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▶ イートン インテリジェント パワー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】切り替え可能ロッカーアーム
(51)【国際特許分類】
   F01L 1/18 20060101AFI20241008BHJP
   F01L 13/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
F01L1/18 K
F01L13/00 302C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023525474
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2021025464
(87)【国際公開番号】W WO2022111854
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】63/119,094
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライモンディ、エマヌエーレ
(72)【発明者】
【氏名】ダモーレ、マッシモ
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-045737(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0009610(US,A1)
【文献】特開2009-197732(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125194(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111997704(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102018114572(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 1/18
F01L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り替え可能ロッカーアームであって、
ロッカーシャフトを中心に回転するように構成された本体であって、前記本体は、
バルブ端部と、
ピストン孔を含むカム端部と、を含む、本体と、
第2の本体であって、
ピボット部と、
カムを受ける伝達部と、
前記伝達部を貫通するラッチ孔と、を含む、第2の本体と、
前記ラッチ孔内に装着されたラッチアセンブリと、
前記ピストン孔内に装着されたピストンアセンブリと、
前記伝達部の上に装着されたロストモーションスプリングと、を備える、切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項2】
前記カム端部は、第1のピストン孔及び第1の端壁を含む第1のアームボーダー部と、第2のピストン孔及び第2の端壁を含む第2のアームボーダー部とを形成するように分岐しており、前記ピストンアセンブリは、前記第1のピストン孔内に着座した第1のピストンと、前記第2のピストン孔内に着座した第2のピストンと、を含む、請求項1に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項3】
前記本体は、前記第1のピストン孔及び前記第2のピストン孔に液圧流体を供給するように構成された液圧供給部を含む、請求項2に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項4】
前記伝達部の全体に対してバランスをとった慣性中心を有するロストモーションスプリングを備える、請求項1又は2に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項5】
前記カム端部に固定され、前記ロストモーションスプリングを着座させるスプリングプレートを備える、請求項1又は2に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項6】
前記伝達部は、ベアリングアクスルと、前記ベアリングアクスル上で回転するように装着されたローラーベアリングと、を含む、請求項1又は2に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項7】
前記ベアリングアクスルは、ラッチ孔を含み、前記ラッチアセンブリは、前記ラッチ孔の外側へ付勢された第1のラッチ及び第2のラッチを含む、請求項に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項8】
前記伝達部は、前記ベアリングアクスルのフレームを形成するように構成された凹状体を含む、請求項に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項9】
前記伝達部は、前記ロストモーションスプリングを着座させるように更に構成されている、請求項に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項10】
前記第2の本体は、前記ピボット部につなぎ止められるように構成されている、請求項に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項11】
