRER2は第1基準電圧VPRERより高く生成され得る。第2基準電圧VPRESは基底電圧GNDと同じ電圧レベルを有することができる。
【0040】
図3図2のピクセルアレイに連結されたデータ駆動回路25の一構成を示す図である。
【0041】
図3を参照すると、データ駆動回路25はデータライン140を介してピクセルPXLの第1ノード(駆動素子のゲート電極に連結される)に接続され、センシングライン150を介してピクセルPXLの第2ノード(駆動素子のソース電極に連結される)に接続され得る。ピクセルPXLの駆動特性によって第2ノードにセットされる電圧を変えることができる。
【0042】
データ駆動回路25は駆動電圧生成回路DAC、23及びセンシング回路22を含むことができる。駆動電圧生成回路DAC、23はデータチャネルDCHを介して表示パネル10のデータライン140に連結され、センシング回路22はセンシングチャネルSCHを介して表示パネル10のセンシングライン150に連結される。駆動電圧生成回路DAC、23はセンシング用データ電圧VSEN及びディスプレイ用データ電圧VDISを生成する。
【0043】
ディスプレイ駆動の際、センシングチャネルSCHは第1基準電圧VPRERがセンシングライン150に充電される経路を提供する。SIOセンシング駆動の際、センシングチャネルSCHは、センシングライン150に充電された第1基準電圧VPRERがセンシング回路22を介して放電及びセンシングされる経路を提供する。ピクセルセンシング駆動の際、センシングチャネルSCHは第2基準電圧VPRESがセンシングライン150に充電される経路を提供した後、ピクセルPXLの第2ノード電圧がセンシング回路22によってセンシングされる経路を提供する。
【0044】
図4図3に示したピクセルの等価回路図の例である。図4は基準電圧ライン150をセンシングラインとして活用するピクセルPXLを示している。しかしながら、本発明の技術的思想は図4のピクセル構造には限定されない。
【0045】
図4を参照すると、ピクセルPXLは、発光素子EL、駆動TFT DT、スイッチTFT ST1、ST2、及びストレージキャパシタCstを含む。駆動TFT DTとスイッチTFT ST1、ST2はNMOSから具現化可能であるが、これに限定されない。
【0046】
発光素子ELは駆動TFT DTから受けたピクセル電流によって発光する。発光素子ELは有機発光層を含む有機発光ダイオードから具現化可能であり、無機発光層を含む無機発光ダイオードから具現化可能である。発光素子ELのアノード電極は第2ノードN2に接続され、カソード電極は低電位ピクセル電圧EVSSの入力端に接続される。
【0047】
駆動TFT DTはゲート・ソース間の電圧に対応してピクセル電流を生成する駆動素子である。駆動TFT DTのゲート電極は第1ノードN1に接続され、第1電極は高電位電源ラインPWLを介して高電位ピクセル電圧EVDDの入力端に接続され、第2電極は第2ノードN2に接続される。
【0048】
スイッチTFT ST1、ST2は駆動TFT DTのゲート・ソース間の電圧を設定し、駆動TFT DTの第1電極とデータライン14を連結するか、又は駆動TFT DTの第2電極とセンシングライン150を連結するスイッチ素子である。
【0049】
第1スイッチTFT ST1はデータライン140と第1ノードN1との間に接続され、ゲートライン160からの第1ゲート信号SCANに応じてターンオンになる。第1スイッチTFT ST1はディスプレイ駆動又はピクセルセンシング駆動のためのプログラミングの際にターンオンになる。第1スイッチTFT ST1がターンオンになるとき、ディスプレイ用データ電圧VDIS又はセンシング用データ電圧VSENが第1ノードN1に印加される。第1スイッチTFT ST1のゲート電極は第1ゲートライン160に接続され、第1電極はデータライン140に接続され、第2電極は第1ノードN1に接続される。
【0050】
第2スイッチTFT ST2はセンシングライン150と第2ノードN2との間に接続され、第2ゲートライン162からの第2ゲート信号SENに応じてターンオンになる。第2スイッチTFT ST2はディスプレイ駆動又はピクセルセンシング駆動のためのプログラミングの際にターンオンされ第1基準電圧VPRER又は第2基準電圧VPRESを第2ノードN2に印加する。第2スイッチTFT ST2はピクセルセンシング駆動のためのセンシング期間にターンオンされ第2ノードN2とセンシングライン150は連結することにより、駆動TFT DT又は発光素子ELの駆動特性が反映された第2ノードN2の電圧をセンシングライン150に充電させる。一方、第2スイッチTFT ST2はSIOセンシング駆動の際にオフ状態を維持して第2ノードN2とセンシングライン150との間の電気的連結を遮断する。第2スイッチTFT ST2のゲート電極はゲートライン160に接続され、第1電極はセンシングライン150に接続され、第2電極は第2ノードN2に接続される。
