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特許7568837消費者製品添加成分を含む液体組成物を回転混合するプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】消費者製品添加成分を含む液体組成物を回転混合するプロセス
(51)【国際特許分類】
   B01F 29/80 20220101AFI20241008BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20241008BHJP
   B01F 29/32 20220101ALI20241008BHJP
   B01F 23/41 20220101ALI20241008BHJP
   B01F 23/43 20220101ALI20241008BHJP
   B01F 35/43 20220101ALI20241008BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20241008BHJP
【FI】
B01F29/80
B01F23/53
B01F29/32
B01F23/41
B01F23/43
B01F35/43
B01F35/222
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2023518915
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2020119944
(87)【国際公開番号】W WO2022073190
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】アムラオ、エリック・カウヤン
(72)【発明者】
【氏名】ング、ブーン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンソン、ロバート・リー
(72)【発明者】
【氏名】デーゼレア、イルゼ・マリア・シリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ラメイラス・ドミンゲス、ジョアナ・アンドレイア
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-307498(JP,A)
【文献】特開2013-163183(JP,A)
【文献】特開2015-033660(JP,A)
【文献】特開2012-096212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F21/00-35/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器に収容された組成物を混合するためのプロセスであって、
密閉容器内に組成物を提供する工程であって、
前記組成物が、液体媒体と、
前記液体媒体に不溶性である消費者製品添加成分とを含み、
前記組成物が、
(a)50kg~5000kg、及び/又は
(b)50L~5000Lの量で存在する、提供する工程と、
回転工程において前記密閉容器を垂直軸を中心に回転させる工程であって、
前記回転工程が、少なくとも2回の回転サイクルを含み、
前記回転サイクルが、第1の工程と、それに続く第2の工程とを含み、
前記第1の工程が、前記容器を第1の方向に前記垂直軸を中心に、20rpm~100rpmの最高速度で5~60秒間回転させることを含み、
前記第2の工程が、前記容器を第2の方向に前記垂直軸を中心に、20rpm~100rpmの最高速度で5~60秒間回転させることを含み、
前記第2の方向が、前記第1の方向と反対である、回転させる工程とを含む、
前記回転サイクルが、前記第1の工程と前記第2の工程との間に一時停止を含み、
前記第1の工程と前記第2の工程との間の前記一時停止が、1秒~5秒間継続し、
前記回転工程が、回転サイクル間の一時停止を含み、
前記回転サイクル間の前記一時停止が、1秒~5秒間継続する、プロセス。
【請求項2】
前記回転工程が、2~20回の回転サイクル、又は3回~15回、又は5回~12回、又は8回~11回、又は10回の回転サイクルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記回転工程が、1~30分間、又は1~20分間、又は1~15分間、又は1~10分間、又は2分~8分間、又は3分~6分間継続する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の工程、前記第2の工程、又はその両方の最高速度が、30rpm~80rpm、又は40rpm~60rpm、又は50rpmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
(a)前記第1の工程が、前記容器を前記第1の方向に前記垂直軸を中心に、10秒~45秒間、又は20秒~40秒間、又は30秒間回転させることを含む、及び/又は、
(b)前記第2の工程が、前記容器を前記第2の方向に垂直軸を中心に、10秒~45秒間、又は20秒~40秒間、又は30秒間回転させることを含む、
の少なくとも一方が当てはまる、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の工程、前記第2の工程、又はその両方が、独立して、
(a)rpmの数が増加する増加期間であって、1~15秒間、又は3秒~10秒間、又は5秒間継続する増加期間、
(b)rpmの数が一定のままである「維持」期間であって、1~15秒間、又は3秒~10秒間、又は5秒間継続する維持期間、
(c)rpmの数が減少する減少期間であって、1~15秒間、又は3秒~10秒間、又は5秒間継続する減少期間、
のうちの1つ以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
記第1の工程と前記第2の工程との間の前記一時停止が、1秒間継続する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
記回転サイクル間の前記一時停止が、1秒間継続する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記組成物が、
(a)100kg~4000kg、又は250kg~3000kg、又は500kg~2000kg、又は750kg~1500kg、又は800kg~1200kg、及び/又は、
(b)100L~4000L、又は250L~3000L、又は500L~2000L、又は750L~1500L、又は800L~1200Lの量存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記容器が、前記容器の内部容積315の5体積%~20体積%、又は10体積%~20体積%、又は12体積%~18体積%のレベルで存在する上部空間を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記液体媒体が、水を含み、水が、前記組成物の少なくとも25重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%のレベルで存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記組成物が、前記組成物の0.5重量%~50重量%、又は1重量%~40重量%、又は1重量%~30重量%、又は1重量%~25重量%、又は1重量%~20重量%、又は1重量%~15重量%、又は1重量%~10重量%、又は1重量%~5重量%の前記消費者製品添加成分を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記消費者製品添加成分が、香料送達系、シリコーン、ポリマー、乳白剤、真珠光沢剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記消費者製品添加成分が、香料送達系、又はコア/シェル封入体を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記消費者製品添加成分が、ポリマー、又はカチオン性ポリマー、又はカチオン性多糖類を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記消費者製品添加成分が、粒子、繊維、液滴、又はこれらの混合物の形態である、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記添加成分が、1ミクロン~2mm、又は5ミクロン~1mm、又は10ミクロン~100ミクロンの平均粒径によって特徴付けられる、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記組成物が、均質化されたときに、100cps~10,000cps、又は200cps~8,000cps、又は300cps~5000cps、又は500cps~4000cpsの粘度によって特徴付けられる、請求項1~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記混合するプロセスが完了した後、前記組成物が、10%未満、又は8%未満、又は6%未満、又は5%未満、又は3%未満、又は2%未満である、上部試料と下部試料との間の粘度の差によって特徴付けられ、より大きい方の粘度が分母として使用される、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記密閉容器が、
