(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】アルギナーゼ酵素を含有する洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/386 20060101AFI20241008BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20241008BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20241008BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20241008BHJP
C12N 9/88 20060101ALI20241008BHJP
C12N 15/60 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
C11D3/386
C11D1/02
C11D1/66
C11D1/83
C12N9/88 ZNA
C12N15/60
(21)【出願番号】P 2023519495
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 US2021072098
(87)【国際公開番号】W WO2022094589
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-03-28
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ラント、ニール・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】モミン、ナザルモハマド・グラムフセイン
(72)【発明者】
【氏名】モラレス・ガルシア、アナ・エル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティーニ、アレッサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ウィラッツ、ウィリアム・ジー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ヤウ、ハミッシュ・チュン・ラム
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-515127(JP,A)
【文献】特開2012-210208(JP,A)
【文献】特開2006-342273(JP,A)
【文献】特開昭63-039589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 - 19/00
C12N 9/00 - 9/99
C12N 15/00 - 15/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.00005重量%~5重量%のアルギン酸リアーゼ酵素と、1~60重量%のアニオン性界面活性剤と、を含み、前記アルギン酸リアーゼ酵素が、多糖リアーゼファミリー7由来である、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、微生物由
来である、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、フラボバクテリウム属菌種(Flavobacterium sp)、スフィンゴモナス属菌種(Sphingomonas sp)、ゾベリア・ガラクタニボラン(Zobellia galactaivorans
)から得られる、請求項1又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、配列番号1の1つ以上に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号1に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号2に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号3に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号4に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号5に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;並びにこれらの混合物から選択されるアルギン酸リアーゼを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、配列番号1の1つ以上に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号5に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼから選択されるアルギン酸リアーゼ;及び/又は配列番号6の1つ以上に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号7に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼから選択されるアルギン酸リアーゼを含む、請求項4に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、配列番号6の1つ以上に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号7に対して少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;又はこれらの混合物から選択されるアルギン酸リアーゼを含む、請求項5に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記アニオン性界面活性剤が、界面活性剤と活性アルギン酸リアーゼ酵素タンパク質との重量比が少なくとも500:
1となるような量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、ポリ(β-D-マンヌロネート)に対する活性(ポリM活性)及びポリ(α-L-グルロネート)に対する活性(ポリG活性)を提供する、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記アルギン酸リアーゼ酵素が、2つ以上のアルギン酸リアーゼ酵素を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
前記組成物が
、非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤が
、30:1~1:
2のアニオン性と非イオン性との重量比で、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含む、請求項10に記載の洗剤組成物。
【請求項12】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート及び/又は任意にエトキシル化アルキルサルフェートを
含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項13】
追加の酵素を
含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項14】
布地を処理する方法であって、布地を、(i)アルギン酸リアーゼ酵素、(ii)アニオン性界面活性剤及び(iii)任意に洗浄補助剤を含む水性洗浄液と接触させることを含み、前記アルギン酸リアーゼ酵素が、多糖リアーゼファミリー7由来である、方法。
【請求項15】
布地の白色度を改善するための、及び/又は布地からの汚れ除去を改善するための、及び/又は布地からの悪臭除去のための、及び/又は襟若しくは袖口の洗浄を改善するための、及び/又は布地のしわ防止効果のための、及び/又は布地の乾燥を改善するための、請求項1~1
3のいずれか一項に記載の組成
物の使用。
【請求項16】
布地の白色度を改善するための、及び/又は布地からの汚れ除去を改善するための、及び/又は布地からの悪臭除去のための、及び/又は襟若しくは袖口の洗浄を改善するための、及び/又は布地のしわ防止効果のための、及び/又は布地の乾燥を改善するための、請求項14に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表の参照)
本明細書は、コンピュータ可読形態での配列表を含む。このコンピュータ可読形態は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、特定のアルギン酸リアーゼ酵素を含む洗濯洗剤組成物及び洗浄方法に関する。特に問題となり得るのは、時間の経過と共に蓄積され得る汚れである。これは、色のついた布地と白い布地との両方で問題となるが、白色又は淡色の布地、例えば、洗浄が不完全な襟及び袖口の周囲において特に顕著であり得る。また、悪臭をもたらすこともあり得、問題視されている。本発明の組成物及び方法は、手洗い及び自動洗濯洗剤組成物における使用に好適である。本発明は、洗浄方法及び洗濯洗剤組成物の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
洗濯洗浄用途では、経時的な白色度の低下及び汚れ又は染み除去が継続的な問題である。このような問題を緩和することを目的とした多くの洗浄技術が存在するが、効果を高め、特に環境に配慮した方法とすることは常に課題となっている。自動洗濯機において、これらの問題は、低い洗浄温度(例えば、冷水)及び短い洗浄サイクルの使用が増加することにより、洗剤組成物の染み/汚れ除去効果が低下し、洗浄プロセス中に布地表面に汚れが再付着し、複数回の洗浄で白色度が失われるという問題を深刻にすることによって、更に悪化している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、洗浄プロセスにおいて、低温で短い洗浄時間であっても使用することができ、白色度の低下を防ぎ、かつ/又は複雑な汚れを除去し、例えば黒ずんだ汚れの除去、徹底的な洗浄、黄ばみの除去、特に襟及び袖口の洗浄を可能にし、かつ/又は白色度の改善/白色度の喪失を防ぎ、低温で短い洗浄時間であっても有用であり得る、洗濯洗剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、0.00005~5重量%のアルギン酸リアーゼ酵素(活性酵素タンパク質)及び1~60重量%のアニオン性界面活性剤を含み、アルギン酸リアーゼ酵素が多糖リアーゼファミリー7由来である、洗濯洗剤組成物を提供する。
【0006】
本発明はまた、布地を処理する方法であって、布地を、アルギン酸リアーゼ酵素及びアニオン性界面活性剤を含む水性洗浄液と接触させることを含み、アルギン酸リアーゼ酵素が多糖リアーゼファミリー7由来である、方法を提供する。
【0007】
好ましくは、水性洗浄液は、0.05g/l~5g/l、好ましくは0.01g/l~3g/lの量でアニオン性界面活性剤を含む。
【0008】
好ましくは、布地を、60℃以下の温度で、又はより好ましくは40℃以下又は35℃以下の温度で、最も好ましくは30℃以下又は更に25℃以下の温度で、水性洗浄液と接触させ、(iii)表面をすすぐ。本明細書の組成物及び方法は、綿、ウール、絹、ポリエステル、ナイロン、エラスタン、又はポリコットンなどの混合布を含む、合成又は天然の任意の表面を処理するのに特に有用である。
【0009】
本発明はまた、布地の白色度の改善又は白色度の喪失の防止;布地からの汚れ除去の改善;黒ずんだ汚れの除去;徹底的な洗浄;黄ばみの除去又は緩和;襟及び/又は袖口の洗浄;布地からの悪臭の低減又は除去;布地のしわ防止効果;布地の乾燥の改善;汚れの再付着防止効果のための、上記のような組成物又は方法の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
親又は親アルギン酸リアーゼ酵素:「親」又は「親アルギン酸リアーゼ」という用語は、酵素バリアントを産生するために改変が行われるアルギン酸リアーゼを意味する。親は、天然に存在する(野生型)ポリペプチド又はそのバリアントであり得る。例えば、親は、本明細書に列挙される配列番号1、2、3、4、5、6、又は7のいずれかであってよい。
