(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】NSまたはVNFのインスタンス化のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04L 41/40 20220101AFI20241008BHJP
【FI】
H04L41/40
(21)【出願番号】P 2023523169
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021126774
(87)【国際公開番号】W WO2022089491
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/124459
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, ピン
(72)【発明者】
【氏名】ビョークヴィスト, マグナス
(72)【発明者】
【氏名】パップ, オクタヴィアン クラウディウス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン デ ニコラス, アルトゥロ
(72)【発明者】
【氏名】バイラージュ, ラジャヴァルマ
(72)【発明者】
【氏名】バドゥレスク, クリスティーナ
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0146827(US,A1)
【文献】国際公開第2020/183228(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/117697(WO,A1)
【文献】Network Functions Virtualisation (NFV); Management and Operation,ETSI Group Specification,ETS GS NFV-MAN 001 V1.1.1,2014年12月31日,https://etsi.org/deliver/etsi_gs/nfv-man/001_099/001/01.01.01_60/gs_nfv-man001v010101p.pdf
【文献】シスコシステムズ合同会社,Cisco Elastic Service Controller 5.3 ETSI NFV MANO ユーザガイド,初版,2020年09月25日,インターネット:<URL https://www.cisco.com/c/ja_jp/td/docs/net_mgmt/elastic_services_controller/5-3/etsi/guide/Cisco-Elastic-Services-Controller-ETSI-User-Guide-5-3.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想化ネットワーク機能マネージャ(VNFM)によって実行される方法であって、
第1のネットワーク管理エンティティから、仮想化ネットワーク機能(VNF)インスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信する(302)ことと、ここで前記第1の要求は、前記VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルなVNFデプロイメントユニット(VDU)についてのスケーリング情報を有し、
前記スケーリング情報に基づいて前記VNFインスタンスをインスタンス化または変更する(304)ことと、を有
し、
VNFインスタンスのインスタンス化を求める前記第1の要求が、前記スケーリング情報に基づくインスタンス化が前記VNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示す、方法。
【請求項2】
前記スケーリング情報が、前記VNFインスタンスのVNF記述子(VNFD)で示されるものとは異なるスケーリングレベルを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スケーリング情報に基づいて前記VNFインスタンスをインスタンス化または変更すること(304)が、
第2のネットワーク管理エンティティに、前記VNFインスタンスに対するリソースの許可を求める第2の要求を送信する(406)ことを有し、前記第2の要求はスケーリング情報を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケーリング情報に示される前記スケーリングレベルが、ゼロより大きく、前記VNFインスタンスの前記VNFDに示される最大スケーリングレベルより小さい、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スケーリング情報が、
前記VNFインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、
スケーリングの態様を特定する第2のインジケータと、
前記VNFインスタンスの前記VNFDを特定する第3のインジケータと、を有する、請求項2または
4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワーク管理エンティティがネットワーク機能仮想化オーケストレータ(NFVO)であり、
前記第2のネットワーク管理エンティティが前記NFVOである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のネットワーク管理エンティティがエレメントマネージャ(EM)であり、
前記第2のネットワーク管理エンティティがNFVOである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の要求がInstantiate VNF RequestまたはChange VNF Flavour Requestである、請求項1から
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の要求がGrant Requestである、請求項3、
6、および
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ネットワーク管理エンティティによって実行される方法であって、
仮想化ネットワーク機能マネージャ(VNFM)に、仮想化ネットワーク機能(VNF)インスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信する(502)ことを有し、
ここで前記第1の要求は、前記VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルなVNFデプロイメントユニット(VDU)についてのスケーリング情報を有
し、
VNFインスタンスのインスタンス化を求める前記第1の要求が、前記スケーリング情報に基づくインスタンス化が前記VNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示す、方法。
【請求項11】
前記スケーリング情報は、前記VNFインスタンスのVNF記述子(VNFD)で示されるものとは異なるスケーリングレベルを示す、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワーク管理エンティティがエレメントマネージャ(EM)である、請求項
10または
11に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワーク管理エンティティがネットワーク機能仮想化オーケストレータ(NFVO)である、請求項
10または
11に記載の方法。
【請求項14】
前記VNFMから、前記VNFインスタンスに対するリソースの許可を求める第2の要求を受信する(606)ことをさらに有し、前記第2の要求が前記スケーリング情報を有する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記スケーリング情報に基づいて前記VNFMに対する許可を決定する(608)ことと、
前記VNFMに前記許可を送信する(610)ことと、をさらに有する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
仮想化ネットワーク機能マネージャ(VNFM)(1400)であって、
少なくとも1つのプロセッサ(1410)と、
少なくとも1つのメモリ(1420)とを有し、前記少なくとも1つのメモリ(1420)は、前記少なくとも1つのプロセッサ(1410)によって実行可能な命令を格納し、それによって前記VNFM(1400)は、
第1のネットワーク管理エンティティから、仮想化ネットワーク機能(VNF)インスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信し、ここで前記第1の要求は、前記VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルなVNFデプロイメントユニット(VDU)についてのスケーリング情報を有し、
前記スケーリング情報に基づいて前記VNFインスタンスをインスタンス化または変更する、ように動作可能であ
り、
VNFインスタンスのインスタンス化を求める前記第1の要求が、前記スケーリング情報に基づくインスタンス化が前記VNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示す、VNFM(1400)。
【請求項17】
ネットワーク管理エンティティ(1400)であって、
少なくとも1つのプロセッサ(1410)と、
少なくとも1つのメモリ(1420)とを有し、前記少なくとも1つのメモリ(1420)は、前記少なくとも1つのプロセッサ(1410)によって実行可能な命令を格納し、それによって前記ネットワーク管理エンティティ(1400)は、
仮想化ネットワーク機能マネージャ(VNFM)に、仮想化ネットワーク機能(VNF)インスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信するように動作可能であり、
ここで前記第1の要求は、前記VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルなVNFデプロイメントユニット(VDU)についてのスケーリング情報を有
