(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】狭い範囲のアルコールアルコキシレート及びその誘導体
(51)【国際特許分類】
C11D 1/72 20060101AFI20241008BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20241008BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C11D1/72
C11D17/08
C11D17/06
(21)【出願番号】P 2023519090
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 US2021052790
(87)【国際公開番号】W WO2022072587
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】アプルゲイト、グレゴリー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロックネイン、ブライアン・ジョゼフ
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05110506(US,A)
【文献】特開平03-188195(JP,A)
【文献】特開平08-188795(JP,A)
【文献】特開平09-151392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
のアルコールエトキシレートを含む
洗剤組成物であって、式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が4~14であ
り、
前記アルコールエトキシレートの約20重量%未満が、n<8を有するエトキシレートであり、
前記洗剤組成物は、前記洗剤組成物の0.5重量%~30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C
10
~C
16
アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤を更に含む、
洗剤組成物。
【請求項2】
式(I)の前記アルコールエトキシレートが、5~12、好ましくは8~11のnの平均値を含む、請求項
1に記載の
洗剤組成物。
【請求項3】
式(I)の前記アルコールエトキシレートが、n=8を有するエトキシレートである前記アルコールエトキシレートを10重量%~約20重量%含む、請求項1
又は2に記載の
洗剤組成物。
【請求項4】
式(I)の前記アルコールエトキシレートが、前記アルコールエトキシレートの約10重量%未満がn<7を有するエトキシレートである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
洗剤組成物。
【請求項5】
式(I)の前記アルコールエトキシレートが、n=9~10を有するエトキシレートである前記アルコールエトキシレートを約30重量%~約55重量%含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の
洗剤組成物。
【請求項6】
式(I)の前記アルコールエトキシレートが、n>7を有するエトキシレートである前記アルコールエトキシレートを80重量%超含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の
洗剤組成物。
【請求項7】
前記組成物が、n=8~11を有するエトキシレートである前記アルコールエトキシレートを約35重量%~約75重量%含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の
洗剤組成物。
【請求項8】
前記アルコールエトキシレートが、天然アルコール、合成アルコール又はそれらの混合物に由来する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の
洗剤組成物。
【請求項9】
前記洗剤組成物が、顆粒洗剤、棒形洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相若しくは多相単位用量洗剤、単相若しくは多相若しくは多区画水溶性パウチに含有されている洗剤、食器手洗い用液体組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの表面又は内部に含有されている洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物及びそれらの混合物からなる群から選択される形態である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、狭い範囲のアルコールエトキシレートに関する。
【背景技術】
【0002】
アルキルエトキシサルフェート(又はアルコールエトキシサルフェート(AES))などのアルコールアルコキシレート及びその誘導体は、例えば洗剤で使用するための界面活性剤といった多種多様な用途で有用性が見出されている。エトキシル化アルコール又はエチレンオキシド付加物を形成するためのアルコールとエチレンオキシドとの一般的な反応は、長い間知られており、商業規模で実施されている。例えば、これらのエチレンオキシド付加物は、洗剤及び洗浄剤、家庭用及び工業用洗濯洗剤、洗剤ビルダー、艶出し剤、消毒剤及びドライクリーニング材料として使用されている。
【0003】
アルコールのアルコキシル化の一般的な分野では、多くの文献が利用可能である。様々な材料の触媒能力、並びにこれらの反応の機構及び速度論に関して、多くの参考文献も利用可能である。一般に、例えばアルコールといった活性水素を有する化合物を含むアルコキシル化反応は、適切な触媒を用いてアルキレンオキシドを縮合することによって行われる。例えばKOHといった塩基性触媒、及び例えばBF3といった酸性触媒の両方が、アルコールのアルコキシル化における使用について知られている。しかしながら、アルコールのアルコキシル化によって、純粋な化合物ではなく、種々の付加物(同族体)の分布が生じる。例えば、界面活性剤用途において、エチレンオキシド分子があまりに少ない付加物は、溶解性が乏しいために有効でない可能性があり、一方、エチレンオキシド分子があまりに多い付加物は、単位質量当たりの表面張力が分子量の増加とともに劇的に減少するので、同様に望ましくない可能性がある。したがって、材料の特定の用途のために、選択されたモル付加物の範囲において分布が狭いアルコキシレートが必要とされている。
【0004】
BF3などの公知の酸触媒反応は、狭い範囲(ピーク)のアルコールアルコキシレートを生成するが、これらの触媒は、使用前に分離及び除去されなければならない望ましくない副生成物を生成する。塩基触媒は通常、酸触媒が生成するレベルの副生成物を生成しないが、分布がはるかに広いアルコキシル化付加物を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、望ましくない副生成物を生成しない触媒系によって生成される、好ましいモル付加物の分布が狭いアルコールアルコキシレートを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物を提供することによって、1つ以上の必要性を解決しようと試みる。
【0007】
【化1】
式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が4~14であり、アルコールエトキシレートの約20重量%未満がn<8を有するエトキシレートである。
【0008】
本開示は、式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物を更に提供する。
【0009】
【化2】
式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が4~14であり、組成物は、n=8~10を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約35重量%~約75重量%含む。
【0010】
本開示は、式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物を更に提供する。
【0011】
【化3】
式中、Rは飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が6~10であり、アルコールエトキシレートの約20重量%未満がn<8を有するエトキシレートであり、n=8を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約10重量%~約20重量%含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特徴点及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される例を含む以下の記述から明らかになる。様々な修正が本明細書及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。この範囲は開示される特定の形態に限定されるようには意図されず、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物及び代替物を網羅する。
【0013】
式(I)に関して本明細書で使用される場合、「nの平均値」という用語は、平均エトキシル化度と同じであるエチレンオキシドの平均モルを指す。nの平均値は、整数又は分数であってよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書において使用されるとき、特許請求又は記載されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語は、単に別の成分の不純物若しくは意図しない副産物としての成分の完全な欠如又はその最小量のいずれかを指す。ある構成成分「を実質的に含まない/が実質的にない」組成物とは、当該組成物が、当該組成物の約0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%若しくは0.01重量%未満、又は更には0重量%しか当該構成成分を含まないことを意味する。
【0017】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもそのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのよう含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値制限は、全てのより高い数値制限を、あたかもそのようなより高い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのように含むものとする。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、あたかもそのような狭い数値範囲が全て、本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0018】
引用される特許文献及びその他の文献は全て、関連部分において、あたかもそれが本明細書に完全に再び述べられているかのように参照により組み込まれる。いかなる特許文献又はその他の文献の引用も、引用される特許文献及びその他の文献が本発明に対する先行技術であると認めるものではない。
【0019】
本明細書では、全ての濃度及び比率は、特に指定しない限り、洗剤組成物の重量基準である。
【0020】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0021】
狭い範囲のアルコールエトキシレート
