(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】回路基板用コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20241008BHJP
【FI】
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2023148389
(22)【出願日】2023-09-13
(62)【分割の表示】P 2022133574の分割
【原出願日】2019-01-22
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】細田 翔平
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147820(JP,A)
【文献】特開2017-162774(JP,A)
【文献】特開2011-249297(JP,A)
【文献】特開2018-142456(JP,A)
【文献】特開2016-042489(JP,A)
【文献】特開2018-170296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076549(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の実装面に実装される回路基板用コネクタ装置であって、
互いに直交する、高さ方向、長さ方向、及び幅方向を有するハウジングと、
前記ハウジングに保持される端子及び補強金具と、を備え、
前記ハウジングは、
前記実装面の側から相手コネクタとの嵌合側に向かって前記高さ方向に突出した突壁と、
前記実装面の側から前記相手コネクタとの嵌合側に向かって前記高さ方向に突出し、前記長さ方向に沿って延びる長さ部分及び前記幅方向に沿って延びる幅部分を有する、前記突壁の周囲を囲む周壁と、
前記長さ方向及び前記幅方向において前記突壁と前記周壁との間に位置し、前記相手コネクタとの嵌合側から前記実装面の側に向かって前記高さ方向に窪んだ受入部と、を有し、
前記補強金具は、
前記周壁の幅部分の外壁を形成する外壁部と、前記周壁の幅部分の内壁を形成する、前記受入部に面した内壁部と、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側にて前記外壁部と前記内壁部を繋ぐ上壁部を有し、
前記外壁部から折曲部を介して長さ方向に延びる第二の部分、及び、前記上壁部から連結部を介して長さ方向に延びる第一の部分と、
前記内壁部の下端に接続され、前記受入部の底壁の一部を形成する底部と、
前記底部から前記長さ方向に沿って延び且つ前記高さ方向において前記相手コネクタとの嵌合側に向かって突出して前記突壁の外壁の一部を形成する端壁と、
前記底部の前記幅方向における両側から互いに離れる方向に前記幅方向に沿って延出する一対の接触腕部と、
を有することを特徴とする回路基板用コネクタ装置。
【請求項2】
前記第一の部分及び前記第二の部分は、前記高さ方向において互いに離間された状態で、前記周壁の少なくとも長さ部分を前記端子に向かって延びている、請求項1に記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項3】
前記第一の部分及び上壁部の少なくとも一方は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側に位置して、前記ハウジングから露出しており、
前記第二の部分は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側とは反対側に位置して、当該第二の部分の外側の一部が前記周壁によって覆われている、請求項1又は2に記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項4】
前記高さ方向における前記第一の部分と前記第二の部分の間の隙間が、前記ハウジングの樹脂によって埋められている、請求項1乃至3のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項5】
前記外壁部の、前記実装面の側における端部に実装部が設けられており、
前記第二の部分は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側とは反対側にて回路基板の実装面に実装される実装部を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項6】
前記第二の部分は、前記高さ方向に立設した立上部を有し、前記立上部は、前記幅方向において前記第一の部分の外端よりも前記ハウジングの内方に位置している、請求項1乃至5のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項7】
前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記第一の部分の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記ハウジングの頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられている、
及び/又は、
前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記上壁部の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記第一の部分の頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられている、請求項1乃至6のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項8】