し、
VNFインスタンスのインスタンス化を求める前記第1の要求が、前記スケーリング情報に基づくインスタンス化が前記VNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示す、ネットワーク管理エンティティ(1400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は概して通信に関し、より具体的にはネットワークサービス(NS)または仮想化ネットワーク機能(VNF)のインスタンス化のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションでは、本開示のより良い理解を支援しうる態様を紹介する。したがって、このセクションの記述はこの観点から解されるべきであり、従来技術に属するものまたは従来技術に属しないものの自認として解されるべきでない。
【0003】
欧州電気通信標準化機構(ETSI)ネットワーク機能仮想化(NFV)管理およびオーケストレーション(MANO)は、仮想化ネットワーク機能(VNF)のプロビジョニングおよび関連する動作に必要な管理およびオーケストレーションフレームワークを記述している。
図1は、NFV MANOアーキテクチャのフレームワークを示す。図示のように、フレームワークは、NFVオーケストレータ(NFVO)101、VNFマネージャ(VNFM)102、および仮想インフラストラクチャマネージャ(VIM)103を有する。NFVO 101は、オペレーションサポートシステム(OSS)/ビジネスサポートシステム(BSS)104と連携する。NFVO 101は、複数のVIM103にわたるNFVインフラストラクチャ(NFVI)リソースオーケストレーションおよびネットワークサービスのライフサイクル管理を担うことができる。VNFM 102は、エレメントマネージャ(EM)105およびVNF 106と連携する。VNFM 102は、VNFライフサイクル管理を担うことができる。VIM 103は、仮想化レイヤ107と連携する。VIM 103は、NFVIコンピュート、ストレージ、およびネットワークリソースを制御および管理することができる。
【0004】
VNFパッケージには、VNFの検証とインスタンス化に必要なすべての必要なファイルとメタデータ記述子が含まれている。各VNFのデプロイメントおよびオペレーション上の挙動は、ETSI GS NFV-IFA011において標準化された、VNF記述子(VNFD)と呼ばれるテンプレートに格納される。VNFDは、デプロイメントおよびオペレーション上の挙動の作要件に関してVNFを記述する。また、仮想デプロイユニット(VDU)、内部仮想リンク記述子、外部接続ポイント記述子、ソフトウェアイメージ記述子、デプロイフレーバ記述子も含まれる。
【0005】
標準化されたVNFDのクラウドアプリケーション(TOSCA)表現のためのトポロジおよびオーケストレーション仕様は、ETSI GS NFV-SOL001で提供される。ETSI GS IFA011 VNFDは他の表現が可能である。標準化されたもの中には、YANG表現を提供するETSI GS NFV-SOL006もある。VNFD(TOSCA、YANG、または他の言語のうちの1つによる)およびVNFパッケージは、VNFインスタンスのライフサイクルをデプロイメントおよび管理するためにNFVO/VNFMによって用いられる。
【0006】
インスタンス化時にVDUごとにデプロイされるVNFコンポーネント(VNFC)インスタンスの数は、VNFD内の1つ以上のインスタンス化レベルによって指定される。インスタンス化レベルは、各VDUから作成するVNFCインスタンスの数とビットレート要件の観点とから、インスタンス化するリソースの所定量を記述する。「VNFインスタンス化」動作がトリガされると、VNFをデプロイするために、事前定義されたインスタンス化レベルの1つがInstantiateVnfRequestで指定される。
【発明の概要】
【0007】
この概要では、以下の詳細な説明においてさらに説明されるコンセプトの1つを簡単な形態で紹介する。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0008】
本開示の目的の1つは、ネットワークサービス(NS)または仮想化ネットワーク機能(VNF)のインスタンス化のための、改善された解決策を提供することである。特に、本開示によって解決されるべき問題の1つは、NSまたはVNFのインスタンス化のための既存の解決策が柔軟でないことである。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、仮想化ネットワーク機能マネージャ(VNFM)によって実行される方法が提供される。方法は、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスをインスタンス化または変更することを求める第1の要求を受信することを有しうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVNFデプロイメントユニット(VDU)についてのスケーリング情報を有しうる。方法は、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更することをさらに有しうる。
【0010】
このように、VNFインスタンスをインスタンス化するときに、スケーラブルなVDUに対するインスタンス化レベルを調整することは、顧客にとって柔軟である。
【0011】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、VNFインスタンスのVNF記述子(VNFD)で示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。
【0012】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更することは、VNFインスタンスに対してリソースを許可することを求める第2の要求を第2のネットワーク管理エンティティに送信することを含みうる。第2の要求は、スケーリング情報を有しうる。
【0013】
本開示の一実施形態では、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求が、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示しうる。
【0014】
本開示の一実施形態では、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かは、Instantiate VNF Operation Configurationで示されうる。
【0015】
本開示の一実施形態では、スケーリング情報に示されるスケーリングレベルが、ゼロより大きく、VNFインスタンスのVNFDに示される最大スケーリングレベルより小さくてよい。
【0016】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、VNFインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータと、VNFインスタンスのVNFDを特定する第3のインジケータとを有しうる。
【0017】
本開示の一実施形態において、第1のネットワーク管理エンティティはネットワーク機能仮想化オーケストレータ(NFVO)であってよく、また第2のネットワーク管理エンティティはNFVOであってよい。
【0018】
本開示の一実施形態において、第1のネットワーク管理エンティティはエレメントマネージャ(EM)であってよい。第2のネットワーク管理エンティティはNFVOであってよい。
【0019】
本開示の一実施形態において、第1の要求はInstantiate VNF RequestまたはChange VNF Flavour Requestであってよい。
【0020】
本開示の一実施形態において、第2の要求はGrant Requestであってよい。
【0021】
本開示の第2の態様によれば、ネットワーク管理エンティティによって実行される方法が提供される。方法は、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求をVNFMに送信することを有しうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。
【0022】
このように、VNFインスタンスをインスタンス化するときに、スケーラブルなVDUに対するインスタンス化レベルを調整することは、顧客にとって柔軟である。
【0023】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、VNFインスタンスのVNFDで示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。
【0024】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティはEMであってよい。
【0025】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティはNFVOであってよい。
【0026】
本開示の一実施形態において方法は、VNFインスタンスに対してリソースを許可することを求める第2の要求をVNFMから受信することをさらに有しうる。第2の要求は、スケーリング情報を有しうる。
【0027】
本開示の一実施形態において、方法は、スケーリング情報に基づいてVNFMに対する許可を決定することをさらに有しうる。方法は、許可をVNFMに送信することをさらに有しうる。
【0028】
本開示の一実施形態では、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求が、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示しうる。
【0029】
本開示の一実施形態では、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かは、 Instantiate VNF Operation Configurationで示されうる。