【0011】
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって表される。本発明の目的では、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実施されるようなNeedleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)、好ましくはバージョン3.0.0以降を用いて求められる。必要に応じて用いられるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。「最長同一性(longest identity)」と表示されたNeedleの出力(-nobriefオプションを用いて得られる)を同一率として用い、これは以下のように計算される。
(同一残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)
あるいは、用いられる任意のパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスであり得る。「最長同一性(longest identity)」と表示されたNeedleの出力(-nobriefオプションを用いて得られる)を同一率として用い、これは以下のように計算される。
(同一デオキシリボヌクレオチド×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)
【0012】
バリアント:用語「バリアント」は、親アルギン酸リアーゼに対する1つ以上の(例えば、いくつかの)位置において改変/変異、すなわち、置換、挿入、及び/又は欠失を含む、アルギン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。置換は、ある位置を占有するアミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることを意味し、欠失は、ある位置を占有するアミノ酸の除去を意味し、挿入は、ある位置を占有するアミノ酸に隣接させ、その直後に、1~3個のアミノ酸を付加することを意味する。
【0013】
野生型酵素:「野生型」アルギン酸リアーゼという用語は、自然界に見られる細菌、藻類、酵母又は糸状菌などの天然に存在する微生物によって発現されるアルギン酸リアーゼを意味する。
【0014】
アルギン酸リアーゼ酵素
アルギン酸リアーゼ酵素は、多糖リアーゼファミリー7由来のアルギン酸リアーゼ酵素を含む。
【0015】
アルギン酸リアーゼは、好ましくは微生物由来であり、好ましくは細菌又は藻類(例えば、Ascophyllum、Laminara、Macrocystisなどの褐海藻(Phaeophyceae)由来)、最も好ましくは細菌由来である。アルギン酸リアーゼ酵素は、アエロモナス属菌種(Aeromonas sp.)、アゾトバクター属菌種(Azotobacter sp.)、バチルス属菌種(Bacillus sp.)、フラボバクテリウム属菌種(Flavobacterium sp.)、クレブシエラ属菌種(Klebsiella sp.)、シュードモナス属菌種(Pseudomonas sp.)、スフィンゴモナス属菌種(Sphingomonas sp.)、ビブリオ属菌種(Vibrio sp.)、ゾベリア・ガラクタニボラン(Zobellia galactanivorans)から得られ、最も好ましくはフラボバクテリウム属菌種から得ることができる。
【0016】
好ましくは、アルギン酸リアーゼ酵素は、配列番号1に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号2に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号3に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号4に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号5に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号6に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;配列番号7に対して少なくとも60%、若しくは少なくとも70%、若しくは少なくとも75%、若しくは少なくとも80%、若しくは少なくとも85%、若しくは少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは少なくとも96%、若しくは少なくとも97%、若しくは少なくとも98%、若しくは少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアルギン酸リアーゼ;又はこれらの混合物から選択されるアルギン酸リアーゼを含む。好ましいアルギン酸リアーゼ酵素は、本明細書に記載の配列番号1、2、3、4、5、6若しくは7のいずれか1つの野生型又は好ましくは野生型のバリアント、又はこれらの混合物に対応するアルギン酸リアーゼ酵素を含む。配列番号6及び7並びにそれらのバリアントが特に好ましい。
【0017】
アルギン酸リアーゼ酵素が親アミノ酸配列のバリアントである場合、親アルギン酸リアーゼ酵素は、好ましくは、配列番号1、2、3、4、5、6又は7のうちの1つ以上のポリペプチドに対して少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、例えば、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99、又は100%の配列同一性を有し、アルギン酸リアーゼ酵素活性を有する。バリアントアミノ酸配列が、配列番号1、2、3、4、5、6又は7の1つ以上のポリペプチドからの15個以下、又は10個以下、又は5個以下、又は4個又は3個又は2個又は1個のアミノ酸で親アルギン酸リアーゼと異なることが好ましい場合がある。
【0018】
アルギン酸リアーゼ酵素が親アミノ酸配列のバリアントである場合、親は任意の属の微生物から得ることができる。本発明の目的では、「から得られる」という用語は、所与の供給源に関連して本明細書で使用するとき、ポリヌクレオチドによってコードされる親が、当該供給源によって、又は当該供給源からのポリヌクレオチドが挿入された細胞によって産生されることを意味するものとする。一態様において、親は細胞外に分泌される。バリアントは、部位特異的変異誘発、合成遺伝子構築、半合成遺伝子構築、ランダム変異誘発、シャッフリングなどの、当該技術分野において既知である任意の変異誘発手技を用いて調製することができる。
【0019】
好ましくは、アルギン酸リアーゼ酵素は、ポリ(β-D-マンヌロネート)に対する活性(ポリM活性)及びポリ(α-L-グルロネート)に対する活性(ポリG活性)を有する。アルギン酸リアーゼ酵素は、ポリM活性及びポリG活性を提供するために単一のアルギン酸リアーゼ酵素を含んでもよく、又は組み合わせでポリM及びポリG活性を提供する2つ以上のアルギン酸リアーゼ酵素を含んでもよい。好ましくは、アルギン酸リアーゼは、ポリM活性及びポリG活性の両方を有する酵素を含む。好ましくは、本明細書の試験の項で定義されるポリM活性は、少なくとも0.1吸光度単位、好ましくは少なくとも0.15吸光度単位、最も好ましくは少なくとも2吸光度単位である。好ましくは、本明細書で定義されるポリG活性は、少なくとも0.3吸光度単位、好ましくは少なくとも0.4吸光度単位、又は少なくとも0.5若しくは更に少なくとも0.6吸光度単位である。ポリM活性及びポリG活性は、以下に示される試験に従って測定され得る。アルギン酸リアーゼ酵素は、実質的に純粋な酵素の形態で本発明の洗浄組成物及び方法に組み入れることができる。あるいは、特に酵素が野生型酵素のバリアントである場合、バリアントは回収されず、むしろ酵素を発現している宿主細胞が、アルギン酸リアーゼ酵素の供給源として使用される。
【0020】
アルギン酸リアーゼ酵素は、液体又は乾燥組成物の形態であってもよい。例えば、組成物は粒子又は微細粒子の形状であり得る。アルギン酸リアーゼ酵素は、当技術分野で知られている方法に従って、カプセル化によることを含めて安定化させることができる。
【0021】
アルギン酸リアーゼ酵素は、好ましくは、0.00005~5重量%の活性酵素タンパク質、好ましくは0.0001~2重量%の活性タンパク質、又は0.0005若しくは0.001~1重量%の活性タンパク質、又は0.5重量%若しくは0.1重量%若しくは0.05重量%の活性酵素タンパク質の量で組成物中に存在する。
【0022】
アニオン性界面活性剤
本発明者らは、酵素は良好な汚れ分解を提供するが、基質の分解の生成物及びそれを含有する汚れの除去は、アニオン性界面活性剤の存在によって改善されることを見出した。したがって、洗濯洗剤組成物は、1~60重量%のアニオン性界面活性剤を含む。好ましくは、アニオン性界面活性剤と活性アルギン酸リアーゼ酵素タンパク質との重量比は、少なくとも500:1、好ましくは少なくとも1000:1、又は少なくとも1500:1、又は少なくとも2000:1であり、好ましくは500000:1以下、好ましくは400000:1以下、又は200000:1以下、又は最大150000:1若しくは100000:1若しくは50000:1若しくは10000:1である。
【0023】
好ましいアニオン性界面活性剤は、スルホネート及びサルフェート界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホネート及び/又は(任意にアルコキシル化された)アルキルサルフェートである。特に好ましいアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む。好ましいアルキルサルフェートは、アルキルエーテルサルフェート、特にC-9~15アルコールエーテルサルフェート、特に0.5~7、好ましくは1~5の平均エトキシル化度を有するもの、C8~C16エステルサルフェート、及びモノドデシルエステルサルフェートなどのC10~C14エステルサルフェートを含む。好ましい組成物では、アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートと、任意に加えて、好ましくは0~7、より好ましくは0.5~3のエトキシル化度を有する任意にエトキシル化されたアルキルサルフェートとを含む。LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホネート(BABS)、フェニルアルカンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート(AOS)、オレフィンスルホネート、アルケンスルホネート、アルカン-2,3-ジイルビス(サルフェート)、ヒドロキシアルカンスルホネート及びジスルホネート、アルキルサルフェート(AS)、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪族アルコールサルフェート(FAS)、一級アルコールサルフェート(PAS)、アルコールエーテルサルフェート(AES又はAEOS又はFES、アルコールエトキシサルフェート又は脂肪族アルコールエーテルサルフェートとしても知られている)、二級アルカンスルホネート(SAS)、パラフィンスルホネート(PS)、エステルスルホネート、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、アルファ-スルホ脂肪酸メチルエステル(アルファ-SFMe又はSES)(メチルエステルスルホネート(MES)を含む)、アルキル-又はアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホコハク酸のジエステル及びモノエステル、又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせも好適なアニオン性界面活性剤である。
【0024】