【0051】
ストレージキャパシタCstは第1ノードN1と第2ノードN2との間に接続されて駆動TFT DTのゲート・ソース間の電圧を一定期間維持する。
【0052】
このようなピクセルPXLは、ディスプレイ駆動の際、ディスプレイ用データ電圧VDISと第1基準電圧VPRERとの間の電圧差に基づく第1ピクセル電流によって画像を表示し、ピクセルセンシング駆動の際、センシング用データ電圧VSENと第2基準電圧VPRESとの間の電圧差に基づく第2ピクセル電流によって第2ノードN2とセンシングライン150を充電する。一方、ピクセルPXLは、SIOセンシング駆動の際、センシングライン150から電気的に分離される。
【0053】
図5及び図6はSIOセンシング駆動が必要な理由を説明するための図である。
【0054】
前述したように、ピクセルセンシング駆動は、ピクセルの駆動特性変化をセンシングし、そのセンシング結果に基づいてデジタル映像データを補正することにより、ピクセルの駆動特性変化による輝度偏差を補償するためのものである。ピクセルの駆動特性はセンシングラインによってセンシングされる。特定のセンシングチャネル(例えば、SCH2)に連結されたセンシングラインに不良が発生した場合、当該センシングラインSCH2を共有するピクセルのセンシング値と補償値が歪み、図5のように表示パネルで輝線又は暗線を視認することができる。センシングラインに不良が発生する代表的現象として、水分透湿によるセンシングラインと基底電圧との間のショート、異物によるセンシングラインと特定電圧源(基底電圧より高い)との間のショートなどがある。ピクセルセンシング駆動の際、センシングラインに充電された第2ノードの電圧はセンシングラインの不良によって歪んで誤センシング及び誤補償を引き起こすことがある。
【0055】
例えば、図6のように、水分透湿によってセンシングラインの漏洩抵抗が正常値より低くなる場合、ピクセルの駆動特性を示すセンシングライン電圧VSIOが自然放電値より大きく下降し、センシング値がアンダーフロー(underflow)形態に歪むことがある。一方、異物によってセンシングラインが高電圧の特定電圧源とショートした場合、ピクセルの駆動特性を示すセンシングライン電圧VSIOは前記特定電圧に上昇し、センシング値がオーバーフロー(overflow)形態に歪むことがある。
【0056】
SIOセンシング駆動は、センシングラインの電圧維持能力をセンシングし、ピクセルの駆動特性に関係ないセンシングライン間の電圧偏差を捜し出すためのものである。SIOセンシング駆動は垂直ブランク区間内でピクセルセンシング駆動に先立って遂行することができる。SIOセンシング駆動による第2補償値はピクセルセンシング駆動による第1補償値とは別個にアップデートされ得る。デジタル映像データは前記第1補償値及び第2補償値に基づいて補正されるから、ピクセル間の駆動特性偏差及びセンシングライン間の電圧偏差が補償され得る。
【0057】
SIOセンシング駆動は入力映像によってフレーム周波数が変更されるVRR(Variable Refresh Rate)の環境で有用に適用可能である。VRR技術については図7図9で説明する。
【0058】
図7図9は入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。そして、図10図12は垂直ブランク区間の長さによるRT(Real Time)センシングの設定例を示す図である。
【0059】
図7を参照すると、ホストシステム40は多様なインターフェース回路を介して補償集積回路に連結され、パネル駆動に必要な入力映像データDATAとデータイネーブル信号DEなどを補償集積回路に伝送する。ホストシステム40はグラフィックプロセッサユニットとフレームメモリを含み、入力映像データを予め決定されたアプリケーションによってレンダリングしてから補償集積回路に伝送することができる。グラフィックプロセッサユニットは、多様な映像処理コマンドによって映像データを1フレーム単位で映像処理し、映像処理されたフレームデータをドロー(draw)コマンドを使ってフレームメモリに保存する方式でレンダリング動作を遂行する。
【0060】