前記補強金具は、更に、前記底部から前記幅方向に沿って延び且つ前記高さ方向において前記相手コネクタとの嵌合側に向かって突出した前記接触腕部の弾性接触部を有し、該弾性接触部は、前記相手コネクタとの嵌合時に、前記相手コネクタと弾性接触し得るように前記相手コネクタと前記周壁との間に位置付けられている、請求項1乃至7のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項9】
前記高さ方向及び前記幅方向に沿って広がる前記外壁部の面は、前記長さ方向において前記周壁の幅部分によって挟み込まれた状態にある、
及び/又は、
前記高さ方向及び前記長さ方向に沿って広がる前記第二の部分の面の一部は、前記幅方向において前記周壁の長さ部分によって挟み込まれた状態にあり、
前記折曲部が、前記ハウジングに埋設されている、請求項1乃至8のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項10】
前記外壁部、前記内壁部、及び前記上壁部によって形成される空間が、前記周壁の幅部分によって埋められている、請求項1乃至9のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項11】
前記補強金具は、更に、前記端壁の前記底部とは反対側に設けられた湾曲した部分を有し、前記湾曲した部分は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記突壁の頂部を形成する、請求項1乃至10のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項12】
前記湾曲した部分の端部は前記突壁に埋め込まれている、請求項11に記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項13】
前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記湾曲した部分の頂部は、前記第一の部分の頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられている、請求項11又は12に記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項14】
前記接触腕部は、前記受入部に挿入された相手コネクタに取付けられた相手補強金具と接触可能
であり、前記接触腕部は、前記幅方向において弾性変位可能であり、前記接触腕部の自由端は、前記幅方向において、前記一対の接触腕部が互いに接近する方向に向って突出する弾性接触部を含む、請求項1乃至13のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項15】
前記端子と前記補強金具は、前記ハウジングとインサート成形されている、請求項1乃至14のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の回路基板用コネクタ装置と、該回路基板用コネクタ装置と嵌合される前記相手コネクタとの組から成る、コネクタ装置組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の実装面に実装される回路基板用コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、回路基板用コネクタ装置の一例である回路基板用電気コネクタが開示されている。この回路基板用電気コネクタは、樹脂からなる保持部材と、保持部材に保持される複数のコンタクトと、保持部材に組み込まれる2つの補強部材と、2つのガイド部材を備える。ガイド部材は、補強部材と夫々一体となっており、補強部材とともにインサートモールドにより保持部材に組み込まれている。
【0003】
保持部材は、相手側コネクタが上下方向においてコネクタの上側から接近してそれらが嵌合した際に、相手側コネクタの一部を収容する収容部と、収容部内に配置され且つ上下方向において上方に突出している島状部と、収容部を介して島状部を囲んでいる包囲部とを有している。
【0004】
島状部は、上下方向と直交する第1水平方向に長手を有し、且つ、上下方向及び第1水平方向の双方と直交する第2水平方向における両端に、第1水平方向に配列された第1接点部収容部を有する。これら第1接点部収容部には、コンタクトの第1接点部が収容される。
【0005】
包囲部は、上下方向と直交する第1水平方向に長手を有し、且つ、上下方向及び第1水平方向の双方と直交する第2水平方向における両端に、第1水平方向に配列された第2接点部収容部を有する。これら第2接点部収容部には、コンタクトの第2接点部が収容される。第1接点部と第2接点部は、第2水平方向において互いに対向配置されている。
【0006】
補強部材は、第1水平方向において島状部の2つの端部に夫々位置し、島状部の内部に延びている。補強部材は、島状部を保護する保護部を含み、該保護部は、上面から上下方向において下方に向かう露出連結部と、上面から第2水平方向に沿って島状部から離れる方向にそれぞれ分岐された支持部と、各支持部と連結された下側露出部と、各下側露出部と連結された弾性片を含む。
【0007】