アニオン性界面活性剤は、好ましくは、塩の形態で洗剤組成物に添加される。好ましいカチオンは、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属イオンである。しかしながら、界面活性剤の酸形態を水酸化ナトリウムなどのアルカリ、又はモノ-、ジ-、若しくはトリエタノールアミンなどのアミンで中和することによって、アニオン性界面活性剤の塩形態がin situで形成されてもよい。組成物は、好ましくは、組成物の1~60重量%、又は1~50重量%、又は2、又は5~40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤は、好ましくは、アニオン性界面活性剤と、更に、半極性及び/又はカチオン性及び/又は双性イオン性及び/又は両性及び/又は半極性非イオン性及び/又はこれらの混合物を含む非イオン性であり得る1以上の追加の界面活性剤とを含む、界面活性剤系を含む。
【0025】
本発明はまた、0.00005~5重量%(活性酵素タンパク質)のアルギン酸リアーゼ酵素と、界面活性剤と、を含む洗浄組成物であって、当該界面活性剤が、アニオン性及び非イオン性界面活性剤を含み、好ましくはアニオン性の非イオン性に対する重量比が30:1~1:2、好ましくは20:1~2:3又は1:1である、洗浄組成物を提供する。
【0026】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールエトキシレート(AE)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪族アルコール(PFA)、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、例えばエトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、並びに商標名SPAN及びTWEEN(登録商標)として入手可能な製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アルコールエトキシレートが特に好ましく、好ましくはC9~18又は好ましくはC12~15のアルキル鎖を有し、好ましくは3~9、より好ましくは3~7の平均エトキシル化度を有する。市販されている非イオン性界面活性剤洗浄としては、BASF製のPlurafac(商標)、Lutensol(商標)、及びPluronic(商標)、Cognis製のDehypon(商標)シリーズ、並びにClariant製のGenapol(商標)シリーズが挙げられる。
【0027】
洗剤組成物は、好ましくは組成物の0.5重量%~約40重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくは組成物の1~30重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0028】
洗浄組成物
本発明の洗剤組成物は洗濯洗剤である。組成物は、主洗浄工程で使用するための組成物の形態であり得、又は消費者若しくは施設が使用するための、前処理若しくはすすぎ添加洗浄組成物としての形態であり得る。
【0029】
組成物は、任意による洗浄補助剤を含む。典型的には、洗浄補助剤は、1~98.9重量%、より典型的には、5~90重量%の洗浄補助剤の量で組成物中に存在する。好適な洗浄補助剤には、追加の界面活性剤、ビルダー、漂白剤成分、着色剤、キレート剤、転染剤、付着助剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、蛍光増白剤、光活性剤、蛍光剤、布地色相剤(シェーディング染料)、布地調整剤、予形成過酸、ポリマー分散剤、泥汚れ除去剤/再付着防止剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、光沢剤、泡抑制剤、構造伸縮剤、布地柔軟剤、防腐剤、酸化防止剤、収縮防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、変色防止剤、防食剤、アルカリ性源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、染料、香料及びpH調整剤、カプセル化剤、ポリマー及びこれらの混合物が含まれる。例えば、これらは、漂白活性化剤などの漂白剤成分、イミン漂白促進剤などの漂白促進剤、漂白触媒、過酸化水素、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩などの過酸化水素源、特に炭酸塩及び/又は硫酸塩ケイ酸塩、ホウケイ酸塩などの材料でコーティングされた過炭酸塩、及びそれらの任意の混合物、カプセル化形態の予備形成過酸を含む予形成過酸、遷移金属触媒;泡抑制剤又は泡抑制剤系、例えば、シリコーン系泡抑制剤及び/若しくは脂肪酸系泡抑制剤、粘土、シリコーン、及び/又は四級アンモニウム化合物などの布地柔軟剤、ポリエチレンオキシドなどの凝集剤、ポリビニルピロリドン、ポリ4-ビニルピリジンN-オキシド、及び/又はビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーなどの移染阻害剤、イミダゾールとエピクロロヒドリンとの縮合によって産生されるオリゴマーなどの布地一体性成分、アルコキシル化ポリアミン及びエトキシル化エチレンイミンポリマーなどの汚れ分散剤及び汚れ再付着防止助剤、ポリエステルなどの再付着防止成分、カルボキシレートポリマー、例えば、マレイン酸ポリマー、又はマレイン酸とアクリル酸とのコポリマー、香料、例えば、香料マイクロカプセル、デンプン封入アコード、香料噴霧剤、石鹸リング、美容粒子、審美染料硫酸ナトリウム及び/又は柑橘類繊維などのフィラー(ただし、組成物はフィラーを実質的に含まないことが好ましい場合がある)、1.6R及び2.0Rケイ酸ナトリウムを含むケイ酸ナトリウム、又はメタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩、ジカルボン酸とジオールとのコポリエステル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエトキシセルロース、又は他のアルキル若しくはアルキルアルコキシセルロースなどのセルロース系ポリマー、1,2プロパンジオール、モノエタノールアミンなどの溶媒、ジエチレングリコール、エタノール、及びこれらの任意の混合物、ヒドロトロープ、例えば、クメンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、及び任意の混合物、有機酸及びその塩、例えばクエン酸/クエン酸塩;並びにそれらの任意の組み合わせを含み得る。組成物は、洗浄補助剤が、(i)香料マイクロカプセル、(ii)布地色相剤、(iii)プロテアーゼ、(iv)両親媒性の洗浄用ポリマー、(v)リパーゼ、又は(vi)これらの混合物、からなる群から選択される1つ以上を含むようなものであり得る。
【0030】
洗剤組成物は、好ましくは、1つ以上の追加の酵素を含む。したがって、好ましい組成物は、(a)アルギン酸リアーゼと、(b)アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼ、キサンタンリアーゼ、キサンタナーゼ、エンド-β-1,3-グルカナーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の追加の酵素と、を含む。洗浄組成物は、好ましくはアミラーゼ、DNase及びRNase等のヌクレアーゼ並びにこれらの混合物、ヘキソサミニダーゼ、マンナナーゼ、キサンタンリアーゼ、キサンタナーゼ、アミラーゼ及びこれらの混合物から選択される追加の酵素を含む。
【0031】
組成物は、好ましくはキサンタンリアーゼ、キサンタナーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの混合物から選択される追加の酵素を含む。マンナナーゼが特に好ましい。
【0032】
追加の酵素は、例えば、アスペルギルス属、例えば、アスペルギルス・アクレタス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・フォエティダス、アスペルギルス-フミガーツフ、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・ニデュランス、アスペルギルス・ニガー、若しくはアスペルギルス・オリザエ;フザリウム(Fusarium)、例えば、フザリウム・バクトリジオイデス、フザリウム・セレアリス、フザリウム・クロークウェレンス、フザリウム・クルモラム、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・グラミナム、フザリウム・ヘテロスポラム、フザリウム・ネグンジ、フザリウム・オキシスポラム、フザリウム・レチクラタム、フザリウム・ロセウム、フザリウム・サムブシナム、フザリウム・サルコクロウム、フザリウム・スルフレウム、フザリウム・トルロサム、フザリウム・トリコテシオイデス、若しくはフザリウム・ベンニタム;フミコーラ(Humicola)、例えば、フミコーラ・インソレンス、若しくはフミコーラ・ラヌギノサ;又はトリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ハルジアナム、トリコデルマ・コニンギイ、トリコデルマ・ロンギブラキアタム、トリコデルマ・レーシ、若しくはトリコデルマ・ビリデ、に属する微生物によって産生されてもよい。
【0033】
好ましくは、組成物は、プロテアーゼ又は2つ以上のプロテアーゼの混合物、リパーゼ又は2つ以上のリパーゼの混合物、ペルオキシダーゼ又は2つ以上のペルオキシダーゼの混合物、1つ以上のデンプン分解酵素、例えば、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、及び/又はセルラーゼ又はこれらの混合物を含む。
【0034】
概して、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合すべきであり(すなわち、pH最適条件、他の酵素及び非酵素成分との適合性など)、酵素は、有効量で存在すべきである。好ましくは、本発明の製品は、組成物1グラム当たり、少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、とりわけ約0.2~約5mgの更なる活性酵素を含む。
【0035】
プロテアーゼ:本発明の組成物は、好ましくはプロテアーゼを含む。2つ以上のプロテアーゼの混合物は、より広い温度、サイクル持続時間、及び/又は基質範囲にわたって洗浄の向上に寄与することができる。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号、及び同第2016174234号に記載されている、バチルス属(Bacillus)菌種、B.レンタス(B. lentus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.サブチリス(B. subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.プミルス(B. pumilus)、B.ギブソニイ(B. gibsonii)、及びB.アキバイ(B. akibaii)などのバチルス属由来のもの。具体的には、変異S9R、A15T、V66A、A188P、V199I、Q239R、N255D(savinase付番システム)。
国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び国際公開第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス由来のもの;国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されているバチルス、ブレビバチルス、サーモアクチノミセス、ゲオバチルス、パエニバチルス、リシニバチルス又はストレプトミセス種由来のもの、国際公開第2015193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ由来のもの並びに国際公開第2016075078号に記載されているストレプトミセス及びリソバクター由来のもの。
国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ(国際公開第2015024739号及び同第2016066757号に記載されている、このバチルス種TY145サブチラーゼのバリアントを含む)。
【0036】