前記ピボット部は、前記ロッカーシャフトを中心に回転するように構成された一対のロッカーシャフトベアリングを含む、請求項に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項12】
第2のアームは、凹状体、前記ピボット部、及び接続体を形成するスタンピング加工されたシートを含む、請求項1に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項13】
前記接続体は、ロッカーシャフト孔と前記カム端部との間の前記本体の部分に架け渡されている、請求項12に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項14】
前記切り替え可能ロッカーアームは、スプリングフレームを更に備え、前記スプリングフレームは、
前記伝達部に当接する第1のプロングと、
伝達部に当接する第2のプロングと、
前記第1のプロングと前記第2のプロングとの間に架け渡されたスプリング着座部と、を含む、請求項1又は12に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項15】
前記スプリングフレームは、第1の側から前記伝達部を覆い、前記第2の本体は、前記第1の側から前記伝達部を覆う凹状フレームを含む、請求項14に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【請求項16】
前記スプリングフレームは、第1の側から前記伝達部を覆い、前記第2の本体は、第2の側から前記伝達部を覆う凹状フレームを含む、請求項14に記載の切り替え可能ロッカーアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
切り替え可能ロッカーアームは、第2の本体の伝達部(transfer portion)を貫通して装着されたラッチアセンブリを備える。ロストモーションスプリングは第2の本体と一体化されていてよい。本体に対して第2の本体を枢動させるための選択肢として、いくつかのピボット部が示される。
【背景技術】
【0002】
切り替え可能ロッカーアームにより、燃焼機械において気筒休止などの可変バルブ作動技術が可能となる。しかし、切り替え機能を機械の狭い空間内に実装することに関しては、依然として問題がある。
【発明の概要】
【0003】
切り替え可能ロッカーアームにより、気筒休止、及び、早期の若しくは遅れたバルブ開閉、又は高め若しくは低めの相対リフト高さのバルブ開閉などの切り替え式のリフトイベント(例えば、EEVO、EEVC、LIVC、EIVO、NVO、iEGR、エンジンブレーキ等)などの可変バルブ作動技術が可能となることがわかっている。機械全体の重量を低減するために、軽量な設計が望ましい。元の製造又は交換部品のいずれかとして、機械への設置を容易にするために、一体化して製造することが望ましい。しかし、切り替え機能を機械の狭い空間内に実装することに関しては、依然として問題がある。
【0004】
上で概説した1つ以上の課題を解決するために、いくつかの切り替え可能ロッカーアームが示される。そのような切り替え可能ロッカーアームは、ロッカーシャフトを中心に回転するように構成された本体を備える。本体は、バルブ端部と、ピストン孔を含むカム端部と、を含むことができる。第2の本体は、ピボット部と、カムを受ける伝達部と、伝達部を貫通するラッチ孔と、を含むことができる。ラッチ孔内にラッチアセンブリが装着される。ピストン孔内にピストンアセンブリが装着される。
【0005】
追加の態様では、切り替え可能ロッカーアームは、第1のピストン孔及び第1の端壁を含む第1のアームボーダー部と、第2のピストン孔及び第2の端壁を含む第2のアームボーダー部とを形成するように分岐している、カム端部を備えることができる。ピストンアセンブリは、第1のピストン孔内に着座した第1のピストンと、第2のピストン孔内に着座した第2のピストンと、を含むことができる。切り替え可能ロッカーアームは、本体に液圧供給部を備えることができ、液圧供給部は、第1のピストン孔及び第2のピストン孔に液圧流体を供給するように構成されている。
【0006】
伝達部の上にロストモーションスプリングを装着することができる。ロストモーションスプリングは、伝達部の全体に対してバランスをとった(balanced over)慣性中心を有することができる。スプリングプレートを、カム端部に固定し、ロストモーションスプリングを着座させることができる。
【0007】
伝達部は、ベアリングアクスルと、ベアリングアクスル上で回転するように装着されたローラーベアリングと、を含むことができる。ベアリングアクスルは、ラッチ孔を含むことができる。ラッチアセンブリは、ラッチ孔の外側へ付勢された第1のラッチ及び第2のラッチを含むことができる。
【0008】
伝達部は、ベアリングアクスルのフレームを形成するように構成された凹状体を含むことができる。伝達部は、ロストモーションスプリングを着座させるように更に構成されていてもよい。第2の本体は、ピボット部につなぎ止められる(anchor)ように構成されてもよい。ピボット部は、ロッカーシャフトを中心に回転するように構成された一対のロッカーシャフトベアリングを含んでいてもよい。第2のアームは、凹状体、ピボット部、及び接続体を形成するスタンピング加工されたシートを含むことができる。接続体は、ロッカーシャフト孔とカム端部との間の本体の部分に架け渡されていてよい。