ガイド部材は、第1水平方向において補強部材の保護部と対向している第1ガイド部と、第2水平方向において保持部材の収容部を挟んで位置している2つの第2ガイド部と、第1ガイド部の上端から下方に延びてガイド部材と補強部材とを連結している連結部とを有している。ガイド部材の第2ガイド部の上端は、第1ガイド部の上端と連結されており、また、該上端と連結され、自由端として形成された下端において、回路基板(図示せず)に半田付けされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の回路基板用電気コネクタでは、第1水平方向に延びるガイド部材の第2ガイド部において、回路基板(図示せず)と半田付けされる下端が、第2ガイド部の上端を形成している第2水平方向における端部から上下方向に沿って垂直に折り曲げることによって形成されており、この結果、第2水平方向において、少なくともガイド部材の板厚の分だけコネクタが大型化してしまうといった問題が生じていた。
また、特許文献1のコネクタでは、相手側コネクタとの嵌合時に相手側コネクタと接触する補強部材の弾性片が第1水平方向において島状部にまで及んでおり、この結果、端子の他に補強部材の弾性片を配列した分だけ、第1水平方向においてもコネクタが大型化してしまうといった問題が生じていた。
【0010】
更に、特許文献1のコネクタでは、ガイド部材が端子に比べて相手側コネクタとの嵌合側に突出していることから、上下方向においてもコネクタが大型化してしまうといった問題が生じていた。
【0011】
更にまた、特許文献1のコネクタでは、島状部を保護する補強部材の上面が、ガイド部材に比べて第2水平方向において細幅に形成されており、相手側コネクタとの嵌合時に相手側コネクタと接触し得る補強部材の弾性片が、このような細幅の上面から分岐して設けられていることから、これら細幅の上面や弾性片において熱が発生し易く、高周波信号に雑音を生じさせてしまうといった問題が生じていた。
【0012】
本発明の目的は、上記従来の問題点、少なくとも第2水平方向においてコネクタの大型化の問題を解消した回路基板用コネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様による回路基板用コネクタ装置は、回路基板の実装面に実装される回路基板用コネクタ装置であって、互いに直交する、高さ方向、長さ方向、及び幅方向を有するハウジングと、前記ハウジングに保持される端子及び補強金具と、を備え、前記ハウジングは、前記実装面の側から相手コネクタとの嵌合側に向かって前記高さ方向に突出した突壁と、前記実装面の側から前記相手コネクタとの嵌合側に向かって前記高さ方向に突出し、前記長さ方向に沿って延びる長さ部分及び前記幅方向に沿って延びる幅部分を有する、前記突壁の周囲を囲む周壁と、前記長さ方向及び前記幅方向において前記突壁と前記周壁との間に位置し、前記相手コネクタとの嵌合側から前記実装面の側に向かって前記高さ方向に窪んだ受入部と、を有し、前記補強金具は、前記周壁の幅部分に配置された端部とそれぞれ連結された状態で、且つ、前記高さ方向において互いに離間された状態で、前記周壁の少なくとも長さ部分を前記端子に向かって延びている第一の部分及び第二の部分と、を有し、前記第一の部分は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側にて前記ハウジングから露呈し、前記第二の部分は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側とは反対側にて回路基板の実装面に実装され、 前記第二の部分は、前記高さ方向において前記第一の部分よりも前記実装面に近い側に位置し、且つ、前記幅方向において前記第一の部分の外端と同じ位置か又は外端よりも前記ハウジングの内方に位置していることを特徴として有する。
また、本発明は、上記回路基板用コネクタ装置と、該回路基板用コネクタ装置と嵌合される前記相手コネクタとの組から成る、コネクタ装置組立体を特徴とする。
この態様の回路基板用コネクタ装置等によれば、少なくとも幅方向においてコネクタの大型化を防ぐことができる。
【0014】
上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記端部は、前記周壁の幅部分の外壁を形成する外壁部と、前記周壁の幅部分の内壁を形成する前記受入部に面した内壁部と、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側にて前記外壁部と前記内壁部を繋ぐ上壁部を含み、前記上壁部は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側にて前記ハウジングから露呈しているのが好ましい。
【0015】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記第一の部分は、前記上壁部から延び、前記第二の部分は、前記外壁部から延びていてもよい。
【0016】
更に、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記上壁部の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記第一の部分の頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられていてもよい。
【0017】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記第二の部分は、前記高さ方向と前記長さ方向によって形成される面を有し、該面の少なくとも一部は、前記受入部の側において前記ハウジングから露呈していてもよい。 上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記ハウジングから露呈している前記第二の部分の面の少なくとも一部と、前記第一の部分の内端と、それらの間に設けた前記ハウジングの一部は、前記受入部の側において前記高さ方向に沿って同一面を形成するものであってもよい。