ホストシステム40は、入力映像のデータレンダリング時間を考慮してフレーム周波数を変更することができる。フレーム周波数を変更すれば、急激な映像変化による画面切断、画面揺れ、入力遅延などの問題を解決することができる。ホストシステム40は入力映像のデータレンダリング時間によってフレーム周波数を40Hz~240Hzの周波数範囲内で調整することができる。静止映像の場合、ホストシステム40はフレーム周波数を1Hz~10Hzの周波数範囲内で調整することもできるが、これに限定されない。可変フレーム周波数の範囲はモデル及びスペックによって違うように設定することができる。
【0061】
ホストシステム40は、図8のように、垂直アクティブ区間Vactiveの長さを固定し、入力映像のデータレンダリング時間によって垂直ブランク区間Vblankの長さを調整することにより、フレーム周波数を変更することができる。例えば、図9のように、ホストシステム40は、144Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク区間Vblank1を含むことができる。ホストシステム40は、100Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク区間Vblank1より“X”区間の分だけ増加した第2垂直ブランク区間Vblank2を含むことができる。ホストシステム40は、80Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク区間Vblank1より“Y”区間の分だけ増加した第3垂直ブランク区間Vblank3を含むことができる。ホストシステム40は、60Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク区間Vblank1より“Z”区間の分だけ増加した第4垂直ブランク区間Vblank4を含むことができる。
【0062】
このようなVRR技術は、入力映像によって垂直ブランク区間の長さを可変して垂直アクティブ区間の長さを固定することにより、フレーム周波数を変更するものである。VRR環境で、フレーム周波数が早いほど垂直ブランク区間の長さは短く、反対にフレーム周波数が遅いほど垂直ブランク区間の長さは長くなる。フレーム周波数が早い場合には垂直ブランク区間の長さが短いから、SIOセンシング駆動を除いてピクセルセンシング駆動のみ遂行される。フレーム周波数が長い場合には垂直ブランク区間の長さが長いから、SIOセンシング駆動及びピクセルセンシング駆動が全部遂行され得る。
【0063】
例えば、図10のように、60Hz及び120Hzのフレーム周波数から映像フレームが構成される場合、フレーム周波数120Hzによる垂直ブランク区間BK1ではピクセルセンシング駆動のみ遂行され、フレーム周波数60Hzによる垂直ブランク区間BK2ではSIOセンシング駆動及びピクセルセンシング駆動が全部遂行され得る。図10で、Vsyncは1フレームを定義する垂直同期信号であり、DEはデータイネーブル信号である。データイネーブル信号DEはディスプレイ用データ電圧の書込タイミングに同期されるから、垂直アクティブ区間のみでトランジションされ、垂直ブランク区間ではトランジションされない。図11及び図12で、RT(Real Time)センシングとは垂直ブランク区間でセンシング動作が行われることを意味する。
【0064】
以下、SIOセンシング駆動とピクセルセンシング駆動を具現することができるセンシング回路22に対する多様な実施例を説明する。
【0065】
[第1実施例]
図13は本発明の第1実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。そして、図14図13の回路の駆動波形図である。
【0066】
図13を参照すると、センシング回路22はセンシングライン150に連結されたセンシングチャネル端子SCH、センシングチャネル端子SCHと第1基準電圧VPRERの入力端子との間に連結されたスイッチRPRE、センシングチャネル端子SCHと第2基準電圧VPRESの入力端子との間に連結されたスイッチSPRE、及びサンプリング部S/Hを含むことができる。図13で、Rはセンシングライン150の漏洩抵抗を等価的に表現したものである。漏洩抵抗Rの大きさはセンシングライン150で違うことができ、図6のように、正常値、不良値、及び正常値と不良値との間の中間値のいずれか1つであってよい。図13で、Cxはセンシングライン150に存在する寄生キャパシタである。
【0067】
サンプリング部S/Hは、スイッチRPREがオフになる垂直ブランク区間Vblankで、ピクセルPXLの駆動特性に関係なく、第1基準電圧VPRERから変化したセンシングライン150の電圧VSIOをセンシングすることにより、SIOセンシング駆動を具現することができる。
【0068】
