IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許7568802情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023133616
(22)【出願日】2023-08-18
【審査請求日】2024-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前浦 直人
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0125587(US,A1)
【文献】特表2011-525674(JP,A)
【文献】特開2017-033275(JP,A)
【文献】特開2002-207913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告登録時に、広告及び配信の設定に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付部と、
広告及び配信の設定に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出部と、
入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成部と、
生成された警告コンテンツを提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記警告コンテンツとして、広告配信運用業務に従事している利用者の端末装置に対して、広告登録時にインシデント情報を表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、広告配信管理画面にて、広告及び配信の設定に関する広告配信情報の入力を受け付け、
前記提供部は、前記広告配信管理画面にて、警告コンテンツを吹き出し又はポップアップの形式で提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、さらに、広告配信に関するインシデント情報の投稿を受け付け、
前記抽出部は、広告及び配信の設定に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に投稿されたインシデント情報の中から、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、広告配信管理画面において、吹き出しにテキストボックスを入れて、ユーザとGPTとの会話形式でインシデント情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、GPTにより、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成し、
前記提供部は、広告配信管理画面にて、警告コンテンツを提供することで、GPTによる管理画面設定のナビゲーションを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、事前に目的に応じた広告入稿プロンプトをセットし、
前記提供部は、広告配信管理画面の操作時には、設定の妥当性をリアルタイムにナビゲーションする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、前記警告コンテンツとして、広告登録時にインシデント報告の内容を自動生成してビジネスチャットツールに投稿する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
広告登録時に、広告及び配信の設定に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付工程と、
広告及び配信の設定に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出工程と、
入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成工程と、
生成された警告コンテンツを提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
広告登録時に、広告及び配信の設定に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付手順と、
広告及び配信の設定に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出手順と、
入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成手順と、
生成された警告コンテンツを提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットベースの広告の自動監視および照合を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2011-525674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には、改善の余地がある。例えば、上記の従来技術では、マッピングクローラがインシデントの可能性が高いページを探してリストを生成する。クローラのマネジャーは、所要のインシデント範囲が十分に得られるように、ページのリストにアクセスすることが許可された複数のビジュアルクローラの間にページを割当て、該ビジュアルクローラ上にロードする。自動コンピュータプログラム(インシデント識別子)は、広告掲載注文と配信データとを比較し、広告掲載注文とこの広告掲載注文に対応する配信データとが一致しないときはいつでも、インシデントレポートを生成する。しかし、広告配信設定時(広告登録時)のインシデントの警告については改善の余地がある。そのため、広告配信設定時のインシデントの警告をより適切に行う手段が求められている。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告配信設定時のインシデントの警告をより適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、広告登録時に、広告及び配信の設定に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付部と、広告及び配信の設定に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出部と、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成部と、生成された警告コンテンツを提供する提供部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、広告配信設定時のインシデントの警告をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。
図2図2は、広告配信管理画面例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理システムの概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理システムの概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10とサーバ装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により互いに通信可能に接続される。これにより、端末装置10は、サーバ装置100と連携可能である。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0011】