本明細書において開示されるエトキシル化グリセリンは、以下の一般式(I)を有し:
【0022】
【化4】
式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15である。
【0023】
本明細書に記載のアルコールエトキシレートは、典型的には、それらの一般式(I)によって示唆されるような単一の化合物ではなく、むしろ、それらは、様々なポリアルキレンオキシド鎖長及び分子量を有するいくつかの同族体の混合物を含む。同族体の中では、アルコール1モル当たりの総アルキレンオキシド単位の数が最も優勢なアルキレンオキシド付加物に近いものが望ましい。総アルキレンオキシド単位の数が最も多く存在している酸化アルキレンオキシド付加物よりもはるかに少ない、又ははるかに多い同族体は、あまり望ましくない。換言すれば、「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物が望ましい。「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物は、アルキレンオキシド付加モルの狭い分布を有するアルコキシル化アルコール組成物を指す。
【0024】
「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物は、選択された用途に望ましい場合がある。選択された標的分布範囲内の同族体は、選択された適用のための適切な親油性-親水性バランスを有し得る。例えば、1分子当たり平均比5のエチレンオキシド(EO)単位を含むエトキシル化アルコール生成物の場合、所望の親油性-親水性バランスを有する同族体は、2EO~9EOの範囲であってよい。より短いEO鎖長(<2EO)又はより長いEO鎖長(>9EO)を有する同族体は、α=5EO/アルコール比の界面活性剤が通常選択される用途には望ましくない場合があるが、それは、このようなより長い、及びより短い同族体が、この製品を利用する用途には親油性が高すぎる、又は親水性が高すぎるからである。したがって、ピーク分布を有するアルコキシル化アルコールを開発することが有利である。
【0025】
本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、約0~約15の範囲、例えば、約4~約14、約5~10、約8~11及び約6~9の範囲の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、10の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、9の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、5の平均エトキシル化度を有し得る。
【0026】
本開示は、式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物を提供することによって、1つ以上の必要性を解決しようと試みる。
【0027】
【化5】
式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が約6~約10であり、アルコールエトキシレートの約10重量%未満がn<7を有するエトキシレートであり、n=8を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを10重量%~約20重量%含む。
【0028】
組成物は、約10のnの平均値を含んでもよい。組成物は、以下のnのそれぞれについて以下の範囲を有してもよい。
最大5%のN=0、最大2%のn=1、2、3、4、5のそれぞれ、最大4%のn=6、最大10%のn=7、12%~20%のn=8、15%~25%のn=9、15%~30%のn=10、10%~20%のn=11、最大10%のn=12、最大10%のn>12。組成物は、30%~70%のn=9~10を有してもよい。組成物は、その組成の50%超がn=8~11で構成されてもよい。
【0029】
上記の範囲を表1に例示する。以下の表1に示すように、試料を、DMF-SO3錯体による誘導体化後にLCMS ESI(-)によって、並びにLCMS ESI(+)によって分析した。%相対存在量を以下の表に列挙する。パーセント相対存在度は、試料中の全てのエトキシマーの総存在度に対する各エトキシマーの加重平均である。
【0030】
【0031】
LCMS-ESI(+)は、3モル未満のエトキシマーにも遊離アルコールにも感受性がないことに留意されたい。更に、3~5モルの間のエトキシマーは過小に表示されている。典型的には、EOの平均分布が7モルのEOより大きい場合、分布はこの感度限界によって大きく影響されない。更に、LCMS-ESI(-)は、ALFONIC試料におけるように、分布が非常に広い場合、より重いエトキシマーを過小に表すことができる。この理由から、ALFONIC試料を両方の+/-モードで分析し、平均をとった。
【0032】
出願人らは、驚くべきことに、n=9~10にピーク曲線を有することによって、得られる界面活性剤は、染み洗浄能力が改善されたことを示すことを見出した。このことは、本明細書の表部分に明示されている。
【0033】
本開示は、狭い範囲アルコールアルコキシレートの誘導体にも関する。狭い範囲のアルコールアルコキシレートの多くの適切な誘導体が存在する。アルコールエトキシレートの狭い範囲のモル分布は、アルコールエトキシサルフェートなどの様々な誘導体において維持される。硫酸化の様々なプロセスが、当該技術分野において周知である。
【0034】
本明細書に記載される組成物は、(アルコールエトキシレート又はその硫酸化誘導体に加えて)残留アルコキシル化触媒を更に含んでもよく、これは反応の残留物又は不純物と考えられてもよい。
【0035】
本開示の組成物(複数可)は、(アルコールエトキシレート又はその硫酸化誘導体に加えて)アルコキシル化反応の様々な不純物又は副生成物を更に含み得る。不純物は、使用される触媒及び反応条件に依存して変化し得る。不純物としては、アルキルエーテル、例えばジドデシルエーテルなどのジアルキルエーテル、グリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、他のポリエチレングリコール、エトキシル化スルホネート(DDBSAが触媒として使用される場合)が挙げられる。
【0036】
本開示の組成物(複数可)は、組成物の約0.01重量%~約4重量%、又は約0.1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約4重量%の、アルキルエーテル及びグリコールからなる群から選択される不純物を含み得る。
【0037】
触媒及び狭い範囲のアルコールアルコキシレートの製造方法
本明細書に記載のアルコキシル化触媒は、分布が狭いアルキレンオキシド付加モルアルコールアルコキシレートの調製を可能にする。従来の塩基触媒アルコキシル化反応、例えば、KOH触媒アルコールエトキシ化反応では、エチレンオキシドが、未反応アルコール共役体と反応するのではなく、アルコールエトキシレート共役体(アルコールエトキシレート共役体はより酸性である)と反応する傾向があり、それによって、遊離アルコール及び高度エトキシ化アルコールをより高い割合で有する広い範囲の分布が得られると考えられる。
【0038】
本明細書に記載されるアルコキシル化触媒は、狭い分布のアルコキシレートを提供する既知の触媒と比較して、商業的製造のための多くの利点を有する。本明細書に記載のアルコキシル化触媒は、従来使用されている低コスト原料を含み、触媒は容易に調製することができる。本明細書に記載されるアルコキシル化触媒はまた安定であり、したがって、容易に取り扱われる。また、本明細書に記載されるアルコキシル化触媒を使用する反応速度は、以前に使用されたアルカリ触媒と同様であり、商業生産に適している。
【0039】
本明細書に記載のアルコキシル化触媒は、天然又は合成の、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和のC8~20アルコール、アルキルフェノール、ポリオールなどをアルコキシル化するのに好適であり、4~22個の炭素原子を有する。好適なアルコールとしては、純粋な直鎖材料(天然物)、C2位で軽度に分岐したもの(Neodols(登録商標))、軽度にランダム分岐したもの(Safols(登録商標))、C2位で高度に分岐したもの(Isalchem(登録商標))及び高度に分岐した中鎖材料(HSA)が挙げられる。好適な合成アルコールとしては、Neodol(登録商標)の商標でShell Chemical Companyによって販売されているものが含まれ、Neodol(登録商標)25、Neodol(登録商標)23、Neodol(登録商標)45及びNeodol(登録商標)5が挙げられる。好適な天然アルコールとしては、C1214が挙げられる。加えて、アルキレンオキシドのための既知の反応手順、反応条件及び反応器が、本明細書に記載されるアルコキシル化触媒とともに使用され得る。
【0040】
本明細書に記載されるアルコキシル化プロセスはまた、最初に本明細書に記載される酸触媒を使用し、次いでKOHなどの従来の既知の触媒を使用して連続して実行され、アルキレンオキシド付加モルの分布がKOH触媒単独によって生成されるものより狭いが、本発明の触媒単独によって生成されるものより広いアルコキシレートを生成してもよい。アルコキシル化プロセスを連続して行うことは、より高いエトキシル化度の目標、例えば、EO4、EO5、EO6に特に有用であり得る。
【0041】
アルコキシル化反応自体は、単一ポット又は連続プロセスで行うことができる。エチレンオキシド(EO)は、最初に、EOを活性化して求核攻撃する触媒と反応させることができる。好適な滞留時間を有する連続プラントプロセスを使用することができる。
【0042】
本明細書に開示されるアルコキシル化プロセスは、具体的に呼ばれるEO1、EO2及びEO3目標を含む、種々のエトキシル化度のアルコールエトキシレートを生成するために使用されてもよい。本明細書に開示されるアルコキシル化プロセスはまた、様々なアルコキシル化度の他のアルコールアルコキシレート、例えばプロポキシル化アルコールを生成するために使用されてもよい。
【0043】
本明細書に開示されるエトキシル化アルコールを調製するための好適な方法は、i)約1%~約10%の新規又はG2触媒の存在下で、エチレンオキシドの化学量論的目標とするモル比のために、過剰(例えば、約0%~約5%過剰)なエチレンオキシドを直鎖又は分岐鎖C8~C20アルコールと反応させるステップを含む。
【0044】
適用及び使用
狭い範囲のアルコキシル化アルコールは、多くの用途、特に界面活性剤用途において望ましい。狭い範囲のアルコキシレートアルコールは、非イオン性界面活性剤として直接使用することができる。狭い範囲のエトキシレート界面活性剤は、洗浄組成物又は洗剤、例えば洗濯洗剤を含む多くの用途を有する。
【0045】
本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール及びその誘導体は、様々な濃度で洗剤中で使用され得る。このような洗剤はまた、補助剤を含有してもよい。好適な補助剤は、ビルダー、有機ポリマー化合物、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色調剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、充填剤又は担体、アルカリ性系、pH制御系、緩衝剤及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0046】
他の構成成分
本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール及びその誘導体は、様々な濃度で洗剤中で使用され得る。
【0047】
界面活性剤
