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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報端末及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20241008BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
G07G1/00 301D
G07G1/12 331B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023198555
(22)【出願日】2023-11-22
(62)【分割の表示】P 2022112610の分割
【原出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2024015029
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-034789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0001742(US,A1)
【文献】特開2017-126289(JP,A)
【文献】特開2016-057813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入される商品を搬送する搬送体とともに移動する情報端末であって、
前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知する第1の検知手段と、
前記情報端末へのログイン操作を検知する第2の検知手段と、
前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知している場合に前記ログイン操作を無効にするログイン処理手段と、
前記搬送体によって搬送される商品の会計指示を受け付ける会計受付手段と、
を具備し、
前記第1の検知手段が、前記商品が載置されている状態を検知した場合には、商品が載置されていることを報知し、再度前記第1の検知手段による検知を行う、情報端末。
【請求項2】
前記ログイン処理手段は、前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に載置されている状態を検知していない場合には前記ログイン操作を有効にし、
前記ログイン処理手段により前記ログイン操作が有効になると、前記搬送体によって搬送される商品の登録を受け付ける登録受付手段をさらに備える、請求項1記載の情報端末。
【請求項3】
前記会計指示を受け付けた後、前記商品の会計を行えるレジを案内し、前記搬送体によって搬送される商品にセルフによる会計が許容されない商品が含まれていない場合には、客をセルフレジへと案内する、レジ案内手段をさらに備える、請求項1記載の情報端末。
【請求項4】
前記レジ案内手段は、前記搬送体によって搬送される商品にセルフによる会計が許容されない商品が含まれている場合には、客を対面レジへと案内する、
請求項記載の情報端末。
【請求項5】
前記ログイン処理手段は、前記ログイン操作を無効にすると、ログイン無効状態の解除が指令されるのを待ち受け、前記解除が指令されると前記ログイン操作を有効にする、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の情報端末。
【請求項6】
購入される商品を搬送する搬送体とともに移動する情報端末のコンピュータを、
前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知する第1の検知手段
前記情報端末へのログイン操作を検知する第2の検知手段
前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知している場合に前記ログイン操作を無効にするログイン処理手段、及び、
前記搬送体によって搬送される商品の会計指示を受け付ける会計受付手段、
として機能させ、
前記コンピュータを、前記第1の検知手段が、前記商品が載置されている状態を検知した場合には、商品が載置されていることを報知し、再度前記第1の検知手段による検知を行うよう機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報端末及びコンピュータを当該情報端末として機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットなどの小売店において、混雑時を解消するために、カートPOSシステムが考えられている。カートPOSシステムは、スキャナ等を有する情報端末を備えたショッピングカートを使用する。情報端末は、客のログイン操作を受け付ける。情報端末は、ログインが承認されると情報処理が可能となる。ログインが承認された客は、ショッピングカートとともに売場を回る。客は、購入しようとする商品をショッピングカートに入れる際に、その商品のバーコードをスキャナで読み取らせる等して、商品の販売データを情報端末に登録する。登録を終えた客は、会計場に設置されている会計機を利用して、会計を行う。このようなカートPOSシステムは、売場で登録作業が行われるため、会計場の混雑は解消されると予測される。
【0003】