方体である形状によって特徴付けられる、請求項1~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記密閉容器が、混合装置に提供され、
前記混合装置が、フレームを備え、
前記フレームが、前記フレームに対して前記第1の方向及び前記第2の方向に回転可能なデッキを支持し、前記密閉容器が、前記デッキ上に載置され、
記デッキが、回転サイクル中に前記容器を定位置に保持するための1つ以上の支持構造を更に備える、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記密閉容器が第1の密閉容器であり、前記組成物が第1の組成物であり、
前記プロセスが、第2の組成物を収容する第2の密閉容器を提供し、第2の回転工程において、前記第2の密閉容器を垂直軸を中心に回転させる工程を更に含み、
前記第2の回転工程が、少なくとも2回の回転サイクルを含み、各回転サイクルが、上述のように、第1の工程と、それに続く第2の工程とを含み、
前記第2の組成物が、第2の液体媒体と、前記第2の液体媒体に不溶性である第2の消費者製品添加成分とを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第2の消費者製品添加成分が、前記第1の組成物の前記消費者製品添加成分と異なる、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
消費者製品を作製するプロセスであって、
請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセスによって組成物を混合する工程と、
前記組成物をベース組成物と化合させて、前記消費者製品を作製する工程とを含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消費者製品添加成分を含む液体組成物を回転混合することに関するプロセスに関する。本開示はまた、消費者製品を作製するための関連するシステム、装置、及びプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品で使用するための固体又は他の不溶性添加成分は、多くの場合、それらが実際に組み込まれるか又は最終製品に配合される十分前に製造される。これらの成分は、スラリー又は水中油型エマルジョンなどの水性媒体中に存在し得る。これらの供給原料又はプレミックス組成物は、保管及び/又は輸送のために大きな容器に入れられることが多い。
【0003】
しかしながら、時間が経つと、組成物は均質化されなくなる可能性がある。具体的には、ある種の固体又は不溶性物質は凝集又は相分離し得る。一例として、香料封入体は、中間スラリーの上部に浮くことが知られている。対処されない場合、組成物中の添加剤濃度及び/又は粘度の差は、所望の最終製品を作製するときに一貫性のない投与をもたらし、品質管理問題を招く可能性がある。
【0004】
したがって、製造者は組成物を再均質化する必要があるが、効率的な方法で再均質化することは困難であり得る。容器を振盪してもよいが、そうすることは、大きな容器にとってエネルギー的に費用がかかる可能性があり、依然として所望のレベルの混合をもたらさない可能性がある。再循環プロセス又はオーバーヘッド混合プロセスを介して組成物を混合するために、容器を開けることができるが、このプロセスは、微生物、塵、又は酸素などの大気ガスによる汚染のリスクがある。更に、再循環プロセスは、異なる成分を含有する複数の容器が混合される場合、洗浄手順を必要とし、これは資本、空間、及び時間の点で費用がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、消費者製品添加成分を含有する組成物を均質化するための改善されたプロセス及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、密閉容器内で組成物を回転混合するためのプロセス、並びに関連するシステム、装置、及び容器に関する。
【0007】
例えば、本開示は、密閉容器内に収容された組成物を混合するためのプロセスに関し、プロセスは、密閉容器内に組成物を提供する工程であって、組成物が、液体媒体と、液体媒体に不溶性である消費者製品添加成分とを含み、組成物が、(a)約50kg~約5000kgの量、及び/又は(b)約50L~約5000Lの量で存在する、提供する工程と、回転工程において密閉容器を垂直軸を中心に回転させる工程であって、回転工程が少なくとも2回の回転サイクルを含み、回転サイクルが第1の工程と、それに続く第2の工程とを含み、第1の工程が、容器を第1の方向に垂直軸を中心に、約20rpm~約100rpmの最高速度で約5秒~約60秒間回転させることを含み、第2の工程が、容器を第2の方向に垂直軸を中心に、約20rpm~約100rpmの最高速度で約5秒~約60秒間回転させることを含み、第2の方向が第1の方向と反対である、回転させる工程とを含む。
【0008】
本開示はまた、消費者製品を作製するプロセスに関し、このプロセスは、本開示によるプロセスによって組成物を混合する工程と、組成物をベース組成物と化合させて消費者製品を作製する工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
図1】混合に有用な本開示によるシステムを示す。
図2】混合に有用な本開示によるシステムを示す。
図3】本開示による容器を示す。
図4】パレット上に配置された円筒形ドラムの形状の2つの容器を示す。
図5】容器が第1の方向に回転させられている、本開示による容器システムを示す。
図6】容器が第2の方向に回転させられている、本開示による容器システムを示す。
図7】本開示による回転サイクルのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、特定の容器、特に液体媒体中に消費者製品添加成分を含む組成物を収容する容器の内容物を混合するのに有用なプロセス及び装置に関する。添加成分は、液体媒体に比較的不溶性であってもよく、固体又は液滴として存在してもよい。好適な組成物は、例えば、香料封入体スラリーを含んでもよい。
【0011】
本開示は、そのような容器(及びその中に収容される組成物)を、実質的に水平な平面内で垂直軸を中心に回転させることによって混合するプロセスに関する。プロセスは、増加、減少、及び一時停止時間を含む特定の回転プロファイルを含む。更に、プロセスは、例えば、特定のrpm(毎分回転数)で、容器を回転及び逆回転させる(例えば、第1の方向、次いで第1の方向と逆又は反対の第2の方向、時計回り及び反時計回りなど)ことを含む。本開示はまた、関連する装置及び/又はシステム、並びにそのようなシステム及びプロセスを使用して消費者製品を作製する方法に関する。
【0012】
理論に束縛されることを望むものではないが、回転プロファイルを注意深く選択することによって、かなり大型になりがちな容器内の組成物は、汚染機会、洗浄要件、及び空間/フットプリント要件を最小限にするか又は更には排除する様式で効率的に混合されると考えられる。
【0013】
本開示のプロセス、システム、装置、及び組成物について、以下により詳細に記載する。
【0014】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0015】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在してもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句とは、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、及び本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。
【0017】