本発明の洗浄組成物に特に好ましいプロテアーゼはは、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%同一性を有し、以下の位置:S9R、A15T、V68A、N76D、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W、M222S、Q245R、及び/又はM222S(参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/37627号に例示されるBPN’付番システム及びアミノ酸略語を使用する)のうちの1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に変異を含む、ポリペプチドである。
【0037】
最も好ましくは、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の変異(BPN付番システム)を含むプロテアーゼの群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
(viii)S9R+A15T+V68A+N218D+Q245R
【0038】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)及びEsperase(登録商標)(Denmark)としてNovozymes A/S (Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の
図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びに花王製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0039】
Properase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Excellase(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、BLAP及びBLAPバリアントからなる群から選択される市販のプロテアーゼは、本明細書に用いるのに特に好ましい。
【0040】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましい濃度としては、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、特に約1~約6mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0041】
リパーゼ:組成物は、好ましくはリパーゼを含む。油及び/又は脂の存在は、マンナン及び他の多糖類を含む染みの復元力を更に増大させ得る。したがって、酵素パッケージ中にリパーゼが存在すると、このような染みの除去を更に改善することができる。好適なリパーゼとしては、細菌又は真菌又は合成起源のものが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。有用なリパーゼの例としては、例えば、H.ラヌギノサ(H.lanuginosa)(T.ラヌギノサス)(T.lanuginosus))又はH.インソレンス(H.insolens)などのフミコーラ属(別名サーモマイセス属(Thermomyces))由来のリパーゼ;例えば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)、P.セパシア(P.cepacia)、P.スタットゼリ(P.stutzeri)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)、シュードモナスSD705株、P.ウィスコシネンシス(P.wisconsinensis)などのシュードモナス属のリパーゼ;例えば、B.サブチリス(Dartois et al.(1993),Biochemica et Biophysica Acta,1131,253-360)、B.ステアロサーモフィルス、又はB.プミルスなどのバチルス属のリパーゼが挙げられる。
【0042】
リパーゼは、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願第2009/0217464号に記載されているような「第1サイクルのリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼであり、好ましくは、T231R及びN233R変異を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼのバリアントである。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss-Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ)由来の269個のアミノ酸(アミノ酸23~291)である。好ましいリパーゼとしては、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0043】
他の好適なリパーゼとしては、例えば国際公開第2013/171241号に記載されているようなLiprl 139、例えば国際公開第2011/084412号及び同第2013/033318号に記載されているようなTfuLip2、例えば国際公開第2018228880号に記載されているようなシュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)リパーゼ、例えば国際公開第2018228881号に記載されているようなマイクロバルビファー・サーモトレランス(Microbulbifer thermotolerans)リパーゼ、例えば欧州特許第3299457号に記載されているようなスルホバチルス・アシドカルダリウス(Sulfobacillus acidocaldarius)リパーゼ、例えば国際公開第2018209026号に記載されているようなLIP062リパーゼ、例えば国際公開第2017036901号に記載されているようなPinLipリパーゼ、並びに例えば国際公開第2017005798号に記載されているようなアブシディア属(Absidia)菌種のリパーゼが挙げられる。
【0044】
好適なリパーゼは、以下を含む配列番号5のバリアントである:
(a)置換T231R
及び
(b)置換N233R又はN233C
及び
(c)E1C、D27R、N33Q、G38A、F51V、G91Q、D96E、K98L、K98I、D111A、G163K、H198S、E210Q、Y220F、D254S、I255A、及びP256Tから選択される少なくとも3つの更なる置換;
ここでは、位置は配列番号5の位置に対応し、当該リパーゼバリアントは、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも90%であるが100%未満の配列同一性を有し、当該バリアントはリパーゼ活性を有する。
【0045】
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、D27R、G38A、D96E、D111A、G163K、D254S、及びP256T。
【0046】
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、N33Q、G91Q、E210Q、I255A。
【0047】
好適なリパーゼは、Novozymesから、例えば、Lipex Evity 100L、Lipex Evity 200L(いずれも液体原料)、及びLipex Evity 105T(顆粒)として市販されている。これらのリパーゼは、本発明の範囲外である製品Lipex 100L、Lipex 100T、及びLipex Evity 100Tとは異なる構造を有する。
【0048】
セルラーゼ:好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属、シュードモナス属、フミコーラ属、フサリウム属、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラムから生成される真菌セルラーゼが挙げられる。
【0049】
一態様では、好ましい酵素としては、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられ、好ましくは、以下を含む群から選択される:
(a)米国特許第7,141,403(B2)号における配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、94%、97%、更には99%同一性の配列を有するバチルス属のメンバーに対して内因性の細菌ポリペプチド、好ましい置換は、配列番号2の成熟ポリペプチドの292、274、266、265、255、246、237、224、及び221位に対応する1つ以上の位置を含み、バリアントはセルラーゼ活性を有する;
(b)キシログルカン及び非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであって、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択されるグリコシルヒドロラーゼ;
(c)国際公開第09/148983号の配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%同一性の配列を有するグリコシルヒドロラーゼ;
(d)国際公開第2017106676号における配列番号5と少なくとも70%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、4、20、23、29、32、36、44、51、77、80、87、90、97、98、99、102、112、116、135、136、142、153、154、157、161、163、192、194、204、208、210、212、216、217、221、222、225、227、及び232位に対応する1つ以上の位置を含む;
(e)並びにこれらの混合物。
【0050】
好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))として販売されている。例としては、Celluclean(登録商標)5000L、Celluclean(登録商標)Classic 400L、Celluclean(登録商標)Classic 700T、Celluclean(登録商標)4500T、Whitezyme(登録商標)1.5T、Whitezyme(登録商標)2.0Lが挙げられる。
【0051】
他の市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)Premium(Novozymes A/S)、Clazinase(登録商標)、Puradax HA(登録商標)、Revitalenz(登録商標)1000、Revitalenz(登録商標)2000(Genencor International Inc.)、KAC-500(B)(登録商標)(Kao Corporation)、Biotouch(登録商標)FCL、Biotouch(登録商標)DCL、Biotouch(登録商標)DCC、Biotouch(登録商標)NCD、Biotouch(登録商標)FCC、Biotouch(登録商標)FLX1(AB Enzymes)が挙げられる。
【0052】
好適なグルカナーゼとしては、好ましくはE.C.クラス3.2.1.39由来のエンド-β-1,3-グルカナーゼが挙げられ、パエニバチルス属菌種(Paenibacillus sp)、ゾベリア・ガラクタニボラン(Zobellia galactanivorans)、サーモトガ・ペトロフィラ(Thermotoga petrophila)、又はトリコデルマ属菌種(Trichoderma sp)の微生物、好ましくはパエニバチルス属菌種又はゾベリア・ガラクタニボラン、最も好ましくはパエニバチルス属菌種から得られる。
【0053】