【0009】
切り替え可能ロッカーアームは、スプリングフレームを備えることができ、スプリングフレームは、伝達部に当接する第1のプロングと、伝達部に当接する第2のプロングと、第1のプロングと第2のプロングとの間に架け渡されたスプリング着座部と、を含む。スプリングフレームは、第1の側から伝達部を覆うことができ、第2の本体は、第1の側から伝達部を覆う凹状フレームを含むことができる。又は、スプリングフレームは、第1の側から伝達部を覆うことができ、第2の本体は、第2の側から伝達部を覆う凹状フレームを含むことができる。
【0010】
追加的な目標及び利点は、以下の説明である程度説明され、ある程度は説明より明らかになるであろう、又は本開示の実践により学習され得る。目標及び利点はまた、特に添付の「特許請求の範囲」で指摘された要素及び組み合わせによって実現され、得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ロッカーアームの斜視図である。
図2図1のロッカーアームの一部の断面図であり、伝達領域におけるラッチアセンブリ及びピストンアセンブリを示す。
図3】第2の本体の図である。
図4A】本体に配置された第2の本体の比較図である。
図4B】本体に配置された第2の本体の比較図であり、図4Bはロストモーション位置を示す。
図4AA】ピストンアセンブリによってラッチ解除されたラッチアセンブリを示す。第2の本体は、本体に対して動く準備ができている。
図4BB】ロストモーション方向(矢印で示す)に動かされた第2の本体を示す。移動停止部及び移動制限部の組み合わせにより、第2の本体の動きが制限される。この組み合わせは、他の可変バルブリフト技術を可能にする選択肢の1つである。
図5A】代替的な第2の本体を示す。
図5B】代替的な第2の本体を示す。
図6A】代替的な第2の本体を示す。
図6B】代替的な第2の本体を示す。
図6C】代替的な第2の本体を示す。
図7A】代替的なスプリングプレート、本体、及び第2の本体を示す。
図7B】代替的なスプリングプレート、本体、及び第2の本体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付の図面に例示した例が詳細に参照される。可能な限り、同じ参照番号が、同じ又は同様の部品を参照するために図面を通じて使用されることになる。
【0013】
軽量性、一体的なアセンブリ、及び高密度な実装という1つ以上の目標を満たすために、いくつかの切り替え可能ロッカーアームが図示されている。そのような切り替え可能ロッカーアーム1~4は、ロッカーシャフトを中心に回転するように構成された本体10、11を備えることができる。本体10、11は、バルブ端部102とカム端部130を含むことができる。バルブ端部102は、バルブステム又はバルブブリッジに作用するためのナックルを含んでいてもよいし、あるいはバルブ端部102は、ラッシュ調整、エンジンブレーキなどの機能のためのカプセル又はスピゴットのためのソケット111を含んでいてもよい。図示されるように、ソケット111は、ラッシュピン112と、ラッシュナット113と、eフット(エレファントフット)114と、を含む。カム端部103は、少なくとも1つのピストン孔135、136を含むことができる。好ましくは、カム端部103は分岐することで、2つのピストン孔135、136を提供する。そして、第2の本体21~24は、カム端部103の分岐部の間で選択的に枢動するように着座させられていてよい。
【0014】
第2の本体21~24は、ピボット部2140、2240、2340、2440と、カムを受ける伝達部2130、2230、2330、2430と、伝達部を貫通するラッチ孔2132と、を含むことができる。ラッチ孔2132内にはラッチアセンブリ60が装着されている。少なくとも1つのピストン孔135、136内には、ピストンアセンブリ50が装着される。
【0015】
本体10、11は、中空部を含むようにすることで軽量化できる。ロッカーシャフト孔101が含まれてよく、ロッカーアーム1~4をロッカーシャフト上で方向付けるためのブッシングを有していても、有していなくてもよい。ロッカーシャフトは、ピストンアセンブリ50を制御するために液圧流体を供給することができる。液圧アセンブリ150は、液圧ポート151、液圧供給部152、液圧出口153、154、及び任意選択的なリークポート155を有して構成することができる。
【0016】
切り替え可能ロッカーアーム1~4は、第1のピストン孔135及び第1の端壁133を含む第1のアームボーダー部131と、第2のピストン孔136及び第2の端壁134を含む第2のアームボーダー部132と、を形成するように分岐したカム端部103を備えることができる。第1の端壁133及び第2の端壁134は、図示のように、第1のピストン孔135及び第2のピストン孔136に嵌め込まれた、第1のピストンブッシング53及び第2のピストンブッシング54を含むように形成することができる。あるいは、第1及び第2の端壁が第1のアームボーダー部131及び第2のアームボーダー部132と一体的に形成されるように、1つ又は両方の第1のピストン孔135及び第2のピストン孔136をブラインド孔として形成することができる。他の任意選択的な事項として、第1のアームボーダー部131及び第2のアームボーダー部132には、締結具レセプタクル161、162、又は、スプリングプレート31若しくは32を固定するための任意選択的な位置合わせポスト若しくは他の機構が形成されていてもよい。