カートPOSシステムが導入された店舗では、客の行為によっては、未登録の商品が会計されることなく店外へ持ち出される可能性がある。そこで、未登録の商品がショッピングカートに入れられるのを検知する機能を情報端末に持たせることが考えられている。しかし情報端末は、客のログインが承認されるまでは情報処理を行わない。したがって、ログイン操作の前に未登録の商品がショッピングカートに入れられていた場合には、その商品を検知することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-203058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、未登録の商品が搬送体に載置されている状態での情報端末へのログインを制御することで、不正な会計を未然に防止できるログイン制御機能を備えた情報端末を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、購入される商品を搬送する搬送体とともに移動する情報端末は、第1の検知手段と、第2の検知手段と、ログイン処理手段と、会計受付手段と、を備える。第1の検知手段は、搬送体に商品が載置されている状態を検知する。第2の検知手段は、情報端末へのログイン操作を検知する。ログイン処理手段は、第2の検知手段がログイン操作を検知したとき、第1の検知手段が搬送体に商品が載置されている状態を検知している場合にログイン操作を無効にする。会計受付手段は、搬送体によって搬送される商品の会計指示を受け付ける。第1の検知手段が、商品が載置されている状態を検知した場合には、商品が載置されていることを報知し、再度前記第1の検知手段による検知を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るカートPOSシステムの全体構成図。
図2】同実施形態のカートPOSシステムを導入した店舗のレイアウト例を示す模式図。
図3図1に示す情報端末の要部回路構成を示すブロック図。
図4】情報端末が取り付けられたカートの一例を示す斜視図。
図5】情報端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図6】情報端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ログイン制御装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態では、カートPOSシステムで用いられるショッピングカートに備えられた情報端末へのログインを制御するログイン制御装置について例示する。詳しくは、情報端末がログイン制御装置としての機能を有するものとして実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るカートPOSシステムの全体構成図である。カートPOSシステムは、ストアサーバ10、POS端末20、会計機30、情報端末40及び監視端末50を含む。情報端末40は、例えば図4に示すような構成のショッピングカートCに備えられる。
【0010】
ストアサーバ10、POS端末20及び会計機30は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク60に接続されている。ネットワーク60には、アクセスポイント70も接続されている。情報端末40及び監視端末50は、いずれも無線ユニットを備えている。情報端末40及び監視端末50は、アクセスポイント70と無線通信を行う。アクセスポイント70は、ネットワーク60に繋がる各機器、すなわちストアサーバ10、POS端末20及び会計機30と、情報端末40及び監視端末50と、の通信を中継する。
【0011】
POS端末20、会計機30及び情報端末40は、一店舗に複数台あってもよい。監視端末50及びアクセスポイント70も、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0012】
ストアサーバ10は、顧客端末と公衆ネットワークを介して通信する。顧客端末は、例えば、客が所有するタブレット端末、スマートフォン及びパソコン等である。公衆ネットワークは、例えばインターネットである。
【0013】
ストアサーバ10は、商品データベース11及び会員データベース12を備える。商品データベース11及び会員データベース12は、ストアサーバ10が備える記憶装置に記憶されていてもよいし、ストアサーバ10に接続された他の機器の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0014】
商品データベース11は、店舗で販売される商品毎に作成された商品データレコードを保存する。商品データレコードは、商品ID、商品名、価格等の項目を含む。商品IDは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。商品名及び価格は、その商品IDで特定される商品の名称及び1点当たりの販売価格である。
【0015】
会員データベース12は、ポイント会員等の会員登録をした客毎に作成された会員データレコードを保存する。会員データレコードは、会員ID、ログインパスワード等の項目を含む。会員IDは、各会員を個々に識別するために会員毎に設定された一意のコードである。会員は、会員IDが記録された記録媒体を所有する。記録媒体は、例えば磁気カード、接触式IC(Integrated Circuit)カード、非接触式ICカード、スマートフォン等である。ログインパスワードは、会員が任意に設定した文字列である。文字列の文字は数字、アルファベット、記号等を含む。ストアサーバ10は、会員が有する顧客端末との通信により、その会員のログインパスワードを適宜更新する。
【0016】