【0018】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記補強金具は、更に、前記受入部の底壁の一部を形成する底部と、該底部から前記長手方向に沿って延び且つ前記高さ方向において前記相手コネクタとの嵌合側に向かって突出して前記突壁の外壁の一部を形成する端壁と、前記端壁の前記底部とは反対側に設けられた湾曲部を有していてもよい。
【0019】
上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記湾曲部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記突壁の頂部を形成するものであってもよい。
【0020】
更にまた、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記湾曲部の端部は前記突壁に埋め込まれているのが好ましい。
【0021】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記端子の一部は、前記高さ方向における前記相手コネクタとの嵌合側にて前記ハウジングの前記長さ部分から露呈し、露呈した前記端子の一部のうち、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記端子の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記湾曲部の頂部、及び、前記第一の部分の頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられていてもよい。
【0022】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記端子の弾性接触部は、前記相手コネクタとの嵌合時に、前記相手コネクタと弾性接触し得るように前記相手コネクタと前記突壁との間に位置付けられていてもよい。
【0023】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記補強金具は、更に、前記受入部の底壁の一部を形成する底部と、該底部から前記幅方向に沿って延び且つ前記高さ方向において前記相手コネクタとの嵌合側に向かって突出した弾性接触部を有し、該弾性接触部は、前記相手コネクタとの嵌合時に、前記相手コネクタと弾性接触し得るように前記相手コネクタと前記周壁との間に位置付けられていてもよい。
【0024】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記弾性接触部の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記第一の部分の頂部よりも前記実装面に近い側に位置しているのが好ましい。
【0025】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記第二の部分は、前記高さ方向と前記長さ方向によって形成され且つ前記受入部の側において前記ハウジングから露呈している露呈面を有し、前記弾性接触部は、前記第二の部分の前記露呈面と前記幅方向において対向して配置されているのが好ましい。
【0026】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記露呈面と前記弾性接触部は、前記長さ方向において互いに重なりを有するのが好ましい。
【0027】
また、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記第一の部分の頂部は、前記高さ方向において前記相手コネクタに最も近い側に位置にする前記ハウジングの頂部と、前記高さ方向において同じ高さに位置付けられているのが好ましい。
【0028】
更にまた、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記端子と前記補強金具は、前記ハウジングと一体成形されていてもよい。
【0029】
更にまた、上記態様の回路基板用コネクタ装置において、前記補強金具は板状の一枚の金属から成っていてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記従来の問題点、少なくとも第2水平方向(幅方向)においてコネクタの大型化の問題を解消した回路基板用コネクタ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態によるコネクタ装置組立体の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるコネクタ装置組立体の一例を示す斜視図である。
【
図3】レセプタクルコネクタの端子及び補強金具を示した斜視図及び側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による回路基板用コネクタ装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な一つの実施形態について説明する。説明の便宜のため好適な実施形態のみを示すが、勿論、これによって本発明を限定しようとするものではない。
【0033】
図1、
図2に、本発明の一実施形態に係るコネクタ装置組立体3の一例を斜視図で示す。このコネクタ装置組立体3は、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタ(回路基板用コネクタ装置)1と、このレセプタクルコネクタ1に対して嵌合される相手コネクタであるプラグコネクタ2の組から成る。
図1は、レセプタクルコネクタ1を下側に、プラグコネクタ2を上側に、それぞれ配した状態を示す斜視図、