洗剤組成物は、追加の界面活性剤を含んでもよく、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。好適な界面活性剤は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。好ましい界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を、好ましくは90:1~1:90の重量比で含む。場合によっては、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は少なくとも1:1であるのが好ましい。しかしながら、10:1未満の比が好ましい場合もある。存在する場合、全界面活性剤濃度は好ましくは、本発明の組成物の0.1重量%~60重量%、1重量%~50重量%又は更には5重量%~40重量%である。
【0048】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に概ね8~22個の炭素原子又は概ね8~18個の炭素原子を含む有機疎水性基と、スルホネート、サルフェート及びカルボキシレートから好ましくは選択される、水溶性化合物を形成するための少なくとも1つの水溶性基と、を含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、C8~C22アルキル基又はアシル基を含むことになる。このような界面活性剤は、水溶性塩の形態で用いられ、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びモノ-から選択され、ナトリウムカチオンが通常選択されるものである。
【0049】
アニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤は酸形態で存在してもよく、当該酸形態を中和して、本洗剤組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい剤としては、アンモニア、アミン、オリゴアミン又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び当該技術分野で既知のその他の直鎖状若しくは分岐鎖状アルカノールアミンが挙げられ、例えば、極めて好ましいアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全に、又は部分的に行われてもよく、例えばアニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0050】
好適なスルホネート界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、特にアルキルベンゼンスルホネート、好ましくはC10~13アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC12アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる、好ましくは得られる。好適なLABとしては、Sasolによって商標名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaによって商標名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolによって商標名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤は、DETAL触媒プロセス、DETAL-PLUS触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HF、並びにゼオライトZSM-4、ZSM-12、ZSM-20、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、MCM-22、TMAオフレタイト、TEAモルデナイト、クリノプチロライト、モルデナイト、REY及びゼオライトベータなどの他のアルキル化触媒などの他の合成経路が好適である場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が用いられる。好ましくは、組成物は、洗濯洗剤組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤を含有し得、当該HLAS界面活性剤は、50%を超えるC12、好ましくは60%を超えるC12、好ましくは70%を超えるC12、より好ましくは75%を超えるC12を含む。
【0051】
好適なサルフェート界面活性剤としては、アルキルサルフェート、好ましくはC8~18アルキルサルフェート、又は主にC12/14アルキルサルフェートが挙げられる。
【0052】
アルキルサルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分岐であってよく(2アルキル置換又は中鎖分岐型を含む)、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。好ましくは、分岐基はアルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基及びこれらの混合から選択される。単一又は複数のアルキル分枝が、本発明の洗剤で使用されるサルフェート化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在することができる。最も好ましくは、分岐鎖状サルフェート化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート及びこれらの混合物から選択される。
【0053】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、ソホロリピド及びラムノリピドなどの糖脂質のクラス、並びにアミノ酸ベースの界面活性剤、例えば、アシルグリシネート、アシルサルコシネート、アシルグルタミネート及びアシルタウリネートが挙げられる。ラムノリピドは、1つのラムノース糖環又は2つのラムノース糖環を有し得る。
【0054】
非イオン性界面活性剤;
好適な非イオン性界面活性剤は、C8~C18アルキルエトキシレート(例えば、Shellから販売されるNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤);アルキル多糖類、好ましくは、アルキルポリグリコシド及びアルキルポリペントシド;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;アルキル及びアルケニルフランスルホネート、並びにアルキル及びアルケニルフランサルフェート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールである。
【0056】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8~18アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8~18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~50、好ましくは1~30、又は1~20、又は1~10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~10、好ましくは1~7、より好ましくは1~5、最も好ましくは3~7の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化アルコールである。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、7~10の平均エトキシル化度を有するC12~15アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASF製の商標名Lutensol(登録商標)を有するものが挙げられる。アルキルアルコキシル化サルフェートは、例えばアルフォニック1214-9エトキシレートについてはブロードなアルコキシ分布、又は例えばNovel1214-9についてはピークのあるアルコキシ分布を有し得、これらはいずれもSasolから市販されている。
【0057】
カチオン性界面活性剤:
好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
好適なカチオン性界面活性剤は、以下の一般式を有する四級アンモニウム化合物である。
(R)(R1)(R2)(R3)N+X-
式中、Rは直鎖状又は分岐鎖状、置換又は非置換C6~18アルキル又はアルケニル部分であり、R1及びR2は、互いに独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R3はヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンとしては、ハライド、好ましくはクロリド、サルフェート;及びスルホネートが挙げられる。
【0059】
本発明の布地ケア組成物は、組成物の最大約30重量%、あるいは約0.01重量%~約20重量%、更にあるいは約0.1重量%~約20重量%のカチオン性界面活性剤を含有することができる。本発明の目的に対して、カチオン性界面活性剤には、布地ケア効果をもたらすことができるものが挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例として、脂肪族アミン、イミダゾリン第四級物質及び第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、好ましくは、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(タロウオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N-(2ヒドロキシエチル)N-メチルアンモニウムメチルサルファート;1,2-ジ(ステアロイル-オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリドジアルキレンジメチルアンモニウム塩、例えば、ジキャノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジキャノーラジメチルアンモニウム硫酸メチル;1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート;1-タローウイルアミドエチル-2-タローウイルイミダゾリン;N,N’’-ジアルキルジエチレントリアミン;脂肪酸が、(水素添加)タロー脂肪酸、パーム脂肪酸、水素添加パーム脂肪酸、オレイン酸、菜種脂肪酸、水素添加菜種脂肪酸である脂肪酸でエステル化されたN-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-エチレンジアミン又はN-(2-ヒドロキシイソプロピル)-1,2-エチレンジアミンとグリコール酸との反応生成物;ポリグリセロールエステル(PGEs)、油状糖誘導体及びワックスエマルション並びに上記の混合物である。
【0060】
上記に開示されている柔軟剤活性物質の組み合わせが、本明細書で使用するのに好適であることが理解されよう。
【0061】
両性及び双性イオン性界面活性剤
好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及び/又はベタインが挙げられる。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖状又は中鎖分岐アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖状アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0062】