別途注記がない限り、全ての構成成分又は組成物のレベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0019】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0020】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもそのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのよう含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値制限は、全てのより高い数値制限を、あたかもそのようなより高い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのように含むものとする。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、あたかもそのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0021】
混合するためのシステム
本開示は、混合に有用なシステム100に関する。図1及び2は、本開示によるシステムを示す。システム100は、例えば、本開示のプロセスによる様式で、組成物400を収容する密閉容器300(又は本明細書で使用される場合、単に「容器」)を回転させることができる混合装置200を含む。混合装置200、容器300、及び組成物は、以下でより詳細に説明する。
【0022】
混合装置
本開示は、組成物400を容器300内で混合するのに有用な混合装置200(又は本明細書で使用される場合、単に「装置」)に関する。装置200は、本開示のプロセスで使用され得る。
【0023】
混合装置200は、フレーム210を含んでもよい。フレーム210は、地面に固定され得る1つ以上の脚部212、好ましくは少なくとも3つの脚部212、より好ましくは少なくとも4つの脚部212を備え得る。フレームは、充填された容器の重量を支持するのに十分頑丈であると共に、上述した回転運動の変化から生じる力に耐えるのに十分な弾性を有するべきである。フレーム210は、管鋼フレームであってもよい。
【0024】
フレーム210は、容器300が配置され得るデッキ220を支持することができる。容器300は、デッキ220上に載置されてもよい。デッキ220は、フレーム210に対して第1の方向及び第2の方向に回転可能であってもよい。典型的には、フレーム210は回転サイクル中に静止したままである。デッキ220は、ころ軸受222、好ましくは円錐ころ軸受上で回転し得る。
【0025】
デッキ220は、回転サイクル中に容器300を定位置に保持するための1つ以上の支持構造体を含んでもよい。1つ以上の支持構造体は、ケージ230の形態であり得る。ケージ230は、垂直バー232を含んでもよい。ケージは、水平バー234を含んでもよい。ケージ230は、図1及び図2に示されるように上部が開放されていてもよく、又はケージ230は上部が囲まれていてもよい。ケージ230は、材料及び/又は重量を節約するために、中実壁よりも好ましい場合がある。
【0026】
ケージ230は、基部240を含んでもよい。ゲート240は、選択的に開放可能であってもよい。開位置にあるとき、容器300は、例えばフォークリフト又はロボットアームによって、より容易にデッキ220上に配置され得る。容器300が適所にあるとき、ゲート240は、容器300を適所に固定するのを助けるために閉鎖されてもよい。ゲート240は、システム100を更に固定するために、例えばゲートラッチ241などの係止手段によって選択的に係止可能であってもよい。
【0027】
ゲート240は、開放可能であってもよく、例えば、1つ以上のヒンジ242を中心として開放可能であってもよい。ゲート240は、ゲートの開閉を容易にするためのハンドル244を含んでもよい。
【0028】
モータ250は、デッキ220(ひいては、存在する場合、ケージ230)の回転に動力を供給する。モータ250は、可変周波数駆動装置によって加速及び減速されてもよい。モータを完全に停止させるためにブレーキが使用されてもよい。ギアボックス252は、モータ250に接続され、デッキ220の回転の速度、トルク、及び方向に影響を及ぼすように構成され得る。装置はまた、電気接続を収容する電気接続箱254を含んでもよい。
【0029】
モータ250は、例えば電気接続箱254への有線接続260を介して、又は例えばwi-fi信号を使用する無線接続を介して、プログラマブルロジックコンピュータ(PLC)270と電子通信することができる。PLC270を使用して、回転サイクルをプログラムすることができる。PLC270はまた、ユーザが回転サイクルを監視、開始、及び停止することを可能にするインターフェース272を有してもよい。PLC270は、安全上の理由からモータ250から離れて配置されてもよい。
【0030】
混合装置200は、回転プロファイル又はサイクルを伝達する電子信号、例えばPLC270からの信号を受信することができる。混合装置200は、示された回転プロファイル又はサイクルを実行することができる。そのようなプロファイル及びサイクルは、上でより詳細に論じられている。
【0031】
容器
本開示のプロセス及びシステムは、とりわけ、容器300に関する。適切な容器300を図3に示す。容器300は、その内部容積315内に本開示による組成物400を含んでもよい。
【0032】
容器300は、基部310を含んでもよい。基部は、1つ以上の側壁312と接合されてもよく、側壁312は、上部壁314と接合されて、内部容積315を画定してもよい。基部310、側壁312、及び/又は上壁314のうちの1つ以上は、壁312及び/又は容器300に構造的支持を提供することができる1つ以上のリブ313を含んでもよい。リブ313は、(内部容積315に向かって)内向きに突出していてもよいし、(内部容積315から離れて)外向きに突出していてもよい。
【0033】
容器300は、実質的に直方体であってもよく、立方体であってもよい。容器300は、実質的に矩形であるフットプリントによって特徴付けられ得る。基部310は、実質的に矩形の形状であるフットプリントを画定し得る。側壁312は、基部310、別の側壁312、又は上壁314と接触して、二方の角部316を形成してもよい。2つの側壁312及び基部310、又は2つの側壁312及び上壁314は、3方の角部318で交わり得る。矩形の容器は、円筒形の容器と比較して、効率的かつ安全な保管及び輸送に有用であり得る。例えば、それらの容器は、間にほとんど隙間なく詰めて積み重ねることができる。更に、それらの容器は、転がる恐れなく、立てて又は横にして保管することができる。加えて、矩形の容器は、本プロセスに柔軟性を提供し、容器の配向に関して厳密な品質管理を必要としない場合がある。容器は、任意の配向に配置されてもよく、例えば、基部310上、側壁312上、又は更にその上壁314上に載置されてもよく、本開示に従って回転及び混合されてもよい。
【0034】
混合中、容器300は、上壁314及び/又は基部310に実質的に直交し得る垂直軸305を中心に回転し得る。垂直軸305は、容器300の中心、及び/又は上壁314の中心、及び/又は基部310の中心を通過し得る。基部310及び上壁314は、互いに実質的に平行であってもよい。容器300が横にして配置されるとき、垂直軸305が側壁312を有効に通過することも理解される。
【0035】
容器300は、例えば基部310の近くに一体的に形成された1つ以上のスロット320を含んでもよい。スロット320は、例えばフォークリフトで容器を輸送するときに保持又は把持を提供するのに有用であり得る開口部である。追加的又は代替的に、容器は、容器を保管及び/又は輸送するのに有用なパレット又は他の選択的に取り外し可能な手段と結合されてもよい。容器300がパレット302上に配置される場合、パレット302はスロット303を備えてもよい。
【0036】
容器300は、組成物400が容器300の内部容積315に提供され得る入口330を含んでもよい。入口330は、選択的に開放可能であってもよく、特に、輸送又は保管中に組成物400を保護するように密封されてもよい。入口330は、容器300が充填されると気密封止されてもよい。入口330は、容器300の上壁314に配置されてもよい。
【0037】
容器300は、組成物400が内部容積315から分配され得る出口332を含んでもよい。出口332は、選択的に開放可能であってもよく、特に、組成物400が輸送又は保管中に漏出しないように密閉されてもよい。出口332は、組成物を分配するときまで、例えば消費者製品の作製中に、気密封止されてもよい。出口は、容器の側壁312上に、好ましくは基部310の近くに配置され得る。図3は、入口330及び出口332を有する容器300を示すが、適切な容器は、代替的に、両方の機能を実行する単一の開口部を含んでもよいことが理解される。
【0038】