【0030】
本開示の一実施形態では、スケーリング情報に示されるスケーリングレベルが、ゼロより大きく、VNFインスタンスのVNFDに示される最大スケーリングレベルより小さくてよい。
【0031】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、VNFインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータと、VNFインスタンスのVNFDを特定する第3のインジケータとを有しうる。
【0032】
本開示の一実施形態において、第1の要求はInstantiate VNF Requestまたは Change VNF Flavour Requestであってよい。
【0033】
本開示の一実施形態において、第2の要求はGrant Requestであってよい。
【0034】
本開示の第3の態様によれば、NFVOによって実行される方法が提供される。方法は、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信することを有しうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。方法は、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化することをさらに有しうる。
【0035】
このようにして、NSインスタンスを目標スケールレベルにインスタンス化することが可能である。
【0036】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、NSインスタンスのNS記述子(NSD)で示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。
【0037】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、NSインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。
【0038】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティは、オペレーションサポートシステム(OSS)またはビジネスサポートシステム(BSS)であってよい。
【0039】
本開示の一実施形態において、要求はInstantiate NS Requestであってよい。
【0040】
本開示の第4の態様によれば、ネットワーク管理エンティティによって実行される方法が提供される。方法は、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求をNFVOに送信することを有しうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。
【0041】
このようにして、NSインスタンスを目標スケールレベルにインスタンス化することが可能である。
【0042】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、NSインスタンスのNSDで示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。
【0043】
本開示の一実施形態において、スケーリング情報は、NSインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。
【0044】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティはOSSまたはBSSであってよい。
【0045】
本開示の一実施形態において、要求はInstantiate NS Requestであってよい。
【0046】
本開示の第5の態様によれば、NFVOによって実行される方法が提供される。方法は、ネットワーク管理エンティティからNSDを受信することを有しうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0047】
このようにして、NFVOは、第1および/または第2のスケーリング情報に基づくインスタンス化がNSインスタンスおよび/またはVNFインスタンスによってサポートされるか否かを知ることが可能である。
【0048】
本開示の一実施形態において、第1のスケーリング情報はNSDのNSプロファイルに含まれうる。
【0049】
本開示の一実施形態において、第2のスケーリング情報はNSDのVNFプロファイルに含まれうる。
【0050】
本開示の一実施形態において、第1のスケーリング情報は、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。
【0051】
本開示の一実施形態において、第2のスケーリング情報は、少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第3のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第4のインジケータとを有しうる。
【0052】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティはOSSまたはBSSであってよい。
【0053】
本開示の第6の態様によれば、ネットワーク管理エンティティによって実行される方法が提供される。方法は、NSDをNFVOに送信することを有しうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0054】
このようにして、NFVOは、第1および/または第2のスケーリング情報に基づくインスタンス化がNSインスタンスおよび/またはVNFインスタンスによってサポートされるか否かを知ることが可能である。
【0055】
本開示の一実施形態において、第1のスケーリング情報はNSDのNSプロファイルに含まれうる。
【0056】
本開示の一実施形態において、第2のスケーリング情報はNSDのVNFプロファイルに含まれうる。
【0057】
本開示の一実施形態において、第1のスケーリング情報は、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。
【0058】
本開示の一実施形態において、第2のスケーリング情報は、少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第3のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第4のインジケータとを有しうる。
【0059】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティはOSSまたはBSSであってよい。
【0060】
本開示の第7の態様によれば、VNFMが提供される。VNFMは、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってVNFMは、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信するように動作可能である。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。
VNFMは、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更するようにさらに動作可能であってよい。
【0061】
本開示の一実施形態において、VNFMは、上述した第1の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0062】
本開示の第8の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってネットワーク管理エンティティは、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信するように動作可能である。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。
【0063】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティは、上述した第2の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0064】
本開示の第9の態様によれば、NFVOが提供される。NFVOは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってNFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信するように動作可能である。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。NFVOは、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化するようにさらに動作可能であってよい。
【0065】
本開示の一実施形態において、NFVOは、上述した第3の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0066】
本開示の第10の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってネットワーク管理エンティティは、NFVOに、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を送信するように動作可能である。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。
【0067】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティは、上述した第4の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0068】