図2は、
図1の上下を反転させた図である。
【0034】
レセプタクルコネクタ1及びプラグコネクタ2は、それぞれが異なる回路基板(図示せず)の実装面に実装される回路基板用コネクタ装置である。レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2は、各回路基板の実装面に対して図示矢印「α」方向に沿って移動させることによって、互いに嵌合させ、また、嵌合を解除することができる。レセプタクルコネクタ1及びプラグコネクタ2共に、それぞれ、コネクタ嵌合方向に沿う方向「α」と直交する長さ方向「β」、及び、これら「α」及び「β」方向と直交する幅方向「γ」において対称形状を有する。但し、本発明の主題に反しない限り、異なる形状部分を有していてもよい。
【0035】
レセプタクルコネクタ1は、略偏平矩形状の樹脂製のハウジング10と、このハウジング10に保持される端子20及び補強金具30を備える。ハウジング10による端子20及び補強金具30の保持は、組み込みや圧入によるものであってもよいが、一体成形(インサート成形)がより好ましい。本実施形態では、端子20及び補強金具30は、ハウジング10に一体成形(インサート成形)により保持されている。
【0036】
ハウジング10は、互いに直交する、高さ方向「α」、長さ方向「β」、及び幅方向「γ」を有する。高さ方向「α」は、前出のコネクタ嵌合方向に沿っている。尚、これらの語は、方向を区別するための単なる便宜上の語であって、それらの長短まで意味するものではない。
【0037】
ハウジング10は、主に、回路基板が実装される実装面に配置される底壁11と、底壁11からプラグコネクタ2との嵌合側に向かって高さ方向「α」に突出した略直方形状の突壁12と、実装面の側からプラグコネクタ2との嵌合側に向かって高さ方向「α」に突出し、長さ方向「β」及び幅方向「γ」において突壁12の周囲を囲む囲枠状の周壁13と、長さ方向「β」及び幅方向「γ」において突壁12と周壁13との間に位置し、プラグコネクタ2との嵌合側から実装面の側に向かって高さ方向「α」に窪んだ受入部16を有する。周壁13は、2個の側壁(請求項中の「長さ部分」)14と、2個の端壁(請求項中の「幅部分」)15から成る。側壁14は、幅方向「γ」において互いに対向して、且つ、長さ方向「β」に沿って並列に延びており、同様に、端壁15は、長さ方向「β」において互いに対向して、且つ、幅方向「γ」に沿って並列に延びている。突壁12には、各端子20の一部を収容する溝部12Aが、上方において開放された状態で突壁12の突出範囲全域にわたって形成されている。
【0038】
図3に、
図1等に示したレセプタクルコネクタ1においてハウジング10を省略し、端子20及び補強金具30のみを残した図を示す。
図3の(a)は、その斜視図を、
図3の(b)は、その側面図を、それぞれ示す。更に、
図4に、レセプタクルコネクタ1のみの平面図を、
図5に、
図4のA-A線断面図を、
図6に、
図5のB-B線断面図を、
図7に、
図5のC-C線断面図を、それぞれ示す。
【0039】
端子20は、突壁12を中心に、幅方向「γ」の一方の側に5個、同様に、他方の側に5個、計10個設けられている。端子20の数は特に限定されるものではなく、1個であってもよい。端子20は全て、長さ方向「β」において、所定の間隔をもって突壁12の範囲内に配置されている。
【0040】
端子20は、主として、信号の送受信に使用される信号端子である。各端子20は、板状の一枚の金属を打ち抜き、折り曲げることによって形成されており、基部21と、該基部21の一端から高さ方向「α」にてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって延びる、換言すれば、実装面の側からプラグコネクタ2との嵌合側に向かって立ち上げられた接触腕部22と、基部21の他端から高さ方向「α」にてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって且つ実装面の側に向かって延びる逆U字状の被保持部23と、被保持部23の端部に形成された実装面に半田接続可能な接続部24を含む。基部21は、長さ方向「β」に沿って所定の幅を有する。これにより、端子20を位置決めするための金型を設置したことによってハウジング10の底に形成された穴11aを完全に防ぐことができ、基板側からの異物の侵入を防ぐことができる。接触腕部22は弾性変形可能に形成されており、その自由端に、前出の弾性接触部22aが設けられている。
【0041】
端子20がハウジング10に保持されたとき、前述したように、接触腕部22は、突壁12に設けた溝部12Aに配置され、一方、被保持部23は、幅方向「γ」において接触腕部22と対向する側の側壁14に受入部16を介して対向配置される。
【0042】
弾性接触部22aは、突壁12に設けた溝部12Aから該溝部12Aと対向配置された一方の側壁14に向かって付勢された状態で、幅方向「γ」において受入部16に弾性突出した状態で設けられており、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と弾性接触し得るように、プラグコネクタ2と突壁12との間に位置付けられている。
【0043】
被保持部23は、基部21の側壁14側の端部から該側壁14の内面に沿って高さ方向「α」にてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって延びる内側腕部23aと、該内側腕部23aの上端から連続して該内側腕部23aよりもコネクタ幅方向外側位置で高さ方向「α」にて実装面の側に向かって折り返される移行部23bと、該移行部23bを経て高さ方向「α」にて実装面の側に向かって延びる外側腕部23cを含む。内側腕部23aの露呈面には、ロック凹部23a-1が設けられている。