アミラーゼ:好ましくは、本発明の組成物は、アミラーゼを含む。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性アルファ-アミラーゼは、バチルス属菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス属菌種、例えば、バチルス属菌種NCBI12289、NCBI12512、NCBI12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号、及び同第2017/192657号に記載のバリアント、特に、国際公開第06/002643号において配列番号12として記載されているAA560酵素に対して以下の位置に1つ以上の置換基を有するバリアント:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484、好ましくは、D183*及びG184*の欠失も含むバリアント。
(b)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素、特に183及び184位が欠失しているバリアント、並びに国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載のバリアント、特に、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第06/002643号における配列番号4に対して以下の位置に1つ以上の置換を有するものと少なくとも85%、好ましくは90%の同一性を示すバリアント:
51、52、54、109、304、140、189、134、195、206、243、260、262、284、347、439、469、476、及び477。
(c)バチルス属菌種707(米国特許第6,093,562号における配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示すバリアント、特に以下の変異:M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。SP707骨格に基づく追加の関連変異/欠失は、W48、A51、V103、V104、A113、R118、N125、V131、T132、E134、T136、E138、R142、S154、V165、R182、G182、H183、E190、D192、T193、I206、M208、D209、E212、V213、V214、N214、L217、R218、N219、V222、T225、T227、G229、I235、K242、Y243、S244、F245、T246、I250、S255、A256、H286、V291、T316、V317、V318、N417、T418、A419、H420、P421、I428、M429、F440、R443、N444、K445、Q448、S451、A465、N470、S472を含む。
(d)国際公開第09/149130号に記載のバリアント、好ましくは同第09/149130号における配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステアロファーモフィラス(Geobacillus Stearophermophilus)由来の野生型酵素、又はその切断バージョンと少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第10/115021号に記載のバリアント、特に国際公開第10/115021号における配列番号2、バチルス属菌種TS-23由来のアルファ-アミラーゼと少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を示すもの。
(f)国際公開第2016091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、特にH183+G184位に欠失を含み、更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(g)国際公開第2014099523号に記載のバリアント、特にパエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9 由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号における配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。
(h)国際公開第2014099523号に記載のバリアント、特にサイトファーガ属(Cytophaga)菌種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号における配列番号1及び6と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。特に、国際公開第2014164777号における配列番号1に基づく以下の欠失及び/又は変異のうちの1つ以上を含むもの:R178*、G179*、T38N、N88H、N126Y、T129I、N134M、F153W、L171R、T180D、E187P、I203Y、G476K、G477E、Y303D。
(i)バチルス・サブチリス(国際公開第2009149271号における配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示すバリアント。
(j)受託番号AB051102によるBacillus sp.KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示すバリアント。
(k)国際公開第2016180748号に記載のバリアント、特に、国際公開第2016180748号における配列番号7のバチルス属菌種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの;国際公開第2016180748号の配列番号8におけるアリシクロバチルス属(Alicyclobacillus)菌種のアミラーゼの成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、及び国際公開第2016180748号における配列番号13の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、特に、以下の変異H*、N54S、V56T、K72R、G109A、F113Q、R116Q、W167F、Q172G、A174S、G184T、N195F、V206L、K391A、P473R、G476Kのうちの1つ以上を含むもの。
(l)国際公開第2018060216号に記載のバリアント、特に、国際公開第2018060216号における配列番号4の成熟アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を示すバリアント、バチルス・アミロリケファシエンス及びバチルス・リケニフォルミスの融合分子。特に、H1、N54、V56、K72、G109、F113、R116、T134、W140、W159、W167、Q169、Q172、L173、A174、R181、G182、D183、G184、W189、E194、N195、V206、G255、N260、F262、A265、W284、F289、S304、G305、W347、K391、Q395、W439、W469、R444、F473、G476、及びG477位に1つ以上の置換を含むもの。
【0054】
好ましいアミラーゼは、漂白酸化しやすいアミノ酸の1つ以上が、酸化されにくいアミノ酸で置換された、遺伝子操作を受けた酵素である。特に、メチオニン残基は、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。特に、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、配列番号11における202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0055】
好適な市販のアルファ-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、ACHIEVE ALPHA(登録商標)、AMPLIFY(登録商標)PRIME、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む)、並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。
【0056】
好ましくは、組成物は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0057】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼとしては、植物、細菌、又は真菌起源のものが挙げられる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、コプリナス(Coprinus)属のペルオキシダーゼ、例えば、国際公開第93/24618号、同第95/10602号、及び同第98/15257号に記載のようなC.サイネレウス(C.cinereus)及びそのバリアント由来のペルオキシダーゼが挙げられる。
【0058】
市販のペルオキシダーゼとしては、GUARDZYME(登録商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。
【0059】
ペクチン酸リアーゼ:好適なペクチン酸リアーゼとしては、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、X-Pect(登録商標)、(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))Preferenz(登録商標)F1000(DuPont Industrial Biosciences)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0060】
マンナナーゼ。組成物は、好ましくは、1つ以上の追加のマンナナーゼ酵素を含む。本明細書で使用するとき、「マンナナーゼ」又は「ガラクトマンナナーゼ」という用語は、マンナンエンド-1,4-ベータ-マンノシダーゼとして当該技術分野において既知のものに従って定義され、別名ベータ-マンナナーゼ及びエンド-1,4-マンナナーゼを有し、マンナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンにおける1,4-ベータ-D-マンノシド連結の加水分解を触媒するマンナナーゼ酵素を意味する。マンナナーゼは、酵素命名法に従ってEC3.2.1.78として分類され、グリコシルヒドロラーゼファミリー5、26、及び113に属する。多くの好適なマンナナーゼは、グリコシルヒドロラーゼファミリー5に属する。市販のマンナナーゼとしては、Mannaway(登録商標)200L及びMannawayEvity4.0Tなど商品名Mannaway(登録商標)(NovozymesA/S)で販売されている全てのものが挙げられる。他の市販のマンナナーゼとしては、Effectene(登録商標)M1000、Mannastar(登録商標)375、Prefienz M100、及びPurabrite(登録商標)(全てDuPontIndustrialBiosciences)及びBiotouch M7(AB酵素)が挙げられる。他の好適なマンナナーゼは、国際公開第2018/191135号、同第2015040159号、同第2017/021515号、同第2017/021516、同第2017/021517号、及び同第2019/081515号に記載されているものなどグリコシルヒドロラーゼファミリー26に属する。マンナーゼの好適な混合物としては、国際公開第2019/081515号に記載されているグリコシルヒドロラーゼファミリー5マンナーゼ及びグリコシルヒドロラーゼファミリー26マンナーゼの組み合わせが挙げられる。
【0061】
キサンタンガム分解酵素:組成物は、1つ以上のキサンタンガム分解酵素を含み得る。キサンタンガム系汚れの分解に好適な酵素としては、キサンタンエンドグルカナーゼが挙げられ、任意にキサンタンリアーゼと組み合わされる。本明細書で使用するとき、用語「キサンタンエンドグルカナーゼ」は、任意に好適なキサンタンリアーゼ酵素と共に、キサンタンガムの1,4-連結型β-D-グルコースポリマー骨格の加水分解を触媒することができるエンド-β-1,4-グルカナーゼ活性を示す酵素を意味する。好適なキサンタンエンドグルカナーゼは、国際公開第2013/167581号、同第2015/181299号、同第2015/181292号、同第2017/046232号、同第2017/046260号、同第2018/37062号、同第2018/37065号、同第2019/038059号、及び同第2019/162000号に記載されている。本明細書で使用するとき、用語「キサンタンリアーゼ」は、キサンタンガムのβ-D-マンノシル-β-D-1,4-グルクロノシル結合を切断する酵素を意味する。そのような酵素は、E.C.4.2.2.12に属する。好適なキサンタンリーゼは、国際公開第2015/001017号、同第2018/037061号、同第2018/37064号、同第2019/038060号、同第2019/162000号、及び同第2019/038057に記載されている。