図14を参照すると、センシング回路22は垂直ブランク区間Vblankに先立つ垂直アクティブ区間Vactiveでディスプレイ駆動のためにセンシングライン150の寄生キャパシタCxに第1基準電圧VPRERを充電する。
【0069】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間を割り当てることができる。
【0070】
SIOセンシング区間の間にセンシングライン150は、ピクセルPXL、第1基準電圧VPRERの入力端子、及び第2基準電圧VPRESの入力端子との電気的連結が遮断される。このような疑似フローティング状態で、センシングライン150には漏洩抵抗Rを介して基底電圧GNDに連結される放電経路が形成されることができる。正常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが高いため、センシングライン150の電圧VSIOの減少量が少ない(自然放電)。一方、疑似ショートのような異常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが低くなるから、センシングライン150の電圧VSIOの減少量が大きくなる(過放電)。サンプリング部S/Hは放電によって変動したセンシングライン150の電圧VSIOを複数回サンプリングすることにより、センシングライン150間の電圧偏差を検出することができる。
【0071】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間に引き続きピクセルセンシング区間を割り当てることができる。
【0072】
ピクセルセンシング区間の間にセンシングライン150はピクセルPXLの第2ノードに続いて連結される。ピクセルセンシング区間はプログラミング区間及びサンプリング区間を含むことができる。プログラミング区間で、スイッチSPREがオンになり、第2基準電圧VPRES、0Vがセンシングライン150を介してピクセルPXLの第2ノードに印加される。ここで、ピクセルPXLの第1ノードにはデータライン140を介してセンシング用データ電圧が印加される。サンプリング区間で、ピクセルPXLはピクセル電流を生成する定電流源になる。このようなピクセル電流によって第2ノードの電圧が上昇し、ピクセルPXLの駆動特性によって電圧の上昇傾きが変わる。サンプリング区間で、ピクセルPXLとセンシングライン150は連結状態を維持するので、第2ノードの電圧変化がセンシングライン150の電圧VSIOにそのまま反映される。サンプリング部S/Hはセンシングライン150の電圧VSIOをサンプリングすることにより、第2ノードの電圧に対するピクセル間の電圧偏差を検出することができる。
【0073】
[第2実施例]
図15は本発明の第2実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。そして、図16図13の回路の駆動波形図である。
【0074】
図15を参照すると、センシング回路22は、センシングライン150に連結されたセンシングチャネル端子SCH、センシングチャネル端子SCHと第1基準電圧VPRERの入力端子との間に連結されたスイッチRPRE、センシングチャネル端子SCHと第2基準電圧VPRESの入力端子との間に連結されたスイッチSPRE、及びサンプリング部S/Hを含むことができる。図15で、Rはセンシングライン150の漏洩抵抗を等価的に表現したものである。漏洩抵抗Rの大きさはセンシングライン150で違うことができ、図6のように、正常値、不良値、及び正常値と不良値との間の中間値のいずれか1つであることができる。図15で、Cxはセンシングライン150に存在する寄生キャパシタである。
【0075】
サンプリング部S/Hは、スイッチRPREがオフになる垂直ブランク区間Vblankで、ピクセルPXLの駆動特性に関係なく第1基準電圧VPRERから変化したセンシングライン150の電圧VSIOをセンシングすることにより、SIOセンシング駆動を具現することができる。
【0076】
図15を参照すると、センシング回路22はセンシングチャネル端子SCH、第1基準電圧VPRERの入力端子及びサンプリング部S/Hに連結され、SIOセンシング区間内で動作が活性化する第1非反転増幅回路22-1をさらに含むことにより、センシングライン150の電圧VSIO変動量検出時間を縮めることができ、センシング分別力を向上させ得る。
【0077】
第1非反転増幅回路22-1は反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有し、非反転入力端子が第1基準電圧VPRERの入力端子に連結されたOPアンプAMP、OPアンプAMPの反転入力端子(-)に連結された第1抵抗R1、OPアンプAMPの反転入力端子(-)と出力端子との間に連結された第2抵抗R2、センシングチャネル端子SCHと第1抵抗R1との間に連結されたスイッチSW1、及びOPアンプAMPの出力端子とサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW1aを含む。