図4に示されるように、容器300は、混合装置200に対して提供され得るパレット302又は他の適切な表面若しくはプラットフォーム上に配置され得る。パレット302は、実質的に矩形であってもよい。容器300は、例えばほぼ円筒形のドラム301であってもよい。図4は、パレット302上に配置された2つのドラム301を示す。しかしながら、任意の好適な数のドラム301(1つ、2つ、3つ、4つ...)が、それらが適合し、本開示のプロセスに従って適切に固定及び回転され得る限り、パレット302上に配置されてもよい。図4に示されるように、ドラム301を備えるパレット302は、容器300の数及び配置に応じて、容器300を通過しない垂直軸305を中心に回転し得る。パレット302のフットプリントは、直方体容器のフットプリントと実質的に同様であってもよく、その結果、両方のタイプの容器を最小限の修正で同じ混合装置200上で使用することができる。パレット302は、フォークリフトのフォークを受容するようにサイズ決定及び構成されるスロット303を備えてもよい。
【0039】
容器300の内面は、比較的滑らかであり、垂直軸305に向かって内向きに突出する突起がなくてもよい。例えば、容器300は、内部バッフルがなくてもよい。そのような構造は、余分な乱流を生成することによって混合を助け得るが、組成物が付着することができる余分な表面積を形成する可能性があり、容器300を空にする又は洗浄することをより困難にする。
【0040】
組成物
本開示のプロセス及び装置は、固体又は不溶性成分を含む液体組成物400を混合するのに有用である。組成物400は、本開示により容器300内に配置され、提供され、及び/又は収容される。
【0041】
組成物400は、消費者製品添加成分を含んでもよい。組成物400は、中間組成物又は最終製品組成物を作製するために他の成分又はベース組成物と化合されることが意図される原料組成物及び/又はプレミックス組成物であってもよい。組成物400は、中間又は最終製品組成物を作製する前に、1つの場所で調製され、次いで、保管、輸送、又はそれらの組み合わせが行われてもよい。
【0042】
容器に収容される組成物400は、一般的に液体組成物であり、これは、液体媒体に不溶性の添加成分を含有していても、一般的に流動性液体組成物であることを意味する。均質化されると、液体組成物は、約100~約10,000cps、又は約200~約8,000cps、又は約300~約5000cps、又は約500~約4000cpsの粘度によって特徴付けられ得る。均質化されたとき、液体組成物は、約0.8g/cm~約1.2g/cm、又は約0.9g/cm~約1.1g/cm、又は約1.0~約1.1g/cmの密度を有し得る。組成物の粘度及び密度は、以下の試験方法の章に記載される方法に従って判定される。
【0043】
容器に収容される組成物400の量は、比較的多くてもよい。例えば、容器300は、約50kg~約5000kg、又は約100kg~約4000kg、又は約250kg~約3000kg、又は約500kg~約2000kg、又は約750kg~約1500kg、又は約800kg~約1200kgの組成物を含み得る。容器300は、約50L~約5000L、又は約100L~約4000L、又は約250L~約3000L、又は約500L~約2000L、又は約750L~約1500L、又は約800L~約1200Lの組成物を含み得る。
【0044】
組成物400は、容器300の内部容積315の少なくとも80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%の量で存在し得る。輸送及び保管効率のために、並びに中に含まれる組成物の通気を最小限にするために、比較的満杯の容器が好ましいと考えられる。
【0045】
とは言え、典型的には、容器内にいくらかの開放上部空間410が存在することが望ましく、例えば、回転時に渦を形成させることによって、改善された混合/均質化プロセスを促進することができる。容器300は、容器300の内部容積315の約5体積%~約20体積%、好ましくは約10体積%~約20体積%、更により好ましくは約12体積%~約18体積%のレベルで存在する上部空間410を含み得る。保管時の微小感染性の可能性を低減するために、上部空間410内の空気が消毒されていることが好ましい場合がある。図2は、内部容積315、組成物400、及び上部空間410の一部を見ることができるように、容器300の一部が切り取られて示されている。
【0046】
組成物400は、液体媒体を含んでもよい。液体媒体は、組成物の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%の量で存在し得る。液体媒体は、水、非水性溶媒、又はそれらの混合物、好ましくは水を含んでもよい。
【0047】
組成物400は、水を含んでもよい。組成物は、組成物の少なくとも25重量%、少なくとも50%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%の水を含んでよい。
【0048】
組成物400は、非水性溶媒、好ましくは有機溶媒を含んでもよい。好適な有機溶媒には、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、グリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。より好ましい非水性溶媒としては、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、及びこれらの混合物が挙げられる。非常に好ましいのは、溶媒の混合物、特に以下のうち2つ以上の混合物である:エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール;1,2-プロパンジオール又は1,3-プロパンジオールなどのジオール;及びグリセロール。プロパンジオール及びプロパンジオールとジエチレングリコールとの混合物も好ましく、混合物は、メタノール又はエタノールを含有しない。他の好適な非水性溶媒としては、モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンを含み得る。
【0049】
組成物400は、消費者製品添加成分(本明細書で使用するとき、「添加成分」又は更には「添加剤」)を更に含む。消費者製品添加成分は、典型的には、組成物の最終用途において性能利益を提供する有益剤である。好適な消費者製品添加成分はまた、加工助剤又は安定化助剤を含んでもよい。
【0050】
添加成分は、一般に液体媒体に不溶性である。例えば、添加成分は、20℃で、液体媒体1Lあたり10g未満、又は5g未満、又は1g未満、又は0.5g未満、又は0.1g未満の溶解度を有し得る。
【0051】
添加成分は、粒子、繊維、液滴、又はこれらの混合物の形態であってもよい。粒子は、有益剤を含むコアがシェルによって取り囲まれているコア/シェル封入体であってもよい。添加成分は、約1ミクロン~約2mm、好ましくは約5ミクロン~約1mm、より好ましくは約10ミクロン~約100ミクロンの平均粒径によって特徴付けられ得る。
【0052】
添加成分は、脆い粒子、例えば、コア/シェル封入体を含んでもよい。本明細書に記載の回転サイクルは、再均質化プロセス中の粒子の破損又は破裂を最小限に抑えるように選択されると考えられる。例えば、より高いrpm又はより急激な方向変化によって特徴付けられる回転サイクルは、脆い粒子の形態の添加成分に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0053】
組成物400は、組成物の約0.5重量%~約50重量%、又は約1重量%~約40重量%、又は約1重量%~約30重量%、又は約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約20重量%、又は約1重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%の添加成分を含んでもよい。
【0054】
添加成分は、液体媒体の密度とは異なる密度、例えば、液体媒体の密度よりも高い又は低い密度によって特徴付けられてもよい。そのような場合、添加成分は、時間と共に液体媒体中でそれぞれ沈降又は浮遊する傾向があり、容器の上部及び下部での濃度差などの不均一性をもたらし得る。そのような場合、本開示による混合プロセスは、特に有用である可能性が高い。
【0055】
添加成分は、消費者製品において所望の利益を提供する有益剤であってもよい。添加成分は、香料送達系(好ましくはコア/シェル封入体)、シリコーン、ポリマー、乳白剤、真珠光沢剤、構造化剤又はレオロジー改質剤、微粒子染料及び/又は顔料、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0056】
添加成分は、香料送達系を含んでもよい。香料送達系は、シェルがコアを取り囲むコア/シェル封入体などの粒子を含んでもよい。コアは、香料原材料と、任意選択的に、ミリスチン酸イソプロピル又は他の好適な材料などの分配調整剤とを含んでもよい。シェルは、メラミン系材料(例えば、メラミン-ホルムアルデヒド)、ポリアクリルアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、無水リンゴ酸、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される材料などのポリマー材料を含み得る。シェルは、堆積を助けるのに有用であり得るカチオン性ポリマーを含むコーティングなどのコーティングを外面上に含んでもよい。