【0044】
端子20がハウジング10に保持されたときであっても、被保持部23の一部は、少なくとも一部においてハウジング10の外部に露呈させるのが好ましい。被保持部23の中、特に、移行部23bの一部は、高さ方向「α」におけるプラグコネクタ2との嵌合側にてハウジング10の側壁14から露呈し、高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする端子20の頂部23Aを形成し得る。端子20の頂部23Aを形成する部分、及び、幅方向「γ」におけるその周辺部分は、プラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と衝突する可能性が大きいが、これらの部分を、高さ方向「α」におけるプラグコネクタ2との嵌合側においてハウジング10から露呈させることによって、樹脂製のハウジング10に比べて強度が大きい金属部分をプラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と衝突し得る部分として、レセプタクルコネクタ1の不所望の破損を防止することができるようになっている。
【0045】
図8乃至
図10に、それぞれ、補強金具30の斜視図を角度を変えて示し、更に、
図11に、補強金具の正面図を示す。補強金具30は、少なくともハウジング10の強度を補強する機能を有し、更に、プラグコネクタ2の補強金具70と機械的及び電気的に接触することで、電源端子としての機能を有してもよい。尚、電源端子としての機能を備えることは必須ではないが、電源端子として使用することによって多くの利点が得られる。
【0046】
補強金具30は、周壁13の長さ方向「β」における各端部に1個ずつ、計2個、設けられている。これらの補強金具30は共に、突壁12の一部を形成し得る部分(後述する35、36)を除き、長さ方向「β」において、突壁12の範囲の外側に配置されている。
【0047】
補強金具30は、板状の一枚の金属を打ち抜き、折り曲げることによって形成されている。補強金具30は、少なくとも、端部(31、32、33)と、この端部にそれぞれ連結された状態で、且つ、高さ方向「α」において互いに離間された状態で、周壁13に沿って、更に詳細には、端壁15の一部を幅方向「γ」に沿って且つ側壁14の一部を長さ方向「β」に沿って、端子20に向かって並行に延びている、側壁頂面補強部(第一の部分)40及び立上部(第二の部分)41を含む。
【0048】
端部は、端壁15の外壁を形成する外壁部33と、端壁15の内壁を形成する内壁部31と、高さ方向「α」におけるプラグコネクタ2との嵌合側にて外壁部33と内壁部31を繋ぐ上壁部(端部頂面補強部)32を含む。
【0049】
外壁部33は、回路基板に対する実装面の側において、その略全ての部分をハウジング10に埋め込まれた状態で設けられている。外壁部33の端部には、回路基板の基板面に対して略並行に延びる実装部34が設けられている。
内壁部31は、受入部16の一部の面を形成し得る。
上壁部32は、本実施形態に示すように、高さ方向「α」と直交する面「β-γ」において、平らな板面を形成していてもよい。この平らな面は、高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする頂部32Aを形成する。頂部32Aは、ハウジング10から露呈した状態で設けられており、周壁13の幅方向「γ」に沿って所定の幅を有している。以上の構成によれば、上壁部32もがプラグコネクタ2と衝突する可能性を、側壁頂面補強部40の頂部40A等と略同じものとすることができ、しかも、側壁14の幅方向「γ」の全体に亘って、プラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と衝突する可能性が大きい部分を、強度が大きい金属部分として、レセプタクルコネクタ1の不所望の破損を防止することができる。また、高さ方向「α」においてレセプタクルコネクタ1が大型化してしまうことを効果的に防止することができる。その他の部分は、プラグコネクタ2との嵌合側の面において、ハウジング10から露呈した状態で設けられている。
【0050】
側壁頂面補強部40は、本実施形態に示すように、高さ方向「α」と直交する面「β-γ」において、平ら板面を形成していてもよい。これにより、高さ方向「α」において、レセプタクルコネクタ1を小型化することができる。この平らな面は、高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする頂部40Aを形成する。頂部40Aは、上壁部32の頂部32Aと連結部40cを介して連続した状態で上壁部32から延びており、該頂部32Aとともにハウジング10から露呈している。これら頂部40A及び頂部32Aは、本実施形態に示すように、ハウジング10の頂部10Aや端子の頂部23Aとともに、高さ方向「α」において同じ高さに位置付けられているのが好ましい。これらの頂部40A、32A、10A、23Aは、プラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と衝突する可能性が大きいが、これらの部分を、高さ方向「α」におけるプラグコネクタ2との嵌合側においてハウジング10から露呈させることによって、樹脂製のハウジング10に比べて強度が大きい金属部分をプラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と衝突し得る部分として、レセプタクルコネクタ1の不所望の破損を防止することができる。
【0051】