図2は、カートPOSシステムを導入した店舗のレイアウト例を示す模式図である。購買者である客M1が店舗内で買物をする際に利用するショッピングカートは、情報端末40を備えている。以下の説明では、ショッピングカートは、カートCと称する。カートCは、購入される商品を搬送する搬送体の一例である。台車、荷車等も、搬送体の一例となり得る。客M1は、情報端末40のユーザとなる。客M1は、カートCとともに売場を回り、購入しようとする商品、いわゆる買上商品をカートCに載置する。客M1は、買上商品をカートCに載置するときに情報端末40を操作してその買上商品の登録を行う。買上商品の登録を終えると、客M1は、対面レジG1又はセルフレジG2に行き、買上商品の代金を支払うことで商取引の会計を行う。会計を終えると、客M1は、必要に応じてサッカー台SUで袋詰めを行う。
【0017】
対面レジG1では、会計業務を担当する店員であるキャッシャM2が買上商品の登録と会計とを行う。対面レジG1は、POS端末20を備えている。対面レジG1は、スキャナを有する。スキャナは、定置式であってもよいし手持ち式であってもよい。キャッシャM2は、スキャナSCで買上商品のバーコードを1品ずつスキャンすることで、買上商品の販売データをPOS端末20に登録する。POS端末20は、登録された買上商品の決済金額を算出する。客M1は決済金額相当の代金をキャッシャM2へ支払う。代金は現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント、商品券等の金券等で支払うことが可能である。POS端末20は、買上商品の登録と会計とを処理する商品販売処理装置の一例である。POS端末20は、対面レジG1を有する店舗で利用されている既存のPOS端末と同様でよい。
【0018】
セルフレジG2は、客M1が買上商品の登録と会計とを行う。セルフレジG2は、会計機30を備えている。客M1が情報端末40を操作して登録した買上商品の決済金額をストアサーバ10が算出する。ストアサーバ10は、その決済金額を、ネットワーク60を介して会計機30に通知する。客M1はその決済金額を通知された会計機30に対して決済金額相当の代金を支払う。代金は現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント等で支払うことが可能である。会計機30は、セミセルフ方式の店舗システムで利用されている既存の会計機と同様でよい。
【0019】
アテンダントカウンタATは、セルフレジG2の近傍にある。上述したように本実施形態の店舗では、客M1が情報端末40と会計機30とを操作することで、買上商品の登録から会計までを一貫して客自身で行うことができる。しかしその一方で、どうしても店員が介在しなければならない状況が発生し得る。例えば、医薬品を購入する客M1に対し、専門の販売員が情報提供を行わなければならない場合がある。情報端末40で商品のバーコードをスキャニングしたがエラーとなって登録されていないことに客M1が気付いていない場合もある。会計機30においても、例えば硬貨詰まり、レシート用紙切れ等のエラーが発生する場合がある。このような事象に対して迅速に対処できるように、接客を担当する店員であるアテンダントM3がアテンダントカウンタATに常駐する。アテンダントカウンタATには監視端末50がある。アテンダントM3は、監視端末50を利用して、各情報端末40及び会計機30の状態を監視する。
【0020】
図3は、情報端末40の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末40は、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、無線ユニット44、タッチパネル45、スキャナ46、リーダ47、第1カメラ48A、第2カメラ48B及びシステム伝送路49を備える。システム伝送路49は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報端末40では、システム伝送路49に、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、無線ユニット44、タッチパネル45、スキャナ46、リーダ47、第1カメラ48A及び第2カメラ48Bを接続する。情報端末40では、プロセッサ41、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43と、これらを接続するシステム伝送路49とによってコンピュータを構成する。
【0021】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、情報端末40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0022】
メインメモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
補助記憶デバイス43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス43となり得る。補助記憶デバイス43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ41での処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶デバイス43は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
タッチパネル45は、情報端末40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。情報端末40は、ストアサーバ10等のWebサーバで作成された画像データに基づきタッチパネル45に画像を表示するためのブラウザを実装している。
【0025】