【0078】
図15を参照すると、センシング回路22は、センシングチャネル端子SCHとサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW2をさらに含む。スイッチSW2はSIOセンシング区間の間にオフ状態を維持し、ピクセルセンシング区間の間にオン状態を維持することにより、第1非反転増幅回路22-1の増幅結果をSIOセンシング区間の間にのみサンプリング部S/Hに入力するようにできる。
【0079】
図16を参照すると、センシング回路22は、垂直ブランク区間Vblankに先立つ垂直アクティブ区間Vactiveでディスプレイ駆動のためにセンシングライン150の寄生キャパシタCxに第1基準電圧VPRERを充電する。
【0080】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間を割り当てることができる。SIOセンシング区間の間にセンシングライン150は、ピクセルPXL、第1基準電圧VPRERの入力端子、及び第2基準電圧VPRESの入力端子との電気的連結が遮断される。このような疑似フローティング状態でセンシングライン150には漏洩抵抗Rを介して基底電圧GNDに連結される放電経路が形成され得る。正常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが高いため、センシングライン150の電圧VSIO減少量が少ない(自然放電)。一方、疑似ショートのような異常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが低くなるから、センシングライン150の電圧VSIO減少量が大きくなる(過放電)。
【0081】
第1非反転増幅回路22-1は、SIOセンシング区間内でスイッチSW1及びスイッチSW1aがオン状態を維持するうちにセンシングライン150の電圧VSIOと第1基準電圧VPRERとの間の電圧差を増幅する。すなわち、第1非反転増幅回路22-1は下記の式1のようにセンシングライン150の電圧VSIO変動量を増幅して出力電圧Voを生成する。
【数1】
【0082】
サンプリング部S/Hは、放電によって変動したセンシングライン150の電圧VSIO、つまり第1非反転増幅回路22-1の出力電圧Voをサンプリングすることにより、センシングライン150間の電圧偏差を検出することができる。
【0083】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間に引き続きピクセルセンシング区間を割り当てることができる。
【0084】
ピクセルセンシング区間の間にセンシングライン150はピクセルPXLの第2ノードに続いて連結される。ピクセルセンシング区間はプログラミング区間及びサンプリング区間を含むことができる。プログラミング区間で、スイッチSPREがオンになり、第2基準電圧VPRES、0Vがセンシングライン150を介してピクセルPXLの第2ノードに印加される。ここで、ピクセルPXLの第1ノードにはデータライン140を介してセンシング用データ電圧が印加される。サンプリング区間で、ピクセルPXLはピクセル電流を生成する定電流源になる。このようなピクセル電流によって第2ノードの電圧が上昇し、ピクセルPXLの駆動特性によって電圧の上昇傾きが変わる。サンプリング区間で、ピクセルPXLとセンシングライン150は連結状態を維持するので、第2ノードの電圧変化がセンシングライン150の電圧VSIOにそのまま反映される。サンプリング部S/HはスイッチSW2を介してセンシングライン150に連結されてセンシングライン150の電圧VSIOをサンプリングすることにより、第2ノードの電圧に対するピクセル間の電圧偏差を検出することができる。
【0085】
[第3実施例]
図17は本発明の第3実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。そして、図18図17の回路の駆動波形図である。
【0086】
図17を参照すると、センシング回路22は、センシングライン150に連結されたセンシングチャネル端子SCH、センシングチャネル端子SCHと第1基準電圧VPRERの入力端子との間に連結されたスイッチRPRE、センシングチャネル端子SCHと第2基準電圧VPRESの入力端子との間に連結されたスイッチSPRE、及びサンプリング部S/Hを含むことができる。図17で、Rはセンシングライン150の漏洩抵抗を等価的に表現したものである。漏洩抵抗Rの大きさはセンシングライン150で違うことができ、図6のように、正常値、不良値、及び正常値と不良値との間の中間値のいずれか1つであることができる。図17で、Cxはセンシングライン150に存在する寄生キャパシタである。