本開示の第11の態様によれば、NFVOが提供される。NFVOは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってNFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSDを受信するように動作可能である。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0069】
本開示の一実施形態において、NFVOは、上述した第5の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0070】
本開示の第12の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有しうる。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納することができ、それによってネットワーク管理エンティティは、NFVOに、DNDを送信するように動作可能である。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0071】
本開示の一実施形態において、ネットワーク管理エンティティは、上述した第6の態様に係る方法を実行するように動作可能であってよい。
【0072】
本開示の第13の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに上述した第1から第6の態様のいずれかによる方法を実行させる命令を有しうる。
【0073】
本開示の第14の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに上述した第1から第6の態様のいずれかによる方法を実行させる命令を有しうる。
【0074】
本開示の第15の態様によれば、VNFMが提供される。VNFMは、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信するための受信モジュールを有しうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。VNFMは、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める処理モジュールをさらに有しうる。
【0075】
本開示の第16の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を要求する第1の要求を送信するための送信モジュールを有しうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。
【0076】
本開示の第17の態様によれば、NFVOが提供される。NFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信するための受信モジュールを有しうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。NFVOは、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化するためのインスタンス化モジュールをさらに有しうる。
【0077】
本開示の第18の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、NFVOに、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を送信するための送信モジュールを有しうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。
【0078】
本開示の第19の態様によれば、NFVOが提供される。NFVOは、ネットワーク管理エンティティからNSDを受信するための受信モジュールを有しうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0079】
本開示の第20の態様によれば、ネットワーク管理エンティティが提供される。ネットワーク管理エンティティは、NFVOにNSDを送信するための送信モジュールを有しうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0080】
本開示の第21の態様によれば、第1のネットワーク管理エンティティとVNFMとを含むシステムで実施される方法が提供される。方法は、第1のネットワーク管理エンティティで、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信することを有しうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。方法は、VNFMで、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信することをさらに有しうる。方法は、VNFMで、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更することをさらに有しうる。
【0081】
本開示の第22の態様によれば、第1のネットワーク管理エンティティとVNFMとを有するシステムが提供される。第1のネットワーク管理エンティティは、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信するように構成されうる。
第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。VNFMは、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信し、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更するように構成されうる。
【0082】
本開示の第23の態様によれば、第1のネットワーク管理エンティティとNFVOとを含むシステムで実施される方法が提供される。方法は、ネットワーク管理エンティティで、NFVOに、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を送信することを有しうる。
要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。方法は、NFVOで、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信することをさらに有しうる。方法は、NFVOで、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化することをさらに有しうる。
【0083】
本開示の第24の態様によれば、ネットワーク管理エンティティとNFVOとを有するシステムが提供される。ネットワーク管理エンティティは、NFVOに、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を送信するように構成されうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。NFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信し、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化する、ように構成されうる。
【0084】
本開示の第25の態様によれば、ネットワーク管理エンティティとNFVOとを含むシステムで実施される方法が提供される。方法は、ネットワーク管理エンティティで、NFVOに、NSDを送信することを有しうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。方法は、NFVOで、ネットワーク管理エンティティから、NSDを受信することをさらに有しうる。
【0085】
本開示の第26の態様によれば、ネットワーク管理エンティティとNFVOとを有するシステムが提供される。ネットワーク管理エンティティは、NFVOにNSDを送信するように構成されうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。NFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSDを受信するように構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
本開示のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、添付図面と関連して読まれるべき、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0087】
【0088】
【
図2】例示的なVNFについてのスケーリングモデルを示す図である。
【0089】
【
図3】本開示の実施形態に係るVNFMによって実行される方法を示すフローチャートである。
【0090】
【0091】
【
図5】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。
【0092】
【
図6】本開示の別の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。
【0093】
【
図7】本開示の実施形態に係るNFVOによって実行される方法を示す図である。
【0094】
【
図8】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。
【0095】
【
図9】本開示の実施形態に係るNFVOによって実行される方法を示す図である。
【0096】
【
図10】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。
【0097】
【
図11】本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。
【0098】
【
図12】本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。
【0099】
【
図13】本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。
【0100】
【