スキャナ46は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ46は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0026】
リーダ47は、記録媒体に記録された会員IDを読み取る。リーダ47は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカードやスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ47として使用される。
【0027】
第1カメラ48A及び第2カメラ48Bは、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラである。第1カメラ48A及び第2カメラ48Bは、カートCの物品が載置される領域を撮像領域とする。撮像領域については、後述する。
【0028】
情報端末40では、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、無線ユニット44及びタッチパネル45をタブレット端末TMで構成する。このタブレット端末TMに、スキャナ46、リーダ47、第1カメラ48A及び第2カメラ48Bを電気的に接続することで、情報端末40が構成される。
【0029】
図4は、情報端末40が取り付けられたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4輪の車輪を有する。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3及びキャスタ部C1上に、商品を収容するための買物かごBAを載置することができる。
【0030】
スキャナ46は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ46は、手前側に読取窓が位置するようにハンドルバーC22に取り付けられる。手前側は、ハンドルバーC22を持ってカートCを押す客が立つ側である。
【0031】
一方の縦フレームC21に、ポールC4が取り付けられる。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置する。タブレット端末TMは、タッチパネル45の画面を手前にしてポールC4の先端部に取り付けられる。リーダ47は、カードスリットが手前側に位置するようにタブレット端末TMに取り付けられる。図4においては、リーダ47を磁気カードリーダとしている。バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21に亘って取り付けられる。バッテリBTは、タブレット端末TM及びスキャナ46の駆動電源となる。
【0032】
第1カメラ48Aは、籠受部C3が撮像領域となるように、スキャナ46の読取窓とは反対側の面に取り付けられる。第2カメラ48Bは、キャスタ部C1が撮像領域となるように、籠受部C3の下側に取り付けられる。第1カメラ48A及び第2カメラ48Bの取付位置は、上述した部位に限定されるものではない。第1カメラ48Aは、籠受部C3が撮像領域となるように、カートCに取り付けられていればよい。第2カメラ48Bは、キャスタ部C1が撮像領域となるように、カートCに取り付けられていればよい。
【0033】
図5及び図6は、情報端末40のプロセッサ41が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43に記憶されたプログラムに従って、図5及び図6の流れ図に示す手順の処理を実行する。以下、図5及び図6を用いて、情報端末40の主要な動作について説明する。以下に説明する内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、手順を含めその内容は特に限定されるものではない。
【0034】
プログラムが起動すると、情報端末40のプロセッサ41は処理を開始する。プロセッサ41は、Act1としてリトライカウンタnを“0”にリセットする。リトライカウンタnは、メインメモリ42の揮発性メモリ領域にある。プロセッサ41は、リトライカウンタnを“0”にリセットしたならば、Act2としてタッチパネル55に初期画像を表示する。初期画像は任意である。プロセッサ41は、例えばログインの手順を説明する画像を初期画像とする。初期画像は、例えば「カートは空ですか」というようなガイダンスを含むと好都合である。情報端末40は、初期画像の画像データをストアサーバ10から受け取る。
【0035】
会員である客M1は、来店すると、カート置場からカートCを取り出す。客M1は、カートCに取り付けられた情報端末40のタッチパネル45に初期画像が表示されていることを確認する。確認後、客M1は、情報端末40に対してログイン操作を行う。すなわち客M1は、リーダ47に会員IDが記録された記録媒体のデータを読み取らせ、タッチパネル45からログインパスワードを入力する。
【0036】
プロセッサ41は、Act3としてログイン操作を待ち受ける。リーダ47により会員IDが記録された記録媒体のデータが読み取られ、タッチパネル45からログインパスワードが入力されると、プロセッサ41は、ログイン操作が行われたと判断して、Act3においてYESに進む。プロセッサ41は、Act4として第1カメラ48A及び第2カメラ48Bで撮像されている画像を解析する。
【0037】
プロセッサ41は、Act5として第1カメラ48A及び第2カメラ48Bでそれぞれ撮像されている画像の解析結果から、籠受部C3及びキャスタ部C1の上に買物かごBA以外の物品が載置されているか否かを判定する。籠受部C3及びキャスタ部C1の上に買物かごBAも含めて何も物品が載せられていない場合、あるいは籠受部C3及びキャスタ部C1の少なくとも一方の上に空の買物かごBAが載せられている場合、プロセッサ41は、Act5においてNOに進む。プロセッサ41は、Act12の処理へと進む。Act12の処理については、後述する。