【0057】
添加成分はシリコーンを含んでもよい。有用なシリコーンは、任意の好適なシリコーン含有化合物であり得る。シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、及びこれらの混合物からなる群、好ましくは、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、又はこれらの混合物から選択され得る。シリコーンは、ポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン、又はpolydimethyl siloxane、「PDMS」)などのポリジアルキルシリコーン、又はこれらの誘導体を含み得る。シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アミノ-ポリエーテルシリコーン、アルキルオキシル化シリコーン、カチオン性シリコーン、エトキシル化シリコーン、プロポキシル化シリコーン、エトキシル化/プロポキシル化シリコーン、四級シリコーン、又はこれらの組み合わせを含み得る。シリコーンは、ポリジメチルシリコーン、アミノシリコーン、又はこれらの組み合わせ、好ましくはアミノシリコーンを含み得る。
【0058】
添加成分は、ポリマーを含み得る。ポリマーは、クリーニング剤若しくは分散剤として、堆積助剤として、コンディショニング剤として、審美剤として、又はこれらの混合物として有用であり得る。ポリマーは、好ましくは、ポリマー汚れ放出剤、両親媒性グラフトコポリマー、セルロースポリマー、合成カチオン性ポリマー、多糖類、グリセリドコポリマー、移染防止ポリマー、又はこれらの混合物から選択されてもよい。
【0059】
ポリマーは、クリーニング及び/又は分散ポリマー含んでもよく、これにより、クリーニング及び/又は白色度の効果をもたらすことができる。好適なクリーニング及び/又は分散ポリマーとしては、アニオン性若しくは非イオン性であってもよく、及び/又はテレフタレート部分を含んでもよい、ポリマー汚れ放出剤;ポリエチレングリコール主鎖から誘導され、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分を有するものなどの、両親媒性グラフトコポリマー(Sokalan HP22など);カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物などの、セルロース系ポリマー;又はこれらの混合物が挙げられ得る。
【0060】
ポリマーは、カチオン性ポリマー、例えばカチオン性多糖類、カチオン性タンパク質、又は合成カチオン性ポリマーを含み得る。合成カチオン性ポリマーは、化粧品原料国際命名法によって特定される既知の「ポリクオタニウム」ポリマーのいずれか、例えば、ポリクアット-5、ポリクアット-6、ポリクアット-10、又はポリクアット-22を含み得る。適切な合成カチオン性ポリマーは、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(メチルアクリルアミド-co-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルピロリドン-co-アクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0061】
ポリマーは、多糖類、例えば、デンプン、セルロース、グアー、キトサン、又はポリグルカンを含み得る。ポリマーは、カチオン性多糖類であってもよい。カチオン性多糖類は、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、カチオン性デンプン、及び/又はカチオン性ポリグリカンを含み得る。好適なカチオン性多糖類は、カチオン変性セルロースエーテル、特にカチオン性ヒドロキシエチルセルロース及びカチオン性ヒドロキシプロピルセルロースを含み得る。
【0062】
ポリマーは、グリセリドコポリマーを含んでもよい。グリセリドコポリマーは、天然油に由来し得る。天然油の例としては、これらに限定されるものではないが、植物油、藻類油、魚油、動物脂、トール油、これらの油の誘導体、これらの油のいずれかの組み合わせなどが挙げられる。ポリマーは、ポリヒドロキシステアリン酸を含んでもよい。
【0063】
ポリマーは、移染防止剤(DTI)ポリマーを含んでもよい。好適なDTIポリマーとしては、ポリビニルピロリジン(「PVP」)、ポリ(4-ビニルピリジンN-オキシド)(「PVNO」)、PVPとPVNOとのコポリマー、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)-ポリ(N-ビニル-イミダゾール)(「PVPVI」)、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0064】
添加成分は、乳白剤を含んでもよい。乳白剤の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る:スチレン/アクリレートラテックス、二酸化チタン(TiO)、二酸化スズ、任意の好適な形態の変性TiO、例えば、被覆TiO、又はこれらの混合物。
【0065】
添加成分は、真珠光沢剤を含んでもよい。真珠光沢剤の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る:雲母、金属酸化物被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、魚のうろこ、アルキレングリコールのモノエステル及びジエステル、又はこれらの混合物。
【0066】
添加成分は、酸素に反応してもよい。例えば、添加成分は、大気への曝露時に自動酸化及び分解する傾向がある場合があり、これは、マイナスに知覚される色及び/又は臭いの変化をもたらし得る。添加成分が(例えば、自動酸化を介して分解する傾向を有することによって)酸素に反応する場合、本開示のプロセス、装置、及びシステムは、組成物をその中で混合するために容器を開けて大気に曝露する必要がないので、特に有用であり得る。
【0067】
組成物は、溶媒、構造化剤、分散剤、又は界面活性剤などの加工助剤を更に含んでもよい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、又はそれらの混合物でよい。組成物は、純香料を含んでもよい。
【0068】
混合プロセス
本開示は、閉鎖又は密閉容器内で組成物を混合するプロセスに関する。本プロセスは、概して、典型的には垂直運動をほとんどか又は全く伴わずに(例えば、垂直軸に沿った軸方向運動をほとんど又は全く伴わずに)、容器を垂直軸を中心に水平面内で回転させることに関する。プロセスは、容器を複数の回転サイクルで回転させることを含み、サイクルは、容器を第1の方向(例えば、時計回り)に回転させ、次いで、第1の方向と反対又は反対の第2の方向(例えば、反時計回り)に回転させることを含む。特定のRPM及び回転時間を有する回転プロファイルを選択することによって、液体組成物中に渦が生成され、崩壊し、適切な混合及び均質化をもたらすと考えられる。
【0069】
プロセスは、以下により詳細に記載されるように、容器300を提供することを含み得る。容器300は、密封され得るか、又は別様に閉鎖され得る。容器300は組成物400を収容してもよく、組成物400は、液体媒体と、液体媒体に不溶性である添加成分とを含む。容器300は、比較的大きくてもよく、少なくとも100Lの内部容積を有してもよい。容器300は、その中の組成物400を含めて、少なくとも100キログラムの質量を有してもよい。
【0070】
プロセスは、容器300を混合装置200に提供することを含んでもよい。混合装置200及び容器300は共に、混合システム100の一部であってもよい。図4及び5に示されるように、容器300はケージ240によって囲まれてもよい。
【0071】
プロセスは、少なくとも2回の回転サイクルを含む回転工程を実行することを含んでもよく、回転サイクルは、容器300を(a)第1の方向110に回転させ、次いで(b)第2の方向120に回転させることを含む。
【0072】
回転工程は、少なくとも3回、好ましくは少なくとも4回、より好ましくは少なくとも5回の回転サイクルを含み得る。回転工程は、約2回~約20回の回転サイクル、好ましくは約3回~約15回、より好ましくは約5回~約12回、より好ましくは約8回~約11回、最も好ましくは約10回の回転サイクルを含み得る。より多くの回転サイクルが混合の改善につながると考えられる。しかし、多すぎると、時間の損失及び冗長性を招く可能性がある。
【0073】
全体として、回転工程は、約1分~約30分間、又は約1分~約20分間、又は約1分~約15分間、又は約1分~約10分間、好ましくは約2分~約8分間、より好ましくは約3分~約6分間継続し得る。