驚くべきことに、シリコーン抑泡剤を使用することなく、洗浄サイクル中の泡のレベルを制御しながら、アミンオキシドのグリース洗浄効果を得ることができることが見出された。表1~5に示すように、驚くべきことに、脂肪酸(FA)対アミンオキシド(AO)の選択比を利用することによって、AES界面活性剤及びシリコーン抑泡剤を使用することなく、「最良のクラス」の洗浄性能、サイクル時間及び水使用量を示す洗浄組成物を作り出すことができることが見出された。
【0063】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(スルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0064】
シェーディング染料
布地のシェーディングは、当該技術分野において既知の任意の好適な成分の適用によって達成することができる。好ましい布地シェーディング剤としては、布地シェーディング染料、ロイコ染料、顔料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
いくつかの場合において白色度の改善につながる布地シェーディングは、単一の化合物又は任意の好適なロイコ部分を含む少なくとも1つのロイコ化合物を含むロイコ組成物を使用することによるロイコ染料の適用を通じて達成することができる。一態様では、ロイコ部分は、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分及びアリールアミノフェノール部分からなる群から選択される。ロイコ化合物は、ロイコ部分及びロイコ部分に共有結合したアルキレンオキシ部分を含み得、アルキレンオキシ部分は、少なくとも1つのエチレンオキシド基を含み、好ましくは、アルキレンオキシド部分はまた、少なくとも1つのプロピレンオキシド基を含む。一態様では、好ましいロイコ化合物としては、式(CVIII):
【0066】
【化6】
(式中、R
8はH又はCH
3であり、各添え字bは、独立して、平均して約1~2である)の構造に一致するものが挙げられる。他の好適なロイコ染料は、米国特許第10,377,976号、同第10,377,977号、同第10,351,709号、同第10,385,294号、同第10,472,595号、同第10,479,961号、同第10,501,633号、同第10,577,570号、同第10,590,275号、同第10,633,618号、同第10,647,854号及び同第10,676,699号に開示されており、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
当該組成物は、追加の布地シェーディング剤を含み得る。好適な布地シェーディング剤としては、染料、染料-クレイ結合体及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な低分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット及びベーシックレッド、又はこれらの混合物のカラーインデックス(Color Index、C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。好ましい染料としては、アルコキシル化アゾチオフェン、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット50及びダイレクトバイオレット9が挙げられる。
【0068】
ロイコ着色剤希釈剤
ロイコ着色剤組成物中の成分の別の分類は、希釈剤及び/又は溶媒であり得る。希釈剤及び/又は溶媒の目的は、多くの場合、流動性を改善する及び/又はロイコ着色剤の粘度を低下させることであるが、これらに限定されない。多くの場合、その低コスト及び非毒性を考慮すると水が好ましい希釈剤及び/又は溶媒であるが、他の溶媒も同様に使用され得る。好ましい溶媒は、コストが低くかつ危険性が低いものである。好適な溶媒の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコキシル化ポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、Tween20(登録商標)、Tween40(登録商標)、Tween80(登録商標)など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの中でも、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーが好ましい場合がある。これらポリマーは、多くの場合、水による曇点を特徴とし、これは、生成物を水から分離して、望ましくない水溶性不純物を除去するのに役立ち得る。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーの例としては、BASFによるPLURONIC(登録商標)シリーズのポリマー及びDowによるTERGITOL(商標)シリーズのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ロイコ着色剤組成物が洗濯ケア組成物に組み込まれたとき、これらポリマーは、非イオン性界面活性剤としても作用し得る。
【0069】
布地のシェーディングは、当該技術分野において既知の任意の好適な成分の適用によって達成することができる。好ましい布地シェーディング剤としては、布地シェーディング染料、ロイコ染料、顔料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
いくつかの場合において白色度の改善につながる布地シェーディングは、単一の化合物又は任意の好適なロイコ部分を含む少なくとも1つのロイコ化合物を含むロイコ組成物を使用することによるロイコ染料の適用を通じて達成することができる。一態様では、ロイコ部分は、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分及びアリールアミノフェノール部分からなる群から選択される。ロイコ化合物は、ロイコ部分及びロイコ部分に共有結合したアルキレンオキシ部分を含み得、アルキレンオキシ部分は、少なくとも1つのエチレンオキシド基を含み、好ましくは、アルキレンオキシド部分はまた、少なくとも1つのプロピレンオキシド基を含む。一態様では、好ましいロイコ化合物としては、式(CVIII):
【0071】
【化7】
(式中、R
8はH又はCH
3であり、各添え字bは、独立して、平均して約1~2である)の構造に一致するものが挙げられる。他の好適なロイコ染料は、米国特許第10,377,976号、同第10,377,977号、同第10,351,709号、同第10,385,294号、同第10,472,595号、同第10,479,961号、同第10,501,633号、同第10,577,570号、同第10,590,275号、同第10,633,618号、同第10,647,854号及び同第10,676,699号に開示されており、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
本明細書に記載される洗濯ケア組成物は、以下の成分の非限定的なリストのうちの1つ以上を含んでもよい:布地ケア有益剤;洗浄性酵素;沈着助剤;レオロジー変性剤;ビルダー;キレート剤;漂白剤、漂白剤(bleaching agent);漂白剤前駆体;漂白促進剤;漂白触媒;香料及び/又は香料マイクロカプセル;香料充填ゼオライト;デンプンカプセル化アコード;ポリグリセロールエステル;ホワイトニング剤;真珠光沢剤;酵素安定剤系;アニオン性染料の定着剤を含む除去薬、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合物;蛍光増白剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー及び/又は汚れ懸濁ポリマーを含むがこれらに限定されないポリマー;分散剤;消泡剤;非水性溶媒;脂肪酸;カチオンデンプン;スカム分散剤;直接染料;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;トルエンスルホネート、クメンスルホネート及びナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ;色斑;着色ビーズ、球体、又は押出物;泥柔軟化剤;抗菌剤。追加的又は代替的に、組成物は、界面活性剤、四級アンモニウム化合物及び/又は溶剤系を含んでもよい。第四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤などの布地増強組成物中に存在してもよく、正電荷を有する多原子イオンの構造NR4
+(Rはアルキル基又はアリール基)である第四級アンモニウムカチオンを含む。
【0073】
カプセル化剤
当該組成物は、カプセル化された材料を含み得る。一態様では、カプセル化剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含み、当該シェルは、当該コアをカプセル化する。コアは、あらゆる洗濯ケア補助剤を含むことができるが、典型的には、コアは、香料;増白剤;色調染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;一態様では、スキンケア剤、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよく、当該シェルは、ポリエチレン;ポリアミド、場合により他のコモノマーを含有するポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。
【0074】
好適なカプセルは、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って作製することができる。あるいは、好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。
【0075】
香料
本発明の好ましい組成物は、香料を含む。典型的には、組成物は、国際公開第08/87497号に記載されているような群から選択される1つ以上の香料原料を含む香料を含む。しかしながら、洗濯ケア組成物において有用ないかなる香料も用いてよい。
【0076】
ポリマー
組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。例は、任意選択で変性カルボキシメチルセルロース、変性ポリグルカン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0077】
当該組成物は、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び疎水性の特性が釣り合っている。
【0078】
双性イオン性ポリアミン:
組成物は、変性ヘキサメチレンジアミンである双性イオン性ポリアミンを含み得る。ヘキサメチレンジアミンの変性としては、以下が挙げられる:(1)ヘキサメチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つ又は2つのアルコキシル化変性。アルコキシル化変性は、ヘキサメンチレンジアミンの窒素上の水素原子を、変性1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル、サルフェート、カルボネート若しくはこれらの混合物で保護されている。(2)ヘキサメンチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つのC1~C4アルキル部分の置換及び1つ若しくは2つのアルコキシル化変性。アルコキシル化変性は、水素原子を、変性1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル若しくはこれらの混合物で保護されている。又は、(3)これらの組み合わせ。
【0079】
両親媒性グラフトコポリマー