【0087】
サンプリング部S/Hは、スイッチRPREがオフになる垂直ブランク区間Vblankで、ピクセルPXLの駆動特性に関係なく第1基準電圧VPRERから変化したセンシングライン150の電圧VSIOをセンシングすることにより、SIOセンシング駆動を具現することができる。
【0088】
図17を参照すると、センシング回路22は、第1基準電圧VPRERより高い第3基準電圧VPRER2の入力端子、センシング連結され、SIOセンシング区間内で動作が活性化する第2非反転増幅回路22-2をさらに含むことにより、センシングライン150の電圧VSIO変動量検出時間を縮めることができ、センシング分別力を向上させることができる。第2非反転増幅回路22-2はセンシングライン漏洩による電圧変動量△V(すなわち、VPRER2-VSIO)値をOPアンプAMPの(+)入力値として使い、基底電圧GNDをOPアンプAMPの(-)入力値として使うことにより、センシング分別力をより向上させられる。第3基準電圧VPRER2は第1基準電圧VPRERより高く設定されるから、センシング時間が短い状況でもセンシング分別力を向上させられる。
【0089】
第2非反転増幅回路22-2は、反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有し、非反転入力端子が第3基準電圧VPRER2の入力端子に連結されたOPアンプAMP、OPアンプAMPの反転入力端子(-)に連結された第1抵抗R1、OPアンプAMPの反転入力端子(-)と出力端子との間に連結された第2抵抗R2、センシングチャネル端子SCHと第1抵抗R1との間に連結されたスイッチSW1、及びOPアンプAMPの出力端子とサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW1a、一側電極BがOPアンプAMPの非反転入力端子(+)に連結されたキャパシタCy、センシングチャネル端子SCHとキャパシタCyの他側電極Aとの間に連結されたスイッチSW3、及びOPアンプAMPの非反転入力端子(+)と第3基準電圧VPRER2の入力端子との間に連結されたスイッチSW4を含む。
【0090】
図17を参照すると、センシング回路22は、センシングチャネル端子SCHとサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW2をさらに含む。スイッチSW2はSIOセンシング区間の間にオフ状態を維持し、ピクセルセンシング区間の間にオン状態を維持することにより、第2非反転増幅回路22-2の増幅結果をSIOセンシング区間の間にのみサンプリング部S/Hに入力するようにできる。
【0091】
図18を参照すると、センシング回路22は垂直ブランク区間Vblankに先立つ垂直アクティブ区間Vactiveでディスプレイ駆動のためにセンシングライン150の寄生キャパシタCxに第1基準電圧VPRERを充電する。
【0092】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間を割り当てることができる。SIOセンシング区間の間にセンシングライン150は、ピクセルPXL、第1基準電圧VPRERの入力端子、及び第2基準電圧VPRESの入力端子との電気的連結が遮断される。このような疑似フローティング状態でセンシングライン150には漏洩抵抗Rを介して基底電圧GNDに連結される放電経路が形成され得る。正常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが高いため、センシングライン150の電圧VSIO減少量が少ない(自然放電)。一方、疑似ショートのような異常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが低くなるから、センシングライン150の電圧VSIO減少量が大きくなる(過放電)。
【0093】
スイッチSW4がオン状態を維持するうちにスイッチSW3がオンになれば、キャパシタCyにはセンシングライン150の電圧VSIOと第3基準電圧VPRER2との間の差電圧が貯蔵され、スイッチSPREがオンになるタイミングでキャパシタカップリング動作によってOPアンプAMPの非反転入力端子(+)に“VPREF2-VSIO”が印加される。
【0094】