【0017】
ピストンアセンブリ50は、第1のピストン孔135内に着座した第1のピストン51と、第2のピストン孔136内に着座した第2のピストン52と、を含むことができる。切り替え可能ロッカーアーム1~4は、液圧流体を第1のピストン孔135及び第2のピストン孔136に供給するように構成された液圧供給部152を、本体10、11内に備えることができる。液圧供給部152は、第1のピストン孔135及び第2のピストン孔136と流体連通する液圧出口153、154を含むことができる。1つの選択肢として、第1のピストン孔135及び第2のピストン孔136を通して、リークポート155がクロスドリル加工(cross-drilled)されていてもよい。そして、第1のピストンブッシング53及び第2のピストンブッシング54は、加圧流体を集めるためのオイルカップ531、541と、ピストン51、52を制御するための液圧制御流体を受け入れるようにクロスドリル加工されたオイル供給部532、542と、を更に含むことができる。第1のピストンブッシング53及び第2のピストンブッシング54は、ピストン端部515、516に対する移動制限部として機能する、内壁534、544を含むことができる。任意選択的に、グランド又は他の溝又はポートが、液圧制御流体の分配を容易にするために、第1のブッシング53及び第2のブッシング54、並びにピストン51、52に含まれていてもよい。内壁534、544は、任意選択的に、ブラインド孔式の変更例のピストン孔の一部であってもよい。
【0018】
ピストン51、52は、ピストンフェーシング511、521を有するピストン体510、520を含むことができる。任意選択的な突起512、522又はノーズを、ピストンフェーシング511、512に含めることができる。突起512、522は、移動制限部2161、2162と協働する移動停止部として機能できる。ピストン体510、520には、圧力チャンバ513、523が含まれていてもよい。ピストン51、52の直径を小さくすることにより、液圧制御流体の体積を減らし、高応答時間で作動させることが可能となる。
【0019】
オーバーヘッド・リアクション・バーに代えて、伝達部2130、2230、2330、2430の上に、ロストモーションスプリング40を装着することができる。ロストモーションスプリング40は、伝達部2130、2230、2330、2430の全体に対してバランスをとった慣性中心を有することができる。スプリングプレート31、32をカム端部103に固定して、ロストモーションスプリング40を着座させることができる。第1のスプリング端部41は、第2の本体21~24の一部に対して付勢されてよく、第2のスプリング端部42は、スプリングプレート31、32に対して付勢されてよい。これにより、第2の本体21~24は、ラッチアセンブリ60がピストン孔135、136内にラッチ係合できる位置に向かって付勢される。
【0020】
スプリングプレート31、32は、分岐した本体に結合するように構成されたスプリングプレート端部311、312又は321、322を含むことができる。例えば、第1及び第2のアームボーダー部133、134は、ねじ又はリベットなどの締結具61、62を受容するための締結具レセプタクル161、162を含む。あるいは、溶接を用いてスプリングプレート31、32を固定してもよい。あるいは、プロング、ピン、ねじなどが、ナット又はキャップを受けるように、第1及び第2のアームボーダー部133、134から突出していてもよい。スプリングプレート31、32は、第2のスプリング端部42を位置決めするための任意選択的な突起又は溝を有する、ロストモーション着座部33を含むことができる。連続したシート材料の代わりに、ケージアーム323、324を有するケージ構成を有することができる。ロストモーションスプリング40のばね力のための軌道を提供するために、スプリングプレート31は、正方形状の構成(図1図2図4A図6A図6C)では直線的であってもよいし、又はスプリングプレート32は、角度をつけた構成(図7A図7B)では斜めになっていてもよい。
【0021】
伝達部2130、2230、2330、2430は、ベアリングアクスル2131と、ベアリングアクスル2131上で回転するように装着されたローラーベアリング2134と、を含むことができる。ローラーベアリング2134とベアリングアクスル2131との間に、任意選択的なニードルベアリングを含めてもよい。ベアリングアクスル2131と一体化されたスライダパッドが代替例である。ベアリングアクスル2131は、ラッチ孔2132を含むことができる。ラッチアセンブリ60は、ラッチ孔2132の外側へ付勢された第1のラッチ61及び第2のラッチ62を含むことができる。1つのピストン51又は52のみが使用される場合、1つのラッチ61又は62のみが必要とされると考えられる。1つのラッチ61又は62を1つのピストン51又は52の方向に付勢するために、ブラインド孔、スナップリング、ブッシング、又は他のステーを使用することができる。しかし、図示のように、ラッチスプリング615によって、ラッチ端部613、623を押し離して、ラッチ空洞616を形成することができる。ラッチスプリング615は、ラッチ体611、621内のスプリングカップ614、624内に着座することができる。ラッチフェーシング612、622は、ピストン51、52に面することにより、液圧制御流体を用いてラッチスプリング615を縮め、ラッチ端部612、623が当接させられるまで、ピストン51、52をピストン孔135、136内に押し込むことができる。ラッチ61、62には、ブッシング、キャストウォール、スナップリングなどの他の移動制限部を使用してもよい。この構成では、液圧制御流体を使用しない、乾式のラッチ孔2132を設けることが可能である。第2の本体21~24は、ピストン孔135、136若しくは本体10、11内の液圧供給部を介して潤滑されてもよく、又は全く潤滑されなくてもよい。回転カムは、本体10、11を介して潤滑される一方で、第2の本体21~24を介しては潤滑されなくてもよく、これにより、第2の本体21~24はより軽量化され、単純化される。