端末装置10は、利用者U(ユーザ)によって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン(ガラケー・ガラホ)等の携帯電話、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機やAV機器、情報家電・デジタル家電、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ、スマートグラス等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)等である。また、端末装置10は、IOT(Internet of Things)に対応した住宅・建物、車、家電製品、電子機器等であってもよい。
【0012】
本実施形態では、端末装置10は、利用者Uにより使用されるスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスであり、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0013】
また、かかる端末装置10は、LTE、4G、5G等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、又は無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、サーバ装置100と通信することができる。
【0014】
サーバ装置100は、例えばPCやブレードサーバ(blade server)等のコンピュータ、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、サーバ装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0015】
本実施形態では、サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、コンピュータやクラウドシステム等により実現される。
【0016】
また、サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、サーバ装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、サーバ装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0017】
なお、サーバ装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、サーバ装置100は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
【0018】
また、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得してもよい。また、サーバ装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。なお、上記の各種サーバ等は、サーバ装置100自体であってもよい。すなわち、サーバ装置100が上記の各種サーバ等として機能してもよい。
【0019】
また、図1に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、図1では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0020】
〔2.広告配信トラブル等の発見・分析〕
従来は、広告配信において、不具合の発生や発生確率が高い状況等、各種インシデントを見つけた人が、社内で情報を共有するために、掲示板上に事故チャンネルを作って、共有している。
【0021】
本実施形態では、広告配信トラブルの対応業務と広告配信運用業務間で、相互にフィードバックできる仕組みをGPT(Generative Pre-trained Trensformer)で実現する。GPTは、テキスト生成AI(Artificial Intelligence)であり、自然言語処理を用いた文章生成が可能な言語モデルである。
【0022】
〔2-1.配信トラブルのGPT分析〕
広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務の従事者は、配信トラブル時、概要と配信設定の識別子をGPTへ提供する。GPTは、配信設定データと、蓄積されたインシデントシステムの事例をもとに、事故原因の予測や、関連して注意すべき事象の示唆を行う。ここでは、利用者Uは広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務の従事者であるものとする。また、GPTは、サーバ装置100上で動作するものとする。
【0023】
例えば、図1に示すように、GPTが動作しているサーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務に従事している利用者Uの端末装置10から、インシデント情報の投稿を受け付ける(ステップS1)。
【0024】
続いて、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10からインシデント情報が投稿された場合は、過去の類似インシデント情報に対して投稿されたインシデント対応情報(過去の知見)を抽出する(ステップS2)。なお、インシデント対応情報とは、例えばインシデント情報が示す事故に対する解決方法(対処方法)に関する情報を示す。
【0025】
続いて、サーバ装置100は、投稿されたインシデント情報と、抽出されたインシデント対応情報とに基づいて、当該インシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成する(ステップS3)。
【0026】
例えば、サーバ装置100は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われた言語モデル(GPT)に対し、投稿されたインシデント情報(今回のインシデント情報)と、抽出されたインシデント対応情報(過去のインシデント対応情報)と、当該インシデント対応情報を参考に、投稿されたインシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成するように指示する指示文章(プロンプト)とを入力し、インシデント対応情報を生成する。
【0027】
通常、GPTに対して、過去の情報、つまり、抽出されたインシデント対応情報を入力したとしても、過去のインシデントについてのインシデント対応情報しか生成することができない。
【0028】
本実施形態では、GPTに対して、
(a)今回のインシデント情報
(b)過去のインシデント対応情報
(c)「今回発生したインシデントは、(a)です。過去に発生した類似インシデント時の対応情報は(b)です。これらの情報から、今回発生したインシデントに対する対応情報を生成してください。」等の指示文章
といった3つの情報を入力することで、「今回のインシデントに対するインシデント対応情報」を生成することができる。
【0029】
続いて、サーバ装置100は、生成されたインシデント対応情報を、投稿されたインシデント情報に対応する形式(態様)で出力する(ステップS4)。すなわち、サーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務に従事している利用者Uの端末装置10に対して、投稿されたインシデント情報に対応する形式のインシデント対応情報を提供する。
【0030】
実現方法としては、例えば、GPTに対して、上記(a)~(c)に加えて(あるいは(c)の一部として)、