第2非反転増幅回路22-2は、SIOセンシング区間内でスイッチSW1、スイッチSW1a及びスイッチSW3がオン状態を維持するうち、センシングライン150の電圧VSIOと第3基準電圧VPRER2との間の電圧差を増幅する。すなわち、第2非反転増幅回路22-2は下記の式2のようにセンシングライン150の電圧VSIO変動量を増幅して出力電圧Voを生成する。
【数2】
【0095】
サンプリング部S/Hは、放電によって変動したセンシングライン150の電圧VSIO、つまり第2非反転増幅回路22-2の出力電圧Voをサンプリングすることにより、センシングライン150間の電圧偏差を検出することができる。
【0096】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間に引き続きピクセルセンシング区間を割り当てることができる。
【0097】
ピクセルセンシング区間の間にセンシングライン150はピクセルPXLの第2ノードに続いて連結される。ピクセルセンシング区間はプログラミング区間及びサンプリング区間を含むことができる。プログラミング区間で、スイッチSPREがオンになり、第2基準電圧VPRES、0Vがセンシングライン150を介してピクセルPXLの第2ノードに印加される。ここで、ピクセルPXLの第1ノードにはデータライン140を介してセンシング用データ電圧が印加される。サンプリング区間で、ピクセルPXLはピクセル電流を生成する定電流源になる。このようなピクセル電流によって第2ノードの電圧が上昇し、ピクセルPXLの駆動特性によって電圧の上昇傾きが変わる。サンプリング区間で、ピクセルPXLとセンシングライン150は連結状態を維持するので、第2ノードの電圧変化がセンシングライン150の電圧VSIOにそのまま反映される。サンプリング部S/HはスイッチSW2を介してセンシングライン150に連結されてセンシングライン150の電圧VSIOをサンプリングすることにより、第2ノードの電圧に対するピクセル間の電圧偏差を検出することができる。
【0098】
[第4実施例]
図19は本発明の第4実施例を示すもので、ピクセルの駆動特性変化及びセンシングラインの電圧変化をセンシングするための回路を示す図である。そして、図20図19の回路の駆動波形図である。
【0099】
図19を参照すると、センシング回路22は、センシングライン150に連結されたセンシングチャネル端子SCH、センシングチャネル端子SCHと第1基準電圧VPRERの入力端子との間に連結されたスイッチRPRE、センシングチャネル端子SCHと第2基準電圧VPRESの入力端子との間に連結されたスイッチSPRE、及びサンプリング部S/Hを含むことができる。図19で、Rはセンシングライン150の漏洩抵抗を等価的に表現したものである。漏洩抵抗Rの大きさはセンシングライン150で違うことができ、図6のように、正常値、不良値、及び正常値と不良値との間のいずれか一中間値のいずれか1つであることができる。図19で、Cxはセンシングライン150に存在する寄生キャパシタである。
【0100】
サンプリング部S/Hは、スイッチRPREがオフになる垂直ブランク区間Vblankで、ピクセルPXLの駆動特性に関係なく第1基準電圧VPRERから変化したセンシングライン150の電圧VSIOをセンシングすることにより、SIOセンシング駆動を具現することができる。
【0101】
図19を参照すると、センシング回路22は、第1基準電圧VPRERの入力端子、センシングチャネル端子SCH及びサンプリング部S/Hに連結され、SIOセンシング区間内で動作が活性化する第3非反転増幅回路22-3をさらに含むことにより、センシングライン150の電圧VSIO変動量検出時間を縮めることができ、センシング分別力を向上させることができる。第3非反転増幅回路22-3は第1基準電圧VPRERをOPアンプAMPの(+)入力値として使い、センシングライン150の電圧VSIOをOPアンプAMPの(-)入力値として使うことにより、センシング分別力をより向上させることができる。
【0102】
第3非反転増幅回路22-3は、反転入力端子(-)、非反転入力端子(+)及び出力端子を有し、非反転入力端子が第1基準電圧VPRERの入力端子に連結されたOPアンプAMP、OPアンプAMPの反転入力端子(-)に連結された第1抵抗R1、OPアンプAMPの反転入力端子(-)と出力端子との間に連結された第2抵抗R2、センシングチャネル端子SCHと第1抵抗R1との間に連結されたスイッチSW1、及びOPアンプAMPの出力端子とサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW1a、一側電極BがOPアンプAMPの非反転入力端子(+)に連結されたキャパシタCy、センシングチャネル端子SCHとキャパシタCyの他側電極Aとの間に連結されたスイッチSW3、及びOPアンプAMPの非反転入力端子(+)と第1基準電圧VPRERの入力端子との間に連結されたスイッチSW5を含む。