【0038】
籠受部C3及びキャスタ部C1の少なくとも一方の上に買物かごBA以外の物品が載せられている場合、プロセッサ41は、Act5においてYESに進む。例えば籠受部C3の上に載せられた買物かごBAの中に商品が収容されている場合、プロセッサ41は、Act5においてYESに進む。
【0039】
プロセッサ41は、Act6としてリトライカウンタnを“1”だけカウントアップする。プロセッサ41は、Act7としてリトライカウンタnが上限回数Nを超えたか否かを確認する。リトライカウンタnが上限回数Nを超えていない場合、プロセッサ41は、Act7においてNOに進む。プロセッサ41は、Act8として客M1にログイン無効を通知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル45に「ログイン操作は無効となりました。カートに商品等が載置されている場合には取り除いてください」というようなガイダンスを表示する。
【0040】
プロセッサ41は、ログイン無効を通知した後、Act3に戻る。すなわちプロセッサ41は、ログイン操作を待ち受ける。ログイン操作が行われると、プロセッサ41は、第1カメラ48A及び第2カメラ48Bによる撮像画像を解析する。その結果、籠受部C3及びキャスタ部C1の上に買物かごBA以外の物品が載せられていない場合には、プロセッサ41は、Act12の処理へと進む。
【0041】
依然として、籠受部C3及びキャスタ部C1の上に買物かごBA以外の物品が載せられている場合には、プロセッサ41は、リトライカウンタnをさらにカウントアップし、上限回数Nと比較する。例えば上限回数Nが“1”であった場合、プロセッサ41は、Act7においてYESに進む。プロセッサ41は、Act9として係員通知コマンドを出力するように無線ユニット44を制御する。この制御により、無線ユニット44は、係員通知コマンドを無線送信する。係員通知コマンドは、当該情報端末40を個々に識別するために情報端末40毎に予め設定された端末IDを含む。係員通知コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク60を介してストアサーバ10へと送られる。
【0042】
係員通知コマンドを受信したストアサーバ10は、この係員通知コマンドを監視端末50宛に転送する。すなわち係員通知コマンドは、アクセスポイント70から無線送信され、監視端末50で受信される。係員通知コマンドを受信した監視端末50においては、当該係員通知コマンドに含まれる端末IDで特定される情報端末40でログイン操作が無効であることを通知するメッセージが表示される。このメッセージを確認したアテンダントM3は、情報端末40が備えられたカートCを利用する客のところへ向かう。あるいはアテンダントM3は、他の店員にログイン操作が無効となった客のところへ向かうように指示する。
【0043】
例えば情報端末40は、警告用のランプ又はブザーを備える。プロセッサ41は、Act9において係員通知コマンドを出力するように無線ユニット44を制御する際、上記の警告用のランプ又はブザーに対して駆動信号を出力する。この駆動信号により、警告用のランプが点灯する。あるいはブザーが鳴動する。アテンダントM3又は店員は、ランプが点灯しているカートC又はブザーが鳴動しているカートCを目指して移動する。そうすることにより、ログイン操作が無効となったカートCのところにスムーズに移動することができる。
【0044】
Act9において、係員通知コマンドを出力するように無線ユニット44を制御したプロセッサ41は、Act10としてタッチパネル45に係員呼出画像を表示する。係員呼出画像は、例えば「係員を呼び出しております。お待ちください」というようなメッセージを含む。
【0045】
メッセージを確認した客M1は、係員が来るのを待機する。客M1のところに移動した係員、すなわちアテンダントM3又は店員は、カートCに買物かごBA以外の物品が載置されているか否かを確認する。物品が載置されていることを確認した場合、係員は、その物品を取り除いた後、タッチパネル45を操作してログイン無効状態の解除を指令する。
【0046】
Act10において、係員呼出画像の表示を制御したプロセッサ41は、Act11としてログイン無効状態の解除が指令されるのを待ち受ける。タッチパネル45の操作によりログイン無効状態の解除が指令されると、プロセッサ41は、Act11においてYESに進む。プロセッサ41は、Act12の処理へと進む。
【0047】
Act12においては、プロセッサ41は、ログインコマンドを出力するように無線ユニット44を制御する。この制御により、無線ユニット44は、ログインコマンドをストアサーバ10に宛てて無線送信する。ログインコマンドは、ログイン操作により入力された会員IDとログインパスワードとを含む。ログインコマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク60を介してストアサーバ10へと送られる。
【0048】
ここに、プロセッサ41を主体とするコンピュータは、第1カメラ48A、第2カメラ48Bと協働し、プログラムに従ってAct4及びAct5の処理を実行することにより、第1の検知手段を構成する。すなわち同コンピュータは、購買者である客M1によって購入される商品を搬送する搬送体であるカートCに商品が載置されている状態を検知する。
【0049】
同コンピュータは、タッチパネル45及びリーダ47と協働し、プログラムに従ってAct3の処理を実行することにより、第2の検知手段を構成する。すなわち同コンピュータは、搬送体であるカートCとともに移動する情報端末40への購買者である客M1によるログイン操作を検知する。