(d)「なお、生成する対応情報は、過去に発生した類似インシデントの対応情報に従った形式で生成してください」
といった指示文章を入力することで実現されてもよい。
【0031】
このとき、サーバ装置100は、発生したインシデントの内容や種別に応じた形式で出力する。例えば、事故が「メール」に関する事故であるのか、「広告表示」に関する事故であるのかで、表示させるインシデント対応情報の項目が変化する。
【0032】
また、例えばインシデント情報を投稿した利用者Uのレベル(知識、技術力、理解力)やコンテキスト(背景、状況)に応じた内容の文章にしてインシデント対応情報を出力するようにしてもよい。
【0033】
広告配信のインシデントの内容は技術的(テクニカル)なものが多い。また、技術的な話をビジネスサイドの文章にするのはかなり難しい。そのため、GPTに文章を生成させる意味がある。
【0034】
サーバ装置100は、インシデント情報の投稿者(利用者U)が技術サイドの人間(技術者等)であると判定した場合には、GPTに技術的な内容の文章を生成させる。また、サーバ装置100は、インシデント情報の投稿者(利用者U)が技術にあまり詳しくない人間(広告業者、営業担当等)であると判定した場合には、GPTにビジネスサイドのお客さんに説明するための文章を生成させる。これらの文章は一緒に生成してもよい。また、サーバ装置100は、GPTに、社内固有名詞を使用しない対外的に説明するための文章を生成させる。すなわち、サーバ装置100は、GPTに、社内用、社外用、技術的、ビジネスと、用途・目的に応じた文章を生成させる。
【0035】
文章の項目としては、やること(次にやるべきアクション、ガイド)、事故起因の毀損範囲(影響が出るドメイン、システム)、事故により生じた損失(事故がなければ得られていた利益、作業費用)等がある。
【0036】
このとき、サーバ装置100は、GPTに項目名を生成させてもよい。また、サーバ装置100は、過去の類似事象の文章をプロンプトに入れてGPTに文章を生成・出力させる。例えば、サーバ装置100は、GPTに項目を生成させる際に、過去に発生した類似事象の情報も項目として生成・出力させる。
【0037】
また、サーバ装置100は、GPTにより生成された文章を、タグ付けしてSlack(登録商標)のようなビジネス用のメッセージングアプリ(ビジネスチャットツール)に投稿してもよい。例えば、サーバ装置100は、インシデント報告の内容を自動生成して投稿する。
【0038】
また、サーバ装置100は、インシデント情報が登録された瞬間に、GPTに自動的に事故原因の予測項目を生成させて生成・出力させる。
【0039】
〔2-2.広告配信管理画面での警告表示〕
図2に示すように、サーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10に対して、GPTによる管理画面設定のナビゲーションを行う。図2は、広告配信管理画面例を示す図である。例えば、サーバ装置100は、事前に目的に応じた広告入稿プロンプトをセットする。また、サーバ装置100は、管理画面操作時、設定の妥当性をリアルタイムにナビゲーションする。また、サーバ装置100は、インシデントシステムと連携することで事故の可能性を示唆する。
【0040】
例えば、図2に示すように、GPTが動作しているサーバ装置100は、図1のステップS1と同様に、ネットワークNを介して、広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務に従事している利用者Uの端末装置10から、インシデント情報の投稿を受け付け、投稿されたインシデント情報を蓄積して管理する(ステップS11)。
【0041】
また、サーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10から、広告配信管理画面への広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける(ステップS12)。
【0042】
続いて、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10から、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する(ステップS13)。
【0043】
続いて、サーバ装置100は、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する(ステップS14)。
【0044】
例えば、サーバ装置100は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われた言語モデル(GPT)に対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章(プロンプト)とを入力し、警告コンテンツを生成する。
【0045】
続いて、サーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10に、生成された警告コンテンツを提供する(ステップS15)。
【0046】
サーバ装置100は、警告コンテンツの提供方法として、例えば広告配信管理画面での吹き出しやポップアップ等の形式(態様)で提供してもよい。
【0047】
また、サーバ装置100は、警告コンテンツとして、広告登録時にインシデント報告の内容を自動生成してビジネス用のメッセージングアプリ(ビジネスチャットツール)に投稿してもよい。
【0048】
これにより、広告配信運用業務に従事している利用者Uは、警告コンテンツを参照して、広告配信情報の修正や広告配信の決定を行う。
【0049】
本実施形態では、サーバ装置100は、ネットワークNを介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10に対して、広告登録時にインシデント情報を表示させる。例えば、サーバ装置100は、広告登録時に「過去こういう事故が発生した事例がありますけど大丈夫ですか?」といったインシデント情報を表示させる。
【0050】
また、サーバ装置100は、広告配信管理画面において、吹き出しにテキストボックスを入れて、広告配信運用業務に従事している利用者UとGPTとの会話形式(対話形式)でインシデント情報を取得してもよい。
【0051】
例えば、サーバ装置100は、広告配信管理画面において、GPTの出力した文章を表示する吹き出しに利用者の入力用のテキストボックスを入れて、利用者UとGPTとの間で質疑応答の形式でインシデント情報を取得してもよい。なお、質問者と回答者は、利用者UとGPTのいずれであってもよい。すなわち、質問者と回答者は入れ替わってもよい。例えば、GPTからの質問に対して利用者Uが直接インシデント情報を入力してもよいし、利用者Uが入力した文章に基づいてGPTが該当する適当なインシデント情報を出力してもよい。
【0052】
このとき、サーバ装置100は、GPTに過去のインシデントの原因を表示させてもよい。また、サーバ装置100は、GPTに、利用者UとGPTとの対話で「仮にこの設定を行うことで」の事故発生確率を推定させてもよい。これにより、広告配信運用業務に従事している利用者Uは、過去の毀損額や概要等を考慮して、配信設定を行うことが可能になる。