【0062】
ヌクレアーゼ:好ましくは、組成物は、RNase若しくはDNaseなどのヌクレアーゼ、又はこれらの混合物を含む。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的断片である。機能的断片又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又はバリアント及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが、機能的なバージョンを含む。
【0063】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼである:E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、E.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。
【0064】
DNase:好適なDNaseとしては、国際公開第2017162836号(Novozymes)の配列番号1、2、3、4、5、6、7、8及び9、並びに国際公開第2018108865号の配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53及び54によって定義されるDNaseの野生型及びバリアント、並びに国際公開第2018011277号(Novozymes)に記載されるものを含むバチルス・シビ(Bacillus cibi)DNaseのバリアントが挙げられ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。好ましいDNaseは、同時係属中の欧州特許出願第18202967号に特許請求されているとおりである。
【0065】
RNase:好適なRNaseとしては、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018178061号(Novozymes)の配列番号3、6、9、12、15、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、72及び73、並びに国際公開第2020074499号(Novozymes)の配列番号86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103及び104によって定義されるDNaseの野生型及びバリアントが挙げられる。
【0066】
ヘキソサミニダーゼ:組成物は1つ以上のヘキソサミニダーゼを含み得る。用語「ヘキソサミニダーゼ」は、「分散剤」及び略語「Dsp」を含み、つまり、微生物起源の汚れに見られるN-アセチル-グルコサミンポリマーのβ-1,6-グリコシド結合の加水分解を触媒するヘキソサミニダーゼ活性を有するポリペプチド(EC3.2.1)を意味する。用語「ヘキソサミニダーゼ」は、N-アセチルグルコサミニダーゼ活性及びβ-N-アセチルグルコサミダーゼ活性を有するポリペプチドを含む。ヘキソサミニダーゼ活性は、国際公開第2018/184873号に記載のアッセイIIに従って判定され得る。好適なヘキソサミニダーゼとしては、国際公開第2017186936号、同第2017186937号、同第2017186943号、同第2017207770号、同第2018184873号、同第2019086520号、同第2019086528号、同第2019086530号、同第2019086532号、同第2019086521号、同第2019086526号、同第2020002604号、同第2020002608号、同第2020007863号、同第2020007875号、同第2020008024号、同第2020070063号、同第2020070249号、同第2020088957号、同第2020088958号、及び同第2020207944に開示されているものが挙げられる。国際公開第2020207944号の配列番号1によって定義されるテリバシラス・サッカロフィルスヘキソサミニダーゼのバリアント、特に、当該公開に開示されている、改善された熱安定性を有するバリアントが好ましい場合がある。
【0067】
ガラクタナーゼ:好ましくは、組成物は、ガラクタナーゼ、すなわち、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含む。用語「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ」又は「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性を有するポリペプチド」は、3よりも高い重合度(DP)を有する1,6-3-D-ガラクトオリゴ糖、及び4-O-メチルグルコシルウロネート又はグルコシルウロネート基を非還元末端に有するその酸性誘導体の加水分解性切断を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー30由来のエンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性(EC3.2.1.164)を意味する。本開示の目的のために、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性は、アッセイIにおいて、国際公開第2015185689号に記載の手順に従って求められる。分類EC3.2.1.164由来の好適な例は、国際公開第2015185689号に記載されており、例えば、成熟ポリペプチド配列番号2である。
【0068】
追加の酵素は、追加の酵素を含有する別個の酵素添加剤、又は追加の酵素のうちの2つ若しくはいくつか若しくは全てを含む、混合酵素添加剤を添加することによって、洗剤組成物に包含され得る。そのような酵素添加剤は、顆粒、液体、又はスラリーの形態であり得、好ましくは追加的に酵素安定剤を更に含む。
【0069】
好ましくは、追加の酵素又は各追加の酵素は、組成物の重量に基づいて、約0.0001重量%~約0.01重量%、約0.001重量%~約0.01重量%、又は約0.001重量%~約0.01重量%など少なくとも0.0001重量%~約0.1重量%の量の純粋活性酵素タンパク質で存在する。
【0070】
布地色相剤。組成物は、布地色相剤(シェーディング剤、青味剤、又は白化剤/染料と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。アゾ染料、特にモノアゾ染料又はビスアゾ染料、トリアリールメタン染料及びアントラキノン染料が好ましい。
【0071】
好適な布地色相剤としては、染料、染料-粘土共役体、並びに有機及び無機顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な低分子染料としては、直接染料、塩基性染料、反応性染料、又は加水分解反応性染料、溶剤染料、又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。好適な小分子染料の例としては、例えば、カラーインデックス(染色業者及びカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK))番号が、ダイレクトバイオレット染料9、35、48、51、66、及び99など、ダイレクトブルー染料1、71、80、及び279など、アシッドレッド染料17、73、52、88、及び150など、アシッドバイオレット染料15、17、24、43、49、50及び51など、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など、アシッドブラック染料1など、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料3、16、22、47、66、75、及び159など、欧州特許第1794275号又は同第1794276号に記載されるものなどの分散又は溶剤染料、あるいは米国特許第7,208,459(B2)号に開示されている染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0072】
共有結合している(共役していると称されることもある)色素原を含有するポリマー(染料-ポリマー共役体)、例えば、ポリマーの骨格に共重合した色素原を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料を含むポリマー染料が好ましい。ポリマー染料としては、国際公開第2011/98355号、同第2011/47987号、米国特許出願公開第2012/090102号、国際公開第2010/145887号、同第2006/055787号、及び同第2010/142503号に記載されているものが挙げられる。
【0073】
好ましいポリマー染料は、アルコキシル化、好ましくは、エトキシル化アゾ又はアントラキノン、又はトリアリールメタン染料を含む。エトキシル化チオフェンアゾ染料、例えば、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1種の反応性染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合部分からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料-ポリマー共役体からなる群から選択されるポリマー染料が特に好ましい。好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme(Wicklow,Ireland)により商品名AZO-CM-CELLULOSE、商品コードS-ACMCとして販売されているC.I.リアクティブブルー19と結合体化されているカルボキシメチルセルロース(CMC)などの、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているCMC、アルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェンポリマー着色剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0074】
好ましい色相染料としては、米国特許出願公開第2008/0177090号に見出されるアルコキシル化チオフェンアゾ白化剤が挙げられ、任意に、国際公開第2011/011799号の表5中の実施例1~42から選択されるものなどのように、アニオン性であり得る。他の好ましい染料は、米国特許第8138222号に開示されている。
【0075】
好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。顔料及び/又は染料はまた、美容理由で色を加えるために添加されてもよい。好ましいのは、有機青、紫、及び/又は緑色顔料である。
【0076】
ビルダー:洗剤組成物は、ゼオライトA、ゼオライトMAP(Maximum Aluminium type P)などのゼオライトであってよい、炭酸塩、重炭酸塩、又はケイ酸塩に基づくビルダーなどのビルダーを更に含有していてもよい。洗濯に使用可能なゼオライトは、好ましくは、式Na12(AlO2)12(SiO2)12・27H2Oを有し、粒径は、通常、ゼオライトAにおいて1~10μm、及びゼオライトMAPにおいて0.7~2umである。他のビルダーは、強アルカリ性のメタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3・nH2O又はNa2Si2O5・nH2O)であり、好ましくは食器洗浄に使用される。好ましい実施形態では、洗剤ビルダーの量は、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、又は50%超であってもよく、また80%未満、65%未満であってもよい。食器洗浄洗剤において、ビルダーの濃度は、典型的には、40~65%、特に50~65%、又は更には75~90%である。