【0050】
同コンピュータは、プログラムに従ってAct5乃至Act8の処理を実行することにより、無効手段を構成する。すなわち同コンピュータは、第2の検知手段がログイン操作を検知したとき、第1の検知手段が搬送体であるカートCに商品が載置されている状態を検知している場合に、ログイン操作を無効にする。同コンピュータは、第2の検知手段がログイン操作を検知したとき、第1の検知手段が搬送体であるカートCに商品が載置されている状態を検知していない場合に、ログイン操作を有効にする。
【0051】
同コンピュータは、無線ユニット44と協働し、プログラムに従ってAct8及びAct9の処理を実行することにより、通知手段を構成する。すなわち同コンピュータは、第2の検知手段がログイン操作を検知したとき、第1の検知手段が搬送体であるカートCに商品が載置されている状態を検知している場合に、カートCに商品が載置されている状態でログイン操作が行われたことを通知する。その通知先は、情報端末40と無線及び有線のネットワークを介して接続される店員用端末の一例である監視端末50である。
【0052】
ログインコマンドを受信したストアサーバ10は、会員データベース12を検索する。ストアサーバ10は、ログインコマンドに含まれる会員IDで特定される会員データレコードのログインパスワードが、同ログインコマンドに含まれるログインパスワードと一致するか否かを判定する。ログインパスワードが一致する場合、ストアサーバ10は、ログインを承認する応答コマンドを、ログインコマンド送信元の情報端末40宛に送信する。ログインパスワードが一致しない場合、ストアサーバ10は、ログインを否認する応答コマンドを、ログインコマンド送信元の情報端末40宛に送信する。応答コマンドは、アクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末40が有する無線ユニット44で受信される。
【0053】
Act12においてログインコマンドの送信を制御したプロセッサ41は、Act13としてストアサーバ10からの応答コマンドを待機する。ログインコマンドが送信されてから一定時間内にログインを承認する応答コマンドを受信したことを検知すると、プロセッサ41は、図6のAct14に進む。プロセッサ41は、Act14としてタッチパネル45に登録画像P1を表示する。登録画像は、登録された買上商品の名称、価格、合計金額等を表示するための画像である。
【0054】
ログインコマンドが送信されてから一定時間内にログインを承認する応答コマンドを受信できなかった場合、例えばログインを否認する応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ログイン操作をエラーとして、処理を終了する。
【0055】
登録画像を確認した客M1は、売場を回り、購入しようとする商品、いわゆる買上商品をカートCに収容する。例えば客M1は、籠受部C3又はキャスタ部C1上に載置された買物かごBAに買上商品を入れる。客M1は、買上商品をカートCに収容する前に、スキャナ46を操作してその商品に付されているコードシンボルを読み取る。スキャナ46でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルで表わされた商品IDが情報端末40に入力される。すなわち、商品IDで特定される商品が登録される。
【0056】
生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。買上商品にコードシンボルが付されていない場合、客M1は、タッチパネル45に表示される商品ボタンから買上商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品IDが情報端末40に入力される。すなわち商品IDで特定される商品が登録される。
【0057】
Act14において登録画像を表示したプロセッサ41は、Act15として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ41は、Act15においてNOに進む。プロセッサ41は、Act16として会計が指示されたか否かを確認する。登録画像は、[会計]のタッチボタンを含む。プロセッサ41は、[会計]のタッチボタンがタッチされた場合に、会計が指示されたと認識する。会計が指示されていない場合、プロセッサ41は、Act16においてNOに進む。プロセッサ41は、Act15の処理へと戻る。ここにプロセッサ41は、Act15及びAct16において、商品登録が行われるか、会計が指示されるのを待ち受ける。
【0058】
Act15及びAct16の待ち受け状態において、商品登録が行われたことを確認すると、プロセッサ41は、Act15においてYESに進む。プロセッサ41は、Act17として商品登録コマンドをストアサーバ10に送信するように無線ユニット44を制御する。この制御により、無線ユニット44は、商品登録コマンドをストアサーバ10に宛てて無線送信する。商品登録コマンドは、当該情報端末40の端末IDと、登録商品の商品IDとを含む。商品登録コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク60を介してストアサーバ10へと送られる。
【0059】