図14】本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適した装置を示すブロック図である。
【0101】
【
図15】本開示の実施形態に係るVNFMを示すブロック図である。
【0102】
【
図16】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。
【0103】
【
図17】本開示の実施形態に係るNFVOを示すブロック図である。
【0104】
【
図18】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。
【0105】
【
図19】本開示の実施形態に係るNFVOを示すブロック図である。
【0106】
【
図20】本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
説明を目的として、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、以下の記述では詳細な解説を行う。しかしながら、これらの特定の詳細なしに、あるいは同等の構成を用いて実施形態を実施しうることは当業者にとって明らかである。
【0108】
VNFインスタンスはまた、1つの「Scale VNF to Level」操作で目標サイズにスケーリングすることができる。目標サイズは、VNFDに予め定義されたインスタンス化レベルの1つによって、または各スケーリング態様の目標スケールレベルである「ScaleInfo」によって、表現することができる。
図2は、例示的なVNFについてのスケーリングモデルを示す図である。スケーリングモデルを用いると、点Aはタプル(DB=1, CallProc=2)を表す。つまり、1つのスケーリングステップが「DB」の観点で適用され、2つのスケーリングステップが「CallProc」の観点で適用されている。用語「DB」はデータベースを意味し、用語「CallProc」は呼処理を意味する。点Aの例示的な「scaleInfo」は、以下のように表されうる。
”scaleInfo”: [
{”aspectId”: ”DB”、”scaleLevel”: ”1”},
{”aspectId”: ”DB”、”scaleLevel”: ”2”},
]
同様に、ネットワークサービス(NS)レベルのインスタンス化では、インスタンス化の実行にNSインスタンス化レベル識別子(ID)を用いる。
【0109】
現在、インスタンス化レベルはVNFDで定義されており、インスタンス化レベルはVNFパッケージを生成するときに決定されなければならない。VNFDにおけるインスタンス化レベルが特定のVNFについての要件を満たすことができない場合、新しいVNFをデプロイするために、ユーザはVNFDに追加のインスタンス化レベルを有する新たなVNFパッケージを作成しなければならない。このように、ユーザはVNFパッケージを生成する前に、すべての必要なインスタンス化レベルを計画しなければならない。これは、ベンダおよびオペレータにとって柔軟性があるとは言えない。
【0110】
別の代替方法は、ユーザがまずVNFD内のインスタンス化レベルを有する新しいVNFをインスタンス化し、その後、必要なレベルに到達するように、scaleInfo属性を用いた「VNFをレベルにスケーリングする」動作を実行することである。この方法では、ユーザは目標レベルを実現するために2つの工程を順次実行しなければならないため、オペレータの動作オーバーヘッドの原因となる。
【0111】
さらに、現在のインスタンス化動作には、ユーザがインスタンス化に対してのみインスタンス化レベルを使用でき、スケーラブルVDUに対してはスケールレベルを使用できないという制限もある。
【0112】
本開示は、NSまたはVNFのインスタンス化に関する改善された解決策を提案する。解決策は、
図1に示すシステムに適用可能であってよい。
図1のシステムのさらなる詳細については、ETSI GS NFV-MAN 001 V1.1.1を参照されたい。本開示で使用される特定の用語は本開示を特定の用語に関連するシステムのみに限定するものではなく、他のシステムに対してより広く適用可能であることに留意されたい。また、本文書で言及されるネットワークエンティティ(またはノード、あるいは機能)は、専用ハードウェア上のネットワーク要素として、専用ハードウェアで稼働するソフトウェアインスタンスとして、または、適切なプラットフォーム(例えばクラウドインフラストラクチャ)上でインスタンス化される仮想化機能として、実施されうることに留意されたい。
【0113】
以下、本開示の解決策について、
図3から
図20を参照して詳細に説明する。
図3は、本開示の実施形態に係るVNFMによって実行される方法を示すフローチャートである。ブロック302において、VNFMは、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信する。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有する。「VNFインスタンスをインスタンス化する」という表現は、VNFのインスタンスを生成することを意味しうる。VDUは、VNF構成要素(VNFC)のデプロイメントおよび動作挙動の記述をサポートする構成を意味しうる。ここで、VNFCはVNF内の構成要素である。VDUは、VNFCのライフサイクルをデプロイおよび管理するために必要なリソースを記述しうる。用語「スケーリング」は、コンピューティング、ストレージ、およびネットワークなどの様相に関してリソースを増加または減少させることを意味しうる。例えば、VNFインスタンスをスケーリングすることは、容量を増加させるためにVNFインスタンスに追加のVNFCインスタンスを追加することを意味する「スケールアウト」と、未使用容量を解放するためにVNFインスタンスからVNFCインスタンスを除去することを意味する「スケールイン」とをカバーしうる。
【0114】
第1のオプションとして、第1のネットワーク管理エンティティはNFVOであってよい。第2のオプションとして、第1のネットワーク管理エンティティはEMであってよい。例えば、スケーリング情報は、VNFインスタンスのVNFDで示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。本開示の原理は、VNFDを表現する言語にかかわらず、VNFD全般に適用されうることに留意されたい。特定の態様のためにVNFインスタンスをスケーリングする場合、スケーリングレベルはこの特定の態様で適用されるべきリソースの目標量を示しうる(例えば、実行されるべきスケーリングステップの目標数として表される)。スケーリング情報に示されるスケーリングレベルは、ゼロを上回り(すなわち、ゼロより大きいかゼロに等しい)、かつ、VNFインスタンスのVNFDに示される最大スケーリングレベルを下回る(例えば、最大スケーリングレベルより小さいか、最大スケーリングレベルに等しい)ものであってよい。スケーリング情報は、VNFインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータと、VNFインスタンスのVNFDを特定する第3のインジケータとを有しうる。
【0115】
典型例として、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求は、Instantiate VNF Requestであってよい。VNFインスタンスの変更を求める第1の要求は、Change VNF Flavour Requestであってよい。既存の情報要素(IE)「ScaleInfo」が、第1の要求に含まれるスケーリング情報として使用されうる。
【0116】
オプションとして、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求は、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示しうる。典型例として、そのような情報は、Instantiate VNF Operation Configurationで示されうる。
【0117】
ブロック304で、VNFMは、スケーリング情報に基づいて、VNFインスタンスをインスタンス化または変更する。例えば、
図4に示すように、ブロック304は、少なくともブロック406を含むことができる。ブロック406で、VNFMは、第2のネットワーク管理エンティティに、VNFインスタンスに対するリソースの許可を求める第2の要求を送信する。第2の要求は、スケーリング情報を有する。上述した第1のオプションでは、第2のネットワーク管理エンティティがNFVOであってよい。上述した第2のオプションでは、第2のネットワーク管理エンティティがNFVOであってよい。典型例として、第2の要求は、Grant Requestであってよい。リソースの許可に成功した場合、VNFMは、第2の管理エンティティから許可(グラント)を受信しうる。そして、VNFMは、VNFインスタンスをインスタンス化または変更するために、VIMにリソースを割り当てることができる。一方、リソースの許可に成功しなかった場合、VNFMは、失敗を報告する通知(例えば、「403 Forbidden」)を受信しうる。
【0118】
図3の方法により、VNFインスタンスをインスタンス化する際に、顧客がスケーラブルVDUのインスタンス化レベルを調整することが柔軟にできる。特に、新しいVNFインスタンスの1つ以上のスケーラブルVDUのインスタンス化レベルがVNFDの1つ以上のインスタンス化レベルと異なる場合、必要なインスタンス化レベルに達するための新しいVNFインスタンスの高速セットアップを、単一の操作によって実現できる。
【0119】