【0077】
カプセル化剤:組成物は、コアと、内面及び外面を有するシェルとを含み、当該シェルが当該コアをカプセル化する、カプセル化された有益剤を含み得る。コアは、香料;増白剤;染料、防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;スキンケア剤、一態様では、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。シェルは、ポリエチレン;ポリアミド、ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。好ましいカプセル化剤は、香料を含むコアを含む。このようなカプセル化剤は、香料マイクロカプセルである。
【0078】
酵素安定剤:組成物は、酵素安定剤を含み得る。好適な酵素安定剤は、以下からなる群から選択され得る:(a)カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩;(b)オリゴ糖、多糖類及びこれらの混合物、並びに糖又は糖アルコールからなる群から選択される炭水化物;(c)フェニルボロン酸及びその誘導体、例えば芳香族ホウ酸エステル、又はフェニルボロン酸誘導体、例えば4-ホルミルフェニルボロン酸、又はペプチドアルデヒド、例えばジ-、トリ-又はテトラペプチドアルデヒド又はアルデヒド類似体(いずれかの形態B1-B0-R[式中、RはH、CH3、CX3、CHX2又はCH2X(X=ハロゲン)であり、B0は単一アミノ酸残基(好ましくは任意に置換された脂肪族又は芳香族側鎖)であり;B1は、N末端保護基を任意に含む、1つ以上のアミノ酸残基(好ましくは1つ、2つ又は3つ)からなる]からなる群から選択される、又は国際公開第09118375号、同第98/13459号に記載されているとおりである、質量効率のよい可逆的プロテアーゼ阻害剤;(d)可逆的プロテアーゼ阻害剤、例えばホウ素含有化合物;(e)ポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール1-2プロパンジオール;(f)ギ酸カルシウム及び/又はギ酸ナトリウム;(g)RASI、BASI、WASI(イネ、オオムギ及びコムギの二機能性α-アミラーゼ/サブチリシン阻害剤)又はCl2若しくはSSIなどのタンパク質型のプロテアーゼ阻害剤、並びに(h)それらの任意の組み合わせ。
【0079】
構造化剤:一態様では、組成物は、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロースベースの材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される構造剤を含み得る。
ポリマー:組成物は、好ましくは、1つ以上のポリマーを含む。好ましい例には、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマー、及び両親媒性ポリマー、並びにこれらの混合物がある。
両親媒性洗浄ポリマー:好ましくは、両親媒性洗浄ポリマーは、次の一般構造式:ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N+-CxH2x-N+-(CH3)-ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(式中、n=20~30であり、xは、3~8である)を有する化合物であるか、又はそのサルフェート化若しくはスルホン化変性体である。
【0080】
本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性との特性が釣り合っている任意のアルコキシル化ポリマーを示す。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。
【0081】
コア構造は、縮合形態で式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の繰り返し単位を含むポリアルキレンイミン構造を含んでもよい。
【0082】
【化1】
(式中、#は、各場合において、窒素原子と、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の2つの隣接する繰り返し単位の基A
1の遊離結合部位との間の結合の半分を示し、*は、各場合において、アルコキシレート基の1つとの結合の半分を示し;A
1は独立して直鎖又は分岐鎖C
2~C
6-アルキレンから選択され;ポリアルキレンイミン構造は、式(I)の1の繰り返し単位、式(II)のxの繰り返し単位、式(III)のyの繰り返し単位及び式(IV)のy+1の繰り返し単位からなり、x及びyは、各場合において、0~約150の範囲の値を有し、ポリアルキレンイミンコア構造の平均重量平均分子量Mwは、約60~約10,000g/モルの範囲の値である)。
【0083】
代替的に、コア構造は、式(I.a)及び/又は(I.b)のN-(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物の縮合生成物のポリアルカノールアミン構造
【0084】
【化2】
を含む(式中Aは、C
1~C
6-アルキレンから独立して選択され、R
1、R
1*、R
2、R
2*、R
3、R
3*、R
4、R
4*、R
5及びR
5*は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから独立して選択され、前述の最後の3つのラジカルは、任意に置換されてもよく、R
6は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールから選択され、上記ラジカルのアルキル、シクロアルキル、又はアリールは、任意に置換されてもよい)。
【0085】
コア構造に結合した複数のアルキレンオキシ基は、式(V)のアルキレンオキシ単位
【0086】
【化3】
から独立して選択される(式中
*は、各場合において、式(I)、(II)、又は(IV)の繰り返し単位の窒素原子に対する結合の半分を示し、A
2は、いずれの場合も、独立して、1,2-プロピレン、1,2-ブチレン及び1,2-イソブチレンから選択され、A
3は、1,2-プロピレンであり、Rは、いずれも場合も、独立して、水素及びC
1~C
4-アルキルから選択され、mは、0~約2の範囲の平均値を有し、nは、約20~約50の範囲の平均値を有し、pは、約10~約50の範囲の平均値を有する)。
【0087】
カルボキシレートポリマー:組成物は、好ましくは、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーも含む。一態様では、カルボキシレートポリマーは、4,000Da~9,000Da又は6,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。
【0088】
汚れ放出ポリマー:組成物は、好ましくは、以下の構造(I)、(II)又は(III)のうちの1つによって定義される構造を有する1つ以上の汚れ放出ポリマーも含む:
(I)-[(OCHR1-CHR2)a-O-OC-Ar-CO-]d
(II)-[(OCHR3-CHR4)b-O-OC-sAr-CO-]e
(III)-[(OCHR5-CHR6)c-OR7]f
(式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO3Meで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C1~C18アルキル又はC2~C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立して、H又はC1~C18n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
R7は、直鎖状若しくは分枝状C1~C18アルキル、又は直鎖状若しくは分枝状C2~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC8~C30アリール基、又はC6~C30アリールアルキル基である)。
【0089】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0090】
セルロース系ポリマー:組成物は、好ましくは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーも含み得る。一態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。
【0091】
漂白系:組成物は、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートなどの過酸形成漂白活性化剤と合わせることができる過ホウ酸塩又は過炭酸塩などのH2O2源を含む、漂白系を含有し得る。あるいは、漂白系は、例えば、アミド、イミド、又はスルホン型のペルオキシ酸を含んでもよい。概して、漂白剤が使用される場合、本発明の組成物は、標記洗浄組成物の約0.1重量%~約30重量%、又は更に約0.1重量%~約25重量%の漂白剤を含んでもよい。
【0092】
キレート剤:組成物は、好ましくは組成物の0.005重量%~約15重量%、又は更には約3.0重量%~約10重量%のキレート剤の量で、キレート剤を含むことが好ましい。好適なキレート剤としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましいキレート剤(錯化剤)としては、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、DTPMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸二ナトリウム塩水和物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、メチル-グリシン-二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン、並びにこれらの誘導体及びこれらの混合物が挙げられる。好ましいキレート剤は、メチル-グリシン-二酢酸(MGDA)、その塩及びその誘導体、グルタミン酸-N、N-二酢酸(GLDA)、その塩及びその誘導体、イミノジコハク酸(IDS)、その塩及びその誘導体、カルボキシメチルイヌリン、その塩及びその誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。MGDA及びその塩が特に好ましく、特にMGDAの三ナトリウム塩を含む。
【0093】
組成物は、例えば、布地調整剤を含む粘度、起泡力増進剤、石鹸泡抑制剤、防食剤、土壌沈殿防止剤、土壌再堆積防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇り防止剤、エタノールなどの有機溶媒、又は香料などの他の従来の洗剤成分も含有し得る。
【0094】
使用方法
本発明はまた、布地を処理するための方法であって、接触工程において、布地を、好ましくは0.01ppm~10ppm、好ましくは0.1ppm~1ppmの量の上記のアルギン酸リアーゼ酵素と、好ましくは0.05~50g/l、より好ましくは0.2g/l~5g/l又は0.5g/l~3g/lの量のアニオン性界面活性剤と、を含む水性洗浄液と接触させることを含み、アルギン酸リアーゼ酵素が多糖リアーゼファミリー7由来である、方法を提供する。
【0095】
水性洗浄液は、例えば洗濯機又は手洗いプロセスにおいて、上述の組成物を水に添加することによって形成され得る。あるいは、水性洗浄液は、アルギン酸リアーゼ酵素及びアニオン性界面活性剤を別個の成分として水に添加して、洗浄液を形成することによって形成され得る。布地は、任意に、その後、洗浄、及び/又はすすぎ、及び/又は乾燥され得る。
【0096】
アルギン酸リアーゼ酵素及び任意の追加酵素は、洗浄液1リットル当たり0.001~100mgの活性酵素タンパク質、好ましくは洗浄液1リットル当たり0.005~5mgの活性酵素タンパク質、より好ましくは洗浄液1リットル当たり0.01~1mgの酵素タンパク質、特に0.1~1mgの酵素タンパク質に相当する量で洗浄液中に存在し得る。
【0097】