商品登録コマンドを受信したストアサーバ10は、その商品登録コマンドから商品IDを検出する。ストアサーバ10は、商品データベース11を検索し、その商品IDを含む商品データレコードを読み出す。ストアサーバ10は、商品データレコードに含まれる商品名、価格等のデータを基に商品販売データを生成する。ストアサーバ10は、商品登録コマンドに含まれる端末IDと関連付けて商品販売データを記憶する。ストアサーバ10は、商品販売データの商品名、価格等を追加した登録画像を商品登録コマンド送信元の情報端末40宛に送信する。登録画像のデータは、アクセスポイント70から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末40が有する無線ユニット44で受信される。
【0060】
Act17において商品登録コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、Act14の処理へと戻る。プロセッサ41は、ストアサーバ10から受信した登録画像をタッチパネル45に表示する。プロセッサ41は再び、Act15及びAct16の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、次の商品登録が行われたことを確認すると、プロセッサ41は、Act17及びAct14の処理を繰り返す。したがって、登録画像には、登録された商品の商品名、価格等が順次追加される。
【0061】
Act5及びAct16の待ち受け状態において、会計が指示されたことを検知すると、プロセッサ41は、Act17においてYESに進む。プロセッサ41は、Act18として会計コマンドをストアサーバ10に送信するように無線ユニット44を制御する。無線ユニット44は、会計コマンドをストアサーバ10に宛てて無線送信する。会計コマンドは、当該情報端末40の端末IDを含む。会計コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク60を介してストアサーバ10へと送られる。
【0062】
会計コマンドを受信したストアサーバ10は、その会計コマンドに含まれる端末IDに関連付けられて記憶されている商品販売データを基に、セルフによる会計が許容されるか否かを判断する。例えば、専門の販売員が情報提供を行わなければならない医薬品の商品販売データが含まれている場合、セルフによる会計は許容されない。例えば登録エラーとなった商品販売データが含まれている場合、セルフによる会計は許容されない。
【0063】
セルフによる会計が許容されない場合、ストアサーバ10は、会計コマンド送信元の情報端末40宛にセルフ会計不許可の応答コマンドを送信する。セルフ会計不許可の応答コマンドは、客を対面レジG1へ案内するための画像データを含む。
【0064】
セルフによる会計が許容される場合には、ストアサーバ10は、会計コマンド送信元の情報端末40宛にセルフ会計許可の応答コマンドを送信する。セルフ会計許可の応答コマンドは、客をセルフレジG2へ案内する画像データを含む。
【0065】
Act18において会計コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、Act19としてストアサーバ10からの応答コマンドを待ち受ける。ストアサーバ10からセルフ会計不許可の応答コマンドを受信した場合、プロセッサ41は、Act19においてNOに進む。プロセッサ41は、Act20として応答コマンドに含まれる画像データに基づき、タッチパネル45に対面レジG1への案内画像を表示する。案内画像には、例えば「対面レジで会計を行ってください」というようなメッセージが表示される。
【0066】
ストアサーバ10からセルフ会計許可の応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、Act19においてYESに進む。プロセッサ41は、Act21として応答コマンドに含まれる画像データに基づき、タッチパネル45にセルフレジG2への案内画像を表示する。案内画像には、例えば「セルフレジで会計を行ってください」というようなメッセージが表示される。
【0067】
Act20又はAct21の処理を終えると、プロセッサ41は、プログラムに従った処理を終了する。
【0068】
このように本実施形態のカートPOSシステムが導入された店舗では、客M1はカートCを使用する際に、そのカートCに備えられた情報端末40に対してログイン操作を行う。このとき、カートCに買物かごBA以外の物品、例えば未登録の商品が載置されていた場合には、ログイン操作が無効となる。すなわち、ログイン操作の前に未登録の商品がカートCに載置されていると、その商品を取り除かない限り、そのカートCを使用してのセルフ登録が禁止される。したがって、未登録の商品が載置されたまま買上商品のセルフ登録が行われ、買上商品に紛れて未登録の商品が会計されることなく店外へ持ち出されるような不正を未然に防ぐことができる。
【0069】
ログイン操作が無効になると、情報端末40のタッチパネル45にガイダンスが表示される。ガイダンスは、例えば、カートCに買物かごBA以外の物品が載置されているためにログイン操作が無効になったこと、その物品を取り除くことでログインが有効になることを伝えるものとする。そうすることにより、客M1は、ログイン操作が無効になった理由を即座に知り得る。例えばマイバッグをカートCに載せてからログイン操作を行うことがある。このような場合、客M1は、マイバッグを取り除いてから再度ログイン操作を行えばよい。
【0070】
ログイン操作が無効となった際に、物品を取り除くことなく再度のログイン操作を行う客M1がいることも想定される。上限回数Nを超える回数でログイン操作のリトライが行われた場合には、監視端末50に通知がなされる。したがってアテンダントM3は、カートCに買物カゴ以外の物品が載置されているためにログイン操作ができない客がいることを知ることができる。このような場合、アテンダントM3は、その客M1の下に出向くなど、適切に対処すればよい。