他の好適なポリマーとしては、両親媒性グラフトコポリマーが挙げられる。好ましい両親媒性グラフトコポリマー(単数又は複数)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含む。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。他の好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、好ましくは約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40~60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下である。典型的には、これらは、0.005~10重量%、より通常は0.05~8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0080】
汚れ放出ポリマー
当該組成物は、1つ以上の汚れ放出ポリマーを含み得る。例としては、以下の式(VI)、(VII)又は(VIII)の1つによって定義される構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる:
(VI) -[(OCHR1-CHR2)a-O-OC-Ar-CO-]d
(VII) -[(OCHR3-CHR4)b-O-OC-sAr-CO-]e
(VIII) -[(OCHR5-CHR6)c-OR7]f
(式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO3Meで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C1~C18アルキル又はC2~C10ヒドロキシアルキルである)又はそれらの混合物であり、
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立して、H又はC1~C18 n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
R7は、直鎖状若しくは分岐鎖状C1~C18アルキル、又は直鎖状若しくは分岐鎖状C2~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC8~C30アリール基又はC6~C30アリールアルキル基である。
【0081】
好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantより供給されるTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300及びSRN325を含む、Texcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0082】
既知のポリマー汚れ放出剤、以下「SRA(単数又は複数)」を、所望により本洗剤組成物に使用してよい。利用する場合、SRAは、概ね、組成物の0.01重量%~10.0重量%、典型的には0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~3.0重量%を構成する。
【0083】
SRAは、例えば種々の荷電性の、例えば、アニオン性又は更にはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含むことができ、構造は、直鎖、分岐又は更には星状であってもよい。SRAの例は、米国特許第4,968,451号、同第4,711,730号、同第4,721,580号、同第4,702,857号、同第4,877,896号、同第3,959,230号、同第3,893,929号、同第4,000,093号、同第5,415,807号、同第4,201,824号、同第4,240,918号、同第4,525,524号、同第4,201,824号、同第4,579,681号及び同第4,787,989号、欧州特許出願公開第0 219 048号、同第279,134(A)号、同第457,205(A)号、及び独国特許第2,335,044号に記載されている。
【0084】
カルボキシレートポリマー:
組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーを含み得る。好適なカルボキシレートポリマーとしては、4,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、50,000~100,000Da、又は60,000Da~80,000Daの分子量を有するマレエート/アクリレートランダムコポリマーを含む。
【0085】
あるいは、これら物質は、7~8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含み得る。側鎖は、式-(CH2CH2O)m(CH2)nCH3[式中、mは、2~3であり、nは、6~12である]のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型の構造を提供する。分子量は変動することがあるが、典型的には、約2000~約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%~約10重量%を含み得る。
【0086】
アルコキシル化ポリアミン系ポリマー:
組成物は、アルコキシル化ポリアミンを含み得る。このような物質としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン及びこれらのサルフェート化物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げられる。多種多様なアミン及びポリアクリエンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いにアルコキシル化されてもよく、任意に更に変性して上記の利点をもたらすこともできる。有用な例は、NH1個当たり20個のEO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアである。好ましいエトキシル化ポリエチレンイミンは、BASFから入手可能なPE-20である。
【0087】
セルロース系ポリマー:
セルロース系ポリマーは、本発明に従って使用することができる。好適なセルロース系ポリマーは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシルアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースから選択され、より好ましくは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物から選択される。好適なカルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度、及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。好適なカルボキシメチルセルロースは、例えば、国際公開第09/154933号に記載されているように、0.65超の置換度及び0.45超のブロック度を有する。
【0088】
カチオン性ポリマー:
カチオン性ポリマーも、本発明に従って使用することができる。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図する用途のpH(概ね、pH3~pH9、一実施形態ではpH4~pH8の範囲のpH)において、少なくとも0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも1.2meq/gm、更に別の実施形態では少なくとも1.5meq/gmであるが、一実施形態では7meq/gm未満、別の実施形態では5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数の、ポリマーの分子量に対する比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、概ね、10,000~10,000,000、一実施形態では、50,000~5,000,000、別の実施形態では100,000~3,000,000である。好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0089】
移染防止剤(DTI)
当該組成物は、1種以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、本発明者らは、驚くべきことに、特定の染料に加え、ポリマー移染防止剤を含む組成物の性能が向上することを発見した。これは、驚くべきことに、これらのポリマーが染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP-K15、PVP-K30、ChromaBond S-400、ChromaBond S-403E及びChromabond S-100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66が挙げられる。染料制御剤は、(i)スルホン化フェノール/ホルムアルデヒドポリマー、(ii)尿素誘導体、(iii)染料で分子インプリントされた、エチレン性不飽和モノマーのポリマー、(iv)約2μm以下の平均直径を有する、非水溶性ポリアミドからなる繊維、(v)ベンゾオキサジンモノマー化合物の重合から得ることができるポリマー及び(vi)これらの組み合わせ、からなる群から選択され得る。他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているとおりである。移染防止剤は、対象組成物中に存在する場合、組成物の約0.0001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%、又は更には約0.1重量%~約3重量%の濃度で存在してよい。
【0090】
他の水溶性ポリマー:
水溶性ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド、アクリル酸;セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース系材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン;アルギネート;キシログルカン、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン及びガラクトグルコマンナンを含む他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナン、ローカストビーン、アラビア、トラガカントなどの天然ガム;並びにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0091】
オリゴアミン:
アミンの非限定例としては、エーテルアミン、環状アミン、ポリアミン、オリゴアミン(例えば、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン)又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の組成物は、オリゴアミン、エーテルアミン、環状アミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミンを含んでもよい。いくつかの態様では、アミンはアルカノールアミンではない。いくつかの態様では、アミンはポリアルキレンイミンではない。
【0092】