【0074】
回転サイクルは、容器300を第1の方向110に回転させることを含む第1の工程を含み得る。図5は、混合装置200のケージ240に既に提供されている容器300の上面図である。容器300は、第1の方向110に、典型的には容器300の中心に位置し、典型的には床又は地面に実質的に直交する垂直軸305を中心に水平方向に回転させられ得る。
【0075】
容器300は、第1の方向110に、約5秒~約60秒間、好ましくは約10秒~約45秒間、より好ましくは約20秒~約40秒間、更により好ましくは約30秒間回転させられ得る。
【0076】
回転サイクルは、容器300を第1の方向と反対の第2の方向120に回転させることを含む第2の工程を含み得る。図6は、混合装置200のケージ240に既に提供されている容器300の上面図である。容器300は、第2の方向120に、典型的には容器300の垂直軸305を中心に回転され得る。
【0077】
容器300は、第2の方向に、約5秒~約60秒間、好ましくは約10秒~約45秒間、より好ましくは約20秒~約40秒間、更により好ましくは約30秒間回転させられ得る。
【0078】
プロセスは、典型的にはrpm(毎分回転数)で測定される最高速度で容器300を回転させることを含み得る。第1の工程、第2の工程、又はその両方の最高速度は、約20rpm~約100rpm、好ましくは約30rpm~約80rpm、より好ましくは約40rpm~約60rpm、更により好ましくは約50rpmであってもよい。
【0079】
回転サイクルの第1の工程、第2の工程、又はその両方は、rpmの数が増加する増加期間を含み得る。増加期間は、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続し得る。
【0080】
第1の工程、第2の工程、又はその両方は、rpmの数が、通常、工程又はサイクルの最大rpmで一定のままである「維持」期間を含み得る。維持期間は、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続し得る。
【0081】
第1の工程、第2の工程、又はその両方は、rpmの数が減少する減少期間を含み得る。減少期間は、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続し得る。
【0082】
回転サイクルは、第1の工程と第2の工程との間(例えば、第1の方向への回転と第2の方向への回転との間)に一時停止を含んでもよい。一時停止は、約0.5秒~約10秒間、又は約1秒~約5秒間、好ましくは約1秒間継続し得る。組成物が停止するのに十分な時間を有さないように、一時停止期間は比較的短いことが好ましい。方向の変化から生じる乱流は均質化を促進するため、一時停止が短いほど、乱流が大きくなり、混合が良好になると考えられる。
【0083】
回転工程は、回転サイクル間、例えば、第1の回転サイクルと第2の回転サイクルとの間、又は第2の回転サイクルと第3の回転サイクルとの間などに一時停止を含み得る。一時停止は、約0.5秒~約10秒間、又は約1秒~約5秒間、好ましくは約1秒間継続し得る。組成物が停止するのに十分な時間を有さないように、一時停止期間は比較的短いことが好ましい。方向の変化から生じる乱流は均質化を促進するため、一時停止が短いほど、乱流が大きくなり、混合が良好になると考えられる。
【0084】
プロセスは、約5%未満、又は約3%未満の組成物の通気度をもたらし得る。通気は、組成物の通常の/予想される密度(例えば、新しく作製された場合)を、本明細書に記載される再均質化プロセス後の密度と比較することによって判定される。再均質化時に密度が比較的低い場合、これは通気が起こったことを示す。典型的には、製品の安定性及び/又は投与の理由から、より低い通気度が望ましい。
【0085】
容器300内の組成物400は、容器の上部から採取された試料(「上部試料」)と容器の下部から採取された試料(「下部試料」)との間の粘度差によって特徴付けられ得る。回転サイクル、回転工程、又は全プロセスの後、上部試料と下部試料との間の粘度の差は、約10%未満、又は約8%未満、又は約6%未満、又は約5%未満、又は約3%未満、又は約2%未満であってもよく、ここで、より大きな粘度が分母として使用される。容器全体にわたって比較的良好な均質化を示すので、低い差が好ましい。
【0086】
本開示のプロセスは、複数の容器内で複数の組成物を混合するのに特に適し得る。これは、容器を開けたり組成物を再循環させたりする必要がなく、したがって装置の洗浄が不要であるためである。
【0087】
本開示のプロセスにおいて、上述の容器300は第1の容器であってもよく、組成物400は第1の組成物であってもよい。プロセスは、第2の組成物を収容する第2の容器を提供する工程と、第2の容器に対して回転させる工程を実行する工程とを更に含んでもよく、回転工程は、2回以上の回転サイクルを含む。第2の組成物は、第1の組成物と同じである又は異なる配合を有し得る。第2の容器に対して実行される回転サイクルは、(例えば、持続時間及び/又は最大rpmに関して)第1の容器に対して実行される回転させる工程の回転サイクルと同じであっても異なっていてもよい。
【0088】
第2の組成物は、第2の液体媒体と、第2の液体媒体に不溶性である第2の添加成分とを含んでもよい。第2の添加成分は、第1の組成物中に存在する添加成分(例えば、第1の添加成分)と異なっていてもよい。第2の組成物中の第2の添加成分の濃度は、第1の組成物中の第1の添加成分の濃度と異なっていてもよい。
【0089】
消費者製品を作製するプロセス
本開示はまた、液体消費者製品を作製するプロセスに関する。消費者製品は、表面、例えば、布地、硬質表面、毛髪、及び/又は皮膚を処理するのに有用であり得る。
【0090】
消費者製品は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態であり得る。
【0091】
本開示の消費者製品組成物は、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、身体洗浄組成物、又はこれらの混合物であり得る。本開示の組成物は、布地ケア組成物であってよい。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。消費者製品組成物は、軽質液体洗剤組成物、軽質液体洗剤組成物、洗濯で一般に使用される洗剤ゲル、漂白組成物、洗濯添加剤、布地強化組成物、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。組成物は、コンパクトな重質液体洗剤組成物又は液体布地強化組成物であってもよい。本開示による液体組成物の他の非限定的な例としては、シャンプー、ボディクレンジング組成物などが挙げられる。
【0092】
消費者製品は、パウチなどの単位用量物品の形態態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、消費者製品組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。消費者製品組成物は、単一区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に収容される消費者製品組成物は、液体、固体(粉末など)、又はこれらの組み合わせであってもよい。そのような場合、少なくとも1つの封入消費者製品組成物は、液体組成物である。
【0093】
プロセスは、本開示のプロセスに従って混合された組成物をベース組成物に提供して、消費者製品を作製することを含んでもよい。
【0094】
消費者製品を作製するプロセスは、本開示のプロセスに従って容器内に収容された組成物を混合し、次いで組成物の一部をベース組成物と化合させて消費者製品をもたらす工程を含んでもよい。
【0095】
化合させる工程は、バッチプロセスにおいて、循環ループプロセスにおいて、及び/又はインライン混合プロセスによって、又は現場混合プロセスを介してボトル内で行われてもよい。本明細書で開示されたプロセスで使用するのに好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げてもよい。
【0096】
組み合わせ
本開示の具体的に企図される組み合わせを、本明細書において以下のアルファベット付きの項に記載する。これらの組み合わせは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
【0097】