図5は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。ブロック502で、ネットワーク管理エンティティは、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信する。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有する。第1のオプションとして、ネットワーク管理エンティティはEMであってよい。第2のオプションとして、ネットワーク管理エンティティはNFVOであってよい。例えば、スケーリング情報は、VNFインスタンスのVNFDで示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。スケーリング情報に示されるスケーリングレベルは、ゼロを上回り(すなわち、ゼロより大きいかゼロに等しい)、かつ、VNFインスタンスのVNFDに示される最大スケーリングレベルを下回る(例えば、最大スケーリングレベルより小さいか、最大スケーリングレベルに等しい)ものであってよい。スケーリング情報は、VNFインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータと、VNFインスタンスのVNFDを特定する第3のインジケータとを有しうる。
【0120】
典型例として、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求は、Instantiate VNF Requestであってよい。VNFインスタンスの変更を求める第1の要求は、Change VNF Flavour Requestであってよい。既存の情報要素(IE)「ScaleInfo」が、第1の要求に含まれるスケーリング情報として使用されうる。
【0121】
オプションとして、VNFインスタンスのインスタンス化を求める第1の要求は、スケーリング情報に基づくインスタンス化がVNFインスタンスによってサポートされるか否かをさらに示しうる。典型例として、そのような情報は、Instantiate VNF Operation Configurationで示されうる。
【0122】
図5の方法により、VNFインスタンスをインスタンス化する際に、顧客がスケーラブルVDUのインスタンス化レベルを調整することが柔軟にできる。特に、新しいVNFインスタンスの1つ以上のスケーラブルVDUのインスタンス化レベルがVNFDの1つ以上のインスタンス化レベルと異なる場合、必要なインスタンス化レベルに達するための新しいVNFインスタンスの高速セットアップを、単一の操作によって実現できる。
【0123】
図6は、本開示の別の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。この方法は、ネットワーク管理エンティティがNFVOでありうる上述の第2のオプションに適用可能である。図示のように、方法は、上述のブロック502と、ブロック606から610とを有する。ブロック502で、ネットワーク管理エンティティは、VNFMに、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を送信する。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有する。ブロック606で、ネットワーク管理エンティティは、VNFMから、VNFインスタンスに対するリソースの許可を求める第2の要求を受信する。第2の要求は、スケーリング情報を有する。典型例として、第2の要求は、Grant Requestであってよい。
【0124】
ブロック608で、ネットワーク管理エンティティは、スケーリング情報に基づいてVNFMに対する許可を決定する。すなわち、既存のグラント意思決定と比較して、スケーリング情報に示されるスケーリングレベルが追加的に考慮されうる。ブロック610で、ネットワーク管理エンティティは、許可をVNFMに送信する。リソースの許可は失敗する場合があるため(その場合、VNFMは失敗を報告する通知を受信しうる)、ブロック608~610はオプションのブロックでありうる。したがって、本開示の少なくとも1つの実施形態は、ブロック502および606を有する方法を提供する。
【0125】
図7は、本開示の実施形態に係るNFVOによって実行される方法を示す図である。ブロック702で、NFVOは、ネットワーク管理エンティティから、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を受信する。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有する。例えば、ネットワーク管理エンティティは、OSSまたはBSSであってよい。VNFインスタンス化についてのスケーリング情報と同様に、NSインスタンスについてのスケーリング情報は、NSインスタンスのNSDにおいて示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。スケーリング情報は、NSインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。典型例として、要求は、Instantiate NS Requestであってよい。既存のIE「nsScaleInfo」は、要求に含まれるスケーリング情報として使用されうる。ブロック704で、NFVOは、スケーリング情報に基づいて、NSインスタンスをインスタンス化する。すなわち、既存のNSインスタンス化と比較して、スケーリング情報に示されるスケーリングレベルが追加的に考慮されうる。
図7の方法により、NSインスタンスを目標スケールレベルにインスタンス化することが可能である。
【0126】
図8は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。例えば、ネットワーク管理エンティティは、OSSまたはBSSであってよい。ブロック802で、ネットワーク管理エンティティは、NFVOに、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求を送信する。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有する。VNFインスタンス化についてのスケーリング情報と同様に、NSインスタンスについてのスケーリング情報は、NSインスタンスのNSDにおいて示されるものとは異なるスケーリングレベルを示しうる。スケーリング情報は、NSインスタンスのスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。典型例として、要求は、Instantiate NS Requestであってよい。既存のIE「nsScaleInfo」が、要求に含まれるスケーリング情報として使用されうる。
図8の方法により、NSインスタンスを目標スケールレベルにインスタンス化することが可能である。
【0127】
図9は、本開示の実施形態に係るNFVOによって実行される方法を示す図である。ブロック902で、NFVOは、ネットワーク管理エンティティからNSDを受信する。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有する。例えば、ネットワーク管理エンティティは、OSSまたはBSSであってよい。第1のスケーリング情報は、NSDのNSプロファイルに含まれてよく、また、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。第2のスケーリング情報は、NSDのVNFプロファイルに含まれてよく、また、少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第3のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第4のインジケータとを有しうる。
図9の方法によれば、第1および/または第2のスケーリング情報に基づくインスタンス化がNSインスタンスおよび/またはVNFインスタンスによってサポートされるか否かを、NFVOが知ることが可能である。
【0128】
図10は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティによって実行される方法を示す図である。例えば、ネットワーク管理エンティティは、OSSまたはBSSであってよい。ブロック1002で、ネットワーク管理エンティティは、NFVOにNSDを送信する。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有する。例えば、第1のスケーリング情報は、NSDのNSプロファイルに含まれてよく、また、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第2のインジケータとを有しうる。第2のスケーリング情報は、NSDのVNFプロファイルに含まれてよく、また、少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第3のインジケータと、スケーリングの態様を特定する第4のインジケータとを有しうる。
図10の方法によれば、第1および/または第2のスケーリング情報に基づくインスタンス化がNSインスタンスおよび/またはVNFインスタンスによってサポートされるか否かを、NFVOが知ることが可能である。
【0129】
図11は、本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。この手順は、NFVOによってトリガされるインスタンス化VNFライフサイクル管理(LCM)動作に関する。なお、フローチャートは標準的なETSI NFV明細書に基づくハイレベルなものであり、ここでは、状況を設定するための一例として用いられている。したがって、ステップまたはVNFDの使用に関する若干の変更は、本開示の基本的な考え方に影響を与えない。他の解決方法が用いられ、ステップが異なる方法で実施されたとしても、本開示に記載された修正がなされたETSI NFVによって定義されたVNFDが使用される限り、本開示は適用可能である。
【0130】