接触工程又はその後の工程において、機械的撹拌を使用して、布地からの分解された汚れ副生成物の洗浄及び除去を促進することが好ましい場合がある。洗浄液のpHは、好ましくは、約7又は約8~約10.5である。組成物は、典型的には、溶液中で約500ppm~約15,000ppmの濃度で使用して、洗浄液を形成することができる。洗浄液は、好ましくは約5℃~約40℃、又は好ましくは10~35℃若しくは30℃の温度を有する。水と布地との比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
【0098】
試験
β-D-マンヌロン酸ブロック(ポリM活性)及びα-L-グルロン酸ブロック(ポリG活性)に対する酵素活性
アルギン酸リアーゼ活性は、Elicityl France製のMannuronic Block Oligosaccharide DP20-DP35(製品コード:ALG601)及びGuluronate oligosaccharide DP2-DP45(製品コード:ALG610)を基質として用いて測定される。Mannuronic Block Oligosaccharide DP20-DP35をポリM活性の測定に使用し、Guluronate oligosaccharide DP2-DP45をポリG活性の測定に使用した。
【0099】
2.5%の各基質の溶液をpH8.3のトリス緩衝液に懸濁し、96ウェルプレート中で、3ppmの対象となる各アルギン酸リアーゼと共に25℃で60分間インキュベートした。
【0100】
各基質に対する活性は、酵素を各基質と接触させたときの、分光光度計における235nmでの酵素無し試料に対するデルタ吸光度として与えられる。次いで、これらの値を使用して、それぞれの酵素のβ-D-マンヌロン酸ブロック(ポリM)及び/又はα-L-グルロン酸ブロック(ポリG)に対する活性を評価する。ポリ(β-D-マンヌロネート)に対する活性(ポリM活性)を有する酵素は、好ましくは、少なくとも0.1吸光度単位、より好ましくは少なくとも0.15吸光度単位、より好ましくは少なくとも0.2吸光度単位の、酵素無しに対するデルタ吸光度を提供する。ポリ(α-L-グルロネート)に対する活性(ポリG活性)を有する酵素は、好ましくは、少なくとも0.3吸光度単位、好ましくは少なくとも0.4又は更に0.5若しくは0.6吸光度単位の、酵素無しに対するデルタ吸光度を提供する。
【実施例】
【0101】
実施例1:多糖リアーゼ(PL)7ファミリー由来のアルギン酸リアーゼを含む液体洗剤組成物の他のPLファミリー由来のアルギン酸リアーゼに対する洗浄性能
汚れた襟及び袖口の染み除去に対するアルギン酸リアーゼの洗浄性能を、洗濯洗剤に関して以下のように判定した:
Cole-Parmer Instrument Co Ltd,UKによって供給されるTalboys Professional Incubating Microplate Shaker(機器番号080513002)を使用して、染み除去試験を行った。黒ずんだ襟及び袖口の染みを2cm×2cmセグメントに切断し、6ウェルプレート(VWR International Ltd,Leicester,UK)の各容器に添加した。
【0102】
各容器に、1.5g/LのAriel単位用量液体(酵素無し)を含有する6mLの溶液を添加した。染みを添加し、それぞれの対象となるアルギン酸リアーゼ及び酵素無し単位用量液体溶液と共に、35℃で45分間、600RPMの撹拌速度でインキュベートした。
【0103】
PL7及び異なるPLファミリー由来のアルギン酸リアーゼを、各酵素について2ppmの活性アルギン酸リアーゼの洗浄濃度で試験した。試験の持続時間にわたって温度を35℃で維持した。40分後、洗浄水を排水し、布地を冷水道水(1米国ガロン当たり19グレイン)中ですすぎ洗いした後、洗浄した染み見本をラック上に平らに置き、周囲条件下で乾燥させた。
【0104】
このプロセスを更に3回繰り返し、1処理当たり合計4つの洗浄された染み、すなわち、各々が1つの染みを含む4つの外部複製を得た。
【0105】
画像解析(Illuminant D65/10)を使用して染みの洗浄前及び洗浄後の分析を完了して、試験製剤と参照製剤との間の染み除去の差を計算した。
【0106】
以下の式を用いて染み除去指数(SRI)を計算した、式中、ΔEABは、洗浄前の布地の染みを含まない領域と洗浄前の染みとの間の色差であり、ΔEADは、洗浄前の布地の染みを含まない領域と洗浄後の染みとの間の色差である。
SRI=100*(ΔEAB-ΔEAD)/ΔEAB、
【0107】
平均試験結果を以下の表に提示する。これらは、PL7ファミリーアルギン酸リアーゼの添加により、汚れた襟及び袖口の染み除去が76.9 SRI単位で大幅に改善されることを示している。この改善は統計学的に有意であり、すなわち、アルギン酸リアーゼ酵素を添加しない場合(20.4 SRI単位)と比較して、StudentのT検定によれば、99.9%の信頼水準を超える(p<0.001)。比較すると、PL5ファミリー由来のアルギン酸リアーゼの添加は、25.3 SRI単位の染み除去をもたらし、これは、酵素無し対照に対して統計的に有意ではない。PL6ファミリーからのアルギン酸リアーゼ酵素の添加は、汚れた襟及び袖口において28.0 SRI単位の染み除去をもたらし、これもまた、酵素無し対照に対して統計的に有意ではなく、すなわち、Studentのt検定によれば90%未満の信頼水準である(P>0.1)。
【0108】
【0109】
洗剤実施例
実施例1~6.手洗い用又はトップローディング式洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物。
【0110】
【0111】
実施例7~13.フロントローディング式自動洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物。
【0112】
【表3】
*DNaseは洗剤100g当たりの活性酵素のmgとして示される。
【0113】
実施例14~21.強力液体洗濯洗剤組成物
【0114】
【0115】
【0116】
実施例22~28.単位用量洗濯洗剤組成物。このような単位用量の製剤は、1つ又は複数の区画を含んでもよい。
【0117】
【0118】
実施例29.多区画単位用量組成物
本発明の多区画単位用量洗濯洗剤製剤を以下に提供する。これらの実施例では、単位用量は3つの区画を有するが、同様の組成物を2、4、又は5つの区画で作製することもできる。区画を封入するために使用されるフィルムは、ポリビニルアルコールである。
【0119】
【0120】
多区画製剤
【0121】
【0122】
実施例1~29の組成物の原材料及び注記
C11~C18の平均脂肪族炭素鎖長を有する直鎖アルキルベンゼンスルホネート
C12~18ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド
AE3Sは、C12~15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
AE7は、平均エトキシル化度7のC12~15アルコールエトキシレートである。
AE9は、平均エトキシル化度9のC12~16アルコールエトキシレートである。
HSASは、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に開示されているとおり、約16~17の炭素鎖長を有する中鎖分岐状一級アルキルサルフェートである。
ポリアクリレートMW4500は、BASFによって供給されている。
カルボキシメチルセルロースは、CP Kelco(Arnhem,Netherlands)により供給されているFinnfix(登録商標)Vである。
CHECは、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースポリマーである。
ホスホネートキレート剤は、例えば、ジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)の製品である。
Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)は、Genencor International(Palo Alto,California,USA)の製品である。
蛍光増白剤1は、Tinopal(登録商標)AMSであり、蛍光増白剤2は、Tinopal(登録商標)CBS-Xであり、ダイレクトバイオレット9は、Pergasol(登録商標)Violet BN-Zであり、NOBSは、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
TAEDはテトラアセチルエチレンジアミンである。
S-ACMCは、C.I.Reactive Blue 19と共役しているカルボキシメチルセルロース、商品名AZO-CM-CELLULOSEである。
汚れ放出剤は、Repel-o-tex(登録商標)PFである。
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量70,000であり、アクリレート:マレエート比は、70:30であり、
EDDSは、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、(S,S)異性体のナトリウム塩であり、泡抑制剤凝集体は、Dow Corning(Midland,Michigan,USA)によって供給されている。
HSASは、中鎖分岐状アルキルサルフェートである。
Liquitint(登録商標)Violet CTは、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)によって供給されている高分子色相顔料である。
ポリエトキシル化アゾチオフェン染料は、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)によって供給されているViolet DD(商標)ポリマー色相染料である。
1ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド骨格鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40~60であり、50のエチレンオキシド単位当たり1個以下のグラフト点である。
2-NH1個当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
3両親媒性アルコキシル化ポリマーは、-NH1個当たり24個のエトキシレート基及び-NH1個当たり16個のプロポキシレート基を含有するように誘導体化されたポリマーから調製されるポリエチレンイミン(MW600)である。
4アミラーゼは、洗剤100g当たりの活性酵素のmgとして示される。
5これら全ての実施例におけるDNaseは、洗剤100g当たりの活性酵素のmgとして示される。DNaseは、微量のスーパーオキシドジスムターゼ不純物を含んでいる場合がある。
6PL7由来のアルギン酸リアーゼ(全ての実施例において、洗剤100g当たりの活性酵素のmgとして示される)
aProxel GXL、Lonzaによって供給されている1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%水性ジプロピレングリコール溶液。
bN,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステル。この材料の親脂肪酸のヨウ素価は、18~22である。Evonikから入手した材料は、遊離脂肪酸の形態の不純物、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルのモノエステル形態、及びN,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N-メチルアミンの脂肪酸エステルを含む。
cMP10(登録商標)、Dow Corningによって供給、8%活性
d米国特許第8,765,659号に記載のとおり、100%カプセル化香油として表される
eRheovis(登録商標)CDE、BASFによって供給されているカチオン性高分子増粘剤
f約55:45の重量比のN,N-ジメチルオクタンアミド及びN,N-ジメチルデカンアミド、Stepan Companyの商品名Steposol(登録商標)M-8-10
【0123】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【配列表】