好適なオリゴアミンの例としては、好ましくは、組成物はオリゴアミンを含む。本開示による好適なオリゴアミンとしては、ジエチレントリアミン(DETA)、4-メチルジエチレントリアミン(4-MeDETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、5-メチルジプロピレントリアミン(5-MeDPTA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、4-メチルトリエチレンテトラアミン(4-MeTETA)、4,7-ジメチルトリエチレンテトラアミン(4,7-Me2TETA)、1,1,4,7,7-ペンタメチルジエチレントリアミン(M5-DETA)、トリプロピレンテトラアミン(TPTA)、テトラエチレンペンタアミン(TEPA)、テトラプロピレンペンタアミン(TPPA)、ペンタエチレンヘキサアミン(PEHA)、ペンタプロピレンヘキサアミン(PPHA)、ヘキサエチレンヘプタアミン(HEHA)、ヘキサプロピレンヘプタアミン(HPHA)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、1,1,4,7,7-ペンタメチルジエチレントリアミン(M5-DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)又はそれらの混合物、最も好ましくは、ジエチレントリアミン(DETA)を挙げることできる。分子量が低い及び/又は製造コストが比較的低いことから、DETAが好ましい場合がある。
【0093】
本開示のオリゴアミンは、約100~約1200Da、又は約100~約900Da、又は約100~約600Da、又は約100~約400Da、好ましくは約100~約250Da、最も好ましくは約100~約175Da、又は更に約100~約150Daの分子量を有してもよい。本開示の目的のために、分子量は、オリゴアミンの遊離塩基形態を使用して求める。
【0094】
エーテルアミン:
本明細書に記載の洗浄組成物は、エーテルアミンを含有し得る。当該洗浄組成物は、当該組成物の約0.1重量%~10重量%、又は約0.2重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約4重量%のエーテルアミンを含有し得る。
【0095】
本開示のエーテルアミンは、約グラム/モル1000グラム/モル未満、又は約100~約800グラム/モル、又は約200~約450グラム/モル、又は約290~約1000グラム/モル、又は約290~約900グラム/モル、又は約300~約700グラム/モル、又は約300~約450グラム/モルの重量平均分子量を有し得る。本発明のエーテルアミンは、約150、又は約200、又は約350、又は約500グラム/モルから約1000、又は約900、又は約800グラム/モルまでの重量平均分子量を有し得る。
【0096】
酵素
好ましくは、当該組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。当該組成物中に存在する場合、上記の追加の酵素は、当該組成物の約0.00001重量%~約2重量%、約0.0001重量%~約1重量%、又は更には約0.001重量%~約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在してもよい。
【0097】
ビルダー
好ましくは、当該組成物は、1つ以上のビルダー又はビルダー系を含み得る。ビルダーを用いる場合、本発明の組成物は、典型的には、少なくとも1%、2%~60%のビルダーを含む。本組成物は、例えば1~10又は5重量%といった低レベルのリン酸塩及び/又はゼオライトを含むことが好ましい場合がある。本組成物は、更には、強力なビルダーを実質的に含んでいなくてもよい。強力なビルダーを実質的に含まないとは、ゼオライト及び/又はリン酸塩が「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0098】
有機酸
洗剤組成物は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石酸二コハク酸、酒石酸-コハク酸又はこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の有機酸を含む。
【0099】
好ましくは、洗剤組成物は、酢酸、乳酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含んでいてよい。
【0100】
キレート剤
好ましくは、当該組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含む。好適な分子としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、ヒドロキサム酸、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミン四酢酸、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、並びにそれらの塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書で使用するのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製及びNalco,Inc.製のキレート剤である。更に他の好適なキレート剤としては、ピリジニルN-オキシド型が挙げられる。
【0101】
蛍光増白剤
本開示に好適な市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むがこれらに限定されない、サブグループに分類することができる。
【0102】
蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、BASFによって商標名Tinopal AMS-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal UNPA-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal 5BM-GXとして市販されている)からなる群から選択され得る。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。増白剤は、粒子状の形態で、又は好適な溶媒、例えば非イオン性界面活性剤、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0103】
酵素安定剤
当該組成物は、好ましくは、酵素安定剤を含み得る。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する最終布地ケア及びホームケア製品中にカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させることによって、任意の従来の酵素安定剤を用いてよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2-プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、更に安定性を向上させることができる。
【0104】
溶媒:
本発明の組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系、水を含まない、又は好ましくは水を含む有機溶媒の混合物であり得る。当該組成物は、必要に応じて有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、C4~14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐鎖状アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐鎖状アルコール、アルコキシル化直鎖状C1~C5アルコール、直鎖状C1~C5アルコール、アミン、C8~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましい有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、2,3ブタンジオール、エタノール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール及びそれらの混合物、2エチルヘキサノール、3,5,5,トリメチル-1ヘキサノール、及び2プロピルヘプタノールが挙げられる。溶媒は、グリセリンのポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテルであってよい。また、他の低級アルコール、C1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態には存在しなくてもよいが、より典型的には、液体洗剤組成物の約0.1重量%~約98重量%の範囲、好ましくは少なくとも約1重量%~約50重量%、より通常は約5重量%~約25重量%、あるいは約1重量%~約10重量%の当該有機溶媒の濃度で存在する。これら有機溶媒は、水とともに使用されてもよく、又は水なしで使用されてもよい。
【0105】
構造化された液体:
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部に構造化され得て、それにより、一次成分(例えば、界面活性剤物質)によって構造体を形成し、及び/又は例えば、増粘剤として用いるために、二次成分(例えば、ポリマー、粘土及び/又はケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化してもよい。当該組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%~5重量%、0.1重量%~2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は、典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系物質、マイクロファイバーセルロース、Polygel W30(3VSigma)などの疎水変性アルカリ膨潤性エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、水素添加ヒマシ油、非エトキシル化誘導体などの水素添加ヒマシ油の誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択され、特に、水素添加ヒマシ油、水素添加ヒマシ油の誘導体、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪族アルコール、12-ヒドロキシステアリン酸、粘土及びこれらの混合物の群から選択されるものである。好ましい一構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶質物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、水素添加ヒマシ油である。いくつかの構造化剤は、ある範囲のアスペクト比を有する糸様構造系を有する。別の好ましい構造化剤は、セルロースに基づくものであり、バイオマス、木材パルプ、柑橘類繊維などを含む多数の供給源に由来してよい。
【0106】
コンディショニング剤:
好適なコンディショニング剤としては、高融点脂肪族化合物が挙げられる。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい脂肪酸ブレンドは、2-アルキル脂肪酸、好ましくは2-メチルオクタン酸が富化された混合物又は富化された脂肪酸混合物であり得る。好適なコンディショニング剤としては、非イオン性ポリマー及び炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルなどのコンディショニング油も挙げられる。
【0107】