【0053】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。図3は、端末装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0054】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、サーバ装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0055】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0056】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0057】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0058】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0059】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0060】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0061】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0062】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0063】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0064】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0065】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0066】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0067】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0068】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0069】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0070】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0071】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを有する。
【0072】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介してサーバ装置100へ送信することができる。
【0073】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、サーバ装置100から提供される各種情報や、サーバ装置100からの各種情報の要求を受信することができる。
【0074】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信されたサーバ装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0075】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0076】
〔4.サーバ装置の構成例〕
次に、図4を用いて、実施形態に係るサーバ装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0077】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。
【0078】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに、利用者Uの属性情報や履歴情報(ログデータ)を記憶してもよい。
【0079】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、サーバ装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、受付部132と、抽出部133と、生成部134と、提供部135とを有する。
【0080】
(取得部131)
取得部131は、利用者U(ユーザ)により入力された検索クエリを取得する。例えば、取得部131は、利用者Uが検索エンジン等に検索クエリを入力してキーワード検索を行った際に、通信部110を介して、当該検索クエリを取得する。すなわち、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより検索エンジンやサイト又はアプリの検索窓に入力されたキーワードを取得する。
【0081】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uに関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、取得部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを示す識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、利用者情報を記憶部120に記憶する。
【0082】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、取得部131は、各種の履歴情報を記憶部120に記憶する。
【0083】
(受付部132)
受付部132は、広告配信に関するインシデント情報の投稿を受け付ける。また、受付部132は、広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける。例えば、受付部132は、広告配信管理画面にて、広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける。また、受付部132は、広告配信に関するインシデント情報の投稿を受け付ける。また、受付部132は、広告配信管理画面において、吹き出しにテキストボックスを入れて、ユーザとGPTとの会話形式でインシデント情報を取得する。また、受付部132は、事前に目的に応じた広告入稿プロンプトをセットする。なお、受付部132は、上記の取得部131と同一の装置であってもよい。
【0084】
(抽出部133)
抽出部133は、インシデント情報が投稿された場合には、過去の類似インシデント情報に対して投稿されたインシデント対応情報を抽出する。なお、抽出部133は、上記の取得部131と同一の装置であってもよい。
【0085】
また、抽出部133は、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する。また、抽出部133は、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に投稿されたインシデント情報の中から、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する。
【0086】
(生成部134)
生成部134は、抽出されたインシデント対応情報と、投稿されたインシデント情報とに基づいて、当該インシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成する。
【0087】
例えば、生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、投稿されたインシデント情報と、抽出されたインシデント対応情報と、当該インシデント対応情報を参考に、投稿されたインシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成するように指示する指示文章とを入力し、インシデント対応情報を生成する。
【0088】
また、生成部134は、インシデント情報が登録された瞬間に、自動的に事故原因の予測項目を生成する。また、生成部134は、過去の類似事象の文章をプロンプトに入れてGPTに文章を生成させる。また、生成部134は、GPTに項目を生成させる際に、過去に発生した類似事象の情報も項目として生成させる。