A.密閉容器内に収容された組成物を混合するためのプロセスであって、密閉容器内に組成物を提供する工程であって、組成物が、液体媒体と、液体媒体に不溶性である添加成分とを含み、組成物が、(a)約50kg~約5000kgの量、及び/又は(b)約50L~約5000Lの量で存在する、提供する工程と、回転工程において密閉容器を垂直軸を中心に回転させる工程であって、回転工程が少なくとも2回の回転サイクルを含み、回転サイクルが第1の工程と、それに続く第2の工程とを含み、第1の工程が、容器を第1の方向に垂直軸を中心に、約20rpm~約100rpmの最高速度で約5秒~約60秒間回転させることを含み、第2の工程が、容器を第2の方向に垂直軸を中心に、約20rpm~約100rpmの最高速度で約5秒~約60秒間回転させることを含み、第2の方向が第1の方向と反対である、回転させる工程とを含む、プロセス。
B.回転させる工程が、約2回~約20回の回転サイクル、好ましくは約3~約15回の回転サイクル、より好ましくは約5回~約12回の回転サイクル、より好ましくは約8回~11回の回転サイクル、最も好ましくは約10回の回転サイクルを含む、段落Aに記載のプロセス。
C.回転させる工程が、約1分~約30分間、又は約1分~約20分間、又は約1分~約15分間、又は約1分~約10分間、好ましくは約2分~約8分間、より好ましくは約3分~約6分間継続する、段落A又はBに記載のプロセス。
D.第1の工程、第2の工程、又はその両方の最高速度が、約30rpm~約80rpm、より好ましくは約40rpm~約60rpm、更により好ましくは約50rpmである、段落A~Cのいずれか1つに記載のプロセス。
E.(a)第1の工程が、容器を第1の方向に垂直軸を中心に、約10秒~約45秒間、より好ましくは約20秒~約40秒間、更により好ましくは約30秒間回転させることを含む、及び/又は(b)第2の工程が、容器を第2の方向に垂直軸を中心に、約10秒~約45秒間、より好ましくは約20秒~約40秒間、更により好ましくは約30秒間回転させることを含む、の少なくとも一方が当てはまる、段落A~Dのいずれかに記載のプロセス。
F.第1の工程、第2の工程、又は両方が、独立して、(a)rpmの数が増加する増加期間であって、好ましくは、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続する増加期間、(b)rpmの数が一定のままである「維持期間」であって、好ましくは、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続する「維持」期間、(c)rpmの数が減少する減少期間であって、好ましくは、約1秒~約15秒間、好ましくは約3秒~約10秒間、より好ましくは約5秒間継続する減少期間、のうちの1つ以上を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載のプロセス。
G.回転サイクルが、第1の工程と第2の工程との間に一時停止を含み、好ましくは、第1の工程と第2の工程との間の一時停止が、約0.5秒~約10秒間、又は約1秒~約5秒間、好ましくは約1秒間継続する、段落A~Fのいずれか1つに記載のプロセス。
H.回転工程が、回転サイクル間の一時停止を含み、好ましくは、回転サイクル間の一時停止が約0.5秒~約10秒間、又は約1秒~約5秒間、好ましくは約1秒間継続する、段落A~Gのいずれか1つに記載のプロセス。
I.組成物が、(a)約100kg~約4000kg、又は約250kg~約3000kg、又は約500kg~約2000kg、又は約750kg~約1500kg、又は約800kg~約1200kg、及び/又は(b)約100L~約4000L、又は約250L~約3000L、又は約500L~約2000L、又は約750L~約1500L、又は約800L~約1200Lの量で存在する、段落A~Hのいずれか1つに記載のプロセス。
J.液体媒体が、水を含み、好ましくは、水が、組成物の少なくとも25重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%のレベルで存在する、段落A~Iのいずれか1つに記載のプロセス。
K.組成物が、組成物の約0.5重量%~約50重量%、又は約1重量%~約40重量%、又は約1重量%~約30重量%、又は約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約20重量%、又は約1重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%の消費者製品添加成分を含む、段落A~Jのいずれか1つに記載のプロセス。
L.消費者製品添加成分が、香料送達系、シリコーン、ポリマー、乳白剤、真珠光沢剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A~Kのいずれか1つに記載のプロセス。
M.消費者製品添加剤が、香料送達系、好ましくはコア/シェル封入体を含む、段落A~Lのいずれか1つに記載のプロセス。
N.消費者製品添加剤が、ポリマー、好ましくはカチオン性ポリマー、より好ましくはカチオン性多糖類を含む、段落A~Mのいずれか1つに記載のプロセス。
O.消費者製品添加成分が、粒子、繊維、液滴、又はこれらの混合物の形態である、段落A~Nのいずれか1つに記載のプロセス。
P.添加成分が、約1ミクロン~約2mm、好ましくは約5ミクロン~約1mm、より好ましくは約10ミクロン~約100ミクロンの平均粒径によって特徴付けられる、段落A~Oのいずれか1つに記載のプロセス。
Q.組成物が、均質化されたときに、約100cps~約10,000cps、又は約200cps~約8,000cps、又は約300cps~約5000cps、又は約500cps~約4000cpsの粘度によって特徴付けられる、段落A~Pのいずれかに記載のプロセス。
R.密閉容器が、(a)実質的に矩形であるフットプリント、及び/又は(b)実質的に直方体である形状のうちの1つ以上によって特徴付けられる、段落A~Qのいずれかに記載のプロセス。
S.密閉容器が混合装置に提供され、混合装置がフレームを備え、フレームが、フレームに対して第1の方向及び第2の方向に回転することができるデッキを支持し、密閉容器がデッキ上に載置され、好ましくはデッキが、回転サイクル中に容器を定位置に保持するための1つ以上の支持構造を更に備える、段落A~Rのいずれかに記載のプロセス。
T.密閉容器が第1の密閉容器であり、組成物が第1の組成物であり、プロセスが、第2の組成物を収容する第2の密閉容器を提供し、第2の回転工程において第2の密閉容器を垂直軸を中心に回転させる工程を更に含み、第2の回転工程が少なくとも2回の回転サイクルを含み、各回転サイクルが上述の第1の工程と、それに続く第2の工程とを含み、第2の組成物が、第2の液体媒体と、第2の液体媒体に不溶性である第2の消費者製品添加剤とを含む、段落A~Sのいずれか1つに記載のプロセス。
U.第2の消費者製品添加剤が、第1の組成物の消費者製品添加剤とは異なる、段落Tに記載のプロセス。
V.容器が、容器の内部容積315の約5体積%~約20体積%、好ましくは約10体積%~約20体積%、更により好ましくは約12体積%~約18体積%のレベルで存在する上部空間を更に含む、段落A~Uのいずれか1つに記載のプロセス。
W.混合するプロセスが完了した後、組成物が、約10%未満、又は約8%未満、又は約6%未満、又は約5%未満、又は約3%未満、又は約2%未満である、上部試料と下部試料との間の粘度の差によって特徴付けられ、より大きい方の粘度が分母として使用される、段落A~Vのいずれかに記載のプロセス。
X.消費者製品を作製するプロセスであって、段落A~Wのいずれか1つに記載のプロセスによって組成物を混合する工程と、組成物をベース組成物と化合させて、消費者製品を作製する工程とを含む、プロセス。
【0098】
試験法
粘度
液体組成物の粘度を判定するために、ブルックフィールド回転粘度計(モデルDV-1)が使用される。組成物の試料(約100mL)をプラスチック容器に注ぎ、粘度計スピンドルを、スピンドルがマークまで浸漬されるまで容器の内側に置く。60rpmの回転速度で、スピンドルLV-3を、最大2000cpsの粘度を有する組成物に使用する。組成物が2000cpsを超える粘度を有する場合、スピンドルLV-4を使用する。機械の電源を入れ、粘度値が安定するまで、典型的には2分後に回転させる。粘度値を記録する。測定は約22℃で行う。
【0099】
上部及び下部試料の収集
液体組成物の試料は、容器の上部及び下部から採取することができる。
【0100】
容器の上部から試料を収集するために、蓋を取り外し、カップ(約200mLの体積)を液体の表面の約10cm下に浸漬し、次いで取り出す。試料の一部は、分析のために異なる容器に移され得る。
【0101】
容器の下部から試料を収集するために、弁を開き、約500gの材料を容器から流出させることによって、弁を最初にパージする。パージ後、約500gの材料の試料を容器に収集する。試料の一部は、分析のために異なる容器に移され得る。
【0102】
収集後、試料は、粘度、密度、又は任意の他の好適な特性について試験されてもよい。
【0103】
組成物密度
液体組成物の密度を測定する方法は、ASTM D1475-13に基づく。
【0104】