【0103】
図19を参照すると、センシング回路22は、センシングチャネル端子SCHとサンプリング部S/Hとの間に連結されたスイッチSW2をさらに含む。スイッチSW2はSIOセンシング区間の間にオフ状態を維持し、ピクセルセンシング区間の間にオン状態を維持することにより、第3非反転増幅回路22-3の増幅結果をSIOセンシング区間の間にのみサンプリング部S/Hに入力するようにできる。
【0104】
図20を参照すると、センシング回路22は、垂直ブランク区間Vblankに先立つ垂直アクティブ区間Vactiveでディスプレイ駆動のためにセンシングライン150の寄生キャパシタCxに第1基準電圧VPRERを充電する。
【0105】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間を割り当てることができる。SIOセンシング区間の間にセンシングライン150は、ピクセルPXL、第1基準電圧VPRERの入力端子、及び第2基準電圧VPRESの入力端子との電気的連結が遮断される。このような疑似フローティング状態でセンシングライン150には漏洩抵抗Rを介して基底電圧GNDに連結される放電経路が形成され得る。正常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが高いため、センシングライン150の電圧VSIO減少量が少ない(自然放電)。一方、疑似ショートのような異常の場合にはセンシングライン150の漏洩抵抗Rが低くなるから、センシングライン150の電圧VSIO減少量が大きくなる(過放電)。
【0106】
第3非反転増幅回路22-3は、SIOセンシング区間内でスイッチSW1、スイッチSW1a、スイッチSW3及びスイッチSW5がオン状態を維持するうち、センシングライン150の電圧VSIOと第1基準電圧VPRERとの間の電圧差を増幅する。すなわち、第3非反転増幅回路22-3は、前記式1のように、センシングライン150の電圧VSIO変動量を増幅して出力電圧Voを生成する。
【0107】
サンプリング部S/Hは放電によって変動したセンシングライン150の電圧VSIO、つまり第3非反転増幅回路22-3の出力電圧Voをサンプリングすることにより、センシングライン150間の電圧偏差を検出することができる。
【0108】
垂直ブランク区間Vblank内でSIOセンシング区間に引き続きピクセルセンシング区間を割り当てることができる。
【0109】
ピクセルセンシング区間の間にセンシングライン150はピクセルPXLの第2ノードに続いて連結される。ピクセルセンシング区間はプログラミング区間及びサンプリング区間を含むことができる。プログラミング区間で、スイッチSPREがオンになり、第2基準電圧VPRES、0Vがセンシングライン150を介してピクセルPXLの第2ノードに印加される。ここで、ピクセルPXLの第1ノードにはデータライン140を介してセンシング用データ電圧が印加される。サンプリング区間で、ピクセルPXLはピクセル電流を生成する定電流源になる。このようなピクセル電流によって第2ノードの電圧が上昇し、ピクセルPXLの駆動特性によって電圧の上昇傾きが変わる。サンプリング区間で、ピクセルPXLとセンシングライン150は連結状態を維持するので、第2ノードの電圧変化がセンシングライン150の電圧VSIOにそのまま反映される。サンプリング部S/HはスイッチSW2を介してセンシングライン150に連結されてセンシングライン150の電圧VSIOをサンプリングすることにより、第2ノードの電圧に対するピクセル間の電圧偏差を検出することができる。
【0110】
以上で説明した内容から、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範疇内で多様な変更及び修正が可能であろう。したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって決定されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0111】
10 表示パネル
15 ゲート駆動回路
20 ドライバー集積回路
21 タイミング制御部
22 センシング回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
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図19
図20