ステップ1で、NFVOは、VNFMに、InstantiateVnfRequestを送信する。ユーザがVNFDとは異なるインスタンス化レベルでVNFをデプロイする必要がある場合、ScaleInfoがスケーラブルVDUについて指定されることに留意されたい。ステップ2で、VNFMは、個々のVNF LCM動作の発生(occurrence)を生成する。ステップ3で、VNFMは、NFVOに、202 Acceptedを送信する。ステップ4で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「STARTING」状態に入ることを知らせる。ステップ5で、VNFMは、NFVOに、新たなリソースを許可するために、GrantRequestを送信する。ユーザがVNFDとは異なるインスタンス化レベルでVNFをデプロイする必要がある場合、ScaleInfoがスケーラブルVDUについて指定されることに留意されたい。ステップ6で、NFVOは許可決定を行い、VNFMにGrantを返す。ステップ7で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「PROCESSING」状態に入ることを知らせる。ステップ8で、VNFMは、VIMに、仮想リソースの割り当てを要求する。ステップ9で、VIMは、VNFインスタンスをインスタンス化する。ステップ10で、VIMは、VNFMに、仮想リソース割り当て成功を返す。ステップ11で、VNFMは、VNF上で、インスタンス化後アクションを実行する。ステップ12で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「COMPLETED」状態に入ることを知らせる。
【0131】
図12は、本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。この手順は、EMによってトリガされるインスタンス化VNFライフサイクル管理(NFVO)動作に関する。ステップ1で、EMは、VNFMに、InstantiateVnfRequestを送信する。ユーザがVNFDとは異なるインスタンス化レベルでVNFをデプロイする必要がある場合、ScaleInfoがスケーラブルVDUについて指定されることに留意されたい。ステップ2で、VNFMは、個々のVNF LCM動作の発生(occurrence)を生成する。ステップ3で、VNFMは、EMに、202 Acceptedを送信する。ステップ4で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「STARTING」状態に入ることを知らせる。ステップ5で、EMがVNFMの通知を購読している場合、VNFMは、EMに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「STARTING」状態に入ることを知らせる。ステップ6で、VNFMは、NFVOに、新たなリソースを許可するために、GrantRequestを送信する。ユーザがVNFDとは異なるインスタンス化レベルでVNFをデプロイする必要がある場合、ScaleInfoがスケーラブルVDUについて指定されることに留意されたい。ステップ7で、NFVOは許可決定を行い、VNFMにGrantを返す。ステップ8で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「PROCESSING」状態に入ることを知らせる。ステップ9で、EMがVNFMの通知を購読している場合、VNFMは、EMに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「PROCESSING」状態に入ることを知らせる。ステップ10で、VNFMは、VIMに、仮想リソースの割り当てを要求する。ステップ11で、VIMは、VNFインスタンスをインスタンス化する。ステップ12で、VIMは、VNFMに、仮想リソース割り当て成功を返す。ステップ13で、VNFMは、VNF上で、インスタンス化後アクションを実行する。ステップ14で、VNFMは、NFVOに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「COMPLETED」状態に入ることを知らせる。ステップ15で、EMがVNFMの通知を購読している場合、VNFMは、EMに、VNF LCM動作の発生通知を送信し、動作が「COMPLETED」状態に入ることを知らせる。
【0132】
図13は、本開示の実施形態に係る例示的な手順を示すフローチャートである。この手順は、インスタンス化NS LCM動作に関する。ステップ1で、OSS/BSSは、NFVOに、InstantiateNsRequestを送信する。ユーザがNSを特定のスケールレベルでデプロイする必要がある場合、nsScaleInfoは目標NSスケールレベルについて指定されることに留意されたい。ステップ2で、NFVOは、個々のNS Lifecycle動作の発生(occurrence)を生成する。ステップ3で、NFVOは、OSS/BSSに、202 Acceptedを送信する。ステップ4で、NFVOは、OSS/BSSに、NS LCM動作の発生通知を送信し、動作が「STARTING」状態に入ることを知らせる。ステップ5で、NFVOは、OSS/BSSに、NS LCM動作の発生通知を送信し、動作が「PROCESSING」状態に入ることを知らせる。ステップ6で、NSインスタンス化動作(NS Instantiation Operation)が完了する。ステップ7で、NFVOは、OSS/BSSに、NS LCM動作の発生通知を送信し、動作の結果を知らせる。ステップ8で、NFVOは、OSS/BSSに、NS LCM動作の発生通知を送信し、動作が「COMPLETED」状態に入ることを知らせる。
【0133】
上述の説明に基づいて、現在の技術規格に対して以下の変更を行うことが提案されうる。なお、将来の規格における新しい情報要素(IE)の定義は、以下の提案と同一または類似でありうることに留意されたい。新しい属性の追加の詳細は、開示の主旨を伝達するために記述されており、これらの例そのものだけをカバーするように限定することを意味するものではない。
【0134】
既存のタイプ「ScaleInfo」を以下に示す。
【表1】
1つの提案は、属性「scaleInfo」を、InstantiateVnfRequest、GrantRequest、およびChangeVnfFlavourRequestに追加することである。
【0135】
例えば、以下に示すように、新しい属性scaleInfoをInstantiateVnfRequestに追加することができる(変更を下線で強調してある)。
【表2】
影響を受ける規格には、IFA007 2.7.1、IFA008 2.7.1、SOL003 3.3.1、およびSOL002 3.3.1が含まれうる。
【0136】
この新しい属性は、スケーラブルなVDUに必要なインスタンス化レベルをユーザ要求に加えるために使用される。これによりユーザは、インスタンス化の際、VNFDでのインスタンス化レベルとは異なるインスタンス化レベルをスケーラブルなVDUについて要求することが可能になる。先に示したように、提案される解決策は「scaleInfo」が指定されず、すべてのVDUがVNFDのインスタンス化レベルに基づいてインスタンス化されるかのような下位互換性を有する。スケーラブルでないVDUは、VNFDのインスタンス化レベルによって規定される。
【0137】
以下に示すように、新しい属性scaleInfoをGrantRequestに追加することができる(変更を下線で強調してある)。
【表3】
影響を受ける規格には、IFA007 2.7.1およびSOL003 3.3.1が含まれうる。
【0138】
以下に示すように、新しい属性scaleInfoをchangeVnfFlavourRequestに追加することができる(変更を下線で強調してある)。
【表4】
影響を受ける規格には、IFA007 2.7.1、IFA008 2.7.1、SOL003 3.3.1、およびSOL002 3.3.1が含まれうる。Or-Vnfmインタフェース(ETSI GS NFV-IFA007およびETSI GS NFV-SOL003で規格化されている)への影響は、ユーザがVNFDのインスタンス化レベルとは異なる数のスケーラブルVDUを要求する場合、grantRequestも「instantiationLevelId」および「scaleInfo」に基づいてリソース許可を要求することが可能なことである。
【0139】
別の提案は、以下に示すように、InstantiateVnfOpConfigに、新しい属性arbitraryTargetLevelsSupportedを追加することである(変更を下線で強調してある)。
【表5】
影響を受ける規格には、IFA011 3.3.1、SOL001 2.7.1、およびSOL006 3.3.1が含まれうる。
【0140】
さらに別の提案は、以下に示すように、新たなタイプのScaleInfoを追加することである(変更を下線で強調してある)。
【表6】
【0141】
さらに別の提案は、以下に示すように、VnfProfileに新しい属性「scaleInfo」を追加することである(変更を下線で強調してある)。
【表7】
影響を受ける規格には、IFA014およびSOL001 2.7.1が含まれうる。
【0142】
既存タイプの「NsScaleInfo」を以下に示す。
【表8】
さらに別の提案は、以下に示すように、NsProfileに新しい属性「nsScaleInfo」を追加することである(変更を下線で強調してある)。
【表9】
影響を受ける規格には、IFA014およびSOL001 2.7.1が含まれうる。
【0143】
既存タイプの「NsScaleInfo」を以下に示す。
【表10】
さらに別の提案は、属性「NsScaleInfo」をInstantiateNsRequestに追加することである。例えば、以下に示すように、新しい属性nsScaleInfoをInstantiateNsRequestに追加することができる(変更を下線で強調してある)。
【表11】
影響を受ける規格には、IFA013およびSOL005が含まれうる。
VNFレベルと同様に、本開示の原理は、ネットワークサービスレベルインスタンス化にも適用可能である。ネットワークサービスを目標スケールレベルにインスタンス化するために、「ネットワークサービススケール情報(network service scale info)」を追加し、用いることができる。
【0144】
図14は、本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適した装置を示すブロック図である。例えば、上述したVNFM、ネットワーク管理エンティティ、およびNFVOのいずれか1つは、装置1400によって実施されうる。図示のように、装置1400は、プロセッサ1410と、プログラムを格納するメモリ1420と、オプションである、有線および/または無線通信を介して他の外部機器とデータを通信するための通信インタフェース1430とを含みうる。