好適なコンディショニング剤としては、概ねシリコーン(例えば、シリコーン油、ポリ油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率のシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又は他の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤が挙げられる。本発明の組成物はまた、単独のコンディショニング剤として、又はシリコーン(本明細書に記述される)などの他のコンディショニング剤と組み合わせたコンディショニング剤としてのいずれかで、約0.05%~約3%の少なくとも1種の有機コンディショニング油を含んでもよい。好適なコンディショニング油としては、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステルが挙げられる。
【0108】
プロバイオティクス:
当該組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているものなどのプロバイオティクスを含んでもよい。
【0109】
真珠光沢剤:
真珠光沢剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:雲母;二酸化チタンコーティングした雲母、オキシ塩化ビスマス、魚のうろこ、アルキレングリコールのモノエステル及びジエステル。真珠光沢剤は、エチレングリコールジステアレート(EGDS)であってもよい。
【0110】
乳白剤:
一実施形態では、当該組成物も、乳白剤を含んでもよい。この用語を本明細書で使用するとき、「乳白剤」は、その後の系を不透明にするために材料に添加される物質である。好ましい一実施形態では、乳白剤は、Dow Chemicalsから入手可能なAcusolである。Acusol乳白剤は、特定の固形分濃度%の液体形態で提供される。供給されたままのAcusol乳白剤のpHは2.0~5.0の範囲であり、粒径は0.17~0.45umの範囲である。好ましい一実施形態では、Acusol OP303B及び301を使用することができる。
【0111】
更に別の実施形態では、乳白剤は無機乳白剤であってもよい。好ましくは、無機乳白剤は、TiO2、ZnO、タルク、CaCo3及びこれらの組み合わせであってもよい。乳白剤-ミクロスフェア複合材料は、事前に選択した特定の比重で容易に形成され、したがって材料が分離する傾向はほとんどない。
【0112】
ヒドロトロープ:
組成物は、任意選択で、当該組成物が水と相溶性になるように、有効量、すなわち、約0%~15%、又は約1%~10%、又は約3%~約6%のヒドロトロープを含んでもよい。本明細書に用いるのに好適なヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム及びクメンスルホン酸アンモニウム並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0113】
酸化防止剤:
組成物は、必要に応じて、当該組成物中に存在する酸化防止剤を約0.001~約2重量%含有していてもよい。好ましくは、抗酸化剤は、0.01~0.08重量%の範囲の濃度で存在する。抗酸化剤の混合物を使用してもよい。
【0114】
抗酸化剤は、Kirk-Othmer(第3巻、424ページ)及びUllmannのEncyclopedia(第3巻、91ページ)に記載されているような物質である。
【0115】
本発明で使用される酸化防止剤の一分類は、以下の一般式を有するアルキル化フェノールである:
【0116】
【化8】
(式中、Rは、C
1~C
22直鎖状又は分岐鎖状アルキル、好ましくはメチル又は分岐鎖状C
3~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、好ましくはメトキシであり、R
1は、C
3~C
6分岐鎖状アルキル、好ましくはtert-ブチルであり、xは、1又は2である)。ヒンダードフェノール化合物は、この式を有するアルキル化フェノールの好ましい種類である。
【0117】
そのようなヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール(ヒドロキシブチル化トルエン、「BHT」としても知られている);2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、オクタデシルエステル、2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’-メチレンビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’,4’’-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(メチレン)]トリス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール];N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシルエステル;P-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルホスホン酸、ジエチルエステル;1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;3,5-ビス(1,1-5ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[1,2-エタンジイルビス(オキシ-2,1-エタンジイル)]エステル;4-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(チオジ-2,1-エタンジイル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2,2-ジメチル-2,1-エタンジイル)]エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-b-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-4-ヒドロキシ-b-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,2-エタンジイル)エステル;2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸、1,3-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル;3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-4,8,12-トリメチルトリデシル]-(2R)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;2,6-ジメチルフェノール;2,3,5-トリメチル-1,4-ベンゼンジオール;2,4,6-トリメチルフェノール;2,3,6-トリメチルフェノール;4,4’-(1-メチルエチリデン)-ビス[2,6-ジメチルフェノール];1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;4,4’-メチレンビス[2,6-ジメチルフェノール];並びにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0118】
好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位に少なくとも1つのC3~C6分岐鎖状アルキルを有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含む。より好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであり、最も好ましくは、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC1~C22直鎖アルキルエステルである。市販されている3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC1~C22直鎖アルキルエステルとしては、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステルであるRaschig USA(Texas、USA)製のRALOX(登録商標)及び3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のオクタデシルエステルであるBASF(Ludwigshafen、Germany)製のTINOGARD(登録商標)TSが挙げられる。
【0119】
更に、組成物に使用される酸化防止剤は、α-、β-、γ-、δ--トコフェロール、エトキシキン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。エトキシキン(1,2-ジヒドロ-6-エトキシ-2,2,4-トリメチルキノリン)は、company Raschig(商標)によりRaluquin(商標)という名称で販売されていることに留意されたい。
【0120】
組成物に使用され得る他の種類の酸化防止剤は、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(Trolox(商標))及び1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(Proxel GXL(商標))である。
【0121】
組成物に使用するのに好適であり得る酸化防止剤の更なる分類は、以下の式を有するベンゾフラン又はベンゾピラン誘導体である:
【0122】
【化9】
[式中、R
1及びR
2は、各々独立して、アルキルであるか、又はR
1及びR
2は一緒になってC
5~C
6環状ヒドロカルビル部分を形成し得、Bは、存在しないか又はCH
2であり、R
4は、C
1~C
6アルキルであり、R
5は、水素又は-C(O)R
3であり、R
3は、水素又はC
1~C
19アルキルであり、R
6は、C
1~C
6アルキルであり、R
7は、水素又はC
1~C
6アルキルであり、Xは、-CH
2OH又は-CH
2Aであり、Aは、窒素含有単位、フェニル、又は置換フェニルである]。好ましい窒素含有A単位としては、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ及びこれらの混合物が挙げられる。本開示の洗浄組成物は、ガロタンニン、エラジタンニン、複合タンニン、縮合型タンニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンニンを含み得る。
【0123】
衛生剤:
本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)及びこれらの亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体を除放するように設計されているもののうちの1つ以上などの、衛生及び/又は悪臭への有益性をもたらすための成分を含んでもよい。
【0124】