【0022】
第1の構成では、第2の本体21は、ピボットアクスル143を介してピボットマウント141、142に結合することができる。枢動領域140は、カム端部103の近くにあり、第2の本体21のピボット部2140に接続する本体10の一部によって形成される。第2の本体21は、ピボットアクスル143に接続するためのピボットマウント2141、2142を含むことができる。伝達部2130は、ベアリングアクスル2131のフレームを形成するように構成された凹状体211を含むことができる。ベアリングアクスル2131の端部2135、2136は、ベアリングスロット216、217内に固定することができる。凹状体は、伝達部2130の上方に架け渡され、ロストモーションスプリング40を着座させるための接続梁212、213を含むことができる。接続梁212、213からは、ストラット214、215が、ベアリングスロット216、217を含むように延びることができる。任意選択的なプラットフォームソケット218、219が、ストラット214、215又は接続梁212、213から延び、スプリングプラットフォーム2131のための枢動箇所を形成することができる。スプリングプラットフォーム2131は、任意選択的なスプリングガイド2132(代替的には、溝又は他のガイドであってもよい)により、ロストモーションスプリング40を着座させることができる。プラットフォームガイド2133、2134は、プラットフォームソケット218、219内に延びて、スプリングプラットフォーム2131を枢動させることができる。プレート部2135は、ロストモーションスプリング40が収縮するとき(図4BB)、又はラッチ位置(図2)に戻る方へ伸長するとき、枢動又は揺動することができる。したがって、伝達部2130は、ロストモーションスプリング40を着座させるように構成することができる。第2の本体21は、ピボット部140につなぎ止められるように構成され得る。第2のアーム21は、凹状体211と、第2のピボット部2140と、接続梁212、213とを形成するスタンピング加工されたシートを含むことができる。
【0023】
図2は、ラッチアセンブリ60のラッチ位置を示す。図4AAはラッチ解除位置を示し、図4B及び図4BBはロストモーション位置を示す。図4Aは、ラッチアセンブリ60がラッチ位置とラッチ解除位置との間で移動可能である位置を示す。これらのラッチ位置は、図5A図7Bの第2の本体22~24で使用することができ、ここで、図7Bは、中空のローラーベアリング2134の断面を有する更なるロストモーション位置を示す。
【0024】
図5A及び図5Bにおいて、伝達部2230は、ベアリングアクスル2131のフレームを形成するように構成された凹状体221を含むことができる。この凹状体221は、下側(スプリングプラットフォーム2131に対する第2の側)からローラーベアリング2134のフレームを形成する、接続梁222、223を有して構成される。ストラット224、225は、ベアリングスロット226を含む。ベアリングアクスル2131のドロップイン式の組立方法を更に促進できる。接続体228が凹状体221から延びている。接続体228からはサイドアーム2282、2283が延びており、サイドアーム2282、2283は、ロッカーシャフトベアリングの形態のピボットマウント2241、2242を含むことができる。ピボット部2240のピボットマウント2241、2242は、ロッカーシャフトが本体11及び第2の本体22の両方のピボット位置として機能できるように、ロッカーシャフト孔101と同じ位置に配置される。第2の本体22は、スタンピング加工されたシート材料から形成することができるため、非常に軽量である。低コスト化を達成できる。伝達部2230は、ロストモーションスプリング40を着座させるように更に構成することができる。スプリングプラットフォーム2231は、任意選択的なスプリングガイド2232を有するプレート部2237を含むことができる。プレート部2237からは、プラットフォームベアリングスロット2235を有するプラットフォームストラット2233、2234が延びていてよい。スプリングプラットフォーム2231は、ベアリングアクスル2131上に載せることができる。プラットフォームベアリングスロット2235は、ベアリングアクスル2131を留めるように設計することができる。したがって、第2の本体22は、ピボット部2240、ここではロッカーシャフトに、つなぎ止められるように構成することができる。ピボット部2240は、ロッカーシャフトを中心に回転するように構成されたピボットマウント2241、2242として、一対のロッカーシャフトベアリングを含むことができる。第2のアーム22は、凹状体221、ピボット部(ピボットマウント2241、2242)、及び接続体228を形成するスタンピング加工されたシートを含むことができる。接続体228は、ロッカーシャフト孔101とカム端部103との間の本体11の部分に架け渡されてよい。スプリングフレーム(スプリングプラットフォーム2231)は、第1の側から伝達部2230を覆うことができ、第2の本体22は、第2の側から伝達部2230を覆う凹状フレーム221を含むことができる。