清浄で乾燥した密度カップ(ピクノメーター-100mL)を秤の上に置く。秤を風袋引きする/ゼロにする。組成物試料を、気泡が生じないように注意深くカップに加える。カップを上部まで充填する。カップ蓋を所定の位置に置き、過剰な液体を上部穴から除去する。一杯のカップを秤量し、値を記録する。測定は約22℃で行う。
【0105】
粒径
粒径は、好ましくは体積加重中央粒径として報告される。利用可能でない場合、数加重中央粒径が報告され得る。
【0106】
粒径を判定するために使用される方法は、材料のタイプ及び分析される粒子のサイズに応じて変化し得る。当業者であれば、その状況下で最も適切な方法を決定することができるが、以下の材料については、以下に提供される方法が使用される。
【0107】
A.香料封入体(5~100ミクロン)
香料封入体のサイズは、AccuSizer 780 AD機器と、付随するソフトウェアCW788バージョン1.82(Particle Sizing Systems社(米国カリフォルニア州サンタバーバラ)製)又は同等のソフトウェアを使用して、光学的粒子計数法(OPC)とも呼ばれる単一粒子光学検知法(SPOS)によって決定される。器具は、以下の条件及び選択肢を用いて構成する:流速=1ml/秒;小径側閾値=0.50μm;センサーモデル番号=LE400-05又は同等のもの;自動希釈=オン;収集時間:60秒;数チャネル=512;容器の流体体積=50ml;最大同時計数=9200。測定は、バックグラウンド計数が100未満になるまで水でフラッシングすることによって、センサを低温状態にすることによって開始される。懸濁液中の送達カプセルの試料が導入され、必要に応じてカプセルの密度が、脱イオン水を用いて自動希釈を介して調整されて、カプセルの計数が最大で、1mlあたり少なくとも9200となるようにする。60秒間かけて、懸濁液を分析する。使用されるサイズの範囲は、1μm~493.3μmであった。したがって、体積分布及び数分布は、上記に示され説明されたように計算される。
【0108】
累積体積分布から、百分位数5(d)、50(d50)及び90(d90)の直径も計算することができる(百分位数jは、体積の百分位数jが累積される累積体積分布によって求められる)
【0109】
【数1】
【0110】
B.シリコーン液滴
静的石英セルを備え、製造業者の指示書に従って操作したHoriba,Partica,Laser Scattering,Particle Size Distribution Analyzer LA-950V2を利用して、シリコーン化合物の粒径を分析する。
【0111】
C.カチオン性セルロース粒子
Occhio Flow Cell FC200-S(ベルギー、アングル)を使用して粒径分布を測定する。分析すべき粒子を含有する試料を、PEG200を用いて2重量%に希釈して、単一粒子の検出を確実にする。2mlの希釈された試料を、装置と共に提供される指示書に従って分析する。
【実施例
【0112】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0113】
実施例1.例示的な混合プロセス
図3に示されるような容器300は、図1及び2に示されるようなシステム100を作製するために混合装置200に提供される。容器300は、液体媒体として水を含む水性スラリーの形態の組成物を含む。組成物は、香料封入体を更に含み、コア-シェル封入体は、約18ミクロンの体積加重粒径によって特徴付けられる。封入体の壁はポリアクリレートポリマーを含み、香料原料(有益剤として)及びミリスチン酸イソプロピル(分配調整剤として)がコア中に見出される。封入体は、組成物の約35重量%のレベルで存在し、約1000kgの組成物が容器300内に存在する。容器300の寸法は、約1.2m(長さ)×1.0m(幅)×1.15m(高さ)である。構造化剤及び/又は防腐剤などの追加の材料が組成物中に存在してもよい。
【0114】
容器300が混合装置200に安全に装填されると、装置200は、容器300を一連の回転サイクルで回転させる。図7は、典型的な回転サイクル500のグラフを示す。時間(秒)がx軸上に示され、RPMがy軸上に示され、第1の方向の回転は正のRPMとして示され、第2の方向の回転は負のRPMとして示される。回転サイクル全体は32秒間継続する。
【0115】
図7に示されるように、回転サイクル500の第1の工程は、15秒間(時点0~時点15)継続する。第1の工程は、第1の方向における5秒間の増加期間501と、50RPMの最大RPMでの5秒間の維持期間502と、5秒間の減少期間503とを含む。回転サイクルは、第1の工程と第2の工程との間に1秒間の一時停止504を含む。
【0116】
回転サイクル500の第2の工程も、15秒間(時点16~時点31)継続する。回転サイクル500の第2の工程は、第2の方向における5秒間の増加期間505と、50RPM(すなわち、第2の方向における50RPM)の最大RPMでの5秒間の維持期間506と、5秒間の減少期間507とを示す。回転サイクルは、次の回転サイクルが始まる前に、回転サイクル500の終わりに1秒間の一時停止508を含む。
【0117】
プロセスは、回転サイクルが合計約320秒間継続するように、連続したこれらの回転サイクル500のうち10を含む。容器300を装置200から取り出し、その直後に、その中に含まれる香料封入体組成物の一部を、インライン混合を介して液体布地強化ベース組成物に添加する。本方法は、消費者製品、特に液体布地強化製品をもたらす。
【0118】
実施例2.混合前と混合後の粘度差
この実施例では、香料マイクロカプセル供給原料組成物を含む容器システムが提供される。香料マイクロカプセル(PMC)は、メラミン-ホルムアルデヒド壁を含み、壁は堆積助剤としてのポリビニルホルムアミドでコーティングされている。PMC1と標識されたマイクロカプセルは香料原料の第1の混合物を含有し、PMC2と標識されたマイクロカプセルは香料原料の第2の異なる混合物を含有する。試験されたPMC組成物は、約45重量%の粒子(すなわち、香料マイクロカプセル)を含む。
【0119】
PMC組成物は、第1の場所で製造され、実施例1に記載されるように矩形容器に提供され、第2の場所に輸送され、そこで粘度試験及び混合/再均質化プロセスが行われる。
【0120】
容器の上部及び下部に見られる組成物の、ブルックフィールド粘度計でcpsで測定される粘度を、再均質化/混合前(「初期」)、並びに本開示による混合の10、20、30、及び40回の回転サイクル後を含む様々な時点で評価し、ここで回転サイクルは実施例1及び図7に提供される通りである。上部粘度と下部粘度の差も判定され、大きい方の粘度値を分母として用いて百分率差として表される。結果を下の表1に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
上記の表1に示されるように、再均質化の前に、組成物(製造及び輸送後)は、容器の下部と比較して上部の粘度に関して比較的不均一である。PMC1を含有する組成物は、下部と比較して容器の上部でより低い粘度を有することが見出される。PMC2を含有する組成物は、ほぼ完全に相分離していることが見出され、ここで、PMCは、一般に、組成物の上部近くの層に見出される。
【0123】
表1に示されるように、各PMC組成物の上部と下部との間の粘度差は、10及び20回転サイクル後に減少する。好ましくは、粘度差は10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0124】
また表1に示されるように、組成物の粘度差は、20サイクル後の粘度差と比較して、30及び40サイクル後にかなり増加した。これは、回転サイクルの数を制御又は最小化することが好ましい場合があると示唆している。
【0125】
同様の試験を香料マイクロカプセルの期限切れバッチに対して行う。しかしながら、再均質化前の容器上部の粘度は非常に高く、手元の粘度計で測定することができなかった。更に、実施例1による40回の回転サイクル後に、容器の上部と下部との間の粘度差は10.40%である。
【0126】
追加の試験は、上記の回転サイクルを使用するPMCスラリーの再均質化が、スラリー中の遊離香油の増加をほとんど又は全くもたらさないことを示す。これは、PMCが一般に、本開示による再均質化プロセス中に破裂しないことを示す。
【0127】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0128】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書で開示又は特許請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせて、そのような発明を教示、示唆、若しくは開示していることを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0129】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7