本発明の洗浄組成物はまた、抗菌剤を含有してもよい。カチオン性活性成分としては、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム化合物、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ジデシル-N-メチル-ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ジオクチルジデシルアンモニウムクロリド(臭素などの無機又は有機対イオンを有する塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルピリジニウム、及び第四級アンモニウム化合物などの四級種も含む)、炭酸塩若しくはジアルキルジメチルアンモニウムカーボネートを含む他の部分に加えて、抗菌アミン、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、第四級アンモニウム含有化合物の有機塩、若しくは第四級アンモニウム含有化合物の無機塩又はこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。より好ましくは、抗菌剤は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(「ジクロサン」)、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(「トリクロサン」)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、抗菌剤は、商標名Tinosan(登録商標)HP100としてBASFから市販されている、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0125】
【0126】
【表2-2】
1 AESのアルキル部分が約13.9~約14.6個の炭素原子を含む、C12~15のEO2.5Sアルキルエトキシサルフェート
2 BASFから市販されているPE-20
3ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願第19219568.3号に特許請求されているとおりである
4酸化防止剤1は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル[6386-38-5]である
5酸化防止剤2は、BASFから市販されているTinogard TSである
6衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP 100である薬剤である
7 Dow Corningから供給された消泡剤ブレンド、80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、オクチルステアレート中の5~14%MQ樹脂、3~7%変性シリカ、又はDow Corningが提供するAF8017
8蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビスベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。
【0127】
染み除去
CFT ASTM粉末皮脂PCS94、CFT識別皮脂PCS132を含むCW120コットンのテクニカル染み見本は、Advanced Product Design Co.,Inc(Cincinnati,OH)から購入した。見本を7グレイン/ガロンの水硬度を用いてWhirlpool(登録商標)トップ・ローダー洗濯機において洗浄し(標準的な64リットルの洗浄サイクル)、華氏86度で洗浄した。直鎖アルキルベンゼンスルホネート及び非イオン性界面活性剤を2:1の比で混合した。洗浄液中の界面活性剤の総量は200ppmであった。以下の表に例示する。
【0128】
【0129】
【表4】
1. BASFから市販されているPE-20
2.衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP100である
【0130】
画像解析を使用して、各染みを染みの付いていない布地の対照例と比較した。ソフトウエアは得られる画像を標準の色値に変換し、通常使用されるマクベス色保持チャートに基づいてそれらを基準値と比較し、各染みに色値を割り当てた(染みレベル)。各々の8つの複製を作製した。
【0131】
見本からの染み除去は、次のように測定された。
汚れ除去指数(SRI)=ΔEinitial-Ewashed×100
ΔEinitial
ΔEinitial=洗浄前の染みレベル
ΔEwashed=洗浄後の染みレベル
【0132】
各染みについての染み除去指数スコアを計算し、下の表に列記する:
【0133】
【0134】
これらの結果は、広範囲ピーク非イオン性エトキシレート(試料Iで使用される)と比較すると、本開示のPCS132皮脂及びPCS94粉末皮脂(試料II、III、及びIVで使用される)に対する驚くべき染み除去効果を示す。
【0135】
CFT ASTM粉末皮脂PCS94、CFT識別皮脂PCS132を含有するCW120綿の技術的染み見本を、Warwick Equest(England,United Kingdom)から購入した。見本を、Hitachi Topローディング洗濯機(標準43リットル洗浄サイクル)で、1ガロン当たり3グレインの水硬度を用いて洗浄し、20℃で洗浄し、2回のすすぎサイクルを行った。各染みについての染み除去指数スコアを計算し、下の表に列記する。
【0136】
【0137】
これらの結果は、広範囲ピーク非イオン性エトキシレート(試料Vで使用される)と比較して、本開示のPCS132皮脂及びPCS94粉末皮脂(試料VIで使用される)に対する驚くべき染み除去利点を示す。
【0138】
その他の実施例
A.式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物であって
【0139】
【化10】
式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が4~14であり、アルコールエトキシレートの約20重量%未満がn<8を有するエトキシレートである。
B.式(I)のアルコールエトキシレートが、5~10であるnの平均値を含む、段落Aの組成物。
C.式(I)のアルコールエトキシレートが、n=8を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを10重量%~約20重量%含む、段落Aの組成物。
D.式(I)のアルコールエトキシレートが、アルコールエトキシレートの約10重量%未満がn<7を有するエトキシレートである、段落Aの組成物。
E.式(I)のアルコールエトキシレートが、平均n値が8~11である、段落Aの組成物。
F.式(I)のアルコールエトキシレートが、n=9~10を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約30重量%~約55重量%含む、段落Aの組成物。
G.式(I)のアルコールエトキシレートが、n>7を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを80重量%超含む、段落Aの組成物。
H.アルコールエトキシレートが、天然アルコール、合成アルコール又はこれらの混合物に由来する、段落Aの組成物。
I.段落Aの組成物を含む洗剤組成物であって、洗剤組成物が、顆粒洗剤、棒形洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相若しくは多相単位用量洗剤、単相若しくは多相若しくは多区画水溶性パウチに含有された洗剤、食器手洗い用液体組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの表面又は内部に含有された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物及びこれらの混合物からなる群から選択される形態である、段落Aの組成物を含む洗剤組成物。
J.式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物であって
【0140】
【化11】
式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が4~14であり、組成物は、n=8~11を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約35重量%~約75重量%含む。
K.式(I)のアルコールエトキシレートが、5~10のnの平均値を含む、段落Jの組成物。
L.式(I)のアルコールエトキシレートが、n=8を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを10重量%~約20重量%含む、段落Jの組成物。
M.式(I)のアルコールエトキシレートが、アルコールエトキシレートの約10重量%未満がn<7を有するエトキシレートである、段落Jの組成物。
N.式(I)のアルコールエトキシレートが、平均n値が6~9である、段落Jの組成物。
O.式(I)のアルコールエトキシレートが、n=9~10を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約30重量%~約55重量%含む、段落Jの組成物。
P.式(I)のアルコールエトキシレートが、n>7を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを80重量%超含む、段落Jの組成物。
Q.アルコールエトキシレートが、天然アルコール、合成アルコール又はこれらの混合物に由来する、段落Jの組成物。
R.段落Jの組成物を含む洗剤組成物であって、洗剤組成物が、顆粒洗剤、棒形洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相若しくは多相単位用量洗剤、単相若しくは多相若しくは多区画水溶性パウチに含有された洗剤、食器手洗い用液体組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの表面又は内部に含有された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物及びこれらの混合物からなる群から選択される形態である、段落Jの組成物を含む洗剤組成物。
S.式(I)のアルコールエトキシレートを含む組成物であって
【0141】
【化12】
式中、Rは飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状のC
8~C
20アルキル基から選択され、nの90%超が0≦n≦15であり、nの平均値が6~9であり、アルコールエトキシレートの約20重量%未満がn<8を有するエトキシレートであり、n=8を有するエトキシレートであるアルコールエトキシレートを約10重量%~約20重量%含む。
T.段落Sの組成物を含む洗剤組成物であって、洗剤組成物が、顆粒洗剤、棒形洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相若しくは多相単位用量洗剤、単相若しくは多相若しくは多区画水溶性パウチに含有された洗剤、食器手洗い用液体組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの表面又は内部に含有された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物及びこれらの混合物からなる群から選択される形態である、段落Sの組成物を含む洗剤組成物。
【0142】
相互参照される、又は関連するあらゆる特許又は出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含めて、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外又は限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書で開示又は特許請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせて、そのような発明を教示、示唆、若しくは開示していることを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0143】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を網羅することが意図される。