【0025】
図6A及び図6Bにおいて、伝達部2330は、ベアリングアクスル2131のフレームを形成するように構成された凹状体231を含むことができる。この凹状体231は、上側(スプリングプラットフォーム2231に対する第1の側)からローラーベアリング2134のフレームを形成する接続梁232、233を有して構成される。ストラット234、2324、235、2325が、ビーム239、2329に取り付けられ、ベアリングスロット236を形成する。ベアリングアクスル2131のドロップイン式の組立方法を更に促進できる。接続体238が凹状体231から延びている。ブラケット2381が、本体11の一部を覆って上向きに延びている。接続体238のブラケット2381からはサイドアーム2382、2383が延びており、サイドアーム2382、2383は、ロッカーシャフトベアリングの形態のピボットマウント2341、2342を含むことができる。ピボット部2340のピボットマウント2341、2342は、ロッカーシャフトが本体11及び第2の本体23の両方のピボット位置として機能できるように、ロッカーシャフト孔101と同じ位置に配置される。第2の本体23は、スタンピング加工されたシート材料から形成することができるため、非常に軽量である。低コスト化を達成できる。伝達部2330は、ロストモーションスプリング40を着座させるように更に構成することができる。スプリングプラットフォーム2231は、上記のように構成することができる。スプリングプラットフォーム2231は、ベアリングアクスル2131上に載せることができる。プラットフォームベアリングスロット2235は、ベアリングアクスル2131を留めるように設計することができる。したがって、第2の本体23は、ピボット部2340、ここではロッカーシャフトに、つなぎ止められるように構成することができる。ピボット部2340は、ロッカーシャフトを中心に回転するように構成されたピボットマウント2341、2342として、一対のロッカーシャフトベアリングを含むことができる。第2のアーム23は、凹状体231、ピボット部(ピボットマウント2341、2342)、及び接続体238を形成するスタンピング加工されたシートを含むことができる。接続体238は、ロッカーシャフト孔101とカム端部103との間の本体11の部分に架け渡されてよい。スプリングフレーム(スプリングプラットフォーム2231)は、伝達部2330に当接するためのプラットフォームストラット2233によって形成された第1のプロングと、伝達部2230に当接するためのストラット2234によって形成された第2のプロングと、第1のプロングと第2のプロングとの間に架け渡されたプレート部2237によって形成されたスプリング着座部と、を含むことができる。スプリングフレーム(スプリングプラットフォーム2231)は、第1の側から伝達部2230を覆うことができ、第2の本体23は、第1の側から伝達部2230を覆う凹状フレーム231を含むことができる。
【0026】
本体10は、第2の本体24と共に使用することができる。ピボット部140は、ロッカーシャフト孔101の近くにあってもよいが、ロッカーシャフト孔101と重ならない。材料の使用効率から、第2の本体24はロッカーシャフト孔101の下から、ある角度で離れるようにされてもよい。そして、スプリングプレート31は、ある角度に固定されるか、又は傾けられ、これにより、ロストモーションスプリング40がラッチ孔2132を付勢して、ラッチ51、52とピストン孔135、136とが位置合わせされるように、スプリングプレート31が、ロストモーションスプリング40を位置決めするようにされてよい。蓋320は、蓋310と同様に、スプリングガイド33を形成することができる。スプリングプレート32の角度に合わせるため、第2の本体24の凹状体241は、角度を付けたスプリングプラットフォーム2431を含むことができる。また、ストラット224、225も角度を付けられていてよい。伝達部2430は、ベアリングアクスル2131のフレームを形成するように構成された凹状体241を含むことができる。伝達部2430は、ロストモーションスプリング40を着座させるように構成することができる。第2の本体24は、ピボット部2440につなぎ止められるように構成することができる。ピボット部2440は、ピボットアクスル143を介して一対の第2のピボットマウント2441に接続された一対の主ピボットマウント141を含むことができる。第2のアーム24は、凹状体241、ピボット部(第2のピボットマウント2441)を形成するスタンピング加工されたシートを含むことができる。
【0027】
凹状体211、221、231、241にはスタンピング加工されたシートの成形が使用されるが、これらの構成要素を形成するために、機械加工、冷間成形、鋳造などの他の技術を用いることができる。鋳造の場合、インサート及びアタッチメントを、ブッシング、ベアリング、又はリテーナとして使用することができる。
【0028】
他の実装は、本明細書で開示された例の仕様及び実践を考慮することにより、当業者には自明であろう。
図1
図2
図3
図4A
図4AA
図4B
図4BB
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B