立上部41は、外壁部33から折曲部41aを介して連続した状態で延びている部分であって、高さ方向「α」において側壁頂面補強部40よりも実装面に近い側に位置付けられ、且つ、幅方向「γ」において側壁頂面補強部40の外端40aと同じ位置か又は外端40aよりもハウジング10の内方に位置付けられている。側壁頂面補強部40と立上部41は、この位置関係を維持した状態で、先端に自由端を形成した状態で互いに並行に延びている。この構成によれば、補強金具30を設けたことによって、幅方向「γ」においてレセプタクルコネクタ1が大型化してしまうことはない。更に言えば、従来の構成に比べて、幅方向「γ」において、レセプタクルコネクタ1を小型化することができる。
【0052】
立上部41は、高さ方向「α」におけるプラグコネクタ2との嵌合側とは反対側にて回路基板の実装面に実装される。回路基板へ実装するため、実装面の側に、回路基板の基板面に対して略並行に延びる実装部42が設けられている。
【0053】
立上部41の少なくとも一部は、受入部16の側においてハウジング10から露呈した露呈面41bを形成し得る。この露呈面41bは、高さ方向「α」と長さ方向「β」によって形成される面によって形成される。立上部41は、露呈面41bを除き、外壁部33から延びている折曲部41aを含め、ハウジング10にその略全ての部分を埋め込まれている。補強金具30をハウジング10にインサート成型した場合、少なくとも、この露呈面41bと、側壁頂面補強部40の内端40bと、それらの間に設けたハウジングの一部10aは、受入部16の側において高さ方向「α」に沿って同一面を形成する。これにより、幅方向「γ」において、レセプタクルコネクタ1を小型化することができる。また、これらを同一面とすることにより、レセプタクルコネクタ1の強度を強化することができる。
【0054】
補強金具30は、また、受入部16の底壁11の一部を形成する底部38を含み、更に、該底部38から長手方向「β」に沿って延び且つ高さ方向「α」においてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって突出して突壁12の外壁の一部を形成する端壁35と、端壁35の底部38とは反対側に設けられた湾曲した湾曲部36aを含む。端壁35は、突壁12の長さ方向「β」における端部に位置しており、プラグコネクタ2との嵌合時において突壁12の端面を保護する機能を有する。湾曲部36aは、高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする突壁12の頂部36Aを形成する。頂部36Aは、端子20の移行部23bに形成された頂部23A、及び、側壁頂面補強部40の頂部40Aと、高さ方向「α」において同じ高さに位置付けられている。これにより、頂部40Aなどと共に、樹脂製のハウジング10、特に、その突壁12を補強する役割を有している。湾曲部36aの端部36bは、突壁12に埋め込まれており、補強金具30がハウジング10から容易に剥がれ落ちてしまうことを効果的に防止する。
【0055】
補強金具30は、更にまた、底部38から幅方向「γ」において互いに離間する方向に沿って互いに分岐された状態で延出した延出部43と、該延出部43を介して、底部38から高さ方向「α」においてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって突出した、換言すれば、実装面の側からプラグコネクタ2との嵌合側に向かって立ち上げられた、幅狭の接触腕部44を有する。このように、幅方向「γ」において比較的大きな底部38から幅狭の接触腕部44を分岐させることにより、弾性片における熱の発生を効果的に防止して、補強金具30を、高電流を伝送可能な電源端子として利用することもできる。また、延出部43に所定の幅を持たせることにより、補強金具30を位置決めするための金型を設置したことによってハウジング10の底に形成された穴11bを完全に防ぐことができ、基板側からの異物の侵入を防ぐことができる。各接触腕部44の先端には、プラグコネクタ2との嵌合時に、プラグコネクタ2と弾性接触し得るようにプラグコネクタ2と周壁13との間に位置付けられる弾性接触部44aが形成されている。
【0056】
高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする弾性接触部44aの頂部44Aは、高さ方向「α」においてプラグコネクタ2に最も近い側に位置にする側壁頂面補強部40の頂部40Aよりも実装面に近い側に位置している。これにより、プラグコネクタ2との嵌合時に、プラグコネクタ2との衝突によって接触腕部44を座屈させてしまうといった問題を効果的に防止することができる。
【0057】
弾性接触部44aは、一方の側壁14から該一方の側壁14と対向配置された他方の側壁14に向かって付勢された状態で、幅方向「γ」において受入部16に弾性突出した状態で設けられており、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2との嵌合時にプラグコネクタ2と弾性接触し得るように、プラグコネクタ2と側壁14との間に位置付けられている。
【0058】
弾性接触部44aは、弾性接触部22aと同様に、長さ方向「β」に沿って配列されているが、弾性接触部22aと異なり、弾性接触部44aは、該長さ方向「β」において、弾性接触部22aが配列された突壁12の範囲には及ばない。従って、弾性接触部44aを設けたことによって、長さ方向「β」においてレセプタクルコネクタ1が大型化することはない。
【0059】