【0089】
さらに、生成部134は、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する。
【0090】
例えば、生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、警告コンテンツを生成する。
【0091】
また、生成部134は、GPTにより、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する。
【0092】
(提供部135)
提供部135は、生成されたインシデント対応情報を、投稿されたインシデント情報に対応する形式で提供する。なお、提供部135は、インシデント対応情報を出力する出力部であってもよい。
【0093】
このとき、提供部135は、技術的な内容のインシデント情報に対して、技術的な内容のインシデント対応情報を提供する。また、提供部135は、ビジネスサイドのインシデント情報に対して、ビジネスサイドのインシデント対応情報を提供する。
【0094】
また、提供部135は、配信設定データと、蓄積されたインシデントシステムの事例をもとに、事故原因の予測や、関連して注意すべき事象の示唆を行う。
【0095】
さらに、提供部135は、生成された警告コンテンツを提供する。このとき、提供部135は、広告配信管理画面にて、警告コンテンツを吹き出し又はポップアップの形式で提供してもよい。なお、提供部135は、警告コンテンツを出力する出力部であってもよい。
【0096】
なお、提供部135は、広告配信管理画面にて、警告コンテンツを提供することで、GPTによる管理画面設定のナビゲーションを行う。また、提供部135は、広告配信管理画面の操作時には、設定の妥当性をリアルタイムにナビゲーションする。また、提供部135は、インシデントシステムと連携することで事故の可能性を示唆する。
【0097】
〔5.処理手順〕
次に、図5を用いて実施形態に係るサーバ装置100による処理手順について説明する。図5は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、サーバ装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0098】
例えば、図5に示すように、サーバ装置100の受付部132は、通信部110を介して、広告配信運用業務又は配信トラブル対応業務に従事している利用者Uの端末装置10から、インシデント情報の投稿を受け付ける(ステップS101)。
【0099】
続いて、サーバ装置100の抽出部133は、利用者Uの端末装置10からインシデント情報が投稿された場合は、過去の類似インシデント情報に対して投稿されたインシデント対応情報(過去の知見)を抽出する(ステップS102)。
【0100】
続いて、サーバ装置100の生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われた言語モデル(GPT)に対し、投稿されたインシデント情報(今回のインシデント情報)と、抽出されたインシデント対応情報(過去のインシデント対応情報)と、当該インシデント対応情報を参考に、投稿されたインシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成するように指示する指示文章(プロンプト)とを入力し、インシデント対応情報を生成する(ステップS103)。
【0101】
続いて、サーバ装置100の提供部135は、生成されたインシデント対応情報を、投稿されたインシデント情報に対応する形式(態様)で出力する(ステップS104)。
【0102】
また、サーバ装置100の受付部132は、通信部110を介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10から、広告配信管理画面への広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける(ステップS105)。
【0103】
続いて、サーバ装置100の抽出部133は、利用者Uの端末装置10から、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する(ステップS106)。
【0104】
続いて、サーバ装置100の生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われた言語モデル(GPT)に対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章(プロンプト)とを入力し、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する(ステップS107)。
【0105】
続いて、サーバ装置100の提供部135は、通信部110を介して、広告配信運用業務に従事している利用者Uの端末装置10に、生成された警告コンテンツを提供する(ステップS108)。
【0106】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及びサーバ装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0107】
上記の実施形態において、サーバ装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10(又は端末上で動作するアプリ)が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態におけるサーバ装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10はサーバ装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、サーバ装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、サーバ装置100を備えているともいえる。
【0108】
また、上記の実施形態において、GPTは、これに限定されるものではなく、これに類する他のAIや、同様の機能を有するアプリ等であってもよい。
【0109】
また、上記の実施形態において、GPTは、文章(テキスト)での入力に対し、音声や画像等で出力してもよい。例えば、GPTは、テキストでのインシデント情報の投稿や広告配信情報の入力に対し、インシデント対応情報や警告コンテンツを音声や画像等に変換して出力してもよい。あるいは、サーバ装置100は、GPTから出力された文章を音声や画像等に変換して出力してもよい。
【0110】
また、上記の実施形態において、GPTは、音声や画像等での入力に対し、文章(テキスト)で出力してもよい。また、サーバ装置100は、インシデント情報の投稿や広告配信情報の入力が音声や画像等で行われた場合、この音声や画像等を文章(テキスト)に変換してGPTに入力してもよい。
【0111】
また、上記の実施形態において、GPTは、日本語での入力に対し、所定の言語(英語又は他の言語等)で出力してもよい。また、GPTは、所定の言語(英語又は他の言語等)での入力に対し、日本語で出力してもよい。また、GPTは、任意の言語での入力に対し、指定された言語で出力してもよい。