【0145】
プログラムは、プロセッサ1410によって実行されると、上述したように、本開示の実施形態に従って装置1400が動作することを可能にするプログラム命令を含む。すなわち、本開示の実施形態は、プロセッサ1410によって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって、少なくとも部分的に実施されうる。
【0146】
メモリ1420は、その場の技術環境に適した任意のタイプのものであってよく、半導体ベースのメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を用いて実装されうる。プロセッサ1410は、その場の技術環境に適した任意のタイプのものであってよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサ、の1つ以上を含みうる。
【0147】
図15は、本開示の実施形態に係るVNFMを示すブロック図である。図示のように、VNFM 1500は、受信モジュール1502と処理モジュール1504とを有する。受信モジュール1502はブロック302に関して上述したように、第1のネットワーク管理エンティティから、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求を受信するように構成されうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。処理モジュール1504は、ブロック304に関して上述したように、スケーリング情報に基づいてVNFインスタンスをインスタンス化または変更するように構成されうる。
【0148】
図16は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。図示のように、ネットワーク管理エンティティ1600は、送信モジュール1602を有する。送信モジュール1604は、ブロック504に関して上述したように、VNFインスタンスのインスタンス化または変更を求める第1の要求をVNFMに送信するように構成されうる。第1の要求は、VNFインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについてのスケーリング情報を有しうる。
【0149】
図17は、本開示の実施形態に係るNFVOを示すブロック図である。図示のように、NFVO 1700は、受信モジュール1702とインスタンス化モジュール1704とを有する。受信モジュール1702は、ブロック702に関して上述したように、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求をネットワーク管理エンティティから受信するように構成されうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。インスタンス化モジュール1704は、ブロック704に関して上述したように、スケーリング情報に基づいてNSインスタンスをインスタンス化するように構成されうる。
【0150】
図18は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。図示のように、ネットワーク管理エンティティ1800は、送信モジュール1802を有する。送信モジュール1802は、ブロック802に関して上述したように、NSインスタンスのインスタンス化を求める要求をNFVOに送信するように構成されうる。要求は、NSインスタンスについてのスケーリング情報を有しうる。
【0151】
図19は、本開示の実施形態に係るNFVOを示すブロック図である。図示のように、NFVO 1900は、受信モジュール1902を有する。受信モジュール1902は、ブロック902に関して上述したように、ネットワーク管理エンティティからNSDを受信するように構成されうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。
【0152】
図20は、本開示の実施形態に係るネットワーク管理エンティティを示すブロック図である。図示のように、ネットワーク管理エンティティ2000は、送信モジュール2002を有する。送信モジュール2002は、ブロック1002に関して上述したように、NSDをNFVOに送信するように構成されうる。NSDは、NSインスタンスについての第1のスケーリングレベルを示す第1のスケーリング情報と、NSインスタンスに含まれる少なくとも1つのスケーラブルVDUについての第2のスケーリングレベルを示す第2のスケーリング情報との少なくとも1つを有しうる。上述のモジュールは、ハードウェア、またはソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せによって実施されうる。
【0153】
一般に、様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組合せによって実施されうる。例えば、いくつかの態様はハードウェアで実施されうる一方で、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行されうるファームウェアまたはソフトウェアで実施されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。本開示の例示的な実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、または他の何らかの視覚的表現を用いて図示および説明され得るが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術または方法は、非限定例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティングデバイス、またはこれらの何らかの組み合わせで実施され得ることは十分に理解されるところである。
【0154】
したがって、本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様は、集積回路チップおよびモジュールといった様々な部品で実施されうることを理解すべきである。
したがって、本開示の例示的な実施形態は、集積回路として実施される装置で実現されてもよく、集積回路は、本開示の例示的な実施形態に従って動作するように構成可能なデータプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンド回路および無線周波数回路の少なくとも1つを実施するための回路(ならびに場合によってはファームウェア)を有しうることが理解されよう。
【0155】
本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様は、1つ以上のコンピュータまたは他の機器によって実行される、1つ以上のプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令で実施されうることを理解すべきである。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、またはコンピュータまたは他の機器内のプロセッサによって実行されたときに特定の抽象データタイプを実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、半導体メモリ、RAMなどのコンピュータ可読媒体に格納されうる。当業者が理解するように、プログラムモジュールの機能は様々な実施形態における要求に応じて組み合わされたり分散されたりしてもよい。さらに、機能は全体的または部分的に、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのファームウェアまたはハードウェア均等物で実施されうる。
【0156】
本開示における「一実施形態」、「ある実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含みうることを示すが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性を実装することが当業者の知識の範囲内であることが示唆される。
【0157】
本明細書では様々な要素を説明するために「第1の」、「第2の」などの用語が使用されうるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲内で、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書において用語「および/または」は、関連する列挙された用語のうちの1つ以上の任意のおよび全ての組合せを含む。
【0158】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、単数形「a」および「an」は文脈上明らかに背反する場合を除き、複数形も含むことが意図される。本明細書において、用語「含む(comprises)」、「有する(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」は、述べられた特徴、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの組み合わせの存在を除外しない。本明細書で使用される用語「接続(connect)」、「接続(connects)」、および/または「接続(connected)」は、2つの要素間の直接的および/または間接的な接続を包含する。先の図において連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが関連する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよいことに留意されたい。
【0159】
本開示は、本明細書に明示的に開示された任意の新規な特徴または特徴の組み合わせ、あるいはその一般化された形態を含む。本開示の前述の例示的な実施形態に対する様々な修正および適応化は、添付の図面と併せて読むことにより、前述の説明を考慮して関連する技術の当業者には明らかになるであろう。しかしながら、任意のおよび全ての変更は、本開示の非限定的かつ例示的な実施形態の範囲内に依然として含まれる。