幅方向「γ」において、弾性接触部22aと弾性接触部44aは、ハウジング10の受入部16に、幅方向「γ」において対向配置されている。また、幅方向「γ」において、弾性接触部44aの弾性突出方向と、弾性接触部22aの弾性突出方向は、逆方向に設定されている。この結果、幅方向「γ」において、弾性接触部22aと弾性接触部44aの間に、プラグコネクタ2の所定部分が弾性挿入される隙間が形成される。プラグコネクタ2の所定部分(側壁54等)が、この隙間に弾性挿入されることにより、端子20の弾性接触部22aは、プラグコネクタ2と突壁12との間、言い換えれば、プラグコネクタ2の内壁側で、一方、補強金具30の弾性接触部44aは、プラグコネクタ2と周壁13との間、言い換えれば、プラグコネクタ2の外壁側で、それぞれプラグコネクタ2の所定部分と弾性接触し得る。
【0060】
弾性接触部44aは、立上部41の露呈面41bと幅方向「γ」において対向した状態で配置されている。また、露呈面41bと弾性接触部44aは、長さ方向「β」において互いに重なりを有する。このような構成及び配置とすることにより、例えば、補強金具30を電源端子と使用した場合に、弾性接触部44a付近に発生した熱を、立上部41を介して、立上部41と連続する実装部42を通じて効果的に放熱することができる。弾性接触部44aは他の部分に比べて細幅となっていることから特に熱が発生し易いが、上記の機構を通じて、効果的に放熱することができる。また、プラグコネクタ2との嵌合時に、弾性接触部44aの座屈等による変形を効果的に防止することができる。
【0061】
プラグコネクタ2は、略直方体外形をなす樹脂製のハウジング50と、このハウジング50によって保持される端子60及び補強金具70を備える。ハウジング50による端子60及び補強金具70の保持は、組み込みによるものであってもよいが、一体成形がより好ましい。
【0062】
ハウジング50は、レセプタクルコネクタ1のハウジング10に設けた受入部16に対応して、囲枠状の嵌合部を形成する。ハウジング50が受入部16内に嵌入されることにより、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2が嵌合接続されるようになっている。
【0063】
ハウジング50は、主に、回路基板が実装される実装面に配置される底壁51と、底壁51からレセプタクルコネクタ1との嵌合側に向かって高さ方向「α」に突出した囲枠状の周壁53とを有する。周壁53は、2個の側壁54と、2個の端壁55を含む。側壁54は、幅方向「γ」において互いに対向して、且つ、長さ方向「β」に沿って並列に延びており、同様に、端壁55は、長さ方向「β」において互いに対向して幅方向「γ」に沿って並列に延びている。
【0064】
プラグコネクタ2にも、レセプタクルコネクタ1の端子20に対応して、複数の端子60が設けられている。各端子60は、側壁54に保持されるU字状のU字状部61と、該U字状部61の二つの腕部のうち受入部56側に位置する一方の腕部から、幅方向「γ」外方へ向けて延び回路基板の対応信号回路部に接続される接続部62とを含む。
【0065】
U字状部61は、コネクタ嵌合状態にて、レセプタクルコネクタ1の信号端子20の接触腕部22と、被保持部23の内側腕部23aとの間に突入する部分であり、側壁54を下方から跨ぐようにして該側壁54に埋設されている。該U字状部61は、側壁54の外面に沿って実装面の側に向かって延びる外側腕部61aと、該外側腕部61aの下端からコネクタ幅方向内側位置で高さ方向「α」にてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって折り返される移行部61bと、該移行部61bを経て高さ方向「α」にてプラグコネクタ2との嵌合側に向かって延びる内側腕部61cとを有する。レセプタクルコネクタ1の端子20のロック凹部23a-1に対応して、外側腕部61aの露呈面に、被ロック段部61a-1が設けられている。レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2の嵌合時には、被ロック段部61A-1がロック凹部23a-1に係止され、端子20と端子60が確実に接触するとともに、コネクタの抜けを防止することができる。
【0066】
補強金具70は、レセプタクルコネクタ1の補強金具30に対応して、周壁53の長さ方向「β」における各端部に1個ずつ、計2個、設けられている。補強金具70は、レセプタクルコネクタ1の補強金具30の機能に対応して、ハウジング50を補強する機能を有するのみならず、レセプタクルコネクタ1の補強金具30とロックするロック機能、さらには該補強金具30の接触腕部44と接触して電気的に導通する電源端子としての機能を有してもよい。
【0067】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0068】
以上の説明は、好ましい実施形態に関するものであり、物品を単に代表するものであることを理解すべきである。異なる実施形態の変形及び修正が上述の教示に照らして当業者に容易に明らかになることを認めることができる。従って、例示的実施形態並びに代替的な実施形態は、添付の特許請求の範囲で説明する物品の精神から逸脱することなく行うことができる。
【符号の説明】
【0069】
1 レセプタクルコネクタ(回路基板用コネクタ装置)
2 プラグコネクタ(相手コネクタ)
3 コネクタ装置組立体
10 ハウジング
10A 頂部
12 突壁
13 周壁
14 側壁(長さ部分)
15 端壁(幅部分)
16 受入部
20 端子
22a 弾性接触部
23A 頂部
30 補強金具
32 上壁部
32A 頂部
33 端壁部
36A 頂部
38 底部
40 側壁頂面補強部(第一の部分)
40a 外端
40b 内端
40A 頂部
41 立上部(第二の部分)
42 実装部
44a 弾性接触部
44 接触腕部
51 底壁