【0071】
以上、未登録の商品が搬送体に載置されている状態での情報端末へのログインを制御することで、不正な会計を未然に防止できるログイン制御装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0072】
前記実施形態では、情報端末40がログイン制御装置として機能するために必要な第1の検知手段、第2の検知手段及び無効手段を全て備えている場合を例示した。他の実施形態としては、情報端末40が第1の検知手段及び第2の検知手段を備え、この情報端末40とネットワークを介して接続されているストアサーバ10若しくは専用のサーバが無効手段を備える。そうすることにより、情報端末40とストアサーバ10若しくは専用のサーバとでログイン制御装置を構成することが考えられる。
【0073】
前記実施形態では、カートCに物品が載置されていることを検知するために第1カメラ48A及び第2カメラ48Bを使用した。この点に関しては、例えばキャスタ部C1に物品を載せることができないカートであれば、第2カメラ48Bを省略できるのは言うまでもない。また、カメラの代わりに重量センサを籠受部C3及びキャスタ部C1に設けて、籠受部C3に及びキャスタ部C1買物かごBA以外の物品が載置されている状態を検知してもよい。
【0074】
前記実施形態では、第1の検知手段が、カートCに買物かご以外の物品が載置されている状態を検知したが、買物かごを含めて物品が載置されている状態を検知してもよい。そうすることにより、カートCに空の買物かごBAが載置されていてもログイン操作は無効となる。しかしその場合も、未登録の商品が会計されることなく店外へ持ち出されるような不正を未然に防ぐ効果は奏し得る。客M1は、買物かごBAをカートCに載せる前にサインオン操作を行えばよいので、実務面において大きな支障となることはない。
【0075】
第1の検知手段は、買物カゴCに商品が載置されている状態を検知してもよい。画像の解析によって商品と他の物品、例えばマイバッグを識別可能とするならば、カートCにマイバッグ等が入っている場合にログイン操作が有効となるので効率的である。
【0076】
前記実施形態では、ログイン操作として、リーダ47に会員IDが記録された記録媒体のデータを読み取らせ、タッチパネル45からログインパスワードを入力する場合を例示した。ログイン操作はこれに限定されるものではない。例えば、単にリーダ47に会員IDが記録された記録媒体のデータを読み取らせるだけであってもよい。
【0077】
前記実施形態では、係員通知コマンドの転送先を監視端末50とした。他の実施形態としては、POS端末20を係員通知コマンドの転送先としてもよい。その場合も、POS端末20のオペレータに対してログイン操作をできない客がいることが通知されるので、適切な対応を取ることができる。
【0078】
図5において、Act1、Act6、Act7及びAct8を削除してもよい。すなわちプロセッサ41は、Act5において物品有りと判定した場合、Act9に進み、係員通知コマンドを出力してもよい。あるいは図5において、Act7、Act9、Act10及びAct11を削除してもよい。すなわち、プロセッサ41は、Act5において物品有りと判定した場合、Act8に進み、ログインを無効にするだけでもよい。
【0079】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]購入される商品を搬送する搬送体に前記商品が載置されている状態を検知する第1の検知手段と、前記搬送体とともに移動する情報端末へのログイン操作を検知する第2の検知手段と、前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知している場合に、前記ログイン操作を無効にする無効手段と、を具備するログイン制御装置。
[2]前記無効手段は、前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知していない場合に、前記ログイン操作を有効にする、付記[1]記載のログイン制御装置。
[3]前記第2の検知手段が前記ログイン操作を検知したとき、前記第1の検知手段が前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知している場合に、前記搬送体に前記商品が載置されている状態で前記ログイン操作が行われたことを通知する通知手段、をさらに具備する付記[1]又は[2]記載のログイン制御装置。
[4]前記通知手段は、前記情報端末とネットワークを介して接続される店員用端末に通知する、付記[3]記載のログイン制御装置。
[5]購入される商品を搬送する搬送体とともに移動する情報端末へのログイン操作を制御するログイン制御装置のコンピュータに、前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知する機能と、前記ログイン操作を検知する機能と、前記ログイン操作を検知したとき、前記搬送体に前記商品が載置されている状態を検知している場合に、前記ログイン操作を無効にする機能と、を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0080】
10…ストアサーバ、11…商品データベース、12…会員データベース、20…POS端末、30…会計機、40…情報端末、41…プロセッサ、42…メインメモリ、43…補助記憶デバイス、44…無線ユニット、45…タッチパネル、46…スキャナ、47…リーダ、48A…第1カメラ、48B…第2カメラ、50…監視端末、60…ネットワーク、70…アクセスポイント、C…カート(ショッピングカート)。

図1
図2
図3
図4
図5
図6