【0112】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10及びサーバ装置100)は、広告配信に関するインシデント情報の投稿を受け付ける受付部132と、インシデント情報が投稿された場合には、過去の類似インシデント情報に対して投稿されたインシデント対応情報を抽出する抽出部133と、抽出されたインシデント対応情報と、投稿されたインシデント情報とに基づいて、当該インシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成する生成部134と、生成されたインシデント対応情報を、投稿されたインシデント情報に対応する形式で提供する提供部135と、を備えることを特徴とする。
【0113】
生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、投稿されたインシデント情報と、抽出されたインシデント対応情報と、当該インシデント対応情報を参考に、投稿されたインシデント情報に対応するインシデント対応情報を生成するように指示する指示文章とを入力し、インシデント対応情報を生成する。
【0114】
生成部134は、インシデント情報が登録された瞬間に、自動的に事故原因の予測項目を生成する。
【0115】
生成部134は、過去の類似事象の文章をプロンプトに入れてGPTに文章を生成させる。
【0116】
生成部134は、GPTに項目を生成させる際に、過去に発生した類似事象の情報も項目として生成させる。
【0117】
提供部135は、技術的な内容のインシデント情報に対して、技術的な内容のインシデント対応情報を提供する。
【0118】
提供部135は、ビジネスサイドのインシデント情報に対して、ビジネスサイドのインシデント対応情報を提供する。
【0119】
提供部135は、配信設定データと、蓄積されたインシデントシステムの事例をもとに、事故原因の予測や、関連して注意すべき事象の示唆を行う。
【0120】
また、別の観点では、本願に係る情報処理装置は、広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付部132と、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出部133と、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成部134と、生成された警告コンテンツを提供する提供部135と、を備えることを特徴とする。
【0121】
生成部134は、入力された質問に対して回答となる文章を生成するように学習が行われたモデルに対し、抽出されたインシデント情報と、当該インシデント情報を参考に、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成するように指示する指示文章とを入力し、警告コンテンツを生成する。
【0122】
受付部132は、広告配信管理画面にて、広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける。提供部135は、広告配信管理画面にて、警告コンテンツを吹き出し又はポップアップの形式で提供する。
【0123】
受付部132は、さらに、広告配信に関するインシデント情報の投稿を受け付ける。抽出部133は、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に投稿されたインシデント情報の中から、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する。
【0124】
受付部132は、広告配信管理画面において、吹き出しにテキストボックスを入れて、ユーザとGPTとの会話形式でインシデント情報を取得する。
【0125】
生成部134は、GPTにより、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する。提供部135は、広告配信管理画面にて、警告コンテンツを提供することで、GPTによる管理画面設定のナビゲーションを行う。
【0126】
受付部132は、事前に目的に応じた広告入稿プロンプトをセットする。提供部135は、広告配信管理画面の操作時には、設定の妥当性をリアルタイムにナビゲーションする。
【0127】
提供部135は、インシデントシステムと連携することで事故の可能性を示唆する。
【0128】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、広告配信設定時のインシデントの警告をより適切に行うことができる。
【0129】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10やサーバ装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、サーバ装置100を例に挙げて説明する。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0130】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0131】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0132】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0133】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0134】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0135】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0136】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0137】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0138】
例えば、コンピュータ1000がサーバ装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0139】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0140】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0141】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0142】
例えば、上述したサーバ装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0143】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0144】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0145】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 サーバ装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 抽出部
134 生成部
135 提供部
【要約】
【課題】広告配信設定時のインシデントの警告をより適切に行う。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、広告配信に関する広告配信情報の入力を受け付ける受付部と、広告配信に関する広告配信情報が入力された場合は、過去に所定のインシデントが発生した広告であって、広告配信情報が類似する類似広告のインシデント情報を抽出する抽出部と、抽出されたインシデント情報に基づいて、入力された広告配信情報に対する警告コンテンツを生成する生成部と、生成された警告コンテンツを提供する提供部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6